【比較する製品型番】 SONY HT-AN7 SRS-NS7 JVC SP-A7WT-B HT-AX7 シャープ AQUOSサウンドパートナー AN-SX8 AN-SS3 AN-SS3-B AN-SS3-W AN-SS3-A AN-SS3P AN-SS2 AN-SX7A AN-SC1-S SONY SRS-NB10 H W SRS-WS1 パナソニック SC-WN10-K SC-WN10-W SC-GN01 オーディオテクニカ AT-NSP700TV AT-NSP300BT サンワダイレクト 400-SP096 400-SP090 400-SP085 400-SP102 ほか
今回のお題
最新のネックスピーカーのおすすめはどれ?
どもAtlasです。
今日は、2025年6月現在、最新のネックスピーカーの比較です。
2018年頃に第一次ブームが起こった、比較的新しいジャンルの家電です。
しばらく停滞していましたが、テレビ用の高性能機のほか、テレワーク需要やお年寄りの「聞こえ」対策のため、(ちらほら)新製品も出てきています。
こうした状況をふまえて、今回、記事を加筆しました。
1・ネックスピーカーの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2: JVCケンウッド
1-3:シャープ
1-4:ソニー
1-5:パナソニック
1-6:オーディオテクニカ
2・ネックスピーカーの比較 (2)
2-1:オーディオテクニカ〈続き〉
2-2:サンワサプライ
2-4:最終的なおすすめの提案【結論】
記事では、はじめにネックスピーカーの「選び方の基本」を説明します。
その後、上表のような順番で、各社のネックスピーカーを一機ずつ比較します。
音質の良さ ★★★★★
動画の視聴 ★★★★☆
テレビ利用 ★★★★★
ゲーム利用 ★★★★☆
マイク性能 ★★★★☆
軽量性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントから、Atlasのおすすめネックスピーカーを提案していきます。
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1・Bluetoothヘッドホンの比較
2・Bluetoothイヤホンの比較
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較
4・ハイレゾヘッドホンの比較
5・ハイレゾイヤホンの比較
6・ノイキャンヘッドホンの比較
7・ノイキャンイヤホンの比較
8・Beatsのヘッドホンの比較
9・ネックスピーカーの比較
10・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】
なお、今回の記事は、このブログのイヤホン・ヘッドホンの比較記事全体としては、10回目記事となります。
1-1・ネックスピーカーの選び方の基本
具体的な製品の比較にはいる前に、ネックスピーカーの「選び方の基本」について書いておきます。
ネックスピーカーは、「音楽試聴」・「TV視聴」・「ゲーム用」として、一定のニーズがあるスピーカーです。
最近では、コロナ禍の中の「テレワーク」時の、「音楽鑑賞兼ハンズフリー通話用」や、お年寄りの「手元スピーカー」、あるいは、「子どもの耳を守るスピーカー」などとして、新しいニーズも生まれています。
一過性のブームで「終息」しそうな音響ジャンルだったのですが、この用途で「復活」しそうです。
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一方、このジャンルのスピーカーは、普通のスピーカーと異なる部分があります。
以下、ポイントとなる3点について、他の音響機器と比べた場合の「ネックスピーカーの善し悪し」を含めて、簡単に書いておきます。
1・ネックスピーカーの音質
第1に、ネックスピーカーの音質です。
使ったことがない方も多いと思いますので、他の音響機器と比べて説明してみます。
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はじめに、ヘッドホンと比べた場合です。
ネックスピーカーの場合、「音の広がり・サラウンド感の良さ」がそれより感じられます。
音抜けの良いオープンエア型ヘッドホンと比べても、臨場感は高いです。
一方、音漏れは当然するので、静粛性が求められる場所での利用は絶対に不可です。
ネックスピーカーは、基本的に自宅用・野歩き用です。
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つづいて、据置スピーカーと比べた場合です。
ネックスピーカーは、ステレオ的な定位(解像感)は皆無です。
音質は、「カーオーディオ」に近い感覚です。
ステレオ的な定位感を求める方には向きません。
そういった方は、テレワーク用ならば【PCスピーカーの比較記事】で紹介したような製品を選んだ方が、恐らく満足感は高いです。
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結論的にいえば、ネックスピーカーは、ステレオ感はさほどないものの、ヘッドホンより「音の開放感(抜け)」が良く、近接視聴な分、据置スピーカーより「音への没入感」があるのが、良い部分です。
ただし、音質やステレオ感は、メーカーごと「個性」があります。今回は、この部分も重視しながら、説明します。
2・ネックスピーカーの疲れにくさ
第2に、ネックスピーカーの疲れにくさです。
耳の圧迫感は、ありません。
短時間でも「ヘッドホンが苦手」という方は、ネックスピーカーが「相当お気に入り」になると思います。
聴き疲れのしにくさも、あまりないです。
Atlasもの場合、「初回装着時から1時間」くらいは、「慣れない方向からの音」ゆえ、違和感を感じました。しかし、その後は、自然に聴けています。
装着時の肩への負担は、一方、「ないとは言えない」です。
100g前後の軽量機ならば、適度に休みつつ使えば、そうそう問題ないです。
