【今回レビューする内容】2023年 高音質で安い!AVアンプの性能とおすすめ・選び方:AVレシーバー DOLBY ATMOS 4K HDR10+対応 5.1ch 7.2ch 9.2ch 9.4ch 11.2ch 15.4ch:人気機種の違いと性能ランキング
【比較する製品型番】ヤマハ RX-V4A RX-V385 RX-V6A AVENTAGE RX-A2A RX-A6A RX-A4A RX-A4A RX-A6A RX-A8A SONY STR-DH790 STR-AN1000 DENON AVR-X580BT AVR-X1700H AVR-X2800H AVR-X3800H AVC-A1H-K AVC-A1H-SP マランツ CINEMA 70s CINEMA 50 CINEMA 40 NR1711/FN NR1711/FB Pioneer VSX-LX305 VSA-LX805 ONKYO TX-RZ50 TX-NR6100 TX-RZ70 ほか
今回のお題
ホームシアター向けのAVアンプのおすすめはどの機種?
どもAtlasです。
今日は、2023年7月現在、最新のシアター向けのAVアンプの比較です。
「初めてのAVアンプ」に最適な、4万円前後の入門機から、10万円以上の本格的な製品まで広くみていきます。
1・AVアンプの比較記事 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:入門用AVアンプ(5.1ch)
3.5万円〜
1-3:中級AVアンプ(7.2ch)
4.5万円〜
2・AVアンプの比較記事 (2)
2−1:高級AVアンプ(7.2ch 9.2ch over)
10万円〜
3・AVアンプの比較記事 (3)
=最終的なおすすめの提案【結論】
今回は、「選び方の基本」を解説してから、主に、チャンネル数と予算とから各機を分けて、順番に比較します。
メーカーは、最大手のDENONをはじめとして、ヤマハ・マランツ・SONY・ONKYOなど、主要メーカーの製品は、ほぼ網羅します。
アンプのパワー ★★★★★
チャンネル数 ★★★★★
仮想サラウンド ★★★★★
ネットワーク再生 ★★★★★
設置性 ★★★★★
ノイズ対策 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
以下の記事では、いつものように、各製品を比較していきます。
そして、最後の「結論」では、上表のような観点から、Atlasのおすすめ機種を提案していきます。
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1・プリメインアンプの比較
2・AVアンプの比較
3・サウンドバーの比較
4・ミニコンポの比較
5・ステレオスピーカーの比較
6・シアター用スピーカーの比較
なお、今回は、このブログモノマニアの音響関係比較記事の第2回目記事として書きました。
1-1・AVアンプの選び方の基本
はじめに、「AVアンプの選び方の基本」についてです。
AVアンプは、ホームシアター構築に「マスト」のオーディオ機器として、ハウツー本などに紹介されます。
しかし、ホームシアターを初めて構築しようという初心者の方に「必ずしもおすすめできる家電ジャンル」でもないことを、あらかじめ断っておきます。
そのため、以下では、「AVアンプとほかのアンプとの違い」を解説してから、「AVアンプのスペックの読み方」を解説して行きます。
1・各アンプの違いと接続方法
1・AVアンプ
2・プリメインアンプ
3・サウンドバー
というわけで、「AVアンプとほかのアンプとの違い」をみていきます。
以上の3種類のオーディオ製品の違いを順番にみていきます。
第1に、AVアンプです。
この記事をご覧の皆さんが「狙っている」ものでしょう。
サイズは、製品によって異なります。
ただ、平均15cmほどの背丈があるほか、幅も他の種類のアンプより必要です。
これは、スピーカー端子数に相応するパワーが必要だからです。
設置位置は、基本的に、ブルーレイプレーヤーとテレビの中間の位置になります。
上図のように【ブルーレイなど→AVアンプ→テレビ】の順でつなぎます。
これは【ブルーレイなど→TV→アンプ】の順だと、著作権保護の関係でマルチチャンネル音声信号が送れないからです。
一方、最近のAVアンプは、eARC HDMI対応の製品が増えました。
その場合、AVアンプを中間に挟まない、上図の様なつなげ方でも、マルチチャンネルの伝送が可能です。
ただし、TV側もeARC HDMIに対応する必要があります。
対応する機種は最近増えマシが、それで全てではないです。それ以外だと、基本は、AVアンプを中間に挟む使い方になります。
価格は、入門用構成で、アンプ部分だけで4万円です。
それに、【ホームシアター用スピーカーの比較記事】で書いたような、5.1chの入門用を揃えて4万円、合わせれば、8万円程度です。
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結論的にいえば、AVアンプは、(バーチャルではない)本格的なサラウンド環境を構築したい覚悟のある方に「のみ」おすすめすできる、「本格派」です。
とくに、後ろのサラウンドスピーカーの配線を有線ケーブルで構築する場合、ケーブルが部屋の美観を損ねて、家族の不興を買うのは必至なので、注意しましょう。
第2に、「プリメインアンプ 」です。
基本的には「音楽用」として売られているものです。
サイズは、AVアンプよりは「加減」があります。
特に、高さは平均13cm程で、小型モデルも多いです。
これは、AVアンプと違い映像信号の経由がないため、映像端子や複数のアンプを搭載しないで済むからです。
接続配線は、【ブルーレイなど→TV→アンプ】の順、ないし、映像とは別に出す場合は、【映像関連機器→アンプ】の順での配線で、シンプルです。
「プリメインアンプ 」は、基本的に5.1chなどの映画館のような多チャンネルは扱えず、ステレオです。
ただ、スピーカー2本でステレオ構成にしたい場合(2ch構成)、または、それに低音を強調するサブウーハーのみ付ける構成(2.1ch)の場合は、基本的に、設置性においてAVアンプより有利です。
価格は、入門用構成で、アンプ部分だけで2万円、【ブックシェルフスピーカーの比較記事】で書いたような、小型の入門用ステレオスピーカーと合わせて、4万円もあれば、組めます。
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結論的にいえば、5.1chのサラウンド環境の構築が「マスト」ではないならば、この方式を考えても良いでしょう。
第3に、「サウンドバー 」です。
デンキヤでは、テレビコーナーにある場合も多い、アンプ内蔵スピーカーです。
多チャンネルはバーチャルサラウンド(仮想的な5.1ch)の機種が多いですが、高級機だと、壁の跳ね返りを利用したリアルサラウンドな機種、または、両方のハイブリッドな仕組みをもつ機種もあります。
サイズは、スピーカーとアンプの一体型なので、最もコンパクトです。
シアター用としても手軽です。
接続配線は、AVアンプと同じです。
上図の様に【ブルーレイなど→AVアンプ→テレビ】の順でつなぎます。
eARC対応TVの場合はAVアンプと同じつなぎ方もできます。詳しくは【サウンドバーの比較記事】で詳しく説明しています。
価格は、5.1ch以上の「リアルサラウンド機」の場合は、総額8万円、バーチャルを組み合わせた、サブウーファー付きでよければ、2万円台から可能です。
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結論的にいえば、配線について「家族の同意」がとれそうになく、かつ、多チャンネル再生をしたい場合、この方法が「無難」です。
テレビの下の部分に「1つの長いスピーカー」を設置するだけですから。
音質は、ヤマハ製品を含め、昔は「おもちゃ並み」でした。
しかし、最近は、4Kなどの大型テレビの普及で需要が伸びた結果、製品の音質は飛躍的に向上しています。
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というわけで、AVアンプを含む3種類のアンプを紹介しました。
1・AVアンプの比較記事
用途:本格的な映画向け
音質:リアル(5.1ch〜)
2・プリメインアンプの比較記事
配線:音楽中心の方向け
音質:リアル (〜2.1ch)
3・サウンドバーの比較記事
配線:ファミリー向け
音質:バーチャル/リアル
このブログ「モノマニア」には、どの種類の製品も比較記事があるので、ニーズに合わせて選ばれると良いかと思います。
ただ、今回紹介するAVアンプで作るホームシアターは、正しく音場を構築できたときの「破壊力(迫力)は凄まじい」です。
音楽中心ならば、2.0chのステレオ構成をおすすめしますが、「映画好き」ならば、このシステムに挑戦すると良いでしょう。
2・AVアンプのスペックの読み方
1・インピーダンス
2・定格出力
つづいて、AVアンプを選ぶ場合、重要になるスペックの「読み方」の解説です。
説明したいのは、インピーダンスと定格出力です。
音楽用アンプの場合、この2つの値が、スピーカー側のインピーダンス、許容入力と相性が良いかが、重要になります。
しかし、AVアンプ選びにおいては、さほど重要視しなくても良いです。
その理由を、順番に解説します。
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第1に、インピーダンスです。
AVアンプでは、オーム(Ω)の値で、8Ω・6Ω・4Ωなどの数値として示されます。
例えば、4Ωのスピーカーを使うとして、6Ωのアンプだと、音は鳴りますが、保護回路の関係で「電断」「音の暴走」などのトラブルが生じる可能性が高まります。
逆に、8Ωのスピーカーを、6Ωのアンプを鳴らすのは問題ないです。
ただ【ホームシアター用スピーカーの比較記事】で書いたような、もともと「セット構成」として販売されている「シリーズもの」で揃えるならば、気にする必要はないです。
なぜなら、メーカー側が心得ていて、シアター向けのセットは、8Ω・6Ωのスピーカー・AVアンプしか出していないからです。
好きに組みたい場合も、昔のものや、特殊なスピーカーで組む場合を除けば、「4Ωのスピーカーは少し注意」と覚えておけば、まずOKです。
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第2に、定格出力です。
AVアンプでは、ワット(W)の値で示される数値です。
これも、AVアンプの場合、あまり気にする必要はないです。
なぜなら、音楽用のアンプと違い、AVアンプは格安機でも出力が十分に高いからです。メインスピーカーに、大きなトールボーイ型などを使う場合でも、問題ないです。
AVアンプは、各社とも、定格出力(=メーカーが規定するひずみ率に収まる最大音量)と、実用最大出力(=MAXの音量)を示すのが普通です。
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結論的にいえば、AVアンプの場合、「スピーカーとの相性」は、選ぶ場合、そう大きく心配する必要はないです。
ただし、出力は「音質面」の比較要素の1つなので、今回の記事でも注目します。
パワーに余裕がある高級機は、安定した大電流の供給できるので、駆動に余裕があり、特に低音域の音質が高まる部分があるからです。
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というわけで、ここまでは、前提情報となる、「AVアンプの選び方の基本」について紹介してきました。
これをふまえながら、AVアンプを紹介していきます。
1-1・安い入門用AVアンプ:5.1ch
ここからは、具体的なAVアンプの比較に入ります。
はじめに、実売価格で4万円を下回る各社の「入門用AVアンプ」の紹介からです。
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以下の本文では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2020年発売】
1・ヤマハ RX-V4A
¥48,050 Amazon.co.jp (7/6執筆時)
チャンネル数:5.1ch
定格出力:80W (6Ω)
実用最大出力:141W(1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:
HDMI入力:4系統 (eARC)
HDMI出力:1系統
オーディオ:光1 同軸1
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅435x高さ171x奥行377mm
