【今回レビューする内容】2022年 高音質で安い!AVアンプの性能とおすすめ・選び方:AVレシーバー ヤマハ・ソニー・マランツ・デノン・オンキヨーの人気AVアンプ:違い・価格別の性能ランキング:2万円・3万円〜10万円以内クラスDOLBY ATMOS 4K HDR10+対応
【紹介する製品型番】ヤマハ RX-V4A RX-V385 RX-V6A AVENTAGE RX-A2A RX-A6A RX-A4A RX-A4A RX-A6A RX-A8A RX-A2080 SONY STR-DH790 DENON AVR-X1700H AVR-X2700H AVR-X4700H AVC-X6700H AVC-X8500H-K AVC-A110 マランツ NR1711/FN NR1711/FB SR6015 SR8015
今回のお題
ホームシアター向けのAVアンプのおすすめはどの機種?
どもAtlasです。
今日は、2022年5月現在、最新のAVアンプの比較です。
1・AVアンプの比較記事 (1)
1-1:入門AVアンプ
チャンネル:5.1ch
価格:3.5万円〜
1-2:中級AVアンプ
チャンネル:7.2ch
価格:4.5万円〜
2・AVアンプの比較記事 (2)
2−1:上級AVアンプ
チャンネル:9.2ch / 11.2ch
価格:10万円〜
2−2:最終的なまとめ
=おすすめ機種の提案
「初めてのAVアンプ」に最適な、4万円前後の入門向け製品から、10万円以上の本格的な製品まで、全2回の記事で、広く紹介します。
YAMAHAをはじめとして、DENON・マランツ・SONYなどの人気メーカーのAVアンプを紹介します。
アンプのパワー ★★★★★
チャンネル数 ★★★★★
仮想サラウンド ★★★★★
ネットワーク再生 ★★★★★
設置性 ★★★★★
ノイズ対策 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
以下の記事では、いつものように、各製品を比較していきます。
そして、最後の「結論」では、上表のような観点から、Atlasのおすすめ機種を提案していきます。
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1・プリメインアンプの比較
2・AVアンプの比較
3・サウンドバーの比較
4・ミニコンポの比較
5・ステレオスピーカーの比較
6・シアター用スピーカーの比較
なお、今回は、このブログモノマニアの音響関係比較記事の第2回目記事として書きました。
0・AVアンプの選び方の基本
AVアンプは、ホームシアター構築に「マスト」のオーディオ機器として、ハウツー本などに紹介されます。
しかし、ホームシアターを初めて構築しようという初心者の方に「必ずしもおすすめできる家電ジャンル」でもないことを、あらかじめ断っておきます。
どういうことか?、AVアンプをほかのカテゴリのアンプと比較しながら、あらかじめ説明します。
0-1・各アンプの配置と接続方法
第1に、AVアンプです。
この記事をご覧の皆さんが「狙っている」ものでしょう。
サイズは、製品によって異なります。
ただ、平均15cmほどの背丈があるほか、幅も他の種類のアンプより必要です。
これは、スピーカー端子数に相応するパワーが必要だからです。
設置位置は、ブルーレイプレーヤーとテレビの中間の位置になります。
上図の様に【ブルーレイなど→AVアンプ→テレビ】の順でつなぎます。
これは【ブルーレイなど→TV→アンプ】の順だと、著作権保護の関係でマルチチャンネル音声信号が送れないからです。
ただ、ヤマハ機など、eARC HDMI対応の製品は、AVアンプを中間に挟まない、上図の様なつなげ方でも、マルチチャンネルの伝送が可能です。
ただし、TV側もeARC HDMIに対応する必要があります。
対応テレビも、最近でもSONYなど一部に限られますので、基本は、AVアンプを中間に挟む使い方になります。
価格は、入門用構成で、アンプ部分だけで4万円です。
それに、【ホームシアター用スピーカーの比較記事】で書いたような、5.1chの入門用を揃えて4万円、合わせれば、8万円程度です。
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結論的にいえば、AVアンプは、(バーチャルではない)本格的なサラウンド環境を構築したい覚悟のある方に「のみ」おすすめすできる、「本格派」です。
とくに、後ろのサラウンドスピーカーの配線を有線ケーブルで構築する場合、ケーブルが部屋の美観を損ねて、家族の不興を買うのは必至なので、注意しましょう。
第2に、「プリメインアンプ 」です。
基本的には「音楽用」として売られているものです。
サイズは、AVアンプよりは「加減」があります。
特に、高さは平均13cm程で、小型モデルも多いです。
これは、AVアンプと違い映像信号の経由がないため、映像端子や複数のアンプを搭載しないで済むからです。
接続配線は、【ブルーレイなど→TV→アンプ】の順、ないし、映像とは別に出す場合は、【映像関連機器→アンプ】の順での配線で、シンプルです。
「プリメインアンプ 」は、基本的に5.1chなどの映画館のような多チャンネルは扱えず、ステレオです。
ただ、スピーカー2本でステレオ構成にしたい場合(2ch構成)、または、それに低音を強調するサブウーハーのみ付ける構成(2.1ch)の場合は、基本的に、設置性においてAVアンプより有利です。
価格は、入門用構成で、アンプ部分だけで2万円、【ブックシェルフスピーカーの比較記事】で書いたような、小型の入門用ステレオスピーカーと合わせて、4万円もあれば、組めます。
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結論的にいえば、5.1chのサラウンド環境の構築が「マスト」ではないならば、この方式が良いでしょう。
第3に、「サウンドバー 」です。
デンキヤでは、テレビコーナーにある場合も多い、アンプ内蔵スピーカーです。
この場合、AVアンプと違い、多チャンネルは、基本的にはバーチャルサラウンド(仮想的な5.1chです。
しかし、しっかり5本以上のスピーカー内蔵し、壁の跳ね返りを利用した「リアルサラウンド」を実現する製品、または、両方のハイブリッド的な仕組みをもつ機種もあります。
サイズは、スピーカーとアンプの一体型なので、最もコンパクトでしょう。
