【今回レビューする内容】2025年 ミル付きの全自動コーヒーメーカーの性能とおすすめ・選び方:パナソニック 象印 シロカ アイリスオーヤマなど:人気製品の紹介と性能ランキング
【比較する製品型番】Panasonic NC-A58 NC-A58-K NC-A57 象印 EC-RT40 EC-SA40 EC-RS40 EC-CD40-TD EC-CB40-TD シロカ カフェばこSC-C271 SC-C271TD SC-A352 SC-A372 SC-A351 SC-A371STC-501 STC-A121 STC-A221 アイリスオーヤマ BLIAC-A600-B DGB-900PCJ2 SC-A211 SC-A211S(K) コーン式全自動コーヒーメーカー SC-C112 SC-C121 SC-C125 カフェばこPRO SC-C251ツインバード工業 CM-D457B CM-D465B メリタ アロマフレッシュ AFT1022-1B FG622-1B AFT1021-1B FG621-1B 山本電気 YAMAMOTO YS0005BK ラドンナ Toffy K-CM9 シナジートレーディング Gevi GV1001 GV1002 コイズミ KKM-1002 サンコー マイバリスタ TKCM25SSL クイジナート DGB-2KJ
今回のお題
全自動コーヒーメーカーのおすすめはどの機種?
どもAtlasです。
今回は、2025年4月現在、最新の全自動コーヒーメーカーの比較です。
各機に搭載されるミルの性能や、抽出温度などに注目しながら、挽き立ての豆の香りを楽しむのに最適な製品を探していきます。
1・全自動コーヒーメーカーの比較 (1)
1-1:選び方の基本の解説【導入】
1-2:パナソニック〈日本〉
1-3:象印〈日本〉
1-4:シロカ〈日本〉
1-5:メリタ〈ドイツ〉
2・全自動コーヒーメーカーの比較 (2)
2-1:アイリスオーヤマ〈日本〉
2-2:ツインバード〈日本〉
2-3:その他の企業〈各社〉
2-4:最終的なおすすめの提案【結論】
1回目記事(今回)では、「選び方の基本」を説明したあと、パナソニックや象印などの定番商品を順番に比較していきます。

3・エスプレッソマシンの比較 (1)
3-1:デロンギ〈イタリア〉
4・エスプレッソマシンの比較 (2)
4-2:ネスレ〈スイス〉
5・エスプレッソマシンの比較 (3)
5-1:イリー〈イタリア〉
5-2:ガジア〈イタリア〉
5-3:ソリス〈スイス〉
ただし、デロンギ・ネスレなどの全自動機は、エスプレッソマシンとしての性質が強いです。そのため、完全に記事を分けています。
お探しだった方は、上記リンクのいずれかをお読みください。
よろしくお願いします。
抽出の工夫 ★★★★★
長時間保温 ★★★★★
お手入れ ★★★★★
濃さの調整 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、今回は、各社の「全自動コーヒーメーカー」を比較します。
そして、最後の「結論」では、上表のような観点から、Atlasのおすすめ機種!を提案していきます。
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6・紙フィルタ式コーヒーメーカー
7・ペーパーレスコーヒーメーカー
8・おすすめのコーヒーメーカー 【結論】
なお、今回の記事は、このブログ「モノマニア」の全8回のコーヒー関連記事の1つとして書いたものです。
1-1・自動式マシンの選び方の基本
具体的な製品の比較にはいる前に、「全自動コーヒーメーカー」の「選び方の基本」からです。
コーヒーメーカーの動作順に、以下、少し細かく説明します。
1・ミルの性能
はじめに「豆を挽く」部分、つまり、ミルについてです。
通常のコーヒーメーカーと較べた場合、まず、この部分に注意が必要です。
上表は、このブログの【電動コーヒーミルの比較記事】で書いた単品のミルの方式を「全自動コーヒーメーカー」用に書き換えたものです。
従来は一般的なプロペラ刃の製品(左図)が多かったのですが、最近、一部のメーカーで、単品でも上位と言える、コーン式(左図)を採用するモデルもでました。
上表のように、挽分(粒度調整)の多彩さ、挽きムラの少なさ、豆への熱の入りにくさなど、複数の部分で利点があります。
また、プロペラ刃に比べて、回転制御がしやすいので、豆の粒度の挽分けも細かく設定できます。作動音も静かです。
一方、コーン式は、形状から推測できるように、掃除のしにくさ、メンテのしにくさというマイナス面もあり、味だけで選ぶと、やや面倒な場合もあります。
(味にこだわる方の多い、単品のミルの場合と違って)全自動は、「時短」を優先に考えて買う方が多いジャンルなので、必ずしもコーン式とは、Atlasも言いにくい部分があります。
一方、パナソニックや象印は、方式は違いますが、プロペラ刃の改良型を投入しています。
刃の「刻む」部分を強化して、特に挽きムラを防止することに主眼が置かれたと思いますが、プロペラ刃の一部の欠点を緩和できていると言えます。こうした仕組みを取り入れた機種も、コーン式同様に評価できるでしょう。
ただ、プロペラ刃は、モーターを高速回転させる関係で、定格運転時間は1分未満です。業務用として、かなりの回数の連続利用は、前提にしないといえます。臼式やコーン式は、この部分の制限は(基本)ないです。
このほか、ツインバードが「臼式」、シナジートレーニングが「フラット式」いうまた違ったタイプを採用します。他社は採用しないため、詳しくは、製品紹介で書きたいと思います。
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結論的にいえば、ミルの種類については、コーン式か、プロペラ刃の改良型が、少し技術水準が高いと言え、味の面に好影響します。
なかでもコーン式が最良ですが、メンテのしにくさの部分で、全自動コーヒーメーカーに向くとも、必ずしも言えない部分があります。
2・フィルタの種類
つづいて、「フィルタの種類」についてです。
「全自動コーヒーメーカー」は、紙フィルタを利用する機種と、(非金属の)パーマネントフィルタを利用する機種とが見られます。
