Top カメラ 比較2025’ Vlog動画向きカメラ50機の性能おすすめ・選び方 (1)

2025年06月23日

比較2025’ Vlog動画向きカメラ50機の性能おすすめ・選び方 (1)

【今回レビューする内容】 2025年 4K動画対応!ビデオログ向け高品質デジカメ・ミラーレスの性能とおすすめ・選び方:4K動画撮影 Video blog YouTube撮影 自分撮り セルフィ動画・連続撮影時間の違いほか

【比較する製品型番】SONY VLOGCAM ZV-1 II ZV-1M2 ZV-1M2G ZV-E10L B ZV-E10L W ZV-E10 B ZV-E10 W VLOGCAM ZV-1F VLOGCAM ZV-E1 B S ZV-E1L B S VLOGCAM ZV-E10 II ZV-E10M2K BQ WQ パナソニック LUMIX DC-G100DK-K DC-G100DV-K DC-G100DW-K DC-G100K LUMIX DC-G100V LUMIX DC-GH7 DC-GH6 DC-GH5 ニコン Z 30 Z30LK Z30WZ CANON EOS R50 PowerShot V10 PSV10SL PowerShot V10 PSV10BK PowerShot V10 PSV10TRIPODKITBK FUJIFILM X-M5 CANON PowerShot V1 6390C001 ほか

今回のお題
動画撮影に向くカメラのおすすめはどの機種?

 ども、Atlasです。

 今日は、2025年6月現在、最新のVLOG動画向けのデジカメを比較します。

 普通のデジカメ型ほか、少し高級・高画質なミラーレス型も含めて紹介します。

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1・Vlog 動画向けカメラの比較(1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:ソニー
2・Vlog 動画向けカメラの比較(2)
 2-1:ソニー〈続き〉
 2-2:パナソニック
3・Vlog 動画向けカメラの比較 (3)
 3-1:キヤノン
 3-2:ニコン
4・Vlog 動画向けカメラの比較 (4)
 3-2:富士フイルム
 3-3:最終的なおすすめの提案【結論】

 今回の記事で見るのは、以上の各社がが出している、Vlog(ビデオブログ)に特化した高性能デジカメになります。

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3・ビデオカメラの比較 (1)

 一方(本当に)動画専門の「家庭用ビデオカメラ」は記事が別です。

 比較ポイントが大きく変わるため、完全に記事を分けています。

 おそれいりますが、以上のリンク記事をお読みください。

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4・アクションカメラの比較

 そのほか、GoPro・DJI OSMO製品など、超小型のビデオカメラも記事も別にしています。

 このジャンルだと、Vlogにも使える製品はもないこともないですが、ジャンルとして特殊なので記事を完全に分けました。

 よろしくお願いします。

動画の画質    ★★★★★
写真の画質    ★★★★★
軽量性      ★★★★★
ズーム倍率    ★★★★★
手ぶれ補正    ★★★★★
連続撮影時間   ★★★★★
総合評価     ★★★★★

 というわけで、比較をはじめます。

 なお、途中で内容が分からなくなった場合も、記事の最後で、上のような基準で、全機種から「Atlasのオススメ機種」を簡単にピックアップします。

 安心してお読みください。

ーーー

1・高画質な小型デジカメの比較【3倍-】
2・高倍率な中型デジカメの比較【16倍-】
3・単焦点のデジカメの比較
4・入門用の格安デジカメの比較
5・高耐久の防水デジカメの比較
6・Vlog動画向けデジカメの比較

7・ミラーレス一眼の比較
8・一眼レフカメラの比較
9・デジカメ全体の選び方【解説】

 なお、今回の記事は、このブログのデジタルカメラの比較記事全体としては、6回目記事として書きました。

1-1・動画用デジカメの選び方の基本

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 はじめに「動画用カメラの選び方の基本」について、簡単に触れておきます。

 「家庭用ビデオカメラ」でなく(わざわざ)「動画専用カメラ」を導入する意味はどこにあるのか?という話がメインとなります。

 スティックが付いていて「なんとなく、格好良い!」という以上の意味があります。

1・撮像素子
2・撮影時間
3・フォーカス
4・ズーム倍率
5・長時間の持ちやすさ

 上表のような順番で、いくつかのポイントをあげて説明します。

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 いかでは、写真のような(昔からあある)「家庭用ビデオカメラ」と、(今どきな)「動画専用カメラ」とを比べながら、それぞれの「メリット」と「デメリット」について解説します。


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 第1に、撮像素子です。

 撮像素子とは、画像を電磁データに変換する部品です。カメラの画質を決定する「心臓部」といえます。

 大きいほど光(情報)が多く集められるので、写真(動画)画質が上がります。

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 昔からある「家庭用ビデオカメラだと、撮像素子は、4K対応でも、1/2.5型程度であるのが普通です。

 「動画専用カメラ」は、その4倍サイズとなる1.0型の撮像素子を積むのが普通です。

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 さらに、ミラーレス一眼をベースにしたものは、パナソニックはフォーサーズ、ソニーはAPS-Cと、面積がより大きな撮像素子を積んでいます。

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 ちなみに「業務用ビデオカメラ」の場合、「1型」は、価格は20万円以上で、重さは2kgを超えてきます。

 それと比べると、1/2の値段1/4以下の重さで、高画質動画を楽しめるのが「動画専用カメラ」の良い部分といえます。

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1・夜間撮影に強い
2・背景のボケ味を出せる
3・解像感の高い映像が撮れる

 画質面は、気になるところでしょう。

 撮像素子が大きいことによるメリット性は、多くあります。

 例えば、光が多く取り込めるので、ノイズクリアな夜間撮影・室内撮影ができます。また、ボケ味のある写真解像感のある写真が撮れます。

 この部分に興味がある方は、「動画専用カメラ」を選ぶことを「おすすめ」します。


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 第2に、撮影可能時間です。

 この部分は、はっきりと、「家庭用ビデオカメラ」に比べて、欠点と言えます。

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 ソニーの動画用ミラーレスを例にします。動画用では、現状で最も「タフ」な機種です。

 本機は、フルHD(60p)までなら、約60分の実撮影時間です。

 しかし、 4K動画/30pの場合は30分までです。

 これは「本体の廃熱」の問題なので、利用後、十分な時間を使って「冷ます」必要があります。家電の「定格運転時間」のようなものです。

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 より正確に言えば、20万円を超える機種(ミラーレス)については、エアフローをファンを内蔵し、熱による電断なしに長時間撮影できる機種もあります。

 例えば、このブログでは【パナソニックのミラーレス一眼の比較】で書いた同社の上位機がそれにあたります。

 ただ、家庭用のビデオカメラに比べると、値段面で個人で購入するには少しハードルが高いです。

 とはいえ、特殊で、過酷な使い方をしないならば、Vlogなら、これでも問題ないでしょう。


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 第3に、オートフォーカスです。

 自動での「ピント合わせ」のことです。

 一般的に、動画に向くフォーカスと、写真に向くフォーカスは、種類が少し異なります。

 ただ、最近の動画専用デジカメは、(さすがに)空間認識AF・ハイブリッドAFなど、動画に強いタイプのセンサーを使っています。

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 その上で、瞳レベルのトラッキングなど、家庭用のビデオカメラより精度が良い部分もあります。

 この部分は、あまり大きな問題は感じません。



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 第3に、ズーム倍率です。

 この部分は、動画専用デジカメは、明らかに弱いです。

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 例えば、パナソニックの家庭用の4Kビデオカメラの場合、約400gの本体重量で、20倍ズームです。

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 一方、同社のレンズ交換式の動画専用デジカメ(Gシリーズ)で10倍ズーム28mm〜280mm)を買うとします。

 その場合、重さが265gなので、総重量は700g弱になってしまいます。

 この部分は課題です。

ーーー

 可能性の話としても「軽量・高倍率」な新製品の登場はあり得ないでしょう。

 なぜなら、動画専用デジカメは、撮像素子の大きさとレンズの明るさが「売り」なので、そこを犠牲にして、小型化できないからです。

 市場規模からしても、基本設計をひっくるめて見直した「新製品」というのは難しそうです。

 結論的にいえば、現状の製品の枠内から、「重さ・ズーム倍率・画質」のうち、なにを重視したいのかを考えて、しっかり目的意識を持って選ぶのが良いです。


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 第4に、長時間の持ちやすさです。

 これは、用途と個人的な「慣れ」に左右されるので、一概に言えません。

 ただ、Atlasが触った感じでは、シューティンググリップタイプは、とくに歩きながら「使いやすい」機種が多いです。

 プロ用素材というわけでなく、手持ちで気軽にVlog撮影するならば、問題ない水準です。

 ブレもさほど気にならないと言えます。

ーーー

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 以上、動画専用デジカメにの「選び方の基本」を4点書きました。

 Atlasとしては、アーリーアダプタ以外の一般ユーザーでも、導入してよい時期にきたと感じます。

 Atlasも、(なかなか旅に出れない環境ですが)色々長期間試したい気持ちがあります。

 ローリングシャッター問題ほか解決すべき点も多いですが、家庭用のビデオカメラで、全ての問題を解決しているわけでもないでしょう。

---

 結論的にいえば、新しいものを試すことをためらわない方で、「4K画質を活かした芸術的な動画」を個人の楽しみとして気軽に作りたい方は、導入を考えて良いと思います。

 一方、解像度の部分で「4Kはまだ不要」という方もいるかもしれません。

 ただ、いわゆるマスターフィルムとして4Kで作っておけば、将来的に再利用も容易です。

 4K・8Kと出力側のテレビ・PCモニターの展開が速いので、HD画質だとさほど長くは使えなさそうです。

ーーー

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 なお、(もうすこし細かめな)デジカメ全体の細かいスペック面での用語解説と、選び方の基本を書いた記事があります。

 「撮像素子・レンズの明るさ・フォーカス・ズーム」など、デジカメの基本部分を知りたい方は、カメラ全体の選び方の基本を書いた、10回目記事こちら)を後ほどお読みください。

 よろしくお願いします。

ーーー

 というわけで、具体的な製品の紹介をはじめます。 

1・Vlog 動画向けカメラの比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:ソニー
2・Vlog 動画向けカメラの比較 (2)
 2-1:ソニー〈続き〉
 2-2:パナソニック
3・Vlog 動画向けカメラの比較 (3)
 3-1:キヤノン
 3-2:ニコン
4・Vlog 動画向けカメラの比較 (4)
 4-1:富士フイルム
 4-2:最終的なおすすめの提案【結論】

 以上のような企業順に、各機をみていきます。

1-2・ソニーのVlog向けカメラ


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 はじめに、ソニーのカメラです。

 同社の場合、動画用は、高級ミラーレスを解像したものと、既存のミラーレス一眼を改良したものを展開します。

ーーー

 なお、以下では、高評価できるポイントは赤系の文字色で、イマイチなところは青字で表記していきます。


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 【2023年発売】

 【カメラのみ】

 1・SONY VLOGCAM ZV-1 II ZV-1M2 B
 2・SONY VLOGCAM ZV-1 II ZV-1M2 W
  ¥104,271 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

 【シューティンググリップキット】

 3・SONY VLOGCAM ZV-1 II ZV-1M2G B
 4・SONY VLOGCAM ZV-1 II ZV-1M2G W
  ¥114,066 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

タイプ:コンデジ型
撮像素子:1型CMOS(裏面照射型)
広角側の明るさ:F1.8
望遠側の明るさ:F5
画素数:2100万画素
光学ズーム:2.7倍
焦点距離 :18-50mm
手ぶれ補正:電子式
液晶モニター:3型タッチパネル(92万画素)
ファインダー:なし
AF:ハイブリッドAF (315点)
連写速度:24コマ/秒
動画:4K/30p
重さ:292g+215g

 ZV-1M2は、ソニーが、Vlogに特化した専用のデジカメです。

 タイプは、コンデジ型です。

 レンズ交換は非対応の「普通のコンデジ」をベースにした製品です。

 (在庫があるので)後ほど違いを説明しますが、2021年発売のZV-1の後継機となる新型です。

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 本体の重さは、電池込みで294グラムです。

 シューティンググリップを使っての撮影の場合、その重さを含めて507gとなります。

 スマホ約2台強の重さです。軽くはないですが、本機の画質の良さからすると十分軽いと言えます。

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 動画撮影機能は、4K動画/30pの撮影に対応します。

 100Mbps配信用の映像もつくれます。

 なお、4K画質の場合、画素数はは800万画素あれば足ります。

 しかし、本機は、2000万画素以上の高解像度で撮影できるセンサーである点を活かして、上図の様に、オーバーサンプリングしています。

 この場合、画像のギザ付きなどが軽減できるので、解像感はより高くなります。

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 スローモーション機は5倍スローまで可能です(120P/フルHD/100Mbps)。

 逆に、コマを減らし最大60倍の「クイックモーション撮影」も対応ですので、投稿動画でよく見るような、スピード感を意識した動画も撮れます。

 ただし、スローモーションは、音声と連動できないので、音は付けられません。

 間隔を開けつつのタイムラプス撮影も、小型アクションカム同様に対応といえます。

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 Vlog向け機能は、特にショートカットが充実します。

 例えば、ボタン1つで「背景ぼけ」させる機能や、人間からもの(商品)へワンボタンでピントを切り替える「商品レビュー用設定などです。

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 音声録音は、3カプセルマイクを上部に搭載です(ステレオ)。

 カメラの被写体のピントに連動し、マイクの指向性を自動で変更します(前方・全周)

 アクションカメラ系のVlogでは、割と観られる仕組みですが、コンデジ型の内蔵マイクでは、新味があります。

 そのほか、風切り音低減のためにウインドスクリーンが付属する仕様で、配慮があります。

 外部マイクを利用しなくても、問題ないように設計されます。

 マルチインターフェース(MI)シュー(=接続端子)に、各種マイクを取り付けることも可能です。

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 ・SONY ECM-XYST1M
  ¥13,893 楽天市場 (6/23執筆時)

 感度や指向性をいろいろ調整したい場合、ソニーは、2マイク式のECM-XYST1Mを推しています。

 同社のハンディカム(家庭用ビデオカメラ)の備品で、性能は良いです。

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 この場合、無指向性と指向性を使い分けられます。【音楽用ICレコーダーの比較記事】でみた、同社の搭載マイクにも使われる技術です。

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 ソニー シューティンググリップ GP-VPT2BT
  ¥11,100 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

 撮影方法は、純正のシューティンググリップ(GP-VPT2BT)の利用を想定しています。

 グリップは、同社の一眼レフカメラの周辺機器としても売られます。

 あとから買っても同じです。

 このグリップは、三脚形状にして固定撮影もできるので、結構便利です。

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 録画やズームなどのボタンがあるほか、C1ボタンに好きな機能を割り当てられるので、結構便利でしょう。

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 モニターは、3型のタッチパネルで、広範囲(176×270度)に稼働するチルト式液晶です。

 自由に角度調整できるので、撮影はしやすいと思います。

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 撮像素子は、1型を採用します。

 冒頭詳しく書いたように、これは、画質を決定づけるパーツです。

 ビデオ用デジカメは、スマホやビデオカメラと同じサイズだと、あまり意味はないので、しっかり大きめを採用します。

 なp、1型は(5万円以上の)「高級コンデジ級」のセンサーです。

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 なお、本機は、「裏面照射型」という夜間などに強いセンサーを採用します。

 正確には、それをさらにパワーアップさせた「積層型Exmor RS CMOSセンサー」で、同社の新技術となります。

 画素数は、2100万画素です。

 画素数を高めれば写真の解像感がでます。

 しかし無理にあげるとノイズ処理力が落ち、最大のISO感度も低くなります。

 そのため、下手にあげると、暗いところでの撮影に不利になります。

 常用ISO感度は、しかし、動画時に、最高ISO12800相当です。

 数値が高いほど、夜間撮影でのノイズののりにくいといえますが、本機は、夜間対応の部分では、優れます。

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 ズーム倍率は、2.7倍です。

 デジカメとしては、正直「しょぼい」スペックです。

 しかし、無理やり上げると、本体が重くなるので、この程度にしています。

 レンズの明るさは、広範囲が撮れる広角側(1倍ズーム)で、F値1.8です。

 F値はレンズの明るさを示す数字です。小さいほど明るいと考えてください。本機は「かなり明るく高性能なレンズ」と言えます。

 F値は「背景のボケ味」にも関係するため、この部分の品質も重視しています。

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 手ぶれ補正は、電子式(アクティブ)です。

 ジャイロなどを利用する光学式の多軸補正はしない方式です。

 動画撮影においてもあっても損ではないのですが、手持ちの大ブレに強い「電子式」補正があれば、動画専用ならば「及第点」とは言えます。

 とはいえ、手持ちだと手ぶれ補正は、【ビデオカメラの比較記事】でみた、同社の家庭用のビデオカメラ水準ほどは効きにくいのだと、考えてください。

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 ZHIYUN Crane M3S
  ¥51,300 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

 なお、純正はないのですが、スタビライザー(ジンバル)と組み合わせれば、それなりに制御できるでしょう。

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 オート撮影モードは、静止画・動画とももおまかせオートがあります。

 動画用(おまかせオート)は、細かく設定できませんが、勝手にシーンを判断してモードを変えて撮影してくれるので、慣れない誰かに撮って貰うシーンなどには有効でしょう。

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 一方、効果という部分で言えば、、動画用ですが、シネマティックVlog設定が注目点です。

 映画のような、2.35:1の横長映像で、「映画のワンシーンのような印象的な画(え)づくりを直感的に一括設定できる」おまかせモードという説明です。

 ようするにワンボタンで、見かけ(LOOK)と雰囲気(MOOD)を選べば、おまかせで「画(え)づくり」してくれるおまかせ機能です。

 見かけは、美肌(S-Cinetone)や、鮮やか(FRESH)・重層感(CHIC)・爽やか(CLEAN)・キネマティック(CLASSIC)から、雰囲気は、オートほか、GOLD(黄)・OCEAN(青)・FOREST(緑)と、特定の色を強調するモードです。

 一般ユーザー向けにはわりと良いかなと思います。

 連写は、24コマ/秒です。

 写真撮影時限定の話ですが、強力です。

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 オートフォーカス(=ピントが合わせ)も優れます。

 先述のように、動画と写真とで、適切なオートフォーカス方式は変わります。

 本機の場合、ファストハイブリッドAFです。

 動画に強いコントラストAFと、写真に強い像面位相差AFをダブルで搭載していて、適切な方を自動で選択して使う仕組みです。

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 ちなみに、各方式について写真撮影時の能力をより細かく表すと上表のようになります。

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 測距点が多いほど、写真では、自動でピントが合いやすいです。

 本機は、315点の像面位相差AFセンサーを持つ本格派です。

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 顔検出機能は、本機は、顔の検出だけでなく、よりこまかい瞳にフォーカスできる瞳AFに対応するため、動く被写体に強いと言えます。

 本機の場合、動く瞳の追尾もできる精度です(リアルタイム瞳AF)。そのほか、瞳については動物も対応します。

 また、グループショットなど複数の「顔」がある場合、オートモードに限りますが、自動でフォーカスを調整する機能(複数人顔認識機能)も装備です。

 まあ、あまり考えずに、被写体を「タッチ」すれば、動いても勝手に追随すると思ってください(タッチトラッキング)。

 美肌撮影機能は、動画・静止画双方に付属します。

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 ネットワーク機能は、Wi-Fi 5Bluetooth 4.2です。

 本機の場合、新しいCreators' App対応です。

 スマホアプリでBluetooth接続設定をしておけば、転送時、勝手にWi-Fiに移行してくれるので便利です。接続が面倒な従来のソニーの弱点が消えています。

 自宅内ならルーター経由、外出先ならアドホックにつながります。

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 Bluetoothは、一方、ペアリングしておく場合、時刻ほか、スマホの位置情報を取得できます。

 ただ、LE(ローエナジー)ではないBluetooth 4.2なので、スマホ・カメラ双方のバッテリーは減りやすいと思います。ここが次の改善点かなと思います。

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 一方、本機は、PCにUSB接続させて外部WEBカメラとして運用できます。

 PC用に比べると、先述のように、レンズやAFが優れるので、ライブ配信など、何かしら使い途があるでしょう。

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 SONY バッテリーパック NP-BX1
  ¥5,380 楽天市場 (6/23執筆時)

 バッテリーは、簡単に交換可能です。

 自宅で利用する場合は、USB経由で外部電源で動かすことも可能です。

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 連続撮影時間は、バッテリー自体の実撮影時間としては、75分です。

 しかし、先述のように、本体の廃熱問題があるため、解像度が高い場合、そちらの方が早くきます。

 ただ、第2世代になって4K圧縮でも相当程度伸びたので、この部分は良くなったといえます。なお、オーバーヒート担った場合、しばらくの間、いったん「冷ます」必要があります。

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 以上、ソニーのVLOGCAM ZV-1 IIの紹介でした。

 もともと静止画用のカメラを「魔改造」したモデルでしたが、第2世代になって、動画撮影により専門化させたより良いカメラになった印象です。

 実質的な撮影時間が延びたほか、レンズの変更で焦点距離(18-50mm)も動画には使いやすい仕様になったと思います。また、ネットワーク面の利便性も、新アプリ対応で大きく改善しました。

 レンズの明るさ・撮像素子のサイズ・フォーカス性能など、記事冒頭で書いた「あって欲しい要素」は、高レベルで網羅します。

 重さもそれなりに配慮がありますし、「初めてVLOGカメラ」を使う方向けにも優しい仕様であり、おすすめできます。

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 【2020年発売】

 【カメラのみ】

 5・SONY VLOGCAM ZV-1
  ¥130,000 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

 【シューティンググリップキット付属】

 6・SONY VLOGCAM ZV-1G B
  ¥99,480 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

タイプ:コンデジ型
撮像素子:1型CMOS(裏面照射型)
広角側の明るさ:F1.8
望遠側の明るさ:F2.8
画素数:2100万画素
光学ズーム:2.7倍
焦点距離 :24-70mm
手ぶれ補正:光学+電子式
液晶モニター:3型タッチパネル(92万画素)
ファインダー:なし
AF:ハイブリッドAF (315点)
連写速度:24コマ/秒
動画:4K/30p
重さ:294g+215g

