【今回レビューする内容】2023年 メッシュ対応無線LANルーターの性能とおすすめ・選び方:メッシュルーター Wi-Fi システム一戸建・マンション 旅館 ホテルなど:設置場所別の性能ランキング:バッファロー グーグル NETGEAR TP-Link NEC ELECOM アイオーデータ
【比較する主な製品型番】BUFFALO WTR-M2133HS/E2S WEM-1266 WRM-D2133HS/W1S WRM-D2133HS/W1SN WRM-D2133HS WRM-D2133HS/N NEC AM-AX1800HP(MC) PA-WG2600HP/MS Google Nest Wifi snow GA00595-JP GA00822-JP GA00667-JP
今回のお題
メッシュWi-Fiシステムのおすすめ機種はどれ?
ども!Atlasです。
今日は、2023年1月現在、最新のメッシュWi-Fiシステムの比較です。
各社のメッシュ対応Wi-Fiルーターを、60機以上紹介します。
業界共通規格で、メーカー横断的にサテライトルーターを選べる「EasyMesh」を利用する機種ほか、各社の「独自規格のメッシュ」も広く取りあげました。
1・メッシュWi-Fiの比較
速度:~ 2492Mbps×2
予算:3万円-7万円
用途:全般に利用可
2・無線LAN中継機の比較
速度:~ 2492Mbps
予算:3千円-2万円
用途:固定設置の端末
なお、無線LANの親機と1対1でつなげる、昔ながらのインフラストラクチャ型の無線LAN中継機 は、記事が別となります。
恐れ入りますが、2回目の記事をご覧ください。
そちらの場合、後で書く理由から、スマホなどには向きませんが、固定して持ち運ぶデスクトップPCやTVなどなら(まあ)問題ないです。3000円程度の予算からで導入も可能ですし、(親機をお持ちならば)予算的には、安くすみます。
---
対応人数 家庭向き
回線速度 ★★★★★
無線の安定性 ★★★★★
設定の容易さ ★★★★★
電波到達距離 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、Atlasの経験をふまえつつ、「基本的な製品の選び方」を紹介していきます。
そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントから、価格別・性能別にAtlasのおすすめ機種を提案していきます。
ーーー
1・高速な無線LANルーターの比較
速度:1733~ 2402Mbps
予算:7000円〜1.5万円
用途:2LDK・一戸建て
2・超高速なWi-Fi 6ルーターの比較
速度: 4804Mbps(×2)
予算:1.5万円-6万円
用途:大家族・ゲーマー・トレーダー
3・格安な無線LANルーターの比較
速度:866~1300Mbps
予算:3000円〜1万円
用途:1LDK・ワンルーム
4・多人数向けメッシュWi-Fiの比較
速度:~ 2492Mbps×2
予算:3万円-7万円
用途:旅館・自営業・3F建ての家庭
5・おすすめの無線LANルーター 【結論】
=予算別・目的別のおすすめ機種の提案
なお、今回の記事は、このブログの無線LANルーター比較記事の4回目として書きました。
0・メッシュルーターの選び方の基本
はじめに、「メッシュWi-Fiの選び方の基本」を解説しておきます。
メッシュは「最先端技術」として、2020年前後かなり流行しました。
Atlasの友人も、「流行だけで衝動買い」する人がわりといました。
しかし、結論的にいえば、このシステムには、特に家庭用と考えた場合、良い部分のほか、注意するべき部分もあります。
大事なことなので、以下、すこし詳しく説明をしておきます。
0-1・メッシュWi-Fiの良い部分
はじめに、メッシュWi-Fiシステムの良い部分からです。
結構ありますので、順番に紹介します。
第1に、電波の安定性が高まる点です。
メッシュシステムは、網の目のように、親機から、複数の中継装置(サテライト)につながっていきます。
中継ポイントにアクセスが集中した場合、または、電波状態が悪くなった場合、迂回ルートに、自動的に誘導するため、ネットワーク全体において、通信速度の低下が起こりにくくなります。
昔の中継機は、こうした計算ができない仕組みで、基本単線的な「数珠つなぎ」でした。
メッシュシステムは、近年の計算に使う省電力CPUの高度化と、通信速度の向上が生んだ、「革新的なハイブリッド技術」といえます。
第2に、スマホ利用時への快適性です。
メッシュシステムは、ご自宅でスマホを持ち歩いても、通信遮断が起こりにくいです。
なぜなら、電波が弱くなると、最も近い端末に、自動的に接続が切り替わるからです。SSID(ネットワーク名)も、親機・中継装置で同じにできます。
切替時に動画がとまったりもしないので、メッシュはスマホ時代には「便利」です。
こうした部分で、スマホが「すぐ断線してしまう」「電波がいつも弱い」というトラブルの解決については、(中継機と比べて)メッシュWi-Fiの改善度は高いです。
昔の中継機は、断線(ローミングオフ)しない限り、スマホは、遠くの弱い電波を捕まえ続けてしまっていました。
また、固定のPCなどでは、遠くのアクセスポイントへの「誤爆」を防ぐため、部屋ごとSSID(ネットワーク名)を別に設定する必要がありました。
---
この違いは、出張や旅行が多い方は、ビジネスホテルや旅館のWi-Fiを思い浮かべると、分かりやすいと思います。
