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2025年10月20日

比較2025' 小型ブックシェルフスピーカー40機の性能とおすすめ・選び方:ハイレゾ対応 (2)

1回目記事からの続きです→こちら

2-1・JBLのスピーカーの比較

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 2回目記事のトップバッターは、米国のJBLのブックシェルフスピーカーの紹介からです。

 米国を代表する音響ブランドの1つで、日本でのブックシェルフスピーカーの展開数は多めです。

1・小型スピーカーの比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:ソニー〈日本〉
 1-3:DENON〈日本〉
 1-4:ヤマハ〈日本〉
 1-5:DALI〈デンマーク〉
2・小型スピーカーの比較 (2)
 2-1:JBL〈米国〉
 2-2:Polk Audio〈米国〉
 2-3:クリプシュ〈米国〉
 2-4:ELAC〈ドイツ〉
3・小型スピーカーの比較 (3)
 3-1:KAF・イクリプス ほか
 3-2:最終的なおすすめの提案【結論】

 今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた、「選び方の基本」の説明に沿いながら、各機を比較していきます。

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 なお、以下では、Atlasのおすすめポイントについては、赤系の文字色で、イマイチと思う部分については青字で、本文を記していきます。


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 【2024年発売】【ペア】

 【11.4cmウーハー】

 14・JBL STAGE 240B BLK
 14・JBL STAGE 240B WHT
  ¥33,330 楽天市場 (10/19執筆時)

再生周波数帯域:53Hz - 25kHz
推奨アンプ出力:25-125W
サイズ:幅175×高さ272×奥行217mm

 【13cmウーハー】

 15・JBL STAGE 250B BLK
 15・JBL STAGE 250B WHT
  ¥49,950 楽天市場 (10/19執筆時)

再生周波数帯域:50Hz - 25kHz
推奨アンプ出力:20-125W
サイズ:幅200×高さ321×奥行241mm

インピーダンス:6Ω(最小)
許容入力:
最大入力:

 JBL STAGE 240BSTAGE 250Bは、アメリカの大手音響メーカーのJBLが販売する製品です。

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 同社の中級機で、STAGE2シリーズ と呼ばれます。

 以前は下位機(STAGE A130 )もありましたが、今だと、本機が同社で一番安いです。

 後述するように、トゥイーター部分がホーン形状でありそこに個性があるラインです。

 普通のステレオにも使えますが、5.1chのリア用としても宣伝されます。

 ウーハーのコーンサイズで2展開ですが、あとは同じなので、同時に見ていきます。

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 本体のサイズは、2種類で異なります。

 240Bは、幅175×高さ272×奥行217mmです。

 250Bは、幅200×高さ321×奥行241mmです。

 ここまで見た「Mサイズ」などの言い回しだと、横幅基準で、それぞれ、ブックシェルフのM・Lサイズと言えます。

 設置場所に圧迫感がないならば、上位でも良いでしょう。

 インピーダンスは、(最小値)です。

 音圧(感度)はそれぞれ、85dB 86dBです。

 問題ないでしょう。

 パワーは、推奨アンプ出力として、最大125Wです。

 問題ないでしょう。

 再生周波数帯域は、53Hz - 25kHz(上位機は50Hz)です。

 いずれも、低音域のスペックはサイズ感に比例して良いです。

 一方、高音域は、ハイレゾ基準には満たず、その部分は重要視しないといえます。

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 スピーカーは、2ウェイのバスレフ型です。

 トゥイーターは、2.5cmのアルミ・ドーム型で、前面にHDIウェーブガイドを備えます。

 いくつかのタイプがありますが、JBLではヤマハと同様に浅めのウェーブガイドを用い、部屋の中でステレオ感(定位感)を得られる場所を広げる狙いがあります。

 実際にリスニングポイントは広めで、設置に極端なシビアさがなくても高音域の定位が安定しやすく、BGM用途にも向きます。

 この形状は、低音の厚みを確保しつつ高音域の質も保つというJBLの設計思想を支えるコア技術で、同社の上位機でも採用が見られます。

 トゥイーター素材は、陽極酸化処理をしたアノダイズド・アルミニウムで、ヤマハ機と同系です。表面を電界技術でアノダイズ(陽極酸化)して、硬質化して、たわみを抑えて歪みを減らす目的です。

 一方で、同社の10万円前後の上位シリーズには、ドームではなくコンプレッションドライバーを採用するモデルもあり、その点で本機とはがあります。

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 ウーハーは、下位機で11.4cm、上位機で13cmです。

 素材は、ポリセルロース・リブドコーンです。

 パルプ系ですがセルロースにポリマーを含浸し、ウーファー向きに軽量・高剛性にしています。

 バスレフポートは、一方、DALI KUPIDと同じで、フレアー付ポートです。

 ポート騒音や乱流の軽減のためですが、内外の「デュアル・フレア」の形状DALIと異なり「壁ピタ」しても大丈夫という設計思想からではないです。

 普通の直管バスレフよりは、それなりに「寄せて」も良いでしょうが、10〜15cmほどは余裕がないと、低音域が「爆発」しやすいでしょう。

 音質は、低音域の厚みは、両機とも特徴的といえます。

 ただ、ウーファーサイズからすると、下位機はやや小さめ(11.4cm)ですので、膨らみを重視するならば、上位機がおすすめです。

 一方、JBLらしく中音域の安定性が強調できます。質が良く、定位感が良いです。「ボーカル重視」で考える場合、実際、JBLはどグレードでも、同級の他機より良い感じです。

 高音域は、一方、同社の上位機に比べると「ヤマハNS-B330寄り」で華やかで、きらびやかな感じです。DALI(SPEKTOR)とは音色が変わります。

 その上で、ダリなど欧州のスピーカーに比べて、低音と高音も伸びやかです。ホーン型の工夫は、充実するこれらの音域に負けないための工夫とも言えるでしょう。

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 以上、JBL STAGE 240B・STAGE 250B紹介でした。

 ステレオ専用開発ではないシアター向けですが、その用途で利用した場合でも、バランスがとれていて割と良い構成に思います。

 映画などのために低音域もある程度重視したいが、音楽視聴やテレビなどにも使いたい感じにおいて、使いやすそうです。

 ただ、重低音部分については、一般的に言って十分ですが、ゲームなどで「ズシンズシン」という感じにしたい場合、将来的でもよいので、サブウーファ利用の2.1chにしても良いでしょう。40Hz以下は、質感重視で、低音の量はそこまで重視しません。


