【今回レビューする内容】2022-2023年 通勤通学向けのノイズキャンセリングイヤホンの性能とおすすめ・選び方:電車・飛行機でのノイズキャンセル
【比較する製品型番】 JVC HA-FX87BN SONY WI-C600N WI-SP600N WI-1000XM2 B WI-1000XM2 S オーディオテクニカ ATH-ANC400BT ヤマハ Empower Lifestyle EP-E50A EP-E70A SONY MDR-NWNC33 IER-NW510N B IER-NW500N パイオニア RAYZ Plus SE-LTC5R Anker Soundcore Life NC A32010F1
今回のお題
ノイキャン対応イヤホンのおすすめはどの製品?
ども、Atlasです。
今回は、2022年12月現在、最新のノイズキャンセリング対応イヤホンの比較です。
電車通勤や飛行機などに向いているノイズキャンセリング(ノイキャン)機能が付いたイヤホンを比較します。
1・ノイキャンイヤホンの比較 (1)
1-1・Bluetooth(従来型)
:左右だけケーブルあり
1-2・有線タイプ
:入力・左右ともケーブルあり
2・ノイキャンイヤホンの比較 (2)
2-1・Bluetooth(完全独立型)
:入力・左右ともケーブルなし
3・ノイキャンイヤホンの比較 (3)
=最終的なおすすめ製品の提案
今回は、連続記事です(全3回)。
ノイキャンイヤホンにを、接続方法の違いから上表の「3タイプ」に分けながら、主に大手企業が出す代表的な人気機種を紹介します。
ノイキャン効果 ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
ハイレゾ再生 ★★★★★
ワイヤレス対応 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
そして、最後の「結論」部分では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種!」を提案する形で記事を進めていきます。
長い記事ですが、よろしくお願いします。
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1・Bluetoothヘッドホンの比較
2・Bluetoothイヤホンの比較
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較
4・ハイレゾヘッドホンの比較
5・ハイレゾイヤホンの比較
6・ノイキャンヘッドホンの比較
7・ノイキャンイヤホンの比較
8・Beatsのヘッドホンの比較
9・ライトニング端子イヤホンの比較
10・ウェアラブルネックスピーカーの比較
11・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】
なお、今回の記事は、このブログのイヤホン・ヘッドホン比較シリーズの7回目記事として書きました。
0・ノイキャンイヤホンの選び方の基本
具体的な製品紹介にはいるまえに、ノイキャンイヤホンの「選び方の基本」からです。
イヤホンに搭載されるノイズキャンセリング技術について、その基本的な仕組みと、製品ごとの違いや特長について説明しておきます。
0-1・ノイズキャンセリングの仕組み
ノイキャンの基本となる技術は、どのメーカーの製品も「同じ」です。
つまり、本体外部につけられた「マイク」がノイズ(騒音)を拾い、それと逆の傾向を持つ音(逆位相音)を発生させて、ノイズを打ち消すというものです。
しかし、同じ「ノイキャン」でも製品ごとに精度に差があります。
1・搭載されるマイクの数と質
2・制御するプロセッサの処理能力
3・加速度など状況判断力
これは、主に、上表の3点において各製品ごとに搭載技術が異なるためです。
結論的にいえば、これらの技術を備えた製品が「最も優秀」となります。
上表は、簡潔に、現状の諸方式をまとめたものです。
現行水準では、Wマイク式(=ハイブリッド型アクティブノイズキャンセリング)を搭載していれば、「上級水準」です。
最上位機になると、センサーによるセンシングで周囲の環境を判断し、自動で強度が調整される仕様(アダプティブハイブリッドANC)になります。
格安機は(アナログな)耳せん式や、マイク通話専用のノイズ削減機能も「ノイキャン」と書いている場合があるので、注意が必要です。
今回の記事では、各製品のノイズキャンセリングの「仕組み」や「得意分野」も、できるだけかみ砕いた形で説明していくつもりです。
0-2・キャンセルできる音・できない音
ノイズキャンセリングは、名前の通り、全ての音を完全に無音化できる、というわけではありません。
例えば、電車の走行音や、オフィスの空調音、自動車騒音などは、音の軽減は得意です。
しかし、電車のアナウンスや話し声、プリンターの駆動音など、高い周波数の音の軽減は不得意です。
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結論的にいえば、ノイキャンイヤホンは、移動中に使うことを想定して作られている製品です。
とはいえ、カナル型イヤホン(密閉型)の場合は、それ自体ある程度の遮音性があります。
そのため、複数のパターンを自動で切り替えることで、生活雑音などに広く対応できるため、汎用的に遮音利用することができます。
0-3・ノイキャン対応イヤホンの音質
音質については、昔と違って、ノイキャン機でも優れたドライバー(スピーカー)を搭載し、高音質なハイレゾ音源に対応できる機種も出そろっています。
ノイズキャンセリングイヤホンの場合、先述のように、イヤーピースの部分でもかなり遮音性を得られます。
そのため、ノイキャンを利用しなくて良い場所での視聴も多いため、音質面にこだわったイヤホンをえらぶことは意味があると思います。
今回は、こうした点も含めながら、ノイキャンイヤホンの「オススメ機種」を考えていきます。
1-1・Bluetoothイヤホン(ワイヤー型)
それでは、早速紹介をはじめます。
1・ノイキャンイヤホンの比較 (1)
1-1・Bluetoothイヤホン
:左右だけケーブルあり
1-2・有線イヤホン
:入力・左右ともケーブルあり
2・ノイキャンイヤホンの比較 (2)
2-1・完全独立イヤホン(TWS)
:入力・左右ともケーブルなし
3・ノイキャンイヤホンの比較 (3)
=最終的なおすすめ製品の提案
先ほど予告しましたが、今回は接続形態に分けて、順番に見ていきます。
はじめに、Bluetoothを利用するワイヤレスイヤホン型式の製品の紹介からです。
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なお、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分を青字で記しています。
【2019年発売】
1・JVC HA-FX87BN-N
2・JVC HA-FX87BN-B
¥6,136 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC
連続再生時間:5時間
ドライバー:9.1mm
ノイキャン:1マイク式
外音取込:なし
防水性能:
重さ:22g
HA-FX87BN は、日本のJVCケンウッド(日本ビクター)の販売する製品です。
「格安で高品質」路線に強い音響ブランドですが、この製品も、独自性が強く人気です。
装着方法は、図のような、ネックバンド型となります。
この形状は、アクティブな活動には向きませんが、歩行程度ならば、外れにくく、安定性の面で有利な方式です。
重さは、この方式としては、軽量な22gです。
再生周波数帯域は、低音域が20Hz、高音域が20kHzです。
「再生周波数帯域」とは、イヤホンの音域の広がりを示す指標です。「Hz」の数値が低いほど低音域が、「kHz」の数値が高いほど高音域が出せることを意味します。
なお、CD音源は、人間の耳の可聴域に合わせて(20Hz-20kHz)の音を収録しています。
そのため、それ以上あっても「無意味」に思えますが、実際のところ、スペックに余裕があるほうが、音の自然さ(臨場感)は高まります。
その点で言えば、本機は、20Hz-20kHzですので、特に問題のないレベルではあります。
ドライバーは、音が鳴る「スピーカー」の部分です。
無論、内部の空間的な余裕などとの総合性も重要ですが、一般的に言えば、サイズや数が多いほど「音のランク」は上がります。
本機については、9.1mmサイズのドライバーを採用しています。
この価格帯の製品としては、大きめであり、優秀です。
音質は、JVCのメーカーとしての特徴通り「バランス重視」です。
低音域も高音域も、過度に強調されない「落ち着いた」サウンドです。個性がないとも言えますが、逆に言えば、どのような音源でも合いやすいです。
イヤーピースは、3サイズ添付です。
Bluetoothコーデックは、SBCのみの対応です。
ワイヤレス式のイヤホンの場合、Bluetoothは通信回線が細いので、音源を圧縮してイヤホンに飛ばしています。
その際の圧縮方法は複数あり、それを「コーデック」と呼びます。
なお、本機の採用するSBC規格は、近年登場したBitPool 53規格で音質については、上位のAAC規格に迫るほどに向上しました。
ただ、引き続き、音の遅延問題があるため、動画を見る際に、映像に対して音声が遅延するのがネックです。
通信安定性の面では、最近の製品の一部は、通信断がすくなく安定性の高いBluetooth5.0に対応する機種が出ています。
しかし、本機は、Bluetooth4.2ですので、従来水準です。
連続再生時間は、5時間です。
このタイプの製品としては短く、価格的限界が出ている部分ですね。
ノイズキャンセリング技術は、対応で、電車やバスの騒音を打ち消せます。
ただ、高級機と較べると、性能は限定的です。なぜなら、集音マイクが外側に1つしかないからです。
また、レベルが調整できないほか、方式的に完全に無音化はできません。
値段相応のかなり単純な装置ですから、過大な期待は禁物です。
防水性については、この機種は未対応です。
外音取り込みも、未対応です。
ノイズキャンセラ搭載イヤホンの上位機は、車内アナウンスなどの聞き取り、ないし、歩行中の安全性などから外音取込モードがある場合が普通ですが、価格の安い製品はない場合もあります。
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以上、JVCのHA-FX87BN の紹介でした。
5000円前後のBluetooth製品は、「これと言った特徴が無い」製品が多いですが、ノイズキャンセラ搭載という、明らかな見どころがあるのが、人気の利用でしょう。
ドライバーもそこそこ大きめですし、5000円前後の予算で選ぶならば、良いと思います。
ただ、以下で見ていくような1万円台の上級機と比べると音質の差はありますので、「音の綺麗さ」を重要視するならば、より上位の機種が良いでしょう。
【2019年発売】
3・SONY ワイヤレスイヤホン WI-C600N
¥16,500 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC, AAC, aptX
連続再生時間:6.5時間
ドライバー:6mm
ノイキャン:1マイク式
外音取込:対応
防水性能:
重さ:27g
SONYのWI-C600N は、ソニーのノイキャン対応Bluetoothイヤホンです。
装着方法は、ネックバンド型です。
重さはありますが、方式的に、装着時の重量感は気にならないでしょう。
再生周波数帯域は、非公開です。
ドライバーは、ネオジウムの一般的なダイナミック型ドライバで、サイズも6mmと小さめです。
音質は、ドライバーの口径の小ささもあり、総合的な、音質は価格からするとイマイチです。
圧縮音源の音質を向上させるDSEE技術は搭載ですが、総合的には、高い評価はできません。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACに対応です。
AAC規格は、SBC規格に較べ、遅延の少なく、音質も良い上位のコーデックとなります。
AACは、iOS系のスマホのほか、ウォークマンなどの再生機器も対応する上位規格です。
そのため、これらを使う限り、圧縮音源ならば、音質の劣化は少ないでしょう。
一方、Android系は、AACには非対応なのです。
しかし、本機は、低遅延で、CDグレードの音質のApt-Xにも対応します。
なお、iOS系では(AACと異なり)この形式は利用できません。
通信安定性の面では、一方、本機は、Bluetooth4.2ですので、一般的な水準です。
ノイズキャンセリング技術は、この機種は、下位機種より高度です。
この機種は、AIノイズキャンセリング(フルオートノイズキャンセリング)に対応し、シーンに合わせてキャンセルレベルが調整されます。
そのため、通勤中・飛行機の中・職場など、騒音の質に合わせて、周波数カットするため、効果は、下位機種とは段違いでしょう。
外音取込も、対応です。
特に、SONYの場合、アプリで、外音取り込みモードを選択できます。
人の声や、電車のアナウンスなどをマイクから拾うため、利便性が高いです。
連続再生時間は、6.5時間です。
防水性については、この機種は未対応です。
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以上、WI-C600Nの紹介でした。
1マイクではありますが、AIノイズキャンセリングに対応するため、移動中の利用については、下位機種よりだいぶ実用的です。
上位グレードは2マイク方式が主流なので、徹底度は低いものの、電車や飛行機などの騒音源・周波数帯が多い状況においても、効果は十分実感できる水準でしょう。
ただし、ノイズに対して完全な対策をしたい方、毎日通勤で利用する方は、ノイズキャンセリングの精度がもう少し高いものを選んだ方が満足度は高そうです。
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【2018年発売】
4・SONY ワイヤレスイヤホン WI-SP600N
¥14,800 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:6時間
ドライバー:6mm
ノイキャン:1マイク式
外音取込:対応
防水性能:IPX4等級
重さ:21g
なお、この機種には、旧機種がまだあります。
旧機種は、イヤーフック型ですが、ノイキャンその他の状況は同じレベルで、その上で防水性があります。
さらに、音質面でも、ドライバーは同じ口径ですが、電気的に低音をブーストさせるSONY独自のEXTRA BASS機構を持ちます。
様々な製品に採用される技術ですが、搭載機は、ソニーのメーカー的特長の1つである、豊かな低音を出せます。
その点をふまえると、こちらの機種については、ノイキャン・防滴性能・低音強調技術・外音取り込み機能がそろうので、ジョギングなど、アクティブに活動する方を中心に、オススメできる機種です。
重さも軽いため、在庫のあるうちは、選んで損はないでしょう。
【2019年発売】
5・SONY WI-1000XM2 B
6・SONY WI-1000XM2 S
¥33,400 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:3Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC, LDAC
連続再生時間:10時間
ドライバー:9mm
ノイキャン:Wマイク式(自動)
外音取込:対応
防水性能
重さ:58g
SONYの WI-1000XM2は、SONYのBluetoothイヤホンの最上位機です。
Atlasも仕事・出張用に利用している、2017年発売のWI-1000Xの後継機として、最近登場しました。
装着方法は、ネックバンド型です。
見ての通りかなり太く、重さも58gです。
ただ、耳の部分は片側7gですし、ネックバンド式なので、違和感はないし、疲れません。
なお、重みがあるのは、後ほど紹介するように、高精度なノイズキャンセラが搭載されているためです。その点で言えば、アクティブな利用には向かないという製品です。
再生周波数帯域は、低音が3Hz、高音が40kHzまでです。
ハイレゾに対応できる、余裕のあるスペックです。
ドライバーは、この機種の場合、ソニーの上位機特有のハイブリッド型です。
9mmのダイナミックドライバーと、高音域要のバランスド・アーマチュア型ドライバーを採用した、Wドライバー仕様です。
低音域と高音域をそれぞれ別のドライバー(スピーカー)が対応します。
とくに、専用ユニットで、高音域がしっかり出る点で、ハイレゾ向きなシステムであり、高音域における繊細な音の再生が可能です。
もちろん、先ほど紹介したDSEE HXも搭載します。
音質は、帯域の広さを十分感じられる仕様です。
ハイレゾ音源対応機ですが、ハイレゾ音源を持っていない方でも、CD以下の音質を再計算で「ハイレゾ音源相当」にする、DSEE HXも搭載です。
Bluetoothコーデックは、この機種もSBC・AACに加えて、ハイレゾ音源にも対応できるLDACに対応します。
その上で、今回から、Bluetoothのバージョンが、Bluetooth 5.0なので、接続安定性が高まってもいます。
iOS
:SBC AAC
Android
:SBC Apt-X系
SONY(Xperia/ Walkman)
:SBC AAC LDAC
Mac&Windows
:SBC AAC Apt-X
なお、LDACをはじめとするSBCより上位のコーデックを利用したい場合は、機器側(スマホ・ウォークマン側)の規格への対応も必要です。
上表は、一部例外がありますが、外部機器を利用しない場合の、機器側のBluetoothの対応状況を示したものです。
対応プレーヤーは、【ウォークマンの比較記事】でも説明しました。
通信安定性の面では、Bluetooth 5.0で、接続安定性が高まっています。
ノイズキャンセリング技術は、この製品から一次元高い「上級技術」が採用されます。
下位機種の場合、外部マイク1つのみの構成でした。
しかし、この製品は、内部にフィードバックマイクがあり、聴いている音楽自体もデジタル化し、同じくデジタル化した外音を打ち消す仕組みです。
デュアルノイズセンサーテクノロジーとソニーは呼びますが、効果は下位機種よりも高いです。
その上で、ノイキャンを制御するチップについて、2019年登場の「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」が採用となっています。
従来の4倍の処理能力を有しており、優秀です。
外音取り込みは、本機も対応です。
さらに、この機能と、フルオートAIノイズキャンセリング機能を進化させた、アダプティブサウンドコントロールも注目点です。
この場合、スマホの加速度センサーを利用し、ノイズキャンセラ・外音取り込みレベルを、自動切り替えしてくれます。
通勤時は、歩いたり、座ったり、止まったり状況が変わるため、都度、モードを変更してくれるのは便利です。
変更時には「ピー」という音声で案内があります。
そのほか、飛行機などを利用する際の気圧の変化を検知して、音を最適化する機能も搭載しますので、出張時にも便利です。
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結論的にいえば、イヤホンのノイキャン技術としては、現状では最高レベルです。
稼働時間は、10時間です。
ワイヤレスでも、ここまであれば、不満を感じる方はあまりいないでしょう。
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以上、WI-1000XM2の紹介でした。
ハイレゾ対応とノイキャン対応の「いいとこ取り」と言って良い機種です。
通勤のほか、勉強時など静かな場所で着座しても利用する方には、便利でしょう。その場合に重要なバッテリーの保ちも良いです。
難点は重さですが、これは、スポーツイヤホンではないので、個人的にはあまり気にしなくて良いと思います。
【2019年発売】
7・Anker Soundcore Life NC A32010F1
¥5,990 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC, AAC, aptX
連続再生時間:10時間
ドライバー:12mm
ノイキャン:1マイク式
防水性能:IPX5
重さ:60.5g
Soundcore Life NCは、アンカーが発売するBluetoothイヤホンです。
スマホ用バッテリーでも有名なメーカーですが、音響部門も強みがあります。
装着方法は、ネックバンド型です。
ソニーにも展開が見られました。
同じく重めですが、値段はかなり安いです。
ドライバーは、12mmサイズです。
かなり大きめと言え、実際、低音域は充実します。
ただ、ユニットが大きめですので、イヤホン自体も少し大きめです。
振動板はおそらく、同社が得意とするグラフェン素材でしょう。
音質は、ドライバーサイズを活かして、特に低音域は余裕があります。
Ankerも低音域を強調する技術を搭載するイヤホンをだしますが、そもそもドライバーが大きめなので、本機は搭載しません。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・Apt-Xに対応します。
本機は、ハイレゾ対応表記ですが、Bluetoothではコーデックの関係で対応できません。付属のオーディオケーブルでつなげた場合に限ります。
通信安定性の面では、最新機として、Bluetooth5.0に対応です。
連続再生時間は、10時間と長めです。
ノイズキャンセリング技術は、この機種は、対応します。
1マイク式のシンプルなものですが、この価格ならば上等でしょう。
防水性は、IPX5等級です。
屋外でも使えるでしょう。
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以上、Ankerの Soundcore Life NCの紹介でした。
ネックバンド型でノイキャン装備機としては「最安級」でしょう。1マイク式でキャンセル精度もさほどではないですが、格安で探している場合は選択肢の1つにできるでしょう。
ドライバも大きめで、音質もこのクラスでは標準以上に思います。
【2019年発売】
8・オーディオテクニカ ATH-ANC400BT
¥15,960 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:5Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC, AptX HD
連続再生時間:10時間
ドライバー:12mm
ノイキャン:Wマイク式
外音取込:対応
防水性能:
重さ:87g
ATH-ANC400BT は、日本のオーディオテクニカが販売するイヤホンです。
装着方法は、ネックバンド型です。
ソニーの最上位機 WI-1000Xと同形式ですが、重さも87gとです。
さすがに(もうすこし)軽量化して欲しい数字です。
再生周波数帯域は、低音が5Hz、高音が40kHzまでです。
ハイレゾに対応できる、余裕のあるスペックです。
ドライバーは、12mmのダイナミック型のシングルドライバーです。
大きめのユニットで、2層式の振動板にしている部分が独自性です。
音質は、発売前なので、試聴してから再掲します。
ただ、通常音源をハイレゾ音源にアップコンバートする工夫は、ソニーと異なりないため、楽しみは少ないでしょう。
Bluetoothコーデックは、この機種はSBC・AACに加えて、Aptx-HDに対応します。
したがって、ハイレゾ再生は、Aptx-HDにての対応です。
ソニーの場合、自社のウォークマンやスマホがLDAC対応なので、わりと融通が効きやすいですが、Aptx-HDはさほど普及していないため、この部分はネックでしょう。
通信安定性の面では、本機は、Bluetooth5.0に対応しています。優秀です。
ノイズキャンセリング技術は、内部にマイクが2つある、Wマイク式です。
ソニー上位機と同等の方式で、現状では最高水準です。
外音取り込みは、「クイックヒアスルー機能」として搭載です。
ソニーのような自動化はなされないものの、コントローラーにボタンがあり、オンにすると、周囲の音が聞こえます。
稼働時間は、20時間です。
割と長寿命です。
その他、付属のUSB-Cケーブル経由で、PCなどとUSB接続ができる構造です。
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以上、ATH-ANC400BTの紹介でした。
ハイレゾ対応とノイキャン対応に対応する機種は「ソニーの独壇場」だったのでライバル出現と言えます。
音質の部分では、オーディオテクニカも、対抗配置のドライバーなど優れたメーカーなのですが、ノイキャンユニットを搭載するためか、上位技術を採用しない普通の形式を採用します。
その上で、軽量化が十分でない部分もあり、(値段次第ですが)能力面では、ソニーの上位機に及ばない点が目立ちます。
【2020年発売】
9・ヤマハ Empower Lifestyle EP-E50A
¥6,255 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC, AAC, aptX-HD
連続再生時間:9時間
ドライバー:9mm
ノイキャン:1マイク式
外音取込:対応
防水性能:
重さ:
ヤマハのEP-E50Aは、同社から新登場したノイズキャンセラ搭載Bluetoothイヤホンです。
価格的にはソニーのノイキャン入門機のライバルとなります。
装着方法は、コード型です。
ネックバンドがない分軽量ですが、装着安定性の部分は削がれます。
再生周波数帯域は、20Hz-20kHzです。
ドライバーは、1つのみ搭載されるダイナミック型(1WAY)です。
ただ、9mmサイズですので、ソニーの入門機よりは大きめです。
音質は、SONYのDSEEなど音質向上を目的とする技術は非搭載です。
ただ、同社の製品の特長と言えるのは、「リスニングケア」の搭載です。
これは、再生音源のボリュームにより、高音域・低音域の調整する機能で、大音量にしすぎることを防ぎ、耳をケアする機能です。
イヤホンは、この部分を問題視されていますし、割と良い発明です。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・Apt-Xに対応します。
また、ハイレゾ音節のApt-X HDにも対応しますが、本体自体がハイレゾ再生に対応するグレードではないため、ハイレゾには未対応です。
通信安定性の面では、一方、Bluetooth5.0に対応しており、優秀です。
連続再生時間は、9時間と長めです。
ノイズキャンセリング技術は、もちろん、対応します。
本機の場合、米国クアルコムのQCC5124チップを利用することで、可能になったものです。
これまでは、SONY BOSEなど開発環境と特許技術を持つ企業のみしか、「ほぼほぼ」ノイズキャンセラ搭載機が出せませんでした。
しかし、この汎用チップの登場でヤマハからも出た形です。
このチップの登場は、サードパーティが比較的容易にノイズキャンセラ搭載機を開発できることを意味するため、今後他社からも出てくるでしょう。
ただし、Wマイク仕様ではない点と、(再生音量に伝道するのみで)移動などのシーンに合わせたノイズキャンセラの制御には未対応ですので、ソニーとは差があります。
防水性は、ありません。
外音取り込みモードは、装備です。
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以上、ヤマハのEP-E50A紹介でした。
汎用チップの採用で、比較的安くノイズキャンセラ搭載機を手に入れられる点が売りです。
その上で、「リスニングケア」の装備が魅力ですが、外音に連動するソニーの形式のほうが、通勤通学にはやや実用的かとも思います。
【2020年発売】
10・ヤマハ Empower Lifestyle EP-E70A
¥21,266 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC, AAC, aptX adaptive
連続再生時間:9時間
ドライバー:9.2mm
ノイキャン:Wマイク式
外音取込:対応
防水性能:
重さ:62g
ヤマハのEP-E70Aは、同社のノイズキャンセラ搭載Bluetoothイヤホンの上位機です。
形状からみても、前半記事でみた、ソニーの上位機(WI-1000XM2)がライバルでしょう。
本体色は、ブラック(EP-E70A(B))とホワイト(EP-E70A(W))です。
装着方法は、ネックバンド型です。
重さは、ソニー機とほぼ同等で、重めです。
ただ、このタイプは、主な重量が首に掛かるので、とくに不快感はないです。
再生周波数帯域は、20Hz-20kHz表記です。
ドライバーは、ダイナミック型(1WAY)です。
9.2mmサイズです。後発の利点で、わずかですがソニーより大きめとしています。
音質は、下位機種に引き続き、「リスニングケア」の搭載が目立ちます。
本機については、「リスニングケア(アドバンスド)」として、上位の機能を持ちます。
この場合、単純に音量レベルを、「音量」に基づいて調整するだけでなく、コンテンツ自体の録音レベル情報と、ノイキャン用のインマイクの背景雑音の解析情報とをデータとして利用します。
ネックバンド型として性能の良いエンジンを搭載したため可能になった技術でしょう。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACに対応します。
一方、本機は、Apt-XとApt-X adaptiveにも対応します。
ソニー機は対応しない部分なので、特にAndroid系のスマホユーザーには、遅延対策の部分で有利です。
通信安定性の面では、最新機として、Bluetooth5.0に対応です。
連続再生時間は、ノイキャンONでも、18時間と長めです。
ノイズキャンセリング技術は、この機種は、対応します。
ヤマハの場合もWマイク式です。
ソニー機と比較する場合、両側の騒音を解析する部分は同じですが、インマイク(フィードバックマイク)側について、音楽信号とノイズを切り分けて、ノイキャン特有の音質変化を防ぐという方向性です。
ヤマハは「音のクリアさ(ピュアオーディオ)」を優先するメーカーなので、ノイズキャンセラの効きより、「ノイキャンを使ってもできるだけ自然な音質」であることを重視したようです。
ただし、その分、騒音の打ち消し効果は(1マイク式と比べても)低いので、没入感はイマイチでしょう。
外音取り込みモードは、本機も付属です。
防水性は、ありません。
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以上、ヤマハのEP-E70Aの紹介でした。
「音のクリアさ」という同社の哲学を保持しつつ、「ノイキャン」を搭載した機種としてかなり評価できます。
通勤通学でも加工感のない(できるだけ)ピュアな音で聴きたい層は一定数いますので、訴求力は高いと思います。
1-2・有線型イヤホン
続いて、有線タイプのノイキャンイヤホンを紹介します。
ただ、この手のタイプは「どこから電源をとるのか?」という問題があるため、基本的には「特定の音楽プレーヤー専用製品」です。
【SONY ウォークマン専用品】
11・ SONY MDR-NWNC33
¥3,018 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域: 50Hz〜20kHz
ドライバー:13.5mm
ノイキャン:1マイク式
外音取込:なし
防水性能:
重さ: 16g
MDR-NWNC33 は、ソニーのノイキャン対応のイヤフォンです。
接続方法は、音質が保証される、ケーブルでのステレオミニプラグ接続です。
ノイズキャンセリング技術は、この機種の場合「注意」が必要です。
なぜなら、この製品自体には集音マイクがないからです。
ノイズキャンセルに対応させるためには、SONYのウォークマンなど、対応機器の利用が必須だからです。
一般発売されていますが、この点は注意しましょう。
音質の面では、13.5mmのドライバー(スピーカー)を1つ搭載する製品です。
低価格なイヤホンとしては割と大きなドライバーです。
しかし、素材などの情報開示がなく、性能面での不安が残る製品です。
再生周波数帯域は、低音域が50Hz、高音域が20kHzとなります。
他機と比較する場合、低音域部分のスペックが特に悪いです。
稼働時間は、有線方式ですので、本体の電源が続く限り利用できます。
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以上、MDR-NWNC33の紹介でした。
先述のように、SONYのウォークマン専用の製品です。
ただ、その用途で買われる場合も、音質を決定づけるドライバーユニットの性能が悪いため、積極的にはオススメしかねるという製品です。
ほかのモデルを選んだ方が良いと思います。
【SONY ウォークマン専用品】
【新製品】
12・ SONY IER-NW510N B
¥14,800 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
【旧製品】
13・ SONY IER-NW500N
¥14,800 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域: 5Hz〜40kHz
ドライバー:9mm
ノイキャン:1マイク式
外音取込:対応
防水性能:
重さ: 15g
IER-NW510Nも、ソニーのノイキャン対応のイヤフォンです。
なお、旧製品のIER-NW500Nがのこっています。
旧型のウォークマン(A40シリーズなど)の専用なので、それらをお持ちの方向きになります。
また、新型についても、ウォークマン(NW-A100シリーズなど)専用です。
接続方法は、こちらもケーブル式です。普通のステレオミニプラグ接続です。
ノイズキャンセリング技術は、マイク未搭載で、「ウォークマン専用」となります。
一方、ノイキャンの技術水準は、こちらの方が1ランク高いです。
SONYは、デジタル方式でノイズ処理しますが、その際に、周囲の騒音状況からAIが自動的にノイズキャンセル方式を自動選択する「フルオートAIノイズキャンセリング機能」が搭載されるからです。
ただし、その際利用される集音マイクは「シングル」です。
その点で、SONYの技術体系から言えば「入門レベル」の処理です。
なお、SONYの場合、ハイレゾ音源の場合もノイズキャンセリングが働きます。
音質の面では、ダイナミック型の6mmのドライバーです。
純粋に口径として言えば、下位機種よりも小さいです。
再生周波数帯域は、しかし、低音域(値が小さいほど良い)が5Hz、高音域(値が大きいほど良い)40kHzとなります。
駆動力を磁気回路でブーストする仕組みをとるため、ドライバーは小型でも、全レンジで音質の良さはこちらの方が上です。
稼働時間は、有線方式ですので、本体の電源が続く限り利用できます。
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以上、IER-NW510N の紹介でした。
ハイレゾ対応のウォークマン専用製品ですので、まずはその点に注意してください。
その要件を満たす皆さんについては、
ドライバーは小型ですが、ハイレゾに対応する品質です。
また、ノイズキャンセリング機能は、有線式の下位機種よりも高度なので、対応機器をお持ちの場合は、通勤用には特にこちらが向くでしょう。
【iPhone専用設計】
14・パイオニア RAYZ Plus SE-LTC5R-S
15・パイオニア RAYZ Plus SE-LTC5R-T
¥13,800 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域: 10Hz〜22kHz
ドライバー:9mm
ノイキャン:Wマイク式
外音取込:対応
防水性能:
重さ:5g
SE-LTC5R は、パイオニアが発売するノイズキャンセリングイヤホンです。
接続方法は、こちらも、有線です。
ただし、プラグはこの機種の場合、Lightningコネクターであり、iPhone7以降の専用設計です。
なお、ケーブルの途中にLightningコネクタがあるので、外部バッテリーで充電しながらでも音楽を聴ける仕様です。
ノイズキャンセリング技術は、搭載です。
システム的には、6つのマイクを内外に搭載する「ダブル方式」で他社高級機のように凝った作りです。
一方、外音を取り込めるHearThruモードを搭載しますが、スマホのジャイロなどと連動した、ノイズレベルの自動調整には非対応です。
音質の面では、9.2mmのダイナミック型ドライバーの搭載です。
やや小さめですが、ノイズキャンセリングに高度に対応させるためには、仕方のない部分です。
再生周波数帯域は、10Hz〜22kHzです。
ハイレゾには向きませんが、CD音源以下ならば問題ない音質で聴けるでしょう。
なお、Lightningコネクタを通すため、こちらはデジタル伝送となります。左右の音声のクロストークノイズが生じにくく、通常のアナログイヤフォンに較べて、ステレオ感が出やすいでしょう。
稼働時間は、iPhoneのバッテリー次第です。ただ、低電力消費技術の採用で、バッテリーを過度に消費しません。
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以上、SE-LTC5 の紹介でした。
iPhone専用とはなりますが、高度なノイズキャンセリング技術を採用し、iPhone用としては選んでよい製品です。
次回に続く
ノイキャン対応イヤフォンのオススメは結論的にこれ!
というわけで、今回は、ノイズキャンセリング対応イヤフォンの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
1・ノイキャンイヤホンの比較 (1)
1-1・Bluetooth(従来型)
:左右だけケーブルあり
1-2・有線タイプ
:入力・左右ともケーブルあり
2・ノイキャンイヤホンの比較 (2)
2-1・Bluetooth(完全独立型)
:入力・左右ともケーブルなし
3・ノイキャンイヤホンの比較 (3)
=最終的なおすすめ製品の提案
続く2回目記事(こちら)では、完全独立型のノイキャンイヤホンを見ます。
ノイキャン効果 ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
ハイレゾ再生 ★★★★★
ワイヤレス対応 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、3回目記事(こちら)では、今回比較した全機種から、予算別・目的別に、「Atlasのおすすめ機種!」を提案します。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら!
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