【今回レビューする内容】2025年 ビジネス向けプロジェクターの性能とおすすめ・選び方:仕事 業務用プロジェクター 会社 教室 学校用プロジェクター:軽量型・据置型:製品の違いと性能ランキング
【比較する製品型番】EPSON EB-E12 EB-W55 EB-FH08 EB-FH54 EB-1780W EB-1795W EB-1785W EB-L210SW EB-L210W EB-L260F EB-810E EB-800F EB-770F EB-760W リコーPJ WX2440 リコー PJ WXL3540 PJ HDL3530 BenQ EB-535W Acer H6542 X1228i X1328Wi X1328WH H6518STi XL2330W PL2520i ベンキュー MW560 MH560 NEC ViewLight NP-MC453XJL NP-MC393WJL NP-ME423WJL NP-ME403UJL ViewLight NP-P547ULJL NP-P627ULJL NP-M421WLJD NP-M401HLJD シャープ ViewLight XP-M421W-W XP-M401H-W
今回のお題
安くて画質の良いビジネスプロジェクターのおすすめはどれ?
ども、Atlasです。
今日は、2025年6月現在、最新の仕事用・ビジネス用プロジェクターの比較です。
解像度・明るさなどの画質画の違いほか、設置距離や設置方法、あるいは、ネットワーク部分の利便性などに注目しながら比較します。
持ち運べるタイプも扱います。
1・業務用プロジェクタの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:ベンキュー〈台湾〉
1-3:ACER〈台湾〉
1-4:エプソン 〈日本〉
2・業務用プロジェクタの比較 (2)
2-1:リコー〈日本〉
2-2:NEC・シャープ〈日本〉
2-3:最終的なおすすめの提案【結論】
記事では、はじめに「選び方の基本」を紹介します。
その上で、メーカー順で各機を比較していくつもりです。2023年にキヤノンが撤退したので、ラインナップが少し寂しくなりました。
画質の良さ ★★★★★
本体の軽さ ★★★★★
焦点距離の短さ ★★★★★
準備の手軽さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最後に「結論」として、上表のようなポイントから、Atlasのおすすめ機種!を提案していきます。
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1・家庭用プロジェクターの比較
用途:ホームシアター(初級)
解像度:フルHD・WXGA のみ
重さ:2.5kg 〜
2・家庭用4Kプロジェクターの比較
用途:ホームシアター(上級)
解像度:4K・4K UHD のみ
重さ:3kg 〜
3・ビジネス用プロジェクターの比較
用途:プレゼン・会議室の据置
解像度:フルHD・WXGAほか
重さ:1.5kg 〜
4・小型ポータブルプロジェクターの比較
用途:寝室用・持ちはこび用
解像度:4K・フルHD・WXGAほか
重さ:300g 〜
なお、今回の記事は、このブログのプロジェクター記事全体としては、3回目記事となります。
ビジネス用でも、超小型のモバイル製品については、4回目記事(こちら)での扱いです。
よろしくお願いします。
1-1・ビジネスプロジェクターの選び方の基本
はじめに、仕事用プロジェクターの「選び方の基本」の説明からです。
Atlasは、ビジネス用プロジェクターについては、現在も所有し、10年以上使い回しています。
業務で使ったものを合わせると15機以上は経験していますが、色々試した結果、選ぶ際に最も重要と言えるのは、次の3点です。
1・本体の軽量性
第1に、プロジェクターの軽量性です。
ビジネス用に持ち歩く場合、この部分は重要です。2キロを切ることが快適性の目安です。
サイズも重要ですが、重量の部分を見ておけば、サイズは「後からついてくる」ため、今回は、特に重さを重視しています。
2・明るさと画面解像度
第2に、プロジェクターの明るさと画面解像度です。
明るさは、ビジネス用で最も重要視するべきスペックです。
ルーメンという単位で表しますが、少なくとも3000ルーメン以上ないと、ビジネスシーンで多い、明るい場所での利用に支障が出ます。
なお、コントラスト比は、ホームシアター用と異なり、さほど重要視しなくて良いです。
画面解像度は、もうひとつ注意するべきポイントです。
現在のPCは、1920×1080(フルHD)というフルハイビジョン解像度が普通です。
また、これ以上の2K・4K解像度の場合も、画面の縦横比は16:10とフルHD基準に合わせています。
しかし、格安のビジネスプロジェクターは、1024×768(XGA)と低解像度である上、画面の縦横比が4:3と10年以上前の水準の場合があります。
解像度の違いはカバーできますが、縦横比の違いは、(アスペクト比の設定をしないと)画像が伸びて表示されるなど、クライアント(お客)を含む他人が利用する場合、トラブルの原因になる場合が多いです。
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結論的にいえば、予算があればフルHDを、それが望めない場合でも、16;9と縦横比が近いといえるWXGA(1280×800)は最低限クリアした製品を選びたいところです。
今回の記事では、この部分も詳しく書きます。
3・映像の傾き補正
第3に、プロジェクターの傾き補正機能の充実度です。
ビジネス用で持ち運ぶ場合、必ずしも真正面から投影できる環境でない場合があります。その場合、画面が台形になってしまい不格好です。
ビジネスシーンでは、手動調整する時間がない場合も多いため、自動で画面が補整できる「横方向の傾き自動補正」は最低限欲しいところです。
さらに、横方法の自動台形補正があると、斜めからの投影の場合も手動調整の手間がなく、極めて便利です。
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以上、ビジネスプロジェクターをえらぶ場合の3つのポイントを紹介しました。
前回紹介した【シアター用プロジェクター】もお読み頂いた方は、選び方の基準がかなり異なると感じて頂けたのではないでしょうか。
とくに、ビジネスプロジェクターは、相当安い製品があるため、しっかり選ばないと「安物買いの銭失い」になる可能性が高いので、注意しましょう。
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以上、ビジネス用プリンタの「選び方の基本」の紹介でした。
ここからは、冒頭でも示したような企業順で、機種ごとの比較をしていきます。
1-2・ベンキューの業務用プロジェクター
はじめに、台湾のBENQの仕事用プロジェクタです。
同社はDLP式のプロジェクタでは世界的シェアを占めます。
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なお、以下では、高評価できる点は赤系の文字色で、イマイチな部分は青字で書いていきます。
【2020年発売】
【WXGA 1280x800】
1・BenQ MW560 MW560-JP
¥69,300 楽天市場 (6/25執筆時)
解像度:WXGA 1280x800
コントラスト:20000:1
明るさ:4000ルーメン
100インチ投影距離:3.9〜4.37m
重さ:2.3キロ
【フルHD 1920x1080】
2・BenQ MH560 MH560-JP
¥97,920 楽天市場 (6/25執筆時)
3・BenQ MH560 MH560
¥97,920 Amazon.co.jp (6/25執筆時)
解像度:FHD 1920x1080
コントラスト:20000:1
カラー:RGB
明るさ:3800ルーメン
100インチ投影距離:3.3〜3.63m
重さ:2.3キロ
パネルタイプ:DLP(0.55./ 0.65型)
光源:水銀ランプ
カラー:RGB or RGBW
MW560などは、台湾のBenQのビジネス用プロジェクターの入門機です。
世界的なプロジェクター販売メーカーで、日本での販売歴も長いです。
なお、同社の場合、末尾-JPの製品のみ、2年間の無償点検保証が付く流通限定版です。仕様面では、JPの着かない型番と同じです。
重さは、2.3kgです。
サイズは、 幅296×高さ120×奥行221mmです。
大きめのノートPC並の重さですから、社内などなら問題なく持ちはこびはできるでしょう。
ベンキュー CBP-MS61
¥4,400 Amazon.co.jp (6/25執筆時)
外への持ち出しも別売のキャリーバッグなどにいれれば、可能です。
解像度は、2種から選択が可能です。
上位版は1920x1080(フルHD)です。
ビジネス用の場合、WXGA (1280x800)でも足りる場合多いです。
ただ、最近は映像コンテンツを扱う場合も増えてきたので、スペックは高いに越したことはないでしょう。実際、フルHD対応でこの価格は「安い」ほうです。
画面の明るさは、フルHDで3800ルーメンです。
下位機を含めて、いずれもビジネス用としては十分以上です。
日中利用も問題ない水準です。
なお、この明るさを得るため、RGBカラーに白セルを加えた4セグとなるRGBW、あるいは、6セグ(RGBWYC)など、色域が落ちる方式をとっている可能性があります。
ただ、映像視聴用ではない仕事用の場合、ここは問題ないです。
そうであっても気にしなくて良いかと思います。
投影方式は、DLPです。
素子サイズは、非公開です。
コントラスト比は、20000:1です。
拡張技術(ダイナミックブラック)がないので数字としては低いです。
もともと「黒が締まる」DLPですし、仕事用ならば問題ないです。
ちょっとした動画や静止画の美麗さもある程度期待してよいです。
端子は、シアター用やビジネス用の基本となるHDMI端子を2つと、PC・映像機器用のアナログ端子なども搭載です。
投影距離は、一方、本機の弱点と言えるかもしれません。
100インチサイズの投影には、3.9mからとやや長めです。
ただし、フルHDは多少ですが短くて済んでいます。
傾き補正は、縦のみ自動台形補正対応です(40度)。
一方、横方向は本体の位置を変更するしか修正が効かないため、真正面以外からの投影には不向きです。
Wi-Fi機能は未搭載です。
スマホ画像を投影したい場合は、各社のHDMI変換ケーブル(AVアダプタ)を利用し有線でつなげます。
そのほか、画質の自動調整機能として、「プレゼンテーション」「インフォグラフィック」「スプレッドシート」の3モードがあります。
ソフト的な自動制御とはいえ、オマケとしては面白いですし、実用性もありそうです。
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以上、BenQのMW560などの紹介でした。
最上位機は、予算制限があるなからフルHD解像度を「マスト」と考えて、格安な製品を探している場合は、本機については、選択肢になります。
そのほかの機種も、重さも、2.3kgと抑え気味である上で、レンズが明るいので、評価できる部分が多い機種です。
実際、このグレードの画面の明るさとコントラスト比ならば、シアター用として使えるスペックです。
ビジネス用なので、ファン音対策はそのレベルでしょうが、ビジネスメインだが、家庭でも、お子さんなどと「ちょっとしたシアターも」という用途には良いでしょう。重さも、やや重めながら持ち運んでも使えそうです。
1-3・ACERの業務用プロジェクター
つづいて、台湾のAcerの仕事用プロジェクタです。
ベンキューと共に、日本では、DLP方式のシェアが高いです。
【2022年発売】(一部21年)
【Wi-Fiあり】
4・ Acer X1228i
¥54,800 楽天市場 (6/25執筆時)
パネルタイプ:DLP(0.55型)
解像度:XGA 1024x768
コントラスト:20000:1
明るさ:4500ルーメン(ANSI)
100インチ投影距離:3.9〜4.4m
重さ:2.8キロ
【Wi-Fiあり】X1328Wi (X)
5・Acer X1328Wi
¥55,430 楽天市場 (6/25執筆時)
【Wi-Fiなし】X1328WH (X)
6・Acer X1328WH
¥57,106 楽天市場 (6/25執筆時)
パネルタイプ:DLP(0.65型)
解像度:WXGA 1280x800
コントラスト:20000:1
明るさ:4500 ANSI ルーメン
100インチ投影距離:3.3-3.7m
重さ:2.8キロ
【Wi-Fiなし】(本体白)
7・Acer H6542
¥88,181 Amazon.co.jp (6/25執筆時)
パネルタイプ:DLP(0.65型)
解像度:FHD 1920x1080
コントラスト:13000:1
明るさ:4000 ANSI ルーメン
100インチ投影距離:3.3-3.7m
重さ:2.4キロ
光源:水銀ランプ
カラー:6セグ(RGBCYW)
X1228iなどは、台湾のAcerのプロジェクターです。
スタンダードプロジェクターとして、家庭用・仕事用問わず売っている系統の製品です。
解像度は、3種類から選択可能です。
ただ、ビジネス用に現状で実用水準なのは、WXGA以上でしょう。
XGAは、縦横比が4:3なので、使いにくいです。
ワイドにも切替可能ですが、実際は狭くなりますので。
投影方式は、DLPで、コントラスト比は20000:1です。
カラーホイールは、こちらは、6セグメントカラー(RGBWYC)です。
普通のRGBに対して、白ピクセルを加えることで、明るさを稼ぎつつ、YCも加えることで、色域・コントラストの部分を、担保する工夫です。
RGBWYCは、スペック的には、DLPの弱点である日中利用を改善した上で、DLP(RGB)相当の映像美を担保したと言えそうです。
画面の明るさは、4500 ANSIルーメンです。
フルHDは、4000 ANSIルーメンですが、仕事用ならばこれでも十分でしょう。
Acerは、画面全体の明るさの全体の平均値を表す国際統一測定基準となるANSIルーメン表記です。この場合、色ムラが少ないことは保証されます。
画像処理は、ビジネス向けとしては珍しく、黒つぶれを防ぐDynamicBlackテクノロジーと、彩度を調整するAcer ColorBoost 3Dテクノロジーを搭載します。
先述の白ピクセル挿入による弱点を、処理で緩和するためです。
(解像度はともかくとして)この点で言えば、動画の再生時の画質はビジネス向けとしては信頼性があります。
端子は、HDMIが1つと、アナログRGBが1つ、レガシーですが、RCA端子が1つです。
重さは、2.8kgです(FHD:2.4kg)。
「激重い」わけではないですが、基本的に、持ちはこびは会社内といえる製品です。
投影距離は、それぞれの機種で異なります(上に書きました)
傾き補正は、縦方向のみですが、手動以外に、自動調整に対応します。
ネットワークは、上で「Wi-Fiあり」と書いた機種は、搭載です。
ただ、STBとしての機能(Google TVほか)はないので、定額動画サービスをこの端末だけでみれるわけではないです。DLNA・AirPlay・Google Homeほかに対応するので、主に、スマホやPCの画面を「キャスト」するためのものです。
なお、それ以外の機種は、Wi-Fiドングル未付属です。
ただ、最近は【STB機器の比較記事】で書いたような、Amazonなり、Apple・Googleなりの製品があるので、それでも問題ありません。
本機は、電源供給用のUSB端子もありますので。ただし、そちらの場合、映像はHDMIで流すので、接続が煩雑になるとは言えます。
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以上、AcerのX1228iなどの紹介でした。
値段の割に明るめで、自動台形補正もつくため、格安のビジネス向けの中では、スペック的にも選べる機種です。
フルHDを「マスト」とするならば上位機、費用対効果を考えれば、中級機がおすすめです。
いずれも、持ち出さないならば重さも問題ないでしょう。多少動画周りの性能がよいのも本機の良い部分でしょう。
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【2020年発売】
8・ Acer H6518STi
¥126,294 楽天市場 (6/25執筆時)
パネルタイプ:DLP(0.65型)
光源:水銀ランプ
カラー:6セグ(RGBCYW)
解像度:FHD 1920x1080
明るさ:3400lm(ANSI)
コントラスト:10000:1
100インチ投影距離:1.1m
重さ:2.95キロ
なお、台湾の Acerからは、短焦点モデルの展開もあります。
投影距離は、本機は1.1mとかなり短くなります。
その他のスペックを比較する場合、明るさが3400lmとはなりますが、フルHD解像度です。
こちらも、6セグ(RGBCYW)です。
コントラスト比は、あまり数字が良くないものの、仕組み的に、 色域などの表現力は一定程度ありそうです。
特に映像を扱う場合は、 ColorBoost など充実する映像補正機能の部分を含めて、本機は少し優位でしょう。
重さは、約3kgです。
仕事に持ち運ぶにはしんどいでしょうが、社内などならば問題ないです。
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結論的にいえば、固定設置の場合で、短焦点のが便利ならば選んでも良いです。
ただ、それ以外の場合、短焦点モデルは「特殊」ですから、確実にニーズが合う場合以外は、普通のモデルを選ぶべきです。
【2022年発売】
9・Acer PL2520i
¥162,740 楽天市場 (6/25執筆時)
パネルタイプ:DLP(0.65型)
光源:レーザー
カラー:RGB
解像度:FHD 1920x1080
コントラスト:50000:1
明るさ:4000 ANSI ルーメン
100インチ投影距離:3.28〜3.59 m
重さ:3.0キロ
PL2520i も、台湾のAcerのプロジェクターです。
重さは、3.0キロです。
ただ、個人で持ち歩くには重めです。教室設置などに向く製品といえます。
解像度は、1920x1080です。
普通の縦横比のフルHD機です。
120Hzの高リフレッシュレートに対応する製品ですが、ゲーミング用に売られているわけではないでしょう。
投影方式は、DLPで、コントラスト比は50000:1です。
カラーは、普通のRGBですが、黒の締まりは(ビジネス用としては)そこそこ良いです。
明るさは、しかし、4000 ANSIルーメンとかなり良いです。
普通のDLP式ですが、日中利用は、この機種は問題ないです。
光源は、高出力のレーザー光源です。
この部分で明るさを強化しています。光源寿命も長いです。
天吊りにするとランプ交換が面倒ですし、その点でメリット性があると言えます。持ち運び時も、立ち上がりの速さは、水銀ランプに比べての利点です。
投影距離は、100インチで、3.28〜3.59mです。
短焦点ではなく、やや距離が必要です。
傾き補正は、縦のみ自動台形補正対応です。
接続端子は、HDMIが2系統です。
傾き補正は、縦方向のみですが、手動以外に、自動調整に対応します。
ネットワークは、上位機はWi-Fiを装備です。
付属のUSBドングル(UWA5)を内蔵させて対応させています。あくまで、PC画面のワイヤレス転送用で、Google TVなどではないです。
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以上、AcerのPL2520iなどの紹介でした。
ビジネス向けですが、レーザー光源機瞳子とで、天吊りで固定して、常時使う教室のような場所に向けた製品と言えます。
ランプ寿命や熱問題の部分でメリット性がある上で、ビジネス向けのレーザー光源機としてはわりと安めなので、ニーズはありそうです。
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【2023年発売】
10・Acer XL2330W
¥130,855 楽天市場 (6/25執筆時)
パネルタイプ:DLP(0.65型)
光源:レーザー
カラー:RGB
解像度:1280x800
コントラスト:50000:1
明るさ:5000 ANSI ルーメン
100インチ投影距離:2.99〜3.33 m
重さ:3.0キロ
なお、本機の下位機種となるXL2330Wも同時発売されました。
同じくレーザー光源で、光源寿命にメリット性がある教室用です。
ただ、解像度が、1280x800のWXGAですので、その部分で性能が劣ります。
若干、明るめですが、Wi-Fiドングルも装備しませんし、上位機と差はあります。
この値段差ならば、上位機でしょう。
1-4・エプソンの業務用プロジェクター
続いて、日本のエプソンの業務用プロジェクターです。
画質の良い3LDC形式のプロジェクターでは世界トップです。
同社は学校用などに50万を超えるモデルもあるのですが、今回は(法人向けの話ではないため)実売30万円前後までの製品に限っています。
【2025年発売】
(Wi-Fi:不可)
11・EPSON EB-E12
¥55,000 Amazon.co.jp (6/25執筆時)
解像度:XGA 1024x768
明るさ:3600ルーメン
100インチ投影距離:2.94-3.98 m
重さ:2.4kg
(Wi-Fi:付属)
12・EPSON EB-W55
¥88,000 Amazon.co.jp (6/25執筆時)
解像度:WXGA 1280x800
明るさ:4000ルーメン
100インチ投影距離:2.81-3.38 m
重さ:2.6kg
(Wi-Fi:別売オプション)
13・EPSON EB-FH08
¥126,980 Amazon.co.jp (6/25執筆時)
解像度:FHD 1920x1080
明るさ:3600ルーメン
100インチ投影距離:2.68-3.22 m
重さ:2.7kg
(Wi-Fi:搭載)
14・EPSON EB-FH54
¥159,000 Amazon.co.jp (6/25執筆時)
解像度:FHD 1920x1080
明るさ:4100ルーメン
100インチ投影距離:2.9-4.68 m
重さ:3.1kg
パネルタイプ:3LCD(0.55型/0.59型)
光源:水銀ランプ
カラー:RGB
コントラスト:16000:1
EB-W55 などは、EPSONのビジネスプロジェクターの入門機(ベーシックシリーズ)に属する製品です。
解像度などの違いで4機種のラインアップです。
それぞれ、価格は大きく変わりますが、XGAの EB-E12は、解像度の部分で陳腐化している感じです。逆に、最上位機の EB-FH54は、価格水準が高めで、やや重めに思います。
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結論的にいえば、このシリーズから言えば、WXGAのEB-W55か、予算が許せば、フルHDのEB-FH08あたりが良いでしょう。ただし、後者は、Wi-Fiが欲しい場合は、あとで書きますが、「別売」にはなる点が、すこし残念です。
以下、この2機を中心に、同時にみていきます。
重さは、EB-W55 で2.6kg、 EB-FH08でも2.7kgです。
サイズ感を含めて、職場内で持ち運ぶには問題ないといえます。
【 EB-FH8 W55 E12用】
ソフトキャリングケース ELPKS69
¥5,350 Amazon.co.jp (6/25執筆時)
【 EB-FH54用用】
ソフトキャリングケース EB-FH54用 ELPKS70
¥5,940 Amazon.co.jp (6/25執筆時)
一方、外回りで必要な場合ほかのために、専用キャリーが用意されます。
解像度は、3種です。
先述のように、WXGA(1280x800)以上は(さすがに)必要でしょう。
XGAは、1024×768で、縦横比が4:3の旧来の形状のモデルですし、16:9で作る場合、表示性能は限定的です。
投影方式は、エプソンは、画質の良い3LCDを採用します。
画面の明るさ(光束)が高めやすく、中間階調の表現が力が高く発色も良いタイプです。
DLPもシネマ用の高級機だとその部分がよい機種がありますが、日中使う仕事用だと、3LCDのほうが、全体的に画質は良いように思います。
画面の明るさは、3600ルーメン〜4100ルーメンの範囲で4機で変わります。
最上位機以外は4000ルーメンに達しません。
ただ、3LCDの場合、全白時の光束(明るさ)だけでなく、カラー時の光束も同じです。
その部分でいえば同じほどのルーメン値のDLP式より良いので、下位機でも日中に十分対応できそうです。
コントラスト比は、16000:1です。
黒の締まりは3LCD式の弱点です。
ただ、近年はビジネス用でもDLPの入門機ほどの数字があります。問題ないです。
傾き補正は、縦方向は、自動補整対応です
横方向も、スライドで簡単に調整できる仕様です。
プレゼンの際は緊張するものですから、プレゼンターが設置までするような場合は、「なるべく手数を不要に」しておくと良いです。
その点で、ここまで紹介したモデルよりも優れます。横方向もレバー式(手動補整)ながら補整が効くので良いでしょう。
端子は、HDMI端子が2つです。
アナログ端子(VGA)を省略したのは、ビジネス用としては「思い切った」と思いますが、まあ、この手のレガシーは、もう不要でしょう。
問題ないです。
投影距離は、100インチ投影距離が、EB-W55で約2.92〜3.51 m、EB-FH08で約2.71〜3.25 mです。いずれも、1.2倍ほどのズームレンズで、調整できます。
小さめの会議室でも、40インチ程度ならば、1mちょっとで出せますし、このクラスだと問題ないように思います。
【2020年機用】
EPSON 無線LANユニット ELPAP11
¥9,945 楽天市場 (6/25執筆時)
Wi-Fi機能は、最上位機(EB-FH54)と、WXGA機(EB-W55)は付属です。
ただ、FHDのEB-FH08は、上のパーツがオプションになります。
最下位機は、そもそもUSB端子がないので、使えません。
必要に応じて購入してください。
なお、これ以外でも、Google、Amazonほか【STB機器の比較記事】で書いたような端末でも、「キャスト」はできるでしょう。ただ、映像自体はHDMI、電源供給用USBが必要ですし、煩雑と言えばそうです。
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以上、エプソンのEB-W55 などの紹介でした。
ベーシックな製品ですが、日中に強いエプソンの3LCD方式は、昼間使うことが多い、ビジネス用には向きます。
冒頭で書いたように、FHDの下位機(EB-FH08)が良さそうですが、Wi-Fi接続を考える場合は、ユニットが別売になります。
その点を含めて言えば、費用対効果の部分ではWXGAですがEB-W55 が良いように思います。
【2017年発売】
15・EPSON dreamio EB-1780W
¥96,290 Amazon.co.jp (6/25執筆時)
解像度:WXGA 1280x800
明るさ:3000ルーメン
100インチ投影距離:2.26-2.71 m
16・EPSON dreamio EB-1785W
¥146,582 Amazon.co.jp (6/25執筆時)
解像度:WXGA 1280x800
明るさ:3200ルーメン
100インチ投影距離:2.26-2.71 m
17・EPSON dreamio EB-1795W
¥178,800 Amazon.co.jp (6/25執筆時)
解像度:FHD 1920x1080
明るさ:3200ルーメン
100インチ投影距離:2.46-2.97 m
パネルタイプ:3LCD(0.59型 0.61型)
光源:水銀ランプ
カラー:RGB
コントラスト:10000:1
重さ:1.7kg
EB-1700シリーズは、EPSONのモバイルプロジェクターです。
ビジネス用の上位機になりますが、Atlasも、最上位機(旧機)を所有しています。
重さは、この機種の注目点です。
なぜなら、どれも1.8kgと非常に軽量な上、サイズもコンパクトだからです。
厚みも44mmと相当薄いので、大きめのビジネスバックに入れて持ち運ぶことも可能です。
この点は、仕事用として、重要でしょう。
解像度は、機種で異なります。
EB-1780W とEB-1785W は、16:10の縦横比の1280x800で、ビジネス機として先ほどの機種よりワンランク高い性能です。
また、EB-1795W については、さらに、16:9の縦横比のフルHD画質(1920x1080)対応です。
投影方式は、画質の良い3LCDを採用します。
コントラスト比は、ただ、 オートアイリス使用時でも10000:1です。
ビジネスプロジェクターとして問題ない性能ながら、下位機種に及びません。
画面の明るさは、3000ルーメン(上位機は3200)です。
会議室でもカーテンを引けば使える水準ですが、平均値はすこし下回る水準です。
ただ、先述のように、カラー光束と全白光束が同じの3LCDなので、このクラスだと意外と「明るく」感じます。
傾き補正は、豪華です。
EB-1780W を除いて、縦方向も、横方向もワンボタンで自動補整できる点でかなり優秀です。
下位シリーズは横方向は手動だったので、パワーアップしている点です。
EB-1780W を除きますが、それ以外は「フレームフィット」機能で、スクリーンサイズに合わせた適切な投影もワンボタンで可能です。
投影距離は、100インチ投影でも2.26m(上位機2.46)はからと、かなりの短焦点です。
斜め投影に強い傾き補正技術と合わせて、狭い会議室でも余裕で対応できます。
無線LANは、、EB-1785W とEB-1795W のみ搭載です。
Miracastに対応するWindows系PCやスマホ・タブレットから、ワイヤレス投射できる機能も付属します。
ただし、この機能については、Mac系iOS系のAirplayには未対応です。
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以上、エプソンのEB-1700シリーズの紹介でした。
会議室サイズでのプレゼンでも十分耐えうるビジネスプロジェクターを持ち歩きたい場合、これはとても良い選択肢です。
とくに、個人所有を考えている方には、「持ちはこびやすさ」「補整の簡単さ」「設置の柔軟性」と三拍子揃う機種ですから、予算が許せばとても良い選択肢です。
【2023年発売】
18・EPSON dreamio EB-L210W
¥251,550 楽天市場 (6/25執筆時)
解像度:WXGA 1280x800
明るさ:4500ルーメン
100インチ投影距離:3-4.88m
19・EPSON dreamio EB-L260F
¥321,649 楽天市場 (6/25執筆時)
解像度:FHD 1920x1080
明るさ:4600ルーメン
100インチ投影距離:2.89-4.70m
パネルタイプ:3LCD液晶(0.59/0.61型)
光源:レーザー
カラー:RGB
コントラスト:250万:1
重さ:4.2kg
EB-L200W は、EPSONのビジネス用モデルプロジェクターの高級機です。
法人で業者に設置して貰うのではなく、個人で買うとなると、このクラスが事実上、「ビジネス用の最上位機」でもあるでしょう。
重さは、4.2kgです。
持ち運べないわけでないにせよ、軽くはないです。
解像度は、WXGAとフルHDが選択可能です。
むろん、現代的な解像度の水準からしてフルHDをおすすめしますが、値段差はかなりあります。
画面の明るさは、一方で4500ルーメン(上位機は4600)です。
日中でも使える水準ながら下位機種よりは下回る水準です。
投影方式は、こちらも3LCDです。
光源は、一方、水銀ランプやLEDではなく、レーザーダイオードです。
光源寿命が長くほぼ「取替不要」になるのと、立ち上がりが速いのが、ビジネス用機の場合の主なメリットです。
コントラスト比(DN比)も、本機は250万:1です。
拡張技術を利用した場合の値ですが、「テレビ並」の値です。
3LCD式でも高級機だと、最近は黒の締まりが良くなってきており、本機もそう言えます。ビジネス用でも、この部分がある程度欲しい場合は選択肢です。
傾き補正は、縦方向が自動補整対応です。
一方、横方向は、調整できるもののレバー式(手動補整)なので、先述のモバイル機には及ばないと言えます。
一方、キヤノン機も採用していた、黒板用の湾曲歪み補正は利用できます。
投影距離は、100インチ投影で3m前後ですので、使い勝手は良いでしょう。
Wi-Fiは、一方で、オプション(ELPAP11)です。
スピーカーは、16Wです。
わりと強力です。
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以上、エプソンのEB-L200Wの紹介でした。
レーザー光源を採用し、コントラスト比がテレビ並みという製品です。ホームシアター用と言っても良い機種ですが、そこそこ軽量化して、収納性を高めた製品と言えるでしょうか。
ニーズはあるでしょうが、割高ではあります。
【2023年発売】EB-L200SW後継機
20・EPSON EB-L210SW
¥173,300 Amazon.co.jp (6/25執筆時)
パネルタイプ:3LCD(0.59型)
光源:レーザー
カラー:RGB
解像度:WXGA 1280x800
コントラスト:250万:1
重さ:4.6キロ
明るさ:4000ルーメン
100インチ投影距離:1.05m
EB-L200SW は、エプソンが販売する、ビジネス用の特殊プロジェクターです。
投影距離は、この機種の最も強調するべき部分で、80インチ投影ならば、83cmという超短焦点設計です。
100インチの投影の場合も1.05mとなります。
他社にもありましたが、あまり広くない学習塾や小会議室の備品として、ニッチな需要がある製品です。
重さは、4.5kgです.
基本的に据え置くべき製品でしょう。
解像度は、16:10の縦横比の1280x800です。
投影方式は、この機種も3LCDです。
光源は、本機もレーザーです。
画面の明るさは、3800ルーメンです。
ニッチな製品ですが明るいです。
コントラスト比もDN比で250万:1ですから、シアター用並の性能です。
傾き補正は、縦方向のみ自動補正で、横はレバー式です。
EPSON 書画カメラ ELPDC21
¥66,080 Amazon.co.jp (6/25執筆時)
そのほか、オプションで光学12倍ズームの書画カメラも付けられるため、(標準設備が満足にない教室で)教師が利用する教具として、割と良い感じです。
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以上、エプソンのEB-535W の紹介でした。
2014年発売のロングセラーですが、ニッチなニーズを満たしているためか、しぶとく残っている、ある種の名機です。確実に必要な方は、いるでしょう。
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【2023年発売】
【4K】
21・EPSON EB-810E
¥486,657 楽天市場 (6/25執筆時)
解像度:4K UHD (3840 x 2160)
明るさ:5000ルーメン
100インチ投影距離:0.36 m
重さ:12.5キロ
【フルHD】EB-805F
22・EPSON EB-800F
¥382,470 楽天市場 (6/25執筆時)
解像度:FHD 1920x1080
明るさ:5000ルーメン
100インチ投影距離:0.61 m
重さ:9.4キロ
【フルHD】
23・EPSON EB-770F
¥340,020 楽天市場 (6/25執筆時)
(+電子黒板機能)
24・EPSON EB-770Fi
¥370,666 楽天市場 (6/25執筆時)
解像度:FHD 1920x1080
明るさ:4100ルーメン
100インチ投影距離:0.58 m
重さ:5.9キロ
【WXGA】
25・EPSON EB-760W
¥211,592 楽天市場 (6/25執筆時)
(+電子黒板機能)
26・EPSON EB-760Wi
¥247,500 楽天市場 (6/25執筆時)
解像度:FHD 1920x1080
明るさ:4100ルーメン
100インチ投影距離:0.6 m
重さ:5.9キロ
パネルタイプ:3LCD(0.59型 0.61型 0.62型)
光源:レーザー
カラー:RGB
コントラスト:250万:1
このほか、エプソンからは、ビジネス用の短焦点機として以上のラインナップもあります。
もともと、EB-800Fが2020年に出ていましたが、解像度の違う製品が拡充されたカタtイです。
壁設置が前提の設計で、電子黒板機能搭載型があることから分かるように、主には教室用という感じです。個人経営のスクールなどには、DIYがある程度しっかりできれば、取付はできるでしょう。
下位機を含めて、明るい光源なので日中投影でも問題ないです。光源もレーザーですので、明るさの寿命も長いでしょう。
なお、本機には、4K機がありますが、こちらは、「4Kエンハンスメントテクノロジー」という画素ずらし技術を用いた、「疑似4K」になります。
高度な技術で、フルHDより画質は明らかに良いですが、リアルな4Kではないです。詳しくは【4Kプロジェクターの比較記事】のほうの選び方の基本に書きました。
なお、仕組み的にWi-Fiは装備しませんが、LANはあります。
壁掛け金具 EB-810E用 ELPMB75
¥26,771 楽天市場 (6/25執筆時)
壁掛け金具ELPMB75 ELPMB62
¥27,000 楽天市場 (6/25執筆時)
なお、取付金具は、別売になります。
4Kの最上位機だけ、重いので型番が別になります。
次回につづく
ビジネスプロジェクターのおすすめは結論的にこちら!
というわけで、今回は、ビジネス向けプロジェクターの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
2・業務用プロジェクタの比較 (2)
2-1:リコー〈日本〉
2-2:NEC・シャープ〈日本〉
2-3:最終的なおすすめの提案【結論】
画質の良さ ★★★★★
本体の軽さ ★★★★★
焦点距離の短さ ★★★★★
準備の手軽さ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
続く2回目記事(こちら)では、エプソン残りの機種をあと少し紹介したあと、NECの製品を追加で紹介します。
その上で、今回紹介した機種全てから、予算別・目的別に、Atlasのおすすめ機種を考えてみたいと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら!
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