2-1・タイガーの炊飯器の比較
2回目記事のトップバッターは、タイガーの3合炊き炊飯器です。
同社は、上位機においては「底面加熱」にこだわる企業です。
この場合、釜の質(熱伝導性)が結構重要になりますので、その部分の質には注目です。
1・3合炊き炊飯器の比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2: 象印
1-3:パナソニック
1-4:三菱電機
2・3合炊き炊飯器の比較 (2)
2-1:タイガー
2-2:東芝
2-3:T-Fal
2-4:バルミューダ
3・3合炊き炊飯器の比較 (3)
3-1:アイリスオーヤマ
3-2:バーミキュラ
3-3:シャープ
3-4:シロカ〈長谷園〉
3-5:無印・Amazon・ツインバードほか
4・3合炊き炊飯器の比較 (4)
4-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿って、各機を比較していきます。
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なお、以下では、オススメできるポイントを赤系の文字色で、イマイチな点を青字で記していきます。
【2022年1月発売】
17・タイガー 炊きたて JBS-A055-KM
18・タイガー 炊きたて JBS-A055-WM
¥9,267 Amazon.co.jp (7/2執筆時)
19・タイガー 炊きたて JBS-B055KL
¥9,700 Amazon.co.jp (7/2執筆時)
炊飯方法:マイコン式
圧力炊飯:
内釜素材:黒遠赤特厚釜
内釜厚さ:3mm
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:
JBS-A055は、タイガーの炊きたての格安モデルです。
あとから、JBS-B055という製品も出ました。
実際的には下位機種で、パンの発酵とパン焼メニューが省略されているモデルになります。
本体色は、ブラック(JBS-A055KM)とホワイト(JBS-A055WM)です。
丸みを帯びた外観フォルムは、デザイン性が良いです。
ターゲット層は「若者」ということで、結構オシャレに思えます。
炊飯方式は、マイコン式です。
先述のように、マイコン式はお米の味においてIH式と決定的な差があります。
火力が出せないので仕方ないものの、カタログ写真のご飯写真も、「マイコン式で炊いたな」とわかるような微妙な感じです。
一方、本機は、ごはん以外の調理が得意です。
(沸騰させて)茹でる系の調理だけでなく、沸騰温度以下での低温調理が可能です。
ジップロックに入れたお肉でローストビーフ・ゆで豚などを調理できる点が、ユニークです。
「ゆでる系」については、従来のTacookのようなカゴは使わず、そのまま鍋に入れて作るメニューの調理が可能です。レシピ集に沿って作れます。
このほか、レトルトの温めほか、パンの発酵・パン焼きメニューなど、バリエーションは豊富です。
炊飯器だとアイリスなども似た機能を搭載する機種がありますが、どちらかといえば、、【マルチクッカーの比較記事】で紹介したような自動調理家電を、ライト層向けに出した感じです。
使われている釜は、本製品も、黒遠赤特厚釜です。
ただ、厚みを3mmにした上で、「釜包み高火力」として電熱線の数を増やし、下位機種より火力を高めています。
ただ、繰り返しますが、マイコン式は、IH炊飯と違って火力を出せないため、この部分の工夫を重ねても、IH式にはごはんの味で決定的に及びません。
これは、仕組み的に仕方のないことです。
炊き分けは、対応しない機種です。
ただ、各社上位機にのみ搭載するプレミアム炊飯メニュー(極うま)を搭載します。
同社曰く、「マイコンタイプの中でも最高レベルのおいしさ」を目指しています。
このほか、炊き込みご飯と、冷凍ご飯向けの各モードがあります。
健康米は、玄米のみ、モード対応します。
ご飯の保温は、温度センサーがないため、長時間保温には向かない機種です。
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以上、タイガーのJBS-A055の紹介でした。
ごはんの味を重視する場合、やはり火力が出せないマイコン式ですので、いかに内鍋を厚くして、特別なメニューを作ろうとも期待値は低いです。
ただ、20-30代の1人暮らしとターゲット層が明確な製品ですので、逆説的ですが「ごはんの味はそこそこでもOK」という場合には選択肢にはなるでしょう。
なお、調理メインに考えたい場合、このブログの【マルチクッカーの比較記事】でみている機種を、合わせてご覧ください。より多機能な製品があります。
【2022年10月発売】
20・タイガー JPF-G055-WL
20・タイガー JPF-G055-KL
¥20,760 Amazon.co.jp (7/2執筆時)
【2018年8月発売】JPF-A550-Wは終売
21・タイガー JPF-A550-K
¥25,000 Amazon.co.jp (7/2執筆時)
炊飯方法:IH式
圧力炊飯:
内釜素材:遠赤5層土鍋蓄熱コート釜
内釜厚さ:2.5mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:
JPF-G055は、タイガーの3合炊きの炊飯器です。
旧機種が残ります。
新機種と同じ5層釜なのですが、コーティングの構成が変わっています。
ただ、さほど大きな違いではないです。あとは、缶詰や野菜を使ったいくつかの時短調理に対応したのと、内釜が3年保証になった程度の違いになります。
とはいえ、値段は逆転しているので、素直に新機種で良いかと思います。
炊飯方式は、IH式炊飯です。
他社同様、この価格帯だと圧力は使いません。
搭載されるIHヒーターは、タイガーは非公開です。
少なくとも、「ふたヒーター」を含めた全面加熱は、機能的に持ちません。
なぜなら、タイガーの場合、下面のIHヒータの火力を重視し130度まで上げつつ、内釜をとおしての熱伝導を重視するという仕組みを採用するからです。
昔ながらの「かまど炊き」ご飯は、「全面加熱などしない」という発想から来ているようです。タイガー炊飯器の「個性」と言えます。
使われている釜は 2.5mmの遠赤5層土鍋蓄熱コート釜です。
価格から言えば、割としっかりした内釜です。
内釜のコートは、内側が、遠赤土鍋コーティングです。
これは、遠赤効果でごはんを「ふっくら」させるためのものです。
加えて、外側部分が土鍋蓄熱コートです。その上で、内部の中空ガラスビーズの練り込みもあります。
これらは、いずれも、内釜の蓄熱性を高めるための工夫です。これにより、炊飯時に重要な「沸騰温度の持続性」を高めることができます。
同社の高級機のように「本当の土鍋(萬古焼)」ではないですが、その仕組みを模しています。
内釜の保証は、3年です。
炊き分けは、未対応です。
下位機同様に、1時間ほど時間をかけるプレミアム炊飯モード(極うま)はあります。
あとは、冷凍ご飯、炊きこみ/おこわ、おかゆといった一般的なモードがあるほどです。
おこげご飯は、非対応です。
健康米は、玄米・麦飯・雑穀米に対応します。
タイガーが、こだわるのは「麦飯」です。
ただ、このグレードだと、押し麦・もち麦などの区別がないので、こだわるならばもう少し上位の製品でも良いでしょう。
保温機能は、特別な機能がないです。
お手入れは、IH式ですし、問題ないです。
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以上、タイガーのJPF-G055の紹介でした。
格安ながら、下面強火というタイガーの哲学が出ている機種です。
これを活かすための内鍋の性能も2.5mmの遠赤5層土鍋蓄熱コート釜であり、期待値は高いです。
保温機能や炊き分けはイマイチですが、上位機まで貫徹するこだわり(哲学)がみられますし、「普通のご飯」を美味しく炊くたまに基本的な仕組みは備わるため、土台がしっかりした入門機に思えます。
【3.5合】
【2025年発売】
22・タイガー 炊きたて ご泡火炊き JRI-C060-KO
22・タイガー 炊きたて ご泡火炊き JRI-C060-WO
¥58,471 楽天市場 (7/1執筆時)
炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.25気圧
内釜素材:遠赤9層土鍋かまどコート釜
内釜厚さ:3mm
内釜保証:3年保証
保温機能:粒立ち保温
堅さ調整:3段階
JRI-Cシリーズは、タイガーの小型炊飯器のミドルクラスです。
こちらは、3.5合炊きです。
炊飯方式は、可変圧力IH炊飯です。
かけられる圧力は、最大1.25気圧(105℃)です。
最大1.25気圧で、パナソニックなどと同じで加減圧ができます。
仕組みはただ独特で「ソレノイド式多段階圧力機構」を利用します。
タイガーの場合、従来機だと、2つの圧力ボールを備えることで段階の違う2つの圧を実現していました。こちらは、電磁部品であり、磁力を利用することで弁の開き加減を調整する新方式です。
タイガーは最上位機だ「多段階圧力」ではなく、2段階の「可変W圧力」ですが、このグレードは、1.25気圧と大気圧の間の、中間段階の圧力も出せることを謳います。
なお、パナソニックは(どちらかといえば)「米を踊らせる」という目的で圧力を使います。一方、タイガーは、気圧・温度を炊飯中に制御することで、お米の甘みと粘りをバランスよく引き出すという、直接的な「味」の意味で利用しているようです。
この部分で、タイガーの可変圧力炊飯器は、圧力炊飯器の進化形と言え、火力面での「下面過熱」方式とともに、同社の上位機の味を決定づける「核心的技術」といえます。
搭載されるIHヒーターは、非公開です。
火力としては本機も下面過熱です。
内釜の性能と、先述の可変圧力で炊飯していく方式です。
先述のように、昔ながらの「かまど炊き」ご飯は、「全面加熱などしない、下火だろ!」という発想からです。
使われている釜は 3mmの遠赤9層土鍋かまどコート釜です。
本機の場合ステンレスとアルミというよくあるコンビです。
ただ、合金アルミと純アルミの複層にしています。純アルミの高い熱伝導率を維持しつつ、弱点となる強度を補強しつつ、熱伝導性を担保する工夫といえます。
内釜のコートは、本機も遠赤土鍋コーティングです。
外側部分は、下位機とおなじ同じ中空のガラスビーズ入りの土鍋蓄熱コートです。ただ上部は、銅素材を利用した「かまどコーティング」にしています。
やはり「本当の土鍋」の疑似的な再現のためで、下部に熱を貯めて、上に伝えるという「哲学」をふまえたものと言えそうです。
効果は数字で計れないでしょうが、方針が「徹底している」のは安心感があります。
ご飯の堅さは、しゃっきり・ふつう・もちもちで、調整できます。
銘柄炊きはできませんが、1時間強の炊飯で、甘みと粘りを出す、プレミアム炊飯(極うま)はあります。あとは、冷凍ご飯、おこわ、おかゆ、炊込みなどお馴染みなモードが網羅です
炊きこみは、「炊きこみおこげ」が選べます。白米もおこげはつけられます。
最近は(健康志向のためか)おこげご飯機能を搭載する機種が減っていますが、タイガーは、この部分で対応です。
健康米は、麦飯・雑穀米・玄米(通常・GABA多め)です。
タイガーは麦ごはん系を重視しますが、このグレードだと、他社と変わりません。
ご飯の保温は、さほどの工夫はないです。
粒立ち保温という名前で蒸気センサーを利用するものですが、さほど強調はできません。
お手入れは、ソレノイド式の機構を採用したことで、洗い物をする際、フタ部分が洗いやすくなった点が違いです。
食洗機で洗うことも可能です。お手入れは中級の圧力系ではでもダントツで楽でしょう。---
以上、タイガーのJRI-Cシリーズの紹介でした。
下位機と比べる場合、可変圧力となるほか「かまどでの土鍋炊飯を真似る(学ぶ)」という方向性が、より徹底している製品です。
実際、中級機では熱を逃がさず高温に保つという、かなり独創的な炊飯器だと思います。
ただし、のちほど見る同社の上位機は「本当の土鍋」になり、例えば、本格的な「おこげご飯」が炊けるほどの火力になります。
とはいえ、値段差も結構あるため、同社の哲学に共鳴した方は、本機を選ぶのはありかと思います。
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【3.5合】
【2023年発売】(直販限定)
23・タイガー ご泡火炊き JPD-G06NK
¥49,800 Amazon.co.jp (7/2執筆時)
【2020年発売】
23・タイガー ご泡火炊き JPD-G060-KP
23・タイガー ご泡火炊き JPD-G060-WG
¥32,626 Amazon.co.jp (7/2執筆時)
炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.25気圧
内釜素材:遠赤9層土鍋かまどコート釜
内釜厚さ:3mm
内釜保証:3年保証
保温機能:
堅さ調整:
なお、このシリーズの旧機となる3.5合炊きが、JPD-Gシリーズです。
炊飯方式は、同じく可変圧力IH炊飯です。
気圧も同じですが、多段階ではなく、1.25気圧(105℃)と1.05気圧が表現できるだけの(普通の)「可変W圧力」です。
これはこれで良いのですが、新機種と比ると、ふたのお手入れ部分では下位です。
使われている釜や底面火力の部分は新機種と同じです。
一方、この時期だと、ご飯の食感炊き分けが不可です。
保温は、一方、つや艶内ふたと名付けられた、内ふたの親水加工が目立ちます。
保温中にふたに水の膜を張ることで、ごはんの水分と、つゆたれを防ぐ仕組みです。
この部分も、タイガーだとこの時代の製品で搭載が打ち切られた技術です。ただ、保温については、新機種より、工夫があるとはいえます。
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結論的にいえば、「かまど炊き土鍋の再現」という部分では、本機でも構わないと思います。
たしかに、(木ふたをした土鍋炊飯のように)終盤に急激に温度変化させない仕組みは、「多段階圧力」のほうが巧みそうですが、突き詰めればという話です。
甘さはこちらでも水準以上に引き出せるでしょうし、型落ちで安いようならば「狙い目」です。
【3.5合】
【2025年8月発売】(旧機種もあり)
24・タイガー 土鍋ご泡火炊き JRX-S060-KS
24・タイガー 土鍋ご泡火炊き JRX-S060-WS
¥113,030 楽天市場 (7/1執筆時)
炊飯方法:可変圧力IH
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:本土鍋
内釜厚さ:5mm
内釜保証:5年保証
保温機能:おひつ保温
堅さ調整:5段階+銘柄炊き
JRX-S060は、タイガー〈炊きたて〉ご泡火炊きとして発売する、同社の小型炊飯器の最上位機です。
炊飯量は、最大3.5合の製品です。
なお、本機も、旧機が残りますが、結構仕様が変わったため、新機種の機能性を示したあと、違いを説明することにします。
炊飯方式は、本機も可変W圧力IH炊飯です。
かけられる圧力は、最高1.2気圧(105℃)です。
ただ、こちらは、中間的に何段階かに分けて減圧できる先述の多段階圧力ではなく、2段階の、可変W圧力になります。
同社の上位機では、一旦「多段階圧力」になったのですが、今回戻されました。ただ「改悪」というより、メンテ性の問題からかと思います。
また、この部分を補う工夫として、後ほど書く「センサー」機能の向上があるので、実際、問題ないです。
搭載されるIHヒーターは、下面の2段です(WレイヤーIH)。
タイガーは、先述のように、下面過熱重視で、他社のような全周ヒーターは不採用です。
先述のように、タイガーは、「かまどで炊く土鍋ご飯の再現」を目指すため、最上位機でも(あえて)「下面だけ」にしています。土鍋自体の蓄熱性を使って沸騰温度を維持する仕組みですから。
底面IHも強化していて、下面「2段」のWレイヤーIHは、最大250度出せます。
底面を強火力にしつつ、ゆっくり熱が回る土鍋の性質を利用し、内鍋の中でに上下の温度差を作り、お米の対流を促すという発想です。「かまど」の再現といえます。
また、(ルクルーゼなどのセラミック鍋と同じで)土鍋はいったん温度が上がれば、蓄熱性は群を抜くので、炊飯後半に必要な「沸騰温度の持続」面でもメリットがあるといえます。
一方、配置の部分で下面コイルを2重にしている部分に、意味が見いだせます。
1層目は釜全体に熱を伝えること、2層目は底面の加熱力をより強化することを意図します。
つまり(かまど同様の)「底面発熱」が美味しさの源というタイガーの哲学をキープしたまま、熱周りが良くしていると言えます。
ご飯の甘みは同社が言うように、この方式は「引き出しやすい」と思います。
沸騰温度の持続性は、センサー面の工夫もなされます。
2025年機から内釜底部の温度センサー(センターセンサー)が新仕様になりました。
匠火センサー(たくみび)という名前ですが、土鍋底部近くに寄せられるフラット形状を採用することで、底温度の検知精度が、1.8倍になりました。
一方、後ほど改めて説明しますが、旧機は、泡の拭きこぼれを、内蔵の「はりつやポンプ」からの風で防ぐ工夫がありました(連続ノンストップ加熱)
タイガーは(木ふたを被せた)「かまど」炊きが理想なので、吹きこぼれ寸前の高火力で熱をかける旧形式のほうが、仕組み的には「かまどにより近かった」ように思います。
半面、旧機はアナログ的な方法ですし、しっかり制御しにくい部分があったといえます。
そのため、ある種「失敗しにくい」匠火センサーを「次のステージ」の方式として選んだのかと思います。
旧機の仕組みでもかなり美味しく炊けたのですが、個人的には、設置環境や米質、水加減の違いでも、柔軟に制御できる、安定性を重視した「ポジティブ」な変更に思いました。
消費電力は、タイガーは低めの750Wです。
仕組み的にヒーターが少ない利点です。
先述のように、電気代は変わらないものの、市販のレンジ台のコンセント許容量(2口合計で1500W)の問題に「優しい」と言えます。
なお、消費電力量自体は、出荷時設定の「エコ炊飯」モードでの値です。他社と同じです。
そのため、通常炊飯時の電気代自体は、消費電力が少なめだから安いというわけでもないですし、他社とも比べられません。
使われている釜は、鍋の厚み最大5mmの本土鍋です。
タイガーは本物の土鍋(セラミック)です。鉄製の釜よりも重厚感があります。
焼成を3度繰り返すことで作られた本格仕様です。本体の値段の数割分はこの釜の値段でしょう。以前の「プレミアム」の文字が取れましたが、同じく、萬古焼であり、グレードダウンではないです。むろんIH加熱に対応するような素材を使っています。
下部の発熱体に新素材(シラスバルーン)を配合した上で、釉薬に遠赤効果が高い鉄・コバルトを加える新しい工夫もなされます。
熱の伝わりがさらに良くなり、お米の甘みと弾力が増しました。
また、本機は土鍋を模した構造のため、「香ばしい」ご飯が炊くことができます。
なお、土鍋は落ちれば割れますが、万古焼は半磁器(b器)でありかなり堅牢です。水による劣化を理由にしたひび割れも保証対象なので、過度の心配は要らないでしょう。
ただ、美味しく仕上がる分、鍋に重さ(約1kg)はあります。金属製より200g以上重いのは、どうにもなりません。
コーティングは、6層です。
土鍋の上に、熱伝導性を確保するためアルミ溶射をした上、最上部に土鍋用のフッ素加工をしています。
また、一層目のコーティングに特殊プライマーを混合しており、耐久性を高めています。
外装はむろん土鍋素地です。 保証は5年です。
ご飯の堅さは、しゃっきりからもっちりまで、お好みで5段階の「ねばり加減」を選べます。(米(マイ)チューニング」機能)
おこげご飯は、タイガーがこだわる部分です。
白米・少量炊き・炊込みご飯ですので、火加減が多段階調整できます。
なお、今回おこげ「マイナス」がついたのは、先述のセンターセンサーの高性能化もあったかと思います。
なお、おこげは同社の昔からのこだわりで、初めてこのモードを作った企業でもあります。
そのほか、おかゆ、おこわの各モードもあります。
珍しいところでは、おにぎりモードが25年から加わりました。
給水時間を長めにとり、一気に高温にする炊き方です。目の付け所は面白いと思いました。
米の浸水は、一方、極・低温吸水メニューという炊飯モードがあります。
冷蔵庫で事前(6時間以上前)に研いだお米いれておき、甘み、ふっくら感を引き出すというものです。他社の「超音波浸水」など、浸水時間の時短を図れる機能性ではないです。
むしろ、手間をかけて、甘みを引き出すための「極み炊き」系の機能性です。
銘柄炊き分けは、70銘柄です。
各銘柄を「ねばり」「かたさ」の指標わけしたものです。
ただ、銘柄炊きを選ぶ場合、パネルには、5種「コシヒカリ・ひとめぼれ・つや姫・あきたこまち」のみ表示に出ます。その他は、パネルに銘柄名は出ないため、説明書を見ながらの番号指定です。
一方、パナソニック・三菱電機と違って、銘柄指定する場合、食感の選択は不可です。
火加減も選べません。
健康米は、麦飯・雑穀米・玄米の各モードがあります。
なお、従来はタイガーは「麦飯」にわりとこだわりがある印象で、 押し麦・もち麦ほ・麦粥などの諸モードがありました。
ただ、25年機は1種類で、その特徴はなくなりました。
保温部分では、「おひつ保温」が見どころです。
ハリつやポンプを利用するものです。
先述のように、炊飯過程では25年機からハリつやポンプは使われない用になりましたが、炊飯終了後には、引き続き使われます。
市販の木製おひつのふたに見られる調湿機能を摸したものす。
外気をポンプでなかに取り込むことで、過剰な蒸気でご飯の表面が(不必要に)柔らかくなるのを防ぐためで、ご飯に「ハリ」を生み出します。
下位機種の場合、タイガーは、保温は低機能であり、課題です。
しかし、この工夫で、ある程度味を保ったまま、「24時間保温」なので、従来の同社機より対策力に期待できます。
お手入れは、楽です。
だいぶ昔の同社の最上位機と比べると、圧力ボールがなくなったことで、内フタがさらに洗いやすくなりました。2点洗うだけなので楽です。
内フタの食洗機対応は、個人的にはポイントが高いです。
そのほか、本機には、少量炊飯を美味しく仕上げるための「中フタ」が付属します。
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以上、タイガーのJRX-S060の紹介でした。
従来からの土鍋技術をベースに、可変圧力の新方式といえる多段階圧力機構とハリつやポンプと、新技術を惜しみなく搭載したハイエンドです。
ライバルと言える象印が「炎舞炊き」で「ふっくら粘る」圧力炊飯を極めたの対して、タイガーは、土鍋炊飯を極めた形で「ハリがあって甘いご飯」という(ある種)対極を極めようとした野心作といえます。
個人的にこの傾向のご飯は好きで、(1世代前ですが)実際食べた際も好印象でした。登場から数回の改良で、問題点の改良も進んだ感じですし、その部分でも選んでよい状況です。
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【2024年7月発売】
(Wi-Fiなし)
25・タイガー 土鍋ご泡火炊き JRX-G060-KG
25・タイガー 土鍋ご泡火炊き JRX-G060-WG
¥75,420 楽天市場 (6/18執筆時)
(直販限定型番)(同じ性能)
25・タイガー 土鍋ご泡火炊き JRX-G060K
¥108,000 Amazon.co.jp (7/2執筆時)
【2023年7月発売】
(Wi-Fiあり)JRX-T060K同級品
25・タイガー 土鍋ご泡火炊き JRX-T060-KT
25・タイガー 土鍋ご泡火炊き JRX-T060-WT
¥65,560 楽天市場 (6/18執筆時)
炊飯方法:可変圧力IH炊飯
圧力炊飯:1.25気圧
内釜素材:本土鍋
内釜厚さ:5mm(最大)
内釜保証:3年保証
保温機能:おひつ保温
堅さ調整:3段階
なお、同社の最上位機の型落ちとなる機種がいくつか残っています。
2024年機は、センターセンサーが旧式で、現行の匠火センサー以前の精度です。
一方、先ほど書いたように、この世代までは、ハリつやポンプが炊飯過程にも使われていました。
沸騰時に泡が生じることによる吹きこぼれを、外からの風を吹き付けることで抑制し、沸騰時間を伸ばすという機能性です(連続ノンストップ加熱)。
そのほか、炊飯中も「かまど」の木ふたの再現を目指し、過剰な蒸気を逃がすことで、飯の表面が(不必要に)柔らかくなるのを防ぐ役割も果たしていました。
ポンプには、間欠運転機能があり、一度に熱を下げない工夫もあります。
この仕組みで、ご飯に「ハリ」を生み出していたと言えます。従来のタイガーの理想型といえる「ご飯にハリがありつつ、噛めば甘み」という「土鍋炊飯」を極めたといえます。
先述のように、環境や米質に左右されにくい点では新機種が上でしょうが、「木ぶたをした土鍋でのかまど炊飯」の再現性は旧機の方が高いように思います。
あとは、極・低温吸水メニューとおにぎりモードがない変わりに、麦飯モードが充実していた部分を除けば、そこまでの違いはないです。おこげご飯も3段階は選べますので。
2023年機は、それ以後と比べると、内釜の仕様が微妙に変わります。
このあとの世代で、内鍋素材と釉薬の改良があったからです。
遠赤効果を高めることで甘み(約8.5%)と弾力(約5%)増やしています。その上で、保温(おひつ保温)の改良で、保温性能が上がったとされます。
23年機は、一方、Wi-Fiも搭載でした。
TIGER HOMEというアプリが用意されます。
外部からの操作ほか、新しい銘柄米を、スマホ経由で「炊飯プログラムをダウンロード」することが可能とされます。産地別にコシヒカリを炊き分ける「産地炊き」も選べます。
ただ、(テノワールは重要とはいえますが)これは、農場や作り方でむしろ差が付く部分ですので、実用的かは微妙そうです。
お米の保水率が高い新米時期限定の特別プログラムの配信(新米誉れ炊き)も搭載です。炊飯器自体にその機能を持たせなかったのは、(忘れて)年中そのモードで年中炊かれても困るからでしょう。
その部分で言えば、米自体の鮮度をセンシングできるパナソニック方式が合理的です。
あとは、食感別(中間・もっちり・あっさり・やわらかめ・かため)におすすめ銘柄を提案してくれる機能や、炊飯器の利用状況を通知してくれる(主に実家などで有効な)「みまもり機能」、あるいは、外出先から、スマホ経由でしかけ直しなどができる「予約炊飯」などの、IOT対応です。
後の世代で省略された理由は不明です。
本機は100周年機だったので「スペシャル」で搭載した可能性もありますが、ざっと見た感じ、アプリのユーザー評価があまり良くないので、やめた感じはあります。
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結論的にいえば、2025年新機種が、特に、環境や米質に影響されない炊飯ができるという部分で、進化したのは間違いないです。
ただ、とくに、タイガーの「かまどで、木ふたをした土鍋での炊飯」を再現という部分に、「響く」ものがある場合、旧機は「合う」ように思います。
仕様的に、おこげも付きやすいため、そういったご飯が好きな人にもおすすめです。
2-2・東芝の炊飯器の比較
つづいて、東芝の炊飯器です。
同社の場合、大きめ炊飯器だと「長時間保温」が得意なのですが、小型はそういった部分を強調しない、別の方向性で攻めています。
【3.5合】
【2023年発売】
26・東芝 IHジャー炊飯器 RC-6PXV-K
26・東芝 IHジャー炊飯器 RC-6PXV-W
¥25,166 楽天市場 (7/2執筆時)
【2021年発売】RC-6PXR-Kは終売
27・東芝 IHジャー炊飯器 RC-6PXR-W
¥27,756 楽天市場 (7/2執筆時)
【Amazon限定型番】RC-6ZPXR
27・東芝 ジャー炊飯器 RC-6ZPXR(K)
¥23,800 Amazon.co.jp (7/2執筆時)
炊飯方法:圧力IH式
圧力炊飯:1.2気圧
内釜素材:備長炭ダイヤモンド釜
内釜厚さ:2mm
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:3段階
RC-6PXVは、東芝の出した3.5合の小型炊飯器です。
新旧両機種あります。
機能的には、ケーキ・温泉卵の調理モードが、「冷凍ご飯」用モードに入れ替わった程度の違いです。
大きく変わりませんが、新機種は「つゆ防止ふたヒーター」の記載がありません。記載ないだけで搭載の可能性もありますが、消費電力表記は新旧で異なるので何とも言えません。
なお、Amazonモデルは、21年機とと同じです。
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結論的にいえば、炊飯時間などは変更がないですし、今の値段差ならば、23年機を選べば良いかと思います。
炊飯方式は、圧力IH式です。
象印の同グレードの製品と同じ1.2気圧(105度)です。
圧力は可変構造ではなく、基本的に高温維持でお米のアルファ化を促し甘みを出す目的で採用です。
火力自体は多段階で調整しつつ炊飯していく方式(炎 匠炊き)です。
搭載されるIHヒーターは、言及がないです。
火力は700Wで、同級の象印と同等ですが、IHヒーターが何段かは不明です。
使われている釜は、2mmの備長炭ダイヤモンド釜です。
同社の場合、大きな炊飯機で「底面からの火力」を重視することもあり、本機も「釜底の厚さ」という表記です。
コートは、備長炭ダイヤモンドコートをなし遠赤効果を狙っています。
ただ、内釜の工夫は、あまり高レベルではないです。
炊き分けは、3段階です。
かため・本かまど(普通)・やわらかという指標です。
健康米は、玄米コースのほか「麦ごはんコース」もあります。
玄米は、白米混合コースもあり充実しますが、麦飯系は、やはりタイガーのほうが充実します。
そのほか、雑穀米コースもあります。
保温機能は、特別な機能がないです。
12時間保温できますが、保温時の味は期待できないでしょう。
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以上、東芝のRC-6PXVの紹介でした。
先述のように、新機種から圧力IH式としたのは、一般的に言って「進化」です。
象印の圧力式がライバルで、ごはんの甘み・粘りをよく引き出せる点で、味の傾向は似ているかと思います。
さほど大きな性能差はなさそうなので、値段で考えても良いですが、内釜の部分でやや工夫に欠けるほか、保温部分に少し弱さは少し見られます。
もう一工夫ほしかった気もします。
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【3合】
【2022年発売】
28・東芝 ジャー炊飯器 RC-5XT-W
28・東芝 ジャー炊飯器 RC-5XT-K
¥16,885 楽天市場 (7/2執筆時)
【Amazon限定型番】
29・東芝 ジャー炊飯器 RC-5XT-W
¥14,800 Amazon.co.jp (7/2執筆時)
炊飯方法:IH式
圧力炊飯:
内釜素材:備長炭ダイヤモンド釜
内釜厚さ:2mm
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:
なお、東芝は、下位機種にあたる RC-5XNという製品も販売があります。
Amazon限定製品も性能は同じです。
このグレードも、IH炊飯器です。
ただ釜底の厚さが2mmと、IH式としては物足りないです。
その上で、炊き分けや、玄米炊飯などに対応しませんし、面白みはない機種です。
3-3・T-Falの炊飯器の比較
続いて、フランス発のT-Falの高級炊飯器です。
日本ではお馴染みの、キッチンウェアとキッチン家電のブランドです。しかし、炊飯器については2022年からで、ある種、日本に「逆輸入」するような、形での参戦です。
【3.5合炊き】
【2023年発売】
30・ティファール ザ・ライス RK8818JP
¥23,900 楽天市場 (7/2執筆時)
【Amazon限定】(まな板おまけ)
31・ティファール ザ・ライス RK8818JPA
¥27,800 Amazon.co.jp (7/2執筆時)
炊飯方法:IH式
圧力炊飯:
内釜素材:本釜
内釜厚さ:3mm
内釜保証:3年保証
保温機能:(下で説明)
堅さ調整:3段階
ザ・ライス RK8818JPは、ティファールの炊飯器です。
Amazon限定モデルがあります。オリジナルカッティングモードのオマケが付きますが、性能は同じです。
容量は、3.5合炊きとなります。
炊飯方式は、IH式炊飯です。
ヒーターの段数は、写真から判断すると、3重あるいは4重加熱です。
IH式の底ヒーターと銅ヒーター、及び、ふたヒーターという構成です。
考え方としては、多重加熱の三菱電機に近いと言えます。
一方、T-Falは、この製品を「遠赤外線IH炊飯器」と呼びます。
なぜなら、外ふたの中央に近い部分に、遠赤ヒーターを装備するからです。
炊飯時には閉じているためニクロム線が見えるわけではないです。ただ、内蓋上部がガラスになっていて、遠赤外線を透過させるような構造になっています。
ここは、完全に「新機軸」なので少し説明を要するでしょう。
遠赤ヒーターは、他方式より「物体の表面を素早く加熱できる性質」があります。
本機の場合、「ふたから放出される遠赤外線が、一粒一粒のお米に直接熱を届ける」とT-Falは説明しています。
遠赤外線は、電子レンジのマイクロ波のように水分子を振動させて熱を伝えていく仕組みです。実際、そのように言えるかと思います(内釜と水表自体も温めます)。
ふたヒーターは、他社の炊飯器とも使っていました。
しかし、遠赤ヒーターを採用した例は他にないです。遠赤についても、釜の工夫(遠赤釜)はありますが、「真上」からガラスを透過させつつ照射する点で、本機は「新しい」といえます。
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結論的にいえば、実際の炊飯への効果は、あるでしょう。
T-Falは、従来のIH炊飯器に対して、同社の「遠赤外線IH」は、「お米の粒立ちや粒感、甘み向上に効果がある」と説明します。
比較対象のIH炊飯器の性能が分からないので、これが実際遠赤ヒーターだけの効果なのかは不明です。
しかし、「全面加熱で火力を高め、熱対流を促し、沸騰温度を持続させる」という意図は、三菱電機ほかの「IH炊飯器」の高級機と同じ方向性です。
あえて「遠赤を採用する必然性」があるかは置いておくとしても、同じような効果はあるでしょう。真面目に考えて作ったのだと思います。
使われている釜は、「本釜」です。
このブログでは【取っての取れるT-Falのフライパンの比較】もしています。
同社のパンは堅牢なコートで評判ですが、本機もしっかり、2層のノンスティック加工です(3年保証)。
釜自体はパナソニックと同じ方向性で、性質の異なる金属を複合的に利用する形です。ただ、鍋の口の切り方などは、三菱の製品を思わせます。
ただし、鍋の厚みは3mmと薄く、素材も、アルミと鉄のみという構成です。
値段的に仕方ない部分はありますが、圧力やスチームを使わないIH機としては、物足りないです。
ご飯の堅さは、やわらかめ・ふつう・かための3種類です。
そのほか、すしめし・炊き込み・冷凍ごはん・お粥の各モードがあります。
おこげご飯は非対応です。
健康米は、玄米・雑穀米(雑穀粥)モードです。
そのほか、長粒米モードもあります。
ご飯の保温は、遠赤保温という名前です。
上部の遠赤が保温に役立つ理由は非開示です。
ただ、構造的に密閉性を高めた上で、断熱ベルトを装備しつつ、全面から最低限の火力で保温することで、長時間保温をする仕組みですし、一定の効果はありそうです。
最大24時間ですが、12時間を目安にとされていますし、ここが「売り」という機種ではないでしょう。
お手入れは、IH式ですが、蒸気口の部分がそれなりに複雑な構造です。
回し開けた状態で部品が3点ですので。蒸気口もすこし凹凸があります。
これに加えて、少し特殊形状な内蓋がメンテ対象です。
その上側のガラス部分は、取り外せないのでふき掃除です。圧力を伴わないモデルとしては(多少ですが)面倒な方でしょう。
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以上、ティファールのザ・ライス RK8818JP の紹介でした。
独自性は「遠赤外線IH」の部分です。
全く新しい方式なので、実際の利用レビューは細かくみる必要はあります。ただ、目指すところは三菱など他社機と同じですから「買っても、失敗することはない」類の新機種に思います。
全く課題がないわけではなく、保温部分と炊き分けの部分が少し弱い(説明不足)であるほか、お手入れの部分も課題に見えます。
ちなみに、同社は、(炊飯器向けの低圧ではないですが)圧力技術も自社にあるので、圧力を「あえて使わなかった」ことに(三菱のような)意図性があるか、Atlasとしては「気になって」います。
数年後には(しれっと)圧力搭載の上位機が出るかもしれませんが、独自性が強い「遠赤外線IH」という部分を、突き詰めていって欲しいように思いました。
3-4・バルミューダの炊飯器の比較
続いて、バルミューダの製品です。
日本のデザイン家電メーカーですが、スチーム式にこだわったユニークな炊飯器もなします。
【2022年12月発売】
32・BALMUDA The Gohan K08A-BK
32・BALMUDA The Gohan K08A-WH
¥45,000 Amazon.co.jp (7/2執筆時)
【2017年発売】
33・BALMUDA The Gohan K03A-BK
33・BALMUDA The Gohan K03A-WH
¥42,980 Amazon.co.jp (7/2執筆時)
炊飯方法:スチーム式
圧力炊飯:
内釜素材:
内釜厚さ:
内釜保証:1年保証
保温機能:
堅さ調整:
BALMUDA The Gohan K08Aは、バルミューダの3合炊き炊飯器です。
同社の場合、「蒸気炊飯器」ですが、旧機種を含め、これまで他社が発売してきたスチーム式とはだいぶ炊飯方式が異なると言えます。
なお、新旧両機種あります。
外観デザインのほか、温度制御部分で変更がありました。
旧機種の場合、60度までの低温でじっくり浸水させ、炊き上げる方法でした(上図)。
新機種は、40度までの時間を長めにとり、そこから直に温度を上げる仕組みになりました。
本機は「おこめを動かさないで炊飯する」ところにポイントが置かれる機種なので、その方向性をより徹底したものと思われます。
プログラムだけでなく、本体構造も少し見直されています。
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結論的にいえば、価格面ほか、(完全に新機軸だった)初代の問題点が改善している可能性があるので、選ぶならば、新機種かと思います。
炊飯方式は、スチーム炊飯式です。
大きな炊飯器については、スチームを利用する炊飯器を出す企業があります。
しかし、本機はそれらと全くことなる技術です。
バルミューダの場合、底面ヒーターで発生させた蒸気を内釜に送り込み、直接ご飯を対流させずにご飯を炊飯していく方式となります。
これは、強火力による対流(おどり)を重視する、これまでの炊飯器と180度異なる発想で斬新です。
沸騰温度の維持は、この機種の場合、とある理由から、全く重要視されません。
バルミューダによると、火を使う土鍋や羽釜の炊飯では、米は動いていないことを発見したそうです。
そして、それを再現するために、スチームで上方から米を踊らせず炊きあげる独自方式をあえて採用しています。
興味深い話です。ただ、電気と直火ではそもそも火力が違う部分は意識が必要です。
「かまどご飯」で美味しい「カニ穴」が開くのは、(米が踊るかはともかくとして)強力な火力で、激しい熱対流が起こる結果であるのは確かです。
沸騰温度が持続しないと、かまど特有のふっくら甘みのあるご飯の再現性は低いです。
ただし、お米の粘り気や甘みは控えめで、その代わりにハリとツヤのある堅めのご飯が炊ける炊飯器としては、逆に相当期待がもてます。
これ系の味のニーズは世の中に確実にあります。
例えば、以前【炊飯用土鍋の比較記事】で紹介したような、ガス火炊飯の小型土鍋を使っている人は、味の傾向が割と似ているので、この機種は合う好みが合う可能性は高いでしょう。
Atlasも初代で試食しましたが、独特の食感は、かなり好感が持てました。
使われている釜は、現状非公開です。
ただ、こちらの製品は、仕組みが独特なので、厚ければ良いというわけではないでしょう。
炊き分けは、非対応です。
モードも、おかゆ・炊きこみご飯があるのみで、おこわメニューなどはないです。
おこげご飯も非対応です。
健康米は、玄米のみモードがあります。
最大2合までです。
ご飯の保温設定は、蒸気構造が災いしてか、機能自体が無く、炊きあげたら、冷凍するか、おひつに入れて保存しないといけません。
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以上、BALMUDA The Gohanの紹介でした。
独特な味の傾向を持つ炊飯器なので、あまり考えずに選ぶのは「冒険」でしょう。
ただ、堅めで、ハリツヤのあるご飯は実際美味しく炊けるので、あまり浸水しない固めのご飯が好きな人には「画期的で相性が格別に良い」といえます。人を選びますが、確実にニーズはあるでしょう。
次回に続く
美味しく炊ける!小型炊飯器のおすすめは結論的にこれ!!
というわけで、今日は、少量炊きの炊飯器の比較の2回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ続きます。
3・3合炊き炊飯器の比較 (3)
3-1:アイリスオーヤマ
3-2:バーミキュラ
3-3:シャープ
3-4:シロカ〈長谷園〉
3-5:無印・Amazon・ツインバードほか
4・3合炊き炊飯器の比較 (4)
4-1:最終的なおすすめの提案【結論】
続く、3回目記事(こちら)では、 アイリスオーヤマほか、ここまで紹介できなかった製品を追加でみていきます。
もちもち炊飯 ★★★★★
しゃっきり炊飯 ★★★★★
ご飯の甘み ★★★★★
保温性能 ★★★★★
手入れの手軽さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回記事(こちら)でここまで紹介してきた全機種のうちから、価格別・目的別にAtlasがもっともおすすめできる機種を数機種選んでいきたいと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。
3回目記事は→こちら