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2023年07月24日

比較2023' 最新Bluetoothヘッドホン61機の性能とおすすめ:iPhone Androidも対応 (1)

【今回レビューする内容】2023年 Bluetoothワイヤレスヘッドホンの性能とおすすめ・選び方:機種の違いと評価・性能ランキング iPhone Android対応 無線ヘッドホン

今回のお題
ワイヤレスBluetoothヘッドホンのおすすめはどの機種?

 ども、Atlasです。

 今回は、2023年7月現在、最新のBluetooth搭載ヘッドフォンの比較です。

 音質利便性に注目しながら、各社の製品を紹介します。

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 数は限られるため、大手企業の製品はだいたい網羅できたかと思います。

音質の良さ    ★★★★★
重低音      ★★★★★
ノイズキャンセル ★★★★★
ハイレゾ再生   ★★★★★
バッテリー量   ★★★★★
総合評価     ★★★★★

 というわけで、以下では、いつものように各製品を機種ごと比較します。

 そして、最後の「結論」部分では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種!」を提案する形で記事を進めていきます。

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1・Bluetoothヘッドホンの比較
2・Bluetoothイヤホンの比較
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較
4・ハイレゾヘッドホンの比較
5・ハイレゾイヤホンの比較
6・ノイキャンヘッドホンの比較
7・ノイキャンイヤホンの比較
8・Beatsのヘッドホンの比較
9・ライトニング端子イヤホンの比較
10・ウェアラブルネックスピーカーの比較
11・Dyson Zone 空気清浄機ヘッドホンの比較
12・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】

 今回の記事は、このブログのヘッドホン・イヤホン比較シリーズ全体の、1回目記事として書きました。

1-1・Bluetoothヘッドホンの選び方の基本

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1・Bluetoothの圧縮転送規格
2・ノイズキャンセリング機能
3・再生周波数帯域
4・ヘッドホンの重さと形状

 はじめに、Bluetoothヘッドホンの「選び方の基本」からです。

 優れた音質を得たい場合、重要となる要素を中心に、以上4点について、あらかじめ解説をしておきます。

1・Bluetoothの転送規格

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 第1に、Bluetoothの圧縮転送規格です。

 Bluetoothは、回線が細いので、スマホなどから音を飛ばす際に、音源を圧縮します。

 その際の圧縮規格をBluetoothコーデックと言います。

 SBCだけなら、どのヘッドも対応しますが、それ以上は機種によります。

iOS:SBC AAC
Android:SBC Apt-X (LDAC)
Xperia・ウォークマン:SBC AAC LDAC
Mac&Windows:SBC AAC Apt-X

 上表は、再生機器側のBluetoothの対応状況を、OSごとに示したものです。(一部例外あり)

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 結論的にいえば、iOSの場合はAAC、AndroidやPCの場合はApt Xに対応していれば、(まずまず)OKなヘッドホンです。

 ただ、BOSEなどの企業は、圧縮音源を「独自の味付け」で音質を高める技術に強みがあり、SBCでも「自社の色に音源を染めるのでOK」という場合もあります。

 そういった機は特別なので、注意して書こうと思います。

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 一方、スマホPC(WIN & Mac)で、Bluetooth経由のハイレゾ音源をネイティブに対応したい方は一定数いると思います。

 その場合、LDAC・Apt-X adaptiveなど「レアな」上位コーデックに対応しないといけません。

 しかし、PCにせよ、スマホにせよ、これらのコーデックに対応できる端末は少ないです。

 未対応の場合、周辺機器の導入が必要で、方法は2つ考えられます。

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 【USB-C to USB-A変換端子付属】

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   ¥7,200 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

 第1に、Bluetoothトランスミッタを使う方法です。

 LDAC対応製品はないですが、Apt-X Adaptiveなら、以上の製品があります。

 PC・Android・Macにつなげて使う通信端末です。

 USB-CとUSB-Aどちらでも使えます。iOSも対応ですが、Lightning端子のものは、アダプタが必要なので、やや不格好です。

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 第2に、Bluetooth対応ポータブルアンプを導入する方法です。

 小型で格安なものもあるので、導入しやすいです。

 LDACに対応できる製品もあります。

 このブログの【ポータブルアンプ(ポタアン)の比較記事】で詳しく説明しています。

 音質アップ効果も高いので、こちらの方法のが良いかと思います。

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 このほか、立体的な3Dオーディオ規格(空間オーディオ)の対応も、最近の注目点になっています。

 その点を含めて、今回の記事では、各機の対応を詳しく書いていきます。

ーーー

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 一方、連続再生時間について補足しておけば、各社が出すスペックは、SBC規格でつなげた際の数字です。

 上位のコーデックを利用する場合、あるいは、ノイキャンを併用する場合、結構短くなるので、(重さとの兼ね合いですが)持続時間について、多少余裕があるモデルを選んでも良いかと思います。

2・ノイズキャンセル機能

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 第2に、ノイズキャンセル機能の有無です。

 電車や飛行機で利用する場合、音質よりも、こちらの機能の方が、高音質で聴く場合重要となります。

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 ノイズキャンセルは、マイクから感知した騒音を打ち消す逆の傾向を持つ音を発生させ、ノイズを打ち消すという仕組みです。

