Top 映像機器 比較2023’【最新型】有機ELテレビ85機の性能とおすすめ・選び方 (1)

2023年04月21日

比較2023’【最新型】有機ELテレビ85機の性能とおすすめ・選び方 (1)

【今回レビューする内容】2023年 新製品の有機ELテレビの性能とおすすめ・選び方:液晶テレビと4K有機ELテレビの画質の違い 性能ランキング 42v 48v 55v 65v 75v 77v 83v:10万円台のOLEDテレビ 4K 120p 120Hz対応

【比較する製品型番】パナソニック VIERA TH-42LZ1000 TH-48LZ1800 TH-55LZ1800 TH-65LZ1800 TH-55LZ2000 TH-65LZ2000 TH-65LZ2000 SONY BRAVIA XR XRJ-55A80L XRJ-65A80L XRJ-77A80L XRJ-55A80K XRJ-65A80K XRJ-77A80K XRJ-42A90K XRJ-55A95K XRJ-65A95K シャープ 4T-C42EQ2 4T-C48EQ2 LG OLED55B2PJA OLED65B2PJA 東芝 REGZA 48X8900K A 55X8900K 55X9900M 65X9900M ハイセンス 48X8F 55X8F フナイ FE-48US740 ほか

今回のお題
最新の有機ELテレビのおすすめはどの機種?

 どもAtlasです。

 今回は、2023年4月現在、最新の有機ELテレビの比較です。

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1・有機ELテレビの比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:パナソニック
 1-3:ソニー
2・ 有機ELテレビの比較 (2)
 2-1:シャープ
 2-2:LGエレクトロニクス
3・ 有機ELテレビの比較(3)
 3-1:東芝
 3-2:ハイセンス
 3-3:フナイ
4・ 有機ELテレビの比較(4) 【結論】
 =最終的なおすすめ機種の提案

 今回は、日本市場にある現行機は、激安機から高級機まで全て網羅する予定です。

パネル品質  ★★★★★
画像エンジン ★★★★★  
音質の良さ  ★★★★★
ネット動画  ★★★★★
番組表    ★★★★★
総合評価   ★★★★★

 以下では、いつものように、各機種を順番に紹介していきます。

 そして、最後の「結論」部分では、上表のようなQD-OLEDポイントから、Atlasのおすすめ機種を提案していきます。

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1・小型液晶テレビの比較
2・大型液晶テレビの比較
3・4K液晶テレビの比較
4・有機ELテレビの比較
5・8Kテレビの比較
6・おすすめTVのまとめ 【結論】

 なお、今回の記事は、このブログ「モノマニア」のテレビ比較記事の4回目記事として書いたものです。

1・有機ELテレビと液晶テレビの違い

 今回比較する有機ELテレビですが、一般的に液晶テレビの上位互換」と思われがちです。

 しかし、正確には、「優れた部分」と「劣った部分」がある点には注意するべきです。

 以下、簡単にですが確認しておきましょう。

1・画質面での相違点

 はじめに、皆さんが機になる部分だろう「画質面」のはなしから入ります。

 液晶テレビと較べた場合、有機ELはどのような特長があるのかについて、3点にわけて説明します。


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 第1に、黒表現です。

 有機ELテレビは、液晶テレビに較べて、深みのある「真の黒」が表現できるという点で、確実に優れます。

 なぜなら、パネルの仕組みがそもそも異なるからです。

 簡単に解説しておきます。

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 液晶テレビは、LED光源から発せられた白色の光を、カラーフィルタ(赤・緑・青)を通して色付けしていく仕組みです。

 黒色を表現したい場合(左図)、LEDの明かりをシャッターで「遮って」います。

 ただ、LEDは常時点灯し続けるので、光漏れは防げません。そのため、真の黒が表現できません

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 有機ELテレビは、しかし、素子自体が発光できます。

 白色OLED自体が作る光を、カラーフィルタを通して色付けしています。

 液晶と違って黒色を作る際に光源を消灯できる(左図)ので、画面上には「真の黒」が出せます。

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 結論的にいえば、こうした性質の違いにより、有機ELテレビは「黒の締まり」がとびきり良いと言うことになります。

 黒が締まると、画像の解像感・奥行感も必然的に出てくるので、映像美が楽しめるわけです。


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 第2に、白表現(光線表現)です。

 きれいな白表現を得るためには、パネルの輝度が重要になります。

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 液晶テレビは、加法混色(左図)でRGBをカラー混ぜることで白色を作る仕組みです。

 LED光源を増やせばピーク輝度は上げられるため、この部分の強化はOLEDより簡単と言えます。

 10万円前後の中級機以上ならば、この部分に問題を感じることは少ないです。

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 有機ELテレビは、この部分が難点になります。

 「白色のOLED素子」というものは世にないので「白色OLED」の色を作るため、3原色を作るための素材(色)を混ぜる必要があります。その上でフィルターをかけるので、行程がかなり複雑です。

 さらに、パネルが熱を持ちやすいので、輝度を高めにくい性質も悪影響します。

 仮に、熱を無視して無理に強化したとしても、かえって画質が劣化しますし、パネルの「焼きつき」の恐れも生じてきます。

 無理なく明るくするために、フィルタに白を追加(RGBW)する対策はしますが、液晶にはどうしても「劣る」と言えます。

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 結論的にいえば、白(輝度)の表現力は、液晶パネルが良いと言えます。

 また、この部分は、視聴環境にも大きく影響を与えるといえます。有機ELテレビは、光が差し込むような明るい日中の視聴は、(太陽光の偉大さに適わず)映り込みが生じやすいなど、液晶テレビに及ばない部分があります。


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 第3に、ダイナミックレンジ(白と黒の明暗の幅)です。

 これは、有機ELテレビの良い部分です。

 数値でいえば、液晶テレビが14stopほどであるのに対して、最新の有機ELテレビは21stopほどと、広がっています。

 この部分は、4KHDR時代といえる最近のテレビでは、画質を測る要素として「最重要」といってよいです。

 有機ELテレビは、液晶テレビに対して、画質面で有利と、はっきり言えます。

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 ただし、(繰り返しますが)かなり日差しの差し込む部屋で日中使う場合、有機ELテレビは、映り込みが生じやすい部分で相応に不利です。

 この点で言えば、各社にパネルを提供するLGエレクトロニクスも、自社のTVカタログにおいて、明るいリビングでは「液晶テレビ」を推奨している事実は、言及に値するでしょう。

 逆に、日差し(あるいは照明)に視聴が遮られた記憶がこれまでない方ならば、有機ELテレビ画質面で圧倒的に有利です。

 暗くしてのシアターならば、さらに明確な優位性があります。

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 結論的にいえば、有機ELテレビは、強い日差しには勝てない、とだけ覚えておけばOKです。

 画面に日が入らない程度の普通の明るさ程度ならば、多くの場合心配ありません。薄いカーテンでもひければ、さらに良いです。

 ダイナミックレンジは広いので、適切な視聴環境使うならば画質は液晶テレビより良いといえます。

 もちろん、同じほどのグレードのテレビ同士で比較した場合の話になります。

0-2・装置寿命と焼き付き

 続いて、有機ELテレビの装置寿命焼き付きについて、少し書いておきます。

 これは、液晶に比べての「懸念材料」として、しばしば指摘される部分です。


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 第1に装置寿命です。

 熱を持つ部分で、寿命が短くなるのは確かです。

 ただ、放熱対策には各社とも力を入れているため、液晶テレビと比較しても特に問題ないと感じます。

 有機ELテレビは、パネルの10万時間と言われます。液晶より短いですが、10年間使うと仮定しても、家庭用として問題ない水準です。

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 第2に画面の焼きつき問題です。

 焼付けとは、同じ画面を表示し続けた場合など、それが消えなくなる現象のことです。

 ここも、熱が関係してくる部分です。

 しかし、この部分は、(各社が採用する)LG第2世代パネルの登場以降は、ほとんど言われなくなりました。

 各社の熱対策や、焼き付け異常を検知するセンシング技術が高まった結果です。

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 以上、液晶テレビと有機ELテレビの相違点を較べてみました。

 黎明期と較べて、輝度ムラ・焼き付け問題・ノイズの問題の解消が進んでおり、個人的には、20万円台前半までの予算で購入するならば、「有機ELテレビ」を選んでも問題ないレベルになったと考えています。

 5-8年間のサイクルで買い換える前提で、この予算を出せる場合は、「デンキヤへGO!」で良いでしょう。

 というわけで、冒頭で示したようなメーカー順に、各社の有機ELテレビを見ていきます。

1-2・パナソニックの有機ELテレビ

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 はじめに、パナソニックが販売する有機ELテレビの紹介です。

 言わずと知れた日本の総合家電メーカーです。

 突出した個性を伸ばすと言うより、何でも対応できる、バランスのとれた製品が多いのが特徴です。

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 なお、以下では、いつものように、Atlasのおすすめできるポイントを赤字系で、イマイチと思う部分を青字系で書きます。


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 【2022年5月登場】

 【48インチ】(放熱プレートなし)

 1・パナソニック VIERA TH-48LZ1800
  ¥182,799 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

 【55インチ】

 2・パナソニック VIERA TH-55LZ1800
  ¥204,376 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

 【65インチ】

 3・パナソニック VIERA TH-65LZ1800
  ¥299,800 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

モニターパネル:OLED
倍速液晶:4倍速相当
新4K放送チューナー:搭載(2)
フレームレート: 4K/ 120p

 LZ1800シリーズは、パナソニックの有機ELテレビです。

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 パネルは、LGの第2世代のOLED液晶です。

 LG製のパネルは世代がありますが、第2世代は(LG製テレビを含めて)各社の入門機における現在の標準パネルです。

 ただ、パナソニックの場合、提供を受けているのは「パネル部分だけ」と強調し、自社の工夫を加えます。背面構造・素材を見直し、パネルの持つスペックを最大限引き出す、という方向性です。

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 例えば、バックパネルに「放熱プレート」を入れ、熱が画質に与える影響を減らします(48インチはサイズの関係で未搭載)。

「熱問題」があったプラズマテレビを生産していた時代があったので、そのあたりのノウハウを活かしてのことで、コントラストの向上に寄与します。

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 パネル制御も「Dot ContrastパネルコントローラーPro」として独自調整しているので、色彩や階調表現にもプラスの影響があります。

 こうした部分を含めて、本機は、Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイという、特別な名前がつけられます。

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 画像エンジンは、画質面で、LGと差を付けられるという意味で重要な部分です。

 パナソニックは「ヘキサクロマドライブ プラス」という画像補整機能が利用できる高度なエンジンを搭載します。

 「高精細化」の部分は、能力が高いです。

 先述のように、パナソニックは、有機ELテレビと同じ自発光タイプの「プラズマテレビ」を終盤まで生産していたメーカーであり、黒の表現力には「一家言」あるメーカーです。

 そのため、暗部の階調域の広さが災いしての黒つぶれを防止するためのチューニングには定評があります。

 これは、眩しいほどのデンキヤの展示室ではわかりにくい部分です。ただ、同じ方式の製品をシアターで見た限り、暗部表現は良好と感じました。

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 逆に、有機ELが弱いといわれる白色系の光線表現も、輝度のチューニングにより鮮やかさが高いです。

 漆黒表現より、むしろこの部分の工夫が、他社に比べた場合、同社のメリット性と感じます。

 なお、「ヘキサクロマドライブ プラス」は「ノイズ除去」「広色域化技術」を合わせた技術の総称ですので、これらについても「対応」となります。

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 さらに、パネルを制御するDot Contrastパネルコントローラーも自製します。

 明るさと色情報を別に制御するパネル技術であり、コントラストや色再現性双方を改善しています。なお、暗部補整の能力は先述の新パネルの採用で、従来の32倍との表記です。

