【今回レビューする内容】2024年 Bluetoothワイヤレスヘッドホンの性能とおすすめ・選び方:機種の違いと評価・性能ランキング iPhone Android対応 無線ヘッドホン
今回のお題
ワイヤレスBluetoothヘッドホンのおすすめはどの機種?
ども、Atlasです。
今回は、2024年10月現在、最新のBluetooth搭載ヘッドフォンの比較です。
音質部分は、ドライバーのスペックほか、ノイキャンの精度などを詳しく説明します。
音源部分も、ハイレゾほか、最近話題の空間オーディオへの対応状況も詳しく書きました。く
もちろん、装着時の快適性や利便性にも注意を払います
1・Bluetoothヘッドホンの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:ソニー〈日本〉
1-3:BOSE〈米国〉
1-4:Apple〈米国〉
2・Bluetoothヘッドホンの比較 (2)
2-1:Beats〈米国〉
2-2:SHURE〈米国〉
2-3:JBL〈米国〉
2-4:Scallcandy〈米国〉
2-5:Anker〈米国〉
2-6:パナソニック〈日本〉
2-7:ヤマハ〈日本〉
3・Bluetoothヘッドホンの比較 (3)
3-1:ゼンハイザー〈ドイツ〉
3-2:B&W〈英国〉
3-3:B&O〈北欧〉
3-4:Philips〈オランダ〉
3-5:ダイソン〈イギリス〉
3-6:オーディオテクニカ〈日本〉
3-7:AKG〈北欧〉
4・Bluetoothヘッドホンの比較 (4)
4-1:NTTソノリティ〈日本〉
4-2:final・Edifier・Sonos ほか
5・Bluetoothヘッドホンの比較 (5)
5-1:最終的なおすすめの提案【結論】
記事では、はじめにBluetoothヘッドホンの「選び方の基本」を説明します。
その後、SONYほかの売れ筋の大手の製品から、以上のような企業順に見ていくつもりです。
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
ノイズキャンセル ★★★★★
ハイレゾ再生 ★★★★★
空間オーディオ再生 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最後の「結論」部分では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種!」を提案する形で記事を進めていきます。
よろしくお願いします。
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1・完全ワイヤレスイヤホンの比較
2・左右直結Bluetoothイヤホンの比較
3・ハイレゾ対応イヤホンの比較
4・ノイキャン対応イヤホンの比較
5・Bluetoothヘッドホンの比較
6・ノイキャンヘッドホンの比較
7・ハイレゾヘッドホンの比較
8・Beatsのヘッドホンの比較
9・ネックスピーカーの比較
10・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】
今回の記事は、このブログのヘッドホン・イヤホン比較シリーズ全体の、5回目記事として書きました。
1-1・Bluetoothヘッドホンの選び方の基本
1・Bluetoothの圧縮転送規格
2・ノイズキャンセリング機能
3・再生周波数帯域
4・ヘッドホンの重さと形状
はじめに、Bluetoothヘッドホンの「選び方の基本」からです。
優れた音質を得たい場合、重要となる要素を中心に、以上4点について、あらかじめ解説をしておきます。
1・Bluetoothの転送規格
第1に、Bluetoothの圧縮転送規格です。
Bluetoothは、回線が細いので、スマホなどから音を飛ばす際に、音源を圧縮します。
その際の圧縮規格をBluetoothコーデックと言います。
SBCだけなら、どのヘッドも対応しますが、それ以上は機種によります。
iOS
SBC AAC
Android
SBC Apt-X
Xperia
SBC AAC LDAC
Mac&Windows:
SBC AAC Apt-X
上表は、再生機器側のBluetoothの対応状況を、OSごとに示したものです。(一部例外あり)
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結論的にいえば、iOSの場合はAAC、AndroidやPCの場合はApt Xに対応していれば、(まずまず)OKなヘッドホンです。
ただ、BOSEなどの企業は、圧縮音源を「独自の味付け」で音質を高める技術に強みがあり、SBCでも「自社の色に音源を染めるのでOK」という場合もあります。
そういった機は特別なので、注意して書こうと思います。
一方、スマホやPC(WIN & Mac)で、Bluetooth経由のハイレゾ音源をネイティブに対応したい方は一定数いると思います。
その場合、LDAC・Apt-X adaptiveなど「レアな」上位コーデックに対応しないといけません。
しかし、PCにせよ、スマホにせよ、これらのコーデックに対応できる端末は少ないです。
未対応の場合、周辺機器の導入が必要で、方法は2つ考えられます。
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第1に、Bluetoothトランスミッタを使う方法です。
LDAC対応製品はないですが、Apt-X Adaptiveなら、以上の製品があります。
PC・Android・Macにつなげて使う通信端末です。
USB-CとUSB-Aどちらでも使えます。iOSも対応ですが、Lightning端子のものは、アダプタが必要なので、やや不格好です。
第2に、Bluetooth対応ポータブルアンプを導入する方法です。
小型で格安なものもあるので、導入しやすいです。
LDACに対応できる製品もあります。
このブログの【ポータブルアンプ(ポタアン)の比較記事】で詳しく説明しています。
音質アップ効果も高いので、こちらの方法のが良いかと思います。
このほか、立体的な3Dオーディオ規格(空間オーディオ)の対応も、最近の注目点になっています。
その点を含めて、今回の記事では、各機の対応を詳しく書いていきます。
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一方、連続再生時間について補足しておけば、各社が出すスペックは、SBC規格でつなげた際の数字です。
上位のコーデックを利用する場合、あるいは、ノイキャンを併用する場合、結構短くなるので、(重さとの兼ね合いですが)持続時間について、多少余裕があるモデルを選んでも良いかと思います。
2・ノイズキャンセル機能
第2に、ノイズキャンセル機能の有無です。
電車や飛行機で利用する場合、音質よりも、こちらの機能の方が、高音質で聴く場合重要となります。