 例えば、電車の走行音や、オフィスの空調の音、自動車の騒音は、効果的に打ち消せます

 一方、電車のアナウンスや話し声、プリンター機器の駆動音など、高い周波数が含まれる音は不得意です。

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 なお、ノイキャン技術は、マイクの数センサーの性能により、以上のような区分が可能です。

 オーバーイヤー型ヘッドホンの場合、最も多いのが、カップの外側に1つだけマイク(センサー)があり、その情報だけで音を打ち消すという1マイク式です。

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 一方、上位機になると、内側にもマイクを配置することで精度をあげるWマイク式(ハイブリッドANC)を採用する機種もあります(ソニーなど)。

 Wマイク式の場合、外側の騒音だけでなく、実際にきこえている内側の騒音(音楽)もAIが理解できるため、ノイズが実際どのように実際伝わっているかも合わせて分析できます。

 そのため、1マイク式よりも高精度にノイズキャンセリングされます。

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 さらに上位といえる製品もあります。

 センシングで周囲の環境を判断することで、自動で強度が調整される製品です。

 今回の記事では、Wマイク式(自動)と記しますが、一般的には、アダプティブ・ハイブリッドANCと呼ばれる、高度なノイキャン技術となります。

 結論的にいえば、主な利用場所が「乗り物」の場合、高度なノイズキャンセリングの搭載は「マスト」です。

 ヘッドホンの音質そのものより重要で、未搭載だと没入感を得にくいでしょう。

3・再生周波数帯域

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 第3に、再生周波数帯域です。

 この値は、ヘッドホンのスペック表に掲載されています。

 左値(Hz)が、小さいほど「低音域がしっかり聞こえるヘッドホン」であること、右値(kHz)が大きいほど「高音域が削られずに聞こえるヘッドホン」であることを意味します。

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 ヘッドホンの音質は、ドライバー(スピーカー/振動板)の大きさや素材などで大きく変わります。ただ、メーカー横断的にこうした要素は、比較しづらい部分があります。

 その点で、この数字は(少なくとも)メーカーの味付けの方向性を知るために、重要な数字です。

 なお、耳の可聴域は、20Hz〜20kHz程度ですので、過剰な測定値はオーバースペックです。しかし、実際は、数値に余裕がある方が臨場感を得やすいです。

 結論的にいえば、各製品の素材や駆動方法をしっかり見る必要はあるにせよ、再生周波数帯域は、はじめに見るべき重要な指標と言えます。

 とくに、ハイレゾ音源に対応させたい場合、40kHz以上が基準ですから、その部分も含めて、詳しく比較します。

4・ヘッドホンの重さと形状

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 第4に、ヘッドホンの重さと形状です。

 耳に収まるオンイヤー型、耳より大きいオーバーイヤー型にわかれます。

 音質重視の機種は、ほぼ後者です。

 そちらにも、持ち運びやすい機種重くても疲れない機種はありますが、持ち運ぶ場合は、やはり、重さを最初に見てください。

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1・Bluetoothヘッドホンの比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:ソニー〈日本〉
 1-3:BOSE〈米国〉
 1-4:JVC〈日本〉
 1-5:Apple〈米国〉
2・Bluetoothヘッドホンの比較 (2)
 2-1:Beats〈米国〉
 2-2:SHURE〈米国〉
 2-3:JBL〈米国〉
 2-4:Scallcandy〈米国〉
 2-5:Anker〈米国〉
 2-6:パナソニック〈日本〉
 2-7:ヤマハ〈日本〉  
3・Bluetoothヘッドホンの比較 (3)
 3-1:ゼンハイザー〈ドイツ〉
 3-2:B&W〈英国〉
 3-3:B&O〈北欧〉
 3-4:Philips〈オランダ〉
 3-5:DENON〈日本〉
 3-6:オーディオテクニカ〈日本〉
4・Bluetoothヘッドホンの比較 (4)
 4-1:その他の企業
 4-2:最終的なおすすめの提案【結論】

 というわけで、Bluetoothヘッドホンの「選び方の基本」の説明でした。

 説明したいことは他にもありますが、「基本中の基本は、【ヘッドホンの選び方のまとめ記事】で、すでに書いています。

 お読みいただくのも面倒でしょうし、以下の各製品の説明で、こうした部分の違いを分かるように書いていこうと思います。

 よろしくお願いします。

1-2・ソニーのヘッドホン

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 はじめに、SONYのBluetoothヘッドホンからです。

 同社のBluetooth製品はどれも密閉型ヘッドホンなので、自宅以外でも利用しやすいです。

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 なお、以下では、Atlasのおすすめポイントについては赤字系で、イマイチだと思う部分は青字で書いていきます。


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 【2023年発売】

 1・SONY WH-CH520
  ¥6,036 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

 【2019年発売】

 2・SONY WH-CH510
  ¥6,200 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
ドライバー: 30mm
コーデック: SBC・AAC
連続再生時間:50時間
ノイズキャンセル:
有線接続:   
重さ:147g

  WH-CH520は、ソニーが発売するワイヤレス対応の密閉型ヘッドフォンです。

 旧機種が残ります。

 比較する場合、少しだけ重くなったのですが、稼働時間が30%ほど増えて50時間になったほか、後述するDSEE技術に対応するほか「360 Reality Audio認定モデル」になりました。

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 同社の入門機で、ワイヤレスヘッドホンとしては、最も安い製品です。