第1に、紙フィルタです。
皆さんお馴染みの味でしょう。
油分(コーヒーオイル)がこされるので、すっきりとした日本の喫茶店の味です。
第2に、パーマネントフィルタ(メッシュ)です。
すこし珍しいかと思います。
(破けない限り)消耗品不要で利用できる形式です。
味は、オイルが通りやすいので、豆本来の個性が楽しめます。ただ、人によっては「重い」と感じる場合もあります。
サイフォン式は、全自動だとないので、説明は省きます。
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一方、ここで注意するべきは、先ほどミルでみた「微粉」という要素です。
プロペラ刃の場合、微粉が発生しやすいとさきほど書きました。
微粉は、紙フィルタならば「こす」のですが、パーマネントフィルタの場合、影響が大きいです。
この点で言えば、プロペラ刃とパーマネントフィルタの組み合わせは、必ずしも、マッチしているとは言いにくい部分があります。
(微粉がややが出にくい)コーン式ならばOKですが、プロペラ刃の場合、(こだわるならば)気にしても良い部分です。
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結論的にいえば、基本的に「喫茶店の味」が好きならば、紙フィルタをしっかり使う製品が無難です。
パーマネントフィルタは、良かれ悪しかれ「個性的」なので、試したことのない方は、紙フィルタ「も」両方使えるタイプにしたほうが良いでしょう。
3・抽出温度
続いて、お湯の温度です。
この部分は、ドリッパーのリブの数や、穴のサイズ、つまり、どの程度お湯が滞留するかで変わるので、一概には言えません。
ただ、全自動式は(やかんではないので)高温を出すためにはそれなりの技術が必要です。各社の「技術の見せどころ」でもあります。
最高で(滴下前)95度、あるいは、100度のスチームというのが、全自動コーヒーメーカーの最高水準です。
その場合、平均で、90度前後で粉に水が注がれています。
ハンドドリップの場合、90度以上だと苦みが強め、それ以下だと、酸味が強めで、苦みはマイルドと言われます(ドリッパーで違いあり)。
ただ、良い豆を使う場合、温度が高くないと出ない酸もありますので、簡単には言えません。
高温が出せる場合、いずれの方面でも豆の個性が楽しみやすいため、豆屋さんは、高温抽出を「おすすめ」する場合が多いです。
欧州のECBC(欧州コーヒーブリューイングセンター)もGOLD基準としては、以上の数字を示しますし、高温を出せるのは無駄ではないです。
むろん、ハンドドリップの場合、甘さや酸味を引き出しやすい低温抽出が良いというバリスタもいますし、深煎りにこだわるコーヒー屋さんは、(高温だとバランスが悪いので)80度台の低温抽出を支持する場合もあります。
ただ、豆の選択肢もユーザーに委ねられている上で、機械が温度制御する部分で、低温抽出は、コーヒーマシンには合いにくい気がします。
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結論的にいえば、今回の話は、ハンドドリップではなく、全自動コーヒーメーカーですので、「それなりの高温」が出せたほうが、Atlasは良いと思います。
100gで400円以下の豆を使う場合、90度以上だせるほうが、豆種や焙煎度によらず美味しくできるでしょう。
その上で、マイコンによる、しっかりめの温度制御に言及がある機種を選ぶと「完璧」でしょう。高温状態が高い機種で長時間抽出すると、終盤で雑味が出やすいためです。
とくに、雑味が落ちやすいメッシュフィルタ式の場合、ここは重要です。なにかしら対策が見られる機種は、記事本編でしっかり言及したいと思います。
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以上、全自動コーヒーメーカーの選び方の基本の紹介でした。
1・蒸らし工程
2・シャワーの均一性
3・ドリッパーの工夫
4・サーバーの断熱性
このほか、上表のように、ほかにも「みるべき点」はありますが、「ややこしくなる」ので、各製品説明のなかで、おいおいお話ししていくことにします。
以下では、冒頭書いたようなメーカー順に、「全自動コーヒーメーカー」をみていくこととします。
1-2・パナソニックのコーヒーメーカー
はじめに、パナソニックの全自動コーヒーメーカーです。
20年以上前からある「超ロングセラー」な機種の最新機です。Atlasも以前使っていました。
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なお、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で書いていきます。
【2025年4月発売】
1・Panasonic NC-A58-K
¥20,000 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
最大容量:4杯分
サイズ: 幅152×奥行272×高さ349mm
【2018年発売】
2・Panasonic NC-A57-K
¥19,800 楽天市場 (4/21執筆時)
最大容量:5杯分
サイズ: 幅220×奥行245×高さ345mm
抽出方式:ペーパーフィルター
抽出温度:(高温抽出)
粗さ調整:2段階
ミル:改良プロペラ式
サーバー:ガラス製
NC-A58は、パナソニックの全自動コーヒーメーカーです。
同社の「ナショナル」時代の製品(NC-A25)からの20年以上にわたるロングセラーでしたが、2025年にフルモデルチェンジしました。昭和時代のナショナル・CARIOCAの伝統を継ぐ最新機です。
NC-A58とNC-A57の主な違いはサイズです。
NC-A58は幅が152mmと5cm幅が狭くなりました。
また、味の選択肢に苦め「ストロング」が加わり3種6モードに増えました。
これは、旧機が他社に負けていた点ですので良い改良です。
抽出量は、ただ、5カップ(670ml)から、4カップ(545ml) に減りました。
その上で、機構上、活性炭フィルタ(=2年交換の消耗品:AC95-119-K)が未装備になったので、カルキ(残留塩素)90%カットの沸騰浄水機能が省略です。
