【今回レビューする内容】2024年 高音質!予算別のプリメインアンプの音質とおすすめ・選び方:ネットワークアンプ レシーバー Wi-Fi・DLNA・Airplay2対応ステレオアンプ ・インテグレーテッドアンプ 人気機種の違いと性能ランキング
【比較する製品型番】FOSTEX AP25 AP20d AP15mk2 DENON PMA-390RE PMA-600NE ヤマハ A-S301 A-S501 R-N803 A-S1200 R-N2000A R-N600A R-N800A R-N1000A マランツ MODEL 40n MODEL40N/FN MODEL 30 PM6007 PM5005 PM8006 STEREO70s マランツ MODEL M1 マランツ MODEL 60n/FN 60n/FB DENON HOME AMP- K PMA-900HNE PMA-A110 PMA-1600NE PMA-1600NE PMA-60 PMA-2500NE NR1200/FN A-S801 B WXA-50 PM7000N/FN DRA-900H-SP SONY STR-DH190 STR-DH190 PMA-3000NE-SP Cambridge Audio Cambridge Audio AXA25 CXA81CXA61 ELAC DS-A101-G TEAC TEAC AI-303-B TEAC AI-303-S AI-301DA-Z/B AI-301DA-Z/S ARCAM SA20 JBL JBL SA550 Classic SA750WAL 城下工業 SOUND WARRIOR SWD-UA1-SD Bluesound POWERNODE EDGE Shanling EA5 Plus Rega io ほか
今回のお題
音質が良いプリメインアンプのおすすめはどの機種?
ども!Atlasです。
今回は、2024年11月現在、最新のプリメインアンプを比較します。
アンプ出力や音域の広さなど音質面ほか、Wi-Fi・Bluetoothなどネットワーク周りの使いやすさも重視して書きました。
特に、ハイレゾ音源対応機は、多く紹介しています。
1万円台の入門機から、5万円からの中級機、20万を超える高級機まで、Atlasが試聴などの結果「良い!」と感じたものを選びました。
1・プリメインアンプの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:2万円〜
1-3:5万円〜
2・プリメインアンプの比較 (2)
2-1:10万円〜
3・プリメインアンプの比較 (3)
3-1:20万円〜
3-2:最終的なおすすめの提案【結論】
記事では「選び方の基本」をはじめに説明します。
その上で、以上のような順番で価格別に見ていく構成にしました。
あまりオーディオに詳しくない人の検討材料とできるように、できるだけ簡単な言葉で、かつ、詳しく書きました。
Atlasは、学生時代は入門機、社会人となって中級機、現在は「そこそこ高級機」と言えるだろうテクニクスのプリメインアンプを利用するに至っています。
2021年に惜しくも廃盤になったSU-G30ですが、今でもAtlas家では現役です。
オーディオ好きに評価される、プリアンプとパワーアンプが分かれる複雑なシステムは好きではないので、配線のシンプルなプリメインアンプを愛用しています。
失敗を繰り返しては「売ったり、あげたり」してきましたが、今回はこのような経験をふまえて、「購入時の間違いのない選び方の基本」を紹介するつもりです。
アンプのパワー ★★★★★
音域の広さ ★★★★★
ネットワーク再生 ★★★★★
設置性 ★★★★★
ノイズ対策 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最後に、上表のような指標から、目的別・価格別に「Atlasのおすすめプリメインアンプ」を提案する形式で書いていきます。
1-1・プリメインアンプの選び方の基本
プリメインアンプは、初めて買われる方は、自分の用途に合わないものを買ってしまいがちです。
1・プリメインアンプ
2・ネットワークアンプ
3・AVアンプ
少なくとも「プリメインアンプ」「ネットワークアンプ」「AVアンプ」の違いだけは、必ず理解してから購入されてください。
ネット上の比較記事をみても、これらを混同して紹介している場合が見られます。
多少詳しい人でも、違いが分かっていない場合があるので、簡単にその意味を説明しましょう。
第1に、プリメインアンプです。
インテグレーテッドアンプとも呼ばれますが、ごくごく簡略化して言えば「ミニコンポの本体部分」のことです。
元々、アンプは、弱い電気信号を増幅させるプリアンプ(コントロールアンプ)と、それをブーストするパワーアンプ(メインアンプ)に分かれていました。
しかし、これは、設置性が悪いし、価格も高くなるので、中級者以下向けに一体型設計にしたのが、プリメインアンプです。
もちろん、CDプレーヤーなどは内蔵されません。
そういった機種をお探しの場合、このブログでは【ミニコンポの比較記事】をご覧ください。音質面では、同価格のプリメインアンプに負けない製品も多いです。
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第2に、ネットワークアンプです。
ごくごく簡単に言えば、「プリメインアンプにWi-Fi・Bluetoothを付け足したもの」です。
PCオーディオの普及で、最近ではじめた新しいタイプのプリメインアンプです。
多くの製品はWi-FiとBluetoothが搭載され、CPプレーヤーやTVのほか、PCやNASないし、スマホの音楽も再生にも対応します。
通常の、光・同軸入力もあるため、普通のプリメインアンプとても利用できます。ただ、無線は「ノイズ源」でもあるので、上級者には嫌われる場合もあるカテゴリです。
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第3に、AVアンプです。
この製品も「プリメインアンプ」と機能が同じです。
ただし、プリメインアンプが、2chステレオ、ないし、それにウーハーを付けた2.1chステレオまでの対応に対して、ウーハーとスピーカー5本を使う5.1chサウンド・7.2chサウンドまで対応できる製品です。
ただ、ステレオで利用する場合は、音質は専門機に劣る機種です。また、その仕組みからいって、とにかく「でかい」です。
プリメインアンプとは毛色が異なるので、このブログでは、【おすすめAVアンプの比較記事】で、別記事として詳しく紹介しています。
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なお、TVを中心に、音楽再生も兼ねた音楽再生機器を揃える場合、「AVアンプ」がマストという固定観念があります。
ただ、最近のプリメインアンプやネットワークアンプは、出力端子が複数あるので、5.1chなどの対応が不要ならば、プリメインアンプ・ネットワークアンプのが総合的な音質が高く、また、設置スペースを圧迫しません。
今回は、このような意味で、音楽再生機器・TVなどに向く、プリメインアンプとネットワークアンプを比較していきたいと思います。
一方、今回の比較では、プリメインアンプのインピーダンスと定格出力という値を出していきます。
そして、皆さんのお持ちの(または狙っている)スピーカーも、インピーダンス、許容入力、という、数字が公開されているはずです。
この2つの数値は、選ぶにあたって、注意しても良い部分ですので、すこし解説します。
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第1に、インピーダンスです。
オーム(Ω)の値で、8Ω・6Ω・4Ωなどの数値として示されます。
これは、基本的に、買われるスピーカーと合わせてください。
例えば、4Ωのスピーカーがあるとして、6Ωまで対応のアンプだと、(音は鳴りますが)、保護回路の関係で「電断」などのトラブルが生じる可能性が高まります。
逆に、8Ωのスピーカーを、6Ωまで対応のアンプを鳴らすのは問題ないです。一般的には、「4Ωのスピーカーを使う場合は、少し注意が必要」と覚えておけば、だいたいOKです。
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第2に、定格出力です。
ワット(W)の値で示される数値です。
これは、最新のブックシェルフ(小型スピーカー)をつなげる場合は、とりあえずは、気にする必要はないです。
ただし、上の写真のような、大きなトールボーイ型などを鳴らす場合、ある程度アンプ側の定格出力は必要です。
そうした大きなスピーカーの場合、たいてい、その製品の「推奨アンプ出力」を各社が出してくれています。その基準に収まるようなアンプを選べば良いでしょう。
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1・アンプのサイズ
2・アンプの音質(ハイレゾ含む)
3・ネットワーク対応(Wi-Fiなど
というわけで、アンプの選び方の基本でした。こうした部分をふまえて、具体的な製品を比較していきます。
なお、比較にあたっては、以上の3つの観点を特に重要視していきます。
気になる音質面では、ハイレゾ再生への対応を示すほか、「低音域・中音域・高音域をどの程度鳴らせるか」もスペックや試用結果をふまえて書いていきます。
よろしくお願いします。
1-2・プリメインアンプの比較【1万円〜】
では、比較をはじめます。
はじめに、1万円台から2万円台まで予算で購入可能なモデルを紹介します。
ミニコンポから「ワンランク上のシステム」にグレードアップさせたい方に向く製品クラスでしょう。
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なお、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字系で記していきます。
【2017年発売】
1・FOSTEX パーソナル・アンプ AP20d
¥21,780 Amazon.co.jp (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):20W×2
定格出力(4Ω):12W×2
インピーダンス: 4~8Ω
周波数帯域:20Hz~40kHz
アナログ端子:2
デジタル端子:
DAC:
ネットワーク:
スピーカー出力:1
サイズ:幅108×高42×奥行138mm
AP20d は、日本のフォスター電機が発売する、プリメインアンプです。
本体の大きさは、幅108×高42×奥行138mmです。
機能を最小限に絞った「D級アンプ」で、手のひらにも載りそうな小型です。
アンプのパワーは、8Ω時に最大20Wです。
この部分は「一体型コンポ並み」のスペックです。
ただ、大抵のブックシェルフスピーカーを鳴らすのに問題ない水準とはいえます。
インピーダンスは、4Ω〜8Ωに対応です。
スピーカーを合わせて買われる場合、スピーカー側のインピーダンス(Ω)を確認してください。
なお、本機の場合、欧米に多い4Ωと、日本に多い6Ωのスピーカーに双方に対応しています。
周波数帯域は、低音域が40Hz(値が小さいほど低音域が出る傾向)、高音域が40kHz(値が大きいほど高音域が出る傾向)となります。
帯域が広いほど(良い音源ならば)豊かな音場が得られるといえます。
一方、この数値は、過信はできない指標です。
しかし、少なくともメーカーの設計思想の方向性を、客観的に理解できる「数字」として重要です。実際、たいていのメーカーが開示します。
高音域が40kHzを超えるので、ハイレゾ音源にも対応します。ただ、後述するように、本機は、デジタル接続に対応しないので、スペックを活かしきれない部分はあります。
アナログ入力は、2系統です。
図の左側の丸いRCA端子(オーディオ端子)を利用して、オーディオ機器とつなげるのが、基本です。
デジタル入力は、非対応です。
最近のプリメインアンプは、光デジタルケーブルやUSBで入力ができるよう、デジタル用端子を備える機種が増えています。
しかし、本機はDAC(=デジタル信号をアナログに変換する装置)を搭載しないこともあり、対応できません。
そのため、本機は、例えば、TVやPCとの接続でも、アナログ接続する必要があります。
音楽再生用機機(CDプレーヤーなど)と異なり、TVやPCといった映像機器は、ノイズが多くでるので、アナログ式だと音質が落ちやすいです。
スピーカー端子は、1系統です。
バネ式で、バナナプラグも使えない格安な仕様です。
ネットワーク機能は、BluetoothやWi-Fiを含めて、未搭載です。
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以上、AP20d の紹介でした。
2017年に登場した当時は「クラス以上」の小型機という評価で、ミニコンポからの「乗換ユーザー」などに人気でした。
ただ、デジタル入力の部分ほか、ネットワーク非対応である部分など、仕様がややクラシックなので、その部分は注意点です。
また、小型化は音質面では「損」になる場合が多いため、場所に余裕があるならば(同価格帯ならば、大きめの他社機のほうが音質は、基本的には良いでしょう。
ただ、そうはいっても、設置場所に融通が利くのは良い点で、ニーズはあるかと思います。
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【2022年発売】
2・FOSTEX AP25
¥32,969 楽天市場 (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):25W×2
定格出力(4Ω):17W×2
インピーダンス: 4~8Ω
周波数帯域:20Hz~20kHz
アナログ端子:2
デジタル端子:
DAC:
ネットワーク:
スピーカー出力:1
サイズ:幅108×高42×奥行138mm
一方、2022年に本機とほぼ同じ大きさの上位機がでました。
アンプ総計50Wと最大出力が伸びたほか、後部のプラグが、バナナプラグ対応の高級仕様になりました。
ネットワーク面など仕様がクラシックなのは、引き続きですが、老舗の音響企業では、「格安で小型」な機種の候補がほかにない点で、サイズ感の部分で候補になりそうです。
一方、周波数帯域については、20Hz-20kHz明記なので、業界の示すハイレゾ基準に満たない製品である部分は、(こだわる場合)注意点となります。
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【2020年発売】
3・FOSTEX パーソナル・アンプ AP15mk2
¥14,850 Amazon.co.jp (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):15W×2
定格出力(4Ω):10W×2
インピーダンス: 4~8Ω
周波数帯域:20Hz~20kHz
アナログ端子:1
デジタル端子:
DAC:
ネットワーク:
スピーカー出力:1
サイズ:幅110×高30×奥行75mm
一方、同社からは「究極のミニシステム」といえる格安機も出ています。
今回の比較の主旨とはずれますが、ミニマムさを追求した部分は面白く感じます。
小型筐体ですが、レイアウト的なノイズ対策の言及は最低限あります。
【2018年発売】
4・SONY ステレオアンプ STR-DH190
¥24,236 Amazon.co.jp (11/26執筆時)
定格出力(6Ω):
定格出力(4Ω):
インピーダンス: 6~16Ω
周波数帯域:10Hz~100kHz
アナログ端子:4
デジタル端子:
DAC:
ネットワーク:Bluetooth
スピーカー出力:1
サイズ:幅430×高133×奥行284mm
STR-DH190 は、ソニーの入門用のプリメインアンプです。
SONYは、上位機は、5.1chとなるため、2chのプリメインアンプは本機のみです。
本体の大きさは、幅430×高133×奥行284mmです。
入門機としては「大ぶり」なのは、多チャンネルの上位機と筐体設計を共通化しているという部分もありそうです。
ただ、基本的に大きめで重い方が、音質劣化において致命的な「振動対策」において有利です。
その点で、マイナスポイントとも言えない部分はあります。
アンプのパワーは、定格出力は、非開示です。
ただ、実用最大出力は6Ω時100Wというスペックは公開されます。
多少大きなスピーカーでも、インピーダンスの範囲ならば、鳴らせる実力はあるでしょう。
なお、本機の場合、「リニア広帯域パワーアンプ」の内臓が表明され、同社によれば、ノイズ軽減のほか、音質面でも「スピード感やパワー感」に好影響があるとされます。
インピーダンスは、 6~16Ωの表記です。
4Ωのスピーカーを除け、選んで問題ないでしょう。
周波数帯域は、低音域が10Hz、高音域が100kHzです。
低音域のスペックを含めて帯域が広いため、低音域と高音域に共に強いスピーカーが多い「SONYサウンド」を実現しやすい製品と言えます。
なお、高音域が40kHzを超えるため、スペック的には、ハイレゾ音源対応です。ただ、同社は、「デジタル入力」ができない機種は「対応機種」とは明記しない方針です。
実際、ハイレゾを聴く人のための製品ではありません。
アナログ入力は、RCA端子(オーディオ端子)が4系統です。
レコード用のフォノもあります。
デジタル入力は、DAC未搭載のため、非対応です。
スピーカー端子は、2系統です。
バイワイヤリング用というよりも、複数のスピーカーに分けるための実装のようです。
一方、サブウーハー専用の出力はないので、2.1chには非対応です。
ネットワーク機能は、Bluetoothに対応します。
コーデックは、SBCとAACまでです。値段的には十分でしょう。
なお、コーデックの意味する所については、このブログでは、【Bluetoothヘッドホンの比較記事】の冒頭で割と詳しめに書いています。
そのほか、本機は、ワイドFMチューナーが装備されます。
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以上、ソニーのSTR-DH190の紹介でした。
格安のミニコンポから、はじめて「プリメインアンプ」を導入しようと思う場合、安くて高性能なアンプの1つだと思います。
特に本機は、端子が多いので、TVの下に置いて、多くのオーディオ製品とつなげたい場合、候補になる入門機です。
音質部分も、周波数帯域の広さなどに「ソニーらしさ」も見られますし、Bluetooth対応なので、スマホ音楽の再生もできる点も、現代的でしょう。
2万円以内の予算で考えるならば、オススメできる機種の1つです。
【2021年発売】
5・Cambridge Audio AXA25
¥25,108 楽天市場 (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):25W×2
定格出力(4Ω):
インピーダンス: 8Ω
周波数帯域:10Hz~30kHz
アナログ端子:4
デジタル端子:
DAC:
ネットワーク:
スピーカー出力:1
サイズ:幅430×高80×奥行340mm
AXシリーズ AXA25は、英国のケンブリッジオーディオの製品です。
日本の代理店は、バリュートレードです。
本機は、VGPで「2018年度」のエントリーモデルの最高金賞を取った機種(TOPAZ AM5)の後継機で、構成も同じです。
本体の大きさは、幅430×高さ80×奥行340mmです。
8cmと背丈がない機種なので、ラックなどへの設置性はかなり良さそうです。
CDプレイヤーと重ね置きでも問題ないでしょう。なお、写真は同社の AXC25とのコンビです。
アンプのパワーは、8Ω時に25Wです。
この部分についていえば、さほど余裕のあるとは言えない設計です。
インピーダンスは、公式には、 8Ωという規定です。
6Ωあたりでも大丈夫でしょうが、保証性はありません。
周波数帯域は、低音域が10Hz、高音域が30kHzです。
ソニーと比較すると、高音域方面でスペック表記が低いです。
バランス重視で、聴き疲れしにくい音質を目指したする本機の方向性から、音域の広さは過度に追い求めていない(その分値段が安い)とも言えます。
アナログ入力は、RCA端子(オーディオ端子)が4系統です。
デジタル入力は、非対応です。
スピーカー端子は、1系統です。
バナナプラグには対応します。
ネットワーク機能は、非対応となります。
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以上、ケンブリッジオーディオのTOPAZ AM5の紹介でした。
2万円以下グレードのプリメインアンプは、最近、選択肢が少ないので、わりと貴重になってきた製品です。
また、メーカー自体、フラットで味付けのないサウンドを追求する「哲学」を持つため、良かれ悪しかれ、パワーがあるソニー機と、聞き比べると面白い機種でもあります。
音質は、確かに日本の賞を得やすいサウンドで、評価される理由はあるでしょう。
この価格帯では、購入時、候補にできる機種の1つです。
【2014年発売】
6・ヤマハ A-S301 (S)
7・ヤマハ A-S301 (B)
¥34,679 楽天市場 (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):60W×2
定格出力(6Ω):70W×2
インピーダンス: 4~8Ω
周波数帯域:10Hz~50kHz
アナログ端子:5
デジタル端子:光×1・同軸×1
DAC:192kHz/24bit
ネットワーク:
スピーカー出力:2(2.1ch対応)
サイズ:幅435×高151×奥行387mm
A-S301は、ヤマハの中級グレードのプリメインアンプの入門機です。
人気のある機種で、メーカー在庫切れで予約受付中の状況の場合が多いです。
オーディオ機器はあまり在庫に余裕を持たせないので、こうしたことはよくあります。
本体の大きさは、幅435×高151×奥行387mmです。
本機については、入門機としては大柄で、背の高さが15cmで奥行もあります。そのため、設置できるかについては、事前に調査が必要です。
ただ、音質的に言えば、筐体がしっかりしていることは、振動、ノイズ対策においてプラスです。スペースがあるならば、問題ありません。
アンプのパワーは、8Ω時に、最大60Wです。
価格からすれば十分以上であり、クラスでは「優秀」でしょう。
音質は、本機も、振動・ノイズ対策、スピード感などに影響する独自の工夫があります。
ヤマハの場合、ToP-ART(Total Purity Audio Reproduction Technology)という設計思想が有名です。
これは複数の技術の総称ですが、なかでも、回路を完全にシンメトリーにして構成することが伝統です。
マランツも上位機では、こうした構成ですが、ヤマハ機はこの価格からそうしています。
ヤマハは、音の味付けなくそのままを伝えたい「ピュアオーディオ」寄りのメーカーなので、クリアさを特長とする、同社のスピーカーの邪魔をしないようにしています。
インピーダンスも、 4~8Ωまで、対応可能です。
周波数帯域は、低音域が10Hz、高音域が50kHzです。
高音域は40kHzを超えるので、スペックだけで言えば、ハイレゾ音源を扱えるスペックです。
アナログ入力は、5系統と多いです。
筐体の大きさが、ある意味活かされています。
デジタル入力は、本機は、装備されます。
光デジタル端子が1系統と、同軸端子が1系統です。
DACは、PCMで192kHz/24bitに対応できます。
ハイレゾ音源の力を真の意味で発揮させるには、デジタルであるのが「マスト」です。 それを、この価格で実現している点は、本機の大きな特長です。
DSD系は未対応ですが、一般的には問題ないでしょう。
スピーカー端子は、2系統あります。
また、この機種は、バイワイヤリング対応です。
通常のスピーカーは、スピーカー1つに黒と赤の2芯ケーブルを挿します。こちらは、4芯ケーブルも対応できる仕様です。
なお、本機は、サブウーファー用の出力がありますので、2.1chの構成も可能です。
ネットワーク機能は、BluetoothやWi-Fiを含めて未搭載です。
この部分は、残念でしょう。
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以上、ヤマハのA-S301の紹介でした。
デジタル接続対応の「ハイレゾ機」としては、「最安級」といえる製品です。
発売から時間が経っていますが、音質面の哲学を感じられる機種であり、実際、根強い人気もあります。小型スピーカーならば、十分に実力を発揮してくれそうです。
一方、先述のソニー機や、今後見ていくような中級機と比べると、Bluetoothなどのネットワーク接続に未対応という点が、ネックです。
無線の搭載を「ノイズ源」として嫌う方もいますが、実用上はあった方が便利な時代ですから。
1-3・プリメインアンプの比較【5万円〜】
1・ヤマハ
2・DENON & マランツ
3・TEAC ほか
つづいて、実売価格で5万円前後から10万円前後までの予算で購入できる中級者向けアンプを紹介します。
この価格帯で展開があるのは、ヤマハと、デノン&マランツ(同系列)です。
なお価格的に「中級者」と分類しましたが、初心者が購入されても全く問題なく、音質面でもワンランク上の水準を体験できます。
1・ヤマハの中級機
はじめに、ヤマハからです。
【2014年発売】
8・ヤマハ A-S501
¥54,846 Amazon.co.jp (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):85W×2
定格出力(6Ω):100W×2
インピーダンス: 6~8Ω
周波数帯域:10Hz-50kHz
アナログ端子:5
デジタル端子:光×1・同軸×1
DAC:192kHz/24bit
ネットワーク:
スピーカー出力:2(2.1ch対応)
サイズ:幅435×高151×奥行387mm
A-S501も、ヤマハの中級グレードのプリメインアンプです。
本体の大きさは、幅435×高151×奥行387mmです。
多少奥行がある機種ですが、標準的な中級機のサイズの域に収まっています。
その上で、プリメインアンプらしいしっかりとした重量感ある作りですから、音質も期待できそうです。
アンプのパワーは、8Ω時に最大85Wです。
クラス相応の十分な出力です。
インピーダンスは、公式的には、 6~8Ωです。
周波数帯域は、低音域が10Hz、高音域が50kHzです。
帯域は狭くもないですが、同社の上位機と比べると、「広くもない」という水準です。
とはいえ、クリアで中音の厚みに富む「ヤマハスピーカー」の特長は、十分引き出せるでしょう。
アナログ入力は、5系統と多いです。
端子構成的に、TVとの相性も高いと思います。
あまり多いと、本体のダイヤル数が増えて却って不便なのですが、TVの下に置いて、色々な機機とつなげるならば、実用性はあるでしょう。
デジタル入力は、光デジタル端子と同軸端子が1系統です。
DACは、PCMベースで、192kHz/24bitに対応です。
最新ではないですが、たいていの市販のハイレゾ音源がこの水準に収まるので、実用上は問題ないでしょう。
スピーカー端子は、2系統です。
本機も、バイワイヤリング対応です。
そサブウーファー用の出力があるので、2.1ch構成も可能です。
ネットワーク機能は、BluetoothやWi-Fiを含めて未搭載です。
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以上、ヤマハのA-S501の紹介でした。
先ほど見た、同社の下位機種より出力があがって、本格度が増した製品です。
「味付けの少ない」サウンドという明確な「思想」があるヤマハサウンドを体験できる中級機として評価できます。
一定の「企業哲学」を楽しめるのも、オーディオ機器の「楽しみ方」ですから、そういった部分では、「面白い機種」です。
ただ、設計から時間が経っている関係で、周波数帯域が狭めのほか、DACやネットワークの部分で「古くささ」も感じる機種です。
そういった点では、次に紹介する同社の上位製品が目立ちます。
【2023年発売】
9・ヤマハ R-N600A R-N600A(B)
10・ヤマハ R-N600A R-N600A(S)
¥65,220 Amazon.co.jp (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):85W×2
定格出力(6Ω):100W×2
インピーダンス: 2~8Ω
周波数帯域:10Hz~100kHz
アナログ端子:4
デジタル端子:光×2・同軸×2 USB-A
DAC:384kHz/32bit
ネットワーク:Wi-Fi Bluetooth
スピーカー出力:2(2.1ch対応)
サイズ:幅435×高151×奥行392mm
R-N600Aは、ヤマハの中級グレードのプリメインアンプです。
正確には「ネットワークレシーバー」というジャンル名で売られる製品で、Wi-Fi搭載が一番の特長となります。
本体の大きさは、幅435×高151×奥行392mmです。
以前はもう少し薄型のものがありましたが、こちらは普通のサイズです。
アンプのパワーは、8Ω時に最大85Wです。
先ほどの同社の通常のプリメインと数字としては同じです。
インピーダンスは、公式的には、 2~8Ωのデータが記載です。
周波数帯域は、低音域が10Hz、高音域が100kHzです。
ヤマハの他機にもみられますが、アナログPure DIRECTモード時にこのスペックです。
諸回路を止め、スルーすることで、ノイズを抑えつつ出力することになります。主に、ハイレゾ音源を聴く際のものですし、相当パワーを使うスピーカー以外は一般的にモード利用は問題ないでしょう。
アナログ入力は、4系統です。
デジタル入力は、多めで、光デジタル端子・同軸端子が2系統ずつです。
192kHz/24bitまで通すので、テレビでも使いたい場合は、結構良いです。
DACは、384kHz/32bit に対応します。DSDは11.2MHzです。
ESSのSABRE ES9010K2Mです。ハイレゾ対応水準です。
昔からあるミドルクラスですが、味付けができるDACチップなので、ヤマハ独自のチューンをなしています。他社でもたまに見ます。
ただ、同社のフラッグシップとは(さすがに)違うものにしています。
スピーカー端子は、2系統です。
本機も、バイワイヤリング対応です。
サブウーファー用の出力があるので、2.1ch構成も可能です。
ネットワーク機能は、「ネットワークレシーバー」ですので、本機のポイントです。
Bluetooth4.2と無線LAN(Wi-Fi 5)に対応します。
Bluetoothは、SBCとAAC(受信のみ)なので、正直「オマケ」です。
Wi-Fiは、「Google Chromecast built-in」には対応しませんが、AppleのAirplay 2に対応します。
音楽ストリーミング配信は、Spotify・Amazon Musicほか、Radikoにネイティブ対応します。
管理アプリは、同社のMusicCast CONTROLLERアプリです。
スマホ・PC、あるいはストリーミングの配信管理ほか、他社同様、音質などの調整もできます。
スマホなどで設定すれば、ハイレゾ音源を含めて、ダイレクトでWi-Fi配信されます
Chromecast built-inは非対応ですが、Air Play2は使えるので、Apple Musicの配信もそちらのシステムで可能です。そのほか、DLNAにも対応です。
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以上、ヤマハのR-N600Aの紹介でした。
ネットワーク対応ということで、あとで見るマランツ機・デノン機などがライバルです。
ネットワーク部分の甲乙はさほどないので、本体部分の音質の好みで決めるのが良いかなと思います。
ハイレゾについては、若干マランツのが良さそうですが、同社のクリアでピュアな音質は、飽きがきにくく、また良いです。
本機は、デジタルでテレビにも使うことを提案する機種ですし、気取らず、普段使いに置くには良いようにみえました。
【2014年発売】
11・ヤマハ A-S801 B 【黒】
12・ヤマハ A-S801 S 【シルバー】
¥82,716 Amazon.co.jp (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):100W×2
定格出力(6Ω):120W×2
インピーダンス: 4~8Ω
周波数帯域:10Hz-100kHz
アナログ端子:5
デジタル端子:光×1 同軸×1 USB×1
DAC:192kHz/24bi t(DSD 5.6)
ネットワーク:
スピーカー出力:2(2.1ch対応)
サイズ:幅435×高152×奥行387mm
A-S801も、ヤマハの販売するプリメインアンプです。
こちらは、ネットワーク機能がないシリーズのほうの、上級機です。
本体の大きさは、幅435×高さ152×奥行387mmです。
上級機としては、標準的なサイズです。
また、しっかりした重さもあり、振動対策もバッチリと言えます。
アンプのパワーは、8Ω時に最大100Wです。
ここまで見てきたような中級機と比較して、駆動力があり、パワーに余裕があります。
鳴らないスピーカーというのはまずないでしょう。
インピーダンスは、4~8Ωに対応できます。
周波数帯域は、低音域が10Hz、高音域が100kHzです。
広めで問題ありません。なお、ヤマハのハイレゾ機の場合、Pure DIRECTモード時にこのスペックとなります。
アナログ入力は、5系統です。
筐体が大きな分、数にも余裕があります。
デジタル入力は、光デジタル端子が1系統、同軸端子が1系統、USB接続が1系統という構成です。
DACは、192kHz/24bitに対応します。
DSD音源についても、5.6Mhzまで対応します。
スピーカー端子は、2系統です。
この機種もバイワイヤリング対応で、サブウーファーをつなげて2.1ch化も可能です。
ネットワーク機能は、非搭載です。
この部分は、音質重視とは言えるものの、時代を考えると残念です。
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以上、YAMAHAのA-S801の紹介でした。
ステレオ再生機器と考えると、パワーもあり良い機種ですが、ネットワーク機能未搭載と考えると、価格面で多少割高感はあります。
また、発売開始から時間も経っているので、ヤマハから選ぶ場合でも、別の機種が良いでしょう。
2・デノン・マランツの中級機
続いて、デノン&マランツ系の中級プリメインアンプです。
【2019年発売】
13・DENON PMA-600NE
¥44,300 Amazon.co.jp (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):45W×2
定格出力(4Ω):70W×2
インピーダンス: 4-16Ω
周波数帯域:5Hz-100kHz
アナログ端子:4
デジタル端子:同軸 1 ・光×2
DAC:384kHz/32bit
ネットワーク:Bluetooth
スピーカー出力:1(2.1ch対応)
サイズ:幅434×高122×奥行307mm
PMA-600NE は、日本のDENONが発売するプリメインアンプです。
現在は、後ほど見るマランツと「姉妹会社」ですが、音の傾向は明らかに異なります。
「音のキレイさ」「スピード感」を追うマランツに比べると、DENONは、全体的に「低音・パワー重視」の傾向です。
本体の大きさは、幅434×高122×奥行307mm です。
奥行が短いので、底の浅いAVラックへの配置に適しています。スピーカー端子は、こちらもネジ式で、全体的に高級感があります。
アンプのパワーは、8Ω時に最大45Wです。
同社の上位機に較べるとパワーは落ちますが、低音域は充実します。
HC(High Current)トランジスタをシングルプッシュプル配線で備えるなど、デノンの哲学といる「繊細さと力強さの両立」は、このグレードでもみられます。
インピーダンスは、4~16Ωです。
たいていのスピーカーでは、問題ありません。
周波数帯域は、低音域が5Hz、高音域が100kHzです。
最近発売される同社の製品は、(低音域だけでなく)高音域のスペックが高い傾向です。
これは、ハイレゾ対応を訴えるためでしょう。
しかし、注目すべきは、やはり5Hzと相当なスペックを出している低音域です。
低音域をよく出せるDENONのスピーカーとの相性も良いでしょう。
アナログ入力は、4系統入ります。
デジタル入力は、対応です。
光ケーブル・同軸ケーブル、双方の接続に対応できます。
DACは、PCMベースで、384kHz/32bit対応です。
本機は、かなり高解像なハイレゾ音源も扱える仕様です。
スピーカー端子は、1系統です。
ただし、サブウーファー用の出力もあるため、2.1chまでは、対応可能です。
ネットワーク機能は、Bluetoothに対応します。
コーデックはSBCとAACのみですが、最近の音楽家電の状況を考えると、あるに越したことはないと思います。
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以上、DENONの PMA-600NE の紹介でした。
DENON製のスピーカーはもちろん、(バランスがありつつ)充実した低音域を鳴らしたいと考える方には、とても向く中級機です。その上で、高音域方面のスペックも割と良く、実際、音の解像度(分解能)も高いです。
設計自体も近年で、ネットワークやDAC部分も「近代化」されている点をふくめて、中級機では安心して購入できる製品の1つでしょう。
【2019年発売】
14・マランツ NR1200/FN
¥69,300 Amazon.co.jp (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):75W×2
定格出力(6Ω):100W×2
インピーダンス: 4~8Ω
周波数帯域:10Hz-100kHz
アナログ端子:3
デジタル端子:光 同軸 USB×1 HDMI×5
DAC:192kHz/24bit
ネットワーク:Bluetooth LAN Wifi
スピーカー出力:1
サイズ:幅440×高105×奥行378mm
NR1200/FNは、マランツの発売する、中級グレードのプリメインアンプです。
以前は、本機より下位の製品(PM5005)もあったのですが「終売」になったため、同社で最も安いプリメインはこちらです。
アメリカ発祥の老舗音響メーカーで、中上位のプリメインアンプも多く展開する人気メーカーです。
現在は日本企業となり、DENONと同グループになっています。
ただ、低音域が充実するデノンにたいして、マランツは、後述する容易高音域に特徴があり、とくに、ハイレゾ系に強い個性をもちます。
本体の大きさは、幅440×高さ105×奥行370mmです。
高さがなく、設置しやすい機種です。その上で、重量感は十分あり、安定性も高いでです。
アンプのパワーは、定格出力ベースで、8Ω時に75Wです。
本体のサイズ感からすると「パワフル」と言ってよいでしょう。
本機は、マランツの「哲学」に準じた、ノイズがのりにくいフルディスクリート構成です。その上で、本機は「デジタル接続」ということで、電源部分など徹底的なノイズ対策をなしています。
一方、回路構成は、同社の通常のアンプに見られる、高速アンプ(HDAM系統)は採用されませんので、伝統的なマランツのプリメインとは「別ライン」の設計にはなります。
とはいえ、同社らしい「音の綺麗さ」は十分堪能できるでしょう。
インピーダンスも 4~16Ωです。
周波数帯域は、低音域が10Hz、高音域が100kHzです。
周波数帯域を広くとっています。実際、綺麗に高音が出るのは、同社の製品の特徴で、本機もそのようにしています。
高音域に余裕があり、ハイレゾ音源に向く仕様です。
アナログ入力は、3系統です。
デジタルノイズが載らないように、しっかりとシールドされた設計ですので、アナログ・デジタル双方使う方にもおすすめできます。
デジタル入力は、同軸端子・光・USBが1系統です。
加えて、本機はHDMI端子が5系統あります。
そのため、TVを中心とするシステムをステレオ化するのにとても向いてます。4K HDRパススルー対応機ですから、HDMIで繋いでも、画質・音質の劣化もないです。
DACは、こちらも192kHz/24bitに対応します。
ただし、DSD音源には未対応ですね。
スピーカー端子は、1系統です。
ただし、サブウーファー用の出力は装備されません。
ネットワーク機能は、本機も、Bluetooth・有線LAN・無線LAN(Wi-Fi)にフル対応します。
Bluetooth接続は、コーデックがSBCのみなので「おまけ」的ですから、基本的には、Wi-Fiで利用するべきです。
音楽ストリーミング配信は、HEOSというアプリを使います。
こちらについては、Spotify・Tunes in のほか、定額聴き放題サービスのAmazon Musicに対応します。
とくにAmazonの定額聴き放題となるAmazon Music Unlimitedでは、ハイレゾを含む、HD音源の対応がはじまっています。
Amazon Music Unlimitedの料金だけで、HD音源が聴けるようになりました(調査時:月額1,180円・会員980円で、年割もあり)。
無料試用もできる(こちら)ため、事前に試して見るのもよいでしょう。
そのほか、【Amazon Alexa端末の比較記事】で紹介したような、同社の端末から、音声で、アンプの操作をさせることも可能となっています。
そのほか、ワイドFM・AMにも対応します。
スピーカー端子は、2系統あり、この機種もバイワイヤリング対応です。
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以上、マランツのNR1200/FN の紹介でした。
厳選されたパーツによる高音域の「綺麗さ」はマランツの特長ですが、デジタル化された最近の機種にもその傾向は見られます。
ハイレゾに向く製品ですし、ネットワーク機能も搭載するため、割と良い製品です。また、HDMI端子が大量にあるので、映像機器を外部スピーカーでステレオ化したい場合は相当向いています。
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【2020年発売】
15・マランツ PM6007 FN
¥54,000 Amazon.co.jp (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):45W×2
定格出力(4Ω):60W×2
インピーダンス: 4~16Ω
周波数帯域:10Hz-70kHz
アナログ端子:5
デジタル端子:光 同軸 USB×1
DAC:192kHz/24bit
ネットワーク:
スピーカー出力:2(2.1ch対応)
サイズ:幅440×高105×奥行370mm
なお、マランツからは、同じほどの値段とサイズの製品としてPM6007も販売しています。
なお、旧機種のPM6006も残ります。安定性の強化が主眼の改良で、マイナーチェンジです。
ただし、DACの種類が変わっているので、正確には音質は変わるでしょう。
一方、本機も、フルディスクリート構成のアンプですが、こちらは、マランツのメインストリームラインの製品なので、伝統的な高速アンプ(HDAM系統)を採用します。
結果、高級オーディオ独特の表現ですが「音のスピード感」は、本機のほうが感じられます。
こうした点で、音質的には、NR1200/FNより上位と言えますが、ネットワーク機能が省略で、端子構成も、旧来のオーディオ向きです。
どちらかというと、古くからのオーディオファンに向けた製品と言えるでしょう。
【2024年発売】
16・デノン DENON HOME AMP-K
¥100,000 Amazon.co.jp (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):100W×2
定格出力(4Ω):125W×2
インピーダンス: 4~16Ω
周波数帯域:20Hz-20kHz
アナログ端子:1
デジタル端子:光 USB HDMI
DAC:192kHz/24bit
ネットワーク:Bluetooth LAN Wifi
スピーカー出力:1
サイズ:幅217×高さ89×奥行242mm
DENON HOME AMP-Kは、マランの発売するアンプです。
本体の大きさは、幅217×高さ89×奥行242mmです。
大きなお弁当箱型です。
しばらく市場から消えていた同社の小型システムの新型と言えます。
以前の、PMA-150H・PMA-60・PMA-30などの「お弁当箱プリメインアンプ」の新世代と言えます。
アンプのパワーは、定格出力ベースで、8Ω時に100Wです。
小型のフルデジタルアンプですが、出力に妥協がないのが同社らしいです。
基盤は3層です。独自設計の高剛性のモノブロック・インナーストラクチャーが支える構造です。小さな筐体ですが、ノイズ対策などもしっかり表明があります。
筐体に余裕がある機種と同列には語れないにせよ、小型という枠内では、旧機同様に専用技術を詰め込んだ感じがあります。
インピーダンスも 4~16Ωです。
DACは、先述のように、192kHz/24bitに対応します。
周波数帯域は、一方、低音域が20Hz、高音域が20kHzです。
DACはハイレゾ水準ですが、ハイレゾ向きの設計ではないとはいえます。
アナログ入力は、1系統です。
デジタル入力は、光・USB・HDMIが1系統です。
HDMIは、プリメインではさほど意味がないでしょうがeARC対応です。
スピーカー端子は、1系統です。
このほか、サブウーファ端子もあるので、増設可能です。
ネットワーク機能は、Bluetooth・・無線LAN(Wi-Fi)です。
Bluetoothは本機もSBCのみなので、音質はあまり期待できないです。
Wi-Fi利用が前提でしょう。
音楽ストリーミング配信は、上で紹介したHEOSというアプリです。
主要なサービスは網羅しますし、問題ないです。
スピーカー端子は、バナナプラグ対応で、1系統です。
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以上、DENON HOME AMP-Kの紹介でした。
ミニシステムですが、十分な出力がある上で、現代的なネットワーク対応がある製品です。
先述のように、ハイレゾ音源にスペック的に対応してるとは言えない製品ですが、その部分を重視しなくても良い場合は候補でしょう。こうした小型システムは、最近市場に少ないですし、かなり人気が出そうです。
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【2024年発売】
17・マランツ MODEL M1
¥130,000 Amazon.co.jp (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):100W×2
定格出力(4Ω):125W×2
インピーダンス: 4~16Ω
周波数帯域:20Hz-20kHz
アナログ端子:1
デジタル端子:光 USB HDMI
DAC:192kHz/24bit
ネットワーク:Bluetooth LAN Wifi
スピーカー出力:1
サイズ:幅217×高さ89×奥行239mm
なお、同じ形状の製品が、今回はマランツブランドからも出ています。
価格・仕様的には、DENON HOME AMP-Kを基準とすれば、その上位機(改良版)と考えれば良さそうです。
サイズは、幅217×高さ89×奥行239mmです。
トップパネルの部分を除けば、デノンとほぼ同じです。
音響構成も、ほぼ同じです。
通例、同じグレードの製品でも、両社は筐体や音響パーツを替えるのがお約束でした。
しかし、小型の本機の場合、配置を明示的には替えにくかったようで「一卵性双生児」的な製品になってます。
ただ、DENON機にないデジタルフィルタの搭載(Marantz Musical Digital Filtering)は搭載します。そこで、DENONサウンドから、(キャッチコピーである)「正真正銘のマランツサウンド」にしているといえばそうです。
あとは、上部のメッシュ(Waved Top Mesh)の形状を変えることで、音の開放感を出したようですが、そこは正直、さほどの違いを生むのかは微妙です。
仕様面では、マランツ機は、【スマート家電リモコンの比較記事】で書いたような、赤外線発信機能(他社の学習リモコンに登録させるための装備)があります。
その代わりに、本体前面に3種の設定記憶ボタン(クイックセレクトボタン)ないですが、それは問題ないかと思います。
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結論的にいえば、現状の値段差で言えば、リモコン部分に問題を感じないならば、DENON機で良いでしょう。差額の分、良いスピーカーを買った方が満足度は高いでしょう。
3・TEACほかの中級機
続いて、日本のTEAC(ティアック)や中級プリメインアンプです。YAMAHA・DENONなどと並ぶ日本の音響メーカーの草分けです。
そのほかのメーカーも含めて、ここまで見ていない5万円前後までのグレードの製品を総覧します。
【2023年発売】
18・TEAC AI-303-B
18・TEAC AI-303-S
¥79,002 Amazon.co.jp (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):25W×2
定格出力(4Ω):50W×2
インピーダンス: 4-8Ω
周波数帯域:2Hz-70kHz
アナログ端子:2
デジタル端子:光・同軸・USB×1
DAC:192kHz/32bit (DSD 11.2)
ネットワーク:Bluetooth 4.2
スピーカー出力:1
サイズ:幅215×高61×奥行254mm
AI-303は、日本のTEACの発売するプリメインアンプです。
同社の久しぶりのプリメインアンプので、ネットワーク対応製品です。
2023年に早々と新機種になりました。
出力が向上したほか、Bluetoothコーデックの部分で、LDAC・aptX-HD対応にして、ワイヤレスでもハイレゾ対応にしたのが違いです。すでに旧機(AI-301DA-Z/B)は在庫がないですが、いずれにしても新機種は魅力です。
本体の大きさは、幅215×高61×奥行254mm です。
小型で設置性を最重要視したタイプです。
アンプのパワーは、8Ω時に最大25Wです。
マイクロサイズですし、さほど強くないです。
旧機種は、デンマークのICEpowerのユニットでしたが、今回は開示はないです。
ただ、ハイレゾ対応の部分を重視した設計である部分は旧機と同じです。
インピーダンスは、4~8Ωとの表記です。
周波数帯域は、2Hz-70kHzです。
ハイレゾ機ですが、低音域方向のスペックも強調されます。
アナログ入力は、2系統です。
デジタル入力は、同軸と光端子とUSBという構成です。
DACは、384kHz/32bit対応、DSD 11.2MHz双方に対応です。
十分なスペックです。なお、USB接続以外の場合は、192 kHz/24bitまでです。
商品名も「USB DAC Amplifier」ですので、メイン用途はこちらとも言えます。
ネットワーク機能は、Bluetoothを搭載です。
対応コーデックは、上表の全てに対応です。LDAC・AptX-HD双方に対応するスマホ端末はあまりないので、嬉しい部分と言えます。
スピーカー端子は、1系統です。
サブウーファー端子もみられます。
そのほか、ヘッドホン端子も装備です。
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以上、ティアックのAI-303の紹介でした。
中級プリメインアンプの新製品で、デジタル端子周りが「プチ現代化」されていて良いと思った機種です。小型で、多方面の接続で「ハイレゾ対応」できるので、小型スピーカー用として一定のニーズがあるように思えます。
【2024年発売】(直販限定:USBケーブル付属)
19・ SOUND WARRIOR SWD-UA1-SD
¥59,800 Amazon.co.jp (11/26執筆時)
【2023年発売】
19・ SOUND WARRIOR SWD-UA1
¥59,800 楽天市場 (11/26執筆時)
定格出力(8Ω):11W×2
定格出力(4Ω):50W×2
インピーダンス: 4-8Ω
周波数帯域:
アナログ端子:
デジタル端子:光・同軸・USB×1
DAC:192kHz/32bit (DSD 11.2)
ネットワーク:
スピーカー出力:1
サイズ:幅146×高さ40×奥行165mm
SOUND WARRIOR SWD-UA1は、信州の城下工業の発売するプリメインアンプです。
末尾「-SD」は直販限定で、USBケーブル(Type C-B)がおまけで付きます。
本体の大きさは、幅146×高さ40×奥行165mmです。
デスクの下に入る超小型であり、ここが本機の最大の特長です。
冒頭でみたフォスター電機の製品とだいたい同じ高さです。
アンプのパワーは、8Ω時に最大11Wです。
強いとは言えません。
ただ、コンセプト的にデスクトップで小型のスピーカーを鳴らすものでしょうし、問題ないかと思います。
なお、アンプは、「1bit系デジタルアンプ」とのことです。
シャープが長いこと使っていたので、懐かしく感じる表現です。スピード感が特色で、平成中期、一時代を築きました。Atlasも、学生時代上級機を買って、今も保管しています。音質的に、ハイレゾにには向くと思います。
インピーダンスは、4~8Ωとの表記です。
周波数帯域は、非公開です。
ただ、(認証マークはないものの)ハイレゾ対応は表明します。
DACのレベルでは対応しているのは確かですが、正確には分かりません。
アナログ入力は、ありません。
コンパクト化のためでしょう。
デジタル入力は、同軸と光端子とUSBという構成です。
DACは、384kHz/32bit対応、DSD 11.2MHz双方に対応です。
USB接続以外の場合は、192 kHz/24bitまでです。
ネットワーク機能は、Bluetoothを含めて未装備です。
スピーカー端子は、1系統です。
そのほか、ヘッドホン端子も装備です。リモコンも付属です。
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以上、SOUND WARRIOR SWD-UA1 の紹介でした。
最近デノンが復活したとは言え、小型のプリメインは少ないのでその部分で希少価値があります。
音質部分に深入りした説明は少ない機種ですが、1bitデジタルアンプは小型の端末で、ハイレゾで扱うには合いやすいかなと思います。「魔術的」な説明をしないのはかえって潔くも思えます。
ネットワーク機能もないシンプルな製品としては、決して安くないですので、価格は課題でしょう。
次回につづく!
音質が良いプリメインアンプのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回はプリメインアンプの比較の1回目記事でした。
しかし記事は、まだまだ、続きます。
2・プリメインアンプの比較 (2)
2-1:10万円〜
3・プリメインアンプの比較 (3)
3-1:20万円〜
3-2:最終的なおすすめの提案【結論】
2回目記事【こちら】では、今回紹介しきれなかった、機種を順番に紹介していきます。
アンプのパワー ★★★★★
音域の広さ ★★★★★
ネットワーク再生 ★★★★★
設置性 ★★★★★
ノイズ対策 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、3回目記事(こちら)の結論編で、今回紹介した全てのアンプから、予算別・目的別にAtlasのおすすめ機種を提案したいと思います。
引き続き、よろしくお願いします!
3回目記事は→こちら
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