ノイズキャンセルは、マイクから感知した騒音を打ち消す逆の傾向を持つ音を発生させ、ノイズを打ち消すという仕組みです。
例えば、電車の走行音や、オフィスの空調の音、自動車の騒音は、効果的に打ち消せます。
一方、電車のアナウンスや話し声、プリンター機器の駆動音など、高い周波数が含まれる音は不得意です。
なお、ノイキャン技術は、マイクの数とセンサーの性能により、以上のような区分が可能です。
オーバーイヤー型ヘッドホンの場合、最も多いのが、カップの外側に1つだけマイク(センサー)があり、その情報だけで音を打ち消すという1マイク式です。
一方、上位機になると、内側にもマイクを配置することで精度をあげるWマイク式(ハイブリッドANC)を採用する機種もあります(ソニーなど)。
Wマイク式の場合、外側の騒音だけでなく、実際にきこえている内側の騒音(音楽)もAIが理解できるため、ノイズが実際「どのように実際伝わっているか」も合わせて分析できます。
そのため、1マイク式よりも高精度にノイズキャンセリングされます。
さらに上位といえる製品もあります。
センシングで周囲の環境を判断することで、自動で強度が調整される製品です。
今回の記事では、Wマイク式(自動)と記しますが、一般的には、アダプティブ・ハイブリッドANCと呼ばれる、高度なノイキャン技術となります。
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結論的にいえば、主な利用場所が「乗り物」の場合、高度なノイズキャンセリングの搭載は「マスト」です。
ヘッドホンの音質そのものより重要で、未搭載だと没入感を得にくいでしょう。
3・再生周波数帯域
第3に、再生周波数帯域です。
この値は、ヘッドホンのスペック表に掲載されています。
左値(Hz)が、小さいほど「低音域がしっかり聞こえるヘッドホン」であること、右値(kHz)が大きいほど「高音域が削られずに聞こえるヘッドホン」であることを意味します。
ヘッドホンの音質は、ドライバー(スピーカー/振動板)の大きさや素材などで大きく変わります。ただ、メーカー横断的にこうした要素は、比較しづらい部分があります。
その点で、この数字は(少なくとも)メーカーの味付けの方向性を知るために、重要な数字です。
なお、耳の可聴域は、20Hz〜20kHz程度ですので、過剰な測定値はオーバースペックです。しかし、実際は、数値に余裕がある方が臨場感を得やすいです。
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結論的にいえば、各製品の素材や駆動方法をしっかり見る必要はあるにせよ、再生周波数帯域は、はじめに見るべき重要な指標と言えます。
とくに、ハイレゾ音源に対応させたい場合、40kHz以上が基準ですから、その部分も含めて、詳しく比較します。
4・ヘッドホンの重さと形状
第4に、ヘッドホンの重さと形状です。
耳に収まるオンイヤー型、耳より大きいオーバーイヤー型にわかれます。
音質重視の機種は、ほぼ後者です。
そちらにも、持ち運びやすい機種、重くても疲れない機種はありますが、持ち運ぶ場合は、やはり、重さを最初に見てください。
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というわけで、Bluetoothヘッドホンの「選び方の基本」の説明でした。
説明したいことは他にもありますが、「基本中の基本」は、【ヘッドホンの選び方のまとめ記事】で、すでに書いています。
お読みいただくのも面倒でしょうし、以下の各製品の説明で、こうした部分の違いを分かるように書いていこうと思います。
よろしくお願いします。
1-2・ソニーのヘッドホン
はじめに、SONYのBluetoothヘッドホンからです。
同社のBluetooth製品はどれも密閉型ヘッドホンなので、自宅以外でも利用しやすいです。
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なお、以下では、Atlasのおすすめポイントについては赤系の文字色で、イマイチだと思う部分は青字で書いていきます。
【2023年発売】
1・SONY WH-CH520
¥6,384 Amazon.co.jp (10/28執筆時)
【2019年発売】
2・SONY WH-CH510
¥12,651 Amazon.co.jp (10/28執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
ドライバー: 30mm
コーデック: SBC・AAC
3D音響:対応(360 Reality Audio)
個人最適化:対応
連続再生時間:50時間
ノイズキャンセル:
有線接続:
重さ:147g
WH-CH520は、ソニーが発売するワイヤレス対応の密閉型ヘッドフォンです。
旧機種が残ります。
比較する場合、少しだけ重くなったのですが、稼働時間が30%ほど増えて50時間になったほか、後述するDSEE技術に対応するほか「360 Reality Audio認定モデル」になりました。
同社の入門機で、ワイヤレスヘッドホンとしては、最も安い製品です。
本体の重さは、132gです。
ほぼ耳の大きさと同じオンイヤー型で、持ちはこびにも配慮があるタイプです。
再生周波数帯域は、20Hz-20kHzというスペックです。
正確には、無線の伝送帯域としての値ですが、耳の可聴域と同等とはいえ、音質重視の作りではないでしょう。
ドライバーは、30mmの密閉ダイナミック型です。
基本的にドライバーは、口径が大きいほど音質が良いです。
その点で言えば、本機は同社における平均値はあります。
音質は、ただ、同社の製品としては、やや余裕がないです。
あえて言えば、聴き疲れしにくい「バランス型」の音色でしょう。
一方、補正面で言えば、ソニーの独自技術となるDSEEに対応するため、再計算により、圧縮音源をCDレベルまで高め、高音域の音質をアップさせる効果が、期待できます。
Bluetoothコーデックは、SBC規格のほか、遅延が少なく、音質も高いAACに対応です。
iOS系で使う場合、(スマホ側の仕様で)AACが最高音質ですから、iOS系ユーザにとっては良いでしょう。
立体音源は、ソニーの360 Reality Audio規格に対応です。
Appleの「空間オーディオ」に相当するものです。同名の専用アプリ経由で、最先端の3D立体音響を楽しめます。
360 Reality Audioの場合、Dolby Atmosコーデックではなく、独自の音楽用コーデックを利用します。音源とアプリベースの処理なので、ソニー製品でなくても、Bluetooth搭載のイヤホンならば、他社製品でも使える点で汎用性があります。
立体音響の音楽コンテンツは、360 by deezerかnugs.netほかで対応します。
そのほか、定額聴き放題サービスでも、「Amazon Music Unlimited」で、3Dオーディオの配信がはじまりました(ただし後述のパーソナライズはAmazonは非対応)。
イヤホンも2021年後半からアマゾンで使えます。(こちら)で無料体験が可能です。
音質のパーソナライズは、対応です。
先述のように、ソニーの立体音響(360 Reality Audio)は他社機でも再生可能です。
ただ、ソニーによる「360 Reality Audio認定ヘッドホン」の場合、再現性が高いです。
耳の形をカメラで撮影し聴覚特性に応じて、カスタマイズされるからです。
通信安定性の面では、Bluetooth5.0に対応しますので、信頼性があります。
連続再生時間は、30時間です。
この製品の良い部分で、スタミナは「自慢」です。
ノイズキャンセリング機能は、未搭載です。
音漏れのしにくい密閉型なので屋外でも使えますが、電車などの騒音を打ち消す力は持ちません。
使い勝手の部分では、ヘッドホン部に音量操作などのボタンがあるほか、ハンズフリー電話に対応できる点が挙げられます。
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以上、ソニーの WH-CH520の紹介でした。
軽量性・通信安定性の面で性能が高い製品です。持ち歩くには良いでしょう。
ただ、先述のように、音質部分で上位機と値段差以上の差は感じます。
【2024年発売】WH-XB910N後継機
3・SONY ULT WEAR WH-ULT900N
¥23,500 Amazon.co.jp (10/28執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:3Hz-20kHz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC AAC LDAC
3D音響:対応(360 Reality Audio)
個人最適化:高度(ヘッドトラッキング可)
連続再生時間:30時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:255g
WH-ULT900N は、ソニーの密閉型ヘッドフォンの中級機です。
「重低音」と「ノイキャン」を重視する系統の製品でといえます。
ULT WEAR(アルトウェア)という新シリーズですが、従来もあった重低音重視のXBシリーズの後継シリーズと言えますが、後述するULTボタンが付いたのが特長です。
本体の重さは、255gです。
割と重いですが、その分機能面では充実します。
また、このクラスでは(まだ)比較的軽量と評価できるレベルです。装着感も良いです。
再生周波数帯域は、5Hz-20kHzというスペックです。
同社の製品としては、低音域方向に測定値を高く出しており、その部分を強調する製品であることが分かります。
実際この製品は、ドライバーやダクト構造、内蔵アンプを用いて「低音域を強調」するULTパワーサウンドも採用します。
なお、従来機のブースト(EXTRA Bass)と異なり、通常モードほか2段階で重低音の「かかり」が選べるようになりました。ボタン1つで調整されます。
ドライバーは、40mmです。
「ULT専用設計40mmドライバーユニット」とされます。上図は旧機のユニットです。それに対して、振動板の追従性がアップしたような書き方ですが、実際は同じかもしれません。
いずれにしても、オーバーイヤー型のヘッドホンに多いサイズですが、ソニー機としては「大きめ」に分類されます。
もちろん、音質は、大きさだけでは決まりません。本機の場合、振幅・耐気圧特性を「低域」に最適化した専用振動板を採用するなどの工夫が見られます。
音質は、完全に、低音域を重視した作りです。
中音域を重視しているわけではないですが、低音が通気孔の作用であまり籠もらないので、バラナスも良いです。
高音域はさほど特徴が無く、ハイレゾ再生にも非対応です。
下位機種同様、DSEEには対応できます。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACのほか、ハイレゾ級のLDAC対応です。
しかし、ヘッドホン自体がハイレゾ水準に満たないので、再現性はありません。
立体音響は、本機も先述の「360 Reality Audio」認定製品です。
Amazon Musicほかにある対応音源だと、3Dサラウンドが楽しめます。
ヘッドトラッキングは、一方、このグレードから対応です(360 Reality Audio ヘッドトラッキング)。
この場合、位置・ジャイロセンサーで、顔の向きを変えても、方向的な立体感が維持されるので、音楽だけでなく映像も立体音響に対応できます。
ただ、空間オーディオ(360 Reality Audioの)で利用するには、「360 Reality Audio認定スマートフォン(22年以降のソニーのXperia)」であることが必要です。
あとは、「Android ヘッドトラッキング」に対応するスマホの特定アプリで利用できます。その点では、iOS系との相性は良くないです。
接続は、ステレオケーブル対応ですから、有線接続も可能です。
ソニーの場合、ケーブルは付属します。
通信安定性の面でも、Bluetooth5.2に対応です。
連続再生時間は、30時間です。
やはり、USBケーブルで充電することになります。
ノイズキャンセリング技術は、搭載されます。
しかも、冒頭で書いた区分で言えば、最上位のWマイク式(自動)で、周りの環境を見て精度を帰られる上位版です。
外音分析用のマイクが外側に、実際に聞こえている方向の音を分析するマイクが内側にあり、双方のデータを分析して音を打ち消します。
注目点は、最上位機同様、自社開発のV1プロセッサを採用する点です。
ノイキャン精度はチップの処理面にも大きく依存するため、ノイズキャンセルの精度は高まっています。
汎用チップを利用する他社製品との大きな違いです。
さらに、ノイキャンの使い勝手にかかわる部分でいくつかの独自機能があります。
また、自動処理といえるアダプティブサウンドコントロールに対応です。
スマホの加速度センサーを利用しつつ、「歩行」「静止」「着席時」などシーンに合わせて自動でキャンセルや外音取り込みレベルを変更する機能です。
日本の通勤や出張は、複数の乗物を乗り継ぐパターンが多いため、この機能は重要です。
高度に使いこなしたい場合は、スマホのGPSと連動した設定もできます。
よく行く場所を登録し、スマホの位置センサーで設定したモードに自動で切り替える機能です。
こうした便利機能を持つため、同じノイズキャンセリングでも利便性はSONYは高いです。
ノイズキャンセルはSONYが昔から力を入れてきた部分で、能力は期待できます。
外音取り込みモードも、持ちます。
通勤中などに、電車のアナウンスなどを聴きたい場合に便利です。