小型化のため、家庭用浄水器の普及でこの部分が不要に思う方が増えたという時代背景のためと、「ストロング」な味を出すために必要な初期高温を出すため、という理由からかなと思います。
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結論的にいえば、全体として言えば、「時代に合わせた大幅な進化」なので、抽出量さえニーズにあうならば「買い替えて良し」に思います。
従来機は2世代使いましたが、製品寿命を含めた問題点もあったと感じるので。
ただ、 従来機は(水ではなく)「沸騰したお湯を浄水」する仕組みだったので、おそらくいわゆる「カルキ臭」の対策は少し良かった部分は感じます。
そのため、浄水部分は、そもそも残留塩素が少ない高度浄水処理の地域(東京、大阪の一部など)や、井戸水利用の地域を除けば、対策は必要でしょう。
お使いでない場合、このブログの【家庭用浄水器の比較記事】で見ているパナソニックの蛇口式を含めた装備があったほうが良いかと思います。
サイズは、幅152×奥行272×高さ349mmです。
先述のように、新機種は15.2cmtと相当に設置性が良くなりました。
それにより余分に廃熱スペースが必要なわけでもないです。
奥行は増えていますが、日本のキッチンだと、このほうが設置性は良いかと思います。
コーヒーポットは、カップ4杯までです。
全自動としては平均的です。
豆の挽き方は、冒頭書いた区分では「改良プロペラ式」です。
一般的なプロペラ式と違って、多刃でかつ縦型のプロペラカッターを利用する方式です。
この部分は定評があり、プロペラ式よりも均一なコーヒー粉が挽けます。
豆を落としていく方式なので、無駄にすりすぎず、挽きムラは少なめです。また、(豆と水だけ設定すれば)杯数設定が不要というメリット性もあります。
静音性は、小型化しましたが、悪化せず、従来通りに思います。
旧機からの買替ニーズもあるでしょうが、問題ないです。使い込む前の刃が新しいぶん、「静か」に感じると思います。
挽き分けは、ミルの下のフィルターを入替で対応します。
粗挽きと中細挽きが引き分けられます。
後述するマイコン制御によるモード変更で6通りの挽分けができます。
あくまでプロペラ式なので、そこまでの粒度調整はしませんが「全自動コーヒーメーカー」ですし、この2種類ができればOKとも言えます。
【200枚】【2-4杯用】
カリタ ペーパーフィルター 102 1×2
¥788 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
コーヒーの抽出は、紙フィルターを使う方式です。
サイズは、1×2のSサイズ(102)が適当です。
抽出濃度はマイコン制御で、マイルド・リッチ・ストロングから選べます。
先述のように、粒度の変更を加味すると6通り、デカフェ(ノンカフェイン)用を含めて7モードとも言えます。
コーヒーの味は、従来機は「日本の喫茶店」風のクリア味志向だったといえます。
ただ、メッシュフィルタの普及もあり最近はコクを楽しむ志向の方も増えたようで、25年の改良で「ストロング」が加わりました。
初期抽出(むらし)で高温を出せるように工夫によるもので、理に適っています。メッシュフィルタのように油分はでないので、やはり「喫茶店の味」系です。
それぞれの味は、同社が得意とする温度センサーによるマイコン制御で調整されます。
抽出温度を高める沸騰循環の工夫、シャワードームによる蒸らしの工夫など、従来機の工夫はそのまま残されます。
滴下も従来通り垂直に行う仕様です。(ハンドドリップの際の)ハリオ式ドリッパーのように、クリア雑味の少ない味です。
抽出濃度は、「マイルド」と「リッチ」の2種類が選べます。
先述のように、挽き具合は2種類ですが、この部分で変化がつけられます。
保温は、容器がガラス製です。
ここは従来機と同じで、煮詰まる欠点です。
保温温度上の工夫はありますが、重量センサーがあるわけでもないですし、熱々でもないです。面倒でも使わず「レンチン」するか、このブログの【真空断熱タンブラーの比較記事】で書いたような製品など、容器面の工夫で対応するのが良いでしょう。
使用後のお手入れは簡単です。
水容器の部分は取り外して洗うことのできる構造です。さらに、ミル部分に水が通る構造なので、コーヒーメーカーで一番面倒なミルの部分のメンテが楽です。
なお、これは旧機もですが、水通し洗浄をするので、2回以上の連続抽出の際に、豆の保水率や油分が多い豆だと、(拭かないと)うまくいかない場合はあります。
カルキ洗浄を怠ったり、経年変化で刃が摩耗してくると増える感じです。
ただ、プロペラ式の全自動コーヒーメーカーの場合、そもそも(他社をふくめ)定格運転時間自体1分未満と短いので、モーター部分でも連続使用は前提とした家電ではないとはいえます。
この部分に問題を感じる場合、そもそも杯数が多いモデルを選ぶか、(定格時間の制限が少ない)コーン式や臼式を選ぶと良いでしょう。
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以上、 パナソニックのNC-A58の紹介でした。
味の方向性は新旧でかわらず、相変わらず美味しいです。
「喫茶店系のクリア味」は従来機同様に出せる上で、ストロングな「今どき」な味もだせる部分で、進化を遂げたと言えそうです。
その上で「蒸らし・抽出温度・水流の均一性」という味と香りの上でのポイントをおさえた上で、「タテ型プロペラミル」でコーヒー粉の均一性も担保されます。
小型化に伴う部分での問題点も「慣れ」で解決できる範囲内で収まります。
この価格帯では有力な候補でしょう。
1-3・象印のコーヒーメーカー

続いて、日本の象印の全自動コーヒーメーカーです。
誰でも知る白物家電の大手ですが、同社もコーヒーメーカーの古豪で、完全全自動式も出しています。
【2021年発売】EC-RS40-BA後継機
3・象印・珈琲通 EC-RT40-BA
¥21,933 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
抽出方式:メッシュフィルタ(紙も可)