 本体の重さは、132gです。

 ほぼ耳の大きさと同じオンイヤー型で、持ちはこびにも配慮があるタイプです。

 再生周波数帯域は、20Hz-20kHzというスペックです。

 正確には、無線の伝送帯域としての値ですが、耳の可聴域と同等とはいえ、音質重視の作りではないでしょう。

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 ドライバーは、30mmの密閉ダイナミック型です。

 基本的にドライバーは、口径が大きいほど音質が良いです。

 その点で言えば、本機は同社における平均値はあります。

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 音質は、ただ、同社の製品としては、やや余裕がないです。

 あえて言えば、聴き疲れしにくい「バランス型」の音色でしょう。

 一方、補正面で言えば、ソニーの独自技術となるDSEEに対応するため、再計算により、圧縮音源をCDレベルまで高め、高音域の音質をアップさせる効果が、期待できます。

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 Bluetoothコーデックは、SBC規格のほか、遅延が少なく、音質も高いAACに対応です。

 iOS系で使う場合、(スマホ側の仕様で)AACが最高音質ですから、iOS系ユーザにとっては良いでしょう。

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 立体音源は、対応です。

 本機は、「360 Reality Audio」の認定製品である点も、SONYは強調します。

 Appleの「空間オーディオ」に相当するものです。同名の専用アプリ経由で、最先端の3D立体音響を楽しめます。

 360 Reality Audioの場合、Dolby Atmosコーデックではなく、独自の音楽用コーデックを利用します。アプリベースの処理なので、ソニー製品でなくても、Bluetooth搭載のイヤホンならば、他社製品でも使える点で汎用性があります。

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 ただ、SONY製品の場合「360 Reality Audio認定ヘッドホン」として、自社だけの特別な機能があります。

 耳の形をカメラで撮影し聴覚特性に応じて、立体感を得やすく音質をパーソナライズする機能です。Appleにも備わっていたもののソニー版です。

 空間オーディオは、360 by deezernugs.netほか、定額聴き放題サービスでも、「Amazon Music Unlimited」で、3Dオーディオの配信がはじまりました。

 イヤホンも2021年後半からアマゾンで使えます。(こちら)で無料体験も可能です。

 通信安定性の面では、Bluetooth5.0に対応しますので、信頼性があります。

 連続再生時間は、30時間です。

 この製品の良い部分で、スタミナは「自慢」です。

 ノイズキャンセリング機能は、未搭載です。

 音漏れのしにくい密閉型なので屋外でも使えますが、電車などの騒音を打ち消す力は持ちません

 使い勝手の部分では、ヘッドホン部に音量操作などのボタンがあるほか、ハンズフリー電話に対応できる点が挙げられます。

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 以上、ソニーの WH-CH520の紹介でした。

 軽量性・通信安定性の面で性能が高い製品です。持ち歩くには良いでしょう。

 ただ、先述のように、音質部分で上位機と値段差以上の差は感じます。


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 【2021年発売】

 3・SONY WH-XB910N
  ¥25,800 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:3Hz-20kHz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC AAC LDAC
連続再生時間:30時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:252g

 WH-XB910Nは、ソニーの密閉型ヘッドフォンです。

 本機は「重低音」と「ノイキャン」を重視する系統の製品です。

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 本体の重さは、252gです。

 割と重いですが、その分機能面では充実します。

 また、このクラスでは(まだ)比較的軽量と評価できるレベルです。装着感も良いです。

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 再生周波数帯域は、3Hz-20kHzというスペックです。

 同社の製品としては、低音域方向に測定値を高く出しており、その部分を強調する製品であることが分かります。

 実際この製品は、ドライバーやダクト構造、内蔵アンプを用いて「低音域を強調」するEXTRA BASS技術を採用するため、こうした数値を出していると言えます。

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 ドライバーは、40mmです。

 オーバーイヤー型のヘッドホンに多いサイズですが、ソニー機としては「大きめ」に分類されます。

 もちろん、音質は、大きさだけでは決まりません。本機の場合、振幅・耐気圧特性を「低域」に最適化した専用振動板を採用するなどの工夫が見られます。

 音質は、完全に、低音域を重視した作りです。

 中音域を重視しているわけではないですが、低音が通気孔の作用であまり籠もらないので、バラナスも良いです。

 高音域はさほど特徴が無く、ハイレゾ再生にも非対応です。

 下位機種同様、DEEEには対応できます。

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 Bluetoothコーデックは、SBCとAACのほか、ハイレゾ級のLDAC対応です。

 しかし、ヘッドホン自体がハイレゾ水準に満たないので、再現性はありません

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 立体音響は、本機も先述の「360 Reality Audio」認定製品です。

 Amazon Musicほかにある対応音源だと、3Dサラウンドが楽しめます。 

 接続は、ステレオケーブル対応ですから、有線接続も可能です。

 ソニーの場合、ケーブルは付属します。

 通信安定性の面でも、Bluetooth5.0に対応です。

 連続再生時間は、30時間です。

 やはり、MicroUSBケーブルで充電することになります。

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 ノイズキャンセリング技術は、搭載されます。

 しかも、冒頭で書いた区分で言えば、最上位のWマイク式(自動)で、周りの環境を見て精度を帰られる上位版です。

 さらに、ノイキャンの使い勝手にかかわる部分でいくつかの独自機能があります。

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 第1に、外音取り込みモードです。

 通勤中などに、電車のアナウンスなどを聴きたい場合に便利です。

 他社にも搭載機は多いですが、ソニーは アプリで20段階で設定可能な部分で細かいです。

 また、ヘッドホンのタッチセンサーにふれている際だけに、マイクから外音を取り込める「クイックアテンションモード」も搭載です。

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 第2に、アダプティブサウンドコントロールです。

 スマホの加速度センサーを利用しつつ、「歩行」「静止」「着席時」などシーンに合わせて自動でキャンセルや外音取り込みレベルを変更する機能です。

 日本の通勤や出張は、複数の乗物を乗り継ぐパターンが多いため、この機能は重要です。

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 また、高度に使いこなしたい場合は、スマホのGPSと連動した設定もできます。

