今回のお題
音質が良い!プリメインアンプのおすすめはどの機種?
ども!Atlasです。
今回は、2022年2月現在、最新のプリメインアンプ・ネットワークアンプの比較です。
1・プリメインアンプの比較 (1)
1-1:1万円〜
1-2:5万円〜
2・プリメインアンプの比較 (2)
2-1:10万円〜
2-2:20万円〜
3・プリメインアンプの比較 (3)
=最終的なおすすめの提案
2回目記事となる今回は、高級機といってよい、10万を超えるプリメインアンプを見ていきます。
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アンプのパワー ★★★★★
音域の広さ ★★★★★
ネットワーク再生 ★★★★★
設置性 ★★★★★
ノイズ対策 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
以下では、いつものように各機種を順番に紹介します。
その上で、最後に、上表のような指標から、目的別・価格別に「Atlasのおすすめプリメインアンプ」を提案する形式で書いていきます。
2-1・プリメインアンプの比較【10万円〜】
1・DENON & マランツ〈日本〉
2・ELAC〈ドイツ〉
3・Cambridge AUDIO〈英国〉
はじめに、実売価格で、10万円前後〜20万円の製品からです。
すでにプリメインアンプを持っていて、(良いのに)買換えよう!と思っている方におすすめの価格帯です。
この価格帯にはヤマハの展開がないので、以上のような順番で見ます。
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なお、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤字系で、イマイチと思う部分を青字系で記していきます。
1・デノン・マランツの上級機
はじめに、同系列のデノン&マランツ系の上級プリメインアンプからです。
【2019年】
19・マランツ PM7000N/ FN
¥102,600 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
定格出力(8Ω):60W×2
定格出力(4Ω):80W×2
インピーダンス: 4-16Ω
周波数帯域:5-100 kHz
アナログ端子:3
デジタル端子:光×2 同軸 USB×1
DAC:192kHz/24bit (DSD 5.6)
ネットワーク:Bluetooth LAN Wi-Fi
スピーカ出力:1(2.1ch対応)
サイズ:幅440×高125×奥行379mm
PM7000Nは、マランツの上級アンプです。
本体の大きさは、幅440×高さ125×奥行379mmです。
どっしりとした重量感が感じられる外観ですが、実際10.8kgの重さがあります。
以外と背丈が低いので、設置性は良いと思います。なお、大きめのディスプエイは、有機ELで、日本語表示にも対応します。
アンプのパワーは、4Ω時に最大80Wです。
この価格帯の製品としては標準的な実力です。パワーの点では全く問題ありません。
インピーダンスも、 4~16Ω対応です。
大抵のスピーカーは問題なく駆動します。
もちろん、フルディスクリート構成で、同社の通常機の特長とも言えるスピード感・音のキレイさを感じられます。
その上で、デジタル接続に対応するため、回路をシールドケースに入れるなど、ノイズ対策も万全です。
一方、デジタル接続対応の同社の下位機(NR1200/FN )と異なり、本機は、ネットワーク対応型ですが、従来的な高速アンプ(HDAM系統)を採用しています。
周波数帯域は、低音域が5Hz、高音域が100kHzです。
帯域も広く、問題ないでしょう。良いスペックです。
アナログ入力は、4系統です。
デジタル入力は、光デジタル端子、同軸端子、USB接続端子がそれぞれ1系統という構成です。
DACは、192kHz/24bitに対応し、DSD音源は、5.6Mhzまで対応します。
スピーカー端子は、一方、1系統です。バイワイヤリングには非対応です。
ただし、サブウーファー用の端子があるので、2.1chとしても利用できます。
ネットワーク機能は、Bluetoothと、有線LAN・無線LAN(Wi-Fi)に対応します。
ただし、Bluetoothについては、SBCのみ対応です。
最近は、SBCの音質もBitPool 53規格の登場で、AACに近づいたものの、期待値は低いです。
Wi-Fiなどの利用が前提でしょう。
音楽ストリーミング配信は、下位機種同様に、マランツのHEOSというアプリを使います。
やはり、Spotify・Tunes in のほか、定額聴き放題サービスのAmazon Music Unlimitedに対応します。
先述のように、2021年6月からは、これまでは「通常音質(SD音質)」の聴き放題サービスだった、月額980円(会員780円)のAmazon Music Unlimitedの料金だけで、追加料金なしで、ハイレゾを含む、HD音源が聴けるようになりました。
このサービスについては、同社の説明サイト(こちら)に詳しいです。
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以上、マランツのPM7000Nの紹介でした。
高音域がキレイに出るマランツの特長をキープしたまま、低音域についても実力を伸ばした良い機種です。音のスピード感も十分です。
本体の作りも堅実で、パーツも良いものを選んでおり、プリメインアンプとして、スピーカーの性能をフルに出し切れる性能があると思います。
課題だったネットワークにも対応したため、「オールインワン」機として、その部分でも「おすすめ」しやすい機種となりました。
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【2017年】
20・マランツ PM8006
¥122,000 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
定格出力(8Ω):70W×2
定格出力(4Ω):100W×2
インピーダンス: 4-8Ω
周波数帯域:5-100 kHz
アナログ端子:5
デジタル端子:
DAC:
ネットワーク:
スピーカ出力:2
サイズ:幅435×高125×奥行379mm
なお、上位機としてPM8006という製品もあります。
ただこちらは、デジタル入力・DACを搭載しないタイプで、どちらかといえば、レコードを含む「アナログユーザー」をターゲットにした仕様です。
ネットワーク関係の機能もない、ハイアマチュア向けの製品になりますので、注意しましょう。
【2022年】
21・DENON PMA-1700NE-SP
¥189,000 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
【2016年】
22・DENON PMA-1600NE-SP
¥168,000 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
定格出力(8Ω):70W×2
定格出力(4Ω):140W×2
インピーダンス: 4-16Ω
周波数帯域:5Hz-100kHz
アナログ端子:3
デジタル端子:光×2 同軸×2 USB×1
DAC:384 kHz/ 32 bit (DSD 11.2)
ネットワーク:
スピーカ出力:2
サイズ:幅435×高135×奥行410mm
PMA-1700NEは、DENONのプリメインアンプの上位機です。
2016年~のロングセラーだったPMA-1600NEの後継機です。
外観は液晶のサイズと多少のボタン構成の変化に止まります。
(大事な)中身については、プリアンプ部もパワーアンプ部も完全な刷新で、フルモデルチェンジとされます。スペック的に表れない部分ですが、トランスが新しくなったほか、ボリュームも新方式です。
30万円台の上位グレードの製品(PMA-A110)とパーツを共通化させることでのコスト削減のように思えますが、(下位機種の場合)メリット性しかないでしょう。
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結論的にいえば、Atlasが選ぶならば新機種です。
本体の大きさは、幅435×高135×奥行410mmです。
上位機はあえて重量感を増し、ノイズ・振動対策とするものですが、こちらも17.6kgと「ずっしり重い」安心感のある機種です。
アンプのパワーは、8Ω時に最大70Wです。
加えて、専用の大容量電源を搭載し、同社のシステムらしく、駆動に余裕を持たせています。
サイズにかかわらず、大抵のスピーカーは鳴しきるでしょう。
周波数帯域は、低音域が5Hz、高音域が100kHzです。
同社は、最近、従来から得意な低音のスペックを重要視しつつ、ハイレゾ時代に対応するため高音域にもメスを入れています。
あくまでスピーカーが主役と考えると、これは良い傾向に思います。
アナログ入力は、3系統です。
また、アナログ接続の際は、デジタルへの給電を完全に断った上で、ランプまで消灯させる徹底したノイズ管理をしていいます。
アナログ・デジタルを併用したい方には、この機種は良い選択肢です。
デジタル入力は、光デジタル端子が2系統、、同軸端子・USB接続端子が1系統という構成です。
DACは、PCMベースで、最大384kHz/32bitに対応します。
ハイレゾ音源でも、高解像度なものも楽しめるスペックです。
DSD音源は、11.2Mhzまで対応します。
スピーカー端子は、2系統あり、この機種もバイワイヤリング対応です。
ただし、サブウーファー用の端子はありません。
ネットワーク機能は、未搭載です。
おそらく、ノイズ面を考えてあえて搭載していないのだとは思います。
ただ、利用しない時は完全に「オフにする」モードなどは(作ろうと思えば)作れるとは思いますが。
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以上、DENONのPMA-1700NEの紹介でした。
およそ音質の点で言えば、非の打ち所がない機種です。デジタル・アナログ共に、スピーカーの実力を邪魔しない再生が可能だと思います。
2・ELACの上級機
続いて、ドイツのELACのプリメインアンプです。
【2019年】
22・ELAC インテグレーテッド・アンプ DS-A101-G
¥128,750 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
定格出力(8Ω):80W×2
定格出力(4Ω):120W×2
インピーダンス:4-8Ω
周波数帯域:20Hz-40kHz
アナログ端子:2
デジタル端子:光 同軸 ×1
DAC:192kHz/24bit
ネットワーク:Bluetooth LAN Wi-Fi
スピーカー出力:1 (2.1ch対応)
サイズ:幅214×高60×奥行313mm
DS-A101-G は、ドイツのELACのプリメインアンプです。
発売以後、日本でも専門誌を中心に話題になった製品です。
本体の大きさは、幅214×高60×奥行313mmです。
本機は小型機ですが、DENON機以上に小型です。
アンプのパワーは、8Ω時に最大80Wです。
サイズ感からして出力が高いのは、AB級アンプとD級アンプの違いという部分もあります。
その上で、スイッチング電源を使用する形式のBASHトラッキングアンプを採用する工夫で、サイズ感とパワーを両立させています。
周波数帯域は、日本では非公開です。
海外サイトをみたところ、20Hz~40kHzとのことでした。
ハイレゾ基準ギリギリで、低域方向もすこしスペックが低いでしょう。
アナログ入力は、2系統です。
デジタル入力は、光・同軸・USB端子が備わります。
DACは、192 kHz / 24 bitとなります。
スピーカー端子は、1系統ですが、サブウーファー用の出力があります。
ネットワーク機能は、Bluetoothと、有線LAN・無線LAN(Wi-Fi)に対応します。
Bluetoothについては、詳細が非公開ですが、SBCのほか、Apt-Xは対応するとのことです。
Wi-Fiについては、AirPlayに対応できます。
音楽ストリーミング配信は、Streamモードが搭載です。
同社によると、Spotifyには対応します。
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以上、ELACのDS-A101-Gの紹介でした。
用途やサイズ的にはDENONのPMA-150H のライバルでしょう。
音質的には賞の「お墨付き」がありますので、クラス相応の実力はあるでしょう。
ただ、ネットワーク利用の利便性の部分と、値段の部分で、少しだけ負けるかと思います。
3・ケンブリッジオーディオの上級機
続いて、イギリスのケンブリッジオーディオの上級プリメインアンプです。
【2021年】
23・ Cambridge Audio CXA81
¥152,900 楽天市場 (5/23執筆時)
定格出力(8Ω):80W×2
定格出力(4Ω):120W×2
インピーダンス:4-8Ω
周波数帯域:5Hz-60kHz
アナログ端子:4
デジタル端子:光×2 同軸 USB×1
DAC:384 kHz/ 32 bit (DSD 256)
ネットワーク:Bluetooth
スピーカー出力:1 (2.1ch対応)
サイズ:幅430×高115×奥行341mm
CXA81 は、イギリスのケンブリッジオーディオのプリメインアンプです。
前半で見た、同社のAXシリーズより上位のCXシリーズに属します。
本体の大きさは、幅430×高115×奥行341mmです。
幅はありますが、高さは11.5なので、わりと収納しやすいように思います。
アンプのパワーは、8Ω時に最大80Wです。
同社の下位シリーズは、あまりアンプが強くなかったですが、本機は、価格相応の水準にあります。
周波数帯域は、5Hz-60kHzです。
広めであり、ハイレゾ基準に達します。
アナログ入力は、4系統です。
ほかに、バランスも1系統あります。
デジタル入力は、光・同軸・USB端子が備わります。
なお、光は、2系統あります。
DACは、PCMベースで、最大384kHz/32bitに対応します。
DACはメーカーが開示されていて、ESSのES9016
ここまで出せるのはUSB接続時に限り、他の接続方式だと落ちますが、これは他社も同じです。
スピーカー端子は、1系統ですが、サブウーファー用の出力があります。
ネットワーク機能は、Bluetoothのみ付属です。
コーデックは、 aptX HDをフォローし、それでハイレゾに対応させます。
その他の対応規格は不明ですが、SBCほか、Apt-Xは対応するでしょう。
一方、Wi-Fiが未装備ですが、やはり、ノイズを嫌うストイックなメーカーだからでしょうね。
音楽ストリーミング配信は、非対応です。
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以上、Cambridge Audio CXA81 の紹介でした。
ファンが多い「中音域重視のアンプ」の最新作ですが、パワー面とBluetoothに対応したことで、すこし汎用的な製品になった印象です。
入門シリーズと音の傾向は維持されますので、気に入っている方の買換には良いでしょう。
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【2021年】
24・ Cambridge Audio CXA61
¥119,900 楽天市場 (5/23執筆時)
定格出力(8Ω):60W×2
定格出力(4Ω):90W×2
インピーダンス:4-8Ω
周波数帯域:5Hz-60kHz
アナログ端子:4
デジタル端子:光×2 同軸 USB×1
DAC:384 kHz/ 32 bit (DSD 256)
ネットワーク:Bluetooth
スピーカー出力:1 (2.1ch対応)
サイズ:幅430×高115×奥行341mm
なお、本機については、下位機種となるCXA61が同時に発表されました。
こちらについては、筐体は同じで、アンプ出力だけ弱くなった製品とみれば、OKです。
ただ、数値スペックは同じですが、DACチップをES9016からES9010に変更しています。
部品としても1万円前後のグレードの上下関係があり、ビットパーフェクト・デジタル・ボリュームに対応せず、特に小音量にした場合、上位機と差があるチップです。
そのほかは、バランス端子がないなど、細かい部分以外は、筐体を含めて同じです。
2-2・高級なプリメインアンプの比較
1・DENON & マランツ〈日本〉
2・ヤマハ〈日本〉
3・その他の企業〈各社〉
ここからは、いわゆる「ハイエンドクラス」をふくむ、高級なプリメインアンプを紹介します。
上を見れば「GOLDMUND Telos 590 」など300万円を超えるプリメインアンプもあります。
しかし、このブログの記事の主旨にそぐわないので、最高でも「50万円以内」を目安として選びました。
いずれにしても、「オールインワン」タイプのプリメインアンプは、際限なく高い「ハイエンド機」は、存在しなくはないですが、数は少ないです。
1・デノン・マランツの高級機
はじめに、デノン&マランツ系の高級プリメインアンプです。
【2016年】(22年6月再入荷予定)
25・DENON PMA-2500NE
(¥229,800) 楽天市場 (5/23執筆時)
定格出力(8Ω):80W×2
定格出力(4Ω):160W×2
インピーダンス: 4~8Ω
周波数帯域:5Hz~100kHz
アナログ端子:4
デジタル端子:光×2 同軸×2 USB×1
DAC:384 kHz/ 32 bit (DSD 11.2)
ネットワーク:
スピーカ出力:2
サイズ:幅435×高182×奥行431mm
PMA-2500NE-SPは、DENONのプリメインアンプの高級機です。
1つ上で紹介したPMA-1600NEの上位機です。
本体の大きさは、幅435×高182×奥行431mmです。
下位機種も重量感がありましたが、さらに、こちらは、25kgと「下手に持つと腰が抜けそうなほど重い」機種です。制震性は高いでしょう。。
アンプのパワーは、8Ω時に最大80Wです。
増幅は本機も一段ながら、下位機種よりもさらに電源の安定化をはかり、パワーを持たせた製品です。
安定的な再生が可能ですが、その分消費電力は高く、また、夏場に発熱するので、このクラスの導入は、「苦労を厭わないオーディオ好き」以外にはオススメしません。
周波数帯域は、一方で、低音域が5Hz、高音域が100kHzと基本仕様は同じです。
アナログ入力は、下位機より1系統多く、4系統です。
デジタルノイズの管理は、下位機種同様の仕様です。
デジタル入力は、光デジタル端子、同軸端子が2系統、USB接続端子が1系統という構成です。
DACは、本機も、最大384kHz/32bitに対応します。
スピーカー端子は、2系統です。
この機種もバイワイヤリング対応です。ただし、サブウーファー用の端子はありません。
ネットワーク機能は、この機種の場合、未搭載です。
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以上、DENONのPMA-2500NEの紹介でした。
下位機種に比較すると、アンプ回路の見直しで、デノンの「哲学」である低音域再生力が向上しています。回路的な安定性も増しています。
ただ、下位機種の方が発売が新しいため、そちらには、高速デジタルアイソレーターなど新技術が搭載されています。
発熱や商品電力の問題もあるため、結論的にいえば、現状では、PMA-1600NEのほうがよいでしょう。
ただ、Atlasの試聴結果は良好で、デジタル・アナログ共に、スピーカーの実力を邪魔しない再生が可能です。こちらは、Atlasの「買い換え候補」でしたが、ネットワーク再生にはやはり対応して欲しかったです。
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【2020年】
26・DENON PMA-A110GS
¥374,000 ビックカメラ.com (5/23執筆時)
定格出力(6Ω):80W×2
定格出力(4Ω):160W×2
インピーダンス: 4~16Ω
周波数帯域:5Hz~100kHz
アナログ端子:3
デジタル端子:光×3 同軸×1 USB×1
DAC:384 kHz/ 32 bit (DSD 11.2)
ネットワーク:
スピーカ出力:1
サイズ:幅434×高182×奥行450mm
なお、2020年に、デノン創立110周年記念としてPMA-A110という機種が登場しています。
本体の大きさ・アンプのパワー・周波数帯域・DACなどのスペックは下位機種を踏襲します。
ただ、端子構成が異なります。
アナログ入力は、下位機より3系統です。
デジタル入力は、光デジタル端子3系統、同軸端子が1系統、USB接続端子が1系統という構成です。
DACは、本機も、最大384kHz/32bitに対応します。
スピーカー端子は、1系統です。
一方、技術的には、電流部分で、「Advanced UHC-MOSシングルプッシュプル増幅回路」を採用し、供給量と安定性を高めています。
そのほか、下位機種は、ハイゲインアンプによる一段増幅ですが、本機から、可変ゲイン型プリアンプとパワーアンプの2段増幅となります。そのほか、電子ボリューム採用など、値段相応に機能性は高まりました。
結果として、端子数が減ったのは、こうした新技術とバーターだったからだと思います。
加えて、光・同軸の1系統について、「テレビ自動再生機能」が付きましたが、細かい部分ですが、結構便利に思います。
【2022年】
【メタル】MODEL40N/FN
27・ マランツ MODEL 40n
¥271,700 ビックカメラ.com (5/23執筆時)
【ブラック】MODEL40N/FB
28・ マランツ MODEL 40n
¥271,700 ビックカメラ.com (5/23執筆時)
定格出力(8Ω):70W×2
定格出力(4Ω):100W×2
インピーダンス: 4-16Ω
周波数帯域:5Hz~100kHz
アナログ端子:3
デジタル端子:
DAC:
ネットワーク:
スピーカ出力:1(2.1ch対応)
サイズ:幅443×高130×奥行432mm
MODEL 40n は、マランツの販売するプリメインアンプです。
現在では、高級機では希少な「ネットワークプリメイン」といえます。
本体の大きさは、幅440×高127×奥行432mmです。
外観は、後ほどみる上位機(MODEL 40)と同じです。
後ろにWi-Fiユニットが付く分、奥行がごくわずかに違うだけです。
アンプのパワーは、8Ω時に70Wです。
DENONに比べれば重視しませんが、十分に強力です。
周波数帯域は、一方で、低音域が5Hz、高音域が100kHzです。
スペックで決まるわけではないですが、数値からは「ハイレゾ重視」の意図性が伝わります。
メーカー的に相性は良いため、マランツ系を選ぶ方はそこにこだわる方も多そうです。
アナログ入力は、3系統あります。
ただ、アナログなプリメインアンプとしては、同社のモニターグレード機にも採用される、フルディスクリート構成の電流帰還型プリアンプを採用します。
パワーアンプ部も「ハイスピード」をキーワードにしつつも、マランツ系としては、余裕を持たせていると言えます。
スピーカー端子は、1系統です。
バイワイヤリングは非対応ですが、サブウーファー用の端子はあります。
ネットワーク機能は、Bluetoothと、有線LAN・無線LAN(Wi-Fi)に対応します。
Bluetoothについては、本機も、SBCのみ対応です。
音楽ストリーミング配信は、同社の下位機種と仕様は同じです。
したがって、Amazon Music Unlimited(こちら)のハイレゾ音源も利用できます。
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以上、マランツのMODEL 40n の紹介でした。
個人的には、ネットワークがないプリメインは、時代にそぐわないと考えています。
テクニクスも止めてしまったので、その点では、20万円台にマランツブランドで「対応機」が出たのは良い情報でした。
予算的な余裕がある場合は、候補にできるかと思います。
【2021年】
【メタル】MODEL30/FN
29・ マランツ MODEL 30
¥313,300 ビックカメラ.com (5/23執筆時)
【ブラック】MODEL30/FB
30・ マランツ MODEL 30
¥313,300 ビックカメラ.com (5/23執筆時)
定格出力(8Ω):100W×2
定格出力(4Ω):200W×2
インピーダンス: 4-16Ω
周波数帯域:5Hz~50kHz
アナログ端子:5
デジタル端子:
DAC:
ネットワーク:
スピーカ出力:1(2.1ch対応)
サイズ:幅443×高130×奥行431mm
MODEL 30 は、マランツの販売するプリメインアンプの最上位機です。
先ほどみた40nとちがって、こちらについては、ネットワーク非搭載です。
ただ、「どこから壊れるか、どこから陳腐化するか」という部分を考えると、長期間使いたいだろうこのグレードならば、未搭載が「正解」とは思いますが。
本機は、2018年登場のPM-12の後継機ですが、そちらとは外観をがらっと換えてきました。
外装は同じ、アルミ外装ですが、フロントが「クラシックからモダン」になりました。
さすが「品が良い」感じで、エレガントでブランドイメージ通りだなと、個人的には思います。
と書いていたら、2021年に「本体ブラック」なモデルもでました。
なお、先ほどみたミドルクラスの40nもこられと同じ筐体です。
本体の大きさは、幅440×高127×奥行431mmです。
従来機の課題だった奥行も縮まったので、設置性は良いです。
アンプのパワーは、8Ω時に100Wと、相応にパワフルです。
6Ωデータはないですが、無論これを超えるでしょう。
いずれにしても、トールボーイの大きなスピーカーも十分でしょう。「古くて大きな」スピーカーも対応できそうです。
周波数帯域は、一方で、低音域が5Hz、高音域が50kHzです。
後述するように、ハイレゾには向かない仕様なので、高音域はこれほどでも良いでしょう。
アナログ入力は、5系統あります。
そのほか、PHONO端子も付属です。
一方、デジタル端子はなく、こちらは、アナログ専用機となります。
本機も、40nと同じく電流帰還型プリアンプを採用し、音のスピード感・解像感を高めています。
その上で、歪が少ないスイッチング・パワーアンプも、やはり上位機と同様に搭載しました。
とくに、この方式の採用で、(スペースを食いがちな)パワーアンプ部とヒートシンクの小型化に成功しています。結果、コンパクト性を保持したままで、大容量電源・充実するプリアンプ部を実現できています。
試聴しましたが、重層感とスピード感が特に強調できます。
スピーカー端子は、1系統で、バイワイヤリングは非対応です。
そのほか、プリアウト端子があります。
ネットワーク機能は、この機種の場合、未搭載です。
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以上、マランツのMODEL 30 の紹介でした。
音質部分は申し分なく、「しっかり語れるパーツ」が採用されています。
たいへんエレガントな外観ですが、アナログ専用ですから、ターゲット層は「古き良き時代」のハイファイスピーカーの愛好者でしょう。
ただ、高級で設置性も担保されるプリメイン機ですし、ラインナップとして貴重です。
2・ヤマハの高級機
続いて、ヤマハの高級機です。
【2020年】【予約受付中】
31・ヤマハ A-S1200
¥286,000 ビックカメラ.com (5/23執筆時)
定格出力(6Ω):90W×2
定格出力(4Ω):150W×2
インピーダンス: 4-8Ω
周波数帯域:10Hz~50kHz
アナログ端子:4
デジタル端子:
DAC:
ネットワーク:
スピーカ出力:2
サイズ:幅435×高157×奥行463mm
A-S1200(SP) は、ヤマハの販売するプリメインアンプの高級機です。
同時に本機の上位機となるA-S2200とA-S3200も登場しましたが、30万を軽く超えてきます。
2020年に登場した機種で、アナログ接続を前提とした製品です。
最近、プリメインアンプの高級機の新機種が増えていますが、パワー・プリアンプを別々に買いたくない、オールドファンのニーズが増えているのかと思います。
本体の大きさは、435×高157×奥行463mm です。
大きめで奥行も必要な本格派です。 22kgと相当な重量があります。
アンプのパワーは、6Ω時に90Wです。
大容量のトロイダル型電源トランスなど、出力にとにかく気を使った製品です。
周波数帯域は、一方で、低音域が5Hz、高音域が50kHzです。
アナログ入力は、4系統で、PHONO端子も付属です。
デジタル端子はなく、アナログ専用機となります。
スピーカー端子は、2系統で、バイワイヤリングは対応です。
サブウーファー用の端子はありません。
ネットワーク機能は、未搭載です。
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以上、A-S1200(SP) の紹介でした。
短時間試聴しましたが、仕様的に高級機であることは間違いなく、いい音を鳴らします。
ただ、先述のように、この系統の仕様の製品は、フォノ端子を活用するようなオールドファン向けであり、現代的な音源、音響機器を「ちょっと良い音が聴きたい」感じで買うものでないです。
消費電力も高く、それなりに発熱もするため、しきいは高いでしょう。
3・その他の高級機
最後に、ここまでみたメーカー以外の製品をまとめてみることにします。
【2022年】
32・ARCAM SA20
¥137,309 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
定格出力(6Ω):
定格出力(4Ω):80W×2 (RMS)
インピーダンス:
周波数帯域:20Hz~20kHz
アナログ端子:3
デジタル端子:光×2 同軸×2
DAC:192 kHz / 24 bit (DSD 128)
ネットワーク:LAN
スピーカ出力:1
サイズ:幅433×高87×奥行323mm
SA20 は、イギリスのARCAMのクラスGのプリメインアンプです。
ハーマンの傘下にになり日本に再上陸とのことです。
本体の大きさは、幅433×高さ87×奥行323mmです。
比較的背が低いアンプであり、クラスGアンプの利点を活かします。
設置性は良さそうです。
アンプのパワーは、4Ω時に最大80Wです。
RMS表記での値です。
通常表記だと90W/8Ω・150W/4Ωです。大型のトロイダルトランスを採用し、駆動は十分でしょう。
周波数帯域は、低音域が20Hz、高音域が20kHzです。
水準としてですが、ハイレゾには対応していません。
アナログ入力は、3系統です。
ほかにフォノもあります。
デジタル入力は、光デジタル端子が1系統、同軸端子が2系統です。
DACは、最大192 kHz / 24 bitです(同軸のみ)。
ESSのESS9038K2Mを採用しています。
スピーカー端子は、1系統で、横並びの配置です。
ネットワーク機能は、有線LAN端子が装備されます。
音楽ストリーミング配信は、米国仕様としては、 Spotify Connectは利用できます。
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以上、ARCAM SA20 の紹介でした。
スペック的にみると平凡ですが、十分な電源を確保した上で、無駄を省き、できるだけシンプルな設計という哲学のメーカーなので、これで良いかと思います。
ただ、ターゲット層は本機についてもオールドファンであり、仕様的な革新は、電源の強化を除けばあまりみられません。
【2020年】
33・PS Audio Stellar STELLAR-STRATA-B
34・PS Audio Stellar STELLAR-STRATA-S
¥360,000 楽天市場 (5/23執筆時)
定格出力(6Ω):
定格出力(4Ω):75W×2
インピーダンス:
周波数帯域:20Hz-20kHz
アナログ端子:3
デジタル端子:光×1 同軸×2 USB×1
DAC:384 kHz / 32 bit (DSD 128)
ネットワーク:LAN (Wi-Fi)
スピーカ出力:1(2.1ch対応)
サイズ:幅430×高83×奥行343mm
Stellar Strataは、アメリカのPS Audioが販売する新製品です。
デジタル・アナログ問わず、高級オーディオを得意とするメーカーで、日本ではオーディオ商社の完実電気が輸入します。
本機も、「ネットワーク対応する高級機」なので、ライバルはテクニクスのSU-G30になります。
本体の大きさは、幅430×高さ83×奥行343mmです。
設置性は、かなり良いです。背が低いので、たいていの場所には収まります。
アンプのパワーは、4Ω時に最大75Wです。
サイズ感が影響しているとはいえ、値段からすると、この部分は他社に及ばないのも確かです。
周波数帯域は、低音域が20Hz、高音域が20kHzです。
水準として、ハイレゾには対応せず、その部分を狙った製品ではないと言えます。
アナログ入力は、3系統です(バランス1系統)。
デジタル入力は、光デジタル端子が1系統、同軸端子が2系統、USB接続端子が1系統という構成です。
DACは、最大384 kHz / 32 bitに対応します。
ただし、こちらも、USBとI2S接続時に限ります。
同軸だと最大192kHz/24bit、光端子だと最大 96kHz/24bitです。DSDは128までです。
スピーカー端子は、1系統あり、この機種はバイワイヤリング非対応です。
ネットワーク機能は、本機については、有線LAN端子を利用して再生する形式です。
本機については、Wi-Fiが搭載なのですが、(恐らくのところ、日本の「技適」認証の関係で)日本では「ONにするな」との注意書きがありました。
音楽ストリーミング配信は、米国仕様としては、 Spotify Connectは利用できます。
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以上、PS AudioのStellar Strataの紹介でした。
高級機として、ネットワーク機能がある機種として貴重です。
技術的にも、同社の看板技術である「digital Lens」をはじめとする、ノイズ対策などが充実します。
ただ、Wi-Fiの部分で、しっかり技適を通してから販売するべきだった製品でしょう。
技適はマーク印字が必要でしょうし、後日追加ということもないでしょう。仮に「セカンドエディション」などがでるとしたら、それはそれで残念です。
【2019年】
35・LUXMAN SQ-N150
¥214,412 楽天市場 (5/23執筆時)
定格出力(6Ω):10W×2
定格出力(4Ω):
インピーダンス:
周波数帯域:20Hz-80kHz
アナログ端子:4
デジタル端子:
DAC:
ネットワーク:
スピーカ出力:1
サイズ:幅435×高182×奥行431mm
SQ-N150 は、日本の真空管アンプの代表的メーカーのラクスマンの販売する、プリメインアンプです。
数モデル展開がありますが、最も値段が安く、技術的にも最新なモデルがこちらです。
D-N150というCDプレーヤーと同時に発表されました。
本体の大きさは、幅435×高182×奥行431mm です。
真空管部分があるため、縦方向に特殊な形状です。
アンプのパワーは、6Ω時に10Wです。
真空管の本数は、4本で、これを5極管につなげています。プッシュプル構成です。
同社の「超高級」プリメインアンプと異なり、出力は「深追い」していない製品です。【小さめのブックシェルフスピーカー 】と合わせるのが基本です。
周波数帯域は、一方で、低音域が20Hz、高音域が80kHzです。
古い音楽愛好者にファンが多いメーカーですが、ハイレゾ対応なスペックです。
ただし、同時発売のCDプレーヤー(D-N150)自体は、USBでハイレゾを扱える機種ですが、プリメインアンプは、あくまで「アナログ」のみなので、「ハイレゾ」対応は表明していません。
アナログ入力は4系統です。
デジタル入力は、ありません。
スピーカー端子は、バイワイヤリング非対応です。
ネットワーク機能は、この機種の場合、未搭載です。
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以上、ラクスマンのSQ-N150の紹介でした。
真空管アンプの音質は「暖かい」と形容される独特のものです。音の正確な再生と、解像感を高める方向性で進んだアンプとは方向性が異なりますが、その独特のサウンドはファンが多いです。
ただ、夏場に発熱する点、外部ノイズにシビアな点は注意してください。
次回につづく!
プリメインアンプのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回はプリメインアンプの紹介でした。
記事は、もう少しだけ「続き」ます。
1・プリメインアンプの比較 (1)
1-1:1万円〜
1-2:5万円〜
2・プリメインアンプの比較 (2)
2-1:10万円〜
2-2:20万円〜
3・プリメインアンプの比較 (3)
=最終的なおすすめの提案
アンプのパワー ★★★★★
音域の広さ ★★★★★
ネットワーク再生 ★★★★★
設置性 ★★★★★
ノイズ対策 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
次回の最終回記事(こちら)は、今回の「結論編」です。
今回紹介した全てのアンプから、価格別・目的別にAtlasのおすすめ機種を提案したいと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
3回目記事は→こちら