【今回レビューする内容】2025年 最新4Kテレビの性能とおすすめ・選び方(ソニー編) 40 42 43 49 50 55 65 75インチ
【比較する製品型番】ソニー ブラビア X80Lシリーズ KJ-43X80LKJ-50X80L KJ-55X80L KJ-65X80L KJ-75X80L KJ-85X80L KJ-43X75WL KJ-50X75WL KJ-55X75WL KJ-65X75WL KJ-75X75WL BRAVIA7シリーズ K-55XR70 K-65XR70 K-75XR70 K-85XR70 XRJ-55X90L XRJ-65X90L XRJ-75X90L XRJ-85X90L XRJ-50X90K XRJ-55X90K BRAVIA9シリーズ K-65XR90 K-75XR90 K-85XR90 XRJ-65X95L XRJ-75X95L XRJ-85X95L XRJ-65X95K FW-43BT30K FW-50BT30K FW-55BT30K FW-65BT30K FW-75BT30K
今回のお題
最新モデルの4K液晶テレビのおすすめはどの機種?
どもAtlasです。
今回は、2025年4月現在、最新の4K液晶テレビの比較の3回目記事です。
4K液晶テレビのうち、ソニーのブラビアを全機種紹介していきます。
1・4K液晶テレビの比較【導入編】
:選び方の基本の説明
:東芝・レグザ〈日本〉
2・シャープの4K液晶TVの比較
:アクオス〈日本〉
3・ソニーの4K液晶TVの比較
:ブラビア〈日本〉
4・Panasonicの4K液晶TVの比較
:ビエラ〈日本〉
5・LGの4K液晶TVの比較
:ナノセル〈韓国〉
6・ハイセンスの4K液晶TVの比較
:Hisense TV〈中国〉
7・TCLの4K液晶TVの比較
:TCL TV〈中国〉
8・アイリスオーヤマの4K液晶TVの比較
:LUCA〈日本〉
9・各社の4K液晶TVの比較
:オリオン〈日本〉
:マクスゼン〈日本〉 ほか
10・おすすめの4K液晶テレビ 【結論】
=全機からのおすすめの提案
なお、全般的な「4Kテレビの選び方の基本」は、1回目記事の冒頭(こちら)に書きました。
そちらを先にお読みいただいた方が、わかりやすいかと思います。
よろしくお願いします。
映像の美しさ ★★★★★
目の疲れにくさ ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
ネット動画 ★★★★★
番組表 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、いつものように、各製品を比較します。
そして、最後の「結論編」(こちら)では、上表のようなポイントから、目的別、予算別にAtlasのおすすめ機種!を提案する型式で書いていきます。
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1・小型液晶テレビの比較
2・大型液晶テレビの比較
3・4K液晶テレビの比較
4・有機ELテレビの比較
5・8Kテレビの比較
6・おすすめTVのまとめ 【結論】
なお、今回の記事は、TVを紹介した一連の記事としては「3回目記事」の一環として書きました。
3-1・ブラビアの入門機の比較
というわけで、ソニーの4K液晶テレビの紹介です。
ソニーの場合も同じグレードの旧機種がのこるので、性能部分で「入門機・上級機・最高級機」にわけながら説明します。
はじめに、各年度のソニーの4K液晶テレビの入門機からです。
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なお、以下では、いつものように、Atlasのおすすめできるポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で書きます。
【2023年4月発売】
【43インチ】
1・ソニー ブラビア KJ-43X80L
¥122,248 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【50インチ】(VA)
2・ソニー ブラビア KJ-50X80L
¥133,500 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【55インチ】
3・ソニー ブラビア KJ-55X80L
¥151,309 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【65インチ】
4・ソニー ブラビア KJ-65X80L
¥238,000 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【75インチ】
5・ソニー ブラビア KJ-75X80L
¥256,109 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【85インチ】
6・ソニー ブラビア KJ-85X80L
¥314,147 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
パネル:IPS/VA(トリルミナス)
バックライト :エッジ型
解像度:4K画質
倍速液晶:
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k120p
新4K放送チューナー:搭載(3)
X80Lシリーズは、ソニーの「BRAVIA」の、2022年最新モデルの入門機です。
液晶パネルは、種類の情報は非公開です。
海外情報だと50型がVAで、あとはIPS系です。
シリーズもので(パネル生産の関係で)「50型のみVA」というパターンは割とみます。
いずれのパネルも、それぞれ良いところがあるので、個人的にはどちらでも良いです。
特に、ソニーは、パネル部分を含めてトリルミナス(トリルミナスPRO)と呼称します。
言葉の定義がされませんが、実際的に、パネル部分を含めた、画像エンジンによる広色域化技術と、バックライトの制御技術の名称として、同社はこれまで使ってきています。
同社のスマホ(Xperia)にも「トリルミナス」という表現がありますし、この認識で大きくは外れていないように思います。
一方、ソニーは、他社機と比べても、色域と彩度が高めという特性があります。
ソニーは、テレビの作り方としては、長年「鮮やかさ重視」です。
とりわけ赤の発色にこだわっているようで「鮮やかな画質」が好きな方にはおすすめできます。
映像美を楽しむような紀行番組などの自然描写はとくに得意です。