抽出温度:95度
粗さ調整:2段階
ミル:改良プロペラ式
サーバー:真空断熱サーバー
最大容量:4杯分
サイズ: 幅345×奥行290×高さ430mm
珈琲通は、象印の全自動コーヒーメーカーです。
サイズは、34.5×29×43cmとパナソニックの機種よりも若干大きめです。
コーヒーポットは、一方でパナソニックより1杯少ない4杯です。
豆の挽き方は、冒頭書いた区分では「改良プロペラ式」です。
パナソニックと刃の形状が違いますが、やはり挽きすぎないので、コーヒー粉の均一性の部分で優れます。
したがって、杯数設定せずに、淹れた豆を全て利用するシンプルかつ便利な方式です。
パナソニックと同様にフィルター制御で粗挽きと中細挽きが選べる仕様です。
コーン式と違って、あまり細かく分けられない部分はあります。
コーヒーの抽出は、メッシュフィルターとペーパーフィルターを選べる方式です。
冒頭書いたように、プロペラ式は微粉が出やすい難点があるので、影響を受けやすいメッシュフィルターと相性は少し微妙です。
象印は、2021年の新機種から(従来と逆に)「紙フィルター」を説明書の標準説明に変えました。
ただ、引き続き、構造的に、浅煎りの豆やデカフェなどを濃く淹れようとする場合、ペーパーフィルターだと溢れることがあるので、注意は必要です。
共用構造ゆえの、象印特有の注意点と言えます。
なお、小型のマグ(高さ16.8cm・外径7cmまで・口径3cm以上)に、直接淹れることも可能です。
象印 ステンレスマグ SM-ZB36
¥3,680 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
例えば、パッキン一体型メンテが楽な、同社の「シームレスせん」の同社の360mlクラスのマグならば、(ふたを外せば)この規格に該当します。
コーヒーの味は、同社も工夫があります。
抽出温度は、注目点です。
同社が昔からこだわる部分で、ヒーター部を2回くぐらせ、マイコン制御で水をヒーター手前で前後させる構造で、95度の温度を確保します。
さらに、ドリッパーをステンレス製にし、さらに断熱構造にすることで、ドリップ時の水温低下を防ぐ構造です。
水路途中での温度低下がないので「タンク内で沸騰させるパナソニックより」実質的に高温でドリップしていると言えます。
なかなかのアイデアだと思います。
ただし、パナソニックと比べると、滴下するお湯の均質性については詳しい説明がないです。蒸らしについても、マイコンによる約20秒蒸らし時間の記述はありますが、制御については、センサーを伴うパナソニックの方が細かいでしょう。
こうした点で、「お湯の温度」のみの技術で「一点突破」をはかっている機種とは言えます。
また、パナソニックと比べた場合、活性炭フィルターは不採用です。
濃度は、パナソニック同様、「普通」と「濃い目」の2種類の選択ができます。
保温は、象印の「最も優れた部分」です。
水筒を含め、この分野に強い同社の技術力を活かし、真空二層式断熱構造で、長時間冷めない仕様です。
この点は、パナソニックに優る点でしょう。
使用後のお手入れは、分解して全体が丸洗いできる構造で、簡単だと言えます。
ミルも、この機種も、プロペラ部分にお湯が通る構造であり、お手入れが楽です。
一方、ミネラルの付着をとるためのクエン酸洗浄の頻度が、新機種になって従来の「3ヶ月に1度」から「4週間に1度」となりました。
高温にするためにパイプが細いからかもしれませんが、パナソニックより頻度は高そうです。
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以上、 珈琲通 EC-RT40の紹介でした。パナソニックとどちらにするか迷う機種です。
象印は、抽出温度の高さと、ステンレス製のサーバーが付くのが魅力です。
一方、パナソニックは、得意のセンサー制御技術を使いつつ、「浄水」「抽出温度」「シャワー水流」「蒸らし」というペーパードリップの基本を丁寧におさえた機種です。
判断は難しいですが、総じて言えば、朝作って、1日かけて飲んでいくなら象印を選んで良いでしょう。
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【2020年発売】
4・象印・珈琲通 EC-SA40-BA
¥16,766 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
抽出方式:メッシュフィルタ(紙も可)
抽出温度:95度
粗さ調整:2段階
ミル:改良プロペラ式
サーバー:ガラス製
最大容量:4杯分
サイズ: 幅240×奥行250×高さ320mm
なお、象印からは、2020年に下位機種となるEC-SA40という製品も登場しました。
違いは、サイズです。
従来機は、パナソニック機に比べて、ステンレス製サーバを採用する分、スペースが必要でした。
そのため「保温不要」な人に向けて、ガラスサーバーに変更しています。
一応、マイコン制御でに詰まりを防ぎつつ2時間保温する機能はありますが、基本的には「保温なし」設定で、使いたい方向きです。
小型化したので、先ほど紹介したマグ(水筒)は使えません。
抽出技術は、基本的に上位機と差はないです。
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結論的にいえば、確実に「保温しない」ならば、設置性ほか、値段の面で、本機を選んで良いと思います。
ただ、そうなると、用途的に、パナソニック機との比較になるでしょう。どちらがおすすめかは、記事の最後で改めて考えたいと思います。
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【2023年発売】
5・象印 珈琲通 EC-CD40-TD
¥6,436 楽天市場 (4/21執筆時)
【2014年発売】
5・象印 珈琲通 EC-CB40-TD
¥9,750 楽天市場 (4/21執筆時)
抽出方式:ペーパーフィルター
抽出温度:
ミル:プロペラ式
サーバー:ガラス製
最大容量:4杯分
サイズ:幅305×奥行150×高さ245mm
なお、象印の場合、「半自動」といえるEC-CD40のラインナップもあります。
