【今回レビューする製品】2023年ネットワークHDD(NAS)の性能とおすすめ・選び方:上級者向けのマルチメディア対応ケースNAS:Synology QNAP ReadyNAS
【比較する主な製品】 QNAP Turbo NAS TS-133 TS-133/AZ TS-233 TS233/AZ TS-433-4G TS433/AZ TS-231P3-4G TS-431P3-4G P TS262 /AZ TS-262-4G TS-462/AZ TS-462-2G TS-364-4G TS-464/AZ TS464 TS-464/AZ TS-464-4G TS-364-8G Synology DiskStation DS223 DS223j/G DS723+ DS923+ DS220j/JP DS220j DS120j/JP DS420+ DS220+ DS423+ DS420j QNAP TS-464-8G/AZ TS-464-8G ASUSTOR DRIVESTOR 2 Pro AS3302T 4 Pro AS3304T AS1102T AS1104T ASUSTOR LOCKERSTOR 2 Gen2 AS6702T AS6704T FLASHSTOR 12 Pro FS6712X FLASHSTOR 6 FS6706Tほか
今回のお題
最新のNAS(ネットワークストレージ)のおすすめはどれ?
どもAtlasです。
今日は、2023年3月現在、最新の家庭向けのNAS の比較の3回目記事です。
1・一般向けのNASの比較
2・マルチメディアNASの比較
3・上級者向けNASの比較
4・おすすめNASのまとめ 【結論】
3回目記事では、「ケースのみの多機能NAS」を紹介していきます。
3-1:Synology〈台湾〉
3-2:QNAP〈台湾〉
3-3:ASUSTOR〈台湾〉
NETGEAR(ReadyNAS)が撤退したので、以上、3社の機種を扱います。
ケースNASは、企業用があり本格的なものは「天井知らずの価格」なので、10万円以内のモデルに限定しました。
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なお、ケースNASを特化して探しているのでない方は、1回目記事(こちら)からお読み頂いた方が分かりやすいかと思います。
よろしくお願いします。
3-1・SynologyのケースNAS
はじめに、台湾のSynologyのケースNASです。
高性能NASは台湾勢が強いですが、同社も昔から日本で多くの製品を展開しています。
どちらかと言えば、仕事向けに高度なNASが多く、そちらに強みがあると言えます。
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なお、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2023年発売】DS223j同等品
28・Synology Diskstation DS223j/G
¥27,879 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【2020年発売】DS220j同等品
29・Synology Diskstation DS220j/JP
¥27,682 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
HDD容量:
読出速度:125MB/秒(最大)
動画のムーブ:有料(DTCP-IP)
スマホでの動画視聴:対応
自宅外からのアクセス:対応
DS223j/Gは、Synologyが発売する「Jシリーズ」に属する製品です。
「ライトユーザー」向きとされるシリーズですが、実際、同社の製品で言えば、このシリーズが、唯一「一般家庭向き」と言えます。実際、日本でも人気で、かなり売れているモデルです。
なお、末尾にアルファベット(G, JP)のあるモデルのみ、日本語の説明書が付きます。
一方、旧機種が残ります。値段はほぼ変わりませんが、今回、CPU性能が20%ほど向上し、メモリも倍増(1GB)されたので、選ぶならば新機種です。
ハードディスクは、合計2台まで内蔵できる「2ベイ」です。
容量は、16TBのHDDが動作保証です。
付属ホルダーを利用すれば2.5インチHDDの取り付けも可能です。
HDDへの転送速度は、メーカ非公開です。
ただ、高速なHDDやSATAのSSDを利用したとしても、最大125MB/秒です。
なぜなら、LANが普通のギガビット(1000BASE-T)でそこがボトルネックになるからです。最大1000Mpbs(=125メガバイト/秒)です。
理論値なので、実際は、もう少し落ちるでしょう。
CPUは、Realtek RTD1619Bです。
メジャーブランドではないですが、4コアの1.7GHzです。
この値段ならば妥当です。
LANは、1000Base-Tの普通の速度のものが1つです。
そのほか、周辺機器用のUSB-A(USB3.0)ポートが2つです。
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NASとしてできることは、主に5つです。
第1に、ファイルサーバー機能です。
見所と言えるのは、データ同期機能です。
ネットワーク上の複数のパソコンのデータの同期が可能なほか、Google Drive、OneDrive、Dropboxなどのネットワークストレージとの同機も可能です。
特定のファイルにリンクを付けて、知人と共有化するDropboxなどにみられる機能もあります。
第2に、メディアサーバー機能です。
Video StationというWindows/Mac対応のNAS用のビデオ管理ソフトで、録画ファイルを簡単に、整理・管理できます。
ニッチな部分では、有志の作った字幕情報やビデオ情報をネットから同期できます。
スマホ対応は、iOS/Androidについて、写真用のDS photoと、音楽用のDS audio、動画用のDS videoという専用アプリが用意されます。
そのほか、Apple TV、Google ChromecastなどについてTVでのストリーミング再生の仲介も可能です。
