Top 情報家電 比較2023'【目的別】ICレコーダー43機の性能とおすすめ・選び方(1)

2023年06月26日

比較2023'【目的別】ICレコーダー43機の性能とおすすめ・選び方(1)

【今回レビューする内容】2023年 ボイスレコーダーの性能とおすすめ:ビジネス用・音楽用小型ICレコーダー ・リニアPCMレコーダ:インタビュー 講義 会議 語学学習 音楽録音 コンサート ネット配信:機種の違いと性能ランキング

【比較する製品型番】オリンパス OM SYSTEM WS-883 BLK WS-882 SLV LS-P5 VN-551PC V-872 DM-750 VP-20 + TP8 SONY ICD-PX470F ICD-UX570F ICD-UX575F ICD-TX650 ICD-TX800 AutoMemo S AM1WH TASCAM VR-04-GY VR-04-S VR-03 VR-02 VR-01 フィリップス DVT2000-BK  ASCAM DR-05X DR-07X DR-07MK2 DR-40X DR-40VER2 Portacapture X6 X8 SONY PCM-A10 PCM-D10 PCM-D100 ZOOM Handy Recorder H6/BLK H8 PodTrak P4 F2-BT/B ZOOM M2 MICTRAK MicTrak M4 M3 F2 TASCAM Portacapture X8 iFLYTEK VOITER SR302 Pro SR502J VOITER mini ほか

今回のお題
最新のICレコーダーのおすすめはどの機種? 

 ども、Atlasです。

 今日は、2023年6月現在、最新のICレコーダー(ボイスレコーダー)を比較します。

 「仕事用」と「音楽録音用」に区別できますので、それぞれに対応できるように書きました。

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 仕事用は、携帯性・マイクの指向性ほか、文字起こし利用などの際の再生時の利便性を重視します。

 音楽録音用は、マイク品質ほか、マルチチャネルをふくむ録音規格・耐音圧にも注目して比較しました。

1・ICレコーダーの比較 (1)
 【仕事】インタビュー・会議・語学学習
2・ICレコーダーの比較 (2)
 【音楽】音楽活動・野外録音・ネット配信

 ただ、それぞれ必要な機能が異なるので、記事を分けて説明します。

 1回目記事(今回)は、主にビジネスに使う「仕事用」のICレコーダーの比較をします。

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 最近登場してきた、音声解析システム(AI)を利用して、自動で文字起こしできるタイプのICレコーダーも、1回目記事で扱っています。

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 「音楽録音用」として、ハイレゾ録音などに本格的に対応する専門機は記事を分けました。

 2回目記事となる【音楽用のICレコーダーの比較記事】をご覧ください。

 どちらから読んでも分かるようにしています。

 よろしくお願いします。 

3・ICレコーダーの比較 (3)
 =最終的なおすすめの提案【結論】

音質の良さ ★★★★★
取材の録音 ★★★★★
会議の録音 ★★★★★
音楽の録音 ★★★★★
語学学習  ★★★★★
携帯性   ★★★★★
総合評価  ★★★★★

 というわけで、以下では、それぞれの機種を詳しく紹介します。

 その上で、最終回の「結論編」(こちら)では、上表のようなポイントから、「目的別・価格別」にAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。

1-1・ICレコーダーの選び方の基本

 「仕事用」にICレコーダーを選ぶ場合、重要なのは、以下の3点です。

 具体的な製品の比較に入る前に、あらかじめ紹介してきます。 

1・音質の良さ

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 第1に、音質です。

 音質の良いステレオ・リニアPCM録音に対応する機種や、ノイズキャンセル集音機能が充実している機種を評価します。

 これらは、音楽録音だけでなく、ビジネスにおけるテープ起こしの際の音質のクリアさなどにもつながる点で、最も重要です。

 一方、ICレコーダーの場合、先述のように「音楽録音用」もあります。

 比較的高価な機種はほぼ「音楽録音用」ですが、そういった機種は、重さの部分のほか、機能面でビジネス向きの機能が「省略」されていることが多いです。

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 そのため、今回の1回目記事では、「ビジネスに使う際の音質の良さ」に着目しながら、比較していきます。

2・用途別の利便性

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 第2に、利便性です。

 「仕事」といっても、インタビュー・会議、または、語学学習など、ICレコーダーの利用目的は異なります。

 そのため、利用目的に合った機能を持つ機種をしっかり選ぶ必要があります。

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 この点も、今回の1回目記事では、注目して紹介するつもりです。

3・携帯性の良さ

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 第3に、携帯性です。

 ビジネス用として考える場合、ICレコーダーは「常に持ち歩くギア」です。

 そのため、まず「重さとサイズ」が問題になります。

 ただ、あまりに軽量でも、電池の保ちが短ければ、利用に支障がでます。

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 その点もふまえて、今回の1回目記事では、各社のICレコーダーを比較してきます。

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1・ICレコーダーの比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【仕事用】
 1-2:標準タイプ
 1-3:小型タイプ
 1-4:自動文字起こしタイプ
2・ICレコーダーの比較 (2)
 2-1:選び方の基本の説明【音楽用】
 2-2:音楽用タイプ
3・ICレコーダーの比較 (3)
 = 最終的なおすすめの提案【結論】

  なお、用途が異なるため、以下では、標準型(左図)・スティック型(中図)・自動文字起こし型(右図)に分けて、紹介します。

1-2・標準型のICレコーダーの比較

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 はじめに紹介するのは、一般的な直方体形状で、50g前後の重さがあるタイプです。

 20年前からある形状ですし、皆さんも一度は見かけたことがあるかと思います。

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 なお、以下の記事では、高評価できる部分については赤字で、イマイチな部分については青字で表記していきます。


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 【2023年発売】

 【上位機】V-873 BLK GLDの後継品

 1・オリンパス ボイストレック WS-883 BLK
  ¥9,845 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

 (上位機の旧製品)

 1'・オリンパス ボイストレック V-873
  ¥9,400 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

記憶容量:8GB
電池寿命:32/53時間(PC充電可)

 【下位機】

 2・オリンパス ボイストレック WS-882 SLV
  ¥8,276 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

記憶容量:4GB
電池寿命:53時間PC充電不可

内蔵マイク:ステレオ(指向性)
外部編集:対応(USB MicroSD)
記録形式:リニアPCM(22.05kHz) MP3
重さ:77g(電池含む)

 WS-883 は、オリンパス(現:OMシステム)の「ボイストレックシリーズ」の上位機種です。

 以前販売があったV-873の後継品ですが、今回、音質の良いリニアPCM録音に対応するように改良されました。値段差をみても現在は新機種が良いです。

 一方、新機種になって下位機種扱いのWS-882がでました。

 本体色のほか、内蔵メモリの記憶容量が少ない点と、USB端子は付属するものの、データ転送のみでニッケル電池に対する充電機能がない点が違いです。USBの電源供給面の仕様の違いで、別売電池を購入しても使えないということになります。

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 結論的にいえば、この程度の値段差ならば素直に「上位機」でしょう。

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 本体サイズは、幅39x高さ111.5x奥行18 mmです。

 電池込みでの重さ77gなので、十分に「携帯用」と言えます。

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 内蔵マイクは、「ステレオ録音」に対応する製品となっています。

 仕事用のICレコーダーに「ステレオ機能」不要と考える人もいるでしょう。

 しかし、会議などで、多人数の声を録音する場合、ステレオの場合、距離感をふまえた録音ができるため、再生したとき、「音声が聞きわけやすい」利点があります。

 音質は、しかし、ステレオ録音の場合、リニアPCM録音に非対応です。

 リニアPCM形式の録音は、22.05kHz/16bitのモノラルの1chです。

 ステレオ録音はMP3(128kbps)のみという制限があるのが注意点です。

 この価格帯の製品ではリニアPCM機種もあります。この部分は少し魅力に欠けると言えます。

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 また、この製品は、「ボイスチェイサー」が搭載です。

 部屋の広さに応じて感度を自動修正する機能があり、広い講義室での利用などの集音性は良好です。

 似た機能に、離れた前方の集音性を高めるズームマイクモードを搭載する機種がありますが、ほぼ同様の機能と言えます。

1・音声起動録音(VOC)
 =音に反応して自動的に録音を開始
2・インデックスマーク機能
 =再生したい場所に「付せん」をはる
3・AB・リピート
 =語学学習に便利な二点間再生
4・高速・低速再生
 =テープ起こし用

 また、下位機種ですが、ICレコーダーとして「確実に必要」と言える4つの機能も、しっかり装備します。

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 語学学習用としては、A・B・Cリピートのほか、シャドーイング再生にも対応します。

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 加えて、再生面の技術として、ボイスバランサー再生機能が搭載です。

 先述のように、ステレオ録音の場合、距離感まで録音できる点で高性能です。

 しかし、遠くの人の声は遠く聞こえてしまうため、(状況によっては)テープ起こしがやりにくい場合があります。

 この機能がある場合、聞きやすいレベルに自動調整可能です。

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 PCとの接続は、対応です。

 上図のような収納式のUSB端子を利用します。

 先述のように、上位機のみUSBからの充電もできます。

 電池寿命は、アルカリ電池(単4×2)で再生する場合、最大53時間です。

 ただ、リニアPCM(モノラル 1ch)の時間なので、ステレオ(MP3)だと41時間と他社機並みです。例えば、他社(ソニー)はリニアPCM(ステレオ 2ch)で40時間ですので、比べる場合、やや注意です。

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 OM SYSTEM BR404
  ¥2,200 楽天市場 (6/26執筆時)

 一方、上位機はニッケル水素電池が内蔵され、USB充電が可能です。仕様上、他社(エネループなど)は充電不可で、同社の電池のみ対応です。

 この点で言えば、エネループなどを買って外部充電器を使ったほうが「」なような際します。なお、充電池を使う場合、録音時間も、リニアPCM(1ch)で32時間です。

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 以上、オリンパス(OMシステム)のWS-883などの紹介でした。

 仕事用としてみても、基礎となる音質部分のスペックが(必要十分なレベルはありつつですが)微妙に他社に劣る部分が目立ちます。

 PCMに対応したのは見どころですが、先述のように1chのみという仕様ですし、同社から買うにしても、後ほど見る上位機が良いかと思います。

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 【2019年発売】

 3・オリンパス ボイストレック V-872 SLV
 3・オリンパス ボイストレック V-872 WHT
   ¥6,998 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ(指向性)
記憶容量:4GB
電池寿命:41時間(単四2本)
外部編集:対応(USB MicroSD)
記録形式:MP3
重さ:77g(電池含む)