 よく行く場所を登録し、スマホの位置センサーで設定したモードに自動で切り替える機能です。

 こうした便利機能を持つため、同じノイズキャンセリングでも利便性はSONYは高いです。

 ノイズキャンセルはSONYが昔から力を入れてきた部分で、能力は期待できます。

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 使い勝手の部分では、他社同様、ヘッドホン部分での楽曲操作、ハンズフリー電話もに対応します。

 その上で、Google系とAmazon系のAIを利用できるため、音声による再生制御のほか、ニュースやスケジュールの確認にも利用できます。

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 以上、ソニーのWH-XB910Nの紹介でした。

 ハイレゾに対応する必要の無い方で、「低音域の迫力重視」ならば、「最先端」な製品だと思います。

 重低音重視のものデルながらWマイク式のノイズキャンセリングと豪華ですし、音声アシスタントにも対応しますので、外出先でも、自宅でも割と便利に使えるでしょう。

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 【2023年発売】

 4・SONY WH-CH720N
  ¥17,450 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

 【2020年発売】

 5・SONY WH-CH710N
  ¥17,990 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:7Hz-20kHz
ドライバー: 30mm
コーデック: SB, AA, aptX
連続再生時間:35時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:192g

 なお、ソニーは、WH-CH720Nという本機の下位機種も出します。

 こちらは旧機種も残ります。

 しかし、ノイキャン部分が旧世代(下位)です。Wマイク式ではありますが、周囲の環境に合わせた自動調整はできない仕様です。

 新機種は、軽量化と形状変更もなされ、長時間利用でより疲れにくいように変更されています。

 結論的にいえば、大きな変化なので、基本的に新機種をおすすめします。

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 一方、WH-XB910Nと比較する場合、ドライバー30mmと小さめです。

 先述の計算による低音強化技術ののEXTRA BASS技術不採用です。

 DSEE技術は搭載ですが、低音強化には関係ないですし、上位機と比べると、豊かな低音再生力はいくぶん犠牲になります。

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 それでも、長時間利用時に疲れにくいという部分で本機の軽さは魅力なので、強力なノイキャンさえあれば、そこそこ良い位の音質でOKという方には良いかと思います。

 騒音下でも通話しやすいビームフォーミングマイクの工夫もあるので、ノマドワーカーが集中して作業をしたい場合など、特に良い製品に思えます。


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 【2022年発売】

 【通常版】

 6・SONY WH-1000XM5
  ¥48,500 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

 【BNT -Blue Note Tokyo Edition- 】

 7・SONY WH-1000XM5
  ¥64,900 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:4Hz-40kHz
ドライバー: 30mm(高機能)
コーデック: SBC AAC LDAC
連続再生時間:30時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:250g

 MDR-1000XM5は、ソニーのBluetoothヘッドホンの最上位機です。

 2023年にBNT Editionとして受注生産の限定モデル()もでました。

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 本体の重さは250gです。

 大きめのパットを採用したオーバーイヤー型です。

 耳と肌にあたる部分にソフトフィットレザーを採用し、装着感を高める工夫があります。

 再生周波数帯域は、4Hz-40kHzです。

 したがって、「ハイレゾに対応」するスペックです。

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 ドライバーは、30mmです。

 他社の高性能機は40mmが標準なので、ソニーの最上位機はこの部分で弱めといえます。

 ただ、小型化するにあたって、軟性のある素材をエッジ部に、硬質なカーボンファイバーコンポジット素材をドーム部に採用するなど、配慮はあります。

 そのほか、通気口の工夫で、低音再現性も強化されています。

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 音質面では、同社の音源のアップスケーリング技術となるDSEEが、現状で最上位の「DSEE Extreme」になります。

 ハイレゾ相当にアップコンバートする 点は同じです。i学習で膨大な楽曲データを分析したDBを利用し、再現性を高めたというものです。

 むろん、「360 Reality Audio認定ヘッドホン」です。

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 音質のパーソナライズは、ソニーの場合、このグレードでは可能です。

 NCオプティマイザーという名前で、主に後述するノイキャン利用時の音質にかかわります。

 装着時の個人差(髪型・メガネなど)を音波センサーで検知し、適切にノイズキャンセリングを行える仕組みであり、かなり高度です。

 また、気圧計も内蔵され、飛行機では、気圧に応じた適切なノイズキャンセルを行えます。

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 Bluetoothコーデックは、SBC AAC LDACに対応します。

