1回目からの続き記事です→こちら
2-1・ドウシシャの扇風機の比較
2回目記事のトップバッターは、日本の中堅家電メーカーのドウシシャの扇風機です。
サーキュレーターが有名ですが、扇風機も出しています。「カモメファン」シリーズとして、統一的な展開をしています。
1・DCモーター扇風機の比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:パナソニック〈日本〉
1-3:日立〈日本〉
1-4:バルミューダ〈日本〉
1-5:シャープ〈日本〉
1-6:三菱電機〈日本〉
1-7:ダイソン〈英国〉
1-8:ツインバード〈日本〉
2・DCモーター扇風機の比較 (2)
2-1:ドウシシャ〈日本〉
2-2:東芝〈日本〉
2-3:シロカ〈日本〉
2-4:その他の企業
3・DCモーター扇風機の比較 (3)
=最終的なおすすめの提案 【結論】
今回も、1回目記事の冒頭で書いた「選び方の基本」に基づきながら、各機を紹介していきます。
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また、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分は青字で記していきます。
【2022年発売】
【kamomefan Lite】
23・ドウシシャ K-F25AYSI
23・ドウシシャ K-F25AYCGD
¥29,700 楽天市場 (5/4執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:7枚羽根(特殊形状)
羽根径:25cm
左右首振り:30°・60°・90°
上下首振り:
立体首振り:
風速:3.5m/s+
風量:
直進風:20m
風量調節:無段階
高さ: 75cm〜90cm
静音性:9.2dB〜
Kamomefan+c lite K-F25AYは、ドウシシャの「カモメファンライト」シリーズの扇風機です。
2022年5月発売モデルが最新になります。
ドウシシャは、バルミューダと似ていて、一風変わった着想のデザイン家電が得意な家電企業です。
高さは、本機は、ワンプッシュで調整できる仕様です。
70cm〜90cmで固定できます。サイズ的には、リビング向けでしょう。
なお、ユニークな形状の台座ですが、これは軽量化のためで、2.2kgと従来の扇風機より30%前後軽いです。
風質は、基本的に、直進風の力強さを重視する最近の傾向をふまえています。
この機種は、カモメの羽を摸した7枚の羽を使っています。
羽根径は25cmとリビング用の標準(30cm)より小さいです。
しかし、空力的な工夫で、直進的な風質を最大で前方20m飛ばしています。
到達距離の公称値でいえば、「業界最高」でしょう。
風速は、スペック非公開です。
冒頭書いた方法で、2022年に改良がある前の機種(同じはね径で到達17m)で実測したことがあります。
その際は、.5m/sでした。
今回の改変で伸びたということなので、暫定的に3.5m/s+の性能としておきます。
計測できたら加筆します。ただ、実験映像を見る限り、それより弱いことはないでしょう。
風量は、ダイヤルで無段階で調整可能です。
正確には、弱〜強までが無段階です。
(飛んで)風量最大のサーキュレーターモードがあるという構成です。
開発時、強風によるノイズ抑制が相当難しかったようです。
そのため、強風方向の調整機能を「省略」し、業界最高の強風を出せる点を優先したのだと思います。
つまり、前方20mの「暴風」が出せる一方で、その次の段階は少し落ちる機種です。
こうした部分をふまえて言えば、微風運転の繊細さ、あるいは、短距離での空気拡散性を優先した設計ではないです。
体全体にゆるやかあてたい場合は、ある程度離して利用するなど工夫が必要でしょう。
首振り機能は、左右のみです。調整は30°・60°・90°です。
調整力は高いですが、立体首振り機能は非搭載です。
手動では、上向き90度に固定可能ですので、エアコンの補助用には使えます。
リモコンは、他社機同様に、赤外線リモコンが付属します。
タイマーは、入・切タイマーが付属です。
静音性は、最小で7.5dbと弱運転時の静音性は高いです。
しかし、これは静音スペックを強調するための「見せかけ」の部分はあります。
これは他社でも多くの場合そうです。
最大時の騒音値は非公開です。
羽根の径が普通のリビング用より小さい上で、風速・風量のスペックが良いので、運転強度を上げる場合、騒音は大きめでしょう。
ガード設計変更が見られるものの、小径だと風切り音の軽減には限界があります。
先述のように、20Mの風はあくまで「サーキュレーターモード」という名前であり、その名前には意味があると言えます。
なお、同社の製品は、別売のバッテリー(Genki Pac)と変換機(Otomo Dock)で、コードレス化が可能です(最大風速で2.5h・最小で25h)。
この部分は合わせても約570gですので、持ちはこびには良さそうです。
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以上、Kamomefan+c lite K-F25AYの紹介でした。
サーキュレーターとしては「強力」で良さそうです。ただ、扇風機としては、「小回りが効かない」機種に思えます。
扇風機として「20メートル」が本当に必要か、あるいは「使える」のかは論争的でしょう。
「業界最大の到達距離」というのは高い宣伝効果がある言葉と言えます。
そのため、「20M」という到達目標が先行し、空調としての快適さはその目標範囲内で調整したような部分はやや感じてしまいました。
同社の旧来の水準(17m)に到達する他社機がでた翌年の登場だったため、余計にそう感じた部分もあります。
いずれにしても、本機の本質は、強力な空調(エアコン)の風のかくはん能力にあります。「ファン」としても利用は、補足的でもよいという方に向くでしょう。
ニーズはあるでしょうし、あって良い製品です。ただ、風質(風当たり)は店頭などで試してから買った方が良いかと思います。
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【2023年発売】【各色】
24・ドウシシャ K-F28AY
¥19,395 楽天市場 (5/4執筆時)
【2022年発売】【白・グレー】
25・ドウシシャ FKLX-281D WH
25・ドウシシャ FKLX-281D GY
¥19,395 楽天市場 (5/4執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:7枚羽根(特殊形状)
羽根径:28cm
左右首振り:75°
上下首振り:
立体首振り:
風速:
風量:
直進風:11m+
風量調節:4段階
高さ: 57cm/93cm
静音性:11.3dB〜
そのほか、Kamomefan+c livingというシリーズも展開です。
2022年機が残りますが、先述のように羽根の改良があったので、風速・風量や風の到達距離は変わります。
高さは、93cmです。
バルミューダと同じで、スティックを外せば、57cmにできます。
本体色は、ホワイト(K-F28AYWH)ほか、グレー(K-F28AYGY)です。
直販だとブラウン(K-F28AYBR)もあります。
こちらは、羽根径が28cmと大きいです。
羽根は、おなじ「カモメファン」ですが、風の到達距離は非公開です 同じ径の旧機は、11mの到達距離で、それより伸びたと言うことで11m+としておきました。
風量も、DCモーター機ながら4段階調整です。
サーキュレーターモードが別にありますが、先ほどの機種より個性はないです。
重さも、台座形状が異なるので3.6kgとなります。
右自動首振りの角度も75°のみです。
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結論的にいえば、同社で、より一般的なモデルはこちらでしょうが、スペック的な部分を含めて、他社機に優る部分はさほど見いだしにくいと言えます。
【2021年発売】(後継機登場予定)
26・ドウシシャ FKLW-231B GY
26・ドウシシャ FKLW-231B WH
¥24,452 楽天市場 (5/4執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:7枚羽根(特殊形状)
羽根径:23cm
左右首振り:70°
上下首振り:100°
立体首振り:対応
風速:
風量:
直進風:14m
風量:無段階
高さ: 58cm(低め)
静音性:12.5dB〜
Kamomefan mini FKLW-231は、ドウシシャが販売する、やや羽根径が小型の製品です。
「カモメファンミニ」という、愛称です。
なお、2023年シーズンにKamomefan moveという小型機の登場が予定されています。
したがって、掲載機は、旧型のファンを採用したモデルとなります。
高さは、本機は、58cmの固定です。
羽根径の23cmなので「真のミニ型」で、リビング向けというより、1人用です。
風質は、本機も直進風の力強さを重視する方向性です。
風力は、前方14mです。
カモメファン採用で、小型機としては最高クラスでしょう。
風量は、本機は、無段階で調整可能です。
風速・風量はやはり非開示です。
首振り機能は、左右に70°、上下に100°の1段階ですが装備します。
したがって、立体首振り機能に対応です。
リモコンは、他社機同様に、赤外線リモコンが付属します。
タイマーは、入・切タイマーが付属です。
静音性は、一方、最小で12.5dBです。
騒音の最大値は後悔されません。ただ、23cmの羽根で14mの風を飛ばすわけで、相当回転させます。
強風時の静粛性の期待値はさほど高くないでしょう。
なお、本機も、別売バッテリー(Genki Pack K-BP1)を使っての運転も対応です。
最大運転で3時間、最小で8時間です。バッテリー込みで3.2kgなので、野外利用できる点は「ワンポイント」です。
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以上、カモメファンミニ FKLW-231Bの紹介でした。
DCモーター採用の小型の高性能機の1つです。
単純にパワーだけならば、背丈の低い機種では最高でしょう。立体首振りも対応ですので、小部屋の1人用としては選択肢になります。
一方、静音性の部分の期待値は高くないため、この部分を重視する場合は他機が良いでしょう。
2-2・東芝の扇風機の比較
つづいて、東芝の扇風機の紹介です。
同社は、扇風機から一時期撤退していましたが、2018年から復活しました。
【2023年発売】
27・東芝 リビング扇 TF-30DL26-H
¥16,500 Amazon.co.jp (5/4執筆時)
【2022年発売】
28・東芝 リビング扇 TF-30DL25-H
¥12,000 楽天市場 (5/4執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:7枚はね
羽根径: 30cm
左右首振り:85°
上下首振り:
立体首振り:
風速:2.3m/s
風量:37㎣/分
直進風:
風量調節: 4段階
高さ: 67cm〜86cm
静音性:18-43db
TF-30DL26(H)は、東芝のDCモーター扇風機です。
新旧両機種ありますが性能は同じです。
ただ、すでに価格は逆転しています。
高さは、67cm〜86cmの幅で調整可能です。
リビング用の平均サイズに対応しつつ、背も低くできるタイプです。
風質は、高級機として見ると、さほど高い工夫はないです。
高級機だと7枚はねは珍しくないので。
最近のトレンドで言えば、なめらかさ(心地よさ)は担保されますが、直進風の力強さというもうひとつトレンドは、イマイチです。
昔ながらのプロペラタイプの方向性で、枚数を増やした感じに止まります。
風量は、4段階から選べます。
加えて、リズム風が、強弱の違いで2系統あるのが珍しいです。
スペックは、風速2.3m/sと風当たりは弱めです。風量も、多少弱めで37㎣/分です。
本機のプロペラ形状は従来の扇風機を踏襲するため、比較的短距離の設置でも風は拡散しやすいでしょう。
首振り機能は、左右のみ対応です。
85°と少し広めに自動スイングします。
一方、手動の場合は左右40°、上下20°の角度調整なので、範囲は狭めです。
リモコンは、他社機同様に、赤外線リモコンが付属します。
タイマーは、入・切タイマーが双方付属です。
静音性は、最小18dBで、最大で43dBです。
静音DCモーターなので、昔ほどうるさくはないですが、それでも静音に特化したモデルではないです。
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以上、東芝のTF-30DL26(H)の紹介でした。
多少値段が安めの水準のスタンダード機です。
ただ、羽根になどあまり工夫がなく、個性も、リズム風が2種類という部分に止まります。
堅実な設計ではありますが、もう少し個性があっても良いと思います。
2-3・シロカの扇風機の比較
つづいて、日本のシロカの扇風機の比較です。
比較的新しい会社ですが、家電ラインナップも多く、とくに調理家電は、デンキヤでも同社の製品を最近多く見かけます。
シンプルなデザイン性が受けているメーカーです。
【2022年発売】
29・ シロカ SF-V152
¥15,800 Amazon.co.jp (5/4執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:5枚はね
羽根径:約30cm
左右首振り:60°
上下首振り:
立体首振り:
風速:3.2m/s
風量:
直進風:
風量調節: 8段階
高さ:68cm〜88cm
静音性:13dB〜
SF-V152は、日本のシロカが販売する「DC音声操作サーキュレーター扇風機」です。
新旧両機種ありますが、性能は同じです。
高さは、68cm〜88cmの幅で調整可能です。
サイズとしては、一般的なリビング向けです。
風質は、一定程度の工夫があります。
本機は、5枚はねと他社高級機より少なめです。
しかし、形状が特殊で、先端に向けて羽根が薄くなる構造です。
空力的に空気抵抗が低減でき、「スムースでやわらかい風」とメーカーは表現します。
その上で、反り返り角度を広く取ることで、「力強い直進風」送り出します。
本機の方が、羽根の枚数は少ないですが、三菱電機の「エクストラウィングレットファン」技術に方向性は近いでしょう。
風量は、8段階から選べます。
風速・風量のスペックは非開示です。
ただ、30cm羽根機のJISの計測基準に近づけて実測したところでは、平均3.2m/sあたりは出ていました。
直進制の風力の強さでは、他機に負けていないと思います。
首振り機能は、左右のみです。
範囲も60°と狭めですし、基本的には「1人用」です。
なお、上下は、手動で105°(上90°)まで調整できるので、「サーキュレーター扇風機」という名前が付いています。
リモコンは、他社機同様に、赤外線リモコンが付属します。
また、本機は、 本機は、「電源のON/OFF、風量調整、首振り」について音声操作が可能です。
ただ、発話キーワードが「ポチ、きいて」、起動確認の「はい、なんですか」の後の、操作依頼になり、ワンアクションでは操作できないです。
後継機でも改善がないので、多分狙いは(実用性より)「癒やし」なのだと思います。
タイマーは、入・切双方のタイマーが付属です。
静音性は、最小運転時13デシベルです。
ただ、羽根を含めた形状的に、最高風速にした場合、あまり静かではないと思います。
ただ、DCモーター採用のほか、ガードの工夫(ふわビューン技術)など、設計上の配慮はあります。
そのほか、本機は「換気モード」があります。
ようするに、最大風量で左右首振りをするというだけです。
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以上、シロカのSF-V152の紹介でした。
1万円台前半の機種としては、風質に工夫があるので、試したくなる機種です。
一方、いろいろな風質表現の「形容詞」が使われます。
ただ、「直進風の力強さ」に主眼が置かれていると言えます。基本は「5枚はね」ですし、きめの細かさや、リビング向けとして重要な、範囲面の拡散性は、高級機に及ばないでしょう。
また、直進性の風力についても、風量の程度が未開示で。静音性の部分も、最小運転時以外の数値を出していない点も、やや安いだけに、不安要素でしょう。
とはいえ、デザイン性も良いですし、期待の機種ではあります。
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【2023年発売】
30・ シロカ SF-V181(W)
30・ シロカ SF-V181(K)
¥16,930 Amazon.co.jp (5/4執筆時)
【2022年発売】
31・ シロカ SF-V171(W)
31・ シロカ SF-V171(K)
¥15,530 Amazon.co.jp (5/4執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:5枚はね
羽根径:約30cm
左右首振り:30° 75° 120°
上下首振り:
立体首振り:
風速:3.2m/s
風量:
直進風:
風量調節: 8段階
高さ:68cm〜88cm
静音性:13dB〜
なお、本機の「プチ上位機」となるのが、SF-V171です。
旧機種が残りますが、左右の首振り角度が60度のみの1段階です。
一方、1つ上の機種と比べると、羽根径を含めてほぼ同じですが、音声操作のコマンドに、ポチのほか(やんちゃな)「タマ」が追加され、音量も変えられる点が最も大きな違いです。
あとは、換気に適切な風質にする「換気モード」がある程度です。
【2022年発売】(各色)
32・ シロカ SF-HC151
¥22,800 Amazon.co.jp (5/4執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:5枚はね
羽根径:約25cm
左右首振り:75°
上下首振り:
立体首振り:
風速:
風量:
直進風:
風量調節: 8段階
高さ:64cm〜88cm
静音性:12dB〜
F-HC151は、シロカが2023年に発表した、「完全新作」となる製品です。
高さは、64cm〜88cmの幅で調整可能です。
リビング用として問題ないです。
ポイントは、最先端の人感センサーの採用です。
節電のためではなく、操作性と快適性を改善するための工夫です。
このセンサーは、人の顔と手の動きが分かるタイプです。
つまり音声操作(ポチとタマ)なしで「ジャンケンサイン」で、電源・首振り・風量調整ができる機種です。
首振り機能は、かなり工夫があります。
人感センサーは、人(顔)の位置も分かるので、動きに追随し風を追わせることが可能です。
家事などで動き回る場合に便利です。