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 HDR技術(HDR10)は、対応です。

 一方、低解像ソースをHDRにアップコンバートする技術については、AI HDRリマスター搭載です。アップコンバートの際の変換アルゴリズムに、AIの機械学習を新たに利用した、とのことです。 

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 加えて、素材解像度検出4Kファインリマスターエンジンが搭載です。

 通常画質の映像を4Kにアップコンバートする際の高画質化機能(ノイズ処理)の総称です。

 技術としては、フレーム間処理を伴わないオブジェクト型超解像の一種でしょう。

 一方、本機は、元素材コンテンツの画質は理解できるようですが、LGやソニーのように、コンテンツ内の物体や文字を識別して処理はしていないようです。

 上位のHDR技術は、ドルビージョンIQ・HDR10+に対応となりました。

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 画質の自動調整は、高度に対応です(オートAI映像)。

 ディープラーニングを利用し、100万コンテンツを分析した学習用データベースを元にAI(人工知能)が処理を加えます。

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 結果、単純に、スポーツ・映画といった「番組の種類」ではなく、細かい「シーン」にあわせた自動調整ができます。

 高画質化技術も、コンテンツの内容をAIが理解してこそ、効果を発揮できるといえます。

 その点で言えば、画質モードを手動で切り替えず「自動モード(オートAI画質モード)」でずっと見ているような(一般人の)使い方の場合、画質の底上げはかなり期待できるでしょう。

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 また、本機は環境光センサーを搭載しています。AIが部屋の照明色を理解し、それに応じた調整をオートAI画質に加えておます。

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 そのほか「オートAI音質機能」として、音声もコンテンツにあわせて最適なモードに自動的に変更できます。

 こうした技術の合わせ技で、自動調整はかなり高度です。

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 倍速表示機能(オーバードライブ)は、「オブジェクト検出倍速処理」として搭載します。

 本機は、しっかり2倍速(120Hz)パネルです。その上で、映像内の動体(オブジェクト)を検出し、動量を検知して処理をします。

 画像内で動体だけを検出して処理できるため、残像感の軽減のほか、輪郭表現がクリアです。

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 なお、パナソニックは、パネルに「クリアモーション」機能を併用します。

 パネルの発光制御で黒画面を挿入する方式は、PC用などでも見られます。

 しかし、パナソニックの場合、全体ではなく部分的に黒を挿入できる点で高度です。

 こうした点で、パナソニックの有機ELについては、スポーツやレースなど動く映像に強いと言えそうです。

 なお、今回は、パネルと合わせて「4倍速相当」と表現しておきました。

 録画機能も搭載です。

 3チューナーなので、見ている番組以外に2つの番組が同時録画できる仕様です。

 また、外出先からの遠隔録画操作やスマホなどに飛ばして、放送中・録画番組の視聴することにも対応します。

 一方、国産機では、東芝は「レコーダーか!にも思える」ほどなのですが、パナソニックはさほど録画機能の充実は見られません

 パナソニックは【ブルーレイレコーダーの比較記事】で紹介したように、自社レコーダーが優秀なので、連携させてそちらを使ってね、という方向性でしょう。

 4Kチューナーは、搭載です。

 チューナー数は2つなので、裏番組も録画も可能です。

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 スピーカーは、55インチ以上のモデルは総出力80Wのそこそこ強力なシステムです。

 構成的には、左右のフルレンジに、中央のウーハーと、上方に向けたハイトスピーカー2基で、2.2.1chです。

 上向きスピーカーが用意されるので、すでに対応コンテンツも多い、3D立体音響規格であるドルビーアトモスを(バーチャルな計算なしで)リアルに楽しめます。

 割と良い構成ですが、やはり特に低音域では物足りなさを感じるでしょう。とくに、55インチはウーハー部分が省略なのでなおさらです。

 その部分では、このブログの【サウンドバーの比較記事】で紹介したような専門機を、(後ほどでも)買われるほうが良いかと思います。

 本機は、HDMI端子がeARC対応なので、上位の多チャンネル機の増設でも容易です。

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 番組表は、日本メーカーとしてこだわる部分です。

 新聞のTV欄のような表示で見やすく、チャンネル同時表示数や、ジャンル別色分けなど、細かく設定可能です。

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 映像配信サービスは、同社のスマートTVアプリを利用できます。

 Netflix・DAZN・YouTubeをはじめ主要サービスは網羅します。

 ただ、汎用のGoogle TVのようなOSは装備されないので、好きなアプリを後から追加のようなことは、他社の搭載機と違ってできません。

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 音声アシスタントサービスは、排他的ですが、Google系・Amazon系のシステムを搭載します。リモコンのボタンを押しながら、情報を聞く方式です。

 一方、「ビエラ音声操作」にも設定できます。

 この場合、(天気やニュースや計算など)の情報検索は不可です。

 そのかわり、TVに関わる音声操作は多彩で、Googleアシスタントでは対応しない動作がかなり多く可能です。

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1・Amazon Echoの比較
2・各社のスマートスピーカーの比較
3・スマート学習リモコンの比較

 いずれにしても、(リモコンのボタンを押す必要があり)ハンズフリーではないため、他社製スピーカーを導入しても良いかと思います。

 詳しくは、このブログの上記の記事で色々書いています。

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 周辺機器との連携は、各社とも特徴のある部分です。

 パナソニックの場合も、同社のDIGA(レコーダー)の対応機と連動させる場合、30日分の「過去番組表」表示が可能になります(2017年年機以降)。

 テレビ側の「未来番組表」とシームレスに使えるので「過去未来番組表」と同社は呼びます。

 レコーダーは、2017年以降の機種ならば(ほぼ)対応です。同社の製品は、このブログだと、【パナソニックのブルーレイDIGAの比較記事】で説明しています。

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 そのほか、お馴染みの「(4K)お部屋ジャンプリンク」で、同社のテレビ・レコーダーとLAN経由でネットワーク利用ができるのも「売り」です。

 ちなみに、パナソニックのようなレコーダーも出す企業(東芝・シャープ・ソニー)のテレビは、自社製品とのリンク部分を重視したテレビを開発しています。

 なお、これらの機能は、パナソニックの現行の4K機は基本的にどれも備わります。

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 HFR(ハイフレームレート)は、2021年機から4K/120Hz表示対応です。

 先述のように、PS5などの次世代ゲーム機を利用する場合、高リフレッシュレートで「なめらかな動き」になります。

 カクツキを減らす、VRR(バリアブル・リフレッシュ・レート)と、自動的に遅延時間を短縮するALLM設定も同社の場合、フォローです。

 また、PC用にはAMD FreeSync Premiumもフォローします。なお、リフレッシュレートに関わる部分は、このブログの【ゲーミングモニターの比較記事】のほうで詳しく書いています。

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 以上、パナソニックのLZ1800シリーズの紹介でした。

 パネルはLGからの調達ですが、(同社が過去に力を入れていたプラズマテレビと同じで)熱対策・コントローラーが高度だと同じパネルでも性能がアップします。

 その部分をふまえて、パナソニックは2022年機では従来の上位機の仕様を本機に搭載したこともあり、有機ELでは入門機とは言え、実力は相当伸びました。

 今後の値段の推移次第ではありますが、こだわりのある白色系の光線表現や、今回強化された「黒の締まり」の部分を含めて、選んでよい機種の1つでしょう。

 後ほどみるLGは、この価格帯に新世代のOLED EVOという上位のパネルを採用し、輝度色再現性をより上げています。

 ただ、先述の対策のほか、液晶テレビで培ってきた、画像エンジンによる画質向上技術をふんだんに取り入れているため、総合力として、LGと十分張り合えています。

 画像エンジンは東芝も良いですが、(社運をかけて取り組んでいた)プラズマテレビの経験を経て進化させた同社の製品も、こと有機ELとは相性が良いように思えます。

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 【2022年10月発売】

 【42インチ】(放熱プレートなし)

 4・パナソニック VIERA TH-42LZ1000
  ¥190,787 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

 【2021年4月発売】

 【48インチ】(放熱プレートなし)

 5・パナソニック VIERA TH-48JZ1000
  ¥170,430 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

 【65インチ】

 5・パナソニック VIERA TH-48JZ1000
  ¥179,800 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

モニターパネル:OLED
倍速液晶:4倍速相当
新4K放送チューナー:搭載(2)
フレームレート: 4K/ 120p

 なお、本機下位機種として、TH-42LZ1000という製品があります。

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 パナソニックでは「最小」となる42インチを選べる部分が見どころです。

 パネルは、しかし、新機種と比べると放熱プレートが未装備です。

 小型で載せるのが難しい事情がああるため仕方ないですが、熱を制御しつつコントラストの向上は図れません。

 とはいえ、パナソニックのもうひとつの「売り」である専用コントローラー(Dot Contrast パネルコントローラー)による調整はしています。

 比較的パネルが小さい点で、発熱の影響も実際少なめとも言えます。

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 スピーカーは、もうひとつの相違点です。

 こちらは、新機種と違い、ハイトスピーカーがないので、「リアルな」立体音響の再現は不可です。また、画像の自動調整はされますが、音声の調整(オートAI音質)は対応しません。

 総合30Wですので、できれば別売スピーカーの導入を考えたい機種と言えます。

 その他の部分はだいたい同じです。あえて言えば、本体の左右回転ができない点ほどです。

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 一方、画面サイズは大きいですが、このグレードの旧モデルとなるJZ1000が残ります。

 こちらは、画面が大きいので65インチだけは「放熱プレート」は入ります。しかし、コントローラーほかが新機種と違うため、「黒の締まり」の部分でがあります。

 そのほか、1年分古いため、新機種と比べると、環境光センサーが未搭載で、部屋の照明色に応じた調整をしません。そのほか、エンジンが1世代まえのため、素材解像度検出処理が(多少)劣ります。スピーカー部分は、本機も30Wで、同じ仕様です。

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 結論的にいえば、42型については、より画面の大きな新モデルが部屋に入るならば、そちらをオススメしますが、スペース的な問題がある場合、有利な選択肢です。

 一方、旧モデルについては、差が大きいので、選ばなくて良いかと思います。

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 【2022年発売】

 【55インチ・2TB HDD付属】

 7・パナソニック VIERA TH-55LW1
  ¥370,000 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

 【55インチ・HDDなし】

 8・パナソニック VIERA TH-55LW1L
  ¥329,627 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

モニターパネル:OLED
倍速液晶:4倍速相当
新4K放送チューナー:搭載(2)
フレームレート: 4K/ 120p

 一方、2022年末に、冒頭で紹介した2022年のLZ1800シリーズの「55インチ機」をベースとした「ワイヤレスモニター」を追加で販売しています。

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 写真のようにウォールマウント(ウォールフィット)させることを前提としています。

 チューナーが外付けで、モニターまでは無線で飛ばす仕組みですので、壁の部分にコンセントケーブル以外這わないため、美観が非常に良いのが「売り」です。

 一方、ゲーム機ほか周辺機器をつなげるためのHDMI端子は「モニター側」になります(本体側HDMIはメンテ専用)。その場合は、ケーブルは(むろん)見えます。

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 チューナーとTVの間の接続は、Wi-Fi(Wi-Fi5)です。

 アドホックに直接つなげる(最大35メートル)こともできます。

 ただ、ルーターを介した方が、安定します(上図)。最近は、このブログの【無線LANルーターの比較記事】でも記したように、通信安定性を高められる製品もでています。

 画質は、基本的にLZ1800シリーズと同じです。

 補整も変わりません。

 一方、無線伝送なので、データ量の多い4Kについては、「圧縮」(ビットレート変換)して送る仕様です。電波状況を判断しつつDRモードで送る場合、あるいはそれ以下の場合もあります。

