Top PC用液晶モニター 比較2025'【31.5型】4Kモニター57機の性能とおすすめ:31.5インチ 32インチ(1)

2025年05月01日

比較2025'【31.5型】4Kモニター57機の性能とおすすめ:31.5インチ 32インチ(1)

【今回レビューする内容】 2025年 31.5インチのPC用4K液晶ディスプレイの価格・性能とおすすめ・選び方: 31.5インチ・32インチ編

【比較する製品型番】Dell U3225QE U3223QE U3223QZ S3225QS S3225QS-A P3225QE P3223QE LGエレクトロニクス 32UN650K-W 32UR500K-B 32UR550K-B 32BR55U-B 32UP550N-W LG MyView Smart Monitor 32SR83U-W 32SR73U-W 32UQ85RV-W 32UQ850V-W 32UN880K-B 32SR75U-W  EIZO FlexScan EV3240X-BK EV3240X-WT フィリップス 32E1N5800LA/11 32E1N1800LA/11 329P1H/11 iiyama ProLite XB3288UHSU-B5 ベンキュー EW3280U EW3280U-JP MA320U MA320U-JP PD3205U PD3205U-JP PD3205UA AQCOLOR PD3225U PD3225U-JP PD3220U RD320U SW321C SW321C-JP ASUS ProArt PA32UCX-P ProArt PA329CRV PA32UCG PA329CV VP32UQ ProArt Display OLED PA32DC PA32UCR-K PA32UCXR JAPANNEXT JN-V3150UR-HSP JN-V3152UHDR-HSP JN-V3152UHDR JN-iB315UR4FL-C65W JN-IB315UR4FL-C65W-HSP JN-i315U JN-IPS315UHDR JN-V3150UHDR JN-V3150UHDR-HSP JN-V3150UHDR-C65W-HSP JN-i315UR-HSP JN-V315UHDR-C65W-N JN-IPS315U-HSP JN-IPS321UHD JN-IPS315UHDR-C90W-HSP Apple Pro Display XDR IODATA EX-LD4K321VB Acer SB322QKbmiipx ほか

今回のお題
31.5型の4K 5Kモニターのおすすめはどれ?

 ども、Atlasです。

 今日は、2025年5月現在、最新の、31.5型前後の大きめ4Kモニターの比較です。

 解像度的に、5Kモニターも含めて見ていきます。

 基本となるパネルのスペックほか、スタンド部分の調整力、あるいは、明るさセンサーなどの独自の工夫などに注目しながら、長時間作業でも「目が疲れにくい」モニターを提案していきます。

 そのほか、各機の保証期間の長さや保証内容にも注目しました。

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1・31.5型4Kモニターの比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:DELL〈米国〉
 1-3:LG〈韓国〉
 1-4:EIZO〈日本〉
2・31.5型4Kモニターの比較 (2) 
 2-1:BenQ〈台湾〉
 2-2:ASUS〈台湾〉
 2-3:アイオーデータ〈日本〉
3・31.5型4Kモニターの比較 (3) 
 3-1:イイヤマ〈日本〉
 3-2:フィリップス〈欧州〉
 3-3:JAPANNEXT〈日本〉
 3-4:Apple〈米国〉
 3-5:その他の製品
4・4Kモニターの比較
 4-1:最終的なおすすめの提案【結論】

 記事では、はじめに、31.5インチモニターの「選び方の基本」を説明したあと、以上のようなメーカー順で、各社の製品をみていくつもりです。

液晶パネルの画質 ★★★★★
目の疲れにくさ  ★★★★★
動画・ゲーム対応 ★★★★★
品質保証     ★★★★★
総合評価     ★★★★★

 最後の「結論」では、上表のような観点から、いつものように、「Atlasのオススメ機種」を提案していきます。

 よろしくお願いします。

ーーー

1・4Kモニターの比較 (1)
:サイズ:27型・28型
;解像度:4K 5K
2・4Kモニターの比較 (2)
:サイズ:31.5型・32型
;解像度:4K 6K
3・4Kモニターの比較 (3)
:サイズ:40型以上
;解像度:4K
4・4Kモニターの比較 (4)
:サイズ:23.8型以下
;解像度:4K
5・4Kモニターまとめ
=最終的なおすすめ機種の提案

 なお、今回の記事は、このブログの4Kモニター比較記事全体としては、3回目記事となります。

  202003311545.jpg

6・4Kゲーミングモニターの比較

 一方、31.5インチの4Kモニターを含めて、144Hzを超える高リフレッシュレート対応の「ゲーム専用」は、記事を「完全に別のもの」にしています。

 こういった製品をお探しの場合、以上のリンク先の記事をご利用ください。

 よろしくお願いします。

1-1・31.5型4Kモニターの選び方の基本

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 はじめに、大画面4Kモニターの「選び方の基本」について書いておきます。

 202501142028.jpg

 液晶パネルの品質など、4K液晶モニター全体の「基本的な選び方」は、一連の4Kモニターの比較記事の導入記事こちら)で、かなり詳しく説明しました。

 スペック面に興味のある方は、そちらからご覧いただければと思います。

 202108101135.jpg

 そのため、ここでは、31.5インチという「サイズ」に関する「選び方の基本」だけ説明しておきます。

 1サイズ小さい27型機に較べる場合、31.5型は、横に5cm程伸びたサイズです。

 ご家庭のデスクで作業をする場合は、31.5型が「限界のサイズ」と言えます。

 202112091902.jpg

 ただし、70cm程度の奥行の机で利用すると、31.5型は目が疲れやすいサイズです。

 画面の左右で視線の移動が多くなること、また、モニターと目が近すぎて目に入る光量が多くなることが、主な理由です。

 最近は「ブルーライト」が悪者にされることが多いですが、距離というのは、それよりも(よほど)大事な部分です。

---

 結論的にいえば、(どうしても)作業領域が必要な方や、デザイナーなどに限って、31.5型をおすすめします。

 Atlasの場合、老眼世代の方を含めて、家庭用としては、27型モニターを友人に「おすすめ」することが多いです。

 202108101141.jpg

 なお、31.5インチ(698×393mm)と32インチ(708x399mm)は、画面サイズ的にほとんど変わらないと言えます。

 分けて考えてもあまり意味がないので、同じものとして考えてください。

ーーー

 というわけで、具体的な4K(5K)モニターの比較に入ります。

 記事の冒頭書いたようなメーカー順に、製品を紹介していきます。

1-2・デルの4Kモニターの比較

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 はじめに、米国デルの4Kモニターです。

 昔から4Kモニターにはわりと力を入れていて、いくつも人気モニターを輩出してきた企業です。

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 なお、以下では、イマイチな部分は青字で、高評価できる部分は赤系の文字色で、本文を書いていきます。


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 【31.5インチ】

 【2025年発売】

 1・Dell U3225QE
  ¥149,999 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

輝度:450cd/u
コントラスト比:3000:1
リフレッシュレート:120Hz(4K)
HDR:HDR600
USB給電: 140W
接続端子:HDMI2.1 DP USB-C

 【通常型番】

 2・Dell U3223QE
  ¥95,800 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

 【カメラ・マイク付き】

 2・Dell U3223QZ
  ¥162,500 楽天市場 (5/1執筆時)

輝度:400cd/u
コントラスト比:2000:1
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR400
USB給電: 90W
接続端子:HDMI2.0 DP USB-C

パネル: Black-IPS ノングレア
応答速度:5ms (GTG)
解像度:4K(3840×2160)
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.3
保証期間:3年

 U2725QEは、DELLの販売する31.5インチの4Kモニターです。

 「デジタルハイエンドシリーズ」という同社の一般向けの上級ラインの最新機となります。

 旧機が残ります。

 比べる場合、上表のように輝度、リフレッシュレート、HDR輝度、USB給電力の点で、スペック差があります。

 ただ、価格差はある上で、旧機でも、一般向けだと(十分に)良いスペックです。費用対効果は、むしろそちらが高めに思いますし、選んでもOKです。

 202310051426.jpg

 一方、旧仕様のもののみ、カメラ・マイク・スピーカー付きの上位機があります。

 カメラは、4K解像度です(4K/30p・フルHD/60P)。

 AI学習を活かした自動フレーミング機能・オートフォーカス・照度の調整(Digital Overlap HDR)、3D/2Dノイズリダクションなど、かなり高機能です。

 レンズは、ソニーのスタービスです。監視カメラやドラレコでも使われる、暗い場所に強いタイプです。値段相応に豪華に思えます。

 マイクも、ディアルエコーキャンセリング対応マイクですし、スピーカーも、内蔵型としては総合14Wと強力です。

 その分、価格は高いですが、別途ユニットを揃える場合と違って、マイクとスピーカーの位置がはじめから最適化されているのと、USB-C1本で片付くので、配線が整理されるのが魅力です。

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 そのほかの本体部分の性能は同じなので同時にみていきます。

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 パネルは、ノングレア(非光沢)のBlack IPS(=Nano IPS Black)です。

 視野角が広く、目にも優しいIPSの改良型のLGの上位パネルです。

 IPSだと、1000;1前後の場合が普通ですが、この場合2-3倍の値を出せます。

 新型は、3000:1とより高いので、LG製の2025年登場の新型パネルかと思います。

 「目の優しさ」の部分というより、映像美の部分の進化として意義深いです。

 色域は、DCI-P3のカバー率で99 %です。

 動画方面の色域指標で、最近は、sRGB、Adobe RGBより重要になってきています。

 高いほど優秀ですが、本機は「広色域パネル」と言って良いです。

 本機は、本格的なデザイナー専門機ではないですが、一般的ユーザー向けにはかなり良いスペックです。

 液晶の輝度は、450cd/uです。

 映像コンテンツの進化で、家庭用機でも、要求される輝度は最近増しています。

 あまり高すぎると、輝度を落としにくく、書類仕事に向かない部分がでてきますし、これだけあれば十分でしょう。

 応答速度は、オーバードライブ時、5ms (GTG)です。

 通常時は8msですが、問題のないレベルです。

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 HDRは、HDR600です。

 必ピーク輝度などの基準を満たします。

 リフレッシュレートは、120Hzです。

 本格的なゲーミング用のスペックではないですが、PS5には対応水準です。

 チラツキ対策もFreeSyncプレミアムなので、ゲーム用の入門機的な水準はあります。

 画質調整機能は、わりと「あっさり」です。

 「目の優しさ」の部分は、低輝度利用時のチラツキを防止するバックライトのフリッカー対策と、最近搭載が多いブルーライトカット機能は付属です。

 これらは、どのモニターでもほぼ対応です。

 「映像美」の部分では、一方、特段の機能は明言されません。

 米国系の企業は基本、PCに任せる方向性で、最低限レベルの場合が多いです。

 ただ、モニターのマニュアル調整については、後面ジョイスティックで操作できるなど、配慮はみられます。

 202204130948.jpg  

 接続端子は、HDMI2.0x2 ・DisplayPort ・USB-Cです。

 USB-Cは、アップストリームポートもあるので、デイジーチェーン(数珠つなぎ)が可能です。

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 また、USB-C端子は、140WクラスのUSB-C(Thunderbolt 4)給電対応です。

 MacBookの仕様を出しましたが、Windowsのゲーミングノートでも、速度低下なしに充電もできる水準です。

 HDMI端子は、2.1規格なので、4KHDR信号も通ります。

 HDCP2.2にも、対応です。

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 USBハブも、搭載です。

 コネクタ形状は(丸い)USB-Cが1つと(四角い)USB-Aが、表裏に総計6つです。

 速度は、いずれもUSB3.1クラスですので、高速対応です。

 ハブのUSB-Cを給電に使う場合は、USB-C1つは15W給電が可能です。

 このほかLAN端子も備えます。


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 スタンドの品質は、前後左右高さ回転と全てに対応する「フルスペック」です。

 調整幅は、チルト角度(上21° 下5°)、高さ(15cm)、左右(90度)と縦回転に対応します。

 他社高級機と比べても可動範囲で引けをとりません。 

 「目の優しさ」の部分で、アームの性能は重要ですし、本機はこの部分でも優秀です。

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  Dell SB521A
  ¥5,219 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

 スピーカーは、付属しません。

 しかし、Uシリーズは別売の専用スピーカーの搭載が可能です。

 このブログの【サウンドバーの比較記事】紹介したようなバータイプです。

 RMS表記で3.6Wのステレオなので、10W程度の出力は期待できそうです。ただ、【PCスピーカーの比較記事】で紹介したような、外部接続の製品の方が音は良いでしょう。

 ただ、スマートに設置できるのは良い部分でしょうし、一般的なモニター搭載スピーカーより音質はだいぶ良いです。

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 保証は、3年です。

 DELLのハイエンドラインのモニターは、普通の保証以外に、「3年間のプレミアムパネル交換保証(無輝点保証)」があります。

 常時消灯(黒点)こそ保証されませんが、この部分も、同社の「売り」と言えます。

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 以上、DELLU3223QEの紹介でした。

 良いパネルを使いますが、仕様的に「デザイナー用」ではなく、「デジタルハイエンド」の名前が示すように、一般ユーザーで画質の良いものを探している方に向く機種です。

 「映像美」の部分に注目して選びたい場合、IPS Blackパネルは選択肢になります。

 QLED(量子ドットLED)を採用する機種と違い、輝度表現や色域の部分で「味付け濃いめ」でもないので、(一般的な)仕事との兼用にも向くと思います。

 他社に比べてアイケアの部分で強い仕様でもないですが、モニター用としては向くかと思います。

ーー

 なお、DELLからは、この画面サイズの4K機(下位機)の販売がほかにあります。

 違いを確認しておきます。

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 【27インチ】

 【2025年発売】

 (通常型番:3年保証)

 3・Dell S3225QS
  ¥(59,799) 楽天市場 (5/1執筆時)

 (Amazon型番:5年保証)

 3・Dell S3225QS-A
  ¥65,200 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:300cd/u
パネル:VAノングレア
コントラスト比:3000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:120Hz(4K)   
HDR:HDR10
USB給電:
接続端子:HDMI2.1×2 DP1.4
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:5W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

 第1に、S2725QCです。

 先ほどの機種の1グレード下位機種になります。

 Amazonモデルは、保証5年と長いほかは同じです。

 形状は、Sシリーズと言うことで、ベゼルを薄くしたことで、多少ですがスリムです。

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 パネルは、ノングレア(非光沢)のVAです。

 このシリーズの27型はIPSですが、31.5型は変わります。

 コントラスト比(黒の締まり)は、3000:1とVAらしいです。

 ただ、輝度が300cd/uとそこまで良くないです。

 色域は、P3のカバー率で、95%と「広色域」とまでは言えないですが上位の水準です。

 HDRは、本機は輝度が低めなので、HDR10の水準です。

 接続端子は、HDMI2.1が2つと、DPです。

 USB端子は、ハブを含めてないです。

 スタンドは、チルト(上5° 下21°)のみです。

 ただ、画面が大きなモデルですし、ここは許せます。

 その他の仕様は、上位機に準じます。

 ただし、Sシリーズは、無輝点保証が付かない3年保証です。

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 結論的にいえば、VAなので、仕事用のテキスト作業には全く向かない点が注意点です。

 独自のギラツブがあり、近接視聴だと目が疲れるので。

 TV代わりのような使い方ならば良いでしょうが、IPSでも最近はコントラスト比が高いモデルが出てきています。ドライブをかけない状況でのネイティブの応答速度はVAは遅いので、ゲームには向きません。

 なんとなくですが、調達の関係で仕方なしにVAを載せているような感じで、仕様的に中途半端感があります。

ーーー

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 【31.5インチ】

 【2025年発売】

 4・Dell P3225QE
  ¥84,999 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

 【2022年発売】1000:1 60Hz

 4・Dell P3223QE
  ¥72,800 楽天市場 (5/1執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1500:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:100Hz(4K)
HDR:
USB給電: 90W
接続端子:HDMI2.1 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.3
保証期間:3年

 第3に、S3225QCです。

 旧機種が残りますが、コントラスト比(1500:1→1000:1 )とリフレッシュレート(100Hz→60Hz)が旧水準です。

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 こちらは、同社の(普通の)ビジネス用の上位シリーズとなる「プロフェッショナルシリーズ」の製品です。

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 パネルは、こちらは、IPSです。

 スペックは、輝度(350cd/u)、コントラスト(1500:1)です。

 色域は、P3カバー率は非公開(sRGB 99%)ですので、広色域ではないです。

 ただ、全体としては、平均よりスペック高めのIPSで、質が良いです。

 HDRは、ビジネス用に不要なので、対応させていません。

 接続端子は、HDMI2.1と、DP1.4 USB-Cです。

 USB-Cは、90W給電にも対応します。 

 この水準の給電力ならば、ゲーミングノートPCなどではなければ、フル速度で充給電できます。

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 USBハブも搭載です。

 USB-A (USB 3.0)が3つと、USB-C(USB3.0)が1つです。

 なお、デイジーチェーンは非対応です。

 スタンドは、フル稼動です。

 可動幅は「前後(上5° 下21°)左右(60°)高さ(15cm)と回転です。

 あとは、だいたい同じです。

 保証も、プロフェッショナルシリーズなので、3年保証で、無輝点保証も付きます。

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 結論的にいえば、ストイックな仕事として、1パネルで利用するならば、選べる製品です。

 その用途だとHDRも、色域も不要ですので。

 スタンドの仕様も、 90WのUSB給電力も、便利に使えるでしょうし。

 ただ、映像視聴などまで含めて、汎用的に使いたい場合は、(輝度や、コントラスト比の数字は良いですが)、色域アー、HDR非対応の部分を含めて、あまり向かないと言えます。

 仕事用としても、他社機との仕様の比較は必要でしょう。

1-3・LGの4Kモニターの比較

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 続いて、LGエレクトロニクスの4Kモニターです。

 同社は、自社で(部品としての)IPSが生産できる世界的企業です。性能の良い機種が割安の場合が多いです。


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 【2024年発売】

 【31.5インチ】

 5・LGエレクトロニクス 32UN650K-W
  ¥48,515
Amazon.co.jp (5/1執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR: HDR10
USB給電:
接続端子:HDMI2.0x2 DP
スタンド:チルト 高さ
VESA:100mm   
スピーカー:5W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

  32UN650Kは、LGの4Kモニターです。

 202501142028.jpg

 液晶パネルは、非光沢のIPSです。

 色域は、DCI-P3カバー95%です。

 したがって、広色域IPSとまでは言えないですが、普通のIPSより「ちょい上」です。

 動的なコンテンツについて「デザイナー向け」の入門用あたりではあります。

 なお、本機は出荷前にキャリブレーション(色合わせ)をなしています。精度は分かりませんが、色ムラに関する個体差は少なそうです。

 応答速度も、5ms (GTG)です。

 動く映像の画質に影響しますが、問題ない数字です。

 HDRは、対応です。

 ピーク輝度保証のないHDR10ですので「そこそこ水準」です。

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 画質調整機能は、高レベルです。

 「映像美」に関する部分では、テレビでお馴染みの超解像技術が採用されます。

 画質の粗い動画などを補整できるため、画像全般が高画質化します。そのほか、主にゲーム向けですが、暗部補正技術(ブラックスタビライザー)など一通り揃います。

 「目の優しさ」の部分では、基本となるフリッカーフリー機能も搭載されます。

 なお、ゲーム専用機ではないものの、AMD FreeSyncに対応します。

 また、DASモードを搭載しているため、ビデオカードが対応している場合、環境によってはゲームの応答速度の強化も望めます。

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 スタンドは、(不満がないという意味で)最低限の稼動はします。

 角度(上15° 下5°)、上下に11cmの調整幅です。

 左右や回転はできないほか、その他の調整幅も「高性能」とまでは言えないレベルです。

 接続端子は、DisplayPort 1.2、HDMI 2.0ポートが2つという構成です。

 ケーブルは、いずれも付属です。

 HDCP2.2には、対応です。

 保証は、3年間です。

 LG機も、保証期間内における無輝点保証をなします。

 ドット欠け(黒点)保証はないですが、これは他社もそうです。

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 以上、LG27UP650の紹介でした。

 格安に購入でき、特に動画面に強い高画質な27インチモニターといえます。

 費用対効果は高いでしょう。

 スタンドの品質も十分ですから、ビジネスに、ゲームに万能に使いやすい4K機と言えます。


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 【2024年発売】【31.5インチ】

 6LGエレクトロニクス 32UR500K-B
  ¥39,800 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