 立体音源は、本機も対応です。

 先述の「360 Reality Audio」の認定製品ですので、「Amazon Music Unlimited」(こちら)で、3Dオーディオの配信が楽しめます。

 通信安定性は、Bluetooth5.2となり、安定性を増しました。

 ビームフォーミング対応になるので、接続性は良いです。

 連続再生時間は、30時間です。

 高性能機ですが、十分な時間です。 

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 ノイズキャンセリング機能は、注目点です。

 本機のみ、自社のQN1プロセッサーを採用するからです。

 精度はチップの処理面にも大きく依存するため、ノイズキャンセルの精度は高まっています。

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 本機も、最も精度が良い「Wマイク方式(自動)」の仲間です。

 ただ、外側のマイク(センサー)は3つです。

 今バージョンから新しく加わったV1プロセッサの性能を活かす形ですが、合計4つのマイクでノイキャンの精度を「さらに上げて」います。

 マイク(音声通話)も、この部分を活かしつつ、ノイズレスな通話を可能にしています。

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 スピーク・トゥ・チャットも対応です。

 本機搭載のマイクが、ユーザーの声だけに反応し、音楽を止めて外音取り込みを自動で開始する機能です。

 声紋登録のような仕組みではなく、マイクが感知した発生方向を検知する仕組みですから、感度が調整できます。会話終了後30秒で、音楽が自動的に再生されます。

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 そのほか、スマホの加速度センサーやGPSと連動した自動操作(アダプティブサウンドコントロール)に対応しますし、クイックアテンションモードも搭載です。

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 以上、ソニーのMDR-1000XM5の紹介でした。

 外出先での利用に向く高度なノイズキャンセル機能を装備している点が最大の魅力でしょう。イヤホンを含めて、同社のヘッドホンでは、「最大のノイズ除去力」です。

 その上で、ハイレゾに対応しBluetooth接続できるという点で、「隙の無い」モデルだと言えます。

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  【2020年発売】

 9・SONY WH-1000XM4
  ¥41,909 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:4Hz-40kHz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC AAC LDAC
連続再生時間:30時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:254g

 なお、本機は、2020年発売の旧機種が残ります。

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 ドライバーは、上で見た新機種と比べて、最も大きな違いと言えます。

 ユニットの基本構成は新機種と同じなのですが、旧機種の場合、10mm大きい40mmでした。

 また、同社の高級機にも乗せる、剛性素材のアルミニウムコートLCP振動板が採用されていました。

 基本的にドライバは大きいほど音に余裕が生まれる部分も含めて、旧機種は、新機種より、音質部分の基本スペックにおいて「優る」部分があると言えます。

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 ただ、ノイキャン機能について言えば、新機種が圧倒的に上です。

 旧機種もWマイク式(自動)ではあるのですが、(新機種のように外側3つではなく)合計2マイクによるキャンセルです。

 また、ノイキャン用のQN1プロセッサーは新機種と同じものですが、V1プロセッサーが不採用になります。

 新機種と「できること」はほぼ同じなのですが、精度については、それに準じるものになります。

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 結論的にいえば、Atlas個人としては旧機種でも良いかと思います。個人的な利用経験でも音質は良い機種ですし、ノイキャンの精度も十分でした。

 おそらく、今回は、プロセッサなどの新搭載によるスペースの問題からの小径化で、SONY自体もシステム変更で音質が向上したとは(しっかりと)言及していないです。

 ただ、ノイキャンの精度向上はもちろん魅力なので、移動中などでの没入感を重視したい場合は、新機種がだいぶ良いかと思います。

1-3・BOSEのBluetoothヘッドホン

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 続いて、アメリカのBOSEのBluetoothヘッドホンです。音質重視の方に人気のアメリカ東海岸を代表する高級オーディオメーカーです。

 独特の「BOSEサウンド」への作り込みは中毒性があり、コアなファンが多いです。


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 【2019年発売】

 10・Bose Noise Cancelling Headphones 700
   ¥42,500 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:20時間
ノイズキャンセル:Wマイク式
有線接続:対応
重さ:250g

 Bose Noise Cancelling Headphones 700 は、アメリカのBOSEの製品です。

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 本体の重さは245gです。

 従来のBOSEのヘッドホンと重さはあまり変わらないのですが、バンド部分が相当スリム化しました。

 (後ほど紹介する)従来機(QUIETCOMFORT 35)は「スーツに合う」ビジネスマン向きのデザインでした。

 こちらは、カジュアルなので、性別を問わず利用しやすそうです。なお、折りたたみはできませんが、キャリングケースが付属します。

 再生周波数帯域・ドライバーは、BOSEは、スペックが未開示です。

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 音質は、BOSEは、非開示な部分が多いです。

 試聴の限り、同社の特徴である、音がこもらない安定した低音域をもちつつ、聴き疲れしにくい中音域を保つという、共通する特性を維持しています。

 同社の場合、内部構造のほか、イコライザー(アクティブEQ)で「BOSEサウンド」に味付けするため、ある種の「中毒性」があり、リピートユーザーも多いです。

 比較的小音量でも、しっかり音のバランスが取れるのも特徴で、小音量再生時の音質の良さは、他社を凌ぎます。

 テクノロジー的には、TriPortという低音再生技術で、重低音を強調しています。

 SONYやBeatsが、現在的な若者音楽をターゲットにしているとすれば、こちらは、少し大人世代です。

 ジャズやロックを低音を響かせながら使いたい人に向く、ヘッドフォンといえます。

 音質のパーソナライズは、ただし機能として持ちません。

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 Bluetoothコーデックは、SBC・AACに対応します。

 新モデルになってAACに新しく対応しました。

 BOSEは、先述のように「音を作り込む」タイプのメーカーです。その上で、圧縮音源のアップコンバートも伝統的にうまいので、SBCだけでもこの部分の不満は、ユーザーからは少なかったと言えます。

 ただ、遅延の問題があるので、ヘッドホンを映像に使いたい方にはやや問題でしたので、(完全に遅延はないわけではないでしょうが)朗報と言えます。

 無論、他社のヘッドホン同様に、再生機器側のコーデック対応も必要です。

 立体音源は、非対応です。

 3Dサラウンドに対する言及はないです。

 通信安定性の面では、Bluetooth5.0に対応します。

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 ノイズキャンセリング機能は、内外のマイクを利用する方式が搭載されます。

 4つのマイクを利用しつつ、AIが周囲の状況を判断して自動で出力を調整します。

 BOSEのノイズキャンセルは従来的に評判が良いです。特に、(アメリカらしく)飛行機のノイズのキャンセル力は高いです。

 「外音取り込みモード(会話モード)」も搭載し、本体のボタン長押しで、外音がマイク経由で取り込めます。


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 先述のように、ソニー機は、モーションセンサーを利用し、移動中などシーンに応じて、自動でキャンセル方法を調整する「アダプティブサウンドコントロール」に搭載していました。

 一方、BOSEはこれに該当する機能は未搭載です。

 アプリで、ノイキャンの効き方(外音の取り込み程度)を10段階から選び、そのうち3段階を本体に登録し、ユーザーがボタンで可変させる仕組みです(=可変ノイズキャンセリング)。

 好き嫌いがありますが、SONY方式は、モード変更時、楽曲が一瞬途切れる仕組みなので、シームレスに聴きたい場合は、BOSEが向きます。

 ただ、徒歩・地下鉄・電車など、移動中の状況変化が多い方は、SONY方式が向くでしょう。

 BOSEは、「飛行機」での移動の多い米国向き設計のような気がします。ソニーも気圧関係の配慮はありますが、この部分は同社に「定評」があります。

 連続再生時間は、20時間で、長時間のフライトにも向いた仕様です。

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 加えてこの機種は、GoogleAssistantとAmazon Alexaに対応です。これらは、【スマートスピーカーの比較】で紹介した音声コントロールシステムです。

 この場合、ヘッドホン本体のボタンを押すことで、音声による音楽コントロールや、アシスタントへの質問・お願いをマイク経由で可能としています。

 202002121524.jpg

 マイク(ハンズフリー通話)は、一方、他機については、あまり検証しませんでしたが、本機のもうひとつよい部分です。

 電話が着信すると「セルフボイス」が自動的にONとなり取り込めるので、受話器での電話のような感覚で通話ができます。

 なお、本機は先述のように、ノイキャン(アダプティブノイズキャンセル)についてはマイク4基の「4マイクシステム」ですが、合計では「マイク8基」です。

 別の2組4基マイク(ビームフォームアレイ・リジェクションアレイ)は、通話と音声コントロールの品質向上のために利用されています。

 接続方法は、Bluetoothほか、全製品とも、有線ケーブル付属で、ワイヤードでも使えます。

 ノイキャンとEQを利用する場合はバッテリーが必要ですが、不要ならば、未充電でも使えます。

---

 以上、BOSENoise Cancelling Headphones 700の紹介でした。

 自然な音の再生とは方向性が異なりますが、豊かな低音域をベースに作り込まれた「BOSEサウンド」のファンには最適です。

 一方、ノイズキャンセリング技術の水準は、ソニー上位機に及びませんが、小音量で再生した際のバランスが良いので、飛行機などの騒音下でも、低音量で聞きたい場合は選択肢です。

ーー

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 【2021年発売】

 11・Bose QuietComfort 45 headphones
  ¥36,000 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:24時間
ノイズキャンセル:Wマイク式
有線接続:対応
重さ:240g

 なお、下位機種となるのが、QuietComfort 45 headphonesです。

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 本機もオーバーヘッド型で重さはほとんど変わりません。

 ただ、ノイズキャンセリングレベルの調整に非対応で、常に最大でかかります。

 一方、ボタンで、最大(クワイエット)外音取込モード(アウェア)にワンタッチで切り替えられる「シンプルさ」を逆に売りにしているとも言えます。

 そのほかは、イコライザー調整とタップによるSpotifyの起動ができない点が、先述の他社の音声AIに対応しない点が、上位機との違いです。

 その代わり、バッテリーの保ちが本機の方が少し良いです。。

--

  結論的にいえば、現在BOSEから選ぶならば、上位機種でしょう。既存ユーザーの買換にも向きます。

1-4・JVCのBluetoothヘッドホン

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 つづいて、日本のJVCケンウッド(日本ビクター)のBluetoothヘッドホンです。 

 格安なヘッドホンも得意な企業です。


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 【2017年発売】

 12・JVC HA-S88BN
  ¥8,204 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:8Hz-25kHz
ドライバー: 40mm
コーデック: SBC
連続再生時間:27時間
ノイズキャンセル:1マイク式
有線接続:対応
重さ:195g

