【今回レビューする内容】2025年 通勤通学向けのノイズキャンセリングイヤホンの性能とおすすめ・選び方:電車・飛行機でのノイズキャンセル
今回のお題
ノイキャン対応イヤホンのおすすめはどの製品?
ども、Atlasです。
今回は、2025年6月現在、最新のノイズキャンセリング対応イヤホンの比較です。
電車通勤や飛行機などに向いくノイキャン機能に注目しながら、主に大手企業が出す代表的な人気機種を紹介していきます。
1・ノイキャンイヤホンの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:アップル〈米国〉
1-3:ソニー〈日本〉
1-4:BOSE 1〈米国〉
2・ノイキャンイヤホンの比較 (2)
2-1:BOSE 2〈米国〉
2-2:パナソニック〈日本〉
2-3:JBL〈米国〉
2-4:ANKER〈米国〉
2-5:ヤマハ〈日本〉
2-6:ゼンハイザー〈日本〉
3・ノイキャンイヤホンの比較 (3)
3-1:デノン〈日本〉
3-2:ファーウェイ〈中国〉
3-3:Beats〈米国〉
4・ノイキャンイヤホンの比較 (4)
4-1:最終的なおすすめの提案【結論】
以上のような企業順に、各社の製品をみていきます。
一方、あらかじめ、2点、お断りしておくことがあります。
第1に、左右直結タイプのイヤホンについてです(写真)。
左右直結タイプは、ノイキャン対応機を含めて大手各社とも「生産を終息」させつつあります。
まだ店舗在庫はあるので、このブログだと別記事となる【左右直結タイプのBluetoothイヤホンの比較記事】でみています。
今回の記事ではみませんので、申し訳ないですが、そちらをご覧ください。
第2に、左右独立のTWS型イヤホンについてです。
今回紹介するのは全てこのタイプですが、お断りしておくことがあります。
ノイズキャンセリング技術(ANC)は、もともとSONY・BOSE・Appleなどが保有する自社技術で、少数のメーカーだけが展開していました。
しかし、2019年頃に、米国の半導体メーカーとなるクアルコムが汎用のSOC(=ノイキャン機能を装備したBluetooth通信ユニット)を出しました。
現在は、ハイブリッドノイズキャンセリングや「かかり」の自動調整にも対応した「第3世代」まで進化しました。
結果、大手だけでなく、中小各社が展開を始めており、展開数は(格安機を含めて)70機を大きく超えていて、爆発的な数に増えています。
一方、各機は、音質面や・利便性の部分で差がありますが、ノイキャン精度については、根本的には「チップによる」ので、メーカーごとの個性はさほどないです。
そのため、今回の記事は、クアルコム系、あるいは、ソニーがノイキャン部品を他社に外販した思われる製品は、Atlasが「面白い」と思った一部機種を以外は見ていません。
1・完全ワイヤレスイヤホンの比較(1)
1-1:選び方の基本の解説【導入】
1-2:アップル〈米国〉
1-2:ソニー〈日本〉
2・完全ワイヤレスイヤホンの比較(2)
2-1:BOSE〈米国〉
2-2:パナソニック〈日本〉
2-3:JVC〈日本〉
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較(3)
3-1:JBL〈米国〉
3-2:ANKER 〈米国〉
4・完全ワイヤレスイヤホンの比較(4)
4-1:Beats〈米国〉
4-2:SHURE〈米国〉
4-3:Bang&Olufsen〈北欧〉
4-4:Noble Audio〈米国〉
5・完全ワイヤレスイヤホンの比較(5)
5-1:ヤマハ〈日本〉
5-2:AVIOT〈日本〉
5-3:Final ag 〈日本〉
6・完全ワイヤレスイヤホンの比較(6)
6-1:Amazon 〈米国〉
6-2:Google 〈米国〉
6-3:ゼンハイザー〈ドイツ〉
6-4:DENON〈日本〉
6-5:AKG〈オーストリア〉
6-6:サムスン〈韓国〉
7・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (7)
7-1:オーディオテクニカ〈日本〉
7-2:ファーウェイ・シャオミ ほか
8・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (8)
=予算別・目的別のおすすめの提案【結論】
ただ、そうした機種(主に1万円台以下)もこのブログでは、別記事でみています。
以上の記事で、100機種以上の完全独立型イヤホンを比較しています。このブログのイヤホンの「メイン記事」なります。
すでに「お目当て」のメーカーがある方は、以上のリンク記事をご利用いただければと思います。
ただ、とくに「お目当て」の機種がない場合、今回の記事は、Atlasが「おすすめ」したいノイキャンイヤホンを「抜き出して」の紹介になります。
一般的には、このままご覧頂いて良いかなと思います。
音質の良さ ★★★★★
ノイズキャンセル ★★★★★
ハイレゾ再生 ★★★★★
立体音響 ★★★★★
軽さ ★★★★★
防水性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、各機のスペックを個別に比較していきます。
その上で、最後の「結論編」(こちら)で、上表のようなポイントから、Atlasのおすすめ機種を提案する形で記事を進めていきます。
よろしくお願いします。
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1・Bluetoothヘッドホンの比較
2・Bluetoothイヤホンの比較
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較
4・ハイレゾヘッドホンの比較
5・ハイレゾイヤホンの比較
6・ノイキャンヘッドホンの比較
7・ノイキャンイヤホンの比較
8・Beatsのヘッドホンの比較
9・ウェアラブルネックスピーカーの比較
10・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】
なお、今回の記事は、このブログのヘッドホン比較シリーズの一連の記事では、7回目記事として書きました。
1-1・ノイキャンイヤホンの選び方の基本
具体的な製品の紹介にはいるまえに、ノイキャンイヤホンの「選び方の基本」からです。
イヤホンの選び方の「基本の基本」は、すでに【イヤホンの選び方のまとめ】の記事で、キッチリと「まとめ」ました。
例えば、ハイレゾ対応するのに欠かせない「Bluetoothコーデック」に関する話です。
ほかにも、従来の「2Dサラウンド」を越える臨場感を得られる「イマーシブオーディオ(3D空間オーディオ)」についても、最近流行ですし、詳しめに書いています。
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ただ、改めて、お読みいただかなくても、今回の本編の製品紹介である程度分かるようにしていますので、心配無用です。
ただ、今回のテーマとなる「ノイキャン」部分のついては、改めてしっかり説明が必要だと思います。以下、新情報を加えつつ、すこし詳しめに紹介することにします。
1・ノイズキャンセリングの仕組み
ノイキャンの基本となる技術は、どのメーカーの製品も「同じ」です。
つまり、本体外部につけられた「マイク」がノイズ(騒音)を拾い、それと逆の傾向を持つ音(逆位相音)を発生させて、ノイズを打ち消すというものです。
しかし、同じ「ノイキャン」でも製品ごとに精度に差があります。
1・搭載されるマイクの数と質
2・制御するプロセッサの処理能力
3・加速度など状況判断力
これは、主に、上表の3点において各製品ごとに搭載技術が異なるためです。
結論的にいえば、これらの技術を備えた製品が「最も優秀」となります。
上表は、簡潔に、現状の諸方式をまとめたものです。
その上で、チップ自体の性能や、マイク数の違いなどで、もっと細かい機種ごとの性能差が付くと考えてください。
入門機(1万円前後)でも、性能のよいWマイク式(=ハイブリッド型アクティブノイズキャンセリング)を搭載する機種が増えました。
この場合、外マイクのみの1マイク式と違って、外側の騒音だけでなく、実際にきこえている内側の騒音(音楽)もAIが理解でき、ノイズが実際「どのように実際伝わっているか」も合わせて分析、処理できます。
高級機(2万円〜)だと、Wマイク式である上で、さらに、複数のセンサーで周囲の環境を判断しリアルタイムで、自動に強度が調整される仕組みも加わります。
アダプティブハイブリッドANCと呼ばれますが、長いので、今回の記事では「Wマイク式(自動)」と表記しました。
この方式は、マイクの音情報から騒音の種類(周波数)のみリアルタイムで分析する製品のほか、気圧計やスマホの加速度計など、別のセンサーを併用して高度に分析するタイプなど、製品ごと仕様が他種多様です。
最近だと、イヤホンの着脱を含むユーザーの装着状況の変化まで「リアルタイム」処理する機種もあります。
いずれにしても、センシングの仕組みの違いで精度は大きく変わるので、記事でも違いが分かるように書いていきます。
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メーカーで言えば、ノイキャン技術はSONY・BOSE・Appleの高級機が優秀です。
いずれも古くからノイキャンに取込みこんでいた企業で、自社で企画、設計した仕様のチップを採用するからです。
他社は、半導体を製造するクアルコムやMediaTekが販売する、ANC機能が内装される汎用チップ(Bluetooth SOC)の機能性をそのまま搭載する感じで、独自性は、先述の3社に及びません。
ただ、公平を期して言えば、クアルコム製の汎用チップは、2022年に登場したの第4世代 Adaptive ANC (QCC3071)以降、基本性能がだいぶ上がりました。
2024年登場の第5世代 Adaptive ANC(QCC3091)だと、最大-50dB程度のノイズ低減が見込めるなど、潜在性能がさらに向上しています。
このチップの採用は、高級なTWS型イヤホンに限ります。
しかし、JBL・アンカー、あるいはスマホ製造企業の純正イヤホンのノイキャン精度は、近年、確実に上がってきていると言えます。先述の大手3社との差は縮まってきていると言えそうです。
今回の記事では、各製品のノイズキャンセリングの「仕組み」や「得意分野」も、できるだけかみ砕いた形で説明していくつもりです。
なお、今回紹介しない機種を含めてですが、ノンブランドの格安機の場合、(アナログな)耳せん式や、マイク通話専用のノイズ削減機能も「ノイキャン」と書いている場合があります。
最近は減ってきたものの、激安品を選ぶ場合は、注意が必要です。
2・キャンセルできる音・できない音
ノイズキャンセリングは、名前の通り、全ての音を完全に無音化できる、というわけではありません。
例えば、電車の走行音、オフィスの空調音、自動車騒音などは、音の軽減は大得意です。
しかし、電車のアナウンスや話し声、プリンターの駆動音など、高い周波数の音の軽減は苦手です。
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結論的にいえば、ノイキャンイヤホンは、移動中に使うことを想定して作られている製品です。
とはいえ、カナル型イヤホン(密閉型)の場合は、それ自体ある程度の遮音性があります。
そのため、複数のパターンを自動で切り替えることで、生活雑音などに広く対応できるため、汎用的に遮音利用することができます。
3・ノイキャン対応イヤホンの音質
音質は、ノイキャンをかける場合、かけないよりも「落ちる」のは確かです。
ただ、とくに移動中について言えば、周辺ノイズをキャンセルできた方が、そのままで、聴くよりも「実質的に良い音が得られる」のは間違いないです。
そのため、昔と違って、ハイレゾ対応機など音質が「売り」なイヤホンでも、ノイキャンを機能として持ちつつ、シーンに合わせて、その「かかり」を調整する方向にあります。
ノイキャンがある機種は、たいていの場合、(タッチセンサーを押すなどして)外音を聴き取れるようにするモード(ヒアスルー)があります。
その部分でも、外出時での利用は耳せんでのパッシブな遮音しかできない機種より、相当便利です。
1-2・Appleのノイキャンに対応イヤホン
では、製品の比較をはじめます。
はじめに、Appleのノイキャン対応イヤホンからです。以前は、ソニー・BOSEといったライバルにノイキャン性能で及んでいませんでしたが、上位機では、最近はこの部分で大きな進化がありました。
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なお、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチだと思う部分を青字で書きます。
【2023年9月発売】
1・Apple AirPods Pro MTJV3J/A
¥37,354 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-
コーデック:SBC・AAC
3D音響:対応(空間オーディオ)
個人最適化:高度(ヘッドトラッキング可)
連続再生時間:6時間
ドライバー:11mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式 (自動)
防水性能:IPX4