音楽についても、iTunesサーバー機能を持ちます。
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第3に、テレビの録画ムーブ機能です。
デフォルトでは、DTCP-IP規格対応の明示がなく、非対応です。
ただ、製品購入後に追加アドオン(1000円弱)としてDiXiM Media Serverを購入できます。
DTCP-IP規格対応の、サードパーティの組込アプリで、導入後には、レコーダーなどからのムーブ対応となります。
ただ、DTCP-IP+規格ではないので、外出先からの著作権付きの動画の視聴はできません。
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第4に、外出先からのファイルへのアクセスです。
この部分は問題なく対応します。
必要なファイル検索も容易で、高機能です。ファイルについては、全文検索も可能です。
第5に、自動バックアップ機能です。
この部分も問題ありません。フォルダ単位の同機も、全体の同期も可能ですし、暗号化にも対応します。
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以上、SynologyのDS215j//JPの紹介でした。
ケースNASは初心者には難易度が高そうですが、いざ入れてしまえば、設定などはさほど難しくありません。
本機は、「最も初心者に優しいケースNASの1つ」だと言えます。マルチメディアサーバーとして考えている場合は、DiXiM Media Serverを導入できる部分は大きいでしょう。
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【2019年発売】
30・Synology DiskStation DS120j/JP
¥16,234 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
HDD容量:
読出速度:125MB/秒(最大)
動画のムーブ:有料(DTCP-IP)
スマホでの動画視聴:対応
自宅外からのアクセス:対応
なお、Jシリーズの「1ベイ」モデルして、 DS120j/JPという製品もあります。
RAIDが組めないですが、機能面は上位機とほとんど同じです。
1ベイなら処理速度が不要のためCPUのグレードが下位になりますが、あとは、Cloud Station Serverなど企業向け機能が省略される程度です。
サイズも、幅の部分で3cmほど小型です。
騒音評価も少しだけ良いほか、電源も36Wと40%ほど節電です。
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結論的にいえば、シンプルで簡単に使えそうな良い機種に思いました。ただ、逆に言えば、1ドライブならばセットNASでも良い機種は多いですし、あえてケースNASにせずとも良い気はします。
【2018年発売】(2022年追加)
【1ベイ】DS118同等品
31・Synology DiskStation DS118/JP
¥29,087 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【2ベイ】DS223/G同等品
32・Synology DiskStation DS223
¥40,404 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【4ベイ】DS423同等品
33・Synology DiskStation DS423/G
¥57,576 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
HDD容量:
読出速度:125MB/秒(最大)
動画のムーブ:有料(DTCP-IP)
スマホでの動画視聴:対応
自宅外からのアクセス:対応
DS118 などは、SynologyのValue シリーズの製品です。
ビジネス用の中級機で「ミドルライトユーザー」向きです。
本機も末尾に「G JP」と付くモデルのみ日本語の説明書がつきます。
CPUは、台湾のRealtekのサーバー用を使います。
DS118は 4コア・1.4GHzのRealtek RTD1296です。
DS223・DS423は発売が2022年以降だったので、4コア・1.7GHzのRealtek RTD1619Bとなり、少し良いと言えます。
内蔵メモリーは、2GBです。
規格はDDR4ですが、特段増設にも対応しません。
HDDへの転送速度は、本機も、実効速度は、メーカーによって測定されていません。
ただ、下位機種と同じLAN部分の理由で、最大125MB/秒でしょう。
LANは、本機も、1000Base-Tの普通の速度のものが1つです。
そのほか、外部機器接続用に、USB-A(USB3.0)ポートが2つ(上位機3つ)あります。
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以上、、SynologyのValue シリーズの紹介でした。
CPU部分をJシリーズとソフト的(OS的)にできることは、基本的に同じです。
ただ、CPU部分が強いので、運用面の柔軟度があがると言えます。例えば、IPカメラの録画用に使う場合ならば、接続数や、フレームレートの部分で対応幅が上がります。
ただ、やはる法人用に、コスパが良いという意味の「Value 」です。回線速度も限界があるため、家庭向きな要素は少ないと言えます。
【2020年発売】(23年追加)
【下位機】
【2ベイ】
34・Synology DiskStation DS220+
¥44,900 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【4ベイ】
35・Synology DiskStation DS423+
¥76,869 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【上位機】
【2ベイ】
36・Synology DiskStation DS723+
