【今回レビューする内容】2023年 中型・大型のスチームオーブンレンジの性能とおすすめ:日立・パナソニック編
【比較する製品型番】日立 ヘルシーシェフ MRO-W10A-K MRO-W1A-W MRO-W1A-K MRO-W10Z-K MRO-W10Z MRO-W10Z MRO-W1Z MRO-W10X-H MRO-W1Y-W MRO-W1Y-K MRO-W1X-W MRO-S8Z-R MRO-S8Z-W MRO-S8Y-R MRO-S8Y-W MRO-S8X-R MRO-S8X-W MRO-WAE2-W MRO-S8A-W Panasonic 3つ星 ビストロ NE-UBS10A-W NE-UBS10A-K NE-BS8A-K NE-BS8A-W NE-BS9A-W NE-BS9A-K NE-BS2700-K NE-BS2700-W NE-CBS2700-K NE-CBS2700-W NE-BS908-W NE-BS908-K NE-BS808-K NE-BS808-W アイリスオーヤマ MS-F3002
今回のお題
機能が充実した最新の中型のスチームオーブンレンジはどれ?
ども、Atlasです。
今日は、2023年1月現在、最新の家庭用スチームオーブンの比較の2回目記事です。
1・中型スチームオーブンの比較(1)
1-1:シャープ〈ヘルシオ〉
1-2:東芝〈石窯ドーム〉
2・中型スチームオーブンの比較(2)
2-1:日立〈ヘルシーシェフ〉
2-2:パナソニック〈ビストロ〉
2-3:アイリスオーヤマ
3・中型スチームオーブンの比較(3)
3-1:目的別・予算別のおすすめ機種の提案
前回の1回目記事(こちら)では、シャープと東芝のスチームオーブンを紹介しました。
後編となる今回の記事では、日立とパナソニックのスチームオーブンを見ていきます。これら4社で、日本のデンキヤで販売がある、「中型スチームオーブン」は網羅されます。
なお、「中型スチームオーブンの選び方の基本」 は1回目記事の冒頭で書きました。
検索エンジンから直接来て頂いた方は、1回目記事【こちら】からお読み頂くと分かりやすいかと思います。
よろしくお願いします。
対応人数 1-2人程度まで
スチーム調理 ★★★★★
レンジ調理 ★★★★★
オーブン調理 ★★★★★
グリル調理 ★★★★★
トースト調理 ★★★★★
減量役立ち度 ★★★★★
というわけで、以下では、いつものように、各機種を比較します。
そして、最後の「結論編」(こちら)では、上表のようなポイントから、Atlasのおすすめ機種を提案していきます。
よろしくお願いします。
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1・小型電子レンジの比較
容量:15L〜18L
人数:1-2人向け
種類: レンジ or オーブンレンジ
予算:5000円〜2万円台
2・中型電子レンジの比較
容量:22L〜26L
人数:2-4人向け
種類: レンジ or オーブンレンジ
予算:1万円〜3万円台
3・小型スチームオーブンの比較
容量:18L〜26L
人数:1-2人向け
種類:スチームレンジ(庫内1段)
予算:3万円〜8万円台
4・中型スチームオーブンの比較
容量:30L〜
人数:4人以上(世帯向け)
種類:スチームレンジ(庫内2段)
予算:3万円〜8万円台
5・オーブン/レンジ全体の選び方 【まとめ】
結論:目的別・予算別のおすすめ機種の提案
なお、今回の記事は、このブログの「電子レンジ・オーブンレンジの比較記事」では、4回目記事の一部を構成するものです。
2-1・日立の石窯ドームの比較
はじめに、日立のヘルシーシェフシリーズの紹介です。
日立は、電子レンジとしての基本性能がとても良いメーカーになります。
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なお、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分を青字で記します。
【2022年7月発売】
16・日立 ヘルシーシェフ MRO-W10A-K
¥82,300 楽天市場 (1/18執筆時)
【2021年10月発売】
17・日立 ヘルシーシェフ MRO-W10Z-K
¥88,000 Amazon.co.jp (1/18執筆時)
庫内容量:30L
トースト:4枚(裏返し)
センサー:重量/8眼赤外線/ 温度
オーブン最高温度:300度(5分)
外形寸法:幅497×奥行442×高さ375mm
MRO-W10A Kは、日立の最高級機です。
新旧両機種あります。
2022年機の目玉の新機能は、後ほど説明する(フルオート調理)の「熱風旨み焼き」という自動調理(おまかせ調理)機能の搭載です。
日立はこの部分で他社に遅れを取っていたので、挽回した形です。あとは、メニューの拡充(野菜シャキシャキメニュー)と、2品同時あたための時間短縮ほどですが、自動調理の搭載は、大きな変化と言えます。
結論的にいえば、自動調理に興味があるならば新機種、そうでもないならば、旧機種を含めて考えてOKです。
庫内容量は、30Lです。
フラットな庫内で、手入れがしやすい仕様です。液晶は、他社の最上位機種のようにカラーではないですが、文字表示は可能です。
本体サイズは、幅497×奥行442×高さ375mmです。
東芝に比べると多少奥行が必要です。また、他社同様に、後方と左右の壁ピタ配置はできます。
