【今回レビューする内容】 2023年 最新ハンディカメラの性能とおすすめ・選び方:子供撮り:4K・フルHD対応:旅行・運動会・スポーツ・ペット撮りほか、機種の違いと性能ランキング
【比較する製品型番】SONY ハンディカム HDR-CX470 W B HDR-CX680 W R TI FDR-AX45A BC TIC FDR-AX60 FDR-AX700 PXW-Z90 パナソニック HC-V495M-K HC-W590MS-W HC-W590MS-T HC-VX992MS-W HC-VX992MS-T HC-VX992MS-R HC-VX2MS-K HC-X1500 HC-X2000 JVC teamnote cam GY-TC100 ZOOM Handy Video Recorder Q8n-4k
今回のお題
旅行や運動会に向くビデオカメラのおすすめはどれ?
ども、Atlasです。
今日は、2023年9月現在、最新のビデオカメラの比較です。
子ども撮りから旅行まで、家庭用として便利に使えるモデルを探します。
とくに、撮像素子のサイズや、手ぶれ補正の精度など、主に画質にかかわるスペックに注目しています。
初心者向きのフルHD機から、4Kに対応する画質を重視した上級機まで扱います。
1・ビデオカメラの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:ソニー〈日本〉
1-3:パナソニック〈日本〉
2・ビデオカメラの比較 (2)
2-1:KEIYO〈日本〉
2-2:JVC〈日本〉
2-3:ZOOM〈日本〉
2-4:プロ用カメラ〈各社〉
3・ビデオカメラの比較 (3)
=最終的なおすすめの提案【結論】
記事では、「選び方の基本」をはじめに説明します。
その後、2大メーカーと言えるソニー・パナソニックどから、メーカー順に製品をみていきます。
なお、ビデオカメラでも、GoPro製品など、小型のビデオカメラは、記事を分けました。
以上のリンク記事で、別にフォローしています。
そちらも、最新機をフォローしていますので、よろしければご覧ください。
画質(手持ち撮影)★★★★★
画質(三脚の利用)★★★★★
ズーム倍率 ★★★★★
バッテリーの量 ★★★★★
スマホとの連携 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
また、本文読んでみて、細かいスペックの意味が分からなかった方についても、最後に「結論」として、上表のようなポイントから、Atlasのおすすめ機種!をいくつか提案します。
安心してお読みいただければと思います。
よろしくお願いします。
1-1・ビデオカメラの選び方の基本
はじめに、ビデオカメラの「選び方の基本」の説明からです。
家庭用の場合、4K動画への対応が、近年目を引く最大の特長です。
高画質機はほぼ「対応」してきましたが、ただ、これだけを基準に選ぶのは、Atlasとしては、あまりおすすめできません。
なぜなら、4K対応高画質機は、画質が良い反面、ズーム力が劣ったり、本体が重かったりする場合があるからです。
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結論的にいえば、後悔せずに最適なビデオカメラを選ぶ場合に「ポイント」となるのは、次の3点です。
1・撮像素子のサイズ
第1に、撮像素子のサイズ(画質)です。
ビデオカメラは、光を電子データに変換する撮像素子というセンサーがあります。
デジカメの場合と同じで、このサイズが大きいほど、多く光を取り込めるため、高画質の動画が撮れます。
例えば、1型の撮像素子は、1/5.8型の撮像素子よりも、基本となる画質は上位です。
ちなみに、しばらく前まで、熊本地震の影響で1/5.8センサーが品薄で、1/2.5型を(利用範囲を1/5.8と同等にして)代用的に使っていました。
画質は基本同じでしたが、バッテリー持続時間で少し不利だったのですが、現行機だと、既に元に戻っています。
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いずれにしても、今回の記事では、フルHD/4Kという区分だけでなく、この点にも注目して画質の比較をしたいと思います。
2・ズーム倍率と手ぶれ補正・AF
第2に、ズーム倍率・手ぶれ補正・AFです。
ズーム倍率は、運動会など遠くから撮影する場合、ある程度のズーム倍率ないと「不便」です。
しかし、冒頭に示したように、4K動画対応機は、ズームの倍率が下位機よりも低く、機種によって刃ですが運動会などに向かない場合もあります。
手ぶれ補正も、ズーム倍率が高い機種は総じて手ぶれしやすくなるため、「子ども撮り」を考える場合に重要です。
高級機は、「空間光学式」など動画専用に開発された最先端の補正技術が搭載されます。
