【今回レビューする内容】2022-2023年 最新ハイレゾイヤホンの音質とおすすめ:人気機種の違いと性能ランキング:カナル型・密閉型
【紹介する製品型番】SONY WI-1000XM2 WF-1000XM4 AVIOT WE-BD21d TE-BD21j-ltdpnk TE-BD21j-ltd AVIOT TE-J1 ソニー イヤホン h.ear in 2 IER-H500A XBA-N1 XBA-N3 XBA-N3BP XBA-Z5 IER-M7 IER-M9 JVC WOODシリーズ HA-FW01 CLASS-S SOLIDEGE HA-FD01 HA-FW1500 HA-FW10000
今回のお題
ハイレゾ対応イヤホンのおすすめはどのモデル?
どもAtlasです。
今日は、2022年12月現在、最新のハイレゾ対応イヤホンの比較です。
1・ハイレゾイヤホンの比較記事 (1)
1-1:SONY〈日本〉
1-2:AVIOT〈日本〉
1-3:JVC〈日本〉
2・ハイレゾイヤホンの比較記事 (2)
2-1:フィリップス〈オランダ〉
2-2:オーディオテクニカ〈日本〉
2-3:Radius〈米国〉
2-4:オーツェイド〈日本〉
2-5:ADV〈米国〉
2-6:エム・ティ・アイ〈日本〉
2-7:ファーウェイ〈中国〉
3・ハイレゾイヤホンの比較記事 (3)
3-1:FiiO〈中国〉
3-2:Shanling〈中国〉
3-3:beyerdynamic〈ドイツ〉
3-4:パナソニック〈日本〉
3-5:ゼンハイザー〈ドイツ〉
3-6:最終的なおすすめ製品の提案
今回は、3回連続の記事です。
Bluetoothモデルと、有線モデルに分けながら、メーカーごとハイレゾ対応機をみていきます
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
原音再現性 ★★★★★
ワイヤレス ★★★★★
総合評価 ★★★★★
そして、最後の「結論」部分では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種!」を提案する形で記事を進めていきます。
長い記事ですが、よろしくお願いします。
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1・Bluetoothヘッドホンの比較
2・Bluetoothイヤホンの比較
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較
4・ハイレゾヘッドホンの比較
5・ハイレゾイヤホンの比較
6・ノイキャンヘッドホンの比較
7・Beatsのヘッドホンの比較
8・ライトニング端子イヤホンの比較
9・ウェアラブルネックスピーカーの比較
10・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】
なお、今回はヘッドホン・イヤホン比較シリーズの、5回目記事として書きました。
0・ハイレゾイヤホンの選び方の基本
具体的な機種の紹介に入る前に、ハイレゾ対応イヤホンの「選び方の基本」からです。
初めて買われる方に向けて、イヤフォンの再生周波数帯域について説明しておきます。
再生周波数帯域とは、イヤフォンの性能が分かる数少ない客観的なスペック数値です。
製品のスペック表では、通常「5Hz〜40kHz」などと数値が出されます。
低音域
=1Hzに向かい値が小さなほど充実
高音域
=100kHzに向かい値が大きなほど充実
一方、ハイレゾ音源に対応したい場合重要になるのは、高音域のスペックです。
CD音源は、音楽メーカーがマスター音源などを加工する際、高域帯の原音については約20kHz以上は切っています。これは、データ容量を節約するためです。
ハイレゾ音源は、この部分が「切られない」ので、高音域の原音再生能力が高いといえます。
人間の耳は、(それ程高性能ではないので)高周波数域まで完全に知覚できるわけではありません。
しかし、臨場感の再現において「聞こえない音が無意味」ということはありません。ハイレゾ音源は、(プラシーボではなく)人間が「良い音」と実際に違いを認知できるものです。
そのため、業界は、高音域が40kHzまで出せることを一つの基準として「Hi-Res Audio」の認定マークを作りました。
また、音楽データも、CDデータに加工される前の「マスター音源」から、新たにハイレゾ音源を作り直し、販売してもいます。
定額聴き放題サービスでも、アマゾンの聴き放題サービスである「Amazon Music Unlimitedも(こちら)」も一部音源でハイレゾ対応しました。
音源を試して見たい方は、無料お試し期間もあるので、あらかじめ聴いてみても良いでしょう。
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今回は、こうした現況をふまえながら、この規格に対応する、ハイレゾ対応イヤホンを、主に再生周波数帯域や重さなどに注目して比較します。
1・ハイレゾ対応イヤホンの比較
1・ハイレゾイヤホンの比較記事 (1)
1-1:SONY〈日本〉
1-2:AVIOT〈日本〉
1-3:JVC〈日本〉
2・ハイレゾイヤホンの比較記事 (2)
2-1:フィリップス〈オランダ〉
2-2:オーディオテクニカ〈日本〉
2-3:Radius〈米国〉
2-4:オーツェイド〈日本〉
2-5:ADV〈米国〉
2-6:エム・ティ・アイ〈日本〉
3・ハイレゾイヤホンの比較記事 (3)
3-1:FiiO〈中国〉
3-2:Shanling〈中国〉
3-3:beyerdynamic〈ドイツ〉
3-4:パナソニック〈日本〉
3-5:ゼンハイザー〈ドイツ〉
3-5:日特 〈日本〉
3-6:最終的なおすすめ製品の提案
それでは比較をはじめます。
今回は、冒頭でも書きましたが、メーカー順の紹介です。
各社のハイレゾ対応イヤホンに「ワイヤレス対応」のモデルがある場合、それを最初にみてから、有線接続のモデルをみていくという構成にします。
1-1・ソニーのハイレゾ対応イヤホン
はじめに、ソニーのハイレゾ対応のワイヤレスイヤホンからです。
ハイレゾに最も力を入れている企業といえ、有線ほか、ワイヤレス対応機も複数あります。
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なお、以下の本文では、Atlasのおすすめポイントを赤字系で、イマイチと思う部分を青字系で記していきます。
【2019年発売】
1・SONY WI-1000XM2
¥33,400 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:3Hz-40kHz
ドライバー:9mm+BA
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:10時間
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:
重さ:58g
SONYの WI-1000XM2は、SONYのBluetoothイヤホンの最上位機です。
Atlasも仕事・出張用に利用している、2017年発売のWI-1000Xの後継機として登場しました。
こちらも、ハイレゾ対応イヤホンとなります。
接続方法は、Bluetooth方式です。
装着方法は、ネックバンド型です。
見ての通りかなり太く、重さも58gです。
ただ、耳の部分は片側7gですし、ネックバンド式なので、違和感はないし、疲れません。
なお、重みがあるのは、後ほど紹介するように、高精度なノイズキャンセラが搭載されているためです。その点で言えば、アクティブな利用には向かないという製品です。
再生周波数帯域は、低音域が3Hz、高音域が40kHzまでです。
無線接続ながら、高音域が40kHz以上のため、ハイレゾ音源にも対応できます。
ドライバーは、この機種の場合、ソニーの上位機特有のハイブリッド型です。
9mmのダイナミックドライバーと、高音域要のバランスド・アーマチュア型ドライバーを採用した、Wドライバー仕様です。
低音域と高音域をそれぞれ別のドライバー(スピーカー)が対応します。
とくに、専用ユニットで、高音域がしっかり出る点で、ハイレゾ向きなシステムであり、高音域における繊細な音の再生が可能です。
加えて、DSEE HXという新しい技術が採用されます。
こちらは、ハイレゾ音質に満たない通常のCDなどの音質を再計算し、ハイレゾ並みの音質にアップコンバート再生する機能です。
音質は、帯域の広さを十分感じられる仕様です。
Atlasは、ユニットがこれと同様の旧機を所有しています。
そちらの場合、ソニーの高級ラインなので、Wドライバーでも、過度に「ドンシャリ感」はなく、中音域の聞きやすさも兼ね備え、「出来が良い」です。
Bluetoothコーデックは、この機種もSBC・AACに加えて、LDACに対応します。
したがって、ハイレゾ再生の際は、LDACを利用します。
iOS
:SBC AAC
Android
:SBC Apt-X系
SONY(Xperia/ Walkman)
:SBC AAC LDAC
Mac&Windows
:SBC AAC Apt-X
なお、LDACを利用するためには、機器側(スマホ・ウォークマン側)の規格への対応も必要です。
上表は、一部例外がありますが、外部機器を利用しない場合の、Bluetoothの対応状況を示したものです。
対応プレーヤーは、【ウォークマンの比較記事】でも説明しました。
通信安定性の面では、本機はBluetooth5.0に対応し、優秀です。
この方式は接続安定性が高く、音響機器に向きます。
連続再生時間は、10時間です。
この点で不満を感じる方は殆どいないでしょう。
充電はパソコンなどのUSBコネクターから充電する方式です。
ノイズキャンセリング技術は、この製品の大きな見どころです。
ハイレゾ再生に対応する機種では、「ノイズキャンセル機能」の搭載は例外的だからです。
しかも、格安機のような1マイク方式ではなく、外側マイクのほか内部にフィードバックマイクがあるデュアルノイズセンサーテクノロジーとを採用しています。
格安機は、外側のみにマイクがありますが、この機種は「実際耳側にどのように伝わっているか」もふまえて、制御されるため、現状では「最高レベル」の性能です。
その上で、ノイキャンを制御するチップについて、2019年登場の「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」が採用となっています。
従来の4倍の処理能力を有しており、優秀です。
また、下位機種にも搭載があった、フルオートAIノイズキャンセリング機能・外音取り込みモードを進化させた、アダプティブサウンドコントロールも注目点です。
この場合、スマホの加速度センサーを利用し、ノイズキャンセラ・外音取り込みレベルを、自動切り替えしてくれます。
通勤時は、歩いたり、座ったり、止まったり状況が変わるため、都度、モードを変更してくれるのは便利です。
変更時には「ピー」という音声で案内があります。
そのほか、飛行機などを利用する際の気圧の変化を検知して、音を最適化する機能も搭載しますので、出張時にも便利です。
イヤホンのノイキャン技術としては、最高レベルです。
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以上、WI-1000XM2の紹介でした。
対応音楽プレーヤーが必須とは言え、ハイレゾ・ノイキャン・ワイヤレス対応の「いいとこ取り」と言って良い機種です。
伝統的なオーディオファンには納得のいかない部分もあるでしょう。しかし、利便性を考えると、現代の最高水準はこの方式です。
この方式が今後進化し、突き詰められていくでしょう。
ワイヤレスに抵抗感がない方は、ハイレゾ機としてこちらをおすすめします。なお、ハイレゾ再生時にも、しっかりノイキャンは作動します。
【2021年発売】
2・ SONY 左右独立型イヤホン WF-1000XM4
¥25,100 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC・AAC・LDAC
連続再生時間:8時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:7.3g×2
WF-1000XM4 は、SONYの左右独立型イヤホンの最新機です。
接続方法は、したがって、Bluetooth方式です。
本体色は、ブラック(1000XM4 BM)とシルバー(1000XM3 SM)の2色構成です。
重量は、7.3gです。
従来より軽量化されましたが、Apple AirPods Proよりは重さがあります。
とはいえ、重みを感じない「ぎりぎりの線」です。
イヤーピースは、3サイズで付属です。
新開発のノイズアイソレーションイヤーピース(EP-NI1000)です。
(アナログな意味での)遮音機能と装着性を重視するものです。
(デジタルな意味での)遮音機能がある機種でも、対策がないと音漏れはあるので、この仕様で良いでしょう。
音質面では、ソニーの場合、ドライバーはダイナミック型の6mmを採用します。
完全ワイヤレスイヤホンでは平均値ほどのサイズです。
また、本機については、周波数帯域が20Hz-40kHzであり、高音域側が「ハイレゾ対応水準」である40kHzを超えており、ハイレゾ音源対応です。
左右独立型では「初めて」かつ、現状では唯一の対応です。
なお、SONYは重低音を重視する機種がありますが、本機は、エキストラバス機能がないので、低音域を過度に強調した機種ではなく、音質重視です。
ただ、振動版の設計の改善で、この部分に今回メスを入れています。
また、逆に言えば、聴き疲れしにくい音質ですから、長時間の聴いても疲れにくい音質と言えます。
加えて、今回から「360 Reality Audio」に対応します。
Appleが展開する「空間オーディオ」に相当するもので、対応する音源なら、最先端の3D立体音響を楽しめます。
なお、この規格については、Dolby AtmosコーデックとSonyの360 Reality Audioコーデックの2種類があります。
この点で、AirPodsが採用するDolby Atmos系と違って、360 Reality AudioはiOS/Androidフリーで使えるため、今後普及していくと思います。
なお、空間オーディオは、、360 by deezerかnugs.netほか、定額聴き放題サービスでも、「Amazon Music Unlimited」でも、3Dオーディオは配信がはじまりました。
イヤホンも2021年後半からアマゾンで使えます。(こちら)で無料体験も可能です。
ハイレゾより対応が簡単なので、(イマイチ拡がらなかった)ハイレゾより急速に普及する気がします。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACに対応します。
その上で、LDACに対応します。ハイレゾ音源再生をしたい場合、こちらを使う必要があります。
また、本機は、DSEE ExtremeというSBC/AACなどの圧縮音源を「ハイレゾ相当」に再計算してアップスケーリングする機能をもちます。
仕様上、完全な「ハイレゾ」音質にはならないものの、「ハイレゾ級」にはなるので、ワンポイントとは言えるでしょう。
ノイズ対策は、本機もノイズキャンセリングが搭載です。
外側と内側に集音マイクを装備するWマイク仕様です。
同社は、「デュアルノイズセンサーテクノロジー」と呼びますが、仕組みは同じです。
耳側のノイズをセンシングして打ち消すため、ノイズ除去率が格段にアップします。
加えて、今回BluetoothSoCとノイズキャンセラ専用の統合プロセッサーV1を、専用設計しました。
最近は、各社ノイキャン機を出し始めましたが、汎用Socを使っている場合が多いです。
本機は、SONYの自社開発で、この部分にこだわりがあります。
昔からノイズ対策に相当力を入れてきたメーカーですし、その精度には定評があります。
Soc統合型ですが先述のQN1プロセッサより世代が新しいため、ソニーによると、精度は本機が上位といいます。
使い勝手も、優秀です。
例えば、スマホの加速度センサーと連動し、歩行・走行・静止状態・電車内と状況を検知し、外音の取り込みレベル・ノイズキャンセルのレベルを自動調整してくれます。
また、スマホのGPSと連動し、事前に登録した場所と連動させることも可能です。
この機能は、「アダプティブサウンドコントロール」と言いますが、移動時の実際の実用性は高いです。
また、アンビエントサウンド(外音取り込み)モードほか、タッチセンサーによるクイックアテンションモードも利用できるため、使用中の一時的なボリューム調整も簡単です。
とくに、外音取込は「スピーク・トゥ・チャット」機能として、ユーザーの発声を検知した場合、勝手にモード変更してくれるため、不意に発話をしなければならない際など、便利でしょう。
連続再生時間は、ステレオ再生/ノイキャンONで8時間と長寿命です。
バッテリーケースは、やはり、充電器を兼ねており、約2回分フル充電可能です。
ケースに対しては、Xperiaからのワイヤレス給電もできますが、これはまあ「おまけ」でしょう。
マイクは、搭載です。
もちろん、ヘッドセットとして利用することができます。
指向性を強めるビームフォーミング技術ほか、骨振動センサーを利用した集音設定など、この部分も高度です。
防水性は、IPX4等級です。
先述のイヤーチップの改良なので、ずり落ちにくくなったので、雨天でのトレーニングに使えるでしょう。
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以上、ソニーのWF-1000XM4の紹介でした。
ハイレゾ愛好家にとっては、待望の「独立型」でしょう。世代の進化で左右の音ズレ問題もあまり聞かなくなりましたし、そろそろ挑戦しても良いかなと、個人的には思います。
SONYも、独立型に最新のノイキャンと「空間オーディオ」を優先搭載してきまましたし、力を入れています。
一方、冷静に言えば、ダイナミック型の6mmドライバーです。
ハイレゾ音源再生を含めて、一般的なオーディオとしての音質は、おそらく、WI-1000XM2が上でしょうし、同社の理想とする音に近いのかな、と思います。
とはいえ、用途性に合えば本機は「十分に選んで良い」水準です。
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【2022年発売】
3・ SONY LinkBuds WF-LS900N
¥20,300 Amazon.co.jp (5/19執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:6時間
ドライバー:5mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:4.8g×2
なお、ソニーは、2022年に、従来よりも小型・軽量で、ハイレゾに対応できるWF-LS900Nという製品の展開もはじまりました。
左右独立型で、ハイレゾ対応の製品では、他社も含めて最も小型と言えます。
ドライバーが5mmと少し小さめですが、先ほどの機種と比べても、ノイキャン精度を含めて、性能は大きく変わりません。
本機については【完全ワイヤレスイヤホンの比較記事】の方で、詳しく見ましたので、興味ある方は、そちらをご覧ください。
【2017年発売】
4・ソニー イヤホン h.ear in 2 IER-H500A
¥15,800 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域: 5Hz〜40kHz
ドライバー:9mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:5g
ソニーの IER-H500Aは、カジュアルデザインを採用した格安のハイレゾ対応イヤフォンです。
接続方法は、有線方式です。
同社のウォークマンのハイレゾ化にあわせて発売された製品ですが、単体でも売られます。
再生周波数帯域は、5Hz〜40kHzです。
高音域は、40kHzと、ハイレゾ基準のスペックをクリアします。
低音域は、5Hzです。
先述のように、人間の耳の性能上、ここまでの帯域聞こえるわけではないです。
ただ、特に同じメーカーで比較するならば、測定値に余裕があるほど、自然な臨場感がえられます。
ドライバーは、9mmです。
1つで、全帯域をカバーするダイナミック型ドライバを利用する方式です。
高音域は、ユニット1つの1WAY式は、高音域の再生に弱い印象があります。
ただ、外磁型の磁気回路を搭載するなどの工夫で、ハイレゾ水準の40kHzの帯域をカバーしています。
低音域は、ポート(通気孔)の工夫で、スペック上の数値を出していると思われます。
音質の特性は、試聴の限り、中音域での音の継ぎ目がなく聴き疲れしない音質でした。
高音域については、ハイレゾ向きとしては標準的ですが、中音域については、逆に、1WAY式を採用する良い部分が出ていると思います。
この部分で言えば、聴き疲れしにくいでしょう。
リモコンは、マイク付きで、ハンズフリー電話に対応します。
ケーブルも、絡まないセレーションコードを採用しているため、断線の危険も少ないと言えます。割と安い価格ですが性能は十分です。
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以上、IER-H500Aの紹介でした。
ソニーは h.ear in 2シリーズを、同社の販売戦略のかなり重要なポジションに置いています。ハイレゾ普及により、音楽関連家電の首位奪還を狙っているようです。
この製品は、ハイレゾ普及を狙い「戦略的な低価格」で出しており、特にお買得です。
【2016年発売】
5・ソニー ハイレゾイヤホン XBA-N1
¥21,800 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域: 4Hz〜40kHz
ドライバー:9mm+BA
ノイキャン:
防水性能:
重さ:6g
接続方法は、有線方式です。
再生周波数帯域は、4Hz〜40kHzです。
下位機種と較べると、低音域は、4Hzとスペック強化されています。
ドライバーは、下位機種とドライバーユニットの構成が全く変わります。
まず、下位機種同様に、9mmのドライバーを搭載します。
その上で、高音域専用のトゥイーターとして「バランスド・アーマチュア・ドライバユニット」を搭載します。
こうした、高音域と低音域をそれぞれのパーツが担当する方式を「2WAY方式(ハイブリッド式)」と言います。
小さなイヤホンで2WAY方式をとるには、高い技術力が必要ですから、価格は相応に高くなります。
しかし、先述のように、低音域が4Hzとスペックも伸びているほか、高音域も、周波数帯域では表現できないレベルで、クリアさが増しています。
なお、高音域のほか中音域のほとんどについては、小型のバランスドアーマーチェアの方が担当します。中音域と兼ねる方向性ですが、音質は良いです。
音質の特性は、2WAY方式ながら、聴き疲れしにくい音質です。
高音域と低音域を分けるユニットを採用する場合、安価な製品だと「音の受け渡し」が発生する「中音域」の音質が犠牲になりがちです。
しかし、逆にこの部分は「ソニーの個性」とも言えます。
伝統的な「ソニーサウンド」を踏襲する点で、下位機種より「ソニーらしい」音質だと思います。実際のところ、ハイレゾ音源には向いています。
さらに、従来的な受け渡しの不自然さが緩和されており、聴き疲れしにくいです。これは、独立グラウンドケーブル方式を採用した点が大きいかもしれません。
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以上、 XBA-N1の紹介でした。
MDR-EX750と較べると、全く異なる仕組みの上位のドライバーユニットを使っている機種です。価格の割に性能が充実しています。
ハイレゾ対応の携帯プレーヤーで高音質で聴きたかったら、この機種はおすすめです。
【2016年発売】
【ステレオミニプラグ】
6・ソニー ハイレゾイヤホン XBA-N3Q
¥44,220 楽天市場 (12/1執筆時)
【バランス接続】
6・ソニー ハイレゾイヤホン XBA-N3BP
¥49,800 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域: 3Hz〜40kHz
ドライバー:9mm+BA
ノイキャン:
防水性能:
重さ:7g
XBA-N3は、ソニーのハイレゾ対応インナーイヤー型イヤホンの上位機種になります。
接続方法は、有線方式です。
2機種ありますが、 XBA-N3BPは、2017年に追加販売されたものです。
XBA-N3BP は、接続が一般的なステレオミニ端子ではなく、バランス端子用の製品です。
ソニーのウォークマンの上位機用ですので、一般的にはXBA-N3を選んでください。
再生周波数帯域は、 3Hz〜40kHzです。
高音域は下位機種と同じで40kHzまでです。
低音域は、3Hzと伸びています。
ようするに、低音域に、特に下位機種との違いが認められる機種と言えるでしょう。
ドライバーは、下位機種と同じです。
つまり、 高音域用(バランスド・アーマチュア型)と低音域用(ダイナミック型)を採用する2WAY式です。
9mmというダイナミックドライバーのサイズも同じです。
音質の特性はしかし、、下位機種と比べると「透明感」が増した感じです。
というのも、こちらは、後部に拡張音響空間を持つ新しい通気構造を採用するからです。
そのため、ドライバーユニットを2つ持つ「2WAY方式」として最も重要である「音域と音域の間のつながり」が自然です。
この点で、周波数帯域の幅以上に、下位機種との音質面の差はあるでしょう。
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以上、XBA-N3の紹介でした。
下位機種とユニット構成やサイズは同じですが、音質は価格なりに優れています。
いわゆる、低音域と高音域が力強い「ドンシャリ系」が苦手ならば、中音域の改良が施されたこの機種に投資する価値はありそうです。
7・ソニー ハイレゾイヤホン XBA-Z5
¥56,964 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域: 3Hz〜40kHz
ドライバー:16mm+BA×2
ノイキャン:
防水性能:
重さ:11g
XBA-Z5 は、ソニーのインナーイヤー型のイアフォンの高級機です。
接続方法は、有線方式です。
装着方式は、やや特殊です。
大きめのユニットで、上から回し入れる形状です。
なお、こちらは、付属するケーブルは普通のステレオミニプラグですが、ケーブル交換でバランス端子にも対応できます。
5極バランス標準プラグ MUC-M12SB1
¥19,800 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
バランス標準プラグ MUC-M12NB1
¥11,509 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
ケーブルは、ソニーからグレード別に複数売られています。
再生周波数帯域は、低音域は3Hzで、高音域は40kHzまでです。
いずれも十分でしょう。
ドライバーは、3way方式です。
低音域は、16mmダイナミック型ドライバーが担当です。
バランスドアーマチュア型ではないため、パワーを感じます。
高音域は、小型のバランスド・アーマチュア・ドライバユニットが、高音域専用のトゥイーターとフルレンジとに分かれるダブル仕様であり、豪華です。
先述のように、ハイレゾに重要なのは「高音域」です。
そして、中音域と高音域を別のユニットが担当する3WAY方式の方が、高音域専用のユニットがある分、ハイレゾには向いていると言えます。
一方、複雑なシステムの場合、音の受け渡しが問題となります。しかし、小型ユニットの組み合わせに長けたSONYらしいサウンドを実現できています。
とくに、低音域・高音域はとくに充実し、迫力のある同社らしいサウンドです。
また、ハイレゾ音源にとって重要な高音域の質に関わるトゥイーターの振動板にマグネシウム合金が採用され音質が向上しています。
ハウジングも、マグネシウム合金になっているので、音質に大敵である振動の軽減効果も期待できます。
音質の特性は、試聴した限り、高音域から低音域まで、また、小音量でも大音量でも、かなりクリアに聴かせてくれました。
異なるドライバーユニット感の音のつながりに問題ありません。
実際、ロングセラーで、構造の見直しも必要なく売れているものです。この点でも、投資する価値はある水準です。
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以上、XBA-Z5の紹介でした。
低音用の大きなドライバーと2機のバランスドアーマチュア型ドライバと、良くもこれだけ詰めたものだと感心する設計です。
価格は高いですが、買って後悔の無い品質は期待できます。
【2018年発売】
【クワッド式】
8・ソニー ハイレゾイヤホン IER-M7
¥76,945 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
【ペンタ式】
9・ソニー ハイレゾイヤホン IER-M9
¥121,655 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域: 5Hz〜40kHz
ドライバー:4/6WAY式
ノイキャン:
防水性能:
重さ:9g
IER-M7とIER-M9は、ソニーのインナーイヤー型のイアフォンの最高級機です。
接続方法は、有線方式です。
こちらも、バランス接続対応ですが、バランスケーブルとヘッドホンケーブル双方とも付属します。
再生周波数帯域は、低音域は5Hzで、高音域は40kHzまでです。
ドライバーは、良い意味で「作り込み過ぎ」とも思えますが、極小のバランスド・アーマチュアを4ないし5個搭載した特別なユニットです。
並列的に配置するようですが、「フルレンジ」用に2つと、「ウーファー・トゥイーター・スーパートゥイーター」という構成です。
再生周波数帯域にこの特性がでそうなものですが「最大40kHz」とのことです。
音の受け渡しが5カ所で発生する仕様です。SONYは「相互補完的」と説明しますが、この部分の精度で音質評価は大きく変わるでしょう。
音質の特性は、IER-M7を試聴しましたが、音の解像度はさすがに高いです。
ただ、このレベルになると、再生する音源の善し悪しで音質が大きく変わるため、(音楽と言うより)「音自体を楽しみたい」方向けでしょう。
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以上、IER-M7とIER-M9の紹介でした。
購買層に想定しているのは、完全にプロとハイアマチュアでしょう。この手の製品は、生産数の絶対数が少ないため、一般的に技術水準に比べて「割高」ではあります。
ただ、アーリーアダプタがいてこそ技術が下位機に降りてくる部分はあるので、その面を含めて大局的に考えられる方には、オススメできます。
とはいえ、ユニット数の増加は「目に見えて試したくなる」要素でしょう。
1-2・AVIOTのイヤホン
続いて、日本のAVIOT(プレシードジャパン)が販売する製品です。
日本の新興ブランドで、「クラシックから最新のアニソンまで」日本の音を知り尽くした技術者が作っているという触れ込みで、主にネットで人気です。
ハイレゾ対応機も割と力を入れます。
ブランド運営会社は、バリュートレードという日本のオーディオ輸入業者で、先述のERATOの輸入にかかわったこともある企業です。
【2021年発売】
10・AVIOT TE-BD21j-ltd
¥17,820 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
【2021年発売】
11・AVIOT TE-BD21j-ltdpnk
¥24,255 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC Apt-X adpt
連続再生時間:9.5時間
ドライバー:BA×2+8mm
マイク: 搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:5.7g×2
TE-BD21j-ltd は、 プレシードジャパンがAVIOTブランドから発売する製品です。
本機の場合、TE-BD21j-ltd が通常モデル、TE-BD21j-ltdpnkがピエール中野さんとのコラボモデルです。
基本的に同じ製品ですが、氏によるチューニングが施されるほか、ボイスガイダンス(花澤香菜さんと日のり子さん)などのおまけがつきます。
接続方法は、左右独立型ですので、Bluetooth方式です。
重量は、5.2gです。
わりと軽量です。
本体色は、通常版については、ドーンブルー( AVIOT TE-BD21j-ltd-B)・ローズゴールド(AAVIOT TE-BD21j-ltd-GL )から選べます。
イヤーピースは、3サイズ付属です。
通常のイヤーピースのほか、低反発素材を使うフォームイヤーピースがそれぞれのサイズで付属します。
音質面は、この機種は注目に値します。
なぜなら、完全ワイヤレス型では珍しく、複合的なハイブリッド・トリプルドライバー仕様を採るからです。
バランスドアマチュア型を利用した多ユニット機は、従来的に「SONYの得意分野」で、最近はANKERなども出しましたが、完全ワイヤレスでは、AVIOTが先行しました。
8mmのダイナミック型ドライバー(高密度パルプ振動板)1機と、バランスドアマチュア型小型ドライバー2機が組み合わされ、低音域と高音域を分担する仕様です。
こうした複合構成は、調整が難しいといわれます。
聞く前は低音域と高音域が強調される「ジャパニーズサウンド」かと思いましたが、わりと中音域に寄った構成でした。
ただ、イコライザーをいじると、やはり、BA+ダイナミック型らしい音になったので、そちらが本質かと思います。
好き嫌いはあるでしょうが、(普通のイヤホンで)BA型を愛用していた方には良いでしょう。
Bluetoothコーデックは、一方、SBC AACのほか、Apt-Xをフォローします。
その上で、最近登場した、可変ビットレートで低遅延のaptX Adaptiveにも対応します。
2021年末からこの規格はハイレゾ(96kHz/24bit)対応になったので、本機も「ハイレゾ対応」を名乗ってます。
ただ、可変ビットレートですので接続状態に左右されるほか、(むろん)機器側の対応も必要です。
通信安定性の面では、Bluetooth5.2であり、期待できます。
ノイズ対策については、この機種も、ノンズキャンセラは非搭載です。
カタログの「パッシブノイズアイソレーション」とは、先述のフォームイヤーピースを利用した場合の、アナログな遮音性のことです。
その場合、マイクを利用した外音取り込みモードで、外音も取り込めます。
連続再生時間は、最大で9.5時間となります。
長めですが、aptX以上のコーデックを利用する場合は、6時間前後です。
防水性は、日常防水(IPX4等級)です。
マイクは、こちらも搭載です。
外音取り込みモードも搭載です。
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以上、AVIOTのTE-BD21j-ltd の紹介でした。
多ユニット化は、スピード感の向上のほか、高音域の充実を図る効果が期待できます。
また、今回(条件は厳しいながら)ハイレゾに対応できたので、トリプルドライバーを採用する意味はあるかと被います。
音の担当を複数のドライバで分担するため、この方式は不自然な音の継ぎ目が発生しやすいという部分がありますが、数世代を経たこともあり、音質は(ドンシャリ系として)悪くなかったです。
ただ、可変ビットレートのaptX Adaptiveでの対応なので、今回の記事の趣旨からして、その部分だけ注意してください。
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【2022年発売】
12・AVIOT TE-J1
¥19,701 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:9時間
ドライバー:BA×1+10mm
マイク: 搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:6g×2
このほか、AVIOTからは、以上のハイレゾ対応機の販売もあります。
こちらは、コーデックとしてはLDACでのハイレゾ対応です。
加えて、ユニット構成も異なり、低音域を担当する10mmダイナミック型1基と、中音域・高音域を担当するBAドライバーが1基という構成となります。
つまり、上位機よりBAの数が1基少なくなります。
一方、汎用チップで、ソニーやAppleのような独自の工夫はないものの、上位機にないノイキャン機能(Wマイク式)が付くので、その部分で本機を選ぶのは「あり」でしょう。
重さも軽量で、AVIOTらしく見映えもします。
【2019年発売】
13・AVIOT WE-BD21d
¥8,982 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:16Hz – 32kHz
コーデック:SBC AAC Apt-X HD
連続再生時間:13時間
ドライバー:BA×2+8.6mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:13g
WE-BD21は、日本のAVIOTが発売する、「高級機」です。
再生周波数帯域は、16Hz – 32kHzです。
なお、業界的な同意としてのハイレゾは、40kHz以上なのでハイレゾ機ではないですが、「それに準じる」とは言える水準です。
ドライバーは、SONY機のように、複合的なハイブリッド・トリプルドライバー仕様です。
8.6mmのダイナミック型ドライバー1機とバランスドアマチュア型小型ドライバー2機が組み合わされ、低音域と高音域を分担する仕様です。
また、イヤーピースは、この機種の注目点です。
SpinFitに特注して、独自のCP355というイヤーピースを3サイズで同梱します。
外耳道に向けて傾斜がある形状のため、感覚的な音質の改善が見込める仕様です。
Bluetoothコーデックは、一方、SBC AACのほか、ハイレゾ伝送規格のApt-X HDをフォローします。
再生周波数帯域の問題はあるのでそれがボトルネックにはなるものの、伝送規格としては「それに準じる」水準には再生できるといえます。
通信安定性の面でも、本機はBluetooth5.0に対応し、優秀です。
ノイズキャンセリング技術は、未搭載です。
連続再生時間は、最長13時間です。
伝送量の多いApt-X利用時は、2-3割低下しますが、長寿命と言えます。
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以上、AVIOTが販売するWE-BD21dの紹介でした。
同社は、最近イヤホンの点数を増やしていますが、その一環で出てきたワイヤレス製品です。
Apt-X HD系でハイレゾに「準じる」能力を出せる無線製品として「市場のすき間」をついた、アイデア製品だと思います。
ただ、再生周波数帯域として、しっかり、40kHzまで伸ばせたらなお良かったでしょうが、確実にニーズはあると思います。 とはいえ、用途性に合えば、本機は「十分に選んで良い」水準です。
1-3・JVCの有線イヤホン
つづいて、JVCケンウッドのハイレゾ対応機です。
SONYに次いで、製品展開数が多い日本企業です。
14・JVC WOODシリーズ HA-FW01
¥36,000 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:6Hz 〜50kHz
ドライバー:11mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:14g
HA-FW01は、JVCケンウッドの製品です。
接続方法は、有線方式です。
この製品の特徴は、外側(ハウジング)が木製であることです。
JVCのWOODシリーズは、名前の通り、全体として「木」にこだわった作りになっています。
同社は、音響機器については、「天然木」にこだわるメーカーで、イヤホンにもその思想が現れています。
再生周波数帯域は、高音域について50kHzを表明しています。
カナルタイプの場合、他社は上位機でも40kHzまでであり、非常に珍しいです。
低音域については、6Hzです。
こちらは他社の同価格帯の製品に劣る数値なので、傾向としては、「ハイレゾ寄り」の設計でしょう。
ドライバーは、この機種は、ダイナミック型ドライバ1機の1WAY方式です。
ただし、小型の本体には、かなり大きめといえる11mmのドライバーを採用しています。
また、特徴的なのは、木を組み合わせた新開発の振動板を採用している点です。
音質の特性は、試聴の限り、やはり弦楽器・ピアノなどの音は素晴らしく聞こえました。
コンセプト的にも、クラシックのハイレゾ音源にチューニングされたイヤホンのように思います。
前モデルに比べて新搭載となったウッドスタビライザーの作用か、柔らか系の音色を保ちつつも、よりハイレゾに向くクリアな音になりました。
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以上、 HA-FW01の紹介でした。ウッドドライバーというハッキリとした「売り」がある製品です。
中身は、ダイナミック型の伝統的なドライバですが、音のつながりも良く、安心感のあるサウンドでした。
ただ、おそらく中音域の聞きやすさを重視する方向で、低音はあまり強調されないので、バランスでは、ソニーのイヤホンかなと思います。
15・JVC CLASS-S SOLIDEGE HA-FD01
¥22,818 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:8Hz 〜52kHz
ドライバー:11mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:20g
HA-FW01は、2017年に新展開になった新しいJVCの高級カナル型イヤホンです。
WOODシリーズと真逆で、フルステンレスなメタリックな製品です。
接続方法は、有線方式です。
ハウジングは、チタン合金、振動板は、カーボンと現代的な素材をふんだんに使います。
あきらかにWOODシリーズとの差を付けていて非常に面白いです。
開発室はとても発想が柔軟なのでしょう。さらにマウントノズルをチタン、ステンレス・銅に自由に換装できるパーツもつきます。
再生周波数帯域は、高音域については、52kHzです。
WOODシリーズよりわずかですが、スペックは優秀です。
一方、低音域は逆に8Hzと月並みなスペックです。この部分でも「真逆」な特性にしており、面白いです。
ドライバーは、こちらも、ダイナミック型ドライバ1機の1WAY方式です。
ドライバーのサイズも11mmです。「素材は違っても、哲学は同じ」なのでしょうね。
音質の特性は、チタンノズルでの試聴の限り、透明感が非常に強調できる音質でした。
おそらく、ターゲットはハイレゾを試聴する層であり、WOODシリーズよりハイレゾ向きのイヤホンに調整されている感じです。
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以上、 HA-FW01の紹介でした。
WOODシリーズとは異なる特性で、女性ボーカルやギターや金管楽器などに合いそうな特性です。比較すると面白いので、高いですが、使い比べてみたい製品です。
【2019年発売】
16・JVC WOODシリーズ HA-FW1500
¥59,800 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:6Hz 〜52kHz
ドライバー:11mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:15g
HA-FW1500は、JVCケンウッドのWOODシリーズの上位機です。
接続方法は、有線方式です。
再生周波数帯域は、低音域については、6Hzです。高音域について52kHzです。
特性は、下位機種とほぼ同じです。
ドライバーは、11mmのウッドコーン製ドライバーです。
ただし、振動板にカーボンコートを施し強度を上げること、また、内部に金属素材を割と多く配置することで、音色を変えています。
木製の良い部分を活かしつつ、(硬質な)金属系の性質もという、ある種同社の下位機種の「ハイブリッド」のような上位機です。
そのほか、不要な音を拡散させるための、「アコースティックピュリファイアー」構造を採用します。
音質の特性は、発売前なので試聴はできませんが、下位機種と比較すると、「クリア」という表現が多用されます。
実際、温もりがあるがある種の「ぼやけ」のある木製コーンの難点を、克服した製品なのでしょう。ただ、木製コーンをハイレゾ機にあえて使う、必然性については、多少不明瞭です。
なお、ケーブルは、バランス非対応ですが、L/Rを完全分離した、専用のハイグレードケーブルが付属します。
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以上、 HA-FW1500の紹介でした。
ウッドドライバーを(何とか)ハイレゾ向きの高級イヤホンにする「苦心作」に感じます。このグレードの高級品は、ハイレゾ以外売れないようなので、苦肉の策でしょう。
これが功を奏しているかは、しっかり試聴して、改めて確認したいと思います。
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【2018年発売】
17・JVC WOODシリーズ HA-FW10000
¥178,000 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:6Hz 〜52kHz
ドライバー:11mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:21.5g
なお、HA-FW10000という、マスターグレードの製品が先行発売されていました。
装着方法は、オーバーイヤー式です。
そのほか、漆器仕上げの外観など、高級仕様ですが、ユニット構成はHA-FW1500とあまり変わらず、上位機特有の新味はさほどないです。
その点で言えば、下位機種は、音質に関わらない部分だけ削ったコスパの良い機種ともいえるでしょう。
いずれにしても、ウッドコーンから選ぶならば、下位機種がお買得だと思います。
次回につづく
ハイレゾイヤホンのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、ハイレゾ対応イヤホンの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・ハイレゾイヤホンの比較記事 (2)
2-1:フィリップス〈オランダ〉
2-2:オーディオテクニカ〈日本〉
2-3:Radius〈米国〉
2-4:オーツェイド〈日本〉
2-5:ADV〈米国〉
2-6:エム・ティ・アイ〈日本〉
2-7:ファーウェイ〈中国〉
3・ハイレゾイヤホンの比較記事 (3)
3-1:FiiO〈中国〉
3-2:Shanling〈中国〉
3-3:beyerdynamic〈ドイツ〉
3-4:パナソニック〈日本〉
3-5:ゼンハイザー〈ドイツ〉
3-6:最終的なおすすめ製品の提案
続く2回目記事(こちら)では、引き続き各社のハイレゾ対応機を追加で紹介します。
比較的、展開数が少ない小規模メーカーもありますが、面白い製品も多いです。
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
原音再現性 ★★★★★
ワイヤレス ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、3回目記事(こちら)で、紹介する全機種から、いつものようにAtlasのおすすめ機種!を提案したいと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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