シアター用としても手軽です。
接続配線は、AVアンプと同じです。
上図の様に【ブルーレイなど→AVアンプ→テレビ】の順でつなぎます。
eARC対応TVの場合はAVアンプと同じつなぎ方もできます。詳しくは【サウンドバーの比較記事】で詳しく説明しています。
価格は、5.1ch以上の「リアルサラウンド機」の場合は、総額8万円、バーチャルを組み合わせた、サブウーファー付きでよければ、2万円台から可能です。
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結論的にいえば、配線について「家族の同意」がとれそうになく、かつ、多チャンネル再生をしたい場合、この方法が「無難」です。
テレビの下の部分に「1つの長いスピーカー」を設置するだけですから。
音質は、ヤマハ製品を含め、昔は「おもちゃ並み」でした。
しかし、最近は、4Kなどの大型テレビの普及で需要が伸びた結果、製品の音質は飛躍的に向上しています。
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というわけで、AVアンプを含む3種類のアンプを紹介しました。
1・AVアンプの比較記事
用途:本格的な映画向け
音質:リアル(5.1ch〜)
予算:8万円〜
2・プリメインアンプの比較記事
配線:音楽中心の方向け
音質:リアル (〜2.1ch)
予算:4万円〜
3・サウンドバーの比較記事
配線:ファミリー向け
音質:バーチャル/リアル
予算:2万円〜
このブログ「モノマニア」には、どの種類の製品も比較記事があるので、ニーズに合わせて選ばれると良いかと思います。
ただ、今回紹介するAVアンプで作るホームシアターは、正しく音場を構築できたときの「破壊力(迫力)は凄まじい」です。
音楽中心ならば、2.0chのステレオ構成をおすすめしますが、「映画好き」ならば、このシステムに挑戦すると良いでしょう!
0-2・インピーダンスと定格出力
さて、AVアンプを選ぶことにした場合、次に知っておくべきことは、「スピーカーとの相性」に関わる2つのスペックです。
AVアンプは、各社とも、インピーダンスと定格出力という値を公開します。
皆さんのお持ちの狙っているスピーカーセットも、インピーダンス、許容入力、という、数字がスペックとして、公開されているはずです。
音楽用の「アンプ選び」において、この数値による「相性問題」があるので、結構重要です。しかし、AVアンプの場合、さほど重要視しなくても良いです。
その理由を、順番に解説します。
第1に、インピーダンスです。
AVアンプでは、オーム(Ω)の値で、8Ω・6Ω・4Ωなどの数値として示されます。
例えば、4Ωのスピーカーを使うとして、6Ωのアンプだと、音は鳴りますが、保護回路の関係で「電断」「音の暴走」などのトラブルが生じる可能性が高まります。
逆に、8Ωのスピーカーを、6Ωのアンプを鳴らすのは問題ないです。
ただ、【ホームシアター用スピーカーの比較記事】で書いたような、もともと「セット構成」として販売されている「シリーズもの」で揃えるならば、気にする必要はないです。
なぜなら、メーカー側が心得ていて、シアター向けのセットは、8Ω・6Ωのスピーカー・AVアンプしか出していないからです。
まあ、好きに組みたい場合も、「4Ωのスピーカーは少し注意」と覚えておけば、まずOKです。
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第2に、定格出力です。
AVアンプでは、ワット(W)の値で示される数値です。
これも、AVアンプの場合、あまり気にする必要はないです。
なぜなら、音楽用のアンプと違い、AVアンプは格安機でも、定格出力が十分に高いからです。メインスピーカーに、大きなトールボーイ型などを使う場合でも、問題ないです。
なお、AVアンプは、定格出力(=メーカーが規定するひずみ率に収まる最大音量)のほか、実用最大出力(=MAXの音量)が示されます。
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結論的にいえば、AVアンプの場合、「相性問題」については、そう大きく心配する必要はないです。
ただ、出力については、そういった要素は「音質面」の比較要素にはなるので、今回の記事でも注目しています。
パワーに余裕がある高級機は、安定した大電流の供給できるので、駆動に余裕があり、特に低音域の音質が高まる部分があるからです。
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というわけで、ここまでは、前提情報となる、「AVアンプの選び方の基本」について紹介してきました。
これをふまえながら、、AVアンプを紹介していきます。
1・AVアンプの比較記事 (1)
1-1:入門AVアンプ
チャンネル:5.1ch
価格:3.5万円〜
1-2:中級AVアンプ
チャンネル:7.2ch
価格:4.5万円〜
2・AVアンプの比較記事 (2)
2−1:上級AVアンプ
チャンネル:9.2ch / 11.2ch
価格:10万円〜
2−2:最終的なまとめ
=おすすめ機種の提案
今回は、紹介したい機種も多いため、記事は上記のように、2回の記事に分けています。よろしくお願いします。
なお、オーディオ機器は、(生産在庫をあまり持たないので)割と長期に商品がない時期があるものです。最近は世界的な半導体不足の影響もあり、特に、中上位機については長期欠品が多いことを付記しておきます。
そのため、執筆時在庫がないものは、値段に(カッコ)を付けるなど、分かるように書いています。
1・安い入門用AVアンプ:5.1ch
では、具体的なAVアンプの比較に入りましょう。はじめに、実売価格で4万円を下回る「入門機」の紹介です。
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以下の本文では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2020年発売】
1・ヤマハ RX-V4A
¥59,400 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
チャンネル数:5.1ch
定格出力:80W (6Ω)
実用最大出力:141W(1k1ch/6Ω)
周波数特性:10Hz-100 kHz
4K HDR10:対応