複数人の顔の位置も分かるので、人の出入りに合わせた「賢い首振り」も対応です。
首振りは75°のみです。しかし、移動位置を中心として75°なので、問題ないです。
一方、センサーは体全体ではなく「顔」を識別するものです。
そのため写真やテレビの顔などに反応したり、足もと送風だとうまく認識しないなど、限界はあります。
検知範囲も前方1-3Mの間で、正面の60°です。部屋の照度で検知精度も変わります。
なお、立体首振りは非対応です。
風質は、5枚はねですので、その工夫の方向性は、上で見た下位機と同じです。
ただ、おそらくセンシングの都合でしょうが、羽根が25cmと小径になります。
リビングむきの力強さと拡散性、あるいは静かな風質となるかは微妙です。
ただ、それを補うため、人感センサーを備えたとは言えるでしょう。
風量は、8段階です。
風速・風量のスペックは非開示です。
首振り機能は、左右のみです。
範囲も60°と狭めですし、基本的には「1人用」です。
なお、上下は、手動で105°(上90°)まで調整できるので、「サーキュレーター扇風機」という名前が付いています。
一方、立体首振りは非対応です。
静音性は、最小12dBとの数字は出ます。
ただ、小径の羽根の機種の場合は、最大風力時のデータがむしろ重要です。
そちらは非開示です。
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以上、シロカのF-HC151の紹介でした。
ディープラーニング技術と顔認識技術の進化を感じられます。機能面の進化が乏しい扇風機においては、最先端技術をつかっていて「革新的な」感じがします。
相当に面白い扇風機です。
しかし、扇風機として本質的な「風質」は先述のように、心配な部分もあります。
なお、この種の人感センサーのセンシングは、一部の空調家電(エアコン)でも採用されはじめています。
エアコンの場合、天井からのセンシングですし、仮に涼が届かなかったとしても、「空間全体」が涼しくなるため、不満は生じにくい空調といえます。
扇風機は、しかし、ピンポイントの涼を得るための空調です。
そのため、風がうまく届かなかった場合の不満が、各ショップのユーザーレビューに出そうな気配は感じました。
結論的にいえば、「子供との遊び」というような要素を含めながら、大らかな気持ちで選びたい機種です。
なお、個人的にこうした先進的なギミックは大好きです。
【2023年発売】
33・ シロカ SF-C213
¥16,800 Amazon.co.jp (5/4執筆時)
【2022年発売】
34・ シロカ SF-C212
¥14,420 Amazon.co.jp (5/4執筆時)
モーター:DCモーター
羽根径:約25cm
羽根:5枚はね
左右首振り:30°・75°・120°
上下首振り:50°・100°
立体首振り: 対応
風速:3.5m/s
風量:
直進風:
風量調節: 8段階
高さ: 54〜68cm(低め)
静音性:10dB〜
SF-C211は、日本のシロカが販売する扇風機です。
「DC 3Dサーキュレーター扇風機」という名前で、エアコンの補助的な使途も想定した製品です。
新旧両機種あります。
新機種のみ、リズム風が4種類(おやすみ・衣類乾燥・うたたね・めざまし)です。
風量弱めで調整される「うたたね」、最初だけ強風の「めざまし」などユニークです。
ただ、実際便利なのは、一発で最大風速での上下首振りになる衣類乾燥でしょう。
高さは、54cm〜68cmの幅で調整可能です。
サイズとしては、先ほどの機種より小さな「コンパクト型」です。
後述するような、首振りの工夫はありますが、基本的に「小部屋向け」です。
風質は、5枚はねで、形状を含めて、先ほどの機種と同じ方向性です。
ただ、羽根径は、25cmほど(実寸)で、小さくなります。
風量は、8段階から選べます。
風速・風量のスペックは非開示です。
ただ、風量計で計測した実測値としては、JISの計測基準と同じ距離で3.5m/sでした。
直下では5m/sに近い風速でしたので、「シリーズ名通り」の強風自慢です。
ただ、羽根径が小さめと言うこともあり、拡散性はほぼないですので、リビングで多人数で当たるような使途ではないです。
首振り機能は、充実します。
左右3段階・上下2段階の自動首振りなので、三菱並に充実します。
30°は珍しいですが、1人用や単品の洗濯物用としてやや広く風が欲しい場合、風が途切れにくいので、結構良いように思います。
もちろん、立体首振りに対応しますし、上向き90°の固定も可能です。
小型機なので、これらの部分は重要です。
リモコンは、付属です。音声操作は不可です。
タイマーは、入・切双方のタイマーが付属です。
首振り設定はできますが、リモコンでの(微妙な)角度調整は不可になります。
静音性は、最小運転時10dBです。
やはり、羽根の枚数や径の小ささ関係で、最大運転時の騒音は強めでした。
実際、同社は、第三者試験で最小運転時の評価試験はしているので、最大運転時の騒音も(メーカーとしては)把握できているはずでしょう。
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以上、シロカの SF-C211の紹介でした。
本機も「直進風の力強さ」に主眼が置かれる製品でしょう。
拡散性はそこそこでしょうが、「小部屋向け(1人用)」なので、この仕様でよいかと思います。
引き続き、デザイン性も良いですし、1万円前後の小型機としてプレゼンスがでそうです。
2-4・そのほかの扇風機の比較
続いて、その他のメーカー出注目したい製品を紹介します。
【2023年発売】
35・トヨトミ FS-D30NHR-A
35・トヨトミ FS-D30NHR-W
¥21,564 楽天市場 (5/4執筆時)
【2022年発売】
36・トヨトミ FS-DS30MHR-W
36・トヨトミ FS-DS30MHR-B
¥17,022 楽天市場 (5/4執筆時)
【下位機】(人感センサーなし)
37・トヨトミ FS-D30MHR-W
¥13,980 楽天市場 (5/4執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:7枚羽
羽根径:30cm
左右首振り:30°・70°・110°
上下首振り:
立体首振り:
風速:3.3m/s
風量:41㎣/分
直進風:
風量調節:32段階
高さ:91cm〜110cm
静音性:
FS-D30NHなどは、名古屋のTOYOTOMIが販売する扇風機です。
むしろ、ストーブが有名な企業ですが、(工場の稼働という側面か)夏物家電も一定数出しています。
新旧両機種あります。
2023年機は、ホコリ防止モードと羽根の静電気防止加工が新搭載です。
停止時、逆回転することで、ホコリを落とす機能です。シンプルですが、目の付け所の良い工夫に思えます。 あとは、風量調整の幅が増えたほどです。
一方、2023年機は逆に、人感センサーがなくなりました。節電面では旧機の方が良かったと言えます。ただ扇風機は、さほど電気代はかかりませんので、マストではなかったとも言えます。
なお、過年度だけあった下位機は、もともと人感センサーが省略されていました。
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結論的にいえば、一長一短はあるため、要不要で選んでください。
高さは、91cm〜110cmの幅で調整可能です。
パナソニックの高級機と同じで、リビング向けのハイポジション機です。
風質は、同社が「ローノイズファン Plus」と呼ぶ、7枚はねがポイントです。
新機種から「静電気加工」が加わったのでPlusという表現が付きました。
こちらは、風質の心地よさよりも、風切り音の低減を目指す方向性です。
そういう発想もありでしょうが、騒音値が公開されない点は、イマイチです。
風量は、32段階で調整できます。
DCモーターの利点を活かした形で、ダイヤル調整です。
実質、無段階といえますが、そう書かないところに「こだわり」を感じます。
本機は、リビング用としては、風速が3.3m/sと強く、風量が41㎣/分と平均値です。
直進風はある程度強い上で、距離が離れるにつれてある程度拡散していくタイプでしょう。
リビング用として堅実な設計です。
首振り性能は、左右のみ3段階で調整可能です。
立体首振りは非対応ですが、上下については90°上向きまでフリーネックで対応できます。
リモコンは、付属します。
実用性は問題ないですが、デザインと使い勝手は、イマイチな感じで「おまけ」です。
安全面は、結構高度です。
本機は、扇風機のガードにふれると自動的に運転を停止するタッチストップセンサーを内蔵です。暖房器具メーカーらしいですが、ここは見どころでしょう。
ちいさなお子さんがいるご家庭では、良い仕様です。
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以上、トヨトミのFS-DS30MHR の紹介でした。
3種類のセンサーが目立ちます。最も魅力なのはやはりタッチストップセンサーであり、お子さんの安全性に配慮したい場合、選択肢です。
なお、90cmからの背の高いハイポジション機ですので、椅子生活のご自宅に主に合う点だけ注意してください。
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【2023年発売】
38・トヨトミ FS-D30NR-W
¥11,360 楽天市場 (5/4執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:7枚羽
羽根径:30cm
左右首振り:70°
上下首振り:
立体首振り:
風速:2.9-3m/s
風量:32-33㎣/分
直進風:
風量調節:8段階
高さ:80cm〜100cm
静音性:
なお、ハイポジションではない普通程度の高さの機種も2023年から出ました。
羽根径は同じく30cmの7枚羽根ですので、リビング向けです。
また、本機も、ノイズ抑制タイプローノイズファン Plusをしっかり装備します。
ただ、左右の首振りが70°固定で、風速・風質ともやや弱くなる点で言えば、どちらかと言えば、価格重視の、下位機であり、廉価版です。タッチストップセンサーもありません。
モーターもインバーター制御でないので、東日本(50Hz)だと3%ほどパワーが落ちます。
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結論的にいえば、同社の魅力と言える、タッチストップセンサーもないですし、性能面からはすこし選びにくさは感じます。
【2023年発売】
39・山善 AHX-FGD301(W)
30・山善 AHX-FGD301(BK)
¥12,420 Amazon.co.jp (5/4執筆時)
41・山善 BHX-FGD301-W
¥11,800 楽天市場 (5/4執筆時)
¥14,362 楽天市場 (5/4執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:9枚羽根
羽根径:30cm
左右首振り:30° 60° 90° 110°
上下首振り:
立体首振り:
風速:2.8m/s
風量:
直進風:
風量調節: 8段階
高さ:64cm・92cm
静音性:
AHX-FGD301は、山善の販売するDC扇風機です。
有名な「ジェネリック家電メーカー」で、日本の上場企業です。ホームセンターなどで見かける生活家電をたくさん作っています。
同社は、1万円以下でも多くの製品を展開します。しかし、上位機として、しっかりした性能をもつDC扇風機といえるのは、こちらです。
流通ルートの違いで型番が多いですが、色以外は同じです。
高さは、64cm・92cmで調整可能です。
中間のジョイントポールの装着の有無で調整する方式です。
外せば、小部屋や床座りのリビングなどでも使いやすいでしょう。
風質は、本機は、(わかめのような)9枚羽根の製品です。
ただ、羽根の多いタイプの他社機ほどは、きめ細やかな風ではないです。
また、リビング向けとして、拡散性(風の広がり)はある程度配慮があります。
風量は、8段階で調整できます。
ただ、上図の背中のメーター式の風量計がかなり見にくく、どの段階なのかがとても分かりにくいです。
風速・風量のスペックは、JISの計測基準に基づく風速・風量は非開示です。
実測しましたが、風速計は日立とだいたい同じ数値を示していたので、2.8m/sあたりです。
強風ではないですが、弱くもないです。
首振り性能は、左右の角度については4段階と充実します。
ただ、上下は手動(90°)で、立体首振りも非対応です。
静音性は、一方、DCモーター採用以上の情報はないです。
騒音値も非開示です。
リモコンは、付属します。
一方、本機は4工程で、相当小さくして収納(箱に入れて約38×38×28cm)できます。
バルミューダはじめ、組立が楽な機種は多いですが、箱に入れたときの収納性は、本機の美点でしょう。
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以上、山善のYHX-FGD30の紹介でした。
風質や首振りの工夫は、値段なりの「そこそこレベル」です。ただ、片付けについての高い配慮は、本機の売りでしょう。この部分をやっかいに感じていた人は、結構いると思いますし良い工夫です。
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なお、先述のように、同社の場合、1万円以下を含めて、もう少し安めでも静音DCモーター扇風機を選べます。
機能性は落ちますが、お買得なモデルが多いです。
【1万円前後の激安扇風機の比較記事】のほうで、紹介しています。
【2022年発売】
43・Duux Blade DXCF22JP(GY)
44・Duux Blade DXCF23JP(WT)
¥22,800 楽天市場 (5/4執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:9枚羽
羽根径:約28cm
左右首振り:30° 60° 90°
上下首振り:90° 105°
立体首振り:
風速:
風量:30段階
直進風:最大17m
高さ:103cm・57.6cm
静音性:32dB-56dB
Blade DXCF22JP は、オランダの空調メーカーDuuxの販売する扇風機です。
扇風機は日本では国産機が伝統的に多いですが、日本のツカモトエイムを代理店に2022年から展開がはじまりました。
このシリーズは、同社の最高級機です。
形状は正面写真では分かりませんが、写真のようなユニークな形状です。
このデザインである(空力的)意味は不明ですが、面白いことには変わりません。
高さは、他社にもみられた昼間のスティックを抜く形で、103cmと57.6cmに調整可能です。
長さ的には、ハイポジションとコンパクト型といえ、中間がないのは独特です。
風質は、特殊な湾曲した形状の9枚羽根の製品です。
独特の形状で、強力な直進風をストレートに押し出す形です。
直進17mというスペックは、ドウシシャの新型(20M)を除くと最高です。
風量は、30段階で調整できます。
あまり細かすぎても、かえって使いにくい部分は少し感じます。
一方、本機は室温センサー搭載です。
設定した温度に向かって風速を変える機能があります。例えば上記は20度設定の場合です。
そのほか、自然風モードやナイトモードの設定も可能です。
首振り性能は、左右3段階、上下2段階で調整できます。
リモコンは、付属します。
というより、本機については、本体が電源ボタンだけで、その部分の長押しで風量を30段階調整するという、かなり特殊な仕様です。
そのため、リモコンがないと首振りの設定もできないのは注意点です。
静音性は、ただし、32dB-56dBですので、DCモーター機としてうるさいです。
欧米では、ファンの音は(騒音を打ち消す)「ホワイトノイズ」と認識されることもおおいからかと思います。
なお、別売ですが、バッテリーによる運転も可能です。
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以上、Duux Bladeの紹介でした。
主張があり格好良いデザイン家電ですので、一目ぼれで買う人が多そうです。
一方、かなり強力な機種ですが、1・低風量でも騒音は大きめである点、2・スティックの取り外しでの高さの差がかなりある点、3・本体だけでほぼ操作ができない(しかも風量は30段階)という4点は、買う前の注意点です。
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【2022年発売】
45・duux Whisper Flex Touch DXCF31JP
¥19,800 楽天市場 (5/4執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:7枚羽
羽根径:約28cm
左右首振り:30° 60° 90°
上下首振り:45° 90°
立体首振り:
風速:
風量:26段階
直進風:最大15m
高さ:88cm・51cm
静音性:33dB-56dB
一方、同時にWhisper Flex Touch(DXCF31JP(WT) DXCF30JP(GY))という製品の展開もはじまりました。
本機も、スティックで高さを調整する形式です。
88cm・51cmですので、先ほどの機種よりも「スタンダード」です。
また、くびれもない、普通の形状ですし、日本の一般家屋にはこちらの方が合うように思えます。
風量は、7枚羽根ですが、風速15Mと強力です。
一方、本機は、扇風機の中心にエッセンシャルオイルを入れて、アロマが楽しめるというワンポイントがあります。
デンキヤの空調コーナーでは、オイルを使う家電は結構並びますし、この仕様は「うける」気がします。
先ほどの機種の問題点だった、本体操作に付いても、こちらは、リモコンほか、タッチパネルで操作できますし、より一般的でしょう。
引き続き、室温センサーも装備します。
静音性は、33dB-56dBですので、ファンノイズが嫌いな方は、少し選びにくいでしょう。
次回に続く
DCモーター扇風機のおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回はDCモーター扇風機の比較の2回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
3・DCモーター扇風機の比較 (3)
=最終的なおすすめの提案 【結論】
直進風の強さ ★★★★★
風当たりの良さ ★★★★★
首振り機能 ★★★★★
静音性の良さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
3回目記事(こちら)は、結論編です。
ここまで見てきた全機種から、最終的な、目的別、予算別に「Atlasのおすすめ機種」を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
3回目記事は→こちら。