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 【2007年発売】【ペア】

 16・JBL Control 1 PRO
 16・JBL Control 1 PRO-WH
  ¥32,400 Amazon.co.jp (10/19執筆時)

インピーダンス:4Ω
再生周波数帯域:80Hz〜20kHz
許容入力:150W
最大入力:
推奨アンプ出力:
サイズ:幅157×高さ232×奥行143mm

 Control 1 PROも、アメリカのJBLが販売するブックシェルフスピーカーです。

 ただ、こちらは同社の「プロフェッショナル」ラインの製品で、耐久性重視で、お店を経営されている方にむけた店舗向けモデルです。

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 そのため、壁取付け金具が同梱されているほか、耐久性重視のプラスチック系のエンクロージャ(筐体)とネットを採用しています。

 家庭用で置いて使う人もいないわけではないですが、割と例外的な利用法ではあります。

 本体のサイズは、幅157×高さ232×奥行143mmです。

 小型で設置性が良いと言えます。

 インピーダンスも、です。

 念のためアンプ側の対応は見ておきましょう。

 パワーは、許容入力が150Wまでとなります。

 小型機としては、かなりパワフルで大音量で鳴らすことを想定します。

 再生周波数帯域は、80Hz-20kHzです。

 ここは普通で、とくに、低音域方面の数字は控えめです。

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 スピーカーは、2ウェイバスレフ型です。

 13cmコーン型ウーファーと1.9cmのトゥイーターという構成です。

 素材部分にそこまでの特徴はないです。

 音質は、モニタ・スピーカーの進化形となるため、フラットな特性です。

 構造的に、壁掛けで利用しないと低音域が拡がらずやや活かしきれない部分はあります。

 バスレフ型ポートが前側なので「壁ピタ」に近い状況でも設置できそうですが、設計的には壁掛けに最適化されていることは言及しておきます。

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 以上、JBLControl 1 PROの紹介でした。

 しっかり壁賭けするのならばという条件付きですが、耐久性を含めて店舗のBGM用として優れます。

 家庭用として壁掛けする方は少数派でしょうが、多チャンネルの本格的なシアターにおける、リアスピーカーなどには、使えるでしょうか。


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 【2019年発売】[ペア]

 17・JBL STUDIO 630 JBLS630WJN
  ¥99,999 Amazon.co.jp (10/19執筆時)

インピーダンス:6Ω
再生周波数帯域:50Hz〜40kHz
許容入力:
最大入力:
推奨アンプ出力:150W
サイズ:幅230×高さ372×奥行270mm

 JBL STUDIO 630は、JBLの上級機です。

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 本体のサイズは、幅230×高さ372×奥行270mmです。

 幅が23cmなので、スタンド設置向きの「LLサイズ」です

 インピーダンスは、です。

 パワーは、最大入力が150Wです。

 さすがに余裕があります。

 再生周波数帯域は、40Hz-40kHzです。

 レンジは広めで、低域のスペックが良い上でハイレゾ基準にも対応する水準です。

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 スピーカーは、2ウェイバスレス方式です。

 トゥイーターは、25mmのHDIホーン搭載コンプレッションドライバーです。

 下位のSTAGEシリーズ でも採用されていた、浅めのウェーブガイドを伴うホーン型のユニットです。

 そちらはアルミドーム型でした。こちらは、振動を狭い開口部に集めて「圧縮」してから、ホーンで拡げて送り出す方式です。指向性の調整力が高いので、音量を上げても明瞭さと余裕を保ちやすい上位仕様です。

 楽器の音の区別が付く解像感が期待できます。

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 ウーファーは、16.5cmと大きめです。

 素材は軽さと剛性を両立するPolyPlasコーンを採用しています。

 紙系パルプにポリマー加工を施したJBLでは定番の加工です。充実した低音域の品質を担保しつつ、分割振動を抑制することで歪みを抑える方向性です。

 音質は、ウーファー部の強化により、下位機(STAGE 250B)よりも低音の質感が一段上です。中・高音域も、ドライバー仕様の変更によって明瞭さに差があります。

 同価格帯の他社機と比べても、中音域の充実と解像感の高さは評価できます。指向性の調整にすぐれる設計のため、設置環境にさほど左右されずステレオ感を得やすく、扱いやすいのも特長です。

 高音域は、情報量が多い上で「鋭さときらびやかさ」が強めです。

 管楽器主体のクラシックや、ピアノを含むジャズなど集中して聴く用途に向きます。小音量でも情報量の落ち込みが小さく、得意です。

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 以上、JBL STUDIO 630の紹介でした。

 バスレフ型の下位機種とは価格差があるため、比較対象は同価格帯の他社機になるでしょう。先述のように、中音域の質が良く、設置環境に左右されにくい点が「売り」なので、設置環境に左右されにくく良音を得やすいという意味で、初心者にも扱いやすい機種に思えます。

 ただし、本機もバスレフ型ですので、ボードなどに置く場合、壁から少なくとも20cmほどは離したほうが音は良いかと思います。

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 【2019年発売】[ペア]

 18・JBL STUDIO 620 JBLS620WJN
  ¥82,040 Amazon.co.jp (10/19執筆時)

インピーダンス:6Ω
再生周波数帯域:50Hz〜40kHz
許容入力:
最大入力:
推奨アンプ出力:100W   
サイズ:幅190×高さ312×奥行240mm

 なお、同じホーン型を採用し、多少小型にしたシステムも売られます。

 こちらの場合、ウーハーが13.3cmと小型化します。

 25mmのHDIホーンは上位機と同型です。設置性はこちらの方が良いですし、部屋のサイズ感をふまえてこちらを選ぶのも手でしょう。

 ただ、視聴した限りで、値段差がそこまでない割に低音の量感では結構差があった部分で、設置環境が許すならばこちらに限っては、上位機を推します。


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 【2021年発売】[ペア]