他社にも搭載機は多いですが、ソニーは アプリで20段階で設定可能な部分で細かいです。
また、ヘッドホンのタッチセンサーにふれている際だけに、マイクから外音を取り込める「クイックアテンションモード」も搭載です。
マイクも、搭載です。
通話用マイクと、ビームフォーミングマイクを併用する工夫で、一般的なマイク用のノイキャンより、口元の声を拾いやすくする工夫があります。
そのため、ヘッドセット型でなくてもしっかりハンズフリー通話ができます。
あとは、スマホに依存するものの、Google系とAmazon系のAIを操作に利用できますが、IOS系では利用できません。
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以上、ソニーのWH-XB910Nの紹介でした。
ハイレゾに対応する必要の無い方で、「低音域の迫力重視」ならば、「最先端」な製品だと思います。
重低音重視のものデルながらWマイク式のノイズキャンセリングと豪華ですし、音声アシスタントにも対応しますので、外出先でも、自宅でも割と便利に使えるでしょう。
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【2023年発売】WH-CH710N後継機
4・SONY WH-CH720N
¥15,800 Amazon.co.jp (10/28執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:7Hz-20kHz
ドライバー: 30mm
コーデック: SB, AAC, aptX
3D音響:対応(360 Reality Audio)
個人最適化:対応
連続再生時間:35時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:192g
なお、ソニーは、WH-CH720Nという本機の下位機種も出します。
一方、WH-XB910Nと比較する場合、ドライバーが30mmと小さめです。
先述の計算による低音強化技術(ULTパワーサウンド)も不採用です。
DSEE技術は搭載ですが、低音強化には関係ないですし、上位機と比べると、豊かな低音再生力はいくぶん犠牲になります。
そのほか、先述のヘッドトラッキングに非対応になります。
重さは、ただ192gです。
オンイヤーと言えるほど小型のカップではないですが、長時間利用時に疲れにくいという部分で本機の軽さは魅力です。
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結論的にいえば、強力なノイキャンさえあれば、そこそこ良い位の重低音でもOKという方には、こちらも良いかと思います。
こちらも、騒音下でも通話しやすいビームフォーミングマイクの工夫もあるので、ノマドワーカーが集中して作業をしたい場合など、特に良い製品に思えます。
【2022年発売】
【通常版】
5・SONY WH-1000XM5
¥42,255 Amazon.co.jp (10/28執筆時)
【BNT -Blue Note Tokyo Edition- 】
6・SONY WH-1000XM5
¥69,680 Amazon.co.jp (10/28執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:4Hz-40kHz
ドライバー: 30mm(高機能)
コーデック: SBC AAC LDAC
3D音響:対応(360 Reality Audio)
個人最適化:高度(ヘッドトラッキング可)
連続再生時間:30時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:250g
MDR-1000XM5は、ソニーのBluetoothヘッドホンの最上位機です。
なお、2023年にBNT Editionとして受注生産の限定モデル(青)もでました。
本体の重さは、250gです。
大きめのパットを採用したオーバーイヤー型です。
耳と肌にあたる部分にソフトフィットレザーを採用し、装着感を高める工夫があります。
再生周波数帯域は、4Hz-40kHzです。
したがって、「ハイレゾに対応」するスペックです。
ドライバーは、30mmです。
平均より小さめといえます。
ただ、小型化するにあたって、軟性のある素材をエッジ部に、硬質なカーボンファイバーコンポジット素材をドーム部に採用するなど、配慮はあります。
そのほか、通気口の工夫で、低音再現性も強化されています。
音質面では、同社の音源のアップスケーリング技術となるDSEEが、現状で最上位の「DSEE Extreme」になります。
ハイレゾ相当にアップコンバートする 点は同じです。i学習で膨大な楽曲データを分析したDBを利用し、再現性を高めたというものです。
Bluetoothコーデックは、SBC AAC LDACに対応します。
立体音源は、本機も対応です。
先述の「360 Reality Audio」の認定製品ですので、「Amazon Music Unlimited」(こちら)で、3Dオーディオの配信が楽しめます。
ヘッドトラッキングも、下位機同様に対応です。
音質のパーソナライズは、このグレードでは、立体音響用の調整以外も可能です。
NCオプティマイザーという名前で、主に後述するノイキャン利用時の音質にかかわります。
装着時の個人差(髪型・メガネなど)を音波センサーで検知し、適切にノイズキャンセリングを行える仕組みであり、かなり高度です。
また、気圧計も内蔵され、飛行機では、気圧に応じた適切なノイズキャンセルを行えます。
むろん、「360 Reality Audio認定ヘッドホン」ですので、立体音響の調整もされます。
通信安定性は、Bluetooth5.2となり、安定性を増しました。
ビームフォーミング対応になるので、接続性は良いです。
連続再生時間は、30時間です。
高性能機ですが、十分な時間です。
ノイズキャンセリング機能は、中級機と同じV1プロセッサを採用です。
その上で、高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1も併用している点で、下位機よりも高度です。
方式は、同じ「Wマイク方式(自動)」の仲間です。
しかし、専用プロセッサを利用することで、ノイキャン用のマイクを両側合計で8つ制御することができています。精度は、他社を含めても、ヘッドホンでは最高クラスです。
マイク(音声通話)も、この部分を活かしつつ、ノイズレスな通話を可能にしています。
外音取り込みは、スピーク・トゥ・チャットも対応です。
マイクが、ユーザーの声だけに反応し、音楽を止めて外音取り込みを自動で開始する機能です。
声紋登録のような仕組みではなく、マイクが感知した発生方向を検知する仕組みですから、感度が調整できます。会話終了後30秒で、音楽が自動的に再生されます。
