【今回レビューする内容】2025年 目が疲れない27インチ大画面液晶モニター・ディスプレイの性能とおすすめ IPS VA:27インチフルHDモニター:機種の違いや口コミランキング
【比較する製品型番】 イイヤマ ProLite XUB2792HSU-B6 LG MyView Smart Monitor 27SR50F-E 27MS500-B 27MS550-B G2730HSU-B1 デル Dell P2725HE P2725H S2723HC S2721H S2725H S2725H-R S2725H-A 2725HS S2725HS-A SE2725H E2725HM SE2725HM SE2725HM-A アイオーデータ LCD-A271DBX DI-A271DB EX-C271DB LCD-C271DBX EX-C271DB-F HP E27 G5 HP P27h G5 HP E27u G5 ASUS VA27DQF VZ279HEG1R-J VY279HE VA27DCP VA27ECPSNY VA27EQSB VY279HF VU279CFE VZ27EHF Acer Vero V7 V277Gbi KA272G0bi SA273G0bmix B277D6bmiprczx KA272Ebmix SA272Ebmix フィリップス 273S1/11 271S9A/11 27E1N5300AE/11 27E1N3300A/11 272E2FE/11 272E2F/11 271E1D/11 273B9/11 27E1N1300A/11 BenQ GW2786TC GW2786TC-JP GW2790T-JP GW2790T BL2790 GW2791 BL2790T グリーンハウス GH-LCW27C-BK GH-LCW27CH-BK 富士通 VTF27012BT ジャパンネクスト JN-IPS27FHDR-C65W-HS JN-IPS27FHD-C65W JN-IPS271FHD MSI PRO MP275W E2 MP273AW MP273AP NEC LCD-AS274F Xiaomi A27i レノボ Lenovo ThinkVision T27i-30 63A4MAR1JP T27i-30 63A4MAR1JP S27i-30 63DFKAR4JP Lenovo L27i-4A 67BEKAC1JP ほか
今回のお題
目に優しい27型液晶モニターのおすすめ機種はどれ?
ども、Atlasです。
今日は、2025年5月現在、最新の、27インチのPC用の液晶ディスプレイの比較です。
記事では、パネル自体の品質やスタンド部分の調整力、あるいは、明るさセンサーなどの独自の工夫などに注目しながら、長時間作業でも「目が疲れにくい」モニターを提案していきます。
細かい部分では、保証期間の長さや保証内容にも注目しました。
1・27型フルHDモニターの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:イイヤマ〈日本〉
1-3:LG〈韓国〉
1-4:DELL〈米国〉
2・27型フルHDモニターの比較 (2)
2-1:ASUS〈台湾〉
2-2:ACER〈台湾〉
2-3:BenQ〈台湾〉
3・27型フルHDモニターの比較 (3)
3-1:HP〈米国〉
3-2:フィリップス〈欧州〉
3-3:アイオーデータ〈日本〉
4・27型フルHDモニターの比較 (4)
4-1:JAPANNEXT〈日本〉
4-2:Lenovo シャオミ ほか〈各社〉
4-3:最終的なおすすめの提案【結論】
以下、27インチモニターの「選び方の基本」をはじめに示します。
その上で、以上のようなメーカー順に各社のモニターを比較していきます。
ーーー
なお、ご覧いただくあたって、1点だけ「注意」をお願いします。
今回の記事は、「個人向けのスタンダード」といえる、27インチの「フルHD解像度」のモニターだけ扱っている点です。
5・2.5K液晶モニターの比較
・解像度:WQHD
6・4K液晶モニターの比較
・解像度:4K 5K
7・ゲームミングモニターの比較
・解像度:フルHD〜4K
27インチ機でも、高画質の4K機や、作業領域が広めの2.5K機、ゲーム用の高リフレッシュレート機は、説明すべき内容が変わってくるため、記事を「完全に」分けました。
そういった機種をお探しだった場合は、上記のそれぞれのリンク記事をお読み下さい。
どこから読まれても分かるように書きました。
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液晶パネルの品質 ★★★★★
スタンドの性能 ★★★★★
動画ゲーム対応 ★★★★★
品質保証 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、各社の27インチのフルHDモニターを一機ずつ比較していきます。
そして、最後の「結論」では、上表のような観点から、「Atlasのオススメ機種」を提案していきます。
よろしくお願いします。
