Top 食料品 比較2024'【国産】定番ビール35本の味とおすすめ・選び方 (1)

2024年10月25日

比較2024'【国産】定番ビール35本の味とおすすめ・選び方 (1)

【今回レビューする製品】2024年 定番・国産・プレミアムビールの味とおすすめ:アマゾン送料無料を含む定番ビールの比較:ふるさと納税も対応 メーカー別飲み比べ:サントリー・アサヒ・サッポロ・ヱビスビール・キリンなどの味の傾向の違いなど

【比較する製品名】サントリー ザ・プレミアム・モルツ サントリー生ビール トリプル生 サッポロ ヱビスビール サッポロクラシック 冬物語 キリン 一番搾り 糖質ゼロ クラシックラガー スプリングバレー 豊潤 496 晴れ風 アサヒ スーパードライ ドライプレミアム 花鳥風月 オリオン・ザ・ドラフト サッポロビール 黒ラベル プレミアムホワイト 秋味 香るエールアサヒスーパードライ ドライクリスタル缶 サッポロ ヱビスオランジェ 生ジョッキ缶・プレミアム アサヒ 食彩 ほか

今回のお題
美味しい!定番ビールのおすすめはどの製品?

 どもAtlasです。

 今回は、2024年10月現在、最新の定番ビールの比較です。

 十分な量を飲んだビール限定しつつ、各製品の味をレビューしました。

 普段ビールを呑む方皆さんは「肌感」で知っている情報でしょうが、改めて「言葉」として、ビールの味を確認したい方向けに書いてみました。

  202312211504.jpg

1・定番の国産ビールの比較 (1)
 1-1:国産ビール〈日本〉
 1-2:国産プレミアムビール〈日本〉
2・定番の輸入ビールの比較 (2)
 2-1:輸入ビール〈外国〉
 2-2:最終的なおすすめの提案【結論】

 記事では、はじめに、350mL缶で250円程度となる、各社の「定番ビール」を比較します。その後「プレモル」に代表される、少し高め「プレミアムビール」を見ていく予定です。

 202312211507.jpg

 その後、主に、日本の大手ビール企業が輸入、あるいは、ライセンス生産している製品を中心に外国ビールの味も、比較のため、見ていく予定です。

麦酒のキレ味 ★★★★☆
麦酒のコク味 ★★★★★★
ホップの香り ★★★★★★
原料 麦芽(大麦、小麦)酵母 ホップ
アルコール度数:5%  

 その上で、最後に「結論」では、コクやキレなどの味の傾向をふまえつつ、Atlasのおすすめ商品!を提案していきます。

ーーー

 201801312042.jpg

3・日本の地ビールの比較

 ただ、日本のビールでも、「地ビール」(クラフトビール)として製造されているものは、数が多いので記事を完全に分けました。

 地方の地方のマイクロブリュワリーが製造する製品ほか、よなよな(キリン系)「TOKYO CRAFT(サントリー)」など大手が展開するクラフトビールもそちらのカテゴリーです。

 この方面に興味のある方は、3回目の【おすすめ地ビールの比較記事】をご覧ください。

 よろしくお願いします。

ーー

1・大手ビール・輸入ビールの比較
2・日本の地ビールの比較
3・ミネラルウォーターの比較
4・タンサンのペットボトルの比較

5・日本のウイスキーの比較
6・プレミア焼酎と焼酎原酒の比較
7・ブランド米の比較
8・トクホ飲料の比較
9・野菜ジュースの比較
10・レトルトカレーの比較
11・コーヒー豆の比較

 なお、今回は、このブログモノマニアの食品比較シリーズの1回目記事として書きました。

1・定番ビールの味の比較

 201808311743.jpg

 はじめに各社のお馴染みの定番ビールから紹介しましょう。

 とりあえず、Atlasの主観ですが、キレ味で勝負するタイプから、コクで勝負するタイプへと、順番に並べてみました。

--

 なお、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。


 202403261749.jpg

 1・アサヒ スーパードライ 350ml缶×24本
  ¥4,510 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 1・アサヒ スーパードライ 500ml缶×24本
  ¥6,091 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 1・アサヒ スーパードライ 生ジョッキ缶 340ml缶×24本
  ¥4,851 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 【楽天ふるさと納税】

 1・アサヒ スーパードライ 350ml 缶セット
  ¥7,000〜 楽天市場 (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★★★
麦酒のコク味 ★★★☆☆
ホップの香り ★★★☆☆
原料 麦芽・ホップ・米・コーンスターチ
アルコール度数: 5%

 スーパードライは、誰でも知っている日本の定番ビールです。

 とくに、九州など暑い地域でよく売れる銘柄です。

 ただ、2022年2月に「フルリニューアル」され、新しい味になっています。泡で人気の「生ジョッキ缶」も中身は同じですので一緒にみていきます。

  202204031544.jpg

 ビールの味は、他社の代表銘柄と較べた場合、切れ味で勝負するタイプです。

 ちなみに、「キレ」という表現は、日本のビール独特の用語です。要するに、強炭酸の爽快さ(のどごし)を楽しめるか、という観点です。

 「辛口」「クリア」と表現する方もいます。

 一方、2022年の改良で、コク(ビールの旨み)が増しました。

 従来よりも、モルト麦芽の味と濃さを感じられるようになっていて、ビールとしての旨みが増しました。

 従来通りの「クリア(雑味のなさ)」をキープしつつですが、他社の定番ビールを常飲する方にも受け入れやすい味になったかと思います。

 201808312127.jpg

 ビールの特徴は、冷やせば冷やすほど、美味しくなるという点にあります。

 メーカーもその部分は認識していて、特に夏は色々な企画商品を出しています。通常のスーパードライも、やはり、夏に涼しいところで、キリリと冷やして呑みたいビールです。

 201808311813.jpg

 なお、スーパードライの味は、その独自酵母に源があります。同社の「優良318号酵母」が、独特のクリアさを生むそうです。

201808312118.jpg

 ビールの味の改良は、先述のように、2022年2月に、のみごたえ(コク)を増す方向での行われました。

 近年では、30年降りに2018年に行われましたが、写真のように「究極の辛口へ」というキャッチフレーズでした。

 ただ、一般向けには気づかれにくい変更だった気がします。

 今回は(本当に)飲んで分かる変更です。

 辛口という特性はそのままに、麦の味を増しました。近年のクラフトビールの流行もあり、日本人の味覚が変わってきたことをふまえたのかもしれません。

---

 以上、スーパードライの紹介でした。

 味が好きで、定番ビールとして飲み慣れている人も多いでしょう。逆に、苦手な人は苦手とも言える味でしたが、2022年の改良で、垣根はだいぶ下がったかなと思います。

 従来通り、キレの部分での特長が際立つため、「キレ味とは何か」知りたい初心者にも良さそうです。このビールは、「キレ味」という言葉のメルクマールです。

ーーーー

  202201151940.jpg

 2・アサヒ生ビール マルエフ 350ml×24本
  ¥4,660 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★★
麦酒のコク味 ★★★★☆
ホップの香り ★★★☆☆
原料 麦芽・ホップ・米・コーンスターチ
アルコール度数: 4.5%

 なお、アサヒ生ビール(マルエフ)が最近復活してます。

 スーパードライの「プロトタイプ」として、1986年に開発され、1993年まで一般流通していた「クラシック」になります。

 味は、「キレ系」ですが、スーパードライよりマイルドで、味わいはこちらのほうがあります。

 ただ、コク系というにはライトなので、アサヒのビールだなという感じは残ります。

ーーーー

  202312211402.jpg

 【350ml×24本

 3・アサヒスーパードライ ドライクリスタル缶
  ¥4,710 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★★★
麦酒のコク味 ★★★☆☆
ホップの香り ★★★☆☆
原料 麦芽・ホップ・米・コーンスターチ
アルコール度数: 3.5%

 また、2023年から「アサヒスーパードライ ドライクリスタル缶」という製品が、定番ビールの仲間入りをしました。

 酒税法の改正で、ビールと発泡酒との値段差が縮まったことによって生まれた、ライトユーザー向けの、低アルコール度数の新しいライトビールです。

 むろん、酒税法上、(本物の)ビールです。

 ビールの特徴は、切れ味重視です。

 22年のスーパードライの改良で、本家は「コク」を増した印象ですが、こちらは「スッキリ」系で、キレでごくごく飲ませるタイプです。

 その点で、従来の「スーパードライ」に味の傾向はむしろ近い気がしますし、なんとなく、改良後のスーパードライに違和感がを感じていた方は、試しても良さそうな感じです。

 ただ(舌に残る昔のスーパードライの味を思い出すと)、麦芽の旨みはわりと出ている感じです。3.5%というアルコール度数の物足りなさもあまり感じないので、「うまく作ったな」と思いました。

--

 スッキリ系で良質のコクもあるので、先入観にとらわれず、一度試してもらいたいかなと思います。下手な輸入系のピルスナーより美味しいと思います。


  202007051649.jpg

 4・オリオン・ザ・ドラフト 350ml缶×24本
  ¥4,876 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 【楽天ふるさと納税】

 4・オリオンドラフト 350ml 缶セット
  ¥9,900〜 楽天市場 (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★★★
麦酒のコク味 ★★★★☆
ホップの香り ★★★★☆
原料 麦芽・ホップ・大麦・米・コーンスターチ
アルコール度数: 5%

 オリオン・ザ・ドラフトは、沖縄を代表するビールです。

 201808311756.jpg

 沖縄県の名護に工場があり、Atlasも数度行ったことがあります。

 全国に向けては、同社に醸造技術の協力もしているアサヒビールが「アサヒオリオンザ・ドラフト」という名前で販売しています(中身は同じ)。

 ビールの味は、暑い地域のビールらしく切れ味重視のビールです。

 基本、軽い感じのビールです。

 しかし、旨みも感じられます。そのため、「キレ味」の良い麦酒を飲みたいが、スーパードライにある種の酸味を感じる方は、こちらのビールを試してみたら良いかもしれません。

 201808312033.jpg

 ビールの特徴は、メジャービールとしては地元密着型ということでしょう。

 県民の試飲に基づいて、ビールの製法を改良しています。沖縄の風土と料理にあう「夏ビール」という印象です。

 202007051701.jpg

 ビールの味の改良は、2020年です。

 名称も「オリオンドラフト」から変更になりました。

 それに伴い、名護の北東の島で、大麦を作っている伊江島産の大麦に切替ました。

 ただ、この部分は多少「トリッキーな表現」で、主原料の麦芽は引き続き「外国産」です。

 お米などの副原料の1つとして、伊江島大麦「も」入れています。米やコーンスターチよりも多く入れています。

 熟成期間は、従来の1.2倍になりました。引き続き切れ味勝負なビールですが、従来よりもモルティで、味としてはレベルが上がっています。

---

 以上、の紹介でした。

「キレ重視」の夏ビールとして美味しいです。辛い料理や脂っこい料理に合うので、一度は試してみて欲しい「日本第五のビール」です。


 202010161008.jpg

 5・サッポロビール 黒ラベル 350ml×24本
  ¥4,545 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 5・サッポロビール 黒ラベル 500ml×24本
  ¥5,995 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 【楽天ふるさと納税】

 5・サッポロビール 黒ラベル 350ml 缶セット
  ¥8,000〜 楽天市場 (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★★
麦酒のコク味 ★★★★☆
ホップの香り ★★★★★
原料 麦芽・ホップ・米・コーンスターチ
アルコール度数:5%

 続いて、サッポロ黒ラベルです。北海道発祥のビールですね。

 北海道だと、道内限定のサッポロクラシック というモルトビールが売れていますが、全国的にはやはり黒ラベルが売れ筋です。

 ビールの味は、以外とキレ味もありますが、コクもあるビールです。定番ビールとしてはアロマも感じやすいです。

 201808311801.jpg

 ビールの特徴は、原料の品質管理の確かさです。

 なお、同社はホップの国内栽培と品種改良にも力を入れています。麦芽にもこだわりがありがありますが、多くの原料を契約栽培しており、品質管理にも力を入れています。

 昔ながらのビールとしての旨みを感じたいならば、こちらのビールが良いでしょう。意外とアメリカでも見かけたビールです。

 201808312116.jpg

 ビールの味の改良は、明示的には公開していませんが、2015年が最新です。

 たんぱく質が酸化しにくい旨さ長持ち麦芽を一部採用することで、味と風味を向上させてます。泡立ちの良さという副次的効果もあったようです。

---

 以上、サッポロ黒ラベルの紹介でした。

 米とコーンスターチを使う、伝統の「日本ビール」の範疇で、進化してきた製品です。外国の方に、「日本の定番ビールの味」を紹介する際には、特徴が分かりやすい、こちらが良いとAtlasは思っています。

ーーー

  202401091618.jpg

 6・サッポロ 冬物語 350ml×24本
  ¥5,389 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★☆
麦酒のコク味 ★★★★★
ホップの香り ★★★★☆
原料 麦芽・ホップ・米・コーンスターチ
アルコール度数:6%

 なお、サッポロビールの「季節限定ビール」の定番は冬物語です。

 202401091619.jpg

 アルコール度数6%と濃いめにしたうえで、ウィーンモルトなどをよく焙燥(コーヒーの焙煎に相当)させ、香ばしい香りを付けた製品です。

 ビールの味の改良は、大きな部分は2015年で、アルコール度数を高める改良でした。

 秋冬にのむビールは、キレ味不要で、飲み応えがあった方が良いので、Atlasもついつい購入してしまいます。


  202010161010.jpg   

 7・キリン 一番搾り 350ml×24本
  ¥4,611 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 7・キリン 一番搾り 500ml×24本
  ¥5,965 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★☆
麦酒のコク味 ★★★★★★
ホップの香り ★★★★★★
原料 麦芽・ホップ
アルコール度数:5%  

 一番搾り」は、キリンの定番酒です。昔はラガーでしたが、現在はこちらです。

 ビールの味は、完全にコクを重視する作りです。

 このメーカーは、麦芽ホップだけでビールを作っています。ドイツ流の昔ながらのピルスナー製法ですね。

 201808312035.jpg

 ビールとしての旨み、ポップの香りは、定番ビールの中では最も優れます。(ドイツの)ビール純粋令に則る、王道の下面発酵ビアと言えるでしょう。

 一方、キレ味は、米やコーンスターチを使った他社に及びません。その点では好き嫌いが分かれます。

 201808311823.jpg

 ビールの特徴は、麦汁について、一番搾り麦汁のみを利用する点です。

 麦芽とホップのみを原料とするビールは、日本人にはどうも雑味を感じるらしいです。その点をふまえて、この製法を取っています。

 モルトビールの良い部分である「コク味」をキープしつつも、クリアさも兼ね備えます。さらにろ過もアサヒなどに比べると低温で行っています。 

 ビールの味の改良は、大きなリニューアルは2017年の夏です。

 低温濾過装置を導入し、従来より甘みと苦みを抑えつつ麦芽の風味しました。2019年にも変更があり、ホップの配合を変えています。

---

 以上、「一番搾り」の紹介でした。

 後味もスッキリでクセがないため、どの料理にも合わせやすいビールといえます。定番ビールのなかではAtlasが最も良く呑む機会のあるビールですね。


 202101171228.jpg

 8・キリン 一番搾り 糖質ゼロ 350ml×24本
  ¥4,617 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 8・キリン 一番搾り 糖質ゼロ 500ml×24本
  ¥6,063 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★☆
麦酒のコク味 ★★★★☆
ホップの香り ★★★★☆
原料 麦芽・ホップ
アルコール度数:4%

 キリン 一番搾り 糖質ゼロは、一番搾りの新定番商品がです。

 ビールの特徴は、糖質ゼロ・カロリー約半分である点で、「一番搾り 糖質ゼロ」という名前です。

 2020年に登場しました。発泡酒などの「ビール系」を除けば、こうした製品は「世界初」だったそうです。なお、2022年にサントリーも同じコンセプトのビールを出したので、後で見るつもりです。

 202101171234.jpg

 アルコールを作るため醸造時に糖化させる際、アルコールにならず残る糖分を「ゼロ」にするため、醸造方法からして根本的に見直したそうです。

 混ぜ物をしない「一番搾りブランド」で出したのも革新的に感じます。世界どこでも「ビール」として売れるわけですし、グローバル展開も狙っているのでしょう。

 ビールの味は、軽やかな「ライトビール」という印象です。

 国産ビールのなかでも、ダントツに軽いです。

 アルコール度数が4%と低めの部分もありますが、飲み応え(コク)はないです。

---

 以上、キリン 一番搾り 糖質ゼロの紹介でした。

 「一番搾り」を基準に飲み比べたのですが、飲み応えはやはり「元祖」が最強です。

 ただ、一番搾り特有の「透きとおる感じ」があり、雑味がない点は、似ていました。意外と風味もしっかりビールでしたので、「新しい味」として、一度試されても良いかなと思います。


  202010161013.jpg

 9・キリン クラシックラガー 350ml×24本
  ¥4,586 Amazon.co.jp
(10/25執筆時)

 9・キリン クラシックラガー 500ml×24本
  ¥6,416 Amazon.co.jp
(10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★☆☆
麦酒のコク味 ★★★★★★
ホップの香り ★★★★★★
原料 麦芽・ホップ・コーン、スターチ
アルコール度数:5%  

 クラシックラガーは、キリンの伝統の定番ビールです。根強いファンがいるビールですね。

 ビールの味は、一番搾りとは異なります。コクと苦みが強調された、ビター系のビールです。

 雑穀を入れた伝統的な「日本ビール」の系統ですが、なかでも、ご飯食にとても合うビールです。

 201808312037.jpg

 ビールの特徴は、熱処理で酵母を殺してから出荷するという製法を取る点です。

 冷蔵設備がなく、流通が悪かった昭和50年代に主流だった「熱処理法」と呼ばれる方式です。

 つまり、「生ビール」ではありません。日本酒の生原酒と、火入れ済みの酒の違いみたいなものです。

 ビールの味の改良は、明示的に示されませんが、昭和40年頃のビールの味です。 

 歴史を振り返れば、ラガーは、バブル時代の「ドライ」ブームで、かなり「廃れ」ました。

 当時は「キレ味」重視路線でしたから。ただ、根強いファンがいるため、嬉しいことに、現在も発売が続いています。

---

 以上、クラシックラガーの紹介でした。

「伝統ビール」ですが、回り回って、現代の若い世代には「新しい」「飲んだことのない」タイプのビールと感じるかもしれません。

 お爺さんの世代を感じるためにも、一度飲んで欲しいお酒です。

ーーー

  202010161022.jpg

 10・キリン ラガービール 350ml×24本
  ¥4,690 Amazon.co.jp
(10/25執筆時)

 10・キリン ラガービール 500ml×24本
  ¥6,308 Amazon.co.jp
(10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★☆☆
麦酒のコク味 ★★★★★★
ホップの香り ★★★★★★
原料 麦芽・ホップ・コーン、スターチ
アルコール度数:5%  

 なお、クラシックラガーは、昭和40年代固定ですが、味を進化させてきたのが「キリンラガー」です。

 こちらは、「熱処理法」を使わない普通の生ビールです。味的には、他社のメジャービールの平均値からすると、コクというか、より正確には、「苦みが強い」傾向にあります。

  202010161023.jpg

 ビールの味の改良は、2020年10月です。約10年降りの改良で、順次入替がはじまります。

 今回は、ドイツ産ホップを増し、苦みと香りを増す改良です。

 ちなみに、「ラガー」というのは、そもそも下面発酵というビールの醸造技術のことです。

 したがって、日本の定番ビールはすべて「ラガービール」です。異なる製法として「上面発酵」がありますが、これについては、後ほど、該当する製品の部分で紹介します。

ーーー

 202010161158.jpg

 【季節限定】

 11・キリン 秋味 350ml×24本
  ¥4,973 Amazon.co.jp
(10/25執筆時)

 11・キリン 秋味 500ml×24本
  ¥6,423 Amazon.co.jp
(10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★☆☆
麦酒のコク味 ★★★★★★
ホップの香り ★★★★★★
原料 麦芽・ホップ・コーン、スターチ
アルコール度数:6%

 なお、毎秋限定で出される秋味は、一番搾りではなく、ラガーの改良版です。

 麦芽の量が多いのでコクを楽しむという製品で、アルコール度数も少し高めにされます。

 要するにキンキンに冷やして飲みたくない時期向けの味わいと言えます。


  202407191059.jpg

 12・キリン 晴れ風 350ml×24本
  ¥4,769 Amazon.co.jp
(10/25執筆時)

 12・キリン 晴れ風 500ml×24本
  ¥6,131 Amazon.co.jp
(10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★☆☆☆
麦酒のコク味 ★★★★★
ホップの香り ★★★★★
原料 麦芽・ホップ
アルコール度数:5%  

 晴れ風は、キリンが2024年に投入した新しいビールです。

 酒税法の改正でビールが(比較的)値ごろ感が出てきたところの投入ですが、若干安めに出してきたサントリー(トリプル生)と違って、定番と同じほどの値段で出しました。

 ビールの味は、ラベルの色通りで「さわやか」系です。

 すがすがしいホップの香りがありつつも、麦の味(うまみ)を感じられるコクが特徴です。

 キレはさほどないですが、スッキリ飲めるライトビールな印象です。

 ビールの特徴は、キリンのプレミア系(スプリングバレー)ではお馴染みの日本産ホップ(IBUKI)を一部利用することが示されます。

 基本的に、スッキリ系ですが、ここに依頼する苦みのアクセントがあるので、軽くても、しっかり「本格派」のビールを飲んだ感じを得られます。

 ビールの味の改良は、まだありません。

---

 以上、晴れ風の紹介でした。

 ビールの味わいがありつつ、「のどごしライト」という従来あまりなかったタイプです。あまり重いビールが好まれなくなった時代を反映しているような感じです。

 個人的には軽すぎなのですが、発泡酒からビールに「転向」された方のビール入門用にはよいかもしれません。


  202306081417.jpg

 【2023年発売】

 13・サントリー生ビール トリプル生 350ml 24本
  ¥4,282 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 13・サントリー生ビール トリプル生 500ml 24本
  ¥5,498 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★★
麦酒のコク味 ★★★★★
ホップの香り ★★★★★
原料 麦芽・ホップ、コーン、糖類
アルコール度数:5%  

 サントリー生ビール は、同社が2023年から展開をはじめた新しいビールです。

  202010161024.jpg

 同社のスタンダードで、1986から名前を変えつつ続いていた麦芽100%のサントリー ザ・モルツ (写真)が2023年3月に終売になりました。

 その後継品となるのが「サントリー生ビール」です。1963年、同社がビール事業参入の際のブランド名であり「原点回帰」の意味を込めたとのことです。

 ビールの味は、「モルツ系」のサントリーの味とは全く異なる印象です。

 モルツ特有のポップの個性(苦み)はないのですが、キレとコクのバランスが良いです。

 なにかしら舌に記憶される旨みがあって、結局スーパーで「買ってしまう」のが不思議です。最近、よく買います。

 201808311859.jpg

 ビールの特徴は、従来通り麦芽へのこだわりがあげられます。

 ラガービール(ピルスナー)は、東欧のチェコが本場ですが、その地域の麦芽のなかでも質の良い麦芽(ダイヤモンド麦芽)だけを使っています。

 旧来の「ザモルツ」の製法だったHHS製法(高温高圧蒸気を使う麦芽加工)は今回利用表明がなく、代わりに、煮出し時の「トリプルデコクション」製法が強調されます。

 煮出しの過程を3回することで旨みを引き出すことを強調します。「トリプル生」という名前の由来です。

 一方、モルツと違い、コーングリッツ・糖類が入るのでモルトビアではなくなっています。下面発酵で麦芽だけでも海外には軽いビールはありますが、日本的な手法にしたようです。

 だから、新商品に「モルツ」の名前が使えなかったとも言えます。

 缶のデザインからして新しい若者層の訴求でしょうし、良いのかなとも思いました。

 ビールの味の改良は、むろん、ありません。今回が初です。

---

 以上、サントリー生ビールの紹介でした。

 スタンダードラインなので、短期で終わることはないでしょう。

 「ガツンとうまい」お酒を飲みたい場合、言うまでもなく同社には「プレモル」があります。缶のデザイン自体「ガラッと変えた」のも、同じメーカーだからといって「プレモルと同じに考えないで欲しい」というようなメッセージ性もありそうです。

 同社の製品を含めて、最近はクラフトビアも増えていますし、棲み分けとしては良いのかなとも思いました。他社のビールとも味わいが異なりますし、良い選択肢が増えたと個人的に思いました。


 202210231201.jpg

 【350ml×24本】

 14・サントリー 新・パーフェクトサントリービール
  ¥4,195 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 【500ml×24本】

 14・サントリー 新・パーフェクトサントリービール
  ¥5,379 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★☆☆
麦酒のコク味 ★★★★☆
ホップの香り ★★★★☆
原料 麦芽・ホップ・糖類
アルコール度数:5.5%

 パーフェクトサントリービールも、サントリーの販売するビールです。

 2021年に登場した新シリーズです。2022年に改変があり味が代わっています。

 ビールの特徴は、キリンが先行していましたが「糖質ゼロ」である部分です。

 カロリーも32kcal/350mlなので、キリン同様に低めです。

 比較する場合、こちらは5.5%のアルコール度数です。「ズドン」と来る感じは、4%のキリン以上にあります。

 202210231222.jpg

 ビールの味は、同社の「プレモル」に較べると、やはりライトです。

 ただ、度数の部分と、麦芽の種類の工夫(ミュンヒナー麦芽・ダイヤモンド麦芽)で、飲み応えは、キリンの糖質ゼロ以上に感じます。

 ただ、仕込みに糖類は使うので、「ビール純粋令」には沿っていないとは言えます。

---

 以上、パーフェクトサントリービールの紹介でした。

 「糖質ゼロ」は、現代しゃかいのパワーワードです。

 カロリーも低いので、コンビニほかで見かけると(味を優先したいAtlasながら)「ちょいちょい」選んでしまいがちです。

 アルコール度数が高めな部分が主な理由だと思いますが、飲み応え(コク)はキリンの糖質ゼロよりありました。ビール好きが、ダイエットなどをしている際には良いでしょう。


  202010161026.jpg

 15・サッポロクラシック 350ml×24本
  ¥5,880 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 15・サッポロクラシック 500ml×24本
  ¥7,198 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★☆
麦酒のコク味 ★★★★★
ホップの香り ★★★★★
原料 麦芽・ホップ
アルコール度数:約5%  

 サッポロクラシックは、サッポロの「北海道限定」のビールです。

 201808311914.jpg

 ただ、北海道のコンビニならほぼどこでも見られる定番ビールです。

 ビールの味は、こちらも、麦芽とホップだけのモルトビールです。

 ただし、黒ラベルに比べて、コクを重視した作りです。

 年中汗をかく地域ではないので当然でしょうね。ホップは、サッポロのファインアロマホップで、プレミアムビールを除けば香りは立ちやすいビールです。

 ビールの特徴は、その独自製法の面白さです。

 このビールは、高温で短時間で仕込む、ドイツのホッホクルツ製法を、サッポロの製品としては唯一採用します。

 麦芽の旨みを引き出しやすく、豊かなコク味につながっています。淡く

 ビールの味の改良は、1985年以来、明示的な変更はないようです。

----

 以上、サッポロクラシックの紹介でした。

 北海道を訪れるたび、淡色のこのビールが懐かしくなります。北海道限定製品で流通が限られるので、定番ビールとしては「やや割高」ですが、一度は飲んで欲しい優秀なビールです。

2・プレミアムビールの味の比較

 201808312126.jpg

 続いて、日本の各社が発売する「プレミアムビール」を紹介します。


  202403261750.jpg

 16・アサヒ 食彩 340ml×24本
  ¥5,670 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 16・アサヒ 食彩 485ml×24本
  ¥7,280 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★☆
麦酒のコク味 ★★★★★
ホップの香り ★★★★★
原料 麦芽・ホップ・コーン・スターチ
アルコール度数:5.5%

 生ジョッキ缶 プレミアム アサヒ 食彩は、2024年3月の登場で、アサヒでは久しぶりにでたプレミアムビールです。

 缶形態では数年ぶりの「プレミアムクラスです。

 若干内容量が少ないのは、お馴染みの泡が出る「生ジョッキ缶」の上位クラスだからです。

 202403261804.jpg

 ビールの味は、「アサヒプレミアム熟撰」を含め、、アサヒ系の過去のビールと少し異なります。

 味は、果実味(マンゴー系)を感じる飲みやすいタイプです。また、キレより、コクを重視した仕様に思います。また、「生ジョッキ缶」に比べて、泡もきめ細かく、専門店のビールの味を楽しめます。

 ドライと同じ381号酵母ですが、性質は違います。

 ビールの特徴は、甘さほか、キャッチコピー通り、さわやかさを強く感じます。

 ホップが香る感じがありますが、苦みはないです。

 アルザス地方のアラミスというホップほか5種類(熟撰は3種)とを使いつつ、飲み始めから、呑んだあとまで、香りを感じられる作りにする工夫が新機軸です。

--

 以上、生ジョッキ缶・プレミアム アサヒ 食彩の紹介でした。

 味わいは、あえて言えばキリンの「スプリングバレー」に近いです。ただ、フルーティさと、泡のきめの細かさは独自で美味しいです。「生ジョッキ缶」なので、缶で飲むタイプですが、それに合わせた専用開発だったのかなと思いました。

 実際、美味しかったです。


  202210231259.jpg

 【350ml缶×12本】

 17・アサヒ プレミアム 花鳥風月
  ¥(3,220) Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★☆☆
麦酒のコク味 ★★★★★
ホップの香り ★★★★☆
原料 麦芽(国産大麦)・ホップ
アルコール度数:5.5%  

 アサヒ 花鳥風月 は、アサヒのプレミアムビールです。

 こちらは、現状で東北限定での販売です。

 202204031613.jpg

 ビールの味は、ドライ系とは傾向が異なります。

 国産麦芽とアロマホップのみのモルトビールで、香りとコクを重視したものです。

 キレがないので、同社の定番好きにはおそらく「びっくり」する味でしょう。

 同社が昔、北海道で「熟選」というの長期熟成の缶ビール(現在は便のみ)を出していましたが、そちらもモルトビールではなかったので、全く新しいと言えます。

 【地ビールの比較記事】のほうで書いた、アサヒのマイクロブルワリー(隅田川)のほうが近いかと思います。

 アルコール度数も、日本のビールの平均である5%よりあげた6.5%です。

 ビールの味の改良は、もちろんありません。

---

 以上、アサヒ 花鳥風月の紹介でした。

 あまり暑くない東北のような気候の地域だと、このタイプはあるでしょうから。ただ、一社で色々な味が楽しめるのは、良いことです。


  202010161036.jpg

 18・サッポロ ヱビスビール 350ml×24本
  ¥4,871 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 18・サッポロ ヱビスビール 500ml×24本
  ¥6,233 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★★
麦酒のコク味 ★★★★★★
ホップの香り ★★★★★★
原料 麦芽・ホップ
アルコール度数:5%  

 ヱビスビールは、サッポロのプレミアムビールのラインです。19世紀からあるサッポロのブランド名で、東京の恵比寿工場で作られていた背景があります。

 早くからドイツのピルスナーの製法を取り入れ、ドイツ伝統のビール純粋令に則って作られているモルトビールです。

 201808312107.jpg

 ビールの味は、味の傾向としては、コクと旨みを最重要視した力強いスタイルです。

 ビールのキレではなく、味を愉しもうという方に特に選ばれるプレミアムビールですね。

 ビールの特徴は、通常より1.5倍の長期熟成をする点にあります。

 ヱビスビールの「きれいなビールの色の秘密」とされますが、その独特のコク味の源泉も、この部分にあります。なお、酵母も秘伝のエビス酵母を使います。

 ビールの味の改良は、1984年に生ビール化がなされたのが大きなトピックです。

 それ以後については、明示的なリニューアル情報は見られません。

---

 以上、ヱビスビールの紹介でした。

 一番搾り・サントリーモルト以前に存在した「モルトビール」として、日本における、ドイツビアの「元祖」です。

 歴史を重視する場合、「キレ味」全盛期の昭和末期も「モルトビールをずっと作り続けてきた」ということには、たいへん価値があると言えるでしょう。

 味の面では、麦酒のうま味(嫌いな方は「苦み」とも形容しますが)が好きな方には特にオススメです。


  202010161153.jpg

 19・サッポロ 琥珀ヱビス 350ml×24本
  ¥(5,903) Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 19・サッポロ 琥珀ヱビス 500ml×24本
  ¥(7,741) Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★☆
麦酒のコク味 ★★★★★★
ホップの香り ★★★★★★
原料 麦芽、ホップ
アルコール度数:5.5%  

 サッポロの「琥珀エビス」は、限定醸造といいつつ、毎年冬の時期には見かける「(季節限定)ほぼ定番化」されたプレミアムビールです。

 201808311930.jpg

 ビールの味は、コクが非常に強いタイプのビールです。

 ビールの特徴は、いわゆる「黒ビール」のように、ローストした麦芽を使うため、独特の苦みと甘みがあるビールです。

 ただ、ピルスナー製法ですので、南ドイツの上面発酵ビールのような「爆発的なコク」はないです。

---

 以上、「琥珀エビス」の紹介でした。

 コクはありますが、過度に華やかではない点が、エビスやプレモルとの違いでしょう。きれいな琥珀色で、味の部分でも色合いの部分でも、秋冬の食卓に合うでしょう。

ーーーー

 202010161039.jpg

 なお、サッポロは、マイクロブルワリー事業にあまり積極的ではない一方、ヱビスビールブランドで、ニッチなビールをたくさん出していて楽しいです。

  202010161055.jpg

 【 350ml×24本

 20・サッポロ ヱビスプレミアムブラック
  ¥4,853 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★☆☆
麦酒のコク味 ★★★★★★
ホップの香り ★★★☆☆
原料 麦芽、ホップ
アルコール度数:5%  

 第1に、黒い「エビスプレミアムブラック」です。

 これは、ロースト麦芽を使った、長期熟成の黒ビールです。

 通常のヱビスビールと同じ下面発酵なので、イギリスのスタウトとは違います。

 とはいえ、コクと独特の苦み・甘みを楽しむという部分は同じでしょう。

 ちなみに、アサヒが業務用に「アサヒ・スタウト」というのを出しますが、そちらは上面発酵ですね。

 202010161054.jpg

 【 350ml×24本

 21・サッポロ ヱビスプレミアムエール
  ¥5,073 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★☆☆
麦酒のコク味 ★★★★★
ホップの香り ★★★★★
原料 麦芽、ホップ
アルコール度数:5.5%  

 第2に、青い「エビスプレミアムエール」です。

 こちらは、上面発酵で、琥珀色のゴールデンエールです。日本のクラフトビールに多い形式で、珍しさはあまりないです。

 ただ、香りの強いカスケードホップと、長期熟成で、普通のヱビスビールに比べて、コクや香りが強めです。あまりキンキンに冷やさないで飲むと美味しいです。

 ほかにも、夏の時期には、ホップの工夫で、白ワイン系の爽やかな香りを出した、サマーエールや、ドイツのオクトーバーフェスト(10月)の時期には、メルツェン(熟成させたラガー)を出すなど、エビスの限定醸造は結構見かけます。

ーーー

 202312211422.jpg

 【350ml×24本】

 22・サッポロ ヱビスオランジェ
  ¥(6,331) Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★☆☆☆
麦酒のコク味 ★★★★☆
ホップの香り ★★★☆☆
原料 大麦/小麦麦芽 ホップ オレンジピール
アルコール度数:6%  

 第3に、エビスオランジェです。

 限定醸造で出ていたエビス・プレミアムホワイトビール、あるいは「華みやび」を2023年に改良、「セミ定番化」した製品といえます。

 大麦麦芽に小麦麦芽をブレンドさせ、(日本のビールのような下面発酵ではなく)上面発酵で醸造した、ホワイトビール系です。

 味は、ただ、結構重ため(苦め)で、エビス特有の苦みがあります。同社の個性は残しつつの、変化球と言えます。

 ただ、エビスの定番では(ライトな意味で)初のドイツの「ビール純粋令破り」の製品です。麦芽100%ではなく、副原料に、カリフォルニア産のオレンジピールが入りますので。

 しっかり、オレンジではなく、オランジェ(仏語由来のドイツ語表記)で記されているのは、ドイツへの「オマージュ」でしょう。

 ただ、ブランドとして「変えてはいけない類の伝統」に思えますし、あえて、エビスブランドでこちらは出した意味は謎です。 


 202312211442.jpg

 23・ザ・プレミアム・モルツ 350ml缶×24本
  ¥4,850 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 23・ザ・プレミアム・モルツ 500ml缶×24本
  ¥6,433 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 【楽天ふるさと納税】

 23・ザ・プレミアム・モルツ 350ml缶 セット
  ¥10,000〜 楽天市場 (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★★
麦酒のコク味 ★★★★★★
ホップの香り ★★★★★★★
原料 麦芽・ホップ
アルコール度数:5.5%  

 こちらは、サントリーザ・プレミアム・モルツです。

 23年にパッケージが一新されました。ただ、味は同じです。

 ビールの味は、日本の定番プレミアムビールでは、最もホップの香りが強いです。

 ビールとしての旨みも強いほか、フルーティな香りが得られます。

 こうした点で、女性や若者などにも幅広く支持を持つビールといえます。

 201808311922.jpg

 ビールの特徴は、その徹底したアロマへのこだわりでしょう。

 ドイツの下面発酵のピルスナー系のビールも、メーカーによってアロマ(香り)が異なり、その違いを愉しむのも一つの文化です。

 そして、日本の定番ビールで明確にアロマで選別できるビールは、こちらのビールと思います。

 201808311925.jpg

 定番ビールもサントリーは、チェコ産の麦芽を利用していました。

 こちらは、ホップもチェコ産です。製法としても、アロマを出すために、煮沸終了時にも仕上げのホップを加えるアロマリッチホッピング製法を取ります。

 ビールの味の改良は、近年では、2017年2月に味が見直されてリニューアルしました。

 プレミアムビールの代表格ですが、味の進化は続いています。

 なお、今回の進化は、アロマはそのままに、よりコクを増す方向性の改良です。ビール好きには嬉しい方向性です。

---

 以上、サントリーザ・プレミアム・モルツの紹介でした。

 ライバルは、同じく、プレミアムなモルトビールを作っているヱビスビールです。

 Atlaはも、大山崎の工場見学に何回か足を運んだことがありますが、材料の選別・品質管理・運送に非常にこだわっているメーカーだと感じました。

 良質な苦みでとにかく「香る」ので、普段、外国産のビールを好むかたにも、オススメできます。

ーーーー

 202312211445.jpg

 【350ml缶 ×24本

 24・ザ・プレミアム・モルツ 香るエール
  ¥4,839 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 【500ml缶 ×24本】

 24・ザ・プレミアム・モルツ 香るエール
  ¥6,425 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 【楽天ふるさと納税】

 24・ザ・プレミアム・モルツ 350ml缶セット
  ¥16,000〜 楽天市場 (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★★
麦酒のコク味 ★★★★★★
ホップの香り ★★★★★
原料 麦芽・ホップ
アルコール度数:6%  

 なお、プレミアムモルツの兄弟として「香るエール」という青色の製品もあります。

 ヱビスビールにもありましたが、ヨーロッパに多い上面発酵技術を利用した、エールです。

 202010161109.jpg

 普通のプレモルよりも、香りが強く、果実系の甘みを感じやすいです。

 サントリーは、本場に倣った日本のクラフトビール(エール)とは違う「ジャパニーズエール」であることを強調します。

 日本は、多湿な気候特性と熱い夏で、キンキンに冷やしたビールを飲むのが普通なので、それに合わせた作りです。

 エールはあまり冷やさずに10度くらいで飲むのが普通ですが、冷やしても「香る」ような仕様と言えます。

 アルコール度数は、6%とすこしだけパワフルです。欧州産カリスタホップを使用します。


 202407191030.jpg

 【350ml x 12本】

 25・キリン スプリングバレー 豊潤 496
  ¥3,481 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

 【500ml x 24本】

 25・キリン スプリングバレー 豊潤 496
  ¥8,309 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★☆
麦酒のコク味 ★★★★★
ホップの香り ★★★★★
原料 麦芽・ホップ
アルコール度数:6%  

 SPRING VALLEY 豊潤〈496〉は、キリンが新投入したプレミアムビールです。

 キリンは定番のプレミアグレードのビールは初投入ですが、値付け的にすこし高めの設定です。

 202108011107.jpg

 原型は、もともとキリンのマイクロブリュワリーでやっていたoriginal 496です。Atlasも飲んだことがあり、【日本の地ビールの比較記事】でも書きました。

 ビールの味は、本製品はIPL(インディアペールラガー)と呼ばれます。

 IPA(インディアペールエール)と同じように、ホップの苦みが先にくる大人の味です。ただ、上面発酵のエールではなく、日本ビール特有のラガー(下面発酵)で、キレもないわけではないという新味です。

 202108181032.jpg

 ビールの特徴は、焙煎麦芽の利用と多めのホップが強調されます。

 ただ、オリジナルよりは減りましたが、6%のアルコール度数で「ガツン」と来る感じが印象的です。

 製法的には、糖化の際に温度を徐々に上げる「インフュージョン法」が強調されます。先述のように、飲み応えがありつつ、キレが良いのは、この製法でバランスをとっているからだと感じます。

 香りについては、ホップを発酵前にタンクに入れて、7日間漬け込む「ディップホップ製法」で高めます。

 ビールの味の改良は、2021年に登場したばかりですが、2022年・2024年にそれぞれ改良がありました。

 2022年は、ホップに日本のIBUKIを一部使用し、エール独特の苦みが強調されました。22年は、「豊潤さを維持しながら飲みやすさを高めた」という表現です。同社が同年出した「晴れ風」もですが、そういったテイストが(おそらく若い世代に)人気なのかと思います。

---

 以上、SPRING VALLEY 豊潤〈496〉の紹介でした。

 オリジナルの尖った部分をうまく丸めつつ、個性を残したまま、日本の食卓に合う感じにできていると思います。

 あまりクラフトビールを飲まないという方は、定番ビールとしては個性はやや強いため、好みは分かれる系統です。個人的には美味しいと思っています。

ーーー

 このほか、このシリーズは、あと2種類の定番があります。

 順番にみておきます。

  202407191036.jpg

 【350ml x 24本】

 26・スプリングバレー シルクエール
  ¥3,557 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★☆
麦酒のコク味 ★★★★★
ホップの香り ★★★★★
原料 麦芽(小麦)・ホップ・コーン
アルコール度数:5.5%

 第1に、シルクエールです。 

 白ビール(ウィートエール)になりますが、原材料にコーンが入ります。

 ビールの特徴は、小麦麦芽ですが、ヴァイツェンとは違って、甘みはないです。

 原材料に、コーンを使うのは「キリンの伝統」で、個性でしょう。

 豊潤〈496〉に近いように思えます。

 ただ、ビールだけ呑むと言うより、食事に合う感じで「日本風」です。個人的には、豊潤〈496〉のほうが好みです。

 ただ、よく香りますし個性はあります。

 ビールの味の改良は、22年の登場以後、変わっていません。

 24年にパッケージのみ変更がありました。

ーーー

  202407191041.jpg

 【350ml x 24本】

 27・スプリングバレー ジャパンエール 香
  ¥3,498 Amazon.co.jp (10/25執筆時)

麦酒のキレ味 ★★★★☆
麦酒のコク味 ★★★★☆
ホップの香り ★★★★★★
原料 麦芽・ホップ
アルコール度数:6%

 第2に、SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>です。  

 23年に登場して定番になったものです。

 赤ラベルは、IPL(IPAのラガー)でしたが、こちらは、ペールエール表記ですし、上面発酵のようです。

 ビールの特徴は、麦芽とホップだけの「純粋令」系です。

 味は、国内大手製では、最もビターな感じで、赤レーベルより苦みがあります。

 赤は、24年の改良で若干クセが抜けた感があったのですが、こちらとの差別化のためかと思いました。赤より「大人な味」で、最も「本格派」と言えます。

 ホップは、ドイツ・アメリカ・ニュージーランド・日本の表記順です。品種として示されるのは、先述の「IBUKI」ほか「MURAKAMI SEVEN」です。

 おそらく、後者がこちらのビールの香りとクセ(苦み)に貢献していて、これに合わせて調整された感があります。

 ビールの味の改良は、23年の登場以後、変わっていません。

次回に続く
定番ビールでおすすめのビールは結論的にこれ!

 というわけで、今回は定番ビールの比較の1回目記事でした。

 しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。

 202010161130.jpg

2・定番の輸入ビールの比較 (2)
 2-1:輸入ビール〈外国〉
 2-2:最終的なおすすめの提案【結論】

 続く2回目記事こちら)では、定番の輸入ビールを紹介したあと、いつものようにAtlasのおすすめ!を提案していきます。

 引き続き、よろしくお願いします。

 2回目記事は→こちら

---

 今回の記事がもし皆さんのお役に立ったようならば、Twitter Facebook はてなブックマークなどで話題を共有していただければ嬉しいです。ではでは。

posted by Atlas at 16:46 | 食料品

 このブログ家電批評モノマニアには家電やモノの比較記事が約400本あります。

 よろしければ、各記事へのリンク集をご利用ください!

 家電批評モノマニアは、「家電ブログランキング」に参戦中です。右のリンクから「クリックで応援」お願いします!  201302192014.jpg
          

Googleなどの検索エンジンでは

「家電批評モノマニア」「家電ジャンル」or「型番」

の単語入力で、このブログの個別記事検索ができます!





          




 今後の記事は、【Twitter アカウント】でツイートしています。お題も募集中!

monomani31.png