 19・JBL L52 Classic JBLL52CLASSICBLK
 19・JBL L52 Classic JBLL52CLASSICORG
 19・JBL L52 Classic JBLL52CLASSICBG
  ¥108,000 Amazon.co.jp (10/19執筆時)

インピーダンス:4Ω
再生周波数帯域:47Hz〜24kHz
許容入力:
最大入力:
推奨アンプ出力:10–75 W
サイズ:幅197×高さ331×奥行216mm

  L52 Classic は、米国のJBLのハイグレード機です。

 主張があるタイル状のグリルで、店頭でも目立つ製品です。

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 本体のサイズは、幅197×高さ331×奥行216mmです。

 同社の大きめのL100 ClassicL82 Classicは、その旧機種を含めてデンキヤの試聴コーナーではお馴染みです。

 本機はその小型版といえ、幅も20cm以内に収まります。

 インピーダンスは、です。

 パワーは、推奨アンプ出力は、RMS表記で75Wです。

 RMSは値が低めに出るので、このクラスの他機に比べて弱いわけでもないです。

 再生周波数帯域は、47Hz-24kHzです。

 本機は、業界のハイレゾ規格の水準(40kHz)を満たしません

 ただ、その部分だけで音質は決まらないのは繰り返し書いてきた通りです。

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 スピーカーは、本機も、2ウェイバスレフ型です。

 ウーファーは、13.3mmのピュアパルプコーン・ウーファーです。

 軽量パルプであることを示しますが、それ以上の説明はなく、そこまで凝った仕様ではないようです。とはいえ、昔から伝統あるシリーズなので、あえての採用と思います。

 ただ、アルミダイキャスト製フレームの採用など、それを活かすための技術は見どころです。

 トゥイーターは、1.9cmのチタンドーム・ツイーターです。

 ウェーブガードなどの部分は同じですが、素材面で下位機種との差を付けています。素材由来だと思いますが、高音域の「輪郭」は下位機に比べてもしっかりしています。

 音質は、やはり、中音域の安定感が強調できます。

 同社の大きな上位機だと、似たフェイスの3ウェイもあります。しかし、試聴の限り、本機のほうが聴き疲れしない音質です。ボーカルを含めて聞きとりやすく、音の籠もりを感じません。

 低音域は、質感も量感も十分に思います。あえて言えば、量感はゲームや映画用では物足りないことがありますが、このクラスのスピーカーでそれにふさわしい量感を得たい場合は、サブウーファー併用が前提でしょう。通常の音楽視聴なら十分以上です。

 高音域は、チタン・ドームの効果もあり明晰できめ細かい音質です。一方で、ハイレゾ認証要件(40kHz以上)には満たない製品ですが、人間の可聴域はおおむね20kHz以下である点と、ハイレゾ音源は可聴帯域内の処理が有利になる場合が多いため、本機でハイレゾを聴いても音質的なメリットは感じられます。

 中音域は、JBLですので優秀です。元気の良い音質で、ボーカルが前に出て、聴いていて楽しい音質です。

 もちろん、40kHzという数字は無意味ではなく、「設計上の余裕」を示す要素です。可低価格帯のスピーカーの場合、仕様上「配慮がある」ことを示唆する点で重要と言えます。ただ、本機のような10万円前後のモデルでは「話は別」で、「総合力」で評価するべきことがらです。

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 以上、JBLのL52 Classic の紹介でした。

 伝統のシリーズをもとにした最新型のブックシェルフです。JBLの上位機にはクセが強めの機種もありますが、本機は素直で扱いやすい音質です。

 レファレンス機を含め「JBLサウンド」として筆者が思い浮かべる傾向に近い音を出せている製品です。適切な設置環境なら小音量でも定位が安定します。

 ただ、前面バスレフとはいえ、後壁との距離が短すぎると(とくに近接視聴では)低音域が膨らみ過ぎる印象です。デスクトップ利用はそれなりの距離をとっても向かないので、しっかりしたスタンド設置を考えてください。

2-2・JBLのスピーカーの比較

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 つづいて、アメリカのポークオーディオのブックシェルフスピーカーです。

 結構な老舗オーディオブランドですが、日本の販売はしばらく途絶えていました。ただ、2021年頃から再度展開がはじまっています。


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 【2021年発売】【ペア】

 20・Polk Audio Monitor XT MXT15
  ¥21,273 Amazon.co.jp (10/19執筆時)

インピーダンス:4Ω
再生周波数帯域:48Hz〜40kHz
許容入力:
最大入力:
推奨アンプ出力:30–150W
サイズ:幅166×高さ270×奥行183mm

 XT15 (MXT15)は、Polk Audio のスピーカーです。

 同社は米国の老舗オーディオ企業です。

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 本体のサイズは、幅166×高さ270×奥行183mmです。

 幅16cmは、ブックシェルフにおいては「Mサイズ」で、中型に分類できます。

 一方、写真はスタンド設置ですが、この程度ならば机にも置けるでしょう。

 インピーダンスは、です。

 ただ、8Ωまで互換との但し書きがありますので、メーカーは利用を認めています。

 パワーは、推奨アンプ出力として、30–150Wです。

 再生周波数帯域は、48Hz40kHzです。

 ギリギリながらハイレゾに対応する設計です。

 カタログでもその部分は強調します。

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 スピーカーは、2ウェイバスレフ型です。王道をいっています。

 構成は、2.5cmのドーム型トゥイーターと13cmコーン型ウーファーです。

 トゥイーターは、同社の中級品でも使われるテリレン素材(ダグロン)です。

 ポリエステル系の繊維で、靴下などにも使われます。アルミ系素材より「きらびやか」ではなく、刺した感じがない音質です。逆に言えば、そこまで、華やかではないです。

 ウーファーは、アルミ系に見えます。

 しかし、ペーパーコーンに何かしら塗布した複合素材(バイ・ラミネート・コンポジット・ウーファー)とのことです。

 音質は、中高音域は、外国製としては周波数帯域が広めです。実際、高音域の抜けは良く、明るい音質傾向です。

 一方、低音域もボリューム感がありますが、重低音部分では、Mサイズとしてはやや控えめの設計に思います。

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 以上、Polk AudioXT15 (MXT15)の紹介でした。