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1・31.5型のPCモニターの比較
2・27.0型のPCモニターの比較
3・24.1型のPCモニターの比較
4・23.8型のPCモニターの比較
5・21.5型のPCモニターの比較
6・4KのPCモニターの比較
7・2.5KのPCモニターの比較
8・タッチパネルモニターの比較
9・ゲーミングモニターの比較
10・Mac向けPCモニターの選び方
11・液晶モニターの選び方【まとめ】
なお、今回の記事は、このブログ「モノマニア」の液晶ディスプレイ関連記全体としては、「2回目記事」として書きました。
1-1・目に優しい液晶モニターの選び方
具体的な製品の紹介にはいる前に、「目に優しい27型モニターの選び方の基本」を書いておきます。
仕事用を合わせると、Atlasは、これまでモニターを20機種以上は使い潰し、買い換えてきました。
その経験をふまえると、以下の3つの基本をおさえることが重要です。
第1に、画面の大きさです。
仕事の効率を考える場合、「大画面」のモニターというのは大きな魅力があります。
しかし、良いことばかりでもなく、目線を移動させる回数が増えるために、眼精疲労が増加します。
27インチなら80cm以上は、目からモニターの距離を「最低限」確保するのが適当です。
基本的に、このサイズは、事務机ほどの奥行があるのが好ましいです。
ただし、デザイン重視の奥行の狭い机をお使いの方は、ワンサイズ小さいモニターを選んだ方が良いでしょう。
このブログでは、上記どのサイズも紹介しています。
上図は、画像編集ソフトで画面サイズをふまえて、Atlasが作った比較図です。
同じFHD(フルハイビジョン)解像度で考える場合、1サイズ下は、23.8インチになります。
詳しくは、【23.8インチモニターの比較記事】をご覧ください。
第2に、モニタースタンドの稼働性です。
この部分は、モニターを選ぶ際に意外と軽視されがちです。
しかし、「目の疲れ」に最も大きく影響する要素です。
基本的に、モニターと目線は水平にするのが、目が最も疲れない配置です。
しかし、大画面の格安モニターの場合、角度は調整できても高さが調整できない機種がほとんどです。
そうした機種の場合、「目に優しい」体勢をとろうとすると、椅子の高さを無理に調整する必要がでるため、腰や肩の疲労につながります。
そのため、モニターアームの角度や高さが柔軟に調整できるモデルを選ぶことが大切です。
第3に、液晶モニターの品質です。
液晶は、PC用の場合、TNパネル、VAパネル、IPSパネル、ADSパネルという、4種類の液晶方式が主流です。
それぞれの特徴を「ざっくり」表示すると上表のようになります。
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結論的にいえば、視聴時の視認性(ギラつきのなさ)と、視野角の広さが大事ですので、IPSパネルがベストであり、「目に優しい」です。
IPSと同じ性質のADSパネルでも構いません。
上図は、IPS・ADSの(安めの)スタンダード機の典型的なスペックです。
これより数字が良い製品は、「ちょい上なIPS」と考えて良いでしょう。
とくに今回の記事では、色域(sRGB99%以上)と輝度(300cd/u以上)を超えた「ちょい上」なパネルを「IPS+」として区別しました。
定まった表現がないのでAtlasが名付けました。
近年は、コントラスト比も高め(1300:1〜1500:1)で「黒が締まる」IPSパネルも増えました。この部分で個性がある製品も、本編では、その部分を評価して説明する予定です。
ほかにも、IPSパネルだと無数に「上位製品」があります。
ただ、広色域IPSなどのパ上位パネルは、フルHD解像度だと展開がないので、ここでの説明は省略します。
VAパネルは「黒が締まる」ので映像向き、TNパネルは、応答速度が良いのでゲーム向きです。
しかし、TVより近接視聴になるPCモニター利用の場合、いずれも疲れやすいので、積極的にはおすすめしません。
なお、PCモニターの場合、パネル表面処理は、パネルの種類を問わず、ほぼ全機が、照明などの反射が少ないといえる非光沢のノングレアです。
ノートPCとは違い、ハーフグレア(半光沢)、グレア(光沢)は、テレビ的に利用する一部機種を除けば、採用例は皆無に近いです。
この部分は(基本)あまり気にしなくて良いです。
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1・液晶モニターの選び方【まとめ】
2・Mac用モニターの選び方
以上、モニターを選ぶ際に重要なポイントを3点紹介しました。
もっと深く「基本部分の選び方」を知りたい方は、(製品自体の比較ではないですが)以上の記事でもまとめています。
ただ、今回説明する内容だけでも「目に優しいモニター」は選べると思います。
このまま読み進めていただいてOKです。
1-2・イイヤマのモニターの比較
はじめに日本のイイヤマからです。
現在はマウスコンピュータ傘下ですが、古くからあるディスプレイメーカーであり、品質には信頼性があります。
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なお、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【27インチ】
【2024年発売】
1・iiyama ProLite XUB2792HSU-B6
¥21,800 Amazon.co.jp (5/8執筆時)
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPS方式 ノングレア
コントラスト比:1300:1
応答速度:0.4ms MPRT
リフレッシュレート:最大100Hz
HDR:
USB給電:
接続端子: HDMI DP
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2w×2)
保証期間:5年
XUB2792HSU-B6は、イイヤマの27インチモニターです。
パネルは、ノングレア(非光沢)のIPS(IPS方式)です。
先視野角が広く、注視しても目疲れしにくい性質がある「目に優しい」傾向のパネルです。
輝度(250cd/u)、コントラスト比(1300:1)、視野角(178°)とも、フルHD解像度のスタンダードクラスのIPSの性能はあります。
色域は、同スペックの他社の事例を見れば、そこまで低くなく、sRGB 99%相当かと思います。
イイヤマは、LG製品のみIPS表記で、本機を含めそれ以外は「IPS方式」と表記しています。
イイヤマの説明では「IPS方式」は、パネルの駆動方式と「同等の技術を使用した」パネルという表現になります。
商標的にLG以外はこの表記にされてます。AHVAの場合も表記された事例は過去にあったので、それ以外の製品でしょう。
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結論的にいえば、本機の場合、変則的なスペックではないので、上表のどこかの企業のパネルでしょう。特定はできませんが、イノラックスのAAS-IPSに思えます。
性質は、IPSと同じと考えてOKです。「目に優しい」傾向のパネルです。
AASはPCモニターではそこまでのシェアはないので、信頼性の部分では普通です。主に価格面からの採用でしょう。また、PCモニター向けに開発されたパネルというより、汎用かと思います
応答速度は、、オーバードライブ時最大0.4msと「超速」です。
この値は小さいいほど、残像感が少ない映像が得られやすいと考えてください。
ただ、一般的なGtoG(中間色→中間色)での値はなく、主観ベースで把握した()基準の緩い)MPRT(黒→白→黒)の値です。
BtoBだと5ms前後、ネイティブで14msあたりの普通のIPSでしょう。
なお、オーバードライブは、かかれば良いと言うものではない(画質の実用度が落ちる)ので、5段階で強弱調整できるようにしています。
自動画質調整は、i-Style Colorという機能が目に付きます。
選択した利用目的に合わせて、コントラストや明るさを自動調整してくれる機能です。
映画・ゲームなどのほか、「テキストモード」が採用されている点は、文書仕事には有利でしょう。
そのほか、ゲームなどで便利なアスペクト比固定も対応です。
画質調整機能は、「映像美」という意味では、ACR機能があります。
テレビ的な機能で、仮想的に8000万:1までコントラスト比が挙げられます。
ADSはIPS液晶同様に「黒の締まり」が課題なので、なにかしら工夫は各社の上級機でなされます。
一方、「目の優しさ」は、LEDバックライトのフリッカー対策の明記があります(説明書)。この機能がない場合、画面暗めの低輝度で「チラツキ」が生じやすいからです。
なお、(色味が変わるので、実用的とも言いかねる)ブルーライト対策より、フリッカー対策のがよほど重要です。
スタンドは、上下・左右・高さ・回転が可能な、多機能スタンドを装備します。
チルト角度(上23°・下5°)、高さ(150cm)、左右(90°)と回転(90°)です。
稼働範囲も十分です。
先ほど書いたように、「目の疲れの軽減」のためには、モニターに対して目線を90度に合わせることが基本です。
この価格で搭載している点は、大きなメリット性です。
接続端子は、DisplayPort・HDMIという構成です。
標準的な構成であり、問題ありません。
USBハブは、2ポートつきます。
速度はUSB3.0ですので、外部ストレージでもそれなりの速度は得られます。
付属ケーブルは、HDMI・Display Portが、それぞれ1.8mとなります。
スピーカーは、総合4Wの貧弱なものですが、付属します。
保証期間は、3年です。
モニターの場合、3年が各社のだいたいの平均値です。
ただし、LGのような無輝点保証は未付属です。
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以上、イイヤマのXUB2792HSU-B6の紹介でした。