ヤマハの RX-V4A(B)は、ホームシアター入門用RXシリーズのAVアンプです。
同社はAVアンプを「AVレシーバー」と呼び、旧来の用途に問わない多機能性をアピールしています。
本体サイズは、幅435x高さ171x奥行377mmです。
2020年に10年ぶりに入門機のデザインを刷新しました。
先述のように、AVアンプは基本的には、高さ方向に「デカい」の特徴ですが、新機種になって、奥行も少し増えましたので、設置スペースは注意してください
チャンネル数は、最大5.1chです。
つまり、センター1本・フロント2本・リア2本のスピーカーと、低音用のサブウーハー1機を、スピーカーセットの基本構成とします。
テレビ出力は、4K/60pに対応します。
4Kに対応するには、HDCP2.2などの新規格のHDMIなどに対応する必要があります。
今回紹介する全製品は全て「4Kテレビ対応」ですが、この部分で、中古や型落ち製品も選択肢に入れている方は注意しましょう。4Kアップスケーリングにも対応です。
8Kテレビ用に、8K/60p信号にも対応できるほか、ゲーム用に4K/120Hzにも対応です(要ファームウェア更新)。
一方、本機は、HDR(HDR10)や、新4K放送に採用されるHLGにも対応します。
HDRは、従来よりも輝度を上げ、映像のコントラストを上げられる技術です。次世代規格のUltra-HDブルーレイにも採用されました。
【ブルーレイプレーヤーの比較記事】でも紹介したように、近年の映画のブルーレイ版でも採用されてきています。
一方、最新のTVは、【4KTVの比較記事】でも紹介しましたが、HDRに対応しない画質をHDR並にアップコンバートする機能を搭載しているため、現状ではAVアンプのHDR対応は「マスト」と言えるでしょう。
さらに、「HDRの上位互換」となるHDR10+やDOLBY VISIONにも対応します。
したがって、対応メディアの点では、入門機ながら「無双」です。
アンプのパワーは、定格出力で、各スピーカーに対して80W (6Ω)です。
インピーダンスは6Ω表記なので、冒頭書いたように、4Ωのスピーカー以外は問題なく使えます。
実用最大出力は、JEITA基準(1k 1ch 6Ω))141Wです。
冒頭書いたように大きいほど、駆動が安定的ですが、この価格クラスの平均値は超えています。
再生周波数帯域は、低音域方向(小さいほどスペックが良い)10 Hzで、高音域方向(大きいほどスペックが良い)で100 kHz となっています。
ただ、国産のAVアンプは、最近はどのメーカーもこの表記ですし、比較の意味は薄くなりました。
ハイレゾ音源は、周波数帯域的に対応できます。
D/Aコンバーターを、ハーブラウンの384kHz/32bitにするなど、この機種は「豪華」です。
Ultra HD Blu-rayは、(CDより音質の良い)ハイレゾ音源をフォローするので、この部分のスペックは、今後重要です。
サラウンド技術は、DOLBY TrueHDとDTS-HD Master Audioに対応します。
一般的な、5.1chの再生に問題ない仕様です。
仮想的な5.1ch再生も、対応します。
後方に2スピーカーの設置が無理な場合など、前方にSPを設置しても、音の跳ね返りなどを利用して、擬似的に5.1chを再現できます。シネマDSPという名称です。
また、本機は、TVより後方のプレゼンススピーカーを擬似的に再現できる「シネマDSP 3D 」に対応します。
リアのサラウンドスピーカーをしっかり据え付けられる環境の場合でも、この機能は有効でしょう。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が4系統、HDMI出力(TVへ)が1系統です。
これに、音声入力用の光端子が1つ、同軸端子が2つ付属する構成となります。
なお、本機は、HDMI端子がeARC仕様です。4K著作権保護コンテンツ(Ultra HD Blu-rayブルーレイなど)の接続における柔軟性は高いです。
ネットワーク機能は、BluetoothとWi-Fi・有線LANを装備します。
第1に、Bluetoothは、SBCとAACの対応ですので、圧縮音源レベルの音質ですが、スマホとのリンクには便利です。
第2に、Wi-Fiは、ハイレゾ音質までフルに対応できます。
また、DLNA規格に準拠した製品ならば、ネットワーク再生が可能です。
対応PC(ソフト)からの再生のほか、【おすすめNASの比較記事】で紹介したような、ネットワーク上のサーバーからの再生も可能です。Apple系のAirplay 2にも対応です。
音楽ストリーミングは、Wi-Fiが装備されるので、当然「対応」します。
Amazon MusicとSpotifyの二強を網羅し、スマホに依存せず再生できます。
とくに、最近Amazonでは、ハイレゾ音源を聴き放題サービスの音源の多くに採用しています。
自由にフル利用するには、Amazon Music Unlimitedの料金が必要ですが、充実します(調査時:月額1,180円・会員980円で、年割もあり)。
無料試用もできる(こちら)ため、事前に試して見るのもよいでしょう。
そのほか、【Amazon Alexa端末の比較記事】で紹介したような、同社の端末から、音声で、アンプの操作をさせることも可能です。
動画ストリーミングは、TV・レコーダーほかを媒介させれば、Netflixでもなんでも使えます。
スマホを媒介にWi-Fi経由でのキャストは非対応です。AVアンプに対して映像もキャストできるようなものは、(不要でしょうし)今のところないです。
ラジオは、AM・FM・ワイドFMに対応できます。
セッティングは、外部マイクが付属し、室内の音響特性を最適化する技術(YPO)が使えます。
設置の容易性は、入門機でも配慮があります。
そのほか、本機は、新4K衛星放送の音声規格(MPEG-4 AAC)に対応します。
PCMに変換されたデータを受けられるので問題はないのですが、外部機器によっては、マルチチャンネルが消えていたのですが、その対策となります。なお、2020年以降に発売された各社の製品は、今回言及がなくても、基本この仕様です。
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以上、ヤマハの RX-V4A の紹介でした。
本機は、本体が刷新されたと同時に、ネットワーク面や映像規格面でも「最新化」されました。
結果、格安「入門機」の「新基準機」と言って良いほど、欠点がない機種となっています。
