【今回レビューする内容】2023年 自動調理対応マルチクッカーの性能と選び方:時短調理機 全自動調理機・スロークッカー・多機能電気調理機 電気調理鍋 低温調理機 人気機種の違いや使い勝手・機能面でのランキング
【比較する製品型番】シャープ ヘルシオ ホットクック KN-HW16G KN-HW24G KN-HW10G T-fal Cook4me Express CY8521JP CY8708JP CY8701JP Cook4me Touch 3L CY9221JP T-Fal ラクラクッカー CY352AJP CY3501JP CY353AJP ラクラ・クッカー 旨み CY3601JP パナソニック ビストロ NF-AC1000-K SR-MP300-K SR-MC03 NF-PC400-K 象印 EL-MB30-VD STAN. EL-KA23 ハイアール JJT-R10A 東芝 RCP-30R タイガー COOKPOT COK-A220 シロカ SP-2DM251 SP-2DP251 SP-2DF231 SP-D131 SP-4D151 SP-5D151 アイリスオーヤマ CHEF DRUM KDAC-IA2 DAC-IA2 KPC-MA3 PC-MA3 PMPC-MA2 KPC-MA2 PC-MA2 PMPC-MA4 KPC-MA4 PC-MA4 PSC-20K ドウシシャ K-GP1 Sクッキングプロ V2 PKP-NXAM Instant Brands Instant Pot DUO MINI ほか
今回のお題
最先端!の多機能マルチクッカーのおすすめはどれ?
どもAtlasです。
今日は、2023年9月現在、最新の多機能調理家電の比較です。
多彩な自動メニューをもつ機種が多いですが、「圧力機構」の有無、あるいは「かき混ぜ機構」などの内部構造の違いで、機種ごとに、レシピや全自動化の度合いがだいぶ変わります。
それらの部分を意識して、各社の製品の特長と欠点を説明していきます。
1・マルチクッカーの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:シャープ
1-3:ティファール
1-4:パナソニック
2・マルチクッカーの比較 (2)
2-1:パナソニック〈続き〉
2-2:象印
2-3:東芝
2-4:シロカ
2-5:アイリスオーヤマ
2-6:ハイアール
3・マルチクッカーの比較 (3)
3-1:タイガー
3-1:他の企業〈日本〉
3-2:最終的なおすすめの提案【結論】
記事では、はじめにマルチクッカーの「選び方の基本」を説明します。
その後、メーカー順に各機をみていくという構成になります。
例えば、シャープ(ヘルシオホットクック)、T-Fal(クックフォーミー)、パナソニック(ビストロ NF-AC1000-K)など、調理を「自動化」できる「マルチクッカー」を紹介します。
ほったらかし調理 ★★★★★
調理の時短効果 ★★★★★
タイマー予約調理 ★★★★★
和食メニュー ★★★★★
洋食メニュー ★★★★★
総合評価 ★★★★★
そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントから、Atlasのおすすめ機種を提案していきます。
ーーー
1・圧力鍋の比較
2・電気圧力鍋の比較
3・多機能調理機の比較
なお、今回は「圧力かけられる」調理器具を含む、キッチン家電比較シリーズの3回目記事として書いています。
1-1・マルチクッカーの選び方の基本
はじめに、マルチクッカー(多機能調理機)の「選び方の基本」の紹介からです。
一体何ができる家電で、どのような種類があるのかについての簡単な解説になります。
1・マルチクッカーとは何か
1・調理過程の「自動化」
2・調理過程の「時短」
「マルチクッカー」は、簡単に言えば、「煮込む系」の料理について、下ごしらえ以降の調理過程を「自動化」と、また、調理時間の「時短」とを可能にする家電です。
20世紀の発明であるスロークッカーと「電気圧力鍋」を「進化」させることで生まれました。
否定的に「ほったらかし調理家電」とも呼ばれます。しかし、「全自動調理機」へ向けての第一歩!として重要です。
Atlasとしても、どんどんユーザーが増え、進化していって欲しい、家電ジャンルです。
対応する調理法は、基本的には「煮込み」系です。
しかし、「焼く」「炒める」「揚げる」「無水調理」に対応できる製品なども現れるなど、最近は相当な速度で進化しています。
「マルチクッカー」は、アレンジした使い方など「新しい料理の創造」もできる余地があります。
料理好きの方にこそ早くふれて頂き、一緒に「進化」させて欲しい家電です。
2・マルチクッカーの種類
「マルチクッカー」は、その種類として、圧力式調理機と電気式調理器はと2タイプに分類できます。
この部分が「選ぶ際に最も基本となる部分」です。
両方式のメリットとデメリットを少し詳し見ておきます。
ーーー
第1に、圧力式調理機です。
例えば、T-Falのクックフォーミーなどです。
良い部分は、煮込み系の時短効果が高い点です。
加えて、魚骨やスジ肉など、(常圧の)長時間煮込みでも柔らかくならないものに対応できるのが、メリット性です。
イマイチな部分は、調理パターン少ない点です。
加圧構造を備えるため、煮こむ以外に対応できる調理法が「ゆでる・蒸す」ほどしかないのが難点です。
自動メニューが多い製品でも、「煮込み」系のメニューが中心で飽きがきやすいです。
そのほか、圧を伴うことによる利用時の注意が必要な点と、洗うパーツがやや多くなる点などが、ネックです。
ーーー
第2に、電気式調理器です。
例えば、シャープののヘルシオホットクックなどです。
良い部分は、調理パターンが多い部分です。
パドル(混ぜ棒)を装備できるので、圧力式より調理パターンが相当多くできます(炒める・砕く・かき混ぜるなど)。
レシピも多様で、同じようなものはわりと少ないです。
そのほか、「混ぜながら、煮る(日本の煮物)」、「芋を無水で煮てから、砕く(ポテトサラダ)」、「玉子と具をかき混ぜてから、焼く(オムレツ)」などの複合的な調理を、人間の手を介さずできる点も良い部分です。
消費電力は、圧を使わない製品は600W前後と、1200W前後が多い圧力式の半分です。
圧を使わない分だけ時間がかかるので、光熱費は同等ですが、「ブレーカー」を気にしなくても良いのは良い部分です。
イマイチな部分は、調理の時短効果です。
加えて、魚の骨やスジ肉など、常圧で煮こんでも柔らかくならない食材に対応できない点です。
---
結論的にいえば、家事全体の時短効果では、総合的に両方式に差はないです。
しかし、「煮込んで柔らかく」のような、煮込み系調理の時短重視したい場合は、圧力式調理機が良いでしょう。
その要素が不要ならば、調理法が多くレシピに飽きがきにくい電気式調理器が有利でしょう。
あとは、使いたい調理方法・作りたいレシピの自動メニューがある製品をその枠内で選べばよいです。
なお、「パドルもあるし、圧力もかかる」ハイブリッド的な機種がパナソニックから2023年に出ました。
値段は相当するのですが、今回の記事でも紹介しています。
1-2・シャープのマルチクッカー
はじめに、シャープの「ヘルシオホットクック」の紹介です。
同社の製品は、圧をかけない電気式であり、その代表格と言えます。
---
以下の本文では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチな部分を青字で書いていきます。
【1.6Lタイプ】
【2021年9月発売】
1・ヘルシオ ホットクック KN-HW16G-W
2・ヘルシオ ホットクック KN-HW16G-B
¥43,000 楽天市場 (9/12執筆時)
調理容量:1.6L(1-2人家族)
圧力調理:
混ぜ機能:対応
自動メニュー: 140種類
予約調理:対応
長時間煮込:対応
【2.4Lタイプ】
【2021年9月発売】
3・ヘルシオ ホットクック KN-HW24G-W
4・ヘルシオ ホットクック KN-HW24G-R
¥46,378 楽天市場 (9/12執筆時)
調理容量:2.4L(2-3人家族)
圧力調理:
混ぜ機能:対応
自動メニュー: 145種類
予約調理:対応
長時間煮込: 対応
ヘルシオ ホットクックは、シャープが水なし自動調理鍋として売る製品です。
後ほど、他のバリエーションも紹介しますが、本機が最新の「最上位機」です。
本体の大きさは、定格容量ごとことなります。
1.6Lの小型タイプは、幅330×奥行282×高さ240mmです。
2.5Lの中型タイプは、幅345×奥行305×高さ256mmです。
家庭用炊飯器より多少大きな程度です。
調理方式は、かなり多いです。
仕組みは、左図のように、パドル(=まぜ技ユニット)を使ってかき混ぜるという点、また、温度・蒸気センサーで、火加減を自動調整する部分に特長があります。

対応する調理技法は、多いです。
「煮物を作る」・「スープを作る」・「炒める」「煮詰める」・「無水でゆでる」「蒸す」などです。
シンプルに言えば、ヒーターの加熱の温度と時間、まぜ技ユニットの回転数と時間とを組み合わせて、これらの調理技法を実現しています。
多すぎて全部は紹介できませんが、いくつか紹介します。
第1に、「煮物を作る」です。
簡単に、和洋の煮物ができます。
適当に自宅にある材料を使って作る場合も、温度・蒸気センサーで火加減は勝手に見てくれるので手放しです。
手動調理の場合、煮汁が少ない煮物は「まぜる」、柔らかい素材は(パドルで)「まぜない」を設定し、あとは、時間指定すれば、あとは全自動です。
自動メニューは、和洋の煮込みレシピはかなり多く、それだけでも楽しめます。
むろん、まぜ方法や時間の設定なしに、完全に手放しで煮物ができます。
第2に、「無水でゆでる」です。
本機の密閉性を利用する調理機能です。
食材の無水調理(無加水調理)に対応する点です。ほぼ食材の水分だけで加熱できます。
シャープによれば、水を使って調理する場合と較べて、ビタミンCが約1.5倍、葉酸が約1.8倍、ミネラルが約1.8倍残存させることができます。
なにより、食材の持つ旨みを還元できるため、美味しさの点でメリットが高いです。
手動調理の場合、茹で時間を設定するだけで、あとは全自動です。
自動メニューも、かなり手が込みます。
「無水」で野菜がゆでられると言うことは「水を捨てる必要がない」ことを意味します。
その部分を利用して、生のジャガイモを無水でゆでて、そのまま潰してポテトサラダ・コロッケになる段階まで、本機は「自動化」できています。
第3に、「ケーキを焼く」です。
手動調理の場合、材料を入れれば、時間設定だけで、温度・蒸気センサー制御で勝手に焼いてくれます。
自動メニューは、 ケーキのスポンジ、野菜ジュースのスポンジケーキ、ブラウニーなどが見られます。
一方、この機能の「応用」プレーンオムレツもメニューとしてあります。
まぜ技ユニットで「生卵をかくはんし、焼き上げまで全自動です。
第4に、「炒める」です。
これは、正確に言えば、油を使わない炒め物です。
美味しそうですが、混ぜつつ加熱するだけの機能です。
手動では、炒める時間だけ設定し、あとは強火で勝手にまぜつつ調理されます。
(炒めるという意味での)油は本機では使えないので、この部分の自動化は発展途上です。
自動メニューも、「鶏とカシューナッツの炒め煮」「鶏とブロッコリーのオイスター炒め」の2点のレシピのみです。
第5に、「煮詰める」です。
これは、蓋を開けて「煮詰めていく」という、使い方です。
完全に「手放し」でつかう機能ではないですし、コンロのが便利なのでオマケでしょう。
第6に、「低温調理」です。
他の家電ジャンルですが低温調理機ができる料理を再現するものです。
手動調理の場合、加熱温度(35-90度)・加熱時間・まぜる速度の3項目を設定できます。
そのため、発酵食品から製菓までいろいろに対応できます。
自動メニューでは、ジップロックした製品に重しをして、ローストビーフ・ポーク・サラダチキンなどが作れます。
加えて、「高速まぜしてから、低温加熱」の連続技で「カスタードクリーム」も、卵の状態から完全自動で作れます。
第7に、「スープを作る(煮る)」です。
ようするに、混ぜないで沸騰温度をキープする「煮る」機能です。
それだけだと、利用の幅は低いのですが、「蒸し台」が付属するので、応用的に蒸し物ができます。それ用の自動レシピも複数あります。
一方、蒸し器を利用しつつ、2段調理も提案されます。
上段で蒸し物、下段で、汁物・煮物など水気を伴うものを調理する際だけ利用できます。まぜ技ユニットを利用している場合は不可です。
実際的には、レシピ集記載の5つのメニュー以外は使えないので、発想は面白いものの、2段調理については、「オマケ」です。
第8に「好みの設定・加熱」です。
このモードは、ヒーターの火加減、まぜ技ユニットの回転数を及び、調理時間を組み合わせて、自由に自分でアレンジし使える、手動モードです。
使い込んで「アレンジ料理」したくなった場合は、似た料理の自動メニューを利用するのが普通です。しかし、細かく調整したい「こだわり派」に向きます。
一方、手動メニューには(熱を加えず)高速まぜだけする機能がないです。
ただ、後述する「クラウド機能」のメニュー追加で、ホイップクリームの作成が可能になるようです。単純な「泡だけ用」の使い方もできるようです。
予約調理は、ホットクックの魅力です。
食品の衛生状態に注意しつつ、設定した時刻にちょうど仕上げ、保温してくれるように、自動調理してくれます。
炊飯のように、食材を入れておけば、予約した時間にできたてのものが食べれる点は魅力でしょう。
自動メニューは、本体の操作メニューから選択する形式です。
カラー液晶は不採用ですが、使い勝手は十分です。
料理名か、「野菜」「肉」など食材のジャンルで番号を選びます。
レシピ記載のメニューナンバーの入力でもOKです。
自動レシピ数は、計145の自動メニュー(小型機は140)です。
小型機に省略されているメニューは、トウモロコシ・南瓜・キャベツの下ゆでなど、ようするにサイズがないと調理できないものだけです。
---
結論的にいえば、あまり便利そうな追加メニューはないので、レシピ数の部分だけで言えば、小型機を選んでも問題ないでしょう。
レシピ集は、国産メーカーということで、他社機よりかなり、(日本の)和洋食のレシピが豊富です。
和風の家庭料理を中心に使いたいならば、おすすめと言える機種です。
また、通常のスロークッカーと同じく、洋風の料理、カレーやビーフシチュー、お肉の煮込みなども対応できます。【レシピ集は→こちら】
調理容量は、2機種で異なります。
1.6Lサイズが2〜3人で、2.4Lサイズは、4人前程度まで対応するでしょう。
例えば、豚の角煮ならば1200g(1.6Lは800g)の材料を、90分で仕上げます。
レシピは、豚の角煮はゆでてから、肉を洗い一度あくを取ってから味付けする方式です。
圧力式でないので、少量の水分ではつくれない(下ゆでしないと柔らかくならない)のでこの仕様です。
圧力式は(味はともかく)一気に味を付けて仕掛ける方式ですので、「時短効果」と「ほったらかし調理」の部分で、本機、角煮については、手間です。
先述のように、電気調理鍋は、圧力に比べて、お肉と魚については、及ばない部分があります。
お手入れは、パーツがすべて取り外して洗えるため、最近の炊飯器並みに容易です。
2020年機以降は、内鍋フッ素加工にもなりました。
安全面は、圧がかかる製品ではないので、安心して利用できます。
このほか、次の3点に、他社に見られない「便利な機能」を搭載します。
第1に、シャープのAI「ココロエンジン」を搭載する点です。
学習成果から、音声で、料理の提案や、作り方の音声案内をしてくれます。
第2に、無線LANを搭載する点です。
これにより、購入後に増えたメニューが追加できるほか、スマホアプリでのレシピ検索、仕掛けた料理の外出先からの予約時間の変更などが可能になります。
価格は高いですが、IOT家電として確実に進化しています。
以前のIOT家電は、「なんちゃってIOT」で、正直実用性に乏しいものが多かったですが、各社とも(やっと)実用的になり、家電好きにとって嬉しい限りです。
ユーザー投稿型レシピサイトの「ホットクック部」の優秀作品もダウンロード可能です。
第3に、ヘルシオデリ対応です。
これは食材配達サービスです。
メニューに必要な、すでに切った状態の調味料や食材が一括で届き、そのまま仕掛けるだけ、というものです。【こちら】に詳しい説明があります。
---
以上、シャープのホットクックの紹介でした。
本機の場合、圧力はかからないので調理の時短効果は望めません。
ただ、「まぜる」仕組みが他社より高機能です。
「煮てからまぜる」「まぜてから焼く」など、連続して複数の調理方法を勝手にやってくれるため、全自動性(ほったらかし調理)が極めて高いです。
自動メニューの数という意味では、他社機に優秀なものはありますが「できる調理技法の種類」という点では、最も優れます。
また、予約機能を活かして「朝に仕掛けて、夜食べる」などの利用法や、健康効果の高い無水調理への高度な対応は魅力です。こうした部分を考えるならば、買って後悔しないだろう、充実した家電だと思います。
あとは値段でしょうが、この値段を出す価値は、個人的にあると思います。
【1Lタイプ】
【2021年発売】
5・ヘルシオ ホットクック KN-HW10G-B
6・ヘルシオ ホットクック KN-HW10G-W
¥34,371 楽天市場 (9/12執筆時)
調理容量:1L(1人向き)
圧力調理:
混ぜ機能:対応
自動メニュー: 86種類
予約調理:対応
長時間煮込:対応
KN-HW10Eは、ヘルシオホットクックの、小型モデルです。
サイズは、幅220×奥行305×高さ240mmとコンパクトです。
1-2人暮らしや、それ以上でも、副食をつくれればOKという方には、設置性でメリットがあります。
「これなら置ける!」という人は多いでしょう。
液晶は、モノクロです。
視認性は十分で、無線LANとココロエンジンも搭載です。
そのため、新しいメニューが増やせるほか、会話による料理提案もしてくれます。
調理方式は、調理技法の種類という意味では、上位機と差はないです。
上表のメニューは全て備えます。
旧機だと低温調理が非対応でしたが、新機種になってそれもできるようになりました。
ローストビーフ・ポーク・サラダチキンなどを含めて対応です。
蒸し台もしっかり付属ですし、まぜ方や火加減などを自分で設定する「手動調理」ならば、これい上位機とできることの差は少ないと言えます。
自動レシピ数は、一方、86種類とだいぶ減ります。
本機の場合、まぜ技ユニットのパワーが弱いので、ポテトを潰す、ホイップを泡立てるまでのパワーと回転数はないです。
そのため、手動でそういった使い方ができないほか、「生ポテトからポテトサラダ」「玉子からカスタードクリーム」のような、パワーや回転数が必要な自動メニューが「省略」となります。
例えば、本機にも「ポテトサラダ」のレシピがありますが、「無水でゆでる」までの対応で、ポテトのマッシュは、自力でやる必要があります。
それ以外は、上位機と同じです。
肉じゃがや、筑前煮などの煮物関係、カレーなど主要レシピも、しっかり温存されています。
あと、なくなっているのは、ジャム作りなど、量的に無理なものや、野菜の下ごしらえなど、1人暮らしでは使わないものがない感じですから、1人暮らし向けに「不要なものをうまく省略した」という印象です。
予約調理は、本機も、高度に対応です。
最大で、15時間まで対応できます。
レシピ集は、本製品も付属します。
調理容量は、1Lです。
例えば、豚の角煮ならば400gを調理できます。
お手入れは、パーツがすべて取り外して洗えるため、上位機同様に楽です。
内鍋は、しっかりフッ素加工です。
安全面は、圧がかかる製品ではないので、安心して利用できます。
----
以上、ヘルシオの KN-HW10Eの紹介でした。
上位機よりメニュー数が減りますが、できる調理パターンは減っていません。
設置に邪魔にならない小型ので、蒸しの同時調理など、とくに1人暮らし向けには便利な機能が魅力です。
1人向けの自動調理器具はあまりなかったので、その点ですき間を付く製品と言えます。
なお「コンパクトな1〜2人用」という触れ込みですが、2人の場合は、やや小ささを感じるため、設置場所が許されるならば、1.6Lが良いでしょう。メニュー数の部分でもそう思います。
1-3・ティファールのマルチクッカー
続いて、フランスのティファールのマルチクッカーです。
同社は、圧力式と電気敷双方のラインナップがあります。
【250レシピ内蔵】(2022年発売)
7・T-fal Cook4me 6L CY8711JP
¥31,364 Amazon co.jp (9/12執筆時)
【210レシピ内蔵】(2019年発売)
8・T-fal Cook4me Express CY8521JP
¥19,980 楽天市場 (9/12執筆時)
調理容量:約4.5L(満水容量6L)
圧力調理: 70kPa 115度
混ぜ機能:
自動メニュー:250種類
予約調理:
長時間煮込:
クックフォーミー 6Lは、フランスのT-Falの人気機種です。
本機は旧機種が残ります。
旧機までは「T-fal Cook4me Express」という名前でしたが、今回変更になりました。
対応レシピも250種に増えた上で、外観デザインが一新されました。
今回は、従来弱かった無水調理のレシピの拡充が主な変更点です。
従来は、カレーなど数種類だけで弱かったのですが、今回一気に40種類になりました。
一方、大きな変更だったので、210種類の旧機はだいぶ値下がりして安く買えます。数としては十分でしょうし、予算によっては選択肢にしても良いかと思います。
本体の大きさは、380×350×325mmです。
旧機種も新機種もサイズは同じです。
容量が多いので、この手の調理器具として一回り大きいです。
目安を言えば、だいたい、家庭用の大きめ「炊飯器」のサイズと言えます。
この機種の場合、カラー液晶で、見かけ的に高級感があります。
調理方式は、蒸す、煮こむ、炒める、圧力調理という4パターンの調理法が可能です。
シャープ機と違うのは「圧力」がかけられる部分です。
圧力は、70kPa 115度です。
調理時の作動圧力については、このブログの【電気圧力鍋の比較記事】で詳しく説明しました。
70kPaは汎用性があるので、各社とも採用する場合が多い圧力です。
本機は、煮こむ(圧力調理)の際に、大きな「時短効果」も期待できます。マニュアル設定で75度の弱火で煮込めるので、一般的な「スロークッカー」にもなるでしょう。
一方、注意点もあります。
シャープ機と違って、写真のようなかき混ぜるためのパドルがない仕様だからです。
そのため、「まぜ」を伴う調理に対応できません。
簡単に言えば、「カレーピラフはできても炒飯はできない製品」です。
「煮こむ」「炒める」もメニューとしては持ちますが、「パドル」がないので、人間の補助が必要で「手放し」は難しいです。
また、日本の煮物のように、菜箸でかき混ぜつつ焦げないようにする系の煮物も、自動化は無理です。
自動メニューは、250レシピです。
先述のようにカラー液晶です。
料理名を選択し、人数を入力すれば、必要な材料まで表示されます。
そのため、本体だけで完結できます。指示通りに料理すれば、美味しい料理ができます。
昔「ドラえもん」を使ったCMを展開していましたが、まさに「未来の秘密道具」という感じの製品です。
レシピ集は、自動メニューを含め「煮る・蒸す」系の料理が多いです。
シャープとことなりパドルがないためですが、その方面は逆にかなり充実します。
素材の味を引き出せる、無水レシピについても、新機種で40種になりました。
和洋中・エスニック問わず増えていて、メキシコのチリコンカンから、白菜のミルク煮、麻婆白菜まで素材の味を活かせるレシピが増えました。
なお、自動調理できるレシピについては 【ティファールのレシピ集】で確認できます。最新機ならば「6人用の250レシピ」という項目に記載です。
調理容量は、満水容量が6Lですから、4.5L程で大きいです。
内臓の鍋は深底の両手鍋の形状であり、約4人分の大量調理も可能にしています。
例えば、豚の角煮の場合、600gの豚肉を利用する形式で30分で可能です。
圧が加わる分、調理時間は短いです。
なお、本機は、最初から全部の調味料を入れて(下ゆで・焼きなしに)作る方式です。
下ゆでが必要な他社機に比べると、「時短効果」ほか、全自動で「ほったらかし調理」が可能です。この作り方は、味の面では論争的ですが、全自動調理機というジャンルで言えば、メリットでしょう。
やはり、堅いお肉と魚の骨の処理は、圧力式が有利です。
お手入れは、ふたや減圧ボール・バルブなどの掃除は必要です。ただ、面倒ではないです。クッキングカップや蒸し器(台)以外は食洗機非対応です。
内鍋は、セラミックコートです。フッ素ではないのは、加熱性(焼き目)を重視したためでしょう。こびり付きも、セラミックなら(まあ)大丈夫です。
安全面は、ロック検知を含めて、フル装備なので、安心して利用できます。
---
以上、T-falのクックフォーミー・エクスプレスの紹介でした。
調理技法は、圧力式ゆえに「少なめ」です。基本的には、混ぜなくても、焦げ付かないようなレシピでに限定されますので。
ただ、購入の目的としている料理が「豚の角煮」を含めた、圧力式に親和性のある料理なら、ダントツに本機のほうが「「手放し調理」と「時短調理」が両立できるのが魅力です。
また、提案されるほぼ全ての料理が、「材料を入れて、スイッチを押すだけ」でできてしまうので、「あまり料理が得意でない方にこそおすすめ」と言えそうです。
ーーー
このほか、T-FALからは、若干小型の製品がいくつか展開されます。
本機との違いを中心に説明します。
【250レシピ】(2022年)
9・T-fal Cook4me 3L CY8748JP
9・T-fal Cook4me 3L CY8711JP
¥34,217 Amazon co.jp (9/12執筆時)
【210レシピ】(2020年)
10・T-fal Cook4me 3L CY8708JP
10・T-fal Cook4me 3L CY8701JP
¥19,800 楽天市場 (9/12執筆時)
調理容量:約2L(満水容量3L)
圧力の最大値:70kpa 115℃
低圧調理:対応
常圧調理(煮込み):75度 90度
自動メニュー:250種類
予約調理:
第1に、Cook4me 3L です。
調理容量は、2Lサイズ(満水容量3L)です。
サイズは、幅324×長さ314×高さ268mmです。
6L機と比べると、ひとまわり小型なので、少人数世帯ならばこれでも良いと思います。
副菜ならば、3-4人分の調理に対応と言っても良いでしょう。
マニュアル利用での「まとめて調理」はあまりせず、自動調理メインならこのサイズ良いでしょう。
ちなみに、ご飯は4合まで炊けます。
なお、白黒2色ですが、直営店はアイボリーの限定色があります。
メニュー数は、250種類です。
旧機の場合、上位機と同じで、無水レシピが少なめで、合計210種になります。
具体的なレシピは、【ティファールのレシピ集】で確認できますが、分量を除けばできる要理は上位機と基本的に同じです。
ーー
【270レシピ】(2023年)
11・T-fal Cook4me Touch 3L CY9221JP
¥75,800 Amazon co.jp (9/12執筆時)
調理容量:約2L(満水容量3L)
圧力の最大値:100/70/40kpa -119℃
低圧調理:対応
常圧調理(煮込み):75度 90度
自動メニュー:270種類
予約調理:
第2に、Cook4me Touch 3L です。
小型の「プレミアム機」と言えます。6Lサイズの機種より仕様は「豪華」です。
調理容量は、こちらも 2Lサイズ(満水容量3L)です。
基本的には2-3人向きといえます。
サイズは、幅324×長さ314×高さ268mmです。
下位機種と全く同じです。
しかし、「クックフォーミータッチ」の名前通り、大きな「カラータッチパネル」を搭載します。
操作性や、レシピや調理方法の視認性は下位機種以上に良いです。
また、目線より下に置くことが多い調理器具ですが、パネルの角度も変更できます。
ネットワークは、こちらはWi-Fiを装備します。
スマホで「冷蔵庫の食材など」からレシピを検索して、本体にレシピ転送ができます。高級オーブンレンジではこうした工夫がありますが、圧力鍋だと(たぶん)初めて見ました。
圧力も、最大100kPaで、可変的に70Pa・40Paも出せる仕様です。
その部分で言えば、自動調理はもちろん、マニュアル調理も高度にです。
メニュー数は、270種類です。
弱かった無水調理のレシピが40種類に増加したのが目立つ部分です。
鍋本体は、一方、総ステンレス(+セラミックコート)になります。
アルミ合金より蓄熱性が良い素材で、メンテ性も多少よくなります。
お手入れは、圧が強まった機種ですが下位機と同じなので面倒はないです。
電気式だと蒸気も自動排気ですし、安全装備もあるので、他機同様に安全と言えます。
---
結論的にいえば、かなり高い機種ですが、高い理由はあると思える機種です。
スマホとの連動は、レシピの検討段階を含めての「時短」にもつながります。視認性と操作性のよいカラータッチパネルも、準備段階の「時短」になります。
その上で、マニュアルで利用する場合も圧を3段階で調整できるので、利用の幅が広く、ベテランユーザーも「納得」と言えます。
【2022年発売】(CY353AJP)
12・T-Fal ラクラ・クッカー プラス コンパクト
¥19,100 Amazon co.jp (9/12執筆時)
【2021年発売】(CY352AJP)
12・T-Fal ラクラ・クッカー プラス コンパクト
¥16,700 楽天市場 (9/12執筆時)
【2020年発売】(CY3501JP)
12・ティファール ラクラ・クッカー
¥17,663 楽天市場 (9/12執筆時)
調理容量:約3L(1-3人用)
圧力調理: 70kPa 115度
混ぜ機能:
自動メニュー:105種類
予約調理:対応(一部)
長時間煮込:
ラクラ・クッカープラス コンパクトは、フランスのT-Falが2021年に投入した製品です。
事実上、クックフォーミーの下位シリーズといえる入門機です。
旧モデルが残ります。
2021年機は、お手入れ部分で、スチーム洗浄機能が未搭載です。
内釜にこびり付く汚れを水(ニオイとりの場合レモン水)をはって浮かせる形です。地味ですが、良い工夫ではあります。仕組み上、普通にクエン酸でもいける気がします(要調査)。
2020年機は、さらに後述する無水・発酵・ベイクなどの調理機能がないです。
---
結論的にいえば、今の値段ならば、2021年機以降が良さそうです。
ただ、炊飯だけでなく「焼き」も入るこの手の製品の場合、メンテ部分の機能改良は割と大きいので、予算があれば、新機種でしょう。
本体の大きさは、幅26×奥行28.5×高さ28.3cmです。
上位機に較べると小型で設置性が良いです。シャープの1Lクラスを除けば、設置性は業界でも最高クラスでしょう。
自動メニューは、炊飯系を除くと4種類です。
具体的には、カレー・角煮・豆類・なべです。
ようするに、できるだけシンプルにすることで、お年寄りなどへの訴求を狙った「入門機」でしょう。
カラー液晶を廃した弊害でしょう。
調理方式は、本機も、蒸す、煮る、炒める、圧力をかける、低温という5パターンの調理法が可能です。
低温は、60度〜90度の温度設定で、ローストビーフなどを作れるモードです。
一方、2021年の改良で、無水・発酵・ベイクという使い方も加わりました。
発酵は、甘酒やクリームチーズなど発酵ほか、パン生地の発酵への利用が想定されます。
その上で「ベイク」で仕上げるわけです。ただ、形状的な限界で、丸いパン(メロンパンやスポンジなど)しかできませんので、基本的には、「子どもとおやつ作りを楽しむ」レベルの話です。
圧力は、上位機同様に、70kPa 115度です。
レシピ集は、スタンダードなメニューを中心として105種類です。
調理容量は、満水容量(呼び容量)が3Lです。
実容量としては2L前後でしょう。
例えば、豚の角煮の場合、600gの豚肉を利用する形式で20分で可能です。
お手入れは、上位機種と同様に、ふたやパッキン、上部のおもりなどです。
先述のように、2022年機からは、こびり付く汚れのための洗浄機能もつきました。
安全面は、さほど高圧がかかる製品ではないので、安心して利用できます。
予約調理は、機能としてあります。
ただ、煮る、炒める、低温調理、発酵に使えないので、実際、ご飯専用となります。
---
以上、T-falのラクラ・クッカープラスコンパクトの紹介でした。
大幅に自動メニューが省略されるため 「全自動化」という部分では残念感はあります。
レシピを見ながら、「調理モード」・「調理方法」・「温度」・「時間」を設定し、料理によっては、途中で、それぞれの再設定が必要です。
この点で「ほったらかし料理(手放し料理)」は不得意といえます。
一方、超小型で設置性は良いですし、「レシピ集」を見ながら、じっくり料理を取り組む場合は、わりと面白く使えそうな製品です。
「料理好き」で手間を厭わない場合は、選択肢になるでしょう。
【2022年発売】
13・T-Fal ラクラ・クッカー 旨み CY3601JP
¥19,698 楽天市場 (9/12執筆時)
調理容量:約2.64L(1-4人用)
圧力調理: 80kPa+ 40kPa
混ぜ機能:
自動メニュー:105種類
予約調理:対応(一部)
長時間煮込:
ラクラ・クッカー 旨み CY3601JP は、同社のラクラクッカーの「変わり種」といえる製品です。
本体の大きさは、幅30.7×奥行27.6×高さ28.8cmです。
先ほどの機種より少し大きめになります。
自動メニューは、炊飯系を除くと5種類です。
具体的には、カレー/シチュー・スープ/汁物・角煮・肉じゃが・ぶり大根です。
偏った構成ですが、本機はここがポイントで「煮込料理大得意」といえる製品になります。
圧力は、80Kpaの標準圧ほか、40Kpaの低圧の2種類が使えます。
可変性を出す詳しい方式は調査時非開示ですが、2段階となるので、弁の工夫かなと思います(後日調査予定)。
ようするに、高圧・低圧を併用し、煮崩れを避けつつ煮物をうまく仕上げられという機種です。火入れをした後、煮込みむこの仕組みを、同社は「味染み仕上げ」と呼びます。
この場合、マニュアル調理時も、低圧が使えるので、崩れやすい魚系や、ビタミンやしゃっきり感を残したい野菜にも便利です。
調理方式は、炊飯を除き、蒸す、煮る、炒める、無水、焼く、低温調理、圧力(80kpa)という6パターンの調理法が可能です。こちらは、発酵機能はないです。
一方、マニュアルで、低圧(40kPa)を明示的に使うのは「蒸す」だけです。高圧と低圧の併用設定(味染み仕上げ)は、先ほどの自動メニュボタンを利用する形です。
レシピ集は、スタンダードなメニューを中心として103種類です。
「ぶり大根・角煮」ほかの自動調理ボタンを使って、「味染み仕上げ」を応用的に使えるレシピの紹介があります。例えば、ポトフ・筑前煮、チャーシューなどです。
調理容量は、満水容量(呼び容量)が4Lで、調理容量が2.64Lです。
3-4人用として十分でしょう。
お手入れは、本機も内鍋フッ素加工で、スチーム洗浄機能もあります。
一方、フタ形状は(問題ない範囲で)多少複雑になる部分はありそうなので、こちらについては、発売後(時間が取れたら)見てみようと思います。
予約調理は、本機も機能としてあります。
ただ、煮る、炒める、低温調理ほか、主要機能が対応しないので、基本「ご飯用」です。
安全面は、さほど高圧がかかる製品ではないので、本機も安心して利用できます。
---
以上、T-falのラクラ・クッカー 旨みの紹介でした。
煮込み系の自動料理は大得意で、それをメインに考える方は多いでしょうし、良い製品に思えます。
個人的に「目的特化型」の家電は好きなので、実際「欲しい」と思いますので、機会をみつけて試そうと思っています。
1-4・パナソニックのマルチクッカー
続いて、パナソニックのマルチクッカーです。
マルチクッカー分野ではさほど高級機を出していなかったのですが、2023年に「相当ハイエンド」で面白い製品を投入してきました。
【2023年発売】
14・パナソニック NF-AC1000-K
¥76,824 Amazon.co.jp (9/12執筆時)
調理容量:2.4L(2-3人家族)
圧力調理: 100kPa 121度
混ぜ機能:対応
自動メニュー: 25種類+α
予約調理:対応(一部)
長時間煮込: 対応
オートクッカー ビストロ NF-AC1000は、パナソニックの高級自動調理機です。
同社のフラッグシップで「オートクッカー ビストロ」という名前が付いています。
本機は、シャープ(中図)のようにパドル(=かき混ぜるための羽根)を装備します。
その上で、ティファールの(右図)のように、圧をかけられるという「ハイブリッド機」です。
調理容量は、約2.4L(満水容量4.2L)です。
ヘルシオの「大きな方」と同じ量が調理でき、2-3人家族向けと言えます。
本体の大きさは、幅330×奥行336×高さ250mmです。
調理量が同じである、ライバルのヘルシアより奥行方面に少し大きめです。
調理方式は、多彩です。
圧力が使えるほか、「ハドル」でかき混ぜれられる構造ですから。
対応する調理技法は、「圧力調理」ほか、「煮物、炒める、無水でゆでる、蒸す・低温料理」などです。
スイーツ系の機能はないですが、十分でしょう。
以下、調理技法について、シャープのヘルシオと細かめに比べてみます。
第1に、「煮物を作る」です。
シャープ機同様に、パドル(羽根)があるので、ほったらかしでもかき混ぜてくれる点がポイントです。焦げ付かさせず、煮込めます。
一方、本機は、温度・蒸気センサーが未搭載です。
そのため、状況にあわせて火加減を自動調整する仕組みがないです。
シャープに比べると、自動調理の際に分量や食材を換えられません。
状況に応じた調整力は弱いと言えそうです。
手動調理は、火加減(3段階)・時間・混ぜる頻度を指定できます。
混ぜの頻度は「混ぜる・たまに混ぜる・混ぜない」から選択します。
「いつまで混ぜる・いつから混ぜる」といった、柔軟なプログラムは不可です。
自動メニューは、煮込みは、和食中心の7レシピとカレー系の6レシピです。
上表は「無水でゆでる」「圧力調理」の調理パターンを使うレシピも含みます。
少なめですが、スタンダードなおかずは「厳選して網羅」している点は好印象です。
なお、本機は、ネット経由でメニュー追加ができる仕様です。あとからレシピが増える可能性はあります。詳しくはあとで書きます。
第2に、「無水調理(ゆでる)」です。
この料理パターンの場合、カレーなど限定されたメニューを除けば、「煮込む」は(写真の茄子の煮浸しをふくめ)「手動調理」です。
シャープ機と比べると「圧をがけられる」ので、パナソニックのが時短です。
手動調理は、「温度・火加減・まぜの有無」が設定できます。
無水調理のさいは弱圧固定(20kPa 105度)で調理するため、煮崩れの心配はないです。
一方、シャープ機の場合「無水」で茹でたジャガイモなどの食材を「パドルで潰す」まで自動化できていました。
しかし、本機のパドル(左図)は「そこ混ぜ式」なので、上からのかきまぜ式のシャープ機(右図)と違って、マッシュができません。
同じ理由で、本機は、ミンチ・かくはんなどが必要なメニューは、無水調理時に限らず実行不可です。
第3に、「炒める」です。
自動メニューは、この調理パターンの倍、6レシピが搭載です。
結構「ツボを突いたメニュー構成」で、マルチクッカーがで作りたい「代表的なメニュー」を網羅します。中華を作りたい人は多いかと思いますので
また、パナソニックは、調理の際にサラダ油を利用できます。
自動調理で油を使える機種は限られます。油なしの「なんちゃって炒め物」がでない部分は「大きなポイント」です。
手動調理は、「時間・火加減・まぜの有無」の設定が可能です。
炒め物の場合は、余熱の有無も設定できます。
先述のように、センサー未搭載なので、食材量や温度に応じた細かい調整はしません。決められた時間、決められたように作動します。
なお、「中華」の話がでたので「煮崩れ」について少し捕捉します。
本機の「麻婆豆腐」の自動レシピの場合、木綿豆腐はブザーが鳴ったあとの後入れです。
パドルがそこ混ぜ式なので、「ゆる混ぜ」はシャープに比べると苦手です。
シャープの場合は最初からの豆腐投入で、麻婆豆腐ができますから。
第4に、「圧力調理」です。
シャープは圧をかけることはできないので、この部分は、T-Falが比較対象です。
圧力は、高圧(100kPa 121度)・中圧(70kPa 105度)・超低圧(20kPa 105度)に対応します。
最大圧の部分では業界最高です。調圧温度が選べる部分もそう言えます。
ガス火式の圧力鍋にも「全くひけをとらない」火力と言って良いです。
豚の角煮の場合、最大1350gの豚肉を処理できます。
110分の調理時間となります。
自動メニューの場合、下ゆで不要で、最初から調味する「全自動」です。
2人前(450g)、4人前(450g)でも作れますが、かかる時間は同じです。
同じく下ゆでしないレシピであるT-Fal(600g/30分)と比べると、じっくり時間をかけるレシピです。その点で、角煮だけで言えば、多めのまとめ作りが良いでしょう。
手動調理は、圧を選択したあと「時間・火加減・まぜの有無」を設定します。
実機を確認しないと正確には言えませんが、圧力鍋にパドルがあると、失敗して焦げ付くリスクが減らせそうな気はします。
他の調理パターンは、「ざっと」だけ書いておきます。
「蒸す」は他社機と同じで、蒸し台を使うものです。手動調理はできません。
「低温調理」もサラダチキンのレシピが掲載ですが、やはり、手動です。
あとは、お米が炊けます(最大5合)。玄米も対応(4合)できます。
高圧(100kPa 121度)が使えるので、玄米炊飯には「かなり有利」でしょう。
美味しく炊けると思います。
予約調理機能は、あきらかに、弱い部分です。
温湿度センサーなどを庫内に持たないからです。
ご飯ものを除けば、すぐに作ってしまって、保温、設定時間前に暖めになります。
カレー系は、この仕様でも(まあ)問題ないでしょう。
ただ、煮物系は煮詰まるので、事後の調整が必要です。このあたりは、センサーでファジーに調整してくれる、シャープに負ける部分です。
自動メニュー操作は、本体上部の有機ELパネルを利用し操作します。
一方、本機は、Wi-Fiを搭載するIOT家電です。
パナソニックの「キッチンポケットアプリ」(こちら)に新レシピが出た場合、スマホを通じて新メニューを本機に落とせます。
アプリは、【中型スチームオーブンの比較記事】で同社のIOT対応レンジ(Bistro)と共通なので、将来にわたり、なくなることもないでしょう。
自動メニューは、初期状態で、25種類のみです。
ライバル機より圧倒的に少ないので、スマホレシピの今後の充実が、本機の将来性にとっての「鍵」と言えます。
しかし、仕様上、本体にダウンロードできるメニューは「最大1レシピ」です。新しくダウンロードした場合、その前のものが消去されます。さすがに不便に思えます。
お手入れ・安全面は、面倒なおもり式ではなく、調整弁式です。
手間ではないですし、安全です。 内鍋もしっかりフッ素加工です。
---
以上、パナソニックの NF-AC1000(K)の紹介でした。
本機の良い部分は、高圧(100kPa 121度)が出せる点と、3段階の圧調整ができる点です。「圧力鍋」として評価すれば、最高レベルの性能です。
個人的に、高圧機でメンテに手間がかからない点だけでも「欲しい」と感じました。
調理面では、油を使っての「炒め」ができるのが、良いと感じます。
炒め系の自動調理は、「そこ混ぜ式」のパドルでもバリエーションが出せそうなので、今後レシピは増えていく気がします。
自動調理は、イマイチです。
温湿度のセンシングをしない点と、「そこ混ぜ式」の限界から、「ほったらかし」で済む調理パターンが少ないからです。予約調理とレシピ数の少なさも課題です。
こうした点をふまえると、本機を買って「満足」できるのは、「高性能な圧力鍋」として、主に「手動調理」で使いたい方です。
準備時間と片付けの双方において、十分な時短効果を感じられると思います。25種類に止まる自動調理も、余った材料で「ちょっと作る」には、良さそうなレシピ構成ともいえます。
次回に続く
多機能マルチクッカーのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、各社のマルチクッカーの紹介の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・マルチクッカーの比較 (2)
2-1:パナソニック〈続き〉
2-2:象印
2-3:東芝
2-4:シロカ
2-5:アイリスオーヤマ
2-6:ハイアール
3・マルチクッカーの比較 (3)
3-1:タイガー
3-1:他の企業〈日本〉
3-2:最終的なおすすめの提案【結論】
続く2回目記事(こちら)では、残してしまったパナソニック機をもう少し紹介します。
その後、象印( STAN. EL-KA23-BA STAN. EL-KA23-WA)や 東芝 RCP-30Rほか、他社の人気製品を順番に見ていきます
ほったらかし調理 ★★★★★
調理の時短効果 ★★★★★
タイマー予約調理 ★★★★★
和食メニュー ★★★★★
洋食メニュー ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回となる3回目記事(こちら)で、全機種から、用途別にAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら!
---
この記事がもしお役に立ったようならば、Twitter Facebook はてなブックマークなので話題を共有していただければ嬉しいです。