パネルはIPS(AAS)のようで。PCモニター用としての信頼性の違いで「安い」とは言えますが、性質はIPSと同じです。コントラスト比の部分で見どころもあるので、そこまで素性の悪さは感じません。気にしすぎなくても良いかと思います。
保証期間も3年としっかりありますので、パネルの素性がやや不鮮明な部分に由来する信頼性もここで担保されます。
一方、スタンド性能がよく、フリッカー対策がありつつ、画質調整の部分でも独自機能がある製品です。この部分と、値段の安さを評価すれば、選べる機種の1つでしょう。
ただ、LGなど、IPSパネルで安い機種はありますし、しっかりと比較はしましょう。
1-3・LGのモニターの比較
続いて、LGエレクトロニクスのモニターです。
同社は、自社で(部品としての)IPSが生産できる世界的企業です。性能の良い機種が割安の場合が多いです。
【2024年発売】
【27インチ】
2・LG Electronics 27MS550-B
¥20,919 楽天市場 (5/8執筆時)
スタンド:チルト・高さ
スピーカー:2W×2
3・LG Electronics 27MS500-B
¥16,835 Amazon.co.jp (5/8執筆時)
スタンド:チルト
スピーカー:なし
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:最大100Hz
HDR:
USB給電:
接続端子: HDMI×2
VESA:75mm
保証期間:3年
27MS550-B などは、LGの23.8インチの製品です。
2グレードがありますが、違いは、スピーカーの有無とスタンドの稼働性です。
後者は目への優しさには重要な部分ですし、選ぶならば上位機でしょう。
液晶パネルは、ノングレア(非光沢)のIPSです(AH-IPS)。
スペックは、輝度(250cd/u)、コントラスト比(1000:1)、視野角(178°)、色域(NTSC:72%)のごく普通のスタンダードクラスのIPSパネルです。
応答速度は、オーバードライブ時で5msです。
かかり方は、3段階で調整可能です。
リフレッシュレートは、100Hz対応です。
ゲーミング用と言えるほどではないですし、FreeSyncにも対応しません。
ただ、マウスカーソルの追随性を良くするようなニーズはあるかもしれません。
自動画質調整は、「フォト・シネマ・ゲーム」の各モードが利用できます。
一方、ビジネスに向いたモードはありません。
画像補正機能は、暗部補正となるブラックスタビライザーのほか、超解像技術ほか充実します。
特にゲームには強いと言えますが、TVでも使われる高画質化技術でもあるため、通常の動画などでも効果があるでしょう。
「目の優しさ」の部分では、フリッカー対策・ブルーライト軽減も機能として持ちます。
モニタースタンドは、上位機だとチルト角度(前5°・後15°)ほか、高さ調整に対応です。必要最低限ですが実用水準です。
下位機種だと、チルト角度調整のみですし、上位機が良いでしょう。
接続端子は、HDMIが2系統です。
現代的な仕様でしょう。
ケーブルは、HDMIケーブルが付属します。
スピーカーは、上位機のみ搭載です。
ただ、音楽を聴くならば、【PC用スピーカーの比較記事】で書いたような別売の格安スピーカーを購入するべきでしょう。
なお、これは、今回紹介する機種全てに言えることです。
保証期間は、3年です。
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以上、LGの27MS550-Bなどの紹介でした。
液晶パネルが自社生産できるメーカーらしく、価格は安め水準です。
その上で、テレビメーカーらしく画質調整がそれなりに高度です。
もちろん、他社機と比べる必要はありますが、モニターアームの稼働性が良い上位機は、大きな弱点もなく、スタンダードモデルとして良い機種に思えます。
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なお、本機と仕様が似る上位機が他にいくつかあります。
以下で確認しておきます。
【2023年発売】
【27インチ】
4・LG Electronics 27BA450-B
¥31,580 Amazon.co.jp (5/8執筆時)
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
接続端子: D-sub HDMI DP
5・LG Electronics 27MR400-B
¥18,641 Amazon.co.jp (5/8執筆時)
スタンド:チルト
接続端子: D-sub HDMI
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1300:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:最大100Hz
HDR:
USB給電:
VESA:75mm
スピーカー:なし
保証期間:3年
第1に 27BA450などです。
1つ上でみた機種の「ビジネス向け」といった位置づけの機種です。
端子構成は、最も大きな違いです。
こちらは、HDMIは1系統ですが、D-SUB・DPとレガシーをふくめ基本端子が揃います。
パネルは、こちらもIPSです。
スペックは、輝度(250cd/u)、コントラスト比(1300:1)、視野角(178°)、色域(sRGB:99%)です。
輝度は普通ですので、IPS+には至りませんが、IPSの範疇では質の良い製品です。近年、LGで生産されてきたコントラスト強化型パネルの1つです。
リフレッシュレートは、HDMIで100Hz です。
こうした仕様を含めて、仕事以外に使える仕様ではあります。
画質調整は、先ほどの機種と変わりません。
超解像技術もしっかり装備です。 ただ、ゲーム用ではないので、「黒画面」を挿入する「1ms Motion Blur Reduction」は不採用です。まあ問題ないです。
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結論的にいえば、先ほどの機種と比べて、映像美に関わるパネルスペックはこちらの方が少しだけ良いです。
同じスタンドで、少し高い程度の値段で買えそうならば、一般向けにはこちらがわずかに良いスペックに見えます。
ただ、このあと出た次に見る機種のほうが、より仕様が良いので、見比べる必要はあります。
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【2024年発売】
【27インチ】
6・LG Electronics 27MS570B-B
¥25,330 Amazon.co.jp (5/8執筆時)
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
接続端子: HDMI×2 USB-C
USB給電:65W
7・LG Electronics 27MS530B-B
¥28,100 Amazon.co.jp (5/8執筆時)
スタンド:チルト
接続端子: HDMI×2 USB-C
USB給電:
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1300:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:最大100Hz
HDR:
VESA:75mm
スピーカー:なし
保証期間:3年
第2に、27MS570Bなどです。
1つ上で見た製品のあとに出たモデルで、仕様的にはこちらの方が「豪華」です。
端子構成は、HDMIが2系統と、USB-Cです。
とくに上位機は現代的な構成です。
対応ノートPCなどに65WのUSB-PD給電ができます。
加えて、USB2.0の速度なのでマウスやキーボード用ではありますが、USBハブもつきます。
パネルは、ノングレア(非光沢)のIPSです。
本機もコントラスト比が1300:1です。sRGB 表記の色域は確認できませんが、1つ上の製品とおそらく同じパネルでしょうし、99%でしょう。
本機もIPS+とまでは言えませんが、少し良いパネルです。
リフレッシュレートは、全ての接続端子で100Hz です。
あとは、1つ上の製品と変わりません。
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結論的にいえば、USB-Cを活用した使い方を考える場合、本機の仕様は特に良いです。
パネルも(普通の)IPSの水準より多少良いため、お買得感があります。
より上位の機種と見比べる必要はありますが、端子構成の新しさを含めて、この価格帯の製品だと有力候補です。
【27インチ】
【2024年発売】
8・LG MyView Smart Monitor 27SR50F-E
¥27,635 Amazon.co.jp (5/2執筆時)
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1,000:1
応答速度:14ms (typ)
リフレッシュレート:60Hz(最大)
HDR:HDR10
USB給電:
接続端子:HDMI×2
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(5w×2)
保証期間:3年(無輝点保証)
MyView Smart Monitor 27SR50F-E は、LGエレクトロニクスが発売する27インチモニターです。
本機は少し特殊で、どちらかと言えば、チューナーレステレビに近い感じのPCモニターです。
実際、LGのWebOSを積んでいて、アプリ対応できる定額動画サービスなどの視聴が可能です。
リモコンも付属します。また、【LGの4Kテレビの比較記事】でみている同社のTV用の上位リモコンも使えます。
むろん、TVチューナーは、未付属です。
そのほか、本機は、Wi-Fiを搭載するので、同社のアプリ(LG ThinQアプリ)で、スマホをリモコンとしての操作にも対応できます。
加えて、スマホからの映像のキャストも、AppleのAirplay2や、ミラキャストに対応するため、専用のSTB機器がなくても可能です。
解像度は、フルHDです。
小型テレビの規格サイズは、24インチのあとは、32インチまで間のサイズがないので、その「まんなか」的な位置になります。
パネルは、ノングレア(非光沢)のIPSです。
輝度(250cd/u)、コントラスト比(1000:1)、視野角(178°)、色域(NTSC:72%)のごく普通のスタンダードクラスのIPSパネルです。
このシリーズの旧機は、テレビ的な低反射のハーフグレアでしたが、今回はノングレアです。
PCモニターとしても「使いやすい」ように配慮した形です。逆に言えば、テレビとの画質傾向は少し変わるとは言えますが、問題ないでしょう。
応答速度は、最大14msです。
リフレッシュレートを含めて、本格的なゲーム用ではないです。
いわゆる「チューナーレステレビ」に近いでしょう。
HDRは、HDR10ですが対応です。
画像補正機能は、フリッカー対策はあります。
ただ、その程度で、映像美に関わる補正は(テレビほど)充実しません。
ゲーム用の暗部補正がある程度です。
モニタースタンドは、チルト角度調整のみです(上5°・下15°)。
VESA規格に対応するので交換は可能です。
接続端子は、HDMIが2系統です。
用途を考えるとHDMIが多いのは納得感があります。
片方はeARCに対応です。
スピーカーは、総合10Wです。
PCモニターとしては、充実しますが、テレビ用としては最低減でしょう。
ただ、本機はHDMIについてeARCに対応なので、【サウンドバーの比較記事】で書いたような高性能な外部スピーカーを簡単につなげられます。
ケーブルは、1.5mのHDMIケーブルが付属です。
保証は、3年間です。テレビと考えると、充実します。
無輝点保証(常時点灯)もあります。
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以上、LGのSMART Monitor 32SR50F-Wの紹介でした。
PCモニター側に仕様を寄せた「チューナーレステレビ」といえます。
本機より1周り大きいですが【32v型テレビの比較記事】でも、チューナーレステレビを見ていますが、そちらと比べれば、ノングレアですし、モニターとして「使いやすい」でしょう。標準的なものですが、しっかり、LGのIPSパネルですし、兼用ですが、PCモニターとして主に運用するならば、よさそうです。
一方、応答速度・リフレッシュレートは、「テレビ並み」ではあるので、その部分はあまり期待できないです。
1-4・デルのモニターの比較
続いて、「米国勢」となる、デルのモニターです。
米国系は、HPもそうですが、画質調整をPCに任せる構成」にして、価格を少し安くする傾向にあります。
【27インチ】
【2024年発売】
9・Dell P2725HE
¥39,600 Amazon.co.jp (5/8執筆時)
USB給電:90W
10・Dell P2725H
¥32,208 Amazon.co.jp (5/8執筆時)
USB給電:
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPSテクノロジー ノングレア
コントラスト比:1500:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:
リフレッシュレート:最大100Hz
接続端子:HDMI DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
保証期間:3年(無輝点保証)
P2725HEは、米国のデルが販売するモニターです。
同社のモニターはいくつかシリーズわけされますが、Pシリーズは、ビジネス用の上級モニターになります。
USB-C端子とそれによるノートPC給電機能の有無で2系統あります。
加えて、下位機のみ旧機が残ります。
USBハブもの部分でSB-C端子(15W給電)がないほか、リフレッシュレートが旧来(75Hz)です。そのほか、ディスプレイ調整のUI(EasyArrange)が変わっています。
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結論的にいえば、現状の値段差ならば新機種が良いでしょう。
あとは言及するべき違いはないので、同時にみていきます。
液晶パネルは、ノングレア(非光沢)のIPS(IPSテクノロジー)表記です。
スペックは、輝度(250cd/u)、コントラスト比(1500:1)、視野角(178°)、色域(sRGB:99%)です。
輝度は普通ですのでIPS+の水準ではないです。
しかし、コントラスト比を1.5倍強化した、新世代のスタンダードクラスのIPSパネルです。LGほか、BOE(IPS-ADS)でも同等スペックのパネルが出ています。
なお、デル機は基本的に「IPSテクノロジー」表記です。
上表はIPS系パネルを製造する企業と、そのパネル名(商標)を示したものです。日本市場のPCモニターで、採用例が多いと言えるパネルを上から順番に並べています。
商標としての「IPS」はLGが持つので、他社は(基本)名乗れません。
モニター製造社側も、例えばDELLの「IPSテクノロジー」ほか「IPS方式」などの書き方でボカしています。
スペック的に、本機は最近出てきたパネルです。LG、BOE(ADS)などでこのスペックのIPSのパネルの生産がみられます。
特定できませんが、いずれにしても「素性の良い」IPSと言えます。
応答速度は、オーバードライブ時、5msです。
通常時は8msです。問題ないです。
リフレッシュレートは、100Hzです。
23年末あたりから、この部分のスペックが上がった製品が増えました。仕事用にはあまり意味がないですが、マウスカーソルの動きの追随性は上げられます。
画像補正機能は、本機は、フリーカーフリー(ComfortView)や、ブルーライトカットは装備します。
ただ、自動画質調整をふくめて、あまり多機能ではないです。
米国勢は、PC側にまかせ、この部分にあまり力を入れないのが伝統です。
接続端子は、HDMIとDisplayPortです。
加えて、上位機は、USB-Cでの接続と給電に対応します。
また、上図の様に、DPを利用し、デイジーチェーンも可能です。
USB-CはPD対応で、映像出力と同時にノートPCに対する90W給電に対応します。
高負荷のゲーミング用ノートPCでも給電できるだろうスペックです。
USBハブは、付属です。
USB-C(15W給電)1系統と、USB-Aが3系統です。
速度は、下位機は全てUSB3.0ですが、上位機だと、USB-Cのみ、USB3.1と少し速めです。
高性能ストレージの接続には良いでしょう。ハブのUSB-Cも15W給電対応です。
付属ケーブルは、1.8MのDPケーブルと、上位機のみ、1mのUSB-Cケーブルが付属です。
Dell SB521A
¥4,779 Amazon.co.jp (5/2執筆時)
スピーカーは、付属しません。
しかし、Pシリーズは別売の専用スピーカーの搭載が可能です。
このブログの【サウンドバーの比較記事】紹介したようなバータイプです。
RMS表記で3.6Wのステレオなので、10W程度の出力は期待できそうです。ただ、【PCスピーカーの比較記事】で紹介したような、外部接続の製品の方が音は良いでしょう。
ただ、スマートに設置できるのは良い部分でしょうし、一般的なモニター搭載スピーカーより音質はだいぶ良いです。
スタンドは、前後左右・チルト・スイーベルに全対応し、高性能です。
調整幅も、高さ15cm、チルト(上5°・下21°)、スイーベル・ピボット(90度)ですから、最上級でないにせよ、画面の大きな27インチ機ならば十分以上でしょう。
保証期間は、3年です。
その上で、Pシリーズの場合、プレミアムパネル交換保証があります。
これは、嫌う方の多い「常時消灯(輝点)の交換保証」であり、DELLの人気の秘密です。
常時消灯(ドット抜け・黒点)は保証対象外ですが、3年と長期間でこの点を保証するのは、LGを除けば珍しいです。
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以上、DELLのP2722HEの紹介でした。
画質調整機能部分は「あっさり」です。
しかし 「目の優しさ」という今回の観点で、最も大事な、フリッカー対策とIPS液晶、柔軟性のあるモニタースタンドを兼ね備えた製品です。
その上で、USB-Cでの給電に対応するため、ノートPCを大画面で使いたいという方のテレワークには、最適でしょう。
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なお、同社のビジネス向けモニターは、以下のようなラインナップが他にあります。
順番にみておきます
【2024年発売】
【27インチ】
【特定店向け型番】
11・Dell S2725H S2725H-R
¥27,800 楽天市場 (5/8執筆時)
【Amazon限定型番】
12・Dell S2725H-A
¥21,800 Amazon.co.jp (5/8執筆時)
スタンド:チルト
【特定店向け型番】
13・Dell S2725HS S2725HS-R
¥21,800 楽天市場 (5/8執筆時)
【Amazon限定型番】
14・Dell S2725HS-A
¥29,800 Amazon.co.jp (5/8執筆時)
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
解像度:フルHD(1920×1080)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1500:1
応答速度:4ms (GTG)
リフレッシュレート:最大100Hz
HDR:
USB給電:
接続端子:HDMI ×2(上位機)
VESA:100mm
スピーカー:5W×2
保証期間:5年(無輝点保証)
第1に、 Sシリーズです。
こちらもビジネス用ですが、Pシリーズの下位シリーズです。Sは「スタンダード」を意味すると思います。
両機とも上位のPシリーズと異なって、USB給電機能を搭載する機種はなく、また、USBハブも未搭載になります。
スタンドは、2機種あります。
上位機のみスタンドがフルスペックで、下位機種はチルト角度のみです。
上位機もPシリーズとスタンドの種類が異なります。外観ほか、調整幅も、高さ10cm、チルト(上21° 下5°)、左右(60°)・縦回転(180°)と、支障のない範囲で、若干劣ります。
パネルは、IPSです。
スペックは、先ほどの機種と同じパネルとみて良いかと思います。
スピーカーは、一方、5W×2と他社機より性能が良いです。
出力他、周波数特性も最適化して音域を上げたとされます。外部スピーカーを使わないならば、良いかと思います。
保証は、3年です。
ただ、Sシリーズは、先述の無輝点保証の対象ではないです。
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結論的にいえば、スタンドの可動性が良い上位機は、予算によっては選択肢に加えられるでしょう。
同じスタンドの可動性がある他社機で、(しっかり)IPSパネルと明記された製品がライバルです。仕事中心ならば、コントラスト比もスピーカーも不要なので、そういった機種が良いでしょう。近接視聴において、目も疲れにくいと思います。
ただ、コントラストが高めで、スピーカーがやや良いので、「仕事にも」使うが、メインは動画やゲームという場合は、割と向くように思います。
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【2025年発売】【27インチ】
15・Dell E2725HM
¥23,639 楽天市場 (5/6執筆時)
輝度:300cd/u
スタンド:チルト
接続端子:HDMI 1.4 DP 1.2 D-Sub
16・ Dell SE2725HM SE2725HM-A
¥20,400 Amazon.co.jp (5/6執筆時)
輝度:250cd/u
接続端子:HDMI 1.4 D-Sub
解像度:フルHD(1920×1080)
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:最大100Hz
HDR:
USB給電:
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:
保証期間:3年
第3に、 Eシリーズです。
ビジネス用の下位シリーズで、Eは「エコノミー」を意味するように思います。
2グレード展開ですが、Display Port端子の有無が違いです。
パネルは、IPSです。
輝度は、下位機は250cd/uです。
上位機だと300cd/uと、多少良いです。
色域(NTSC:72%)、コントラスト比(1000:1)ですし、普通のIPSパネルです。
Eシリーズですし、この値段なら仕方ないです。
応答速度は、オーバードライブ時、最大で5msです。
ネイティブ8msですし、普通のIPSパネルの数字です。
画像補正機能は、ブルーライトカット(ComfortView Plus)は装備します。
フリーカーフリーは記載はないですが、DELLはComfortViewの基本機能になります。
一方、自動画質調整をふくめて、あまり多機能ではないです。
スタンドは、チルト稼働(上25° 下5°)のみです。
保証も、このグレードは、通常の3年保証のみで、無輝点保証はありません。
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結論的にいえば、仕事用のスタンダードなIPSを安めにという考えならば選択肢にできます。
ただ、スタンドの稼働性がイマイチですので、積極的には推せません。
次回に続く!
27型液晶モニターのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は、27インチのFHDモニターの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・27型フルHDモニターの比較 (2)
2-1:ASUS〈台湾〉
2-2:ACER〈台湾〉
2-3:BenQ〈台湾〉
3・27型フルHDモニターの比較 (3)
3-1:HP〈米国〉
3-2:フィリップス〈欧州〉
3-3:アイオーデータ〈日本〉
4・27型フルHDモニターの比較 (4)
4-1:JAPANNEXT〈日本〉
4-2:Lenovo シャオミ ほか〈各社〉
4-3:最終的なおすすめの提案【結論】
続く、2回目記事(こちら)では、ASUSほかの27インチのフルHD解像度の製品を紹介していきます。
液晶パネルの品質 ★★★★★
スタンドの性能 ★★★★★
動画ゲーム対応 ★★★★★
品質保証 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回の4回目記事(こちら)では、全体の結論として、今回紹介した全製品から、予算別・目的別に、Atlasのおすすめモニターを提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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