ドルビー:DTS-HD Master Audio
DTS:DTS-X
HDMI入力:4系統
HDMI出力:1系統
オーディオ:光1 同軸1
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅435x高さ171x奥行377mm
ヤマハの RX-V4A(B)は、ホームシアター入門用RXシリーズのAVアンプです。
ヤマハの場合、AVアンプを「AVレシーバー」と呼び、旧来の用途に問わない多機能性をアピールしています。
なお、5.1ch機については、このグレードの上位にRX-S602という製品もありました。しかし、2021年で終息しています。
本体サイズは、幅435x高さ171x奥行377mmです。
同社は、2020年に10年ぶりに入門機のデザインを刷新しました。
先述のように、AVアンプは基本的には、高さ方向に「デカい」の特徴ですが、新機種になって、奥行も少し増えましたので、設置スペースは注意してください
チャンネル数は、最大5.1chです。
つまり、センター1本・フロント2本・リア2本のスピーカーと、低音用のサブウーハー1機を、スピーカーセットの基本構成とします。
テレビ出力は、4K/60pに対応します。
4Kに対応するには、HDCP2.2などの新規格のHDMIなどに対応する必要があります。
今回紹介する全製品は全て「4Kテレビ対応」ですが、この部分で、中古や型落ち製品も選択肢に入れている方は注意しましょう。4Kアップスケーリングにも対応です。
8Kテレビ用に、8K/60p信号にも対応できるほか、ゲーム用に4K/120Hzにも対応予定です。
一方、本機は、HDR(HDR10)や、新4K放送に採用されるHLGにも対応します。
HDRは、従来よりも輝度を上げ、映像のコントラストを上げられる技術です。次世代規格のUltra-HDブルーレイにも採用されました。
【ブルーレイプレーヤーの比較記事】でも紹介したように、近年の映画のブルーレイ版でも採用されてきています。
一方、最新のTVは、【4KTVの比較記事】でも紹介しましたが、HDRに対応しない画質をHDR並にアップコンバートする機能を搭載しているため、現状ではAVアンプのHDR対応は「マスト」と言えるでしょう。
さらに、「HDRの上位互換」となるHDR10+やDOLBY VISIONにも対応します。
したがって、対応メディアの点では、入門機ながら「無双」です。
アンプのパワーは、定格出力で、各スピーカーに対して80W (6Ω)です。
インピーダンスは6Ω表記なので、冒頭書いたように、4Ωのスピーカー以外は問題なく使えます。
実用最大出力は、JEITA基準(1k 1ch 6Ω))141Wです。
冒頭書いたように大きいほど、駆動が安定的ですが、この価格クラスの平均値は超えています。
再生周波数帯域は、低音域方向(小さいほどスペックが良い)10 Hzで、高音域方向(大きいほどスペックが良い)で100 kHz となっています。
ただ、国産のAVアンプは、最近はどのメーカーもこの表記ですし、比較の意味は薄くなりました。
ハイレゾ音源は、周波数帯域的に対応できます。
D/Aコンバーターを、ハーブラウンの384kHz/32bitにするなど、この機種は「豪華」です。
Ultra HD Blu-rayは、(CDより音質の良い)ハイレゾ音源をフォローするので、この部分のスペックは、今後重要です。
サラウンド技術は、DOLBY TrueHDとDTS-HD Master Audioに対応します。
一般的な、5.1chの再生に問題ない仕様です。
MusicCast 50
¥70,620 楽天市場 (5/23執筆時)
なお、Wi-Fiを搭載するヤマハ機については、同社のMusicCast機能に対応できます。
とくに、同社のワイヤレス全方位スピーカーのMusicCast50を利用することで、リアスピーカーをワイヤレスにできるため、電源だけ何とかなれば、設置は容易です。
10cmのアルミコーンウーハーと、3cmのドーム型ツイーターからなる2ウェイステレオ構成です。
本機は、単独でステレオですが、2本ステレオ構成にもできます。Wi-Fiで飛ばすので、192kHz/24bitまで対応可能です。
仮想的な5.1ch再生も、対応します。
後方に2スピーカーの設置が無理な場合など、前方にSPを設置しても、音の跳ね返りなどを利用して、擬似的に5.1chを再現できます。シネマDSPという名称です。
また、本機は、TVより後方のプレゼンススピーカーを擬似的に再現できる「シネマDSP 3D 」に対応します。
リアのサラウンドスピーカーをしっかり据え付けられる環境の場合でも、この機能は有効でしょう。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が4系統、HDMI出力(TVへ)が1系統です。
これに、音声入力用の光端子が1つ、同軸端子が2つ付属する構成となります。
なお、本機は、HDMI端子がeARC仕様です。4K著作権保護コンテンツ(Ultra HD Blu-rayブルーレイなど)の接続における柔軟性は高いです。
ネットワーク機能は、BluetoothとWi-Fi・有線LANを装備します。
第1に、Bluetoothは、SBCとAACの対応ですので、圧縮音源レベルの音質ですが、スマホとのリンクには便利です。
第2に、Wi-Fiは、ハイレゾ音質までフルに対応できます。
また、DLNA規格に準拠した製品ならば、ネットワーク再生が可能です。
対応PC(ソフト)からの再生のほか、【おすすめNASの比較記事】で紹介したような、ネットワーク上のサーバーからの再生も可能です。Apple系のAirplay 2にも対応です。
ストリーミングサービスは、Wi-Fiが装備されるので、当然「対応」します。
Amazon MusicとSpotifyの二強を網羅し、スマホに依存せず再生できます。
とくに、最近Amazonでは、ハイレゾ音源もあるAmazon Music HDという上位の聴き放題サービスが始まりました。
とくに、2021年6月からは、月額980円(会員780円)のAmazon Music Unlimitedの料金だけで聴けるように進化しています。
無料試用もできる(こちら)ため、事前に試して見るのもよいでしょう。
そのほか、【Amazon Alexa端末の比較記事】で紹介したような、同社の端末から、音声で、アンプの操作をさせることも可能となっています。