部屋ごとにSSID(ネットワーク名)が違うホテルは「昔の中継機」、ホテル内でSSIDが同じならば「メッシュシステム」に、似ています。
ざっくりした例なので、正確には異なりますけど。
第3に、対応台数の多さです。
メッシュシステムは、基本業務用に設計されています。
そのため、中継装置(サテライト)は5台以上、端末数では50台以上つなげても「安定」するのが普通です。
昔の中継機は、親機1台に対して、2-3台までの増設というのが家庭用では普通でした。
ーーー
以上、メッシュシステムの良い部分の紹介でした。
最近は、一部でDLNAなども対応できる機種がありますし、導入難易度は減りつつあります。
0-2・メッシュWi-Fiのイマイチな部分
続いて、メッシュWi-Fiのイマイチな部分と注意点です。
これもいくつかあるので、順番に見ていきます。
第1に、互換性のなさです。
メッシュWi-Fiのうち 「自社独自」のメッシュシステムを利用する機種は、メーカーの一部の機種としか互換性がないです。
そのため、故障時や後から増設したくなった場合、後継機がなければ「システムまるごと買い換え」です。
メッシュは、通常のWi-Fiより必要なコストは高めですので、これは難点です。
ただ、この部分は2020年末から一部改善しました。
他社機とも互換性が保証されるEasyMesh(イージーメッシュ)という業界規格が登場したからです。
いくつかのメーカー(バッファロー NECほか)が、一部で、すでに対応しました。
ただ、この規格については「複数の機器と接続」できるとだけで、最大接続台数を明示しません。
また、装置自体の性能差もあるので、基本的に、EasyMeshは、上図ように「シンプルな2-3機」で運用する「家庭用」だとは思います。
トラブル発生時に「メーカーサポートたらい回し」になる危険もあるので、買い足したり、交換する場合は、同じメーカーの対応機で揃えた方が無難でもあります。
第2に、価格の高さです。
一式揃えると3万円程度の予算が必要です。
加えて、ルーターは常時稼働する家電です。
消費電力は、入門機でも、1台で15Wほど、サテライト3台で45Wほどの電力を食います。
大がかりになりすぎるとランニングコストが上がること、また、故障時の出費も増えがちなことは、導入前に考えてください。
0-3:メッシュ導入に向くのは?
以上、メッシュネットワークの良い部分とイマイチな部分を書きました。
それをふまえ、結局、どのような方が「メッシュに向くか」、最後に書いていきます。
第1に、旅館などの事業者や、小規模オフィスです。
こうした施設で、ご自分で増設する場合は、言うまでもなく、メッシュネットワークでOKです。
第2に、3階建などの相当広いお家です。
そもそも親機・サテライトを含めて「3台以上入れないと駄目だろう」と想像できる方は、メッシュネットワークでOKです。
第3に、2LDKや2階建て程度のご家庭の場合です。
もともと1台程度のサテライトしか考えていなかったならば、立ち止まって考える必要があります。
なぜなら、Atlasの経験上、メッシュを構築するより、「強力な無線LANルーター親機」を1台増設した方が、トラブルが少なく、改善効果も高い場合が多いからです。
家庭で「電波は届いているが、速度が遅い、安定しない」という悩みを抱える方で、「数年、ルーターを買い替えた記憶がない」という方は、まずは「親機の性能を疑い」、親機だけの買い直し直しからはじめると良いでしょう。
もちろん、いざ親機を買い直して「やっぱり駄目だった!」となると、悲しいです。Atlasも色々な知人の家の設定を手伝いましたが、そういった「哀しい話」は結構ありました。
そのため、「保険」として後で「メッシュを増設可能」な親機を買ってみることを「おすすめ」します。
新規に親機を買って、(引っ越しも考えられず)1年以内に増設するなら、「EasyMesh」でない、各社の「独自のメッシュ」システムな機種でも、良いかと思います。
1・高速な無線LANルーターの比較
速度:1733~ 2402Mbps
予算:7000円〜1.5万円
用途:2LDK・一戸建て
2・超高速なWi-Fi 6ルーターの比較
速度: 4804Mbps(×2)
予算:1.5万円-6万円
用途:大家族・ゲーマー・トレーダー
3・格安な無線LANルーターの比較
速度:866~1300Mbps
予算:3000円〜1万円
用途:1LDK・ワンルーム
このブログの以上の記事では、各社の無線LANルーター各機について、「メッシュ」増設の可不可を調べています。
2LDKや2階建のご家庭で色々考えてみて、この方法が「妥当」だと思われるかたは、後ほど、これらの記事もご覧ください。1-1・メッシュWi-Fiシステムの比較
というわけで、各社のメッシュWi-Fiの比較に入ります。
1・メッシュWi-Fiの比較 (1)
1-1:バッファロー 〈日本〉
1-2:NEC〈日本〉
1-3:Google〈米国〉
2・メッシュWi-Fiの比較 (2)
2-1:ネットギア〈日本〉
2-2:エレコム〈日本〉
2-3:TP-LINK〈中国〉
3・メッシュWi-Fiの比較 (3)
3-1:アイオーデータ〈日本〉
3-2:ASUS〈台湾〉
3-3:LINKSIS〈米国〉
3-4:他の企業
4・おすすめのWi-Fiルーター 【結論】
=最終的なおすすめ機種の提案
それなりに数があるので、今回は、以上のような順番で、メーカー別に製品を紹介します。
1-1・バッファローのメッシュWi-Fi
はじめに、日本のPC周辺機器メーカーであるバッファローのメッシュWi-Fiです。
同社の場合「自社独自のメッシュ」ほか、先述の、業界共通仕様の「EasyMesh」対応機両方あります。
なお、同社の場合「EasyMesh」対応ルーターが相当数あります。
そのため、そちらは【高速な無線LANルーターの比較】など、一般的なルーターの記事に組み入れて、そちらでだけ紹介しています。
---
以下の本文では、Atlasのおすすめポイントは赤字系で、イマイチだと思う部分は青字系で書いていきます。
【2022年発売】
【親機2台セット】(3機の性能は同じ)
1・バッファロー AirStation WNR-5400XE6/2S
¥29,957 楽天市場 (1/7執筆時)
2・バッファロー AirStation WNR-5400XE6/2SD
¥30,980 楽天市場 (1/7執筆時)
¥34,180 Amazon.co.jp (1/7執筆時)
【親機1台のみ】(2機の性能は同じ)
4・バッファロー AirStation WNR-5400XE6
¥15,688 楽天市場 (1/7執筆時)
5・バッファロー AirStation WNR-5400XE6/D
¥15,980 楽天市場 (1/7執筆時)
6・バッファロー AirStation WNR-5400XE6/N
¥17,980 Amazon.co.jp (1/7執筆時)
メッシュ:Easy mesh
Wi-Fi規格:Wi-Fi 6E(11ax)
2.4GHz帯速度:573Mbps
5.0GHz帯速度:2401Mbps
6.0GHz帯速度:2401Mbps
有線LAN:1000BASE-T ×3
WAN:2.5Gbps〈WAN専用〉
最大増設台数:5機(親機含)
登録可能端末:推奨30台まで
互換性:Easy mesh対応機
USB:
IPv6:対応
WPA3:
WNR-5400XE6は、バッファローの販売するメッシュネットワークシステムです。
複数ありますが、流通ルートで型番を変えているだけになりますので、必要台数だけみて、あとは値段で決めてOKです。
本体サイズは、親機は、幅140×高さ210×奥行75mmです。
同社の旧世代は、パラボラアンテナのような丸形でしたが、新機種は、他社機同様に、スタイリッシュな仕上げにしています。
独自性がないとは言えますが、実際、このほうが良いでしょう。
メッシュシステムは、Easy meshです。
冒頭で説明したように業界規格になるので、対応するならば、他社のルーターをメッシュ中継機(エージェント)に使えます。
ただ、冒頭書いたように、(サポート面で)基本同じメーカーで揃えることをオススメしています。
同時接続できる台数は、親機を含めて5機(中継機だけで4機)です。
一般家庭用ならば「十分」ですが、業務用に多い自社システムはより多いです。
Easy meshとして汎用性を持たせたことによる(親機の処理面での)限界です。
理論値上の通信速度は、本機は2022年に登場したWi-Fi 6Eですから良いです。
上表のようなアンテナ本数に応じた速度になります。
2.4GHz帯は、共用アンテナが2本で、最大574Mbps(約72メガバイト/秒)です。
電波が遠くまで飛ぶ周波数帯ですが、速度はやや遅いです。
5.0GHz帯は、共用アンテナ2本です。
2.4GHz帯と共用のアンテナです。
こちらは、ワイドバンド(WB)対応になので、2本でも最大2401Mbpsで(約300メガバイト/秒)になります。
6.0GHz帯は、単独の専用アンテナ2本(+WB)です。
速度は、5GHz帯と同じで最大2401Mbpsです。
6.0GHz帯は、新しい帯域なので少し説明が必要です。
こちらは、2022年夏に登場(許可)された新しい周波数です。本機のようなWi-Fi 6E対応ルーターだけが扱える周波数です。
この帯域には、Wi-Fi4(11n)・Wi-Fi5(11ac)などでしかつながらない、遅い端末(IOT家電など)は入ってこれないので、(理論値ではなく)実測値ベースで通信速度が期待できる帯域です。
例えれば、高速道路に、歩行者や自転車が入れないようなもので、その分、スピードが出せるということです。
6GHz帯は、ほかにも、飛行機・気象レーダーとの干渉がないです。また、チャンネル数も多いので、全体として通信安定性も高まります。
ただし、規格対応できるスマホやPCは出そろわないので、「少し未来への投資」とは言えます。
例えば、スマホだと、iPhoneは 14世代でも未対応です。Android系でもGalaxy・Pixel 6など一部の新型が対応したところです。パソコンだと、Mac系は未フォローです。
Wi-Fi 6Eと6GHz帯については、【Wi-Fi6ルーターの比較記事】のほうでやや詳しく書いています。興味がある方はご覧ください。
中継機(エージェント)は、本機の場合、親機と同じ端末になります。
先述のように、本機は2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯と3セットのアンテナ網を持ちます。こうした製品のことを、トライバンド(3バンド)と言います。
各社とも速度が期待できる上位機は、メッシュの場合はトライバンドの場合が多いです。
しかし、業界規格のEasy meshとWi-Fi 6Eを併用する本機は、この部分で他社機にはない注意点があります。
バッファローも説明するように、Easy meshの場合、現状で、親機(コントローラー)とメッシュ中継機(エージェント)の間の通信に6GHz帯を使えないという制限があるからです。
従来的な「インフラストラクチャ型中継機」として本機を設定し使うならば可能ですが、「メッシュ中継機」としは無理です。
先述のように6GHz対応の端末は、ほとんど普及していません。
それをふまえた場合、中継機経由の本機の最高速度は、実際的に5GHzで親機から取り込み、5GHzで端末に送り出す方法となり、それが本機の「最速」です。
数字としては、5GHzのアンテナを2本のアンテナを「from親機」と「to端末」に1本ずつ分けあうことになるので、理論値としても1200Mbps(約150メガバイト/秒)以上は望めないことになります。
---
結論的にいえば、現状では、本機はトライバンドの能力を完全に引き出せるルーターではないです。
6GHz帯用に用意している2つの専用アンテナをほぼ「休ませて」、共用アンテナ2本だけ働いているようなものだからです。
6GHz帯の対応端末が現状で普及していない以上、この部分の仕様は「時期尚早」でしょう。
なお、これから見ていくように、トライバンド(3バンド)でも、他社の高性能メッシュ多くは、Wi-Fi6で、2.4GHz帯・5GHz帯 (1)・5GHz帯 (2)という構成にしています。
その構成のほうが(将来性はあるが)現状「遊び人」である6GHz帯がいない分、速度向上効果が望めると言えます。
実際に、バッファローの旧世代のメッシュは、速度の実測値を出していました。しかし、今回、それが見あたりません。
さらに、アンテナ構成について言えば、本機は、6GHz帯のアンテナは、それだけに使う専用アンテナが2本です。しかし、5GHz帯と2.4GHz帯は共用アンテナで、両社がシェアして、切り替えながら使っています。
前回の記事でも書いたように、普通の無線LANルーターの親機(コントローラー)の場合、共用アンテナを使っても(まあ)良いと思います。
しかし、中継機を複数いれるメッシュを組む場合、経路が複雑になり、切替も多くなるでしょうから、共用アンテナであるという、この仕様は不利でしょう。
「遊び人」のために、アンテナの数も足りないため、時差分割通信も起きやすく、速度低下の確率も多くなりやすいと言えます。
たしかに、メッシュの場合、「アンテナ」部分より、親機による経路設定(計算力)の正確さがものを言う部分もあります。
ただ、本機は、6GHz帯の2本の独立アンテナが現状で、何もせず「遊んでいる」ことの弊害でこうした事態を招いているわけで、仕様上の問題点に思えます。
無線の安定性は、ただ、バッファローの得意とする部分で複数の技術が見られます。
第1に、ビームフォーミングです。
これは、スマホなどの端末の位置を特定するソナーを発信する機能です。
(手に持つことで)動き回る小さなスマホ等の端末に安定した電波を送ることができる仕組みです。
なお、同社の場合、スマホ側がビームフォーミングに対応しなくても同じことができるビームフォーミングEXと技術がありますが、本機は非搭載です。
第2に、バンドステアリングLITEです。
電波強度の計測により、空いている帯域に自動的に端末を誘導する機能です。
Wi-Fi電波の飛び交う日本のマンションには有効な技術です。
こちらも、同社の他機の一部は、混雑状況・接続台数も把握して制御できる(LITEでない)上位技術を持ちますが、本機は不採用です。
第3に、MUーMIMOです。
非対応機の場合、無線LANと接続する際、無線LAN機器が1台ずつしか処理できないために、実際は時間をミリ秒単位で区切って通信しています。
対応機はアンテナ数までの台数の端末と同時通信できます。本機については2台です。
こちらは、Wi-Fi6に対応する機種ならば「基本装備」ですが、大事なので書いておきました。
以上、3つは、通信安定性の維持に不可欠な「3本柱」です。
もう少し上位の機能を搭載して欲しいところですが、この部分は、とうに海外メーカー製に比べると「平均点以上」はあります。
簡単設定機能は、業界標準規格のWPSとAOSSに対応です。
そのため、親機の設定が済んでいれば、親機と子機のWPSボタンを押すだけで設定が可能です。メッシュネットワークの構築は、あまり考えずともできるでしょう。
WAN(インターネットポート)は、2.5Gbps対応です。
そのため、高速な光回線(フレッツクロス・Nuro光ほか)を契約している方は、その速度の恩恵を享受しやすいででしょう。
有線LANポートは、1端末につき、3つ搭載されます。
1000BASE-T です。有線の場合、高速回線を契約していても最大1000Mbps(=125MB/秒)の速度にボトルネックがあります。
そのほか、他社機同様ですが、IPv6(回線業者に追加料金が必要なものの、プロバイダ側の混雑に強くなる技術)や、新しい暗号化技術のWPA3には、しっかり対応です。
---
以上、バッファローのWNR-5400XE6 の紹介でした。
メッシュでは先進的にWi-Fi 6Eを取り入れたのは高く評価できます。
ただ、Easy meshの仕組みと現状であまり相性が良いとは言えず、せっかくの6GHz帯を全く活かしていないのが残念です。
また、Easy meshへの対応や、トライバンドと2.5Gbpsの処理にCPUを使わざるを得ない関係もあるため、仕方ない部分もありそうですが、後ほど話す、QOSなどの上位の通信安定化技術が不採用になった点も少し残念に見えました。