新旧両機種ありますが、性能は同じです。
こちらもミル付きですが、プロペラカッターで引いた粉を手で移す必要があります。
性能的には、同社の製品としては珍しく、抽出温度の保証がない機種ですし、特段の見どころはないです。
1-4・シロカのコーヒーメーカー

続いて、日本のシロカの全自動コーヒーメーカーです。
デザイン面で優れ、また、ワンポイントの機能性もある白物家電のラインナップを近年増やしています。
【ガラスサーバー】
【2023年発売】(黒)
6・シロカ カフェばこ SC-A352
¥17,880 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
【2019年発売】(黒)
7・シロカ カフェばこ SC-A351
¥18,380 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
【シロカストア限定】(シルバー)SC-A211SK
8・シロカ カフェばこ SC-A211
¥11,097 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
【ステンレスサーバー】
【2023年発売】(シャンパンシルバー)
9・シロカ カフェばこ SC-A372
¥19,780 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
【2019年発売】(黒)
10・シロカ カフェばこ SC-A371
¥17,800 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
【一部店舗限定版】(執筆時在庫なし)(黒)
11・シロカ カフェばこ SC-A211S(K)
¥(14,980)
抽出方式:メッシュフィルタ
抽出温度:
粗さ調整:
ミル:プロペラ式
サーバー:ガラス製
最大容量:4杯分
濃さ調整:
サイズ: 幅162×奥行280×高さ264mm
カフェばこは、シロカのコーヒーメーカーです。
調理家電において最近目立っているメーカーです。
ポットが、ガラスの製品とステンレスの製品がありますが、本体部分は同じです。
2019年旧機種は、後述するテイスト調整の機能がない点が主な違いです。
シロカ限定(写真)は、ガラスサーバーですが、テイスト調整ほかさらに予約タイマーも省略となります。また、こちらだけ、給水タンクの外しが不可です。ただ、コーヒー豆が200gおまけで付きます。
このほか、こちらだけ、杯数ごとではなく、1−2杯、3-4杯で2モードの淹れわけなので、味の面でもやや差がつくと言えます。
一部店舗限定の SC-A211Sは、シロカ限定と同じ仕様で、サーバーをステンレスにしたものです。当然ですが、鮮度の関係でコーヒー豆は未付属です。
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結論的にいえば、価格差分の機能差はあると言えます。特にタンクの部分は、給水は「やかん」などを用意すれば良いですが、メンテ性は落ちるでしょう。
あとは、同じです。以下では、現行機をベースにみていきます。
サイズは、幅16.2×奥行28×高さ26.4cmです。
やはり、専有面積は少なめで済む機種です。
コーヒーポットは、4カップまでのコーヒーが一度に抽出可能です。
全自動式はこのスペックが標準です。
豆の挽き方は、プロペラ式です。
象印・パナソニックと違い改良型でないので、抽出杯数のボタン設定が必要です。
また、冒頭書いたように、コーヒー粉の均一性もイマイチでしょう。
中細挽きなどの挽き分けも非対応で、シンプルです。
コーヒーの抽出は、メッシュフィルターを使う方式です。
ただ、微粉が出やすいプロペラ式の相性は、あまり良くないとは言えます。
コーヒーの味は、メッシュフィルターなので、「油分が多めでコクが強い」傾向になります。
本機の場合、香りを引き出すために重要な「蒸らし」をマイコン制御で再現している点に見所があります。メッシュ式は、お湯が滞留しにくいため、この仕組みがあると「美味しく仕上がる」でしょう。
コーヒーの濃さは、24年機から、蒸らし時間の長短の調整で、リッチ・マイルドで調整されるようになりました。
保温は、下位機種がガラス製ポット、上位機種が、ステンレス製ポットです。
ただし、シロカの場合、ステンレスでも真空断熱ではなく、保温効果はない点は注意してください。
あくまで、「割れにくい」という利点のみです。
いずれにしても、基本的に淹れてすぐ飲むことを前提に作っている機種なので、30分後に電気が自動停止します。
使用後のお手入れは、やや複雑です。
メッシュフィルタとミルが一体であるため、ミル部分とフィルター部分を同時に掃除する必要があるからです。
また、どれもパーツが小さく、デロンギに比べて洗いにくいのがネックです。
そのほか、この機種は、本体に時計機能があり、タイマー設定ができます。
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以上、シロカのカフェばこの紹介でした。
わりと安めで全自動コーヒーメーカーが手に入るのがメリットです。
構造的な問題もないですが、メッシュフィルターしか使えないので、クリアな一般的なコーヒーの味とは異なる部分に注意が必要です。
また、微粉が多く、雑味も出やすいプロペラ式ですが、マイコン制御の蒸らしなど良い部分もあるので、全体として言えば、この価格帯ではおすすめできる製品です。
【2023年発売】(一部21年)
【ガラスサーバー】SC-C111後継機
12・siroca コーン式 SC-C112
¥20,500 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
【真空二重ステンレスサーバー】
13・siroca コーン式 SC-C121
¥(19,800) Amazon.co.jp (4/21執筆時)
【真空二重ステンレスサーバー+ステンレスフィルタ】
14・siroca コーン式 SC-C125
¥19,800 楽天市場 (4/21執筆時)
抽出方式:ペーパーフィルター
抽出温度:90度?