 可変性は、VOD(サブスク動画)利用時に調整されるようなイメージで良いかと思いますが、家庭内なので、しっかりしたルーターなら問題ないでしょう。

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 音質は、画面を振動させるタイプのアクチュエーターが2基です。

 「画面から音がきこえてくるような」仕組みですが、パワー自体は20Wです。

 立体音響規格などもフォローしませんし、普通のステレオです。

 本機は、ARC対応のHDMI端子がモニター側なので、外部オーディオをつなげにくい(=配線部分のメリット性を失う)部分があります。あくまで「インテリア性重視の機種」と言えます。


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 録画は、上位機(左図)の場合、ワイヤレスチューナー部分に2TBのHDDを搭載しています。

 下位機(右図)でも、USB経由でチューナー側に増設可能です。

 いずれの場合も、新4K放送の長時間録画にも対応しており、結構優秀です。

 機能面でも、スマホでの遠隔視聴(どこでもディーガ)や遠隔予約に対応するなど、(一般ユーザーには)同社のレコーダーとなるDIGAの代わりを十分果たせる性能です。

 なお、ドライブもあれば完全な「ハイブリッド」でしょうが、BDドライブは未搭載で、ディスクは利用できません。

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 結論的にいえば、主にインテリア性を重視した機種です。

 配線を這わさず、テレビを見る、録画番組を見る、あるいは、チューナーを介して、ネット動画をみることだけで満足できるようならば、選んでも良いかと思います。

 ただし、サウンドにこだわりたい方は、先述のHDMIの仕様ゆえに、外部機器との接続性が良くない部分が注意点となります。

 同社の「テクニクス」の音響で、音の部分も「ワイヤレス」にしたシステムをセットで出してくれるとさらに魅力が増すかなと思いました。


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 【2022年7月発売】

 【55インチ】

 9・パナソニック VIERA TH-55LZ2000
  ¥289,720 楽天市場 (4/21執筆時)

 【65インチ】

 10・パナソニックVIERA  TH-65LZ2000
  ¥449,587 楽天市場 (4/21執筆時)

 【77インチ】

 11・パナソニックVIERA  TH-77LZ2000
  ¥799,266 楽天市場 (4/21執筆時)

モニターパネル:OLED EVO
倍速液晶:2倍速
新4K放送チューナー:搭載(2)
フレームレート: 4K/ 120p

 LZ2000シリーズは、パナソニックの2022年モデルの上位機です。

 仕様部分は、入門機(LZ1800シリーズ)と被る部分が多いので、違いのみ書いておきます。

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 第1に、パネルです。

 本機は、Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ NEOと、従来とは異なる名前が付きます。

 性能の説明を読むと、輝度の強化が示されます(高輝度有機ELパネル)。

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 ようするに、2021年登場の新型パネルであるLG OLED EVOを採用したということでしょう。

 OLED EVOは、白色のOLEDを作る際に、RGBカラーのうち、を2色(YG・G)にすることで、波長を整えた部分に特徴があります(図の下段)。

 これにより、パネルに発色される輝度がたかまったほか、色再現性も高めました。既存のパネルより明確に上位と言えます。

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 ただ、パナソニック独自の「味付け」やはりなされます。

 温度センサーを利用し、前後の時間軸を含めつつ、発光状態を解析します(3次元映像信号解析)。

 輝度部分に性能の良くなったパネルの潜在能力をさらに引き出すための工夫でしょう。

 そのほか、1台ごと、自社工場でかなり細かくキャリブレーションをしている点も評価できるでしょう。

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 第2に、スピーカーです。

 55・65・75インチ機で、それぞれ総合出力150W・160W・170Wとかなりパワフルです。

 本機は、下部に、ラインアレイスピーカー16基ならびます。

 その上で、壁を利用して水平方向の音場を表現するためのワイドスピーカー2基、、3D立体音響を実現するための上方向のハイトスピーカー2基と、低音のためのウーハーというユニット構成です。

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 画面サイズごとの出力は、ラインアレイスピーカー部分の出力の差になり、構成は同じです。

 ラインアレイスピーカーは、実際的にセンタースピーカーの機能性を持つので、セリフの聞きとりなどに強いと言えます。

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 この部分を利用した、サウンドフォーカス機能も面白い工夫です。

 音質は落ちるものの、音を特定の方向にビームフォーミングできるため、お年寄りのいる家族には特に便利に思えます。

 チャンネル数は(特殊なので)明確には言えません。

 ワイドスピーカーを壁反射を利用したリアスピーカーとして勘定するならば、「5.1.2ch相当」のリアルサラウンドといえます。

 ここまで強化されていれば、Atlasでも別売を買わなくても「まあOK」と友人に言うだろう水準です。

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 ゲーム機や映画コンテンツで採用例が増えている、3D立体音響のドルビーアトモスも、「リアル」に表現できる水準です。

 映画館のような「天井降そそぎ音」がフォローされます。

 さらに、リモコン搭載のマイクで、部屋の環境に合わせた補正をするSpace Tune Autoにも対応なので、立体音響の設定も容易です。

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 その他の部分は、55インチと65インチのみ、手動での首振りに対応するくらいで、あとは同じです。

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 以上、パナソニックのJZ2000シリーズの紹介でした。

 個人的にはここまで強化されれば、内蔵スピーカーでも(まあ)良いかなと思えます。

 パネル部分も、LGのOLED EVOをベースに独自に改良した製品です。

 LGの採用機に比べると値段差はありますが、有機ELは「発熱対策」が画像に大きく影響する部分があるため、パナソニックを選ぶ意味はあるでしょう。

1-3・SONYの有機ELテレビ

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 つづいて、SONYの有機ELテレビの紹介です。

 伝統的に、華やかで鮮やかな色彩が特徴ですが、有機ELの場合もそうです。


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 【2023年4月発売】

 【55インチ】

 13・SONY BRAVIA XR XRJ-55A80L
  ¥396,000 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

 【65インチ】

 14・SONY BRAVIA XR XRJ-65A80L
  ¥506,000 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

 【77インチ】

 15・SONY BRAVIA XR XRJ-77A80L
  ¥847,000 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

 【2022年8月発売】

 【55インチ】

 16・SONY BRAVIA XR XRJ-55A80K
  ¥229,800 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

 【65インチ】

 17・SONY BRAVIA XR XRJ-65A80K
  ¥328,731 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

 【77インチ】

 18・SONY BRAVIA XR XRJ-77A80K
  ¥618,000 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

モニターパネル:OLED
倍速液晶:4倍速相当
新4K放送チューナー:搭載(3)
フレームレート: 4K/ 120p

 ソニーA80Lシリーズは、ソニーの有機ELの2023年の入門機です。

 旧シリーズとなるA80Kシリーズが豊富に残ります。

 ただ、前年度モデルの発売が遅れたこともあってか、性能差はほぼないです。

 後述する、XRクリアイメージというノイズ補正が加わりましたが、マイナーな変化と言えます。

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 結論的にいえば、値段差があるうちは、新機種の登場で安くなった旧機種がお買得です。

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 パネルは、パナソニックの入門機と同じでLGのOLED(第2世代)です。

 ただ、ソニーの場合、液晶TVと同様にトリルミナスディスプレイというブランド名が付きます。

 液晶TVの場合は、パネル制御とバックライト制御を合わせた広色域化技術を示す、オリジナルな「ブランド液晶」と表現できます。

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 OLEDの場合は、独自の画像解析処理を行う部分について「トリルミナスディスプレイ」と称しています。

 具体的には、画像からピックアップできる色の要素を細分化し、独立処理させることで、SONYのメーカー的特徴である、「鮮やかさ」を実現しています。

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 画像エンジンは、認知特性プロセッサー「XR」です。

 「人の脳のように映像を認識する認知特性プロセッサー」というのが売り文句です。

 ソニーの場合、「注視点」というのを1つのキーワードにしています。注視点とは、人間がテレビを見る際に、集中する画面のポイントのことです。

 それを理解した上で、本機は、注視点を中心に、色・精細感・コントラストなどの諸要素を、(個々別々でなく)AIが、横断的・複合的に分析、処理し、最適な映像を出します。

 従来は、個別の要素に基づく補正に止まっていました。AI技術の進歩が活かされ、横断的な分析ができるようになった部分が、新しいです。

 4K画質・それ以下のHD画質、それぞれのデータベースを内蔵していて、それと付け合わせながら、画像をアップコンバートしていく方向性です。

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 超解像処理も、AI技術が使われます。

 ただし、東芝のような前後のフレームまで解析する「フレーム間処理」ではない、1フレーム(静止画)だけ見て解析する「フレーム内処理」(オブジェクト超解像)です。

 フレーム内で「いろいろ認識できる」ソニー機も優秀ですが、東芝の上位機とは、それでも差があります。

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 なお、2023年機から、XR Clear Imageという新機能が加わりました。

 おもにノイズ対策のかかわる部分で、低解像度・放送波のノイズ、動きの速い映像のノイズの除去が「上手に」なりました。

 既存の技術をAIによるディープラーニングの強化で達成した技術でしょう。大きくは宣伝しません。

 画質の自動調整は、イマイチです。

 ソニーも、標準モード以外に、シネマ・ゲームモードなど「手動」で画質モードは切り替えられます。

 ただ、視聴しているコンテンツの種類をAIが見分けて(おまかせで)自動調整される機能はないです。音声モードも同様です。

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 HDR技術(HDR10)は、搭載します。

 また、標準画質をHDR画質まで高めるXR HDRリマスターが搭載となっています。もちろん、HLG形式も対応します。

 上位のHDR技術は、Dolby Visionに対応です。

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 倍速液晶は、倍速パネルを搭載です。

 その上で、X-Motion Clarity(エックス モーション クラリティー)に対応します。

 パナソニックのように、画面の一部分に黒挿入することで輝度低下を防ぎつつ、ボケを防いでいます。

 合わせ技で「4倍速相当」です。

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 音質は、ソニーの最も面白い部分です。

 画面全体を振動させることで音を発生させるアクチュエーターが3基装備されます。

 総出力は、50W(77インチは60W)ながら、従来のオーディオ技術とは一線を画する方法です。

 映画などの会話の画面で、複数の登場人物がいる場合の臨場感・奥行き感(どこから声がでているか?)は、この方式だと正確です。

 TVスピーカーは「外部スピーカーが買えない場合の劣化番のオマケ」という印象がありました。

 しかし、内蔵でないと扱えない独自性がある分、この機種は「面白い」と言えます。音響製品を多く出す、同社らしい技術です。

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 一方、パナソニックの上位機のように、立体音響の「ドルビーアトモス」に対応します。上方向のイネーブルドスピーカーがないですので「バーチャル」ではあります。

 ただ、ソニーの場合、3Dサウンドアップスケーリング技術をもちます。

 先述の「賢いエンジン」を使って、「地デジ」などの音も、立体音響に再計算できますので、一般ユーザーでも手軽に(疑似的な)立体音響が楽しめます。

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 加えて、このテレビの「アコースティック センター シンク」機能は、注目に値します

 【サウンドバーの比較記事】で紹介したソニーの一部上位機(HT-A7000・HT-A5000・HT-A3000)、あるいは、【シアターシステムの比較記事】で紹介した上位機(HT-A9)と組み合わせる場合、テレビ内蔵スピーカーを、センタースピーカーとして(殺さずに)活かせます。

 テレビのスピーカーが無駄になりませんし、割と面白いかと思います。

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 そのほか、ニュースなど、聴きとりやすい音声にできる「ボイスズーム」機能など、お年寄りに優しい機能も網羅です。