とはいえ、Wi-Fi 6Eについては、「抜群の将来性」はあるので、本機の評価は、発売から数年後には「ガラッと変わっている可能性」は高いことは付記しておきます。

【2019年発売】
【親機のみ】(2機の仕様は同じ)
7・Buffalo AirStation WTR-M2133HS
¥9,073 楽天市場 (1/7執筆時)
8・Buffalo AirStation WTR-M2133HS/N
¥9,900 Amazon.co.jp (1/7執筆時)
【親機+専用中継機2台セット】(在庫限り)
9・Buffalo WTR-M2133HS/E2S
¥26,980 楽天市場 (1/7執筆時)
【専用中継機のみ】
10・Buffalo WEM-1266
¥5,200 Amazon.co.jp (1/7執筆時)
メッシュ:自社方式
Wi-Fi規格:Wi-Fi5(11ac)
2.4GHz帯速度:400Mbps
5.0GHz帯速度:866Mbps×2
有線LAN:1000BASE-T ×1
WAN:1000BASE-T
最大増設台数:10機(親機含)
登録可能端末:64機(推奨-20台)
互換性:(同社下位機)
USB:USB3.0×1
IPv6:対応
WPA3:
WTR-M2133HSも、バッファローの販売するメッシュネットワークシステムです。
2019年機ですが、先ほどみた新機種とともにまだ併売中です。
ただ、セット商品などの展開が終息してきたので「在庫限り」かもしれません。
本体サイズは、親機は、幅231×高さ231×奥行70mmです。
丸い円盤形なので、リビングにおくと、良かれ悪しかれ、特有の存在感はあります。
メッシュシステムは、こちらについては、バッファローの自社方式です。
ここで紹介する自社の対応機に限ってメッシュを組める形式です。
理論値上の通信速度は、本機の場合、Wi-Fi5なので、搭載アンテナ数に対する速度は、Wi-Fi6・Wi-Fi6Eより劣ります。
2.4GHz帯電波は、共用アンテナが2本で、最大400Mbps(約50メガバイト/秒)です。
PCスマホで普及していない256QAMという技術を利用する場合の値ですので、スマホとの通信は「アンテナ2本機」となり300Mbpsです。
ただ、メッシュは中継装置との通信には256QAMが利用できるため、まるきり意味のないわけではないので、400Mbpsとしておきます。
5.0GHz帯電波(1)は、(2.4GHzとの)共用アンテナ2本で、867Mbps(約110メガバイト/秒)です。
一方、本機は、5GHz帯が2系統あるトライバンド(3バンド)です。
5.0GHz帯電波(2)は、専用のアンテナが2本で、867Mbpsになります。
こちらだけ、内蔵ではなく、指向性をもつ外部アンテナです。
中継装置は、デュアルバンド(2バンド)ですが、親機と速度は同じです。
アンテナは、共用ではなく、帯域専用でそれぞれ2本ずつです。
本機の場合、「受信側」を(到達距離が長い)2.4GHz(400Mbps)、「送信側」を(電波干渉に強い)5GHz(866Mbps)を固定的に行う「デュアルバンド同時接続方式」です
この仕組みの場合、メッシュ通信網を利用する場合、最大でも400Mbps前後しか入ってこないので、通信速度の上限は(理論値で)「最大400Mbps(約50メガバイト/秒)」あたりになります。
無線の安定性は、先ほどみた新機種より良い部分も多いです。
ビームフォーミング・バンドステアリング・MUーMIMOと、先ほど安定性のための「三本柱」といった技術を網羅します。
とくに、バンドステアリングについては、電波状況ほか、混雑状況・接続台数もみれる点で、新機種より良い部分もあります。
加えて、アドバンスドQoS 「4Kモード」も言及に値します。
優先する接続を設定できる機能をQOSといいますが、本機は、4K動画の信号を優先させて、動画視聴を自動で安定させる点で、家庭向きには上位です。
そのほか、家電の利用状況(特に電子レンジ)からのノイズを回避させる干渉波自動回避機能なども搭載です。
加えて、本機は、中継装置を通してもDLNAに対応します。
【ネットワークストレージの比較記事】で書いたようなNASで動画を管理している方には、割と良い仕様と言えます。
なお、メッシュではDLNAが処理できない機種もありますので、対応状況は調べる必要があります。
有線LANポートは、中継機は1端末につき、1つ搭載されます。
普通の1000BASE-T 対応なので、有線だと最大1000Mbps(125MB/秒)です。
親機は、3ポート搭載されます。
一方、本機は(日本製品としては珍しく)親機にUSB端子があります。USBストレージなどをつなげたい場合は便利でしょう。
インターネット速度は、WAN側も1000BASE-T なので1Gbpsを越える高速光契約を活かせない部分はあります。
ただ、本機のターゲット層を考えれば、そこは問題ないように思えます。
あとの部分は、先ほどの機種とほぼ同じです、WPA3に対応しないほどです。
---
以上、バッファローのWTR-M2133HSの紹介でした。
速度と言うより、接続面の安定性が欲しい一般家庭には、実際新機種より向く部分が多い機種だと思います。
とくに、テレビで、動画配信サービスを視聴する場合などは、接続の安定性を高める複数の工夫がある点が有利に思えます。
ーーー
【2020年発売】(N脅威ブロッカー付)
【親機+中継装置2台】
11・BUFFALO WRM-D2133HS/W1S
¥28,680 Amazon.co.jp (1/7執筆時)
【親機+専用中継装置2台】【ネット限定】
12・BUFFALO WRM-D2133HS/W1SN
¥9,980 Amazon.co.jp (1/7執筆時)
【2019年発売】(N脅威ブロッカーなし)
【親機のみ】
13・BUFFALO WRM-D2133HS
¥3,720 Amazon.co.jp (1/7執筆時)
【親機のみ】【ネット限定】
14・BUFFALO WRM-D2133HS/N
¥4,980 Amazon.co.jp (1/7執筆時)
メッシュ:自社方式
Wi-Fi規格:Wi-Fi5(11ac)
2.4GHz帯速度:400Mbps
5.0GHz帯速度:1733Mbps
有線LAN:1000BASE-T ×1
WAN:1000BASE-T
最大増設台数:10機(親機含)
登録可能端末:64機(推奨-15台)
互換性:(同社上位機)
USB:
IPv6:対応
WPA3:
なお、この機種の場合、親機を、廉価版のWRM-D2133HPと組み合わせて利用することも可能です。
ただ、先ほどの親機が5GHz帯を2系統持ち、さらに、一本が指向性アンテナのトライバンド(3バンド)であるのに対して、こちらの親機はデュアルバンド(2バンド)です。
中継装置の導入目的を考えると、あまりオススメできない機種です。
これならば、親機にお金をかけた方が「まし」でしょうし、選択肢に加えずとも良いでしょう。
なお、一部製品のみ「ネット脅威ブロッカープレミアム」というセキュリティサービスの利用権がつきます。ただ、PC搭載のセキュリティソフトと機能が被ります。一般的には不要でしょう。
1-2・NECのメッシュWi-Fi
続いて、NEC(NECプラットフォーム)のメッシュWi-Fiです。
同社は、ルーターはかなり力を入れますが、メッシュはさほど目立ちません。
NECも「自社独自のメッシュ」と業界共通仕様の「EasyMesh」が両方あります。
同社のメッシュは、数が少ないので、今回の記事で同時に紹介しました。
【2022年発売】
【通常型番】
15・NEC PA-WX11000T12
¥39,499 楽天市場 (1/7執筆時)
【Amazon限定】
16・NEC PA-AX11000T12
¥54,798 Amazon.co.jp (1/7執筆時)
メッシュ:自社方式
Wi-Fi規格:Wi-Fi6E(11ax)
2.4GHz帯速度:1147Mbps
5.0GHz帯速度:4804Mbps
6.0GHz帯速度:4804Mbps
有線LAN:10Gbps 1000BASE-T×3
WAN:10Gbps〈WAN専用〉
最大増設台数:9機(親機含)
登録可能端末:36機
互換性:(同社下位機)
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
NEC Aterm WX11000Tは、NECの販売するメッシュ対応Wi-Fiです。
本体サイズは、幅90×奥行257×高さ237mmです。
NECは、小型の高性能アンテナを内蔵するため、筐体は小型です。
メッシュシステムは、自社方式です。
他社とのコンビは不可です。
本機のほか、後ほど紹介する同社のメッシュ対応ルーターの一部とだけコンビを組めます。
理論値上の通信速度は、本機もバッファローと同じ、2022年登場のWi-Fi6Eです。
また、本機も、トライバンド(3バンド)です。
ただ、速度ほか、仕様は大きく異なります。
5GHz帯と6GHz帯は、4本の専用アンテナをそれぞれ搭載します。
速度は、いずれも4804Mbps(約601メガバイト/秒)です。
2.4GHz帯も、4本の専用アンテナを搭載します。
速度は、1148Mbps(約144メガバイト/秒)です。
メッシュ中継機(エージェント)は、NECは後ほど書く、同社の下位ルーターとも組み合わせられます。
しかし、本機と同じものをを組み合わせる場合、6GHz帯をメイン経路(親機ー中継機ー他の中継機)の通信に利用できます。
これが「不可」だったバッファローと比べると、ここは大きな違いです。
6GHz帯は、PC・スマホ側が(ほぼ)対応しないので、メイン経路の通信(バックホール)として使えるのは、意義があります。
Wi-Fi6Eは、電波が遠くまで飛びやすい2.4GHz帯も拡張できるため、速度だけでなく、距離も改善できる可能性があるといえます。
なお、中継機を経由させた場合の最大速度は、6GHzで入れて、5GHzで送り出すとしすれば、最大4804Mbps(約601メガバイト/秒)です。
初期設定では5GHz帯を親機との接続に利用するように設定されますが、変更は可能です。
アンテナ構成も、NECは、共用アンテナを用いず、単独アンテナ(4本・4本・4本)なので、この部分でも、複雑な通信経路となりがちなメッシュ向きだと言えます。
無線の安定性は、ビームフォーミング・バンドステアリング・QOSなど、バッファローで説明した「重要な機能」は、それに相当するものがNECも網羅です。
その上で独自性として、「オートチャネルセレクト」を装備します。
2.4GHz・5GHz・6GHzとも複数のチャンネルがありますが、ご近所のWi-Fiと電波干渉の少ないチャンネルに自動変更する機能です。
NECが昔から「目玉」としている部分で、独自性です。
一方、テレビ視聴に関わる機能は、優先的にTVに5GHz帯でつなげることができる程度です。バッファロー(のパラボラアンテナ型)に比べると劣ります。
また、レンジなどの電波干渉対策もノーフォローです。
一方、安定性の部分で言えば、本機は(角のような)アンテナがないです。ただ、同社のマイクロアンテナ技術に定評があります。
先述のように、実際に実行速度は出ています。CPUは4コアCPUです。クロック数非開示な部分は、高性能機なので多少不安ですが、(まあ)問題ありません。
簡単設定機能は、WPSのほか、スマホで設定できるらくらくQRスタート 2があります。
バッファローほどではないですが、初心者向けの設定機能は、NECはわりと充実します。
接続端子は、「豪華」です。
WAN側・LAN側とも(共用でない)単独の10Gbps対応端子が1つずつあるため、高速回線の契約を活かせます。
インターネット速度は、理論上、10Gbps(=1250メガバイト/秒)です。
ボトルネックがないので優秀です。
セキュリティは、同社の場合、最新のWPA3に対応です。
iPhoneなども対応がはじまっている新しい暗号化で、一般的なWPA2の通信暗号化より強固で、実際的に突破は無理と言われる規格です。
端末側の対応はむろん必要です。
---
以上、NECのNEC Aterm WX11000T の紹介でした。
本機は【Wi-Fi6ルーターの比較記事】のほうでも親機の紹介として、取りあげています。
実際のところ親機としては、(対応する端末がほぼないので)あまり評価しなかったのですが、メッシュ中継機(親機)として利用するならば、話は別です。
先ほど書いたように中継用の通信に使えるので(やや高額ながら)速度と安定性を兼ね備えた「贅沢なメッシュネットワーク」ができるでしょう。
端末も9機までメッシュ中継機(エージェント)にできますし、個人の事務所や旅館ほかで、業務用にメッシュを組みたい場合も意外と良い気がします。
NECは、先行発売している自社のメッシュ対応機との相互接続も(現状で)切っていないので、後からの「買い足し」で、ネットワークを拡げていくことも割と手軽かと思います。
ーーー
【2022年発売】
【通常型番】
17・NEC PA-WX7800T8
¥18,299 楽天市場 (1/7執筆時)
【Amazon限定】(同じ性能)
18・NEC PA-AX7800T8
¥25,278 Amazon.co.jp (1/7執筆時)
ネット最高速度:1000Mbps
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:4804Mbps
6.0GHz帯速度:2401Mbps
WAN:1000BASE-T
なお、本機の兄弟機としてAterm WX7800T8という兄弟機も同時に登場しています。
ただ、本機は、6GHz帯と2.4GHzがアンテナ2本で遅いです。
その上で、WAN側・LAN側ともに、1000BASE-Tなので回線速度も遅くなります。
---
ただ、とりあえず「高速」の5GHzをご自宅の遠くに飛ばしたいという場合、先ほどの機種と組み合わせ、少し安めの「メッシュ中継機」とするには選べる機種です。
Wi-Fi6
NEC Aterm WX11000T12
NEC Aterm WX7800T8
NEC Aterm WX5400HP
Wi-Fi5
NEC Aterm WG2600HP4
NEC Aterm WG1200HP4
これ以外でも、NECの場合、先行発売されていた、以上の下位機種とも同じネットワークを組めます。
【Amazon限定】
19・ NEC Aterm AM-AX5400HP
¥17,800 Amazon.co.jp (1/7執筆時)
【通常型番】
20・ NEC Aterm PA-WX5400HP
¥13,544 楽天市場 (1/7執筆時)
ネット最高速度:1000Mbps
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:4804Mbps
WAN:1000BASE-T
例えば、AM-AX5400HPは、半額程度ながら、5GHz帯を使えばそれなりの速度が得られます。
予算を節約する場合、割と良いモデルだと思います。
これらの製品は、基本的に親機としての販売なので、【超高速Wi-Fi6ルーターの比較記事】・【高速Wi-Fiルーターの比較記事】で、そのスペックを比較しています。
興味のある方は、よろしければご覧ください。
ーーーー
【2020年発売】
【1台のみ】
21・NEC Aterm AM-AX1800HP(MC)
¥11,139 Amazon.co.jp (1/7執筆時)
【2台セット】
22・NEC Aterm PA-WG2600HP/MS
¥21,663 Amazon.co.jp (1/7執筆時)
メッシュ:Easy mesh
Wi-Fi規格:Wi-Fi 6(11ax)
2.4GHz帯速度:574Mbps
5.0GHz帯速度:1201Mbps
有線LAN:1000BASE-T ×1
WAN:1000BASE-T
最大増設台数:9台
登録可能端末:20台
互換性:Easy mesh対応機
USB:
IPv6:
WPA3:対応
一方、NECからは、AM-AX1800HPというメッシュ対応Wi-Fiの販売があります。
本機については、冒頭で書いたEasy mesh対応です。
そのため、上で見たNEC機とはネットワークは組めません。
本ビームフォーミング・バンドステアリング・MU-MIMOという、通信安定性機能はあります。
ただ、通信速度があまり速くないのがネックで、どちらかというと、親機ではなく「安いサテライト」増設用に使いたい感じの製品です。
1-3・GoogleのメッシュWi-Fi
続いて、GoogleのメッシュWi-Fiです。
「メッシュネットワーク」を企業から家庭に広める世界的契機となったといえる会社です。
最新機は2019年登場の「第2世代」です。
Googleも「自社独自のメッシュ」のみの展開です。
【2019年11月発売】
【本体】
23・Google Nest Wifi snow GA00595-JP
¥14,980 楽天市場 (1/7執筆時)
【本体+中継装置1台セット】
24・Google Nest Wifi snow GA00822-JP
¥24,800 楽天市場 (1/7執筆時)
【中継装置のみ】
25・Google Nest Wifi snow GA00667-JP
¥13,800 楽天市場 (1/7執筆時)
メッシュ:自社方式
Wi-Fi規格:Wi-Fi5(11ac)
2.4GHz帯速度:400Mbps
5.0GHz帯速度:1733Mbps
有線LAN:1000BASE-T ×2
WAN:1000BASE-T
最大増設台数:32機
登録可能端末:100機
互換性:
USB:
IPv6:対応
WPA3:対応
Google Nest Wifi は、米国のGoogleが販売するメッシュネットワーク用Wi-Fi端末です。
本体サイズは、幅102×奥行102×高さ87mmです。
全く邪魔にならない設置性です。
メッシュシステムは、自社方式です。
自社の端末以外は動作しません。
設置は、15Wの電源アダプターが内蔵され、コンセントに直付けする方式で、簡単です。
理論値上の通信速度は、アメリカ式の表記法で、AC2200という表記です。
2.4GHz帯電波は、アンテナ2本(2×2)で、最大400Mbps(約50メガバイト/秒)です。
先述のように、普及していない256QAM変調方式を加味した数字なので、端末との通信時は、上表通り300Mbpsです。
5.0GHz帯電波は、アンテナ4本(4×4)で、最大1734Mbps(約216メガバイト/秒)です。
つまり、2.4GHz帯が1系統、5GHz帯が1系統である、デュアルバンドの製品です。
中継装置(Google Wifi 拡張ポイント)は、(到達距離が長い)2.4GHz、(電波干渉に強い)5GHzを持ちます。
ただし、両帯域ともアンテナ2本ですから、最大で400Mbpsしか出力されない仕様です。
したがって、中継させる場合の、通信速度の上限は(理論値で)「最大400Mbps(約50メガバイト/秒)」となります。
なお、送受信にどの帯域を利用するかは、Googleによって最適化されているため、ユーザーは関与できません。
この点は、「初心者向き」でしょう。
無線の安定性は、ビームフォーミング・バンドステアリングが利用できます。
ただ、その他の独自機能がイマイチです。
ただ、クアッドコアのCPUを採用するなど、ハードは(価格なりに)優秀です。
CPU性能が良いと、一般的に、実効スループット(速度)は高まるため、ある程度期待できそうです。
簡単設定機能は、業界標準のWPS対応です。
特段便利な独自機能はないですが、本機については、難しい設定なしに使えます。
有線LANポートは、1つの端末ごとに、2つのLAN(1000Base-T)があります。
そのほか、Bluetooth 4.2を搭載するほか、Wifi 拡張ポイント(中継装置)は、40mmドライバーながらスピーカーを搭載しおり、Googleアシスタントが利用可能です。
天気などの情報を尋ねるほか、回線速度などの確認も音声で可能です。
セキュリティは、最新のWPA3に対応です。
---
以上、Google nest Wi-Fi の紹介でした。
基本的に「AndroidOSの周辺機器」的な感覚で増設できるので、Googleの説明方法に慣れている方にとって、設置は楽です。
逆に、日本の家電メーカーのような説明とは異なるので、PC周辺機器のほうに詳しいような方は、難儀する部分はあります。
他社に比べての強みとしては、セキュリティ設定が容易で強固である点と、Googleアシスタントとの親和性の高さが挙げられるでしょう。
一方、ほぼ同様の速度の製品である、バッファローのWEM-1266と較べると、通信に関わる独自機能の乏しさがイマイチとは言えます。
次回につづく
メッシュWi-Fiのおすすめは、結論的にこれ!
というわけで、今回は、各社のメッシュWi-Fiを比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・メッシュWi-Fiの比較 (2)
2-1:ネットギア〈日本〉
2-2:エレコム〈日本〉
2-3:TP-LINK〈中国〉
3・メッシュWi-Fiの比較 (3)
3-1:アイオーデータ〈日本〉
3-2:ASUS〈台湾〉
3-3:LINKSIS〈米国〉
3-4:他の企業
4・おすすめのWi-Fiルーター 【結論】
=最終的なおすすめ機種の提案
次回の2回目記事(こちら)では、今回紹介できなかったネットギア・エレコムなどの製品を紹介します。
対応人数 広い一軒家向き
回線速度 ★★★★★
無線の安定性 ★★★★★
設定の容易さ ★★★★☆
電波到達距離 ★★★★★★
総合評価 ★★★★
その上で、最終回となる結論編(こちら)では、目的別・用途別に、Atlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
---
今回の前半記事がお役に立ったようならば幸いです。Twitter Facebook はてなブックマークなどで話題を共有していただければ嬉しいです。