 HA-S88BN は、日本の音響メーカーである、JVCケンウッドが発売する密閉型ヘッドフォンです。

 後述するように、格安ながらノイズキャンセリング技術を搭載する製品です。

 201911081011.jpg

 本体の重さは、195gです。

 十分軽量といえる水準です。

 再生周波数帯域は、低音域8Hzで、高音域は、22kHzです。

 いずれも、人間の可聴域に対して余裕がある水準です。

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 ドライバーは、40mmです。

 軽量ヘッドホンの「標準サイズ」です。

 再生周波数帯域に余裕があるのも、あまり小型化しなかったからでしょう。

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 音質は、やや派手目ながら、ドライバの大きさが幸いし、このクラスでは十分な音質です。

 ボーカル用の「クリア」、低音を強調する「バスブースト」モードが付属しますが、利用する場合、ややバランスが崩れます。

 音質のパーソナライズは、特段機能性を持ちません。

 Bluetoothコーデックは、SBC規格のみです。

 立体音響も、特別な対応表明はないです。

 通信安定性の面では、Bluetooth3.0とあまり配慮がないです。

 連続再生時間は、27時間です。

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 ノイズキャンセリング機能は、搭載です。

 この価格では搭載が珍しいです。

 ただ、最近のNCが、2マイク仕様が標準化されている点からすれば、1マイク式のこの機種は、キャンセルレベルは「そこそこ」ではあります。

 使い勝手の部分では、この機種も、ヘッド部分で、リモート操作が可能なほか、ハンズフリー通話にも対応します。

---

 以上、JVCHA-S88BNの紹介でした。

 言うまでもなく、ノイズキャンセリングの搭載が見どころです。

 音質面も、ドライバーのサイズも平均を超えていますし、価格以上の性能は期待できるでしょう。

 BluetoothのコーデックはSBCのみですが、騒音下の利用が前提のNC機なので、あまり気にしなくて良いともいます。

ーーー

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 【2014年発売】

 13・JVC ノイズキャンセリング HA-S78BN
   ¥7,500 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:10Hz-22kHz
ドライバー: 30mm
コーデック: SBC
連続再生時間:16時間
ノイズキャンセル:1マイク式
有線接続:対応
重さ:195g

 なお、同社からは、160gと軽量化された下位機があります。

 しかし、他社の場合と同じで、ドライバーが30mmとなります。

 音質面で物足りないため、基本的にはあまりおすすめしません。

ーーー

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 13'・JVC HA-S28BT
   ¥3,670 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
ドライバー: 30mm
コーデック: SBC
連続再生時間:11時間
ノイズキャンセル:
有線接続:
重さ:99g

 さらに、下位機のこちらは、ノイズキャンセリング技術自体備わらない製品です。

 連続再生時間も11時間と短くなるほか、再生周波数帯域も狭くなっており、やはりおすすめできません。 

ーー

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 【2022年発売】

 13'・JVC ケンウッド KH-KZ30-W
 13'・JVC ケンウッド KH-KZ30-B
   ¥4,820 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
ドライバー: 30mm
コーデック: SBC
連続再生時間:35時間
ノイズキャンセル:
有線接続:
重さ:157g

 一方、JVCがケンウッドブランドで出す本機も、仕様は似ています。

 バッテリー持続時間は長めですが、本機もノイキャンを装備しない仕様になります。

1-4・Appleのヘッドホン

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 続いて、AppleのBluetoothヘッドホンです。

 同社の別ブランド(Beats)のものは後ほど見ますが、Apple直販の製品は「超高級機」だけです。


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 【2021年発売】

 14・ Apple AirPods Max
  ¥81,374 Amazon.co.jp (7/24執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:40mm
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:20時間
ノイズキャンセル:Wマイク式
有線接続:   
重さ:364.8g

 AirPods Max は、Appleが出す高級ヘッドホンです。

 傘下のBeatsブランドの製品を除けば、自社では初めてのオーバーイヤー型です。

 なお、Apple機は高級機ながら、他社と違ってBluetooth専用で、ワイヤード接続に非対応ですので、注意してください。

1・MGYH3J/A [スペースグレイ]
2・MGYJ3J/A [シルバー]
3・MGYM3J/A [ピンク]
4・MGYL3J/A [スカイブルー]
5・MGYN3J/A [グリーン]

 本体色は、現状では上表のような5種類です。

 ただ、Appleは、ヘッドホンをファッションとしても売る部分があるので、そのうち期間限定色がでてくるでしょう。

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 本体の重さは364.8gです。

 わりと最近見かけない楕円形のドライバーで、見かけはすっきり軽く見ますが、平均よりけっこう重めです。

 ただ、形状記憶フォーム性のイヤークッションのフィット感の調整が抜群なので、長時間でも疲れにくいです。

 このあたりは、やはり「うまい」です。イヤーパッド以外も、頭の部分がメッシュで放熱性に配慮があったり、デザイン性と機能性が両立した伸縮アームなど、かなりレベルは高いです。

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 ドライバーは、実寸で40mmです。

 このクラスとしては、大きいとも言えません。

 下部に、強力なデュアルネオジウムリングを装備し、音の歪みを除去する仕組みです。

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 音質は、基本的に、フラットで、原音忠実性を優先した作りです。

 ドライバのサイズからすれば、低音も出ます。

 音質のパーソナライズは、アダプティブイコライゼーションに対応します。

 内側のマイクを利用して実際聞いている音を把握し、中・低音域の周波数を調整をする技術です。密着度、あるいは、音源の性質に由来する不快感は吸収します。

 なお、ソニーは、ノイキャン時の性能向上のためのパーソナライズだったので、少し方向性が違います。

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 Bluetoothコーデックは、SBCとAACのみに対応します。

 同社のiPhoneに準じた仕様で、ハイレゾは非対応です。

 通信安定性については、本機は、新型のAppleのH1チップです。

 クラス1のBluetoothにも対応するため、iPhoneなどのApple製品に対して、通信安定性・音の遅延が減少に効果を発揮します。

 また、このチップにより、同社の人工知能、Siriも利用可能です。

 ノイズキャンセリング機能は、強力です。

 数で対抗したわけでもないでしょうが、外向きに6個、内向きに2個のマイクを装備します。

 方式としてはWマイク式ですが、AIが複数の情報源を参照できる分、キャンセル力は高いでしょう。

 ソニーの「アダプティブサウンドコントロール」に相当する機能はないです。

 202103031633.jpg

 立体音響は、Appleの「空間オーディオ」をフォローします。

 ソースは、独自形式の音源データ(360 Reality Audio)を必要とするソニーとは違って既存のデータを利用します。7.1chまでのドルビーほか、ドルビーアトモス音源です。

 ドルビーアトモスは、映画館のような上からの振り下ろし音を3D的にフォローできる新しいサラウンド規格で、ネットを含む映画コンテンツで採用が多くなってきた音響規格です。

 映像に含まれるこれらのデータをそのまま利用しつつ、再計算して立体音響を再現しています。

 Apple Musicほか、Amazon Musicなどの3Dミュージック音源などをフォローします。

 映像コンテンツも、Apple TVアプリ中のドルビーアトモスなどの対応コンテンツほか、Netflixなども対応可能です。

 一方、Apple運営の音楽映像サービス利用時に限定されますが、「ヘッドトラッキング機能」もオンになります。

 内蔵される加速度・ジャイロセンサーを利用し、利用者の頭の向きに連動して、立体音響の方向性を正しく調整する技術です。ようするに、普通のスピーカーのように、自分が首を振ったりしても、音が正しく定位します。

 なお、空間オーディオは(商標ではないので)Apple以外の各社のヘッドホンでも「空間オーディオ対応」と表記が見られます。ただ、仕組みはそれぞれ異なります。

 この部分については【イヤホン・ヘッドホンの選び方の記事】にもう少しだけ詳しく記しました。

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 このほか、本機は【STB機器の比較記事】で紹介したApple TVともBluetoothペアリングできます。

 Apt-X LLなど使用できませんが、あまり音ズレを気にする声が聞こえてきません。

 TV側で何かしらの音ズレのタイミング処理がなされている可能性はあるでしょうが、単純にSBCの性能向上によるものかもしれません。

 連続再生時間は、20時間です。

 充電は、iPhoneと同じライトニング端子を利用する方式です。

 5分の充電で、1.5時間分の緊急充電も可能です。

 また、付属ケースに入れることで、自動的に低電圧モードになり、バッテリーを節約します。

 マイク(ハンズフリー通話)は、搭載です。

 「外音取り込みモード(会話モード)」も搭載しますし、この部分の使い勝手は良好です。

---

 以上、AppleAirPods Max の紹介でした。

 値段は相当高いですが、Apple製品を軸にしてオーディオ環境を整えている場合、この値段でも、十分納得がいく機能性です。

 メインの用途が、iPhoneやiPadを利用した「映像視聴」ならば、本機を買う価値があります。

 ただ、そうでない場合は、単純に40mmのドライバーの高級機にすぎないわけで、本機はオーバースペックで、割高でしょう。 

 ノイキャンにしても、外出先で使う分には他社機が優れますから、ある種ニッチな高級機と言えます。

次回に続く!
Bluetoothヘッドホンのおすすめは結論的にこの機種!

 というわけで、今回は、Bluetoothヘッドフォンの比較の1回目記事でした。

 しかし、記事はまだまだ「続き」ます。

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1・Bluetoothヘッドホンの比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:ソニー〈日本〉
 1-3:BOSE〈米国〉
 1-4:JVC〈日本〉
 1-5:Apple〈米国〉
2・Bluetoothヘッドホンの比較 (2)
 2-1:Beats〈米国〉
 2-2:SHURE〈米国〉
 2-3:JBL〈米国〉
 2-4:Scallcandy〈米国〉
 2-5:Anker〈米国〉
 2-6:パナソニック〈日本〉
 2-7:ヤマハ〈日本〉  
3・Bluetoothヘッドホンの比較 (3)
 3-1:ゼンハイザー〈ドイツ〉
 3-2:B&W〈英国〉
 3-3:B&O〈北欧〉
 3-4:Philips〈オランダ〉
 3-5:DENON〈日本〉
 3-6:オーディオテクニカ〈日本〉
4・Bluetoothヘッドホンの比較 (4)
 4-1:その他の企業
 4-2:最終的なおすすめの提案【結論】

 次回の2回目記事こちら)では、引き続き各社の製品を追加で紹介します。

音質の良さ    ★★★★★
重低音      ★★★★★
ノイズキャンセル ★★★★★
ハイレゾ再生   ★★★★★
バッテリー量   ★★★★★
総合評価     ★★★★★

 そのうえで、最後の結論編こちら)では、ここまで紹介してきたBluetoothヘッドホン全てから、価格別・目的別にAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。

 引き続きよろしくお願いします。

 2回目記事は→こちら

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posted by Atlas at 16:21 | オーディオ製品

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