しかし、本機も上方向に10cmの蒸気を逃がすスペースは必要です。
レンジの段数は、2段です。
角皿は、他社の大型機種よりワイドサイズです。上下の2段調理にも対応しています。
スチームオーブン機能は、東芝と同じくヒーターと過熱水蒸気を併用するタイプを採用します。
日立の場合も、減油・減塩効果は表明していますが、率的にはやはりシャープより控えめです。
とくに、唐揚げ・とんかつ・エビフライについては、パナソニックと同じで、「水を使わずに熱で焼く」方式です。
油で揚げない点で「ヘルシーなノンフライ調理」ではありますが、過熱水蒸気で油脂や塩分を効果的に落とすシャープには及ばない実力でしょう。
オーブン機能は、東芝の最上位機と比較すれば、多少弱めです。
最高温度は、300度ですが、240度以上で設定した場合の持続時間は5分だからです。
その後は230度ですので、上位機としてはパワフルではないでしょう。ただ、実用的なレベルはキープしています。
一方、日立の自慢は、「立ち上がり時間」です。ダブル光速ヒーターの採用で、200度までの立ち上がり時間は、オーブンの火力が自慢の東芝より「10秒」速い、4分50秒です。
構造としては、ファンを使って上下にヒーターを循環させ、熱風を回す方式で、東芝と同じです。もちろん、高度な遠赤効果を期待できる東芝の石窯ドームに比べると、徹底度は低いです。
グリル機能は、上火にそこそこ火力があるため、高級機とし標準的な能力は期待できます。
電子レンジとしての機能は、日立は、4社の中でも「最も力を入れている企業」です。
本機は、センターの8眼赤外線スイングセンサーが、15箇所(かけ算で120ポイント)の温度を細かく測定します。
この部分までは、他社でも見られます。
しかし、この機種は、高級機では唯一、重量センサーが付属し、重量に合わせて適切な加熱をします(Wスキャン)。
赤外線センサーは、あくまで表面温度を測る機能なので、スタート直後の加熱はイマイチ不安定です。また、オーブン利用後などは、(庫内が赤外線だらけで)正確に使えません。
重量センサーは、重量に応じて火力を最初から調節できるため、こうした部分で正確です。
とくに、ハンバーグなど重さ・密度が高い料理や、揚げ物の入った市販のお弁当の温めなどは、重量センサーがあったほうが正確です。
2019年までの最上位機は、重量センサーが3つでさらに性能が良かったのですが、今年については、1つです。
一般的な性能は変わらないでしょうが、複数のお皿やグラスを同時に「レンチン」する場合の精度は「他社並」になってしまいました。
ただ、公平を期して言えば、それでも、他社より「レンチン」性能は依然として良く、正確です。
解凍機能も、センサーがものを言う部分ですから、日立は優れます。
重さと温度のデータから、分量に合わせて適切に加熱します。
1・薄切り肉
2・牛・豚角切り肉
3・牛・豚ブロック肉
4・牛・豚厚切り肉
5・しゃぶしゃぶ用肉
6・ひき肉
7・鶏角切り肉
8・鶏ブロック肉
9・刺身・切り身
10・魚丸身・干物
一方、日立は、以上の10種類をダイヤルで選択してから加熱する方式です。
細かく指定することで、同社のセンサーの能力を引き出し、上手に解凍させる方向性です。
ローストビーフほかの解凍に対応できる、シャープの「食べごろ解凍」のような目を引く面白さはないものの、実際、日立のように、よく使う機能を小分けにだしてくれたほうが、実際には便利だと言えます。
カラー液晶採用なので、メニューが多くても利便性を損ないません。
自動メニューは、265種類です。
最上位機としてはあまり多くはないですが、後述するように、スマホから新レシピが転送できます。
また、Wスキャン調理という機能は ひとつの見所です。
これは、重量センサー・赤外線センサーなどを巧みに利用しつつ、オーブンなど他の調理法を併用する調理機能です。
レシピ掲載のメニューならば、規定分量より少なく作る場合も「調整不要」です。シャープのような「完全おまかせ」はできないですが、便利です。
例えば、スチームオーブンでは従来「難しい」と言われてきた、肉厚のローストビーフが自動で調理できます。
シャープの「あぶり豊潤焼き(こだわり火加減)」でもローストビーフはできますが、本機の見どころの1つです。
そのほか、やはりセンシングを利用して上手に野菜を仕上げる、「野菜シャキシャキメニュー(11種)」がも売りの機能と言えます。
そのほか、ボウルを使ったメニューも加わります(簡単プラボウルメニュー)。
ただ、これは、後述するパナソニックの後追い的で、そちらの方が優れます。
自動料理は、2022年機から「熱風旨み焼き」として搭載です。
「熱風旨み焼き」は、新型の黒色プレートの上に金網を乗せて、お肉や野菜を「フルオート」の「おまかせ」で焼く機能です。
シャープ・東芝と比べると、「焼く」に限定される自動メニューです。ただ、常温・冷蔵のほか、冷凍食材に対応できる部分は、シャープと同じですし、使途を広げるでしょう。
加えて、(レシピに沿う必要はありますが)先述の「Wスキャン調理」も「セミオート」調理とみなすならば、他社に比べても割と充実していると言えます。
ネットワーク機能は、本機は無線LANを搭載します。
他社最上位機のように、メニューを検索してそれをスマホアプリから転送できます。
先述のように、本機は、5型と大きめの液晶パネルがつくため設定が容易です。
レンジで、お気に入り登録も可能で、調理終了情報の提案も対応します。
この部分は、シャープがかなり先行していたのですが、(AIが喋らない点を除けば)日立もほぼ追いついたといって良いかと思います。
なお、何も使っていない状況での表示は温度・天気・時計ですが、この配置は実用上、割と良いかなと思います。
トーストは、グリルの火が強いため、2枚を7分で焼きあげます。
ただ、強いのは上火なので、途中で裏返す必要があります。日立もスチームトーストで焼けるため、味は良いでしょう。
なお、自動トーストメニューもありますが、2枚までで、スチームトースト非対応です。利便性向上はやや課題です。
利便性の部分では、「一点」だけ注意が必要です。
日立の場合、重量センサーを搭載する関係で、「レンチン」を含めた通常利用時に、セラミック製のテーブルプレートが下部底面に入ります。
2021年機までは色映えがする白(セラミック製)でしたが、2022年からは、(熱風旨み焼き対応のため)黒(セラミック製)にしています。どちらも外して洗えますので清潔です。
テーブルプレートは、マイクロ波を弾くので(黒皿と違い)レンジ(=レンチン)利用時でも底面に入れっぱなしで良いという利点があります。
ただし(スチームを使わない)オーブン・グリルを利用する際に、一時的に「外に出す」という手間が生じます。
「耐熱性」もあるため「割れたりはしない」のですが、加熱が遅くなるからです。
なお、本機は「カラー液晶」でどのようにセットするかを、イラストで図示してくれるので、(一手間増えるとしても)パターンが覚えられなくて困るようなことはないでしょう。
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以上、日立の MRO-W1Zの紹介でした。
日常的に最も利用するだろう、電子レンジ機能が充実しているのが「売り」です。
週末は凝った料理もするが、平日は冷凍食品の利用頻度が多いご家庭などは、電子レンジ機能が重視された日立のスチームオーブンはオススメです。
一方、他社に遅れていた「フルオート」の「自動調理」の部分も、「熱風旨み焼き」が登場し、進化したと言えます。ただ、むしろ注目するべきは、レシピ記載の料理に限られる点で「セミオート」ですが、規定分量を変えてもレンジが「賢く」調整してくれる「Wスキャン」調理でしょう。
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【2022年6月発売】
18・日立 ヘルシーシェフ MRO-W1A-W
18・日立 ヘルシーシェフ MRO-W1A-K
¥59,598 楽天市場 (1/18執筆時)
【2022年6月発売】(Edion系限定仕様)
19・日立 ヘルシーシェフ MRO-WAE2-W
¥69,800 楽天市場 (1/18執筆時)
【2021年6月発売】
20・日立 ヘルシーシェフ MRO-W1Z-W
20・日立 ヘルシーシェフ MRO-W1Z-K
¥50,800 Amazon.co.jp (1/18執筆時)
庫内容量:30L
トースト:4枚(裏返し)
センサー:重量/8眼赤外線/ 温度
オーブン最高温度:300度(5分)
外形寸法:幅497×奥行442×高さ375mm
なお、本機の下位機種となるのが MRO-W1Aです。
新旧両機種ありますが、違いは上位機と同じで、「熱風旨み焼き」の部分です。
エディオン系(MRO-WAE2は)、24のオマケメニュー(和食16/ 高タンパク質メニュー5)が付属し、文字盤が光る「特注仕様」です。
エディオンは、他社モデルを含めて、オリジナルモデルの特注は多いです。
既存メニューの入替でなく、(律儀に)24メニュー追加されていいます。上位機にもないレシピです。
追加されているレシピは【同社のレシピ集のサイト】にある、「和食メニュー」のうち、「オート195〜220」のレシピと、「高タンパク質メニュー」の全てです。
ただ、その他の194レシピは同じですし、基本的に値段で決めてOKです。
一方、1つ上で見た上位機と較べた場合の大きな違いは、見た目で分かるかと思いますが、カラー液晶パネルがない点です。
無線LANは装備されるのでスマホからレシピ転送はできますが、液晶にレシピを表示することは不可です。
一方、先述のように、日立は、角皿のほかテーブルプレートがある分、セット方法がすこし複雑です。
この部分については、カラーではないものの、本機でも案内があるので問題はないかと思います。
ただ、それ以外の部分は、自動メニューが多少少ない(246)くらいで同じです。
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結論的にいえば、上位機と2万円以上の差がある場合、(予算によっては)本機を選んでも良いかと思います。
とくに、普段最も使うだろう「レンチン」の精度に期待する場合は、他社の同級品と比べても、優位性があるでしょう。
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【2020年7月発売】
21・日立 ヘルシーシェフ MRO-W1Y-W
21・日立 ヘルシーシェフ MRO-W1Y-K
¥54,000 Amazon.co.jp (1/18執筆時)
庫内容量:30L
トースト:4枚(裏返し)
センサー:重量/8眼赤外線/ 温度
オーブン最高温度:300度(5分)
外形寸法:幅497×奥行442×高さ375mm
一方、本機については、さらに(旧機種の)下位機種といえるMRO-W1Yがあります。
「在庫限り」の旧機種で、本機は無線LANは省略です。
機能面では「野菜シャキシャキメニュー」がないなど、自動メニューの種類は異なるのですが、それでも、242種類のオートメニューがあるので、調理の多彩さの部分で問題ないです。
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結論的にいえば、先ほど見た(上位機の2019年モデルの)MRO-W10Xと比べて、値段が相当安いようならば、候補にして良い機種です。上位機と違って、モノクロ液晶ならば、ネット対応も、便利さ半減なので。
【2021年8月発売】(白のみ)
22・日立 ヘルシーシェフ MRO-S8A-W
¥43,760 Amazon.co.jp (1/18執筆時)
【2021年6月発売】
23・日立 ヘルシーシェフ MRO-S8Z-R
23・日立 ヘルシーシェフ MRO-S8Z-W
¥35,833 Amazon.co.jp (1/18執筆時)
【2020年8月発売】(白在庫切れ)
24・日立 ヘルシーシェフ MRO-S8Y-R
24・日立 ヘルシーシェフ MRO-S8Y-W
¥45,000 楽天市場 (1/18執筆時)
【2019年8月発売】
25・日立 ヘルシーシェフ MRO-S8X-R
25・日立 ヘルシーシェフ MRO-S8X-W
¥55,900 Amazon.co.jp (1/18執筆時)
庫内容量:31L(庫内1段のみ)
トースト:2枚(裏返し)
センサー:重量・蒸気・温度
オーブン最高温度:250度(5分)
外形寸法:幅487x高さ365x奥行430 mm
MRO-S8Xは、日立のヘルシーシェフの中位機種です。
過年度モデルは、2019年機までを含めて、メニューの多少の入替だけで、機能面の変更はないです。
なお、日立は(おそらく、修理保証用に取っていたパーツなどで)過去モデルをアウトレット販売することが(たまに)あるため、在庫がない2019年モデルも、一応しばらく、載せています。
庫内容量は、31Lです。
本体サイズは、幅487x高さ365x奥行430 mmです。さほど小型というわけではないです。
設置は、壁にはピッタリ寄せられますが、左右は4.5cmと割と余裕が必要です。
各社の「上位機」はだいたい左右も壁ピタ配置対応なので、この部分では「中級クラス」です。
レンジの段数は、ただし1段です。
その点で言えば、実用面でさほど容量の多い機種とも言えないでしょう。
スチームオーブン機能は、上位機と同じくヒーターと過熱水蒸気を併用するタイプの方式を採用します。
オーブン機能は、ダブル光速ヒーターが不採用で、最高250度が5分間です。
その後は210度ですので、値段相応ですが、パワーは弱めです。
ただ、過熱水蒸気を使ったヘルシーな料理は、上位機種同様には作れます。
グリル機能は、付属しますが、とくに特長はありません。
電子レンジ機能は、一方、上位機とは異なります。
本機の場合、シングルの重量センサーと蒸気・温度センサーという構成です。
重量センサーを重視する方向性は、上位機と同じですが、精度には差があるでしょう。それでも、他社の同価格帯の製品よりは、性能は良いわけですが。
解凍は、上位機同様に、種類を指定して解凍する方式です。
本機の場合、文字表示用の液晶がないので、薄切り肉・挽き肉・ブロック肉・さしみ・しゃぶしゃぶ用・角切りなどを、番号指定で選ぶ選ぶ点で不便です
とはいえ、しっかり合わせれば、複数のセンサーの力でうまく解凍してくれますし、慣れれば平気でしょう。
自動メニューは、ヘルシーメニュー32種を含めて109の自動メニューの調理が可能です。
ノンフライの揚げ物18種類のほか、ローストビーフや、鶏のハーブ焼など面白いメニューもあります。
一方、分量・加熱時間を完全センサー任せ、自由にアレンジできるような自動化調理は、日立はあまり充実しません。この部分は、シャープなどに負けます。
トーストは、この機種の「欠点」です。
2枚まで焼けますが、皿の余熱時間を含めて最短で14分、こんがり焼き目を入れようとすると20分ほどかかります。
さらに、途中で裏返す必要があるため、トースター兼用と考えれば、おすすめしません。
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以上、MRO-S8Yの紹介でした。
上位機種と較べると機能面で弱い部分も目立ちます。
ただ、3万円前後で買える機種としては、電子レンジ性能が高く、庫内も広めです。庫内が比較的大きめの機種が良いが、予算が限られている場合など、結構良い選択肢と言えそうです。
とくに、「トースト機能は要らない!」という方にオススメできます。
2-2・パナソニックのビストロの比較
続いて、パナソニックの三つ星ビストロシリーズの紹介です。
パナソニックは、オーブンとグリルの火力が自慢のメーカーです。その点で東芝と似ています。
ただ、東芝は「遠赤で中からじっくり」タイプ、東芝は「直火グリルで外側もこんがり」という点で目指す方向がやや違います。
【2022年8月発売】
26・Panasonic ビストロ NE-UBS10A-K
26・Panasonic ビストロ NE-UBS10A-W
¥158,713 楽天市場 (1/18執筆時)
【2020年6月発売】
【通常型番】
27・Panasonic ビストロ NE-BS2700-W
27・Panasonic ビストロ NE-BS2700-K
¥141,850 楽天市場 (1/18執筆時)
【特定量販店用型番】(黒のみ在庫あり)
28・Panasonic ビストロ NE-CBS2700-K
28・Panasonic ビストロ NE-CBS2700-W
¥138,752 楽天市場 (1/18執筆時)
庫内容量:30L
トースト:4枚(両面対応)
センサー:高詳細64眼赤外線
オーブン最高温度:300度(5分)
外形寸法: 幅494x高さ370x奥行435 mm
NE-UBS10Aは、パナソニックの(三つ星)ビストロシリーズの最上位機種です。
2022年からの新機能
・麺類の蒸し料理対応
・ワンボウル調理の拡充
・食器清潔コースの新搭載
同社も、毎年モデルチェンジをします。
今年度の注目点は、「麺類の蒸し焼き対応」です。
後述するグリル皿とアンテナ制御の改良で、下段にも皿がセットできるようになったので、グリル調理において、約4人分の麺料理に対応できるようになりました。
この機能を利用する場合、餃子なども「蒸し焼き」できます。ただ、餃子程度ならば、上段でも対応できるので、旧機種でも、焼けますし、レシピもあります。
つまり、うどん、焼きそばなど「かさばる蒸し物」に対応したのがポイントです。
このほかは、後述する「ワンボウル」料理のレシピの拡充と、スチームと熱で食器を除菌する、食器清潔コースの搭載ほどです。
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結論的にいえば、今年度の目玉は、同社の得意とする「グリル機能」の拡充ではありますが、マイナーチェンジです。
ただ、現状の価格差ならば、新機種でも良い感じはします。
庫内容量は、30リットルと大きめの機種です。
本体サイズは、幅494x高さ370x奥行435 mmと他社より大きいです。
しかし、本機も、後部だけでなく、左右も壁際配置が可能な断熱設計なので、多くの場合問題ないでしょう。
なお、上部は、蒸気を逃がすために8cmの隙間が必要です。
レンジの段数は、他社の上位機と同じように2段調理に対応する機種です。
スチームオーブン機能は、「(ヒーターを併用して)過熱水蒸気で焼く」という表現ではないです。
日立・東芝・シャープと違い、手動で温度設定をして「過熱水蒸気オーブン」「過熱水蒸気グリル」としては使えません。
過熱水蒸気を利用する調理は、「ヘルシー調理」として、魚の塩分を落として焼く自動メニューが利用できるのみです。
同社は、スチームは、魚などの100度以下の蒸し料理や、オーブンなどでケーキの膨らみをよくしたい時、スチームトーストなどに主に使うための搭載です。
とはいえ、「蒸し料理」はヘルシーですし、充実は嬉しい部分です。野菜の栄養をを残せる、低温スチームも東芝同様に対応します。
また、鶏の唐揚げ・フライなどの調理も、熱風のノンフライ調理で対応しますし、「健康にストイック」なシャープを例外とすれば、他社には負けていません。
他社とはやや違う「個性」ですが、過熱水蒸気に拘らないのは、Atlasとしては逆に面白いと思います。
オーブン機能は、火力は、最高300度を5分間で、日立の上位機と同程度です。
突出してはよくありません。
熱風ファンを搭載するなど、仕組みは他社と同じです。
グリル機能は、逆に相当力を入れています。
上火は、大火力極め焼きヒーターという高火力平面ヒーターを搭載します。
その上で、ヒートグリル皿に電子レンジのマイクロ波を上下から照射することで、実質的に「高火力の両面焼」を実現しています。
従来的に平面ヒーターは、(日立などの)光ヒーターより火力が弱いのですが、ヒーター自体の改良と、天板の改良で、相当の強火を出せる工夫があります。
これにより、食品の表面を炭火のようにより「こんがり」焼くことを可能にしています。2段調理にも対応です。
シャープの上位機も「あぶり焼き」機能がありました。
しかし、あちらは「焼き目を付ける」レベルで、こちらは、お肉などを「グリルでこんがり焼く」用途で、「似て非なるもの」と言えそうです。
とくに、パナソニックは、「焼く」ことを重要しています。
紹介されているレシピも「こんがり」美味しそうなものが多いです。各社ともシステムが違うので甲乙は付けられません。
しかし、凝った料理を作るのではなく、単純に「肉を焼く」「魚を焼く」のならば、パナソニックの方が美味しくやけそうです。
一方、パナソニックは「低温80度オーブン」機能も売りにしています。
低温で作る肉や魚のコンフィなどが、これを使った自動調理メニューとして加わっています。ただ、出せる温度の幅は、東芝などの方が広いですね。
電子レンジとしての性能は、高詳細64眼スピードセンサーが搭載される点が魅力です。
温める食品の位置と温度が細かく分かるために、加熱ムラが生じにくくなる効果と、温めの時短効果(=電気代の節約効果)があります。
また、独自の「高詳細」センサーは、温度判定時間が短く、パスタやカレーなどの「ふきこぼれ」を効果的に防ぎます。
なお、パナソニックは「スピード」という言葉を入れます。ムーブしない分計測点が少ないが、ただ、その分、即時的に分析できるという発想です。
一応、2位と書きましたが、事実上、そう差はないでしょう。全体を見渡せる場所にセンサーを配置するなどの工夫がありますし、上表の、順位評価は当てはまらないかもしれません。
実際、パナソニックの上位レンジは、設定温度と実温度のズレが少なく(=修理の際に、故障と判断される設定温度との実温度の誤差の許容範囲も厳しめで)優秀です。
日立と比べると、重量センサーは未搭載ですが、電子レンジとしての性能は、日立に準じる性能で、真面目な印象があります。
実際、パナソニックの場合、マイクロ波を中央かららせん状に放射するサイクロンウェーブ加熱方式を取っているため、特に解凍時のムラが少ない点も「売り」です。
なお、この機種もシャープのヘルシオの上位機種のように、冷凍食品と常温のおかずを同時に温めることも可能です。
その上で、パナソニックのレンジ機能一番の目玉は「とろみセンシング」です。
既存の電子レンジのセンサー技術を利用しつつ、高度な温度管理で、中華に欠かせない「片栗粉のとろみつけ」ができるようになりました。
かき混ぜないと焦げ付くもので、従来難しかったのですが、今回の改良で「ほったらかし」にできます。
中華料理のほか、クリームを利用したフレンチなどにも利用できるため、メニューの多様性が拡がりました。
他社に類似の機能はなく、割と良い独自の進化だと思います。
そのほか、過熱水蒸気利用時に60〜95℃を5℃刻みに設定できる低温スチームも搭載です。
東芝などにも類似機能がありましたが、温泉玉子や、肉ハム作り、挽き肉の解凍などが高度化します。
また、マイナス10度から90度の範囲で、食材の加熱温度の調整も可能です。
解凍機能は、パナソニックは相当力を入れています。
例えば、お肉の場合、立ち上がり時に、立ち上がりの速い平面ヒーターで霜を素早く落とします。
その後、同社独自のらせん状にマイクロ波を放射するサイクロンウェーブ加熱で、中心からじわじわ解凍させていきます。
それにスチームを併用するので、3つの方式を併用していると言えます。
解凍時は、64眼スピードセンサーが分量や、食品の種類を見分け、この方式を使い分けるため、精度が高いというわけです。
複雑なシステムですが、説得的だと思います。同社の型落ち上位機を所有していますが、この点は確かに優れます。
使っている側は、「半解凍」か「全解凍」かを選ぶだけで、あとは任せきりです。解凍は日立も優秀ですが、細かい設定が不要なぶん、「解凍作業の楽さ」では、パナソニックが圧倒します。
自動メニューは、この機種もシャープのヘルシオのようにカラー液晶が採用されるため396種類と多彩です。
iwaki 耐熱ガラス 丸型 2.5L 外径25cm
¥833 Amazon.co.jp (1/18執筆時)
パナソニックの場合、先述の「とろみ」を活かした中華料理を含めて、パスタやフレンチなど、自動メニューに「ワンボウル」料理も多いです。
その場合のレシピは「25cmの耐熱ガラス製ボール」の利用を前提にするので、手に入れておいても良いかと思います。
ジップロック フリーザーバッグ L 30枚入
¥1,089 Amazon.co.jp (1/18執筆時)
このほか、「凍ったままグリル」というメニューもあります。
ジップロック(L)サイズで平らに冷凍した食材を、グリルでそのまま焼き上げるというものです。
レシピ集で指定された食材と焼き方に限定されますが、よく使う、肉・魚・野菜、30種類くらいの食材が網羅されていて、けっこう便利です。
似た機能を東芝も搭載してきましたが、充実するのは、やはりパナソニックでしょう。
同社は上火が強いので、(火の通りやすい)肉や魚など冷凍だけでなく、肉巻きやメンチカツなど、身の厚いものや、副菜まで含めたボリューミーな調理が可能です。
自動調理機能は、一方、他社にみられた、食材や調理法を指定するだけでの、「フルオート」のおまかせ調理のような機能は、見られません。
あえて言えば、解凍ほかは、ゆで野菜や、乾物を戻すような機能に限られます。
本機も、シャープの「まかせて調理」と同じように、上段下段で、グリルとレンジを同時調理することは可能です。
ただ、この場合も、レシピ集記載の10種の料理を基本に、総分量やサイズを統一しての利用に限られます。
したがって、パナソニックのビストロは、「ざっくり調理」ではなく、レシピを見て「真面目」に作るような料理好きをターゲットにしているとも言えます。
その分、レシピ数はかなり充実しまし、先述の「とろみ」を含めて調理技法の手も込みます。「お手本」に沿って、色々な料理に挑戦したいも向くといえます。
トーストは、パナソニックは昔から充実していて、自動両面焼きで4枚まで焼くことが可能です。2枚で4分強、4枚で6分強と早いです。
スチームトーストも対応します。
ネットワーク機能は、本機は、無線LANが搭載されます。
従来的にパナソニックの弱かった部分なので、大きな改善です。
これにより、新メニューがスマホ経由で追加できるようになったほか、連動するレシピをスマホ・タブレット側に送信し、確認することができるようになりました。
同社のレシピサイト「キッチンポケット(EATPIC)」は、著名料理人のレシピなどが順次掲載されていくので、面白みがあります。
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以上、パナソニックのNE-BS2700の紹介でした。
他社と較べた場合、グリル「焼き」料理に強い点、解凍が優れる点が魅力でしょう。
オーブンの火力は普通で、スチームオーブンの部分ややや特殊ですが、、電子レンジの部分は、日立に準じるほどの性能が期待できる総合力が高い機種です。
一方、先述のように、 「時短・手放し」という方向性で言えば、「まかせっぱなし」の料理は不得意です。しかし、しっかりレシピをみてつくったり、自分で調整しながら使うには、かなり優れます。
その点で、色々作りたい「お料理好き」な方にとくにオススメです。
【2022年8月発売】
29・Panasonic 3つ星ビストロ NE-BS9A-W
29・Panasonic 3つ星ビストロ NE-BS9A-K
¥134,640 Amazon.co.jp (1/18執筆時)
【2021年6月発売】(執筆時在庫きれ)
30・Panasonic 3つ星ビストロ NE-BS908-W
30・Panasonic 3つ星ビストロ NE-BS908-K
¥------- Amazon.co.jp (1/18執筆時)
庫内容量:30L
トースト:4枚(両面対応)
センサー:高詳細64眼赤外線
オーブン最高温度:300度(5分)
外形寸法: 幅494x高さ370x奥行435 mm
NE-BS907は、パナソニックのビストロシリーズの中位機です。
2022年からの新機能
・麺類の蒸し料理対応
・ワンボウル調理の拡充
・食器清潔コースの新搭載
旧機種は、執筆時現在すでに店頭在庫も尽きたようです。
ちなみに、昨年モデルとの変更点は、先ほどみた上位機と同じでした。
庫内容量は、本機も30Lで、2段調理が可能な機種です。
もちろん、左右後方の壁ピタ配置にも対応です。
上位機種との相違点は、次の2点です。
第1に、カラー液晶が採用されていない点です。
カラー液晶は部品代としては効果なので、この価格差が生まれるのでしょう。レシピ表示などに非対応です。
第2に、自動メニュー数です。
液晶がないので、187種に減少しています。カラー液晶の不採用に付随するものです。
ただ、味の面ではさほど差はないでしょう。レシピ集自体には、294種のメニュー掲載ですから。
この点で言えば、カラー液晶が不要ならば、かなりお買得です。
iwaki 耐熱ガラス 丸型 2.5L 外径25cm
¥833 Amazon.co.jp (1/18執筆時)
なお、先述のように、新旧問わず「25cmの耐熱ガラスボール」の利用を前提とする「ワンボウル」料理のレシピが、このシリーズにもいくつかあります。
このほかの部分は、Wi-Fiを装備しない点を除けば同じです。
上述のヒートグリル皿を利用する優れたグリル機能も、上位機と変わりません。
オーブンやグリルの火力も同じですし、とろみセンシングも、凍ったままグリルも、高度な解凍も対応します。
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以上、E-BS907の紹介でした。
上位機との差は、スマホ対応の部分の他、液晶パネルに由来する、デザイン性と、レシピの自在性だけです。
液晶は、「キッチンの高級感の演出」という意味では、デザイン性の面で重要です。
ただ、実用面で言えば、パナソニックの場合、シャープほどは充実しないため、あえて、この部分は諦めるのも「あり」だと思います。
グリル機能をはじめ、充実した調理機能は、最上位機と同じで、お買い得感もあります。
【2022年8月発売】
31・Panasonic 3つ星ビストロ NE-BS8A-K
31・Panasonic 3つ星ビストロ NE-BS8A-W
¥81,559 楽天市場 (1/18執筆時)
【2021年6月発売】(執筆時在庫なし)
32・Panasonic ビストロ NE-BS808-K
32・Panasonic ビストロ NE-BS808-W
¥------ Amazon.co.jp (1/18執筆時)
庫内容量:30L
トースト:4枚(両面対応)
センサー:スイングサーチ赤外線
オーブン最高温度:300度(5分)
外形寸法: 幅494x高さ370x奥行435 mm
NE-BS807は、パナソニックの「ビストロ」シリーズの中型機では最も安い機種です。
旧機種はすでに在庫はないです。参考までに、昨年モデルとの違いだけ書いておけば、新機種は「かんたんグリルメニュー」という、材料に調理液をかけるだけの簡単調理のメニューに対応しました。
一方、上位機と較べる場合、次の部分で、機能性において差があります。
第1に、電子レンジのセンサーです。
この機種は、64眼スピードセンサーが不採用です。
その代わりに、スイングサーチ赤外線センサーを採用します。
多眼でなく、可動でフォローする形式なので、冷凍食品などについての加熱ムラは、上位機種よりも生じやすいと言えます。また、エリア加熱による、2品同時あたためもできません。
解凍機能も、精度が劣ります。
他社の格安機と比べても、重量センサーを搭載する日立などに能力は劣るでしょう。
第2に、オーブン・グリルの火力です。
こちらもグリルに強い仕様ではありますが、上位機種とは異なる平面ヒーターを採用するため、加熱能力は約60%ほどになります。
その結果、パナソニックの「売り」である、とろみセンシングが非対応です。凍ったままグリルも2品のみ対応です。トーストの焼ける速度も遅めです。
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以上、NE-BS807の紹介でした。
中位機に較べて、スチームオーブンとして重要な「火力」と「センサー」の部分が、上位機とかなりの差があります。
そのため、こちらを選ぶメリット性はあまりないでしょう。
2-3・アイリスオーヤ機の比較
つづいて、アイリスオーヤマのスチームオーブンです。
だいぶ前からレンジを発売していましたが、2段の世帯用高性能機は、2022年からの展開です。
【2022年2月発売】
33・ アイリスオーヤマ MS-F3002-B
¥55,000 Amazon.co.jp (1/18執筆時)
庫内容量:30L
トースト:2枚(裏返し)
センサー:64眼赤外線
オーブン最高温度:300度(数分)
外形寸法: 幅493x高さ380x奥行438 mm
MS-F3002は、アイリスオーヤマが販売する2段式スチームのオーブンレンジです。
庫内容量は、30リットルと大きめの機種です。
本体サイズは、 幅493x高さ380x奥行438 mmです。
他社の最上位機と比べると大きめです。
ただ、他社同様に壁ぎわ配置は可能です。左右2cm、上方10cmの空きスペースは必要です。
レンジの段数は、写真のように2段調理に対応する機種です。
スチームオーブン機能は、本機も対応です。
ポンプアップして庫内に水分を供給する仕組みですが、減塩効果と除脂効果を狙います。
ただ、構造的にはシンプルです。
(小型機に多い)簡易的な角皿スチームに比べれば、ムラのなさや時短効果が期待できますが、あまり高機能ではないです。
オーブン機能は、火力は、最高300度です。
最高温度の持続時間は非開示で、「途中で自動で230℃に切り替わる」という表現に止まります。
一方、本機は、このブログの【コンベクションオーブンの比較記事】でみたようなものと同じで、熱風ファンが後部に付き、風で熱を循環させる仕組みがあります。
熱の周りが良く、時短効果が見込めますが、主にパン焼きに便利な仕様です。
普通のオーブンよりふんわり仕上がるので、美味しいです。
以前、日立が「ベーカリーレンジ」という名前でこの仕様の製品を抱いていたのですが、撤退したので、今では、オーブンレンジ型だと本機が唯一かと思います(26Lではシャープ機もあり)。
そのほか、30度〜50度の3段階の発酵もできますし、やはり、ベンチマークは日立機だったかと感じます。
グリル機能は、搭載です。
上火の火力は550W前後なので、さほど強くはないとは言え、この部分については、オーブンの部分ほどは、力を入れてはいません。
電子レンジとしての性能は、64眼センサーを搭載です。
同じセンサーでも、温度の誤差はメーカーごと違いますが、固定式の64眼センサーならば性能は良いでしょう。
一方、ユニークなのは、時短ブースト機能です。
「自動あたため」の際に、ボタンを一度押すと33%、二度押すと50%速く加熱されます。
ようするに、500W・600W加熱を基本として、一時的(最大5分)1000Wを利用して加熱するという話で、使うと温めムラや過加熱が生じます。
急いでいるときには便利、とアイリスオーヤマはしています。
ただ、高級なレンジは、(センサーで温度をみながら)ゆっくりじっくりと、正確に加熱するところに格安機との違いがあり、そこが「売り」です。
「強力なワット数で一気に」という方向性ならば、【大きめ電子レンジの比較記事】でみたような、安いレンジとおなじと同じ加熱法なので、この部分で上位機らしからぬという部分はあります。
解凍機能は、ままり充実しません。
積んでいるセンサーは性能がよいものの、半解凍などに調整することは不可です。
このあたりの仕様は「格安レンジ」です。
自動メニューは、108種類です。
本機については、カラー液晶パネルはないため、説明書をみて番号指定する方式です。
トーストは、自動メニューがあり、2枚までです。
下火が弱い関係で、東芝の下位機種ほかと同じで、途中で裏返す必要はあります。
かかる時間は未記載ですが、上火はそこそこあるので、問題ないかとは思います。
スチームトーストは、説明がないです。
ネットワーク機能は、ありません。
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以上、アイリスオーヤマのMS-F3002の紹介でした。
先述のように、日立がベーカリーグリルを止めたので、パン作りを趣味とする愛用者には「救済機」といえそうな機種です。
オーブンレンジとしては、面白い独自機能は少ないですが、レンジのセンサーも64眼センサーで、グリルの上火も強そうですし、堅実な佳作機と言えるかと思います。
ただし、先述のように、時短部分を理由として買うのは、あまりオススメしません。
今回の結論
中型スチームオーブンレンジのオススメは、結論的にこれ!
というわけで、今回は、中型のスチームレンジの比較の2回目記事でした。
しかし、記事は、もう少しだけ「続き」ます。
3・中型スチームオーブンの比較(3)
3-1:目的別・予算別のおすすめ機種の提案
対応人数 1-2人程度まで
スチーム調理 ★★★★★
レンジ調理 ★★★★★
オーブン調理 ★★★★★
グリル調理 ★★★★★
トースト調理 ★★★★★
減量役立ち度 ★★★★★
次回の3回目記事(こちら)は、結論編です。
今回紹介した機種全体から、目的別・予算別のおすすめ機種をあげていきたいと思います。
ひきつづき、よろしくお願いします。
結論編は→こちら