 なお、本機の登場と同時に、旧来あった下位機を終息させています。

 こちらは、MP3のみの対応で、USB充電もなきない機種です。

 一方、MP3ながらステレオ録音はできますが、ボイスバランサー再生機能がないので、本機自体でステレオ再生をする場合は、能力が落ちます。

 これらの点で、機能面で陳腐化しています。

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 【2021年発売】

 4・オリンパス VN-551PC
  ¥5,718 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

内蔵マイク:モノラル
記憶容量:4GB
電池寿命:60時間(単4電池2本)
外部編集:
記録形式:WMA

 一方、オリンパスの最下位機となる VN-551PCは、今のところ継続です。

 本機はモノラルのみの機種です。

 一応基本機能は網羅しますが、先述のように、ICレコーダーは(ビジネス用でも)ステレオであることにメリットがあるので、あまりオススメしません。


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 【2015年発売】

 5・SONY ICD-PX470F
  ¥9,008 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ(全方向性)
記憶容量:4GB
電池寿命:40時間(PC充電可)
外部編集:対応(USB MicroSD)
記録形式:リニアPCM MP3
重さ:76g

 ICD-PX470F は、ソニーから発売されているICレコーダーです。

 本体サイズは、38.3×114.1×19.3mmです。

 オリンパス同様の小型機で、電池を含めた重さもだいたい同じです。

 音質は、本機は、ステレオでのリニアPCM音源に対応です。

 そのため、音楽CDと同じクオリティでの録音が可能です。

 先述のように、音楽の録音だけでなく、声や会議の録音でも効果的です。

 リニアPCM音源で録音すると、非常に明快かつクリアに録音できます。

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 音質面の技術は、「指向性マイク」を採用するオリンパスと異なり、「全方向性マイク」を採用します。

 「全方向性マイク」は、ステレオ感をより得やすく、インタビュー以外に音楽録音ほか、会議などの録音により強くなります。

 一方で、インタビューなど1対1の録音時は、(広く音を拾いすぎるので)環境雑音系のノイズを拾いやすい点が難点です。

 しかし、ソニーの場合は、この部分を補うためにS-Mic(Sマイクシステム)という独自技術で、遠くの音を聴きやすくする補整をしていますので、弱点は緩和されます。

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 ノイズキャンセリングは、ソニーも、再生時と録音時双方で補整を行います。

 とくに、録音時の「クリアボイス機能」は定評があります。人の自然の声を減衰させずに、環境ノイズを減少できる点かなり強力と言えます。

 その他の機能面では、録音時に周囲の雑音を低減させるローカットフィルターシーンセレクト・音声起動録音など、他社の中級機に搭載される主な機能は、「おおむね搭載」されます。

 語学学習用としては、しかし、シャドーイング再生に未対応です。

 この方面に特化した技術は少ないです。

 テープ起こし用としては、0.5倍から2.倍の間で細かく調節できるDPC機能を持ちます。

 便利に使えるでしょう。

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 PCとの接続は、対応します。

 MicroSDカードは、この機種も増設対応です。

 電池寿命も、最大40時間と長いです。

 そのほか、ワイドFMラジオにも対応します。

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 以上、ソニーのICD-PX470F の紹介でした。

 ステレオでのリニアPCMへの対応する点と、高度なノイズキャンセリングを搭載する点が評価できます。

 この2点は「高級ICレコーダー」と「格安ICレコーダー」を分ける部分ですので、このグレード以上がビジネス向けの上級機と言えます。

 むろん、上位機の範疇でも機種による向き不向きがあります。

 本機は全方向性マイク搭載機ですから、1対1よりも、会議などの録音が得意な機種です。一方、ズームマイクモードがないので、遠くや前方の集音性にやや難ありといえます。

 S-Mic(Sマイクシステム)の搭載で、ある程度緩和できていますが、その用途だけならば指向性マイクを装備する機種か、次に紹介するソニー機のような、明確な対策のあるものが良いでしょう。


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 【2019年発売】

 6・SONY ICD-UX570F【4GB】
  ¥14,818 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

 7・SONY ICD-UX575F【8GB】
  ¥23,880 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ(全方向性)
記憶容量:4GB
電池寿命:22時間 (PC充電可)
外部編集:対応(USB MicroSD)
記録形式:リニアPCM MP3
重さ:48g(電池含む)

  ICD-UX570Fはソニーの上位機です。

 本体色は、ブラック(ICD-UX575F B)とゴールド(CD-UX575F N)とシルバー(ICD-UX575F S)から選択できます。

 こちらには、録音容量が8GBのモデルもありますが、色は同じ構成です。

 ステレオの音質は、高音質なリニアPCM音源に対応するモデルです。

 一方、1つ上で説明した下位機種よりも「パワーアップ」している点は、主に3点です。

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 第1に、内蔵リチウムイオン電池を採用し、PC経由で充電できる点です。

 こうしたモデルの場合、乾電池が使えないため「まさかの場合」が心配です。しかし、こちらのモデルは3分の充電で1時間使えるように急速充電が可能です。

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 第2に、フォーカス録音機能に対応する点です。

 これは、全方向性マイクの左右の音をカットすることで、前方集音性を高める技術です。

 この機種も指向性ズームが未装備ですが、その欠点を緩和するための技術と言えるでしょう。

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 第3に、おまかせボイス機能です。

 こちらは、シーン指定をしなくても最適に感度を調整し、背景ノイズも軽減してくれる機能です。

 録音のスイッチを押す以上のことをしたくない人、または、そのような人が利用することが想定される場合は、この機種を選ぶのは「あり」でしょう。

 もちろん、こだわりたい場合は、細かいシーンの調節も可能です。

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 第4に、タイムジャンプ・イージーサーチ機能です。

 全体でファイルを10分割し、10%ごとに「戻し」「送り」(タイムジャンプ)をしてから、早送り・戻しでシーンを探せます。

 これらをボタン操作で行えるため、テープ起こしに有用です。

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 そのほか、音楽再生の際に自動的に録音レベルを調整してくれる「おまかせミュージック」機能が搭載されるほか、ディスプレイは視認性のよい、1.45インチ有機ELディスプレイを採用している点が目立つ違いです。

 視認性の点では、他社製品と較べても良いですね。

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 以上、ソニーの ICD-UX570Fの紹介でした。

 リニアPCM音源強力なノイズキャンセル対応に加え、下位機種の弱点だった、遠くや前方の集音性が改善している点が魅力と言える機種です。

 また、今回の改変で、自動録音機能も強化されましたので、初心者があまり考えず、ボタン一つで録音する場合、音質に最も期待できる機種でしょう。

 会社に置いておき、あまり使い慣れていない人に貸すような使い方をするならば、最も向いている機種の1つだと思います。


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 【2018年発売】

 8・オリンパス DM-750【黒】
 9・オリンパス DM-750【銀】
  ¥12,116 楽天市場 (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ(3マイク式)
記憶容量:8GB
電池寿命:31時間(PC充電可)
外部編集:対応(USB MicroSD)
記録形式:リニアPCM MP3
重さ:72g

 ボイストレック DM-705は、オリンパス(OMシステム)のビジネス向けのハイスペック機です。

 音質は、この機種は、同社の下位機と違って、しっかりステレオ(2ch)でのCD音質のリニアPCM音源に対応します。

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 音質面の技術は、このグレードの機種としては「かなり高度」です。

 上図の様に、左右に指向性ステレオマイク、中央に無指向性(全方位性)マイク搭載する「3マイク方式」だからです。

 つまり、ステレオ感を得やすく、会議などの録音に向く指向性ステレオマイク、前方の離れた話者の録音に強い、無指向性マイクという、互いの欠点を補う、ある意味「最強の組み合わせ」です。

 このほか、録音時の環境雑音を低減するローカットフィルターと、録音時と再生時双方のノイズキャンセリングに対応します。

 音質面の技術は、他社と比べても引けをとらないでしょう。

 語学学習用としては、それに特化した機能は未搭載です

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 テープ起こし用としては、6段階の速度調節ができるほか、音声カット再生に対応する点が魅力です。

 他のICレコーダーには、「音声起動録音」という機能が搭載される場合があります。

 この方式は、ビジネスなどの重要な録音で、実際は発話があったのに、音声が録音されていない、といった事態が考えられます。

 その点、音声カット再生は、「再生時に、音声のない部分をカットして再生する」機能であるため、機械のミスによる録音ミスを避けられます

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 PCとの接続は、端子経由のダイレクトな接続に対応します。

 MicroSDカードは、この機種も増設対応です。

 電池寿命については、こちらの機種は、乾電池を利用しないリチウムイオン充電池の製品です。

 稼働時間は通常録音で31時間、リニアPCM形式でも22時間です。

 多少短いですが、使い勝手の部分では問題ないでしょう。

 なお、パソコンからでも、コンセントからでも給電可能です。

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 以上、オリンパスのボイストレック DM-750の紹介でした。

 リニアPCM・指向性/全方向性マイク・Wのノイズキャンセリングという、とくにビジネス利用において、音質上重要な要素を兼ね備えている点で、他社の上位機と較べて、かなり優れます。

 最終的な「オススメ機種」については、最後で改めて考えますが、レベルが高いと言わざるを得ないでしょう。


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 【2021年発売】

 10・TASCAM VR-04-GY 【黒】
 11・TASCAM VR-04-S 【銀】
  ¥8,290 楽天市場 (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ(3マイク式)
記憶容量:8GB
電池寿命:46時間(PC充電可)
外部編集:対応(USB MicroSD)
記録形式:リニアPCM MP3
重さ:53.5g

 TASCAM VR-04は、TASCAMのビジネス向けのハイスペック機です。

 タスカムは日本の音響ブランドとしてしられるTEACの法人向け部門で、ICレコーダーも音楽用を中心にプレゼンスがあります。

 ステレオの音質は、この機種は、CD音質のリニアPCM音源に対応します。

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 音質面の技術は、オリンパス同様の3枚マイク式です。

 一方、マイクは3機とも指向性(単一指向性)です。

 会議やインタビューは問題ない性能を発揮しそうですが、(講演ほか)前方の遠目の話者の集音は、オリンパスの構成のがわずかに良いかと思います。

 また、ノイズキャンセリングモードは搭載ですが、専用モードかつ、Lマイクからの録音になるので、機能性の部分でやはりオリンパスとは相違します。ローカットの設定もできません。

 また、モードの自動選択機能もないので、詳しくない誰かに渡して取って貰うのにも適しません。しっかり感度なども調整した方が良いでしょう。

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 語学学習用としては、ABリピートはできますが、特化した機能はないです。 

 テープ起こし用としては、8段階の速度調節ができるますが、音声カット再生などは非対応です。

 PCとの接続は、端子経由のダイレクトな接続に対応します。

 MicroSDカードは、この機種も増設対応です。32GBまでとなります。

 電池寿命については、本機は内蔵リチウム電池式です。

 稼働時間は通常のステレオ録音で46時間、リニアPCM形式を最高音質(48kHz/16bit)でとって11時間です。

 充電時間は、2.5時間です。

 そのほか、本機はFMラジオチューナーが搭載です。

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 以上、TASCAM VR-04の紹介でした。

 3枚マイク式で工夫はある機種です。ただ、ビジネス向けに特化した便利な工夫は、オリンパスやソニーほかにやや負ける機種です。

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 【2022年発売】

 12・TASCAM VR-03-S 【シルバー】
 12・TASCAM VR-03-P  【ピンク】
 12・TASCAM VR-03-BR 【ブラウン】
  ¥6,961 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ(全方向性)
記憶容量:8GB
電池寿命:11.5時間(PC充電可)
外部編集:対応(USBのみ)
記録形式:リニアPCM MP3
重さ:73g

 なお、本機の下位機種としてVR-03という機種が出ています。

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 こちらについては、マイクが無指向性の2マイクです。

 フォーカス集音もないので、会議録音に向く一方、1対1のインタビューには不向きです。

 また、MicroSDカードに非対応であるほか、ノイズキャンセリングにも非対応です。液晶も小さめです。

 値段差以上に性能差が大きいと言えますし、オススメできません。

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  【2021年発売】

 13・TASCAM VR-02-S【シルバー】
 13・TASCAM VR-02-P 【ピンク】
  ¥8,303 楽天市場 (6/26執筆時)

 13・TASCAM VR-02-BR 【ブラウン】  
  ¥7,600 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ(指向性)
記憶容量:8GB
電池寿命:7時間(PC充電可)
外部編集:
外部編集:対応(USB MicroSD)
重さ:50g

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 14・TASCAM VR-01-S【シルバー】
 14・TASCAM VR-01-P 【ピンク】
  ¥7,192 楽天市場 (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ(全方向性)
記憶容量:8GB
電池寿命:8時間(PC充電可)
外部編集:対応(USBのみ)
記録形式:リニアPCM MP3
重さ:73g

 さらに、スリム型が2機種あります。

 VR-02は、先ほどみたVR-04からマイクを1つ除いて、スリムにしたタイプといえます。

 ノイキャンやMicroSDカードには対応します。

 VR-01は、先ほどみたVR-03のスリム型と言えます。

 ノイキャンやMicroSDカードには対応せず、集音についても無指向性のマイクになります。

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 結論的にいえば、(値段的に仕方ないものの)機能面で目立つ部分はないです。同社から選ぶとしてもVR-04でしょう。


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 【2022年発売】

 15・フィリップス DVT2000-BK
  ¥6,277 楽天市場 (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ(全方向性)
記憶容量:8GB
電池寿命:11時間
外部編集:対応(USBのみ)
記録形式:リニアPCM MP3
重さ:66g

 DVT2000は、オランダの大手家電企業となるフィリップスのICレコーダーです。

 日本の販売はフィリップスジャパンではなく、STAYERという商社を通した販売です。

 同社の場合、中国工場で生産した小型家電について、このような形態(あるいは、商標貸与のような形態)がたまにみられます(問題ありません)。

 サイズは、本機は高さ110×幅40× 奥行20mmです。

 幅広ですが、単4アルカリ電池の重さを加味して66gで収まります。

 記憶容量も、8GBです。

 価格からすると多めです。

 音質は、ステレオでのリニアPCM録音に対応です(48kHz/16bit)。

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 音質面の技術は、特段の目立つ技術の記載はないです。

 とはいえ、ノイズキャンセラは搭載です。A-Bリピートもできますし、早聞き、遅聞きもできます。声に反応して録音する、音声起動録音も対応です。

 ただ、マイク部分に特別な工夫はないので、この部分は値段相応です。

 PCとの接続は、USB、マイクロSDカードによります。

 電池寿命は、リニアPCM音質で11時間です。

 やや短いと言えますが、音質をやや落とせばだいぶ長く使えます。

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 面白い部分では、ワイドFMの受信に対応します。録音もできます。

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 以上、フィリップスの DVT2000-BK の紹介でした。

 主に値段面で選択肢にする機種でしょう。ただラジオ対応は個性と言えます。語学学習においては、(語学番組の聴講など)なにかしら便利に感じる部分はあるのかもしれません。

1-3・小型のICレコーダーの比較

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 続いてここからは、スティック式のペン型のICレコーダーを含めた小型機を紹介します。

 ここまで通常のICレコーダーも、パンツなどにポケットインできる点で十分小型の機種ですが、こちらはさらに小型な機種になります。


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 【2022年発売】【電話録音用マイク付】

 16・オリンパス VP-20 + TP8
  ¥11,400 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ(全方向性)
記憶容量:8GB/4GB
電池寿命:24時間(PC充電可)
外部編集:対応(USBのみ)
記録形式:リニアPCM MP3
重さ:37.5g(電池含む)

 ボイストレック VP-20は、オリンパス(OMデジタルソリューションズ)の小型ICレコーダーです。

  202211091741.jpg

 VP-20+TP8は、受話器ごしの集音のためのマイクが付いたセットになります。

 現在はこのセットのみの販売です。

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 サイズは、13cm×1.7cmと携帯性の良いスティックタイプです。

 重さも37gと軽量です。

 音質は、小型機種ながら、リニアPCM録音に対応します。

 ただし、22.05kHz/16bitではありますが、ステレオになります。

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 音質面の技術は、ノイズ対策について、録音時のローカットフィルターと再生時のノイズキャンセリングダブルで対応します。

 そのため、小型タイプとはいえ、「あなどれない性能」があります。

 とくに、雑音については、ポケットに入れた際のワイシャツなどとのカスレを防止する擦れ音フィルターが搭載されます。

 また再生時のノイズキャンセリングについても、新しいアルゴリズムの新型が搭載されており、機能に優れます。

 202111161754.jpg

 ただし、指向性ズームマイクなど、遠くの離れた場所の録音に便利な機能は搭載されません。本機は全指向性マイクです。

 要するに、1対1での取材に特化した「計量・小型」なレコーダーです。講義室などには向きません。

 語学学習用としては、特化した機能は未搭載です。

 テープ起こし用としては、残念ながら、オリンパス社の「売り」である音声カット再生にも非対応です。

 ただし、15段階の再生速度調整は可能です。

 PCとの接続は対応できます。

 ただし、小型化を追求したため、MicroSDカードには対応しません

 電池寿命については、最大録音時間は24時間まで可能です。

 これだけあれば問題ないと思います。ニッケル水素電池で、USB充電にも対応します。

---

 以上、ボイストレック VP-20の紹介でした。

 リニアPCM録音に対応するなど、スティック式ながら侮れない機種です。

 小型、軽量ですので、普段に常備してもよいですね。ただ、基本的に、講義などの録音には不向きで、1対1のインタビュー向けの製品になると思います。


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 【2021年発売】

 17・SONY ICD-TX660 C [ブラック]
  ¥19,398 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

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 【2014年発売】

 18・SONY ICD-TX650 (B) [ブラック]
 18・SONY ICD-TX650 (S) [シルバー]
 18・SONY ICD-TX650 (T) [ブラウン]
  ¥22,800 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ(全方向性)
記憶容量:16GB
電池寿命:15時間(PC充電可)
外部編集:対応(USBのみ)
記録形式:リニアPCM MP3
重さ:29g

 ICD-TX660は、ソニーの高級機です。

 Atlasも持っている機種です。2021年に7年降りにモデルチェンジがありました。

 黒一色展開になりましたが、パナソニックのように撤退しなかっただけ、良かったかと思います。

 なお、新旧の違いは、搭載される液晶サイズの違いです。重さそのままで、41%大きくなりました。全モデルは確かに少し見にくかったので、良い進化でしょう。

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 サイズは、携帯性で言えば、大きさ10cm、薄さ0.74cm、重さは29gです。

 やはり、収納性を最重要視したモデルです。

 また、他社に比べると記憶容量が16GBと多めの機種です。

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 液晶も有機ELディスプレイ採用で、視認性が良いです。

 本体デザインも、小型のスティックタイプの中では突出して良いと思います。

 所有して持ち歩きたくなるデザインです。

 ステレオの音質は、高音質なリニアPCM録音に対応です。


201809111058.jpg

 音質面の技術は、独自のパラボラ形状のデジタルマイクを採用している点が注目に値するでしょう。

 この機能に加えて、左右のスピーカーの音を分離するステレオ強調録音機能も搭載されるため、複数の人の声が重なりにくいというメリットもあります。

 一方、こちらの機種も、全方向性マイクのみで、指向性マイクは搭載されません

 テープ起こし用としては、再生速度を0.5倍から2倍の間で21段階で調整できる再生速度調整が搭載されます。

 PCとの接続は対応です。やはり、マイクロSDカードには非対応です。

 電池寿命は、電源は、リチウムイオン充電池でフル充電で15時間稼働します。

 小型機種のため、他社よりも多少短めです。ただ、パソコンからは充電可能で、急速充電にも対応し3分の充電で1時間の録音が可能です。

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 以上、ソニーのICD-TX650 の紹介でした。

 スティックタイプとしては最も小型ですが、記憶容量は多く、急速充電にも対応するなど使い勝手はワンランク上の印象です。

 デザインも良くオススメしたい機種ですが、ネックは価格でしょう。ただ、値段に見合う性能はあると思います。

ーーー

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 【2017/9】

 19・SONY ICD-TX800 (B) [ブラック]
 20・SONY ICD-TX800 (S) [ホワイト]
  ¥21,800 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ(全方向性)
記憶容量:16GB
電池寿命:15時間(PC充電可)
外部編集:対応(USBのみ)
記録形式:リニアPCM MP3
重さ:22g

 なお、ソニーは、リモートコントローラータイプのICD-TX800という製品を販売していました。

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 Bluetooth経由でスマホアプリで操作できるなど、面白い製品でしたが、本機も生産終了です。

 REC Remoteアプリは、上位機でも使うためまだ開発継続ですが、すでに本体価格が高いですし、残念ですが、選択肢にはしにくいです。

1-4・音声解析対応のICレコーダーの比較

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 つづいて、最近登場してきた、音声解析システムで、自動文字起こしに対応できる機種です。

 なお、普通のICレコーダーとは、目的や用途がすこし異なるので、説明の仕方は、ここまでとは少し変えています。


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 【2020年発売】

 21・ソースネクスト AutoMemo AM1WH
  ¥8,164 楽天市場 (6/26執筆時)

内蔵マイク:モノラル
記憶容量:8GB
電池寿命:5.5時間(PC充電可)
外部編集:対応(Wi-Fi Bluetooth
記録形式:
重さ:86g

  AutoMemo AM1WH は、ソースネクストの販売するICレコーダーです。

 内蔵マイクは、モノラル録音です。

 モノラルICレコーダーとしては「とびきり高い」のですが、ソフトウェア会社ならではの「一芸」のあるレコーダーです。

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  AutoMemo オートメモ公式アプリ
  ¥無料 Apple App Store 

  AutoMemo オートメモ公式アプリ
  ¥無料 Google Play 

 本機の特長は、 Bluetooth 4.2Wi-Fiを搭載することです。

 アプリからBluetooth経由で、スマホとICレコーダーをペアリングさせたあと、シームレスにWi-Fiで音声データをスマホに送ります。

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 その上で、クラウド上の日本語解析システムが、音声ファイル(MP3)を自動的に文字起こしをし、アプリにデータを返します。

 仕事用の議事録アプリなどで見られる機能ですが、ICレコーダーと連携させた部分が本機の新しさです。

 データの変換は即時ではなく、保存データ時間の1/3ほどの時間はかかります。

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 テープ起こし用としては、精度面では、講演会・WEB会議・スピーカーを通した講演などは、さすがにまだ実力不足です。

 ただ、静かな環境での対面インタビューならば、そこそこの精度が期待できるようです。実際、議事録アプリもそうですが、このレベル程度は、現在の技術でも実際可能です。

 また、3極ステレオマイク端子はあるので、集音の工夫はできるでしょう。

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 むろん、テープ起こし不要というわけではないですが、ある程度間違っても構わない業務は実際多いです。

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 とくに、アプリが、音声ファイルとテキストをリンクして把握しているため、文字を検索し、タップし、そこから再生という使い方も可能です。

 音声だけでは、やっかいな「頭出し」の時間短縮になります。また、録音の際に本体ボタンを押してブックマークをしておけば、「キャプチャー分け」も容易です。

 その上で、早送り、スロー再生などの機能も完備します。

 解析は、どのエンジンを利用しているかは明言がないです。

 ただ、Googleアカウント前提で料金体系からしても、(まあ)Google Cloud Speech-to-Textでしょう。英語中国語を含めた72カ国の言語に対応です。

 日本語テキスト自体の変換エンジンは、オムロンiWnn IMEのようです。

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 録音データは、ICレコーダーの8GBメモリーから、スマホ経由で、同社のクラウドに送られます。SSLで暗号化されいるため、安全だとのことです。

 OneDriveやGoogle Drive DropBoxにデータをそのまま、転送することも可能です。

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 利用料金は、ただし、月1時間分のテキスト化のみ無料であり、それ以後は、プレミアムプランとして、追加料金が必要です。月30時間まで利用でき、10時間チャージするごとに1480円です。

 電池寿命は、録音時5.5時間、待機時6.5時間です。

 おそらく、ワイヤレス通信に対応するためでしょうが、ICレコーダーとしてはかなり短いです。

---

 以上、ソースネクストAutoMemo AM1WHの紹介でした。

 環境の良い場所での対人インタビューと、かなり用途限定的ですが、試みとしては面白いと言えます。

 10年以上ほとんど新機能が見られないICレコーダーの「進化の方向性」をみせてくれました。

 ただ、新しいサービスだけに、情報漏洩の部分を含めて、現状では、ある程度ネット事情に詳しい方にだけ「おすすめ」したいです。

 利用されている解析エンジンや、クラウドサーバーの所在国などが明らかになれば、より安心かと思います。

ーーーーー

   202201251820.jpg

 【2021年発売】

 22・ソースネクスト AutoMemo S
  ¥22,770 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

内蔵マイク:モノラル
記憶容量:16GB
電池寿命:16時間(PC充電可)
外部編集:対応(Wi-Fi Bluetooth
記録形式:Flac
重さ:88g

 なお、本機については、2.83インチ(480×640)のタッチパネルを装備したオートメモ Sという新型が登場しました。

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 言うまでもなく、スマホやPCなしで、文字表示、あるいは、文字をみながらの音声再生ができるのが「売り」です。

 これに伴い、バッテリー量を増やしたため、だいたい同じ重さの本体ながら、録音時の電池寿命は増えています。

 あと細かいことですが、音声データの記録形式がFlac(1.6kHz/16bit)であることが明示されました。

---

 結論的にいえば、本機の用途性を考えれば、タッチパネル式モニター付属は利便性ほか、操作性の向上に大きく貢献します。

 選ぶならば、こちらでしょう。


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 【2022年発売】

 23・iFLYTEK VOITER SR302PRO
  ¥31,400 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ(6マイク)
記憶容量:32GB
電池寿命:7時間(PC充電可)
外部編集:対応(USBのみ)
記録形式:wav
重さ:99.6g

 FLYTEK VOITER SR302PRO は、中国のFLYTEKが販売する、ボイスレコーダーです。

 こちらは、 AutoMemo Sとおなじでモニター付で、音声解析システムで文字起こしを行うタイプです。

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 液晶パネルは、2.0型です。

 少し小さいですが、液晶画面上に、文字起こししたテキストを表示できる製品です。

 本機の特長は、オフラインでの文字起こしが「対応」できるところです。

 解析は、内蔵の音声解析システムですが、こちらは、Googleではなく、自社製です。

 というより、iFLYTEKは、そちらを主戦場にしている企業であり、そちらの専門性からICレコーダーを出している企業です。日・英・中・韓・露の各言語に対応です。

 したがって、解析システムはGoogleではなく、自社のものです。

 精度は、ただ、同じiFLYTEKのエンジンを利用し、クラウドを使う同社の他製品より「精度が落ちる」部分があります。

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 クラウドにつなげず、情報漏洩の危険がなく「セキュア」といえます。