重さ:5.3g×2
AirPods Proは、Appleの販売する完全ワイヤレスイヤホンの上位機です。
なお、2023年に「第2世代」に更新されました。マイナーチェンジを入れると実質的に4回目のモデルチェンジです。
今回から、充電が(iPhoneの変更に合わせ)USB-Cになっています。
そのほか、話題のApple Vision Pro(Appleメガネ)利用時のみ、CD音質(ロスレス:48kHz/20bi)での音源転送が可能になりました。
また、ノイキャンの部分で「適応型オーディオ」に対応する部分が違いです。この部分は後ほど書こうと思います。
一方、音質やノイキャンの効きに関する部分は(2022年発売の)1世代前の従来機と基本同じです。なお昨年モデルでノイキャンの精度の改良があったので、それ以前に買った場合、それらの部分でも差はあるでしょう。
重量は、5.3gです。
売れている製品だけに、完全ワイヤレスイヤホンにおける1つの「快適な重さの基準」と言えます。
実際、これより重いと、長時間装着時に、わりと圧迫感が出てしまいます。
イヤーピースは、4サイズが添付されます。
音質面では、同社の伝統ですが、「バランス重視」です。
Apple特有の低音域・高音域が強調されないフラットな音質と言えます。
音漏れしにくいカナル型形状の製品ですが、空気を逃がすベント(孔)はあるので、音抜けもよいです。
このタイプは微少の音漏れはあり得ますが、イヤーチップ装着テストをしっかりし、適合したタイプを利用すれば、気になるレベルではないです。そもそも口径も小さめですし。
音質のパーソナライズは、アダプティブイコライゼーションに対応します。
内側のマイクを利用して実際聞いている音を把握し、中低音域の周波数を調整をする技術です。同社のヘッドホンと同じ技術です。
ヘッドホンと違って、イヤホンは利用時にあまりズレない(視聴環境の変化は少ない)とは言えますが、密着度、あるいは、音源の性質に由来する不快感は吸収しますし、あって損はないと思います。
立体音響は、「空間オーディオ」をフォローします。
空間オーディオという名前自体は(商標でないので)各社でいろいろ使っています。
Appleの「空間オーディオ」は、7.1chまでのドルビーほか、映画用の立体音響技術のドルビーアトモスを音源として 利用する形式です。
ドルビーアトモスは、映画館のような上からの振り下ろし音を3D的にフォローできるサラウンド規格で、ネットを含む映画コンテンツで採用が多い音響規格です。
これらのデータを利用しつつ、再計算して立体音響を再現しています。
耳の聴覚特性で立体感は変わるので、iPhoneのカメラ(TrueDepth)を使い頭の形を測定して、カスタマイズする機能を備えます(=パーソナライズされた空間オーディオ機能)。
ヘッドトラッキング機能も、空間オーディオの補間技術として対応です。
内蔵される加速度・ジャイロセンサーを利用し、利用者の頭の向きに連動して、立体音響(ドルビーアトモス)の方向性を正しく調整する技術です。ようするに、普通のスピーカーのように、自分が首を振ったりしても、音が正しく定位します。
技術自体は10年以上前に確立していて、立体音響についても、ゲーム用ヘッドホン(写真はJBL Quantum ONE)などで既に先行しました。
ただ、ワイヤレスイヤホンでは初で、素直に「すごい技術」だと素直に思います。ちなみに、2022年から「Dolby Head Tracking」という汎用規格が登場したので、他社にも普及していきそうです。
立体音響の対応コンテンツは、Apple系の場合、基本的にAppleの提供する音源・映像になります。
音楽コンテンツは、Apple Music(Dolby Atmos音源)です。
映像コンテンツは、Apple TV(Dolby Atmos音源)とFace Timeです。
このほか、Netflix・Amazon Musicなどの空間オーディオコンテンツも一部再生可能です。
端末は、iPhone・iPadほかMac OS(itunes)を介して使う形です(Intel Macは一部機能制限あり)。
ドライバーは、サイズ・素材とも非公開です。
ユーザーレベルの情報だと11mmとのことです。その場合、大きめと言えます。
奥側に広い形状なので、あっているかなと思います。
再生周波数帯域も、非公開です。
初代は低音側が20Hzと公開がありました、周波数帯域はH2チップの採用でより拡がったとします。
一般的に問題ない水準ですが、ドライバの口径を考えると、他社機(高級機)に優るとも言えません。先述のように、低音より、全音域の聞きやすさを重視しています。
Bluetoothコーデックは、SBCのほか、 iOS系はAAC対応なのでAACに対応します。
Androidユーザーでも本機は使えますが(機能制限あり)、買う人は少ないでしょうし、Apt Xは対応しません。
接続安定性の面では、しっかり、Bluetooth5.3に対応です。
遅延については、本世代で改善がみられますが、やはりApt X系よりは弱いです。
ノイズキャンセリングは、搭載です。
外側と内側に集音マイクを装備する上位のWマイク式(自動)です。
耳側のノイズをセンシングして打ち消すためノイズ除去率が1マイク式より格段にアップします。旧機種も同じ仕組みでしたが制御チップ(H2)の更新で精度は2倍といわれます。
実際、他社高級機と比べても「効きは良い」です。
リアルタイム分析(Adaptive)は、騒音(環境ノイズ)の種類のデータほか、、先述のように、イヤホンの装着状況もリアルタイム解析して、調整します。
急激な騒音状況の対応力も、専用プロセッサを利用する、後述ソニーを例外とすれば、相当高度と言えます。
マイク数は、片側につき3つです(内側1つ、外画2つ)。
(大きい)ヘッドホンは例外ですが、イヤホンだと高級機でも3マイクが多いです。
自動処理の部分は、(ノイキャンとは別のモードとしての)適応型ノイズコントロール(モード)で利用できます。
自宅では、自然な外音を取り入れ「普通のステレオスピーカー」のように、外出先では、AIが周囲の外音や会話状況を即時に分析し、(電車のアナウンスなど)必要な外音か、そうではないかを判別し、ノイキャンと外音取り込みを(ある程度)自動化させるという方向です。
この部分の「効き」の評価は現状で意見の分かれる部分です。ただ、OSアップデートを含めて、今後進化・改善している部分でしょう。
そのほか、視聴傾向でAIがメディア音量を自動化する機能(適応型オーディオ)もありますや、後述する会話検知などが注目点です。
外部音取り込みモードも対応です。
ノイキャンをしつつ、電車のアナウンスは聞きたい場合などに使います。
「適応型環境音除去( Adaptive Transparency reduce)」に対応し、周囲の騒音状況が酷い場合、自動でかかりが調整されます。
連続再生時間は、ステレオ再生で6時間です。
ケースに内蔵される予備バッテリーの量も含めると、最大30時間です。
Apple MagSafe充電器
¥5,838 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
充電ケースは、2021年機からは、QiやUSBほかMagSage充電(15W)にも対応するようになりました。
上記の純正を含む対応品を使うと、充電速度がQiに対して2倍ほど速くなります。
マイクは、搭載されます。
スマホでのハンズフリー通話が可能で、風切り音のキャンセル機能もあります。
そのほか、装着時に自動的にON/OFFになる機能など、使い勝手の配慮も高いです。
防水性は、IPX4等級です。
雨天までなら対応できる水準です。
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以上、AirPods Pro(第2世代)の紹介でした。
H2チップ搭載で、iOSとの相性は最も良いですし、iPhone用に「アップル製品限定」で探している方には候補となるでしょう。
一方、ソニー上位機と比べると、バランス重視の音質なので、低音域を中心とする音圧という部分では、負ける部分はあります。ノイキャンも、状況対応力の部分でわずかに及んでいない印象です。
音源的にも空間オーディオは他社でもフォローしている機種は多いです。その点で言えば、純正品のみ使える独自機能はヘッドトラッキング機能ほどになります。
こうした部分で、(最終的に本機を選ぶにしても)他社の競合製品をみる意味はあります。
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【2024年発売】
2・Apple AirPods 4 ANC MXP93J/A
¥26,061 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC・AAC
3D音響:対応(空間オーディオ)
個人最適化:高度(ヘッドトラッキング可)
連続再生時間:5時間
ドライバー:
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式 (自動)(上位機のみ)
防水性能:
重さ:4.3g×2
なお、本機の下位機種となるのがAirPods(第4世代)です。
重さは、いずれも、4.3gというスペックです。
しっかり軽いと言えます。
ノイズキャンセリングは、こちらも搭載です。
精度は、上位機に比べて仕組みの違いの公式の説明はないです。
同じH2チップを使ったWマイク式で、自動調整(適応型ノイズコントロール)もできますし、機構とパーツは共通でしょう。
なお、ノイキャン機構がない機種は、適応型オーディオはもちろん、外音取り込みモードもない点は注意です。外出先でも使うでしょうし、できれば、上位機が良いでしょう。
本体構造は、同じインイヤー型ですがオープン型構造です。
静粛な環境で若干の音漏れがあるほか、(パッシブな部分を含めて)ノイキャンの精度も落ちます。上位機と違って「2倍」のノイキャン(ANC)という表現がないのは、マイクの位置や精度の違いによるものというよいr、オープン構造に由来する部分が大きそうです。
加えて、適応型環境音除去に非対応です。
大きな音の軽減、会話強調などができません。
バッテリーは、いずれも5時間です。
ただし、ANCを有効にする場合、4時間です。
バッテリーケースは、むろん付属です(最大30時間分)。
ただ、下位機は充電ケースを(iPhoneで)「探す」機能が使えない程度です。チャイム用のスピーカーがないからです。
あとは、上位機と目立つ差はなく、空間オーディオも使えます。
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結論的にいえば、ノイキャン部分の静粛性と、(わずかな)音漏れの部分で、上位機と差はあります。
オープン構造は音抜けはよいものの、音漏れがあるのがやはりネックですので、通勤通学時はともかく、静粛性が必要な場所で使いにくい部分があります。
1-3・ソニーのノイキャンイヤホン
続いて、ソニーのノイキャンイヤホンです。
左右直結タイプのイヤホンの時代から、ノイズキャンセリングについては、業界一の力があった企業です。
TWS型になった現在も、自社でチップ生産できる利点を活かして、良質な製品を出し続けています。
【2023年7月発売】WF-1000XM4後継機
3・ SONY ノイキャン WF-1000XM5
¥30,799 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC LC3
3D音響:対応(360 Reality Audio)
個人最適化:高度(ヘッドトラッキング可)
連続再生時間:8時間
ドライバー:8.4mm
マイク:搭載
ノイキャン:3マイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:5.9g×2
WF-1000XM5 は、SONYの完全ワイヤレス型イヤホンの最上位機です。
本体色は、ブラック:WF-1000XM5 (S) とシルバー:WF-1000XM5 (B) の2色構成です。
重量は、5.9gです。
完全ワイヤレスイヤホンの場合、音質を保持しての小型軽量化は難しいです。
しかし、ソニーの場合、半導体製造技術で部品のSiP化(System in Package)をなしつつ、後述する、薄型ドライバの開発で、これを実現しています。
実際、みかけも「小粒」になりました。
イヤーピースは、4サイズ付属です。
旧機とは形状が変わりましたが、別売もされる、自社の「ノイズアイソレーションイヤーピース」を採用します。
こちらは(アナログな意味での)遮音機能と装着性を重視するものです。
(デジタルな意味での)遮音機能がある機種でも、対策がないと音漏れはあるので、この仕様で良いでしょう。
ドライバーは、先述のように新型です。
ダイナミック型の8.4mmの薄型ドライバーです(ダイナミックドライバーX)。
振動板のエッジ部とドーム部に異なる素材を利用し、それぞれ、低音域・高音域をならせる方式で、小型でも、ハイレゾ対応水準の周波数帯域にする工夫です。
それぞれの素材は非開示ですが、エッジは軟性素材、振動版は硬質素材です。ソニーは、従来、あまり大きなドライバーを搭載しなかったのですが、今回は大きめです。
周波数帯域は、20Hz-40kHzとの表記です。
高音域側が「ハイレゾ対応水準」である40kHzを超えており、(業界基準として)ハイレゾ音源に対応です。