ただ、テレワークの場合などは、PCを打ちながら、ということになるため(手と肩はつながった部分ですし)ぶっ通し長時間付けると、重みを感じるでしょう。
気になる方は、やはり、【PCスピーカーの比較記事】で紹介したようなステレオの方が良いでしょう。
3・ネックスピーカーの音の遅延
第3に、ネックスピーカー音の遅延です。
ネックスピーカーは、Wi-FiかBluetoothでのワイヤレス接続です。
このうち、接続法がBluetoothのみの場合、注意が必要です。
Bluetoothは、回線の細い規格なので、音源を自動圧縮して送っています。
圧縮に使う「コーデック」は、上表のように複数あります。
一般的なSBCのコーデック場合、音質の劣化のほか、平均220m/秒ほどの音の遅延が起こります。
正確には、SBCでも60msまで出せる優秀なチップがあるのですが、電力消費の関係もあって、ネックスピーカーでの採用例は見られません。
遅延は、TVや動画をみたり、ビデオチャットをする際に相当な不快感を生みます。
この部分に対策がない機種もあるため、この部分は、今回の記事で詳しく説明していきます。
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以上、ネックスピーカーの「選び方の基本」を簡単に紹介しました。
こうした点に注目しつつ、以下では、各社の製品を順番にみていきます。
1-2・JVCケンウッドのネックスピーカー
はじめに、日本のJVCケンウッドが販売するネックスピーカーからです。
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以下では、いつものように、Atlasのおすすめポイントは赤系の文字色で、イマイチと思う部分は青字で記していきます。
【2019年発売】【Apt-X LL対応送信機付】
1・JVC NAGARAKU SP-A7WT-W
1・JVC NAGARAKU SP-A7WT-B
¥13,100 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
用途:音楽・ネット動画・TV
接続:Bluetooth 5.0
コーデック:SBC Apt-X LL
スピーカー:20×15mmドライバ
音遅延対策:あり
マイク:
防水性:IPX4
バッテリー:最大20時間
充電時間:2.5時間
重さ:88g
SP-A7WTは、JVCケンウッドが販売するウェアラブルワイヤレススピーカーです。
装着方法は、ネックスピーカー方式です。
重量は、約88gです。
音響大手では後発の発売でしたが、圧倒的な軽量性を他社との「差」として発売しました。
装着感は、軽量なので、アクティブに動いても気にならない仕様です。
山道の「熊よけ」などにも良いでしょう。ただし、構造的に、柔軟性はないです。
スピーカーの構造は、左右の首もとに、20×15mmのフルレンジドライバーが2機搭載です。
サイズは、軽量機なので小さめです。
下部に(スピーカーの電気ユニットのない振動板だけの)同サイズのパッシブラジエーターが2機あります。
ある程度、低音域が補えるため、軽量機としてはある程度の音圧が期待できます。
音質は、ユニットが小さな分、音圧やバランスは、イマイチです。
マイクは、非搭載です。
テレワーク時のチャット用途、ハンズフリー通話には使えません。
バッテリー持続時間は、出力がほどほどであるため、最大20時間保ちます。
Bluetoothコーデックは、SBCほか、Apt-X LLに対応です。
Apt-X LLは、遅延が少ない(約40m/s)ため、TVやゲームに利用するには「もってこい」の製品です。
ただ、スマホ・PCでこの規格に対応している製品はあまりないです。
とくに、利用者が多いだろうiPhone(iOS)は伝統的にApt-x系は未フォローなので、SBCでつながります。
そのため、iOSでの映像コンテンツの利用時は、音質問題・遅延問題があります。
一方、本機は、Apt-X LLに対応する送信機が付属します。
テレビ用に用意されるものです。
テレビのUSB端子から電源をとりつつ、イヤホン端子から音声信号を取得し、ヘッドホンに転送します。
PCでも利用できるので、この受信機を活用すれば、遅延問題は生じません。
【テレビ・音声端子用】
サンワダイレクト 400-BTAD010
¥4,980 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
なお、パソコンとTVと両方に使いたい場合は、サンワダイレクトが単品のApt-X LL対応のトランスミッタを出しています。
【テレビ・汎用】
サンワダイレクト 400-BTAD010
¥4,980 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
TV向けの汎用タイプもあります。
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以上、JVCケンウッドのSP-A7WTの紹介でした。
軽量機で、音楽を聴くには音質はさほど良くないです。ただ、送信機が付属するので、映像コンテンツの遅延問題は解決されていて、TVや動画視聴には良いです。
ただし、基本的に「TV利用」で開発された機種なので、その用途以外に使うならば、別に良い機種があるとも言えます。
1-3・シャープのネックスピーカー
つづいて、シャープのネックスピーカーの紹介です。
軽量機はさほどユニークではないですが、上位機は、「テレビ視聴」時の音質にこだわった機種を出します。
【2023年発売】
2・シャープ AN-SS3-B
3・シャープ AN-SS3-W
4・シャープ AN-SS3-A
5・シャープ AN-SS3-P
¥14,763 楽天市場 (6/14執筆時)
【2020年発売】
6・シャープ AN-SS2-B
7・シャープ AN-SS2-W
8・シャープ AN-SS2-P
9・シャープ AN-SS2-R
¥9,832 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
用途:音楽・動画・TV・ビデオ通話
接続:Bluetooth 5.3
コーデック:SBC AAC LC3
スピーカー:20×15mmドライバ
音遅延対策:あり
マイク:あり
防水性:IPX4
バッテリー:最大16時間
充電時間:2.5時間
重さ:88g
AN-SS3ライン は、シャープのウェアラブルネックスピーカーです。
AQUOSサウンドパートナーというシリーズ名です。
新旧あります。
旧機は先ほどみたJVCケンウッドのSP-A7WTと大きな違いはないです。ようするに、OEM関係があり、実際は(ほとんど)おなじ機種ということです。
以前、ソフトバンクで売っていた製品(EM-Tech MY THEATER EM-W100WH)もこれと同じ系統でした。
新機は、独自要素がいくつか付け加わりました。
第1に、クリアボイスプラス機能です。
セリフなどの声を強調するお年寄り「聞こえ」に関する機能です。
従来機でも「クリアボイス」はありましたが、同社の補聴器の音声調整技術を取り入れたとされ、新しいニーズを取り入れた形です。「テレワーク」に最適なモードと2系統切り替えられます。
第2に、マイクの増量です(1→2)。
テレワーク向けの改良です。これにより通話時のノイズ低減と集音力が増しました。
そのほか、マイクミュートボタンの新設、Bluetoothのバージョン更新とコーデックの変更と、マルチペアリング対応がポイントです。後ほど詳しく解説します。
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結論的にいえば、「聞こえ」「テレワーク」を目的に買われる場合、新機種を選ぶ意味はあります。
あとは、同じなので、同時にみていきます。
装着方法は、ネックスピーカー方式です。
PX4等級の防滴仕様ですから、雨天などでも利用できるでしょう。
重量は、約88gです。
一つ上で紹介したJVCと全く同じです。
おそらく、OEM生産元は他社と同じですが、2023年バージョンとなるので、機能などはシャープのほうが上です。
装着感は、JVC同様です。
軽量で邪魔になりにくいタイプです。
スピーカーの構造は、ドライバーユニットの詳細は、非公開です。。
ただ、フルレンジの上向きドライバーとパッシブラジエーターという組み合わせは、JVCと同様なので、音質も同じです。
またクリアボイスプラスボタンで、会話音声も聞き取りやすくできます。
旧機の場合、ビデオチャット時などのテレワーク向けな機能でした。
しかし、新機種になり、お年寄りの「聞こえ」用に新モードが搭載で、切替式になりました。ニュースなどの人間の声(中音域)の聞きとり強化の意味もあるでしょう。
マイクは、搭載です。
マイクも搭載するため、ハンズフリー通話に対応できます。
一方、「マイク部分」の工夫は、特段みられず、後述のソニー軽量機のほうが優れます。
バッテリー持続時間は、最大16時間となります。
Socのの違いに由来しますが、JVCよりは劣ります。
Bluetoothコーデックは、JVCとの違いです。
旧機種の場合、SBC Apt-X LLに加えて、AACにも対応するからです。
AACは、iOS系でも標準なので、Bluetoothで音楽を聴く場合、本機の方が少し良い音で聴けます。
新機種は、SBC・AAC・LC3という構成です。
LC3は近年注目されつつあるもので、 「低遅延」コーデックの1つです。
音質は(現行では)AACかそれ以下水準と言われますが、低遅延のコーデックです。ただし、スマホ側の対応は進んでいないので、現状で言えば、次に説明する「送信機用」についています。
送信機は、本機も付属です。
新型で形状が変わり、送信コーデックもAPT-X LLから、LC3に変わりました。
いずれも低遅延で口パクズレが起こりにくく「テレビ向き」といえます。
あえて比べると、LC3のがごく少し遅延しやすいですが、マルチペアリング(ブロードキャスト)に対応できる仕組みです。
おそらくこのためにコーデックを換えたのだと思いますが、1つの送信機で複数台つなげられるので、ご夫婦で「聞こえ」の問題などがある場合、有利になります。
接続法は本機も簡単です。
TVのUSB端子から電源の供給を受けて、ヘッドホン端子とつなげたケーブルから音を飛ばします。
通信安定性の高いBluetooth 5x対応なので、PCとの接続で、PC側も対応できていれば、音の途切れはより少なめでしょう。
なお、トランスミッターを増設したい場合、旧機(Apt-x LL)の場合はJVCでみたトランスミッターを使えば可能でした。
ただ、LC3のトランスミッターは見かけたことがないので若干難しいかなと思います。
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以上、シャープのAN-SS3ラインの紹介でした。
新型については、テレワーク部分ほか、「聞こえ」についての配慮が増した点が高評価できます。ただ、この部分でいえば、後ほど見るオーディオテクニカが、(遅延に無縁な)Wi-Fi対応の専用機を出しているので、それとの比較にはなるでしょう。
テレワーク用としては、パナソニックの専用機があるので、そちらがライバルです。
一方、シャープは、マルチペアリング対応の部分と、総合的に「なんにでも使える」のが良い部分となりますが、これらのニーズが横断的に欲しいかたがいるかと言われると、少し微妙には思いました。
ただ、軽いので、その部分を優先したい場合は良いかもしれません。
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【2022年発売】
10・シャープ AN-SC1-S
¥20,690 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
用途:音楽・動画・TV・ビデオ通話
接続:Bluetooth 5.0
コーデック:SBC AAC Apt-X Aptx-LL
スピーカー:20×15mmドライバ
音遅延対策:あり
マイク:あり
防水性:IPX4
バッテリー:最大10時間
充電時間:2.5時間
重さ:92g
なお、2022年に本機の「改良版」といえる製品がでました。
大きな違いは、Bluetoothに加えてWi-Fiを搭載した上で、Amazonの音声AIである、Alexaに対応させた点です。
先ほどの機種でも、「スマホの中」にいるAlexa(ないしGoogle Assistant)なら呼び出せます。
しかし、こちらは、ネックスピーカーのみでAlexaが呼び出せるのが新しい部分です。Wi-Fiはこのために必要なので、搭載した形です。
AmazonのAlexaについては、このブログでは【Amazon Echoの比較記事】でかなり詳しく書きました。
そちらに書いたように、専用製品だと、基本的に、起語(ウェイクワード=Atlas○○をして)で呼び出して、質問なり、家電の操作なりをお願いします。
しかし、本機は、ウェイクワード非対応です。
決して押しやすいとは言えない、クビ元の小さなボタンを押さないとAlexaを呼び出せない方式です。
同社のカタログでは「ウェイクワード・アレクサを言わなくても」呼び出せる点を「売り」にしています。しかし、実際のところは「だから不便」という話でしょう。
一方、先述のクリアボイスボタンがこちらは省略ですので「聞こえ」対策に向く機種ではないです。また、Wi-Fiの搭載で、電池の保ちも10時間と短くなりました。ペアリング対応も2台までです。
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結論的にいえば、Amazon Musicをはじめとして、定額ストリーミングサービスをネックスピーカーで操作して、流したい場合には、(ウェイクワード非対応ですが)まあ「あり」かとは思います。
それ以外だと、あまりニーズがない、というか、むしろ不便に感じることの方が多いだろう製品だと言えます。
【2023年発売】
11・シャープ AN-SX8
¥26,000 楽天市場 (6/14執筆時)
【2019年発売】
12・シャープ AN-SX7A
¥12,300 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
用途:音楽・ネット動画・TV
接続:Bluetooth 5.0
コーデック:SBC AAC LC3
スピーカー:30mmドライバー
音遅延対策:あり
マイク:
防水性:IPX4
バッテリー:最大16時間
充電時間:5時間
重さ:260g
AN-SX8は、「AQUOSサウンドパートナー」として販売する、ネックスピーカーの上位機です。
旧機として、シルバー色のAN-SX7Aが残ります。
違いは、新しい立体サラウンド技術となる「OPSODIS」に対応した部分です。
詳しくは後述しますが、最近注目されている分野で、ネックスピーカーとの親和性もあるため、選ぶならば新機種だと思います。
そのほか、下位機種と同じコーデックの変更(Aptx-LL→LC3)とマイクの改良、そして、バッテリー稼働時間の延長、もありました。
装着方法は、ネックスピーカー方式です。
重量は、約260gです。
軽量機は100g前後なので、それに比べれば重いです。
テレワークをふくめ、PCなどの仕事中に使うのに向く重さでではないです。
個人的経験から言えば、TV視聴中ならばこの程度なら疲れませんし、軽量モデルより音質は上です。
装着感は柔軟性がないタイプです。
つけ心地は悪くないですが、「スピーカーをまいている」感じはあります。
スピーカーの構造は、左右の首もとに約30mm径ドライバー(実寸)を配置した構造です。
その上で、バスレフダクトで増幅した低音を利用し、振動を生み出す方式です。
通常のヘッドホンなどと比べると、「低音のずっしり感・サラウンド感」はありません。
ただ、「聴き疲れしなささ」と「声の聴きとりやすさ」は優れるので、TVやゲーム用として秀でた特徴と言えます。
振動は、音の振動という意味ではありますが、後述するソニー機と比較すると重視しておらず、強弱が調節できない仕様です。
音質は、高音域と低音域が充実する「派手目」な印象です。
パッシブラジエータが発する「振動」は(逆に)落ち着いた感じですので、視聴の邪魔になりにくいとは言えます。
一方、先述のように本機は立体音響技術に対応しました。
OPSODIS(オプソーディス)という技術(鹿島建設とサウサンプトン大の共同開発)です。
音源自体の縛りはなく、2ch・5.1ch、22.2ch、あるいはドルビーアトモスのデータの周波数分析(再計算)で、独自に3D化させるというバーチャルサラウンド技術になります。
ソニーの360 Reality AudioやAppleの空間オーディオ技術とは違い、音源自体が3D(MPEG-H 3Dなど)でなくても使えるので、汎用性はある一方で、上級音源を再生する目的で導入するものでもないという感じです。
ただ、ネックスピーカーだと立体感を感じやすいでしょう。
なお、ニュース番組などでは立体音響は邪魔ですので、「クリアボイス」にするモード切替ボタンがあります。
バッテリー持続時間は、最大16時間です。
十分でしょう。ただし、チャージ時間は、5時間と少し長いです。
Bluetoothコーデックは、下位機同様に、SBC・AAC・ LL3に対応です。
マイクは、搭載です。
下位機同様の2マイク式でミュートもあります。
ただ、重いので、仕事向きではないです。
送信機(トラスミッタ)は、本機も同梱です。
テレビとは、光デジタルほか、HDMIでも接続可能です。シャープ製のファミリンク対応テレビとHDMIでつなげると、視聴ジャンルに合わせたサウンドの自動切り替えにも対応できます。
なお、USBは給電のためだけの付属です。マルチペアリングは3台までです。
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以上、シャープのAN-SX8の紹介でした。
「テレビ視聴用」として「音質重視」といういう観点で選ぶ場合、本機以上のものは現行機種ではないです。最新の3Dサラウンド技術も楽しめる部分も魅力です。
ただ、ソニーは「振動」という要素を使って迫力をだしていて、特に、ゲームや(ハリウッド系)映画視聴では、本機の「強力なライバル」と言えます。
詳しくは、後ほど紹介します。
1-4・SONYのネックスピーカー
つづいて、ソニーが販売するネックスピーカーです。
2018年頃の最初のネックスピーカーブームの火付け役は同社の製品でした。
【2021年発売】
13・SONY SRS-NB10 H
14・SONY SRS-NB10 W
¥14,058 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
用途:音楽・ビデオ通話
接続:Bluetooth 5.1
コーデック:SBC AAC
スピーカー:(フルレンジ×2)
音遅延対策:
マイク:あり
防水性:IPX4
バッテリー:最大20時間
充電時間:4時間
重さ:113g
SRS-NB10は、ソニーのワイヤレスネックバンドスピーカーです。
2021年から展開された、テレワーク需要向けの製品です。
装着方法は、ネックスピーカー方式です。
本機もIPX4等級の防滴仕様です。キッチンなど水気のある場所でも問題ないです。
もちろん、お風呂は無理ですが。
重量は、約113gです。
本機は、軽量機の類型なので、そういった機種としていえば、最軽量ではないです。
装着感は、しかし、軽量機としては、形状的にフィット性が高く、ズレにくいです。
装着しつつ、キッチンに立つなど、動く場合にも問題ない仕様です。
スピーカーの構造は、ソニーもドライバサイズは、非公開です。
構造的には、斜め配置のドライバと裏面のパッシブラジエータという構成です。
ようするに、他社の軽量機と同じです。
バッテリー持続時間は、最大20時間となります。
充電時間は4時間ですが、10分充電で1時間分復活はできます。
Bluetoothコーデックは、注意点です。
本機については、SBC AACのみです。
つまり、PCでの動画視聴において音ズレはあります。
マイクは、本機については搭載です。
本機は、片側の裏表に2マイクがあります。
これを利用した、音声処理となる「高精度ボイスピックアップテクノロジー」も使われていてわりと高度です。
ビデオチャット時の音声は、SBC・AACなので、音の遅延は皆無ではないでしょう。
ただ、実際、無線のハンズフリーマイクと同じで、この用途でそこまで気にする人はあまりいないかとは思います。
TV用送信機(トランスミッタ)は未付属です。
その用途は考えていません。
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以上、ソニーのSRS-NB10の紹介でした。
先行した他社の軽量機より装着性は良いですし、できは良いと思います。とくに、テレワーク時のマイク音声は、他社より品質が良いでしょう。
テレワーク中に(家を歩き回りつつ)音楽を聴きつつ、かかってきた音声通話にでたい場合に良いでしょう。
ただし、動画もみる場合は、遅延問題があるので、対策がある機種のほうがよいでしょう。
【2017年発売】
【本体のみ】
15・SONY SRS-WS1
¥16,268 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
用途:TV・映画視聴・ゲーム
接続:Wi-Fi
コーデック:SBC AAC
スピーカー:30mm
音遅延対策:あり
マイク:
防水性:
バッテリー:最大7時間
充電時間:3時間
重さ:335g
SRS-WS1は、SONYの販売するネックスピーカーの上位機です。
この分野の先駆け的な存在ですが、息が長い製品となりました。
装着方法は、ネックスピーカー方式です。
重量は、約335gです。
シャープの上位機と同じで「音質重視」なので、平均よりもやや重いです。
ただ、先述のように首かけなので、PCを打ちながらみないな場合でなく、「映像に見入り」つつ使うなら、あまり気になりません。
装着感は、本機は「ゆったり感」があり優しい感じです。
この部分は、かなり出来が良いと思います。
面白いのは、送信機に対して2機までペアリングできるため、2人で同じ番組を視聴できる点です。
スピーカーの構造は、左右の首もとに1基の、30mm径のフルレンジドライバーを配置する方式です。
その上で、上部に空気振動を利用して低音域を強調するパッシブラジエーターを搭載します。
パッシブラジエーターで低音を補う方式は、シャープ機と同じです。
また、本機は、パッシブラジエータによる振動を感じやすいように設計しています。
ネックスピーカーは振動が首にダイレクトに伝わるので、ゲーム機の「ショックパッド」のように、「今までにない感覚」を味わえるのが、メリットです。
振動は、3段階で調整可能で、この部分が、本機の最大の特長です。
その意味で、(ハリウッド系)映画やゲームなど、「ドカンドカン」な感じのコンテンツでは、楽しみが大きいです。
音質は、サラウンド感を重視した仕様です。
音楽を聴く目的で設計したものというより、TVに特化して調整したと思われます。
その用途において問題ないです。ただ、シャープと違い、リアル・バーチャルふくめて、立体音響には対応しません。
バッテリー持続時間は、USB充電で最大7時間とやや弱めです。
Bluetoothコーデックは、SONYの場合は問題になりません。
なぜなら、付属の送信機からWi-Fi(2.4Ghz帯)で飛ばすからです。
Bluetoothより回線が太いので、遅延問題のほかノイズや音の途切れには強いです。
電波環境の悪い場所では、あらゆるBluetooth方式に増して、接続安定性が期待できます。
送信機は、付属です。
TVから送信機までは、光デジタルケーブルか、ヘッドホンケーブルで有線接続します。
一方、Bluetoothがない点で、スマホとの接続は有線となるため、向いていません。
その点でも「TV専用機」と言えます。
マイクは、非搭載です。
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以上、SONYのSRS-WS1の紹介でした。
Wi-Fi対応で接続安定性が高く、音が途切れにくいのが上です。
その上で、TVやゲーム用としては、ライバル機よりその「振動」を楽しみやすいと言えます。
この点で言えば、シアター・ゲーム専用ではソニー機も候補にできそうです。ただ、音圧と立体音響に対応する部分でシャープ機も優れます。
どちらが良いのかは、記事の最後に改めて書こうかと思います。
【BRAVIA XR専用】
【2024年発売】
16・ SONY HT-AN7
¥30,500 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
【2021年発売】
17・ SONY SRS-NS7
¥26,896 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
用途:TV・映画視聴・ゲーム
接続:Bluetooth 5
コーデック:SBC AAC LDAC
スピーカー:32×44mm ×2
音遅延対策:あり
マイク:あり
防水性:IPX4
バッテリー:最大12時間
充電時間:約4時間
重さ:268g
HT-AN7も、SONYの販売するネックスピーカーの上位機です。
旧機種(SRS-NS7)の改良版で、50gの軽量化を実現した新機種です。
音質面でも、スピーカーユニットが1.5倍大きくなっています。後述するように、低音域は旧機も十分ですが、中音域・高音域を含む全レンジでいえば、はっきりした音質面で、スペック差があります。
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結論的にいえば、メジャーアップデートであり、価格差はありますが、選ぶべきは新機種でしょう。
ただ、本機は、【ソニーの4K液晶テレビの比較記事】及び【有機ELテレビの比較記事】でみた、ソニーのXRエンジンを積んだ上位製品の(事実上の)専用品です。
合わせて使うと、映画やゲーム用の3D立体音響規格でお馴染みのDolby Atmos(ドルビーアトモス)の再現再生に対応できる製品です。
また、対応しない地デジ放送などのコンテンツも、独自計算処理により、3Dバーチャルなサラウンド感を楽しめるような工夫があります。
その上で、360 Spatial Sound Personalizerに対応となります。
立体音響自体はこの仕組みがなくても楽しめます。こちらは、個人個人の聴覚特性に合わせて、カスタマイズすることで効果を高める仕組みと考えてください。
スマホアプリで写真を撮り、耳の形状を計測した上で、ネックスピーカーの音響特性と整合させます。
いずれにしても、本機を対応ブラビアと組み合わせることで、左右方向だけでなく、上下方向も譜編めた立体的なサラウンド楽しめます。
このほか、Dolby Atmosの「音楽版」といえる音源となる360 Reality Audioといソニー社が提唱する「空間オーディオ」の再生にも対応します。
コンテンツは、360 by deezerかnugs.netほか、定額聴き放題サービスでも、「Amazon Music Unlimited」でも、3Dオーディオは配信がはじまりました。
イヤホンも2021年後半からアマゾンで使えます。Amazonの場合(こちら)で無料体験も可能です。
ワイヤレストランスミッター WLA-NS7
¥6,882 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
なお、本機の場合、ブラビアとつなげるワイヤレストランスミッターは別売です。
後述しますが、仕組み的に他社のトランスミッタだと遅延しそうに思います。
旧機は同梱でしたが、新規では後述するように有線でも使えるようになったためか、別売です。
360 Reality Audioは、純正トランスミッターを購入しさえすれば、お持ちのBluetoothヘッドホン(イヤホン)で対応可能です。
装着方法は、ネックスピーカー方式です。
重量は、約268gです。
他社機に比べたらまだ重いものの、旧機より少し軽くなりました。
くわえて、装着感の改良もあり、軽く感じやすいような
装着感は、本機もゆったり感がある仕様です。
スピーカーの構造は、言及に値します。
こちらは、32×44mmのフルレンジドライバーを左右に配置しています。
同社のスピーカーではお馴染みの楕円形のX-Balanced Speaker Unitです。正円でないのは、スピーカーサイズを「稼ぐ」ためで、小型再生機機では、音圧を稼げます。
実際、同社の小型のBluetoothスピーカー並のサイズであり、強調に値します。
なお、旧機は裏面にパッシブラジエータを装備し、低音強化させていました。
それは廃止です。軽量化のための処置です。
開発者によると、スピーカーユニットの大型化と、高効率アンプの採用で、低音域は「前モデルと遜色ない」との説明です。
ユニットが大きいほど、DN比(ダイナミック比)を狭めずとも音圧が出せるので、総じて中音域・高音域の質も良くなるからです。
政府の明瞭感はとくに改良されているようです。
音質は、立体音響を利用する場合、通常のネックスピーカーとは異なります。
映画館のような立体的な空間的な広がりをより感じられるため、従来の平面的なサラウンドより、臨場感を感じられます。
バッテリー持続時間は、12時間です。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACです。
それに、音楽用としてハイレゾ対応のLDACも使える仕様です。
いずれの方式も音の遅延が生じます。そのため、専用のトランスミッターを用意し、解決を図ります。
SBCになりますが、ブラビア専用なので、そちら側とタイミングを合わせて処理するため、映像のズレは問題ないということのようです。
テレビの画質をゲームモードにした場合、(応答速度の関係で)タイミング調整を行わない点には注意が必要です。
その点で、新機種になり、有線の専用オーディオアダプター・ケーブルを付属させています。ゲーム機(PS5)やPCで利用する場合、低遅延で利用できるようにしています。
その場合、本機側のUSB-C端子にさしますが、通信はアナログになります。
PS5は、Dolby Atmos出力に23年に対応しましたが、そのデータが入るわけではないです。
とはいえ、(リアリティはともかく)先述の「地デジ」などの非対応コンテンツのアップデートと同じ方法で、立体音響化はできるでしょう。
マルチペアリングにも、対応です(Speaker Add))。
旧機から変わった部分で、2台用意すれば、使えるようになっています。
同社の2世代前(ブラビア専用でなかった時代)はこれができましたが、1世代前だとできなかったのが、改善しました。
方式としては、写真のように「デイジーチェーン」させる仕組みですが、先述のように、ブラビア側で(おそらく)タイミング調整があり、音の遅延を避けていると思われます。
マイクは、搭載です。
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以上、SONYのHT-AN7の紹介でした。
実際的にBRAVIAの上位機ユーザーの専用品ですが、自社の技術を組み合わせ、相乗効果を狙う点で、「ソニーらしい」製品と言えます。
対応テレビをお持ちのユーザーで、新しもの好きには確実にオススメできます。
1-5・パナソニックのネックスピーカー
続いて、パナソニックのネックスピーカーです。
同社は2021年からの展開です。
【2021年発売】
18・ パナソニック SC-WN10-K
19・ パナソニック SC-WN10-W
¥12,456 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
用途:音楽・動画・TV・ビデオ通話
接続:Bluetooth 5.1
コーデック:SBC AAC
スピーカー:11×34mm
音遅延対策:
マイク:あり
防水性:IPX4
バッテリー:最大13時間
充電時間:6時間
重さ:108g
SC-WN10は、パナソニックのワイヤレスネックスピーカーです。
本機も、2021年から展開された、テレワーク需要向けの製品です。
装着方法は、ネックスピーカー方式です。
IPX4等級の防滴仕様で、キッチンなど水気のある場所でも問題ないです。
重量は、約108gです。
より軽量な機種はありますが、十分に軽量です。
装着感は、重さを感じない作りで、バランスも良いです。
装着性に工夫があるソニーを除けば、上位でしょう。
スピーカーの構造は、11×34mmの変則的な形状のドライバーです。
低音域についての配慮の記述もあるので、おそらく他社同様に、パッシブラジエータが下部にあると思います。
音質的には、シャープの軽量機やソニーの軽量機と、そう大きく変わらないでしょう。
こちらも、試したら追記します。
一方、シャープ軽量機の「クリアボイス」ボタンと同様に、中音域の人間の声を強調する「快聴音」機能を搭載します。
先述のように、テレワーク時の通話、あるいは、お年寄り向けの聞きとり強化に有効です。
バッテリー持続時間は、最大13時間となります。
実用上問題ないですが、充電時間は6時間と長いです。
Bluetoothコーデックは、SBC AACのみです。
つまり、PCでの動画視聴においては、本機も音ズレはあります。
ただ、本機は、ワイヤレス送信機(トランスミッタ)があります。
こちらは「音声の遅延を抑えた独自の方式」のBluetoothが採用との記載です。
Apt-X LLの明示がないので、FastStreamなどの可能性もあり、サードパーティの子機増設は無理でしょう。
一方、送信機は、ACアダプタ接続式です。ただ、送信機の端子はマイクロUSBで、5V/800mAなので、TVのUSB端子からでも電器は取れるかと思います。
一方、この部分で言及に値するのは、「切替ボタン」です。
例えばシャープ軽量機の場合、テレビ・PCなど同時に8台まで登録できますが、切替ボタンがないので、最後に接続された機器につながるシンプルな仕組みです。
しかし、本機は、TV送信機とPCほかとワンボタンで切替わるため、音楽・TVなどの使い分けにおいてかなり便利です。
本機のワンポイントです。
マイクは、搭載です。
ただし、ソニーのような特段の音質向上技術はないです。
そのほか、ソニーの重い方の上位機同様に、最大2台までのペアリングが可能です。
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以上、パナソニックのSC-WN10の紹介でした。
最新機だけに、家庭でのテレワークには良い機種だと思います。
ソニー軽量機と比べると、音楽・ビデオ通話だけでなく、TVに対応できる点がメリットでしょう。
とくに「切替ボタン」があるため、TVとPCと切り替えて利用したい場合にスムーズで便利です。
一方、遅延対策はされるものの送信機との通信方法が不明のため、TVとの併用時、(子機を別に増設するなどして)PC・スマホ端末の遅延対策はできません。
その点で言えば、(音楽ではなく)「PC動画とTV」両方で使うならば、Apt-X LL採用の明言のある、シャープ軽量機を選び、PC用子機を別に増設するなどしたほうが良いかと思います。
【2021年発売】
20・ パナソニック SC-GN01
¥11,209 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
用途:Windows PC(ゲーム・動画)
接続:USBケーブル
コーデック:
スピーカー:30mm×4
音遅延対策:
マイク:あり
防水性:
バッテリー:なし
充電時間:
重さ:244g
SC-GN01も、パナソニックのワイヤレスネックスピーカーです。
少し変わった製品で、本機は有線(USBケーブル)専用です。
スクウェア・エニックスとの共同開発のPCゲーム向けとなります。
装着方法は、ネックスピーカー方式です。
重量は、約244gです。
多少ですが重めです。
スピーカーの構造は、独特です。
本機は30mmのスピーカーを4つ装備する、4chスピーカーです。
有線なのはこのためです。
PCは「4チャンネル」として把握し、USB経由で多チャンネルデータ(5.1ch)を送るので(仮装ではなく)リアルの4chサラウンドとして立体的な音響を再現できます。
後ろにリアスピーカーが2基あるようなもので、よく考えたなと思います。
ただ、4chとしてデータを伝送できるのはWindowsのみです。
それ以外(PS5・PS4・Nintendo Switch)は、テレビやゲーム機を含めて、デジタル伝送でも2chのデータを4つのスピーカーで再生する「バーチャル」になります。
また、音楽データがUSB転送できない製品(TVの一部やXBOX)は、付属のアナログケーブルもつなぐことになるので、不便です。
マイクは、エコーキャンセルマイクが2基搭載です。
ゲーム用の場合、ゲーム音楽を捕まえてはまずいので、指向性のある質の良いものを使います。ボイスチャットに対応できます。
装着感は、人間工学的に配慮された形状で配慮があります。
もちろん、ケーブルは邪魔に感じます。
そのほか、ゲームジャンル別に、RPG・FPS・ボイス強調の各モードを備えるほか、映画鑑賞用にシネマモード・ミュージックモードもあります。
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以上、パナソニックのSC-GN01の紹介でした。
テレビやゲーム機でも使えますが、4chが使えるのはPCだけになるため、完全に「Windows PC用」と考えて良いでしょう。
とくにゲーム用途では良さそうです。ただ、やはり、ケーブルがある部分で、動きの自由が制限される部分はあるので、なんとか無線で対応できる機器(方法)ができればとは思いました。
ただ、ネックスピーカーとして、今までにない音を楽しめる点で、高く評価できます。
1-6・オーディオテクニカのネックスピーカー
続いて、日本のオーディオテクニカのネックスピーカーです。
老舗の音響メーカーですが、ネックスピーカーはニッチでユニークな製品展開です。
【2020年発売】【TV対応】
21・オーディオテクニカ AT-NSP700TV
¥19,406 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
用途:テレビ(お年寄り向け)
接続:Wi-Fi
コーデック:
スピーカー:11×34mm
音遅延対策:あり
マイク:
防水性:IPX2
バッテリー:最大13時間
充電時間:
重さ:103g
AT-NSP700TV は、 日本の音響メーカーのオーディオテクニカが販売する製品です。
これは、ある種「一点突破的な製品」で、ターゲット層はお年寄りです。
同梱のWi-Fi送信機に、左右のバランス調整や、ニュースなどが聞き取りやすくなるクリアボイスボタン(はっきり音)があります。
つまり、TVのスピーカーでは聞き取りにくい方の対策機となります。
接続時に「声で操作ガイド」をするなど、かなり気が利いています。
装着方法は、ネックスピーカー方式です。
なお、専用送信機については、ヘッドホン端子(アナログ)でTVにつなげられる気軽な仕様です。ただ、光デジタル端子でPCM接続もできるため、音質を重視する方も満足できるでしょう。
このあたりが音響メーカーの「こだわり」でしょう。ケーブルは付属します。
重量は、103gです。
十分軽量と言えるでしょう。装着性も使途的に問題ありません。
スピーカーの構造は、11mm×34mmのユニットを搭載するステレオです。
パナソニックにも採用していたユニットです。
耳の方向を向いており「聞き取り重視」です。
一方、構造的に音楽を綺麗に聴くような使途ではない点、注意してください。
あくまでTV用です。
ネットワークは、専用送信機とスピーカー間は本機は2.4GHz帯のWi-Fiを利用する方式です。
したがって、遅延は問題にならないでしょう。
・SONY SRS-LSR200
¥19,488 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
・Victor JVC SP-A900-W
¥17.000 Amazon.co.jp (6/14執筆時)
なお、この手の「TVスピーカー」は、長期的には比較を検討していて、実機も持っています。
調べたのは「お手元テレビスピーカー」というソニー製品と、「みみ楽」というJVCの商品です。
同じように、「クリアボイス機能」をもち、PCM・ヘッドホン端子を利用して接続する端末です。
これらの場合、スピーカーから音が鳴りますが、スピーカー部分にヘッドホン端子が付けられるので(複数人でみる場合)邪魔にならないようにイヤホンで聞くこともできます。
おそらく本機の「ライバル」はこれら製品です。これら2機で比べたら、センターに専用スピーカーを持つSONYのほうが、この使途には合っていました。
いずれにしても、オーディオテクニカ機のライバルはこれらでしょう。そして、イヤホンをせずとも、スピーカーより家族の視聴の邪魔になりにくいという部分に意義がありそうです。
なお、仕組み上、本機はマルチペアリングには対応しません。
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以上、オーディオテクニカのAT-NSP700TVの紹介でした。
「目の付け所」が良い製品と感じました。(個人的にあまり好きな売り方ではないものの)お年寄り向きのTVショッピングに出すと売れそうです。
次回に続く
ネックスピーカーのおすすめはこの機種!
というわけで、今回は、ネックスピーカーの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
2・ネックスピーカーの比較 (2)
2-1:オーディオテクニカ〈続き〉
2-2:サンワサプライ
2-4:最終的なおすすめの提案【結論】
音質の良さ ★★★★★
動画の視聴 ★★★★☆
テレビ利用 ★★★★★
ゲーム利用 ★★★★☆
マイク性能 ★★★★☆
軽量性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
続く2回目記事(こちら)では、オーディオテクニカの製品を追加でもう一機見た後、今回紹介できなかった他社製品を追加でみていきます。
その上で、「結論編」として、いつものように、予算別・目的別にAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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