ラジオは、AM・FM・ワイドFMに対応できます。
セッティングは、外部マイクが付属し、室内の音響特性を最適化する技術(YPO)が使えます。
他社に比べても設置の容易性では配慮があります。
そのほか、本機は、新4K衛星放送の音声規格(MPEG-4 AAC)に対応します。
PCMに変換されたデータを受けられるので問題はないのですが、外部機器によっては、マルチチャンネルが消えていたのですが、その対策となります。なお、2020年以降に発売された各社の製品は、今回言及がなくても、総じてこの仕様になります。
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以上、ヤマハの RX-V4A の紹介でした。
本機は、本体が刷新されたと同時に、ネットワーク面や、映像規格面でも「最新化」されました。
結果、格安「入門機」の「新基準機」と言って良いほど、欠点がない機種となっています。
現状では、格安機を選ぶ場合、本機を基準に比較すると、選びやすいといえます。
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【2018年】
2・ヤマハ RX-V385
¥47,500 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
チャンネル数:5.1ch
定格出力:70W (6Ω)
実用最大出力:135W(1k1ch/6Ω)
周波数特性:10Hz-100 kHz
4K HDR10:対応
ドルビー:DOLBY TrueHD
DTS:DTS-HD Master Audio
HDMI入力:4系統
HDMI出力:1系統
オーディオ:光1/同軸2
ネットワーク:BT
サイズ:幅435x高さ151x奥行315mm
なお、このグレードの旧機種としてRX-V385がまだ売られています。
スペック的に似た機種ではありますが、ネットワークがBluetoothのみです。
ストリーミング全盛の現代において、Wi-Fiがないのは致命的に使い勝手が悪いため、あまりおすすめできません。
そのほか、HDMIがeARC仕様ではない点、シネマDSPが3Dではない点、出力が少し落ちる点などが相違点です。
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・ONKYO
:TX-L50
:TX-SR393
・パイオニア
:VSX-834
:VSX-S520
昨今の報道でもあったように、2019年、両社のスピーカー部門売却計画にともない生産が終了し、在庫もないです。
売却は中止で、両社は再びホーム家電を開始するようですが、海外優先で、しばらく日本市場には出ないようです。出たら再び掲載しようと思います。
2・中級者向けのAVアンプ:7.1ch
続いて、チャンネル数が7.1ch以上のAVアンプを紹介します。
5.1chで組もうと考えている場合も、性能が良い機種を選びたい場合(多チャンネルが不要でも)このグレードを選ぶ必要があります。
【2018年】
3・SONY STR-DH790
¥47,896 楽天市場 (5/23執筆時)
チャンネル数:7.1ch
定格出力:85W (6Ω)
実用最大出力:145W (1k1ch/6Ω)
周波数特性:10Hz-100 kHz
4K HDR10:対応
ドルビー:DOLBY Atmos/ True HD
DTS:DTS-X/ HD Master Audio
HDMI入力:4系統
HDMI出力:1系統
オーディオ:光1 同軸1
ネットワーク:Bluetooth
サイズ:幅430x高さ156x奥行329.4mm
ソニーの STR-DH770は、同社の5万円前後の価格帯のAVアンプです。
なお、同社については、STR-DN1080という上位機があったのですが、2020年で生産終了です。
本体サイズは、幅430x高さ156x奥行329.4mmとなります。
一般的なAVアンプと同じで、高さがある機種です。
チャンネル数は、最大7.1chです。
基本的に5.1chの構成に、増えた2つのチャンネルは、自由に利用できます。
・SONY SS-CSE【ペア】
¥24,175 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
例えば、「天井から降り注ぐ方向の音」の情報を再現する、超小型のハイトスピーカー(フロントハイ・スピーカ)」を2つ増設して、5.1.2chとしても利用可能です。
SONYの発売もありますが、フロントスピーカーの上に2機設置するのが普通です。
もちろん、5.1ch以下でも利用できます。
テレビ出力は、4K/60pに対応します。
また、HDR10にも対応し、新4K衛星放送用に使われるHLG規格も公式的に対応となります。
一方、DOLBY Visionに対応しますが、発売時期の関係でHDR10+には対応しません。
とはいえ、普及していないので、現状で全く問題ない水準です。
アンプのパワーは、各スピーカーに対して85W(6Ω)です。
ソニーは、「高調波ひずみ率」として出しますが、定格とほぼ同義です。
再生周波数帯域は、本機も10Hz-100 kHz です。
十分な余裕があり、全く問題ありません。
ハイレゾ音源は、一方、本機は非対応です。
音楽を聴かない限り一般的には問題ないです。
しかし、4K画質の4K Ultra HD ブルーレイは、収録音源がハイレゾ音質ではあります。
サラウンド技術は、DOLBY TrueHDとDTS-HD Master Audioの対応です。
加えて、本機は、7.1ch機ですので、Dolby AtmosとDTS:Xにも対応です。「上方降り注ぎ系」の音の再現も可能です。
仮想的な5.1ch再生は、S-Force PROフロントサラウンドを搭載です。
他社と同じで、前方の3.1chのみでも、バーチャル的な5.1chを再現できます。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が4系統、HDMI出力(TVへ)が1系統です。
これに、音声入力用の光端子が1つ、同軸端子が1つ付属する構成です。
ネットワーク機能は、Bluetooth(SBC)のみです。
ストリーミングサービスは、Wi-Fi未対応なので、フォローされません。
ラジオは、FM・ワイドFMのみの対応です。
セッティングについては、ソニーは、「アドバンストD.C.A.C.」というシステムがあります。
付属マイクを利用し、置いたスピーカーの位置を最適化する技術です。
ヤマハも反響音を制御するYPAO‐R.S.Cという技術を持ちますが、定位の容易さは、利用した限り、個人的にはソニーを推します。
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以上、ソニーの STR-DH770の紹介でした。
Wi-Fiやハイレゾ対応の部分では、やや物足りない機種ではあります。
ただ、この価格で7.1chが構成できるのは素晴らしいです。「フロントハイ・スピーカー」などを取り付けられそうならば、結構面白いでしょう。
【2020年発売】
4・ヤマハ RX-V6A
¥79,200 Amazon.co.jp (11/11執筆時)
チャンネル数:7.1ch
定格出力:各100W (6Ω)
実用最大出力:150W (1k1ch/6Ω)
周波数特性:10Hz-100 kHz
4K HDR10:対応
ドルビー:DOLBY Atmos/ True HD
DTS:DTS-X/ HD Master Audio
HDMI入力:4系統
HDMI出力:1系統
オーディオ:光1 同軸2
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅435x高さ171x奥行377mm
ヤマハのRX-V4A(B)は、同社のRXシリーズでは上位製品です。
簡単に言えば、冒頭に紹介したRX-V4Aを7.1ch対応としたものですが、多くの部分でスペックが変わっているので、改めて見ていきます。
なお、本機は、【ホームシアタースピーカーの比較記事】で紹介した、「ヤマハ推奨の構成」となる、THEATER SOUND 585 5.1ch に採用されるAVアンプだった RX-V585の後継機です。
本体サイズは、幅435x高さ171x奥行377mmとなります。
5.1chのRX-V4Aと本体サイズは同じにして、筐体を同じ作りにして、コストダウンを狙っています。
チャンネル数は、最大7.1chです。
本機も、2つのハイトスピーカー(フロントハイ・スピーカ)」を加えることで、5.1.2chの最新構成に対応できます。
そのほか、ヤマハの場合、別室に、ステレオスピーカーを2個引き出すような使い方も提案しており、寝室兼用などにもできます。
テレビ出力は、4K/60pに対応し、HDR10+・HLG・DOLBY visionにも、対応します。
加えて、利用者は限られるでしょうが、8Kテレビ用の8K/60p、ゲーム用の4K/120Hzにも対応できます。
アンプのパワーは、各スピーカーに対して100W(6Ω)です。
冒頭書いたように、4Ωのスピーカーにつなげない限りは問題ないです。
再生周波数帯域は、本機も、10Hz-100kHZです。
この部分も、同社の下位機種同様に問題ないでしょう。
ハイレゾ音源は、同社の下位機種と同じで、対応です。
DACも同等で、ハーブラウンの384kHz/32bitであり、豪華です。
サラウンド技術は、本機も最新のDolby AtmosとDTS:Xに対応できます。
仮想的な5.1ch再生は、本機からは、Dolby Atmos Height Virtualizerに対応です。
そのため、映画コンテンツに採録された3D立体音響規格の「ドルビーアトモス」を、(天井方向の)ハイトスピーカーなしで、再現できます
その上で、下位機種同様に、フロントのみならず、リアスピーカーの音も疑似的に再現できるシネマDSP 3Dにも対応です。
MusicCast 50
¥70,620 楽天市場 (5/23執筆時)
なお、下位機種でも説明しましたが、同社のワイヤレススピーカーをリアスピーカーにできるため、ヤマハ機は、多チャンネルは構成しやすいです。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が4系統、HDMI出力(TVへ)が1系統です。
これに、音声入力用の光端子が1つ、同軸端子が2つ付属する構成です。
また、HDMI端子は本機も、eARC対応です。
ネットワーク機能は、BluetoothとWi-Fiが搭載です。
Bluetoothのコーデックは、SBCとAACまでなので、高音質で利用したい場合は、Wi-Fiを利用します。
ストリーミングサービスは、下位機種と同じで、Amazon MusicとSpotifyの二強を網羅し、スマホに依存せず再生できます。
ラジオは、AM・FM・ワイドFMに対応できます。
セッティングは、外部マイクが付属し、室内の音響特性を最適化する技術(YPAO)が使えます。
また操作については、本機もファームウェア更新でAmazonのAlexaに対応です。【Amazon Echoの比較記事】で書いたように、音声入力で、AVアンプの操作ができます。
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以上、ヤマハのRX-V6Aの紹介でした。
そつのない7.1ch機といえます。十分なパワーがある上で、リアル・バーチャルとも、話題の立体音響が楽しめる構成で、さらにストリーミングも楽しめる点で、マルチに使えます。
ただ、次に紹介する、同社の上位シリーズとの価格差はあまりないので、比較は重要でしょう。
【2021年】
5・ヤマハ AVENTAGE RX-A2A
¥110,000 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
チャンネル数:7.1ch
定格出力:各100W (8Ω)
実用最大出力:160W (1k1ch/6Ω)
周波数特性:10Hz-100 kHz
4K HDR10:対応
ドルビー:Dolby Atmos
DTS:DTS:X
HDMI入力:4系統
HDMI出力:1系統
オーディオ:光2 同軸1
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅435x高さ171x奥行372mm
ヤマハのRX-A2A(B)は、同社のAVENTAGE<アベンタージュ>シリーズに属するAVアンプです。
以前のRX-A770の後継機です。
今回紹介する10万円以下グレードの機種でも「高級品」の1つです。
ヤマハの場合、このグレードから「ハイエンド系」の技術が搭載されはじめます。
高度な制振設計(アンチレゾナンステクノロジー)が取られる他、大型電源トランスなど、5.1chの下位機種と、値段差分の差をつけます。
本体サイズは、幅435x高さ171x奥行372mmとなります。
大きめの機種です。
チャンネル数は、最大7.1chです。
したがって「天井から降り注ぐ方向の音」の情報を再現できる、5.1.2chにリアル対応します。
テレビ出力は、4K/60pに対応します。
同社の下位機種と同じで、HDR10+・HLG・DOLBY visionにも、対応します。
8Kテレビ用の8K/60p、ゲーム用の4K/120Hzにも対応できます。
さらに、最近のゲーム機が対応してきた自動遅延モード(ALLM)・可変リフレッシュレート(VRR)・クイックメディアスイッチング(QMS)、クイックフレームトランスポート(QFT)などもパススルーしますので、仕様としては新しいです。
アンプのパワーは、各スピーカーに対して、定格出力が100W(8Ω)です。
実用最大出力は、本機は160Wです。
先述のように、AVアンプの場合、格安機でも、弱くて駆動しないスピーカーというのは(まず)ないですが、余裕がある電源を採用することは、音質部分で有利です。
むろん、それに応じた、ノイズ他の対策も必要ですが、基本、昔からのオーディオメーカーは、その部分は、同社をふくめ(値段に応じた)対策をしっかりします。
再生周波数帯域は、10Hz-100 kHz となっています。
こちらも、問題ありません。
ハイレゾ音源は、本機も対応です。
USB接続時に最大384kHz/32bitですので、音楽にも強いでしょう。
HDMIでも、192kHz/24bitを扱えるので、4Kブルーレイ(Ultra HD)コンテンツの音情報は、フルに活かせるでしょう。
一方、Music Enhancerという、再計算による圧縮音源のアップコンバード技術が搭載です。
音響機器では、SONYのDSEE技術のように搭載される製品は多いですが、AVアンプでは珍しいです。
サンプリング周波数48kHzまでの音声に有効なので、MP3を含む圧縮音源は、CD音質まで、疑似的に高められます。オフにもできます。
サラウンド技術は、本機も、Dolby AtmosとDTS:Xの対応です。
先述のように、天井の降り注ぎ音に対応できます。
仮想的な5.1ch再生は、同社の下位機種と同じです。
3D立体音響を仮想的に再現するDolby Atmos with Height Virtualizerに対応ですから。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が4系統、HDMI出力(TVへ)が1系統です。
これに、音声入力用の光端子が1つ、同軸端子が2つ付属する構成です。
本機も、HDMIはeARC仕様です。
ネットワーク機能は、BluetoothとWi-Fiが搭載です。
下位機種同様に、DLNA対応であり、AppleのAirPlay 2にも対応です。
Bluetoothは、ハイレゾ音源は対応しませんが、SBCほか、AACには対応します。
スマホの音源などを、簡易的に流すくらいは使えそうです。
ストリーミングサービスは、下位機種と同じ水準で対応です。
ラジオは、FM・ワイドFMの対応です。
セッティングについては、こちらも定評のあるYPAOが利用可能です。
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以上、ヤマハのRX-A2A(B)の紹介でした。
10万円を下回る機種の中では、リアル・バーチャル音声共に、最新の規格に対応しつつ、ネットワークなど必要と思われる部分もまとまっていて、現実で良い製品に思えます。
パーツ的にも、これより上位のAVENTAGE<アベンタージュ>シリーズと共通する、「オーディオグレード」ですし、この予算でAtlasが今すぐ買うとすると、本機はかなり有力です。
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【2021年8月発売】
・ヤマハ AVENTAGE RX-A4A
¥150,000 楽天市場 (5/23執筆時)
なお、AVENTAGEシリーズには、RX-A4A(B)という、7.2ch対応機の上位機があります。
ただ、本機については、さらに上位機の、9.2ch機のRX-A6Aに仕様が近いため、後ほど、次項目でそちらと合わせて解説をするつもりです。
【2021年】
6・DENON AVR-X1700H-K
¥64,444 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
チャンネル数:7.2ch
定格出力:各80W (8Ω)
実用最大出力:175W (1k1ch/6Ω)
周波数特性:10Hz-100 kHz
4K HDR10:対応
ドルビー:Dolby Atmos
DTS:DTS:X
HDMI入力:6系統
HDMI出力:1系統
オーディオ:光2 同軸0
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi5 有線LAN
サイズ:幅434x高さ151x奥行339mm
AVR-X1700Hは、日本のオーディオメーカーDENONの発売するAVアンプです。
同社としては「エントリークラス」という位置づけです。
本体サイズは、幅434x高さ151x奥行339mmとなります。
AVアンプとしては標準的なサイズです。
チャンネル数は、本機は、最大7.2chです。
構成例は非常に多く説明されていて、DENONは、どんな構成でも対応できる!という宣伝方法です。
テレビ出力は、4Kに対応し、HDR10・HLGにも対応します。
Dolby Visionにも対応します。
このほか、2021年以降発売のDENON/マランツ系の機種の場合、ゲーム利用にも関連する部分ですが、8K/60Hzと4K/120Hzのパススルーにも対応です。
あとは、HDR10+、Dynamic HDRにも対応となります。
アンプのパワーは、各スピーカーに対して、定格出力が80Wです。
これは、6Ωではなく、8Ωの数値です。その場合、値はやや低く出ますので、低いわけではないです。
実用最大出力は、実際175Wですし、本機は値段以上にパワフルです。
デノンは、伝統的に電源周りを重視しており、余裕のあるパワーが高音質を生むというような思想ががあります。
同社のスピーカーも低音域にこだわりがあるものが多く、本機もそれをしっかり駆動できるようにしています。
再生周波数帯域は、10Hz100 kHz となっています。
問題ありません。
ハイレゾ音源は、対応です。
DACは、192kHz/24bitですので、市販のハイレゾ音源ならば問題ない水準です。
ただ、ヤマハほどは幅はないです。
【イネーブルドスピーカー】
・DENON SC-EN10
¥12,600 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
サラウンド技術は、こちらも、Dolby AtmosとDTS:Xの対応です。
なお、同社も(壁に取り付けなくても)簡単に「天井から降り注ぐ方向の音」を再生できる小型の専用スピーカーを販売します。
仮想的な5.1ch再生は、 Dolby Atmos Height VirtualizerとDTS Virtual:Xに対応となります。
(ソフト系に強い)ヤマハやソニーは、自社技術を利用した仮想再生技術もありました。。
一方、あくまで音響メーカーであるDENONは、ドルビーとDTSの提供するシステムをそのまま利用します。
面白みには欠けますが、問題ないでしょう。ヤマハにしても、3D立体音響は、Dolby Atmos Height Virtualizerを使うような方向性にしてきましたし。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が6系統、HDMI出力(TVへ)が1系統です。
これに、音声入力用の光端子が2つ付属します。なお、本機は、同軸は非対応です。
なお、HDMIはeARC対応です。
ネットワーク機能は、BluetoothとWi-Fi 5が搭載です。
また、DLNAに対応し、AirPlayも使えます。
なお、Bluetoothは、音質の劣るSBCのみ対応ですから、基本的には「オマケレベル」でしょう。
ストリーミングサービスは、AmazonとSpotifyに両対応しており、問題ないでしょう。
ラジオは、AM・FM・ワイドFMの対応です。
セッティングについては、マイクを利用して音場設定を補正できるAudyssey MultEQ XTが付属です。
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以上、DENONのAVR-X1600Hの紹介でした。
堅実でパワフルな作りの本体の部分は、値段以上の価値を感じます。その上で、ネットワークもWi-Fiを装備し、ストリーミングサービスも多いので、使い勝手は良いでしょう。
ライバルは、ヤマハのRX-V6AやRX-A2Aでしょう。
細かく見ると、BluetoothやDACの規格対応ほか、及ばない部分もあります。
ただ、それらより安くて、ネットワーク系が充実するので、値段面の安さも含めて、予算が限られる中では、本機は良い選択肢です。
コスパは、かなり良いです。
【2020年】
7・DENON AVR-X2700H-K
¥82,456 楽天市場 (5/23執筆時)
チャンネル数:7.2ch
定格出力:各95W (8Ω)
実用最大出力:185W (1k1ch/6Ω)
周波数特性:10Hz-100 kHz
4K HDR10:対応
ドルビー:Dolby Atmos
DTS:DTS:X
HDMI入力:8系統
HDMI出力:2系統
オーディオ:光2 同軸0
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅434x高さ167x奥行339mm
AVR-X2700Hは、日本のオーディオメーカーDENONの発売するAVアンプの中級機です。
1つ上で紹介した機種の上位機にあたります。また、以前売っていたAVR-X2600Hの後継機です。
本体サイズは、幅434x高さ167x奥行339mmです。
小型ではないですが、AVアンプとしては標準的なサイズです。
チャンネル数は、最大7.2chです。
テレビ出力は、4K/60pに対応し、HDR10/HLGにも対応します。
その上で、ドルビービジョンなど、主要な業界基準には対応します。
アンプのパワーは、各スピーカーに対して95W(8Ω)です。
実用最大出力も、下位機種を上回る185Wです。
パワーの向上が下位機種との最も大きな相違点です。
パーツ構成も同社の下位機とは変えていて、特に電源供給を2系統に分割することで、解像感・サラウンド感の改善を図っています。
電源周りの対策は、(映画で)ドカンドカン鳴らすことの多い、AVアンプの場合は結構、重要なので、値段差分の音質差はあるでしょう。
再生周波数帯域は、本機も10Hz-100 kHz です。
ハイレゾ音源は、対応です。
DACは、192kHz/24bitまでです。
サラウンド技術は、こちらも、Dolby AtmosとDTS:Xの対応です。
仮想的な5.1ch再生は、下位機種同様で、 Atmos Height VirtualizerとDTS Virtual:Xです。
他社のシステムを利用する方式です。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が8系統、HDMI出力(TVへ)が2系統です。
これに、音声入力用の光端子が2つ付属します。同軸はこちらも非対応です。
なお、同社の場合、8K/60pや4K/120pについては、HDMI端子のうち1つのみとなります。
ネットワーク機能は、BluetoothとWi-Fiが搭載です。
Wi-Fiは、DLNAに対応し、AirPlayも使えます。Bluetoothは、本機もSBCのみなので、オマケ的でしょう。
ストリーミングサービスは、AmazonとSpotifyに両対応しており、問題ないでしょう。
Amazonについては、ハイレゾ音源サービスとなるAmazon Music HDにも対応します。
無料試用もできる(こちら)ため、事前に試して見るのもよいでしょう。
その上で、【Amazon Alexa端末の比較記事】で紹介したような、同社の端末から、音声で、アンプの操作をさせることも可能となっています。
ラジオは、AM・FM・ワイドFMの対応です。
セッティングについては、本機も、マイクを利用して音場設定を補正できるAudyssey MultEQ XTが付属です。
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以上、DENONのAVR-X2700Hの紹介でした。
同社の下位機種と比較する場合、最大出力が高い機種です。
費用対効果については、下位機種の方が良いかと思いますが、電源周りの強化はAVアンプの場合重要です。
少し良い機種を選びたい場合は、選択肢にして良いでしょう。
【2020年】
8・マランツ NR1711/FN
9・マランツ NR1711/FB
¥80,000 Amazon.co.jp (5/23執筆時)
チャンネル数:7.2ch
定格出力:各50W (8Ω)
実用最大出力:100W (1k1ch/6Ω)
周波数特性:10 Hz-100 kHz
4K HDR10:対応
ドルビー:Dolby Atmos
DTS:DTS:X
HDMI入力:6系統
HDMI出力:1系統
オーディオ:光1 同軸1
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅440x高さ105x奥行378mm
NR1711は、マランツが販売するAVアンプの入門機です。
現在はDENONと同じ経営母体ですが、ブランドで音質が全く違うので、ファン層は異なります。
デノンは低音域に強いパワー重視、マランツは、スピード感と音のキレイさを重視する方向性です。
これは、スピーカーを合わせた場合の説明なので、AVアンプ自体に強い個性が表れるとはいえません、が傾向としてはそう言えます。
本体サイズは、幅440x高さ105x奥行378mmなります。
AVアンプとしては小型です。5万円を超える機種だけで考えると、最も小型かもしれません。
また、比較的小型ですが、全チャンネルともフルディスクリート構成のパワーアンプを採用するなど、音質向上のための技術を投入します。
チャンネル数は、最大7.2chです。
テレビ出力は、4Kに対応し、HDR10+ HLGにも対応します。
その上で、ドルビービジョンや8K/60pなど、主な業界基準には全て対応します。
マランツ機は「4K・8Kアップスケーリング」の記載があります。ただ、これらはTV側で対応できるため、必須ではないです。
アンプのパワーは、各スピーカーに対して、定格出力で50W (6Ω)です。
やはり、コンパクトなサイズ感な製品なので、他機と比較しても非力です。
ただ、冒頭書いたように、AVアンプは、各チャンネルと出力が(音楽用より)大ので、【ホームシアター用スピーカーの比較記事】で紹介したような製品ならば、どれでも鳴らしきるでしょう。
(パワーによらない)電流安定化の工夫の言及もありますし、冒頭書いたような、音の個性(味付け)が違うだけ、と考えるべきです。
再生周波数帯域は、本機も10Hz-100 kHz の幅です。
ハイレゾ音源は、対応です。
DACは、旭化成のAK4458VNの利用を明言しています。ただし。対応幅は192kHz/24bitまでです。
サラウンド技術は、こちらも、Dolby AtmosとDTS:Xの対応です。
仮想的な5.1ch再生は、DENON同様に、 Atmos Height VirtualizerとDTS Virtual:Xを利用する形式です。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が6系統、HDMI出力(TVへ)が1系統です。
これに、音声出力用の光端子が1つ、同軸が1です。
なお、同社の場合、8K/60pや4K/120pについては、HDMI端子のうち1つのみとなります。
ネットワーク機能は、BluetoothとWi-Fiが搭載です。こちらも、DLNAに対応します。AirPlayも使えます。
ストリーミングサービスは、AmazonとSpotifyに両対応しており、問題ないでしょう。
ラジオは、AM・FM・ワイドFMの対応です。
セッティングについては、Odyssey MultEQを装備し、補整力も期待できます。
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以上、マランツが販売するAVアンプの紹介でした。
AVアンプらしからぬ設置性の良さからたいへん人気のある機種です。セットアップもAudyssey MultEQの評判が良く、スピーカーの配置は容易でしょう。
一方、他社製品と較べると、コンパクトな分、特に低音に関わる電源の安定性の部分で非力感はありますが、マランツの「売り」はそこではないので、問題は感じません。
アクション映画などの「ドカンドカン系」ではなく、音楽・紀行番組・コンサートなどを高音質で楽しみたいニーズなどは、ピュアオーディオで実績のあるマランツは、音質面の信頼性は高いでしょう。
ただ、AVアンプの目的性からすると、ニッチではあります
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・ONKYO
:TX-NR696(B)
:TX-RZ840(B)
・パイオニア
:VSX-LX304(B)
なお、7.1ch以上の機種は、昨年まで日本のオンキヨーとパイオニアからも、上記製品の販売がありました。
しかし、先ほど書いたような両社のスピーカー部門売却計画とその撤退で、現状では販売がない状況です。
すでに、メーカー在庫もないようですし、再び日本市場に展開するような時期になったら、再び掲載します。
次回につづく
ホームシアター向けのAVアンプのおすすめは結論的にこちら
というわけで、今回は、AVアンプを紹介しました。
記事は、もう少し「続き」ます。
・ヤマハ
:RX-A4A RX-A6A
:RX-A8A
:RX-A2080 RX-A1080
・マランツ
:SR6015
:SR8015
・DENON
:AVR-X4700H AVC-X6700H
:AVC-X8500H-K AVC-A110
:AVC-X8500HA-K
次回の後編記事【こちら】では、今回紹介できなかった、各社の9.2ch以上の上位製品を紹介します。
アンプのパワー ★★★★★
チャンネル数 ★★★★★
仮想サラウンド ★★★★★
ネットワーク再生 ★★★★★
設置性 ★★★★★
ノイズ対策 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終的な「結論」として、今回紹介した全機種から、目的別・予算別に、Atlasのおすすめ機種を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
後編記事は→こちら!