 利用料金は、当然ですが、無料です。

 サブスク的に経費が不要で好きなだけ起こせるので「経済的」とも言えるでしょう。

 クラウドにつながらないので「賢くならない」かと思いましたが、「内蔵の言語パック」はアップデートできるようで、そこも考えられた製品に思えます。

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 集音品質は、本機はステレオ対応(16KHz/16bit)です。

 指向性マイクを2つ搭載します。そのほか、無指向性のマイクアレイが4つですが、こちらはノイキャンのための、データ収集に使われています。

 電池寿命は、録音時5.5時間です。

 少し短めです。

---

 以上、FLYTEK VOITER SR302PROの紹介でした。

 自動文字起こし型で、時間無制限「完全無料」でできるのは初めてでしょう。少し試したいと思いました。 

 もちろん、自動文字起こしは、音声データがあれば、スマホやPCベースでも(後から)処理できるでしょうし、精度もそちらのほうが高くなります。内蔵型での解析は、クラウド型などに劣るので、本機が向くという人は限定的には思えます。

 ただ、高度にセキュアにしなければならない職種の場合、クラウドにデータ送信せず、素早く文字起こしが完結する本機は、ニッチながらニーズがあるでしょう。

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  202211091809.jpg

 【2022年発売】

 24・iFLYTEK VOITER SR502JPRO
  ¥47,800 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ(8マイク)
記憶容量:32GB
電池寿命:20時間(PC充電可)
外部編集:対応(Wi-Fi Bluetooth
記録形式:AAC
重さ:166g

 なお、同社からは、本機の上位機といえるSR502JPROの販売もあります。

 文字起こしは、しかし、オフラインでは無理で、「クラウドベース」です。

 月3時間まで無料で、あとは、時間無制限ながら有料です(2,180円/月)。同社は、記者・ライターにはこちらのクラウド型を「おすすめ」としています。

 ただ、先ほどの AutoMemoに比べると、プロの文字起こしに便利な機能は少なめとはいえます。

 文字起こしは、英語と日本語に対応となります。

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 集音面では、本機は音質(48KHz/16bit)と、マイク数(8個)の部分で性能がより良いですが、重めになります。

 音質は良くなりますが、ハイレゾ対応ではないですし、耐音圧への配慮も分かりません。やはり、音楽録音用というには、弱いです。

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 自動録音は、各種モードが選べます。

 202211091831.jpg

 一方、面白いのは、800万画素カメラを搭載していている部分です。

 ちょっとした映像(付字幕)が作れます。実用性はともかくとて、遊び心が効いています。

 ネットワークは、 USB・Bluetoothほか、Wi-Fiとを備えます。

 これを利用して、クラウドにデータを送る仕組みです。このほか、4G対応で、SIMスロットがあるので、それ経由でも可能です。

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 【2022年発売】

 25・iFLYTEK VOITER mini A1j
  ¥8,780 Amazon.co.jp (6/26執筆時)

内蔵マイク:ステレオ
記憶容量:32GB
電池寿命:180時間(PC充電可)
外部編集:対応(Bluetoothのみ)
記録形式:WAV
重さ:30g

 そのほか、iFLYTEKからはモニターがない廉価版も出ています。

 文字起こしは「クラウドベース」の機種です。

 1時間まで無料で、その後は月200時間まで900円です。どちらかと言うと、このサービスをライトユーザーに「試して欲しい」から、出している機種に見えます。

 集音品質は、無指向性のマイクアレイが2つなので、明らかに他機には劣ります。 

 やはりプロ用ではなく、ちょっと使ってみたい方に向きます。

 ネットワークは、Bluetoothのみ搭載で、USBもないです。

 同社のスマホアプリを介してメール送信したり、MacならばAirDorpを使って、パソコンに送るという仕様です。

次回につづく!
ICレコーダーのおすすめは結論的にこの機種!

 というわけで、今回は、主にビジネス用に向いたICレコーダーを紹介してきました。

 しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。

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1・ICレコーダーの比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【仕事用】
 1-2:標準タイプ
 1-3:小型タイプ
 1-4:自動文字起こしタイプ
2・ICレコーダーの比較 (2)
 2-1:選び方の基本の説明【音楽用】
 2-2:音楽用タイプ
3・ICレコーダーの比較 (3)
 = 最終的なおすすめの提案【結論】

 続く2回目記事こちら)では、音質面で特長がある製品を中心にみていきます。

 多くの機種は「音楽録音用」ですが、仕事にも使えます。OM SYSTEM LS-P5のように、ノイズキャンセル機能が強く、仕事にも便利に使える機種もあります。

音質の良さ ★★★★★
取材の録音 ★★★★★
会議の録音 ★★★★★
音楽の録音 ★★★★★
語学学習  ★★★★★
携帯性   ★★★★★
総合評価  ★★★★★

 その上で、3回目記事こちら)にはいります。

 結論編して、今回紹介する製品全てから、目的別・予算別にAtlasのおすすめできる機種をあげていこうと思います。

 引き続きよろしくお願いします。

 3回目記事は→こちら

posted by Atlas at 14:03 | 情報家電

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