Top PC用液晶モニター 比較2023'【31.5型】4Kモニター38機の性能とおすすめ:31.5インチ 32インチ(1)

2023年06月18日

比較2023'【31.5型】4Kモニター38機の性能とおすすめ:31.5インチ 32インチ(1)

【今回レビューする内容】 2023年 31.5インチのPC用4K液晶ディスプレイの価格・性能とおすすめ・選び方: 31.5インチ・32インチ編

【比較する製品型番】Dell U3223QE S3221QS UP3221Q 8K UP3218K LGエレクトロニクス 32UN650-W 32UQ850-W 32UN550-WAJP 32UP550N-W 32EP950-B 32UN500-W 32UN880-B 32SQ780S-W 2SQ730S EIZO FlexScan EV3240X-BK EV3240X-WT EV3285-BK EV3285-WT フィリップス 329P1H/11 HP U32 4K HDR iiyama ProLite XB3288UHSU BenQ PD3205U PD3205UA EW3280U EW3270U SW321C VA32UQ ASUS ProArt PA32UCX-P PA32UCX-PK ProArt PA32UCG ProArt PA329CV VP32UQ ProArt Display OLED PA32DC PA32UCR-K MSI Creator PS321URV JAPANNEXT JN-V315UHDR-C65W JN-V315UHDR JN-IPS315UHDR JN-IPS3201UHDR Apple Pro Display XDR FFF IRIE FFF-LD32P5 IODATA EX-LD4K321VB

今回のお題
最新4K液晶ディスプレイのおすすめはどの機種?

 ども、Atlasです。

 今日は、2023年6月現在、最新の、31.5型前後の大きめ4K液晶モニターの比較です。

 パネル自体の品質やスタンド部分の調整力、あるいは、明るさセンサーなどの独自の工夫などに注目しながら、長時間作業でも「目が疲れにくい」モニターを提案していきます。

 細かい部分では、保証期間の長さや保証内容にも注目しました。

 201502111423.jpg

1・4Kモニターの比較 (1)
:サイズ:27型・28型
;解像度:4K 5K
2・4Kモニターの比較 (2)
:サイズ:31.5型・32型
;解像度:4K 6K 8K
3・4Kモニターの比較 (3)
:サイズ:40型以上
;解像度:4K
4・4Kモニターの比較 (4)
:サイズ:23.8型以下
;解像度:4K
5・4Kモニターまとめ
=最終的なおすすめ機種の提案

 今回の記事は、このブログの4Kモニター比較記事全体の2回目記事です。

 201408111135.jpg

 前回の1回目記事では、(1サイズ小さな)27インチ機をみました。

 また、そちらの冒頭で「画面サイズの選び方」ほか、「4Kモニター特有の注意点」などを含めて、基本的な選び方についての解説もしました。

 今回の記事から読まれても問題ないですが、スペック面での選び方の基本を知りたい場合、1回目記事こちら 】からお読みいただくと、よりわかりやすいかと思います。

  202003311545.jpg

6・4Kゲーミングモニターの比較

 一方、このサイズの4Kモニターのうち、高リフレッシュレート対応の「ゲーム専用」は、記事を「完全に別のもの」にしています。

 こういった製品をお探しの場合、以上のリンク先の記事をご利用ください。

 よろしくお願いします。

液晶パネルの画質 ★★★★★
目の疲れにくさ  ★★★★★
動画・ゲーム対応 ★★★★★
品質保証     ★★★★★
総合評価     ★★★★★

 というわけで、以下では、各社のモニターを一機ずつ比較していきます。

 そして、最後の「結論」では、上表のような観点から、「Atlasのオススメ機種」を提案していきます。

1-1・31.5型4Kモニターの選び方の基本

 202108101135.jpg

 はじめに、簡単に「サイズ」に関する「選び方の基本」だけ説明しておきます。

 1サイズ小さい27型機に較べる場合、31.5型は、横に5cm程伸びたサイズです。

 ご家庭のデスクで作業をする場合は、31.5型が「限界のサイズ」と言えます。

 202112091902.jpg

 ただし、70cm程度の奥行の机で利用すると、31.5型は目が疲れやすいサイズです。

 画面の左右で視線の移動が多くなること、また、モニターと目が近すぎて目に入る光量が多くなることが、主な理由です。

 最近は「ブルーライト」が悪者にされることが多いですが、距離というのは、それよりも(よほど)大事な部分です。

---

 結論的にいえば、(どうしても)作業領域が必要な方や、デザイナーなどに限って、31.5型をおすすめします。

 Atlasの場合、老眼世代の方を含めて、家庭用としては、27型モニターを友人に「おすすめ」することが多いです。

 202108101141.jpg

 なお、31.5インチ(698×393mm)と32インチ(708x399mm)は、画面サイズ的にほとんど変わらないと言えます。

 分けて考えてもあまり意味がないので、同じものとして考えてください。

ーーー

1・31.5型4Kモニターの比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:DELL〈米国〉
 1-3:LG〈韓国〉
 1-4:EIZO〈日本〉
 1-5:フィリップス〈欧州〉
 1-6:HP〈米国〉
2・31.5型4Kモニターの比較 (2) 
 2-1:イイヤマ〈日本〉
 2-2:BenQ〈台湾〉
 2-3:ASUS〈台湾〉
 2-4:Apple〈米国〉
 2-5:その他の製品
3・4Kモニターの比較
 3-1:最終的なおすすめの提案【結論】

 というわけで、具体的な4K(5K)モニターの比較に入ります。

 今回は、上表のようなメーカー順に、製品を紹介していきます。

1-2・デルの4Kモニターの比較

 202108071210.jpg

 はじめに、米国デルの4Kモニターです。

 昔から4Kモニターにはわりと力を入れていて、いくつも人気モニターを輩出してきた企業です。

 なお、同社は31.5インチの8Kモニターを出しますが、そちらについては(特殊なので)全体の記事の最後でみるつもりです。

----

 なお、以下では、イマイチな部分は青字系で、高評価できる部分は赤字系で、本文を書いていきます。


 202204131330.jpg

 【2022年発売】【31.5インチ】

 【通常型番】

 1・Dell U3223QE
  ¥99,800 Amazon.co.jp (6/18執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:400cd/u
パネル:Nano IPS Blackノングレア
コントラスト比:2000:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR400
USB給電: 90W
接続端子:HDMI2.0 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

 U3223QEは、DELLの販売する31.5インチの4Kモニターです。

 202204130954.jpg

 「デジタルハイエンドシリーズ」という同社の一般向けの上級ラインの最新機となります。

 202204131039.jpg

 液晶パネルは、IPSパネルを、採用します。

 視野角が広く、目にも優しいという点で、仕事に向くパネルです。

   202204130932.jpg

 一方、IPS液晶には、いくつかの種類(グレード)があります。

 本機は、IPS Blackパネルで、2022年1月の見本市(CES)で発表されたLGの新型です。

 IPSが従来弱かったコントラスト部分にメスをいれ、2000:1というIPS液晶としては従来の2倍の水準の数値です。

 その点で、黒表現力を高めた映像(特に動画)向けたパネルです。

 バックライトに工夫のある製品(miniLEDモニターほか)を例外とすると、(普通のモニターでは)もっともこの部分の性能が良いです。

 「目の優しさ」の部分では、コントラストはあまり意味がないですが、映像美の部分の進化として意義深いです。

 202204131345.jpg

 色空間は、ディスプレイの色域を知るために必要な数値です。

 一般的にはあまり気にしなくて良い数値ですが、「鮮やかさ」をしる手がかりになります。また、デザイン用に探している方には、ここが重要になります。

 本機については、動画コンテンツで重要なDCI-P3はカバー率98 %です。

 一方、写真など静止画向けに重要なAdobe RGBカバー率は出していません(sRGBカバー率は100%)

