【今回レビューする内容】2023年 最新ハイレゾイヤホンの音質とおすすめ:人気機種の違いと性能ランキング:カナル型・密閉型
【比較する製品型番】SONY WI-1000XM2 WF-1000XM4 AVIOT TE-BD21j-ltdpnk TE-BD21j-ltd AVIOT TE-J1 ソニー XBA-N1 XBA-N3 XBA-Z5 IER-M7 IER-M9 オーディオテクニカ ATH-ANC400BT ATH-CKR100 ATH-IEX1 ATH-TWX9 パナソニック Technics EAH-AZ80 EAH-AZ60 EAH-TZ700-K NUARL N6 PRO2 NEXT1L NX1-GD NX3-BM NX3-BM-E HUAWEI FreeBuds Pro 2 ANKER Soundcore Liberty 4 ゼンハイザー IE 600 CX Plus True Wireless final ZE8000 FI-ZE8DPLTW FiiO FiiO FD11 FIO-IEM-FD11-S FD5 FIO-IEM-FD5 Shanling ME500 Platinum Edition ME200 FH9 FIO-IEM-FH9 FIO-IEM-JH3 FIO-IEM-JD3 FIO-IEM-JD3-B FIO-IEM-JD3-S JVC HA-FW01 CLASS-S SOLIDEGE HA-FD01 HA-FW1500 HA-FW10000 フィリップス PRO6305BK/98 Fidelio S301BK/97 Fidelio S3/00 radius HP-NX10 6 オーツェイド intime 雅 (MIYABI) MarkII Type-M 煌 (KIRA) MarkII Type-M 轟 (GO) MarkII Type-M 碧 (SORA) 2 翔 (Show) 碧 (SORA) Ti3 Edition2 3.5mm 碧 (SORA) Light with Microphone Panasonic Technics EAH-TZ700-K FiiO FA7S FIO-IEM-FA7S beyerdynamic XELENTO REMOTE 2nd generation ほか
今回のお題
ハイレゾ対応イヤホンのおすすめはどのモデル?
どもAtlasです。
今日は、2023年7月現在、最新のハイレゾ対応イヤホンの比較です。
有線方式の製品と、Bluetooth方式の製品、双方に対応するように書きました。
1・ハイレゾイヤホンの比較記事 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:SONY:TWS・BT・有線
1-3:AVIOT:TWS・BT・有線
1-4:Audio-Technica:TWS・有線
2・ハイレゾイヤホンの比較記事 (2)
2-1:Panasonic:TWS・有線
2-2:MTI: TWS・BT・有線
2-3:ファーウェイ:TWS
2-4:ANKER:TWS
2-5:ゼンハイザー:TWS
2-6:FINAL:TWS
2-7:FiiO:有線
3・ハイレゾイヤホンの比較記事 (3)
3-1:JVC:有線
3-2:オーツェイド:有線
3-3:フィリップス:有線
3-4:Shanling:有線
3-5:その他の企業:有線
3-6:最終的なおすすめの提案【結論】
記事は、3回連続記事です。
1回目記事(今回)は、ハイレゾイヤホンの「選び方の基本」を説明したあと、ソニーほかのハイレゾ対応イヤホンを順番にみていきます。
近年は「ハイレゾ対応」でも、TWS(完全ワイヤレス)が全盛なので、TWSのラインナップが充実する企業から順番に見ることにしました。
ソニーなど、有線ほかの展開がある企業は、「TWS→BT(左右ワイヤ)→有線」の順で整理して書いています。
なお、TWS型の場合、コーデックが「ハイレゾ対応」でも、ドライバの周波数帯域の部分で、「ハイレゾ対応」と言えるか不明(未記載)な機種が多いです。
そのため、今回は、業界団体のハイレゾ認証マークがある製品と、メーカーが「ハイレゾ対応」と言い切る機種だけを選んで比較しました。
ある程度「安心」してお読みいただけるかなと思います。
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
原音再現性 ★★★★★
ワイヤレス ★★★★★
総合評価 ★★★★★
と言うわけで、以下では各社の製品を順番に比較します。
そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種」を提案する形で記事を進めていきます。
よろしくお願いします。
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1・Bluetoothヘッドホンの比較
2・Bluetoothイヤホンの比較
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較
4・ハイレゾヘッドホンの比較
5・ハイレゾイヤホンの比較
6・ノイキャンヘッドホンの比較
7・Beatsのヘッドホンの比較
8・ライトニング端子イヤホンの比較
9・ウェアラブルネックスピーカーの比較
10・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】
なお、今回はヘッドホン・イヤホン比較シリーズ全体としては、5回目記事として書きました。
1-1・ハイレゾイヤホンの選び方の基本
具体的な製品比較にはいる前に、ハイレゾ対応イヤホンの「選び方の基本」について書いておきます。
音質面やノイズキャンセル機能など、選び方の「基本中の基本」は【イヤホンの選び方の記事】で、記しました。
とくに、TWS(完全ワイヤレス)の選び方は(クセがあるので)【TWSイヤホンの比較記事】で別にまとめました。
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1・再生周波数帯域
2・Bluetoothコーデック
一方、「ハイレゾ」を選ぶ場合とりわけ「重要」な、上記2点については、あまり細かくは書きませんでした。
記事への「導入」を兼ねて、以下で、順番に説明していきます。
第1に、再生周波数帯域についてです。
信頼できる製品の仕様表にはこのスペックが(ほぼほぼ)出ます。
低音域
=1Hzに向かい値が小さなほど充実
高音域
=100kHzに向かい値が大きなほど充実
ハイレゾには、このうち、高音域のスペックが重要です。
CD音源場合の、メーカーがマスター音源などを加工する際、高域帯のデータを20kHzで切っています。CDのデータ量を節約するためです。
ハイレゾ音源は、この部分が「切られない」ので、高音域の原音再生能力が高い、ということになります。
人間の耳は、(あまり高性能ではないので)高周波数域まで完全に知覚できません。
しかし、臨場感の再現において「聞こえない音が無意味」ではないです。
(プラシーボではなく)削除する際、実際聞こえる音域まで消してしまうためでしょう。実際、ハイレゾ音源は、人間が「良い音」として違いを認知できます。
そのため、業界団体は、ドライバー(振動板)ほかの性能部分で、高音域が40kHzまで出せることを基準の1つとして「Hi-Res Audio」の認定マークを作りました。
音楽データも、CDデータに加工される前の「マスター音源」から、新たにハイレゾ音源を作り直し、販売しています。
定額聴き放題サービスでも、アマゾンのサブスクとなる「Amazon Music Unlimited 」(こちら)」の一部音源で、ハイレゾ対応しています。。
試してみたい方は無料お試し期間もあるので、あらかじめ聴いても良いでしょう。
第2に、Bluetoothのコーデックです。
TWS型を含むBluetooth接続の製品を選ぶ場合、コーデック(=転送時の圧縮方式)も注意が必要です。
ハイレゾ音源のワイヤレス再生には、、ソニー系のLDACか、クアルコム系のApt-X Adaptiveなどの「ハイレゾ対応」のコーデックに、イヤホンが対応する必要があります。
その上で、PC・スマホほか、音楽を送る側の「再生機器側」も、同じコーデックに対応することが必要です。
iOS:SBC AAC
Android:SBC Apt-X (LDAC)
Xperia・ウォークマン:SBC AAC LDAC
Mac&Windows:SBC AAC Apt-X
上表は、各OS(機器)のコーデック対応状況を示したものです。
結論的にいえば、PCにせよ、スマホにせよ、LDAC・Apt-X Adaptiveなどのコーデックにネイティブに対応している機種は少ないです。
未対応スマホやPC・Mac場合、周辺機器の導入が必要です。
方法は2つ考えられます。
【USB-C to USB-A変換端子付属】
SENNHEISER BTD-600
¥7,200 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
第1に、Bluetoothトランスミッターを使う方法です。
LDAC対応製品はないですが、Apt-X Adaptiveなら、以上の製品があります。
PC・Android・Macにつなげて使える通信端末です。
USB-CとUSB-Aどちらでも使えます。iOSも対応ですが、Lightning端子のものは、アダプタが必要なので、やや不格好です。
第2に、Bluetooth対応ポータブルアンプを導入する方法です。
小型で格安なものもあるので、導入しやすいです。
LDACに対応できる製品もあります。
このブログの【ポータブルアンプ(ポタアン)の比較記事】で詳しく説明しています。
音質アップ効果も高いので、こちらの方法のが良いかと思います。
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以上、ハイレゾの「選び方の基本」といえる2点の紹介でした。
以下では、こうした現況をふまえながら、この規格に対応する、ハイレゾ対応イヤホンを、主に再生周波数帯域や重さなどに注目して比較します。
1-2・ソニーのハイレゾ対応イヤホン
はじめに、ソニーのハイレゾ対応のワイヤレスイヤホンからです。
大手音響メーカーでは、ハイレゾに最も力を入れている企業といえ、ラインナップは最も多いです。
冒頭書いたように、「TWS(完全ワイヤレス)→BT(左右ワイヤ)→有線」という順番で、同社の製品をみていくことにします。
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なお、以下の本文では、Atlasのおすすめポイントを赤字系で、イマイチと思う部分を青字系で記していきます。
【2021年発売】
【TWS型(完全ワイヤレス)】
1・ SONY 左右独立型イヤホン WF-1000XM4
¥30,028 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC・AAC・LDAC
連続再生時間:8時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:7.3g×2
WF-1000XM4 は、SONYの左右独立型イヤホンの最新機です。
接続方法は、したがって、Bluetooth方式です。
本体色は、ブラック(1000XM4 BM)とシルバー(1000XM3 SM)の2色構成です。
重量は、7.3gです。
従来より軽量化されましたが、Apple AirPods Proよりは重さがあります。
とはいえ、重みを感じない「ぎりぎりの線」です。
イヤーピースは、3サイズで付属です。
新開発のノイズアイソレーションイヤーピース(EP-NI1000)です。
(アナログな意味での)遮音機能と装着性を重視するものです。
(デジタルな意味での)遮音機能がある機種でも、対策がないと音漏れはあるので、この仕様で良いでしょう。
ドライバーはダイナミック型の6mmを採用します。
完全ワイヤレスイヤホンでは平均値ほどのサイズです。
また、本機については、周波数帯域が20Hz-40kHzであり、高音域側が「ハイレゾ対応水準」である40kHzを超えており、ハイレゾ音源対応です。
左右独立型では「初めて」かつ、現状では唯一の対応です。
なお、SONYは重低音を重視する機種がありますが、本機は、エキストラバス機能がないので、低音域を過度に強調した機種ではなく、音質重視です。
ただ、振動版の設計の改善で、この部分に今回メスを入れています。
また、逆に言えば、聴き疲れしにくい音質ですから、長時間の聴いても疲れにくい音質と言えます。
音質のパーソナライズは、対応です。
