【今回レビューする内容】2023年 ノイズキャンセリングヘッドホンの性能とおすすめ・選び方:通勤通学・電車・飛行機でのノイズキャンセル:iPhone Android対応ノイズキャンセリング対応ヘッドホン
【比較する製品型番】SONY WH-1000XM5 WH-1000XM4 MDR-ZX110NC WH-XB910N WH-CH720N BOSE Noise Cancelling Headphones 700 Bose QuietComfort 45 headphones QuietComfort 35 U Apple AirPods Max Beats Studio Pro ヤマハ YH-L700A(B) YH-E700B(B) DENON AH-GC30 JVC HA-S88BN final UX3000 FI-UX3DPL ag AG-WHP01K JBL Quantum 910 Wireless JBL Tune 770NC SHURE AONIC 50 SBH2350-J SHURE AONIC 40 ANKER Soundcore Space Q45 A3040011 Soundcore Life Q35 Q30 ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless PXC 550-II Wireless HD 450BT B&W PX7 S2 PX8 Px8/B B&O Play HX B&O Beoplay Portal ほか
今回のお題
ノイズキャンセリング対応ヘッドホンのおすすめはどれ?
どもAtlasです。
今回は、2023年7月現在、最新のノイキャンヘッドホンの比較です。
メーカー別にわけながら、ノイキャンの精度ほか、音質部分にも注目しながら比較しますう。
1・ノイキャンヘッドホンの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:ソニー〈日本〉
1-3:BOSE〈日本〉
1-4:Apple〈米国〉
1-5:Beats〈米国〉
1-6:ヤマハ〈日本〉
2・ノイキャンヘッドホンの比較 (2)
2-1:DENON〈日本〉
2-2:JVCビクター〈日本〉
2-3:FINAL Ag.〈日本〉
2-4:JBL〈日本〉
2-5:SHURE〈米国〉
2-6:ANKER〈米国〉
3・ノイキャンヘッドホンの比較 (3)
3-1:ゼンハイザー〈ドイツ〉
3-2:B&W〈イギリス〉
3-3:B&O〈デンマーク〉
3-4・最終的なおすすめの提案【結論】
今回は、「選び方の基本」を説明したあと、以上のような順番で各社の製品をみていきます。
1回目記事で、定番メーカーの製品を総覧したあと、各企業のある地域ごとに見ていくような感じにしました。
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ノイキャン効果 ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
ハイレゾ再生 ★★★★★
コーデック ★★★★★
総合評価 ★★★★★
また最後の「結論」部分では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種!」を提案する形で記事を進めていきます。
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1・Bluetoothヘッドホンの比較
2・Bluetoothイヤホンの比較
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較
4・ハイレゾヘッドホンの比較
5・ハイレゾイヤホンの比較
6・ノイキャンヘッドホンの比較
7・ノイキャンイヤホンの比較
8・Beatsのヘッドホンの比較
9・ライトニング端子イヤホンの比較
10・ウェアラブルネックスピーカーの比較
11・Dyson Zone 空気清浄機ヘッドホンの比較
12・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】
なお、今回の記事はこのブログのヘッドホン比較シリーズ全体としては、6回目記事として書きました。
1-1・ノイキャンヘッドホンの選び方の基本
はじめに、ノイキャンヘッドホンの「選び方の基本」からです。
Bluetooth方式のヘッドホン選び方の「基本中の基本」は【Bluetoothヘッドホンの比較記事】の冒頭で、キッチリと「まとめ」ました。
そのため、以下では、とく「ノイキャンの精度」に関わる部分について、新しい情報を加えつつ、詳しめに紹介することにします。
1・ノイズキャンセリングの仕組み
ノイキャンの基本となる技術は、どの製品も同じ仕組みです。
ヘッドホン外部につけられた「マイク」がノイズ(騒音)を拾い、それと逆の傾向を持つ音を発生させて、ノイズを打ち消すというものです。
しかし、同じ「ノイキャン」でも製品ごとに精度に差があります。
1・搭載されるマイクの数
=騒音種類とLVの正確な把握
2・搭載されるセンサーの種類
=装着状態や周囲環境の把握
3・プロセッサーの処理能力
=AIによるデータの統合と処理
これは、主に、上表の3点において各製品ごとに能力が異なるためです。
文字だとやや分かりにくいかと思いますので、もう少しかみ砕いて、ノイキャン精度の違いを「ざっくり」と図示しておきます。
オーバーイヤー型ヘッドホンの場合、最も多いのが、カップの外側に1つだけマイク(センサー)があり、その情報だけで音を打ち消すという1マイク式です。
一方、上位機になると、内側にもマイクを配置することで精度をあげるWマイク式(ハイブリッドANC)を採用する機種もあります(ソニーなど)。
Wマイク式の場合、外側の騒音だけでなく、実際にきこえている内側の騒音(音楽)もAIが理解できるため、ノイズが実際「どのように実際伝わっているか」も合わせて分析できます。
そのため、1マイク式よりも高精度にノイズキャンセリングされます。
さらに上位といえる製品もあります。
センシングで周囲の環境を判断することで、自動で強度が調整される製品です。
今回の記事では、Wマイク式(自動)と記しますが、一般的には、アダプティブ・ハイブリッドANCと呼ばれる、高度なノイキャン技術となります。