AF(オートフォーカス)も、動く被写体の場合、重要です。
運動会など、被写体の「顔」を認識してピントを合わせて、動く被写体を追いつつ、追尾させたい場合、この部分性能が重要になります。
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そこで、今回の記事では、子ども撮りに向く下位機種について、これらの2点に特に注目して比較します。
3・バッテリーの持続時間と価格
第3に、バッテリーの持続時間とバッテリーの価格です。
こちらの部分は、ビデオカメラを選ぶ場合、意外と軽視してしまいがちです。しかし、ビデオカメラは長くても1時間強の撮影時間でバッテリーが終わります。
運動会などでは予備バッテリーが必須です。格安の「互換バッテリー」もありますが、Atlasの経験上、数回の充電で「満了充電できなくなる」などリスクがあります。
そこで、今回は、純正バッテリーの価格も紹介し、総コストが分かるように比較しました。
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以上、ビデオカメラを選ぶ場合に基本とするべき3点について書いていました。
以下の記事では、これらに注目しながら、最新のビデオカメラを比較していきます。
1-2・ソニーのビデオカメラ
はじめに、ソニーの「ハンディカム」シリーズです。
光学センサーを自社生産できる利点を活かし、良い機種を多く出す企業です。
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以下では、いつものように、Atlasのオススメポイントは赤系の文字色で、イマイチな点は青字で記載していきます。
【2017年発売】
1・SONY HDR-CX470 W
2・SONY HDR-CX470 B
¥40,400 Amazon.co.jp (9/13執筆時)
画質:フルHD
撮像素子: 1/5.8型(裏面照射形)
画素数(動画):229万画素
ズーム:30倍
焦点距離: 26.8-804.0mm
手ぶれ補正: 光学式
AF:
タフネス:
記録:内蔵32GB+microSDカード
バッテリー:1時間15分
ネットワーク:
重量: 215g(バッテリー含む)
HDR-CX470は、ソニーのハンディカムシリーズの入門機です。
解像素は、フルHDです。
フルHDで、60フレーム/秒まで撮れる一般的な仕様です。
本体の重さは、215gです。
4Kに対応するような上位機種と比べると、サイズがコンパクトで軽量な製品です。
大きめのスマホと、ほぼ重さは変わらないといえます。
ズーム倍率は、30倍です。
ライバル社(パナソニック)に比べると、軽量化重視で倍率自体は「並」です。
ただ、一般的な利用だと十分で、運動会にも対応できます。その上で、広角側の画角が若干広いので、、風景や建物の撮影などを「引いて」広範囲に撮るのは得意です。
手ぶれ補正は、光学式です。
今どきだとスマホでも使われる普通の「手ぶれ」です。この部分は強力ではないので、手持ちでは「ブレ」やすいでしょう。
撮像素子は、1/5.8型です。
入門機では一般的なサイズで、問題ないです。
自社の裏面照射形のCMOSセンサーで、夜間撮影などの条件の悪い撮影は得意です。
搭載されるマイクは、搭載です。
2chながらドルビー対応です。
液晶パネルは、3.0型の46万ドットです。
クリアフォト液晶(光沢あり)でクラス標準のものが搭載されます。
なお、タッチパネルは採用されませんので、若干不便です。
オートフォーカス(ピント合わせ)は、イマイチです。
ただ、入門機ということもあり、顔レベルの認識は無理(人体レベル)です。
動く被写体を追尾しつつピントを合わせる機能(ロックオンAF)がないため、動く被写体に弱いです。
「おまかせオート」で普通に撮る分にはあまり気にならないかもしれませんが、ここは、上位機との差となります。
ネットワーク機能は、未装備です。
転送は、micro-SDカードを通して行うことになります。
SONY バッテリーパック NP-BX-1
¥4,850 楽天市場 (9/13執筆時)
付属バッテリーは、実撮影時間が55分とかなり短いです。
多くの方には、別売の予備バッテリーが必須です。
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以上、SONYのHDR-CX470の紹介でした。
軽量でスリムな機種として魅力があります。
ただ、手ぶれ補正・オートフォーカスの弱さと、バッテリーの短さは、実用を考えるとあまり「おすすめ」とは言えなそうです。
【2017年発売】
3・SONY HDR-CX680 W
4・SONY HDR-CX680 R
5・SONY HDR-CX680 TI
¥59,791 Amazon.co.jp (9/13執筆時)
画質:フルHD