¥73,082 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【4ベイ】
37・Synology DiskStation DS923+
¥94,040 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
HDD容量:
読出速度:112MB/秒(最大)
動画のムーブ:有料(DTCP-IP)
スマホでの動画視聴:対応
自宅外からのアクセス:対応
DS220+は、SynologyのPlus シリーズに属する同社の上位機です。
CPUは、Intel・AMDの各プロセッサです。
下位機の場合、2ベイのDS220+は、2コアのCeleron J4025 (2コア 2.0 GHz)、4ベイの DS423+は Intel Celeron J4125 (4コア 2.0 GHz)です。
上位機の場合、2ベイのDS723+ 4ベイのDS923+いずれもAMD Ryzen R1600 (2コア 2.6 GHz)です。
4ベイ機は上位下位でスコア的にはさほど差はない印象です。ターボ時はそれなりに差が付くでしょう。もちろん、筐体サイズは同じですからスペックに応じて、廃熱の問題はでます。
いずれにしても、DS220+を除くと、CPUはスコアが3000近いですから、安物のノートPC並の性能があります。
【4GB】
Transcend PC4-21300 (DDR4-2666)
¥1,999 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
内蔵メモリーは、D923+は8GB(最大32GB)、 DS723+は4GB(最大32GB)です。それ以外は2GB(最大6GB)です。
下位機の場合、空きスロットに4GBのモジュールの増設が可能です。
純正(D4NESO-2666-4G)以外は保証対象外です。
ただ、価格差があるので(自己責任で)上のようなサードパーティ製を選ぶ方が多そうです。
【500GB】
WD M.2-2280 NVMe WDS500G3B0C-EC
¥5,437 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
DS423+以上は、内蔵SSDスロット(M.2 SSD規格)が2基あります。SSDはストレージ運用ではなく、SSDキャッシュとしてHDDの高速化のために利用します。
純正(SNV3400-400G SNV3410-800G)は、それぞれ400GB・800GBですが結構高いです。やはり自己責任ですが、上のようなサードパーティ製でも恐らく問題ないでしょう。
LANは、ギガビット(1000Base-T)のポートが2つです。
本機はリンクアグリゲーション対応なので、対応ルーターとLANケーブルを「2本差し」できます。
なお、Plus シリーズだと、上位機の場合は高速な2.5Gbps・10Gbpsに対応できる水準です。
・Synology E10G22-T1-Min
¥22,572 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
ただ、対応モジュールが別売で、かつ、結構高いので、必要な予算はそれ以上と言えます。
HDDへの転送速度は、そのように使う場合(理論上)250MB/秒が最大です。
端子は、機器用にUSB-A端子(USB3.0)が2系統あります。
本機は、端子の下にUSBコピーボタンがあり、ワンタッチでファイルをコピーできます。バックアップ用に便利でしょう。このほか、上位機だとeSATAも1系統あります。
ソフト面では、Plus シリーズに固有の機能の機能として、Btrfsが利用可能です。
NAS内の高度なバックアップ機能の1つです。
本格的なバックアップをとる前に、一時的に保管する場所を用意し、人為的なバックアップ時のデータ抹消を防ぐものです。
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以上、SynologyのPlus シリーズの紹介でした。
売れているシリーズですが、基本的には業務用としてです。IPカメラの運用ほか多数の端末を管理するなど、スペックを必要としている方に向けた製品と言えます。
一般家庭用としては、速度が欲しい方ならば導入価値があるかもしれません。ただ、現在、家庭用ルーターでリンクアグリゲーションに対応するモデルが減っている状況です。
将来を見こすのならば、1本でもお高速なLAN規格となる2.5Gbps・10Gbpsに対応するNASを選んだ方が良いでしょう。
3-2・QNAPの製品
続いて、台湾のQNAPです。
同社は、Synologyのライバル機種の1つで、日本でも「ケースNAS3強」の一角です。
【2022年発売】
【1ベイ】TS-131K 後継品
38・QNAP TS-133 TS-133/AZ
¥23,180 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【2ベイ】
39・QNAP TS-233 TS233/AZ
¥30,820 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【4ベイ】TS-431K 後継品
40・QNAP TS-433-4G TS433/AZ
¥64,750 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
HDD容量:
読出速度:114MB/秒
動画のムーブ:有料(DTCP-IP)
スマホでの動画視聴:対応
自宅外からのアクセス:対応
TS-x33K シリーズは、 QNAPが販売する、中級のケースNASです。
なお、Amazonで売られる場合、末尾に「AZ」がつきますが性能は同じです。その上で、保証がオマケで、6ヶ月プラスになります。
設計は、本体構造を含め、あくまで「家庭向け」です。
その分安く、サイズもコンパクトです。
ディスクベイは、1ベイ・2ベイ・4ベイの構成から選べます。
HDDへの転送速度は、本機は実効速度の目安が公開されます。
Synologyで出したデータは、あくまで計算上ですので、こちらの方がデータは正確で、また、高速だと思います。
2ベイ以上のモデルを、Raid 0で組めば、LANのボトルネック(125MB/秒)までは速くできるでしょう。
QNAP USB 3.2 Gen 1 5GbE アダプタ QNA-UC5G1T
¥18,240 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
端子は、LAN端子ほか、USB-A端子(USB 3.0)があります。
純正のアダプタを介して写真のようにつなげると(理論上)300MB/秒までは高速化できます。
CPUは、ARM Cortex-A55です。
4コアの 1.8GHzで、サーバー用の入門CPUです。
性能面で問題ありません。
NASとしてできることは、この機種の場合、次のとおりです。
第1に、ファイルサーバー機能です。
データ同期は、同社も視認性の高い仕組みを利用しています。
その上で、セキュリティに関する仕組みが充実しており、例えば、NASの不具合を知るため、定期的に、スナップショット(復元用データ)を自動保存していく機能があります。
そのほか、電子メールのクライアント機能なども付属し、どちらかと言えば、法人用に便利な機能が充実します。
Qfile
¥0 Apple App Store
Qfile
¥0 Google Play
第2に、メディアサーバー機能です。
他社同様に、スマホ用アプリが用意されます。
Qfileは、写真の同期やファイルアクセス、音楽のストリーミング再生が容易に可能です。
なお、動画は、AVIと MP4の対応です。
ストリーミングは、DLNA対応端末のほか、【STB機器の比較記事】で書いたようなApple・Amazon・Googleの端末にも、公式対応します。。
動画は、新CPUになった結果ARM NEONテクノロジ対応になりました。
処理が高速化されます。H.265ハードウェアトランスコーディングに対応できますが、この部分は追加料金(約12ドル)になります。
一方、本機は、NPU(AI専用のプロセッサ)を搭載です。
このNASは、写真アプリ(QuMagie)を内蔵しますが、その利用の際など(スマホアプリのように)人物別に写真の整理を高速に行えます。
ギガビット有線LAN利用が前提なら問題ないスペックです。ただし、USB経由だと上位機よりも速度は出ない製品です。
第3に、テレビの録画ムーブ機能です。
こちらは、デフォルトではDTCP-IPに対応しません。
ただし、sMedio DTCP MOVEというアプリを、同社のApp CenterからNASにダウンロードすれば、ムーブ対応になります。
・QNAPウェブアプリ
・Synology ウェブアプリ
・ASUSTOR ウェブアプリ
なお、今回紹介する3社ともかなりの拡張アプリがあります。
機能的に重複するものも多いですが、サイト的なわかりやすさについて言えば、QNAPは特に分かりやすいです。
第4に、外出先からのファイルへのアクセスです。
この部分も問題なく対応します。
アドオンを追加することで、「ウェブ上のOS」のように使えます。簡単な文書を作成することもできますが、この部分は、他のクラウドサービスのが充実する部分ではあります。
第5に、自動バックアップ機能です。
かなり高機能です。
クラウドストレージを含めた、多数のサービスと連携します( Hybrid Backup Syncマルチクラウドバックアップ)。
故障時も「確実にデータが飛ばないよう」多重防衛策を取る仕組みです。
フィジカルなバックアップについても、全面のUSB端子にメモリーを差し込むと、自動的にバックアップがはじまる「ワンタッチコピー機能」など、多機能です。
その上で、Dropboxのように、個別ファイルに友人(クライアント)を招待できるような仕組み(共有リンク形式)にしています。
Synologyの上位機のように「スナップショット」にも対応します。
そのほか、細かい部分ですが、本機は、少し大きめの8cmのファンを採用し、それを割とゆっくり回しているようで、騒音値が15dBとかなり静かです。
大型モデルに比して、消費電力も20%ほど低いので、この部分も家庭向きと言って良いでしょう。
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以上、QNAPのTTS-x33K シリーズの紹介でした。
SynologyのJシリーズがライバルでしょう。
できることはあまり変わりませんが、アプリのレベルでDiXiM Media Serverを使えるSynologyのほうが、メディアサーバー機能の使い勝手は良いでしょう。
ただ、家庭向けの「ケースNAS」と考えた場合、静音性・低消費電力という部分に配慮があるのは重要です。
同社の便利アプリも上位機同様に利用可能なので、(あまり負荷をかけず)趣味用などに気軽に使いたいならば、本機は良いと思います。
QNAPは、管理画面(OS)を含めて作り込まれていますし、業務・保守関係で有効そうなアドオンの数も多いため、色々なことにチャレンジしたい場合(特にビジネス面)では、総合的にはこちらが良さそうです。
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【2020年発売】
【2ベイ】(生産完了)
41・QNAP TS-231P3-4G
¥(63,800) Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【4ベイ】
42・QNAP TS-431P3-4G
¥99,948 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
HDD容量:
読出速度:283MB/秒(最大)
動画のムーブ:有料(DTCP-IP)
スマホでの動画視聴:対応
自宅外からのアクセス:対応
なお、QNAPからは、TTS-x31P3シリーズという製品もあります(2ベイ機は生産終了)。
CPUは、Annapurna Labs Alpine AL-314で、4コアの 1.7GHzです。
HDDへの転送速度は、メーカーの実測値の表記では283MB/秒です。
本機はLANが、1000Base-Tではなく、2.5GbE(=312.5MB/秒)です。
そのため、LANがボトルネックにならず、また、リンクアグリゲーションを利用せずとも、この実効速度が出せます。
むろん【Wi-Fi6ルーターの比較記事】で紹介したような高性能ルーターほか、対応機器が必要です。
【8GB】
Qnap RAM-8GDR3L-SO-1600
¥38,736 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
CFD販売 DDR3-1600
¥1,709 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
メモリーは、4GBです。
最大8GBまで増設できますが、同社製を利用してとの指示があります。
ただ、高いので(自己責任で)試すならばサードパーティでしょう。
なお、スロットは1つですので入替えです。
NASとしてできることは、先ほどの機種とだいたい同じです。
ただ、ARMプロセッサではないため、それに依存する、動画・画像処理には非対応です。
一方、強力な処理能力を活かして、NAS内に保存したテキストファイルの全文検索機能(Qsirch)と、設定後、自動的にファイル構成する機能(Qfiling)が利用できるなどの部分で、進化を見せています。
Synologyも全文検索は機能として持ちます。
ただ、入門機では本体のスペックやアプリの作りを考慮すると、この部分は本機の「売り」と言えます。
【2022年発売】
【2ベイ】TS-251D後継品
43・QNAP TS262 /AZ TS-262-4G
¥69,800 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【4ベイ】
44・QNAP TS-462/AZ TS-462-2G
¥89,800 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
HDD容量:
読出速度:295MB/秒(最大)
動画のムーブ:有料(DTCP-IP)
スマホでの動画視聴:対応
自宅外からのアクセス:対応
TS-x62 シリーズは、QNAPが販売するNASの上位モデルです。
本機の場合も、Amazon型番(末尾AZ)の場合、保証が6ヶ月プラスです。
ハードディスクは、2ベイと・4ベイからの選択です。
なお、SSDにも公式的に対応します。
CPUは、2コア2スレッドのIntel celeron N4005 を採用します。
SynologyにもIntel採用機がありましたが、その上位機と中位機の中間くらいの性能のCPUです。
【Qnap製】
DDR4-SO2400-16GB-KIT(8GB×2)
¥− Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【シリコンパワー製】
DDR4-SO2400-8GB(8GB×2)
¥5,090 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
メモリーは、2機で仕様が異なります。
2ベイモデルの方は4GBで、4ベイは2GBです。
2ベイモデルは交換ができませんが、4ベイは交換可能です。
インテル系のCPUですし、普通にノート用の DDR4-2400(PC4-19200) を2組で増設するなら、サードパーティでも良いかと思います。
最大16GB(8GB×2)までが保証の限りです。
HDDへの転送速度は、公開される実効速度として295MB/秒です。
本機もLANの規格が、ボトルネックのない2.5GbEなのでこの速度がでます。
ただ、サーバー向けのHDDでこの速度の達成は(Raid0でも)難しいので、SSDを利用した場合の数字です。
【10Gbps有線LAN ×1】
QNAP QXG-10G1TB
¥(22,589) Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【10Gbps有線LAN ×2】
QNAP QXG-10G2T-X710
¥62,800 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
さらに、本機は、ファンの上に取り付けられた、ロープロのPCIe拡張スロットがあり、ここに、10GbEのカードを取り付けることも可能です。
純正の10GbEのネットワーク拡張カードを付けた場合、1回線でも1181MB/s、リンクアグリゲーションするならば、1644MB/sまで、出せるとされます。
こだわるならば「速く」できる機種です。
出力端子は、USBほか、本機は、4K/60Pの出力が可能なHDMI2.0端子を持ちます。
つまり、TVなどの近くに置き、直接出力することも可能です。
NASとしてできることは、基本的に下位機種と同じです。
便利な、Qsirch(全文検索アプリ)やNotes Station 3(ノート共有アプリ)に対応します。
4K ビデオトランスコーディングに本機は対応します。
加えて、同社のARMプロセッサ採用機と違い、Intel OpenVINO AIエンジンになりますが、それを利用して、AIによる画像認識と分類も同じく可能です。
アプリは、下位機と同じで、QuMagieフォト管理です。
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以上、QNAPのTS-x62 シリーズの紹介でした。
不必要なネットワークアダプタをむやみに増設して高額にせず、拡張スロット式にした点が評価できます。
用途としては、サイズ面からしても、やはり業務用ということになるでしょうが、SSDで贅沢にNASを組む場合、選択肢とはなるでしょう。
とくに、TS-233にないHDMI2.0対応がマストの場合はこちらと言えます。
【2022年発売】
【3ベイ】4GB
45・QNAP TS-364-8G
¥84,343 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【3ベイ】8GB
46・QNAP TS-364-4G
¥106,836 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
HDD容量:
読出速度:271MB/秒(最大)
動画のムーブ:有料(DTCP-IP)
スマホでの動画視聴:対応
自宅外からのアクセス:対応
TS-364-4G は、QNAPの3ベイタイプの高級機です。
搭載メモリ量のちがいで2機種あります。
ハードディスクは、3ベイになります。
SSDも利用できます。
転送速度は、メーカーの実行値で271MB/秒です。
HDDでも、速度を活かせるものはあると言えますが、回転速度(静音性)や耐久性の部分をふまえれば、SSDを前提とするべき機種でしょう。
ちなみに、HDDだけでなく、SSDについても、グレードがあります。
【内蔵SSDの比較記事】のほうで詳しく説明しました。
LANは、本機も、2.5GbE対応です。
そのため、先述の実行速度が出せています。
CPUは、Intel Celeron N5105/N5095 との表記です。
いずれも4コア 2.0 GHz のCPUです。
世代は同じですが、N5095のがクロックのバーストが可能でやや上級になります。
書き方が分かりにくいのですが、両方搭載ではない(どちらかが)載っているということでしょう。スコア的には、どちらも、下手なPCより良い水準です。
心配ないです。
【シリコンパワー製】
DDR4-SO2400-16GB(8GB×1)
¥2,590 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
メモリーは、4GB(4×1)です。
最大16GB(8×2)まで増設できます。
さらに、M.2 Slotが2つあります。
速度的に、PCIe Gen3×2で、ドライブベイのHDD(SSD)のSSDキャッシュとして利用することを想定します。
複数のモードがありますが、自動階層化もサポートするので、利用すれば、頻繁に出し入れするデータのアクセス速度の改善もできます。
ただ、SSDは熱に弱い部分があるため、ヒートシンク付が推奨です。
このブログの【内蔵SSDドライブの比較記事】で書いたM.2 (Type2280)のPCI-Express 3 0接続の高速SSDのうち、ヒートシンク付を買えば良いでしょう。
NASとしてできることは、基本的に下位機種のできることはできます。
AIによる画像認識についても、ニュートラルエンジンではなく、Google Edge TPUを利用する形式ですが、対応します。【こちら】の端末を利用します。
PCIeスロット(M.2 2280 )の1つに差します。ただし、先述のSSDキャッシュとは排他的になるでしょう。
接続端子は、USB-Aについては、3基中2つが高速のUSB3.1です。
また、HDMI端子も装備されますが、HDMI2.0には非対応です。
4K/60Pも出せません。
その他の部分は、家庭で使う分には下位機種とほぼ同じと考えてください。ただし、3ベイ機なので大きめです。
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以上、QNAPのTS-364-4Gの紹介でした。
個人向けの上級機と言うより、企業向けのマルチメディア対応機といったところです。
ただ、SSDを中心にまわして、スピードが欲しい場合は、個人でも選択肢になるでしょう。
【2022年発売】
【4ベイ】【8GB】
47・QNAP TS464 TS-464-8G/AZ
¥106,800 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
48・QNAP TS464 TS-464-8G
¥95,053 楽天市場 (6/29執筆時)
HDD容量:
読出速度:589MB/秒(最大)
動画のムーブ:有料(DTCP-IP)
スマホでの動画視聴:対応
自宅外からのアクセス:対応
TS-464は、QNAPの家庭用(個人用)では「ハイエンド」と言える製品です。
流通ルートで型番を分けますが、性能は同じです。
HDDは、4ベイです。
サイズは、常識の範囲(168 × 170 × 226 mm)ですので、個人用として、家庭に置けなくもないです。
CPUは、下位機と同じで、Intel Celeron N5105/N5095 との表記です。
問題ありません。
メモリーは、8GBです。
2022年所期モデルは4GBだったのが増設されました。
最大で、16GB(8G×2)まで増設できます。こちらも、増設を考えても良いかと思います。メモリの種類は先ほどの機種と同じです。
HDDの転送速度は、589MB/秒です。
本機は、2.5GbEが2ポートなので、それをフルに利用した場合の数字です。
1ポートでの運用でも295MB/秒ですし、SSDを利用するにしても十分です。
拡張性は、下位機種と同じで、PCIe M.2 Slotを2基装備し、SSDキャッシュ、ないし、Edge TPUによるAI画像認識に対応できます。
本機は、PCIeスロット(PCIe Gen3 x2)が、別にもう1つあります。
多目的に利用できます。
例えば、先ほどみたようなQNAPの10Gのネットワークカード(LANカード)を増設できます。
QM2 拡張カード、QM2-2P10G1TA
¥84,874 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
そのほか、USB-Cカードほか、QM2カードを増設し、キャッシュやEdgeTPU用に利用もできるでしょう。
QNAP QXP-W6-AX200
¥16,739 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
少しニッチですが、ワイヤレスアダプタを導入し、「ワイヤレスNAS」として運用することも可能です。
端子類は、とにかく充実します。
LANは、先述のように2.5G対応のLANポートが2系統です。加えて、1GのLANポートも2系統付属します。
下位機種に引き続き、HDMI 1.4とUSB-C(3.2 Gen2)ポートも2基あります。
NASとしてできることは、家庭用として利用する場合、基本的に下位機種と同じです。
ただ、IRセンサーが装備されているので、別売の同社の赤外線リモコン(QNAP RM-IR004 )での操作に対応できます。
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以上、QNAP TS-464/AZの紹介でした。
速度面では、10Gイーサネットに対応できる部分、SSDキャッシュに対応できる部分で、本機は優れます。
設定面、廃熱面ほか、 今回紹介した製品の中では、最も専門的な知識が必要な製品とはいえますが、個人用として考えた場合の「最上位グレード」機としてプレゼンスがあります。
3-3・ASUSTORのケースNAS
最後に、台湾のASUSTORのケースNASです。
台湾のASUSグループで、ストレージをメインに展開する企業です。
比較的安い価格帯のNASに強みがあります。

【2021年発売】
【2ベイ】
49・ASUSTOR DRIVESTOR 2 AS1102T
¥23,682 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【4ベイ】
50・ASUSTOR DRIVESTOR 4 AS1104T
¥41,400 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
HDD容量:
読出速度:215MB/秒(最大)
動画のムーブ:有料(DTCP-IP)
スマホでの動画視聴:対応
自宅外からのアクセス:対応
Drivestor は、ASUSTORの入門用のケースNASです。
外観のチェック柄は独特ですが、ASUSも昔、周辺機器でこんな感じの柄を使っていたので、何かしらこだわりがあるのかと思います。
ハードディスクは、2ベイと4ベイからの選択です。
HDDへの転送速度は、RAID1(ミラーリング)時の値で、上表の数値を出します。
LANは、2.5GbEです。
他社の場合と同じで、これにより転送速度を実現します。むろん、ルーター側の規格対応も必要です。
SSD(S-ATA)ならば、より速くできそうです。
ただ、CPUの関係か、公式対応は3.5インチHDDのみなので、HDDの高速モデルを選ぶことになるでしょう。
CPUは、他社も採用していたRealtek RTD1296 です。4コアの 1.4 GHzです。
NASむけの廉価版CPUです。ARM系やIntel系CPUの固有機能は使えない部分はありますが、値段的には妥当です。
NASとしてできることは、この機種の場合、次のとおりです。
第1に、ファイルサーバー機能です。
データ同期は、基本的にどの種類でも可能です。
パソコンの丸ごとバックアップやファイルバックアップに対応します。
AiMaster:制御
AiDownload:ダウンロード管理
AiVideos :動画視聴
AiMusic:音楽再生
AiFoto 3:写真整理
AiData:データアクセス
AiSecure:ホームセキュリティ
AiRemote:リモートキーボード
第2に、メディアサーバー機能です。
以上のアプリを利用可能です。基本、他社にできて、本機できないものはないといえ、充実します。
ただ、統合アプリでない部分は、利便性の部分で甲乙はありそうです。
第3に、テレビの録画ムーブ機能です。
こちらも、デフォルトではDTCP-IPに対応しません。
ただ、QNAPと同じでsMedio DTCP MOVEというアプリを、同社のApp CentralからNASにダウンロードすれば、ムーブ対応になります。
やはり、同社の場合も、拡張アプリは充実します。
検索サイトも、機種による対応・非対応の表示はあるので、そこそこ分かりやすいです。
また、本機は4Kライブトランスコーディングをサポートします(10ビット4K H.265トランスコーディング)。
タブレットなど 4K Ultra HD画質が表示できない媒体でも、リアルタイムで視聴できるようにするものです。
そのほか、再生の際に内蔵メモリの半量(512MB )を動画用に開放するメディアモードも利用可能です。
そのほかの部分は、外出先からのファイルへのアクセス・自動バックアップ機能を含めて、他社機と差はないです。
静音性は、19デシベルという数値を公開しています。
静音ファン採用の部分は、ワンポイントかと思います。
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以上、ASUSTOR DRIVESTORの紹介でした。
SSDは扱えないようですが、2.5GbE LAN搭載で、HDDを利用する限りにおいて速度は、速度MAXという製品です。
欲を言えば、もう少しCPUがあったほうが良い気もしますが、4Kエンコードもできる仕様ですし、そもそもHDDで完結する予定の方については、本機は結構良いかと思いました。
ウェブアプリ・スマホアプリも充実しており、他社に引けをとっていません。選んでも良い機種の1つでしょう。
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【2021年発売】
【2ベイ】
51・ASUSTOR DRIVESTOR 2 Pro AS3302T
¥29,800 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【4ベイ】
52・ASUSTOR DRIVESTOR 4 Pro AS3304T
¥46,702 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
HDD容量:
読出速度:215MB/秒(最大)
動画のムーブ:有料(DTCP-IP)
スマホでの動画視聴:対応
自宅外からのアクセス:対応
なお、本機の上位機種となる「プロ版」もあります。
ハード面での仕様の違いは、メモリー量が倍量(2GB)である点です。
そのほか、形状的にドライブを外して保管したり、持ち運んで他のNASに付け替えたりできる、MyArchiveにも対応となります。
それ以外は同じですが、動画エンコード目当てに買われるならば、メモリーはあった方が良いでしょうし、こちらを選んだほうが良いかもしれません。
【2022年発売】
【2ベイ】
53・ASUSTOR LOCKERSTOR 2 Gen2 AS6702T
¥69,634 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【4ベイ】
54・ ASUSTOR LOCKERSTOR 4 Gen2 AS6704T
¥110,523 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
HDD容量:
読出速度:591MB/秒(最大)
動画のムーブ:有料(DTCP-IP)
スマホでの動画視聴:対応
自宅外からのアクセス:対応
Asustor Lockerstor 2 Gen 2も、台湾のASUSTORのケースNASです。
価格的には、個人用(一般用)といえるものでは、ハイグレードと言えるものです。
なお、4ベイのみ、モノクロの液晶確認パネルが付きます。
LANは、2.5GbEポートを2組装備です。
HDDへの転送速度は、最大で591MB/秒です。
RAID1設定(ミラーリング)の場合の速度で、2本差しの「リンクアグリゲーション」した場合の数字です。
半分でも十分に速いので、普通の接続でもよさそうです。
SSDは、本機は対応表記があります。
また、2ベイ機を含めて、M.2スロットが4組あります(PCIe 3.0)。
普通のストレージ利用もできますし、QNAP機のようにSSDキャッシュにもできます。
ドライブベイにいれるHDDほか、USB端子(USB3.2 Gen2)につけたディスク部分を合わせて、本機は、合計12(2ベイは10)ドライブの併用ができます。
廃熱が問題になりそうですが、とくにSSDのクーリングについては、配慮があります。
拡張性は、工夫があります。
M2スロットを外して、PCIeスロットにできるからです。
その場合、10GbEのLANカードなども挿せます。ただ、SSD利用と排他的ですし、メインの使い方ではないでしょう。
CPUは、Intel Celeron N5105です。
PC用としても使えそうなスペックですので、問題ありません。
メモリーは、4GBです。
最大15GB(8GB×2)まで増設できます。
NASとしてできることは、下位機種にできることは可能です。
上位機種として、対応するウェブアプリ数は増えます。
ライブ配信用アプリ「ASUSTOR Live」アプリは、本機のカタログでも注目の新アプリです。下位シリーズも対応ですが、性能面で言えば「本機だと快適」と言えそうです。
そのほか、Adobeソフトと、AppleのFinal Cut Proとの連携(同期)は、このシリーズから対応です。後者はアプリがSMB3プロトコル対応となったため、可能になりました。
あとは、データ保護の部分で、スナップショット(復元用データ)対応というのが、下位機種の目に付く違いです(Snapshot Center)。
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以上、ASUSTOR LOCKERSTOR 2 Gen2の紹介でした。
QNAP上位機のように「周辺機器の増設」前提に使う感じではないものの、SSD周りはこの値段からすると「強力」なので、こちらが「合う」人は一定数いるかと思います。
アプリ面では、Adobeとの連携ほか、映像視聴や配信には割と力を入れた構成なので、個人用としては、そちら方面のユーザーにニーズがあると言えます。
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【2022年発売】
【6ベイ】2.5Gb
55・ ASUSTOR FLASHSTOR 6 FS6706T
¥72,826 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
【6ベイ】10GbE
56・ ASUSTOR FLASHSTOR 12 Pro FS6712X
¥128,870 Amazon.co.jp (6/29執筆時)
HDD容量:
読出速度:1181MB/秒(最大)
動画のムーブ:有料(DTCP-IP)
スマホでの動画視聴:対応
自宅外からのアクセス:対応
なお、同じCPU(Intel Celeron N5105)を利用するFLASHSTORは、SSD専用NASです。
グレードとしては、LOCKERSTORと同じですが、HDD不要で、速度の必要なクリエーター志向の製品と考えると理解しやすいかと思います。
本体サイズは、48.3 (H) x 308.26 (W) x 193 (D) mmです。
SSD前提なので薄くできると言えます。高速SSDは廃熱が問題になりますが、エアフローはASUSの得意ジャンルですし、18.7dBの低騒音で、かつ効率的に冷却するとの説明です。
追加するSSDは、このブログの【内蔵SSDドライブの比較】で書いた製品で、さほど発熱せず、熱にも強そうな第3世代のサーバー用が良いかと思います。
M.2スロットが6組あります。3台組でRAID5を構築した場合、下位機だと以上の速度です。
上位機の場合、LANが10GbEですので、その部分のボトルネックなしなので、約2倍の速度がでます。
本機の場合も、同社の提案だと、先述のAdobeほか、AppleのFinal Cut Proをデザインで利用する場合の共有NASなどの使い方が考えられます。
そのほか、ゲーミングのライブ配信用の使い方が提案されます。ASUS本体なら「ROG Swift」あたりのゲーミング高級機のシリーズ名が付きそうです。
次回に続く
最新のNASのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、上級者向けのケースNASを紹介しました。
しかし、記事は、もう少しだけ「続き」ます。
4・おすすめNASのまとめ 【結論】
=目的別のおすすめNASの最終提案
アクセス速度 ★★★★★
ビジネスでの利用 ★★★★★
テレビ録画の保存 ★★★★★
動画・写真の保存 ★★★★★
オフィスでの共用 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
次回の4回目記事(こちら)では、今回紹介した全ての機種から、目的別・予算別に、Atlasのおすすめ機種を提案していきます。
引き続き、どうかよろしくお願いします。
4回目記事は→こちら!