 シンプルな作りで音にクセもないです。15cm以上の隙間があれば、あとは、多少適当においてもステレオ感を得やすそうに感じました。

 ただ、こちらはシアター用が主なニーズです。それもあり、2.1chなど、サブウーファ利用に合う低域の質のようには思うので、好みの音にする場合、ある程度のEQを調整するなどは必要そうです。

 逆に言えば、2.1ch構成のステレオにするのには「向く」でしょう。

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 【2021年発売】【ペア】

 21・Polk Audio Monitor XT MXT20
  ¥29,520 Amazon.co.jp (10/19執筆時)

インピーダンス:4Ω
再生周波数帯域:38Hz〜40kHz
許容入力:
最大入力:
推奨アンプ出力:  
サイズ:幅191×高さ330×奥行280mm

 なお、1サイズ大きなMXT20も登場しています。

 幅は、19.1cmです。

 ブックシェルフとしては「Lサイズ」と言える大きめな製品で、スタンド設置向きです。

 ユニットは、先ほどの製品と素材などは同じです。

 ただ、ウーファーが16.5cmと大きくなるので、低音の膨らみはより充実します。

 素材などは、先ほどの機種と同じです。また、サブウーファ利用が向きそうな音質傾向である部分も先ほどの機種と似ます。

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 【2018年発売】【ペア】

 【10cmウーハー】

 (ES10BLK ES10BRN ES10WHT 各色)

 22・Polk Audio Signature Elite ES10
  ¥32,086 楽天市場 (10/19執筆時)

再生周波数帯域:80Hz - 40kHz
推奨アンプ出力:20–100 W
サイズ:幅137×高さ213×奥行157mm

 【13cmウーハー】

 (ES15BLK ES15BRN ES15WHT 各色)

 23・Polk Audio Signature Elite ES15
  ¥43,467 楽天市場 (10/19執筆時)

再生周波数帯域:44Hz - 40kHz
推奨アンプ出力:20–100 W
サイズ:幅190×高さ359×奥行354mm

 【16.5cmウーハー】

 (ES20BLK ES20BRN ES20WHT 各色)

 24・Polk Audio Signature Elite ES20
  ¥47,539 楽天市場 (10/19執筆時)

再生周波数帯域:41Hz - 40kHz
推奨アンプ出力:20–125 W
サイズ:幅216×高さ354×奥行354mm

インピーダンス:4Ω(最小)

 Polk Audio Signature Eliteは、アメリカのポークの販売するブックシェルフです。

 同国の古豪ですが、一時期日本で見あたらなくなったあと、最近、日本での展開モデルがまた増えてきました。

 ウーハーのサイズで3展開ですが、同時に見ていきます。

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 本体のサイズは、上表で示したように3種類で変わります。

 幅は、下位機から137mm、192mm、216mmです。

 ES10は、設置性重視のSサイズですが、あとは、L・LLサイズと言えますので、設置場所は確認しましょう。

 もっとも、設置場所があり近接視聴で使うわけでもないならば、6畳程度の部屋で使っても、ども問題ないです。

 インピーダンスは、(最小値)です。

 ただ、8Ωのアンプも対応との表記があります。6Ωを含めて問題ないでしょう。

 音圧は最上位機で、86dBです。

 パワーは、同社は非開示です。

 再生周波数帯域は、どれも、高音域は40kHzです。

 最上位機を含めて、ギリギリですが「ハイレゾ対応」です。

 下位機(ES10)は、一方、同じウーファーのサイズの他社機に比べても、低音域が80Hzからです。スピーカー部分で詳しく書きますが、2chステレオとしては不向きでしょう。


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 スピーカーは、どれも2ウェイバスレフ型です。

 トゥイーターは、3機共通で2.54cmのテリレン・ドーム・トゥイーターです。

 日本ではダクロンとかテトロンと呼ばれていて、靴下や服などにも使われる繊維です。

 布系のトゥイーターと同じで、角にきらびやかではない、伸び良く素直な音質です。

 ただし、後ほど見る同社の上位機とは素材が異なります。

 ウーファーは、マイカ強化型のポリプロピレンです。

 このタイプは、他社でもお馴染みで、繰り返しになるので説明しません。軽量で剛性のある繊維です。

 音質は、下位機(ES10)は、正直2.0ch目的では、量的に低音不足だと思います。

 背面バスレフ型ですので、壁寄せして補うのにも向かないので、基本的に、5.1chなどをマルチスピーカーの「リア用」です。

 中位機(E15)は、量的に十分な低音です。

 ただ、ユニットを含めて、やはりしっかりしたスタンドを使うか、無理ならば、水平がとれる場所で、効果的なインシュレーターがかなり効くと思います。

 中・高音域は、テリレン・ドームの採用で、帯域のつながりが「なめらか」で、耳あたりも良いです。このクラスとしては情報量(解像感)も必要十分といえ、ハイレゾ音源の細部のニュアンスも細部のニュアンスを確認できる水準です。

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 以上、Polk Audio Signature Eliteの紹介でした。

 基本的にはシアター用です。

 小型(ES10)を除けば、強いクセはないですしステレオでも使えると感じました。ステレオで使いならば、 ES15がバランスが取れていると言えます。設置はただ、基本的には「スタンド向き」でしょう。


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 【2021年発売】【ペア】

 25・Polk Audio Reserve R200
  ¥80,756 Amazon.co.jp (10/19執筆時)

 (ディーラー改良版)

 25・Polk Audio Reserve R200 R200-ref
  ¥91,800 楽天市場 (10/19執筆時)

インピーダンス:3.8Ω(最小)
再生周波数帯域:39Hz - 50kHz
許容入力:30–200 W
最大入力:
推奨アンプ出力:30-200W   
サイズ:幅190×高さ359×奥行354mm

 Polk Audio Reserve R200は、アメリカのポークの販売するブックシェルフです。

 R200-refは、お馴染みの吉田苑によるチューニング版です。独自の制振強化をなしたものです。

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 本体色は、ブラウン( R200BRN )・ブラック(R200BLK)・ホワイト( R200WHT)の3色が用意されます。

 本体のサイズは、幅190×高さ359×奥行354mmです。

 幅は「Mサイズ」相当ですが、高さと奥行を考えると、スタンド設置に向く「Lサイズ」といえます。

 インピーダンスは、3.8Ω(最小値)です。

 公称インピーダンスは分かりませんが、高級機だと低めの数値が好まれるので、それに合わせた感じです。実際には

8Ωまでは対応表記です。

 音圧は86dBです。

 パワーは、許容入力で、最大200Wです。

 再生周波数帯域は、39Hz-50kHzです。

 先述のように、この部分のスペックは「参考程度」ですが、低音域のスペックがかなり良い上で、高音域もハイレゾ水準です。

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 スピーカーは、2ウェイバスレフ型です。

 トゥイーターは、2.5cmのピナクルリングラジエーターです。

 凸形状のリング式です。指向性の改善に効果的でスイートスポットが広めになります。この方式は、昔ONKYOが出していましたが、ウェーブガイドなど追加の工夫を施すことで 効果の部分でプラスαがある新世代です。。

 ウーファーは、16.5cmのタービンコーンです。

 コーンの中間に剛性のある発泡素材を組込むことで、軽量・剛性という性能の良いウーファーの必須条件を目指したものです。独特の波うったリブ形状は、振動制御のための杭風で、主に中音域の品質向上を目指したものです。

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 バスレフポートは、X-Port(Eigentone Filter)を備えます。

 ポートを含む筐体由来の共鳴ノイズの外漏れを防ぐための工夫です。ポートに並列接続した「片側が塞がった短い管」を使い、問題の帯域だけ吸音材で減衰します。一方、バスレフは低音ブーストの水準は保ちながら、低・中音域の品質を維持できる仕組みです。同社の上位機固有の工夫です。

 音質は、低音域は、音源に忠実な再生で、ぼやけにくい傾向です。中音域は、先述のバスレフポートの工夫などの効果で、濁りの少ない印象です。

 高音域は本機の最も目立つ特徴と言えます。リング・ラジエータ型ツィーターの採用により、視聴位置が少しはずれても定位が乱れにくく、きめ細かく質の良い高音域が得られます。

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 以上、Polk Audio Reserve R200の紹介でした。

 同価格帯の製品だと、さきほどみたJBL L52 Classicがライバルです。音質は、ウーファー口径の利点もあり、低音域の質感と量感は本機が優位でしょう。

 中音域・高音域の品質は一長一短です。総合的には、音源に左右されない「味付けのなさ」では本機が優ります。一方、ボーカルの押し出しの強さという点で「中音域の良さ」を感じやすいのは、JBLだと思います。

 小音量再生・近接視聴については、それぞれの良さがあるため、一概にどちらが上とは言えません。

 ただ、設置性については、本機は奥行きが深い上で、先述のバスレフポートの仕様上、後壁から20–30 cmは離したいので、設置の自由度はやや低めです。

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 【2021年発売】【ペア】

 26・Polk Audio Reserve R100
  ¥62,691 Amazon.co.jp (10/19執筆時)

 (ディーラー改良版)

 26・Polk Audio Reserve R100 R100-ref
  ¥70,800 楽天市場 (10/19執筆時)

インピーダンス:3.5Ω(最小)
再生周波数帯域:44Hz - 50kHz
許容入力:
最大入力:
推奨アンプ出力:30-150W    
サイズ:幅166×高さ324×奥行240mm

 なお、本機の1サイズ小さめになるのがReserve R100です。

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 本体色は、こちらも、ブラウン( R100BRN )・ブラック(R100BLK)・ホワイト( R100WHT)の3色が用意されます。

 やはり、吉田苑によるチューニング版がこちらでも見られます。

 ユニットは、一方、ウーハーはが13.3cmと小さくなります。

 あとは大きく変わりません。

--

 結論的にいえば、上位機(R200)でも、横幅は大きく変わらないため、6畳程度でも部屋の長辺を使って聴くならばそちらがが良さそうです。

 一方、近接視聴になる場合は本機(R100)のほうが安定して使える面はあります。しかし、このしりーずは、先述の背面ポートの仕様からして、壁からやや離さないと本来の音質を確保しにくい仕様です。近接用途なら、より適した機種が他にあるでしょう。

2-2・クリプシュのスピーカーの比較

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 つづいて、アメリカの米国のクリプシュのシアタースピーカーです。


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 【2022年発売】【ペア】

 27・クリプシュ Reference R-50M
  ¥48,780 Amazon.co.jp (10/19執筆時)

 【2018年発売】【ペア】

 27・クリプシュ Reference R-51M
  ¥50,112 Amazon.co.jp (10/19執筆時)

インピーダンス:8Ω
再生周波数帯域:58Hz〜21kHz
許容入力:75W
最大入力:300W
推奨アンプ出力:
サイズ:幅178×高さ354×奥行229mm

 Klipsch R-50M は、米国の老舗音響ブランドのクリプシュのスピーカーです。

 旧機種(R-51M)はONKYOの取扱でしたが、今はTEACになりました。

 型番が若いですが R-50Mのほうが新型です。R-51MとR-50Mの違いは、ウーファー素材とホーン部分が刷新され、低音域がより充実するように改良されました。

 結構大きな変更なので、新機種が良いでしょう。

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 本体のサイズは、幅178×高さ354×奥行229mmです。

 少し大きめの「Mサイズ」ですが、幅は17.8cmです。

 家庭での設置には問題なさそうです。

 インピーダンスは、(相当)です。

 問題ないでしょう。

 パワーは、許容入力が75W、最大入力が300Wです。

 インピーダンスとの兼ね合いもありますが、このクラスでは優秀でしょう。

 再生周波数帯域は、58Hz-21kHzです。

 ハイレゾにはしたがって、非対応です。

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 スピーカーは、2ウェイバスレフ型のユニットです。

 ウーファーは、13.3cmのスパンコッパーTCPウーファー (Thermoformed Crystalline Polymer )です。このシリーズの「」です。

 素材は、熱成形結晶性ポリマー(Thermoformed Crystalline Polymer)です。雲母型(Mica)と違い、素材で剛性を持たせるのではなく、形状面の工夫で剛性を担保します。むろん、軽量です。

 共振しにくいので、トゥイーターとの音の継ぎ目(クロス)あたりの自然さを重視した感じです。 なお、銅色は銅や、銅繊維という記載はなく意匠のようです。

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 トゥイーターは、2.54cmのアルミニウム・ドームを用いたLTS(Linear Travel Suspension)ツイーターです。サペンションには、デュポンの耐熱・耐寒に強いポリイミドフィルム「カプトン」を用い、動きをまっすぐ保って歪を減らし、少ない出力でも細かな音まで引き出します。

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 本機は、クリプシュ伝統のトラクトリクス・ホーンを採用し、音の向きをしっかりコントロールしながら効率よく鳴らします。 

 この形状は、クリプシュのメーカーとしての「」でもあります。

 なお、すでにみたJBL(JBL STAGE 250B)は浅めのホーン型(HDIウェーブガイド)でした。指向性を整えるという点は同じで「幅広く均一に」という訴求も似ていますが、目的はやや異なります。

 本機は限られたカバー範囲(90°×90°)で音色と定位を一定に保つ設計で、HDIのように浅めのウェーブガイドで「自然に広い範囲」に拡げる発想とは少し違います。

 つまりトーイン(スピーカーの角度つけ)して、部屋の中央で1〜2人が聴く位置関係に合わせると良音を得られるタイプです。設置とセッティングを含めて楽しみたい方に向きます。

 音質は、中・低音域は、ウーファー素材由来で、自然な伸びというよりタイトな感じです。中低音の質を重視して、量感はほどほどです。

 重低音は、音楽視聴ならば十分以上に思えますが、テレビ用(映画・ゲーム)に使う場合は、サブウーファを併用したい感じです。 

 高音域は、先述のように、スピーカーの方向などのスペックを「詰めた」場合は、定位感があり、伸びやかな音質です。アルミ系トゥイーターを採用する他社と同じで「明るく元気」な高音です。

 ただ、周波数レンジからしてハイレゾ対応度はそこまで高くないでしょう。ハイレゾ音源を再生する場合可試聴域での改善効果はあるでしょうが、音源由来の「微細な音探し」までするような目的には、向かないと言えます。

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 以上、クリプシュR-50M の紹介でした。

 このクラスの製品では技術的説明が充実しており、独自技術への自信の程がうかがえます。先述のように、部屋中どこでも「良音を得る」というより、しっかりしたスタンドに載せて、部屋の中央のソファに座って聴くような方に向くでしょう。

 一方、バスレフポートが背面に付く仕様なので、壁ぎわ設置にはあまり向かず、20cmほどは最低離したほうが良いでしょう。

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 【2018年発売】【ペア】

 28・クリプシュ Reference R-40M
  ¥40,125 Amazon.co.jp (10/19執筆時)

 【2018年発売】【ペア】

 28・クリプシュ Reference R-41M
  ¥36,468 Amazon.co.jp (10/19執筆時)

インピーダンス:8Ω
再生周波数帯域:71Hz〜21kHz
許容入力:50W
最大入力:200W
推奨アンプ出力:
サイズ:幅146×高さ298×奥行216mm

 なお、1回り小さいサイズのR-40Mも、併売されています。

 旧機種のR-41MR-40Mの違いも、ホーンとウーファー設計です。

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 サイズは、幅146×高さ298×奥行216mmです。

 幅的に「Sサイズ」であり、机などへの設置性は良さそうです。

 ウーハーは、ただ10.1cmなります。

 あとはツイーターのサイズを含めて、他の部分の技術は同等です。

 音質は、傾向としては、先ほどの機種の説明と共通します。

 高音域は「元気で伸びやか」で、中低音域はタイトで「キビキビ」系です。

 クロス(音の継ぎ目)も共振しにくい設計であり、品質傾向は同じです。

 一方、低音の量感はウーファーサイズの限界から、本格的なスタンド設置だと、やや非力でしょう。多チャンネルシステムの「リアスピーカー向き」の設計でしょうし。

 ただ、机設置でのデスクトップ利用は、逆にこのあたりの口径が向きますが、既に見たDALI( KUPID)と違って、壁ピタ」だと、近接視聴時の音質は落ちるでしょう。20cmほどは欲しいところです。

 ボード上でBGM用途に使う場合は、逆にあまり離しすぎると、低音の「壁ブースト」が聴かない部分で、不利になります。また、先述のように、定位感を得るためには、トーイン(スタンド角度の調整)が必要なタイプなので、この用途に向くかはやや微妙です。

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 結論的にいえば、狭めの部屋に、スタンドを設置し、しっかり調整して、近接視聴するという「レア条件」ならば、ありな製品に思えます。

 ただ、2チャンネルステレオとして必ずしも使いやすくはなく、クロウト向きな仕様です。


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 【2022年発売】【ペア】

 29・クリプシュ REFERENCE PREMIERE RP-600M II
  ¥107,009 Amazon.co.jp (10/19執筆時)

インピーダンス:8Ω
再生周波数帯域:44Hz〜25kHz
許容入力:100W
最大入力:400W
サイズ:幅200×高さ400×奥行330mm

 RP-600M II は、米国のクリプシュの上級のスピーカーです。

 同社の中級機は先ほどみましたが、その1つ上位クラスのブックシェルフです。

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 本体のサイズは、幅200×高さ400×奥行330mmです。

 「Lサイズ」と言えますが、幅は狭めなので、キャビネットでも置けます。

 ただ、先述のように、クリプシュのシステムは設置条件で音が大きく変わりやすいので、スタンドか、あるいは、ある程度しっかりしたインシュレーターは、マストでしょう。

 インピーダンスは、です。

 パワーは、許容入力が100Wで、最大入力が400Wです。

 スピーカーも大きめなので、ある程度の質のアンプと合わせると本領を発揮しそうです。

 再生周波数帯域は、44Hz-25kHzです。

 ハイレゾは(業界統一規格からいって)非対応です。

低音域は同社の下位機種に比べても充実します。

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 スピーカーは、2ウェイバスレフ型です。

 ウーファーは、16.51cmと大きなセラメタリックコーンウーファーです。

 下位機種と同じ銅色ですが、ベースはアルミ合金で、それを陽極酸化(セラメタリック)して、硬化したものです。なお、セラミックではなく「セラミックのような硬い薄い皮膜」であり、あくまで、アルミです。

 ちなみに、アルミの電気処理技術(アノダイズ:陽極酸化)は、先ほどみたJBLではアルミのトゥイーターに使っていました。

 これによる音質傾向は後で書きますが、個人的にアルミ系ウーファーを長年愛用しており好きな音質です。

 メーカーの表現だと、剛性が下位機より高く、音の制動(ダンピング)も良いとされます。

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 トゥイーターは、2.54cmのLTSチタンドームツイーターです。

 LTS(LINEAR TRAVEL SUSPENSION )の部分は下位機と同じですが、素材をより剛性の高いチタンにすることで、歪みを抑える狙いです。

 実際、音の輪郭(ハリ)がクッキリ感じられ、高音域の解像感は下位機に比べてもかなり優秀です。

 ホーンは、下位機と同じでトラクトリクス・ホーンを採用します。

 目的は、下位機と同じで、限られた範囲(90°×90°)の定位の改善ですが、圧縮成形シリコンのフェイスとするなどで、より共振しにくい構造にしています。

 そのため、「シリコン複合ハイブリッドTractrixホーン」という名前としています。

 音質は、低音域は、先ほどのウーファーの加工を反映し、タイトで「キレが良い」タイプです。質感もよくボワつかず、サイズ由来の量感も感じやすいです。

 重低音部分は、ブックシェルフ(Lサイズ)としては出ます。音楽用としてはこのグレードでは十分です。ただ、テレビ用(映画・ゲーム)で、重低音を重視するならば、サブウーファ利用がよいでしょうが、(地鳴り不要ならば)それでも満足できるでしょう。

 これ以上の量感が欲しいならば、トールボーイなど筐体が大きなものを考えるしかないです。

 中音域は、おもにトゥイーターが担当する(クロス1.5kHz)仕様です。ボーカルは、クッキリ系で、艶やかです。

 高音域は、先述のように「明るく、元気」であるうえで、解像感が高く「ハリ」があります。

 先述のように、このクラスでも周波数帯域は25kHzですが、ハイレゾ音源の再生でも、その改善効果は十分に足るでしょう。

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 以上、クリプシュRP-600M II の紹介でした。

 基本的な2ウェイのユニットを堅実に高めた名前通りの「プレミア」な製品です。

 JBLなどの10万円前後の製品がライバルです。設置環境の善し悪しで音質が大きく変わりやすい仕様なので、しっかりしたスタンドで、配置、セッティング自体も「楽しめる」かたに向くように思います。

 一方、スペック的に、ハイレゾ対応ではないですが、本機は、トゥイーター部分の工夫が良く、可試聴域範囲における音源由来の改善効果は十分感じられます。

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 【2022年発売】【ペア:黒 or 茶】

 30・クリプシュ REFERENCE PREMIERE RP-500M II
  ¥82,636 Amazon.co.jp (10/19執筆時)

インピーダンス:8Ω
再生周波数帯域:50Hz〜25kHz
許容入力:75W
最大入力:300W
サイズ:幅173×高さ334×奥行270mm

 なお、1回り小さいサイズの RP-500M2 も、併売されています。

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 スピーカーは、ウーファーが13.34cmとなります。

 ただ、素材を含めて後のスペックは同じです。

 サイズは、幅17cmクラスと少し小さくなるので、設置性はこちらが良いです。

 ただ、本機の場合も、壁ピタ設置は、音質部分であまり向かないので、しっかりしたスタンドを装備して使う方に向くでしょう。

---

 結論的にいえば、サイズに問題ないならば、RP-600M II のほうが、一回り安定した低音の量感を得られる点でおすすめに思います。

 逆に、スペースが限られる場合などでこちらを考える場合、その部分以外は同方向の音質です。「セラメタリック」などの技術部分に興味が湧いた方は、(倍の値段ではあるのですが)冒頭見た、同社のエントリークラスと、少し見比べてみる価値はあるでしょう。

2-4・ELACのスピーカーの比較

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 つづいて、ドイツのELACのブックシェルフスピーカーです。

 世界的に知られる高級オーディオメーカーです。(安くないですが)エントリークラスのならば、まあまあの値段に収まるので、紹介しています。


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 【2024年発売】【ペア】

 31・ELAC Debut B5.3
  ¥70,768 楽天市場 (10/19執筆時)

インピーダンス:6Ω
再生周波数帯域:41Hz〜35kHz
許容入力:
最大入力:140W
推奨アンプ出力:
サイズ:幅172×高さ311×奥行267mm

 Debut B5.3 は、ドイツのエラックの販売するブックシェルフ型スピーカーです。

 結構な額ですが、同社のオーディオとしては「入門機」にあたります。

 同社のDebut 3.0シリーズに属します。

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 本体のサイズは、幅172×高さ311×奥行267mmです。

 いわゆる「Mサイズ」ほどの設置性で、問題ないです。

 インピーダンスは、一般的なです。

 パワーは、最大入力が120Wとなります。

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 再生周波数帯域は、48Hz〜38kHzです。

 業界のハイレゾ認定基準(38kHz)にわずかに満たないです。

 延ばせば届いたような気はしますし、JASの基準ですし、帯域範囲内の音質の安定性を重視したのかなと思います。無理に延ばす必要はないですし、この水準ならば問題ないです。

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 スピーカーは、2ウェイバスレフ型です。

 トゥイーターは、2.5cmアルミ製のドーム型です。

 カスタム仕様の「ハードドーム・トィータ」です。他社機に多い「ソフトドーム」ではない部分が強調されます。

 スピード感の向上や、音の正確性(明晰感)に寄与します。

 先述のように、明示的にハイレゾには対応しませんが、高音域は解像感を伴っており、はっきり言えば「ハイレゾ向き」と言っても良いです。

 一方、(浅めの)広指向性のウェーブガイドが回りにあります。JBLなどと同じで、ステレオ感が得られるリスニングポイントを拡げるためです。

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 ウーファーは、13.5cmです。

 素材は中級スピーカーではお馴染みのアラミド繊維で、軽量で剛性の高い素材です。

 いわゆるケプラーで防弾チョッキに使われる素材で、クセのないフラットな性質です。中音域の歪み、濁りの改善効果が高い上で、中低音域の量感も出しやすいため高級機だと割とよく見ます。ボイスコイルも4cm弱と大きめです。

 バスレフポートは、デュアルフレアポートです。

 DALI(KUPID DALI)と同じですが、そちらと違い設置面で「壁ピタ」目的ではなく、実際不向きです。主に、ポート由来の風切り音対策のための装備です。

 音質は、全音域とも、クセなく、安定感のある音質と形容できます。

 高音域にやはり個性があります。

 ハードトゥイーター由来ですが、情報量(解像感)が豊かである上で、「きらびやかさ」もほどほどで聴きやすいです。ウェーブガイドの作用で広がりも良好です。

 中音域は、やはりアラミド系ウーファーは得意で、ボーカルが「はっきり、クッキリ」素直に出ます。その上で、そこまで前に出ない感じで、先述のように、バランスが良いです。

 低音域は、量感、質感とも十分です。

 重低音は、音楽視聴ならばサブウーファ利用は不要です。一方、「地鳴り」系の作用を期待する場合、サブウーファ利用をおすすめします。最も、これは、今回紹介している機種だと、全てそうです。

---

 以上、 ELACDebut B5.3 の紹介でした。

 近年きいたブックシェルフでは、サイズ感に左右されないどっしりした音質でした。

 ケプラー系ウーファーの製品は個人的にも好きな音質の場合が多いですが、本機も、安定的で、しっかりした中・低音の質感です。

 トゥイーターも、十分な解像感を伴います。先述のように、規格上はハイレゾ非対応ですが、実際はそれにも向くと言えます。音源の種類にあまり左右されず上質に再生されるクセのなさが本機の一番特長に思いました。

 設置は、トーイン(スピーカー角度)はあまり付けず、背の高めのスタンドにして、耳位置を合わせる感じがちょうど良いでしょう。


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 【2022年発売】【ペア】

 32・ELAC Uni-Fi Reference UBR62
  ¥122,400 楽天市場 (10/19執筆時)

インピーダンス:6Ω
再生周波数帯域:41Hz〜35kHz
許容入力:
最大入力:140W
推奨アンプ出力:
サイズ:幅208×高さ359×奥行334mm

 Uni-Fi Reference UBR62 は、ドイツのエラックの販売する高級ブックシェルフ型スピーカーです。

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 本体のサイズは、幅208×高さ359×奥行334mmです。

 結構大きめですし、スタンドを使って設置するべきLサイズです。

 パワーは、最大入力が140Wとなります。

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 再生周波数帯域は、41Hz〜35kHzです。

 ハイレゾ規格の水準(40kHz)には満たないです。

 しかし、下位機種と同じで、高音は「ハイレゾ向き」と言える音質です。

 低音域も、ユニットサイズが反映して力強い数字です。

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 スピーカーは、本機は、3ウェイバスレフ型です。

 本機は、トゥイーターとウーファーが同軸上に装備される特殊配置です。(Uni-Fi COAX Drive)。

 他社を含めて、昔からある仕組みです。同軸上の配置にするのは、スペース部分の理由の他、中・高音域の位相差のズレを防ぐ目的があります。

 ただ、ミッドレンジコーンが実際的に、トゥイーターの「ウェーブガイド」として機能するので、トゥイーターがその振動の影響を受けやすい部分があります。

 音の継ぎ目(クロス)の音質が揺れやすいのと、仕組み上、感度が低い(85dB 6Ω)です。

 アンプに要求されるパワーはそれなりに必要なので、合わせるならば10万円前後の製品あたりが適当に思えます。

 インピーダンスは、一般的なです。

 ただ、実動作では3.5Ωまで下がるので、アンプは4Ω基準で90W前後出ていれば問題ないでしょう。

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 トゥイーターは、2.5cmのソフトドーム型です。

 こちらは、ハードドームではなく、普通の仕様です。

 そこまで重視していませんが、旧世代より、レンジを拡げ、音の継ぎ目(クロス)部分の質が改善されたとされます。

 ミッドレンジは、10cmのアルミコーンで、ウーファーは、16.5cmのアルミコーンです。

 いずれも、陽極酸化処理の有無の記載はないです。ただ、されているようなレビューはあります。

 バスレフは、一方、本機は前面です(デュアル・フレアド・スロット・ポート)。

 風切り音を抑えつつ、壁由来の低音の質低下の影響を防ぐためです。

 ただ、「壁ピタ」に配置できるわけではなく、20cmほどは少なくとも離した方が良い仕様です。ただ、風の出口が塞がれないので、その枠外ならば音質面のリスク少なめで「壁を利用した低音の量感強化」はできるでしょう。

 音質は、ボーカルの質がこの方式だと良くなります。

 本機の場合、同心円状のミッドレンジ(コア部分)とトゥイーター(周辺部分)の担当です。一般的な、2ウェイだと、上下に分かれたトゥイーターとウーファです。同一点からボーカル成分が分けなく出るので、時間と向きのズレがなく、質良く出してくれます。

 低音域は、タイトでぼやけない感じで質は良いです。

---

 以上、 ELACUBR62 の紹介でした。

 小さくない本体ですが、その容積限界ギリギリのサイズのスピーカーを搭載し、しかも、下部バスレフの3ウェイにしているという、非常に面白いユニットです。

 音の継ぎ目もELACですし心配ないです。「ボーカル成分」を重視して選ぶ場合候補と鳴ります。ただし、先述のように、あまり感度が良くないので、ある程度パワーがあるアンプと合わせてください。

次回に続く
小型スピーカーのおすすめは結論的にこの機種!

 というわけで、今日は、小型ブックシェルフ型スピーカーの比較の2回目記事でした。

 しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。

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3・小型スピーカーの比較 (3)
 3-1:KAF・イクリプス ほか
 3-2:最終的なおすすめの提案【結論】

中音域の聴きやすさ ★★★★★
低音の迫力     ★★★★★
高音域の伸び    ★★★★★
小音量の音質    ★★★★★
音のユニークさ   ★★★★★
総合評価      ★★★★★

 次回の3回目記事こちら)は、ここまで見た企業の以外の製品をみたあと、「結論編」に入ります。

 いつものように、、目的別・予算別に、Atlasのおすすめ機種を提案していきたいと思います。

 引き続き、よろしくお願いします。

 3回目記事は→こちら

posted by Atlas at 21:01 | オーディオ製品

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