撮像素子: 1/5.8型(裏面照射形)
画素数(動画):229万画素
ズーム:30倍
焦点距離: 26.8-804.0mm
手ぶれ補正:空間光学式
AF:ファストインテリジェントAF
タフネス:防塵性能
記録:内蔵64GB+microSDカード
バッテリー:1時間15分
ネットワーク:Wi-Fi
重量: 355g(バッテリー含む)
HDR-CX680は、ソニーの中級機です。。
解像素は、こちらもフルHDです。
本体の重さは、355gです。
下位機種ほどは、軽量でないです。
ズーム倍率は、30倍と下位機種と同率です。
撮影範囲も下位機種と変わりません。
手ぶれ補正は、一方、空間光学手ブレ補正が搭載されます。
ソニーのビデオカメラの「売り」の部分です。
レンズ全体を中空に浮いているように保つことで、動画撮影に多いこまかいブレを吸収する仕組みです。手持ち撮影ではかなりの威力を発揮します。
オートフォーカスも、見所です。
本機は、ファストインテリジェントAFが搭載です。
同社のデジカメにも採用される中級の技術で、コントラスト式AFの改良版です。
下位機よりピントが速く合うので、運動会などにも強いでしょう。
一方、ピントは、はっきりと「顔」とは書きませんが、「顔あたり」の認識は可能です。
そのため、顔と体にピントを合わせつつ追尾する、ロックオンAFが利用できます。
撮像素子は、こちらも、1/5.8型です。
マイクは、内蔵です。
ドルビー5.1ch記録に対応するほか、カメラズーム連動で、音声レベルを自動で調整する仕組みがあります。
基本となる、風ノイズ低減もありますし、実用性は高いです。
液晶パネルは、こちらも、3型の92万ドットです。
【実撮影時間5時間25分】
SONY NP-FV100A
¥20,550 Amazon.co.jp (9/13執筆時)
付属バッテリーは、1時間15分の撮影まで対応です。
しかし、上図の大容量バッテリーを利用することで、最大5時間10分のスタミナを得れます。
ネットワーク機能は、Wi-Fiを装備します。
スマホアプリは、Imaging Edge Mobile(旧名:PlayMemories Mobile)が用意されます。
動画の転送(MP4)や、リモート撮影などの設定も可能です。なお、デジカメと共通のアプリですが、そちらでできる機能の一部(位置情報の添付ほか)は未対応です。
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以上、ソニーのHDR-CX680の紹介でした。
手ぶれ補正が優秀なので、手持ちでの撮影メインの方の入門用として最適です。下位機種より、強力な手ぶれ補正があるため、実際撮れる映像は、(手ぶれが弱い他社機より)高品質でしょう。
倍率的にも、運動会まで対応できるので、「ファミリー用にオススメの一台」です。
【2022年発売】
6・SONY 4Kビデオカメラ FDR-AX45A BC
7・SONY 4Kビデオカメラ FDR-AX45A TIC
¥105,898 Amazon.co.jp (9/13執筆時)
画質:4K(30P)
撮像素子: 1/2.5型(裏面照射形)
画素数(動画):829万画素
ズーム:20倍
焦点距離: 26.8-536.0mm
手ぶれ補正:空間光学式
AF: ファストインテリジェントAF
タフネス:防塵
記録:内蔵64GB+SDカード
バッテリー:1時間20分
ネットワーク:Wi-Fi
重量: 560g(バッテリー含む)
FDR-AX45A は、ソニーのビデオカメラの上級機です。
解像度は、4Kです。
最高で30フレーム/秒ですが家庭用機だと他社もこの水準です。
フルHDならば普通に60Pですので、問題ないです。
本体の重さは、560グラムです。
4K機ですので重さはあります。パナソニック4K機と比べても、やや重めの水準です。
ズーム倍率は、光学20倍です。
4K対応機の場合、重さの関係もあり若干落ちます。
一方、電子ズームの部分に、TVでお馴染みの超解像技術も採用します。デジタルズームを使う場合など、ある程度まで効果的に画像をアップコンバートはしてくれます。
撮像素子は、1/2.5型 です。
こちらも、裏面照射型のExmor R CMOSセンサーですので、室内・夜間・逆光への対応力は、優れると言えます。
レンズは、高品質なドイツ製のカールツァイスのバリオ・ゾナーレンズを採用です。
4Kというハイスペックを活かすための調達です。
手ぶれ補正は、空間光学手ブレ補正が搭載です。
フルHD機の説明でもしましたが、レンズなど全体を中空に浮いているように保つことで、動画撮影に多いこまかいブレを吸収するという高度な仕組みです。
液晶パネルは、タッチパネル式です。
3.0型の46万ドット クリアフォト液晶と、クラス標準のものが搭載されます。
ファインダーは、ありません。
オートフォーカスは、ファストインテリジェントAFが搭載です。
先述のように、コントラストAFを独自に改良した同社の中級の技術です。
しっかり、ロックオンAFもあり、被写体を追尾してくれます
搭載されるマイクは、本機も、5.1ch記録対応の高品質なものです。
SONY NP-FV100A
¥20,550 Amazon.co.jp (9/13執筆時)
バッテリーは、添付の標準バッテリーで、実撮影時間が1時間15分です。
大容量バッテリーを購入すると、2時間20分となります。
割と長めですが、基本的に予備バッテリーを用意するのが基本です。
ネットワーク機能は、Wi-Fiを搭載します。
撮影機能は、多彩なエフェクトが特徴的です。
また、簡単にスローモーションが撮影できるハイスピード撮影など、下位機種より充実した面白い機能が多いです。
あとで見るパナソニック機は、4Kはかなり「ファミリー向け」です。
ソニーも、子ども撮りに向く機能を持ちますが、どちらかというと年配層や、部活などの先生が利用して便利な機能が、4K機には多い印象です。
「新・ハイライトムービーメーカー」も、ファミリー向けには強調できる製品です。
MP4形式で同時に記録をさせておき、撮影後、指定した「ハイライトポイント」ほか、ズーム情報や、色味解析からカメラが選んだ「決定的シーン」を自動的に抜き出し、ムービーの自動作成ができます。
ここまでは、カメラだけで可能です。
一方、専用PCソフト(PlayMemories Home)を使うと、それに簡単にBGMを付けられるので、そのまま、家族でみるなり、SNSに投稿するなりも可能です。
わりと、良くできた仕組みで、とくに色味解析とズーム解析で、同じシーンばかり抜き出すようなこともありません。精度を含めて、最近の技術進歩について感心しました。
なお、ソニーの4Kビデオカメラは、他社製でも使えますが、同社製のレコーダーとの相性(使い勝手)を考えた設計です。再生、ダビングともにそのように言えます。
一方、カタログだと対応するレコーダーの種類が古い(2017年機)で既に廃盤です。しかし、このブログの【ソニーのブルーレイレコーダーの比較記事】で書いた機種でも、同じことができるので、そのことは付記しておきます。
そのほか、本機は、防塵性能が明記されます。
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以上、ソニーのFDR-AX45Aの紹介でした。
他社に比べると、ピント合わせなどの自動調整メニューの使い勝手が良いのが特長です。
欲を言えば、もう少し倍率は欲しいところです。しかし、手ぶれなどの性能も良いですし、4Kでも裏面照射型レンズを採用するなど、カメラとしての基本部分を重視した堅実な4K機といえます。
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【2018年発売】
8・SONY 4Kビデオカメラ FDR-AX60
¥144,717 Amazon.co.jp (9/13執筆時)
画質:4K(30P)
撮像素子: 1/2.5型(裏面照射形)
画素数(動画):829万画素
画素数(写真):829万画素
ズーム:20倍
焦点距離: 26.8-536.0mm
手ぶれ補正:空間光学式
AF: ファストインテリジェントAF
タフネス:防塵性能
記録:内蔵64GB+SDカード
バッテリー:1時間5分
ネットワーク:Wi-Fi
重量: 585g(バッテリー含む)
なお、本機の上位機として、HDR-AX60の販売があります。
ただし、1つ上で見たHDR-AX45との違いは2点だけです。
第1に、フォーカスリングの搭載です。
マニュアルフォーカス(手動でのピント合わせ)のためのものです。
第2に、電子ビューファインダー(EVF)の搭載です。
ソニーの場合、このグレードからです。0.24型/155万ドットです。
最近は高級機だとOLEDが多いですが、こちらは液晶となります。
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結論的にいえば、こうした装備が必要なハイアマチュア向けの製品ですので、必要に応じて選んでください。重さは差ほど変わりませんので。
【2017年発売】
9・SONY 4Kビデオカメラ FDR-AX700
¥212,121 Amazon.co.jp (9/13執筆時)
画質:4K(30P)
撮像素子: 1型(裏面照射形)
画素数(動画):1420万画素
ズーム:12倍
焦点距離: 29-348.0mm
手ぶれ補正:光学式
AF:ファストハイブリッドAF
タフネス:
記録:
バッテリー:
ネットワーク:Wi-Fi
重量: 985g(バッテリー含む)
FDR-AX700 は、ソニーの4K対応ビデオカメラのハイエンド機です。
本体の重さは、標準バッテリー込みで985gです。
フォーカスリングやファインダを搭載しつつ、大きな撮像素子を搭載するので、このくらいの重さにはなるでしょう。
ビデオカメラの撮影環境を考えると、長時間なら、三脚を利用することが前提です。
サイズも、幅11.6×高さ89.5×196.5mmと結構あります。
ズーム倍率は、光学12倍です。
ズーム倍率は、画質を重視する場合、ある程度妥協しなければいけません。
無理に搭載すると、本体が重くなりますので。
電子ズームは、160倍ですが、画質は粗くなります。
全画素超解像ズームを用いると、高度なソフト的な処理で画質の劣化をおさえつつ、18倍までのズームは可能です。
撮像素子は、裏面照射型の1.0型積層型Exmor R CMOSセンサです。
撮像素子の大きさは、なにより、高画質であることを示します。
高画質なデジカメ並みで、画質は明確に上位でしょう。
三脚で固定して風景などの4K映像を長時間撮影するなどの場合、美麗な映像が撮れそうです。
レンズも、ドイツのカールツァイスのバリオ・ゾナーレンズを採用します。
手ぶれ補正は、ただ、通常の光学式になります。
下位機種採用の空間光学式は、ソニーによれば「(通常の)15倍ぶれない」品質となります。しかし、こちらは「10倍ぶれない」と表現されます。
こうした高画質機は、用途的に固定撮影が多いでしょう。そうでない場合は必要に応じて、スタビライザーなどで対応、ということになります。
液晶パネルは、3.5型の91万ドットです。
下位機種よりも大きめで、詳細です。こちらもタッチパネル式です。
ファインダーは、付属します。
0.39型・236万ドットのOLEDであり、品質もそれなりに良いです。
ズーム状態やF値などの画像情報が高精度で表示できるTru-Finderですので、使い勝手が良いです。
オートフォーカスは、一方、ファストハイブリッドAFです。
同社の(写真用)カメラでもお馴染みの仕組みで、合焦速度が速いです。
位相差AF(測距点273点)とコントラストAFを併用するハイブリッド型になります。
被写体の追随性が良いので、動く被写体に一際強いです。
しっかり顔を認識し、動体を追っていきます。
なお、【写真用デジタルカメラの比較記事】で詳しく書いたように、そちらの最高級品だと、すでに動物や乗り物の追尾フォーカス、瞳の認識もできます。
ただ、本機は2017年の発売で、新規が出ていないため、その部分は弱めです。とはいえ、動画なので、そこまでの処理は不要ということかもしれません。
搭載されるマイクは、ドルビー対応ですが、2chです。
基本的には、外部マイクを使うようなかた前提の機種でしょう。
【実撮影時間130分】
SONY NP-FV100A
¥20,550 Amazon.co.jp (9/13執筆時)
バッテリーは、付属のものだと、実撮影時間95分、大容量バッテリー使用時で約最大120分です。
このあたりは、下位機より短くなっています。性能が良いので仕方ないでしょう。
ネットワーク機能は、Wi-Fiを搭載します。
下位機種同様に、スマートフォンへの転送などもできます。
一方、本機は、防塵性能は明記されません。
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以上、ソニーのFDR-AX700 の紹介でした。
なによりも、撮像素子がひときわ大きい点が換えがたい魅力です。
中級者以上で、高画質面を狙う場合相当有利です。例えば、環境映像などの撮影用に高画質機を狙っている方も、選んで後悔はないでしょう。
1-3・パナソニックのビデオカメラ
続いて、パナソニックのビデオカメラです。
特にブランド名は付けていませんが、ソニーと並ぶ人気メーカーです。
こちらも、フルハイビジョン画質の製品から、4K機へという順番で紹介します。
【2023年発売】
10・パナソニック HC-V495M-K
¥63,493 Amazon.co.jp (9/13執筆時)
画質:フルHD
撮像素子:1/5.8型(高感度)
画素数(動画):220万画素
ズーム:50倍
焦点距離:28.0-1740mm
手ぶれ補正:ハイブリッド式
AF:HDハイプレシジョンAF
タフネス:
記録:内蔵32GB+SDカード
バッテリー:1時間5分
ネットワーク:
重量: 309g(バッテリー込)
HC-V495M-Kは、パナソニックの入門機です。
重さは、標準バッテリー込みで309gです。
サイズは、60×62×129mmです。
ズーム倍率が高い部分もあり、入門機としてはサイズと重さはあります。
しかし、それでも、一般的に言えば、軽量・小型です。
ズームは、50倍(デジタルで90倍)です。
ソニーの入門機は30倍でしたので、ズーム力はパナソニックの方が強力です。
軽量機で高倍率ズームを搭載できるのは、駆動するレンズ群を3つにするとい独自技術を採用しているからです。
ただし、ワイド側(=広く撮影できる1倍ズーム側)の画角は28.0mmです26mmのソニーのほうがやや広範囲に撮影できます。
旅行で風景を移す際などは、2ミリの差は多少は感じるでしょう。
手ぶれ補正は、5軸式のハイブリッド手ぶれ補正です。
かなり昔からの技術ですが、電子式と光学式を併用しつつ高度にブレを補整します。
手持ちの場合、ソニーの空間光学式手ぶれ補正に定評がありますが、この方式も悪くないです。
そのほか、「手ぶれロック」が付属です。いわば「手ぶれの強度の自動調整機能」で、強弱が自動で調整される点では便利です。
液晶モニターは、3型液晶モニター(約47万ドット)です。
入門機として標準的なものです。
オートフォーカスは、HDハイプレシジョンAFという名前です。
こちらの場合、顔レベルの認識ではないですが、動体をしっかり追尾します。
顔認識は、オート撮影時は認識可能(最大5人)です。ただ、運動会などで、追尾する際、顔を認識して追うような仕様ではないです。
とはいえ、本機は入門機で自動(おまかせiA・iA+)撮影で利用する方が主でしょうし、この水準があれば、十分です。
このほか、運動会などの際、手持ち撮影時に傾いて撮影してしまった画像を自動で補正する「傾き補正」が注目に値します。
実際、この機能は実用性が高いです。
上位の同社の4K機を含めて、全機に搭載される「売り」の機能です。
撮影素子は、1/5.8型です。
フルHD水準のカメラとして平均的なものです。
ソニーの「裏面照射型」に相当する高感度CMOSセンサーを採用し、夜間撮影にも高度に対応します。
ネットワーク機能は、Wi-Fiが搭載です。
撮影した動画を外出先で転送してスマホ経由でアップロードするなどに使えます。
iOSもAndroid対応のアプリ(Panasonic Image App)を通して、SNSなどに直接アップロードする機能が「売り」です。
アプリ上で(自動で)ハイライト編集して、画像をコンパクトにして転送してくれるので、わりと賢いと言えます。
そのほか、スマホに撮影中の画像を転送し、外部ファインダとして利用する機能などがあります。
マイクは、2chステレオマイクです。
ソニーと違い、5.1chサラウンドは対応しません。ただ、ズームマイクは同様に搭載で、カメラズーム連動で、音を調整してくれます。風切り音の低減機能もあります。
Panasonic VW-VBT380-K
¥10,879 楽天市場 (9/13執筆時)
付属バッテリーは、同梱のバッテリーパックを使う場合、1時間10分です。
別売の大容量パックVW-VBT380-K を使うと、約1時間55分です。
防塵性能は、ないです。
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以上、パナソニックの HC-V360Mの紹介でした。
価格的に言って、ソニーの(フルHDの)中級機がライバルでしょう。
比較する場合、50倍ズームが魅力です。それをフォローする、5軸式のハイブリッド手ぶれ補正もそれなりに強力なので、ズーム重視派には最適な一台です。
カメラにおまかせで撮影するオートモードも充実するため、ファミリー向けとして「良い機種」に思います。アプリの使い勝手も上々です。
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【2021年発売】(在庫限り)
11・パナソニック HC-W590MS-W
12・パナソニック HC-W590MS-T
¥59,800 Amazon.co.jp (9/13執筆時)
画質:フルHD
撮像素子:1/5.8型(高感度)
画素数(動画):220万画素
ズーム:50倍
焦点距離:28.0-1740mm
手ぶれ補正:ハイブリッド式
AF: HDハイプレシジョンAF
タフネス:
記録:内蔵64GB+SDカード
バッテリー:1時間10分
ネットワーク:Wi-Fi
重量: 309g(バッテリー込)
なお、パナソニックの2Kモデルについては「在庫限り」ですが、HC-W590Mもあります。
機能面では、先ほどの機種とほぼ同じです。
しかし、こちらのみワイプ撮りに対応していました。
メインカメラの他に補助的なサブカメラが付いており、別アングルの小写真が挿入するものです。
サブカメラほか、スマホからWi-Fi経由で写真を取り込むことも可能で、上図のように、子画面を2つにもできます。
あとの部分は、ほぼ変わりません。
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結論的にいえば、新機種だけの機能というものもないですし、重さも変わらないので、在庫があるうちは、こちらを選んでもOKに思います。
【2021年発売】
13・パナソニック HC-VX992MS-W
14・パナソニック HC-VX992MS-T
15・パナソニック HC-VX992MS-R
¥76,200 Amazon.co.jp (9/13執筆時)
画質:4K(30P)
撮像素子:1/2.3型
画素数(動画):829万画素
ズーム;20倍
焦点距離:30.8-626mm(4K時)
手ぶれ補正:ハイブリッド式
AF: 4KハイプレシジョンAF
タフネス:
記録:内蔵64GB+SDカード
バッテリー:50分
ネットワーク:Wi-Fi
重量: 398g(バッテリー含む)
HC-VX992MSは、パナソニックの販売するビデオカメラの上位機です。
解像度は、4K画質(4K/30p)です。
ソニー機よりすこし安めの値段で4Kを出しています。
値段的にもファミリー向けで、「4K特有の映像美」より、4Kだからこそできる「多彩な編集機能」を重視している製品と言えます。
この部分の機能を、はじめに少し紹介してみます。
第1に、あとから追っかけです。
撮った後、帰宅後に映像のピント調整できる機能です。
これは、4K高解像度で撮影した現画像の解像度をフルHDに落とす(1080/30p)ことで、事後のピント調整を可能にする仕組みです
タッチパネルで簡単に調整できるのも売りです。
第2に、あとからスロー&クイックです。
同じダウンコンバートの仕組み(1080/30p)で、決定的シーンについて、スロー/クイックモーションの効果が追加できます。
同様に、クローズアップ・ズーム処理もあとからできます。
第3に、あとから手ブレ補正です。
こちらも 同じ仕組み(1080/30p)ですが、フルHDの4倍とという4Kソースを活かしたものです。
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結論的にいえば、多少価格は高くなるのですが、「後から機能」はどれも面白く、子ども撮りの「家庭用」として「あり」です。
本体の重さは、バッテリー込みで365グラムです。
4K対応機は、「しっかりとした重さ」があるものです。
しかし、本機は400gを切る重さで優秀といえるでしょう。
4Kは対応して欲しいが「重いのは勘弁」という方には、おすすめできます。
ズームは、20倍です。
ソニーもでしたが、フルHDより弱くなります。
画質と倍率を維持しようとすると、本体が重なるので、実用水準に止めています。
ただ、超解像度技術で画質劣化を防ぐという仕組みは同社にもありますし、20倍なら「子供撮り」でも問題ないでしょう。
手ぶれ補正は、本機も、5軸式のハイブリッド手ぶれ補正が搭載されます。
先述の「傾き補正」も搭載です。合わせれば、ソニーと比べても「勝るとも劣らない」とも言えます。
液晶モニターは、3型で解像度は約46万ドットです。
タッチパネルは搭載しません。
ファインダー(EVF)は、未搭載です。
ファミリー向けの展開ですので、なくても良いでしょう。
オートフォーカスは、4KハイプレシジョンAFを搭載です。
下位機種と同等でコントラストAFです。しかし 「微細駆動フォーカスユニット」を含めて、4K用に調整されています。
フォーカスロックなど、下位機に搭載される便利機能はこちらも搭載です。
撮像素子は、1/2.3型です。
有効面積も広がっているので、フルHDの下位機より画素面積が1.7倍です。
この部分で、画質のランクが「1つ上がり」ます。
一方、夜間・逆光などに強い高感度型CMOS(裏面照射型)かは未記載です。
おそらくそうではないでしょう。
ただ、この部分は、スマホでお馴染みのHDR合成技術を利用することで対処はあります。
ただ、ソニーの4K機と較べる場合、基本的には、「日中の室外で使いたい」機種とは言えそうです。言いかえれば、夜間は不得意でしょう。
撮影機能は、冒頭説明した諸機能のほか、スマホを利用するワイヤレスワイプ撮りに対応です。
ようするに、(家族が)スマホで撮った別角度からの写真を合成して「2画面表示」にする機能です。別々に撮るのと違い、両映像のタイミングが合うので、面白い映像が撮れます。
一方、処理力の限界で、4K撮影時の利用は無理ですが、最大3台までのスマホを登録し、2台まで切り替えて表示できます。
そのほか、ソニー同様に、スロー撮影(ハイスピード撮影)にも対応します。
マイクは、5.1chサラウンドマイクで、ソニー上位機とと同等水準です。
Panasonic VW-VBT380-K
¥11,900 楽天市場 (9/13執筆時)
付属バッテリーは、実撮影時間は50分です。
しかし、上記の大容量バッテリーを使う場合、実撮影時間は1時間50分です。
ネットワーク機能は。こちらも、Wi-Fi機能が搭載されます。
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以上、パナソニックのHC-VX992MSの紹介でした。
家庭向きの4K機として機能面での完成度が高い製品です。
軽量ですし、明るい日中の「子ども撮り」は、4K対応であることを活かした多方面の工夫があり、高く評価できます。
