【今回レビューする内容】 2024年 左右直結型ワイヤレスイヤフォンの性能・おすすめ:コード型・ネックバンド型の旧式イヤホン
【比較する製品型番】 SONY WI-C100 WI-XB400 WI-1000XM2 BM WI-1000XM2 SM beats by dr.dre Beats Flex JBL TUNE125BT JBLT125BT TUNE115BT JBLT115BT TUNE215BT JBLT215BTBLU JBLT215BTWHT BLT215BTBLK ゼンハイザー IE 100 PRO Wireless オーディオテクニカ ATH-CC500BT
今回のお題
左右直結型のBluetoothイヤホンのおすすめはどの機種?
ども、Atlasです。
今回は、2024年10月現在、最新の左右直結型のBluetoothイヤホンの比較です。
現状は、左右独立型(TWS型)が主流で、このタイプは遠からず市場からなくなるタイプです。
ただ、ネックバンド型・コード型は愛用者がいますし、新品の「最終モデル」を確保できる、最後のチャンスが近くに思えたので、記事を更新しました。
1・左右直結型Bluetoothイヤホンの比較(1)
1-1:選び方の基本の解説【導入】
1-2:JVC 〈日本〉
1-3:ソニー〈日本〉
1-4:Beats〈米国〉
1-5:JBL〈米国〉
1-6:ゼンハイザー〈ドイツ〉
1-7:オーディオテクニカ〈日本〉
2・左右直結型Bluetoothイヤホンの比較 (2)
2-1:最終的なおすすめの提案【結論】
記事では、はじめに、左右直結型のBluetoothイヤホンの「選び方の基本」を説明します。
各社の製品を主にスペック面から比べていきます。
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
ノイズキャンセル ★★★★★
軽量性 ★★★★★
防塵・防滴性 ★★★★★
ハイレゾ音源 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最後の「結論」部分では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種!」を提案する形で記事を進めていきます。
よろしくお願いします。
ーーー
1・完全ワイヤレスイヤホンの比較
2・左右直結Bluetoothイヤホンの比較
3・ハイレゾ対応イヤホンの比較
4・ノイキャン対応イヤホンの比較
5・Bluetoothヘッドホンの比較
6・ノイキャンヘッドホンの比較
7・ハイレゾヘッドホンの比較
8・Beatsのヘッドホンの比較
9・ネックスピーカーの比較
10・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】
なお、今回の記事は、このブログのヘッドホン・イヤホン比較シリーズ全体としては、2回目記事として書きました。
1-1・Bluetoothイヤホンの選び方の基本
1・左右直結型タイプの現状
2・Bluetoothの圧縮転送規格
3・ノイズキャンセリング機能
はじめに、左右直結型のBluetoothイヤホンの「選び方の基本」の説明からです。
上表の3点にわけながら、順番に解説します。
1・左右直結型タイプの現状
第1に、左右直結型タイプの現状の説明からです。
冒頭で書いたように、このタイプのイヤホンは(格安機を除けば)すでに、継続モデルは(ほぼ)なく、遠からずなくなる、イヤホンのカテゴリーです。
もちろん「取って代わる」のは、左右独立のTWS型イヤホンです。
このブログだと、1番目記事(こちら)で(100機種以上)みています。
近年の進化著しい新技術を各社投入しているのは、イヤホンだとこのタイプだけといえます。
例えば、最近流行の3D立体音響(イマーシブオーディオ)について、ヘッドトラッキング機能を装備して、本格的に対応できる機種はありません。ノイキャンも精度も、音質部分も(もはや)TWS型の後塵を拝する状況です。
左右独立のTWS型イヤホンは、Bluetoothの安定性や、初期の諸問題(左右の音ズレ、ハイレゾ非対応)も解決されたと言って良い状況です。
マイナス面といえる「なくしやすさ」も、「スマホを探す」のと同じ、GPSで「イヤホンを探す」機能が付く機種も増えていて、解決しつつあります。
---
結論的にいえば、こうした状況のもと(急速に)終息に向かっています。
とくに、高性能機は、2019年前後に発売された製品が各社の「現行製品」で、その後でたモデルで、新要素が加わったものは(ほぼ)ないです。
ある程度音質が期待できる機種が欲しい場合、今が最後のチャンスです。
実際、(TWS型でも紐付きはあるものの)落としにくく、一時的に外して首においておける、「ネックバンド型」を愛用している方もいるでしょうし、ニッチなニーズはあるでしょう。
ただ、「どうしても左右直結型」というわけででないかたは、左右独立型でよいでしょう。
このブログの【完全ワイヤレスイヤホンの比較記事】でおすすめしている製品を(強く)推します。
2・Bluetoothの圧縮転送規格
第2に、Bluetoothの圧縮転送規格についてです。
Bluetoothは、回線が細いので、スマホなどから音を飛ばす際に、音源を圧縮します。
その際の圧縮規格をBluetoothコーデックと言います。
SBCだけなら、どのイヤホンも対応しますが、それ以上は機種によります。
その上で、PC・スマホほか、音楽を送る側の「再生機器側」も、同じコーデックに対応することが必要です。
iOS
SBC AAC
Android
SBC Apt-X
Xperia
SBC AAC LDAC
Mac&Windows:
SBC AAC Apt-X
上表は、各OS(機器)のコーデック対応状況を示したものです。
---
結論的にいえば、iOSの場合はAAC、AndroidやPCの場合はApt Xに対応していれば、(まずまず)OKなイヤホンです。
ただ、圧縮音源を「独自の味付け」で音質を高める技術に強みがあり、SBCでも「自社の色に音源を染めるのでOK」という場合もあります。
そういった機は特別なので、注意して書こうと思います。
「ハイレゾ」対応のイヤホンを買って、ハイレゾ音源を聴きたい方も多いかと思います。
その場合、PC・Mac・スマホのほうが、ハイレゾ用コーデック(LDAC・Apt-X adaptive)に対応しないと、音質は(CD以下に)劣化します。
ただ、トラスミッタやポタアンなど、さほど高くない小型の周辺機器を「かませ」ば、問題は解決できます。
ハイレゾに興味がない方には無用な話なので、詳しくは、【ハイレゾイヤホンの比較記事】のほうで、説明することにします。
3・ノイズキャンセリングの精度
第3に、ノイズキャンセル機能のグレードです。
イヤホンはで使う場合がほとんどでしょう。
電車などの騒音下で使う場合は、実際の所、音質よりもノイズキャンセリング機能を装備していることが重要です。
ただ、ノイキャンは諸方式があります(上表)。
機種によってノイキャンの精度が大きく変わります。
詳しい仕組みは「特化型」の記事になる【ノイキャンイヤホンの比較記事】の冒頭で書きました。
そちらをお読みただいても良いですが、今回の記事の本編(製品紹介)でも、各機のノイキャン性能の違いが分かるように書くので、大丈夫だと思います。
ーーー
以上、Bluetoothイヤホンの「選び方の基本」の紹介でした。
あとは、スポーツに使う場合など「利便性」に関わる部分、ドライバーサイズなど「音質」にかかわる部分、音漏れなど「構造」に関わる部分など、いろいろ説明するべきことはあります。
ただ、先述のように、【イヤホンの選び方のまとめ】の記事ですでに示していますし、以下の個別の製品説明で、フォローしていくことにします。
ーー
よろしくお願いします。
1・左右直結型Bluetoothイヤホンの比較(1)
1-1:選び方の基本の解説【導入】
1-2:JVC 〈日本〉
1-3:ソニー〈日本〉
1-4:Beats〈米国〉
1-5:JBL〈米国〉
1-6:ゼンハイザー〈ドイツ〉
1-7:オーディオテクニカ〈日本〉
2・左右直結型Bluetoothイヤホンの比較 (2)
2-1:最終的なおすすめの提案【結論】
以上のような企業順で、各社のBluetoothイヤホンを比較していきます。
1-2・JVCのイヤホンの比較
はじめに、SONYのBluetoothイヤホンを紹介していきます。
ノイキャンやコンバート技術などの面で、独自の特許技術も多く、商品展開もユニークです。
ただし、左右直結型は、入門機以外、ほとんどの旧機を終息させています。
---
なお、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチだと思う部分を青字で書きます。
【2022年発売】
1・SONY WI-C100
¥4,147 Amazon.co.jp (10/27執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:25時間
ドライバー:9mm
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:20g
SONYのWI-C100は、2022年に登場した、ソニーのエントリークラスのBluetoothイヤホンです。
装着方法は、コード型となります。
首に回して利用しますが、耳の部分にハンガーがないので、アクティブに歩きながら利用するのにはあまり向かないです。
ドライバーは、ネオジウムマグネットを利用した、1way方式です。
サイズ的には、9mmの大きめドライバーを採用します。
シングルドライバの場合、基本的には、大きいほど音域に余裕が生まれます。
さらに密閉型なので、低音域は、スペック通りに力強いと言えます。
音質は、したがって、この価格としては低音域は力強いと言えます。
最近の左右独立型の格安小型機だと6mmサイズのドライバが多いですが、それらと比べても音はやはり良いです。
加えて、ドライバサイズは同じですが。圧縮音源の音質を再計算で向上させるDSEE技術が搭載となります。Bluetoothは送信時かならず圧縮送信になるので、この技術は割と活きます。
立体音響は、対応です。
本機が「360 Reality Audio」の認定製品である点は強調できます。
Appleの「空間オーディオ」に相当するもので、同名の専用アプリ経由で、最先端の3D立体音源を楽しめます。
簡単に言えば、映像(映画)におけるDolby Atmosを、音楽用にしたもので、最近音源が増えていて(マニア以外鳴かず飛ばずだったハイレゾ音源より)流行しそうです。
なお、360 Reality Audioコーデックは、アプリベースの処理なので、対応しないソニー製品ほか、同社製品でなくても、Bluetooth搭載のイヤホンならば、他社製品でも使える点で汎用性があります。
しかし、本機を含めて、SONYの認定製品の場合、耳の形やヘッドホン特性に応じた、カスタマイズが可能な点で、仕様が高度になります。
2022年という発売時期の関係で、下位機種ながら対応となりました。
Bluetoothコーデックは、標準的なSBC規格のほか、動画の遅延が少なく、音質の劣化も少ないAAC規格が採用されています。
通信安定性の面では、本機はBluetooth5.0に対応し、優秀です。
連続再生時間は、最大で25時間と相当長いです。
充電はパソコンなどのUSBコネクターから充電する方式です。
ノイズキャンセリング技術は、未搭載です。
値段的に仕方ないでしょう。
防水性は、IPX4等級です。
スポーツ向きではないですが、屋外でも問題ありません。
---
以上、WI-C100の紹介でした。
「音楽用」として作られたソニーのBluetoothイヤホンとしては入門クラスの製品です。外側はシンプルな構成ですが、そこそこのサイズのドライバと、音質向上化技術が採用されており、この価格帯では「侮れない」実力があると言えます。
ただ、アクティブなシーンでは使いにくいですし、ノイキャンや重低音の強化を機能として持つわけでもないため、あくまで、入門クラスで優れていると言えます。
【2019年発売】
2・SONY WI-XB400 【各色】
¥7,280 Amazon.co.jp (10/27執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:15時間
ドライバー:12mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:21g
SONYのXB400は、2019年に登場したBluetoothイヤホンです。
こちらは、XBシリーズに属しており、低音域(重低音)の充実度に重きを置いた製品です。
装着方法は、こちらも、コード型となります。
形状は、下位機種と同じです。
再生周波数帯域は、20Hz-20kHz表記なので、とくに計測したものではないでしょう。
ただ、後述するように、増幅方式の違いで、逆に低音域は充実する製品です。
ドライバーは、しかし、大きめの12mmのドライバーを採用します。
音質は、ドライバのサイズと、振動板前面の容積の工夫で、低音域が充実します。
この点で、格安機では、高音域と低音域に特長のある「ソニーサウンド」を最も実現している製品とも言え、迫力重視ならば、良い選択肢です。
再生周波数帯域も、ユーザーが、ある程度ボリュームを出すことを想定しての値でしょう。
一方、圧縮音源を向上させるDSEE技術は未搭載で、3D立体音源の「360 Reality Audio」利用時の個人最適化機能は利用できません。
Bluetoothコーデックは、こちらも、SBCとAACに対応します。
AACに対応できるiOS系ならば、音の遅延が少ないため、ある程度まで、動画などにも耐えられるでしょう。
通信安定性の面では、本機もBluetooth5.0に対応し、優秀です。
連続再生時間は、最大で15時間と相当長いです。
充電はパソコンなどのUSBコネクターから充電する方式です。
ノイズキャンセリング技術は、この機種は、未搭載です。
防水性は、保証されません。
---
以上、WI-XB400 の紹介でした。
低音域の迫力を重視するならば、この機種が選択肢となります。
一方、値段的も値頃感があることから分かるように、ターゲット層は若い世代です。
いわゆる「ドンシャリ」系なので、自然さ、中音域の聞きやすさなどを重視したい方は、選択肢にはならないでしょう。
【2019年発売】(国内生産完了)
3・SONY WI-1000XM2 BM
4・SONY WI-1000XM2 SM
¥40,700 Amazon.co.jp (10/27執筆時)
再生周波数帯域:3Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC, LDAC
連続再生時間:10時間
ドライバー:9mm+BA
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:
重さ:58g
SONYの WI-1000XM2は、SONYのBluetoothイヤホンの最上位機です。
ただし、生産完了で、このグレードの後継機は、【完全ワイヤレスイヤホンの比較記事】でみているTWS型(完全ワイヤレス)になります。
このタイプの最終モデルといえますが、まだ新品在庫は多少ですがあるようです。
装着方法は、ネックバンド型です。
見ての通りかなり太く、重さも58gです。
ただ、耳の部分は片側7gですし、ネックバンド式なので、違和感はないし、疲れません。
なお、重みがあるのは、後ほど紹介するように、高精度なノイズキャンセラが搭載されているためです。その点で言えば、アクティブな利用には向かないという製品です。
再生周波数帯域は、低音が3Hz、高音が40kHzまでです。
スペック的に、耳の可聴域やCDの収録範囲(20Hz-20kHz)を超えます。
しかし、先ほども書いたように、帯域幅の余裕は、音の自然さを一般的に高めるため、意味があります。
その上で、高音域が40kHz以上のため、CD音質を越える、ハイレゾ音源に対応できます。
CD音源に変わる形で最近広まっている音源で、定額聴き放題サービスでも、対応が開始しつつあります。
例えば、アマゾンの定額聴き放題サービスでは、「Amazon Music」で、ハイレゾ音源の配信がはじまっています。
2021年6月からは、通常音質の聴き放題サービスであるAmazon Music Unlimited契約だけで、CD・ハイレゾ音質となるこちらのサービスが聴けるようになっています。
詳しくは、同社の説明サイト(こちら)をご覧ください。無料試用も可能です。
ドライバーは、ソニーの上位機特有のハイブリッド型です。
9mmのダイナミックドライバーと、高音域要のバランスド・アーマチュア型ドライバーを採用した、Wドライバー仕様です。
低音域と高音域をそれぞれ別のドライバー(スピーカー)が対応します。
とくに、専用ユニットで、高音域がしっかり出る点で、ハイレゾ向きなシステムであり、高音域における繊細な音の再生が可能です。
音質は、CDレベルの音源を含めて、クリアな中・高音域が特長です。
帯域の広さを十分感じられる仕様です。
Atlasは、ユニットがこれと同様の旧機を所有しています。
そちらの場合、ソニーの高級ラインなので、Wドライバーでも、過度に「ドンシャリ感」はなく、中音域の聞きやすさも兼ね備え、「出来が良い」です。
また、こちは、DSEE HXも採用です。
先ほどのDSEEの上位互換です。圧縮音源をCD音質にするだけではなく、ハイレゾ音質に満たない通常のCDなどの音質も再計算し、ハイレゾ並みの音質にアップコンバート再生する機能です。
音質のパーソナライズは、対応です。
ノイキャンのかかりを最適化させるため、内蔵マイクを使いつつ調整する機能があります。
また、周囲の気圧状態も見ながら調整する点はソニーの独自性です。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACに加えて、 LDACにも対応します。
LDACは「高性能コーデック」で、ハイレゾ音源を含めて、音質を劣化させずに送れます。
これには、機器側(スマホ・ウォークマン側)の対応も必要です。
ただ、この部分は順次対応されていくでしょうから、気にして損がない部分です。
立体音響は、対応です。
先述の「360 Reality Audio」の認定製品です。
先述のように、Appleの「空間オーディオ」を含めて、3D立体音源は(ある意味ハイレゾより)普及しそうな勢いのある音源です。
本機は「360 Reality Audio認定ヘッドホン」ですので、耳の形やヘッドホン特性に応じた、カスタマイズが可能です。
なお、空間オーディオは、、360 by deezerかnugs.netほか、定額聴き放題サービスでも、「Amazon Music Unlimited」でも、3Dオーディオは配信がはじまりました。
イヤホンも2021年後半からアマゾンで使えます。(こちら)で無料体験も可能です。
ハイレゾより対応が簡単なので、(イマイチ拡がらなかった)ハイレゾより急速に普及する気がします。
立体音源は、本機も、「360 Reality Audio」の認定製品ですので対応です。
通信安定性の面でも、Bluetooth 5.0で、接続安定性が高まってもいます。
ノイズキャンセリング技術は、この製品から一次元高い「上級技術」が採用されます。
下位機種の場合、外部マイク1つのみの構成でした。
しかし、この製品は、内部にフィードバックマイクがあり、聴いている音楽自体もデジタル化し、同じくデジタル化した外音を打ち消す仕組みです。
デュアルノイズセンサーテクノロジーとソニーは呼びますが、効果は下位機種よりも高いです。
その上で、ノイキャンを制御するチップについて、2019年登場の「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」が採用となっています。
従来の4倍の処理能力を有しており、優秀です。
また、下位機種にも搭載があった、フルオートAIノイズキャンセリング機能・外音取り込みモードを進化させた、アダプティブサウンドコントロールも注目点です。
この場合、スマホの加速度センサーを利用し、ノイズキャンセラ・外音取り込みレベルを、自動切り替えしてくれます。
なお、周囲の環境に応じて調整できる、アダプティブハイブリッドANCは、現状のノイズキャンセルの諸方式では「最強」と言える方式です。
通勤時は、歩いたり、座ったり、止まったり状況が変わるため、都度、モードを変更してくれるのは便利です。
変更時には「ピー」という音声で案内があります。
そのほか、飛行機などを利用する際の気圧の変化を検知して、音を最適化する機能も搭載しますので、出張時にも便利です。
イヤホンのノイキャン技術としては、最高レベルです。
連続再生時間は、10時間です。
ノイキャン搭載機ですし、その他の機能性を考えれば及第点です。
一般的には十分です。
防水性は、ありません。
---
以上、ソニーのWI-1000XM2の紹介でした。
ハイレゾ対応とノイキャン対応の「いいとこ取り」と言って良い機種です。
通勤のほか、勉強時など静かな場所で着座しても利用する方には、便利でしょう。その場合に重要なバッテリーの保ちも良いです。
難点は重さですが、これは、スポーツイヤホンではないので、個人的にはあまり気にしなくて良いと思います。
2-2・Beatsのイヤホン
続いて、BeatsのBluetoothイヤホンを紹介します。
以前と違って、現在はAppleのブランドの1つですが、ある程度独立して製品を出しています。
「b」のデザインは、流行に敏感なスポーツ選手が多く利用していることでも知られます。
【2020年発売】
5・beats by dr.dre Beats Flex
¥8,909 Amazon.co.jp (10/27執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:12時間
ドライバー:
ノイキャン:
防水性能:
重さ:24g
Beats Flexは、同社の製品では、ワイヤードタイプでは、現在同社唯一のBluetoothイヤホンです。
以前は、PowerBeats という上位機がありましたが、廃盤になったためです。
本体色は、ブラック(MYMC2PA/A)と、フレイムブルー(MYMG2PA/A )・スモークグレイ(MYME2PA/A)・ユズイエロー(MYMD2PA/A)になりました。
装着方法は、図のような、コード型となります。
こちらは、雨天でも使える防沫設計は不採用です。
音質面では、BOSE同様、再生周波数帯域やドライバーについての情報は、「複層構造ドライバー」という表現以外は、非開示です。
上位機のような2WAY方式ではなさそうですが、高音部もそれなりに出ています。
前機種のBeatsXとも音質が少し異なるので、ドライバ自体か、少なくとも、そのチューニングは異なると思います。
いずれにしても、ストリート用に発展してきたブランドらしく、ハッキリとした「低音」が特徴的です。
音質のパーソナライズは、特段機能性を持ちません。
Bluetoothコーデックは、 SBCとAACに対応です。
稼働時間は8時間と割と長めです。これは、W1チップというApple製チップを搭載したことも大きいです。
立体音響は、規格的に非対応です。
通信安定性の面でも、Beatsは定評があります。
ただ、 Class 1 Bluetoothですので、同社としては最新ではないですね。
ノイズキャンセリング技術は、未対応です。
スマホ通話用のマイクは付属します。
連続再生時間は、12時間です。
旧機種よりパワーアップした点で、十分な時間です。
急速充電に対応しており、50分の充電で1.5時間の再生も可能です。
防水性は、ありません。
そのほか、本機は、収納時のために、マグネットのようにくっつく仕様です。
この状態にすると自動的に音楽が停止、外すと再生される仕様はユニークです。
----
以上、 Beats Flexの紹介でした。
同社の製品としては格安に買える製品です。ただ、この手の製品で、雨天でも使える防沫設計は不採用なのは残念な部分でしょう。
ただ、あまりアクティブには使わないものの、この形状が好みの人には人気が出そうです。W1チップを含めてApple製品に最適化された作りで、iPhoneとのBluetooth接続は特にスムーズです。
2-3・JBLのイヤホンの比較
続いて、、アメリカのJBLのBluetoothイヤホンです。
同社は「JBLサウンド」と呼ばれる、中音域が充実した音作りが自慢です。
高級機もありますが、最近は格安機でもプレゼンスを増しています。
【2022年発売】JBLT125BTBLK
6・JBL TUNE125BT JBLT125BT
¥3,764 Amazon.co.jp (10/27執筆時)
【2020年発売】
7・JBL TUNE115BT JBLT115BT
¥4,200 Amazon.co.jp (10/27執筆時)
ドライバー:8.6mm
重さ:16.2g
【Amazon限定】(2020年)
8・JBL TUNE215BT JBLT215BTBLU
9・JBL TUNE215BT JBLT215BTWHT
10・JBL TUNE215BT BLT215BTBLK
¥4,378 Amazon.co.jp (10/27執筆時)
ドライバー:12.5mm (開放型)
重さ:
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC
連続再生時間:16時間
ノイキャン:
防水性能
TUNE125BTは、米国の音響メーカーのJBLが発売する入門機です。
同社のTUNE115BTの後継機で、少し軽量になった上で、バッテリー量が増えています。
一方、Amazonだけで売られるTUNE215BTは、ドライバーが少し大きな部分で「プチ上位機」です。
ただ、こちらだけは、開放型(オープンエア)なので、音抜けがよい反面、音漏れするタイプなので、シーンは選びます。
装着方法は、図のような、コード型となります。
受信機は、首の部分にあります。
再生周波数帯域は、20Hz-20kHz表記です。
先述のように、このスペックの場合、ドライバの能力を計測したものではなく、Bluetooth圧縮規格のスペックです。
ドライバーは、8.6mmサイズのドライバーを採用しています。
この価格帯の製品としては、大きめであり、優秀です。
音質は、試聴した限り、サイズの割に低音はしっかりと聞こえ、中音域もそれなりに充実しており、「ドンシャリ」感は低めでした。
この値段の製品としては、個人的には「良音」と感じます。
イヤーピースは、3サイズ添付です。
Bluetoothコーデックは、しかしながらSBCのみの対応です。
遅延の問題があるため、動画の視聴に使う場合、この機種は向かないでしょう。
通信安定性の面でも、本機は、Bluetooth4.2ですので、世代的には少し古いです。
連続再生時間は、8時間です。
このタイプの製品としては短く、価格的限界が出ている部分ですね。
ノイズキャンセリング技術は、この機種は、未対応です。
防水性も、ありません。
---
以上、TUNE115BTの紹介でした。
入門機としてコスパを重視した製品で、同じ価格帯の製品と比較すると、音質は「侮れない」印象です。
ただ、抜き出た個性があるとも言えないため、「音の綺麗さ」を重要視するならば、より上位の機種が良いでしょう。
2-4・ゼンハイザーのイヤホン
続いて、ドイツのゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンです。
【2021年発売】
【標準セット】
11・ ゼンハイザー IE 100 PRO Wireless
¥22,000 Amazon.co.jp (7/4執筆時)
【ケーブルのみ】
12・ ゼンハイザー IE 100 PRO Wireless
¥11,736 Amazon.co.jp (7/4執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-18kHz
コーデック:SBC, AAC, AptX LL
連続再生時間:10時間
ドライバー:10mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:19g+14g
IE 100 PRO Wirelessは、ドイツのゼンハイザーが販売するBluetoothイヤホンです。
本機もSHUREのような、コードとドライバ部分の分離式となり、ケーブル部分の販売があるタイプです。
装着方法は、コード型となります。
重さは、総重量として33gです。
軽くはないですし、ドライバ部分もやや大きめです。
ようするに音質優先設計です。
再生周波数帯域は、20Hz-19kHzです。
ドライバーは、ダイナミック型という情報以上に、詳しいソースがありません。
ただ、サイズは10mmと大きめです。
音質は、もともとモニター設計だったので、フラットで解像感のよい音質です。
ただ、ドライバサイズの関係か低音域は充実します。
良かれ悪しかれ、ゼンハイザーな音質です。
Bluetoothコーデックは、注目に値します。
SBC・AAC・Apt-XとCD音質のロスレス伝送規格をフォローした上で、新しくApt-X LLに対応するからです。
LLは「ローレイテンシ」の略で、要するに、Bluetooth最大の弱点である音の遅延の解決を図った規格です。
最近、クアルコムから対応のSOCが出た影響か、各社ともこの仕様が増えています。
機器側(スマホほか)の対応が必須ですから、どちらかと言えば、現状ではPCやゲームユーザーに関係した話でしょう。
通信安定性の面でも、Bluetooth5.0に対応します。
ノイズキャンセリング技術は、未装備です。
連続再生時間は、10時間です。
防水性は、ありません。
---
以上、ゼンハイザーの IE 100 PRO Wirelessの紹介でした。
ドライバサイズに起因する部分も大きいと思いますが、この価格帯だと情報量は多めです。
Bluetoothのコーデック圧縮の関係で、ワイヤードより落ちる部分はありますが、同社の交換式愛用者が利便性重視で選ぶ製品と言えます。
2-3・オーディオテクニカのイヤホン
続いて、オーディオテクニカの 完全ワイヤレスイヤホンです。
日本の老舗で、スタジオモニター用など、原音忠実性が売りです。
【2022年発売】(現行品)
13・オーディオテクニカ ATH-CC500BT
¥10,727 Amazon.co.jp (7/4執筆時)
再生周波数帯域:25Hz-22kHz
コーデック:SBC AAC, AptX HD
連続再生時間:20時間
ドライバー: (軟骨電動)
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:35g
ATH-CC500BTも、日本のオーディオテクニカが販売するイヤホンです。
同社で最後まで残った左右直結型です。
本機は少し特殊な製品で、耳に「ちょい掛け」する形式です。
いわゆる「骨伝導スピーカー」の一種です。しかし「軟骨電動」という新しい経路で音信号を伝えます。
骨伝導と違い、耳の軟骨に当てる程度で圧迫感がない点、骨伝導の弱点であるステレオ感も得やすい点で、それより優れるとされます。
骨伝導スピーカーは、ヘッドセットや、スポーツ向け(Shokz OpenRun SKZ-EP・OpenRun Pro・OpenMove)でそこそこ需要があります。
しかし、音質的に「両耳型」に遠く及ばないので、一般用には普及していません。
「軟骨伝導」はオーディオテクニカが初の新機軸でとなります。
最近は、テレワーク時代に適う、長時間使えるイヤホンの開発が流行しています。このブログでも、【完全ワイヤレスイヤホンの比較】でも、ソニー機など、いくつか書きました。
本機は、その部分については、オーディオテクニカの「解答」といえる製品でしょう。
装着方法は、ネックバンド型です。
重さは、35gと軽いです。この部分もこの方式のメリットです。
再生周波数帯域は、低音が25Hz、高音が22kHzまでです。
ハイレゾは非対応です。
音質は、一方、同社の両耳型と比べても、やはり限界があります。
一般的な骨伝導型より、音域は広い感じはありますが、(ステレオ感というより)音の奥行感とボリュームがやはりもの足りないです。
音質のパーソナライズは、特段機能性を持ちません
Bluetoothコーデックは、本機もSBC・AACに加えて、Aptx-HDに対応します。
ただし、ハイレゾ対応水準ではないです。立体音響も対応しません。
通信安定性の面では、本機はBluetooth5.1に対応です。
ノイズキャンセリング技術は、もちません。
ただ、通話に使う場合における、用途としてはあります。
稼働時間は、20時間です。
---
以上、オーディオテクニカのATH-CC500BTの紹介でした。
仕組み的に音漏れはないので、耳が痛いのでイヤホンは苦手だが、スピーカーは使えない場合は良いでしょう。
レビューであまり評価されませんが、これは、従来の「両耳型」と比べているからだと思います。用途性が違うことは認識するべきでしょう ながら聴きのBGM用ならば(まあまあ)使える水準です。
ただ【完全ワイヤレスイヤホンの比較】で紹介したような同じようなコンセプトの製品と比較すると、音質で負けるとも言えます。
次回につづく!
左右ケーブル型のBluetoothイヤホンのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は、左右直結タイプのBluetoothイヤホンの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
2・左右直結型Bluetoothイヤホンの比較 (2)
2-1:最終的なおすすめの提案【結論】
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
ノイズキャンセル ★★★★★
軽量性 ★★★★★
防塵・防滴性 ★★★★★
ハイレゾ音源 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
続く、2回目記事(こちら)は、結論編です。
今回紹介したBluetoothイヤホン全機種から、価格別・目的別に「Atlasのおすすめ機種!」を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
今回の記事がお役に立ったようならば幸いです。Twitter Facebook はてなブックマークなどで話題を共有していただければ嬉しいです。