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以上、ソニーのMDR-1000XM5の紹介でした。
外出先での利用に向く高度なノイズキャンセル機能を装備している点が最大の魅力でしょう。イヤホンを含めて、同社のヘッドホンでは、「最大のノイズ除去力」です。
その上で、ハイレゾに対応し、Bluetooth接続できるという点で、「隙の無い」モデルだと言えます。
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【2020年発売】
7・SONY WH-1000XM4
¥35,300 Amazon.co.jp (10/28執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:4Hz-40kHz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC AAC LDAC
3D音響:対応(360 Reality Audio)
個人最適化:対応
連続再生時間:30時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:254g
なお、本機は、2020年発売の旧機種が残ります。
ドライバーは、上で見た新機種と比べて、最も大きな違いと言えます。
ユニットの基本構成は新機種と同じなのですが、旧機種の場合、10mm大きい40mmでした。
また、同社の高級機にも乗せる、剛性素材のアルミニウムコートLCP振動板が採用されていました。
基本的にドライバは大きいほど音に余裕が生まれる部分も含めて、旧機種は、新機種より、音質部分の基本スペックにおいて「優る」部分があると言えます。
ただ、ノイキャン機能について言えば、新機種が圧倒的に上です。
旧機種もWマイク式(自動)ではあるのですが、(新機種のように外側3つではなく)合計2マイクによるキャンセルです。
また、ノイキャン用のQN1プロセッサーは新機種と同じものですが、V1プロセッサーが不採用になります。
そのほか、先述のヘッドトラッキングはこの世代だと非対応です。
新機種と「できること」はほぼ同じなのですが、精度については、それに準じるものになります。
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結論的にいえば、Atlas個人としては旧機種でも良いかと思います。個人的な利用経験でも音質は良い機種ですし、ノイキャンの精度も十分でした。
おそらく、今回は、プロセッサなどの新搭載によるスペースの問題からの小径化で、SONY自体もシステム変更で音質が向上したとは(しっかりと)言及していないです。
ただ、ノイキャンの精度向上はもちろん魅力なので、移動中などでの没入感を重視したい場合は、新機種がだいぶ良いかと思います。
1-3・BOSEのBluetoothヘッドホン
続いて、アメリカのBOSEのBluetoothヘッドホンです。音質重視の方に人気のアメリカ東海岸を代表する高級オーディオメーカーです。
独特の「BOSEサウンド」への作り込みは中毒性があり、コアなファンが多いです。
【2023年発売】
8・Bose QuietComfort Ultra Headphones
¥52,955 Amazon.co.jp (10/28執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:(35mm)
コーデック:SBC AAC Aptx-Adaptive
3D音響:対応(Bose Immersive Audio)
個人最適化:高度(ヘッドトラッキング可)
3D音響:
個人最適化:対応
連続再生時間:24時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:250g
Bose QuietComfort Ultra Headphones は、アメリカのBOSEの製品です。
本体の重さは、250gです。
従来のBOSEのヘッドホンと重さはあまり変わらないのですが、形状が大きく変わりました。
スタイリッシュでモダンですが、従来モデルに比べると、他社にも見られる形状に近づいた感じはあります。
ドライバーは、BOSEは、スペックが未開示です。
ユーザーレベルの情報だと35mmとされますが、詳しくは分かりません。
その場合、小さめなのですが、BOSEは低音域を中心とする味付け(音のアップコンバート)に個性のある企業なので、あまりここは気にしなくて良いように思います。
周波数帯域も、非開示です。
音質は、BOSEは、非開示な部分が多いです。
試聴の限り、同社の製品に共通する特長はありました。音がこもらない安定した低音域をもちつつ、聴き疲れしにくい中音域を保つという特性です。
同社の場合、内部構造のほか、イコライザー(アクティブEQ)で「BOSEサウンド」に味付けするため、ある種の「中毒性」があり、リピートユーザーも多いです。
比較的小音量でも、しっかり音のバランスが取れるのも特徴で、小音量再生時の音質の良さは、他社を凌ぎます。
テクノロジー的には、伝統的にTriPortという低音再生技術で、重低音を強調しています。
SONYやBeatsが、現在的な若者音楽をターゲットにしているとすれば、こちらは、少し大人世代です。
ジャズやロックを低音を響かせながら使いたい人に向く、ヘッドフォンといえます。
音質のパーソナライズは、対応です。
CustomTuneテクノロジーという名前ですが、同社のTWS型とは方式が違うようです。
ヘッドホンの場合、耳の形状を分析し、最適化する方法になります。良くある方法ですが、効果はあるでしょう。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACに対応します。
そのほか、説明書レベルの記載ですが、Apt-X Adaptiveに対応します。
上表のように、ハイレゾにも対応できる規格です。ただ、ヘッドホン側の仕様として、ビットレートの部分で対応水準まで伸ばせるのかは、明言がないです。
同時期に出た同社のTWS型の場合(HD水準の)48kHz/24bitで「ハイレゾ対応」という表記がありましたが、こちらは「Hi-fiサウンド」という表記なので、対応水準でないような感じはします。
一方、このコーデックのもうひとつの特長である「低遅延」という部分は、本機もあるので、機器(Snapdragon Sound対応スマホなど)があれば、映像用には(音ズレの部分で)使いやすいでしょう。
立体音響は、対応です。
今回の新機種の「目玉」であり、Bose Immersive Audioに対応します。
こちらはAppleの「空間オーディオ」や、SONYの「360 Reality Audio」のように、専用音源に依存せず、(ソフト的なサラウンド処理で)通常の音源を、独自の計算で「立体音響」にするという方向です。
つまり、BOSEの場合、もともと立体音源のデータがあるDolby Atmosなどの音源も扱えますが、通常のステレオ音源も独自のアルゴで「立体音響」にして、再生をすることができます。技術としては、ヤマハが先行しましたが、BOSEも採用したという感じです。
Apple・SONY式と、BOSE・ヤマハ式の違いは、表現が難しいのですが、ハイレゾ音源と、ステレオ音源のハイレゾアップコンバートとの違いに近いでしょうか。前者が「リアル空間オーディオ」志向だとすると、後者はバーチャルな「空間オーディオ」といえるかもしれません。
そもそも、BOSEは「音を自社様式で作り込む(みたい)」方向なので、これで良いのだと思います。
ヘッドトラッキングは、BOSEも対応です。
先述のように、対応の場合、音楽だけでなく、映像コンテンツでも立体音響が楽しめます。
通信安定性の面では、Bluetooth5.3に対応します。
ノイズキャンセリング機能は、Wマイク式です。
左右の4つのマイクを利用しつつ、AIが周囲の状況を判断して自動で出力を調整します。
BOSEのノイズキャンセルは従来的に評判が良いです。特に、(アメリカらしく)飛行機のノイズのキャンセル力は高いです。
外音取り込みは、可能です。
マイクを通じて外音を入れるヒアスルーは対応です(Awareモード)。このモードの際、大きな音がした場合、Bose ActiveSenseテクノロジーにより、しっかりノイズを押さえます。
このほか、通常は最大(Quiet)で使いますが、ノイキャンのかかりは段階的に軽減でき、2種までカスタマイズして登録可能です。
先述のように、ソニー機は、モーションセンサーを利用し、移動中などシーンに応じて、自動でキャンセル方法を調整する「アダプティブサウンドコントロール」に搭載していました。
一方、BOSEはこれに該当する機能は未搭載です。
アプリで、ノイキャンの効き方(外音の取り込み程度)を10段階から選び、そのうち7段階を本体に登録し、ユーザーがボタンで可変させる仕組みです(=可変ノイズキャンセリング)。
好き嫌いがありますが、SONY方式は、モード変更時、楽曲が一瞬途切れる仕組みなので、シームレスに聴きたい場合はBOSEは向きます。
ただ、徒歩・地下鉄・電車など、移動中の状況変化が多い方はSONY方式が良いでしょう。
BOSEは、「飛行機」での移動の多い米国向き設計のような気がします。ソニーも気圧関係の配慮はありますが、この部分は同社に「定評」があります。
連続再生時間は、24時間です(立体音源利用時18時間)。長時間のフライトにも向いた仕様です。
加えてこの機種は、GoogleAssistantとAmazon Alexaに対応です。これらは、【スマートスピーカーの比較】で紹介した音声コントロールシステムです。
この場合、ヘッドホン本体のボタンを押すことで、音声による音楽コントロールや、アシスタントへの質問・お願いをマイク経由で可能としています。
マイク(ハンズフリー通話)は、一方、他機については、あまり検証しませんでしたが、本機のもうひとつよい部分です。
電話が着信すると「セルフボイス」が自動的にONとなり取り込めるので、受話器での電話のような感覚で通話ができます。
なお、本機は先述のように、ノイキャン(アダプティブノイズキャンセル)についてはマイク4基の「4マイクシステム」ですが、合計では「マイク8基」です。
別の2組4基マイク(ビームフォームアレイ・リジェクションアレイ)は、通話と音声コントロールの品質向上のために利用されています。
接続方法は、Bluetoothほか、全製品とも、有線ケーブル付属で、ワイヤードでも使えます。
ノイキャンとEQを利用する場合はバッテリーが必要ですが、不要ならば、未充電でも使えます。
このほか、本機は「Bose SimpleSyncテクノロジー」対応です。【サウンドバーの比較記事】で紹介した、BOSEのサウンドバーをお持ちの場合、ペアリングが可能です。
子供のお昼寝中など、シームレスにテレビなどの音をヘッドホン再生に移行できます。そして、音量調整もそちらでできます。この機能のために(低遅延の)Apt-X Adaptiveを搭載したような気がします。
ただ、サウンドバー側でApt-X Adaptiveに対応しない場合は、SBCでの転送になるかと思います。遅延はあるように思います。
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以上、BOSEのBose QuietComfort Ultra Headphones の紹介でした。
自然な音の再生とは方向性が異なりますが、豊かな低音域をベースに作り込まれた「BOSEサウンド」のファンには最適です。
ノイズキャンセリングは、静粛性という意味ではソニーに優りますが、先述のように、移動中の微調整という部分は、逆に負ける感じです。
とはいえ、自宅や職場、あるいは、飛行機などの移動中に使うならばBOSEでしょう。
そのほか、小音量で再生した際のバランスが良いので、飛行機などの騒音下でも、低音量で聞きたい場合などは、良い選択肢です。
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【2019年発売】
9・Bose Noise Cancelling Headphones 700
¥32,222 Amazon.co.jp (10/28執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:
コーデック:SBC AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:20時間
ノイズキャンセル:Wマイク
有線接続:対応
重さ:250g
なお、だいぶデザインが変わりますが、本機の旧機となるのが、Bose Noise Cancelling Headphones 700です。
本体の重さは、245gです。
新機種と同じですが、写真のようにバンド部分が個性的です。
ただ、少し前に流行ったようなデザインではあるので、少し「古くさい」とも言えるのかもしれません。形状的にも、こちらは折りたたみできませんでした。
(後ほど紹介する)従来機(QUIETCOMFORT 35)は「スーツに合う」ビジネスマン向きのデザインでした。
音質は、ドライバ周りに由来する基本的なスペックという意味では、新機種と大きく傾向は変わりません。
音源対応は、ただ、先述のBose Immersive Audioに対応しないほか、コーデックの部分でApt-X Adaptiveにも対応しません。
ここが最も大きな差に思えます。
ノイズキャンセリング機能は、本機も対応です。
4マイクによるシステムは同じですが、チップセットや処理方法の変更で、ノイキャン周りの性能は、新機種で大きく変わりました。
実際、新機種とくらべると5年前の水準なので、その間の、AI技術を含めた処理技術の高度化による差は、値段差以上にありそうです。
そのほか、先述のCustomTuneテクノロジーとSimpleSyncに非対応になります。
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結論的にいえば、値段差はあるものの、特に音源対応の部分では、その差に相応する違いはあると言えそうです。
ただ、「BOSEの音の作り」ではありますし、ノイキャンも実用水準以上の精度ですので、今の値段だとお買得感はあります。
つまり、音質重視ならば、次に見る新しい下位機を選ぶより、こちらの方がよく見えます。
【2023年発売】
10・Bose QuietComfort Headphones
¥40,618 Amazon.co.jp (10/28執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:(35mm)
コーデック:SBC AAC Aptx-Adaptive
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:24時間
ノイズキャンセル:Wマイク
有線接続:対応
重さ:240g
Bose QuietComfort Headphones も、BOSEのノイキャンヘッドホンです。
先ほどの機種の下位機になります。
以下、Bose QuietComfort Ultra HeadphonesとQuietComfort Headphonesとの違いをメインに説明します。
本体の重さは、250gです。
デザインは上位機を踏襲しますが、バンドやハウジング部分の外観は、多少グレード差があります。
音質部分は、ただ、ドライバ周りを含めて、明確な機能差は付けていない印象です。
ただし、音源対応部分で、Bose Immersive Audioに対応しないほか、コーデックの部分でApt-X Adaptiveにも対応しません。
音質のパーソナライズも、こちらは、CustomTuneテクノロジーに非対応です。
ノイズキャンセリング機能は、 QuietComfort Ultraと同じ精度です。
基本的な部分(キャンセル力)は、旧上位機( Noise Cancelling Headphones 700)よりも上位です。
ただ、マイクを通じて外音を入れるヒアスルー(Awareモード)を利用する場合、大きな音がした場合、自動的にノイキャンを入れるBose ActiveSenseテクノロジーが、下位機だと不採用になります。
あとは、GoogleAssistantとAmazon Alexaなどの音声アシスタントに対応しない部分と、操作系(特に音量ボタン)のデザインが、上位機と若干違うといえます。
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以上、Bose QuietComfort Headphonesの紹介でした。
結論的にいえば、QuietComfort Ultraとの実用面での差は、「空間オーディオ(Bose Immersive Audio)」の対応の有無が最も大きい言えます。
その部分が不要ならば、とくに上位機でなくても良いかなと思います。とくに、自宅だけで利用する方で、「空間オーディオ」にさほど興味がないならば、こちらでも良いでしょう。
1-4・Appleのヘッドホン
続いて、AppleのBluetoothヘッドホンです。
同社の別ブランド(Beats)のものは後ほど見ますが、Apple直販の製品は「超高級機」だけです。
【2024年発売】(USB-C充電)
11・ Apple AirPods Max USB-C
¥81,734 Amazon.co.jp (10/28執筆時)
【2021年発売】(Lightning充電)
11・ Apple AirPods Max
¥81,734 Amazon.co.jp (10/28執筆時)
1・MWW43ZA/A [ミッドナイト]
2・MWW53ZA/A [スターライト]
3・MWW73ZA/A [オレンジ]
4・MWW83ZA/A [パープル]
5・MWW63ZA/A [ブルー]
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:40mm
コーデック:SBC AAC
3D音響:対応(Apple 空間オーディオ)
個人最適化:対応
連続再生時間:20時間
ノイキャン:Wマイク式 (自動)
有線接続:
重さ:366.2g
AirPods Max は、Appleが出す高級ヘッドホンです。
本機は、傘下のBeatsブランドの製品を除けば、自社では初めてのオーバーイヤー型でした。
なお、Apple機は高級機ながら他社と違ってBluetooth専用です。ワイヤード接続に非対応ですので、注意してください。
一方、新旧あります。
ただ、充電方法が、Lightning充電から、USB-C充電に変わっただけです。それに伴い2g程度ですが重さが増えました。
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結論的にいえば、とくに安くない場合は、新機種が良いでしょう。
あとは、同じなので、同時にみていきます。
本体の重さは、366.2gです。
わりと最近見かけない楕円形のドライバーで、見かけはすっきり軽く見ますが、平均よりけっこう重めです。
ただ、形状記憶フォーム性のイヤークッションのフィット感の調整が抜群なので、長時間でも疲れにくいです。
このあたりは、やはり「うまい」です。イヤーパッド以外も、頭の部分がメッシュで放熱性に配慮があったり、デザイン性と機能性が両立した伸縮アームなど、かなりレベルは高いです。
ドライバーは、実寸で40mmです。
このクラスとしては、大きいとも言えません。
下部に、強力なデュアルネオジウムリングを装備し、音の歪みを除去する仕組みです。
音質は、基本的に、フラットで、原音忠実性を優先した作りです。
ドライバのサイズからすれば、低音も出ます。
音質のパーソナライズは、アダプティブイコライゼーションに対応します。
内側のマイクを利用して実際聞いている音を把握し、中・低音域の周波数を調整をする技術です。密着度、あるいは、音源の性質に由来する不快感は吸収します。
なお、ソニーは、ノイキャン時の性能向上のためのパーソナライズだったので、少し方向性が違います。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACのみに対応します。
同社のiPhoneに準じた仕様で、ハイレゾは非対応です。
通信安定性は、Bluetooth5.0(Class1)ですので、問題ないです。
その上で、本機はAppleのH1チップを搭載です。iPhoneなどのApple製品に対して、通信安定性・音の遅延が減少に効果を発揮します。
また、このチップにより、同社の人工知能、Sirとiも連携可能です。
ノイズキャンセリング機能は、Wマイク式(自動)です。
ソニーに数で対抗したわけでもないでしょうが、外向きに6個、内向きに2個のマイクを装備します。AIが複数の情報源を参照できる分、キャンセル力は高いといえる方式です。
自動処理の部分は、(ノイキャンとは別のモードとしての)適応型ノイズコントロール(モード)で利用できます。
自宅では、自然な外音を取り入れ「普通のステレオスピーカー」のように、外出先では、AIが周囲の外音や会話状況を即時に分析し、(電車のアナウンスなど)必要な外音か、そうではないかを判別し、ノイキャンと外音取り込みを(ある程度)自動化させるという方向です。
この部分の「効き」の評価は現状で意見の分かれる部分です。ただ、OSアップデートを含めて、今後進化・改善している部分でしょう。
なお、同社のTWS型にみられるコンテンツ間の音量の最適化(適応型オーディオ)と、会話検知は、非対応です。
外部音取り込みモードも対応です。
ノイキャンをしつつ、電車のアナウンスは聞きたい場合などに使います。
「適応型環境音除去( Adaptive Transparency reduce)」に対応し、周囲の騒音状況が酷い場合、自動でかかりが調整されます。
立体音響は、「空間オーディオ」をフォローします。
空間オーディオという名前自体は(商標でないので)各社でいろいろ使っています。
Appleの「空間オーディオ」は、7.1chまでのドルビーほか、映画用の立体音響技術のドルビーアトモスを音源として 利用する形式です。
ドルビーアトモスは、映画館のような上からの振り下ろし音を3D的にフォローできるサラウンド規格で、ネットを含む映画コンテンツで採用が多い音響規格です。
これらのデータを利用しつつ、再計算して立体音響を再現しています。
耳の聴覚特性で立体感は変わるので、iPhoneのカメラ(TrueDepth)を使い頭の形を測定して、カスタマイズする機能を備えます(=パーソナライズされた空間オーディオ機能)。
ヘッドトラッキング機能も、空間オーディオの補間技術として対応です。
内蔵される加速度・ジャイロセンサーを利用し、利用者の頭の向きに連動して、立体音響(ドルビーアトモス)の方向性を正しく調整する技術です。ようするに、普通のスピーカーのように、自分が首を振ったりしても、音が正しく定位します。
技術自体は10年以上前に確立していて、立体音響についても、ゲーム用ヘッドホン(写真はJBL Quantum ONE)などで既に先行しました。
ただ、ワイヤレスイヤホンでは初で、素直に「すごい技術」だと素直に思います。ちなみに、2022年から「Dolby Head Tracking」という汎用規格が登場したので、他社にも普及していきそうです。
立体音響の対応コンテンツは、Apple系の場合、基本的にAppleの提供する音源・映像になります。
音楽コンテンツは、Apple Music(Dolby Atmos音源)です。
映像コンテンツは、Apple TV(Dolby Atmos音源)とFace Timeです。
このほか、Netflix・Amazon Musicなどの空間オーディオコンテンツも一部再生可能です。
端末は、iPhone・iPadほかMac OS(itunes)を介して使う形です(Intel Macは一部機能制限あり)。
本機は【STB機器の比較記事】で紹介したApple TVともBluetoothペアリングできます。
Apt-X LLなど使用できませんが、あまり音ズレを気にする声が聞こえてきません。
TV側で何かしらの音ズレのタイミング処理がなされている可能性はあるでしょうが、単純にSBCの性能向上によるものかもしれません。
連続再生時間は、20時間です。
充電は、現行のiPhoneと同じUSB-C端子を利用する方式です。
5分の充電で、1.5時間分の緊急充電も可能です。
また、付属ケースに入れることで、自動的に低電圧モードになり、バッテリーを節約します。
マイク(ハンズフリー通話)は、搭載です。
先述のように、外音取り込みモード(会話モード)も搭載しますし、使い勝手は良好です。
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以上、AppleのAirPods Max 紹介でした。
値段は相当高いですが、Apple製品を軸にしてオーディオ環境を整えている場合、この値段でも、十分納得がいく機能性です。
メインの用途が、iPhoneやiPadを利用した「映像視聴」ならば、本機を買う価値があります。
ただ、そうでない場合は、単純に40mmのドライバーの高級機にすぎないわけで、本機はオーバースペックで割高でしょう。
ノイキャンにしても、外出先で使う分には他社機が優れますから、ある種ニッチな高級機と言えます。
次回に続く!
Bluetoothヘッドホンのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、Bluetoothヘッドフォンの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・Bluetoothヘッドホンの比較 (2)
2-1:Beats〈米国〉
2-2:SHURE〈米国〉
2-3:JBL〈米国〉
2-4:Scallcandy〈米国〉
2-5:Anker〈米国〉
2-6:パナソニック〈日本〉
2-7:ヤマハ〈日本〉
3・Bluetoothヘッドホンの比較 (3)
3-1:ゼンハイザー〈ドイツ〉
3-2:B&W〈英国〉
3-3:B&O〈北欧〉
3-4:Philips〈オランダ〉
3-5:ダイソン〈イギリス〉
3-6:オーディオテクニカ〈日本〉
3-7:AKG〈北欧〉
4・Bluetoothヘッドホンの比較 (4)
4-1:NTTソノリティ〈日本〉
4-2:final・Edifier・Sonos ほか
5・Bluetoothヘッドホンの比較 (5)
5-1:最終的なおすすめの提案【結論】
次回の2回目記事(こちら)では、引き続き各社の製品を追加で紹介します。
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
ノイズキャンセル ★★★★★
ハイレゾ再生 ★★★★★
空間オーディオ再生 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
そのうえで、最後の結論編(こちら)では、ここまで紹介してきたBluetoothヘッドホン全てから、価格別・目的別にAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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