 なお、このグレードの第1世代の在庫が残ります。

 いくつか大きな違いがみられます。

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 第1に、レンズです。

 旧型のレンズは、同じズーム率ですが、F値1.8-2.8と望遠側はより明るいレンズでした。

 ただ、画角が24-70mmだったので、より面倒な広角側の「背景ぼかし」は新機種のが得意でしょう。ビデオ利用に合わせた新レンズ採用だと思います。

 第2に、手ぶれ補正です。

 旧機の場合、電子式ほか、光学式手ぶれ補正(2軸)もありました。

 新機種は、電子式なので、ここも一見すると旧機種のが仕様が良いです。

 ただ、グリップを使っての動画撮影を考えた場合、必要不可欠でないと言えばそうなので、省略されたと言えます。とはいえ、静止画も撮るならば、旧機のが確実に良いです。

 第3に、オートフォーカスです。

 旧機の場合、動物認識ができないほか、複数の顔認識は対応できません。

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 第4に、バッテリーの熱耐性です。

 稼働時間が新機種に比べて短いです。

 そのほか、スローモーションに対応するものの、低フレームレートのクイックモーション撮影ができない点、アプリが旧バージョン(Imaging Edge Mobilet)の点などのが目立つ違いと言えます。

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 結論的にいえば、動画撮影に特化して言えば、値段差を加味しても、確実に新機種の方が、費用対効果は高いと言えます。

 旧機種を選ぶ理由は予算面、あるいは、静止画撮影も割とする場合に限ると言えるでしょう。ただ、現時点で、あまり値ごろ感は亡くなっていますし、選択肢にはしにくいです。

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 【2022年発売】

 7・SONY VLOGCAM ZV-1F B
 8・SONY VLOGCAM ZV-1F W  
  ¥72,162 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

タイプ:コンデジ型
撮像素子:1型CMOS(裏面照射型)
広角側の明るさ:F2.0
望遠側の明るさ:
画素数:2100万画素
光学ズーム:1倍
焦点距離 :20mm
手ぶれ補正:電子式
液晶モニター:3型タッチパネル(92万画素)
ファインダー:なし
AF:コントラスト式 (425点)
連写速度:16コマ/秒
動画:4K/30p
重さ:256g+215g

 一方、 ZV-1F Bも、ソニーが2022年に発売したVlog用のカメラです。

 タイプは、こちらもコンデジ型です。

 1つ上でみたVLOGCAM ZV-1シリーズ廉価版です。

 キャッチコピーも、「私とセカイ、瞬間エモーショナル」としていますし、本格的な政策向けではなく、少しカジュアルな層の取り込みを目指した機種でしょう。

 上位機と現状で値段差はさほどないですが、これは発売年の違いなので、徐々に差はつくと思います。

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 光学ズーム1倍(=ズームなし)にした上で、F値を落としてレンズの部分で費用を削減しています。

 画角は20mmと広めに撮っているので、撮影時にズームなどあまり考えず(必要ならばあとでソフト的に処理するとして)使うような感じです。

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 フォーカスも、ハイブリッド式ではなく、コントラスト式にしています。

 そのほか、ドライブ(連写)が落ちているほか、手ぶれ補整も電子式です。

 手ぶれは、このズーム倍率ならば不要でしょうし、ドライブも動画ならば関係ないので、支障がなさそうな部分から、「削いでいる」点は、メーカーによるうまい調整かなと思います。

 一方、本体の重さは、機能の省略で256gと少し軽量化しています。

 温度耐性は、一方、4Kで60分と、新機種と水準は同じです。

 その上で、アプリも本機は新しい新しいCreators' App対応ですので、(発売時期の関係もあり) ZV-1より良い部分はあります。

 あとの部分は、基本的にZV-1(初代)とほぼ変わらないため、上の説明をご覧ください。

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 結論的にいえば、あまりカメラに詳しくない方向けに、機能を絞ったVlog撮影向け製品に思えます。

 先ほども書いたように、カジュアルなVlog撮影ならば不要、ないし、影響の少なそうな部分を「削った」だけなので、あまり凝った使い方をしないならば、実用上の違いは分からないかとおもいます。

 ただ、ズームがないのは不便と言えば不便ですし、フォーカス性能や静止画撮影についても差があります。だいぶ値段差がない限りは、(アプリ部分は古いのですが)ZV-1(初代)が良いかなと思います。

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 なお、Vlog向けで、ソニーでは本機より安いモデルはないです。

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4・アクションカメラの比較

 代替案を挙げれば、アクションカメラの分野になろうかと思います。

 撮像素子サイズの関係で「芸術的な画質」とは、方向性が変わってくるのですが、カジュアルに4K動画を撮れればOKならば、DJI OSMO製品などは、候補になるでしょう。

 上記リンクで紹介しました。


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 【2024年発売】

 【パワーズームレンズキット】

 9・SONY VLOGCAM ZV-E10M2K BQ
 10・SONY VLOGCAM ZV-E10M2K WQ
  ¥142,283 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

 【ダブルズームレンズキット】

 11・SONY VLOGCAM ZV-E10M2X BQ
 12・SONY VLOGCAM ZV-E10M2X WQ
  ¥163,408 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

 【ボディのみ】

 13・SONY VLOGCAM ZV-E10M2 BQ
 14・SONY VLOGCAM ZV-E10M2 WQ
  ¥126,293 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