バックライトは、TVの「薄さ」重視のエッジ型です。
直下型に比べると、明暗の差を出すのが苦手です。
エリア制御(ローカルディミング)は、このグレードは省略のようです。少なくとも、ほのめかしてはいません。
ただ、トリルミナスの仕組みの1つとして、簡易的なもの(マイクロディミング)はしているかもしれません。
4Kチューナーは、搭載します。
SONYは、地上波・BS/CSと共用の新4K放送用チューナーが3基です。
そのため、外付けHDDを別に購入する場合、新4K放送でも2番組同時録画できます。他社に比べても豪華な仕様です。
インターネット上の4K動画の再生や、地デジやBSなどを4K画質にアップコンバートする技術も搭載です。
画像エンジンは、HDR X1を搭載します。
エンジンの質は、様々な画質向上化技術に影響します。
本機も、エンジンで、画像内の物体(空や建物)に合わせた高度な「ノイズ除去」を行っています。
画質の「高精細化」も、先述の「トリルミナス技術」としてのフォローします。「広色域化処理」もなされます。
超解像技術は「4K X-Reality PRO」として搭載です。
4Kテレビは地デジ解像度(フルHD)を拡大して表示しているため、この技術は、かなり重要です。フレーム内処理だけのオブジェクト型超解像です。
この価格帯では、超解像処理をしない企業も多いのでワンポイントです。ビッグデータ分析で得たデータベースを内蔵していて、解析しつつ補正します。
この部分に相当こだわり、ネットからコンテンツ情報を取得して分析する東芝(REGZA)を例外とすれば、入門機として業界水準以上です。
画質の自動調整は、ただ、イマイチです。
標準モード以外に、シネマ・ゲームモードなど「手動」で画質モードは切り替えられます。
ただ、視聴しているコンテンツに合わせて(おまかせで)自動調整する機能はないです。音声モードも同様です。
HDR10技術は、搭載します。
HDRは他社機でも説明したように、新4K放送にも採用される輝度向上技術です。
対応しない場合、輝度の部分で正確な表現ができませんが、本機は対応です。
さらに、XR HDRリマスター機能があります。
地デジなど、HDR情報を持たないにコンテンツを、計算によ、疑似的にHDR水準にコンバートできます。
こちらも、手つかずなメーカーもありますし、本機の良い部分の1つです。
倍速液晶は、未搭載です。
倍速液晶がないと、動きのあるスポーツなどの映像にあまり強くないです。
大画面テレビだととくにそう言えるので、この部分は、本機の大きな欠点です。
【2024年発売・タイムシフト対応】
【HDDタイプ:4TB】(3TB・6TBもあり)
・IODATA AVHD-AS4/E
¥20,980〜 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【SSDタイプ:1TB】(2TBもあり)
・ IODATA AVSSD-RS1
¥19,032〜 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
録画機能は、搭載です。
ただ、レコーダーではないので、4K新放送も、地デジなどを含めて基本的に、長時間録画ではなく、等倍録画です。
4K放送の場合1TBで64時間ほど録画が可能です。地デジだとその倍ほどです。
これは、他社も同様なので、仕方ない部分です。
なお、他社機にもありました、スマホアプリ経由での録画やしにも対応します。
番組表は、4K表示対応の一部シャープ機を除けば、国内勢の水準以上です。
優れた画像エンジンで、操作性も良いです。
無線LANも、内蔵です。
映像配信サービスは、ソニーは充実します。
Googke TVを搭載するからです。
好きなアプリをGoogle Playからダウンロードしてインストールできますので、たいていのオンライサービスに対応できます。
他社のシステムを利用する形式ですが、「スマートTV」としてはこの方向性のほうが使い勝手は良いです。
なお、旧名「Android TV」と違って、各動画サービスの「串刺し検索」ができるのがGoogle TVの大きな特徴です。
現在も格安機だと「Android TV」は残っているので、その「上位版」と言えるかもしれません。
なお、本機は、2年間の「ソニー・ピクチャーズの映画2年間見放題付き」です。
最大5作品は好きな映画を選んで2年間観れますよ、という馬家です。動画見放題ではないですが、「同社だからできる」のおまけとは言えます。
スピーカーは、総合出力は20Wと弱いです。
構成も、背面タイプのフルレンジのバスレフ型スピーカー2基ですから、他社の入門機と同じか、やや弱い感じです。
規格としては、一方、ドルビーアトモスに対応します。
最近のゲームや、Netflixなどの映画コンテンツでも採用される、映画館の臨場感を再現できる、3D立体音響規格です。
ただ、上向きスピーカーがない構成なので、バーチャルな再現性もイマイチです。
一方、本機は、同社のウォークマンでお馴染みの小型デジタルアンプ(S-Master)を採用します。
デジタル補正処理で音を聴きやすくするClear Phase テクノロジーや、部屋の家具配置に合わせられる自動音場補正機能など、技術的な部分で、ソニー機は見どころは多いです。
ただ、肝心なスピーカー出力があまり良くないので、総合的には音質は強調はできません。
音声アシスタントサービスは、対応です。
AI(Googleアシスタント)を呼び出して、操作させたり、天気などの情報を聞くことができます。
他社入門機でも対応するモデルは多いです。
ただ、リモコンのGoogleボタンを押して呼び出す操作が必要なものはほとんどですから、テレビに話しかけるだけで操作できる部分は、本機の「売り」の1つです。
もちろん、【スマートスピーカーの比較記事】で紹介したような、他社のAIスピーカーを導入すれば、可能ではあります。
なお、ソニーのリモコンは、基本操作(電源オン・オフ/チャンネルポン)を除くとBluetooth無線でつながるようになっています。
HFR(ハイフレームレート)は、PS5(Play Station)など次世代ゲーム機を利用する場合、注目して良い部分です。
対応する場合、60フレーム/秒ではなく、120フレーム/秒(4K/120Hz)の表示が可能で「なめらかな動き」がなされるからです。
本機は、HDMI端子の1つがこれに対応します。
一方、PS5に限定して言えば、ソニーの上位機は、自動でのゲームモードへの変更(コンテンツ連動画質モード)のほか、PS5と連動させてのHDR画質の調整(オートHDRトーンマッピング)を行います。
他社機でも、(このグレードの高性能機ならば)画像エンジンで処理できる範囲でしすが、自社製品ゆえのワンポイントとは言えます。
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以上、ソニーの X80Lシリーズの紹介でした。
入門機はいかに「価格を抑えるか」という点で、各社が苦心しています。
ソニーの場合は、倍速液晶を省略している点がそれにあたるでしょう。
一方、他社よりその「鮮やかさ」で定評のある同社の画質に関わるトリルミナス技術とHDR X1を省略しなかった点は評価できます。
これらの点でなかなか良い構成だとは思いますが、予算があれば、やはり、倍速液晶搭載の上位モデルのほうが良いでしょう。
この部分は、画質部分で、かなりの差ですので。
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なお、ソニーの入門機は、そのほか、以下のような製品があります。
【2022年発売】
【43インチ】
7・ソニー ブラビア FW-43BT30K
¥126,134 楽天市場 (4/11執筆時)
【50インチ】(VA)
8・ソニー ブラビア FW-50BT30K
¥131,842 楽天市場 (4/11執筆時)
【55インチ】
9・ソニー ブラビア FW-55BT30K
¥159,999 楽天市場 (4/11執筆時)
【65インチ】
10・ソニー ブラビア FW-65BT30K
¥218,534 楽天市場 (4/11執筆時)
【75インチ】
11・ソニー ブラビア FW-75BT30K
¥311,666 楽天市場 (4/11執筆時)
パネル:IPS/VA(トリルミナス)
バックライト :エッジ型
解像度:4K画質
倍速液晶:
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k120p
新4K放送チューナー:搭載(3)
第1に、BT30Kシリーズです。
本機は、法人向けの業務用です。
仕様は、画像エンジンを含め、先ほどの機種とほぼ同じです。
脚の形状が異なる程度で、リモコンを含めて家庭用として使っても問題ないです。
独自性は、初期音量・最大音量の固定、HDMIの抜き差しと同時に電源が切れる機能などがある点です。
前者は、ホテル向けの機能ですが、家庭向けでも便利と思えるシーンはあるかもしれません。
そのほか、シリアル端子(RS232C)HTML5対応、VESAマウント対応ほかの装備がある点です。ようするに、デジタルサイネージに使う場合に便利な仕様にしています。
パネルは、こちらも、50インチはVAで、あとはIPS(系)です。
一方、業務用と言うことでパネルスペックがでています。
IPSは、コントラスト比(1,200:1)、輝度(450ニト)、応答速度(8ms)です。
VAは、コントラスト比(5,000:1)、輝度(438ニト)、応答速度(9.5ms)です。
先ほどの機種とパネルは同じでしょう。
調達先は不明ですが、IPS系では、LG、あるいは、BOE(ADS)がこのスペックの製品を作っています。
あとは、法人向けの場合、3年保証が付属する点が、先ほどの機種との違いになります。
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結論的にいえば、一般向けには選ばなくても良い製品です。
ただ、業務用に探している場合は、しっかりしたエンジンを積んでいる部分を含めて、合って良いラインナップかなと思います。
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【2023年7月発売】(特定店のみ流通)
【43インチ】
12・ソニー ブラビア KJ-43X75WL
¥89,000 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【50インチ】(VA)
13・ソニー ブラビア KJ-50X75WL
¥104,000 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【55インチ】
14・ソニー ブラビア KJ-55X75WL
¥116,000 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【65インチ】
15・ソニー ブラビア KJ-65X75WL
¥142,000 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【75インチ】
16・ソニー ブラビア KJ-75X75WL
¥203,500 SONYストア(直営) (4/11執筆時)
パネル:IPS(VA)
バックライト:エッジ型
解像度:4K画質
倍速液晶:
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k120p
新4K放送チューナー:搭載(3)
第1に、 X75WLシリーズです。
直販以外は特定の店舗のみ流通している廉価版と言えます。
パネルは、海外のレビューサイト情報では、50型のみVAで、あとはIPSです。
エンジンは、非力な「X1」になります。
そのため、先述のHDRリマスターに非対応です。
さらに、広色域化にかかわるトリルミナス Proにも非対応です。
トリルミナス自体、何を意味するのかソニーは説明していないので、なにがなくなるのかは正確には不明です。
おそらく、エリア制御と広色域化処理がざっくり省略になると推定されます。
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結論的にいえば、画質面での、超解像度処理(4K X-Reality PRO)は残るため、海外などの格安機に比べて無個性ではないものの、あえて画質で「選べる」かと言えば、微妙でしょう。
そのほかは同じです。Android TVも搭載です。
ただ、先述の「映画のおまけ」は付きません。性能でテレビを選ぶのではない場合、付いていた方が、デンキヤ店頭では、このおまけに訴求力がありそうなので、この部分は、すこし謎です。
【2023年6月発売】(在庫限り)
【55インチ】
17・ソニー ブラビア KJ-55X85L
¥160,000 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【60インチ】
18・ソニー ブラビア KJ-60X85L
¥193,842 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
パネル:VA(トリルミナス)
バックライト:スリム直下型+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:4倍速相当
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(3)
X85Lシリーズは、ソニーの「BRAVIA」の2023年モデルの中級機です。
ただ、このグレードの製品は、生産完了情報が既に出ています。実質的な後継機は、価格差はありますが、あとでみる上位機です。
液晶パネルは、入門機と同じでトリルミナスです。
海外のレビューサイトの情報だと、両方ともVAのようです。
ただ、後述するコントラスト強化技術があるので、IPSの可能性はあります。分かったら補記します。
バックライトは、本機は、直下型LED配置となります。
奥行が薄いのでいわゆる「スリムタイプの直下型」です。
しかも、直下型の上級仕様である、エリア制御(部分駆動)に対応します。
いわゆるFALD(フルアレイローカルディミング)で画面を細かく分割し、コントロールします。
直下型の中でも、きめの細かいエリアコントロールができ、また明暗がハッキリ付く点で、「高級テレビ」としての特長は、より増しています。
ただ、最近は、ミニLEDを搭載する製品が上位機で増えているので「それの次」あたりです。
加えて、X-tended Dynamic Range機能も加わります。
エリア制御技術の応用で、電流制御で、明るくした場所に電流を収集させて、明暗差を作り出す機能です。HDR時代向きです。
4Kチューナーは、3基ですから、下位機種と同じです。
画像エンジンは、こちらも、HDRX1プロセッサです。したがって、パネルや画質補正に関わる部分の仕様は、下位機種と同じです。
倍速液晶は、搭載です。
パネルは2倍速のパネルですが、バックライトの点滅制御(X-Motion Clarity)ができるので、実際的に「4倍速液晶相当」です。
下位機種は、スポーツなどの動く映像に弱いといえました。しかし、本機は逆に、他社機と比べても「強い」と言って良い水準です。
その点で言えば、動く画像に強いのは、ソニーの中級機のワンポイントです。
録画機能は、対応です。
下位機種同様に2番組の録画まで対応できます。
スマホ経由の録画予約も可能です。
番組表・無線LAN・映像配信サービスも、同社入門機と同等です。
他社機と比べて、汎用的なGoogleTVを搭載している点で、VODの利用にはSONYは便利です。
本機もGoogle Assistantは、本体のリモコンを押さずに呼び出せ、質問が可能です。
スピーカーの音質は、基本的には下位機種と同じです。
2基のフルレンジスピーカーで総計20Wです。
このクラスの製品ではさほど強調できません。
幸い、HDMI端子がeARC対応で、増設もしやすいので、(満足できなければ)【サウンドバーの比較記事】で紹介したような製品を後から増設するのも良いでしょう。
音声アシスタントサービスは、下位機種同様に搭載です。
一方、本機は、Bluetoothも装備して音声を送信できます。
送信用コーデックは、音の遅延があるSBCだけなので、音質は期待できないほか、口パクと音が合わない「音の遅延」は生じやすいです。
なお、コーデックの種類や遅延の話に興味があるかたは【Bluetoothヘッドホンの比較記事】や、【ネックスピーカーの比較記事】で詳しく書きましたので、お時間があればお読みください。
HFR(ハイフレームレート)は、対応できます。
そのほかは、1つ上でみた、同年発売の入門機と同じです。2023年機なので、先述の「おまけ映画」も貰えます。
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以上、ソニーの X85Lシリーズの紹介でした。
下位機種の弱点とも言えた倍速液晶との弱さが改善しています。
スピーカーが弱い気がしなくもないですが、それ以外はまとまった性能だと思います。
特に、Google TVを搭載しており、Netflixなどの映画コンテンツサービスとの相性は良いので、この部分でSONY機を選ぶのは良い方向性です。
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【2022年10月発売】
【43インチ】
19・ソニー ブラビア KJ-43X85K
¥134,700 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【50インチ】
20・ソニー ブラビア KJ-50X85K
¥149,600 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
パネル:VA(トリルミナス)
バックライト :エッジ型
解像度:4K画質
倍速液晶:4倍速相当
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(3)
なお、このグレードは旧機種として X85Kシリーズが、一部サイズで残ります。
大きな違いは、液晶パネルです。
この世代の中級機だと、直下型ではなく、入門機と同じエッジ型です。
倍速液晶は、搭載で、本機も4倍速です。
ただ、点滅技術が旧世代(モーションフローXR240)なので、制御が画面の上下のみの旧方式になります。
あとは、大きな差はないです。
−
結論的にいえば、画面サイズの大きなものはそろそろ価格差が縮んできましたので、素直に新機種で良いかと思います。
43インチは、新機種にサイズがないので基本的に、最初にみた入門機との比較になるでしょう。その点で言えば、倍速未搭載の入門機を選ぶよりは、本機を選んだ方が「満足度は高い」とはまだ言えます。
3-2・ブラビアの上位機の比較
続いて、各年度のソニーの4K液晶テレビの上位機です。
同社の場合、このグレードから画像エンジンが代わり、上位の「AIエンジン」になります。
各所の性能もそれに応じて良くなります。旧機を含めてみていきます。
【2024年7月発売】
【55インチ】
22・SONY BRAVIA 7 K-55XR70
¥229,062 Amazon.co.jp (4/11執筆時
【65インチ】
23・SONY BRAVIA 7 K-65XR70
¥298,000 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【75インチ】
24・SONY BRAVIA 7 K-75XR70
¥410,837 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【85インチ】
25・SONY BRAVIA 7 K-85XR70
¥580,591 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
パネル:VA(トリルミナス)+量子ドット
バックライト:MiniLED+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:4倍速相当
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(3)
XR70シリーズは、ソニーの上位機です。
24年からシリーズの命名の仕方が変わり「BRAVIA 7」になりました。液晶では上から2つめのグレードです。
同社の4K液晶テレビでは、上から2番目のグレードの製品です。
液晶パネルは、量子ドット(QLED)方式のVAです。
詳しいパネルの種類はメーカーとしてこちらも非開示です。
しかし、海外サイトの検証情報を含めて、以上のように判断して良いでしょう。過年度の類似機の仕様を考えてもそうだと思います。
ちなみに、ソニーの場合 QLEDはかなり昔に採用例がありました。
直下型になるよりだいぶ以前の話ですが、トリルミナス proとして、エッジのLEDに青色LEDを採用していました。QD VisionのColor IQという半導体で色を変換して、広色域化する方式で、QLED技術の「走り」です。
ソニー製のお持ちの方で、テレビの下隅に「IQ」というシールが貼ってあったらそれです。しかし、環境負荷の部分で色々(カドミウムのことほか)あって、他社と同じ方式で23年から復活させた感じです。
いずれにしても、ソニーの理想とする「絵作り」にQLED方式は、マッチングしているとも言えますし、復活は必然的だったかと思います。
バックライトは、Mini LEDです。
採用機は東芝・シャープの上位機などでもみました。
4KHDRコンテンツ時代にふさわしい「輝度表現」をなすために、Mini LEDは決定的に重要ですし、ソニーも採用する形です。
なお、ミニLEDでも、格安機だと、バックライトの数(細かさ)で割と差がありますが、従来の「1/100の細かさ」という表記からすると、廉価版ではなく、スタンダードクラスです。
エリア制御は、ソニーが23年機(最上位機)から採用をはじめたXR バックライト マスタードライブが、本機にも内蔵です。
Mini LEDの特性合わせたソニーの制御技術で、細かい制御によるフレア(輝度の飽和)の抑制などを目指します。
4Kチューナーも、こちらも、共用チューナーで3基です。
画像エンジンは、2021年登場のBRAVIA XRエンジンです(認知特性プロセッサーXR)。
「人の脳のように映像を認識する認知特性プロセッサー」というのが売り文句です。
他社流に言えば「AIエンジン」です。AIに膨大なデータを、機械学習(深層学習)させ、AIに「人間のように」判断させ、画像を補正していると考えてください。
とくに、ソニーの場合、今回は、「注視点」というのを1つのキーワードにしています。注視点とは、人間がテレビを見る際に、集中する画面のポイントのことです。
それを理解した上で、本機は、注視点を中心に、色・精細感・コントラストなどの諸要素を、(個々別々でなく)AIが、横断的・複合的に分析、処理し、最適な映像を出します。
従来は、個別の要素に基づく補正に止まっていました。AI技術の進歩が活かされ、横断的な分析ができるようになった部分が、新しいと言えます。
この処理には、前景と背景を区別できる能力が重要になります。REGZA(東芝)・LG・パナソニックなども最上位機では似た処理をします。
ただ、この区別をどのように画質向上に使うかで各社個性があります。ソニーの場合は、オブジェクト検出でそれを区別してから、人間の「注視点」に注目して処理するところがそれにあたると言えます。
4K画質・それ以下のHD画質、それぞれのデータベースを内蔵していて、それと付け合わせながら、画像をアップコンバートしていく方向性です。
とくに、コントラストの部分では、AI分析とmini LEDパネルの採用との相乗効果で、下位機種に比べても、優れた補正効果が期待できそうです。
エリア制御と連動しつつ、暗部に使うはずの電流を明部に利用することで、コントラスト比をさらに高める、XRコントラストブースター 20など、技術的にも面白いです。
超解像処理も、AI技術が使われます。
フレーム内処理ですが、被写体内の各要素を細かく理解して解析します。
REGZA(東芝)でもみた「再構成型超解像」の1つです。
複合的に分析システムだと(その部分に鬼のように技術を注ぐ)REGZAでしょうが、普通にみて、ソニーの4Kテレビもも良い出来です。
ノイズ処理は、このほか、XR Clear Imageという機能性もあります。
低解像度・放送波のノイズ、動きの速い映像のノイズを、エンジンの力で「上手に」処理するというものです。
既存の技術をAIによるディープラーニングの強化で達成した技術でしょう。大きくは宣伝しません。
倍速液晶は、4倍速液晶相当です。
下位機種と同じ、新しい点滅制御(XRモーションクラリティー)です。
HDR10技術も、やはり横断的な分析の部分をふまえて、アップコンバートの名称をXR HDR リマスターと名前を変更しています。
録画機能は、対応です。
下位機種同様に、新4K放送も2番組の録画まで対応できます。
番組表・無線LAN・映像配信サービスは、基本的には、1つ上で紹介した同社の同年製の中位機種と同じです。
やはり、汎用的なGoogleTVを搭載している点で、VODの利用にはSONYは便利です。
一方、搭載のWi-Fiユニットが、Wi-Fi5(11ac)から、最新のWi-Fi6E(11ax)に進化しました。近所で混雑していい新しい帯域(6GHz帯)が使える部分で、接続安定性が高まります。
むろん、ルーター側の対応が必要です。対応機について、詳しくは【無線LANルーターの比較記事】で書いています。
このほか、上位機は、自社のサービス(BRAVIA CORE)の2年間無料特典が付属です。ソニーピクチャーの過去映画が見放題になるほか、10本に限りますが、最新映画も見れます。
スピーカーの音質は、総計40Wです。
仕組みは独自で、2基のフルレンジスピーカーのほか、上部にサウンドポジショニング トゥイーターを装備する方式です。
フルレンジは、同社の小型スピーカーでも見られる「X-Balanced Speaker」です。
円形や四角形にこだわらず、振動板を大きくすることに主眼を置き、限られた面積でも音圧を得れるようにした同社のスピーカー技術の総称といえます。
TV用の本機場合、音の歪みの改善効果も謳われます。
トゥイーターは音域を拡げるためではなく、音の定位感をあげ、上図なら「歌っている人の口から声が聞こえるように」調整を目指したものです。
ステレオ感向上のために、割と良い工夫です。ソニーは、昔から「テレビが喋っているかのような」効果を出せるTVのスピーカーシステムの開発に熱心です。
その部分を重視して、あまりTVのスピーカーの出力を(あえて)無理にはあげていません。
一方、3Dサウンドアップスケーリングも見どころです。
最近の映画やゲームが採用する3D立体音響規格(ドルビーアトモス)にかかわる部分です。
この規格は、コンテンツ側が対応しないと意味がないため、地デジなどでは、そもそも意味のない技術でした。
しかし、先述の「賢いエンジン」を使って、「地デジ」などの音も立体音響に(バーチャルに)再計算できます。
ある意味、一般ユーザーにとって使いやすい機能です。ただ、東芝など、(仮想ではなく)しっかりリアルスピーカーで、ドルビーアトモスに対応できる製品をだす企業もあるので、総じて、スピーカー部分は、やはり強いとは言えません。
その部分では、アコースティック センター シンク機能は、注目に値します。
【サウンドバーの比較記事】で紹介したソニーの一部上位機(HT-A9000 HT-A7000 HT-A5000・HT-A3000)、あるいは、【シアターシステムの比較記事】で紹介した上位機(HT-A9M2)と組み合わせる場合、テレビ内蔵スピーカーを、センタースピーカーとして(殺さずに)活かせます。
テレビのスピーカーが無駄になりませんし、割と面白いかと思います。
そのほか、本機のようなソニーのXRエンジン搭載機は、専用周辺機器となる HT-AN7を首につけることで、3D立体音響を再現できます。
かなり話がズレるので、対応機は【ネックスピーカーの比較記事】のほうで解説していますので、興味のある方はご覧ください。
その部分では、ソニーの上位機は、増設しやすい4WAYスタンドにしてくれているので、製品の選択肢の幅は広めに考えられます。
eARCも搭載されていますので、導入前提ならば、ソニーは良いです。
音周りの機能では、ニュースなど、聴きとりやすい音声にできる「ボイスズーム 3」機能が目立ちます。
人の声をAIで検出して、声の明瞭度を上げる工夫で、シニア世代には良さそうです。先述の同社の外部音響機器を利用する場合も有効です。
一方、TVがコンテンツの種類を判断して、音を自動調整するところまで至ってはいません。この部分は、後ほど見ていく、パナソニックなどが一歩進んでいます。
音声アシスタントサービスは、下位機種同様に搭載です。
Bluetoothも装備します。
HFR(ハイフレームレート)は、4K/120P入力に対応です。
PS5(プレステ5)などのゲーム機で、高リフレッシュレート(4K/120Hz)を試したい場合、良い選択肢です。
その場合、VRR(可変リフレッシュレート)とALLM(自動低遅延モード切替)に対応しますので、FPSゲームなどにも良いかと思います。
なお、フレームレートについては、詳しくは、PC専用の【ゲーミングモニターの比較】のほうでした説明が(少しは)、参考になるかと思います。
【2022年発売】
・ソニー BRAVIA CAM CMU-BC1
¥14,884 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
そのほか、テレビの上に増設するカメラとなるBRAVIA CAMに対応です。
導入する場合、ジェスチャー動作でもテレビの操作ができるようになります。人感センサー的な役割での節電や、ビデオチャットにも利用できます。
ここまでみた下位機でも使えます。しかし、上位機だと、ジェスチャーやチャット利用以外に「自動画音質調整機能」にも」利用できます。
ようするに、カメラセンサーを利用し、人間の位置を把握し、その方法に音をビームフォーミングできます。没入感を高めるための面白い工夫です。
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以上、ソニーのXR70シリーズの紹介でした。
他社機を見渡しても、今だとmini LED + QLEDというパネル構成でないと、上位機相当の画質はだしにくくなったと言えます。その点でいえば、本機は問題なく「上位機」です。
その上で、ソニーの特徴と言えるのは、「認知特性(注視点)」を重視したAIによる画像アップを狙うところでしょう。
近年は、AI技術の進化が凄まじく、ここについて行けない企業は、「少し危ない」感じすらありますが、ソニーは、映像部門も(特に)カメラ部門も強いため、この部分は個性的で、独自性も高いものとなっています。
映像処理面でソニーが培ってきたトリルミナス技術も大事にしながらの開発ですし、先述のように、mini LED + QLEDという方式と、ソニーが大事にしてきた「絵作り」の方向性は、親和性が高いように思います。
音周りは、出力を含めて、デフォルトではさほど強調できないです。逆に、ソニー製の外部機器を増設する場合、「テレビ内蔵スピーカーを活かし」つつパワーアップできるため、導入前提で考える場合、とくに良い部分があります。これは、操作が共通化できる部分を含めてそのように言えます。
PS5を含めてですが、自社製品とのリンク性が高いソニー製でブランド統一することは、わりと意味があると言え、実際ソニーもそこを狙ってのテレビ開発でしょう。
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なお、このグレードの旧機がいくつか残ります。
順番にみておきます。
【2023年5月発売】
【55インチ】(23年11月追加)
26・ソニー ブラビア XRJ-55X90L
¥163,647 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【65インチ】
27・ソニー ブラビア XRJ-65X90L
¥199,800 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【75インチ】
28・ソニー ブラビア XRJ-75X90L
¥304,500 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【85インチ】
29・ソニー ブラビア XRJ-85X90L
¥503,840 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
パネル:VA(トリルミナス)
バックライト:スリム直下型+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:4倍速相当
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(3)
第1に、X90Lシリーズです。
先ほど機種と同じグレードの旧機です。
価格は現行機より安いですが、とくにパネル部分で機能差はあります。
本機の場合、mini LEDと量子ドットは不採用です。
ようするに、この部分は、既に見た現行の中位機と同じです。
画像エンジンは、ただ、新機種相当で、中位機より格段に性能が良いBRAVIA XRエンジンです。
新機種と機能性は変わらない「AIエンジン」です。
あえて言えば、XRコントラストブースター20が下位仕様のXRコントラストブースター10です。ただ、これは、バックライトの仕様に由来するものですし、処理自体は同じ考えです。
の違いで、電流利用の効率でコントラスト比をさらに高める、
スピーカーは、、出力が総合30Wとすこしだけ弱くなります。
ただ、スピーカーの配置や目的は同じです。先述のような、ソニー製の音響機器とのリンクなど機能性も変わりません。
このほかは、通信規格がWi-Fi5になる点、ボイスズームがAiを伴わない旧式になる以外は、言及したい違いはないです。
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結論的にいえば、ソニーの特長である「AIエンジン」部分で強いため、それを搭載しない、ソニーの中級機に対しては、あきらかに上位と考えて良いです。
現行の上位機との価格差もあるので、現行の中級機と上級機の「真ん中グレード」の製品と考えれば、価格を含めて選べるでしょう。
ただし、パネル部分がmini LED + QLEDである機種は、そうでない機種に対して、テレビとして本質的な部分は絶対的に優れます。
したがって、画質に差があるのですが、これらを備える上で、本機のようにエンジンに工夫のある機種は(他社を含めて)高いです。
実際、エンジン部分を優先して考えるならば、本機はお買得に見えます。将来的にでも、音響機器も含めて、ソニー製でコーディネートしていこうという考えの方には、さらに良いでしょう。
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【2022年8月発売】
【50インチ】
30・ソニー ブラビア XRJ-50X90K
¥187,000 楽天市場 (4/11執筆時)
【55インチ】
31・ソニー ブラビア XRJ-55X90K
¥178,580 楽天市場 (4/11執筆時)
パネル:VA(トリルミナス)
バックライト:スリム直下型+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:4倍速相当
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(3)
第2に、X90Kシリーズです。
2世代前ですが、 画面小さめのモデルだけですが、ある程度の数が残ります。
比較する場合、1世代前とほとんど差がないです。
中位機までと同じ、ソニーピクチャーズの映画のおまけ(このシリーズは10作品まで)ほかは、先述の、XR Clear Imageが機能として加わっただけです。
そのほか、50インチ機は、黒強化技術が下位(XRコントラストブースター5)で、スピーカーも20Wです。
これは画面サイズに起因するものなので、問題ないでしょう。
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結論的にいえば、ソニー製だけで言えば、現行上位機にない50インチサイズが欲しい場合に限っては、こちらを選んでも良いように思います。
3-3・ブラビアの最高級機の比較
続いて、各年度のソニーの4K液晶テレビ最上位機です。
同社の場合、有機EL(OLD)の最上位機(BRAVIA 8)より、液晶の本機の方が上位という位置です。
大手では同社だけでしょう。
【2023年5月発売】
【65インチ】
32・SONY BRAVIA 9 K-65XR90
¥489,400 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【75インチ】
33・SONY BRAVIA 9 K-75XR90
¥750,000 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
【85インチ】
34・SONY BRAVIA 9 K-85XR90
¥844,086 Amazon.co.jp (4/11執筆時)
パネル:VA(トリルミナス)+量子ドット
バックライト:MiniLED+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:4倍速相当
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送用チューナー:搭載(2)
XR90シリーズは、同社の液晶テレビにおける最上位機です。
BRAVIA 9という呼称です。
先ほどみた同じ世代の下位機種(BRAVIA 7)と機能面が似るため、異なる点だけを確認しておきます。
第1に、バックライトです。
Mini LEDであることは同じですが、同社の23年機に対してピーク輝度(最大)1.5倍との表記です。
海外レビューサイトでも、実測の最大ピーク輝度(HDR 10%時)は、だと、それほどの差はみられます。
1つ上で見た、同じ仕組みの下位機(BRAVIA 8)との差は示しませんが、1.3倍程度の差はあるように見えます。
エリア制御も、LEDが「1.5倍」細かくなったことで、新LEDドライバーにしています。
結果、従来の約3倍の分割数です。新機種同士では、下位機の65インチで480ゾーン、こちらが1512ゾーンなので、制御は相当に細かくゾーン分けして、輝度を制御します。
ソニーは、以前、超高級機で1LEDごとに制御(ローカルディミング)する製品を出していました。本機は、より細かいLED(シート)にしつつ、その方向性を「継ぐ」製品と言えそうです。
第2に、パネル処理です。
低反射パネル(X-Anti Reflection)であるとの言及があります。
そのほか、X-Wide Angleという視野角の向上技術も、旧機に引き続き搭載です。
いずれも、東芝など他社高級機でも採用例があります。日中の外光が入る部屋などでの視聴に強くなります。視野角の強化の方は、フィルタを利用する方式でしょう。
そうした部分で個性があるので、(このブログでいつも使っている表現でいえば)「ブランド液晶」と言って良いグレードです。
第3に、スピーカーです。
本機は、総計70Wのスピーカー構成になります。
画面の裏の中央にフルレンジが左右2基、上部左右に、トゥイーター(フレームトゥイーター)が2基あります。
その上で、天井反射を利用し、高さ方向や、視聴場所の後方の音場を再現するビームトゥイーターが2基と、画面中央のサブウーファが2基です。
全部で8基のスピーカーであり、上位機らしい仕様です。
トゥイーターは、ソニー独自のフレームトゥイーターです。
フレームを振動させることで、まっすぐ音を出す方式です。
「画面から直接音が出ている感覚」を大事にした開発は、下位機種や従来機と同じです。
ただ、こちらの場合、フレームを裏から振動させて、フレーム全体で高音域を表現するというものです。定位が良くなります。
ビームトゥイーターは、先述のように、3D立体音響を実現するためです。
本機は、ドルビーアトモスなどの3D音源や、先述の3Dサラウンドアップスケーリングで、ステレオ音源も含めて、よりリアルな立体音響が表現できそうです。
それ以外は、東芝の最上位機と同じで、環境光センサーが装備され、部屋の照明色に応じた画面の調整がされる点が、違いと言えます。
HFR(ハイフレームレート)も、対応です。
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以上、ソニーのXR90シリーズの紹介でした。
下位機種と比べると、パネル部分のバックライト強化が魅力です。4K HDR時代のコンテンツで大事なピーク輝度の部分で価格にふさわしい能力を持つと言えます。
パネルも全機種が広視野角技術を採用した低反射パネルになりましたし、予算に制限をかけないならば、よい候補になるでしょう。
音響も、TV内蔵のものとしては相当豪華です。むろん、音響機器を別に増設するほうが、音は良いわけです。
ただ、このグレードだと壁掛けにする方も多いでしょうし、美観上、別にスピーカーを付けたくないという方には、良い仕様と言えそうです。
むろん、下位機種同様、ソニー製の音響機器とリンクさせて使う場合は、内蔵スピーカーも使うので、その場合、より本格的になります。
ここまで高級な製品は、Atlasを含めて「他山の石」でしょうが、値段なりの性能は期待できます。
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なお、最上位機はいくつか旧機が残ります。
順番にみておきます。
【2023年5月発売】
【65インチ】
35・ソニー ブラビア XRJ-65X95L
¥438,000 楽天市場 (4/11執筆時)
【75インチ】
36・ソニー ブラビア XRJ-75X95L
¥655,080 楽天市場 (4/11執筆時)
【85インチ】
37・ソニー ブラビア XRJ-85X95L
¥920,304 楽天市場 (4/11執筆時)
【2022年発売】
【65インチ】
38・ソニー ブラビア XRJ-65X95K
¥288,000 楽天市場 (4/11執筆時)
パネル:VA(トリルミナス)+量子ドット
バックライト:MiniLED+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:4倍速相当
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送用チューナー:搭載(2)
第1に、X95Jシリーズです。
最上位の1世代前です。
パネルは、仕様が同じです。
しかし、バックライトについて、LEDの数がこの世代だと少なめです。
現行機種で言えば、下位機種(BRAVIA 7)よりも輝度がやや弱い水準です。
とはいえ、先述の低反射・広色域化処理などはあるため、総合的には、下位機より上です。
スピーカーは、6スピーカー・総合60Wです。
新規取得ラベルと、天井を利用するビームトゥイーターがないです。
ドルビーアトモス・3Dサラウンドアップスケーリンなど仕様は同じですが、リアルな上向きスピーカーがない部分で、立体的なサラウンド感で差はあります。
なお、22年発売の、2世代前のX95Kシリーズは、23年旧機と差はほぼないです。
映画のオマケ(10作品まで)を除けば、先述のノイズ処理のXR クリアイメージがこの世代だとないほどです。こちらでも良いでしょう。
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結論的にいえば、現行のBRAVIA 7よりは、仕様は豪華なので、同じ画面サイズで「納得感」がいく値段差だった場合、22年機を含めて選択肢にできるでしょう。
とくに、スピーカーはそもそも外部機器を使うという場合は本機でも良いように思います。高級なソニー機が欲しかったが、日中に使いにくい有機ELは避けたかったいう場合は、安めならば良いかと思います。
次回記事の予告
4K液晶TVのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、ソニーの4K液晶テレビを比較しました。
しかし、記事は、まだまだ「つづき」ます。
4・Panasonicの4K液晶TVの比較
:ビエラ〈日本〉
5・LGの4K液晶TVの比較
:ナノセル〈韓国〉
6・ハイセンスの4K液晶TVの比較
:Hisense TV〈中国〉
7・TCLの4K液晶TVの比較
:TCL TV〈中国〉
8・アイリスオーヤマの4K液晶TVの比較
:LUCA〈日本〉
9・各社の4K液晶TVの比較
:オリオン〈日本〉
:マクスゼン〈日本〉 ほか
10・おすすめの4K液晶テレビ 【結論】
=全機からのおすすめの提案
次回の4回目の記事(こちら)では、パナソニックから発売されている4K液晶テレビを比較します。
映像の美しさ ★★★★★
目の疲れにくさ ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
ネット動画 ★★★★★
番組表 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、10回目の結論(こちら)で、ここまで紹介してきた全機種を対象に、上表のようなポイントから、目的別・用途別にAtlasのおすすめ機種!について書きたいと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
4回目の記事は→こちら