1回目からの続き記事です→こちら
2-1・ドウシシャの扇風機の比較
2回目記事のトップバッターは、日本の中堅家電メーカーのドウシシャの扇風機です。
サーキュレーターが有名ですが、扇風機も出しています。「カモメファン」シリーズとして、統一的な展開をしています。
1・DCモーター扇風機の比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:パナソニック〈日本〉
1-3:日立〈日本〉
1-4:バルミューダ〈日本〉
1-5:シャープ〈日本〉
1-6:ダイソン〈英国〉
2・DCモーター扇風機の比較 (2)
2-1:ドウシシャ〈日本〉
2-2:東芝〈日本〉
2-3:シロカ〈日本〉
2-4:DuuX〈オランダ〉
3・DCモーター扇風機の比較 (3)
3-1:ツインバード〈日本〉
3-2:他の企業
3-3:最終的なおすすめの提案 【結論】
今回も、1回目記事の冒頭で書いた「選び方の基本」に基づきながら、各機を紹介していきます。
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また、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分は青字で記していきます。
【2022年発売】
【Kamomefan+c lite】
13・ドウシシャ K-F25AYSI
14・ドウシシャ K-F25AYCGD
¥29,700 楽天市場 (7/12執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:7枚羽根(特殊形状)
羽根径:25cm
左右首振り:30°・60°・90°
上下首振り:
立体首振り:
風速:3.6m/s
風量:
直進風:23m
風量調節:無段階
高さ: 75cm〜90cm
静音性:9.2dB〜
Kamomefan+c lite K-F25AYは、ドウシシャの「カモメファンライト」シリーズの扇風機です。
ドウシシャは、バルミューダと似ていて、一風変わった着想のデザイン家電が得意な家電企業です。同社は毎年型番は更新しないので、2022年5月発売モデルが最新になります。
高さは、本機は、ワンプッシュで調整できる仕様です。
70cm〜90cmで固定できます。サイズ的には、リビング向けでしょう。
なお、ユニークな形状の台座ですが、これは軽量化のためで、2.2kgと従来の扇風機より30%前後軽いです。
羽根径は、25cmです。
リビング用の標準(30cm)より小さいです。
羽根の枚数は、7枚です。
お馴染みのカモメの羽を摸した7枚の羽を使っています。
ただ同社の新世代で、船舶用のプロペラを作るナカシマプロペラの設計です。(Nakashima Braid R-04)。風速を出せるような改良をなした新世代です。
到達距離は、前方23mとします。
先述のように、到達距離は業界基準はないので、メーカー間で比較はできないです。
他社だと、モデルチェンジを経ずに、到達距離を(再計測で)発売後「盛った」ような事例も見られます。
風速も、非公開ですが、冒頭書いた方法で実測したところ3.6m/sでしたし、実際強いです。
日本の現行品では、実際「業界最高級」でしょう。
しかし、23m(3.6m/s)という数字は、リビング扇風機としては明らかに強すぎです。
これは「サーキュレーターモード」として、エアコン補助用に使う時の数字です。
とはいえ、通常モードの強風で風速3m/sあたりはでていて、人間に利用する場合でもしっかり強風です。
風の拡散性は、ただし、イマイチです。
羽根径は25cmと小さいからで、多人数のリビング向けではないです。
風質は、直進風の力強さを重視するものです。
きめ細かく、風ムラの少ない「なめらか」さ(やわらかさ)は、一方、サーキュレーターとして比べれば、他機より良い水準です。
しかし、扇風機としては羽根径が小径な部分もあり、強調できるほどではないです。風速を緩めるて使う場合、その傾向は感じます。
「なめらかさ」を出すための技術的な説明も、到達距離を伸ばすためのプロペラ改良後は、明示的に示されなくもなってもいます。
風量は、ダイヤルで無段階で調整可能です。
微風運転は風を感じられない感じです。
また、扇風機は無段階調整できても、あまり便利ではない気はします。
首振り機能は、左右のみです。
調整は30°・60°・90°です。
調整力は高いですが、立体首振り機能は非搭載です。
手動では、上向き90度に固定可能ですので、エアコンの補助用には使えます。
リモコンは、他社機同様に、赤外線リモコンが付属します。
タイマーは、入・切タイマーが付属です。
静音性は、最小で7.5dbです。
しかし、最小運転時は(日立のうちわ風のようには)風を感じられません。
静音スペックを強調するための「見せかけ」の部分はありそうです。
最大時の騒音値は非公開です。
サーキュレーションのため最大風量を上げた製品ですし、羽根径も小さいので、通常モードの強風運転時も騒音は大きめの傾向で、本機もそう言えます。
ガード設計変更が見られるものの、小径だと風切り音の軽減には限界があります。
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以上、Kamomefan+c lite K-F25AYの紹介でした。
サーキュレーターとしては強力です。風力だけでいえば、同じ機能性があるツインバード工業より、風力は強いです。
ただ、扇風機としては、羽根径が狭く(首振りをしないと)風が拡がりにくいので、人があたるためリビングで使う場合では不利です。
いずれにしても、本機の本質は、強力な空調(エアコン)の風のかくはん能力にあります。「ファン」としても利用は、(1人用的な)補足的でもよいという方に向くでしょう。
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このほか、カモメファンは、ファンの径が異なる製品があります。
順番にみておきます。
【2023年発売】
15・ドウシシャ K-F28AYWH
16・ドウシシャ K-F28AYGY
¥25,300 楽天市場 (7/12執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:7枚羽根(特殊形状)
羽根径:28cm
左右首振り:75°
上下首振り:(90°手動)
立体首振り:
風速:3.6m/s
風量:
直進風:25m
風量調節:4段階
高さ: 57cm/93cm
静音性:7.1dB〜
第1に、Kamomefan+c living K-F28AYです。
高さは、93cmです。
バルミューダと同じで、スティックを外せば、57cmにできます。
本体色は、ホワイト(K-F28AYWH)ほか、グレー(K-F28AYGY)です。
直販だとブラウン(K-F28AYBR)もあります。
羽根の枚数は、こちらも、7枚の「カモメファン」です。
羽根径は、28cmと広めです。
風の到達距離は、25mですので、先ほどの機種より飛びます。
先述のように、サーキュレーションモードでの値である点に注意です。
人間が「あたる」ための風でも強風ですが、風の拡がりは28インチ機でも狭めです。
風量も、DCモーター機ながら、4段階調整です。
重さも、台座形状が異なるので3.6kgとなります。
右自動首振りの角度も75°のみです。
ただ、手動で90°上向きになりますが、角度を変える場合、固定リングが風を邪魔する構造です。
静音性は、最小7.1dBです。
ただ、風を感じられるほどではないです。強風時はうるさいです。
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結論的にいえば、羽根径がやや広いので、同社の製品だけでいえば、多人数のリビング用としては向きます。ただ、風の拡がりは一般的な30cm径の製品ほどではないです。
サーキュレーションモードは魅力ですが、上向きに利用する場合にガードが風に引っかかる部分を含めて、静音性や振動面で、気になる部分はあります。
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【2023年発売】
17・ドウシシャ K-F23AY-GY
18・ドウシシャ K-F23AY-WH
19・ドウシシャ K-F23AY-BE
¥22,720 Amazon.co.jp (7/12執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:7枚羽根(特殊形状)
羽根径:23cm
左右首振り:70°
上下首振り:100°
立体首振り:対応(360°)
風速:
風量:
直進風:22m
風量:無段階
高さ: 59cm(低め)
静音性:6.9dB〜
第2に、Kamomefan +c moveです。
形状は、本機は、ローポジションの製品です。
背の高さは59cmで、本体も小さめな小部屋向けタイプです。
羽根径は、23cmです。
羽根の枚数は、7枚で、やはりナカシマプロペラが設計した新開発のファンです。
風質は、本風の直進性を重視する方向です。
サーキュレーションモード時風速は22mです。
ふつうの強風時のスペックは非開示です。
また、小径なので、短距離での風の拡散性は他機よりも課題になります。風ムラの少ない「なめらか」さも、サーキュレーターではなく、扇風機として見る場合は普通です。
首振り機能は、一方、左右に70°、上下に100°の1段階ですが装備します。
立体首振りにも対応です(360度ターン)。
小径で、風の拡散性が狭い部分を、首振りの充実で解決する方向性です。
風量は、無段階調整です。
従来機同様に、拡散性は、立体首振り機能に依拠する部分があります。
静音性は、最小6.9dBからです。
ただし、最小運転時は微風を感じられるレベルではないです。
最大運転の騒音は非公開ですが、径が小さなプロペラで遠くまで飛ばす機種なので,
(在庫なし)
Genki Pack K-BP1
¥(7,700) 楽天市場 (7/12執筆時)
なお、本機は、別売バッテリー(Genki Pack K-BP1)を使っての運転も対応です。
正確には、ここまで見た他機でも利用できますが、さらに別売の「Otomo Doc」が必要ですので、サイズ感も含めて、持ち歩きの場合、この機種が向きます。
微弱運転で20.5時間、サーキュレーターモードで2時間です。微弱運転は実用性に欠けるので、6-10時間程度は使える感じで考えれば良いでしょう。
バッテリー込みで3kg以下です。防水性はないですが、晴天下や室内ならば、野外利用がしやすい点は「ワンポイント」です。
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結論的にいえば、バッテリー搭載で持ちやすい小型としては評価できそうです。
その用途ならば、騒音も問題になりにくいですから。ただ、自宅内で利用する場合は、風の拡散性と、静音性が課題になってくるでしょう。
首振りだとどうしても「風ムラ」はでるので、リビング用は、30cm径ほどの製品がやはり良いです。
2-2・東芝の扇風機の比較
つづいて、東芝の扇風機の紹介です。
同社は、扇風機から一時期撤退していましたが、2018年から復活しました。
【2023年発売:白】
20・東芝 リビング扇 TF-30DL28-W
¥13,291 Amazon.co.jp (7/12執筆時)
【2024年発売:白】
21・東芝 リビング扇 TF-30DL27-W
¥11,580 楽天市場 (7/12執筆時)
【2023年発売:黒】
22・東芝 リビング扇 TF-30DL26-H
¥15,380 Amazon.co.jp (7/12執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:7枚はね
羽根径: 30cm
左右首振り:85°
上下首振り:
立体首振り:
風速:2.3m/s
風量:37㎥/分
直進風:
風量調節: 7段階
高さ: 67cm〜86cm
静音性:18-43db
TF-30DL28(W)は、東芝のDCモーター扇風機です。
旧機種が残ります。
旧機だと風量調整が4段階ですが(実用上)問題ないです。
あとは、2023年機だけ色が異なる程度でう。リズム風の名前が変わりましたが、プログラムは同じでしょう。
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結論的にいえば、年度にかかわらず、安いものを選んでOKです。
高さは、67cm〜86cmの幅で調整可能です。
リビング用の平均サイズに対応しつつ、背も低くできるタイプです。
羽根径は、30cmです。
羽根の枚数は、7枚羽根です。
リビング用の高性能機としては、プロペラにはあまり工夫がないです。
風質も、メーカー独自の主張はないです。
風速2.3m/sと風当たりは弱めで、風量も、多少弱めで37㎥/分です。
ほどほどの風圧の風をゆるやかに広範囲に拡げる、昔ながらのタイプです。
直進風の力強さやなめらかさは、とくに強調できません。興味をひく技術も少ないです。
風量は、7段階から選べます。
加えて、リズム風が、(そよ風的な)ふわり風と、(自然に近い)ゆらぎ風と2種類選べるのが特長です。
パナソニックの上位機と同じで、自然風は、通常の風ではなく、「リズム風」のプログラムで再現を目指す方向です。
ただ、羽根自体の工夫は、改良のあったパナソニックほどではないです。
首振り機能は、左右のみ対応です。
85°と少し広めに自動スイングします。
一方、手動の場合は左右40°、上下20°の角度調整なので、範囲は狭めです。
リモコンは、他社機同様に、赤外線リモコンが付属します。
リモコンは液晶付で、運転風量が目で見られるのが良い部分です。ただ、フォントを含めて、あまり高級感はないです。
タイマーは、入・切タイマーが双方付属です。
静音性は、最小18dBで、最大で43dBです。
より優秀な機種はありますが及第点です。
清潔性の部分では、ホコリ防止加工が注目点です。
未加工のものより、メンテ頻度は減りそうです。
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以上、東芝の TF-30DL28(W)の紹介でした。
大手企業のDCモーター機では 多少値段が安めの水準のスタンダード機です。
ただ、羽根になどあまり工夫がなく、個性も、リズム風が2種類という部分に止まります。堅実な設計ではありますが、もう少し個性があっても良いと思います。
2-3・シロカの扇風機の比較
つづいて、日本のシロカの扇風機の比較です。
比較的新しい会社ですが、家電ラインナップも多く、とくに調理家電は、デンキヤでも同社の製品を最近多く見かけます。
シンプルなデザイン性が受けているメーカーです。
【2025年発売】
23・ シロカ SF-V251 SF-V251(W)
23・ シロカ SF-V251 SF-V251(HD)
¥16,920 Amazon.co.jp (7/12執筆時)
【2024年発売】
24・ シロカ SF-V191(W)
24・ シロカ SF-V191(K)
¥16,460 Amazon.co.jp (7/12執筆時)
【2023年発売】SF-V171後継機
25・ シロカ SF-V181(W)
25・ シロカ SF-V181(K)
¥11,800 Amazon.co.jp (7/12執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:5枚はね
羽根径:約30cm
左右首振り:30° 75° 120°
上下首振り:
立体首振り:
風速:3.2m/s
風量:
直進風:
風量調節: 8段階
高さ:68cm〜88cm
静音性:13dB〜
SF-V251は、シロカが販売するDC音声操作サーキュレーター扇風機です。
後述するように、本機は、スピーカーとマイクを搭載し、音声操作ができる機種です。
旧機種が残ります。
2025年機は、温度センサーが新搭載です。
本機は「喋る」のですが、25度 28度を超えた時、自動で風量を調整し、音声でそれを教えてくれる「みまもり機能」に利用します。
ただ、みまもりをONにすると、後述する「声での操作ができない」ほか、切タイマーも使えません。温度による設定風量も固定ですし、便利かといわれると微妙です。
あとは、台座に角度が付き見やすい新形状(アングルデザイン)になったこと、音声操作のコマンドの追加(風量を数字で指示)があった程度です。
2024年機は、「ここピタ」機能が新機軸でした。
リモコンで「首振り」ボタンを利用せずとも、専用ボタンで、首の向きを変えられる工夫です。後述するように、この操作は「声」でもできるので、割と便利でしょう。
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結論的にいえば、価格面で言えば、2023年機ですが、本機の「売り」が音声入力であることをふまえれば、2024年機以降が便利に思えます。
一方、2025年機の新機能は不要に思えますが、まああって困るものでもないので、値段が安いようならば選んでもOKです。
あとは、基本部分は変わらないので同時にみていきます。
高さは、68cm〜88cmの幅で調整可能です。
サイズとしては、一般的なリビング向けです。
羽根径は、リビング用として一般的な30cmです。
羽根の枚数は、5枚はねと他社高級機より少なめです。
形状が特殊で、先端に向けて羽根が薄くなる構造です。空力的に空気抵抗が低減でき「スムースでやわらかい風」を出すための工夫です。
その上で、反り返り角度を広く取ることで「力強い直進風」送り出します。
風質は、「力強い直進風」の要素をむしろ感じます。
羽根の数が少ないこともあってか、どの風量でも、風ムラが少なめな「なめらか」でやわらかい風質であるといえるかは微妙です。
風速・風量は、スペック未記載です。ただ、「選び方の基本」で書いた計測法で簡易的にはかると平均3.2m/sあたりはありました。
風量は不明ですが、短距離での風の拡散性は意識しない設計ですので、ある程度離した場所で使うと良い製品です。
風量は、8段階から選べます。
首振り機能は、自動は左右のみです。
ただ、3段階で調整可能です。
とく30°と狭く調整できるのは特長です。
先述のここピタを含めて、一人でつかって快適な製品に思えます。
なお、上下は、手動ですが105°(上90°)まで調整できます。
リモコンは、他社機同様に、赤外線リモコンが付属します。
加えて、扇風機の音声操作が可能です。上表の操作の他、モードやタイマーなどかなり細かい設定が可能です。
発話キーワードとして「ポチ、きいて」「たまおねがい」を入れた後、「はいなんですか」の受け答えを聞いたあとの操作依頼になります。
ワンアクションでは操作できない部分は、やや不便です。(実用性より)「癒やし」なのだと思います。 音量も変えられる仕様です。
なお、設定できるコマンドは(こちら)で確認できます。
タイマーは、入・切タイマーが付属です。
静音性は、最小運転時13デシベルです。
最大風量の際の運転音は非開示です。
羽根形状的に、最高風速にした場合あまり静かではないと思います。
ただ、DCモーター採用のほか、ガードの工夫(ふわビューン技術)など、設計上の配慮はあります。
そのほか、本機は「換気モード」があります。
ようするに、最大風量で左右首振りをするというだけです。
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以上、シロカのSF-V251の紹介でした。
音声入力に注目が集まる機種ですが、1万円台半ばの機種としては、風質にも工夫があるといってよい機種です。
一方、いろいろな風質表現の「形容詞」が使われますが、基本は「直進風の力強さ」に主眼が置かれていると言えます。
5枚はねですし、きめの細かさや、短距離での風の拡散性はイマイチな製品です。
風の到達距離は実際見た感じ十分でしたが、騒音はするため、その部分を重視する場合は、注意するべきでしょう。
とはいえ、デザイン性も良いですし、期待の機種ではあります。
【2023年発売】
26・ シロカ SF-HC151
¥13,190 Amazon.co.jp (7/12執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:5枚はね
羽根径:約25cm
左右首振り:75°
上下首振り:
立体首振り:
風速:
風量:
直進風:
風量調節: 8段階
高さ:64cm〜88cm
静音性:12dB〜
F-HC151は、シロカが2023年に発表した、同社の上位機です。
高さは、64cm〜88cmの幅で調整可能です。
リビング用として問題ないです。
ポイントは、最先端の人感センサーの採用です。
節電のためではなく、操作性と快適性を改善するための工夫です。
このセンサーは、人の顔と手の動きが分かるタイプです。
つまり音声操作(ポチとタマ)なしで「ジャンケンサイン」で、電源・首振り・風量調整ができる機種です。
首振り機能は、かなり工夫があります。
人感センサーは、人(顔)の位置も分かるので、動きに追随し風を追わせることが可能です。
家事などで動き回る場合に便利です。
複数人の顔の位置も分かるので、人の出入りに合わせた「賢い首振り」も対応です。
首振りは75°のみです。しかし、移動位置を中心として75°なので、問題ないです。
一方、センサーは体全体ではなく「顔」を識別するものです。
そのため写真やテレビの顔などに反応したり、足もと送風だとうまく認識しないなど、限界はあります。
検知範囲も前方1-3Mの間で、正面の60°です。部屋の照度で検知精度も変わります。
なお、立体首振りは非対応です。
風質は、5枚はねですので、その工夫の方向性は、上で見た下位機と同じです。
ただ、センシングの都合でしょうが羽根が25cmと小径になります。
リビングむきの力強さと拡散性を持つ風質、あるいは静かな風質となるかは微妙です。
ただ、それを補うため、人感センサーを備えたとは言えるでしょう。
風量は、8段階です。
風速・風量のスペックは非開示です。
首振り機能は、左右のみです。
範囲も60°と狭めですし、基本的には「1人用」です。
なお、上下は、手動で105°(上90°)まで調整できるので、「サーキュレーター扇風機」という名前が付いています。
一方、立体首振りは非対応です。
静音性は、最小12dBとの数字は出ます。
ただ、小径の羽根の機種の場合は、最大風力時のデータがむしろ重要です。
そちらは非開示です。
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以上、シロカのF-HC151の紹介でした。
ディープラーニング技術と顔認識技術の進化を感じられます。機能面の進化が乏しい扇風機においては、最先端技術をつかっていて「革新的な」感じがします。
相当に面白い扇風機です。
しかし、扇風機として本質的な「風質」は先述のように心配な部分もあります。
なお、この種の人感センサーのセンシングは、一部の空調家電(エアコン)でも採用されはじめています。エアコンの場合、天井からのセンシングですし、仮に涼が届かなかったとしても、「空間全体」が涼しくなるため不満は生じにくい空調といえます。
扇風機は、しかしピンポイントの涼を得るための空調ですし、その部分が懸念材料です。
結論的にいえば、「子供との遊び」というような要素を含めながら、大らかな気持ちで選びたい機種です。
なお、個人的にこうした先進的なギミックは大好きです。
【2024年発売】
27・ シロカ SF-C223
¥14,980 Amazon.co.jp (7/12執筆時)
モーター:DCモーター
羽根径:約25cm
羽根:5枚はね
左右首振り:30°・75°・120°
上下首振り:50°・100°
立体首振り:対応(360°)
風速:3.5m/s
風量:
直進風:
風量調節: 8段階
高さ: 54〜68cm(低め)
静音性:10dB〜
SF-C223(W)は、日本のシロカが販売する扇風機です。
DC 3Dサーキュレーター扇風機という名前で、エアコンの補助的な使途も想定した製品です。こちらは、喋りません。
高さは、54cm〜68cmの幅で調整可能です。
サイズとしては、先ほどの機種より小さな「コンパクト型」です。
後述するような、首振りの工夫はありますが、基本的に「小部屋向け」です。
羽根径は、25cmです。
リビング用としては小さめです。
羽根の枚数は、5枚はねです。
羽根径は地が今グア、形状や工夫は1つ上の機種と同じ方向性です。
風質は、したがって、本機も、なめらかさや、風の拡散性よりも、風の直進性を重視したタイプです。
風速・風量のスペックは非開示です。
ただ、風量計で計測した実測値としては、JISの計測基準と同じ距離で3.5m/sでした。
羽根径の部分を含めあまり拡散はしないので、個人用(1人用)に基本は向く製品です。
首振り機能は、ただ、充実します。
左右3段階・上下2段階の自動首振りですので。。
本機も30°の調整ができます。
珍しいですが、1人用や単品の洗濯物用としてやや広く風が欲しい場合、風が途切れにくいので、結構良いように思います。
上向き90°の固定も可能です。
立体首振はも、対応します。
シャープの小型機と同様、立体首振り(360度ターン)に対応です。
リズム風は、4種類(おやすみ・衣類乾燥・うたたね・めざまし)です。
風量弱めで調整される「うたたね」、最初だけ強風の「めざまし」などユニークです。
ただ、実際便利なのは、一発で最大風速での上下首振りになる衣類乾燥でしょう。
風量は、8段階から選べます。
リモコンは、付属です。音声操作は不可です。
タイマーは、入・切双方のタイマーが付属です。
首振り設定はできますが、リモコンでの(微妙な)角度調整は不可になります。
静音性は、最小運転時10dBです。
やはり、羽根の枚数や径の小ささ関係で、最大運転時の騒音は強めでした。
実際、同社は、第三者試験で最小運転時の評価試験はしているので、最大運転時の騒音も(メーカーとしては)把握できているはずでしょう。
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以上、シロカのSF-C223の紹介でした。
直進風の力強さに主眼が置かれる小径機です。立体首振りに対応し、衣類乾燥などにも便利ですが、風の拡散性の部分では、基本は小部屋向け(1人用)」といえます。
首振りを使えば、リビングで多人数でも対応できるでしょう。ただし、他社機と同じで、リズム風だと、風の行き渡りにムラは出るので。その用途ならば、30cm径の製品が良いです。
個人用途においては問題ないですし、デザイン性も良いので、1万円台の小型機として、評価できる部分は多いです。
2-4・DuuXの扇風機の比較
続いて、オランダの空調メーカーDuuxの販売する扇風機です。
扇風機は日本では国産機が伝統的に多いですが、日本のツカモトエイムを代理店に2022年から展開がはじまりました。
【2025年発売】黒・白・グレージュ・緑
28・duux Whisper Flex Touch 2 DXCF70JP(GY)
29・duux Whisper Flex Touch 2 DXCF71JP(WT)
30・duux Whisper Flex Touch 2 DXCF72JP(GR)
31・duux Whisper Flex Touch 2 DXCF73JP(SA)
¥17,984 楽天市場 (7/12執筆時)
羽根:9枚羽根(特殊形状)
羽根径:約30cm
直進風:最大20m
静音性:19dB-45dB
【2022年発売】黒・白
32・duux Whisper Flex Touch DXCF30JP(GY)
33・duux Whisper Flex Touch DXCF31JP(WT)
¥19,800 楽天市場 (7/12執筆時)
羽根:7枚羽根(特殊形状)
羽根径:約28cm
直進風:最大15m
静音性:20dB-48dB
モーター:DCモーター
左右首振り:30° 60° 90°
上下首振り:45° 90°
立体首振り:対応
風速:
風量:
風量調節:26段階
高さ:88cm・51cm
WhisperFlexTouch2 は、Duuxの販売する扇風機です。
2025年に第2世代になりました。
後述するように、旧機に比べて羽根の枚数が増え、空力構造がやや変わっています。
高さは、本機も、スティックで高さを調整する形式です。
88cm・51cmですので「スタンダード」です。
くびれもない普通のアームですし、日本の一般家屋にもあうでしょう。。
羽根径は、30cmで、湾曲した9枚羽根の製品です。
従来、同社のハイポジション上位機(Duux Blade )に付いていた羽根ですが、今回、通常タイプにも付いた形です。
風質は、強力な直進風をストレートに押し出す形です。
羽根に「ひねり」を加えることで、風を巻き込みやすくしています。
なめらかさ(風の均質性)も強調されます。羽根枚数が多いですし、ある程度その要素はあるでしょう。ただ、むしろ重視されるのは強風力のほうです。
風の到達距離は、新機種だと、直進20m表記です(サイトによっては18m)。
ドウシシャにより風の強い機種がありました。あちらと同じで、この風量は、人があたるのではなく、肌あたりの点で、サーキュレーター的利用に限られます。
巻き込める風量は非開示です。
ただ、羽根の面積が多いタイプではないので、普通でしょう。つまり、風の拡散には距離が必要なタイプで、このあたりは(住宅が広い)外国流かなと思います。
風量は、26段階で調整できます。
最高風力が高い機種なので段階が多くしているといえます。
ただ、あまり細かすぎても、かえって使いにくい部分は少し感じます。
首振り性能は、自動で左右3段階、上下2段階で調整できます。
立体首振りも、対応です。
本機は、180度上で固定もできるので、ローポジで衣類乾燥などにも使いやすいです。
リモコンは、付属します。
リモコンほか、本体のタッチパネルで操作できますし、一般的です。
本機は、扇風機の背面にあるケースにエッセンシャルオイルを入れて、アロマが楽しめるというワンポイントがあります。マグネット着脱式です。
ドウシシャの一部機種と同じです。
静音性は、19dB〜45dBです。
海外製は試験内容が日本(JIS)とは違うものなので、数字では比べられない部分はありますが、値として悪くないです。
新機種は、羽根径が30cmと大きくなった関係で、新機種で改善した部分です。
他社のスタンダード機とそこまで変わらないでしょう。問題ないです。
一方、旧機は20dB-48dB表記でした。
サイトによっては並行して、33dB〜56dB表記の場合もありました。この差は、運転騒音とし、環境雑音の部分を割り引いた値だったかと思います。
室温センサーは、搭載です。
同社の場合、設定した温度に向かって風速を変える方向です。上表は、例えば、上記は20度設定の場合です。
この手の機能は、パナソニックやトヨトミも付きますが、発想はそれぞれ変わります。自然風モードやナイトモードの設定も可能です。
duux Fan専用バッテリーパック DXCFBP03JP
¥10,000 楽天市場 (7/12執筆時)
バッテリー稼働は、対応です。
別売の専用バッテリーで、首振りなしで、風量10で約9時間ですので、実用水準です。
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以上、Duux Bladeの紹介でした。
先述のように欧州企業のデザインで、アロマ対応や、背面の見かけなどユニークさがあり見栄えがするデザインです。
一方、風力自慢な機種ですので、少し離れた場所からリビング全体に向けて利用したい場合、候補にできる機種と言えます。風力を活かしたエアコンの補助利用や、衣類乾燥への利用には、割と良さそうな仕様です。
逆に、あまり近い場所で当たるのには向かないタイプです。
また、輸入販売ということで、販売サイトによって一部のスペック表記が揺らいでいるなど、若干数字の信頼性に不安なところはあります。
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【2022年発売】
34・duux Whisper DXCF26JP(WT)
35・duux Whisper DXCF27JP(GY)
¥14,351 楽天市場 (7/12執筆時)
モーター:DCモーター
羽根:9枚羽根(特殊形状)
羽根径:約30cm
左右首振り:90°
上下首振り:95°
立体首振り:
風速:
風量:26段階
直進風:最大18m
高さ:74cm〜93cm
静音性:20dB-48dB
このほか、同社からduux Whisperという製品展開もあります。
高さは、本機は、伸縮式で74cm〜93cmです。
座り生活にも向くタイプなので、アジア向けの特注かもしれません。
羽根径も、30cmです。
日本におけるリビング扇のスタンダードにしています。
羽根の枚数は、9枚羽根です。
形状・羽根の枚数ともこちらは上位機と同じです。
そのため、一定風量のなめらかで均質な風が直進するタイプでしょう。
風の到達距離は、18mとされます。
風速・風量は非公表です。
風質は、羽根径は普通です。
そのため、到達距離が長めである上で、風は同社の他機よりも、短距離で拡散しやすいでしょう。
操作性も、リモコンほか、本体のタッチパネルで操作できますし、一般的です。
室温センサーは、ありません。
首振りも、上下に稼動するものの、範囲調整は不可になります。
静音性は、20dB-48dBです。
バッテリー稼働は、本機は不可です。
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結論的にいえば、座り生活まで対応できる点と、風が一定度拡がりやすそうな部分で、狭めの日本家屋には合いそうです。
ただ、他社機比べて際だった個性があるわけではないため、値段で勝負とは言えます。
次回に続く
DCモーター扇風機のおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回はDCモーター扇風機の比較の2回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
3・DCモーター扇風機の比較 (3)
3-1:ツインバード〈日本〉
3-2:他の企業
3-3:最終的なおすすめの提案 【結論】
直進風の強さ ★★★★★
風当たりの良さ ★★★★★
首振り機能 ★★★★★
静音性の良さ ★★★★★
微風運転 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
3回目記事(こちら)は、トヨトミや山善などここまで見ていない企業の製品をみたあと、結論編に入ります。
ここまで見てきた全機種から、最終的な、目的別、予算別に「Atlasのおすすめ機種」を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
3回目記事は→こちら 。