---

 結論的にいえば、キャリブレーション機能もないので、本機専門的なデザイナー用ではないです。

 ただ、一般的ユーザー向けにはかなり良いスペックです。

 202204131030.jpg

 他方式との、ざっくりとした比較表を出しておきます。

 IPS Blackパネルは、黒表現は(VAやに及ばないものの)従来のIPSより上です(現状でNano-IPSよりも少し下)。

 ただ、コスパは良く、高レベルでバランスが良いと言えるで液晶です。

 202204121610.jpg

 液晶の輝度は、400cd/uです。

 映像コンテンツの進化で、家庭用機でも、要求される輝度は最近増しています。

 この数字は、抜群に良くもないですが、逆にあまり高すぎると、(普通の)仕事用にうまく合わない場合もあるので、このくらいで十分です。

 HDRは、HDR400に対応です。

 ノングレア(非光沢)パネルなので、反射の心配もありません。

 応答速度は、オーバードライブ時、5ms (GTG)です。

 通常時は8msですが、問題のないレベルです。

 画質調整機能は、わりと「あっさり」です。

 「目の優しさ」の部分は、低輝度利用時のチラツキを防止するバックライトのフリッカー対策と、最近搭載が多いブルーライトカット機能は付属です。

 これらは、どのモニターでも対応です。

 「映像美」の部分では、一方、特段の機能は明言されません。

 米国系の企業は基本、PCに任せる方向性で、最低限レベルの場合が多いです。

 ただ、モニターのマニュアル調整については、後面ジョイスティックで操作できるなど、配慮はみられます。

 202204130948.jpg  

 接続端子は、HDMI2.0x2 DisplayPort USB-Cです。

 USB-Cについては、アップストリームポートもあるので、デイジーチェーン(数珠つなぎ)も可能です。

  202112091314.jpg

 また、USB-C端子は、90WクラスのUSB-給電対応です。

 そこそこ大きなノートPCならば、速度低下なしに充電もできる水準です。

 HDMI端子は、2.0規格なので、4KHDR信号も通ります。

 202203011450.jpg

 加えて、本機にはUSBハブ(ダウンストリームポート)も搭載です。

 コネクタ形状は(丸い)USB-Cが1つ,(四角い)USB-Aです。

 速度は、いずれもUSB3.1クラスですので、高速対応です。

 ハブのUSB-Cを給電に使う場合は、USB-Cのみ15W給電が可能です。

 202204130949.jpg

 スタンドの品質は、前後左右高さ回転と全てに対応する「フルスペック」です。

 調整幅は、チルト角度(上21° 下5°)、高さ(15cm)、左右(90度)と縦回転に対応します。

 他社高級機と比べても可動範囲で引けをとりません。 

 「目の優しさ」の部分で、アームの性能は重要ですし、本機はこの部分でも優秀です。

 202007011739.jpg

 保証は、3年です。

 DELLのハイエンドラインのモニターは、普通の保証以外に、「3年間のプレミアムパネル交換保証(無輝点保証)」があります。

 常時消灯(黒点)こそ保証されませんが、この部分も、同社の「売り」と言えます。

---

 以上、DELLU3223QEの紹介でした。

 良いパネルを使いますが、仕様的に「デザイナー用」ではなく、「デジタルハイエンド」の名前が示すように、一般ユーザーで画質の良いものを探している方に向く機種です。

 「映像美」の部分に注目して選びたい場合、IPS Blackパネルは選択肢になります。

 QLED(量子ドットLED)を採用する機種と違い、輝度表現や色域の部分で「味付け濃いめ」でもないので、(一般的な)仕事との兼用にも向くと思います。

 他社に比べてアイケアの部分で強い仕様でもないですが、モニター用としては向くかと思います。


  202108101233.jpg

 【2020年発売】【31.5インチ】

 2・Dell S3221QS
  ¥59,800 Amazon.co.jp (6/18執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:300cd/u
パネル:VAノングレア
コントラスト比:3000:1
応答速度:4ms (GtoG)
HDR:HDR
USB給電:
接続端子:HDMI DP USB-C
接続端子:HDMI2.0×2 DP
スタンド:チルト 高さ
VESA:100mm
スピーカー:5W
4K動画再生:HDCP2.2   
保証期間:3年

 S3221QSは、SシリーズというDELLの入門用ラインの製品です。

  202108101240.jpg

 液晶パネルは、本機の場合、コントラストが高く「黒の締まるVA液晶です。

 その上で、本機は、曲面ディスプレイを採用します。

 独特の没入感があり、その部分で人気です。

 202204131039.jpg

 ただ、VA液晶自体「ギラツブ」とも呼ばれる独特の粒状感があり、視認性の面でIPSに大きく劣ります。

 その上で、曲面ディスプレイなので、ブラウジングを含め、テキストを見つめる系の仕事は向きません。実際、その類の作業をしている挿絵は、DELLも載せてはいません。

 一方、ゲーム・動画は、HDRが400に達しない水準であること、また、ゲーミングについては、リフレッシュレートが普通です。

---

 結論的にいえば、近未来的な「かっこいいデザイン」ですが、それ以上のメリット性は、どの用途においても、あまりないように思えます。

 あまりおすすめするポイントはありません。


 202104271501.jpg

 【2021年発売】【31.5インチ】

 3・Dell UP3221Q
  ¥528,125 Amazon.co.jp (6/18執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:1000cd/u
パネル:IPS mini-LEDノングレア
コントラスト比:1300:1
応答速度:6ms (GtoG)
HDR:HDR1000 HLG
USB給電:90W
接続端子:HDMI×2 DP USB-C×2
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2   
保証期間:3年

 UP3221Qは、DELLの 31.5インチのプロ向けのデザインディスプレイです。

 完全に「デザイナー向け」で、価格面を含めて多くの方には他山の石でしょう。ただ、最高峰モデルを知れば、現在の技術水準が分かる部分で、安めの機種を買う際にも役に立つかと思います。

 202204131030.jpg

 液晶パネルは、IPS液晶との表記です。

 ただ、区分で言えば、上位の広色域IPSの類です。

 202108101340.jpg

 ただ、本機については、1000cd/uの輝度です。

 バックライトに、直下型ミニLEDを採用することで輝度を上げるという、テレビ的な方法を取り入れています。

 HDRは、その結果、HDR1000に対応できる水準です。

 202204131229.jpg

 色空間は、sRGB100%・AdobeRGB93%・DCI-P3 100%カバーです。

 上表で示した各社のクリエーター用ハイエンド機と比べても、動画・静止画を問わない「完全無欠」のプロデザイナー向け機の1つです。

 202204131401.jpg

 画質調整機能は、本機も、他社のデザイン用のフラッグシップと比べると「あっさり」です。

 測色計内蔵でしっかり色合わせや調整はできますが、基本的には「ソフト」でというポリシーです。

 接続は、HDMI・DP・USB-Cに対応します。

 Thunderbolt3(USB-C)での接続をフォローしますし、Mac向けに作られた機種と言えるかもしれません。

 USB-Cの給電力も90Wと高く、MacBook Pro 16でもそのまま使えます。

 202204131437.jpg

 スタンドの品質も、高いです。

 デザイン用ですし、この部分はしっかりフルスペックです。

 調整幅は、高さ15cm、チルト角度(上21° 下5°)、左右(60°)と縦回転です。

 左右のスイーベルが若干狭めですが、個人用ならば問題ないです。

 202007011739.jpg

 保証は、3年です。

 先述のように、Dellは無輝点保証も付きます。

---

 以上、UP3221Qの紹介でした。

 特に動画・ゲーム系の動的なコンテンツを扱う方に向く、「超高級機」といえます。

 一般の個人で購入する方はなかなかいないでしょうが、ミニLEDの採用で、輝度ムラがないほか、HDR1000水準なので、映像(動画)を見るのに適したハイエンドと言えます。

1-3・LGの4Kモニターの比較

 202003072021.jpg

 続いて、LGエレクトロニクスの4Kモニターです。

 同社は、自社で(部品としての)IPSが生産できる世界的企業です。性能の良い機種が割安の場合が多いです。


 202210311233.jpg

 【2019年発売】

 【31.5インチ】

 4・LGエレクトロニクス 32UN650-W
  ¥60,309
Amazon.co.jp (6/18執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1200:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR: HDR10
USB給電:
接続端子:HDMI2.0x2 DP
スタンド:チルト 高さ
VESA:100mm   
スピーカー:5W
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