正確には、後述するBluetooth(LDAC)の伝送帯域としての表記ですが、業界団体のハイレゾ対応表記はありますので、ドライバーも対応といえます。
SONYは重低音を重視する機種がありますが、本機は、エキストラバス機能がないので、低音域を過度に強調した機種ではないです。
とはいえ、ドライバーは大きいですし、従来機より低音域の厚みは出ています。Appleに比べても「厚い」ように思えました。
立体音源は、ソニーの360 Reality Audio規格に対応です。
Appleの「空間オーディオ」に相当するものです。同名の専用アプリ経由で、最先端の3D立体音響を楽しめます。
360 Reality Audioの場合、Dolby Atmosコーデックではなく、独自の音楽用コーデックを利用します。音源とアプリベースの処理なので、ソニー製品でなくても、Bluetooth搭載のイヤホンならば、他社製品でも使える点で汎用性があります。
立体音響の音楽コンテンツは、360 by deezerかnugs.netほかで対応します。
そのほか、定額聴き放題サービスでも、「Amazon Music Unlimited」で、3Dオーディオの配信がはじまりました(ただし後述のパーソナライズはAmazonは非対応)。
イヤホンも2021年後半からアマゾンで使えます。(こちら)で無料体験が可能です。
ヘッドトラッキングも、対応です(360 Reality Audio ヘッドトラッキング)。
Appleでみたように、位置・ジャイロセンサーで、顔の向きを変えても、方向的な立体感が維持されます。
この機能があると、音楽だけでなく映像も立体音響に対応できます。
空間オーディオ(360 Reality Audioの)で利用するには、「360 Reality Audio認定スマートフォン(ソニーのXperia)」であることが必要です。
あとは、「Android ヘッドトラッキング」に対応するスマホの特定アプリで利用できます。その意味ではiOS系との相性はあまり良くないです。
音質のパーソナライズは、対応です。
先述のように、ソニーの立体音響は他社機でも再生可能です。
ただ、ソニーによる「360 Reality Audio認定ヘッドホン」の場合、再現性が高いです。
耳の形をカメラで撮影し聴覚特性に応じて、カスタマイズされるからです。
そのほか、アプリでの初期設定時、適切なイヤーチップをカメラを使い提案してくれる機能ほか、ノイキャンのかかりを最適化させるため、内蔵マイクを使いつつ調整する機能があります。
この際、周囲の気圧状態も見ながら調整する点は独自です。
一方、実際の視聴状況(音源や装着状態)に基づいてリアルタイムで中音域の周波数を可変させ、音質向上を目指すAppleの工夫(アダプティブイコライゼーション)に相応するような機能は、未搭載です。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACほか、LDACにも対応します。
ハイレゾ音源再生をしたい場合、こちらを使う必要があります。
スマホならば、SONYのXperiaや、GalaxyのS20シリーズ、音楽再生機機ならば【ウォークマンの比較記事】で書いた同社製品に(ほぼ)限定されます。
音がだいぶ遅延するので、ゲームなどには使えない、ハイレゾ専用のコーデックです。
そのほか、最近話題になってきたLC3コーデックも対応です。
SBCよりは音質が良いコーデックです。
その上で、低ビットレートで音質が確保できるので(口パクズレが問題になる)映像視聴・ゲーム用の音楽機器においてちらほら採用が見られはじめたものです。むろん、プレーヤーやスマホ側の対応も必要です。
遅延は60msと書きましたが、実際的にもう少し良い(30 ms前後)まで伸ばせると言われます。
ハイレゾの部分で言えば、本機は、DSEE Extremeという、SBC/AACなどの圧縮音源を「ハイレゾ相当」に再計算してアップスケーリングする機能を持ちます。
通常音源が「ハイレゾ級」にはなるので、ワンポイントとは言えるでしょう。
通信安定性の面では、本機はBluetooth5.3に対応しており、優秀です。
ノイズキャンセリングは、旧世代(左図)と同じ、イヤホンの内外にマイクがある構成なのですが、新モデル(左図)は、フィードバックマイクが2つに増量され、片側3マイクになりました。
つまり、Apple(上位機)と同じです。
仕組み的には、(片側3マイクですが)Wマイク式(自動)に当てはまります。
リアルタイム分析は、マイクせ収集した騒音の種類(周波数)ほか、先述のイヤホン装着状況のデータほか、後述する、スマホの加速度計の情報を付け合わせて、高度な分析をおここないます。
こうした複数のデータを基に、かかりの強度が自動調整されるため、シーンに応じた的確なノイキャンができます。
チップは、ソニーは専用設計です。
Bluetooth SoCとノイズキャンセルにも使う統合プロセッサーV2と、ノイキャン専用の「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN2eとを搭載します。
クアルコムなどの半導体メーカーの既製品ではなく 独自企画のプロセッサ名の言及があるのは、イヤホンだとソニーほどであり、それが、高度なノイキャンに寄与しています。
同社は、昔からノイズ対策に相当力を入れてきたメーカーですし、精度には定評があります。
一方、この分野に強いAppleやBOSEに比べる場合、ソニーは、ノイズの完全な「無音化」よりも、周囲の騒音状況に合わせて、聴き手の違和感なしに、「自然に」騒音を抑える方向に強いといえます。
しっかり音楽が聞こえつつ、「ノイキャン疲れ」が起こりにくい部分が、聞き比べた場合の特徴です。
使い勝手も、優秀です。
例えば、スマホの加速度センサーと連動し、歩行・走行・静止状態・電車内と状況を検知し、外音の取り込みレベル・ノイズキャンセルのレベルを自動調整してくれます。
スマホのGPSと連動し、事前に登録した場所と連動させることも可能です。
「アダプティブサウンドコントロール」と言いますが、移動時の実際の実用性は高いです。
また、アンビエントサウンド(外音取り込み)モードほか、タッチセンサーによるクイックアテンションモードも利用できるため、使用中の一時的なボリューム調整も簡単です。
外音取り込みも、対応です。
歩行中など、外音も聴きたい場合、便利です。
本機の場合、「スピーク・トゥ・チャット」機能として、ユーザーの発声を検知した場合、勝手にモード変更してくれます。
不意に発話をしなければならない際など、便利でしょう。 連続再生時間は、ステレオ再生/ノイキャンONで8時間と長寿命です。
バッテリーケースは、充電器を兼ねており、約2回分フル充電可能です。
Xperiaからのワイヤレス給電もできますが、これはまあ「おまけ」でしょう。
マイクは、搭載です。
ヘッドセットとして利用することができます。
指向性を強めるビームフォーミング技術ほか、骨振動(骨伝導)センサーを利用した集音設定と、AI技術を利用したノイズ軽減など、この部分も高度です。
音声AIは、AmazonのAlexaとGoogle アシスタントと連携できます。
GoogleについてはAndroid系端末のみですが、AlexaはiOSでも呼べます。
防水性は、日常生活防水、つまり、IPX4等級です。
1つ前の世代からイヤーチップの改良があり、ずり落ちにくくなったので、雨天でのトレーニングに使えるといえます。
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以上、ソニーのWF-1000XM5の紹介でした。
小型軽量化をなしつつ、ライバル社並の大きめドライバーを採用した機種です。両立しにくいこれらの要素を、ユニット自体の全体の見直しで実現した部分が本機の魅力です。
ノイキャン部分を含めて自製できるソニーの良い部分が全面的に活かされた製品と言えます。
その上で、もともと良かった「ノイズキャンセラの精度と効き」も、さらに手が入りました。外で利用する場合、良音を得るために最重要な部分ですので、この部分も高く評価できます。
ライバルは、同じく「2マイクのノイズキャンセラ」を持つAirPods Proです。
iOSとの連動性はH2チップの採用で、SONYは分が悪いです。しかし、ノイズキャンセラの実用性や精度、また、特に低音域のボリューム感はSONYが上回るでしょう。
その上で、「ハイレゾに真面目に対応した」完全ワイヤレスである点で、音源自体の音質を重視する人にも向く機種です。
音質も、良い意味で「音響専門メーカーの味」があるので、純粋にイヤホンの音質で選ぶとしても、この機種はおすすめです。個人的にも、かなり好みの音質です。
【2024年発売】
4・ SONY LinkBuds Fit WF-LS910N
¥19,980 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC LC3
3D音響:対応(360 Reality Audio)
個人最適化:対応
連続再生時間:5.5時間
ドライバー:8.4mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4相当
重さ:4.9g×2
LinkBuds Fit WF-LS910Nも、SONYのイヤホンです。
2022年登場の LinkBudsというシリーズに属する現行モデルです。
簡単に言えば、ソニーが得意な精度の高いノイキャン機能と、「小型化・軽量化」の両立を目指した製品といえます。
重量は、4.9gです。
ノイキャン機能を搭載する上級機として、かなり軽量・小型と言えます。
イヤーピースは、4サイズ付属です。
一方、上位機(1000XM5)よりかなり浅いタイプで、外耳道に拡げ、ウイングで固定するタイプです。その軽さとともに「フィット」の名前の由来です。
形状全体で言えば、薄型に作ることで長時間の装着でも疲れにくくするという配慮もあります。
新型形状なので装着感は現物を見てから加筆予定です。
音質のパーソナライズは、ただ、ソニーの場合、上位機同様に対応です。
フィッティングをスマホで行えますし、適切なサイズを利用すれば、フィット感を含めて問題なさそうです。
ドライバーは、8.4mmです。
同社の最上位機と同じものです(ダイナミックドライバーX)です。
先述のような形状は、(薄型軽量でも)大きなドライバーを乗せるための工夫だったと言えます。
むろん、ハイレゾ対応水準です。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・LDACに対応します。
「ハイレゾ対応水準」です。DSEE Extremeによるアップスケーリングにも対応できます。
立体音響は、こちらも「360 Reality Audio」の認定製品です。
先述のように、ソニー製の対応機の場合、個人の耳の形に応じたカスタマイズが可能です。
ヘッドトラッキングも対応できます。
ノイズキャンセリングは、Wマイク式のノイキャンが搭載です。
プロセッサは上位機同様の統合プロセッサーV2です。
上位機搭載のノイキャン専用のQN2eは搭載しない上で、マイク数に差があるため、性能部分は大きな差はあります。
例えば、リアルタイム分析においても、反応の即時性や精度で差があります。
形状の違いもあり(耳せん的な)パッシブな遮音の部分を含めて、静粛度は上位機には負けます。
一方、外音取り込みや、アダプティブサウンドコントロールなど、上位機で便利と感じる要素は、本機もしっかり搭載です。
連続再生時間は、5.5時間です。
バッテリーケースは、USB充電式で、15.5時間分のバッテリー容量です。
マイクは、搭載です。
MEM式の全指向性マイクですが、上位機と同様のプロセッサー(V2)のパワーと、ビッグデータとAI技術を利用した新しいアルゴリズムでも通話品質を安定させる工夫があります。
ただ、こちらは、骨伝導センサーを搭載しませんし、マイクの数の部分を含めて、上位機とは差があります。
音声AIは、AmazonのAlexaとGoogle アシスタントは連携できます。
防水性は、IPX4相当です。
雨天のジョギングなら利用できるでしょう。
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以上、ソニーの LinkBuds Ftiの紹介でした。
音質面でドライバーサイズで妥協せず、軽さと装着感を高めた部分で評価できます。ノイキャンは上位機との主な差ではありますが、スタイルも良いです。
一方、密閉型ですが、浅型なので、没入感は上位機ほか、次に見る兄弟機に比べて負ける部分はあるのと、ウイングチップ(フィッティングサポーター)が1サイズなので、その部分で、フィット感の個人差がありそうな部分が懸念材料です。
ここは現物を確認してから加筆予定ですが、似た形状の先行製品をみれば、おそらくたいていは問題ないようには思っています。
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なお LinkBudsは、姉妹機がほかにあります。
順番にみておきます。
【2022年発売】
5・ SONY LinkBuds S WF-LS900N
¥19,935 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC LC3
3D音響:対応(360 Reality Audio)
個人最適化:対応
連続再生時間:6時間
ドライバー:5mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:4.8g×2
第1に、LinkBuds Sです。
このシリーズの初代ですが、おそらく、先ほどのFitsが後継機と思え、しばらくすると終売になるかなと思います。
重量は、4.8gです。
こちらも軽量です。
耳の小さな女性でも違和感なく、快適に着けられると言えます。
イヤーピースは、3サイズ付属です。
こちらは、一般的な深めのカナル型(密閉型)です。
密閉率は同社の最上位機相当なので、没入感という意味では、上位でしょう。
軽いので、長時間の装着でも問題ないです
ドライバーは、ただ、5mmと小さいです。
そのため、同社も音質面での主張が少なめです。
一応、Bluetoothコーデックを含めてハイレゾ対応水準ですが、それに剥くスペックとも言えません。
ノイズキャンセリングは、本機もWマイク式(自動)のノイキャンが搭載です。
ただ、プロセッサが旧世代(V1)です。
この世代でも、騒音の種類のリアルタイム分析はなしますが、イヤホンの装着状況の変化を含めた分析はなしません。
このほか、外音取り込みの精度(取込量の自動調整)や、無線の接続安定性などの部分で差が付きます。これは、発売時期に由来するものなので仕方ないです。
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結論的にいえば、値段面ほか、形状的には「あり」な製品です。
たしかに、プロセッサに由来する部分で、このシリーズでは下位で、ドライバも小さいです。その点で言えば、予算があれば、Fitとは言えますが、現状の価格からすれば、お買得感は高いです。
1-4・BOSEのイヤホン
続いて、アメリカのBOSEのノイキャン対応の完全ワイヤレスイヤホンです。
ソニー同様に、ノイズキャンセリング技術に大昔から取り組んできた、アメリカ東海岸を代表する高級オーディオメーカーです。
【2023年発売】
6・Bose QuietComfort Ultra Earbuds
¥29,198 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
【2022年発売】
7・Bose QuietComfort Earbuds II
¥15,379 楽天市場 (6/13執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC aptX Adaptive
3D音響:対応(Bose Immersive Audio)
個人最適化:高度(ヘッドトラッキング可)
連続再生時間:6時間
ドライバー:9.3mm
マイク:搭載
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
防水性能:IPX4
重さ:6.24g×2
QuietComfort Ultra Earbuds は、アメリカのBOSEが販売する、ノイキャン対応の完全ワイヤレスイヤホンです。
人気のあったBose QuietComfort Earbuds IIの後継機です。
後述するBose Immersive Audioに対応した点と、コーデックの部分でApt-X adaptiveに対応した点とが、主な違いになります。
あとは操作面の違いですが、それでも変化は大きいので、できれば新機種が良いでしょう。
同社は、老舗の高級オーディオメーカで、低音域が充実する独特の「ボーズサウンド」はファンが多いです。ノイキャンもソニー同様に、(汎用チップではなく)自社技術をもつ会社で、技術レベルが高いです。
本体色は、ブラック(882826-0010)と、ホワイトスモーク(882826-0020)が基本色で、ムーンストーンブルー(882826-0050)は、限定色のようです。
重量は、片側6.24gです。
ソニー・Appleのハイエンドと重さはあまり変わりません。形状は、写真のように、レシーバー型に近い独特の存在感です。
イヤーピースは、3サイズが添付されます。
本機は、スタビリティバンドも3サイズ換装できる仕様で、耳の形状に合わせてフィットさせることを強く意識しています。
音質のパーソナライズは、BOSEも対応です。
ただ、Appleやソニーとは考えが違います。
本機は、起動時に毎回短いトーン再生を行い、それで装着具合を見ながら反響音を調整する機能になります(CustomTuneオーディオテクノロジー)。
音質向上効果もありますが、とくに音漏れ防止という音量部分でのメリットもあると思います。
イヤーピース自体にアナログな遮音性はさほどあるように思えませんし、ベントもありますが、問題を感じない理由の1つかと思います。
ドライバーは、サイズは非公開です。
ただ、海外の情報サイトによると9.3mm(あるいは9.2mm)のようです。
音質は、イヤーピースの特性もありつつですが、しっかり低音域が充実するサウンドです。
この部分は同社の伝統であり、旧機と同じです。
同「アクティブEQテクノロジー」で、小音量での再生時でも、しっかりバランス調整され、とくに低音域(重低音)の迫力が削がれない技術です。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACほか、Apt-Adaptiveに対応です。
イヤホン側の規格として、(HD水準の)48kHz/24bitですが、メーカーとしても(業界認証マークはないですが)「ハイレゾ対応」と書いています。
このコーデックは40msと低遅延なので、むしろ映像視聴用としても優れるでしょう。
立体音響は、対応です。
今回の新機種の「目玉」であり、Bose Immersive Audioに対応します。
Appleの「空間オーディオ」や、SONYの「360 Reality Audio」と異なり、専用音源に依存せず、(ソフト的なサラウンド処理で)通常の音源を、独自の計算で「立体音響」にするという方向です。
BOSEの場合、もともと立体音源のデータがあるDolby Atmosなどの音源も扱えますが、通常のステレオ音源も独自のアルゴで「立体音響」にして、再生をすることができます。技術としては、(ヘッドホンで)ヤマハが先行しましたが、BOSEも採用したという感じです。
Apple・SONY式と、BOSE・ヤマハ式の違いは、表現が難しいのですが、ハイレゾ音源と、ステレオ音源のハイレゾアップコンバートとの違いに近いでしょうか。前者が「リアル空間オーディオ」志向だとすると、後者はバーチャルな「空間オーディオ」といえるかもしれません。
そもそも、BOSEは「音を自社様式で作り込む(みたい)」方向なので、これで良いのだと思います。
このほか、本機は、Apple機で説明したような、ヘッドトラッキングも行えます。
接続安定性の面では、Bluetooth5.3に対応しています。
ノイズキャンセリング機能は、Wマイク式(自動)です。
「BOSE ActiveSense」という機能名です。
マイクは、片側につき、内側に1つと、外側に3つ(両側で総計8つ)。
外側の1マイクは通話専用などと割り振りはせず、全てノイキャンに使われる仕様のようです。
リアルタイム分析は、本機も装着状況(種類)に応じ、AIが周囲の状況を判断して自動で出力を調整てすいます。
一方、騒音種類の違いのリアルタイム分析はなしますが、装着状況や、動状況までふくめたリアルタイムの分析は(ソニーと違って)言及はないです。
先述のように、装着時の装着状況の解析は行います。しかし、その後のリアルタイムな状況変化については、追っていません。
外音取り込みは、可能です。
マイクを通じて外音を入れるヒアスルーは対応です(Awareモード)。
このモードの際、大きな音がした場合、Bose ActiveSenseテクノロジーにより、しっかりノイズを押さえます。
このほか、通常は最大(Quiet)で使いますが、ノイキャンのかかりは段階的に軽減でき、2種までカスタマイズして登録可能です。
ノイキャンの効きは、最大の場合「かなり」です。単純に、外音の遮断度でいえば、三大メーカーでも屈指だと思います。
連続再生時間は、ステレオ再生/ノイキャンONで6時間と長寿命です。
バッテリーケースは、やはり、充電器を兼ねており、約3回分利用可能です。
また、本体への20分での2時間分再生のクイックチャージに対応です。充電はUSB-C経由です。
マイクは、搭載です。
通話時には、ノイキャンしつつ、自分の声を拾うので、違和感なく会話できます。
防水性は、IPX4等級です。
防滴構造はありますが、構造的にスポーツ用ではないでしょう。
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以上、ボーズのQuietComfort Ultra Earbudの紹介でした。
音質は、ドライバの口径の制約を思わせない低音域で、小音量でも低音域のバランスがよいと感じます。
その上で、従来機同様に「ノイキャンの強さ」は相当です。
第2世代のApple AirPods Proもこの部分に定評がありますが、あちらは、(空間オーディオを含めて)ある意味「iOS向け」のような製品なので、汎用的に使う場合とくに候補になりそうです。
ノイキャンを最大にした場合の「静粛性」は、BOSEサウンドの特性によるだろう部分を割り引いても、相当強力です。飛行機などの相当うるさい空間で、没入感を重視する場合は、特に候補になりそうです。
逆に、歩行時など、状況に応じたかかりの調整は、引き続き、SONYやAppleに比べるとややざっくりな部分はあるのが注意点になります。
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【2024年発売】
8・Bose QuietComfort Earbuds 第2世代
¥20,873 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC (AAC)
3D音響:対応予定(Bose Immersive Audio)
個人最適化:
連続再生時間:8.5時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイズキャンセル:Wマイク(自動)
防水性能:IPX4
重さ:8.5g×2
なお、2020年登場の従来機の「第2世代」として QuietComfort Earbuds 第2世代が出ています。
在庫部品の関係で限定期間売られるものか、下位機として復活させたのかは、今のところ不明です。
重さは、8.5gです。
旧機を含めて、重さと大きさが問題点で、結構な存在感です。
機能面では、本機の場合、先述のCustomTuneオーディオ技術がないです。
これもあり、ノイキャンは(方式は同じにせよ)かかりは上位機に及ばないです。
そのため、最大にかかるモード(イマージョン)は、上位機と違ってないです。
立体音響は、一方「対応予定」との表記でした。
あとは、初代と違って、Bluetoothのマルチポイント接続に対応した点と、(公式の情報で刃ないですが)AACもフォローする点が、言及したい違いになります。
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結論的にいえば、値段が安い部分と、旧上位機(QuietComfort Earbuds II)と違って、Bose Immersive Audioに対応する部分で需要はあるかなとおもいます。
ただ、重さと大きさが課題で上位機が出たとはいえるため、選ぶ場合、そこを注意してください。それでも、草創期の音質重視のTWS型に比べれば、だいぶ「まし」ではありますが。
一方、立体音響の再現性が、完全に上位機と同じかは、CustomTuneオーディオ技術がない部分で何とも言えませんので、Atlasとしては要調査です。なにかしら分かったら加筆します。
次回に続く
ノイキャン対応イヤフォンのオススメは結論的にこれ!
というわけで、今回は、ノイズキャンセリングイヤフォンの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
2・ノイキャンイヤホンの比較 (2)
2-1:BOSE 2〈米国〉
2-2:パナソニック〈日本〉
2-3:JBL〈米国〉
2-4:ANKER〈米国〉
2-5:ヤマハ〈日本〉
2-6:ゼンハイザー〈日本〉
3・ノイキャンイヤホンの比較 (3)
3-1:デノン〈日本〉
3-2:ファーウェイ〈中国〉
3-3:Beats〈米国〉
4・ノイキャンイヤホンの比較 (4)
4-1:最終的なおすすめの提案【結論】
続く2回目記事(こちら)では、ボーズの残りのTWS型のノイキャンイヤホンを見たあと、パナソニックなどの製品を引き続きみていきます。
音質の良さ ★★★★★
ノイズキャンセル ★★★★★
ハイレゾ再生 ★★★★★
立体音響 ★★★★★
軽さ ★★★★★
防水性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回記事(こちら)で、今回比較した全機種から、予算別・目的別に、Atlasのおすすめ機種を提案します。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら!
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