【今回レビューする内容】2025年 主要9社の最新炊飯器!新製品の炊飯器(ほぼ)全機種からのおすすめ製品の選び方!長時間保温でも味が落ちない炊飯器:象印・パナソニック・タイガー・日立・三菱電機・東芝・アイリスオーヤマ・バルミューダ:機種の違いや人気ランキングなど
今回のお題
美味しいご飯が炊ける!炊飯器の選び方は?
どもAtlasです。
今日は、2025年4月現在、最新の炊飯器の選び方に関するまとめです。
Atlasは、10年以上に渡り、毎年100機近い炊飯器のスペックを調査してきました。
ここまでの調査結果をふまえながら、今回は、最新炊飯器の「賢い選び方」を提案していきます。
予算内で、自分に合う炊飯器を「とことん納得して選びたい!」方に向けて書きました。
1・サイズの選び方
:10合・5.5合・3合
2・味に関わるスペック
:圧力・スチーム・火力・釜・炊分け
3・利便性に関わるスペック
:保温機能・蒸気レス・掃除しやすさ
4・経済性にかかわるスペック
:省エネ達成率・期間電気代
上表で示したような、スペック面からの「選び方の基本」を、順番に詳しく説明していくつもりです。
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1・5合炊きの高級炊飯器の比較
人数:2-4人用
予算:3.5万円〜10万円以上
2・5合炊きの格安炊飯器の比較
人数:2-4人用
予算:1万円〜3万円台まで
3・一升炊きの高級炊飯器の比較
人数:5人以上
予算:3.5万円〜10万円以上
4・一升炊きの格安炊飯器の比較
人数:5人以上
予算:1万円〜4万円台まで
5・3合炊き小型炊飯器の比較
人数:1-2人用
予算:5千円〜8万円台台まで
6・糖質カット炊飯器の比較
人数:1-4人用
予算:1万円〜3.5万円
7・おすすめ炊飯器の選び方【まとめ】
=選び方についての補足的な解説
なお、今回の記事(7回目)は、炊飯器の「選び方」の話に終止します。
すでに「お目当ての機種」がある方など、具体的な商品ベースの情報が欲しかった方は、恐れ入りますが、上表リンク先の記事をご覧ください。
Atlasの「おすすめ」したい炊飯器も、そちらで予算別・サイズ別に提案しています。
よろしくお願いします。
1・正しい炊飯器のサイズの選び方
はじめに、説明するのは、炊飯器のサイズ面の選び方についてです。
炊飯器を選ぶ場合、最も重要と言えるのは、「炊飯器のサイズ」です。
この部分は、 「上手に美味しく炊きたい」場合、はとても重要です。
必要以上に大きいと「味が大きく劣化」するからです。
炊飯器は、ご飯を炊くための「ヒーター(IHヒーター・電熱ヒーター)」を全体にまわし入れています。
ヒーターは、基本的に、ご飯を最大容量(もしくはそれに近い量)で炊いた場合に最適化して配置されています。
そのため、炊飯器のサイズに較べて「少量」のお米を炊く場合、炊飯器の「真の実力が発揮できない」と言えます。
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1・3.0合炊き(約9杯分)
人数:1-2人家族まで
消費電力:約700W
2・5.5合炊き(約16杯分)
人数:1-4人家族まで
消費電力:約1200W
3・一升炊き(約30杯分)
人数:5人家族以上
消費電力:約1400W
結論的に言えば、1日1回だけご飯を炊くご家庭の「家族の人数ベース」で考えると、以上のような選び方をするのが、「賢い」と思います。
必要以上に大きいと、消費電力が多くなるので、ご自宅によっては「ブレーカーの心配」も必要になります。
ただ、「小さすぎる」と、急な来客の際は困る場合もあるでしょう。
炊飯土鍋 二重蓋3合
¥3,997 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
その場合は、上図のような電子レンジでも炊ける簡易的な炊飯鍋を購入しておくのが良いと思います。
こうした簡易的な炊飯器は【おすすめ炊飯用土鍋の比較記事】で10点以上フォローしていますので、よろしければ、後ほどご覧ください。
もちろん、「まめな」方は、「炊き貯めたご飯を冷凍対応のジップロックして冷凍しておく」ことも有効です。
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なお、一部の大型炊飯器は、「少量炊きでも美味しく炊けること」をアピールしている機種があります。
しかし、例えるならば、「深鍋でチャーハンを無理に作るようなもの」であり、味は小型機種で炊飯する場合に較べて劣ります。
いずれにしても、日常のご飯が美味しくないと意味がありません。また、大きすぎる炊飯器は、電気代も多くかかります。
必要なサイズを見極めて買うべきでしょう。
2・炊飯器の味を決めるスペック
続いて、炊飯器の味を決めるスペックについての解説です。
炊飯器のサイズを決めたら、次に重視したいのがこの部分です。「自分の味の好みに合った炊飯器」を選ぶ場合に重要になりますので。
その場合、味の面で「これだけ見ておけば間違いない」というポイントは、次の4点です。
2-1・沸騰温度の持続性
2-2・炊飯器の加熱方式
2-3・内釜の素材と厚さ
2-4・ご飯の炊き分け機能
「どうしてこれらが重要なのか?」、1つずつ以下で詳しく説明していきます。
2-1・沸騰温度の持続性
はじめに、沸騰温度の持続性です。
「100度以上の温度を長く続けられること」は、美味しくお米を炊く際に最も重要です。
そのため、どの炊飯器メーカーのカタログでも、この点の自社技術を宣伝しています。
1・マイコン式
=電熱ヒーターのみで加熱
2・IH式
=鍋全体を磁力で加熱