ソニーは、4K機は「年配層」をターゲットにしている感があります。
パナソニックは、ファミリー向きの「4K上位機」をはっきりと志向しているので、その方面を重視したい場合、購入を考える価値があります。
【2022年発売】
16・パナソニック HC-VX2MS-K
¥86,427 Amazon.co.jp (9/13執筆時)
画質:4K(30P)
撮像素子:1/2.5型(高感度)
画素数(動画):2590万画素
ズーム:24倍
焦点距離:25.06-600mm(4K時)
手ぶれ補正:新ハイブリッド式
AF: 4KハイプレシジョンAF
タフネス:
記録:内蔵64GB+SDカード
バッテリー:1時間40分
ネットワーク:Wi-Fi
重量: 479g(バッテリー含む)
HC-VX2MSは、パナソニックのビデオカメラの上級機です。
解像度は、本機も、4K(4K/30p)です。
本体の重さは、479グラムです。
「ずっしり」と言うほどではないですが、まあまあの重さです。
ズームは、24倍ズームです。
超解像度技術を伴う電子ズームを併用すると最大48倍です。
ただ、本機の場合、下位機種より「遠くが撮れる」というより、広角側が拡がり、より広く撮れるようになった点が、むしろポイントでしょう。
手ぶれ補正は、傾き補正と5軸式のハイブリッド手ぶれ補正が搭載されます。
その上で、このグレードから、撮りクセをふまえて補正を最適化するアダプティブOISと、ズーム時の微細なズレを抑制するポールOIS機構が加わる、新ハイブリッド手ぶれ補正となります。
液晶モニターは、3型で解像度は約46万ドットです。
下位機種と同じグレードです。
ファインダー(EVF)は、一方、省略です。
先述のように、パナソニックは「ファミリー志向」であり、ソニーと方向性が違います。
オートフォーカスは、先ほど説明した、4KハイプレシジョンAFを本機も搭載です。
撮像素子は、1/2.5型です。
変則的なサイズですが、高感度型のMOSセンサーです。
下位機種と比べて大きく違う部分で、室内など明るくない場所の撮影には強いです。
その上で、先述のHDR合成技術に加え、逆光時に自動で、白とび・黒つぶれを軽減するインテリジェントコントラスト機能も搭載します。
これらの部分で言えば、下位機とは逆に「暗い場所にも強い機種」と言えそうです。
撮影機能は、スマホを使っての「ワイヤレスワイプ撮り」や、「後から追っかけ」など、先ほど紹介した、下位機種の機能は網羅します。
液晶モニターやマイクは、下位機種と同じ水準です。
付属バッテリーは、「大容量バッテリー」が付属するので、実撮影時間1時間40分です。
ネットワーク機能は。こちらも、Wi-Fi機能が搭載されます。
なお、本機は、10秒のハイライト動画を自動で作成する「ハイライトシェア」機能が付属します。出先でスマホ経由で、友人などに送ることを想定する機能です。
なお、パナソニックの場合も自社のレコーダーとの連携機能を強調します。
とくに、パナソニックの場合は、クラウド機能が強いため、大量に撮って管理する場合には便利に思えます。詳しくは【ブルーレイディーガの比較】で書いています。
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以上、パナソニックのHC-VZX2MとHC-VX2Mの紹介でした。
4K下位機の「家族用」の仕様はそのままに、撮像素子や手ぶれ補正を強化した部分など、画質を1段階強化した機種です。
下位機種の弱点と言えた、室内撮影の部分も改善されましたし、ファミリー向けとしても画質こだわりたい方に向くでしょう。
次回に続く!
ビデオカメラのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回はビデオカメラの比較の1回目記事でした。
しかし、記事は、まだまだ「続き」ます。
2・ビデオカメラの比較 (2)
2-1:KEIYO〈日本〉
2-2:JVC〈日本〉
2-3:ZOOM〈日本〉
2-4:プロ用カメラ〈各社〉
3・ビデオカメラの比較 (3)
=最終的なおすすめの提案【結論
続く2回目記事(こちら)では、今回紹介できなかった各社のビデオカメラほか、一般流通にのる一部のプロ用を追加で紹介します。
画質(手持ち撮影)★★★★★
画質(三脚の利用)★★★★★
ズーム倍率 ★★★★★★
バッテリーの量 ★★★★☆
スマホとの連携 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回となる結論編(こちら)で、ここまで紹介した全機種から、最終的な「Atlasのおすすめ機種」を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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