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結論的にいえば、上記技術が高レベルに揃った製品が「最も優秀」といえます。
ただ、乗り物の発するノイズと、日常生活上のノイズとは音の周波数が異なります。
そのため、例えば「搭載マイク数が多いほど優秀な製品!」とは、単純にならない点が、難しい部分です。
そのため、今回は、各製品のノイズキャンセリングの「仕組み」や「得意分野」も、できるだけかみ砕いた形で説明していくつもりです。
2・キャンセルできる音・できない音
ノイズキャンセリングは、全ての音を完全に無音化できる、という機能ではありません。
例えば、電車の走行音や、オフィスの空調音、自動車騒音などは、音の軽減は得意です。
しかし、電車のアナウンスや話し声、プリンタの駆動音など、高い周波数の音の軽減は不得意です。
結論的にいえば、自宅用と言うより、移動中に使うことを想した機能です。
最近は、必要な音を消してしまわないように、必要に応じて、外音も聴きとれる外音取り込み機能を備える機種が一般的です。
3・ノイキャンヘッドホンの音質
音質には、仕組み上、ノイキャン機は特殊なチューニングが必要なので、原音を大事にするユーザーに、あまり評価されない場合もあります。
しかし、率直に言って、ノイキャン搭載機でも、優れたドライバー(スピーカー)を搭載し、高音質なハイレゾ音源に対応できる機種は、近年は多くあります。
ノイキャン搭載機は、騒音下という状態の悪い場所で、音楽を「ある程度」キレイに聴くと言うのが究極の目的です。
そのため、自宅などの静かな環境で聴く音響機器とは、別の評価軸で選ぶべきです。
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結論的にいえば、原音に忠実な再生を好む「音質重視」の人が一般的に好まない音質、つまり、「低音域・高音域双方が強調されるドンシャリ系」の方が、現実的には「音が良い」とAtlasは考えます。
その上で、「小音量再生でも低音域がしっかり出せる」製品を選ぶと、特に大音量を好まない「落ち着いた世代」には最高でしょう。
今回は、こうした点も含めつつ、「オススメ機種」を考えていきたいと思います。
1-2・ソニーのヘッドホン
はじめに、SONYのBluetoothヘッドホンからです。
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なお、以下では、Atlasのおすすめポイントについては赤字系で、イマイチだと思う部分は青字で書いていきます。
【2021年発売】
1・SONY WH-XB910N
¥25,800 Amazon.co.jp (7/24執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:3Hz-20kHz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC AAC LDAC
連続再生時間:30時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:252g
WH-XB910Nは、ソニーの密閉型のノイキャンヘッドフォンの中級機です。
「重低音」と「ノイキャン」を重視する系統の製品です。
本体の重さは、252gです。
割と重いですが、その分機能面では充実します。
また、このクラスでは(まだ)比較的軽量と評価できるレベルです。装着感も良いです。
再生周波数帯域は、3Hz-20kHzというスペックです。
同社の製品としては、低音域方向に測定値を高く出しており、その部分を強調する製品であることが分かります。
実際この製品は、ドライバーやダクト構造、内蔵アンプを用いて「低音域を強調」するEXTRA BASS技術を採用するため、こうした数値を出していると言えます。
ドライバーは、40mmです。
オーバーイヤー型のヘッドホンに多いサイズですが、ソニー機としては「大きめ」に分類されます。
もちろん、音質は、大きさだけでは決まりません。本機の場合、振幅・耐気圧特性を「低域」に最適化した専用振動板を採用するなどの工夫が見られます。
音質は、完全に、低音域を重視した作りです。
中音域を重視しているわけではないですが、低音が通気孔の作用であまり籠もらないので、バラナスも良いです。
高音域はさほど特徴が無く、ハイレゾ再生にも非対応です。
下位機種同様、DEEEには対応できます。
音質のパーソナライズは、特段機能性を持ちません。
この部分については、搭載する上位機で説明します。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACのほか、ハイレゾ級のLDAC対応です。
しかし、ヘッドホン自体がハイレゾ水準に満たないので、再現性はありません。
立体音源は、対応です。
本機は、「360 Reality Audio」の認定製品である点も、SONYは強調します。
Appleの「空間オーディオ」に相当するものです。同名の専用アプリ経由で、最先端の3D立体音響を楽しめます。
360 Reality Audioの場合、Dolby Atmosコーデックではなく、独自の音楽用コーデックを利用します。アプリベースの処理なので、ソニー製品でなくても、Bluetooth搭載のイヤホンならば、他社製品でも使える点で汎用性があります。
ただ、SONY製品の場合「360 Reality Audio認定ヘッドホン」として、自社だけの特別な機能があります。
耳の形をカメラで撮影し聴覚特性に応じて、立体感を得やすく音質をパーソナライズする機能です。Appleにも備わっていたもののソニー版です。
空間オーディオは、360 by deezerかnugs.netほか、定額聴き放題サービスでも、「Amazon Music Unlimited」で、3Dオーディオの配信がはじまりました。
イヤホンも2021年後半からアマゾンで使えます。(こちら)で無料体験も可能です。
接続は、ステレオケーブル対応ですから、有線接続も可能です。
ソニーの場合、ケーブルは付属します。
通信安定性の面でも、Bluetooth5.0に対応です。
連続再生時間は、30時間です。
やはり、MicroUSBケーブルで充電することになります。
ノイズキャンセリング技術は、搭載されます。
しかも、冒頭で書いた区分で言えば、最上位のWマイク式(自動)で、周りの環境を見て精度を帰られる上位版です。
さらに、ノイキャンの使い勝手にかかわる部分でいくつかの独自機能があります。
第1に、外音取り込みモードです。
通勤中などに、電車のアナウンスなどを聴きたい場合に便利です。
他社にも搭載機は多いですが、ソニーは アプリで20段階で設定可能な部分で細かいです。
また、ヘッドホンのタッチセンサーにふれている際だけに、マイクから外音を取り込める「クイックアテンションモード」も搭載です。
第2に、アダプティブサウンドコントロールです。
スマホの加速度センサーを利用しつつ、「歩行」「静止」「着席時」などシーンに合わせて自動でキャンセルや外音取り込みレベルを変更する機能です。
日本の通勤や出張は、複数の乗物を乗り継ぐパターンが多いため、この機能は重要です。
また、高度に使いこなしたい場合は、スマホのGPSと連動した設定もできます。
よく行く場所を登録し、スマホの位置センサーで設定したモードに自動で切り替える機能です。
こうした便利機能を持つため、同じノイズキャンセリングでも利便性はSONYは高いです。
ノイズキャンセルはSONYが昔から力を入れてきた部分で、能力は期待できます。
使い勝手の部分では、他社同様、ヘッドホン部分での楽曲操作、ハンズフリー電話もに対応します。
その上で、Google系とAmazon系のAIを利用できるため、音声による再生制御のほか、ニュースやスケジュールの確認にも利用できます。
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以上、ソニーのWH-XB910Nの紹介でした。
ハイレゾに対応する必要の無い方で、「低音域の迫力重視」ならば、「最先端」な製品だと思います。
重低音重視のものデルながらWマイク式のノイズキャンセリングと豪華ですし、音声アシスタントにも対応しますので、外出先でも、自宅でも割と便利に使えるでしょう。
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【2023年発売】
2・SONY WH-CH720N
¥17,450 Amazon.co.jp (7/24執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:7Hz-20kHz
ドライバー: 30mm
コーデック: SB, AA, aptX
連続再生時間:35時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:192g
なお、ソニーは、WH-CH720Nという本機の下位機種も出します。
一方、WH-XB910Nと比較する場合、ドライバーが30mmと小さめです。
先述の計算による低音強化技術ののEXTRA BASS技術も不採用です。
DSEE技術は搭載ですが、低音強化には関係ないですし、上位機と比べると、豊かな低音再生力はいくぶん犠牲になります。
それでも、長時間利用時に疲れにくいという部分で本機の軽さは魅力なので、強力なノイキャンさえあれば、そこそこ良い位の音質でOKという方には良いかと思います。
騒音下でも通話しやすいビームフォーミングマイクの工夫もあるので、ノマドワーカーが集中して作業をしたい場合など、特に良い製品に思えます。
【2022年発売】
【通常版】
3・SONY WH-1000XM5
¥48,500 Amazon.co.jp (7/24執筆時)
【BNT -Blue Note Tokyo Edition- 】
4・SONY WH-1000XM5
¥64,900 Amazon.co.jp (7/24執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:4Hz-40kHz
ドライバー: 30mm(高機能)
コーデック: SBC AAC LDAC
連続再生時間:30時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:250g
MDR-1000XM5は、ソニーのBluetoothヘッドホンの最上位機です。
同社は、自社で、ノイズキャンセリング技術を開発できる世界でも限られたメーカーの1つです。そのなかでも、本機は「最高性能」といえるノイキャンを搭載する製品です。
なお、2023年にBNT Editionとして受注生産の限定モデル(青)もでましたが、性能は同じです。
本体の重さは、250gです。
大きめのパットを採用したオーバーイヤー型です。
耳と肌にあたる部分にソフトフィットレザーを採用し、装着感を高める工夫があります。
再生周波数帯域は、4Hz-40kHzです。
したがって、CD以上の音質を得られる「ハイレゾ音源に対応」するスペックです。
定額聴き放題サービスでは、「Amazon Music」で、ハイレゾ音源の配信がはじまっています。無料視聴もできますので、同社の説明サイト(こちら)をご覧ください。
なお、ハイレゾ音源自体(とは何か)の説明は【ヘッドホン・イヤホン・ヘッドホンの選び方の説明記事】で詳しくしています。
ドライバーは、30mmです。
他社の高性能機は40mmが標準なので、ソニーの最上位機はこの部分で弱めといえます。
ただ、小型化するにあたって、硬質なカーボンファイバーコンポジット素材をドーム部に採用するなど配慮はあります。
そのほか、通気口の工夫で、低音再現性も強化されています。
音質面では、本機は「DSEE Extreme」という機能を搭載します。
これは、一般的なCD音源や圧縮音源を再計算し、ハイレゾ相当にアップコンバートする技術です。
同社の下位機種も、DSEE HXという同じ技術を持つもでるがありますが、本機は、AI学習で膨大な楽曲データを分析したDBを利用し、再現性を高めた点で高度とされます。
音質のパーソナライズは、ソニーの場合、このグレードでは可能です。
NCオプティマイザーという名前で、主に後述するノイキャン利用時の音質にかかわります。
装着時の個人差(髪型・メガネなど)を音波センサーで検知し、適切にノイズキャンセリングを行える仕組みであり、かなり高度です。
また、気圧計も内蔵され、飛行機では、気圧に応じた適切なノイズキャンセルを行えます。
Bluetoothコーデックは、SBC AAC LDACに対応します。
立体音源は、本機も対応です。
先述の「360 Reality Audio」の認定製品ですので、「Amazon Music Unlimited」(こちら)で、3Dオーディオの配信が楽しめます。
通信安定性は、Bluetooth5.2となり、安定性を増しました。
ビームフォーミング対応になるので、接続性は良いです。
連続再生時間は、30時間です。
高性能機ですが、十分な時間です。 通信安定性は、本機は、Bluetooth5.2対応です。
Bluetoothはいくつかバージョンがありあますが、最近ではじめたBluetooth5.0以降の場合、安定性が高いので、音が途切れにくいメリット性があります。
また、このバージョンだと、さらに、ビームフォーミング対応になるので、接続性は良いです。
連続再生時間は、30時間です。
高性能機ですが、十分な時間です。
ノイズキャンセリング機能は、注目点です。
本機のみ、自社のQN1プロセッサーを採用するからです。
精度はチップの処理面にも大きく依存するため、ノイズキャンセルの精度は高まっています。
本機も、最も精度が良い「Wマイク方式(自動)」の仲間です。
ただ、外側のマイク(センサー)は3つです。
今バージョンから新しく加わったV1プロセッサの性能を活かす形ですが、合計4つのマイクでノイキャンの精度を「さらに上げて」います。
マイク(音声通話)も、この部分を活かしつつ、ノイズレスな通話を可能にしています。
スピーク・トゥ・チャットも対応です。
本機搭載のマイクが、ユーザーの声だけに反応し、音楽を止めて外音取り込みを自動で開始する機能です。
声紋登録のような仕組みではなく、マイクが感知した発生方向を検知する仕組みですから、感度が調整できます。会話終了後30秒で、音楽が自動的に再生されます。
そのほか、スマホの加速度センサーやGPSと連動した自動操作(アダプティブサウンドコントロール)に対応しますし、クイックアテンションモードも搭載です。
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以上、ソニーのMDR-1000XM5の紹介でした。
Wマイク式を採用するノイキャンは、(汎用半導体の登場で)すでに1万円台でも買える状況です。
しかし、自社技術を持つソニーの場合、独自の工夫ができる余地が多く、上で説明したように、利用シーンに合わせた調整がかなり細かくできます。
実際、単純にノイキャンの精度と強度だけでいえば、本機以上の性能の機種は他社にもないです。
音質部分も、相応の工夫がありハイレゾに対応し、Bluetooth接続できるという点で、「隙の無い」モデルだとも言えます。
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【2020年発売】
5・SONY WH-1000XM4
¥41,909 Amazon.co.jp (7/24執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:4Hz-40kHz
ドライバー: 40mmドーム型
コーデック: SBC AAC LDAC
連続再生時間:30時間
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
有線接続:対応
重さ:254g
なお、本機は、2020年発売の旧機種が残ります。
ドライバーは、上で見た新機種と比べて、最も大きな違いと言えます。
ユニットの基本構成は新機種と同じなのですが、旧機種の場合、10mm大きい40mmでした。
また、同社の高級機にも乗せるアルミニウムコートLCP振動板が採用されていました。
基本的にドライバは大きいほど音に余裕が生まれる部分も含めて、旧機種は、新機種より、音質部分の基本スペックにおいて「優る」部分があると言えます。
ただ、ノイキャンについて言えば、新機種が圧倒的に上です。
旧機種もWマイク式(自動)ではあるのですが、(新機種のように外側3つではなく)合計2マイクによるキャンセルです。
また、ノイキャン用のQN1プロセッサーは新機種と同じものですが、V1プロセッサーが不採用になります。
新機種と「できること」はほぼ同じなのですが、精度、それに準じるものになります。
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結論的にいえば、Atlas個人としては、値段差があるうちは旧機種でも良いかと思います。個人的な利用経験でも音質は良い機種ですし、ノイキャンの精度も十分でした。
おそらく、今回は、プロセッサなどの新搭載によるスペースの問題からの小径化で、SONY自体もシステム変更で音質が向上したとは(しっかりと)言及していないです。
とはいえ、ノイキャンの精度向上はもちろん魅力なので、移動中などでの没入感を重視したい場合は、新機種が良いかと思います。
【2014年発売】
6・ソニー MDR-ZX110NC
¥4,282 Amazon.co.jp (7/24執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:10Hz-22kHz
ドライバー: 30mm
コーデック:なし
連続再生時間:80時間
ノイズキャンセル:1マイク式
外音取込:
有線接続:対応
重さ:150g
ソニーのMDR-ZX110NCは、同社の製品としては、最も安い製品です。
接続方法は、本機に限っては、付属の有線ケーブルを使う方式です。
重さは、乾電池の重さを入れても150gと軽量です。
サイズもコンパクトですし、折りたためるので持ちはこびに便利です。
再生周波数帯域は、低音域が10Hz、高音域が22kHzです。
ドライバーは、30mmのドーム型ドライバー(振動板)を採用します。
同社の最上位機とサイズだけで言えば同じです。
音質は、ただ、この部分だけで決まるわけではありません。
実際、同社の製品としては、やや余裕がないです。
同社の製品としては、低音域の再生周波数帯域が、10Hzと弱めなのは、この部分があってのものでしょう。
ノイズキャンセリング技術は、マイクを1つだけ使う、最も基本的な技術のみ用いられています。
そのため、騒音の抑制量が劣ります。
スペックとして言っても、上位機の総騒音抑制量は、17デシベル(98%)に達しますが、こちらは13デシベル(95%)までです。
外音取り込み機能も、未装備です。
稼働時間は、80時間と長いです。
ただし、この機種は、乾電池式であり、単4乾電池を利用する点には注意が必要でしょう。
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以上、ソニーのMDR-ZX110NCの紹介でした。
非常に安く手に入る点が、最大の魅力です。
手軽に試せるのは良いですが、ノイキャンの精度は最低限で、ドライバも小さくあまり音質には期待できない製品です。
1-3・BOSEのヘッドホン
続いて、アメリカのBOSEのBluetoothヘッドホンです。音質重視の方に人気のアメリカ東海岸を代表する高級オーディオメーカーです。
独特の「BOSEサウンド」への作り込みは中毒性があり、コアなファンが多いです。
【2019年発売】
7・Bose Noise Cancelling Headphones 700
¥42,500 Amazon.co.jp (7/24執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:20時間
ノイズキャンセル:Wマイク式
有線接続:対応
重さ:250g
Noise Cancelling Headphones 700 は、アメリカ東海岸のBOSEの製品です。
先端技術を取り入れた高級オーディオメーカーの草分け的存在で、独特な豊かな低音表現は、世界中に多くのファンがいます。
同社も、かなり古くからノイキャン機の開発をしていたメーカーで、Appleが積極的に取り組みはじめた数年前までは、技術的に「SONYとBOSEの2強」でした。
本体の重さは、245gです。
従来、このシリーズは「スーツに合う」ビジネスマン向きのデザインでした。
こちらは、カジュアルなので、性別を問わず利用しやすそうです。なお、折りたたみはできませんが、キャリングケースが付属します。
再生周波数帯域・ドライバーは、BOSEは、スペックが伝統的に未開示です。
音質は、試聴の限り、同社の特徴である、音がこもらない安定した低音域をもちつつ、聴き疲れしにくい中音域を保つという、共通する特性を維持しています。
同社の場合、内部構造のほか、イコライザー(アクティブEQ)で「BOSEサウンド」に味付けするため、ある種の「中毒性」があり、リピートユーザーも多いです。
比較的小音量でも、しっかり音のバランスが取れるのも特徴で、小音量再生時の音質の良さは、他社を凌ぎます。
テクノロジー的には、TriPortという低音再生技術で、重低音を強調しています。
SONYやBeatsが、現在的な若者音楽をターゲットにしているとすれば、こちらは、少し大人世代です。
ジャズやロックを低音を響かせながら使いたい人に向く、ヘッドフォンといえます。
音質のパーソナライズは、ただし機能として持ちません。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACに対応します。
新モデルになってAACに新しく対応しました。
BOSEは、先述のように「音を作り込む」タイプのメーカーです。その上で、圧縮音源のアップコンバートも伝統的にうまいので、SBCだけでもこの部分の不満は、ユーザーからは少なかったと言えます。
ただ、遅延の問題があるので、ヘッドホンを映像に使いたい方にはやや問題でしたので、(完全に遅延はないわけではないでしょうが)朗報と言えます。
一方、本機は、SimpleSyncをサポートします。
【サウンドバーの比較記事】や【スマートスピーカーの比較記事】で取りあげた、BOSEのスマートシリーズのHomeシリーズの機器を使う場合、両者の音量を別々に操作することが可能です。
立体音源は、非対応です。
3Dサラウンドに対する言及はないです。
通信安定性の面では、Bluetooth5.0に対応します。
ノイズキャンセリング機能は、内外のマイクを利用するW方式です。
さらに、BOSEの場合、4つのマイクを利用しつつ、AIが周囲の状況を判断して自動で出力を調整します。
BOSEのノイズキャンセルは従来的に評判が良いです。特に、(アメリカらしく)飛行機のノイズのキャンセル力は高いです。
「外音取り込みモード(会話モード)」も搭載し、本体のボタン長押しで、外音がマイク経由で取り込めます。
先述のように、ソニー機は、モーションセンサーを利用し、移動中などシーンに応じて、自動でキャンセル方法を調整する「アダプティブサウンドコントロール」に搭載していました。
一方、BOSEはこれに該当する機能は未搭載です。
アプリで、ノイキャンの効き方(外音の取り込み程度)を10段階から選び、そのうち3段階を本体に登録し、ユーザーがボタンで可変させる仕組みです(=可変ノイズキャンセリング)。
好き嫌いがありますが、SONY方式は、モード変更時、楽曲が一瞬途切れる仕組みなので、シームレスに聴きたい場合は、BOSEが向きます。
ただ、徒歩・地下鉄・電車など、移動中の状況変化が多い方は、SONY方式が向くでしょう。
BOSEは、「飛行機」での移動の多い米国向き設計のような気がします。ソニーも気圧関係の配慮はありますが、この部分は同社に「定評」があります。
連続再生時間は、20時間で、長時間のフライトにも向いた仕様です。
加えてこの機種は、GoogleAssistantとAmazon Alexaに対応です。これらは、【スマートスピーカーの比較】で紹介した音声コントロールシステムです。
この場合、ヘッドホン本体のボタンを押すことで、音声による音楽コントロールや、アシスタントへの質問・お願いをマイク経由で可能としています。
マイク(ハンズフリー通話)は、一方、他機については、あまり検証しませんでしたが、本機のもうひとつよい部分です。
電話が着信すると「セルフボイス」が自動的にONとなり取り込めるので、受話器での電話のような感覚で通話ができます。
なお、本機は先述のように、ノイキャン(アダプティブノイズキャンセル)についてはマイク4基の「4マイクシステム」ですが、合計では「マイク8基」です。
別の2組4基マイク(ビームフォームアレイ・リジェクションアレイ)は、通話と音声コントロールの品質向上のために利用されています。
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以上、BOSEのNoise Cancelling Headphones 700の紹介でした。
自然な音の再生とは方向性が異なりますが、豊かな低音域をベースに作り込まれた「BOSEサウンド」のファンには最適です。
一方、ノイズキャンセリング技術の水準は、ソニー上位機に及びませんが、小音量で再生した際のバランスが良いので、飛行機などの騒音下でも、低音量で聞きたい場合は選択肢です。
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【2021年発売】
8・Bose QuietComfort 45 headphones
¥36,000 Amazon.co.jp (7/24執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:24時間
ノイズキャンセル:Wマイク式
有線接続:対応
重さ:240g
なお、下位機種となるのが、QuietComfort 45 headphonesです。
本機もオーバーヘッド型で重さはほとんど変わりません。
ただ、ノイズキャンセリングレベルの調整に非対応で、常に最大でかかります。
一方、ボタンで、最大(クワイエット)外音取込モード(アウェア)にワンタッチで切り替えられる「シンプルさ」を逆に売りにしているとも言えます。
そのほかは、イコライザー調整とタップによるSpotifyの起動ができない点が、先述の他社の音声AIに対応しない点が、上位機との違いです。
その代わり、バッテリーの保ちが本機の方が少し良いです。
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結論的にいえば、現在BOSEから選ぶならば、上位機種でしょう。既存ユーザーの買換にも向きます。
1-4・APPLEのヘッドホン
というわけで、メーカー別に、各社の代表的なヘッドホンを見ていきます。
続いて、AppleのBluetoothヘッドホンです。
同社の別ブランド(Beats)のものは後ほど見ますが、Apple直販の製品は「超高級機」だけです。
【2021年発売】
9・ Apple AirPods Max
¥81,374 Amazon.co.jp (7/24執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:40mm
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:20時間
ノイズキャンセル:Wマイク式
有線接続:
重さ:364.8g
AirPods Max は、Appleが発売した新製品です。
傘下のBeatsブランドの製品を除けば、自社としては初めてのオーバーイヤー型です。
1・MGYH3J/A [スペースグレイ]
2・MGYJ3J/A [シルバー]
3・MGYM3J/A [ピンク]
4・MGYL3J/A [スカイブルー]
5・MGYN3J/A [グリーン]
本体色は、現状では上表のような5種類です。
ただ、Appleは、ヘッドホンをファッションとしても売る部分があるので、そのうち期間限定色がでてくるでしょう。
本体の重さは、364.8gです。
わりと最近見かけない楕円形のドライバーで、見かけはすっきり軽く見ますが、平均よりけっこう重めです。
ただ、形状記憶フォーム性のイヤークッションのフィット感の調整が抜群なので、長時間でも疲れにくいです。
このあたりは、やはり「うまい」です。イヤーパッド以外も、頭の部分がメッシュで放熱性に配慮があったり、デザイン性と機能性が両立した伸縮アームなど、かなりレベルは高いです。
ドライバーは、実寸で40mmです。
このクラスとしては、大きいとも言えません。
下部に、強力なデュアルネオジウムリングを装備し、音の歪みを除去する仕組みです。
音質は、基本的に、フラットで、原音忠実性を優先した作りです。
ドライバのサイズからすれば、低音も出ます。
音質のパーソナライズは、アダプティブイコライゼーションに対応します。
内側のマイクを利用して実際聞いている音を把握し、中・低音域の周波数を調整をする技術です。密着度、あるいは、音源の性質に由来する不快感は吸収します。
なお、ソニーは、ノイキャン時の性能向上のためのパーソナライズだったので、少し方向性が違います。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACのみに対応します。
同社のiPhoneに準じた仕様で、ハイレゾは非対応です。
通信安定性については、本機は、新型のAppleのH1チップです。
クラス1のBluetoothにも対応するため、iPhoneなどのApple製品に対して、通信安定性・音の遅延が減少に効果を発揮します。
また、このチップにより、同社の人工知能、Siriも利用可能です。
ノイズキャンセリング機能は、強力です。
数で対抗したわけでもないでしょうが、外向きに6個、内向きに2個のマイクを装備します。
方式としてはWマイク式ですが、AIが複数の情報源を参照できる分、キャンセル力は高いでしょう。
ソニーの「アダプティブサウンドコントロール」に相当する機能はないです。
立体音響は、Appleの「空間オーディオ」をフォローします。
ソースは、独自形式の音源データ(360 Reality Audio)を必要とするソニーとは違って既存のデータを利用します。7.1chまでのドルビーほか、ドルビーアトモス音源です。
ドルビーアトモスは、映画館のような上からの振り下ろし音を3D的にフォローできる新しいサラウンド規格で、ネットを含む映画コンテンツで採用が多くなってきた音響規格です。
映像に含まれるこれらのデータをそのまま利用しつつ、再計算して立体音響を再現しています。
Apple Musicほか、Amazon Musicなどの3Dミュージック音源などをフォローします。
映像コンテンツも、Apple TVアプリ中のドルビーアトモスなどの対応コンテンツほか、Netflixなども対応可能です。
一方、Apple運営の音楽映像サービス利用時に限定されますが、「ヘッドトラッキング機能」もオンになります。
内蔵される加速度・ジャイロセンサーを利用し、利用者の頭の向きに連動して、立体音響の方向性を正しく調整する技術です。ようするに、普通のスピーカーのように、自分が首を振ったりしても、音が正しく定位します。
なお、空間オーディオは(商標ではないので)Apple以外の各社のヘッドホンでも「空間オーディオ対応」と表記が見られます。ただ、仕組みはそれぞれ異なります。
この部分については【イヤホン・ヘッドホンの選び方の記事】にもう少しだけ詳しく記しました。
このほか、本機は【STB機器の比較記事】で紹介したApple TVともBluetoothペアリングできます。
Apt-X LLなど使用できませんが、あまり音ズレを気にする声が聞こえてきません。
TV側で何かしらの音ズレのタイミング処理がなされている可能性はあるでしょうが、単純にSBCの性能向上によるものかもしれません。
連続再生時間は、20時間です。
充電は、iPhoneと同じライトニング端子を利用する方式です。
5分の充電で、1.5時間分の緊急充電も可能です。
また、付属ケースに入れることで、自動的に低電圧モードになり、バッテリーを節約します。
マイク(ハンズフリー通話)は、搭載です。
「外音取り込みモード(会話モード)」も搭載しますし、この部分の使い勝手は良好です。
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以上、AirPods Max の紹介でした。
値段は相当高いですが、Apple製品を軸にしてオーディオ環境を整えている場合、この値段でも、十分納得がいく機能性です。
メインの用途が、iPhoneやiPadを利用した「映像視聴」ならば、本機を買う価値があります。
ただ、そうでない場合は、単純に40mmのドライバーの高級機にすぎないわけで、本機はオーバースペックで、割高でしょう。
ノイキャンにしても、外出先で使う分には他社機が優れますから、ある種ニッチな高級機と言えます。
1-5・Beatsのヘッドホン
続いては、Beatsの完全ワイヤレスイヤホンです。
同社はApple傘下ですが、ストリート系の別ブランドとして展開します。
【2020年8月発売予定】(加筆予定)
10・Beats Studio Pro
¥(49,800) Amazon.co.jp (7/24執筆時)
【2020年発売】(旧機種)
10'・Beats Studio3 Wireless
¥43,455 Amazon.co.jp (7/24執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:
ドライバー:40mm
コーデック: SBC AAC
連続再生時間:40時間
ノイズキャンセル:1マイク式(自動)
有線接続:対応(同梱)
重さ:260g
Beats Studio Pro も、Beatsの製品です。
2023年登場で「Beats Studio3 Wireless」の後継機です。
ドライバーが新型が新型になったほか、Appleの立体音響(空間オーディオ)に対応した点、外音取り込みに対応した点、バッテリーの保ちの改善、などが新機軸です。
現性能差が大きいので、新機種が良いかと思います。
本体の重さは、260gです。
ノイズキャンセルに対応する分、多少重量があります。
ただ、こちらも、折りたためるため持ち運びやすい機種です。
再生周波数帯域は、未開示です。
ドライバーは、40mmです。
最近のAppleでは珍しく、新機種ではドライバーサイズが明言(40mm)されました。
以前だと、このサイズは各社のオーバーヘッド型の「定番」でしたが、最近はスタイル重視で「小粒」な30mmも増えました。そのため「40mm」というのは、セールスポイントになる時代です。
構造的には、素材は非開示ですが、二層構造の振動板を採用し、Studio 3 Wirelessに対して、マグネットも25%強化されます。新構造のマイクロベントで音抜けも良くします。
(Apple的な表現ですが)旧機に対して最大80%の音の歪みが減少し、ほぼゼロとの触れ込みです。これなら、低音のパワーも十分でしょう。
音質のパーソナライズは、特段機能性を持ちません。
Bluetoothコーデックは、旧機の場合、SBC AACのみ対応でした。
新機種は未発表ですが、おそらく同じだと思います(調査後加筆)
立体音響は、対応です。
さきほどAppleのAirPods Maxで説明したのと同じで、3Dの空間オーディオ音源に対応します。
センサーでのヘッドトラッキングにも対応するので、Apple系と比べてこの部分で遜色がなくなりました。
接続方法は、加えて、本機は有線接続にも対応し、その際はバッテリーなしでも駆動します。上記のRemoteTalk ケーブルが同梱です。
とくに新機種の場合、USB-DACを装備したので、USBオーディオ(接続)も楽しめます。
DACの性能(ハイレゾ対応の有無)は調査中です(調査後加筆)。
ノイズキャンセリング機能は、搭載です。
こちらは、1マイク式ながら、周囲の環境に応じて自動にかかりを調整するピュアアダプティブノイズキャンセリング(Pure ANC)です。
また、メガネや耳の形状の装着環境を、音声信号で解析する機能もあります。
外音取り込みも、新機種になって対応です。
連続再生時間は、40時間です。
使い勝手の部分では、下位機種同様に、Siriを呼び出すなどの機能を持ちます。
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以上、BeatsのBeats Studio Proの紹介でした。
基本的には、iPhoneユーザー向きの機種です。iPhoneと電源が連動するなどの利便性が得られますから。
機能面では、割と優秀なノイキャンを搭載する点と、低音域が充実する部分が見どころです。
その上で、Apple系の空間オーディオに対応するので、実際的には「AirPods Maxの弟分」のような感じで理解するとよいでしょう。
パーソナライズの部分では多少差がありますが、USB-DACとしての機能など独自性もあります。
1-6・ヤマハのヘッドホン
続いて、日本のヤマハのBluetoothヘッドホンです。
ポータブルは普及機の委託開発のみで、高級ヘッドホンのイメージはない企業でしたが、最近自社開発をはじめています。
【2023年発売】
11・ ヤマハ YH-L700A(B)
¥57,818 Amazon.co.jp (7/24執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:8Hz-40kHz
ドライバー: 40mm
コーデック: SBC AAC Aptx Adapt
連続再生時間:34時間
ノイズキャンセル:Wマイク
有線接続:対応
重さ:330g
YH-L700Aは、ヤマハのBluetoothヘッドホンの最上位機です。
本体の重さは、330gです。
主張があるスクエア型のフォルムです。
重さは、重くはないですが、ソニーよりはしっかり目です。
外装パーツは値段相応に良さそうですが、装着性を強調した宣伝はしていません。
再生周波数帯域は48Hz-40kHzというスペックです。
したがって、「ハイレゾに対応」する上で、低音も出ることを主張していると言えます。
ドライバーは、40mmです。
やはり、素材や音質部分の工夫について、サイトには記載がないです。
音質のパーソナライズは、リスニングケア(アドバンスド)に対応します。
若干他社とニュアンスが違いますが、イコライザの部分で、人間の聴覚特性に合わせて音のバランスを調整し、各帯域の音の爆音を防ぎ、聴覚保護をするというものです。
ヤマハ機ではお馴染みのものですが「アドバンスド」なので、周囲の騒音も総合的に判断して、音質の犠牲を最小限に調整してくれます。
加えて、リスニングオプティマイザーとして、マイクを使いつつ、リアルタイムで、装着状況や、耳穴の内部の聞こえをマイクを通して解析し、実際の音源との差に基づき、音質を調整する機能が付きます。
Appleの「アダプティブイコライゼーション」機能に相当する機能で、(耳のケアではなく)音質アップのための機能です。
リアルタイムで、音質アップのための特定の周波数特性の調整に言及があるのは、Appleを除けばヤマハだけかと思います。
Bluetoothコーデックは、SBC AACほか、Aptx-Adaptiveに対応です。
一方、執筆時に確認したところ、Aptx-Adaptiveは、ハイレゾ対応水準のコーデックですが、ヤマハは「Hi-Resは有線接続のみ対応」とわざわざ註記しています。
ドライバもハイレゾには問題ない仕様ですが、DAC部分の仕様の限界とのことです。本機は独自機能が結構「充実」なので、仕方ないのかもしれません。
なお、このコーデックは、可変ビットレートで低遅延でもありますが、その部分は問題なく作動します。
立体音響は、対応です。
本機のポイントといえ、サラウンドが充実します(3Dサウンドフィールド)。
本機の場合、映像向け・ミュージックビデオ向け・音楽コンテンツ向けの各モードを備えます(計7モード)。
先述のように、少なくとも最近は高級ヘッドホンを出していないですが、定評のある同社のシアターオーディオ技術(CINEMA DSP)を応用して、この部分を伸ばしたのが個性です。
ヤマハの場合、2chステレオのデータを含め仮想的に多チャンネルにするとします。
いったん多チャンネルデータ(5ch)にしてから、パン処理(8ch)したデータをさらに解析し、3D化させているようです。
この方法の良い部分は、スマホアプリ・PCソフトに依存しない点でしょう。
内蔵チップでの処理なので(基本)コンテンツに左右されないでしょうから。
とくに映像向けには、よさげです。
ヘッドトラッキングセンサーも搭載です。
耳の外から音が聞こえるような感覚を作だし、また、頭を動かしても、音の方向性が維持されます。仮想的にバイノーラル音源を作り出す方向性で、Appleなどと同じです。
通信安定性は、Bluetooth5です。
連続再生時間は、34時間です。
ノイズキャンセリング機能は、Wマイク式です。
ノイキャンの部分は、クアルコムのSOCを利用したもので、他社製です。
ただ、アルゴの調整はヤマハがしていますが、シーンに合わせた自動調整まではしないといえる、中級仕様です。
自宅で映像視聴に使う分には、ただ、問題ないです。
マイク(音声通話)は、搭載です。
通話もできます。また、スマホで利用する場合、本体ボタンで、各社のAI(Siri・Androidほか)を呼び出せる仕様です。外音取り込みも対応です。
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以上、ヤマハのYH-L700Aの紹介でした。
同社のサラウンド技術は定評があり、Atlasも良いと思っています。実際、3Dサウンドフィールでも、自社の調整技術は活かされます。
一方、最近の4K映像コンテンツは、ハイレゾ収録でもありますし、ハイレゾの部分で先述の「微妙な表現」がある点が気になります。
遅延の部分を含めて、なにか分かったら補記しようと思います。
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【2023年発売】YH-E700BB
12・ ヤマハ YH-E700B(B)
¥37,035 楽天市場 (7/24執筆時)
タイプ:密閉型
再生周波数帯域:8Hz-40kHz
ドライバー: 40mm
コーデック: SBC AAC Aptx Adapt
連続再生時間:34時間
ノイズキャンセル:Wマイク
有線接続:対応
重さ:335g
なお、YH-E700Bという下位機も同時にでました。
黒以外に、ベージュ(YH-E700B(C))も展開です。
本機の場合、ヘッドトラッキングを含む「3Dサウンドフィールド」がざっくり省略です。
そうなると、ヤマハの個性がだいぶ薄まると言えます。値段差はありますが、同社から選ぶにしても上位機でしょう。
次回につづく
ノイキャン対応ヘッドホンのオススメは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、各社のノイズキャンセリング対応ヘッドフォンの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・ノイキャンヘッドホンの比較 (2)
2-1:DENON〈日本〉
2-2:JVCビクター〈日本〉
2-3:Ag.〈日本〉
2-4:JBL〈日本〉
2-5:Beats〈米国〉
2-6:SHURE〈米国〉
2-7:ANKER〈米国〉
3・ノイキャンヘッドホンの比較 (3)
3-1:ゼンハイザー〈ドイツ〉
3-2:B&W〈イギリス〉
3-3:B&O〈デンマーク〉
3-4・最終的なおすすめの提案【結論】
続く2回目記事(こちら)では、上表の各社のノイキャン機を追加で紹介します。
ノイキャン効果 ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
ハイレゾ再生 ★★★★★
コーデック ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、全体の結論編となる3回目記事(こちら)では、ここまで紹介した全機種から、予算別・目的別に「Atlasのおすすめ機種!」を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら