【今回レビューする内容】2022-2023年 完全ワイヤレスイヤホンの音質・性能とおすすめ・選び方:True Wireless Stereo(TWS) 2万円以上の高級完全ワイヤレスイヤホン:ノイキャン・防水対応:iPhone Android 機種の違いと性能ランキング
【比較する主な製品】Apple AirPods Pro MPNY3J/A MQD83J/A MME73J/A MLWK3J/A MV7N2J/A Powerbeats Pro MV6Y2PA/A SONY LinkBuds S WF-L900 WF-L900UC WF-LS900N WF-1000XM4 WF-1000XM3 WF-SP800N WF-SP900 WF-H800 WF-XB700 WF-C500Bose QuietComfort Earbuds II Bose Sport Earbuds ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless 3 CX Plus True Wireless JVC Victor HA-FX150T オーディオテクニカ SOLID BASS ATH-CKS30TW ヤマハ TW-E3C TW-E7B ANKER Soundcore Liberty 4 Beats Fit Pro final ZE8000 FI-ZE8DPLTW Beats Studio Buds Amazon Echo Buds Google Pixel Buds A-series ほか
今回のお題
「完全ワイヤレスイヤホン」のおすすめはどの機種?
ども、Atlasです。
今回は、2022年11月現在、最新の、左右独立した完全ワイヤレスイヤホン(TWS)の比較です。
メーカー別に、Atlasが注目している音質重視の機種を紹介していきます。
1・完全ワイヤレスイヤホンの比較(1)
1-1:アップル〈米国〉
1-2:ソニー〈日本〉
1-3:BOSE〈米国〉
2・完全ワイヤレスイヤホンの比較(2)
2-1:パナソニック〈日本〉
2-2:JVC〈日本〉
2-3:オーディオテクニカ〈日本〉
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較(3)
3-1:JBL〈米国〉
3-2:ANKER 〈米国〉
4・完全ワイヤレスイヤホンの比較(4)
4-1:Beats〈米国〉
4-2:SHURE〈米国〉
4-3:Bang&Olufsen〈北欧〉
4-4:Jabra 〈北欧〉
4-5:Noble Audio〈米国〉
5・完全ワイヤレスイヤホンの比較(5)
5-1:ヤマハ〈日本〉
5-2:AVIOT〈日本〉
5-3:Final ag 〈日本〉
5-4:SOL REPUBLIC〈米国〉
6・完全ワイヤレスイヤホンの比較(6)
6-1:Amazon 〈米国〉
6-2:Google 〈米国〉
6-3:ゼンハイザー〈ドイツ〉
6-4:その他のブランド
7・完全ワイヤレスイヤホンまとめ【結論】
=予算別・目的別のおすすめ製品の提案
メーカーごと、記事を5つに分けてみていきます。
1回目記事では、Apple・SONY・BOSEという、人気を3分する3企業の製品を紹介します。
どの記事から読んでいただいても構いません。
ただ、「完全ワイヤレスイヤホンの選び方の基本」は、今回記事の最初に説明するので、今回の1回目記事からお読みいただけると分かりやすいかと思います。
よろしくお願いします。
音質の良さ ★★★★★
ノイキャン ★★★★★
軽量性 ★★★★★
防塵・防滴性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、いつものように、各機種を一機ずつ比較していきます。
その上で、最後の「結論」部分では、上表のような観点から、目的別・予算別に、Atlasのおすすめ商品を紹介していきます。
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1・Bluetoothヘッドホンの比較
2・Bluetoothイヤホンの比較
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較
4・ハイレゾヘッドホンの比較
5・ハイレゾイヤホンの比較
6・ノイキャンヘッドホンの比較
7・Beatsのヘッドホンの比較
8・ライトニング端子イヤホンの比較
9・ウェアラブルネックスピーカーの比較
10・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】
なお、今回はヘッドホン・イヤホン比較シリーズの、3回目記事として書きました。
1・完全ワイヤレスの選び方の基本
1・音響的な設計
2・ノイズキャンセリング
3・スマホとの通信方法
4・防水性と重さ
具体的な製品の紹介に入る前に、今回の記事における「完全ワイヤレスイヤホンの選び方の基本」を書いておきます。
第1に、「音響的な設計」についてです。
イヤホンは、ドライバ(振動版)のサイズ(と数)が重要です。基本的に大きなほど、音の余裕が生まれます。
しかし、完全ワイヤレスイヤホンの場合、耳の部分に、バッテリと通信部分のユニット(Socもを積まないといけないので、普通のイヤホンと比較して、搭載できるドライバサイズに限界があります。
6mm程度が普通で、10mmだと大きな方です。
それ以上だと、実用性のない重さになるか、(開放型で)音漏れが生じる構造になっていたり、ファッション的な意味で装着時のバランスも悪かったり、なにかしらの難点があります。
特に、重量が書いてない製品は、注意してください。
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結論的にいえば、「ドライバのサイズ」は深追いしない方がよいです。
6mm〜8mm程度の「普通サイズ」で、むしろ、素材や構造、もしくは、ソフト的な処理で工夫がある製品を選ぶのが良いでしょう。今回もそういった機種を多く取りあげています。
なお、ダイナミック型にBA型小型ドライバーを複数搭載するタイプの完全ワイヤレスイヤホンも出てきました。
この場合は、別の観点となるので、本編でで説明します。
第2に、「ノイズキャンセリング」です。
完全ワイヤレスイヤホンでもっとも差が付く部分です。
諸方式がありますが、上表では下段ほど「能力が高い」と言えます。
現行水準では、Wマイク式(=ハイブリッド型アクティブノイズキャンセリング)を搭載していれば、「上級」です。
最上位機になると、センサーによるセンシングで周囲の環境を判断し、自動で強度が調整される仕様(アダプティブハイブリッドANC)になります。
格安機は(アナログな)耳せん式や、マイク通話専用のノイズ削減機能も「ノイキャン」と書いている場合があるので、注意が必要です。
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なお、クアルコム(半導体メーカー)が、ノイキャン対応の汎用チップ(SOC)を開発した結果、中小メーカーでもノイキャンを搭載する機種が増えてきました。
ただ、SONY・BOSE・Appleなど、古くからノイキャンに取込み、ユニットを独自製造できるメーカーの製品は、独自性も高く、一般的に強力です。
今回は「ノイキャン」の有無だけでなく、その上で「何ができるか」「精度は説明されているか」に注目して書いていくつもりです。
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結論的にいえば、ノイズキャンセリングの精度は、完全ワイヤレスイヤホンの性能を分ける部分です。
仕組み的にも、完全ワイヤレスイヤホンは、通勤・通学時に使う方が多いでしょうし、この部分は、最重要視するべきポイントです。
逆に、軽視すると、「実際利用する際の音質の差」として還元されてしまうと言えます。
第3に、「スマホとの通信方法」です。
イヤホンの場合、通信規格が重要です。
Bluetoothは回線が細いので、スマホなどから音を飛ばす際に、音源を圧縮します。その圧縮規格を「Bluetoothコーデック」と言います(上表)。
ただし、SBCを除き、スマホなどの再生機器側とヘッドホン側双方で対応しない場合は、SBC音質での転送になります。
iOS:AAC
Android:Apt-X (LDAC)
SONY:SBC AAC LDAC
Mac&Windows:SBC AAC Apt-X
例外はありますが、Bluetoothの対応状況は以上のような感じです。
お持ちの「スマホの型番」と「コーデック」と入れて、ネット検索すれば
分かるでしょう。
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結論的にいえば、iOSの場合はAAC、Androidの場合はApt Xに対応していれば、(まずまず)OKはイヤホンです。
Amazon MusicやApple Musicなどの音源ならば、イヤホンのスペックにあった良音が聞けるでしょう。
ただ、BOSE・JBLなど、圧縮音源の「カスタマイズ(アップコンバート)」に長けたメーカーは、SBCでも「自社の色に音源を染めるのでOK」という場合もあります。
そういった機は特別なので、注意して書こうと思います。
動画視聴・ゲームに使う場合、音の遅延の少ない上位のコーデック(Apt-X Adaptiveなど)に対応していることは意味があります。
SBCも新規格(BitPool 53)の登場以後、遅延が減りAACに近づきましたが、無縁ではありません。
このほか、Apple系・SONY系・Dolby系で、立体的な3Dオーディオ規格(空間オーディオ)の対応も、最近の注目点になっています。
その点を含めて、今回の記事では、各機の対応を詳しく書いていきます。
第3に、「防水性と重さ」についてです。
防水性は、一部機種でIPX4等級以上の製品が見られます。
プール内で使う人もいないでしょうが、防水性高い機種の場合、雨天でのワークアウトの際に使える、と考えてください。
たいていの場合、防水性のある機種は、運動してもずり落ちにくい構造にもなります。
重さは、最近の平均値は(片側)6g、高性能機でも8gです。
4g台の小さいものもありますが、やはり音質は犠牲にされます。
一方、(快適性を犠牲にして)大きなユニットを採用している機種もあります。
そういった機種は「重さを公開しない」場合が多いので注意してください。8gあたりが
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結論的にいえば、運動する方は、まず、防水性を確認してください。
その部分の対応があれば(例外はありますが)運動時の野外利用を想定した機種と言えます。
重さは、6gあたりだと、軽さを実感できます。音質重視でも8gを上限に考えると良いかと思います。
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以上、今回重視していく点を4点紹介しました。
これ以外にも「ハイレゾ・空間オーディオ対応」「バッテリーの保ち」など見るべきポイントは多いです。これらについては、本編でおいおい説明していきます。
そして、結論編(こちら)では、これらの要素をふまて、「Atlasのおすすめ」を提案していきます。
1-1・Appleのイヤホン
では、製品の比較をはじめます。
はじめに、Appleの製品からです。
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なお、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤字系で、イマイチだと思う部分を青字系で書きます。
【2022年10月発売】MLWK3J/A後継品
1・Apple AirPods Pro MQD83J/A
¥39,800 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:6時間
ドライバー:
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式 (自動)
防水性能:IPX4
重さ:5.3g×2
AirPods Proは、Appleが(ほぼ事前情報なしに)2019年秋に発売したAirPodsの上位版です。
なお、2022年に「第2世代」(マイナーチェンジを入れると実質的に第3世代)に更新されました。ノイキャンの精度向上・バッテリー量の増加など、フルモデルチェンジです。
重量は、5.3gです。
売れている製品だけに、完全ワイヤレスイヤホンにおける1つの「快適な重さの基準」と言えます。
実際、これより重いと、長時間装着時に、わりと圧迫感が出てしまいます。
イヤーピースは、4サイズが添付されます。
音質面では、同社の伝統ですが、「バランス重視」です。Apple特有の低音域・高音域が強調されないフラットな音質と言えます。
本機は、音漏れしにくいカナル型形状の製品です。しかし空気を逃がすベント(孔)はあるので、音抜けもよいです。
このタイプは微少の音漏れはあり得ますが、イヤーチップ装着テストをしっかりし、適合したタイプを利用すれば、気になるレベルではないです。そもそも口径も小さめですし。
また、アダプティブイコライゼーションに対応します。
こ内側のマイクを利用して実際聞いている音を把握し、音質調整をする技術です。
SONYなどもできる技術で、ノイキャンの応用ですが、効果的です。
立体音響は、「空間オーディオ」をフォローします。
仮想的なサラウンド再生ができる完全ワイヤレスイヤホンはこれまでもありました。
しかし、「空間オーディオ」は、7.1chまでのドルビーほか、立体音響であるドルビーアトモスに対応できます。
ドルビーアトモスは、映画館のような上からの振り下ろし音を3D的にフォローできるサラウンド規格で、ネットを含む映画コンテンツで採用が多い音響規格です。
映像に含まれるこれらのデータをそのまま利用しつつ、再計算して立体音響を再現します。
音楽コンテンツは、iPadを含むiOS系のデバイスを利用して、itunesで配信されるDolby Atomos対応コンテンツのみ限定で、「空間オーディオ」が使えます。
なお、本機は、Mac OSでも利用できます(Intel Macは一部機能制限あり)。
そちらでも、ノイキャン他空間オーディオは利用できます。
映像コンテンツは、Apple TVアプリ中のドルビーアトモスなどの対応コンテンツのみです。
なお、空間オーディオの規格は、Netflix・Amazon Musicもそれぞれ対応しました。
この機能を利用する際、「ヘッドトラッキング機能」もオンになります。
内蔵される加速度・ジャイロセンサーを利用し、利用者の頭の向きに連動して、立体音響(ドルビーアトモス)の方向性を正しく調整する技術です。ようするに、普通のスピーカーのように、自分が首を振ったりしても、音が正しく定位します。
技術自体は10年以上前に確立していて、立体音響についても、ゲーム用ヘッドホン(写真はJBL Quantum ONE)などで既に先行しました。
ただ、ワイヤレスイヤホンでは初で、素直に「すごい技術」だと素直に思います。ちなみに、2022年から「Dolby Head Tracking」という汎用規格が登場したので、他社にも普及していきそうです。
ドライバーは、サイズ・素材とも非公開です。
おそらく6mm前後で、完全独立型では「平均値」程度です。
再生周波数帯域も、非公開です。
初代は低音側が20Hzと公開がありました、周波数帯域はH2チップの採用でより拡がったとします。
一般的に問題ない水準ですが、ドライバの口径を考えると、他社機(高級機)に優るとも言えません。先述のように、低音より、全音域の聞きやすさを重視しています。
Bluetoothコーデックは、SBCのほか、 iOS系はAAC対応なのでAACに対応します。
Androidユーザーでも本機は使えますが(機能制限あり)、買う人は少ないでしょうし、Apt Xは対応しません。
接続安定性の面では、しっかり、Bluetooth5.3に対応です。
遅延については、本世代で改善がみられますが、やはりApt X系よりは弱いです。
ノイズ対策は、搭載です。
外側と内側に集音マイクを装備する上位のWマイク式(自動)です。
耳側のノイズをセンシングして打ち消すため、ノイズ除去率が1マイク式より格段にアップします。
旧機種も同じ仕組みでしたが制御チップ(H2)の更新で精度は2倍といわれます。実際、他社高級機と比べても「効きは良い」です。
外部音取り込みモードも対応です。
ノイキャンをしつつ、電車のアナウンスは聞きたい場合などに使います。本機は「適応型環境音除去( Adaptive Transparency reduce)」に対応し、周囲の騒音状況に合わせて自動でかかりが調整されます。
なお、モード切替は、本体の感圧センサーを、ちょこっと押すだけです。
連続再生時間は、ステレオ再生で6時間です。
旧機種より25%ほど持続時間が延びました。
なお、ケースに内蔵される予備バッテリーの量も含めると、最大30時間です。
Apple MagSafe充電器
¥5,037 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
充電ケースは、2021年機からは、QiやUSBほかMagSage充電(15W)にも対応するようになりました。
上記の純正を含む対応品を使うと、充電速度がQiに対して2倍ほど速くなります。
マイクは、搭載されます。
スマホでのハンズフリー通話が可能で、風切り音のキャンセル機能もあります。
そのほか、装着時に自動的にON/OFFになる機能など、使い勝手の配慮も高いです。
防水性は、IPX4等級です。雨天などに対応できる水準となりました。
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以上、AirPods Pro(第2世代)の紹介でした。
H2チップ搭載で、iOSとの相性は最も良いですし、iPhone用に「アップル製品限定」で探している方には候補となるでしょう。
一方、ソニー上位機と比べると、バランス重視の音質なので、低音域を中心とする音圧という部分では、負ける部分はあります。ノイキャンも、状況対応力の部分でわずかに及んでいない印象です。
音源的にも、空間オーディオは他社でもフォローしている機種は多いです。その点で言えば、純正品のみ使える独自機能はヘッドトラッキング機能ほどになります。
こうした部分で、(最終的に本機を選ぶにしても)他社の競合製品をみる意味はあります。
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【2021年/2022年発売】
【MagSafeワイヤレス充電】
2・Apple AirPods MME73J/A
¥26,677 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
【Lightningワイヤード充電】
2・Apple AirPods MPNY3J/A
¥26,800 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
再生周波数帯域:10Hz-22kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:6時間
ドライバー:
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:
重さ:4.28g×2
なお、本機の下位機種となるのがAirPods(第3世代)です。
2機種ありますが、充電ケースの充電方式の違いとなります。
いずれもノイキャン機能がない機種です。
また、インイヤー型ですが、オープン型構造なので、音漏れが(かなり)あります。
その他の部分は、「ヘッドトラッキング機能」の対応を含めて、上位機とほぼ同じです。
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結論的にいえば、上で見た上位機との機能差が大きいほか、ノイキャン機能がない他社の同等機に比べても、相当な割高感がある機種です。
Apple純正から選ぶとしても、上位機が良いかと思います。
1-2・ソニーのイヤホン
続いて、ソニーの完全ワイヤレスイヤホンです。
Androidユーザーはもちろん、Appleに比べても、上位機は、ノイズキャンセリング周りの実力が高いため、iOSユーザーも比較検討するべきメーカーです。
【2021年発売】
3・ SONY ノイキャン WF-1000XM4
¥25,964 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:8時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:7.3g×2
WF-1000XM4 は、SONYの完全ワイヤレス型イヤホンの最上位機です。
本体色は、ブラック(1000XM4 BM)とシルバー(1000XM3 SM)の2色構成です。
重量は、7.3gです。
従来より軽量化されましたが、Apple AirPods Proよりは重さがあります。
とはいえ、重みを感じない「ぎりぎりの線」です。
イヤーピースは、3サイズ付属です。
ノイズアイソレーションイヤーピース(EP-NI1000)です。
(アナログな意味での)遮音機能と装着性を重視するものです。
(デジタルな意味での)遮音機能がある機種でも、対策がないと音漏れはあるので、この仕様で良いでしょう。
音質面では、ドライバーはダイナミック型の6mmを採用します。
完全ワイヤレスイヤホンでは平均値ほどのサイズです。
周波数帯域は20Hz-40kHzであり、高音域側が「ハイレゾ対応水準」である40kHzを超えており、(業界基準として)ハイレゾ音源に対応です。
SONYは重低音を重視する機種がありますが、本機は、エキストラバス機能がないので、低音域を過度に強調した機種ではないです。
ただ、振動版の設計の工夫で、実際は、AirPod Proよりも音域は広く豊かです。
なお、本機は、「360 Reality Audio」の認定製品である点も、SONYは強調します。
Appleの「空間オーディオ」に相当するものです。同名の専用アプリ経由で、最先端の3D立体音響を楽しめます。
360 Reality Audioの場合、Dolby Atmosコーデックではなく、独自の音楽用コーデックを利用します。アプリベースの処理なので、ソニー製品でなくても、Bluetooth搭載のイヤホンならば、他社製品でも使える点で汎用性があります。
ただ、本機やSONYの下位機種を含めて、SONYのBluetooth搭載イヤホンについては、「360 Reality Audio認定ヘッドホン」として、耳の形やヘッドホン特性に応じた、カスタマイズが可能な点で高度です。
空間オーディオは、360 by deezerかnugs.netほか、定額聴き放題サービスでも、「Amazon Music Unlimited」で、3Dオーディオの配信がはじまりました。
イヤホンも2021年後半からアマゾンで使えます。(こちら)で無料体験も可能です。
対応が簡単なので、(イマイチ拡がらなかった)ハイレゾ規格より急速に普及する気がします。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACほか、LDACにも対応します。
ハイレゾ音源再生をしたい場合、こちらを使う必要があります。
スマホならば、SONYのXperiaや、GalaxyのS20シリーズ、音楽再生機機ならば【ウォークマンの比較記事】で書いた同社製品に(ほぼ)限定されます。
ハイレゾの部分で言えば、本機は、DSEE Extremeという、SBC/AACなどの圧縮音源を「ハイレゾ相当」に再計算してアップスケーリングする機能を持ちます。
通常音源が「ハイレゾ級」にはなるので、ワンポイントとは言えるでしょう。
ノイズ対策は、AirPods Proと同じで、外側と内側に集音マイクを装備するWマイク仕様です。
同社は、「デュアルノイズセンサーテクノロジー」と呼びますが、仕組みは同じです。
耳側のノイズをセンシングして打ち消すため、ノイズ除去率が格段にアップします。
チップは専用設計で、Bluetooth SoCとノイズキャンセルにも使う統合プロセッサーV1です。
最近は、各社ノイキャン機を出し始めましたが、汎用Socを使っている場合が多いです。
本機は、Apple同様に、SONYの自社開発で、こだわりがあります。
昔からノイズ対策に相当力を入れてきたメーカーですし、その精度には定評があります。
使い勝手も、優秀です。
例えば、スマホの加速度センサーと連動し、歩行・走行・静止状態・電車内と状況を検知し、外音の取り込みレベル・ノイズキャンセルのレベルを自動調整してくれます。
スマホのGPSと連動し、事前に登録した場所と連動させることも可能です。
「アダプティブサウンドコントロール」と言いますが、移動時の実際の実用性は高いです。
また、アンビエントサウンド(外音取り込み)モードほか、タッチセンサーによるクイックアテンションモードも利用できるため、使用中の一時的なボリューム調整も簡単です。
とくに、外音取込は「スピーク・トゥ・チャット」機能として、ユーザーの発声を検知した場合、勝手にモード変更してくれるため、不意に発話をしなければならない際など、便利でしょう。
連続再生時間は、ステレオ再生/ノイキャンONで8時間と長寿命です。
バッテリーケースは、充電器を兼ねており、約2回分フル充電可能です。
Xperiaからのワイヤレス給電もできますが、これはまあ「おまけ」でしょう。
マイクは、搭載です。
ヘッドセットとして利用することができます。
指向性を強めるビームフォーミング技術ほか、骨振動センサーを利用した集音設定など、この部分も高度です。
音声AIは、AmazonのAlexaとGoogle アシスタントと連携できます。
Googleについては、Android系端末のみですが、AlexaはiOSでも呼べます。
防水性は、IPX4等級です。
旧機種と比べると、イヤーチップの改良があり、ずり落ちにくくなったので、雨天でのトレーニングに使えるでしょう。
---以上、ソニーのWF-1000XM4の紹介でした。
通勤通学時は、ドライバに由来する音質より、「ノイズキャンセラの精度」がむしろ、良音を得るために最重要です。
その点で言えば、移動時に主に利用する場合は、この機種は最適でしょう。ライバルは、同じく「2マイクのノイズキャンセラ」を持つAirPods Proです。
iOSとの連動性はH1チップの採用で、SONYは分が悪いです。しかし、「アダプティブサウンドコントロール」「V1チップ」を含めて、ノイズキャンセラの実用性や精度は、SONYが上回るでしょう。
その上で、「ハイレゾに真面目に対応した」初めての完全ワイヤレスである点で、音源自体の音質を重視する人にも向く機種です。
音質も、良い意味で「音響専門メーカーの味」があるので、純粋にイヤホンの音質で選ぶとしても、この機種はおすすめです。
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【2019年発売】
4・ SONY ノイキャン WF-1000XM3
¥15,436 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
なお、旧機種となる WF-1000XM3が、一定数残ります。
比較する場合、ハイレゾ・空間オーディオ非対応です。「ノイキャン」性能もチップを含め1世代前であす。
形状も、耳を三点で支えるエルゴノミック・トライホールド・ストラクチャーで外れにくいものの、(ジョギングなど)ハードワークしない方向きでした。イヤーピースも改良前のものです。
課題だった低音強化をする前の振動版の構成ですし、新機種がよいと思います。
【2022年発売】
5・ SONY LinkBuds S WF-LS900N
¥22,000 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
(Teamsとのコラボ)
5・ SONY LinkBuds UC for Teams WF-L900UC
¥22,000 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:6時間
ドライバー:5mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:4.8g×2
LinkBuds S WF-LS900Nも、SONYが2022年に発売した新形状のイヤホンです。
LinkBudsという新しいシリーズ名を付けています。
簡単に言えば、ソニーの最上位機(WF-1000XM4)の高度なノイキャン機能を維持しつつ、「小型化・軽量化」を目指した製品です。
2機種あります。Teams認定モデル(WF-L900UC HM)は、PC接続用のアダプタが同梱です。
Bluetoothではなく、2.4Ghz無線を利用して本機とつなげる仕様です。スマホから音楽を掛けていた際、Teamsほかの通信が来た場合、本体操作だけで接続が替えられるという工夫です。
そのほか、Teams利用時のショートカット機能がイヤホンに内蔵されます。
その代わり、Bluetoothの部分でLDACに非対応になります。
本体色は、ホワイト(WF-L900 HM)とブラック(WF-LS900N BC)・エクリュ(WF-LS900N CC)・ブルー(WF-LS900N LC )の4色構成です。
重量は、4.8gです。
ノイキャン機能を搭載する上級機として、かなり軽量・小型と言えます。
イヤーピースは、3サイズ付属です。
普通のカナル型(密閉型)で、最上位機ほどの工夫はないです。
ただ、形状全体で言えば、薄型に作ることで、長時間の装着でも疲れにくくするという配慮があります。
音質面では、ドライバーが5mmと小さいです。
そのため、ソニーも本機については音質面での主張が少なめです。
耳の小さな女性でも違和感なく、快適に着けられる部分を優先したと言えます。
音源部分では、本機も「360 Reality Audio」の認定製品ですので、個人の耳の形に応じたカスタマイズが可能です。
また、イヤーチップのサイズが適切かのアドバイスも受けれます。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・LDACに対応します。
「ハイレゾ対応水準」です。DSEE Extremeによるアップスケーリングにも対応できます。
ただ、ドライバの口径がやや小さいので、本格的なハイレゾ機対応とはいいがたい部分はあります。
ノイズ対策は、Wマイク式のノイキャンが搭載です。
最上位機(WF-1000XM4)と同じプロセッサー(N1)を採用しており、精度は同じです。
ただ、振動板の違いと、イヤーピース形状の違いから、同社によれば、最上位機とのキャンセル精度の「差」はあるとされます。ただ、比べれば、という話で、本機も十分強力でしょう。
使い勝手の部分でも、外音取り込みやアダプティブサウンドコントロールの部分を含めて、差はないです。
連続再生時間は、6時間です。
小型化しましたが、特段、短くなってはいません。
バッテリーケースは、USB充電式で、14時間分のバッテリー容量です。
マイクは、搭載です。
MEM式の全指向性マイクですが、上位機と同様のプロセッサー(N1)のパワーと、ビッグデータとAI技術を利用した新しいアルゴリズムでも通話品質を安定させる工夫があります。
ただ、こちらは、骨伝導センサーを搭載しませんし、マイクの数の部分を含めて、上位機とは差があります。
音声AIは、AmazonのAlexaとGoogle アシスタントは連携できます。
防水性は、IPX4等級です。
雨天のジョギングなら利用できるでしょう。
---以上、ソニーの WF-LS900Nの紹介でした。
同社の最上位機は、外観が少し大きめなので、機能をできるだけ維持したまま小型・軽量化を突き詰めた機種と言えます。
ノイキャン機の場合、移動中も利用するシーンが多いことを考えれば、あってよい機種だと思いました。
実際小型モデルだけで言えば、他社機を含めて、ノイキャン部分は「最も強力」と言えます。
【2022年発売】
6・ SONY LinkBuds WF-L900
¥20,228 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:5.5時間
ドライバー:12mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:4.1g×2
WF-L900も、LinkBudsシリーズの製品です。
ただ、コンセプトはかなり異なり、「外音取り込みの自然さ」を極度に追求した機種と言えます。
耳口の部分に「穴」を開けたオープンエアで、(アンビエント機能なしに)常時外音を聴けるというコンセプトのある製品です。
(見かけの)違和感もないデザインで、装着性も良いです。
本体色は、グレー(WF-L900 HM)とホワイト(WF-L900)の2色構成です。
重量は、4.1gです。
「軽さ」も本機の売りで、同社の歴代機種の中でも「最軽量」です。
イヤーピースは、5サイズ付属です。
本機の場合、耳にフィットさせる構造なので、フィッティングサポーターですが、装着安定性は高いです。
音質面では、ドライバーはダイナミック型の12mmを採用します。
ホールのあるリング型ですので、単純に他機と比較はできませんが、仕様を見る限り、中音域と高音域を重視した設計です。
低音域は、構造的な部分を含めて、「そこそこ」です。
音源部分では、先述の「360 Reality Audio」の認定製品ですので、個人の耳の形に応じたカスタマイズが可能です。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACに対応します。
「じっくり音楽を聴く」ような製品でないので、ハイレゾ(LDAC)は非対応です。
圧縮音源のアップスケール技術(DSEE)は持ちますが、「CD音質まで」高めるものとなります。
ノイズ対策は、ノイキャン機能を持ちません。
先述のように、むしろ「外音を自然に取り込むこと」に主眼を置く機種ですから。
連続再生時間は、5.5時間です。
バッテリーケースは、USB充電式で、12時間分のバッテリー容量です。
そのほか、マイク・AI対応・防水性の部分は、1つ上で見た WF-LS900Nと同じです。
---以上、ソニーの WF-L900の紹介でした。
音楽への没入感はある程度犠牲にしても、自然な外音を取り込みたいシーンで活躍するだろう機種です。屋外でのワークアウトには割と良いかと思います。
一方、オープンエア構造の製品は、音漏れがかなりあると言えます。
そのため、図書館などはもちろんのこと、乗り物での移動中では、音量をあまりあげずとも、停車時などには周りの迷惑になるので、利用できません。
【2020年発売】
7・ SONY WF-SP800N
¥16,640 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:9時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク式
防水性能:IPX5
重さ:9.8g×2
WF-SP800Nも、SONYが販売する完全ワイヤレスタイプのイヤホンです。
本機は、スポーツ用の防水仕様の製品です。
重量は、9.8gです。
スポーツ用のアークサポーター込みなので、この重さでも問題ないです。
イヤーピースは、4サイズから選べます。
アークサポーターは、MとLの2種類です。
音質面では、6mmのダイナミック型ドライバー搭載です。
とくに大きなわけではないですが、本機は、ソニーが得意とする重低音強化技術(EXTRA BASS)に対応します。
室内トレーニングなどで、低音の迫力がマストの方には良いでしょう。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACに対応です。
通信安定性の面では、Bluetooth5.0に対応です。
その上で、本機は、高級機同様の左右同時伝送方式ですので、動画視聴時などの音ズレは少なめでしょう。
ノイズ対策は、本機は対応です。
Wマイク式ではないですが、SONYの上位機と同じで、アダプティブサウンドコントロールを持ちます。
スマホの加速度センサーと連動させて、行動検出で、外音取り込みやノイズキャンセラの効きを自動調整することができます。
加えて、スマホの位置情報と連携させて、例えば、ジムに着いたらこの設定、なども可能です。
その上で、図のようにタッチセンサーを押している間だけ、一時的に外音を取り込める「クイックアテンションモード」も装備します。
連続再生時間は、9時間となります。
マイクは、こちらも搭載です。
防水性は、 IPX5相当です。
ジョギングなどで雨が降っても大丈夫です。
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以上、ソニーのWF-SP800Nの紹介でした。
「ノイキャンも重低音もあきらめない」というコンセプトですが、実際、ジムなどでのワークアウトにはかなり向く製品でしょう。
音質もノイキャンも単独では性能の良い製品は他にもありますが、それらを両立させている点が本機の魅力でしょう。ニッチですが需要はありそうです。
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【2020年発売】
8・ SONY WF-H800
¥15,700 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:8時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:
重さ:7.6g×2
なお、最近までWF-H800という製品の展開もありました。
「ハイレゾ級高音質」という触れ込みでしたが、実際のスペック(再生周波数帯域)が認定基準に達していないという部分で「微妙」な製品でした。
現在的に選ぶ必要はないように思えます。
【2020年発売】
9・ SONY WF-XB700
¥13,679 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:9時間
ドライバー:12mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:
重さ:8.0g×2
WF-XB700は、SONYの完全ワイヤレスイヤホンの中級機です。
本体色は、ブラック(WF-XB700 B)ブルー(WF-XB700 L)の2色です。
重量は、8gです。
さほど軽量性を追い求めたモデルではなく、サイズも少し大きめです。
イヤーピースは、4サイズから選択可能です。2組付属します。
音質面では、一方、本機は、ソニー製としては、最大級のサイズで12mmです。
その上で、同社の売りとなる重低音強化技術(EXTRA BASS)に対応しますので、この部分の臨場感は期待値が高いです。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACに対応です。
通信安定性の面では、一方、Bluetooth5.0に対応です。
また、左右同時伝送方式に対応するため、音ズレは少なめでしょう。
ノイズ対策については、ノンズキャンセラが非搭載です。
また、外音取り込みモードもありません。
連続再生時間は、9時間となります。
マイクは、とくに高機能ではないですが、こちらも搭載です。
ハンズフリー通話もできます。
防滴設定は、IPX4相当です。
ただし、その構造と大きさからしてスポーツ用ではないでしょう。
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以上、ソニーのWF-XB700の紹介でした。
主に、低音域の迫力が欲しい方に向く製品です。
先述のように、完全ワイヤレスイヤホンは、音質的な個性が出にくいですが、本機については、ドライバのサイズを含め、例外的に「重低音」というハッキリとした個性があります。
音質的にも、デザイン的も、ターゲット層は若者向きで、いわゆる「ストリート系」がターゲットでしょう。
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【2021年発売】
10・ SONY WF-C500
¥8,645 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:10時間
ドライバー:5.8mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:
重さ:5.4g×2
なお、2021年に WF-C500という下位機が登場しました。
位置づけとしては、軽量小型な「ファッション性重視」の格安機です。
ドライバは小さめですので、女子ニーズがありそうです。
ただ、ドライバが5.8mmと小さめで音質部分に特徴がある機種でないほか、主にサイズ感の関係で、マイクもMEMで、上位機と差があります。
【2018年発売】
11・ SONY WF-SP900
¥11,500 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:3.5時間
ドライバー:BA型ドライバー
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX67
重さ:7.3g×2
WF-SP900 は、少し特殊なソニーの完全ワイヤレスイヤホンです。
なぜなら、音楽プレーヤー機能を内蔵した完全ワイヤレスイヤホンだからです。
MP2の場合、約920曲がメモリーに記録できます。そのほか、WMA・AAC・FLACなどの音源も利用可能です。
本体色は、ブラック、ホワイト、イエローから選べます。
重量は、7.3gです。
アンプ内蔵型ですが、重さは問題ない点は優れます。
イヤーピースは、4サイズから、アークサポーターも3サイズからと、フィット性は重視されます。
音質面では、この機種は、下位機種と仕組みが異なります。
なぜなら、小型のバランスド・アーマチュア型を採用するからです。
音質面というより音楽プレーヤー機能を搭載したことによる、スペースの節約的意味が強いです。
とはいえ、独自の、T字のシンメトリックアーマチュアで、性能はよさそうです。もちろん、パワー(音圧)の面では、多少非力でしょう。
Bluetoothコーデックは、スマホに保存した音源を利用する場合、SBCとAACに対応です。
通信安定性の面では、一方、Bluetooth5.0には対応しません。
しかし、この製品の場合、音楽再生機器からの通信はないわけで、インストールした音源を再生する分には、むしろ通信安定性は、他機より逆に高いと言えます。
ノイズ対策については、ノンズキャンセラが非搭載です。
ただ、マイクから電車のアナウンスなどを聴き取れるようにする、外音取り込みモードは搭載です。
連続再生時間は、3時間となります。
マイクは、こちらも搭載です。
防水性は、 IPX67当です。
水深2mを30分対応できる水準ですから、スイミングで利用できるグレードです。
もちろん、水中では、Bluetoothの電波自体が届かないので、「スペック的には」です。
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以上、ソニーのWF-SP900の紹介でした。
ワークアウトやトレーニングの際に、ワイヤーケーブルが「うっとうしく」感じていた人には良い製品でしょう。
音質面では、単体のBA型ドライバーなので迫力に欠ける部分はありますが、動きながらの利用ですし、さほど重視しなくても良いでしょう。
この用途に限定して考えるならば、かなり実用的に思えます。
なお、プレイヤー内蔵タイプは、【ウォークマンの比較記事】の後半で紹介したように、完全ワイヤレスでなくてよいならば、1万円台から選択肢があります。
1-3・BOSEのイヤホン
続いて、アメリカのBOSEの完全ワイヤレスイヤホンです。
ソニー同様に、ノイズキャンセリング技術に大昔から取り組んできた、アメリカ東海岸を代表する高級オーディオメーカーです。
【2022年発売】(新製品)
12・Bose QuietComfort Earbuds II
¥33,000 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
【2020年発売】(旧製品)
12・Bose QuietComfort Earbuds
¥23,000 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:6時間
ドライバー:
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:6g×2
QuietComfort Earbuds II は、アメリカのBOSEが販売する、ノイキャン対応の完全ワイヤレスイヤホンです。
同社は、老舗の高級オーディオメーカで、低音域が充実する独特の「ボーズサウンド」はファンが多いです。ノイキャンもソニー同様に、(汎用チップではなく)自社技術をもつ会社で、技術レベルが高いです。
2022年に第2世代になりました。
完全に設計を見直し、重さが30%も軽くなっています。その上で、ノイキャンの精度ほか、後述するCustomTuneテクノロジー採用で、装着方法による音質低下も防げるようになっています。
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結論的にいえば、今買うならば、新機種でしょう。
本体色は、トリプルブラック(QC Earbuds II BLK)とソープストーン(QC Earbuds II SPS)の2色構成です。
重量は、片側6.5gです。
ソニーの上位機とAppleの上位機のちょうど真ん中です。
実際、このくらいが「快適(コンフォート)に使える重さ」というのは異論ありません。
イヤーピースは、3サイズが添付されます。
本機は、スタビリティバンドも3サイズ換装できる仕様で、耳の形状に合わせてフィットさせることを強く意識しています。
音漏れについては、問題を感じません。
本機は、起動時に毎回短いトーン再生を行い、それで装着具合を見ながら反響音を調整する機能を持ちます(CustomTuneテクノロジー)。
音質向上効果もありますが、音量部分でのメリットもあると思います。イヤーピース自体にアナログな遮音性はさほどあるように思えませんし、ベントもありますが、問題を感じない理由の1つかと思います。
音質面では、本機は、ドライバサイズは非公開です。
ただ、イヤーピースの特性もありつつですが、しっかり低音域が充実するサウンドです。
この部分では他機に負けていません。
同社の場合、「アクティブEQテクノロジー」です。小音量での再生時でも、しっかりバランス調整され、とくに低音域(重低音)の迫力が削がれない技術です。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACに対応です。
同社は、 劣化音源を調律して、独自の味付けされた「BOSEサウンド」に加工していく方向性なので、従来はSBCだけでした。
ただ、最近は、AACにも対応する機種が少し増えきていて本機もそうです。
ハイレゾ(高解像度音源)には不向きなのですが、それ以外は問題ありません。
接続安定性の面では、一方、本機はBluetooth5.3に対応しています。
本機も、左右独立受信方式です。
ノイズ対策は、Wマイク仕様です。
従来機と同じですが、精度があがりました。主には、先述のCustomTuneテクノロジーを採用し、耳に合わせた調整ができるようになった部分が大きいと言えます。
マイクは、正確に、内側に1つと、外側に3つです。外側の3マイクは通話専用などと割り振りはせず、ノイキャンに使われる仕様のようです。この部分も、同社の強力なノイキャン性能に活かされます。
外音取り込みは、可能です。
マイクを通じて外音を入れるヒアスルーは対応です(Awareモード)。このモードの際、大きな音がした場合、Bose ActiveSenseテクノロジーにより、しっかりノイズを押さえます。
このほか、通常は最大(Quiet)で使いますが、ノイキャンのかかりは段階的に軽減でき、2種までカスタマイズして登録可能です。
連続再生時間は、ステレオ再生/ノイキャンONで6時間と長寿命です。
バッテリーケースは、やはり、充電器を兼ねており、約3回分利用可能です。
また、本体への20分での2時間分再生のクイックチャージに対応です。充電はUSB-C経由です。
マイクは、搭載です。
通話時には、ノイキャンしつつ、自分の声を拾うので、違和感なく会話できます。
防水性は、IPX4等級です。
防滴構造はありますが、構造的にスポーツ用ではないでしょう。
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以上、ボーズのQuietComfort Earbuds IIの紹介でした。
発売とともに「ノイキャンの強さ」で話題になった機種です。
実際、試すと最大煮した場合の「静粛性」については、相当強力ですので、没入感を重視する場合、候補になります。前モデルですこし課題に感じた音漏れもないです。
一方、状況に応じたかかりの調整は、SONYやAppleにややざっくりな部分はありそうですが、ノイキャン部分の本質的な技術はベストといえそうです。
ドライバの口径を思わせない低音域で、小音量でも低音域のバランスがよい特性は引き続きありますので、良い進化を遂げた機種だと思いました。本体が軽くなったのも良いと思います。
【2020年発売】
13・Bose Sport Earbuds
¥16,940 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC
連続再生時間:5時間
ドライバー:
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:6.75g×2
Bose Sport Earbuds は、アメリカのBOSEが販売する、完全ワイヤレスイヤホンです。
重量は、6.75gです。
スポーツ用の固定力が強いタイプとしては、軽いです。
イヤーピースは、コンプライ社のStayHear Maxチップが3サイズ添付されます。
同社は、機能性の高いイヤーピースを出す専業メーカーで、この部分はあえて外注しています。
密閉型で、アークサポーター部分を含め、フィット性は強めで、スポーツ向きです。
音質面では、BOSEの伝統でスペックは「非公開」です。
ただ、実機を見ると、少なくとも6mm程度はある、大きめのドライバーです。
音質もBoseらしいです。ピュアサウンドではないですが、作り込まれた豊かな低音と、安定的な中音域で聴きやすいです。
一方、イコライザーの品質が良く小音量でも聴きやすいですが、形状的に多少の音漏れは伴います。
本機の場合、(ソニー機のような)外音取込モード・通話モードがないので、屋外でのワークアウト時の安全性の部分もあって、完全な密閉型にしていないのだと思います。
Bluetoothコーデックは、SBCのみ対応です。
先述のように、SBCは音質は評価できない規格です。
ただ、BOSEは伝統的に低音質ソースのアップコンバート再生に強いメーカーです。
そのため、劣化した音源を、上手に再生させています。
しっかりした低音と、中音域と高音域のバランスを持ったBOSEサウンドの傾向をしっかりもっています。
実際、最近は、音質がAACに近づいたと言われるBitPool 53規格が標準化されたので、昔ほど遅延についてはSBCとAACの差は無いです。
ただ、それでも、動画と音声の再生の場合は遅延は起こりやすいでしょう。あくまで、音楽専用端末として評価できます。
通信安定性の面では、新機種になってBluetooth5に対応となりました。
ノイズ対策は、非対応です。
連続再生時間は、5時間です。
充電ケースは、先行他社に準じる仕様で、2回のフル充電が可能です。
マイクは、4基搭載です。
無指向性ですが、ビームフォーミング技術が採用されるため、通話時、通話以外の雑音を遮断できる構造です。
また、図のように、タッチセンサーを押すことで応答可能です。
防水性は、IPX4等級です。
防塵防滴に対応ですが、水没は不可です。
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以上、BOSEのBose Sport Earbudsの紹介でした。
アクティブに利用したい方の高級機として、選択肢となる機種です。課題だったBluetoothと重さの部分も新機種となって改善しましたし、スポーツ用として選択しても良い機種となりました。
一方、構造的に完全に遮音は難しい製品です。没入感の部分を含めて、(電車など)通勤通学兼用には不向きである点は、注意してください。
次回につづく!
完全ワイヤレスイヤホンのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は音楽用の完全ワイヤレスヘッドホンを比較しました。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・完全ワイヤレスイヤホンの比較(2)
2-1:パナソニック〈日本〉
2-2:JVC〈日本〉
2-3:オーディオテクニカ〈日本〉
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較(3)
3-1:JBL〈米国〉
3-2:ANKER 〈米国〉
4・完全ワイヤレスイヤホンの比較(4)
4-1:Beats〈米国〉
4-2:SHURE〈米国〉
4-3:Bang&Olufsen〈北欧〉
4-4:Jabra 〈北欧〉
4-5:Noble Audio〈米国〉
5・完全ワイヤレスイヤホンの比較(5)
5-1:ヤマハ〈日本〉
5-2:AVIOT〈日本〉
5-3:ag 〈日本〉
5-4:SOL REPUBLIC〈米国〉
6・完全ワイヤレスイヤホンの比較(6)
6-1:Amazon 〈米国〉
6-2:Google 〈米国〉
6-3:ゼンハイザー〈ドイツ〉
6-4:その他のブランド
7・完全ワイヤレスイヤホンまとめ【結論】
=予算別・目的別のおすすめ製品の提案
次の2回目記事(こちら)では、パナソニックほか、日本の大手メーカーを中心に紹介します。
音質の良さ ★★★★★
ノイキャン ★★★★★
軽量性 ★★★★★
防塵・防滴性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回の結論編(こちら)では、今回紹介した「全製品」から、予算別・目的別に、最終的なAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら