【今回レビューする内容】2025年 新製品のTV向けサウンドバー・シアターバーの音質とおすすめ・選び方:高音質で安いテレビ用・ホームシアター用の小型サラウンドスピーカー: 機種の違いと人気ランキング:高級品から安い製品 まで 外付けTV用スピーカー
【比較する製品型番】ソニー BRAVIA Theatre Bar 9 HT-A9000 HT-A8000 HT-S100F HT-S400 HT-X8500 HT-Z9F HT-A3000 HT-A5000 HT-A7000 ヤマハ SR-X40A SR-X40A(B) SR-C20A SR-B30A (B) SR-B20A YAS-109-B SR-B40A(B) YAS-209-B JBL CINEMA SB580 Bar 2.0 All-in-One MK2 JBL BAR 300 JBL BAR 500 800 1000 BOSE TV Speaker SOUNDBAR 900 Smart Soundbar 600 Bose Smart Soundbar 892079-3100 Bose Smart Ultra Soundbar パナソニック SC-HTB250-K SC-HTB200-K SC-HTB900-K Sonos Beam (Gen 2) BEAM2JP1BLK BEAM2JP Sonos Ray Sonos Arc SS1FSJP1BLK SS1FSJP1 Sonos Arc Ultra ゼンハイザー AMBEO Soundbar Plus SB02M Black-JP AMBEO Soundbar Mini SB02S DENON DHT-S217 DHT-S216 DHT-S517 DENON Home Sound Bar 550 SET-B B&W Panorama 3 CREATIVE Stage SP-STGE-BK Stage 360 SP-STGE360 Sound BlasterX Katana SBX-KTN 東芝 TVS REGZA TS216G シャープ AQUOS 8A-C22CX1 HT-SB700 HT-SB117 LG SN7CY LG SoundBar SC9S LG SoundBar SE6S G10TY 東芝 RSS-AZ55 ハイセンス HS2000N HS214 TCL TS8212 S522W TS6100 S642W S45H アイリス IHT-S301 IHT-S201 IHT-S101 DENON DHT-S217 DHT-S216 DHT-S517 DENON Home Sound Bar 550 SET-B harman/kardon Enchant 1100 ほか
今回のお題
最新TVに向いたサウンドバーのおすすめはどの機種?
ども、Atlasです。
今回は、2025年1月現在、TV用のサウンドバーの比較です。
スピーカー構成・アンプ出力・サラウンド技術など、音質面のスペックを重視しながら、各価格帯の製品を広く比べていきます。
大画面4Kテレビ購入して「画質は良くなったけど、音質が不満」という方に向けて書きました。
1・サウンドバーの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:ヤマハ〈日本〉
1-3:ソニー〈日本〉
2・サウンドバーの比較 (2)
2-1:JBL〈米国〉
2-2:BOSE〈米国〉
2-3:POLK Audio〈米国〉
3・サウンドバーの比較 (3)
3-1:パナソニック〈日本〉
3-2:SONOS〈米国〉
3-3:ゼンハイザー 〈ドイツ〉
4・サウンドバーの比較 (4)
4-1:DENON〈日本〉
4-2:harman/kardon〈米国〉
4-3:Bowers & Wilkins〈英国〉
4-4:Cretive〈シンガポール〉
4-5:TVS REGZA(東芝)〈日本〉
5・サウンドバーの比較 (5)
5-1:シャープ〈日本〉
5-2:LG〈韓国〉
5-3:その他〈TCL ハイセンスなど〉
6・サウンドバーの比較 (6)
6-1:最終的なおすすめの提案【結論】
記事では、はじめに「選び方の基本」を示します。
その上で、以上のようなメーカー順で各製品を見ていくという構成になります。
音質の良さ ★★★★★
聞きやすさ ★★★★★
低音の迫力 ★★★★★
サラウンド感 ★★★★★
ネットワーク ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最後の「結論編」では、いつものように、価格別・目的別に「Atlasのおすすめ機種」を提案していきます。
よろしくお願いします。
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1・サウンドバーの比較
2・ホームシアターシステムの比較
3・AVアンプの比較
4・PC用スピーカーの比較
5・ミニコンポの比較
6・Bluetoothスピーカーの比較
7・ブックシェルフスピーカの比較
なお、今回の記事は、このブログ「家電批評モノマニア」のスピーカー関係の記事全体の1回目の記事として書きました。
1-1・サウンドバーの選び方の基本
はじめに、サウンドバーの「選び方の基本」の説明からです。
サウンドバーの音質は、一昔前に比べて、相当良くなりました。
リアルに多くのスピーカーを用意するホームシアターシステムと比べても、同程度の予算で組むならば、今だと、サウンドバーの方が音質は良い場合が多いです。
サラウンドは、スピーカーの位置と数の限界で「バーチャル」の割合が大きいです。
しかし、近年、仮想的な3D立体音響の部分で著しい技術進歩がありました。
映画館のような「包み込むような音場の再現」もサウンドバーでも十分「語れる」時代になっています。
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ただし、値段だけみれば「良いサウンドバー」を得られるわけではないです。
いくらお金を出しても接続方法を間違うと「宝の持ち腐れ」になることがあります。初心者だとそれに気づかず使っていることもあり得るでしょう。
そのため、記事は、接続面で注意して欲しい点の説明から入ることにします。
音質面の話も本編でじっくりするので、安心してください。
さて、「接続方法」にかかわる話です。
サウンドバーをお探しの方は4Kテレビを利用している方が大半でしょう。
その上で、4Kレコーダー・PS5などの4K対応ゲーム機をつなげたい方は多いでしょう。
Google TV・FireTVなどを使って、Netflixなど定額サービスの4Kコンテンツを見たい、という方もに多そうです。
しかし、接続方法を間違うとサウンドバーの音質の劣化が生じる場合があります。
少し説明しておきます。
サウンドバーの配線は、初心者の方は、4Kテレビ背面のHDMI端子(出力)から、HDMIケーブルで接続する方法を考えていると思います。
しかし、著作権保護(HDCP2.2)規格に抵触し、音質が劣化する場合があります。
4Kブルーレイディスク(UHD)やゲーム機の一部(7.1ch)の場合、無圧縮音源( Dolby TrueHD:192kHz/24bit)データは活かせれず、圧縮され、ch数も5.1chに減らされます。
定額動画配信サービスも、音源(Dolby Digital Plus: 48kHz/16bit)のCh数が減らされてデータ送られます。
いずれの場合も、音源に追記された3D立体音響情報(Dolby Atmos)も(TV側の仕様で例外はありますが)基本的に活かせないです。
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簡単に言えば、マルチチャンネル(3.1ch 5.1ch 7.1ch)、あるいは3D立体音響(Dolby Atmos)を楽しみたい方は、対応するサウンドバーを買うだけでなく、接続方法に気を使って欲しいということです。
解決方法は、以下の、2つです。
第1に、HDMI端子がeARC対応の「テレビ・サウンドバー・ケーブル」を三つ揃いで買うことです。
対応の場合、上図のようなTVと直の接続でも音質情報を劣化させずに転送可能です。
現状では、大手企業の4Kテレビは、HDMI端子はeARC対応です。
このブログの【おすすめ4K液晶テレビの比較記事】や【おすすめ有機ELテレビの比較記事】で紹介した最新機で、4K/120P出力に対応するような水準の中級機以上ならば、各社とも(ほぼ)対応です。
【1m-5m】
バッファロー eARC対応 BSHDUN10BK/N
¥1,455〜 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
対応ケーブルも、そう高くはないです。
ちなみに、、eARCと似た名前の端子に、ARCといHDMI端子があります。
ACRだと、48kHz/16bitに圧縮された5.1chまでのデータしか扱えないので、やはり制限がかかります。
第2に、HDMI端子の4Kパススルー機能を持つ、サウンドバーを選ぶことです。
その上で、上表のケーブル配線にすれば、音質は劣化しません。ゲーム機も同じです。
古めのテレビでも、このつなげ方ならば対応できる場合が多いです。ただ、サウンドバー側で対応できる機種は、減ってきてます。
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以上、つなげ方に関する注意でした。
ややこしいので、今回の記事では機種ごとの対応状況を「説明」します。
また、劣化した音源を独自の再計算で戻すアップコンバート技術が高く、TVから直接サウンドバーにつなげても「音質に問題ないよ」と言っているメーカーや機種もあります。
そういった機種である場合、そのことも特に言及することにします。
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以上、主に接続面での「選び方の基本」の説明でした。
1・スピーカーのチャンネル構成
2・音圧の強さ(パワー)
3・3D立体サラウンド技術
4・スマホとの連携
ほかにも、音質面など選ぶにあたって、重要視したいポイントは多いです。
しかし、最初に説明してしまうと「情報過多」で、混乱してしまうでしょう。
選ぶ際に大事な専門用語の意味やポイントは、各機の紹介でおいおい書いていくことにします。
以下、冒頭書いたようなメーカー順に、各社の製品をみていくこととします。
1-2・ヤマハのサウンドバーの比較
はじめに、ヤマハのサウンドバーの紹介です。
言わずと知れた日本の大手音響メーカーです。特に、値ごろ感のある価格帯のサウンドバーが充実しており、結構売れています。
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なお、以下ではいつものように、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2020年発売】
1・ヤマハ SR-C20A
¥21,450 楽天市場 (1/12執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:合計70W
TV接続:光音声
サブウーハ接続:内蔵
ネットワーク:Bluetooth (AAC)
ハイレゾ音源:
パススルー:
サイズ:W600xH64xD94mm
SR-C20Aは、ヤマハの入門機です。
サイズは、長さ60×高さ6.4×奥行9.4cmです。
32インチのテレビでも違和感なく置ける小型サイズです。
本体色は、もともと黒(SR-C20A-B)モデルだけでした。
2021年になって、レッド(SR-C20A(R) )とホワイト(SR-C20A(W))が加わりました。
チャンネル数は、2.1ch方式です。
つまり、ステレオスピーカーが左右に1つずつ、重低音用のサブウーファーが1つです。
構成は、46mmのフルレンジスピーカーが左右に2基です。
2基のスピーカー合計出力は40Wなので、入門機とても少し弱めです。
ただ、ウェーブガイド付きのパッシブラジエーター(=電磁回路がない振動板)のを上下に2つ装備させることで、低音強化する対策があります。
サブウーファー(重低音)は、内蔵式で30Wです。
クラス相応ではありますが、パワーはないです。
音質面では、言及するべき技術的工夫はないです。
ただ、4つのサウンドモードと、ニュースなどが聞き取りやすくなるクリアボイス機能など、カジュアルに使えるだろう便利機能は充実します。
バーチャルサラウンド再生は、対応です。
この部分が従事する場合、臨場感が増します。
しかし、本機は、主に後方スピーカーを「仮想的に」再現するという、昔からある平面的な2Dサラウンドです。
テレビ内蔵のスピーカーも、最近は、天井方面の広がりを出せる「立体3D音響」に(仮想的に)対応できる機種が増えました。
サウンドバーも「中位機」なら、本機のような、2つしかスピーカーのない「ステレオ」でも、独自の計算で、仮想的」に立体音響を表現できるようになります。
最近では、ここが中級機と入門機とで最も「差」が付く部分です。
サウンドモードは、ステレオ(音楽)・スタンダード・映画・ゲームの4種です。
後述するソニーと違い、コンテンツに合わせたオート調整はないです。
中音域は「クリアボイス」で別立てで強調できるので、映画のセリフやニュースなどの聞きとりも問題ないです。
TVとの接続は、光ケーブルが基本で、それが付属します。
ただ、ARC対応のHDMI出力もあるので、TV側にも「ARC対応HDMI端子」があれば、音声を伝送できます。
なお、「出力」と「入力」の表現が「あべこべ」ですが、ARCは「双方向性」がある規格なので、このような言い回しになっています。
4Kパススルー機能は、未搭載です。
ステレオの2.1ch機なので、この仕様でOKです。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothで対応できます。
接続安定性の高いBluetooth5.0対応です。
転送時の音質(コーデック)はSBCほか、iOS系もフォローするAACが対応です。
圧縮音源ならば、ほぼ劣化・遅延なしで送れるでしょう。
なお、(原理的に)Bluetoothでもテレビ音声は送れますが、上位のコーデックを含めて「音の遅延(口パクのズレ)」が生じるので、どのメーカーも有線でつなげるのが、サウンドバーの場合普通です。Wi-Fi搭載機の場合も然りです。
無線LAN/有線LANは、非搭載です。
そのため、iPhoneからボタン1つで接続可能なAirplayは非対応です。
ハイレゾ音源の再生は、非対応です。
そのため、最大でCD音質までの再生です。
新4K放送は、CDを超える解像度であるハイレゾが標準音質ですが、格安のサウンドバーの場合、そこまでは考えていません。
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以上、ヤマハのSR-C20-Aの紹介でした。
他社の入門機と比較するとオリジナル要素は少なめです。パワーも、サイズ感からすると仕方ないですが、厚みは弱めです。
型番的にもヤマハの通常ラインの音響製品と分けている「格安機扱い」ですし、小型TV用としても、少し選びにくいです。
【2023年発売】
2・ヤマハ SR-B30A SR-B30A(B)
¥26,480 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:合計120W
TV接続:光音声・HDMI(入出力)
サブウーハ接続:内蔵式
ネットワーク:Bluetooth
ハイレゾ音源:
パススルー:4KHDR+eARC
サイズ:W910×H68×D133mm
SR-B30Aは、ヤマハのサウンドバーの中級機です。
サイズは、長さ910x高さ680x奥行133 mmです。
小型テレビに合わせるミニタイプを除けば、平均的なサイズよりは短めです。
一方、高さは68cmなので、畳生活などのの方で、テレビの座高が低い場合、若干設置に注意と言えます。
チャンネル数は、 こちらも、2.1ch方式です。
構成は、中音域を再生する4.6cmのコーン型ウーハーが左右2基ずつ、高音域に対応する2.5cmのドームツイータが左右1基ずつ搭載される形式です。
仕様の面で言えば、中級機としてはウーハーが多少小さいです。ただ、左右のバスレフポートが低音を補う形式です。
サブウーファー(重低音)は、本機も、内蔵です。
出力は60Wで、下位機種よりパワーがあがります。
これくらいあれば、たいていの場合「テレビ内蔵スピーカーとの違い」が感じられるでしょう。
出力は、サブウーファーと合計で120Wです。
この価格帯の製品として問題ないです。
モードは、ニュースなどの「聞こえ」を良くする「クリアボイス」や低音を拡張する「Bass Extension」も選べます。
バーチャルサラウンド再生は、対応です。
ヤマハ独自のTRUE SOUND WITH DOLBY ATMOSに対応です。
通常のステレオ音源(テレビの音)は、仮想的に3D立体音響化することはできず、(5.1ch的な)2Dサラウンドにするだけです。
他社だと、DTS Virtual:Xや、Dolby atomos Visualizerなどを使い、普通のステレオ音源を(仮想的に)3D化をめざす機種もありますが、本機はそれはしません。
しかし、BDやネットの4K映画コンテンツほか、もともと立体音源(Dolby Atmos)で記録されているコンテンツならば、「機能名」通りに元データを活かしながら、(独自の)立体音響(3D)に再計算します。
サウンドモードは、下位機種と同じで4種です。
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結論的にいえば、中級機までは、この仕様で十分だと思います。
そのほか、モードとして、(デコーダー用に)独自の味付けをせず、DolbyAtmosデータのまま出すモードも選べます。
TVとの接続は、HDMIケーブルを使う方法と、光デジタル音声ケーブル(オプティカルケーブル)を使う方法から選べます。
HDMI-CEC規格に対応するため、TVと連動したON/OFFや音量のリモコン操作も可能です。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothで対応できます。
音質もAAC対応ですので、それなりに音質は期待できます。また、同社のアプリで本体の電源や音量が操作できます。自社のSound Bar Remote App経由で、モード変更ほかの管理もできます。
一方、Wi-Fiは未装備です。
TV用のサウンドバーとしては大きな問題ではないのですが、定額音楽サービスなどを利用したい場合、次に見る上位機とは差があります。
4Kパススルー機能は、eARCほか、4KHDRパススルーも対応です。
2.1ch機での対応は必ずしも必要ないと思いますが、サラウンド処理にマルチチャンネルデータは使われているからです。
ハイレゾ音源の再生は、非対応です。
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以上、ヤマハのSR-B30Aの紹介でした。
やはり音響メーカーとしてTRUE SOUND 技術の部分が面白みであり、また、見どころでしょう。
ステレオ音源を3D化する仕組みは不採用ですが、(できたとしてもバーチャルですし)入門機ならばこれで問題ないでしょう。Dolby Atmosのデータの場合それを活かして、ヤマハ独自の「立体音響」を実現できますので。
クリアボイスで「聞こえ」部分の対策もありますし、いろいろな世代が集うリビング用としてもそつない構成に思います。
ただし、背が少し高い点と、スピーカーが上向きに傾斜がある配置なので、基本的に「椅子・ソファ生活」のご家庭向きには思います。
そのほか、低音もこのサイズの製品では十分な水準です。ゲームなどで「ガンガン」音を出したいのでないならば問題ないです。
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なお、ヤマハの場合、中級機が他にもいくつかあります。
簡単に違いを見ておきます。
【2021年発売】AS-109-B後継機
4・ヤマハ SR-B20A
¥19,800 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:合計120W
TV接続:光音声×2
サブウーハ接続:内蔵式
ネットワーク:Bluetooth (AAC)
ハイレゾ音源:
パススルー:
サイズ:W910×H53×D131mm
第1に、SR-B20A-Bです。
1世代前の旧機種になります。
サイズは、横幅が91cmです。
背の高さは53cmなので、新機種に比べてやや加減があります。
チャンネル数は、同じく 2.1ch方式です。
パワーも同じです。
搭載ユニットは、ただ、左右にそれぞれ5.5cmのウーファー1基と、2.5cmのトゥイーター1基の2WAYステレオとなるため、新機種に数で劣ります。
バーチャルサラウンド再生は、この世代は、DTS Virtual:Xでした。
地デジなど3Dサラウンド情報がないモデルも(バーチャル)3Dサラウンドにします。そのため「サラウンドモードと3Dサラウンドモード」が別立てでありました。
その代わり(音源データとしての)Dolby Atmosは非対応で、4KパススルーもeARCも未搭載でした。
つまり、3Dだけでなく、5.1chなどの2Dデータを含めて、マルチチャンネルデータは本機に事実上入ってこない仕様でした。
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結論的にいえば、 サラウンド処理の面では、新機種のがだいぶ良いと言えます。
最近は、Dolby Atmosに対応するコンテンツも増えているので、なおさらそう思います。
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【2023年発売】
5・ヤマハ SR-B40A SR-B40A(B)
¥41,850 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:合計120W
TV接続:光音声・HDMI(入出力)
サブウーハ接続:内蔵式
ネットワーク:Bluetooth
ハイレゾ音源:
パススルー:4KHDR+eARC
サイズ:W910×H68×D133mm
第2に、SR-B50Aです。
こちらも中級機といえますが、「ちょい上位」です。
先ほどみたSR-B40Aに外付けサブウーファがつく構成です。
サイズは、長さ910x高さ68x奥行133 mmです。
ユニット形状は、下位機と同じです。
したがって、座高の低いテレビの場合、目線と被らないか注意しましょう。
チャンネル数は、 2.1ch方式です。
スピーカー構成もサイズも、下位機と同じです。
ただ、出力は50Wなので、アンプは1.6倍でパワフルです。
サブウーファー(重低音)は、外付けです。
サイズは、W194×H419×D407mmで、16cmのスピーカーユニットです。
出力は60Wです。同じタイプの他機より、超強力ではないですが、下位機種とはしっかり差があります。
むろんワイヤレス(2.4GHz)ですので、設置性はよいです。
あとの部分は、TRUE SOUND WITH DOLBY ATMOSに対応する部分を含めて、下位のSR-B40Aと同じです。
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結論的にいえば、
説明は、そちらをご覧ください。
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以上、ヤマハのSR-B40Aの紹介でした。
ヤマハだけから選ぶ場合、重低音重視の方は選んで良いグレードです。
ただ、肝心のサブウーファの出力が、(中級機としてみる場合)あまり高いとも言えないのがネックです。
個人的には、ヤマハの音は「ガンガンな低音」を重視するのではなく、フラットで聴き疲れにない方向性なので、これで良いとは思います。ただ、それならば、内蔵型のウーファーのSR-B30Aで(そもそも)良いかなとも感じます。
【2023年11月発売】
6・ヤマハ SR-X40A(B)
¥55,426 楽天市場 (1/12執筆時)
チャンネル数:2.2.2ch
実用最大出力:合計180W
TV接続:光音声・HDMI(入出力)
サブウーハ接続:内蔵式
ネットワーク:Bluetooth LAN Wi-Fi
ハイレゾ音源:
パススルー:eARC
サイズ:W1015×H63×D112mm
SR-X40A-Bは、ヤマハのサウンドバーの上位機です。
しばらくの間なかった同社の上位グレードで、2023年冬に登場しました。
サイズは、長さ1015x高さ630x奥行112 mmです。
この価格帯の製品は、各社とも、横長になります。
ただ、高さを含めて標準的な域に収まっていますし問題ないです。
チャンネル数は、 2.2.2chです。
構成は、左右に4.6×6.6cmのボックス型のフルレンジスピーカー、上部に5.2cmのハイトスピーカーが2基です。
ユニークな構成ですが、サラウンド感は強めで、映画や音楽視聴には向くといえます。
一方、高級機だと真ん中にセンタースピーカーを配置する場合が被いですが、ヤマハの場合は、それがないです。
実際、ニュース番組などセリフのクリアさはイマイチです。リビングでみんなで使うというより、本格的なシアター向きといえる製品です。
サブウーファー(重低音)は、内蔵です。
正面向き2ユニットという面白い構成でにす。5.2cmのコーン型ウーファーです。
同じ60Wですが、外付けの中位機には、コーンの口径の違いもありますし、パワーでは負けます。ただ、低音はしっかり十分でますし、バランスも良いです。
バーチャルサラウンド再生は、対応です。
下位機種同様に、TRUE SOUND WITH DOLBY ATMOSです。
しかし、上向きの(リアルな)ハイトスピーカーがあるので、ドルビーアトモスなどのオブジェクトベースの立体音源でなくても、高さ方向の表現は可能です。
その部分で、下位機と決定的に違います。
サウンドモードは、下位機種と同じ構成です。
TVとの接続は、HDMI・光ケーブル双方に対応です。
HDMIはeARCに対応なので、今どきの4Kテレビならば、シンプルにつなげるだけで、マルチチャンネルの音情報を取得できます(最大7.1cn)。
4Kパススルー機能は、eARCのみ対応です。
eARC対応テレビでないと、本機のサラウンド機能は活かせません。
スマホなどの音源再生は、本機は、Bluetoothほか、Wi-FiやLANも対応です。
とくに、定額音楽サービスについては、同社のアプリ(Sound Bar Controller )を通して、Spotify ConnectやAmazon Musicなどに対応できます。
音声AIも、Amazon Alexaをネイティブに内蔵するので、サウンドバーの音声操作もできます。他の音楽サービスも、Amazon Alexaのシステムで使えるサービスならばいけますので、ラジコも使えるでしょう。
あとは、下位機とだいたい同じです。
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以上、ヤマハのSR-X40Aの紹介でした。
先行して登場した中位機と違い、TRUE SOUND WITH DOLBY ATMOSが、一般ユーザーにおいて真の意味で活かせるのは、本機からでしょう。
一方、「クリアボイス」などの工夫はありますが、スピーカー配置的に、ニュースなどの普段使いにおけるセリフの聞きとりは、他社により向いた製品はあると言えます。
逆に、シアター専用としては、相当リアルな臨場感を得られるといえます。映画やコンサート映像などは大得意でしょう。かといって、ヤマハらしく、低音が爆発しないので「日本のホームシアター向き」には良いと思いました。Atlasも自分用で買うならば、この仕様でOKです。
1-3・SONYのサウンドバーの比較
続いて、ソニーのサウンドバーの紹介です。
ソニーは、ハイレゾ音源の再生に力を入れた製品が多いです。
【2022年発売】
7・SONY HT-S400
¥34,020 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:合計260W
TV接続:光音声・HDMI
サブウーハ接続:有線
ネットワーク:Bluetooth (SBC)
ハイレゾ音源:
パススルー:
サイズ:W900xH64xD88mm
HT-S400 は、ソニーのサウンドバーの入門機です。
サイズは、長さ900x高さ64x奥行188mmです。
他社入門機と比べると長さは僅かに長いです。
40型以上の大画面テレビに向くでしょう。
チャンネル数は、 2.1ch方式です。
フロントスピーカーは、フルレンジの52mm ×100mmコーン型スピーカーです。
方式は、一般的なバスレフ式ではなく、密閉型(アコースティックサスペンション型)スピーカーを採用しています。振動板はペーパーコーンです。
バスレフ型により低音は出にくいですが、共鳴しにくく、中高音の信頼性が高いため、サウンドバー向きです。
パワーは、80Wです。
十分でしょう。
音質面では、S-Masterというデジタルアンプが注目点です。
D/Aコンバーターとパワーアンプの一体化を図ることで、出力直前までデジタル伝送するため、音質の劣化は低いと言えます。
そのほか、小音量再生時に聞きやすくするサウンドオプティマイザーの採用も見所です。
バーチャルサラウンド再生は、対応です。
本機は、DTS社の技術ではなく、ソニーのS-Force PROフロントサラウンド技術を使います。
自社の音響部門が強いため、独自のサラウンド機能を搭載できるのがソニーの強みです。
ただ、高さ方向は再現できない2Dサラウンドですので「入門機」の範疇ではあるのですが、仮想的に後方スピーカーの音を再現できます。
ただし、このクラスだと天井方向を含めた(ドルビーアトモス的な)3Dサラウンドの再現は不可です。
サウンドモードは、映画など特化したものは特にないです。
ただ、「サウンドフィールド」ボタンで、一発で「通常・サラウンド」の切替できます。る。中級者はともかく、入門者がサラウンド感を感じるにはこの仕様で良いと思います。
また、ニュース用の「ボイス」、夜用の「ナイト」、低音用の「BASS」ボタンはありますので、問題ないです。
サブウーファー(重低音)は、100Wのものが搭載です。
日本のリビング環境を考えても、このグレードでは十分でしょう。
ただし、本体との接続は有線となります。
TVとの接続は、HDMIか、光デジタル音声ケーブルです。
HDMIの場合は、TV側にARC対応のHDMI端子が必要なので、付属するケーブルは、光ケーブルにしています。
2.1chステレオ機なので、この仕様で問題ないです。HDMI-CEC規格にも対応し、TVのON/OFFと電源が連動できます。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothにて対応です。
ただ、SBC規格のみ対応であり、Bluetooth接続の音質にこだわるソニーとしては、音質はイマイチです。
4Kパススルー機能も非対応です。
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以上、ソニーのHT-S400の紹介でした。
サブウーファー付属機でソニーは「スタンダードサウンドバー」と呼ぶ標準機となります。
価格も安く、音圧は十分で、テレビの音声も聞き取りやすい機種です。リビングで普通のニュースなどを見る際にも向く、まさに「標準機」です。
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【2018年発売】(在庫限り)
9・SONY HT-S100F
¥15,907 Amazon.co.jp (1/12執筆時
チャンネル数:2.0ch
実用最大出力:合計100W
TV接続:光音声 HDMI (ARC)
サブウーハ接続:
ネットワーク:Bluetooth (SBC)
ハイレゾ音源:
パススルー:
サイズ:W960xH164xD150mm
なお、すでに生産終了(在庫限り)ですが、HT-S100Fがありました。
その1つ上の中間グレード(HT-S200F)は既に終売です。
長さは90cmクラスです。
最近の格安機としては長めです。
チャンネル数は、2.0ch方式です。
出力は100Wとそれなりですが、サブウーファはないです。
2ウェイで、両端に48×90cmのウーファーと、25mmのトゥイーターがあります。
中央に長いバスポート(バスレフレックス構造)があり低音を強化しています。
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結論的にいえば、上位機とは差がありますが、番組ジャンルで自動で音声設定を切り替える「オートサウンド」や、2Dバーチャルサラウンド(s-Force)も使えます。
今の値段だと、ちょっとしたテレビの音質強化を狙いたい場合、良いかと思います。
【2019年発売】
10・SONY HT-X8500
¥42,174 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:合計160W
TV接続:光音声 HDMI
サブウーハ接続:内蔵
ネットワーク:Bluetooth (AAC)
ハイレゾ音源:
パススルー:4KHDR + eARC
サイズ:W890×H64×D96mm
HT-MT500 は、ソニーのサウンドバーの中級機です。
先ほどの機種より、1グレード上になる製品です。
サイズは、長さ890x高さ64x奥行96 mmです。
大画面用に販売されているモデルです。
チャンネル数は、 2.1ch方式です。
フロントスピーカーは、下位機種と同じで、フルレンジの52mm ×90mmコーン型スピーカーです。
サブウーファー(重低音)は、この機種の場合、内蔵式となります。
中央に2本のサブウーファーが、前方に向かって配置されています。
パナソニックの内蔵機が、サブウーファーを上向き配置でユニークだったのに対して、割とオーソドックスな配置です。ただ音圧自体は期待できる水準で、内蔵ながら、サブウーファー2機で80Wの出力を確保します。
バーチャルサラウンド再生は、グレードの高いVertical Surround Engineです。
こちらは、3D立体音響対応です。
地デジ放送など普通のステレオ放送でも、疑似的に「天井からの跳ね返り音」を再現できます。
さらに、S-Force PROフロントサラウンド技術も採用です。
後部スピーカーの音を疑似的に再現するソニーの独自技術です。
DTS:Virtual:Xは、あくまで「前方横からの音」ですが、これは「後ろの再現」です。
壁の跳ね返を利用せず後ろからの音が再現するので、部屋の形状にあまり影響されない利点があります。ものが多いリビング向けでしょう。
フォーマットも、Dolby AtmosとDTS:Xに対応しているので、ゲームや映画でも問題ありません。
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結論的にいえば、後ろ側の音をフォローしている分、3D再生技術は、仕組みとして独自です。
コスト的にはDTS社など他社システムを買った方が安いのでしょうが、自社開発のものを使うのは自信の現れであり、個性です。
「音の再設計」は、昔からソニーの強みです。
サウンドモードは、スタンダードほか、シネマ・ニュース・ゲーム・音楽・スポーツが選べます。サウンドモードとは別に、「ボイスモード」「ナイトモード」もしっかり装備です。
コンテンツを判別して、自動でモード切替する「オートサウンド」も採用です。ソニー以外の企業だと、この機能は必ずしもないので、ワンポイントと言えます。
TVとの接続は、光デジタル・HDMI双方に対応です。
HDMI-CEC規格にも対応し、TVのON/OFFと電源が連動できます。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothを用います。
対応するコーデックは、SBCのほかAAC規格までの対応ですから、iPhoneなどの場合、音質は期待できそうです。
4Kパススルー機能は、搭載です。
4K信号のほかHDR信号も通せる4KHDRパススルーにも対応します。
本機のシステムはステレオですが、サラウンド処理にマルチチャンネルデータを利用している関係で、パススルー式に対応しているのだと思います。
冒頭書いた、eARC対応のHDMI入力端子も採用です。
対応テレビなら接続は容易です。
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以上、ソニーの HT-X8500 の紹介でした。
ソニー機で「本格的」といえるのはこのグレードの製品からです。
一方、他社より充実した「音響部門」をもつソニーの場合、地デジ放送など、音源自体に3D情報を持たない音の高度な「バーチャル化」技術が利用できるのがメリット性でしょう。
とくに、前方スピーカーだけしかない、サウンドバーについてはソニーの仮想化技術との親和性は高く、効果は期待できるでしょう。
いずれにしても、ソニーで選ぶならば、このグレード以上だと思います。
【2022年発売】
11・SONY HT-A3000
¥58,948 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
チャンネル数:3.1ch
実用最大出力:合計250W
TV接続:光 HDMI(入出力1)
サブウーハ接続:内蔵
ネットワーク:Bluetooth 5 Wi-Fi5
ハイレゾ音源:対応
パススルー:eARC
サイズ:W950×H64×D128mm
HT-A3000も、ソニーのサウンドバーの中級機です。
本機の「スリム版」といえるHT-S2000が下位にありますが、本機をみてからの方が、「分かりやすい」ので、このあと別にみます。
サイズは、長さ95×高さ6.4×奥行12.8cmです。
本機も「大画面向け」ですが、長さ面では、すこし加減はあります。
チャンネル数は、 3.1ch方式です。
ユニットは、密閉型のフルレンジが、46×93mmで中央に3基ならびます。
加えて、左右のサブウーファーが、45×108mmで左右に1基ずつで、3.1chです。
左右だけ、バスレフレックス型で、バスレフポートで低音域を強化しています。
低音域は、サブウーファ部分の出力として100Wです。
サイズ感からすると優秀に思えます。
実際、上位機と同名のX-Balanced Speaker Unitとフロント部分を総称し、この部分に不満を感じさせない仕組みです。
バーチャルサラウンド再生は、3Dの「Vertical Surround Engine」と2Dの「S-Force PROフロントサラウンド」で、3D立体音響に対応です。
また、このグレードより上の機種は、地デジなどからアップコンバートする際、ドルビーの「Dolby Surround」、DTS社の「DTS Neural:X」技術を併用しているような記載もあります。利用時に、意識するような部分ではないのですが、違いになります。
なお、映像フォーマットは、引き続きDolby AtmosとDTS Xにしっかり対応します。
一方、本機は、別売製品の増設で(計算による仮想ではない)「リアルサラウンド」にも対応できます。
別売のサブウーファとリアスピーカーが用意されていて、リアルな5.1ch環境の構築も後からできます。その場合、上位の立体音響技術である、「360 Spatial Sound Mapping」にも対応
増設機器やこの規格はあとで見る最上位機と仕様は同じなので、そちらでまとめて解説します。
音質は、サブウーファを内蔵しないタイプでは、低音域のスペックが良いです。
家庭用として使いつつ、映画やゲームで迫力を得たい方向きと言えます。
サウンドモードは、下位機種と同等です。
引き続き、ニュースやセリフの聞きとりの工夫(ボイスモード)や、小音量再生の工夫(ナイトモード)があります。
本機は3.1chですし、セリフ・ニュースの聞きとりは仕組み的にも良いでしょうし、リビング向けのと「ちょっと良い機種」と言えます。
このほか、サラウンドは、難しい設定をせずとも自動で調整される「サウンドフィールドボタン」があり便利です。
ハイレゾ音源の再生は、対応します。
ハイレゾは音楽コンテンツだけでなく、新4K放送の音源にも採用されているので、再生に対応するに越したことはないです。
また、ソニーの場合、単に対応するだけでなく、ハイレゾ以下の音質(圧縮音源や、CDやTVの音質)をハイレゾ相当までアップコンバートするDSEE技術も搭載します。
DSEEは技術ランクがありますが、本機は、上位のDSEE Extremeです。
従来的なDSEE HXをAI技術で研ぎ澄ましたもので、精度が高いです。未対応の音源でも、音の解像感を高められます。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothに対応です。
こちらは、SBC・AACのほか、ハイレゾ対応のLDAC形式に対応します。
ネットワークは、Bluetoothほか、Wi-Fi・有線LANも対応です。
Bluetoothより回線が太いので、スマホ・PC・NASなどに保存した音源もCD音質・ハイレゾ音質のままで再生可能です。スマホの楽曲は、同社のMusic Centerアプリで再生できます。
規格としては、Chromecast built-in対応で、AppleのAirplayもフォローします。音楽サーバ用などにDLNAにも対応です。
AI音声スピーカーは、対応です。
Amazon AlexaとGoogle Assistantを通じた音声操作に対応できます。
しかし、ヤマハと違ってAI内蔵ではないので【Amazon Echoの比較記事】で紹介したような、音声AIスピーカーが別に必要です。
Amazon Musicほか定額音楽サービスを再生したい場合も、こうした機器や、スマホを介さないとできない部分は、ヤマハの上位機に及ばないでしょう。
むろん、テレビで使う機器なので、ことさらここを重視しなくても良いです。
一方、ソニーの場合、Wi-Fiで音楽コンテンツを聴く際、ソニーが最近推す立体音響の新規格となる360 Reality Audioに対応します。
映像用の立体音響規格となるドルビーアトモスの「音楽版」と考えてください。
音源は、Amazon Music HDなどにすでに存在します。無料試用もできる(こちら)ため、事前に試してみてもよいでしょう。
このほか、後面にUSB端子があるので、USBメモリに入れた音楽データの再生もできます。ハイレゾ音源も対応です。
TVとの接続は、光デジタル端子のほか、HDMIでも可能です。
4Kパススルー機能は、入力用のHDMI端子がないので非対応です。
ただ、冒最近のテレビはeARC対応が標準になりました。
2022年開発機と言うことで「省略」していると言えますので、以上のつなげ方でOKです。
ただ、逆に言えば、そのようなテレビをお使いの方に向くとも言えます。
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以上、ソニーのHT-A3000の紹介でした。
高級機は欲しいが、外部接続のサブウーファが「大げさ」に感じる方は多いと思うので、ニーズがありそうな中位機です。
リアルサラウンドは3.1chですが、バーチャルサラウンドの部分は力強い仕様ですし、流行りの立体音響も体験できます。
出力も十分で、ネットワークも充実するため、穴がない中位機に思えます。
さらに、将来(仮想ではない)「リアルサラウンド」を体験したくなった場合、Wi-Fiスピーカーの増設対応が後からできるのも良い部分でしょう。
この部分は、上位機と同じ仕様なので、次に説明します。
ただ、先述のように、ご自宅のテレビがeARCでない場合、性能が完全に活かせないため、その場合は、同社の4Kパススルー対応製品のほうが良いでしょう。
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【2023年6月発売】
12・SONY HT-S2000
¥51,462 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
チャンネル数:3.1ch
実用最大出力:合計250W
TV接続:光 HDMI(入出力1)
サブウーハ接続:内蔵
ネットワーク:Bluetooth 5.2 (AAC)
ハイレゾ音源:
パススルー:eARC
サイズ:W800×H64×D124mm
なお、先述のように、HT-A3000の下位機にあたるHT-S2000が登場しました。
簡単に言えば、HT-A3000の「スリム型」と考えればしっくりくる製品です。
本体サイズは、幅80cmです。
現行機では、ソニーの入門機のX8500(89cm)より小型にしています。
チャンネル数は、本機も3.1ch方式です。
ユニットを小型化したので、スピーカーは45mm×82mmと15%ほど小型です。
ただ、出力も250Wと同じですので、影響は最小限といえます。
上位機と比べた場合、最も残念な部分と言えるのは、Wi-Fiの省略です。
テレビ利用だけなら気にしなくて良いでしょうが、定額音楽サービスの視聴はスマホを媒介にした転送しかできないので、不便です。
あとは、USB端子の省略、BluetoothコーデックにおけるLDACの省略で、実質的に、ハイレゾ音源非対応になった点などが目立つ違いと言えます。
周辺機器は、ワイヤレスサブウーファーは増設可能です。しかし、Wi-Fi未装備なので、HT-A3000と違い、リアスピーカーは不可となります。
詳しくは、次の上位機で後述します。
一方、発売日が新しい関係で、ソニーの新しいリモコン操作アプリ(Sony | Home Entertainment Connect)に対応するほか、Bluetooth 5.2と少し新しいのが、上位機より良い部分です。ただ、大きくは関係ないでしょう。
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結論的にいえば、HT-A3000に対して、大きく機能性が削がれるのは音楽視聴にもサウンドバーを利用しようと計画している方です。
それ以外は、スピーカーユニットが多少小さくなるものの、設置性の良さを優先して本機でも良いかなと思います。
【2024年発売】
13・SONY HT-A9000
¥165,620 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
【2021年発売】
13・SONY HT-A7000
¥117,600 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
チャンネル数:7.0,2ch (総合13ch)
実用最大出力:合計585W
TV接続:光 HDMI(入1出1)
サブウーハ接続:別売
ネットワーク:Bluetooth 5.2 Wi-Fi 5
ハイレゾ音源:対応(高度)
パススルー:4K 8KHDR + eARC
サイズ:W1300×H64×D113mm
BRAVIA Theatre Bar 9 HT-A9000は、ソニーのサウンドバーの、最上位機です。
21年発売のHT-A7000後継機で、ソニー最大の13スピーカー機です。
旧機は、スピーカー構成が異なります。
サイドスピーカーがない関係で本体のみでは、ソニーの「売り」である立体音響(360 Spatial Sound Mapping)に非対応です。
一方、新機種にはない内蔵サブウーファが付く構成ですが、総出力が500Wです。また、
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結論的にいえば、選ぶならば新機種です。実際、あとで見る「新しい弟」のHT-A9000は、旧機と総出力がほぼ同等で安いので、そちらが良いように思います。
サイズは、W1300×H64×D113mmです。
旧機(W1300×H80×D142mm)の課題だった奥行と高さがスッキリしました。
壁掛けテレビはもちろん、付属スタンドでも配置を考えれば設置できそうです。
チャンネル数は、あえて言えば7.0.2ch方式です。ただ、総計13基のスピーカーは、それぞれ個別のユニットですので、13chと言えます。いずれにしても最大級です。
左右フロントは、ウーファー(45x90mm)とトゥイーター(10mm)の2ウェイです。
ウーファーユニットはソニーが得意の楕円形のアコースティックサスペンション型(X-Balanced Speaker Unit)です。
振動板の口径(音圧)を稼ぐため、円形ではないスピーカーをあえて採用します。
センターは、ウーファー2基(45x90mm)と1基のトゥイーター(22mm)です。
ここまでの部分で、合計で6基のスピーカーです。
イネーブルドスピーカーは、左右上部に2基(46x54mm)です。
他機でも書きましたが、ドルビーアトモスほか上方向の音場をリアルに表現するためのものです。
加えて、左右側面のサイドスピーカー(46x54mm)と左右前面のビームトゥイーターが合計4基です。
いずれも、壁の反射を利用して、後部のリアスピーカーを表現するためのものです。
サブウーファーは、未搭載です。
旧機(HT-A7000)との違いで、サイドスピーカーの搭載もあり省略です。
ただ、本機の場合センターのウーファーだけでも総合180Wある上で、パッシブラジエータで補う仕組みもあります。
【下位機】総計200W
SONY サブウーファ SA-SW3
¥40,036 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
【上位機】総計300W
SONY サブウーファ SA-SW5
¥81,873 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
希望ならば、サブウーファは別売で増設できます。
口径がやはり重要なサブウーファは内蔵より、外付のがやはりパワフルだから新機種ではそうしたのだと思います。後ほど見るBOSEと同じ発想です。
出力的に下位機種でも満足できるでしょう。
音質は、同社のハイエンドですから、シネマや音楽を重視したい方に向けた製品と言えます。
サウンドモードは、下位機種同様、ボイスモードやナイトモードを装備します。
自動で適切なモードに変わる「オートサウンド」も選べます。
バーチャルサラウンド再生は、下位と違いVertical Surroundはないです。
その代わり、音場最適化技術として同社の上位の立体音響技術となる「360 Spatial Sound Mapping」を装備します。
先述のように、リアルスピーカーだけで7.0.2ch相当です。
しかし、この技術を利用することで、左右スピーカーは、より幅広に、上部スピーカーは真上に仮想スピーカー(ファントムスピーカー)を計算で表現できるので、「映画館に近い」音場表現にできます。計算は、高級オーディオのように、内蔵マイクによる計測で、部屋の間取りに合わせて最適化されます。
また、普通のテレビ番組(ステレオ)も、サウンドフィールドボタンを押すだけで、最適化された立体音響が再現できます。
一方、別売の専用リアスピーカーを用意する場合、7.0.4chの表現力にまでできます。
【上位機】総計180W
SONY リアスピーカー SA-RS5
¥69,067 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
【下位機】総計100W
SONY リアスピーカー SA-RS3S
¥48,527 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
リアスピーカーは、以上の2種類が準備されます。
SA-RS5は、単体でも使えそうな性能の2.0.1chの無線スピーカーです(145×250×134mm)。
ウーファーの振動板サイズが大きめで、上方用のスピーカーユニット、さらに、低音強化用のパッシブラジエータも付くため、リア用としてはかなり豪華です。
リアに上向きイネーブルドスピーカーが付くのは珍しいですが、3D立体音響の臨場感は、導入する場合、相当に充実します。
SA-RS3Sは、普通の2.0chのステレオのバスレフ式です(100×187×100mm)。
特段個性的でもないですが、リア用ですし、(主に値段的な面で)SA-RS3Sでも良い気はします。
ハイレゾ音源の再生は、この機種も対応します。
新機種は、発売時、最新最高位のDSEE Ultimateです。従来のDSEE Extremeに、ビッグデータとAI技術を利用し、楽曲ジャンルに合わせたアップコンバートができる技術を加えました。
スマホなどの音源再生は、BluetoothとWi-Fiに両対応です。
この部分の仕様も、コーデックを含めて下位機種と同じです。
TVとの接続は、光デジタル端子のほか、HDMIでも可能です。
HDMI入力端子は1つです。eARCに対応します。
4Kパススルー機能も、可能です。
4KHDR信号ほか、8K信号にも対応できます。
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以上、ソニーのHT-A9000の紹介でした。
複雑なシステムをうまいこと商品化している点でソニーらしい最上位機です。
特に、立体的な音場表現は、企業柄相当力を入れており、他社に比べても魅力です。利用時の音場表現は最上位でしょう。
スピーカー構成的にも音楽・映画専用設計ですが、オートサウンドを利用すれば、家族で無難に使えるものだとも思えます。
リアスピーカーを同時に買えば、特に立体音響の部分ではさらに表現力は高まります。余裕があるときに買い足しても良いかと思います。
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【2024年発売】
14・SONY HT-A8000
¥113,318 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
チャンネル数:7.0,2ch (総合11ch)
実用最大出力:合計495W
TV接続:光 HDMI(入2出1)USB
サブウーハ接続:内蔵
ネットワーク:Bluetooth 5 Wi-Fi5
ハイレゾ音源:対応
パススルー:4K 8KHDR + eARC
サイズ:W1100×H64×D113mm
なお、先ほど触れたように、上位シリーズの下位版として、BRAVIA Theatre Bar 8 HT-A8000が、同時発表されています。
サイズは、長さ110×高さ64×奥行113mmです。
旧機より小型化しました。
ユニット構成は、5.0.2chです(総合11ch)。
上位機から、ビームトゥイーターが省略した構成になります。
出力もユニットサイズも同じです。部品も共通でしょう。
そのほかの部分も、だいたい上位機と同じです。
画質面のポイントとなる、立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」も、音の部分の「DSEE Ultimate」も搭載です。
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結論的にいえば、ビームトゥイーターがないだけでかなり安いので、お買得感があります。
むろん、後方に向けて、指向性の強い中高音域の音を飛ばせるのは、音質面で差でるわけですが、費用対効果の高さで考えると、こちらかなと思います。
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【2022年発売】(在庫限り)
15・SONY HT-A5000
¥98,000 Amazon.co.jp (1/12執筆時)
チャンネル数:5.1,2ch
実用最大出力:合計450W
TV接続:光 HDMI(入2出1)USB
サブウーハ接続:内蔵
ネットワーク:Bluetooth 5 Wi-Fi5
ハイレゾ音源:対応
パススルー:4K 8KHDR + eARC
サイズ:W1210×H67×D140mm
なお、 HT-A8000の旧世代が残ります。
大きな違いは、仮想化技術の部分です。
旧機だと(リアスピーカーを増設しないと)本体のみで「360 Spatial Sound Mapping」に非対応です。音質の部分でも、AI技術を使わない「DSEE Extreme」世代です。
サイズは、長さ1210×高さ67×奥行140mmです。
高さと奥行きあるので、壁掛けでない場合、視線と被らないか注意してください。ユニット構成は、5.1,2chです。
旧機も、上方のイネーブルドスピーカーを装備します。
その上で新機種にはない、後方に向けたビームトゥイーターを装備しますが、逆に、サイドスピーカーがないという構成です。
サブウーファも旧機は内蔵です。新機種でもウーファーだけで、総合180Wはあるので、さほど差はないと言え、構成は良いです。
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結論的にいえば、今の値段ならば、こちらはHT-A8000とHT-A3000の中間クラスの製品として、プレゼンスがあります。
HT-A3000より音質はだいぶ期待できるので、サイズが問題ない場合は価格的に選択肢にできるでしょう。そのほか、リアスピーカーを元から増設するつもりならば、HT-A8000よりお買得とも言えます。
次回に続く!
サウンドバーのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、TV用のサウンドバーの比較の1回目記事でした。
記事は、まだ「続き」ます。
2・サウンドバーの比較 (2)
2-1:JBL〈米国〉
2-2:BOSE〈米国〉
2-3:POLK Audio〈米国〉
3・サウンドバーの比較 (3)
3-1:パナソニック〈日本〉
3-2:SONOS〈米国〉
3-3:ゼンハイザー 〈ドイツ〉
4・サウンドバーの比較 (4)
4-1:DENON〈日本〉
4-2:harman/kardon〈米国〉
4-3:Bowers & Wilkins〈英国〉
4-4:Cretive〈シンガポール〉
4-5:TVS REGZA(東芝)〈日本〉
5・サウンドバーの比較 (5)
5-1:シャープ〈日本〉
5-2:LG〈韓国〉
5-3:その他〈TCL ハイセンスなど〉
6・サウンドバーの比較 (6)
6-1:最終的なおすすめの提案【結論】
次回の2回目記事【こちら】では、米国のJBLとBOSEほか、他社製品を順番に紹介していきます。
音質の良さ ★★★★★
聞きやすさ ★★★★★
低音の迫力 ★★★★★
サラウンド感 ★★★★★
ネットワーク ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で最終回の結論編【こちら】では、全機種から目的別・予算別にAtlasのおすすめ機種を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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