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2022年08月21日

比較2022'【静音】ノイキャンヘッドホン37機の性能とおすすめ・選び方 (1)

【今回レビューする内容】2022年 ノイズキャンセリングヘッドホンの性能とおすすめ・選び方:通勤通学・電車・飛行機でのノイズキャンセル:iPhone Android対応ノイズキャンセリング対応ヘッドホン

【比較する製品型番】SONY WH-1000XM5 WH-1000XM4 Bose Noise Cancelling Headphones 700 Bose QuietComfort 45 headphones QuietComfort 35 U Apple AirPods Max ソニー MDR-ZX110NC WH-XB910N WH-XB900N WH-CH710N NC WH-H910N パナソニック RP-HD610N RP-HD600N

今回のお題
ノイズキャンセリング対応ヘッドホンのおすすめはどれ?

 どもAtlasです。

 今回は、2022年8月現在、最新のノイズキャンセリング対応ヘッドホンの比較です。

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1・ノイキャンヘッドホンの比較記事
 用途:オーバーヘッド型(自宅・出張)
 予算:1万円〜
2・ノイキャンイヤホンの比較記事
 用途:インナーイヤー型(通勤・通学)
 予算:5000円〜

 なお、紹介するべき機種が多いので、今回は記事を2つに分けています。

 今回は、1回目で、オーバーヘッド型の(ゴツい)ヘッドホンを紹介します。

 そのため、普段の通勤通学にむく、インナーイヤータイプについては、2回目となる、【ノイキャンイヤホンの比較記事】のほうをご覧ください。


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1・ノイキャンヘッドホンの比較 (1)
定番のヘッドホン
 1-1:ソニー
 1-2:BOSE
 1-3:Apple
 1-4:パナソニック
2・ノイキャンヘッドホンの比較 (2)
日本のヘッドホン(2)
 2-1:DENON
 2-2:JVCビクター
 2-3:Ag.
米国のヘッドホン
 3-1:JBL
 3-2:SKULLCANDY
 3-3:Beats
 3-4:SHURE
 3-5:アンカー
3・ノイキャンヘッドホンの比較 (3)
 ・欧州のヘッドホン
 4-1:ゼンハイザー〈ドイツ〉
 4-2:AKG〈オーストリア〉
 4-3:B&W〈イギリス〉
 4-4:B&O〈デンマーク〉    
 4-5・最終的なおすすめ機種の提案

 今回は、以上のような順番で、各社のノイキャンヘッドホンを見ていきます。

 はじめに、ノイキャンの効きの部分で「ダントツ」と言える、3社の製品を見たあと、メーカー順位見ていく構成です。

ノイキャン効果 ★★★★★
音質の良さ   ★★★★★
重低音     ★★★★★
ハイレゾ再生  ★★★★★
コーデック   ★★★★★
総合評価    ★★★★★

 そして、最後の「結論」部分では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種!」を提案する形で記事を進めていきます。

1・Bluetoothヘッドホンの比較
2・Bluetoothイヤホンの比較
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較
4・ハイレゾヘッドホンの比較
5・ハイレゾイヤホンの比較
6・ノイキャンヘッドホンの比較
7・ノイキャンイヤホンの比較
8・Beatsのヘッドホンの比較
9・ライトニング端子イヤホンの比較
10・ウェアラブルネックスピーカーの比較
11・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】

 なお、今回の記事はこのブログのヘッドホン比較シリーズの6回目記事として書きました。

0・ノイキャンヘッドホンの選び方

 はじめに、各ヘッドホンに搭載されるノイズキャンセリング技術について、その基本的な仕組みと、製品ごとの違い特長について説明しておきます。

0-1・ノイズキャンセリングの仕組み

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 ノイキャンの基本となる技術は、どの製品も同じ仕組みです。

 ヘッドホン外部につけられた「マイク」がノイズ(騒音)を拾い、それと逆の傾向を持つ音を発生させて、ノイズを打ち消すというものです。

 しかし、同じ「ノイキャン」でも製品ごとに精度に差があります。 

1・搭載されるマイクの数
 
=騒音種類とLVの正確な把握
2・搭載されるセンサーの種類
 =装着状態や周囲環境の把握
・プロセッサーの処理能力
 =AIによるデータの統合と処理

 これは、主に、上表の3点において各製品ごとに能力が異なるためです。

 文字だとやや分かりにくいかと思いますので、もう少しかみ砕いて、ノイキャン精度の違いを「ざっくり」と図示しておきます。

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 オーバーイヤー型ヘッドホンの場合、最も多いのが、カップの外側に1つだけマイク(センサー)があり、その情報だけで音を打ち消すという1マイク式です。

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 一方、上位機になると、内側にもマイクを配置することで精度をあげるWマイク式(ハイブリッドANC)を採用する機種もあります(ソニーなど)。

 Wマイク式の場合、外側の騒音だけでなく、実際にきこえている内側の騒音(音楽)もAIが理解できるため、ノイズが実際どのように実際伝わっているかも合わせて分析できます。

 そのため、1マイク式よりも高精度にノイズキャンセリングされます。

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 さらに上位といえる製品もあります。

 センシングで周囲の環境を判断することで、自動で強度が調整される製品です。

 今回の記事では、Wマイク式(自動)と記しますが、一般的には、アダプティブ・ハイブリッドANCと呼ばれる、高度なノイキャン技術となります。

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 結論的にいえば、上記技術が高レベルに揃った製品が「最も優秀」といえます。

 ただ、乗り物の発するノイズと、日常生活上のノイズとは音の周波数が異なります。

 そのため、例えば「搭載マイク数が多いほど優秀な製品!」とは、単純にならない点が、難しい部分です。

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 そのため、今回は、各製品のノイズキャンセリングの「仕組み」や「得意分野」も、できるだけかみ砕いた形で説明していくつもりです。

0-2・キャンセルできる音・できない音

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 ノイズキャンセリングは、全ての音を完全に無音化できる、という機能ではありません。

 例えば、電車の走行音や、オフィスの空調音自動車騒音などは、音の軽減は得意です。

 しかし、電車のアナウンスや話し声、プリンタの駆動音など、高い周波数の音の軽減は不得意です。

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 結論的にいえば、自宅用と言うより、移動中に使うことを想した機能です。

 最近は、必要な音を消してしまわないように、必要に応じて、外音も聴きとれる外音取り込み機能を備える機種が一般的です。

0-3・ノイキャンヘッドホンの音質

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 音質には、仕組み上、ノイキャン機は特殊なチューニングが必要なので、原音を大事にするユーザーに、あまり評価されない場合もあります。

 しかし、率直に言って、ノイキャン搭載機でも、優れたドライバー(スピーカー)を搭載し、高音質なハイレゾ音源に対応できる機種は、近年は多くあります。

 ノイキャン搭載機は、騒音下という状態の悪い場所で、音楽を「ある程度」キレイに聴くと言うのが究極の目的です。

 そのため、自宅などの静かな環境で聴く音響機器とは、別の評価軸で選ぶべきです。

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 結論的にいえば、原音に忠実な再生を好む「音質重視」の人が一般的に好まない音質、つまり、「低音域・高音域双方が強調されるドンシャリ系」の方が、現実的には「音が良い」とAtlasは考えます。

 その上で、「小音量再生でも低音域がしっかり出せる」製品を選ぶと、特に大音量を好まない「落ち着いた世代」には最高でしょう。

 今回は、こうした点も含めつつ、「オススメ機種」を考えていきたいと思います。

1・定番のノイキャン機

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1-1:ソニー
1-2:BOSE
1-3:Apple
1-4:パナソニック

 はじめに、数あるノイキャンヘッドホンのなかでも、「ノイキャンの技術」がトップレベルで「4強」といえる製品を順番に紹介します。

1-1・ソニーのヘッドホン

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 はじめに、SONYのBluetoothヘッドホンからです。

 なお、以下では、Atlasのおすすめポイントについては赤字系で、イマイチだと思う部分は青字系で書いていきます。


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 【2022年発売】

 1・SONY WH-1000XM5
  ¥41,600 Amazon.co.jp (8/21執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:4Hz-40kHz
ドライバー: 30mm(高機能)
コーデック: SBC AAC LDAC
連続再生時間:30時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:250g

 MDR-1000XM5は、ソニーのBluetoothヘッドホンの最上位機です。

 同社は、自社で、ノイズキャンセリング技術を開発できる世界でも限られたメーカーの1つです。

 そのなかでも、本機は「最高性能」といえるノイキャンを搭載する製品です。

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 本体の重さは250gです。

 大きめのパットを採用したオーバーイヤー型です。

 耳と肌にあたる部分にソフトフィットレザーを採用し、装着感を高める工夫があります。

 再生周波数帯域は、低音域側4Hz高音域側が、40kHzというスペックです。

 「再生周波数帯域」は、「Hz」の数値が小さいほどに低音域が、「kHz」の数値が高いほどに高音域が出せることを意味します。

 人間の耳の可聴域は、20Hz-20kHzなので、オーバースペックにも思えます。

 しかし、実際的に、測定値に余裕があった方が、音域は広く感じやすいため、数値として重要です。

 本機の場合、いずれもスペックが良いですが、特に、高音域については、40kHzを越える点で、「ハイレゾ音源に対応」するスペックです。

 「ハイレゾ音源対応」は、e-ONKYOなどで手に入る、CDより高解像度の音源です。

 対応するヘッドホンでそうした音源を聴くと、「CDレベルでは今まできこえてなかった、音が聞こえる」ようになります。

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 定額聴き放題サービスでは、「Amazon Music HD」で、ハイレゾ音源の配信がはじまっています。

 2021年6月からは、通常音質の聴き放題サービスであるAmazon Music Unlimited(月額980円/プライム会員780円)契約だけで、CD・ハイレゾ音質となるこちらのサービスが聴けるようになっています。

 詳しくは、同社の説明サイト(こちら)をご覧ください。

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 なお、SONYの場合、1万円以下の下位機を除けば、「360 Reality Audio」の認定製品である点は強調できます。

 Appleの「空間オーディオ」に相当するもので、同名の専用アプリ経由で、最先端の3D立体音源を楽しめます。

 360 Reality Audioは、アプリベースの処理なので、ソニー製品ヘッドホンでなくても、Bluetooth搭載のイヤホンならば、他社製品でも使える点で汎用性があります。

 ただ、本機を含めて、SONYのBluetooth搭載イヤホンは、「360 Reality Audio認定ヘッドホン」として、耳の形やヘッドホン特性に応じた、カスタマイズが可能な点で高度です。

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 空間オーディオは、、360 by deezernugs.netほか、定額聴き放題サービスでも、「Amazon Music Unlimited」でも、3Dオーディオは配信がはじまりました。

 イヤホンも2021年後半からアマゾンで使えます。(こちら)で無料体験も可能です。

 ハイレゾより対応が簡単なので、(イマイチ拡がらなかった)ハイレゾより急速に普及する気がします。

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 ドライバーは、30mmです。

 他社の高性能機は40mmが標準なので、ソニーの最上位機はこの部分で弱めといえます。

 ただ、小型化するにあたって、硬質なカーボンファイバーコンポジット素材をドーム部に採用するなど配慮はあります。

 そのほか、通気口の工夫で、低音再現性も強化されています。

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 音質面では、本機は「DSEE Extreme」という機能を搭載します。

 これは、一般的なCD音源や圧縮音源を再計算し、ハイレゾ相当にアップコンバートする技術です。

 同社の下位機種も、DSEE HXという同じ技術を持つもでるがありますが、本機は、AI学習で膨大な楽曲データを分析したDBを利用し、再現性を高めた点で高度とされます。

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 Bluetoothコーデックは、SBC AAC LDACに対応します。

 Bluetoothの場合、どの製品でも、SBCには対応します。

 しかし、SBCは、MP3など圧縮音源相当の音質で、映像コンテンツでは音の遅延(音ズレ)もでやすい点で限界がある仕組みです。

 そのため、高性能機の場合上位のコーデックに対応するのが普通です。

iOS
:SBC AAC
Android
:SBC Apt-X系
SONY(Xperia/ Walkman)
:SBC AAC LDAC
Mac&Windows
:SBC AAC Apt-X

 ただし、ヘッドホンだけでなく、再生機器側もこの再生規格に対応する必要があります。

 上表は、一部例外がありますが、外部機器を利用しない場合の、機器側のBluetoothの対応状況を示したものです。

 例えば、AACならば、iPhoneも標準で対応します。

 通信安定性は、本機は、Bluetooth5.2対応です。

 Bluetoothはいくつかバージョンがありあますが、最近ではじめたBluetooth5.0以降の場合、安定性が高いので、音が途切れにくいメリット性があります。

 また、このバージョンだと、さらに、ビームフォーミング対応になるので、接続性は良いです。

 連続再生時間は、30時間です。

 高性能機ですが、十分な時間です。 

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 ノイズキャンセリング機能は、注目点です。

 本機のみ、自社のQN1プロセッサーを採用するからです。

 精度はチップの処理面にも大きく依存するため、ノイズキャンセルの精度は高まっています。

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 本機も、最も精度が良い「Wマイク方式(自動)」の仲間です。

 ただ、外側のマイク(センサー)は3つです。

 今バージョンから新しく加わったV1プロセッサの性能を活かす形ですが、合計4つのマイクでノイキャンの精度を「さらに上げて」います。

 マイク(音声通話)も、この部分を活かしつつ、ノイズレスな通話を可能にしています。

 そのほか、本機のノイキャンは独自技術が多いので、順番に紹介していきます。

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 第1に、NCオプティマイザーです。

 これは、装着時の個人差(髪型・メガネなど)を音波センサーで検知し、適切にノイズキャンセリングを行える仕組みであり、かなり高度です。

 また、気圧計も内蔵され、飛行機では、気圧に応じた適切なノイズキャンセルを行えます。

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 第2に、アダプティブサウンドコントロールです。

 スマホの加速度センサーを利用しつつ、「歩行」「静止」「着席時」などシーンに合わせて自動でキャンセルや外音取り込みレベルを変更する機能です。

 日本の通勤や出張は、複数の乗物を乗り継ぐパターンが多いため、この機能は重要です。

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 第3に、スピーク・トゥ・チャットです。

 本機搭載のマイクが、ユーザーの声だけに反応し、音楽を止めて外音取り込みを自動で開始する機能です。

 声紋登録のような仕組みではなく、マイクが感知した発生方向を検知する仕組みですから、感度が調整できます。会話終了後30秒で、音楽が自動的に再生されます。

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 そのほか、3種類のモードから、利用シーンに合わせ、適切な周波数のノイズを消していく「フルオートAIノイズキャンセリング」が搭載です。

 よく行く場所を登録し、スマホの位置センサーで設定したモードに自動で切り替える機能が搭載になっています。

 外音取り込み機能は、搭載です。

 ノイキャンの場合、外音取り込み機能がないと、会話が必要になった際に外音を聴きとれません。

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 本機は、そのほか、本体に手をかざしたときだけ、その側のマイク経由で外音を取り込める「クイックアテンションモード」も搭載です。

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 以上、ソニーのMDR-1000XM5の紹介でした。

 Wマイク式を採用するノイキャンは、(汎用半導体の登場で)すでに1万円台でも買える状況です。

 しかし、自社技術を持つソニーの場合、独自の工夫ができる余地が多く、上で説明したように、利用シーンに合わせた調整がかなり細かくできます。

 実際、単純にノイキャンの精度と強度だけでいえば、本機以上の性能の機種は他社にもないです。

 音質部分も、相応の工夫がありハイレゾに対応しBluetooth接続できるという点で、「隙の無い」モデルだとも言えます。

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  【2020年発売】

 2・SONY WH-1000XM4
  ¥34,790 Amazon.co.jp (8/21執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:4Hz-40kHz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC AAC LDAC
連続再生時間:30時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:254g

 なお、本機については、2020年発売の旧機種が残ります。

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 ドライバーは、上で見た新機種と比べて、最も大きな違いと言えます。

 ユニットの基本構成は新機種と同じなのですが、旧機種の場合、10mm大きい40mmでした。

 また、同社の高級機にも乗せるアルミニウムコートLCP振動板が採用されていました。

 基本的にドライバは大きいほど音に余裕が生まれる部分も含めて、旧機種は、新機種より、音質部分の基本スペックにおいて「優る」部分があると言えます。

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 ただ、ノイキャン機能について言えば、新機種が圧倒的に上です。

 旧機種もWマイク式(自動)ではあるのですが、(新機種のように外側3つではなく)合計2マイクによるキャンセルです。

 また、ノイキャン用のQN1プロセッサーは新機種と同じものですが、V1プロセッサーが不採用になります。

 新機種と「できること」はほぼ同じなのですが、精度については、それに準じるものになります。

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 結論的にいえば、Atlas個人としては、値段差があるうちは旧機種でも良いかと思います。個人的な利用経験でも音質は良い機種ですし、ノイキャンの精度も十分でした。

 おそらく、今回は、プロセッサなどの新搭載によるスペースの問題からの小径化で、SONY自体もシステム変更で音質が向上したとは(しっかりと)言及していないです。

 とはいえ、ノイキャンの精度向上はもちろん魅力なので、移動中などでの没入感を重視したい場合は、新機種が良いかと思います。



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 3・ソニー MDR-ZX110NC
  ¥3,800 Amazon.co.jp (8/21執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:10Hz-22kHz
ドライバー: 30mm
連続再生時間:80時間
ノイズキャンセル:1マイク式
外音取込:
有線接続:対応
重さ:150g

 ソニーMDR-ZX110NCは、同社の製品としては、最も安い製品です。

 接続方法は、本機に限っては、付属の有線ケーブルを使う方式です。

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 本体の重さは、乾電池の重さを入れても150gと軽量です。

 サイズもコンパクトですし、折りたためるので持ちはこびに便利です。

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 再生周波数帯域は、低音域10Hz高音域22kHzです。

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 ドライバーは、30mmのドーム型ドライバー(振動板)を採用します。

 同社の最上位機とサイズだけで言えば同じです。

 音質は、ただ、この部分だけで決まるわけではありません。

 実際、同社の製品としては、やや余裕がないです。

 同社の製品としては、低音域の再生周波数帯域が、10Hzと弱めなのは、この部分があってのものでしょう。

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 ノイズキャンセリング技術は、マイクを1つだけ使う、最も基本的な技術のみ用いられています。

 そのため、騒音の抑制量が劣ります。

 スペックとして言っても、上位機の総騒音抑制量は、17デシベル(98%)に達しますが、こちらは13デシベル(95%)までです。

 外音取り込み機能も、未装備です。

 稼働時間は、80時間と長いです。

 ただし、この機種は、乾電池式であり、単4乾電池を利用する点には注意が必要でしょう。

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 以上、ソニーMDR-ZX110NCの紹介でした。

 非常に安く手に入る点が、最大の魅力です。

 手軽に試せるのは良いですが、ノイキャンの精度は最低限で、ドライバも小さくあまり音質には期待できない製品です。


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 【2021年】(Wマイク式)

 4・SONY WH-XB910N
  ¥26,836 Amazon.co.jp (8/21執筆時)

 【2019年】(1マイク式)

 5・SONY WH-XB900N
  ¥21,600 Amazon.co.jp (8/21執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:3Hz-20kHz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC AAC aptX
連続再生時間:30時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:252g

 WH-XB910Nは、ソニーの密閉型ヘッドフォンです。

 本機は「重低音」と「ノイキャン」を重視する系統のミドルクラスの製品です。

 なお、本機はステレオケーブル対応ですから、有線接続も可能です。

 ソニーの場合、ケーブルは付属します。

 一方、旧機種のWH-XB900Nは、ノイズキャンセリングの部分で1マイク式(フィードフォワード)です。精度の部分で値段差以上の差があるので、選ぶならば新機種です。

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 本体の重さは、252gです。

 割と重いですが、その分機能面では充実します。

 また、このクラスでは(まだ)比較的軽量と評価できるレベルです。装着感も良いです。

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 再生周波数帯域は、3Hz-20kHzというスペックです。

 同社の製品としては、低音域方向に測定値を高く出しており、その部分を強調する製品であることが分かります。

 実際この製品は、ドライバーやダクト構造、内蔵アンプを用いて「低音域を強調」するEXTRA BASS技術を採用するため、こうした数値を出していると言えます。

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 ドライバーは、40mmです。

 オーバーイヤー型のヘッドホンに多いサイズですが、ソニー機としては「大きめ」に分類されます。

 もちろん、音質は、大きさだけでは決まりません。本機の場合、振幅・耐気圧特性を「低域」に最適化した専用振動板を採用するなどの工夫が見られます。

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 音質は、完全に、低音域を重視した作りです。

 中音域を重視しているわけではないですが、低音が通気孔の作用であまり籠もらないので、バラナスも良いです。

 高音域はさほど特徴が無く、ハイレゾ再生にも非対応です。

 ただ、ソニーの独自技術となるDSEEに対応するため、再計算により、圧縮音源をCDレベルまで高め、高音域の音質をアップさせる効果は、期待できます。

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 Bluetoothコーデックは、SBCとAACのほか、apt-Xに対応です。

 一方、ハイレゾ音質対応のaptX-HDも対応です。

 しかし、ヘッドホン自体がハイレゾ水準に満たないので、再現性はありません

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 なお、SONYの場合、1万円以下の下位機を除けば、「360 Reality Audio」の認定製品である点は強調できます。

 定額聴き放題サービスでも、「Amazon Music Unlimited」でも、3Dオーディオは配信がはじまりました。

 イヤホンも2021年後半からアマゾンで使えます。(こちら)で無料体験も可能です。

 ハイレゾより対応が簡単なので、(イマイチ拡がらなかった)ハイレゾより急速に普及する気がします。

 通信安定性の面でも、Bluetooth5.0に対応です。

 連続再生時間は、30時間です。

 やはり、MicroUSBケーブルで充電することになります。

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 ノイズキャンセリング技術は、搭載されます。

 しかも、冒頭で書いた区分で言えば、最上位のWマイク式(自動)で、周りの環境を見て精度を帰られる上位版です。

 さらに、ノイキャンの使い勝手にかかわる部分でいくつかの独自機能があります。

 さらに、先ほど同社の最上位機で見た機能の一部が、本機にも搭載です。

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 第1に、外音取り込みモードです。

 通勤中などに、電車のアナウンスなどを聴きたい場合に便利です。

 他社にも搭載機は多いですが、ソニーは アプリで20段階で設定可能な部分で細かいです。

 また、ヘッドホンのタッチセンサーにふれている際だけに、マイクから外音を取り込める「クイックアテンションモード」も搭載です。

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 第2に、アダプティブサウンドコントロールです。

 スマホの加速度センサーを利用しつつ、「歩行」「静止」「着席時」などシーンに合わせて自動でキャンセルや外音取り込みレベルを変更する機能です。

 日本の通勤や出張は、複数の乗物を乗り継ぐパターンが多いため、この機能は重要です。

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 また、高度に使いこなしたい場合は、スマホのGPSと連動した設定もできます。

 よく行く場所を登録し、スマホの位置センサーで設定したモードに自動で切り替える機能です。

 こうした便利機能を持つため、同じノイズキャンセリングでも利便性はSONYは高いです。

 ノイズキャンセルはSONYが昔から力を入れてきた部分で、能力は期待できます。

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 使い勝手の部分では、他社同様、ヘッドホン部分での楽曲操作、ハンズフリー電話もに対応します。

 その上で、Google系とAmazon系のAIを利用できるため、音声による再生制御のほか、ニュースやスケジュールの確認にも利用できます。

 この部分は、最上位機も同じです。

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 以上、ソニーのWH-XB910Nの紹介でした。

 ハイレゾに対応する必要の無い方で、「低音域の迫力重視」ならば、「最先端」な製品だと思います。

 重低音重視のものデルながらWマイク式のノイズキャンセリングと豪華ですし、音声アシスタントにも対応しますので、外出先でも、自宅でも割と便利に使えるでしょう。

 ただし、上位機と違って、専用プロセッサではないため、NCオプティマイザースピーク・トゥ・チャットなど、一部便利機能は「省略」なので、差はあります。

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 【2020年】(Wマイク式)

 6・SONY WH-CH710N
  ¥13,600 Amazon.co.jp (8/21執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:7Hz-20kHz
ドライバー: 30mm
コーデック: SB, AA, aptX
連続再生時間:35時間
ノイズキャンセル:Wマイク式
有線接続:対応
重さ:223g

 また、ソニーからは、WH-CH710Nという製品も販売されます。

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 本機については、WH-XB910Nと比較する場合、2マイク式(Wマイク式)のノイズキャンセラを採用します。

 周囲の環境に合わせた調整はできない点で、「2番目に良い水準」のノイキャンですが、値段からすると優秀です。

 外音の取り込みモードも装備します。

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 しかし、ドライバーが30mmと(充填音重視のこのシリーズとしては)小型である上、低音強化技術ののEXTRA BASS技術不採用です。

 特に工夫があって小型化しているわけでもないため、豊かな低音再生力は犠牲になっています。

 見どころがある機種ですが、音質(ドライバサイズ)とノイズ対策など、総合的なバランスの悪さはあるため、積極的にはオススメしにくいです。

 また、本機に限っては、「360 Reality Audio認定ヘッドホン」でもないです。


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 【2019年発売】(在庫限り)

 【上位機】

 7・SONY NC WH-H910N
  ¥20,997 Amazon.co.jp (8/21執筆時)

 【下位機】

 8・SONY WH-H810
  ¥19,500 Amazon.co.jp (8/21執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:5Hz-40kHz
ドライバー: 25mm(高機能)
コーデック: SBC AAC LDAC
連続再生時間:35時間
ノイズキャンセル:Wマイク
有線接続:対応
重さ:251g

  h.ear on 3 Wireless NC WH-H910Nは、ソニー「h.ear on 3」シリーズに属する、ワイヤレスヘッドホンです。

 このシリーズ名は、ハイレゾ音源の再生に対応する高級機のうち、カジュアル方面にデザイン性の高いモデルに付けられています。

 な下位機種としてWH-H810があります。

 ほぼ同型ですが、ノイキャン非搭載で、再生周波数帯域も非公開です。値段差をふまえても選ぶならば上位機でしょう。

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 本体の重さは、251gです。

 300gを余裕で切りますし、十分に軽量と言えます。

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 再生周波数帯域は、5Hz-40kHzというスペックです。 

 高音域が40kHzを超えているため、こちらは、「ハイレゾ音源対応」の機種です。

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 ドライバーは、25mmです。

 カジュアルさと重さを重視するため、重さの部分が犠牲となります。

 ただ、本機は、対策なしに小型化した機種ではなく、振動板の素材部分に工夫があります。

 こちらの場合、振動板に軽量・高剛性アルミニウムをエッジにウレタンを採用することで、40mmクラスと同等の再生周波数帯域を出しています。

 もちろん、このユニット構成のまま40mmにすれば、音質はより上がるでしょうが、「軽量性・デザイン性」は失われるでしょう。

 カジュアルな、「h.ear on 3」シリーズとしては、問題なく思います。

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 音質は、アルミの素材的な特性ゆえでしょうが、高音域のつややかさは強調できます。

 またCO音質を、再計算でハイレゾ音質までアップスケーリングできるDSEE HXを搭載です。

 一方、低音域については、ドライバーの口径に影響する部分が大きいため、その方面の「豊かさ」を期待する方は、EXTRA BASS技術を搭載する同社の製品を選ぶべきです。

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 Bluetoothコーデックは、SBC・AACのほか、LDACに対応します。

 LDACは、Bluetoothによるハイレゾ音源の電送に対応できる規格です。

 ただ、LDACに対応する再生機器は、現在のところ、ウォークマン・Xperiaなどに限られる状況ではあります。

 通信安定性の面では、Bluetooth5.0に対応です。

 連続再生時間は、35時間です。

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 ノイズキャンセリング機能は、Wマイク式です。

 外音取り込み機能も、その上で搭載ですから、ノイキャン利用中でも、外音を取り込めます。

 外音の取り込み量を22段階で設定ができる「外音取り込みモード」ほか、写真のようにヘッドに手を付けた時だけ外音をきける「クイックアテンションモード」が選べます。

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 使い勝手の部分では、本機も、スマホを介して、各社の音声アシスタントに対応できるほか、ヘッドホン部分での楽曲操作、ハンズフリー電話もに対応します。

---

 以上、ソニーのWH-H900Nの紹介でした。

 Bluetoothを装備する上で、「ノイズキャンセリング技術」と「ハイレゾ再生」を重視するという総合力に優れた中位機です。

 カジュアルで、ファッション性もあるため、世代は選ぶでしょうが良い機種だと思います。

 あまり、「体を揺さぶる低音」という方向性に興味のない方で、外出先で気軽に使いたい方に良いでしょう。

1-2・BOSEのヘッドホン

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 続いて、アメリカのBOSEのBluetoothヘッドホンです。音質重視の方に人気のアメリカ東海岸を代表する高級オーディオメーカーです。

 独特の「BOSEサウンド」への作り込みは中毒性があり、コアなファンが多いです。


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 【2019年】

 9・Bose Noise Cancelling Headphones 700
   ¥42,500 Amazon.co.jp (8/21執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:20時間
ノイズキャンセル:Wマイク式
有線接続:対応
重さ:250g

 Noise Cancelling Headphones 700 は、アメリカ東海岸のBOSEの製品です。

 先端技術を取り入れた高級オーディオメーカーの草分け的存在で、独特な豊かな低音表現は、世界中に多くのファンがいます。

 同社も、かなり古くからノイキャン機の開発をしていたメーカーで、Appleが積極的に取り組みはじめた数年前までは、技術的に「SONYとBOSEの2強」でした。

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 本体の重さは245gです。

 従来、このシリーズは「スーツに合う」ビジネスマン向きのデザインでした。

 こちらは、カジュアルなので、性別を問わず利用しやすそうです。なお、折りたたみはできませんが、キャリングケースが付属します。

 再生周波数帯域・ドライバーは、BOSEは、スペックが伝統的に未開示です。

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 音質は、試聴の限り、同社の特徴である、音がこもらない安定した低音域をもちつつ、聴き疲れしにくい中音域を保つという、共通する特性を維持しています。

 同社の場合、内部構造のほか、イコライザー(アクティブEQ)で「BOSEサウンド」に味付けするため、ある種の「中毒性」があり、リピートユーザーも多いです。

 比較的小音量でも、しっかり音のバランスが取れるのも特徴で、小音量再生時の音質の良さは、他社を凌ぎます。

 テクノロジー的には、TriPortという低音再生技術で、重低音を強調しています。

 SONYやBeatsが、現在的な若者音楽をターゲットにしているとすれば、こちらは、少し大人世代です。

 ジャズやロックを低音を響かせながら使いたい人に向く、ヘッドフォンといえます。

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 Bluetoothコーデックは、SBCとAACに対応します。

 新モデルになってAACに新しく対応しました。

 BOSEは、先述のように「音を作り込む」タイプのメーカーです。その上で、圧縮音源のアップコンバートも伝統的にうまいので、SBCだけでもこの部分の不満は、ユーザーからは少なかったと言えます。

 ただ、遅延の問題があるので、ヘッドホンを映像に使いたい方にはやや問題でしたので、(完全に遅延はないわけではないでしょうが)朗報と言えます。

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 一方、本機は、SimpleSyncをサポートします。

 【サウンドバーの比較記事】や【スマートスピーカーの比較記事】で取りあげた、BOSEのスマートシリーズのHomeシリーズの機器を使う場合、両者の音量を別々に操作することが可能です。

 通信安定性の面では、Bluetooth5.0に対応します。

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 ノイズキャンセリング機能は、内外のマイクを利用するW方式です。

 さらに、BOSEの場合、4つのマイクを利用しつつ、AIが周囲の状況を判断して自動で出力を調整します。

 BOSEのノイズキャンセルは従来的に評判が良いです。特に、(アメリカらしく)飛行機のノイズのキャンセル力は高いです。

 「外音取り込みモード(会話モード)」も搭載し、本体のボタン長押しで、外音がマイク経由で取り込めます。


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 先述のように、ソニー機は、モーションセンサーを利用し、移動中などシーンに応じて、自動でキャンセル方法を調整する「アダプティブサウンドコントロール」に搭載していました。

 一方、BOSEはこれに該当する機能は未搭載です。

 アプリで、ノイキャンの効き方(外音の取り込み程度)を10段階から選び、そのうち3段階を本体に登録し、ユーザーがボタンで可変させる仕組みです(=可変ノイズキャンセリング)。

 好き嫌いがありますが、SONY方式は、モード変更時、楽曲が一瞬途切れる仕組みなので、シームレスに聴きたい場合は、BOSEが向きます。

 ただ、徒歩・地下鉄・電車など、移動中の状況変化が多い方は、SONY方式が向くでしょう。

 BOSEは、「飛行機」での移動の多い米国向き設計のような気がします。ソニーも気圧関係の配慮はありますが、この部分は同社に「定評」があります。

 連続再生時間は、20時間で、長時間のフライトにも向いた仕様です。

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 加えてこの機種は、GoogleAssistantとAmazon Alexaに対応です。これらは、【スマートスピーカーの比較】で紹介した音声コントロールシステムです。

 この場合、ヘッドホン本体のボタンを押すことで、音声による音楽コントロールや、アシスタントへの質問・お願いをマイク経由で可能としています。

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 マイク(ハンズフリー通話)は、一方、他機については、あまり検証しませんでしたが、本機のもうひとつよい部分です。

 電話が着信すると「セルフボイス」が自動的にONとなり取り込めるので、受話器での電話のような感覚で通話ができます。

 なお、本機は先述のように、ノイキャン(アダプティブノイズキャンセル)についてはマイク4基の「4マイクシステム」ですが、合計では「マイク8基」です。

 別の2組4基マイク(ビームフォームアレイ・リジェクションアレイ)は、通話と音声コントロールの品質向上のために利用されています。

---

 以上、BOSENoise Cancelling Headphones 700の紹介でした。

 自然な音の再生とは方向性が異なりますが、豊かな低音域をベースに作り込まれた「BOSEサウンド」のファンには最適です。

 一方、ノイズキャンセリング技術の水準は、ソニー上位機に及びませんが、小音量で再生した際のバランスが良いので、飛行機などの騒音下でも、低音量で聞きたい場合は選択肢です。

ーーー

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 【2021年】

 10・Bose QuietComfort 45 headphones
  ¥35,300 Amazon.co.jp (8/21執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:24時間
ノイズキャンセル:Wマイク式
有線接続:対応
重さ:240g

 なお、下位機種となるのが、QuietComfort 45 headphonesです。

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 本機もオーバーヘッド型で重さはほとんど変わりません。

 ただ、ノイズキャンセリングレベルの調整に非対応で、常に最大でかかります。

 一方、ボタンで、最大(クワイエット)外音取込モード(アウェア)にワンタッチで切り替えられる「シンプルさ」を逆に売りにしているとも言えます。

 そのほかは、イコライザー調整とタップによるSpotifyの起動ができない点が、先述の他社の音声AIに対応しない点が、上位機との違いです。

 その代わり、バッテリーの保ちが本機の方が少し良いです。

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 一方、このグレードの旧機種がQuietComfort 35 Uです。

 こちらは「外音取り込みモード」に相当するものがなく、キャンセルレベルが3段階から手動で選ぶ方式となります。

 Bluetooth 5.0に対応しないほか、ハンズフリー通話に対する配慮もありません。

--

  結論的にいえば、現在BOSEから選ぶならば、上位機種でしょう。既存ユーザーの買換にも向きます。

1-3・Appleのヘッドホン

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 というわけで、メーカー別に、各社の代表的なヘッドホンを見ていきます。

 続いて、AppleのBluetoothヘッドホンです。

 同社の別ブランド(Beats)のものは後ほど見ますが、Apple直販の製品は「超高級機」だけです。


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 【2021年】

 11・ Apple AirPods Max
  ¥65,780 Amazon.co.jp (8/21執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:40mm
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:20時間
ノイズキャンセル:Wマイク式
有線接続:   
重さ:364.8g

 AirPods Max は、Appleが発売した新製品です。

 傘下のBeatsブランドの製品を除けば、自社としては初めてのオーバーイヤー型です。

1・MGYH3J/A [スペースグレイ]
2・MGYJ3J/A [シルバー]
3・MGYM3J/A [ピンク]
4・MGYL3J/A [スカイブルー]
5・MGYN3J/A [グリーン]

 本体色は、現状では上表のような5種類です。

 ただ、Appleは、ヘッドホンをファッションとしても売る部分があるので、そのうち期間限定色がでてくるでしょう。

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 本体の重さは364.8gです。

 わりと最近見かけない楕円形のドライバーです。

 見かけはすっきり軽く見ますが、平均よりけっこう重めです。

 ただ、形状記憶フォーム性のイヤークッションのフィット感の調整が抜群なので、長時間でも疲れにくいです。

 このあたりは、やはり「うまい」です。イヤーパッド以外も、頭の部分がメッシュで放熱性に配慮があったり、デザイン性と機能性が両立した伸縮アームなど、かなりレベルは高いです。

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 ドライバーは、実寸で40mmです。

 このクラスとしては、大きいとも言えません。

 下部に、強力なデュアルネオジウムリングを装備し、音の歪みを除去する仕組みです。

 202201111346.jpg  

 Bluetoothコーデックは、SBCとAACのみに対応します。

 同社のiPhoneに準じた仕様です。

 通信安定性については、本機は、新型のAppleのH1チップです。

 クラス1のBluetoothにも対応するため、iPhoneなどのApple製品に対して、通信安定性・音の遅延が減少に効果を発揮します。

 また、このチップにより、同社の人工知能、Siriも利用可能です。

 ノイズキャンセリング機能は、Appleも強力です。

 数で対抗したわけでもないでしょうが、外向きに6個、内向きに2個のマイクを装備します。

 方式としてはWマイク式ですが、AIが複数の情報源を参照できる分、キャンセル力は高いでしょう。

 ソニーの「アダプティブサウンドコントロール」に相当する機能はないです。

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 音質は、基本的に、フラットで、原音忠実性を優先した作りです。

 ドライバのサイズからすれば、低音も出ます。

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 立体音響は、本機のもうひとつの特徴で「空間オーディオ」として、フォローされます。

 本機の場合、7.1chまでのドルビーほか、ドルビーアトモスに対応します。

 ドルビーアトモスは、映画館のような上からの振り下ろし音を3D的にフォローできる新しいサラウンド規格で、ネットを含む映画コンテンツで採用が多くなってきた音響規格です。

 映像に含まれるこれらのデータをそのまま利用しつつ、再計算して立体音響を再現しています。

 なお、現状では、AppleMusicを含め、Padを含むiOS系のデバイスを利用して聴く際に限定で使えます。また、映像コンテンツで対応するのは、Apple TVアプリ中のドルビーアトモスなどの対応コンテンツのみです。

 しかし、Netflixも対応予定とのことです。

 なお、この機能を利用する際、「ヘッドトラッキング機能」もオンになります。

 内蔵される加速度・ジャイロセンサーを利用し、利用者の頭の向きに連動して、立体音響の方向性を正しく調整する技術です。ようするに、普通のスピーカーのように、自分が首を振ったりしても、音が正しく定位します。

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 なお、本機は、(空間オーディオは使えませんが)【STB機器の比較記事】で紹介したApple TVともBluetoothペアリングできます。

 Apt-X LLなど使用できませんが、あまり音ズレを気にする声が聞こえてきません。TV側で何かしらの音ズレのタイミング処理がなされている可能性はあるでしょうが、単純にSBCの性能向上によるものかもしれません。調査中です。

 連続再生時間は、20時間です。

 充電は、iPhoneと同じライトニング端子を利用する方式です。

 5分の充電で、1.5時間分の緊急充電も可能です。

 また、付属ケースに入れることで、自動的に低電圧モードになり、バッテリーを節約します。

 マイク(ハンズフリー通話)は、搭載です。

 「外音取り込みモード(会話モード)」も搭載しますし、この部分の使い勝手は良好です。

---

 以上、AirPods Max の紹介でした。

 値段は相当高いですが、Apple製品を軸にしてオーディオ環境を整えている場合、この値段でも、十分納得がいく機能性です。

 メインの用途が、iPhoneやiPadを利用した「映像視聴」ならば、本機を買う価値があります。

 ただ、そうでない場合は、単純に40mmのドライバーの高級機にすぎないわけで、本機はオーバースペックで、割高でしょう。 

 ノイキャンにしても、外出先で使う分には他社機が優れますから、ある種ニッチな高級機と言えます。 

1-4・パナソニックのヘッドホン

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 続いて、Panasonicが販売する、ノイキャンヘッドホンの紹介です。

 同社も比較的前からノイキャン機能搭載機をだします。ただ、ここまでみた他社ほど多機能ではないです。


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 【2019年】

 12・ パナソニック RP-HD610N
  ¥24,182 Amazon.co.jp (8/21執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:4Hz-40kHz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC AAC aptX HD LDAC
連続再生時間:24時間
ノイズキャンセル:Wマイク式
有線接続:対応
重さ:275g

 RP-HD610N は、日本の総合家電メーカーのPanasonicが販売する製品です。

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 ハイレゾ再生ノイズキャンセリング技術に対応する同社の上位機です。

 本体の重さは275gす。

 オーバーイヤー式ですし、軽量性を求めて買う製品ではないでしょう。

 再生周波数帯域は、4Hz-40lHzというスペックです。

 したがって、ハイレゾ再生に対応しています。

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 ドライバーは、40mmです。

 技術的には、超多層フィルム(MLF)の採用を強調します。

 ハイレゾの解像度に対応するための技術で、応答性についても効果が指摘されます。この価格帯の製品で、多少なりとも工夫があるのは好感が持てます。

 音質は、高音域を強調する仕様で、多少派手で、明るい音色です。

 ただ、全体としてはフラットで、再生周波数帯域が示すほどは、低音域はさほど強調されません。

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 Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・apt-x HD LDACに対応します。

 ソニー系のLDACと、クアルコム系のapt-x HDで対応している機種は、割と希少なので、この部分は強調できます。

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 ノイズキャンセリング機能は、搭載です。

 キャンセルレベルは3段階で、内部と外部双方にマイクを配置する2マイク方式です。

 外音取り込み機能は、それそのものとしてはないです。

 ただ、本体のタッチセンサーにふれている間「アナウンスを聴きとれる」という、ソニーの「クイックアテンションモード」に相当するボイススルー機能はあります。

 連続再生時間は、24時間です。

 使い勝手の部分では、ハンズフリー通話のほか、Google アシスタントに対応します。

---

 以上、パナソニックのRP-HD610Nの紹介でした。

 2万円以内の「2マイク方式」のノイキャン・ハイレゾ対応機として、主に価格面でメリット性を感じます。

ーーーー

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 【2018年】

 13・ パナソニック RP-HD600N
  ¥16,380 Amazon.co.jp (8/21執筆時)

タイプ:密閉型
再生周波数帯域:4Hz-40kHz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC AAC aptX HD LDAC
連続再生時間:20時間
ノイズキャンセル:
有線接続:対応
重さ:268g

 なお、実質的に下位機種となる、旧機種のRP-HD600N がまだあります。

 ほぼ値段は同じですが、バッテリーが多少弱いほか、グーグルアシスタントと、パナソニック製のスマホアプリに非対応です。

 値段差を考えても選ぶ必要は無いでしょう。

次回につづく
ノイキャン対応ヘッドホンのオススメは結論的にこの機種!

 というわけで、今回は、各社のノイズキャンセリング対応ヘッドフォンを紹介してきました。

 しかし、記事はまだまだ「続き」ます。

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1・ノイキャンヘッドホンの比較 (1)
定番のヘッドホン
 1-1:ソニー
 1-2:BOSE
 1-3:Apple
 1-4:パナソニック
2・ノイキャンヘッドホンの比較 (2)
日本のヘッドホン(2)
 2-1:DENON
 2-2:JVCビクター
 2-3:Ag.
米国のヘッドホン
 3-1:JBL
 3-2:SKULLCANDY
 3-3:Beats
 3-4:SHURE
 3-5:アンカー
3・ノイキャンヘッドホンの比較 (3)
 ・欧州のヘッドホン
 4-1:ゼンハイザー〈ドイツ〉
 4-2:AKG〈オーストリア〉
 4-3:B&W〈イギリス〉
 4-4:B&O〈デンマーク〉    
 4-5・最終的なおすすめ機種の提案

 続く2回目記事こちら)では、上表の各社のノイキャン機を追加で紹介します。

ノイキャン効果 ★★★★★
音質の良さ   ★★★★★
重低音     ★★★★★
ハイレゾ再生  ★★★★★
コーデック   ★★★★★
総合評価    ★★★★★

 その上で、全体の結論編となる3回目記事こちら)では、ここまで紹介した全機種から、予算別・目的別に「Atlasのおすすめ機種!」を提案していきます。

 引き続き、よろしくお願いします。

 2回目記事は→こちら

posted by Atlas at 18:55 | オーディオ製品

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