USB給電:
接続端子:HDMI2.0x2 DP
スタンド:チルト

 7・LGエレクトロニクス 32UR550K-B
  ¥41,800 楽天市場 (5/1執筆時)

USB給電:
接続端子:HDMI2.0x2 DP
スタンド:チルト 高さ 回転

 8・LGエレクトロニクス 32BR55U-B
  ¥56,800 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

 (性能は同じ)

 8・LGエレクトロニクス 32BR55UK-B
  ¥48,000 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

USB給電65W
接続端子:HDMI2.0x2 DP USB-C
スタンド:チルト 高さ 回転

解像度:4K(3840×2160)
輝度:250cd/u
パネル:VA ノングレア
コントラスト比:3000:1
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR10
応答速度:4ms (GTG)
VESA:100mm   
スピーカー:内蔵(5w×2)
4K動画再生:HDCP2.2  
保証期間:3年

 32UR500Kなどは、LGの31.5インチの4Kモニターです。 

 3系統ありますが、スタンドと接続端子の構成が変わります。

 詳しくはあとで書きますが、チルトだけの下位モデルは、アームへの交換を前提にしないならば、あまりおすすめしません。

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 パネルは、VAパネルです。

 VAは、どちらかといえば、TV向きです。コントラスト比も高く「黒が引き締まり」ます。高級TVの多くはVAを利用する場合が多いです。

 一方、テキスト表示などの場合、「ギラツブ」と呼ばれる独特の粒状感があり、目の優しさの部分でイマイチなパネルです。

 したがって、テキスト表示と言うより、動画視聴やゲームに向く製品です。

 色域は、DCI-P3カバー率で、90%です。

 デザイナー向けの広色域化パネルではないですが、数字は示します。

 応答速度は、Over Drive時には4msです。

 液晶の輝度は、ただ、250cd/uです。

 フルHDクラスならともかくとして、4Kだとこのスペックは標準以下です。

 HDRは、輝度の関係でHDR10とはなりますが、採用です。

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 画質調整機能もは、下位機種同様です。

 「目の優しさ」「映像美」双方において同じ技術を持ちます。

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 スタンドの品質は、下位機はチルト角度のみですが、中位機以上だと、上下・高さ・縦回転の調整ができます。

 調整幅は、チルト(上20° 下5°)高さ11cmと縦回転です。

 そこまで柔軟ではないですが、31.5型ならば必要十分でしょう。

 接続端子は、HDMI x2DisplayPortです。

 上位構成だと、これに加えて、USB-C規格の接続に対応します。

 USB-C給電は、ノートPCなどに対して、最大90Wです。。

 HDCP2.2には、対応です。

 保証は、3年間です。

 保証期間内における無輝点保証もあります。

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 以上、LG32UR500Kの紹介でした。

 VAパネルなので、動画向きです。

 ただ、輝度が不安要素です。

 バックライトは経年変化で輝度が落ちる点も含めて、その用途でも物足りないと感じます。

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 【2022年発売】【31.5インチ】

 9・LGエレクトロニクス 32UP550N-W
  ¥53,379 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:VA ノングレア
コントラスト比:3000:1
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR10
USB給電:90W
接続端子:HDMI2.0x2 DP USB-C
スタンド:チルト 高さ 回転
応答速度:4ms (GTG)
VESA:100mm   
スピーカー:内蔵(5w×2)
4K動画再生:HDCP2.2  
保証期間:3年

 なお、このグレードの旧機が若干数残ります。

 パネルは、同じVAです。

 ただ、旧機の方が、輝度が350cd/u質の良いバックライトでした。

 色域やコントラスト比は新機種と同等です。

 接続端子は、新機種と同じ構成です。

 ただ、USB-Cの給電力は、旧機の方が90W給電でやや強力だったと言えます。

 あとは、言及したい違いはないです。

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 結論的にいえば、このシリーズ だけで言えば、旧機のほうがスペックは良かったと言えます。

 同じほどの価格ならば「TVや動画向きな仕様」の同社製品を探している方は、旧機を検討しても良いでしょう。ただ、この用途だと、同社の場合、次に見る「LG MyView Smart Monitor」の方が「より」向いているとはいえます。


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 【2024年発売】【31.5インチ】

 (チルト・高さ)

 10・LG MyView Smart Monitor 32SR83U-W
  ¥65,429 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

パネル:IPS ノングレア
輝度:400cd/u
コントラスト比:1000:1
スタンド:チルト・高さ

 (チルト・高さ)

 11・LG MyView Smart Monitor 32SR75U-W
  ¥58,382 楽天市場 (5/1執筆時)

 (チルトのみ)

 11・LG MyView Smart Monitor 32SR73U-W
  ¥65,429 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

パネル:VA ノングレア
輝度:250cd/u
コントラスト比:3000:1

解像度:4K(3840×2160)
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR10
スタンド:上記参照
VESA:100mm   
スピーカー:5W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

  MyView Smart Monitor 32SR83Uは、LGエレクトロニクスの中級機です。

 このシリーズは少し特殊で、どちらかと言えば、チューナーレステレビに近い感じです。

 なお、パネルがVAの下位機が追加されました。

 色域は、DCI-P3 95%となかなか良いですが、輝度が250cd/uです。

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 結論的にいえば、先ほどのVA機同様に、この部分が4K機として少し心許ないので、できれば上位機をおすすめします。スタンドの稼働性もそちらが良いので。

 あとは同じです。以下は、上位機をベースにみていきます。 

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 本体仕様は、両機ともチューナーレスTVに近いです。

 LGのWebOSを積んでいて、アプリ対応できる定額動画サービスなどの視聴が可能です。

 リモコンも付属します。また、【LGの4Kテレビの比較記事】でみている同社のTV用の上位リモコンも使えます。むろん、TVチューナーは、未付属です。

 そのほか、本機は、Wi-Fiを搭載するので、同社のアプリ(LG ThinQアプリ)で、スマホをリモコンとしての操作にも対応できます。

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 加えて、スマホからの映像のキャストも、AppleのAirplay2や、ミラキャストに対応するため、専用のSTB機器がなくても可能です。

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 パネルは、上位機は、非光沢のIPSです。

 輝度は、400cd/uです。

 コントラスト比は並なので、同社の上位IPSではないです。ただ、色域はDCI-P3 95%ですので、広色域IPSとまでは言えませんが、色域は広いです。

 IPSとしてはテレビ向きな味付けとも言えます。

 ただし、一般的なテレビと違って非光沢ですので、半光沢(ハーフグレア)のテレビとは見え方は変わります。

 HDRは、HDR10には対応です。

 応答速度は、IPSとしては平均値と言える5ms (GTG)です。

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 画質調整機能は、自動輝度センサーの言及があります。

 周囲の明るさから、画面輝度を適切に調整する機能です。ただ、部屋の照明色などまでみる環境光センサーではないようです。

 また、コンテンツ自体の輝度を測定して「映像美」を高めるような使い方は、(ベンキューと違い)言及がないです。

 とはいえ、TVでもこの仕様は効果的ですし「目の優しさ」に寄与するとも言えます。フリッカーフリーも、むろん対応です。

 一方、TV的な部分での画像補正は言及がないです。ここは(大画面の)4Kテレビとの差とと言えそうです。

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 スタンドは、上位機だと高さ(11cm)とチルト(下5度 上15度)の稼動はできます。

 画面が大きなモデルですし、この程度の調整幅で良いでしょう。

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 接続端子は、HDMIが2系統とDP・USB-Cという構成です。

 一方、本機は、Wi-Fi内蔵なので「コードレス接続(Win)」の提案もあります。いわゆる「キャスト」ですが、場合によっては便利でしょう。

 USB-C給電は、65Wの給電ができます。

 ノートPCの接続を予定している方は便利でしょう。

 スピーカーは、総合10Wのステレオです。

 PC用モニターとしては強め、テレビとしては弱めの水準です。

 ただ、本機はHDMIについてeARCに対応なので、【サウンドバーの比較記事】で書いたような高性能な外部スピーカーを簡単につなげられます。

 保証は、本機も3年間です。

 なお、LG機も、保証期間内における無輝点保証をなします。ドット欠け(黒点)保証はないですが、これは他社もそうです。

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 以上、LGSMART Monitorシリーズの紹介でした。

 家庭用として「動画も見られたら便利だな」という場合に良い選択肢です。Wi-Fi経由のキャストも実用性がありますし、家庭向きには意外と良い構成に思います。

 パネルも、上位機ならば、スタンダードなノングレアのIPSです。明るさセンサーの工夫で「目の優しさ」にも配慮があります。

 こうした点をふまえると、主には「趣味用」だが、たまに「仕事」というような場合に合いそうです。


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 【31.5インチ】

 【2024年発売】32UQ850-W後継機

 (キャリブレーションセンサー付属)

 12・LGエレクトロニクス 32UQ85RV-W
  ¥91,645 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

 (キャリブレーションセンサーなし)

 13・LGエレクトロニクス 32UQ850V-W
  ¥89,800 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:400cd/u
パネル:Black IPSノングレア
コントラスト比:2000:1
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR400
USB給電: 90W
応答速度:5ms (GTG)
接続端子:HDMIx2 DP USB-C
スタンド:チルト 高さ 回転
VESA:100mm   
スピーカー:内蔵(5w×2)
4K動画再生:HDCP2.2  
保証期間:3年

 32UQ850Vは、LGの31.5インチの4Kモニターの上級機です。

 なお、キャリブレーションセンサーが未付属(別売)となる27UQ850Vもあります。

 パネル部分の性能は同じです。専用設計ですし、キャリブレーターとしては値段も安めですから付属モデルが良いでしょう。

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 仕様としては、別売のハードウェアキャリブレーションに対応する製品です。

 また、マシンスペック的にも、静止画・動画問わずに便利に使えそうな水準です。

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 液晶パネルはBlack IPS(=Nano IPS Black)パネルです。

 IPS液晶の「進化形」です。とくにIPS液晶が苦手な「黒の締まり」を強化できます。

 結果、コントラスト比は2000:1と、(VAに及ばないものの)IPS系では高水準です。

 繰り返しになりますが、「目の優しさ」の部分では、コントラストはあまり意味がないです。

 しかし、「階調表現」が良くなることで、IPSの品質そのままで、映像美の部分で性能が良くなります。

 色域は、DCI-P3はカバー率98 %です。

 IPS-Blackの場合、広色域であるのが普通ですが、本機もそうです。

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 液晶の輝度は、400cd/uです。

 応答速度は、オーバードライブ時、5ms (GTG)です。

 HDRは、HDR400に対応です。

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 画質調整機能は、下位機種と同様ですが高レベルです。

 ただ、他社機の多くはこの部分が「あっさり」ですから、それに比べると充実しています。

 低解像度コンテンツの底上げをする超解像技術(Super Resolution+)ほか、黒の表現量を高めるBlack Stabilizerなどお馴染みの機能を網羅します。

 「目の優しさ」の部分は、低輝度利用時のチラツキを防止するバックライトのフリッカー対策と、最近搭載が多いブルーライトカット機能が付属です。

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 スタンドの品質は、前後・高さ・回転に対応します。

 左右の角度調整はできませんが、ここは脚でも調整できるので致命的ではないです。

 調整幅は、下(5度)・上(20度)・高さ(11cm)の稼動範囲です。

 高さ方面の調整力は少し弱めに思えますが、大きめのモニターなので、やはり問題ないでしょう。

 「目の優しさ」の部分では、十分に合格点です。

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 接続端子は、HDMI2.0x2・DisplayPort・USB-Cです。

 USB-C端子は、90W給電です。

 16インチのノートPCなら速度低下なしに充電できます。

 ただし、出力はないのでPCのデイジーチェーン(数珠つなぎ)は、想定されません

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 USBハブは、USB-A(USB3.0)が1つとUSB-B(USB2.0)が1つ用意されます。

 KVM対応なので、複数のPCを利用する場合、マウスやキーボードををつなげておくとディスプレイ側で、一括した同時切替が可能です。

 ケーブルは、各種ケーブルが全て同梱されます。

 スピーカーは、総合10Wで付属です。

 HDCP2.2にも、対応です。

 保証は、3年です。

 無輝点保証もしっかりあります。

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 以上、LG32UQ850Vの紹介でした。

 他社提供もありますが同社が開発するNano-IPS Black搭載の「LGのご本家版」と言えます。例年DELLが先行して、LGが後から出すような順番ですが、今回もそうでした。

 値段差を見ずに言えば、LGのほうが映像部分の調整においては上位です。DELLはどちらかと言えば、ビジネスニーズをくみ取る方向なので、同じパネルでも、意外と「住み分け」はされている印象です。

 あえて言えば、デザイン用としてだけでなく、楽しみのために利用する場合、先述の「ブラックスタビライザ」ほか、テレビ系の画像補正が(テレビ屋さんとして)LGは強いと言えます。

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 【2024年発売】【31.5インチ】

 14・LGエレクトロニクス 32UN880K-B
  ¥71,980 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR10
USB給電: 60W
接続端子:HDMI2.0x2 DisplayPort USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm   
スピーカー:5W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年

 このほか、LGからは、アームスタンド式にした少し特殊なモデルも展開です。

 202210311310.jpg  

 図のような、机に取り付ける形式のアームが初期添付です。

 液晶パネルは、発売時期の関係もあり、普通のIPSです。

 輝度は350cd/uで、DCI-P3カバー率95%です。

 コントラスト比も普通なので、上質なIPSではありますが、先ほどの機種とははあルトは言えます。

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 スタンドは、4軸です。

 そのため【モニターアームの比較記事】でみたような、別売の専門機のほうが稼働性が良い部分はあります。

 ただ、レバーなしで上下動に対応する部分など、構造はしっかりしています。なにより、耐荷重的な意味で、純正の安心感はあります。

 ニッチですが良い仕様に思えます。ただ、モニターアームと本体は別に届くので、設置は自分でやることになります。

1-4・EIZOのモニターの比較

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 続いて、日本のEIZOのモニターです。

 ビジネス用が得意な老舗の液晶メーカーで、品質で選びたい場合、人気のあるメーカーです。


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 【31.5インチ】

 【2023年発売】EV3285後継機

 15・EIZO FlexScan EV3240X-BK
 16・EIZO FlexScan EV3240X-WT
  ¥136,364 Amazon.co.jp (5/1執筆時)

解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS-Black(相当) ノングレア
コントラスト比:2000:1
応答速度:5ms (GtoG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:
USB給電: 94W
接続端子: HDMI×2 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
4K動画再生:HDCP2.2   
保証期間:5年

 EV3285は、日本のEIZOの31.5インチの製品です。

 下部を含めて、フレームがない、4辺フレームレスなデザインの、ビジネス用高級機です。

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 液晶パネルは、ノングレア(非光沢)のIPSです。

 輝度は、350cd/uと平均的です。

 色域は、DCI-P3カバー率は不明です。「sRGB相当」という情報だけです。

 コントラスト比はIPSとしては高め2000:1ですし、IPS Blackのような上位パネルの1つであるとは思います。

 ただ、ストイックな書類仕事用として、輝度や色域における副作用を出さないために、あえてこのように調整にしている、という感じでAtlasは捉えました。

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 表示色数は、EIZO機はデザイナーを除けば1677万色8bitフルカラーです。

 他社の場合、もう少し安いクラスでも10.7億色フルカラーの機種はあります。

 しかし、8ビットパネルをディザリング処理を使ったFRC技術(Frame Rate Control)で「底上げ」している疑似10.7億色のものも多いです。

 FRC処理(ディザリング)は、仕組み上点滅(錯視)を利用しますし、弊害としてチラツキにより目が疲れる可能性はあります。EIZOの場合、仕事用は「目の優しさ優先だから、EIZO機はこの仕様にしているように思います。

 なお、表示色数階調表現においてやや差が付く程度で、本質的な画質にはさほど関係しません。

 応答速度は、5msとそこそこです。

 HDRは、非対応です、

 対応させるために輝度ピークを無理にあげると、色調や目の優しさの部分で無理が出ます。

 そのため、本機の性質上、あえて非搭載なのでしょう。

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 画像補正機能は、「目の優しさ」の部分がとにかく充実します。

 EIZOの場合、最低輝度が1cd/uまでしっかり落とせることが、注目点です。

 目の疲れを防止するためには、輝度を十分に下げた状態での視認性が重要です。 EIZOはこの点で優れています。

 また、明るさセンサー(Auto EcoView)で、低輝度時にもしっかり見やすい状況に調整する力も優れます。なお、カタログでは「環境光を感知し」と説明がありますが、同じセンサーを使うベンキューと違って照明の色温度もみれる環境光センサーではないです。

 ディスプレイの輝度のみに関係する部分なので、この仕様にしているようです。ただ、暖色系の照明だとうまく反応しないことは(少し)あり得るでしょう。

 そのほか、フリッカー対策・ブルーライトカットなど、他社の主要機能は網羅します。 

 とくに、周囲の明るさがわかるので、特に低輝度に調整した際に、フリッカーを完全にカットすることも可能です。

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 スタンドの品質は、手前のスペースを活かすため独特の形状です。

 ノートPCを含めた収納力を重視したようです。

 調整幅は、一方、高さ19cm、チルト角度(上35° 下5°)、左右(90°)と回転とフル稼動です。

 EIZOは、他社より、スタンドの稼働性を重視する部分があり、本機もそうです。 

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 接続端子は、HDMI端子が2系統のほか、DisplayPortがとUSB-Cポートがあります。

 なお本機のHDMI端子は、HDMI1.4です。(ビデオカードによって例外はあるのですが)4Kの場合30Pまでです。

 USB-CかDPでつなげる前提で買う方が失敗はないかと思います。

 USB-Cは、94W給電対応です。

 ハイスペックノートPCでも、コンセント充電に比べて速度低下なしで充電可能でしょう。

 ケーブルも、2mのケーブルが、全て用意されています。

 HDCP2.2には、対応です。

 スピーカーは、1Wの簡易的なものが付属です。

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 保証期間は、5年保証と他社より長めの保証が付属です。

 また、6ヶ月ですが無輝点保証も付けます。

 なお「輝点」とは、画面を黒表示させた時に、画面の1ピクセルが発光してしまうという「不良」のことです。 DELLやLGはこの部分も3年保証ですが、他社は付けない場合がほとんどなので、それでもポイントと言えます。

 同社は、出荷前に、しっかりキャリブレーションして送るため、品質信頼性は高いです。

---

 以上、EIZOEV3285の紹介でした。

 10万円オーバーの製品ですが、信頼性が高い高品質モニターです。

 HDRに対応しない点で、「ビジネスより」なオールマイティ機とはなりますが、HDIMIなど端子も多いので、画質重視のマルチ用途のモニターとして活躍すると思います。

 輝度調整が巧みなほか、色ムラなどの検品もしっかりしているため、「目の優しさ」の部分は折り紙付きです。

 品質重視の場合は最良の選択肢でしょう。

次回に続く
31.5型の4K 5Kモニターのおすすめ
結論的にこれ

 というわけで、今回は、31.5インチの4K液晶モニタの比較の1回目記事でした。

 しかし、記事は、まだまだ続きます。

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2・31.5型4Kモニターの比較 (2) 
 2-1:BenQ〈台湾〉
 2-2:ASUS〈台湾〉
 2-3:アイオーデータ〈日本〉
3・31.5型4Kモニターの比較 (3) 
 3-1:イイヤマ〈日本〉
 3-2:フィリップス〈欧州〉
 3-3:JAPANNEXT〈日本〉
 3-4:Apple〈米国〉
 3-5:その他の製品
4・4Kモニターの比較
 4-1:最終的なおすすめの提案【結論】

 続く2回目記事こちら)では、今回紹介できなかった各社の31.5インチの4Kモニターを追加で紹介します。

液晶パネルの画質 ★★★★★
目の疲れにくさ  ★★★★★
動画・ゲーム対応 ★★★★★
品質保証     ★★★★★
総合評価     ★★★★★

 その上で、結論編となる、最終回記事こちら】で、 ここまで紹介した全てのモデルから、予算別・目的別のAtlasのおすすめ機種を提案していきたいと思います。

 2回目記事は→こちら 

 引き続きよろしくお願いします。

posted by Atlas at 18:37 | PC用液晶モニター

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