アプリでの初期設定時、適切なイヤーチップをカメラを使い提案してくれる機能ほか、ノイキャンのかかりを最適化させるため、内蔵マイクを使いつつ調整する機能があります。
この際、周囲の気圧状態も見ながら調整する点は独自です。
一方、実際の視聴状況(音源や装着状態)に基づいてリアルタイムで中音域の周波数を可変させるような機能(アダプティブイコライゼーション)は未搭載です。
立体音源は、対応です。
本機は、「360 Reality Audio」の認定製品である点も、SONYは強調します。
Appleでいうと「空間オーディオ」に相当するものです。同名の専用アプリ経由で、最先端の3D立体音響を楽しめます。
360 Reality Audioの場合、Dolby Atmosコーデックではなく、独自の音楽用コーデックを利用します。アプリベースの処理なので、ソニー製品でなくても、Bluetooth搭載のイヤホンならば、他社製品でも使える点で汎用性があります。
ただ、本機やSONYの下位機種を含めて、SONYのBluetooth搭載イヤホンは、「360 Reality Audio認定ヘッドホン」として、自社だけの特別な機能があります。
耳の形をカメラで撮影し聴覚特性に応じて、立体感を得やすく音質をカスタマイズする機能です。Appleにも備わっていたもののソニー版です。
空間オーディオは、360 by deezerかnugs.netほか、定額聴き放題サービスでも、「Amazon Music Unlimited」で、3Dオーディオの配信がはじまりました。
イヤホンも2021年後半からアマゾンで使えます。(こちら)で無料体験も可能です。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACに対応します。
その上で、LDACに対応します。ハイレゾ音源再生をしたい場合、こちらを使う必要があります。
また、本機は、DSEE ExtremeというSBC/AACなどの圧縮音源を「ハイレゾ相当」に再計算してアップスケーリングする機能をもちます。
仕様上、完全な「ハイレゾ」音質にはならないものの、「ハイレゾ級」にはなるので、ワンポイントとは言えるでしょう。
ノイズ対策は、本機もノイズキャンセリングが搭載です。
外側と内側に集音マイクを装備するWマイク仕様です。
同社は、「デュアルノイズセンサーテクノロジー」と呼びますが、仕組みは同じです。
耳側のノイズをセンシングして打ち消すため、ノイズ除去率が格段にアップします。
加えて、今回BluetoothSoCとノイズキャンセラ専用の統合プロセッサーV1を、専用設計しました。
最近は、各社ノイキャン機を出し始めましたが、汎用Socを使っている場合が多いです。
本機は、SONYの自社開発で、この部分にこだわりがあります。
昔からノイズ対策に相当力を入れてきたメーカーですし、その精度には定評があります。
Soc統合型ですが先述のQN1プロセッサより世代が新しいため、ソニーによると、精度は本機が上位といいます。
使い勝手も、優秀です。
例えば、スマホの加速度センサーと連動し、歩行・走行・静止状態・電車内と状況を検知し、外音の取り込みレベル・ノイズキャンセルのレベルを自動調整してくれます。
また、スマホのGPSと連動し、事前に登録した場所と連動させることも可能です。
この機能は、「アダプティブサウンドコントロール」と言いますが、移動時の実際の実用性は高いです。
また、アンビエントサウンド(外音取り込み)モードほか、タッチセンサーによるクイックアテンションモードも利用できるため、使用中の一時的なボリューム調整も簡単です。
とくに、外音取込は「スピーク・トゥ・チャット」機能として、ユーザーの発声を検知した場合、勝手にモード変更してくれるため、不意に発話をしなければならない際など、便利でしょう。
連続再生時間は、ステレオ再生/ノイキャンONで8時間と長寿命です。
バッテリーケースは、充電器を兼ねており、約2回分フル充電可能です。
Xperiaからのワイヤレス給電もできますが、これはまあ「おまけ」でしょう。
マイクは、搭載です。
ヘッドセットとして利用することができます。
指向性を強めるビームフォーミング技術ほか、骨振動(骨伝導)センサーを利用した集音設定など、この部分も高度です。
音声AIは、AmazonのAlexaとGoogle アシスタントと連携できます。
Googleについては、Android系端末のみですが、AlexaはiOSでも呼べます。
防水性は、日常生活防水、つまり、IPX4等級です。
旧機種と比べると、イヤーチップの改良があり、ずり落ちにくくなったので、雨天でのトレーニングに使えるでしょう。
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以上、ソニーのWF-1000XM4の紹介でした。
ハイレゾ愛好家にとっては、待望の「独立型」でしょう。世代の進化で左右の音ズレ問題もあまり聞かなくなりましたし、そろそろ挑戦しても良いかなと、個人的には思います。
SONYも、独立型に最新のノイキャンと「空間オーディオ」を優先搭載してきまましたし、力を入れています。
一方、冷静に言えば、ダイナミック型の6mmドライバーです。
ハイレゾ音源再生を含めて、一般的なオーディオとしての音質は、おそらく、あとでみる左右ワイヤード型のWI-1000XM2が上でしょうし、同社の理想とする音に近いのかな、と思います。
とはいえ、用途性に合えば本機は「十分に選んで良い」水準です。
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【2022年発売】
【TWS型(完全ワイヤレス)】
2・ SONY LinkBuds S WF-LS900N
¥19,500 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:6時間
ドライバー:5mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:4.8g×2
なお、ソニーは、2022年に、従来よりも小型・軽量で、ハイレゾに対応できるWF-LS900Nという製品の展開もはじまりました。
左右独立型で、ハイレゾ対応の製品では、他社も含めて最も小型と言えます。
ドライバーが5mmと少し小さめですが、先ほどの機種と比べても、ノイキャン精度を含めて、性能は大きく変わりません。
本機については【完全ワイヤレスイヤホンの比較記事】の方で、詳しく見ましたので、興味ある方は、そちらをご覧ください。
【2019年発売】
【Bluetooth(左右非独立)】
3・SONY WI-1000XM2
¥53,000 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
再生周波数帯域:3Hz-40kHz
ドライバー:9mm+BA
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:10時間
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:
重さ:58g
SONYの WI-1000XM2は、SONYのBluetoothイヤホンの最上位機です。
Atlasも仕事・出張用に利用している、2017年発売のWI-1000Xの後継機として登場しました。
こちらも、ハイレゾ対応イヤホンとなります。
接続方法は、Bluetooth方式です。
装着方法は、ネックバンド型です。
見ての通りかなり太く、重さも58gです。
ただ、耳の部分は片側7gですし、ネックバンド式なので、違和感はないし、疲れません。
なお、重みがあるのは、後ほど紹介するように、高精度なノイズキャンセラが搭載されているためです。その点で言えば、アクティブな利用には向かないという製品です。
再生周波数帯域は、低音域が3Hz、高音域が40kHzまでです。
無線接続ながら、高音域が40kHz以上のため、ハイレゾ音源にも対応できます。
ドライバーは、この機種の場合、ソニーの上位機特有のハイブリッド型です。
9mmのダイナミックドライバーと、高音域要のバランスド・アーマチュア型ドライバーを採用した、Wドライバー仕様です。
低音域と高音域をそれぞれ別のドライバー(スピーカー)が対応します。
とくに、専用ユニットで、高音域がしっかり出る点で、ハイレゾ向きなシステムであり、高音域における繊細な音の再生が可能です。
加えて、DSEE HXという新しい技術が採用されます。
こちらは、ハイレゾ音質に満たない通常のCDなどの音質を再計算し、ハイレゾ並みの音質にアップコンバート再生する機能です。
音質は、帯域の広さを十分感じられる仕様です。
Atlasは、ユニットがこれと同様の旧機を所有しています。
そちらの場合、ソニーの高級ラインなので、Wドライバーでも、過度に「ドンシャリ感」はなく、中音域の聞きやすさも兼ね備え、「出来が良い」です。
Bluetoothコーデックは、この機種もSBC・AACに加えて、LDACに対応します。
したがって、ハイレゾ再生の際は、LDACを利用します。
iOS
:SBC AAC
Android
:SBC Apt-X系
SONY(Xperia/ Walkman)
:SBC AAC LDAC
Mac&Windows
:SBC AAC Apt-X
なお、LDACを利用するためには、機器側(スマホ・ウォークマン側)の規格への対応も必要です。
上表は、一部例外がありますが、外部機器を利用しない場合の、Bluetoothの対応状況を示したものです。
対応プレーヤーは、【ウォークマンの比較記事】でも説明しました。
立体音響は、本機も360 Reality Audio」の認定製品なので、耳に合わせたパーソナライズを含めて「対応」です。
通信安定性の面では、本機はBluetooth5.0に対応し、優秀です。
この方式は接続安定性が高く、音響機器に向きます。
連続再生時間は、10時間です。
この点で不満を感じる方は殆どいないでしょう。
充電はパソコンなどのUSBコネクターから充電する方式です。
ノイズキャンセリング技術は、この製品の大きな見どころです。
ハイレゾ再生に対応する機種では、「ノイズキャンセル機能」の搭載は例外的だからです。
しかも、格安機のような1マイク方式ではなく、外側マイクのほか内部にフィードバックマイクがあるデュアルノイズセンサーテクノロジーとを採用しています。
格安機は、外側のみにマイクがありますが、この機種は「実際耳側にどのように伝わっているか」もふまえて、制御されるため、現状では「最高レベル」の性能です。
その上で、ノイキャンを制御するチップについて、2019年登場の「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」が採用となっています。
従来の4倍の処理能力を有しており、優秀です。
また、下位機種にも搭載があった、フルオートAIノイズキャンセリング機能・外音取り込みモードを進化させた、アダプティブサウンドコントロールも注目点です。
この場合、スマホの加速度センサーを利用し、ノイズキャンセラ・外音取り込みレベルを、自動切り替えしてくれます。
通勤時は、歩いたり、座ったり、止まったり状況が変わるため、都度、モードを変更してくれるのは便利です。
変更時には「ピー」という音声で案内があります。
そのほか、飛行機などを利用する際の気圧の変化を検知して、音を最適化する機能も搭載しますので、出張時にも便利です。
イヤホンのノイキャン技術としては、最高レベルです。
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以上、WI-1000XM2の紹介でした。
対応音楽プレーヤーが必須とは言え、ハイレゾ・ノイキャン・ワイヤレス対応の「いいとこ取り」と言って良い機種です。
伝統的なオーディオファンには納得のいかない部分もあるでしょう。しかし、利便性を考えると、現代の最高水準はこの方式です。
この方式が今後進化し、突き詰められていくでしょう。
ワイヤレスに抵抗感がない方は、ハイレゾ機としてこちらをおすすめします。なお、ハイレゾ再生時にも、しっかりノイキャンは作動します。
【2016年発売】
【有線イヤホン】
4・ソニー ハイレゾイヤホン XBA-N1
¥30,800 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
再生周波数帯域: 4Hz〜40kHz
ドライバー:9mm+BA
ノイキャン:
防水性能:
重さ:6g
接続方法は、こちらは、有線方式です。
再生周波数帯域は、4Hz〜40kHzです。
下位機種と較べると、低音域は、4Hzとスペック強化されています。
ドライバーは、下位機種とドライバーユニットの構成が全く変わります。
まず、下位機種同様に、9mmのドライバーを搭載します。
その上で、高音域専用のトゥイーターとして「バランスド・アーマチュア・ドライバユニット」を搭載します。
こうした、高音域と低音域をそれぞれのパーツが担当する方式を「2WAY方式(ハイブリッド式)」と言います。
小さなイヤホンで2WAY方式をとるには、高い技術力が必要ですから、価格は相応に高くなります。
しかし、先述のように、低音域が4Hzとスペックも伸びているほか、高音域も、周波数帯域では表現できないレベルで、クリアさが増しています。
なお、高音域のほか中音域のほとんどについては、小型のバランスドアーマーチェアの方が担当します。中音域と兼ねる方向性ですが、音質は良いです。
音質の特性は、2WAY方式ながら、聴き疲れしにくい音質です。
高音域と低音域を分けるユニットを採用する場合、安価な製品だと「音の受け渡し」が発生する「中音域」の音質が犠牲になりがちです。
しかし、逆にこの部分は「ソニーの個性」とも言えます。
伝統的な「ソニーサウンド」を踏襲する点で、下位機種より「ソニーらしい」音質だと思います。実際のところ、ハイレゾ音源には向いています。
さらに、従来的な受け渡しの不自然さが緩和されており、聴き疲れしにくいです。これは、独立グラウンドケーブル方式を採用した点が大きいかもしれません。
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以上、 XBA-N1の紹介でした。
MDR-EX750と較べると、全く異なる仕組みの上位のドライバーユニットを使っている機種です。価格の割に性能が充実しています。
ハイレゾ対応の携帯プレーヤーで高音質で聴きたかったら、この機種はおすすめです。
【2014年発売】
【有線イヤホン】
5・ソニー ハイレゾイヤホン XBA-Z5
¥75,000 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
再生周波数帯域: 3Hz〜40kHz
ドライバー:16mm+BA×2
ノイキャン:
防水性能:
重さ:11g
XBA-Z5 は、ソニーのインナーイヤー型のイアフォンの高級機です。
従来は、この中間に、XBA-N3Q・BA-N3BPというミドルクラスがありましたが、しばらく前に廃止です。
接続方法は、有線方式です。
装着方式は、やや特殊です。
大きめのユニットで、上から回し入れる形状です。
なお、こちらは、付属するケーブルは普通のステレオミニプラグですが、ケーブル交換でバランス端子にも対応できます。
5極バランス標準プラグ MUC-M12SB1
¥36,980 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
バランス標準プラグ MUC-M12NB1
¥11,509 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
ケーブルは、ソニーからグレード別に複数売られています。
再生周波数帯域は、低音域は3Hzで、高音域は40kHzまでです。
いずれも十分でしょう。
ドライバーは、3way方式です。
低音域は、16mmダイナミック型ドライバーが担当です。
バランスドアーマチュア型ではないため、パワーを感じます。
高音域は、小型のバランスド・アーマチュア・ドライバユニットが、高音域専用のトゥイーターとフルレンジとに分かれるダブル仕様であり、豪華です。
先述のように、ハイレゾに重要なのは「高音域」です。
そして、中音域と高音域を別のユニットが担当する3WAY方式の方が、高音域専用のユニットがある分、ハイレゾには向いていると言えます。
一方、複雑なシステムの場合、音の受け渡しが問題となります。しかし、小型ユニットの組み合わせに長けたSONYらしいサウンドを実現できています。
とくに、低音域・高音域はとくに充実し、迫力のある同社らしいサウンドです。
また、ハイレゾ音源にとって重要な高音域の質に関わるトゥイーターの振動板にマグネシウム合金が採用され音質が向上しています。
ハウジングも、マグネシウム合金になっているので、音質に大敵である振動の軽減効果も期待できます。
音質の特性は、試聴した限り、高音域から低音域まで、また、小音量でも大音量でも、かなりクリアに聴かせてくれました。
異なるドライバーユニット感の音のつながりに問題ありません。
実際、ロングセラーで、構造の見直しも必要なく売れているものです。この点でも、投資する価値はある水準です。
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以上、ソニーのXBA-Z5の紹介でした。
低音用の大きなドライバーと2機のバランスドアーマチュア型ドライバと、良くもこれだけ詰めたものだと感心する設計です。
価格は高いですが、買って後悔の無い品質は期待できます。
【2018年発売】
【有線イヤホン】
【クワッド式】
6・ソニー ハイレゾイヤホン IER-M7
¥85,645 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
【ペンタ式】
7・ソニー ハイレゾイヤホン IER-M9
¥127,539 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
再生周波数帯域: 5Hz〜40kHz
ドライバー:4/6WAY式
ノイキャン:
防水性能:
重さ:9g
IER-M7とIER-M9は、ソニーのインナーイヤー型のイアフォンの最高級機です。
接続方法は、有線方式です。
こちらも、バランス接続対応ですが、バランスケーブルとヘッドホンケーブル双方とも付属します。
再生周波数帯域は、低音域は5Hzで、高音域は40kHzまでです。
ドライバーは、良い意味で「作り込み過ぎ」とも思えますが、極小のバランスド・アーマチュアを4ないし5個搭載した特別なユニットです。
並列的に配置するようですが、「フルレンジ」用に2つと、「ウーファー・トゥイーター・スーパートゥイーター」という構成です。
再生周波数帯域にこの特性がでそうなものですが「最大40kHz」とのことです。
音の受け渡しが5カ所で発生する仕様です。SONYは「相互補完的」と説明しますが、この部分の精度で音質評価は大きく変わるでしょう。
音質の特性は、IER-M7を試聴しましたが、音の解像度はさすがに高いです。
ただ、このレベルになると、再生する音源の善し悪しで音質が大きく変わるため、(音楽と言うより)「音自体を楽しみたい」方向けでしょう。
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以上、IER-M7とIER-M9の紹介でした。
購買層に想定しているのは、完全にプロとハイアマチュアでしょう。この手の製品は、生産数の絶対数が少ないため、一般的に技術水準に比べて「割高」ではあります。
ただ、アーリーアダプタがいてこそ技術が下位機に降りてくる部分はあるので、その面を含めて大局的に考えられる方には、オススメできます。
とはいえ、ユニット数の増加は「目に見えて試したくなる」要素でしょう。
1-3・AVIOTのイヤホン
続いて、日本のAVIOT(プレシードジャパン)が販売する製品です。
日本の新興ブランドで、「クラシックから最新のアニソンまで」日本の音を知り尽くした技術者が作っているという触れ込みで、主にネットで人気です。
ハイレゾ対応機も割と力を入れます。
ブランド運営会社は、バリュートレードという日本のオーディオ輸入業者で、先述のERATOの輸入にかかわったこともある企業です。
【2021年発売】
【TWS型(完全ワイヤレス)】
8・AVIOT TE-BD21j-ltd
¥15,590 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
9・AVIOT TE-BD21j-ltdpnk
¥24,255 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC Apt-X adpt
連続再生時間:9.5時間
ドライバー:BA×2+8mm
マイク: 搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:5.7g×2
TE-BD21j-ltd は、 プレシードジャパンがAVIOTブランドから発売する製品です。
本機の場合、TE-BD21j-ltd が通常モデル、TE-BD21j-ltdpnkがピエール中野さんとのコラボモデルです。
基本的に同じ製品ですが、氏によるチューニングが施されるほか、ボイスガイダンス(花澤香菜さんと日のり子さん)などのおまけがつきます。
接続方法は、左右独立型ですので、Bluetooth方式です。
重量は、5.2gです。
わりと軽量です。
本体色は、通常版については、ドーンブルー( AVIOT TE-BD21j-ltd-B)・ローズゴールド(AAVIOT TE-BD21j-ltd-GL )から選べます。
イヤーピースは、3サイズ付属です。
通常のイヤーピースのほか、低反発素材を使うフォームイヤーピースがそれぞれのサイズで付属します。
音質面は、この機種は注目に値します。
なぜなら、完全ワイヤレス型では珍しく、複合的なハイブリッド・トリプルドライバー仕様を採るからです。
バランスドアマチュア型を利用した多ユニット機は、従来的に「SONYの得意分野」で、最近はANKERなども出しましたが、完全ワイヤレスでは、AVIOTが先行しました。
8mmのダイナミック型ドライバー(高密度パルプ振動板)1機と、バランスドアマチュア型小型ドライバー2機が組み合わされ、低音域と高音域を分担する仕様です。
こうした複合構成は、調整が難しいといわれます。
聞く前は低音域と高音域が強調される「ジャパニーズサウンド」かと思いましたが、わりと中音域に寄った構成でした。
ただ、イコライザーをいじると、やはり、BA+ダイナミック型らしい音になったので、そちらが本質かと思います。
好き嫌いはあるでしょうが、(普通のイヤホンで)BA型を愛用していた方には良いでしょう。
音質のパーソナライズは、一方、機能としてないです。
Bluetoothコーデックは、一方、SBC AACのほか、Apt-Xをフォローします。
その上で、最近登場した、可変ビットレートで低遅延のaptX Adaptiveにも対応します。
立体音響は、一方、独自の対応情報については未記載です。
通信安定性の面では、Bluetooth5.2であり、期待できます。
ノイズ対策については、この機種も、ノンズキャンセラは非搭載です。
カタログの「パッシブノイズアイソレーション」とは、先述のフォームイヤーピースを利用した場合の、アナログな遮音性のことです。
その場合、マイクを利用した外音取り込みモードで、外音も取り込めます。
連続再生時間は、最大で9.5時間となります。
長めですが、aptX以上のコーデックを利用する場合は、6時間前後です。
防水性は、日常防水(IPX4等級)です。
マイクは、こちらも搭載です。
外音取り込みモードも搭載です。
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以上、AVIOTのTE-BD21j-ltd の紹介でした。
多ユニット化は、スピード感の向上のほか、高音域の充実を図る効果が期待できます。
また、今回(条件は厳しいながら)ハイレゾに対応できたので、トリプルドライバーを採用する意味はあるかと被います。
音の担当を複数のドライバで分担するため、この方式は不自然な音の継ぎ目が発生しやすいという部分がありますが、数世代を経たこともあり、音質は(ドンシャリ系として)悪くなかったです。
ただ、可変ビットレートのaptX Adaptiveでの対応なので、今回の記事の趣旨からして、その部分だけ注意してください。
【2023年発売】
【TWS型(完全ワイヤレス)】
10・AVIOT TE-Z1PNK
¥35,640 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:7時間
ドライバー:10mm+平面磁気駆動TW
マイク: 搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:非開示
T TE-Z1PNK は、 プレシードジャパンがAVIOTブランドから発売する製品です。
同社のフラッグシップです。
重量は、非開示です。
ここが問題点です。はっきり言えば、重くて大きいから、スペックを隠すのだと言わざるを得ません。
本機の場合、ノイキャン搭載で、歩きながら使うことも十分想定しているモデルなので、重くても何でも書いた方が、ユーザーフレンドリーだとは思います。
イヤーピースは、充実します。
シリコン製が4サイズと、ウレタン系が2サイズです。
ドライバーは、ただ、注目に値します。
2WAY式ですが、BAではなく一体型コアキシャル2WAYドライバー(同軸ドライバー)だからです。
6mmほどの平面磁気駆動型トゥイーターを採用し、10mmのドライバーと組み合わせ、できるだけ近づけることで、物理的に位相差を解決しようという方向性です。
なお、形状はだいぶ違いますが、平面磁気駆動型とのコンビはHUAWEIが少し先行して出していました。あとで見ます。
音質のパーソナライズは、一方、機能としてないです。
Bluetoothコーデックは、一方、SBC AACのほか、ハイレゾはLDACをフォローします。
ソニー系です。
立体音響は、一方、独自の対応情報については未記載です。
通信安定性の面では、Bluetooth5.2であり、期待できます。
ノイズ対策は、Wマイク式を搭載です。
パッシブ式のノイズキャンセラとのバランスをとりつつの独自チューンということです。
Soc自体は外部調達です。
連続再生時間は、最大7時間となります。
LDACは電池を「食べやすい」のでもう少し短いでしょう。
バッテリーケースは、最大18時間分の充電量です。
防水性は、日常防水(IPX4等級)です。
マイクは、こちらも搭載です。
外音取り込みモードも搭載です。最近他社もキーワードにする「AI技術を利用したアルゴ」で、通話品質を高める工夫もあります。
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以上、AVIOTのAVIOT TE-Z1PNK の紹介でした。
見た感じ、見かけも不格好ではないので重さは不明ながら、音質を重視する使い方ならば良い選択肢の1つに思えます。装着感と重心バランスは(できたら)Atlasも確認してみます。
仕事をしながら長時間聴くような使い方では向かなそうですが、そういった「スタンダード」は大手には敵わないわけで、一芸を延ばすしていのは良いことでしょう。
実際、ドライバーの工夫は面白いですし、ハイレゾ再生に対応できるので、個人的は、結構「試したい」と思いました。
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5・完全ワイヤレスイヤホンの比較(5)
5-2:AVIOT〈日本〉
このほか、AVIOTは、Apt-x Adaptive系ですが、ハイレゾに対応する機種が他にあります。
以上の記事の方で紹介しています。
1-4・オーディオテクニカのイヤホン
はじめに、オーディオテクニカの ハイレゾイヤホンです。
日本の老舗で、スタジオモニター用など、原音忠実性に重きを置いてきた印象があるメーカーです。
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なお、以下の本文では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2022年発売】
【TWS型(完全ワイヤレス)】
11・ オーディオテクニカ ATH-TWX9
¥32,000 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
再生周波数帯域: 20Hz〜40kHz
コーデック:SBC AAC APT-X adaptive
連続再生時間:6時間
ドライバー:5.8mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:
重さ:5.4g×2
ATH-CKS30TW は、日本のオーディオテクニカが販売する完全ワイヤレスイヤホンです。
同社のTWS型(完全ワイヤレス)では、最上位機ですが、ハイレゾ対応となります。
重量は、片側が5.4gです。
平均より軽い製品で、その部分も重視します。
イヤーピースは、割とこだわりがあります。
サイズが4種類あるほか、深さ部分で、写真のように3種類用意されています。合計12種類となります。
ただ、1回目の記事でみた3社のような(スマホやセンサーを利用した)フィッティング機能は未装備です。この部分は、新製品にしたらアナログではあります。
ドライバーは、5.8mmです。
平均値いえるサイズです。
音質面では、同社は、割と細かい内部構造を全部公開します。
とくに、強調するのは、3層マルチレイヤー振動板です、
硬軟3種類の素材を複合させたもので、剛性と振動抑制能力を強調します。
周波数帯域は、10Hz-40kHzです。
低音域を10Hzと表示します。(実際可聴できるかはともかく)低音域に、ある程度力を入れていることを、数字で示しています。
高音域もスペック的に「ハイレゾ対応水準」で音域は広いです。
ハイレゾ認証マークはないですが、後述するコーデックの部分を含めて、数字として対応といって問題ありません。
音質のパーソナライズは、同社も機能としてないです。
立体音響は、本機は、「360 Reality Audio」の認定製品です。
ソニー製品の紹介の部分で詳しく紹介したように、最近現れた3Dサラウンドの規格で、 Appleの「空間オーディオ」に相当するものです。
ただ、ソニーと違って、耳の形などに合わせた、細かいカスタマイズには非対応です。
音漏れについては、本機もベント(孔)はありますが、気にする感じではないです。
接続安定性の面では、本機も、Bluetooth5.2に対応します。
コーデックは、aptX Adaptiveに対応します。
可変ビットレート仕様で遅延が少ない映像視聴用のコーデックでもありますが、ハイレゾ転送にも対応できます。
ノイズ対策は、本機は、Wマイク式のノイズキャンセラを搭載します。
最近はこの価格帯でもWマイク式が標準化してきました。自社のノイキャン技術ではなく、やはり、クアルコム系のものです。精度は並以上ですが、独自機能はないです。
外音取り込みは、対応です。
マイクを通じて外音をいれる「ヒアスルー」を装備するほか、強度も5段階調整ができます。
連続再生時間は、6時間です。
充電ケース込みで、最大18.5時間です。ケースはQi規格対応で、ワイヤレス充電も可能です。
他社の水準より短い点は注意点です。充電も1時間です。
また、充電ケースは18時間分の電源です。
マイクは、こちらも搭載です。
コンデンサー型ではなくMEMSを採用し、ビームフォーミングにも対応するので、それなりに性能はよいです。
防水性は、IPX4相当です。
屋外の荒天でも利用できるでしょう。
音声アシスタントは、Amazon Alexaに公式対応です。
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以上、オーディオテクニカのATH-TWX9の紹介でした。
ドライバー部分の工夫は、老舗の音響機器メーカーらしくしっかりで、独自性も感じます。
とくに、同社のフラットな音作りの傾向のファンにはハイレゾ再生用には良い選択肢の1つになるでしょう。
なお、ノイキャンの部分は、汎用のSOCだとどうしても個性が出しにくいため、この値段の製品にするとイマイチです。
【2016年発売】
【有線イヤホン】
12・オーディオテクニカ ATH-CKR100
¥38,400 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
再生周波数帯域:5Hz 〜45kHz
ドライバー:12mm×2
ノイキャン:
防水性能:
重さ:14g
ATH-CKR100は、オーディオテクニカのハイレゾ対応イヤホンです。
接続方法は、こちらは有線方式です。
再生周波数帯域は、低音域が5Hzで、高音域が45kHzです。
したがって、ハイレゾ規格に準拠します。
ドライバーは、かなり特殊です。
というのも、13mmダイナミック型ドライバー2機を対抗配置するという構造だからです。
これにより、磁力で低音を強調する仕組みです。
同社の製品は「重低音」が注目されますが、ハイレゾ対応ということで高硬度の純鉄ヨークの振動板を採用することで、高音域を高めるなど、音の解像感やキレも全体的に高いです。
音質の特性は、試聴の限り、スペック値以上に低音は豊かです。
アルミニウムスタビライザーの採用などで、音のスピード感もあり、品質は値段相当です。
また、同型状の旧機を試聴した際にはあまり感じませんでしたが、対抗配置した2ドライバー仕様は、ハイレゾ特有の解像感を高める作用もありそうです。
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以上、 ATH-CKS1100の紹介でした。
ダイナミック型ドライバを2個搭載するという「荒技」ですが、低音域・高音域とも臨場感は豊かです。
ただ、それなりに音に個性はあるので、素直な音を聞くことをハイレゾの本質と考える人には向かないでしょう。
【2019年発売】
【有線イヤホン】
13・オーディオテクニカ ATH-IEX1
¥134,317 Amazon.co.jp (7/23執筆時)
再生周波数帯域:5Hz 〜50kHz
ドライバー:12mm×2
ノイキャン:
防水性能:
重さ:19g
ATH-CKR100は、オーディオテクニカのハイレゾ対応イヤホンです。
価格的には「モニターグレード」で、多くの人にとっては他山の石でしょう。
ただ、面白い製品ではあります。
接続方法は、有線方式です。
装着方法は、こちらも、オーバーイヤー式です。
再生周波数帯域は、低音域が5Hzで、高音域が50kHzです。
いずれもハイレゾ機として、十分なスペックです。
ドライバーは、とてもユニークです。
下位機種にも見られる対抗配置ですが、片側を9.8mmのドライバー、反対側を8.8mmのパッシブラジエータとする構成です。
その上で、先端方向に、小型のバランスドアーマチュア型ドライバーを2機搭載する、3スピーカー式です。こちらも、対抗配置です。
他社の上位機同様に、音の歪みに対する対策で、高音質を実現するという思想です。
とくに、先端のアーマチュア型のほうは、ハイレゾ用のスーパートゥイーターとして、超高音域の再現性向上を目指しており、確実に「ハイレゾ向き」設計です。
そのほか、チタン素材のハウジングを採用します。
チタンだけで、しかも継ぎ目のない鍛造ですから、値段に見合った部品費をかけています。
なお、接続については、バランスケーブルにも対応し、通常のケーブル同様に付属します。
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以上、ATH-CKR100の紹介でした。
モニターグレードの高級品なので、値段面で「おすすめ」とはいきません。
実際のところ、需要が少ないため、かかっている部材費に対して、価格は高めでしょう。
ただ、新発想のドライバー形状と、妥協のないパーツ選びで、確実に、「試したい」と感じさせる製品です。
次回につづく
ハイレゾイヤホンのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、ハイレゾ対応イヤホンの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・ハイレゾイヤホンの比較記事 (2)
2-1:Panasonic:TWS・有線
2-2:MTI: TWS・BT・有線
2-3:ファーウェイ:TWS
2-4:ANKER:TWS
2-5:ゼンハイザー:TWS
2-6:FINAL:TWS
2-7:FiiO:有線
3・ハイレゾイヤホンの比較記事 (3)
3-1:JVC:有線
3-2:オーツェイド:有線
3-3:フィリップス:有線
3-4:Shanling:有線
3-5:その他の企業:有線
3-6:最終的なおすすめの提案【結論】
続く2回目記事(こちら)では、TWS型(完全ワイヤレス)だす企業を中心に、今回見ていない企業の製品を見ていきます。
展開数が少ない小規模メーカーもありますが、面白い製品も多いです。
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
原音再現性 ★★★★★
ワイヤレス ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、3回目記事(こちら)で、紹介する全機種から、いつものようにAtlasのおすすめ機種!を提案したいと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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