現状では、格安機を選ぶ場合、本機を基準に比較すると、選びやすいといえます。
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【2018年発売】
2・ヤマハ RX-V385
¥40,486 Amazon.co.jp (7/6執筆時)
チャンネル数:5.1ch
定格出力:70W (6Ω)
実用最大出力:135W(1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応
立体音響:
HDMI入力:4系統
HDMI出力:1系統
オーディオ:光1/同軸2
ネットワーク:BT
サイズ:幅435x高さ151x奥行315mm
なお、このグレードの旧機種としてRX-V385がまだ売られています。
スペック的に似た機種ではありますが、ネットワークがBluetoothのみです。
ストリーミング全盛の現代において、Wi-Fiがないのは致命的に使い勝手が悪いため、あまりおすすめできません。
そのほか、HDMIがeARC仕様ではない点、シネマDSPが3Dではない点、出力が少し落ちる点などが相違点です。
【2022年発売】AVR-X580BTK
3・DENON AVR-X580BT
¥38,526 Amazon.co.jp (7/6執筆時)
チャンネル数:5.2ch
定格出力:70W (8Ω)
実用最大出力:141W(1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:
HDMI入力:4系統 (eARC)
HDMI出力:1系統
オーディオ:光2
ネットワーク:BT 4.2
サイズ:幅434x高さ151x奥行330mm
DENONのAVR-X580BT は、同社の入門用のAVアンプです。
AVアンプのシェアが大きい企業ですが、このグレードは久しぶりに出ました。上で見たヤマハのライバル機です。
本体サイズは、434x高さ151x奥行330mmです。
ヤマハより小ぶりで、設置性はさらによいです。
チャンネル数は、最大5.2chです。
サブウーファーのプリアウトが2系統あるのは、入門機として珍しいでしょう。
同社は、豊かな低音重視な企業なので、「らしい」と思いました。
テレビ出力は、4K/60pに対応します。
ヤマハと同じで、8K/60pや、ゲームで需要がある4K/120Pもしっかりフォローです。
HDMIも、HDCP2.3までフォローです。
このほか、HDRを含めて規格的に問題ありません。
アンプのパワーは、定格出力で、各スピーカーに対して70W (8Ω)です。
本機はヤマハと違って、6Ωではなく、8Ωの数値です。値はやや低く出ますので、この部分で負けるわけではないです。
上位機同様の、全チャンネルディスクリート構成です。
実用最大出力は、JEITA基準(1k 1ch 6Ω))140Wです。
問題ありません。
再生周波数帯域は、10 Hz-100 kHz です。
アンプ回りは、総じてヤマハのライバル機とそう変わりません。
ハイレゾ音源は、周波数帯域的に対応できます。
サラウンド技術は、DOLBY TrueHDとDTS-HDに対応します。
この部分でもヤマハと目に付く差はないです。
仮想的な5.1ch再生も、対応します。
ただ、(昔ながらの)Dolby Pro Logic IIとDTS Neo:6での対応なので、ヤマハと違って汎用の他社技術ではあります。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が4系統、HDMI出力(TVへ)が1系統です。
これに、音声入力用の光端子が2つです。音声同軸はなく、アナログ接続はあります。
本機も、HDMI端子がeARC仕様です。
ネットワーク機能は、Bluetoothのみ装備します。
Wi-Fiや有線LANは利用できない部分は、ネットワークを組みたい方の注意点です。
Bluetoothは、SBCとAACの対応です。
ストリーミングサービスは、Wi-Fi未装備なので、非対応です。
ラジオは、AM・FM・ワイドFMに対応できます。
セッティングは、本機も外部マイク(セットアップマイク)が付属します。
リスニングポイントを適切に調整できます。
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以上、DENONのVR-X580BT の紹介でした。
ヤマハと比べると、アンプ部分の性能はあまり変わりません。一方、ネットワーク面が最近の製品にしては、少し弱いといえます。
おそらく、コスト削減・ノイズ対策というより、本体の小型化を優先したからかなとは思います。実際、ネットワーク不要ならば、設置性はよいですし、入門機として「選べる」でしょう。
1-2・中級者向けのAVアンプ:7.1ch
続いて、チャンネル数が7.1ch以上のAVアンプを紹介します。
5.1chで組もうと考えている場合も、性能が良い機種を選びたい場合(多チャンネルが不要でも)このグレードを選ぶ必要があります。
【2018年発売】
4・SONY STR-DH790
¥51,980 楽天市場 (7/6執筆時)
チャンネル数:7.1ch
定格出力:85W (6Ω)
実用最大出力:145W (1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応
立体音響:DOLBY Atmos
HDMI入力:4系統 (eARC)
HDMI出力:1系統
オーディオ:光1 同軸1
ネットワーク:Bluetooth
サイズ:幅430x高さ156x奥行329.4mm
ソニーの STR-DH770は、同社では最も安いAVアンプです。
本体サイズは、幅430x高さ156x奥行329.4mmとなります。
一般的なAVアンプと同じで、背が高い機種です。
チャンネル数は、最大7.1chです。
基本的に5.1chの構成に、増えた2つのチャンネルは、自由に利用できます。
・SONY SS-CSE【ペア】
¥24,900 Amazon.co.jp (7/6執筆時)
例えば、「天井から降り注ぐ方向の音」の情報を再現する、超小型のハイトスピーカー(フロントハイ・スピーカ)」を2つ増設して、5.1.2chとしても利用可能です。
SONYの発売もありますが、フロントスピーカーの上に2機設置するのが普通です。
もちろん、5.1ch以下でも利用できます。
テレビ出力は、4K/60pに対応します。
