【今回レビューする内容】2023年 新製品のTV向けサウンドバー・シアターバーの音質とおすすめ・選び方:高音質で安いテレビ用・ホームシアター用の小型サラウンドスピーカー: 機種の違いと人気ランキング:高級品から 安い製品 まで 外付けTV用スピーカー
【比較する製品型番】パナソニック SC-HTB250 SC-HTB200 SC-HTB01 SC-HTB900 SONY HT-S200F Y HT-S100F HT-S350 HT-S400 HT-X8500 HT-Z9F HT-A3000 HT-A5000 HT-A7000 HT-G700 ヤマハ YAS-109 MusicCast BAR 400 SR-C20A SR-B20A YAS-209 YSP-2700 JBL BAR 5.0 MultiBeam JBL Bar 2.0 All-in-One MK2 JBL BAR 1000 Bose TV Speaker SOUNDBAR 900 300 Smart Soundbar 600 ハイセンス HS214 DENON DHT-S517 DHT-S217 DHT-S316 DHT-S516H SHARP 8A-C22CX1 ANKER Soundcore Infini Mini DALI KATCH/ONE/IB LG SN7CY SK1D 東芝 RSS-AZ55 Sonos Sonos Arc Bowers & Wilkins Panorama 3 オリオン SBS-900BT ほか
今回のお題
最新TVに向いたサウンドバーのおすすめはどの機種?
ども、Atlasです!
今回は、2023年1月現在、TV用のサウンドバーを比較します。
大画面4Kテレビ購入し、「画質は良くなったけど、音質が不満」という方で、「あまりオーディオに詳しくない」方が、サウンドバーの主要な購買層になっています。
今回の記事では、「音質面のスペック」を重視しながら、詳しい説明をします。
しかし、初心者向けに、「選び方の基本」となる部分も、ある程度詳しく説明しました。
音質の良さ ★★★★★
聞きやすさ ★★★★★
低音の迫力 ★★★★★
サラウンド感 ★★★★★
ネットワーク ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、いつものように、メーカーごと人気製品を比較します。
そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種」を提案していきます。
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1・サウンドバーの比較
2・ホームシアターシステムの比較
3・AVアンプの比較
4・PC用スピーカーの比較
5・ミニコンポの比較
6・Bluetoothスピーカーの比較
7・ブックシェルフスピーカの比較
なお、今回の記事は、このブログ「モノマニア」のスピーカー関係の記事の1回目の記事として書きました。
0・サウンドバーを選ぶ場合の注意点
サウンドバーは、テレビ番組の音質向上において、手軽に高音質を得られる良い手段です。
設置面でも、【ホームシアターシステム】と異なり、複数のスピーカーや、【AVアンプ】が不要なので、気軽です。
費用面でも、同じ予算で組んだ場合、総合的な音質は、サウンドバーのが高いです。今回紹介するのは、製品は「全てこのタイプ」です。
もちろん、サラウンドは「バーチャル」ですが、近年、各社とも格段の技術進歩を見せたため、違和感は感じにくいです。
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一方、初心者のかたが、サウンドバーを選ぶ場合、とにかく「注意して欲しい点」があります。
それは、「接続方法」と「4K(HDR)パススルー機能」にかかわる部分です。
ご家庭で4Kテレビを利用している方で、ブルーレイレコーダー・PS4などの4K対応ゲーム機器・新4K放送用チューナーを使われている方は、まず、接続方法に注意してください。
「4Kパススルー機能」にかかわる部分ですが、この部分を知っておかないと、せっかく買っても「音質の劣化」が生じてしまいます。
サウンドバーの配線ですが、多くの方は、4Kテレビ背面のHDMI端子(出力)から、HDMIケーブルで、サウンドバーとTVを接続する方法を考えているでしょう。
ただ、この接続の場合、業界の著作権保護(HDCP2.2)規格に抵触するため、サウンドバーの音質が劣化する可能性があります。
なぜなら、一部のマルチチャンネルデータが消され、無圧縮(ロスレス)音声データが、圧縮音声へと自動的にダウンコンバートされてしまうからです。
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とくに、マルチチャンネル(3.1ch 5.1ch 7.1ch)対応の中級以上のサウンドバーを買う場合、接続方法に気を使う必要があります。
解決するための方法は、「4Kパススルー機能」を持つ、サウンドバーを選ぶことです。
その上で、上表のようなケーブル配線にすれば、音質は劣化しません。ゲーム機の場合も同じです。
マルチチャンネル(3.1ch 5.1ch 7.1ch)のサウンドバーは、音質的に上図のつなぎ方が好ましいです。
ステレオ(2ch /2.1ch)のサウンドバーでも、「パススルー」接続が可能な機能は、データを音響の再計算に使っているので、やはり同じです。
ただし、例外があります。
それは、SONYなどのサウンドバーです。
高級機の場合、(ARCではなく)「eARC対応のHDMI端子」があります。
その場合、TVと直の接続でも音質情報を劣化させずに転送可能です。
テレビ側のeArc対応も必須です。
ソニーやLGは少し前のモデルでも対応していましたが、その他の企業は近年からの対応です。
eARCについては、多チャンネルの高級機を買わない場合関係のない話ですから、ここでは「忘れても良い」です。
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以上、つなげ方に関する注意でした。
たいへんややこしいので、今回の記事では、パススルー機能の有無や接続法については、上位の8K・4KHDRパススルーを含め「特に詳しく説明」しています。
なお、劣化した音源を独自の再計算で戻すアップコンバート技術が高く、TVから直接サウンドバーにつなげても「音質に問題ないよ!」と言い切るメーカーや機種もあります。
そういった機種は、今回の記事の本文で、特に言及することにします。
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1・スピーカーのチャンネル数
2・音圧の強さ(パワー)
3・ドルビーアトモス対応
4・スマホとの連携
そのほか、上表でまとめたように、選ぶにあたって、重要視するべきポイントは多いです。
しかし、最初から説明してしまうと「情報過多」で、混乱してしまうでしょう。
そのため、選ぶ際に大事な専門用語の意味やポイントについては、機種の紹介の中でおいおい書いていくことにします。
1・サウンドバーの比較 (1)
1-1:パナソニック〈日本〉
1-2:ソニー〈日本〉
2・サウンドバーの比較 (2)
2-1:JBL〈米国〉
2-2:BOSE〈米国〉
2-3:DENON〈日本〉
3・サウンドバーの比較 (3)
3-1:ヤマハ〈日本〉
3-2:東芝〈日本〉
3-3:シャープ〈日本〉
3-4:SONOS〈米国〉
3-5:ゼンハイザー 〈ドイツ〉
3-6:Bowers & Wilkins〈英国〉
4・サウンドバーの比較 (4)
4-1:POLK Audio〈米国〉
4-2:ANKER
4-3:DALI〈北欧〉
4-4:他の製品
5・サウンドバーの比較 (5) 【結論】
=最終的なおすすめ機種の提案
なお、以下の記事では、40機種以上のサウンドバーを比較します。
一度には紹介できないため、メーカー別にわけて、5回の連続記事としています。
そのため、メーカーを「決め打ち」で探している方は、上記のリンクをご利用ください。
よろしくお願いします。
1-1・パナソニックのシアターバーの比較
はじめに、パナソニックのシアターバーを紹介します。
なお、以下ではいつものように、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2018/4】
【サブウーファー付属】
1・パナソニック SC-HTB250-K
¥23,581 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
【サブウーファーなし】
2・パナソニック SC-HTB200-K
¥15,245 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:合計120W
TVとの接続:光 HDMI(入出力)
サブウーハ接続: 内蔵式
ネットワーク:Bluetooth (AAC)
ハイレゾ音源:
パススルー:
サイズ:W450×H51×D135mm
SC-HTB200シリーズは、パナソニックのシアターバーでは最も安い入門機です。
サイズは、長さが45cm、高さが5.1cmです。
寸法的にTVの半分程度で、脚の下に収まる点で、設置しやすい機種です。
チャンネル数は、2.1ch方式です。
中音域を再生する4×10cmの変則型のコーン型ウーハーと、サイズ不明ながら、高音域に対応するツイーターが2組搭載される2ウェイ2スピーカーです。
本体価格が安い割にバランスの良い音質です。しかし、出力は合計で80W(ウーハー込みで120W)です。
上位機と比較すると、サウンドバーとしての音圧は弱めです。
ただ、この価格帯としては健闘していますし、TV内蔵スピーカーと比較すれば「雲泥の差」です。
サブウーファー(重低音)は、上位機のSC-HTB250-Kのみ搭載です。
置き方は、縦置きでも横置きでも構いません。
ただし、出力は40Wで、さほど強力とも言えません。ウーハーまでの配線は、Bluetoothにできるため、設置性は良いでしょう。
本体側は、新開発のダイナミックエアロポート(バスレフ)で低音を補う形になっているので、これらを、合わせればある程度の迫力は出せる機種です。
バーチャルサラウンド再生は、非対応です。
テレビ内蔵のスピーカーも、最近は、天井方面の広がりを出せる「立体3D音響」に(仮想的に)対応できる機種が増えました。
サウンドバーも「中位機」なら、本機のような、2つしかスピーカーのない「ステレオ」でも、独自の計算で、立体音響を「仮想的」に再現して音に表現できるようになります。
最近では、ここが中級機と入門機とで最も「差」が付く部分ですが、本機は非対応です。
値段的に仕方ないでしょう。
TVとの接続は、HDMIケーブルを使う方法と、光デジタル音声ケーブル(オプティカルケーブル)を使う方法とから選べます。
ケーブルは「別売」です。なお、HDMIの場合は、TV側の「ARC」とあるHDMI端子とつなげます。
光ケーブルでも音質は変わらないので、どちらでもOKです。
ただ、HDMIだと、HDMI-CEC規格に対応するため、パナソニックや他社のTVと、音声の電送のほか、TVと連動したON/OFFや音量のリモコン操作も可能です。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothで対応できます。
転送時の音質(コーデック)はSBCほか、iOS系もフォローするAACが対応です。
圧縮音源ならば、ほぼ劣化・遅延なしで送れるでしょう。
なお、(原理的に)Bluetoothでもテレビ音声は送れますが、上位のコーデックを含めて「音の遅延(口パクのズレ)」が生じるので、どのメーカーも有線でつなげるのが、サウンドバーの場合普通です。Wi-Fi搭載機の場合も然りです。
無線LAN/有線LANは非搭載です。そのため、iPhoneからボタン1つで接続可能なAirplayは非対応です。
4Kパススルー機能は、非搭載です。
冒頭で詳しく説明したように、4Kテレビ利用者には対応して損はない部分です。
ハイレゾ音源の再生は、非対応です。
ハイレゾ音源とは、CDの音質を超える、新しい世代の音源で、e-onkyoなどのサイトで販売されているものです。
テレビの音声の場合、4Kの音声でもハイレゾに満たない情報量です。しかし、新4K放送では、この規格が標準です。
高級な液晶TVは、地デジなど低質なテレビの音声を再計算し、ハイレゾ音質にアップコンバートできる場合もあるため、対応していて損はないといえます。
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以上、パナソニックの入門機SC-HTB200シリーズの紹介でした。
パナソニック製のテレビユーザーには、特に導入しやすい機種です。
また、「ワイヤレスサブウーファー付」を選べば、2万円前後の製品として、スピーカー総合出力では遜色がないといえます。ただ、4K液晶TVに対応できない点は長期間使う予定ならばネックです。
【2019/1】
3・パナソニック SC-HTB01
¥42,000 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:80W
TV接続:光音声・HDMI(入出力)
サブウーハ接続:Bluetooth
ネットワーク:Bluetooth (SBC)
ハイレゾ音源:対応
パススルー:4K
サイズ:W430×H52×D130mm
SC-HTB01は、パナソニックのシアターバーの中級機です。
サイズは、長さが43cmとかなりコンパクトです。
高さも5.2cmですから、設置性はよいです。
こちらは、「ファイナルファンタジーXIV」推奨モデルで、小型の24-32インチ前後の小さめのTVユーザーにも売れている機種です。
チャンネル数は、下位機種と同じで、2.1ch方式です。
中音域を再生する4cmのコーン型ウーハーと、高音域に対応する1.4cmのツイーターが2組搭載されます。
専門用語で言えば、バスレフ式の2ウェイ2スピーカーです。
下位機種(サブウーファーなし)と同じで、パワーも80Wと同じです。
したがって、一般的なサウンドバーとしての音圧は弱めです。しかし、もともと、ゲーム用に「近接視聴」を前提に作られたサウンドバーですし、その用途では十分以上に良いです。
聴いた感じのバランスも、近接視聴に配慮したバランス設計に感じました。
サブウーファー(重低音)は、 設置性の良さを重視するため、内蔵です。
1ウェイ1スピーカー仕様ですが、単独でのパワーは非開示です。
バーチャルサラウンド再生は、対応です。
他社の技術ですが、DTS:Virtual:Xを搭載する形です。
これはDTS社が開発した仮想的な立体音響技術で、本機のような普通のステレオスピーカーでも「天井からの音」を再現できると言えます。
なお、映画やゲームなどコンテンツ側も、「天井方向からの音のデータ」を作成段階から入れるのが普通になってきています(Dolby Atmos・DTX:X)。
本機は、Dolby AtmosとDTS:Xに対応ですので、対応コンテンツだと、さらに「立体的に」再生されます。
地デジのような普通のステレオも、計算して「映画館のような天井方向からの音」を再現するので、全体的として音質の「底上げ」につながると言えます。
さらに、内蔵ウーハーのほか、RPGモード・FPSモード・ボイス強調モードなど、ソフト的な処理で、効果を高める仕組みも加わります。
TVとの接続は、こちらも、HDMIケーブルでつなげる方法と、光デジタル音声ケーブル(オプティカルケーブル)でつなげる方法とから選べます。
また、「HDMI-CEC規格」にも対応し、TVのON/OFFと電源が連動できます。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothを用います。
一方、この機種は転送規格がSBCで、それより音質の良いAACに非対応です。
そのため、スマホからの再生の音質に限れば、性能は高くありません。
4Kパススルー機能は、搭載です。
これについては、記事冒頭でも詳しく説明しました。
繰り返せば、上表のように接続する限りにおいて、音質を劣化させずに、ブルーレイや4K対応ゲーム機の音情報を伝えられます。
ハイレゾ音源の再生は、対応です。
周波数帯域が50kHzの高音までフォローできるため、業界規格上「対応」水準になります。
ただ、ソニーなどに比べると、ハイレゾ音質がない音源(CD音源)のアップコンバート技術などは非採用です。
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以上、パナソニックのSC-HTB01の紹介でした。
24インチから32インチ程度の小型テレビないし小型モニターで、おもに「ゲーム用」に近接視聴で利用する場合、これ以上の機種はないでしょう。
この層をターゲットにした製品は後発で他機からも出てきましたが、依然として優れた製品であることは変わりません。
Dolby AtmosやDTS:Xなどの最新のシネマサウンド規格が試せる点で「遊び心」も高いです。
リビング用の大きなテレビには(用途的に)合わないですが、小さめのテレビならば、これが良いでしょう。
【2019/6】
4・パナソニック SC-HTB900-K
¥86,436 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
チャンネル数:3.1ch
実用最大出力:合計505W
TV接続:光 HDMI(入力2出力1)
サブウーハ接続:Bluetooth
ネットワーク:Bluetooth LAN Wi-Fi
ハイレゾ音源:対応
パススルー:4KHDR対応
サイズ:W1050×H78×D129mm
SC-HTB690は、パナソニックのシアターバーの最上位機種です。
サイズは、長さが95cmです。
下位機種より長いですので、大きなテレビに向けた製品です。
壁掛け金具も同梱されているので、ネジで壁に取り付けすることも可能です。
据置する場合は、本機は高さが78cmと割とあります。
他社機のテレビ(東芝など)で、スタンド株から画面までの高さが短めなTVは、画面と被らずに設置できるか、あらかじめ寸法をはかってください。
チャンネル数は、 3.1ch方式です。
他社の上位機には、5.1ch式以上もあります。
ただ、スピーカーの数としては、6.5cmのコーン型スピーカーが6本で、左右のみツイーター2本という豪華な構成ですから、ひけを取っていません。
いたずらにチャンネル数を増やすより、TVとして重要な「人の声の聞き取りやすさ」に配慮した結果だと思います。
実際、今回は、パナソニックの高級オーディオ部門である「テクニクス」の監修なので、迫力とともに「音そのものの綺麗さ」を追う方向性です。
バーチャルサラウンド再生は、下位機種同様、DTS:Virtual:Xにて「3D立体音響」に対応できます。
Dolby AtmosやDTS:Xに、対応する部分も同じです。
サブウーファー(重低音)は、Bluetooth接続タイプです。
本体のスピーカーと合計で505Wの出力ですから、音圧も十分です。
TVとの接続は、こちらも、HDMIケーブルを使う方法と、光デジタル音声ケーブル(オプティカルケーブル)を使う方法から選べます。
ただし、ステレオ以上の多チャンネル音声データを扱える機種なので、「4Kパススルー」のようにつなげるのが基本でしょう。
「HDMI-CEC規格」にも対応し、TVのON/OFFと電源が連動できます。
スマホなどの音源再生は、Bluetooth・Wi-Fiに対応です。
圧縮転送規格は、下位機種と比較すると、iPhoneで採用されるAAC対応なので、進化がみられます。
Wi-Fiは、説明書を見ると搭載です。有線LANもあります。
回線が太いので、音源をCD音質・ハイレゾ音質のままで再生可能です。
また、本機は、Chromecast built-in対応なので、定額聴き放題サービス(Spotify/Google Play/ Apple Musicなど)の、ダイレクト再生ができます。
スマホで楽曲を選んでおけば、スマホの介在なしに、各社のサーバーから音楽が直接サウンドバーに行くので、その間、(電話・ゲームなどを含め)スマホを自由に使え、電池の減りも少ないです。
Google系のサービスですが、iOS系の端末でも普通に使えます。
一方、Apple系のAirPlay2には対応しません。なお、AirPlayやChromecast built-inなど、こうした規格について興味のある方は、【ミニコンポの比較記事】の冒頭に少し詳しく書きました。
4Kパススルー機能は、搭載です。
その上で、4KHDRパススルーにも対応する点が重要です。
UHD規格のブルーレイディスク(4K)を再生したい場合も、映像を劣化させず、そのままパススルー可能です。
この機能の詳細については、1つ上の機種で詳しく説明しました。
ハイレゾ音源の再生は、対応します。
Bluetooth経由だと、AACのみ対応なのでハイレゾ音源は転送できません。
【パナソニックのディーガの比較記事】で書いたように、最近の同社のレコーダーは、ハイレゾ音源も保存できますので、それ経由での利用を想定しているのでしょう。
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以上、パナソニックのSC-HTB900の紹介でした。
「テクニクスブランド」での新設計で、より音質が強化された最上位機として評価できます。
音の圧力より、「音の綺麗さ」「聞き取りやすさ」に重点が置かれているので、ゲームやシアターはもちろん、クラシックなど、「従来のオーディオ」が得意とするジャンルには特に向くでしょう。
実際、ベルリンフィルのホールに出向いて、音響設計を反映しているそうです。
1-2・SONYのサウンドバーの比較
続いて、ソニーのサウンドバーの紹介です。
ソニーは、ハイレゾ音源の再生に力を入れた製品が多いです。
【2018/1】
5・SONY HT-S200F 【各色】
¥19,480 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:合計80W
TV接続:光音声 HDMI (ARC)
サブウーハ接続:内蔵
ネットワーク:Bluetooth (SBC)
ハイレゾ音源:
パススルー:
サイズ:W580xH64xD95mm
HT-S200F は、ソニーの「ミニバータイプ」のサウンドバーの入門機です。
小型で設置性の良さが「売り」の製品です。
本体色は、黒(HT-S200F-B)のほか、白(HT-S200F-W)も選択できます。
サイズは、長さが58cmです。
パナソニックの入門モデルと同じで、TVの下に無理なく収まる点で人気です。
32インチほどの小型でレビでも違和感なく設置できます。高さも6.4センチと低いです。
チャンネル数は、 2.1ch方式です。
フロントスピーカーは、フルレンジの46mmのスピーカーが2機搭載です。
方式は一般的なバスレフ形で、振動板はペーパーコーンです。
小型でも低音がしっかり出る構造です。ただし、パワーは、2スピーカーで50Wと多少控えめです。小型機はこのあたりが「弱点」といえます。
音質面では、S-Masterというデジタルアンプが注目点です。
D/Aコンバーターとパワーアンプの一体化を図ることで、出力直前までデジタル伝送するため、音質の劣化は低いと言えます。
そのほか、小音量再生時に聞きやすくするサウンドオプティマイザーの採用も見所です。
バーチャルサラウンド再生は、対応です。
本機は、DTS社の技術ではなく、ソニーのS-Force PROフロントサラウンド技術を使います。
自社の音響部門が強いため、独自のサラウンド機能を搭載できるのがソニーの強みです。
ただ、高さ方向は再現できない2Dサラウンドですので「入門機」の範疇ではあるのですが、仮想的に後方スピーカーの音を再現できます。
サブウーファー(重低音)は、スピーカーに内蔵される「オールインワン」方式です。
ただし、パワーは、30Wと劇的に臨場感があるわけではないです。
TVとの接続は、HDMIか、光デジタル音声ケーブルです。
HDMIは入出力共用のARCタイプなので、TV側にARC対応HDMI入力端子があれば、OKです。たいていあるでしょう。
ない場合、光音声ケーブル接続にしても、クオリティには影響はありません。そもそも製品に付属するケーブルもこちらです。
HDMIは、ソニーの液晶TVであるBRAVIAや他社製品とのON/OFF連動などの目的にも使用します。
4Kパススルー機能は未搭載です。
本機はステレオ構成なので、なくても良いでしょう。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothにて対応です。
ただ、SBC規格のみ対応であり、Bluetooth接続の音質にこだわるソニーとしては、性能はイマイチです。
ハイレゾ音源の再生は、非対応です。
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以上、ソニーのHT-S200Fの紹介でした。
サブウーファーを内蔵して総計80Wの機種と言うことで、パナソニックの入門機と同等の性能は期待できます。
一方、面白い部分は、小音量再生時に聞きやすくするサウンドオプティマイザーの搭載です。集合住宅などで夜間に利用する場合は、有利でしょう。
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【2018/1】
6・SONY HT-S100F
¥10,980 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
チャンネル数:2ch
実用最大出力:合計100W
TV接続:光 HDMI
サブウーハ接続:
ネットワーク:Bluetooth (SBC)
ハイレゾ音源:
パススルー:
サイズ:W900xH64xD88mm
ソニーは、より下位の機種としてHT-S100Fも併売中です。
ただし、サブウーファー未搭載の機種です。
センタースピーカーの出力が高いですが、低音域はサウンドバー導入の大きな理由でしょうし、上位機を選ぶと良いと思います。
【2022/5】
7・SONY HT-S400
¥34,827 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
【2019/3】
8・SONY HT-S350
¥24,740 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:合計260W
TV接続:光音声・HDMI
サブウーハ接続:有線
ネットワーク:Bluetooth (SBC)
ハイレゾ音源:
パススルー:
サイズ:W900xH64xD88mm
HT-S400 は、ソニーの「ミニバータイプ」のサウンドバーです。
旧機種( HT-S350 )が残ります。
形状は同じですが、スピーカーユニットのサイズが10%ほど小さく出力が65Wになります。このグレードの製品としては少し弱めだったので改善したと言えます。
一方、サウンドモード(標準・シネマ・ミュージック・ゲーム・ニュース・スポーツ)と連動するオートサウンドは、新機種で省略になります。
ただ、「サウンドフィールド」ボタンで、一発で「通常・サラウンド」の切替できるようになりました。中級者はともかく、入門者がサラウンド感を感じるにはこの仕様でも良いかなと思います。
ニュース用の「ボイス」、夜用の「ナイト」、低音用の「BASS」ボタンは引き続きあります。
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結論的にいえば、新機種の方が音質の基本部分では性能は上です。ただ、値段差が1万円以上あるうちは、値段面と上述のサラウンド部分の差をふまえて、旧機種が良いでしょう。
サイズは、長さが90cmと、長めです。
バランスを考えると、40型以上の大画面テレビに向くでしょう。
チャンネル数は、 2.1ch方式です。
フロントスピーカーは、フルレンジの52mm ×100mmコーン型スピーカーです。
一般的なバスレフ式ではなく、密閉型(アコースティックサスペンション型)スピーカーを採用しています。
バスレフ型に比べて低音は出にくいですが、共鳴しにくく、中高音の信頼性が高いため、サウンドバー向きです。
パワーは、80Wですので、十分でしょう。
音質面では、下位機種同様に、S-Masterデジタルアンプが搭載です。
バーチャルサラウンド再生は、下位機種同様S-Force PROフロントサラウンドです。
天井方向を含める3D立体音響には対応しません。
サブウーファー(重低音)は、100Wのものが搭載です。
日本のリビング環境を考えても、このグレードでは十分でしょう。
ただし、本体との接続は有線となります。
TVとの接続は、本機もHDMIか光ケーブルかを選びます。
下位機の場合と同じで、HDMIの場合は、TV側にARC対応のHDMI端子が必要なので、付属するケーブルは、光ケーブルにしています。
2.1chステレオ機なので、この仕様で問題ないです。「HDMI-CEC規格」にも対応し、TVのON/OFFと電源が連動できます。
スマホなどの音源再生は、本機もSBC規格のみです。
音質はさほど重視されません。
4Kパススルー機能とハイレゾ音源の再生も非対応です。
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以上、ソニーのHT-S400の紹介でした。
サブウーファー付属機で、ソニーは「スタンダードサウンドバー」と名づけている標準機となります。
価格も安く、音圧は十分で、テレビの音声も聞き取りやすい機種です。リビングで普通のニュースなどを見る際にも向く、まさに「標準機」です。
【2019/3】
9・SONY HT-X8500
¥32,300 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
チャンネル数:2.1ch
実用最大出力:合計160W
TV接続:光音声 HDMI
サブウーハ接続:内蔵
ネットワーク:Bluetooth (AAC)
ハイレゾ音源:
パススルー:4KHDR
サイズ:W890×H64×D96mm
HT-MT500 は、ソニーのサウンドバーのもうひとつの中級機です。
先ほどの機種より、価格的には1グレード上になる製品です。
サイズは、長さが90cmと、長めです。
大画面用に販売されているモデルです。
チャンネル数は、 2.1ch方式です。
フロントスピーカーは、下位機種と同じで、フルレンジの52mm ×90mmコーン型スピーカーです。
サブウーファー(重低音)は、この機種の場合、内蔵式となります。
中央に2本のサブウーファーが、前方に向かって配置されています。
パナソニックの内蔵機が、サブウーファーを上向き配置でユニークだったのに対して、割とオーソドックスな配置です。ただ音圧自体は期待できる水準で、内蔵ながら、サブウーファー2機で80Wの出力を確保します。
バーチャルサラウンド再生は、グレードの高いVertical Surround Engineです。
こちらは、3D立体音響対応です。
地デジ放送など普通のステレオ放送でも、疑似的に「天井からの跳ね返り音」を再現できます。
さらに、S-Force PROフロントサラウンド技術も採用です。
後部スピーカーの音を疑似的に再現するソニーの独自技術です。
DTS:Virtual:Xは、あくまで「前方横からの音」ですが、これは「後ろの再現」です。
壁の跳ね返を利用せず後ろからの音が再現するので、部屋の形状にあまり影響されない利点があります。ものが多いリビング向けでしょう。
フォーマットも、Dolby AtmosとDTS:Xに対応しているので、ゲームや映画でも問題ありません。
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結論的にいえば、後ろ側の音をフォローしている分、3D再生技術は、仕組みとして高度です。
おそらくコスト的にはDTS社のシステムを買った方が安いのでしょうが、自社開発のものを使うのは自信のあらわれでしょう。
いずれにしても、「音の再設計」については、昔からソニーの強みです。
ハイレゾ音源の再生は、この機種は非対応です。
TVとの接続は、光デジタル・HDMI双方に対応です。
「HDMI-CEC規格」にも対応し、TVのON/OFFと電源が連動できます。
スマホなどの音源再生は、Bluetoothを用います。
対応するコーデックは、SBCのほかAAC規格までの対応ですから、それなりに音質は期待できそうです。
4Kパススルー機能は、搭載です。
さらに、パナソニックの最上位機と同じで、4K信号のほかHDR信号も通せる4KHDRパススルーにも対応します。
また、「eARC対応のHDMI入力端子」を採用するため、冒頭書いたように、ソニーの最新テレビで、テレビ側も対応する場合は、上のような接続でも、音声信号を劣化させずに送れます。
本機については、システムはステレオですが、サラウンド処理にマルチチャンネルデータを利用している関係で、パススルー式に対応しているのだと思います。
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以上、ソニーの HT-X8500 の紹介でした。
ソニーの場合、「本格的」といえるのはこのグレードの製品からです。
一方、他社より充実した「音響部門」をもつソニーの場合、地デジ放送など、音源自体に3D情報を持たない音の高度な「バーチャル化」技術が利用できるのがメリット性でしょう。
とくに、前方スピーカーだけしかない、サウンドバーについてはソニーの仮想化技術との親和性は高く、効果は期待できるでしょう。
いずれにしても、ソニーで選ぶならば、このグレード以上だと思います。
【2020/5】
10・SONY HT-G700
¥60,091 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
チャンネル数:3.1ch
実用最大出力:合計300W
TV接続:光 HDMI(入出力1)
サブウーハ接続:Bluetooth
ネットワーク:Bluetooth (AAC)
ハイレゾ音源:
パススルー:4KHDR
サイズ:W980×H64×D108mm
HT-G700 は、ソニーのサウンドバーの中級機です。
サイズは、幅98cmです。
したがって、明らかに大画面テレビ専用に開発されています。
要するに、ソニーの大画面ブラビアの脚にすっぽりと入るサイズです。なお、長めですが、こちらはサブウーファーが内蔵されないタイプです。
チャンネル数は、 3.1ch方式です。
方式は、密閉型(アコースティックサスペンション型)で下位機種と同じです。
しかし、左右に加えて、バーの中央にセンタースピーカーがある方式です。TVの場合、ニュースやセリフなどの聞き取りはこの方式の方が優れます。
ユニットは、各スピーカーは45×100mmの変則サイズとなり、下位機種より少し大きめです。
パワーは、下位機種より優れており、400Wと向上しています。
サブウーファー(重低音)は、ボックス型のユニットを床などに置く方式です。
パワーは、100Wです。5万円前後の製品としては、やや非力でしょう。
ただ、先述のように、日本のリビング環境では、(壁の防音・防振処置の甘さを含め)このくらいが適当、という判断は可能です。
ハイレゾ音源の再生は、未対応です。
バーチャルサラウンド再生は、下位機種同様の仕様です。
繰り返しますが、ソニーはこの部分で「高度」です。
むろん、規格的には、Dolby AtmosやDTS:Xにも対応します。
TVとの接続は、HDMIケーブル・光音声ケーブル双方に対応します。
スマホなどの音源再生は、Bluetooth対応です。
対応するコーデックはSBCとAACなので、下位機種と同じです。
4Kパススルー機能は、搭載です。
最新のHDRも対応します。。
加えて、eARC対応のHDMI端子を装備するため、4K対応度は高いです。
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以上、ソニーのHT-G700 の紹介でした。
3.1ch方式でセンタースピーカーを搭載するため、ニュースなどのボイス再生に強いです。その点で言えば、リビングに置く大画面用テレビには向くでしょう。
お年寄りのように、セリフがな聞き取りにくい世代には、シンプル構成の3.1ch構成は向きます。
ただ、本機については、さほど値段が代わらない上位機もあるので比較は重要です。
【2022/9】
11・SONY HT-A3000
¥61,904 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
チャンネル数:3.1ch
実用最大出力:合計250W
TV接続:光 HDMI(入出力1)
サブウーハ接続:内蔵
ネットワーク:Bluetooth 5 Wi-Fi5
ハイレゾ音源:対応
パススルー:4KHDR 8K
サイズ:W950×H64×D128mm
HT-A3000も、ソニーのサウンドバーの中級機です。
1つ上でみたHT-G700 と違って、サブウーファが内蔵されるタイプの中級機となります。
サイズは、幅95×高さ6.4×奥行12.8cmです。
本機も「大画面向け」ですが、長さ面では、すこし加減はあります。
チャンネル数は、 3.1ch方式です。
ユニットは、密閉型のフルレンジが、46×93mmで中央に3基ならびます。
加えて、左右のサブウーファーが、45×108mmで左右に1基ずつで、3.1chです。
左右だけ、バスレフレックス型で、バスレフポートで低音域を強化しています。
低音域は、サブウーファ部分の出力として100Wです。
サイズ感からすると優秀に思えます。
実際、上位機と同名のX-Balanced Speaker Unitとフロント部分を総称し、この部分に不満を感じさせない仕組みです。
バーチャルサラウンド再生は、本機も3Dの「Vertical Surround Engine」と2Dの「S-Force PROフロントサラウンド」で、3D立体音響に対応です。
またこのグレードから、地デジなどからアップコンバートする際、ドルビーの「Dolby Surround」、DTS社の「DTS Neural:X」技術併用しているような記載もあります。利用時に、意識するような部分ではないのですが、違いになります
なお、映像フォーマットは、引き続きDolby AtmosとDTS Xにしっかり対応します。
一方、本機は、別売製品の増設で(計算による仮想ではない)「リアルサラウンド」にも対応できます。
ワイヤレスなサブウーファとリアスピーカーが用意されていて、リアルな5.1ch環境の構築も後からできます。
増設機器は、次に見る、最上位機と仕様は同じなので、次の機種説明で、まとめて解説します。
音質は、サブウーファを内蔵しないタイプとしては、低音域のスペックが良いです。
家庭用として使いつつ、映画やゲームで迫力を得たい方向きと言えます。
3.1chですし、ニュースやセリフの聞きとりの工夫(ボイスモード)や、小音量再生の工夫(ナイトモード)がありますし、リビング向けのと「ちょっと良い機種」と言えます。
サラウンド感については、難しい設定をせずとも自動で調整される「サウンドフィールドボタン」が便利です。
ハイレゾ音源の再生は、対応します。
ハイレゾは音楽コンテンツだけでなく、新4K放送の音源にも採用されているので、再生に対応するに越したことはないです。
また、ソニーの場合、単に対応するだけでなく、ハイレゾ以下の音質(圧縮音源や、CDやTVの音質)をハイレゾ相当までアップコンバートするDSEE技術も搭載します。
DSEEは技術ランクがありますが、本機は、最新最高位のDSEE Extremeです。
従来的なDSEE HXをAI技術で研ぎ澄ましたもので、精度が高いです。未対応の音源でも、音の解像感を高められます。
TVとの接続は、光デジタル端子のほか、HDMIでも可能です。
4Kパススルー機能は、入力用のHDMI端子がないので非対応です。
ただ、同社のテレビ(BRAVIA)をはじめ、最近の高級テレビは、eARC対応の場合も増えました。
2022年開発機と言うことで「省略」していると言えます。ただ、逆に言えば、そのようなテレビをお使いの方に向くとも言えます。
スマホなどの音源再生は、複数の選択肢があります。
第1に、Bluetoothです。
こちらは、SBC/AACのほか、LDAC形式に対応します。
LDAC形式は、Bluetooth方式としては上位で、ハイレゾ音源に対応する形式です。
ただ、音楽機器側の対応が必須で、ソニーのXperiaや、以前比較した【ウォークマンの上位機種】しか現在は使えません。音の遅延もあるので、音楽専用です。
第2に、Wi-Fiと有線LANネットワークです。
Bluetoothより回線が太いので、PC・NASなどに保存した音源もCD音質・ハイレゾ音質のままで再生可能です。スマホも、同社のMusic Centerアプリで、再生対応できます。
一方、Wi-Fiを搭載するため、【Amazon Echoの比較記事】で紹介したようなスピーカーがあれば、本機を操作可能です。
また、パナソニックの上位機同様に、Chromecast built-in対応で、AppleのAirplayもフォローします。
加えて、Wi-Fiで音楽コンテンツを聴く場合、本機は、ソニーが最近推す立体音響の新規格となる360 Reality Audio認定です。
映像用の立体音響規格となるドルビーアトモスの「音楽版」と考えてください。
音源は、Amazon Music HDなどにすでに存在します。無料試用もできる(こちら)ため、事前に試して見てもよいでしょう。
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以上、ソニーのHT-A3000の紹介でした。
高級機は欲しいが、外部接続のサブウーファが「大げさ」に感じる方は多いと思うので、ニーズがありそうな中位機です。
リアルサラウンドは3.1chですが、バーチャルサラウンドの部分は力強い仕様ですし、流行りの立体音響も体験できます。
出力も十分で、ネットワークも充実するため、穴がない中位機に思えます。
さらに、将来(仮想ではない)「リアルサラウンド」を体験したくなった場合、Wi-Fiスピーカーの増設対応が後からできるのも良い部分でしょう。
この部分は、上位機と同じ仕様なので、次に説明します。
ただ、先述のように、ご自宅のテレビがeARCでない場合、性能が完全に活かせないため、その場合は、同社の4Kパススルー対応製品のほうが良いでしょう。
【2021/7】
12・SONY HT-A7000
¥155,000 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
チャンネル数:7.1,2ch
実用最大出力:合計500W
TV接続:光 HDMI(入2出1)USB
サブウーハ接続:内蔵
ネットワーク:Bluetooth 5 Wi-Fi5
ハイレゾ音源:対応
パススルー:4KHDR 8K
サイズ:W1300×H80×D142mm
HT-A7000は、ソニーのサウンドバーの、最上位機です。
中間グレードの HT-A5000は、この機種を分かってからの方が説明がしやすいので、この記事の後で説明します。
サイズは、W1300×H80×D142mmです。
長さもですが、奥行と高さがあります。
壁掛けテレビなら良いですが、スタンド型だと厳しい場合が多いでしょう。
また、床座り利用や設置台がテレビに近接する場合は、高さだけでなく、奥行も事前に測って、目線にかからないかを確認してください。
チャンネル数は、7.1.2ch方式です。
フロントスピーカーは左右ごとに1基あります。
46×54mmのアコースティックサスペンション型(長方形)のフルレンジスピーカーです。
振動板の口径(音圧)を稼ぐため、円形ではないスピーカーをあえて採用します。
フロントトゥイーターは、左右ごと1基です。
「2ウェイ式」というわけではなく、フロントスピーカーとは別動作で、独立したチャンネルとして勘定しています。
ユニットサイズは46×54mmと同じです。
センタースピーカーは、やはり、同型のものが中心に1基です。
これら、合計で5基のスピーカーユニットです。
サブウーファーは、センターの両端に2基です。
ただ、51×97mmと(外付ほど)大きくできないので、中央配置のデュアルサブウーファ仕様としています。
加えて、両壁を利用して主に高音域をリスナーの背部に飛ばす「ビームトゥイーター」が左右に1基ずつ装備です。
さらに、天井に向かうイネーブルドスピーカー(46×54mm)が合計2基です。
合計で、7.1.2chです。
かなり変則的なスピーカーですが、だいたいの口径を律儀に統一している部分に「こだわり」を感じました。
低音域は、サブウーファ出力(91W)では弱めに思えます。
ただ、そのために、全レンジを四角形で大きめのスピーカーに替えているわけで、試聴しても音圧は十分でした。
合計で500Wですし、ソニーでは最も強力です。
複雑なシステムで音の設計が難しいでしょうが、ソニーはこのような部分が昔から「得意」です。
音質は、同社のハイエンドですから、シネマや音楽を重視したい方に向けた製品と言えます。
一方、ニュースやセリフの聞きとりの工夫(ボイスモード)や、小音量再生の工夫(ナイトモード)があります。
加えて、ボタン1つで自動で適切なモードに変わる「オートサウンド」も選べるので、不便はないでしょう。
バーチャルサラウンド再生は、下位機同様に、Vertical Surround Engineほかで、3D立体音響に対応です。
もちろん、7.1.2ch機なので、リアルなデータ再現度は「上位」でしょう。
Dolby AtmosとDTS Xにしっかり対応します。
ワイヤレススピーカーの増設で(より完璧な)「リアルサラウンド」化も可能です。
1つ上でみたHT-A3000と共通のユニットです。
【上位機】総計180W
SONY リアスピーカー SA-RS5
¥63,009 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
【下位機】総計100W
SONY リアスピーカー SA-RS3S
¥40,000 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
後方設置のリアスピーカーは以上の2種類です。
SA-RS5は、単体でも使えそうな性能の、2.0.1chの無線スピーカーです。
ウーファーの振動板サイズが大きめで、上方用のスピーカーユニット、さらに、低音強化用のパッシブラジエータも付くため、リア用としてはかなり豪華です。
リアに上向きイネーブルドスピーカーが付くのは珍しいですが、3D立体音響の臨場感は、導入する場合、相当に充実します。
SA-RS3Sは、普通の2.0chのステレオのバスレフ式です。
特段個性的でもないですが、リア用ですし、(主に値段的な面で)SA-RS3Sでも良い気はします。
サイズも、SA-RS5(145×250×134mm)より小ぶり(100×187×100mm)ですし、設置もしやすいでしょう。
【上位機】総計200W
SONY サブウーファ SA-SW3
¥38,909 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
【上位機】総計300W
SONY サブウーファ SA-SW5
¥71,609 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
ワイヤレスサブウーファも、増設可能です。
こちらも2種類です。
ウーファについては、予算とサイズを勘案して、好みで選んで良いと思います。
ただ、本体自体もわりと力強い仕様なので、下位機種でも満足できるでしょう。
増設をする場合、内蔵・外付けのサブウーファになるほか、やたらとスピーカーユニット数が増えるので、かなり「ややこしそう」には思えます。
しかし、本機は、単純にリンクされるだけでなく、本体と合わせて最適な環境に自動調整してくれます(360 Spatial Sound Mapping)。
本機については、リアルサラウンドを増設した環境とそうでない場合を聞き比べると、音場の違いがはっきり分かるので、同時でなくて良いので「そのうち」ためすのはありです。
ハイレゾ音源の再生は、この機種も対応します。
下位機種同様に、最新最高位のDSEE Extremeです。
スマホなどの音源再生は、BluetoothとWi-Fiに両対応です。
この部分の仕様も、コーデックを含めて下位機種と同じです。
TVとの接続は、光デジタル端子のほか、HDMIでも可能です。
HDMI入力端子は3つあります。
4Kパススルー機能は、本機は対応です。
また、4KHDR信号ほか、8K信号にも対応できます。
引き続き、eARCに対応できるので、対応テレビとのコンビならば簡単です。
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以上、ソニーのHT-A7000の紹介でした。
複雑なシステムをうまいこと商品化している点でソニーらしい最上位機です。
外部サブウーファがない「1本タイプ」では、音質・音圧・サラウンド感は最上位でしょう。
また、スピーカー構成的に音楽・映画専用設計ですが、オートサウンドを利用すれば、家族で無難に使えるものだとも思えます。
冒頭書いた本体のサイズにさえ注意すれば選んで良いかと思います。
リアスピーカーを同時に買えば、特に立体音響の部分ではさらに面白い構成になります。(同時ではなくて良いでしょうが)余裕があるときに買い足しても良いかと思います。
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【2022/10】
13・SONY HT-A5000
¥93,981 Amazon.co.jp (1/9執筆時)
チャンネル数:5.1,2ch
実用最大出力:合計450W
TV接続:光 HDMI(入2出1)USB
サブウーハ接続:内蔵
ネットワーク:Bluetooth 5 Wi-Fi5
ハイレゾ音源:対応
パススルー:4KHDR 8K
サイズ:W1210×H67×D140mm
なお、HT-A7000とHT-A3000の中間に位置するグレードの製品が HT-A5000です。
ただ、どちらかと言うと「最上位機側に近い仕様」です。4Kパススルーにも対応ですので。
サイズは、W1210×H67×D140mmです。
かなり長めで、最上位機のHT-A7000と設置性は変わりません。
ユニット構成は、5.1,2chです。
最上位機のHT-A7000から、左右のフロントトゥイーターを省略した構成です。
リアに飛ばすビームトゥイーターや、上方に向けてのイネーブルドスピーカーは、本機もあるので、(出力差はあるものの)上位機の良さを壊さず、うまいこと価格を下げた印象です。
実際、上位機の場合、(出力強化の側面を除けば)フロントトゥイーターの機能性がさほど明確ではないので、なくても「惜しくはない」と思えます。
ただ、上位機は、振動板が、ソニーの音響グレード製品によく使われる素材でおなじみな、発泡マイカの表記がありますが、本機はない部分はあります。
振動板やその周辺部分の素材や構成で差はある可能性があります。
利便性の面では、コンテンツに合わせて音響調整を自動でするオートサウンドボタンが省略となります。
シネマ・ミュージックなどの音響調整ボタンもないです。
そのかわり、HT-A3000のように、一発で自動的にサラウンドにする「サウンドフィールドボタン」があるのですが、総合的に言えば、リビング用の上位機と考えると、この部分の仕様は「残念」です。
その他の部分は、基本的に上位機と比べて、目に付く違いはないです。
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結論的にいえば、音質面での仕様は、さほど上位機とは値段差分の性能差を感じません。
ただ、オートサウンドの省略は(利便性部分で)値段以上の大きな差に思えます。
家族全員が使うリビング用ならば、上位機のが良いかなと思います。
次回に続く!
サウンドバーのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、TV用のサウンドバーを比較しました。
記事は、まだ「続き」ます。
2・サウンドバーの比較 (2)
2-1:JBL
2-2:BOSE
2-3:DENON
3・サウンドバーの比較 (3)
3-1:ヤマハ
3-2:東芝
3-3:シャープ
3-4:SONOS
3-5:ゼンハイザー
3-6:Bowers & Wilkins
4・サウンドバーの比較 (4)
4-1:POLK Audio
4-2:ANKER
4-3:DALI
4-4:他の製品
5・サウンドバーの比較 (5) 【結論】
=最終的なおすすめ機種の提案
次回の2回目記事【こちら】では、米国のJBLとBOSE、日本のデノンほか、他社製品を順番に紹介していきます。
音質の良さ ★★★★★
聞きやすさ ★★★★★
低音の迫力 ★★★★★
サラウンド感 ★★★★★
ネットワーク ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、5回目記事となる結論編【こちら】では、今回紹介した全機種から、目的別・予算別に「Atlasのおすすめ機種」を提案したいと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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なお、この記事がお役に立ったようならば、SNSなどで話題を共有して頂ければ嬉しいです。