  32UN650は、LGの4Kモニターです。

 202204131039.jpg

 液晶パネルは、非光沢のIPS液晶です。

 色空間は、DCI-P3カバー95%です。

 したがって、広色域化パネルではない普通のIPSですが、動的なコンテンツについて「デザイナー向け」の入門用あたりではあります。

 なお、本機は出荷前にキャリブレーション(色合わせ)をなしています。精度は分かりませんが、色ムラに関する個体差は少なそうです。

 応答速度も、5ms (GTG)です。

 動く映像の画質に影響しますが、問題ない数字です。

 HDRは、対応です。

 ピーク輝度保証のないHDR10ですので「そこそこ水準」です。

 201602171300.jpg

 画質調整機能は、高レベルです。

 「映像美」に関する部分では、暗部補正技術ブラックスタビライザー)ほか、テレビでお馴染みの超解像技術が採用されます。

 画質の粗い動画などを補整できるため、画像全般が高画質化します。

 「目の優しさ」の部分では、基本となるフリッカーフリー機能も搭載されます。

 なお、ゲーム専用機ではないものの、AMD FreeSyncに対応します。

 また、DASモードを搭載しているため、ビデオカードが対応している場合、環境によってはゲームの応答速度の強化も望めます。

 201804111537.jpg

 スタンドは、(不満がないという意味で)最低限の稼動はします。

 角度(上15° 下5°)、上下に11cmの調整幅です。

 左右や回転はできないほか、その他の調整幅も「高性能」とまでは言えないレベルです。

 接続端子は、DisplayPort 1.2、HDMI 2.0ポートが2つという構成です。

 ケーブルは、いずれも付属です。

 HDMI2.0規格対応ですので、HDMI端子経由でもPCに接続可能です。

 HDCP2.2には、対応です。

 保証は、3年間です。

 LG機も、保証期間内における無輝点保証をなします。ドット欠け(黒点)保証はないですが、これは他社もそうです。

---

 以上、LG27UP650の紹介でした。

 格安に購入でき、特に動画面に強い高画質な27インチモニターといえます。費用対効果はかなり高いでしょう。

 HDR400に速くも対応しているほか、スタンドの品質も十分ですから、ビジネスに、ゲームに万能に使いやすい4K機と言えます。


 202108101325.jpg

 【2021/22年発売】【31.5インチ】

 【USB-C給電非対応】

 5・LGエレクトロニクス 32UN500-W
  ¥48,540 Amazon.co.jp (6/18執筆時)

USB給電:
接続端子:HDMI2.0x2 DP
スタンド:チルト

 【USB-C給電非対応】

 6・LGエレクトロニクス 32UN550-WAJP
  ¥47,591 Amazon.co.jp (6/18執筆時)

USB給電:
接続端子:HDMI2.0x2 DP
スタンド:チルト 高さ

 【USB-C給電対応】32UP550-W後継

 7・LGエレクトロニクス 32UP550N-W
  ¥51,752 Amazon.co.jp (6/18執筆時)

USB給電:90W
接続端子:HDMI2.0x2 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転

解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:VA ノングレア
コントラスト比:3000:1
HDR:HDR10
応答速度:4ms (GTG)
VESA:100mm   
スピーカー:内蔵(5w×2)
4K動画再生:HDCP2.2  
保証期間:3年

 32UN55032UP550Nは、LGの31.5インチの4Kモニターです。 

 202204131039.jpg

 液晶パネルは、VAです。

 VA液晶は、どちらかといえば、TV向きです。コントラスト比も高く「黒が引き締まり」ます。高級TVの多くはVAを利用する場合が多いです。

 一方、テキスト表示などの場合、「ギラツブ」と呼ばれる独特の粒状感があり、目の優しさの部分でイマイチなパネルです。

 したがって、テキスト表示と言うより、動画視聴やゲームに向く製品です。

 色空間は、DCI-P3カバー率で、90%です。

 デザイナー向けの広色域化パネルではないですが、数字は示します。

 応答速度は、Over Drive時には4msです。

 液晶の輝度も、350cd/uとそこそこ明るいです。

 HDRは、輝度の関係でHDR10とはなりますが、採用です。

 201602171300.jpg

 画質調整機能も、下位機種同様に高レベルです。

 「目の優しさ」「映像美」双方において同じ技術を持ちます。

 202108101333.jpg

 スタンドの品質は、格安機はチルト角度のみですが、中位機だと、上下と高さの調整ができます。

 上位構成の32UP550N-は、「前後左右高さ回転」と稼働性がよいフルスペックです。

 高さは15cm、チルトは25度の調整幅です。

 接続端子は、HDMIx2 DisplayPortx1です。

 上位構成だと、これに加えて、USB-C規格の接続にも対応します。

 USB-Cは、ノートPCに対して、90W給電で同時給電できます。

 HDMIは、HDMI2.0という記述がないですが、4K信号は通るので、実際はその規格のようです。

 HDCP2.2には、対応です。

 付属ケーブルは、USB-C/ HDMI /DisplayPort /全てのケーブルはが属します。

 保証は、3年間です。

 保証期間内における無輝点保証もあります。

---

 以上、LG32UN550と32UP550Nの紹介でした。

 32インチ前後の製品では、「TVや動画向きな仕様」といえる機種の1つです。

 ただ、VAパネルですから、ビジネス仕事には全く向かない製品です。用途に応じて、向き不向きのある製品です。


 202302251400.jpg

 【2022年発売】

 【31.5インチ】32UL750-W後継機

 8・LGエレクトロニクス 32UQ850-W
  ¥86,664
Amazon.co.jp (6/18執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:400cd/u
パネル:Nano IPS Blackノングレア
コントラスト比:2000:1
HDR:HDR400
USB給電: 90W
応答速度:5ms (GTG)
接続端子:HDMIx2 DP USB-C
スタンド:チルト 高さ 回転
VESA:100mm   
スピーカー:内蔵(5w×2)
4K動画再生:HDCP2.2  
保証期間:3年

 32UQ850-Wは、LGの31.5インチの4Kモニターの上級機です。

 202204131030.jpg

 液晶パネルは、DELLにも搭載機がありましたが、IPS Blackパネルです。

 LGの生産する上級のパネルで、IPSが苦手なコントラスト比をVA並に向上させたものです。

 繰り返しになりますが、「目の優しさ」の部分では、コントラストはあまり意味がないです。

 しかし、「階調表現」が良くなることで、IPSの品質そのままで、映像美の部分で性能が良くなります。

 色空間は、DCI-P3はカバー率98 %です。

 DELLと同じパネルなので、ここも同じです。

 202204121610.jpg

 液晶の輝度は、400cd/uです。

 応答速度は、オーバードライブ時、5ms (GTG)です。

 HDRは、HDR400に対応です。

 これらの部分の数字もも、DELL機と変わりません。

 202302251413.jpg

 画質調整機能は、一方、LGの下位機種と大きくは変わりません。

 ただ、同じパネルを利用するDELL機はこの部分は「あっさり」ですから、それに比べると充実しています。

 低解像度コンテンツの底上げをする超解像技術(Super Resolution+)ほか、黒の表現量を高めるBlack Stabilizerなどお馴染みの機能を網羅します。

 「目の優しさ」の部分は、低輝度利用時のチラツキを防止するバックライトのフリッカー対策と、最近搭載が多いブルーライトカット機能が付属です。

  202302251414.jpg

 接続端子は、HDMI2.0x2 DisplayPort USB-Cです。

 HDMI端子は2.0規格なので、4KHDR信号も通ります。

 一方、USB-Cのアップストリームはないので、それを利用した、PCのデイジーチェーン(数珠つなぎ)は、DELLと違って想定されません

  202112091314.jpg

 USB給電は、90Wです。

 問題ありません。

 202203011450.jpg

 USBハブ(アップストリーム)は、USB-A(USB3.0)が1つとUSB-B(USB2.0)が1つ用意されます。

 KVM対応なので、複数のPCを利用する場合、マウスやキーボードををつなげておくとディスプレイ側で、一括した同時切替が可能です。

 202302251422.jpg

 スタンドの品質は、前後・高さ・回転に対応します。

 左右の角度調整はできませんが、ここは脚でも調整できるので致命的ではないです。

 一方、下(5度)・上(20度)・高さ(11cm)の稼動範囲です。高さ方面の調整力は少し弱めに思えますが、大きめのモニターなので、やはり問題ないでしょう。

 「目の優しさ」の部分では、十分に合格点です。

 保証は、3年です。

 無輝点保証もしっかりあります。

---

 以上、LG32UQ850の紹介でした。

 DELLIPS Blackパネル採用機のライバルです。例年DELLが先行して、LGが後から出すような順番ですが、今回もそうでした。

 値段差を見ずに言えば、LGのほうが映像部分の調整においては上位です。DELLはどちらかと言えば、ビジネスニーズをくみ取る方向なので、同じパネルでも、意外と「住み分け」はされている印象です。

ーーーー

 202210311306.jpg

 【2020年発売】【31.5インチ】

 9・LGエレクトロニクス 32UN880-B
  ¥64,436 Amazon.co.jp (6/18執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR10
USB給電: 60W
接続端子:HDMI2.0x2 DisplayPort USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm   
スピーカー:5W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

 一方、似た型番(グレード)の製品として アームスタンド式にしたモデルが展開です。

 202210311310.jpg  

 図のような、机に取り付ける形式のアームが初期添付です。

 液晶パネルは、発売時期の関係もあり、普通のIPS液晶です。

 DCI-P3カバー率95%ですので、1世代前のLGの広色域IPSです。

 なんとなく、近い将来、新機種への更新がある気がしますが、価格差はだいぶ付くでしょう。

 202108091815.jpg

 スタンドは、4軸です。

 そのため【モニターアームの比較記事】でみたような、別売の専門機のほうが稼働性が良い部分はあります。

 ただ、レバーなしで上下動に対応する部分など、構造はしっかりしています。なにより、耐荷重的な意味で、純正の安心感はあります。

 ニッチですが良い仕様に思えます。ただ、モニターアームと本体は別に届くので、設置は自分でやることになります。


 202306181742.jpg

 【2023年発売】【31.5インチ】

 (通常スタンド)白・シルバー

 10・LG SMART Monitor 32SQ730S-H
 10・LG SMART Monitor 32SQ730S-W
  ¥75,273 Amazon.co.jp (6/18執筆時)

 (モニターアーム)

 11・LG SMART Monitor 32SQ780S-W   
  ¥84,000 Amazon.co.jp (6/18執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:250cd/u
パネル:VA ノングレア
コントラスト比:3000:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR10
USB給電: 65W
接続端子:HDMI2.0x2 USB-C LAN
スタンド:チルト・高さ(通常型)
VESA:100mm   
スピーカー:5W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

 LG SMART Monitorシリーズは、かなり特殊な用途の4Kモニターと言えます。

 スタンドは、チルト・高さのみ調整できる普通のモデルと、4軸アームが付くモデルとがあります。

 意外と、モニターアームモデルのが人気のようです。

 202204131030.jpg

 パネルは、VA液晶です。

 先述のように、このタイプは、コントラスト比が良く、テレビ向きの液晶です。

 一方、書類仕事には全く向かず、目が疲れやすいのが欠点です。

 202306181748.jpg

 本機は、同社のテレビに詰んでいる自社のwebOS 22を搭載します。

 いわゆる「チューナーレステレビ」として、Netflix YouTubeほかの動画サービス使うことを主に想定した機種です。

 また、(チューナー付きを含め)32インチ前後の4Kテレビというのも「市場にない」ので、そのニーズを拾う機種とも言えます。実際、スタートアップ(Makuake)発の製品で、そうしたユーザーのニーズを汲んで出されたものでした。

 こうした部分で言えば、このブログだと【チューナーレステレビの比較記事】で取りあげたような製品が、むしろライバルです。

  202306181812.jpg

 もちろん、【STB機器の比較記事】で書いたような、AmazonなりGoogleなりの製品があれば、他のモニターでも似たようなことはできます。

 その点で言えば、TVとSTB機器が「オールインワン」であるメリット性を感じられる場合のみ「選択肢になりうる」とは言えます。

 202306181817.jpg

 LG マジックリモコン MR22GJ
  ¥4,560 Amazon.co.jp (6/18執筆時)

 操作は、簡単なリモコンは付属します(左図)

 しかし、テレビ用のLGのマジックリモコン(右図)が使えるので、利便性重視するなら、導入も良いでしょう。

 202306181758.jpg

 そのほか、本機は、(他社のSTB機器同様に)Bluetooth マウス・キーボードを使った操作、あるいは、スマホをリモコンにしての操作もできます。

 LAN・Bluetoothほか、Wi-Fiも装備するのでAppleのAirPlay 2なども対応します。

 接続は、HDMI2.0が2系統とUSB-C(65W給電対応)です。

 保証は、本機も3年間です。

--

 以上、LGSMART Monitorシリーズの紹介でした。

 特殊な製品なので、他機と紹介の仕方をかえましたが、個人的には、市場に「あって良い製品」だと思っています。

 ただ、先述のように「書類仕事にはあまり向かない」ので、書類仕事などとの共用はあまりおすすめできません。そのほか、テレビ用としては、スピーカーがやや弱い(総合10W)点も注意してください。

 そのほか、簡単に買い替えられる外部STB機器を導入するのと違って、搭載されるwebOS 22(とCPU)が数年後処理面で「陳腐化」する可能性がある点も注意点です。むろん、この部分は、普通のテレビを買う場合も同じです。


 202108101336.jpg

 【2021年発売】(生産完了)

 【31.5インチ】

 12・LGエレクトロニクス 32EP950-B
  ¥499,628 楽天市場 (6/18執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:250cd/u
パネル:OLED ノングレア
コントラスト比:100万:1
応答速度:1ms (GtoG)
HDR:HDR True Black 400
USB給電:90W
接続端子:HDMI2.0 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:
保証期間:1年

 32EP950-Bは、LGの31.5インチにおける最上位機です。 

 202306201548.jpg

 パネルは、本機は、液晶ではなく、OLED(有機ELです。

 ASUSもあとから出しましたが、先行したのはLGです。

 202108101408.jpg

 日本のJOLED(パナソニック/ソニー合弁)が印刷方式の有機ELを使ったOLEDIOという製品を、法人向けに売っています。

 LGのTV用(カラーフィルター蒸着式)のOLEDパネルは、日光下・照明下で使うため、ある程度の輝度(明るさ)が必要なPC用には向かないので、JOLEDから提供を受けたパネルです。

 JOLEDのプレスリリースで確認しました。ただ、2023年の3月に同社は民事再生になり、生産撤退と言うことです。本機もおそらく連動で「生産終了」情報が出ています。

 202204131229.jpg

 色空間は、AdobeRGBで99% DCI-P3 99% カバーです。

 他社の液晶式のデザイナー向けハイスペック機と比較しても、静止画でも、動画でも、プロ用な品質です。

 202204121610.jpg

 HDRも、HDR400に加え、コントラストの部分を含めたTrue Black 400の認証も得ています。

 202108101347.jpg

 一方、「目の優しさ」の部分で、OLEDは評価が定まりません。

 フィルタを通すTVのOLED(RGBW)と違って、本機が採用する印刷方式のOLEDは、RGBカラーをネイティブで出せる点で、スマホ・タブレットのOLEDパネルと同じ方式です。

 そのため、「映像美」的な意味はもちろん、テキスト関係も「くっきり」表示できると言えます。

 ただ、「目の優しさ」を配慮したビジネスモニターが得意なEIZOは、実験的に出したと思える、自社のFORIS NOVA(OLED)を、「ゲーム・動画用」として出しました。

 実際、テキストを含む「静止画」については、EIZOもふれるように、技術的に成熟した「液晶に優位性」はあると言えるでしょう。

 接続端子は、HDMI2.0・DP・USB-Cという構成です。

 USB-Cは90Wの給電に対応します。

 USBハブは、(四角い)USB-A形状のポートが4つです。

 速度はUSB3.0ですので、遅くは内で鵜が、普通です。

 スタンドは、フルスペックです。

 値段相応でしょう。

 保証は、本機に限っては1年です。

 無輝点保証は付きます。

---

 以上、32EP950-Bの紹介でした。

 デザイナー向けのハイエンド機ですが、液晶に比べて、コントラストが圧倒する部分と、ハロー効果を受けにくい鮮明度など、メリット性はとても多くあります。

 OLEDは、輝度の部分で外光に弱い部分といえ、周囲が明るいオフィスには向きません。

 また、経年変化による「焼付け」が、PCモニターの場合どのように変化するかを含めて、少し長めのスパンで、評価する必要は感じます。

1-4・EIZOのモニターの比較

  202108071153.jpg

 続いて、日本のEIZOのモニターです。

 ビジネス用が得意な老舗の液晶メーカーで、品質で選びたい場合、人気のあるメーカーです。


 202306181824.jpg

 【31.5インチ】

 【2023年発売】

 13・EIZO FlexScan EV3240X-BK
 13・EIZO FlexScan EV3240X-WT
  ¥153,027 Amazon.co.jp (6/18執筆時)

 【2018年発売】

 14・EIZO FlexScan EV3285-BK
 14・EIZO FlexScan EV3285-WT
  ¥144,149 Amazon.co.jp (6/18執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:2000:1
応答速度:5ms (GtoG)
HDR:
USB給電: 94W
接続端子: HDMI×2 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
4K動画再生:HDCP2.2   
保証期間:5年

 EV3285は、日本のEIZOの31.5インチの製品です。

 下部を含めて、フレームがない、4辺フレームレスなデザインの、ビジネス用高級機です。

 202306181826.jpg

 なお、旧機となるEV2785が残ります(右図)。

 台座は違いますが、稼働性はほぼ同じです。そのほかは、USBの給電力(65W)と、パネルのコントラスト比(1300:1)が異なります。

 個人的には、新機種の台座形状はスマートで、机空間の有効利用もできおすすめですが、費用対効果から言えば、旧機種が良いかと思います。

 後は同じですので、同時にみていきます。

 202204131039.jpg

 液晶パネルは、視認性に優れ目にも優しい、IPSパネルを採用です。

 色空間は、DCI-P3カバー率は不明です。

 「sRGB相当」という情報だけです。

 201811230943.jpg  

 ただ、EIZOの場合、輝度や色域より、最低輝度が350cd/uまでしっかり落とせることが、むしろ注目点です。

 また、明るさセンサーで、低輝度時にもしっかり見やすい状況に調整する力も優れます。

 目の疲れを防止するためには、輝度を十分に下げた状態での視認性が重要です。

 EIZOはこの点で優れています。

 応答速度は、5msとそこそこです。

 HDRは、非対応です、

 対応させるために輝度ピークを無理にあげると、色調や目の優しさの部分で無理が出ます。

 そのため、本機の性質上、あえて非搭載なのでしょう。

 201502111235.jpg

 画像補正機能は、「目の優しさ」の部分がとにかく充実します。

 フリッカー対策・ブルーライトカットなど、他社の主要機能は網羅します。 

 その上で、EIZOの場合、明るさセンサーが搭載される点も重要です。

 周囲の明るさを感知し、輝度を自動調整するAuto EcoView機能が利用できるため、PCを利用する時間に応じて、「目に優しい」明るさに調整してくれます。

 周囲の明るさがわかるので、特に低輝度に調整した際に、フリッカーを完全にカットすることも可能です。

  202306181528.jpg

 スタンドの品質は、手前のスペースを活かすため独特の形状です。

 ノートPCを含めた収納力を重視したようです。

 調整幅は、一方、高さ19cm、チルト角度(上35° 下5°)、左右(90°)と回転とフル稼動です。

 EIZOは、他社より、スタンドの稼働性を重視する部分があり、本機もそうです。 

 202306181527.jpg

 接続端子は、HDMI端子が2系統のほか、DisplayPortがとUSB-Cポートがあります。

 なお本機のHDMI端子は、HDMI1.4です。(ビデオカードによって例外はあるのですが)4Kの場合30Pまでです。

 USB-CかDPでつなげる前提で買う方が失敗はないかと思います。

 USB-Cは、94W給電対応です。

 ハイスペックノートPCでも、コンセント充電に比べて速度低下なしで充電可能でしょう。

 ケーブルも、2mのケーブルが、全て用意されています。

 HDCP2.2には、対応です。

 スピーカーは、1Wの簡易的なものが付属です。

 202007011519.jpg

 保証期間は、5年保証と他社より長めの保証が付属です。

 また、6ヶ月ですが無輝点保証も付けます。

 なお「輝点」とは、画面を黒表示させた時に、画面の1ピクセルが発光してしまうという「不良」のことです。 DELLやLGはこの部分も3年保証ですが、他社は付けない場合がほとんどなので、それでもポイントと言えます。

 同社は、出荷前に、しっかりキャリブレーションして送るため、品質信頼性は高いです。

---

 以上、EIZOEV3285の紹介でした。

 10万円オーバーの製品ですが、信頼性が高い高品質モニターです。

 HDRに対応しない点で、「ビジネスより」なオールマイティ機とはなりますが、HDIMIなど端子も多いので、画質重視のマルチ用途のモニターとして活躍すると思います。

 輝度調整が巧みなほか、色ムラなどの検品もしっかりしているため、「目の優しさ」の部分は折り紙付きです。

 品質重視の場合は最良の選択肢でしょう。

1-5・フィリップスのモニターの比較

 202108071635.jpg

 続いて、オランダのフィリップスです。

 世界的な総合家電メーカーですが、わりとビジネス用のモニターに強いと言えます。


 202104271326.jpg

 【2021年発売】【31.5インチ】

 15・フィリップス 329P1H/11
  ¥77,960 楽天市場 (6/18執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPSノングレア
コントラスト比:1000 : 1
応答速度:4ms (GTG)
HDR:
USB給電: 最大90W
接続端子:HDMI2.0x2 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm  
スピーカー:内蔵(5w×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:5年

 329P1H/11も、フィリップスの31.5インチの4Kモニターです。

 同社の「ビジネス用のモニター」のラインとなる、PLineの製品です。

 201811231125.jpg

 液晶パネルは、目に優しいIPSパネルです。

 正確には、フィリップスは「IPSテクノロジー」という表記です。

 202210301243.jpg

 LGのIPS、あるいは、両社の関係性からしてサムスンのIPS-PLSかもしれません。 

 視野角を含めて性質は同じですので、基本問題ありません。

 色空間は、sRGB 128%・Adobe RGB 89%です。

 静止画(写真)のデザインはいけそうですが、動画コンテンツ用には微妙です。

 応答速度は、オーバードライブ時に4msと速いです。

 HDRは、未対応です。

 ストイックなビジネス用のモニターです。

 202104271335.jpg

 画質調整機能は、センサー面が優秀です。

 照度センサー(スマートセンサー)が付属します。

 周囲の照度を検知できるので、画面輝度が調整されるので「目が疲れにくい」です。明るすぎるディスプレイは、スマホ同様に、目の負担ですから。

 ほかにも人感センサーが付属し、利用状況に応じて節電できます。

 202108101504.jpg

 なお、本機は、ポップアップ型のカメラを上部に搭載し、顔認証(Windows Hello)もできます。

 ただ、200万画素のFHD画質なので、他の使途も考えられそうです。

 202108101932.jpg

 スタンドの品質は、前後左右高さと縦回転表示ができる「フルスペックスタンド」です。

 しっかりと、方向と高さが合わせられる点でも「目に優しい」と言って良いです。

 202104271342.jpg

 接続端子は、HDMI2.0が2つと、DisplayPortが1つのほか、UCB-C端子が付属です。

 ノートPCとUSB-C端子でつなげる場合、ノートPCに給電も同時にできます。

 出力は、最大90Wなので、16インチクラスのMacBook Proでも、ほぼ速度低下なしに給電できるでしょう。

 HDCP2.2は、本機については対応です。

---

 以上、フィリップスの329P1H/11の紹介でした。

 目に優しいIPSパネルを採用する機種です。

 その上で、フルスペックなスタンドを装備する上で、センサーが充実しており、ビジネス用にストイックに使うならば、31.5インチでは本機はかなり優秀かと思います。

 一方、HDRに対応しない部分などで、家庭で仕事以外と共用で使うには、やや不向きな部分はあります。

1-6・HPのモニターの比較

 202108072242.jpg

 つづいて、米国のHP(ヒューレットパッカード)の4Kモニターです。

 シンプルな構成の製品が多いですが、わりと売れています。


 202207171236.jpg

 【2022年発売】【31.5インチ】

 【価格.com 限定モデルあり】

 16・HP U32 4K HDR
  ¥62,700 HPダイレクト (6/18執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:400cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:4ms (GtoG)
HDR:HDR400
USB給電:65W
接続端子: HDMI2.0 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm   
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

 U32 4K HDR は、HPが販売する31.5インチの4Kモニターです。

 液晶パネルはIPS液晶です。

 輝度は、400cd/uと明るめです。

 色空間は、DCI-P3カバー率が98%です。

 色域は広めですが、広色域ではない普通のIPS液晶でしょう。

 応答速度は、4ms (GTG)です。

 オーバードライブのスペックは良いので、動く映像にも強いでしょう。

 HDRは、HDR400です。

 画質調整機能は、一方、さほど高機能ではないです。

 米国のPCメーカーは基本的にこの部分が「あっさり」で、PC側に調整はおまかせです。

 202101161643.jpg

 スタンドの品質は、本機の美点で、フルスペックです。

 性能は期待して良いでしょう。

 202207171237.jpg

 接続端子は、DPほか、USB-CとHDMI 2.0です。

 USB-C端子は、画像情報の送受信のほか、65W給電に対応です。

 ケーブルは、全てのシュルのケーブルが付属です。

 HDCP2.2には、対応です。

 保証期間は、3年です。

---

 以上、HPの31.5インチの4K IPSモニターの紹介でした。

 同社の製品らしく、先端の機能(HDR400)を含めつつ、安価にまとめている印象です。

 スタンド部分もIPS液晶パネルの部分もスペック的に文句はなく、安心して買えそうです。

 ただ、「映像美」に関わる画質向上機能の部分では、他社機に比べて無個性ですから、全てを兼ね備えた機種というわけではないです。

次回に続く
4K液晶ディスプレイのおすすめ
結論的にこれ

 というわけで、今回は、31.5インチの4K液晶モニターを紹介しました。

 記事はもう少し続きます。

 201502111423.jpg

2・31.5型4Kモニターの比較 (2) 
 2-1:イイヤマ〈日本〉
 2-2:BenQ〈台湾〉
 2-3:ASUS〈台湾〉
 2-4:Apple〈米国〉
 2-5:その他の製品
3・4Kモニターの比較
 3-1:最終的なおすすめの提案【結論】

 続く2回目記事こちら)では、今回紹介できなかった各社の31.5インチの4Kモニターを追加で紹介します。

液晶パネルの画質 ★★★★★
目の疲れにくさ  ★★★★★
動画・ゲーム対応 ★★★★★
品質保証     ★★★★★
総合評価     ★★★★★

 その上で、結論編となる、最終回記事こちら】で、 ここまで紹介した全てのモデルから、予算別・目的別のAtlasのおすすめ機種を提案していきたいと思います。

 2回目記事は→こちら 

 引き続きよろしくお願いします。

posted by Atlas at 22:25 | PC用液晶モニター

 このブログ家電批評モノマニアには「家電やモノの比較記事」が約350本あります!

 よろしければ、下部のリンク集をご覧ください。

 家電批評モノマニアは、「家電ブログランキング」に参戦中です。右のリンクから「クリックで応援」お願いします!  201302192014.jpg

<広告>

          

Googleなどの検索エンジンでは

「家電批評モノマニア」「家電ジャンル」or「型番」

の単語入力で、このブログの個別記事検索ができます!





          




 今後の記事は、【Twitter アカウント】でツイートしています。お題も募集中!

monomani31.png