タイプ:ミラーレス型
撮像素子:APS-C 
広角側の明るさ:F3.5
望遠側の明るさ:F5.6
画素数:2600万画素
光学ズーム:3.1倍
焦点距離 :16-50mm
手ぶれ補正:光学+電子式
液晶モニター:3型タッチパネル(104万)
ファインダー:
AF:ハイブリッドAF(759点)
連写速度:8コマ/秒
動画: 4K(60p
重さ:377g+116g

 VLOGCAM ZV-E10 II シリーズは、2024年に登場した製品です。

 タイプは、ミラーレス一眼型す。

 同じく、VLOG(動画)向けですが、レンズ交換できる仕様です。セットレンズを選ぶ方が多いと思うので、それを前提に説明をします。

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 後ほど説明する、2021年に登場した初代(ZV-E10M)の後継機です。

 後述するように画像エンジンがAI処理向きの新世代(BIONZ XR)になった関係で、AFを含めた、画像処理部分で大きな進化を遂げています。

 旧機も残るのでそちらは後で見ます。

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 ソニー シューティンググリップ GP-VPT2BT
  ¥11,148 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

 重さは、377gです。

 旧機よりすこし増量しました。

 極めて軽いわけではないものの、400gの大台は切っている感じです。

 さらに、同社のシューティンググリップを組み合わせる場合は、116gなので、あわせるとそこそこの重さにはなります。

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 動画撮影は、4K動画の撮影に対応です。

 4K/60フレーム対応(最大150Mbps)です。

 Vlog向け機能としては、1ボタンでボケを切り替えられる背景ぼけ切換ボタン(商品レビュー用設定ボタン)、AFモードをワンタッチで切り替えられるボタンなど、小回りが効きます。

 動画用の、美肌効果・顔優先AEなど、セルフ撮影時に便利な機能も網羅です。

 なお、あとで編集する際のためにLog記録する場合、カメラ内で、あらかじめ設定したユーザーLUT(Look-Up Table)のプレビュー確認は可能です。

 ただ、ULTを焼き込むことはできない仕様です。

 対応のパナソニック・富士通などの高級ミラーレスと仕様差はありますが、ここは仕方ないでしょう。後ほど見るキヤノン機も同様の仕様です。

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 音声録音は、下位機種のシステムと同じです。

 繰り返すと、3つの集音マイクの上に、風切り音低減のためにウインドスクリーンが付属する仕様で、配慮があります。

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 ・SONY ECM-XYST1M
  ¥13,893 楽天市場 (6/23執筆時)

 なお、外部マイクを利用しなくても、問題ないように設計されますが、マルチインターフェース(MI)シューに、各種マイクを取り付けることは可能です。

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 撮影方法は、シューティンググリップなど手持ちに対応できます。

 ただ、少し重めではあるため、もう少しカジュアルな手持ち、ないし、三脚での固定のほうが向くとは言えます。

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 撮像素子(CMOSセンサー)は、APSーC型です。

 先述のように、「画質の決め手」になるという点でカメラで最も重要なパーツです。

 同じような、Vlog向けのパナソニック機の撮像素子(フォーサーズ型)よりも大きいので、この部分は、本機の場合もポイントです。

 センサーは、ローパスレスになります。

 この場合、通常よりも、画像がクリアになります。最近は、エンジンの改良でモアレの問題がなくなってきたので、各社とも上位機だとローパスフィルタを外してしまう企業が多いです。

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 画素数は、2600万画素です。

 2023年に出たソニーの新型の撮像素子(Exmor R)を搭載です。

 上位機に続いてこのグレードに降りてきた形です。

 画素数だけでいえば、動画向けと考えるとオーバースペックです。

 ただ、この部分は、写真撮影ほか、後述する4K動画撮影にも部分的に活かされます。

 常用ISO感度は、ISO100から、最大でISO 32000です。

 本機は、条件の悪い場所での撮影にも強いです。動画の部分でもそれは言えます。

 HDR機能は、(スマホ的な)「貼り合わせ」という意味ではありません。

 ただ、(テレビのような輝度規格としての)HDRに対応する水準の静止画を撮影するという意味ならば、可能です。

 上級機なので、この仕様で良いかなと思います。

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1・E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II
2・E 55-210mm F4.5-6.3 OSS

 レンズキットは、以上の2つのレンズの組み合わせです。

 パワーズームレンズキットには上記1のレンズが、ダブルズームレンズキットには上記1と2が両方付属します。

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 16-50mmは、 風景を広く撮れる広角側が16mmで、遠くのものを大きく取れる望遠側が50mmの3倍ズームレンズです。重さは、116gです。

 とくに、こちらは、PZ(パワーズーム)なので、ズーミングのしなやかさの部分で、動画向けには良い構成です。

 重さ116gと軽量ですし、一般的なVLOGにはこちらでしょう。

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 55-210mmは、遠くのものを撮影するための望遠レンズです。35mm換算値だと、82.5-315mmです。

 重さは345gとそれなりです。

 なお、ミラーレスは「レンズ交換できる」ような仕組みにする必要があるので、同じくらいの値段ならば、コンデジより性能は低め(割高)になりがちです。

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 【焦点距離52.5mm 重さ154g】

 SONY E 35mm F1.8 OSS SEL35F18
  ¥50,300 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

 【焦点距離27-158mm 重さ427g】

 SONY E PZ 18-105mm F4 G OSS SELP18105G
  ¥61,300 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

 ただし、「レンズを別に買う」ならば、少し話は変わります。

 例えば、単焦点ながら、F1.8と抜群に明るく、ボケ味が出しやすい製品(SEL35F18)や、少し重めながら、35mm換算で158mmまでカバーできる5.8倍ズームを搭載する製品(SELP18105G )などが存在します。

 予算制限なく考えられるならば、(沼の中で)「無限に遊べ」ます。

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 手ぶれ補正は、交換レンズ内に補正機構が搭載されます。

 非搭載のレンズもありますが、先ほどのレンズは、光学式の2軸手ぶれ補正内蔵です。

 動画については、電子式補正もするため、「2軸+電子式」です。

 ジャイロセンサー利用し、独特のアルゴで手ぶれを補正するため「アクティブモード」とソニーは呼びます。ただ、この部分は、他機ほどは強調されないとは言えます。

 必要に応じてスタビライザなどを使えば良いでしょう。

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 オートフォーカスは、ハイブリッドAF式です。

 下位機種と同じです。

 ただ、本機はセンサー密度を大幅に増やし、位相差759点・コントラスト495点と、およそこれまでみられなかった密度とカバー範囲を誇ります。

 新エンジンの採用で強化された部分でもあり、旧機に対して約45%の強化になります。

 このような優秀なAF機能は、動画でも有効です。

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 顔検出機能は、先述の「リアルタイム瞳AF」に対応です。

 その上で、本機は先述の新しいAI世代のプロセッサの力でこの部分が大きく進化しています。

 被写体認識は、最近はビッグデータやAIによるディープラーニング技術の進化で各社ともここは相当レベルアップしています。少し以前(2021年以前)に発売された機種と較べる場合、最も大きな差がある部分です。

 本機も、ディープラーニング技術を用いる新しい「AIプロセッシングユニット」を搭載しています。これ以前に発売された、フルサイズを含めた同社の製品に比べても「だいぶ上位」です。

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 人体の場合、瞳だけではなく、人間の胴体・頭部の位置を含めて区別し、追跡します。

 また、服の色・顔・瞳と細かく分析しつつ、AIが最適な手法を判断し、動く被写体に追随します(リアルタイムトラッキング)。

 人間の顔も個別に区別して認識されるので、条件の悪い状況での撮影は、相当高度です。

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 人間以外の被写体の認識は、動物/鳥、動物、鳥、昆虫、車/列車、飛行機に対応できます。

 特定の動物(犬・ネコ・小動物)と鳥だと、瞳のリアルタイム検知も可能です。

 先述のように、識別できる物体の種類は最近の注目点で、他社の同級機と比べる場合も、わりと細かく見ても良い部分と感じます。

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 なお、動画も静止画もですが、先述のAI世代のエンジンの採用で、白飛びが少ない人肌の色や質感の表現力は格段に強化されました。美肌補正(小じわ・シミ)などを含めます。

 加えて、顔で追尾する際(顔優先AE)、環境光の強さに左右されず、顔を自然に明るく保てます。

 同社は「美しく透明感のある色彩表現」とこれらをまとめて表現しています。

 暗い場所での利用は、一方、AFの低輝度限界がEV-3です。

 さらに高いカメラはありますが、ここも今回強化されました。

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 連写は、8枚/秒です。

 優秀ですが、Vlog撮影には、あまり関係ないかもしれません。

 こちらも、リアルタイプ表示をしないモード(Hi+)ならば、11コマ/秒です。

 なお、本機は、シャッター方式が電子シャッターのみです。

 メカシャッターを積まない点、静止画(写真)向きな仕様ではなくなったとは言えますが、動画用なので、問題ないです。

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 オート撮影モードは、動画・静止画の雰囲気作りのための「クリエイティブルック」が注目点です。

 標準画質に対して、肌を柔らかにするモード(PT)ほか、ビビット(VV2)、フィルム風(FL)、マット(IN)、透明感(SH)など、10種のエフェクトを自動で付加できます。

 加えて、先述のシネマティックVlog設定も引き続きあります。

 繰り返せば、ワンボタンで、見かけ(LOOK)と雰囲気(MOOD)を選べば、おまかせで「画(え)づくり」してくれるおまかせ機能です。

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 液晶モニターは、セルフポートレートに便利なチルト式です。

 また、上下に270度、左右に176度分チルトできる仕様で、この部分でVlog撮影に最適化されています。

 モニターで言えば、今回の改良で、タテ持ち撮影時のUIの操作性が改善されています。

 ファインダーは、未搭載です。

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 SONY HVL-F28RM
  ¥26,300 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

 フラッシュも、非搭載です。

 動画に不要だからでしょうが、必要な場合は、別売のソニー製のフラッシュ(HVL-F28RM・HVL-F32Mなど)を購入する必要があります。

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 ネットワーク機能は、Wi-Fiほか、Bluetoothも搭載です。

 Bluetoothは、ソニーは、転送にはノータッチです、転送はWi-Fiです。

 Bluetoothは主に、A-GPSの位置情報をBluetoothでスマホから自動取得するために付属しています。

 ライブストリーミングは、USBケーブルで有線接続することで対応できます。

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 ソニー NP-FZ100
  ¥10,000 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

 ライブストリーミングは、USBケーブルで有線接続することで対応できます。

 バッテリーは、同社の大容量タイプです。

 動画撮影時で、最大195分です。

 むろん、動画の場合、廃熱による時間制限はあり得ます。ただ、自動電源オフ温度を「高」で、外気25度とする場合は、HDでも4Kでも、約120分なので、あまりシビアではないです。

---

 以上、ソニーのVLOGCAM ZV-E10 IIの紹介でした。

 ミラーレスのVlog用は、後ほどみますが、パナソニックも出していて、それがライバルです。

 比較すると、本機は、サイズ面で多少有利です。画質面でもセンサーサイズとAI世代のAF周りの画像処理の部分で、プレゼンスがある印象です。

 ただ、動画用の手ぶれ補正が比較すればやや弱い部分はあります。場合によっては、ジンバルなどの部分での工夫も必要でしょう。

 逆に、(自宅などで)固定して配信するには、本機はかなり良いかと思います。

ーーー

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 【2021年発売】

 【パワーズームレンズキット】

 15・SONY VLOGCAM ZV-E10L B
 16・SONY VLOGCAM ZV-E10L W
  ¥96,000 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

 【ダブルズームレンズキット】(23年追加)

 17・SONY VLOGCAM ZV-E10Y B
 18・SONY VLOGCAM ZV-E10Y W
  ¥117,172 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

 【ボディのみ】

 19・SONY VLOGCAM ZV-E10 B
 20・SONY VLOGCAM ZV-E10 W
  ¥81,599 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

タイプ:ミラーレス型
撮像素子:APS-C 
広角側の明るさ:F3.5
望遠側の明るさ:F5.6
画素数:2420万画素
光学ズーム:3.1倍
焦点距離 :16-50mm
手ぶれ補正:光学+電子式
液晶モニター:3型タッチパネル(92万)
ファインダー:なし
AF:ハイブリッドAF (425点)
連写速度:8コマ/秒
動画:4K/30p
重さ:343g+116g

なお、本機の旧機となるのが、VLOGCAM ZV-E10シリーズです。

 ただ、こちらは、センサー(撮像素子)と画像エンジンが旧式です。

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 そのため、上で書いた、人間の胴体の区別や、人間以外の被写体の認識は、全て非対応です。

 「リアルタイム瞳AF」「リアルタイムトラッキング」には対応しますが、先ほどみた、下位機と同じ水準です。

 そのほか、AFの測距点が少ない(425点)部分、AFの低輝度限界がやや弱い部分、バッテリーのスタミナが短い部分に止まる部分などが、目立つ違いです。

 機能的にも、先述の「クリエイティブルック」や「シネマティックVlog設定」などは、未搭載です。

 この世代だと、「プレミアムおまかせオート」がありました。

 オート撮影時、明るさ・逆光などの要素をAIが判定し、10種類以上のパターンから自動で撮影モードを選び、最適化するものですが、ただ、静止画向けです。

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 動画撮影は、60フレーム非対応で、4K動画のフレームレートが4K/30P(100M)でした。

 その代わり、多めの画素数であることを利用した、6Kオーバーサンプリングがありました

 4K記録は800万画素あれば足りますが、本機は2000万画素以上の高解像度で撮影できるセンサーなので、オーバーサンプリングできます。

 画像のギザ付きなどが軽減のためついていました。

 なお、この世代だと、メカシャッターも搭載です。

---

 結論的にいえば、値段差はありますが、性能差が大きすぎるので、新機種を推します。

 たしかに、価格差はあります。

 ただ、エンジン部分の性能差がかなり大きいので、旧機を買っても、遠くない時期に機能面で陳腐化してしまうでしょう。

 また、この世代は、Vlogが流行りだした「第1世代」の製品なので、エフェクト効果を含む諸機能も、最新機と比べてしまうと「静止画より」にみえてしまう部分が多いです。

ーーー

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 【2023年発売】

 【高倍率ズームレンズキット】

 21・SONY α6700 ILCE-6700M B
  ¥237,525 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

 【ボディのみ】

 22・SONY α6700 ILCE-6700 B
  ¥188,427 Amazon.co.jp (6/23執筆時)

タイプ:ミラーレス型
撮像素子:APS-C 
画素数:2600万画素
手ぶれ補正:5軸(ボディ)
ファインダー:有機EL(235万)  
AF:ハイブリッドAF(759点)
連写速度:8コマ/秒
動画: 4K(120p)※要クロップ
モニター:3型タッチパネル(104万)
大きさ:122.0x 69.0x75.1mm
重さ:493グラム

 このhか、ソニーの場合、撮像素子がAPS-Cのハイエンド機となるα6700も「動画向き」と言えます。

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 比較する場合(クロップが必要ですが) 4K/120pの高解像度・高フレームレートに対応できる点が、ポイントです。

 手ぶれ補正も5軸になるなど、ハイアマチュア向けに良い仕様です。

 ただ、VLOGカメラというより、静止画撮影も得意な「高級ミラーレス」という感じなので【ソニーのミラーレスの比較記事】のほうで見ています。

次回に続く
動画撮影に向くデジカメは結論的にこれ!

 というわけで、今回は、Vlog向けカメラの比較の1回目記事でした。

 しかし、記事はまだまだ「続き」ます。

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2・Vlog 動画向けカメラの比較(2)
 2-1:ソニー〈続き〉
 2-2:パナソニック
3・Vlog 動画向けカメラの比較 (3)
 3-1:キヤノン
 3-2:ニコン
4・Vlog 動画向けカメラの比較 (4)
 3-2:富士フイルム
 3-3:最終的なおすすめの提案【結論】

 次回の2回目記事こちら)では、ソニーの残りの製品と、パナソニックのVLOGカメラを引き続き比較していきます。

動画の画質    ★★★★★
写真の画質    ★★★★★
軽量性      ★★★★★
ズーム倍率    ★★★★★
手ぶれ補正    ★★★★★
連続撮影時間   ★★★★★
総合評価     ★★★★★

 その上で、4回目記事結論編こちら )に入ります。

 今回みた動画用のカメラを含めて、ここまで紹介した全ての機種から、いつものように、Atlasのおすすめ機種!を提案していきたいと思います。

 引き続きよろしくお願いします。

 2回目記事は→こちら

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posted by Atlas at 17:54 | カメラ

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