沸騰温度をキープするためには、炊飯器を囲むヒーターのパワーの強さが必要です。
そして、現状の炊飯器は、ヒーター上図の2方式のいずれかが採用されます。
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第1に、マイコン式です。
相当古い方式で、「マイコン式炊飯器」という名前で現在売られている激安炊飯器はこれに分類されます。
ニクロム線の電熱ヒーターしか利用しないため、加熱ムラがあり、沸騰温度の持続性にも不利です。
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第2に、IHヒーター式です。
この場合、電化キッチンなどの「IHクッキングヒーター」と同じで、、磁力を使って鍋全体を加熱できるIHヒータ(=induction heating heater 誘導加熱式ヒーター)を採用しています。
1990年代から最新炊飯器に採用された比較的古い技術です。
後述するように、圧力IH式、スチーム圧力IH式を含め1万円以上のほぼ全ての炊飯器はこの方式です。
要するに「高価」なのですが、電熱ヒーターに比して、加熱ムラの少なさが「特長」です。
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IHヒーターは、一本では火力が弱いので、複数のヒーターを導入するのが「基本」です。
その数は「段数」で表記しますが、1万円以上ならば「IH2段」は、普通です。
とくに、IHヒーターを重視しているのは、電化キッチン分野で強みを持つ「パナソニック」です。
同社は多いものでは、「IH5段」「IH6段」と、IHヒーターだけで全面加熱を実現しています。
他社機の場合、IHヒーターは底面に2段程度に止める場合が多いです。
マイコン式にも使われる電熱ヒーター(シーズーヒータ)で、それを補助する形式をとります。
例えば、上記の製品は、底面に「2段IH」に、ふたと側面に「3本の電熱線」を回しています。
なお、三菱電機は、「5重全面加熱」など「段」ではなく「重」の漢字で表します。
これは「IHヒーターだけで5段ではない」点、注意するべきです。
いずれにしても、火力としては「IHヒーターだけで5段」の方が上位で、ムラ無く加熱できるでしょう。
【2024年発売】(4合炊きは23年)
【5.5合炊き】
1・象印 炎舞炊き NW-FC10
¥94,500 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
【10合炊き】
¥98,000 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
【4合炊き】
3・象印 炎舞炊き4合 NW-UT07
¥76,800 楽天市場 (1/12執筆時)
炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.3気圧
内釜素材:業炎かまど釜
内釜厚さ:2.2mm
内釜保証:5年保証
保温機能:極め保温
堅さ調整:121通り
※5.5合炊きのスペック
ただし、IHヒーターの段数だけで、全てが決まるわけでもありません。
例えば、象印・三菱電機・タイガー・東芝は、(あえて)「かまど炊き」を再現するという目的から、内釜の底面だけに火力を集中させています。
これらの企業は、最高級機を含めて、ある種の哲学からそのようにしていますので、全く問題ないです。
例えば、象印の最高級機の「炎舞炊き」は、底面だけに、IHヒーターを(贅沢にも)6つ搭載し、独立制御させるローテーションIHを採用します(4合は4個)。
同社は、中級機でも、底面コイルを二重にして対流を良くするセンターターボ(ツイン対流)という工夫があります。ローテーションIHはその発想を突き詰めたものです。
10年単位の技術革新と言え、相当高度です。
なお、庫内全体に「全周ヒーター」を回さない機種の場合、内釜自体の品質(熱伝導性・磁力の通しやすさ)が重要です。
この部分は後ほど改めて書きたいと思います。
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結論的に言えば、沸騰温度の持続性の面から、美味しい炊飯器を選びたい場合、IHヒーターの採用は最低条件です。
2-2・炊飯器の加熱方式
続いて、重要なのが、炊飯器の加熱方式です。
1・IH炊飯器
=米そのもの味の特長が出やすい
2・圧力IH炊飯器
=ふっくら/もちもち系の炊飯が得意
3・可変圧力IH炊飯器
=かたさの調整が得意
4・スチーム圧力IH炊飯器
=かたさ調整と甘みの引き出しが得意
先ほどで紹介した、IHヒーターを利用する炊飯器は、そのメカニズムの違いで4種類に分類可能です。
これは、「炊飯器の得意なご飯の方向性」が分かるという点で重要です。
具体的には、上図のような分類と特質がありますが、これらについて順番に説明しましょう。
第1に、IH式炊飯方式です。
各社の入門機・中級機に多い製品です。
パナソニックなど、全周IHヒーターの製品もあります。
しかし、格安機だと底面のIHヒーターと、外周とふたに(補助)電熱ヒーターから構成される製品が多いです。
一方、別の言い方をすると「圧力やスチーム」を使わない炊飯器とも言えます。
ただ、IHだから「味の部分で負ける」とは言えません。
【2024年発売】(3合炊きは23年)
【5.5合炊き】
4・三菱電機 備長炭 炭炊釜 NJ-VS10
¥29,115 楽天市場 (9/23筆時)
【10合炊き】
5・三菱電機 備長炭 炭炊釜 NJ-VS18G
¥34,700 楽天市場 (1/12執筆時)
【3.5合炊き】
6・三菱 炭炊釜 3.5合炊き NJ-SE06F
¥21,800 楽天市場 (1/12執筆時)
炊飯方法:IH炊飯
圧力炊飯:
内釜素材:備長炭コート2層厚釜
内釜厚さ:2.0mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:3段階
※5.5合炊きのスペック
例えば、三菱電機の炊飯器が良い例です。
同社は、この機種のような「入門機」から8万円を超える「高級機」まで、圧力などの技術を「あえて」採用しません。
これは、「昔のかまどご飯の炊飯には圧力など使わなかった」「むしろ圧力などをかけるのは炊飯において不自然」という三菱電機のの企業哲学からです。
考え方次第です。
たしかに、多くの高級炊飯器は、どんなご飯でも甘く・美味しく炊ける反面、お米の銘柄の個性を消す傾向もみられます。
これをふまえると、こうしたシンプルな炊飯器は、メリット性もあると言えます。少なくとも、「三菱独自の個性」として評価できるでしょう。
先述のように、美味しい炊飯には「沸騰温度の持続性・終盤までの高温」が重要です。
三菱は、全周ヒーター(1400W)の採用と、高度な断熱面の工夫で、圧力やスチームなしでそれを実現しています。
炊けるご飯の味は、一方、圧力方式に比較すると、IH式炊飯方式は、やや「しゃっきり・かため系」です。
甘みは強調されにくいですが、良い意味で「自然な甘さ」です。
第2に、圧力IH式炊飯器です。
1990年代後半に流行し、現在まで続く方式です。
底面のIH式ヒーターや、周囲・上部の電熱ヒーターを使う点は、通常のIH式と同じです。
しかし、圧力IH式炊飯器は、この機構に加えて、フタに圧力調整装置と安全弁が付いていて高気圧をかけられる構造が加えられています。
「1気圧」以上出せるため、100度を超える温度で加熱できます。
これは、沸騰温度の維持に効果的で、ご飯の「おねば」と「甘み」が引き出せます。
炊けるご飯の味は、総じて「甘み」が最大限強く、ふっくらもちもちした感じです。
IH式炊飯に比べると、同じ程度の水分量にした場合食感はやわらかめの傾向です。
ただ、しゃっきり堅めの炊飯が、仕組み上やや苦手です。
【2024年発売】
【5.5合炊き】
7・ 象印 極め炊き NW-BA10
¥39,400 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
【10合炊き】
8・ 象印 極め炊き NW-BA18
¥44,440 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
【3合炊き】(23年発売)
9・象印 極め炊き4合 NW-MB07-BZ
¥40,060 楽天市場 (9/22執筆時)
炊飯方法:圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.3気圧
内釜素材:鉄器コート黒まる厚釜
内釜厚さ:1.7mm
内釜保証:3年保証
保温機能:極め保温
堅さ調整:49通り
※5.5合炊きのスペック
この方式の炊飯器に最も「こだわり」があるメーカーは、象印です。
象印の場合、最上位機を除けば、中級機に圧力炊飯器が多いです。
本機の場合、IHの段数は2段ながら、気圧は中位機でも最大1.3気圧をかけられます(3合炊きは1.2気圧)。この場合、温度は107度に達します。
いずれにしても、ここまで気圧がかけられるのは象印だけです。ヒーターの豪火と、圧力弁による高気圧で一気に甘さを引き出します。
第3に、可変圧力IH炊飯器です。
2000年代から、数社が採用した方式です。
一般的に、圧力式IH式の進化形と言って良く、象印を含めて、各社の最上位機はこの方式が最も多いです。
この方式は、単に加圧するだけではなく、特殊な減圧機構(圧力ボール式・磁力式など)を内臓し、炊飯中に圧力を何度も可変的に動かす構造を有します。
(可変ではない)圧力IH炊飯器は、象印をふくめて「かける圧力の調整」はしています。
ただ、主にご飯の硬さの調節のためであり、常圧(1気圧)と最大気圧以外は、明示的に表現できません。
甘みを出そうとするとやわらかくなりすぎる欠点を克服するため、この方式が生まれました。
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結論的にいえば、現状では、可変圧力式は、現在では(一般的に行って) 圧力式IH式より上位といって良いです。
可変圧力IH方式は、主に次に2点において、他方式に優れます。
第1に、炊飯中盤における(かまどのような)熱対流の再現です。
急減圧を数度くりかえし、熱対流を促すことで「ご飯をおどらせ」加熱ムラを防ぎ、均一で、粒ぞろいに炊き上げるためです。
主に、パナソニックが強調する部分です。
第2に、炊飯終盤における、釜内の高温状態の維持です。
低圧を使うことで、水分が少なくなってきた段階でも、追い焚き・蒸らし時に高温状態を維持するためです。
これにより、ハリを維持したまま、効果的に甘さを引き出すことができます。
炊けるご飯の味は、IH方式・圧力IHより、高水準な場合が多いです。
とくに、調圧できる部分で「食感の炊き分け」の表現力は、一般的に良いです。
また、沸騰時間ほか終盤までの庫内温度の持続性を出せる部分で、甘さとハリも引き出しやすいと言えます。一般的に、炊き上がりの粒も「大きく」なります。
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一方、可変圧力IHは、上位機だと、各社ともより細かいバリエーションがあり、ひとまとめに「可変圧力IH」とまとめるのは、少し乱暴な部分があります。
紙面が許す限りですが、代表的な2社の方式を少し細かく見ておこうと思います。
【2024年発売】
【5.5合炊き】
10・タイガー 土鍋ご泡火炊き JRX-G100
¥80,460 楽天市場 (1/12執筆時)
【3.5合炊き】
11・タイガー 土鍋ご泡火炊き JRX-G060
¥80,090 楽天市場 (6/18執筆時)
炊飯方法:可変圧力IH(多段階)
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:本土鍋
内釜厚さ:5mm
内釜保証:5年保証
保温機能:おひつ保温
堅さ調整:5段階+銘柄炊き
はじめに、タイガーの 「多段階圧力方式」です。
タイガーは、上級機・中級機に限りますが、圧力弁や送風口の工夫で、2段階の可変ではなく、多段階で圧を可変調整できます。
主には、終盤の追い焚き・蒸らし時に高温を維持するための工夫で、同社もそこを主に強調します。
の場合、機構の工夫で、2段階以上の圧力を表現できるからです。
とくに、終盤以降(蒸らし行程)において段階的に圧を落とせるため、
同社は「かまどで炊く土鍋炊飯の味の再現」が社是なので、「一握りのワラ燃やし、赤子泣いてもふたとるな♪」の部分を可変機構で再現します。
さらに、圧が落ちきった炊飯の最終盤も、空気孔から外気を取り込んで蒸気量を調整する「ハリツヤポンプ」の工夫があります。
これで、軟らかくなりすぎる圧力固有の欠点を緩和しています。
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【2023年9月発売】
【5.5合炊き】
12・パナソニック ビストロ SR-V10BB
¥83,900 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
【10合炊き】
13・パナソニック ビストロ SR-V18BB
¥95,700 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
炊飯方法:熱風式可変圧力IH
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:ダイヤモンド竈釜
内釜厚さ:2.2mm
内釜保証:5年保証
保温機能:うるおい循環保温
堅さ調整:12通り+銘柄炊き
つづいて、パナソニックの「熱風式可変圧力方式」です。
同社の場合、主に「ご飯をおどらせる」ために可変圧力を利用します。
そのため、独特な急減圧バルブを装備します。
加減圧を繰り返すことで、熱を均一に入れ、炊きむらがない「カニ穴」が開くご飯を作るための工夫です。
「おどり炊き」として20年以来の同社のキモといえる工夫です。可変圧力ほか、IHコイルの運転調整で、「すさまじい熱対流」を作ります(Wおどり炊き)
加えて、タイガー同様、終盤の釜内の温度維持にも可変圧力は活かさせます。
中盤の水が少なくなった状況でも、急減圧による温度維持ができるように、加熱熱風ポンプを装備します。
外気を入れる部分はタイガーの「ハリツヤポンプ」と同じですが、あちらは蒸気を逃がすことが主目的なので、意味合いが変わります。
同様に、甘さも引き出すでしょうが、むしろ粒感のアップ(大粒化)が強調されます。
第4に、スチームIH炊飯方式です。
2010年代に、パナソニック・日立んどが取り組んだ仕組みです。
しかし、24年にパナソニックがこの方式から撤退したので、大手だと日立のみが継続です。
【2023年発売】
【5.5合炊き】
14・日立 ふっくら御膳 RZ-W100GM-K
¥48,100 楽天市場 (1/12執筆時)
炊飯方法:スチーム圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.3気圧
内釜素材:大火力 沸騰鉄釡
内釜厚さ:
内釜保証:6年保証
保温機能:スチーム保温
堅さ調整:3段階
こちらが日立の代表的なスチーム圧力IH炊飯機です。
同社の場合、基となるのは(可変しない)1.3気圧の圧力式炊飯方式です。
その上で、蒸発した水蒸気をカードリッジに貯め込み、蒸らし行程で高温を維持するために107℃のスチームを「大放出」するという仕組みです。
仕組みはことなりますが、先ほどみたタイガー・パナソニックの可変圧力式と狙いは同じです。
炊けるご飯の味は、諸方式の併用なので、食感の炊き分けはそれなりに上手です。
ただ、どちらかと言えば「かため・しゃっきり系」の炊飯がうまいです。
実際、日立はこのようなご飯が炊飯器を開発する際の理想のようで「外硬内軟」という表現でそれを表現していました。
噛めばご飯の甘みを感じられつつもハリがあるご飯のことです。
そのほか、日立の方式だと(水分をスチームとして貯め込む構造なので)蒸気が少ないという副次的なメリットもあります。
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【3合炊き】
15・BALMUDA The Gohan K08A
¥43,700 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
炊飯方法:スチームIH式
圧力炊飯:
内釜素材:
内釜厚さ:
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:
なお、圧を使わないスチーム式もバルミューダが出します。
IHの火力とスチームで仕上げていく炊飯器と定義できます。
写真のように、底面ヒーターで発生させた蒸気を内釜に送り込み、直接ご飯を対流させずにご飯を炊飯していく方式です。
この方式だと、沸騰時「米は踊らない」ので、粘りや甘みを引き出すのは、他方式ほ得意ではないです。
しっかりした、かための食感で、お米本来の味より、甘みすこしあっさり目の仕上がりになります。
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以上、4つの炊飯方式について説明しました。
これらの特長を、「ざっくりと」まとめれば、上表のようになります。
あえて言えば、お米本来の味を堪能したい場合はIH式、もちもち系が好きな方は圧力IH、食感炊き分けを楽しみたい場合は可変圧力、はっきりしたかみ応えのあるご飯がスク鉈は、スチーム式圧力、を基本に考えればよいでしょう。
もちろん、例外は多くありますので、あえて言えば、という話です。
2-3・内釜の素材とその厚さ
続いて、内釜について、説明していきます。
内釜の品質の信頼性も炊飯器には重要です。
とくに、高級炊飯器は、内釜の部品代が原価の大部分を占めているものも多くあるほど、メーカーが重要視している部分です。
1・内釜の厚さ
2・内釜の構造と材質
3・内釜のコーティング
内釜を比較する場合、基本的に重要視するべきポイントは、上記3点です。
こちらについても、順番に解説しています。
内釜の厚さは、格安な入門機の場合は、とくにここを見た方が良いです。
メーカー側がコストカットしやすい部分なので。
一般的に釜が厚いほど、沸騰高温状況のキープが可能で、ご飯の仕上がりが良くなります。
入門機だと、IH式で2.5mm以上、圧力式で1.5mm以上あれば、まあ「安心」です。
中級機以上の場合、厚みは、たいてい問題ないです。
ただ、底面に火力を集中させる方式の企業(タイガー・東芝な)の製品は、内鍋の熱伝導性・蓄熱性を出すため、内釜の品質が重要です。
グレードで厚み(特に底部)のスペックをかえている場合も多いので、このブログでは注意して見ています。
内釜の構造と材質は、3万円以上の中級機以上を選ぶ場合、ポイントとなります。
内釜は、その素材で、大きく分けて3系統に分類できます。
事例を出しつつ、順番にみておきます。
【2024年発売】
【5.5合炊き】
16・三菱 本炭釜 紬 NJ-BW10G
¥73,300 楽天市場 (1/12執筆時)
【5.5合炊き】(下位機)
17・三菱電機 本炭釜 IH NJ-VW10G
¥62,440 楽天市場 (1/12執筆時)
炊飯方法:IH炊飯
圧力炊飯:
内釜素材:本炭釜
内釜厚さ:10mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:5段階+銘柄炊き
※5.5合炊き上位機のスペック
第1に、炭素系素材です。
炭素系素材を使う製品が多いで。
しかし、三菱電機の本炭釜は、炭をそのまま削り、半磁器として焼成した工場手造りの一点ものです(穴織カーボン製)。
炭素(カーボン)は、ステンレス素材などに比して、10倍以上の深度でIHの磁力を通しやすいため、IHヒーターが底部だけでも、沸騰温度が効果的に持続できます。
厚みで蓄熱性も出せるので、炊飯器の内釜としてはかなり良い素材です。
ただ、体価格が高めで、(滅多に聞きませんが)落とすと割れる可能性があるのが難点です。
【2024年発売】
【5.5合炊き】
18・タイガー 土鍋ご泡火炊き JRX-G100
¥80,460 楽天市場 (1/12執筆時)
【3合炊き】(2020年)
19・タイガー 土鍋ご泡火炊き JRX-G060
¥80,090 楽天市場 (1/12執筆時)
炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.25気圧
内釜素材:本土鍋
内釜厚さ:5mm(最大)
内釜保証:5年保証
保温機能:おひつ保温
堅さ調整:5種類+銘柄炊き
※5.5合炊きのスペック
第2に、硬質陶器(土鍋)です。
もっぱら、タイガーがこだわる素材です。
同社の製品の上位機は、四日市の窯業所で作られた土鍋(萬古焼)です。
蓄熱性の高さは「ガス炊飯」で立証済みです。土鍋は磁力を通さないので、素地の上にアルミを溶射してあります。
陶器は熱容量が多く蓄熱性が良いので、一度暖まると、沸騰温度の持続に貢献します。
なお、陶器は熱伝導率は悪いのですが、タイガーはこれを逆に利用して、内鍋上下の温度差を作ることで、お米を対流させる独自の仕組みをとります。
こちらも、部品代は高価で、落とすと割れる可能性はあります。
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第3に、プレス技術を利用する内鍋です。
最も一般的なもので、各社が採用します。比較的費用を抑えつつ、必要な効果を得やすい方式です。
各社とも、上位機は最新のプレス技術を駆使して、基材を「多層構造」にします。こうした製品を比較する場合は「素材と層数」に注目すると良いでしょう。
例えば、パナソニックは、中空ビーズなどを挿入、中空構造とすることで蓄熱性を高める工夫をします。
こうした機種は、能力を維持しつつ内釜を薄できます。
そういった製品、釜の厚みが薄くても、機能性がある程度高いといえます。
金属の性質について、少し確認しておきます。
熱伝導性(発熱の速さ)は、ステンレスは悪く、鉄・アルミは普通、銅は優秀です。
蓄熱性(熱容量)は、アルミはイマイチで、鉄は普通、ステンレス・銅は優秀です。
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結論的にいえば、銅は、炊飯釜の素材として最も優秀な素材の1つと言えます。
一時期、同価格が高騰していて採用数が減ってしまいましたが、良い素材なのでまた増えるでしょう。
いずれにしても、「本格志向」の内釜を除けば、銅・鉄などの複合素材を多層にプレスした多層構造の内釜を選ぶのがよいです。
なお、鍋素材についての説明がない格安機は、基材がアルミのみという製品もあります。
第3に、内釜のコーティングです。
ここまで説明した要素ほどは重要ではないですが、見ておいて損はないです。
外装は、土鍋、炭、ダイヤモンドなどが、コーティング素材として使われます。
全部炭素系の素材です。熱伝導の向上やと対流を促す「プラスアルファ」 の要素として重要です。
内側はほぼ全てが、フッ素ほかのノンスティック加工があります。
しっかりハードコートされている製品は「3年保証・5年保証」との表記があります。この部分を重視したい場合は、長期保証がある製品を優先して選ぶと良いです。
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以上、内釜の素材と厚さについてみてきました。
プレス製品以外の「本物志向」の製品は、高価ですが、どれも、実用面で意味があっての採用と言えますし、問題ないです。
プレス製品の場合はしっかりした厚みと基層の総数が説明されているかに注意してください。なお、このブログでは、そこがはっきりしない製品は「おすすめ」としていません。
2-4・ご飯の炊き分け機能
つづいて、ご飯の炊き分け機能です。
メニューボタン1つで、「ご飯を細かく炊き分けられる機能」は、最近はミドルクラスの炊飯器では必ず採用される機能です。
1・かため〜やわらかめ
2・もちもち〜しゃっきり
3・銘柄炊き分け
第1に、「かため」「ふつう」「やわらかめ」など、ご飯の堅さを指標にするものです。
多くの炊飯器に搭載されており、6段階ほどの炊き分けも普通となってきました。
第2に、「しゃっきり」「ふつう」「もちもち」などご飯の食感を指標にするものです。
かたさの指標とのかけ算で、100通り以上の炊き分けが可能な炊飯器もあります。
明確に自分の好みのお米の「堅さ」「食感」が表現できる方は、炊飯器の炊き分け機能を重視すると良いでしょう。
そのほか、「おこげご飯」「発芽玄米の炊飯」など、炊き方に関する指標とともに注意して見比べましょう。
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一方、最近は、入門機でも「銘柄炊き分け」ができる機種が増えました。
入門機だと、5-6種類の銘柄が本体に印字されるだけです。
それ以外の銘柄は、説明書の番号表をみて「似た製品」を選ぶ仕組みです。
高級機だと、しかし、タッチパネルで相当数の銘柄から選べる点で、面白みがあります。
もちろん、同じ銘柄でも、米ごとに精米時期や産地で、保水率・アミロース値などが異なるため、味の違いがあります。
しかし、最近の高級炊飯器の多くは、銘柄の個性によらず、どんなご飯も「美味しく炊いてしまう」部分があるので、この方面の「遊び」はあっても良いと思います。
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味に関わる部分だと、パナソニックは圧力センサーで、お米の鮮度(水分率)を判定する仕組みを取り入れ、新米と夏場の乾燥米を見分けて「賢く炊飯」する仕組みがあります。
他社も、温度センサーで、米の水分率を推測する仕組みがあるので、この部分に注目するのも重要です。
3・炊飯器の利便性を決めるスペック
ここまでは、美味いご飯を炊ける炊飯器を見極める4つのポイントを紹介してきました。
3-1・長時間保温機能
3-2・蒸気レス機能
3-3・掃除のしやすさ
3-4・IOT対応
最後に、「家電としての利便性」の面で、選ぶにあたって重要視しても良いポイントをさらに3点、紹介しておきます。
第1に、長時間保温機能です。
ご飯の長時間保温は、その味を大きく落としてしまう要素です。
高級機だとたいていの企業が何らかの配慮があります。
しかし、中級機以下だと、簡易的な低温保存機能以上を搭載する企業はまれです。
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【2024年発売】
【可変圧力式 5.5合】
20・東芝 真空圧力IH RC-10HGW
¥29,800 楽天市場 (1/12執筆時)
【可変圧力式 10合】(内釜下位仕様)
21・東芝 真空IH RC-18KGW
¥35,763 楽天市場 (1/12執筆時)
炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.05気圧
内釜素材:鍛造かまど銅釜
内釜厚さ:5mm(最大)
内釜保証:3年保証
保温機能:真空保温
堅さ調整:5段階
※5.5合炊きのスペック
ただ、例外は、東芝です。
割と安めの機種からしっかりした保温機能を装備します。
最長保温時間は、40時間に達します。
真空IH炊飯器とも呼ばれ、庫内を低圧にすることで、保温時にご飯の色とつやを守ります。
炊いたご飯をいちいち冷蔵するのが面倒な方におすすめです。
日立(スチーム保温)も、スチームIH式に限りますが、中級機では、スチーム噴射で40時間まで保温する技術を持ちます。
ただし、水分の均一性の面で、方式としては、東芝が優れます。
象印(うるつや保温)とパナソニック(エコナビ保温)は、重量センサーで保温温度を調整する機能が付属します。
この場合、30時間程度が、最大保温時間の目安となります。
三菱・タイガー・アイリスオーヤマは、高級機を例外とすると、この部分にあまり工夫は見られません。
第2に、蒸気レス機能です。
これは、置き場所や、冬場の結露などの関係で、キッチンに蒸気を発生させたくない場合に重要となる機能です。
炊飯器の蒸気を減少させる特別なモードは、多くの炊飯器に搭載されます。しかし、この場合、炊飯の味に悪影響をあたえてしまいます。
【2021年発売】
22・三菱 蒸気レスIH NJ-XSC10J
¥80,360 楽天市場 (3/31執筆時)
炊飯方法:IH炊飯
圧力炊飯:
内釜素材:炭炊釜
内釜厚さ:3.5mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:2段階
しかし、三菱は、標準的な炊飯が蒸気レスの機種があります。
また、日立も、「棚中に置けるほどには」蒸気が少ない機種を出しています。
炊飯の味に悪影響をあたえることもありません。この点で選ぶなら両社の製品でしょう。
第3に、掃除のしやすさです。
この点は、最近は、あまり考えなくてもどれも基本的に掃除は手軽です。
圧力IH式炊飯器などは、安全弁の形状が古く、極端に洗いにくいモデルがありました。
しかし、現在はせいぜい1-2パーツ余分に洗う必要があるだけです。
とはいえ、最近は、この方面がさらに進化しているのもたしかです。
タイガーやパナソニックの上位機は、可変圧力でもかなりフラットな形状の上級機をだしています。食洗機に対応できる製品も増えました。
なお、圧力をかけるタイプは、掃除をさぼって安全弁を塞いでしまうと問題があるので、その点は注意しましょう。
【2023年発売】
【5.5合炊き】
23・タイガー 炊きたて JPA-Z100-KM
¥48,484 楽天市場 (1/12執筆時)
炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.25気圧
内釜素材:遠赤5層蓄熱コート釜
内釜厚さ:3mm
内釜保証:3年保証
保温機能:粒立ち保温
堅さ調整:(銘柄炊き)
第4に、IOT対応です。
家電ジャンルの中でも、炊飯器はIOT対応は遅れています。
それでも、2020年末にタイガーがWi-Fi搭載機を、国産機としては初めて出しました。
現在だと、三菱電機・パナソニック・東芝の上位機の一部も対応するようになっています。
対応機は、「お米の銘柄データの更新」や、使用量から類推しての「お米の自動注文機能」などが可能です。
他のIOT家電に比べてできることは少ないですが、それでも、外出先で炊き上がり時刻の調整ができるのはわりと便利ですし、今後の展開に期待したい部分です。
4・炊飯器の消費電力と電気代
最後に、炊飯器全般について、消費電力と電気代についてどのように考えるべきかについて書きます。
第4に、電気代(消費電力量)です。
エアコンなどと同じで、炊飯器も省エネ法による省エネ基準達成率の定めがあります(上記ラベル)。
ただ、2008年基準ですので、ほぼ全ての炊飯器が達成済みで100-108%の範囲です。
100%達成率の製品の場合、1日1回の仕様で、3合炊きで年間約1700円、5.5合炊きで、約3500円、10合炊きで約3,500円ほどです(1kw=31円で計算)。
各社の製品とも、上の値から、1割程度の差なので、メーカー間で比べるほどの差はないです。
ただし、一部製品には「細工(ごまかし)」があります。
各社ともほぼ全機で(標準の炊飯モードではなく)エコ炊飯という堅めに炊けるモードを「出荷時設定」にします。
その上で、エコ炊飯を基準として、省エネ達成率と電気代を算出するので、差が付いていないといえます。
上表は、各社の5.5合の最上位機(24年)の通常炊飯時の消費電力量(Wh)を示したものです。
タイガーと日立は開示がないので比べられません。また、各機とも保温時電力は加味していません。
エコ炊飯では、先述のように、各社とも有意の差はないと言えます。
通常炊飯は、しかし、そう言えません。
1日1回炊いた場合の年間消費電力量を比べると、企業間で約1,000円の差が出ますので。
ただ、(味覚に関係する)炊飯器の場合、「案外、差は小さいな」と思う方が多いような気はします。
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結論的にいえば、個人的な印象では、炊飯器選びでは電気代は(いずれにしても)気にしなくてよい要素に思います。
そもそも、企業間で正確なデータが揃わないので、比べること自体無意味です。
また、炊飯器に限って言えば(少なくとも現状では)省エネ達成率の表記自体、省エネに寄与しているとは思えませんし、費者に無用な混乱をもたらすだけなので、さっさとやめるべきだと思います。
「エコ炊飯」モードがなくなれば、その分、他の炊飯プログラムを追加搭載できるでしょうし、利便性が良くなりそうです。
逆に注意するべきは(最大)消費電力です。
最近の製品で「高火力」を売りにする高級機は、コンセント許容量(1500W)ギリギリの1400Wあたりまで出る機種があります。
ご家庭のブレーカーがよく落ちる場合、ここは注意点です。
このブログでも各記事で問題になりそうな機種は注意しています。
高級機の場合、先ほどの表にあるように、パナソニック・タイガーは、最大消費電力が低めです。
前者は、自社のIHヒーターを多用できるため、後者は、下面過熱方式を採用するためでしょう。
逆に、東芝・三菱・日立の高級機は高めです。
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ただし、高出力の製品の方が(標準炊飯時の)年間電気代は逆に安い場合も多いので、「ブレーカー問題」さえないならば、ここも、全く気にしなくてOKです。
実酸、沸騰温度の持続のために、こうした仕様が重要なので付けていると言えますし。
今回の結論!
美味しいご飯が炊ける!炊飯器の選び方はこれ!
というわけで、今回は、ここまでの記事の「まとめ」として、家庭用炊飯器の選び方について書きました。
1・5合炊きの高級炊飯器の比較
人数:2-4人用
予算:3.5万円〜10万円以上
2・5合炊きの格安炊飯器の比較
人数:2-4人用
予算:1万円〜3万円台まで
3・一升炊きの高級炊飯器の比較
人数:5人以上
予算:3.5万円〜10万円以上
4・一升炊きの格安炊飯器の比較
人数:5人以上
予算:1万円〜4万円台まで
5・3合炊き小型炊飯器の比較
人数:1-2人用
予算:5千円〜8万円台台まで
6・糖質カット炊飯器の比較
人数:1-4人用
予算:1万円〜3.5万円
製品のサイズや価格別に、最終的にAtlasがどの機種をおすすめにするか?については、上記のリンク記事に詳しく書いてあります。
もちもち炊飯 ★★★★★
しゃっきり炊飯 ★★★★★
ご飯の甘み ★★★★★
保温性能 ★★★★★
手入れの手軽さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
それぞれの記事の「結論」では、指標に基づいた評価もしていますので、お求めの製品ジャンルごとに、上記のリンク先で確認いただければと思います。
ただ、今回の記事をこれで「おしまい」にするのは多少「締まりが悪い」気もします。
そのため、今日はは「オススメ機種」を結論として書く代わりに、「どれくらいの価格の製品を買えば良いか?」について、Atlasの意見を簡単に触れて、記事を締めくくりたい思います。
おまけ:食味検定に使う炊飯器
さて、このブログの別の記事で、Atlasは、」日本穀物検定協会の食味試験の結果に基づき、【特A評価を得た美味しいお米の比較記事】を書いています→こちら。
「各都道府県のお米」の味のランキングとしては、もっとも信頼性があるといえるものです。
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【2021年発売】
【5.5合炊き】
1・Panasonic SR-H10B-K
¥17,115 楽天市場 (1/12執筆時)
内釜素材:備長炭釜
内釜厚さ:1.6mm
【3.5合炊き】
26・パナソニック SR-KT060
¥19,069 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
内釜素材:備長炭釜
内釜厚さ:2mm
炊飯方法:IH式
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:3段階
この検定で、ここ10年間、毎年利用されている炊飯器は、パナソニックのSR-HD103-Wという5.5合炊きIH式炊飯器です。
同協会によると、2024年2月発表の最新試験も、この機種が使われたとのことです。
SR-HD103は、2013年発売のモデルです。
10年以上前の製品で、同じ機種はすでにないですが、現行機でそれに「最も近い」のは、あえて言えば、以上の機種と言えます。
パナソニック製で、IHヒーター2段、内釜の厚みが1.7mmに前後するサイズということで、そのように言えます。
穀物検定協会は、「どの産地・品種のお米も均一に美味しく炊けてしまわない」という点で、この試験では、IH式炊飯器(無印)を選んでいると思われます。
言いかえれば、このレベルの炊飯器(IH式以上、釜厚1.7mm前後)ならば、「お米の底力がわかる」と、専門家が評価しているとも言えるでしょう。
これをふまえると、価格面の相場としては、発売時価格で、2-3万円くらいが「十分美味しく炊ける」だろう標準ラインとみなせそうです。
これより高級な炊飯器を買うにしても、安い炊飯器を買うにしても、この炊飯器を「値段の基本」に考えると良いと思います。
まとめ:美味しい炊飯器の見極め方!
というわけで、今回は、美味しく炊ける炊飯器に関する「まとめ記事」でした。
スペック比較中心の記事ですが、Atlasは、「試食も大好き」なので、炊飯器の試食会や見本市、試食イベントなどには、東京などにまめに出向いています。
そして、記事の方向性について間違いがないか、定期的にチェックしています。
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ただ、それでも「どの炊飯器で美味しいご飯が炊けるのか?」については、見極めは相当難しいです。
1・特Aブランド米の比較〈全国〉
2・コシヒカリの比較〈全国〉
3・各地のお米の比較 〈北海道・東北〉
4・各地のお米の比較 〈関東・中部・北陸〉
5・各地のお米の比較 〈西日本〉
6・おすすめブランド米まとめ 【結論】
このブログでもお米の味については、以上の記事で比較しました。
ただ、このブログの記事を含めて、「ユーザー体験系」の記事は重要な情報源とはいえ、ご飯は、個人で味の好みが大きく違うものです。
さらに、利用するお米の銘柄や栽培法、水質、室温などの「条件面の差」があります。
雑誌の比較記事も、全てのグレードの炊飯器を、性質の異なる銘柄のお米を複数使い、網羅的に比較してくれるわけでもないので、これだけでは決められません。
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結論的にいえば、個人的には、メーカーが開示するスペックをおさえた上で、こうした雑誌や口コミ情報を広く参照しながら選んでいくのが良いと思います。
Atlasも、炊飯器の比較では、こうしたやり方を併用しています。
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