粗さ調整:無段階
ミル:コーン式
サーバー:上記参照
最大容量:4杯分
サイズ: 幅160×奥行270×高さ390mm
SC-C112は、同社の上位シリーズです。
3機種ありますが、大きくは、サーバーの違いです。
下位機は(煮詰まる)ガラス製ですが、中位機以上は、保温対応の真空二重ステンレスサーバーです。さらに、上位機は、ステンレスフィルターを装備しますので、ペーパーフィルタなしでも抽出できます。
ただし、中位機だけは、1世代前(2021年)なので、ミルの部分で、ひき時間(粒度)の設定が不可になります。
あとは、ほぼ同じなので、同時にみていきます。
サイズは、幅16×奥行27×高さ39cmです。
「設置性」は割と良好な機種です。
コーヒーポットは、4杯分です。
全自動式としては平均的です。
なお、上部には、100g分の豆容器(ホッパー)が付属します(約10杯)。推奨はしませんが、豆のストックは可能です。
入れたい杯数を入力してからの抽出となります。
豆の挽き方は、本機は、円錐型のコーン式(コニカル刃)です。
ここが最大の魅力です。
プロペラ式に較べて、挽きムラ・熱対策・微粉の少なさと「味」にかかわる部分で、性能が良いからです。
豆の味に最大限「こだわる」場合は、この機種は「ダントツ」です。
挽き具合も、粗挽きから細挽きまで無段階で調整可能です。
プロペラ式と違って、回転速度が遅いので、細かい調整が可能だからです。
コーヒーの抽出は、紙フィルターを使う方式です。
ただし、SC-C125は、ステンレスフィルターを利用することも可能です。
この場合、脂分が多めでコクのある味となります。
コーヒーの味は、コーン式だけ、コーヒー粉の質は最も期待できます。
なお、シロカは「理想的な抽出温度は90度」と宣言するものの、その抽出温度に対応するかは明示しません。
一方、本機には、味の面で、「マイルド」と「リッチ」の2種類が選択できます。
蒸らし時間(湯量・時間)でこの部分を調整しているとのことです。
保温は、下位機種はガラス製であり、30分限定の保温機能が付属します。
上位2機種は、ステンレスサーバーが付属し、電気を使わない保温に対応できます。
使用後のお手入れは、水タンクは外せる構造です。
ただ、ミルがコーン式なので、この部分のメンテは一手間必要です。
冒頭書いたように、全自動コーヒーメーカーは「時短」要素で選ばれる方が多い点から、コーン式が必ずしも上位とは言いにくい部分があります。
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以上、 シロカのコーン式全自動コーヒーメーカーの紹介でした。
味の部分では、コーン式は優秀です。ミルの部分では、明らかに優れた機種と言えます。とくに「アロマ」の引き出しやすさは、言及に値するでしょう。
一方、抽出技術の部分で、もうすこし説明が欲しい部分と、メンテのしにくさは課題です。いずれにしても、手間も含めて「楽しめる」方におすすめします。
【2022年発売】
【ガラスサーバー(6杯)】
15・シロカ カフェばこPRO SC-C251(K)
16・シロカ カフェばこPRO SC-C251(HL)
¥29,700 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
【ガラスサーバー(6杯)+ステンレスフィルタ】
17・シロカ カフェばこPRO CM-6C261(K)
18・シロカ カフェばこPRO CM-6C261(HL)
¥29,700 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
【真空断熱サーバー(4杯)】(24年追加)
19・シロカ カフェばこPRO SC-C271TD
¥32,450 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
抽出方式:ペーパーフィルター(メッシュ可)
抽出温度:94度・84度
粗さ調整:無段階
ミル:コーン式
サーバー:ガラス製/ 真空断熱
最大容量:6杯分
濃さ調整:
サイズ: 幅166×奥行273×高さ421mm
カフェばこPRO SC-C251は、シロカの最上位機です。
1つ上でみた中位機は「カフェばこ」という名前を使いませんが、本機は下位機と同じこのシリーズ名です。
3系統あります。
CM-6C261Kは、通常別売の純正のステンレスフィルター(メッシュ)が付属です。
そのかわり、後述するデカフェコースが省略です。
シロカ SC-C251TCF(G)
¥2,980 楽天市場 (4/21執筆時)
フィルターににこだわる場合、チタンコートフィルターが別売されます。通常機でも使えるので、あとで買い足すでも良いでしょう。
SC-C271TDは、24年に追加された製品です。
こちらは、サーバーが真空断熱ですが、おそらく形状的な部分で、4杯までと少し少なめです。
デカフェコースはあります。ヒーターによる保温は(むろん)こちらはないです。
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結論的にいえば、杯数に問題がなければ、断熱サーバーのモデルが良いでしょう。
サイズは、幅166×奥行273×高さ421mmです。
同社の製品としては最も大きいです。「カフェばこ」とは言っても、LLサイズです。
なお、上部の豆ホッパーは200g入ります。
コーヒーポットは、6杯分です(真空断熱は4杯)。
面白いのは、水量自動計量です。
適当に水を入れても、指定した杯数に応じて水量(と豆量)を自動で使う仕組みです。
メリタほか、他社機でも搭載例はありますが、シロカでは初装備です。
本機は、0.83Lと割と水タンクに水量が多めに入るので、1日に2-3度、少量ずつ淹れたいという場合、ここは利点になります。
コーヒーカスだけ捨てれば、2度目からは1アクションでコーヒーが入るからです。
残り水の衛生性の問題はありますが、72時間経過後に水替えサインがでる仕様で、対策があります。
加えて、本機は、マグに直接淹れられる機能も付属します。
(こぼれ防止という意味で)水量自動計量機能をここでも活かしていると言えます。
このように、水量自動計量は、本機の「売り」です。
将来性は割とありそうです。
例えば、【真空断熱タンブラーの比較】で書いたような、500ML前後の背の高い断熱タンブラーやマグに、定量を選択して淹れられるよう進化したら、(Atlasのように大量に呑むものには)より便利に思えます。
形状的に難しそうですが、ガラス製サーバーしか使えない本期の弱点の緩和になるでしょうから。
また、豆の種類(焙煎度)や好みの味に応じて、水量も計算する仕様にできても面白いかと思いました。
豆の挽き方は、1つ上の中位機の使用を踏襲していて、コーン式(コニカル刃)です。
この部分の良さは先ほど書いた通りです。
引き具合は、本機も、無段階で調整可能です。
コーヒーの抽出は、紙フィルターを使う方式です。
中位機同様に、ステンレスフィルタも用意され、油分を残した味にすることもできます。
コーヒーの味は、本機は、温度の部分で工夫があります。
浅煎り向けの94度、深煎り向けの84度という提案で、2種類が可能だからです。
こちらも、先行例は他社にありましたが、94度という高温で出せる部分はそれでも特色です。
もちろん、市販品に多い中煎りはどうするのか?という疑問はありますし、プログラムして、複数の温度帯で抽出したほうが、豆の潜在能力は出しやすいという点はあります。
ただ、これらを差し引いても、同じコーヒー豆で「味に変化を付けられる」のは、良い部分に思えます。
基本的に「煎り方」で分けるような提案ですが、例えば、浅煎り(と言うより酸味が特徴の品種)の場合、「84度」で出せるならば、(昔ながらの意味での)酸味はより強調されるでしょう。
いずれにしても、温度が選べるのは、本機の「メリット性」です。
味調整は、この高温・低温という指標で行います。
1つ上でみた中位機種は、蒸らし時間の調整で「マイルド・リッチ」と味の変化を付けていました。しかし、この部分は(逆に)未搭載になりました。
一方、デカフェ(カフェインレス)の豆専用のコースがあるのは、珍しく本機のワンポイントです。
保温は、ガラスサーバーモデルは、30分限定の保温機能が付属します。
ガラス製は煮詰まるので、保温をするならば、真空断熱モデルが良いでしょう。
なお、カタログで、シロカは事前にサーバーを温めて、コーヒー冷めを防ぐ「サーバーあたため機能」の新搭載を強調します。エスプレッソマシンの「カップウォーマー」のような発想です。
ガラス製サーバーならば 格安機でもたいがいそのような仕組みでしょう。ただ、ガラス製サーバーの「良い部分」とも言えそうだと、個人的に気づきがありました。
使用後のお手入れは、1つ上でみた中位機と変わりません。
水タンクは外せる構造ですが、ミルの部分のメンテは気を使う部分はあります。
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以上、 シロカのカフェばこPRO SC-C251などの紹介でした。
明示的に抽出温度が示され、味に変化が付けやすい点と、豆と水の補給不要で、1日1回準備をすれば数回コーヒーを淹れられる点とが、本機の良い部分です。
フィルターを交換するだけで、1アクションでコーヒーが入るのは、とくに便利に思えました。
一方、中位機とどちらにするのか迷う製品です。
本機が(ほぼ)正確に94度と84度が出せる構造だとすれば、「蒸らし」で変化をつける中位機より、「温度」で変化をつける本機の方が、豆の個性を引きだし、味の変化もつけやすいと思います。
ただ、その部分をふまえても、この値段差ならば中位機がお買得でしょう。
1-5・メリタコーヒーメーカー

続いて、ドイツのメリタの販売する全自動コーヒーメーカーです。
世界的なコーヒー器具メーカーで、そのロゴは、ペーパーフィルタでもお馴染みです。
【2022年発売】
20・メリタ アロマフレッシュ AFT1022-1B
¥29,980 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
【2020年発売】
21・メリタ アロマフレッシュサーモ AFT1021-1B
¥41,000 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
抽出方式:ペーパーフィルター
抽出温度:
粗さ調整:3段階
ミル:コーン式
サーバー:真空断熱サーバー
最大容量:10杯分
サイズ:幅263×奥行237×高さ441mm
AFT1022-1Bは、メリタの全自動コーヒーメーカーです。
旧名は「アロマフレッシュサーモ 」でした。「サーモ」という言葉が取れましたが、仕様を見る限り、サーモ(温度センサー)がなくなったなどではないようです。
旧機種との違いは、豆ホッパーの形状がすこし変わった程度です。
「メリタゴールドスタンダード」として温度や抽出の自社基準を新しく明確化していますが、システムは同じなので味は同じです。特長である、細かい抽出調整も給気でも可能です。
結論的にいえば、値段で決めてOKです。
サイズは、 幅263×奥行237×高さ441mmです。
他社の全自動コーヒーメーカーと比較して、大きめです。
コーヒーポットは、10杯分です。
大量に抽出できるので法人用にも向きます。
なお、後述するように、メリタは独特のドリッパー形状なので、コーヒー豆(粉)の量が少なめですみます(1杯あたり約7g)。
本機は、杯数は、ボタンで調整します。
豆の挽き方は、コーン式です。
シロカでも説明したように、豆の均一性・熱の入りにくさ・微粉の少なさで優れます。
シリーズ名の「アロマフレッシュサーモ 」通り、アロマ香を引き出しやすいです。
杯数は、あらかじめボタンで調整する仕組みです。
挽き具合は、ダイヤルで3段階調整が可能です。
十分ですが、コーン式としては、選択肢は少なめです。
【4〜8杯用 80枚】
Melittaペーパーフィルター 1×4
¥398 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
コーヒーの抽出は、紙フィルターを使う方式です。
スーパーでも見かける紙フィルターは「メリタ製」が多いですし、それを利用します。
杯数が多いので、1×4サイズを指定しています。
コーヒーの味は、コーン式という方式以外の部分を含め、期待値が高いです。
先述のように、メリタは、ドイツの老舗のコーヒー器具メーカです。そして、「名機」と呼びうるハンドリッパーをもっています。
「メリタ式1つ穴抽出法」と呼ばれる、1908年に発明された相当歴史のある方式です。。
時間をかけてじっくり抽出するので、ハンドドリップでも(割と)コツ要らずにアロマを引き出せるドリッパーで、全自動式には向くと言えます。
抽出温度については、特段情報がないです。
濃度は、ディスプレイで「マイルド・ふつう・ストロング」の3段階で調整できます。
保温は、本機も、断熱構造のタンクをもちます。
長時間の保温も対応できるでしょう。10杯対応の機種ですし、この部分は嬉しいです。
そのほか、本機はタイマー設定が可能です。
使用後のお手入れは、ホッパー・水タンクを外して洗えるので、この部分はお手入れが楽です。
ただ、コーン式なので、下歯が取れず、上歯も水洗いもできないので、ブラシやダスターで、定期的なお手入れは必要です。
メンテの楽さでは、改良型プロペラ式がだいぶ有利です。
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以上、メリタのアロマフレッシュサーモ の紹介でした。
家庭用としては、基本的に「大きめ」でしょう。ただ、法人などで利用する場合は、抽出杯数の多さが活きてきます。
「メリタ式1つ穴抽出法」は、「ふつうに美味しいコーヒー」が淹れやすいため、大人数の利用にも向くと思います。調整がシンプルなのもその用途をふまえているかと思います。
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【2022年発売】AFG621-1B後継機
22・メリタ アロマフレッシュ AFG622-1B
¥24,480 Amazon.co.jp (4/21執筆時)
抽出方式:ペーパーフィルター
抽出温度:
粗さ調整:3段階
ミル:コーン式
サーバー:ガラス製
最大容量:6杯分
サイズ: 幅235×奥行205×高さ400mm
なお、メリタからは、本機の下位機種の販売があります。
上位機と比較して、6杯分となった代わりに、すこし小型です。
保温は、しかし、ガラス製サーバーです。
保温機能を利用しない方で、「メリタ式1つ穴抽出法」を試したい方は、本機を選んでも良いかと思います。
ただし、先述のメンテ性と、本体価格は「課題」とはなります。
次回に続く
全自動コーヒーメーカーのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今日は、全自動コーヒーメーカーの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
2・全自動コーヒーメーカーの比較 (2)
2-1:アイリスオーヤマ〈日本〉
2-2:ツインバード〈日本〉
2-3:その他の企業〈各社〉
2-4:最終的なおすすめの提案【結論】
続く2回目記事(こちら)では、今回紹介できなかった各社の製品を追加で紹介します。
抽出の工夫 ★★★★★
長時間保温 ★★★★★
お手入れ ★★★★☆
濃さの調整 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、ここまで紹介した全機種から、いつものように、Atlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
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