 一方、TVがコンテンツの種類を判断して、音を自動調整するところまで至ってはいないので、この部分は、後ほど見ていく、パナソニックなどが一歩進んでいます。

 画像モードの自動調整の部分を含めて、この部分は多少遅れがあります。

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 録画機能は対応です。

 こちらはWチューナー搭載なので2番組録画が可能です。ただ、ダビングには対応しないようです。

 ただ、録画機能のUIは、東芝はもちろん、パナソニック以上にシンプルで、あまり重視していないです。

 なお、外出先などからスマホアプリ経由での録画にも対応します。

 番組表は、ソニーは使いやすく、操作もサクサク動きます

 SONYは番組表の使い勝手については、特に定評があり、リモコンがサクサク動きます。

 ゲーム機開発のノウハウがフルに活かされているのでしょう。レイアウトもジャンル別に分かれて見やすい番組表といえます。無線LANも、内蔵です。

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 映像配信サービスは、ソニーの場合、Google TV(Android TV)を搭載します。

 そのため、4Kコンテンツを含むNetflix・DAZNを含めて好きなアプリをGoogle Playからダウンロードしインストールできます。

 そのため、「スマートTV」としては非常に高度です。昔と違ってCPUも強化されたので、、リモコン操作がもたつくことも少なくなりました。

 加えて、自社のサービス(BRAVIA CORE)の2年間無料特典が付属です。ソニーピクチャーの過去映画が見放題になるほか、10本に限りますが、最新映画も見れます。

 無線LANも、搭載です。

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 音声アシスタントサービスは、本機は充実します。

 リモコンのボタンを押さずとも、テレビのマイクでGoogleアシスタントを呼び出せますので。

 HFR(ハイフレームレート)は、本機も120フレーム/秒(4K/120Hz)の表示に対応です。

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 【2022年発売】

 ・ソニー BRAVIA CAM CMU-BC1
   ¥18,371 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

 そのほか、テレビの上に増設するカメラとなるBRAVIA CAMに対応です。

 ジェスチャーでのテレビ操作や、チャット利用などができます。

 ただ、最も面白いのは、自動画音質調整機能」です。

 ようするに、カメラセンサーを利用し、人間の位置を把握し、その方法に音をビームフォーミングできます。没入感を高めるための面白い工夫です。

---

 以上、 ソニーA80Lシリーズの紹介でした。

 画質については、トリルミナスの名を冠しているだけあり、他社よりも赤色系・緑色系の発色が良いです。

 この点で、4K映像などでも、映像美を楽しむようなコンテンツ、特に紀行番組などはとても鮮やかに見える傾向があります。映像美を楽しみたい方は、とくに向くでしょう。

 ただ、本機については、パナソニックほどは充実した熱対策はないため、輝度(コントラスト)部分の潜在能力を引き出すという部分では、パナソニックの入門機に及ばない部分はあるでしょう。したがって、一長一短はあります。

 一方、スピーカーは注目点です。ハイエンドTVを買われる方の多くは、、【ホームシアタースピーカーの比較記事】で紹介したような外部スピーカーを利用するでしょう。

 そのため、他社のTVの場合、スピーカー部分の楽しみがあまりないのですが、「画面から音が出る」形式だけは再現が不可能ですから、面白みがあります。

ーーー

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 【2021年4月発売】

 【55インチ】

 19・SONY BRAVIA XRJ-55A80J
  ¥184,500 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

モニターパネル:OLED
倍速液晶:4倍速相当
新4K放送チューナー:搭載(3)
フレームレート: 4K/ 120p

 なお、本機については、55インチに限りますが、2世代前の、2021年旧機となるA80Jシリーズが残ります。

 こちらも、パネルを含めて大きな違いはないです。

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 スピーカーは、ただ、本機もアクチュエーター型ですが、旧機種はセンターにはない2基構成になるのが、仕様面での最大の違いと言えます。

 あとは、先述のカメラ対応の部分と、アコースティック センター シンクが使えない部分の差が目立つ程度です。

--

 結論的にいえば、値段差が十分あるようならば、こちらを選んでも良いかと思います。


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 【2022年8月発売】

 【42インチ】

 20・SONY BRAVIA XR XRJ-42A90K
  ¥248,700 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

 【48インチ】

 21・SONY BRAVIA XR XRJ-48A90K
  ¥290,000 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

モニターパネル:OLED
倍速液晶:4倍速相当
新4K放送チューナー:搭載(3)
フレームレート: 4K/ 120p

 ソニーA90Kシリーズはソニーの有機ELの上級機です。

 本機については、42インチとやや小さめのモデルがある構成です。

 本機は、A80Kシリーズとの違いはわずかなので、違う部分だけ紹介します。

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 第1に、バックパネル部分の構造です。

 パナソニック機の42インチ、48インチ機の場合と同じで、55インチ以下はソニーも放熱プレート(アルミ)は、サイズの関係もあり搭載しません。 

 ただ、温度センサーを利用して発熱による画質低下を防ぐ仕組みがあります。

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 熱問題による発光不足が防げるため、結果的にコントラストや輝度の低下が起こりにくいという技術です。パナソニックの小型ではこうした技術は不採用でしたので、ワンポイントでしょう。

 XR OLED Contrast Proという技術名です。

 202107201728.jpg  

 第3に、スピーカー出力です。

 定位感の良いアクチュエーターを利用する部分は同じですが、サブウーファー2基と大型アクチュエーター2基という構成です。

 スピーカー配置自体は、同社の最上位機と同じなのですが出力自体は総計25Wであり、下位機種のA80Kシリーズに負けるレベルです。

 画面サイズが「小さめ」モデルだからとは言えますが、やはり、こだわるならば【サウンドバーの比較記事】で紹介したような専門機を増設するべき機種かとは思います。

 その他の部分は上でみた、2022年の入門機(A80Kシリーズ)と同じです。

---

 以上、ソニーA90Kシリーズの紹介でした。

 基本的に「少し小さめ」の有機ELが欲しい方に向けた製品です。

 意外と市場にはないサイズなので、設置場所の関係で小型モデルを探している方には良いでしょう。

 それ以外の方については、選択肢にしなくて良いかと思います。

ーーー

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 【2021年4月登場】

 【55インチ】

 22・SONY BRAVIA XRJ-55A90J
  ¥263,000 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

 【83インチ】

 23・SONY BRAVIA XRJ-83A90J
  ¥1046,315 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

モニターパネル:OLED
倍速液晶:4倍速相当
新4K放送チューナー:搭載(3)
フレームレート: 4K/ 120p

 なお、このグレードの場合も、旧機種となる90Jシリーズが一部サイズのみ残ります。

 こちらについては、温度センサーの工夫ほか、放熱プレート(アルミシート)も装備します。

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 機能性は、スピーカー出力が60Wと逆に旧機種のが大きくなる部分ほか、旧機種のみ環境光センサーの搭載されていた部分が相違点です。

 新機種だとシンプルな「明るさセンサー」ですが、こちらは、明るさと色温度が分かるセンサーなので、部屋の照明色に合わせて画質を調整できます。

 小型機でも「付いていて欲しい」気もしますが、残念ながらありません。

 逆に、先述のカメラに対応しない部分と、アコースティック センター シンクが使えない部分が、新機種とのになります。

---

 結論的にいえば、次に見る2022年機の最上位機を除けば、パネルの熱対策がある分、2021年機、2022年機を含めて、ソニーでは最も性能が良いと言えるかと思います。

 熱対策はあった方が確実に良いため、買われる際の値段によっては選んで良い機種に思えます。


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 【2022年8月発売】

 【55インチ】

 24・SONY BRAVIA XR XRJ-55A95K
  ¥356,999 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

 【65インチ】

 25・SONY BRAVIA XR XRJ-65A95K
  ¥580,000 Amazon.co.jp (4/21執筆時)

モニターパネル:QD-OLED
倍速液晶:4倍速相当
新4K放送チューナー:搭載(3)
フレームレート: 4K/ 120p

 A95Kシリーズは、ソニーの2022年機における最上位機です。

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 パネルは、注目に値します。

 サムスンディスプレイが開発した量子ドット技術採用QD-OLEDを採用します。

 LGパネルの対抗馬として、注目される新パネルです。

 液晶テレビではQLEDとして既に普及している技術ですが、有機EL系では初です。

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 QD-OLEDの場合、LGのような白色のEL素子と4色のカラーフィルタではなく、青色の有機EL素子に、赤と緑をだすためのフィルタ(量子ドットフィルタ)を組み合わせる方式です。

 LGパネル(RGBWフィルタ方式)と比べると、光や青色表現をする場合、フィルタを通す必要がない点と、(輝度を保証するための)白のサブピクセルが不要な点がメリットです。これにより、輝度のアップ広色域化を実現できることになります。

 この方式の評価はまだ定まりませんが、先述のLGの第3単元(OLED EVO)はこのパネルへの「対抗」のため作られたものです。ソニーによると視野角は広めです。

 見疲れしにくさなどは、(おそらく従来のトリルミナスの傾向とOLEDの特性からして大丈夫な気がしますが)発売後の検証は必要になると思っています。

 発色傾向としては、ソニーのトリルミナスが従来大事にしてきた「鮮やかさ」を、4K HDR時代に適応させる場合、このパネルは親和性が高いでしょう。

 ソニーも昔、方式は異なる方式の量子ドットテレビ(Color IQという半導体を用いたエッジ型バックライト自体の工夫)を出していたので、目指す方向が合致していると言えます。

 あとは、(液晶ではときに指摘されている)耐久性(劣化)の部分ですが、これはすぐには分からない部分ですし、普通のテレビでも少なからず起こることです。

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 画像エンジンは、引き続き認知特性プロセッサー「XRです。

 ただ、新パネルの採用と小推して、「トリルミナス」技術は「XR トリルミナス マックス」と新しい名前を付けました。

 光の波長の特性が違うQD-OLEDを、「ソニー色」に調整するためです。

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 スピーカーは、60Wです。

 90Kシリーズと同じ、2アクチュエーター+サブウーファですが、出力は大きめです。

 テレビ付属のスピーカーとしては、(過度にこだわらないならば)十分以上です。

 逆に、こだわりたいならば、HDMI端子は、eARCに対応するため【サウンドバーの比較記事】で紹介したようなマルチチャネルの多機能製品の増設も容易です。

 その場合に内蔵スピーカーも活かせる 「アコースティックセンターシンク」には本機も対応ですので、ソニーの上位機との相性も良いです。

 あとの部分は、基本的には、下位機種と同じです。

---

 以上、ソニーA95Kシリーズの紹介でした。

 量子ドット技術採用QD-OLEDが採用される部分が、言うまでもなく注目点です。

 個人的にも、このクラスの登場で、有機ELの日中利用における問題点がどの程度緩和されたかに興味があるので、暇を見つけてじっくり見る考えでいます。

次回記事につづく!
有機ELテレビのおすすめは結論的にこの機種!

 というわけで、今回は、有機ELテレビを紹介してきました。

 しかし、記事はまだまだ「続き」ます。

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2・ 有機ELテレビの比較 (2)
 2-1:シャープ
 2-2:LGエレクトロニクス
3・ 有機ELテレビの比較(3)
 3-1:東芝
 3-2:ハイセンス
 3-3:フナイ
4・ 有機ELテレビの比較(4) 【結論】
 =最終的なおすすめ機種の提案

 次回の2回目記事こちら)では、ここまで紹介できなかったシャープとLGエレクトロニクスの製品を紹介します。

パネル品質  ★★★★★
画像エンジン ★★★★★  
音質の良さ  ★★★★★
ネット動画  ★★★★★
番組表    ★★★★★
総合評価   ★★★★★

 その上で、今回紹介した全製品からいつものように、目的別・用途別にAtlasのおすすめ機種をあげておきたいと思います。

 2回目記事は→こちら!

ーー

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posted by Atlas at 20:58 | 映像機器

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