また、HDR10にも対応し、新4K衛星放送用に使われるHLG規格も公式的に対応となります。
一方、DOLBY Visionに対応しますが、HDR10+には対応しません。
同じく、8Kや4K/120Pにも対応しない点も、設置環境によっては注意点です。
アンプのパワーは、各スピーカーに対して85W(6Ω)です。
ソニーは、「高調波ひずみ率」として出しますが、定格とほぼ同義です。
再生周波数帯域は、本機も10Hz-100 kHz です。
十分な余裕があり、全く問題ありません。
ハイレゾ音源は、一方、本機は非対応です。
音楽を聴かない限り一般的には問題ないです。
しかし、4K画質の4K Ultra HD ブルーレイは、収録音源がハイレゾ音質ではあります。
サラウンド技術は、DOLBY TrueHDとDTS-HD Master Audioの対応です。
規格的には、Dolby AtmosとDTS:Xにも対応です。
Netflixなどオンラインコンテンツを含めて、最近普及している、「天井降り注ぎ系」の3D音源(イマーシブオーディオ)の再現も可能です。
仮想的な5.1ch再生は、S-Force PROフロントサラウンドを搭載です。
2Dサラウンドではありますが、前方の3.1chのみでも、バーチャル的な5.1chを再現できます。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が4系統、HDMI出力(TVへ)が1系統です。
これに、音声入力用の光端子が1つ、同軸端子が1つ付属する構成です。
ネットワーク機能は、Bluetooth(SBC)のみです。
ストリーミングサービスは、Wi-Fi未対応なので、フォローされません。
ラジオは、FM・ワイドFMのみの対応です。
セッティングは、「アドバンストD.C.A.C.」というシステムがあります。
付属マイクを利用し、置いたスピーカーの位置を最適化する技術です。
ヤマハも反響音を制御するYPAO‐R.S.Cという技術を持ちますが、定位の容易さは、利用した限りですが、個人的にはソニーを推します。
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以上、ソニーの STR-DH770の紹介でした。
Wi-Fiやハイレゾ対応の部分では、やや物足りない機種ではあります。
ただ、この価格で7.1chが構成できるのは素晴らしいです。「フロントハイ・スピーカー」などを取り付けられそうならば、結構面白いでしょう。
【2020年発売】
5・ヤマハ RX-V6A
¥68,800 Amazon.co.jp (7/6執筆時)
チャンネル数:7.1ch
定格出力:各100W (6Ω)
実用最大出力:150W (1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響: DOLBY Atmos
HDMI入力:4系統 (eARC)
HDMI出力:1系統
オーディオ:光1 同軸2
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅435x高さ171x奥行377mm
ヤマハのRX-V4A(B)は、同社のRXシリーズでは上位製品です。
簡単に言えば、冒頭に紹介したRX-V4Aを7.1ch対応としたものです。しかし、多くの部分でスペックが変わっているので、改めて見ていきます。
なお、本機は、【ホームシアタースピーカーの比較記事】で紹介した、「ヤマハ推奨の構成」となる、THEATER SOUND 585 5.1ch に採用されるAVアンプだった RX-V585の後継機です。
本体サイズは、幅435x高さ171x奥行377mmとなります。
5.1chのRX-V4Aと本体サイズは同じにして、筐体を同じ作りにして、コストダウンを狙っています。
チャンネル数は、最大7.1chです。
本機も、2つのハイトスピーカー(フロントハイ・スピーカ)」を加えることで、5.1.2chの最新構成に対応できます。
そのほか、ヤマハの場合、別室に、ステレオスピーカーを2個引き出すような使い方も提案しており、寝室兼用などにもできます。
テレビ出力は、4K/60pに対応し、HDR10+・HLG・DOLBY visionにも、対応します。
加えて、利用者は限られるでしょうが、8Kテレビ用の8K/60p、ゲーム用の4K/120Hzにも対応できます。
アンプのパワーは、各スピーカーに対して100W(6Ω)です。
冒頭書いたように、4Ωのスピーカーにつなげない限りは問題ないです。
再生周波数帯域は、10Hz-100kHZです。
この部分も、同社の下位機種同様に問題ないでしょう。
ハイレゾ音源は、同社の下位機種と同じで、対応です。
DACも同等で、ハーブラウンの384kHz/32bitであり、豪華です。
サラウンド技術は、本機も最新のDolby AtmosとDTS:Xに対応できます。
仮想的な5.1ch再生は、本機からは、Dolby Atmos Height Virtualizerに対応です。
そのため、映画コンテンツに採録された3D立体音響規格の「ドルビーアトモス」を、(天井方向の)ハイトスピーカーなしで、再現できます
その上で、下位機種同様に、フロントのみならず、リアスピーカーの音も疑似的に再現できるシネマDSP 3Dにも対応です。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が4系統、HDMI出力(TVへ)が1系統です。
これに、音声入力用の光端子が1つ、同軸端子が2つ付属する構成です。
また、HDMI端子は本機も、eARC対応です。
ネットワーク機能は、BluetoothとWi-Fiが搭載です。
Bluetoothのコーデックは、SBCとAACまでなので、高音質で利用したい場合は、Wi-Fiを利用します。
音楽ストリーミングは、下位機種と同じ対応幅です(上図)。
映像ストリーミングも、同じで、接続機器(TVなど)の仕様によります。
Wi-Fi経由での、スマホからのキャストはできません。
ラジオは、AM・FM・ワイドFMに対応できます。
セッティングは、外部マイクが付属し、室内の音響特性を最適化する技術(YPAO)が使えます。
また操作については、本機もファームウェア更新でAmazonのAlexaに対応です。【Amazon Echoの比較記事】で書いたように、音声入力で、AVアンプの操作ができます。
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以上、ヤマハのRX-V6Aの紹介でした。
そつのない7.1ch機といえます。十分なパワーがある上で、リアル・バーチャルとも、話題の立体音響が楽しめる構成で、さらにストリーミングも楽しめる点で、マルチに使えます。
ただ、次に紹介する、同社の上位シリーズとの価格差はあまりないので、比較は重要でしょう。
【2021年発売】
6・ヤマハ AVENTAGE RX-A2A
¥78,000 Amazon.co.jp (7/6執筆時)
チャンネル数:7.1ch
定格出力:各100W (8Ω)
実用最大出力:160W (1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:Dolby Atmos
HDMI入力:4系統 (eARC)
HDMI出力:1系統
オーディオ:光2 同軸1
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅435x高さ171x奥行372mm
ヤマハのRX-A2A(B)は、同社のAVENTAGE<アベンタージュ>シリーズに属するAVアンプです。
以前のRX-A770の後継機です。
ヤマハの場合、このグレードから「ハイエンド系」の技術が搭載されはじめます。
高度な制振設計(アンチレゾナンステクノロジー)が取られるほか、大型電源トランスなど、5.1chの下位機種と、値段差分の差をつけます。
本体サイズは、幅435x高さ171x奥行372mmとなります。
大きめの機種です。
チャンネル数は、最大7.1chです。
したがって「天井から降り注ぐ方向の音」の情報を再現できる、5.1.2chにリアル対応します。
テレビ出力は、4K/60pに対応します。
同社の下位機種と同じで、HDR10+・HLG・DOLBY visionにも対応します。
8Kテレビ用の8K/60p、ゲーム用の4K/120Hzにも対応できます。
さらに、最近のゲーム機が対応してきた自動遅延モード(ALLM)・可変リフレッシュレート(VRR)・クイックメディアスイッチング(QMS)、クイックフレームトランスポート(QFT)などもパススルーしますので、仕様としては新しいです。
アンプのパワーは、各スピーカーに対して、定格出力が100W(8Ω)です。
実用最大出力は、本機は160Wです。
先述のように、AVアンプの場合、格安機でも、弱くて駆動しないスピーカーというのは(まず)ないですが、余裕がある電源を採用することは、音質部分で有利です。
むろん、それに応じた、ノイズ他の対策も必要ですが、基本、昔からのオーディオメーカーは、その部分は、同社をふくめ(値段に応じた)対策をしっかりします。
再生周波数帯域は、10Hz-100 kHz となっています。
こちらも、問題ありません。
ハイレゾ音源は、本機も対応です。
USB接続時に最大384kHz/32bitですので、音楽にも強いでしょう。
HDMIでも、192kHz/24bitを扱えるので、4Kブルーレイ(Ultra HD)コンテンツの音情報は、フルに活かせるでしょう。
一方、Music Enhancerという、再計算による圧縮音源のアップコンバード技術が搭載です。
音響機器では、SONYのDSEE技術のように搭載される製品は多いですが、AVアンプでは珍しいです。
サンプリング周波数48kHzまでの音声に有効なので、MP3を含む圧縮音源は、CD音質まで、疑似的に高められます。オフにもできます。
サラウンド技術は、本機も、Dolby AtmosとDTS:Xの対応です。
先述のように、天井の降り注ぎ音に対応できます。
仮想的な5.1ch再生は、同社の下位機種と同じです。
3D立体音響を仮想的に再現するDolby Atmos with Height Virtualizerにも対応です。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が4系統、HDMI出力(TVへ)が1系統です。
これに、音声入力用の光端子が1つ、同軸端子が2つ付属する構成です。
本機も、HDMIはeARC仕様です。
ネットワーク機能は、BluetoothとWi-Fiが搭載です。
下位機種同様に、DLNA対応であり、AppleのAirPlay 2にも対応です。
Bluetoothは、ハイレゾ音源は対応しませんが、SBCほか、AACには対応します。
スマホの音源などを、簡易的に流すくらいは使えそうです。
ストリーミングは、映像・音楽とも下位機種と同じ水準で対応です。
ラジオは、FM・ワイドFMの対応です。
セッティングについては、こちらも定評のあるYPAOが利用可能です。
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以上、ヤマハのRX-A2A(B)の紹介でした。
10万円を下回る機種の中では、リアル・バーチャル音声共に、最新の規格に対応しつつ、ネットワークなど必要と思われる部分もまとまっていて、現実で良い製品に思えます。
パーツ的にも、これより上位のAVENTAGE<アベンタージュ>シリーズと共通する、「オーディオグレード」ですし、この予算でAtlasが今すぐ買うとすると、本機はかなり有力です。
【2021年発売】
7・DENON AVR-X1700H-K
¥59,491 Amazon.co.jp (7/6執筆時)
チャンネル数:7.2ch
定格出力:各80W (8Ω)
実用最大出力:175W (1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:Dolby Atmos
HDMI入力:6系統 (eARC)
HDMI出力:1系統
オーディオ:光2 同軸0
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi5 有線LAN
サイズ:幅434x高さ151x奥行339mm
AVR-X1700Hは、DENONの発売する中級のAVアンプです。
本体サイズは、幅434x高さ151x奥行339mmとなります。
AVアンプとしては標準的なサイズです。
チャンネル数は、本機は、最大7.2chです。
構成例は非常に多く説明されていて、DENONは、どんな構成でも対応できる!という宣伝方法です。
テレビ出力は、4Kに対応し、HDR10・HLGにも対応します。
Dolby Visionにも対応します。
このほか、ゲーム利用にも関連する部分ですが、8K/60Hzと4K/120Hzのパススルーにも対応です。
あとは、HDR10+、Dynamic HDRにも対応です。
アンプのパワーは、各スピーカーに対して、定格出力が80Wです。
これは、6Ωではなく8Ωの数値です。
その場合、値はやや弱く出ますので、低いわけではないです。
実用最大出力は、実際175Wですし、本機はパワフルです。
デノンは、伝統的に電源周りを重視しており、余裕のあるパワーが高音質を生むというような思想ががあります。
同社のスピーカーも低音域にこだわりがあるものが多く、本機もそれをしっかり駆動できるようにしています。
再生周波数帯域は、10Hz100 kHz となっています。
問題ありません。
ハイレゾ音源は、対応です。
DACは、192kHz/24bitですので、市販のハイレゾ音源ならば問題ない水準です。
ただ、ヤマハほどは幅はないです。
【イネーブルドスピーカー】
・DENON SC-EN10
¥12,318 Amazon.co.jp (7/6執筆時)
サラウンド技術は、こちらも、Dolby AtmosとDTS:Xの対応です。
なお、同社も(壁に取り付けなくても)簡単に「天井から降り注ぐ方向の音」を再生できる小型の専用スピーカーを販売します。
仮想的な再生は、 Dolby Atmos Height VirtualizerとDTS Virtual:Xに対応となります。
(ソフト系に強い)ヤマハやソニーは、自社技術を利用した仮想再生技術もありました。。
一方、あくまで音響メーカーであるDENONは、ドルビーとDTSの提供するシステムをそのまま利用します。
面白みには欠けますが、問題ないでしょう。ヤマハにしても、3D立体音響は、Dolby Atmos Height Virtualizerを使うような方向性にしてきましたし。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が6系統、HDMI出力(TVへ)が1系統です。
これに、音声入力用の光端子が2つ付属します。なお、本機は、同軸は非対応です。
なお、HDMIはeARC対応です。
ネットワーク機能は、BluetoothとWi-Fi 5です。
また、DLNAに対応し、AirPlayも使えます。
なお、Bluetoothは音質の劣るSBCのみ対応ですから、基本的には「オマケレベル」でしょう。
音楽ストリーミングは、HEOSというアプリを使います。
Spotifyほか、定額聴き放題サービスのAmazon Musicにも対応できます。
映像ストリーミングは、やはり、機器側(TVなど)の対応に準じます。
ラジオは、AM・FM・ワイドFMの対応です。
セッティングは、マイクを利用して音場設定を補正できるAudyssey MultEQ XTが付属です。
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以上、DENONのAVR-X1700Hの紹介でした。
堅実でパワフルな作りの本体の部分は、値段以上の価値を感じます。その上で、ネットワークもWi-Fiを装備し、ストリーミングサービスも多いので、使い勝手は良いでしょう。
とくに、この価格帯での製品のなかでは、ネットワーク面が充実するので、比較的値頃感があるモデルで、この部分と、パワーを重視したい場合、良い選択肢の1つです。
最終的な「おすすめ」は改めて最後に考えますが、本機も良い機種です。
【2022年発売】VR-X2700H-K後継機
8・DENON AVR-X2800H-K
¥104,130 Amazon.co.jp (7/6執筆時)
チャンネル数:7.2ch
定格出力:各95W (8Ω)
実用最大出力:185W (1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:Dolby Atmos
HDMI入力:8系統 (eARC)
HDMI出力:2系統
オーディオ:光2 同軸0
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅434x高さ167x奥行341mm
AVR-X2800Hは、DENONの発売するAVアンプの中・上級機です。
1つ上で紹介した機種の1つ上位の製品です。
本体サイズは、幅434x高さ167x奥行339mmです。
小型ではないですが、AVアンプとしては標準的なサイズです。
チャンネル数は、最大7.2chです。
テレビ出力は、4K/60pに対応し、HDR10/HLGにも対応します。
その上で、ドルビービジョンなど、主要な業界基準には対応します。
アンプのパワーは、各スピーカーに対して95W(8Ω)です。
実用最大出力も、下位機種を上回る185Wです。
パワーの向上が下位機種との最も大きな相違点です。
パーツ構成も同社の下位機とは変えていて、特に電源供給を2系統に分割することで、解像感・サラウンド感の改善を図っています。
電源周りの対策は、(映画で)ドカンドカン鳴らすことの多い、AVアンプの場合は結構、重要なので、値段差分の音質差はあるでしょう。
再生周波数帯域は、本機も10Hz-100 kHz です。
ハイレゾ音源は、対応です。
DACは、192kHz/24bit、5.6MHz DSDまでです。
サラウンド技術は、こちらも、Dolby AtmosとDTS:Xの対応です。
仮想的な5.1ch再生は、下位機種同様で、 Atmos Height VirtualizerとDTS Virtual:Xです。
他社のシステムを利用する方式です。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が8系統、HDMI出力(TVへ)が2系統です。
これに、音声入力用の光端子が2つ付属します。同軸はこちらも非対応です。
なお、同社の場合、8K/60pや4K/120pは、HDMI端子のうち1つのみとなります。
ネットワーク機能は、BluetoothとWi-Fiが搭載です。
Wi-Fiは、DLNAに対応し、AirPlayも使えます。Bluetoothは、本機もSBCのみなので、オマケ的でしょう。
音楽ストリーミングは、本機も、下位機同様に、HEOSというアプリを使います。
HEOSも、ハイレゾ音源サービスとなるAmazon Musicに対応します。
無料試用もできる(こちら)ため、事前に試して見るのもよいでしょう。
その上で、【Amazon Alexa端末の比較記事】で紹介したような、同社の端末から、音声で、アンプの操作をさせることも可能となっています。
映像ストリーミングは、本機も、Wi-Fi経由でのキャストは無理なので、TVなどに依存します。
ラジオは、AM・FM・ワイドFMの対応です。
セッティングは、本機も、Audyssey MultEQ XTが付属です。
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以上、DENONのAVR-X2800HKの紹介でした。
同社の下位機種と比較する場合、最大出力が高い機種です。
費用対効果は、下位機種の方が良いかと思いますが、電源周りの強化はAVアンプの場合重要です。
少し良い機種を選びたい場合は、選択肢にして良いでしょう。
【2022年発売】
9・マランツ CINEMA 70S/FN
10・マランツCINEMA 70S /FB
¥109,000 Amazon.co.jp (7/6執筆時)
【2020年発売】
11・マランツ NR1711/FN
12・マランツ NR1711/FB
¥83,000 Amazon.co.jp (7/6執筆時)
チャンネル数:7.2ch
定格出力:各50W (8Ω)
実用最大出力:100W (1k1ch/6Ω)
4K HDR10:対応 (8K 4K/120P)
立体音響:Dolby Atmos
HDMI入力:6系統 (eARC)
HDMI出力:1系統
オーディオ:光1 同軸1
ネットワーク:BT 4.2 Wi-Fi 有線LAN
サイズ:幅442x高さ109x奥行384mm
marantz CINEMA70sは、マランツが販売するAVアンプの入門機です。
現在はDENONと同じ経営母体ですが、ブランドで音質が全く違うので、ファン層は異なります。
デノンは低音域に強いパワー重視、マランツは、スピード感と音のキレイさを重視する方向性です。
これは、スピーカーを合わせた場合の説明なので、AVアンプ自体に強い個性が表れるとはいえませんが、傾向としてはそう言えます。
なお、だいぶ形が変わるのですが、同社のNR1711は本機の旧機種です。
まだ旧機種は残りますが、今回は、ほぼ外観シャシーの変更ですし、値段の安い旧機種でも良いかとは思います。
本体サイズは、幅442x高さ109x奥行384mmです。
かなりの小型で、背が低いです。
それでも、全チャンネルともフルディスクリート構成のパワーアンプを採用するなど、(DENON同様)音質向上のための技術を投入します。
チャンネル数は、最大7.2chです。
テレビ出力は、4Kに対応し、HDR10+ HLGにも対応します。
その上で、ドルビービジョンや8K/60pなど、主な業界基準には全て対応します。
マランツ機は「4K・8Kアップスケーリング」の記載があります。ただ、これらはTV側で対応できるため、必須ではないです。
アンプのパワーは、各スピーカーに対して、定格出力で50W (6Ω)です。
コンパクトな製品なので、少し非力です。
ただ、冒頭書いたように、AVアンプは、各チャンネルと出力が(音楽用より)大ので、【ホームシアター用スピーカーの比較記事】で紹介したような製品ならば、どれでも鳴らしきるでしょう。
(パワーによらない)電流安定化の工夫の言及もありますし、冒頭書いたような、音の個性(味付け)が違うだけ、と考えるべきです。
再生周波数帯域は、本機も10Hz-100 kHz の幅です。
ハイレゾ音源は、対応です。
DACは、旭化成のAK4458VNの利用を明言しています。ただし。対応幅は192kHz/24bitまでです。
サラウンド技術は、Dolby AtmosとDTS:Xの対応です。
仮想的な5.1ch再生は、DENON同様に、 Atmos Height VirtualizerとDTS Virtual:Xを利用する形式です。
接続端子は、HDMI入力(映像機器から)が6系統、HDMI出力(TVへ)が1系統です。
これに、音声出力用の光端子が1つ、同軸が1です。
なお、同社の場合、8K/60pや4K/120pについては、HDMI端子のうち1つのみとなります。
ネットワーク機能は、BluetoothとWi-Fiが搭載です。こちらも、DLNAに対応します。AirPlayも使えます。
ストリーミングサービスは、音楽については、AmazonとSpotifyに両対応しており、問題ないでしょう。映像はDENONの場合と同じです。
ラジオは、AM・FM・ワイドFMの対応です。
セッティングについては、Odyssey MultEQを装備し、補整力も期待できます。
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以上、marantz CINEMA70sの紹介でした。
AVアンプらしからぬ設置性の良さからたいへん人気のある機種です。セットアップもAudyssey MultEQの評判が良く、スピーカーの配置は容易でしょう。
一方、他社製品と較べると、コンパクトな分、特に低音に関わる電源の安定性の部分で非力感はありますが、マランツの「売り」はそこではないので、問題は感じません。
アクション映画などの「ドカンドカン系」ではなく、音楽・紀行番組・コンサートなどを高音質で楽しみたいニーズなどは、ピュアオーディオで実績のあるマランツは、音質面の信頼性は高いでしょう。
ただ、AVアンプの目的性からすると、ニッチではあります。
次回につづく
ホームシアター向けのAVアンプのおすすめは結論的にこちら
というわけで、今回は、AVアンプの比較の1回目記事でした。
記事は、まだまだ「続き」ます。
2・AVアンプの比較記事 (2)
2−1:高級AVアンプ(7.2ch 9.2ch over)
10万円〜
3・AVアンプの比較記事 (3)
=最終的なおすすめの提案【結論】
続く2回目記事では(こちら)では、10万円台の7.2ch機をみたあと、より本格的な各社の9.2ch以上の高級機をみていきます。
アンプのパワー ★★★★★
チャンネル数 ★★★★★
仮想サラウンド ★★★★★
ネットワーク再生 ★★★★★
設置性 ★★★★★
ノイズ対策 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、3回目記事(こちら)に入ります。
最終的な「結論」として、今回紹介した全機種から、目的別・予算別に、Atlasのおすすめ機種を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら!