1回目記事からの続きです→こちら
2-1・米焼酎の原酒の比較
2回目記事は、はじめに、米焼酎の紹介からです。
前回同様に、度数の高い「原酒」を中心に紹介します。
1・プレミア焼酎・原酒の比較 (1)
1-1・焼酎の選び方の基本
=減量や製法の違いの説明
1-2・人気のプレミア焼酎
=魔王・森伊蔵・村尾 ほか
1-3・麦焼酎
=壱岐・大分
1-4:芋焼酎
=種子島・甑島・鹿児島
2・プレミア焼酎・原酒の比較 (2)
2-1・米焼酎
=人吉(球磨)ほか
2-2・黒糖焼酎
=奄美大島・喜界島・沖永良部島
2-3・泡盛
=沖縄本島・石垣島
2-4・その他の焼酎
=栗焼酎・きび焼酎 ほか
3・プレミア焼酎・原酒の比較 (3)
=最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿いながら、各製品を見ていきます。
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以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
33・高橋酒造 白岳 米 想伝 40度 720ml
¥(3,550) Amazon.co.jp (7/8執筆時)
34・高橋酒造 白岳 米 待宵 28度 720ml
¥2,642 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:米焼酎 40度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★★
コクの深さ:★★★★★
白岳 想伝は、熊本県人吉市の球磨焼酎です。
白岳の高アルコール度数の酒として「白岳37」というものがあり、個人的に結構買っていたのですが、終売になり残念でした。
なんとなく口寂しいので、同社の想伝(40度)を改めて試して見ました。湯前のほうの同社発祥の多良木蒸留所で作ったそうです。
度数は、40度です。
お酒の種類は、米焼酎です。
白岳は、米焼酎ブランドとして広く知られる「全国区」の会社ですが、40度の原酒があるのはあまり知られていないと思います。
蒸留方法は、減圧蒸留です。
球磨焼酎も減圧は、割と珍しく少数派です。しかし、米の場合は、他の穀物以上に相当飲みやすくなるため、(以前焼酎に挫折した方の)「再チャレンジ」に、向きます。
味の特長は、米の味と甘みがしっかり出ています。
白岳37(の味を思い出しつつ)比較すると、同じくクセがなく飲みやすいです。
ただ、全量米こうじ仕込みで、古酒ブレンドという個性で、コクと深みが増しています。こっちのが美味しいです。「とろっとコク」がある上で、お米特有の甘みがあります。
なお、待宵(28度)のほうも、全量米こうじ仕込みですが、度数のほか、古酒がブレンドされてないバージョンです。こちらも(パンチ控えめながら)美味しいです。
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以上、白岳 想伝の紹介でした。
大手の蔵ですが、米焼酎の飲みやすさと、原酒としてのコクがあり、しかもお値段が手頃な製品です。焼酎初心者が「最初に飲んでみよう」という場合に、最も向いているお酒の1つだと思います。
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35・高橋酒造 白岳 米40度 1800ml
¥(2,698) Amazon.co.jp (7/8執筆時)
36・高橋酒造 白岳 米35度 1800ml
¥2,514 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:米焼酎 40度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★★
コクの深さ:★★★★★
作りも減圧蒸留で同じで、米も麹も国産です。古酒ブレンドでないだけです。
40度を買って消費したが、度数に由来するパンチも、味の深さ・甘さもあるので、この価格帯だと、お買得だと思います。
クセもないですし、万人に愛される系でしょう。レギュラー酒だけでいえばこれが最近の「おすすめ」です。
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37・吟香鳥飼 球磨焼酎 25° 720ML
¥2,313 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:米焼酎 25度
飲みやすさ:★★★★★★
華やかさ :★★★★★★
コクの深さ:★★★★☆
なお、人吉の球磨焼酎を減圧法で作っていることで有名な蔵は、もうひとつ「鳥飼酒造」があります。
お酒の種類は、米焼酎です。
銘柄は25°のこちらのみで、原酒はありません。
ただ、こちらも、日本酒のような吟醸香をより感じやすいお酒です。
ロックにして、氷を入れたとき立つ香りは素晴らしいので、リピーターも多いです。
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原酒ではないものの、飲みやすい焼酎を探している方には、同時におすすめできる製品です。
38・黒木本店 野うさぎの走り 37度 600ml
¥3,400 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:米焼酎 37度
飲みやすさ:★★★☆☆
華やかさ :★★★★★
コクの深さ:★★★★★
野うさぎの走りは、宮崎県の黒木本店の販売する米焼酎です。
前半記事で、麦焼酎の「百年孤独」をみましたが、同じ酒蔵の米焼酎です。
度数は、37度です。
お酒の種類は、米焼酎です。
蒸留方法は、常圧蒸留です。
このため、米焼酎にしては、しっかりした風味があります。
熟成期間をとっているのでまろやかさは感じます。
味の特長は、甘い飲み口と香りといえます。コクもかなりあります。
ただ、米以外でも常圧の長期熟成にたまにみる後味のクセ(風味)がありますので、上級者向きです。
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以上、野うさぎの走りの紹介でした。
コクと甘みの部分では、米焼酎のなかでも屈指と言えます。
ただ、長期熟成の焼酎特有のクセは感じるので(ロックやそのままで呑むことが多いAtlasには)少し苦手にするタイプです。
水割りにして飲むことが前提ならば、評価はもっと上がりますし、美味しいです。
2-2・黒糖焼酎の原酒の比較
続いて、黒糖焼酎の比較です。
黒糖焼酎は、酒税法で奄美地方のみに認められた種類の焼酎です。
サトウキビの産地である同島は、戦後、米国統治下から復帰するときに例外として認められたことが発端です。
ちなみに、Atlasは、奄美大島には、2017年に黒糖焼酎を巡るために、「上陸」しました。
南方では沖縄本島に次いで大きい島で、名瀬市はおもったよりも栄えていました。魚も肉も野菜も豆腐も美味しかったです。
また、2020年(もちろんコロナ自粛前)には、喜界島と沖永良部島にも出向きました。
喜界島は、「青い海」というより、どちらかというと、珊瑚の石垣を観に行きたかったのですが、オオゴマダラもみれたし、磯粟餅(ホーミー)も食べれたし、もちろん、2軒の酒蔵の酒も美味しく、気に入りました。
沖永良部島は、石造建築物(世之主の墓)と、鍾乳洞(水連洞)でしたが、両方とも、焼酎の名称として採用されているのは「偶然」です。
2つの町がありますが、両方の町を訪問し、お酒を味わいました。
39・奄美黒糖焼酎 紅さんご 40度 720ml
¥2,242 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:黒糖焼酎 40度
飲みやすさ:★★★★☆
華やかさ :★★★★☆
コクの深さ:★★★★☆
紅さんごは、奄美大島開運酒造の販売する焼酎です。
度数は、40度です。
全国でも、比較的手に入りやすい、高度数の黒糖焼酎です。
お酒の種類は、黒糖焼酎です。
味の特長は、同じく廃糖蜜から作る「ラム酒」に近い感じの独特の風味があります。
ただ、ラムほどクセがなく焼酎として飲みやすいです。
もちろん、蒸留してあるので黒糖焼酎はどれも「糖分ゼロ」です。
蒸留方法は、常圧蒸留です。
常圧の黒糖焼酎は全般的にクセが強く呑みにくいのですが、寝かせるとクセが弱まり、まろやかになります。
さらに、オーク樽で長時間熟成させた原酒なので、香り高く、また、まろやかな口当たりです。
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以上、紅さんごの紹介でした。
黒糖焼酎の原酒系として、甘みもほどほどで、食後に寝酒するのには良かった焼酎です。ただ、口当たりが良いので、すいすい進みすぎるのが難点と言えば難点です。
40・里の曙 ゴールド 43度 720ml
¥2,974 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:黒糖焼酎 43度
飲みやすさ:★★★☆☆
華やかさ :★★★★★
コクの深さ:★★★★☆
里の曙 ゴールドも、奄美大島のお酒です。奄美空港と名瀬市の中間ほどにある龍郷町の酒造会社のお酒です。
龍郷町は、西郷隆盛が流されていた場所です。当時の住宅が文化財として残っており訪れました。
むしろその近くで食べた漁師料理の番屋さんのアオダイの塩焼きが絶品でした。そこで呑んだのが、里の曙の普通酒でした。
ただし、今回紹介しているのは、里の曙の度数の高い原酒です。
度数は、43度です。
お酒の種類は、黒糖焼酎です。
蒸留方法は、常圧蒸留です。
味の特長は、洋酒の樽につけ込んだお酒なので、紅珊瑚と似ています。
ただ、度数が強く、コクはこちらのほうが強い印象です。フルーツ香もかなりします。
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以上、里の曙 ゴールドの紹介でした。
封切り立ては常圧特有のクセがありました。コルクで封管してありますが、数日おいたら収まり、呑みやすくなりました。
紅さんごの原酒より濃いため、原酒が好きならば、こちらの方がマッチすると思います。一方、飲みやすさでは、紅さんごでしょう。
41・奄美大島酒造 浜千鳥乃詩ゴールド 40度
¥----- 楽天市場 (7/8執筆時)
42・奄美大島酒造 高倉 30度
¥1,740 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:黒糖焼酎 40度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★☆
コクの深さ:★★★★☆
浜千鳥乃詩ゴールド は、奄美大島酒造のお酒です。
名瀬市の「鳥しん」という焼き鳥屋さん呑んで、気に入ったのが、同社の高倉です。30度なので、原酒ではありませんが、普段のみとして非常にレベルが高いです。
そして、同一の酒造会社で、アルコール度数が高いものが 浜千鳥乃詩ゴールドです。
度数は、40度です。
お酒の種類は、黒糖焼酎です。
蒸留方法は、常圧蒸留です。
味の特長は、他の黒糖焼酎の元首と比較しても、常圧蒸留のクセが全くなく、甘みと香りがバランス良く、非常に飲みやすいお酒です。
30°の高倉も呑みやすかったので、あまり尖ったお酒を造らない酒蔵なのかもしれません。
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以上、浜千鳥乃詩ゴールドの紹介でした。
黒糖焼酎は(値段の意味で)「プレミア酒」というのはあまりないですが、(味の意味で)「プレミア酒」に最も近いのは、飲みやすいこちらでしょう。
また、度数の低い「高倉」は、黒糖焼酎の入門者で、あまり度数の強いお酒を好まない方にもおすすめです。
43・加那 黒糖焼酎 40度 720ml
¥3,921 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:黒糖焼酎 40度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★☆☆
コクの深さ:★★★★☆
こちらは、奄美大島の名瀬市の西平酒造さんのお酒です。
珊瑚というブランドでも出していますが、加那は長期貯蔵酒に漬けているようです。
ブランド名は、西郷隆盛の島妻(西郷菊次郎の実母)で、悲運を辿ったと言える「愛加奈」かと思いましたが、「加奈(かわいい)」という意味だそうです。そういえば、旧居で「加奈」は愛称だったと、現地ガイドさんに聞きました。
さて、焼酎の方の加那の話です。
度数は、40度です。
お酒の種類は、黒糖焼酎です。
蒸留方法は、常圧蒸留です。
味の特長は、こちらも 仕込んだあとに、洋酒のオーク樽に漬けたお酒です。
同社が初めてこのタイプの黒糖焼酎をはじめたそうですが、常圧蒸留のクセは少なく、ここまで呑んだお酒の中では最も「みずみずしい」お酒で、さらっと呑めました。
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以上、加那の紹介でした。
度数が強いのですが、オーク樽特有の洋酒っぽいクセもさほどないので、常飲酒にしても飽きがこなそうです。落ち着いて飲みたいお酒です。
44・喜界島酒造 キャプテンキッド 黒糖 43度 720ml瓶
¥2,992 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:黒糖焼酎 43度
飲みやすさ:★★★★☆
華やかさ :★★★★☆
コクの深さ:★★★★☆
こちらは、喜界島の喜界島酒造のキャプテンキッドです。
720mLのサイズ展開がある焼酎では、島でも最も度数が高いものになります。
喜界島酒造の酒は、全国の大手酒販チェーン(やまやとか)でかなり流通していますが、こちらは行った際に発見しました。
度数は、43度です。
お酒の種類は、黒糖焼酎です。
蒸留方法は、常圧蒸留です。
味の特長は、洋酒のような香り高さ、が強調できます。
奄美大島にもありましたが、洋酒樽(オーク)で7年間長期貯蔵しているからです。
一方、同社は常圧にこだわりがあるため、(恐らく島の人は呑む普通酒は)結構常圧のクセがあります。
しかし、本製品については、後味に常圧特有の複雑な味わいは残しつつも、香りと甘さは強いです。
メーカーは(廃糖蜜を使って作る洋酒の)「ラム酒のような」と言いますが、個人的には、「ラムレーズン」のような感じすらしました。
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以上、キャプテンキッドの紹介でした。
特有のクセはあるので、初心者向きかといえばそうでもない気がします。
しかし、洋酒樽につけ込んだ系の焼酎を「こんなの地元人は呑まない!」と敬遠している人には、本格的な味わいがするこちらを一度飲んでみるのは良い選択肢です。
45・朝日酒造 陽出る國の銘酒 360ml
¥3,146 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:黒糖焼酎 43-44度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★★
コクの深さ:★★★★★
こちらは、喜界島の朝日酒造の原酒です。
全国流通の規模は、喜界島酒造に及ばないと思いますが、原酒にはこちらのほうが力を入れている印象です。
度数は、43-44度です。
本製品は、3年貯蔵酒ですが、仕込み年を明記する「エージボトル」式です。
コルク栓なので、詰めてからも熟成しているでしょう。
なお、喜界島は、延々と砂糖畑が拡がる島ですが、黒糖焼酎については、奄美・沖縄産などの砂糖も使われます。
ただ、このお酒は、原料糖が、全て喜界島の自社農場の無農薬栽培との明記がある、珍しいお酒です。
ちなみに、(現地で田んぼは見かけなかったのですが)米麹も、2017年以降は喜界島産を導入するとのことでした。
お酒の種類は、黒糖焼酎です。
蒸留方法は、常圧蒸留です。また、国産米の白麹を利用しています。
味の特長は、濃密な香りと味が強調できます。
2001-2003年仕込みを頂きましたが、味わいが強烈なので、それだけで楽しめました。
逆に言えば、それだけで楽しむべきお酒です。
こちらについては、常圧のクセはほぼないので、焼酎が苦手な方もOKかと思います。
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以上、朝日酒造 陽出る國の銘酒 の紹介でした。
同社には南の島の貴婦人という初垂れの44度の原酒がありますが、そちらは喜界島糖ではないので、やはり、代表的な原酒はこちらとなります。
360mlと量が少ないので、値段の面で「イチオシ」にはしませんが、 とにかく、鮮烈な味わいなので、お酒好きは、一度試すと良いと思います。
素晴らしいお酒だと思います。
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46・朝日 たかたろう 25度 1800ml
¥2,409 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:黒糖焼酎 25度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★☆☆
コクの深さ:★★★☆☆
なお、朝日酒造については、度数はあまり高くないものの、島唯一の「減圧蒸溜」のたかたろうという銘柄もあります。
島の居酒屋にも良く置かれ、地元の人も呑んでいるものです。
そのまま飲むと、遠くで(フルーツと言うより)「豆が発酵したような」感じの独特香りがしますが、減圧なので飲みやすいです。
お湯割り・水割りと万能なので、普段のみには良いでしょう。
47・新納酒造 黒糖焼酎 天下一 1800m
¥3,627 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:黒糖焼酎 30度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★★
コクの深さ:★★★★☆
こちらは、沖永良部の新納酒造の原酒です。
沖永良部島の2つの町のうち、知名町にある酒蔵です。
ここは、工場にいく時間がなかったので、本社あたりをぐるっと回りました。
度数は、30度です。
ここは、水連洞という度数の高い(40度)の古酒もありますが、Atlas的にはこちらにハマりました。
お酒の種類は、黒糖焼酎です。
蒸留方法は、常圧蒸留で、白麹です。
味の特長は、ほどよい香りとスッキリした味わいです。
とても素直な味で、もともと飲みやすい黒糖焼酎ですが、そのなかでも特段でした。
実は、これを初めて飲む前、他社の「35年強」の古酒原酒がAtlasには合わなかったのですが、これを飲んだら、すっきり爽快で、すっかり魅了されました。
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以上、新納酒造の天下一の紹介でした。
値段的に「普通酒」の値段で買える黒糖焼酎ですが、美味しいです。飲み飽きないので、普段飲みに良いでしょう。
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48・新納酒造 黒糖焼酎 天下無双 500m
¥1,051 楽天市場 (7/8執筆時)
なお、新納酒造は、もろみに黒糖を直接投入するという新製法で作られた天下無双という酒もあります。
どちらをレビューするか迷ったほど、こちらも上質です。
系統としては、コクと(砂糖系の)甘みを前面に押し出した形で、独特です。製法も違うし、麹も違いますが、のちほどみる、沖縄の忠孝の「よっかこうじ」泡盛と似た風です。
49・沖永良部酒造 白ゆり 40°黒糖 720ml
¥2,980 楽天市場 (7/8執筆時)
焼酎の種類:黒糖焼酎 40度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★★★
コクの深さ:★★★★★
こちらは、喜界島の沖永良部酒造の原酒です。
沖永良部島の2つの町のうち、和泊町にある酒蔵です。
ちなみに、この島は、和泊のほうが空港と大きな港がある関係で、少し発展しています。
沖永良部酒造は4つの蔵元が、販売や瓶詰を共同でやるタイプの酒蔵です。
白百合は、同社の製品では、原酒ベースの酒で、度数が最も高く、熟成期間も長い製品になります。
度数は、40度です。
お酒の種類は、黒糖焼酎です。
蒸留方法は、常圧蒸留で、白麹です。
ここの酒蔵は、減圧はありますが、度数の強いのは、は常圧のみです。
味の特長は、甘く強い香りとコクが特徴です。
先述のように、Atlasはロックなどにせず、そのままで飲むことが多いのですが、この系統は、そのまま飲むのに本当に適します。花の蜜や、ハチミツを思い浮かべる甘さです。
食中酒にはあまり向かないかもしれないですが、かなり良いです。原酒ライクな製品では、この島で呑んだ焼酎の中では最も美味しかったです。
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以上、沖永良部酒造の白百合の紹介でした。
個人的に、複数の酒蔵が合弁した類の酒造会社は、(過去の経験で)良いイメージがなかったので、先入観バリバリで飲みました。が見事に裏切られたわけで、とても美味しいお酒でした。
手に入れにくいのが難点ですが、寝酒にキープしたいお酒です。焼酎が苦手な、女性にも良さそうです。
50・奄美大島にしかわ酒造 帝 35度
¥3,592 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:黒糖焼酎 35度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★☆
コクの深さ:★★★★☆
帝 35度は、奄美大島にしかわ酒造の原酒です。
奄美大島とありますが、そちらは屋号で、その南の徳之島のお酒です。
定番としては「島のナポレオン」ブランドが有名ですが、今回は原酒となる「帝」を飲みました。
度数は、35度です。
お酒の種類は、黒糖焼酎です。
5年以上の長期熟成酒です。ちなみに3年貯蔵は「王妃」というブランドで売っています。
蒸留方法は、常圧蒸留で、白麹です。
味の特長は、ほんのり上品な甘みが印象的です。
パンチはなく、繊細な味でさらっと飲ませる系ですが、常圧特有の臭みもなく飲みやすいです。
クセがないので、食事といっそにロックで頂くのもありだと思いました。
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以上、帝 35度の紹介でした。
今年は、コロナの影響で、島巡りがすすまず、徳之島は未訪問のままです。最近は、現地にいってから呑むようにしていますが、我慢できずに買ってしまいました。
のみやすく美味しいお酒で、熟成酒の良いところが出ています。自粛期間中に呑んだ焼酎のなかでは、最高レベルに感じた原酒の1つです。熟成原酒としては、比較的値ごろ感のある価格なのもポイントでしょう。
51・有村酒造 奄美黒糖焼酎 島有泉 35度720ml
¥2,686 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:黒糖焼酎 35度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★★
コクの深さ:★★★★★
島有泉 35度は、与論島にある有村酒造の製品です。
鹿児島県では、沖縄に一番近い島で、沖縄の国頭あたりや、伊是名村、伊平屋島も遠くに見えます。2025年の春の花盛りな季節に、蔵元を訪ね島をぐるぐる歩き回りました。
有村酒造はヨロンでは唯一の酒蔵で、有名な「与論献奉」で使われる焼酎とも言えます。
度数は、35度です。
同社では最も度数の高いお酒になります。
お酒の種類は、黒糖焼酎です。
蒸留方法は、常圧蒸留で、白麹です。
同社は、黒麹を使う焼酎もあるのですが、そちらは20度・25度のみです。
そういえば、与論にいる間、毎日呑んだのは主にそちらでした。
味の特長は、度数由来で、まろやかでコクがあります。
度数の低いものより華やかで、とくに、常温でちょびちょび呑むと特有の強い甘みを強く感じられます。
常圧ですが、全くクセを感じないタイプで、実際美味しいです。
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以上、島有泉 35度の紹介でした。
美味しかったので、他の製品を含め蔵元で「大人買い」してしまった製品です。
尖った部分が全くないお酒で、とても美味しいです。ここしばらく、黒糖焼酎はあまり買わなかったのですが、また「はまり」そうです。
2-3・泡盛の比較
続いて、沖縄の泡盛の比較です。
結構な数を呑んでいますが、(割と)珍しいものをチョイスしてみました。
52・泡盛 米島酒造 久米島 43度 1800ml
¥5,280 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:泡盛 43度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★☆
コクの深さ:★★★★★
こちらは、沖縄県久米島の泡盛です。
沖縄本島から飛行機で30分ほどにある島です。久米島と言えば、久米仙が有名で、沖縄物産展などで良く試飲会を見かけます。友人にも久米仙ファンがいました。
しかし、「久米島」は、久米仙のブランドではなく、同島の家族経営の「もう1つの」酒蔵です。2015年に、久米島に行って、地元の居酒屋で発見しました。
地元のおっちゃんにお勧めされて、言われるままに飲んでいました。
度数は、43度です。
麹は、泡盛なので黒麹です。
蒸留方法は、常圧です。
味の特長は、「泡盛特有のクセが弱めで、飲みやすさか際立ち」ます。
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以上、久米島の紹介でした。
地元で愛されているお酒が不味いわけなく、本当に美味しい酒でした。久米仙より珍しく、レア度がありますし、泡盛を普段のみしている方に、一度飲んで欲しいお酒です。
53・請福酒造 やいま 30度 1800ml
¥3,354 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:泡盛 30度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★☆
コクの深さ:★★★☆☆
こちらは、沖縄県の石垣島、請福酒造の泡盛です。
度数は、30度です。
麹は、泡盛なので黒麹です。
蒸留方法は、常圧です。
味の特長は、「泡盛特有のクセが弱めで、飲みやすい」酒です。
泡盛は普通はタイ米で仕込むのですが、こちらは、八重山諸島の米と水で仕込んだ例外的な泡盛です。そのため、泡盛独特のクセが少なく、飲みやすいです。
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以上、請福酒造 やいまの紹介でした。
初めて飲んだのは友人のみやげで、沖縄で友人が現地の老人に教えて貰った「美味しいお酒」でした。その後、沖縄に行くと、ついつい、買ってきてしまうお酒です。
久米島に輪をかける形で、「泡盛っぽさ」が少ないので、泡盛が「苦手」な方にこそ飲んで欲しい、お酒です。
54・八重泉酒造 黒真珠 43度 720ml
¥2,080 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
54・八重泉酒造 黒真珠 43度 1800ml
¥3,804 Amazon.co.jp (3/26執筆時)
焼酎の種類:泡盛 43度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★☆
コクの深さ:★★★★★★
黒真珠 43度は、石垣島の八重泉酒造の「ちょっと高めの」泡盛です。
こちらは、2016年に現地で発見した美味しいお酒です。八重山には、相当プレミアが付いている波照間の泡波もありますが、あちらは、度数が30度ですので、今回は除外です。
度数は、43度です。
麹は、黒麹です。
蒸留方法は、常圧です。
味の特長は、「強烈な飲み応えとクセのなさ」です。
泡盛は常圧蒸留でクセが強いものが多いのですが、こちらは、雑味がなく、美味しく呑めました。
その上で、度数が高いので、飲み応えは本格的です。
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以上、黒真珠 43度の紹介でした。
度数が高いお酒ですが、値段的には値頃で、味も良い泡盛です。
泡盛のクセに慣れた人には物足りない部分もありますが、誰もが普遍的にうまい!といえる「プレミア酒」には、一番近い位置にありそうです。
55・伊是名酒造 金丸 10年 35度 720ml
¥5,500 楽天市場 (7/8執筆時)
焼酎の種類:泡盛 35度
飲みやすさ:★★★★★★
華やかさ :★★★★★★
コクの深さ:★★★★★
金丸 10年 35度は、沖縄本島の北側の島、伊是名島の酒蔵です。
本土にも、同社の「常盤」は結構流通しますが、10年古酒の金丸は珍しいです。
友人に貰ったものですが、美味しいので沖縄に行った際、思い出してもう一本調達しました。
数は少ないですが、今は、ネットでも買えるようです。
度数は、35度です。
もう少し度数の高いものもありますが、一般的な値段で買えるのはこちらでしょう。
麹は、黒麹です。
蒸留方法は、常圧です。
味の特長は、「桁外れの華やかさ」です。
泡盛特有のクセは多少残りますが、とにかく、「香り」ます。蔵の説明に「バニラ」とありますが、実際その通りです。
コクは、ほどほどですが、泡盛としては「甘い」ため、食後に、お酒だけで楽しめます。
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以上、金丸 10年 35度の紹介でした。
常盤も若い頃、常飲していたことがあり、懐かしかったのですが、「金丸」は、尚円王の名を冠しているように、より優雅でした。
現地の風土を予感できる、訪れたいと思わせてくれた銘酒です。
56・伊平屋酒造 たつ浪 12年古酒 42度 720ml
¥5,600 楽天市場 (7/8執筆時)
焼酎の種類:泡盛 42度
飲みやすさ:★★★★★★
華やかさ :★★★★★★
コクの深さ:★★★★★★
たつ浪 12年古酒 42度は、先ほどの伊是名島のお隣の島となる伊平屋島にある唯一の酒蔵のお酒です。
以前から行きたかった島ですが、機会があり最近訪れました。
伊平屋酒造が(見学はしませんでしたが)、2月の突風と大雨と寒さの中みてきました。
なお、沖縄や鹿児島の離島は、必ずしもご当地の泡盛だけ売っていて、それを皆飲んでいるわけではないです。
しかし、伊平屋については、売ってるのも、居酒屋で呑めるのも伊平屋酒造の泡盛(照島)だけで(良い意味で)選択肢がなかったです。
「郷土酒」を皆で守っている感じがあり、好感しました。
実際、生産量の7割が島内で消費されるので、沖縄本島でも那覇まで行くと、ほとんど見かけない「レア」な酒蔵です。
いろいろ入手したのですが、今回レビューするのは「たつ浪 12年古酒 42度」です。
普段呑みではなく、ちょっと高めのクースです。
度数は、42度です。
麹は、黒麹です。
蒸留方法は、常圧です。
味の特長は、「口当たりの甘さとまろやかさ、後味の良さ」です。
普通酒の照島(25度)もこの傾向があり、一部の泡盛に感じる「えぐみ」も感じず「すっと素直に美味しい」です。しかし、12年「育った」状況ですので、旨みが濃縮された感じがあります。
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以上、たつ浪 12年古酒 42度の紹介でした。
そのままやロックでも美味しいですが、水で割っても美味しかったです。
飲み応えも十分で、今のところ今年呑んだ焼酎・泡盛の中ではベストです。泡盛としてもかなりレアなので、泡盛好きの友人などへのプレゼントには喜ばれるかと思います。
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なお、ほかに飲んだものを(個人的な)覚え書きとして書いておきます。
芭蕉布35度(13年古酒)は、たつ浪よりも、常圧蒸溜ぽさといういうか、泡盛特有のクセが遠くに残るので、やや本格的です。
Atlasは美味しく呑めましたが、泡盛になじみのないかたは、たつ浪のが良いかと思います。
照島 44度は、お米は(タイではなく)「沖縄産の長粒米」使用の表記でした。
古酒ではないです。
甘めでスッキリ系ですが、多少クセは感じます。割って呑んだら美味しい感じです。
しまぐみ25度は、伊平屋産の照島米(おそらく日本米)を使ったものです。
(古酒ではないものだけで言って)香りは強めで、読みやすいです。「洋酒」ぽいとカタログにありますが、そのような感じはうっすらあります。
同じ日本米の「やいま」と比べると、クセは少しありますが、コクと味わい深さはこちらかと思います。
いずれにしても、もっとも美味しかったのは、たつ浪でした。あとは、島で普通にある、照島25度を、ビールジョッキのような「島ジョッキ」で水割りにしたものが美味しかったです。
57・忠孝酒造 忠孝よっかこうじ 43度 720ml
¥2,431 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
57・忠孝酒造 忠孝よっかこうじ 43度 1800ml
¥4,498 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:泡盛 43度
飲みやすさ:★★★★★★
華やかさ :★★★★★
コクの深さ:★★★★★
よっかこうじは、那覇空港にも近い豊見城市にある酒蔵の泡盛です。
ここまで昇華してきた会社より大きい蔵ですので、リカーショップでも「忠孝」は見かけます。
ただ、「よっかこうじ」は、(金丸ほどでないにせよ)沖縄以外ではかなりレアです。
度数は、43度です。
麹は、黒麹です。
蒸留方法は、常圧です。
ここまでならば、普通ですが、「シー汁浸漬法」という旧来の方式を復活させた上、麹を倍の4日間かけて仕込み、さらに、胞子を出さないように厳格に管理された製品です。
苦労のほどは、同社のマンガに詳しいです。
味の特長は、「強烈な甘さと、濃さ、クセのなさ」です。
苦手とする人も多い、泡盛独特のえぐみは皆無でいて、泡盛の風味します。
ただ、泡盛と言われないとわからない味です。ただ、後味についてはしっかり泡盛なので、泡盛の入門用とし良いです。長期熟成させなくても、このまろみをだせているのは貴重でしょう。
あまり高くなく買えますし、おすすめします。
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以上、よっかこうじの紹介でした。
実は前から知っており、ちょくちょく沖縄から買って帰っていた定番酒ですが、しっかりレビューのために味わう前に飲みきってしまうことが多かったお酒です。
本格的な泡盛好きには物足りないでしょうが、蒸留酒一般が好きな方には、常圧独特のクセが皆無なので、泡盛で最もおすすめできます。
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58・土佐泡盛 reihoku 25度
¥3,971 楽天市場 (7/8執筆時)
なお、泡盛的な手法で、黒麹とタイ米で仕込む蒸留酒は、沖縄県以外でも作っています。
土佐泡盛はその1つです。
最近入手して飲んでみましたが、「昔ながらの手法に忠実」な作りです。ただ、クセが強く、飲みにくさがあるので、むしろ、泡盛上級者むけだと思います。
2-4・その他の素材の焼酎の比較
最後に、ここまで紹介できなかった焼酎です。
少し珍しい素材を使った焼酎や、同じ素材ながら度数的に原酒ではなく、今回の紹介に漏れたものが中心です。
59・紅乙女酒造 単式38゜紅乙女 ゴールド 720ml
¥3,702 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:ごま焼酎 38度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★★
コクの深さ:★★★★★
紅乙女 ゴールドは、福岡県久留米市の紅乙女酒造のお酒です。
久留米と日田の真ん中くらいにある田主丸地区の山の手にある蔵です。
敷地の広い観光蔵で、売店や見学もできる感じです。観音寺にいく時によりました。
久留米は、好きな食堂(松尾食堂)や寺社があり何度か行っています。紅乙女も何度も買っていましたが、訪問は、2022年が初めてでした。
お酒の種類は、ゴマ焼酎です。
この酒蔵は麦や芋も出していますが、やはりごま焼酎が有名です。
なお、全量ゴマでは焼酎にならないので、20%のゴマのほか、麦と米麹をかけて作ります。
度数は、38度です。
麹は、白麹です。
蒸留方法は、クセの出にくい減圧蒸留です。
味の特長は、「ゴマ特有の香ばしさ」です。
蒸留すると、穀物の味が結構抜けて、無個性してしまう素材も多いです。
しかし、ゴマほどはっきり、個性が残る焼酎も珍しい、といえるほど、香ばしさが残る焼酎です。個性が強いので、Atlasも、例外的に水で割って飲む場合があります。
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以上、紅乙女 ゴールドの紹介でした。
紅乙女のゴマ焼酎には、度数の低いものもあります。しかし、38度のこちらは、かなりインパクトがあり、原酒好きには一度飲んで欲しいものです。
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60・紅乙女酒造 紅乙女 KURO 25゜
¥1,593 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:ごま焼酎 25度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★★
コクの深さ:★★★★★★
なお、今回の訪問で色々呑んで美味しいと思ったのは(原酒ではないですが)黒ごま焼酎のKUROです。
焙煎したゴマを利用するので、とにかくゴマの香ばしさが楽しめます。「ゴマ好き」な方がゴマを感じたいならば、こちらの方が強く「ゴマ感」があります。
黒麹仕込みで香り高いです。
炭酸で割ってハイボールを推奨していましたが、普通にロックで飲んでも美味しいです。その場合、食事と合わせるというより、食後にじっくり楽しむタイプです。
【原酒】
61・牛乳焼酎 牧場の夢 原酒 42° 360ml
¥(3,741) Amazon.co.jp (7/8執筆時)
【25度】
62・牛乳焼酎 牧場の夢 原酒 25° 720ml
¥1,962 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:牛乳焼酎 38度
飲みやすさ:----
華やかさ :----
コクの深さ:----
こちらは、熊本県人吉市の大和一酒造元の42度の原酒です。
蔵元は、2016年に訪れています。米の球磨焼酎を探す中で、これを偶然見つけました。
25度もあります。
お酒の種類は、牛乳焼酎です。
球磨焼酎(米焼酎)を、温泉水と牛乳で仕込んだという独創的なお酒です。
度数は、42度です。
麹は、白麹です。
蒸留方法は、常圧蒸留です。
味の特長は、まさに「ミルク」です。
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以上、牛乳焼酎 牧場の夢の紹介でした。
ただ、個性が相当あるお酒なので、大量に飲むようなものではないです。そういう意味では360mlというサイズは適当なサイズだと思います。
評価軸も従来の焼酎と同じにはできないのでしませんが、珍しもの好きのかたには、一度試して見て欲しいものの1つです。
63・きび路 きび焼酎 35度 720ml
¥2,940 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
63・きび路 きび焼酎 35度 1800ml
¥3,740 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:きび焼酎 38度
飲みやすさ:★★★★☆
華やかさ :★★★★☆
コクの深さ:★★★★☆
きび路 きび焼酎は、岡山県の備中高梁にある赤木酒造の焼酎です。
2016年にAtlasが高梁で発見した美味しい原酒です。ただ、岡山県ではメジャーなお酒らしく、帰りがけ、岡山駅にも売っていました。
2018年に岡山を訪問した際も、買って帰りました。
お酒の種類は、「きび」とお米で作った焼酎です。
度数は、35度です。
蒸留方法は、(おそらく)常圧蒸留です。
味の特長は、35度の強力なお酒としては安価ですが、こちらもしっかり、特長があるお酒です。
こちらは、度数の高い焼酎のなかでは図抜けて「甘みが強い」お酒です。雑味が全くなく米焼酎のような呑みやすさもあるので、米焼酎が好きな方は合いそうです。
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以上、きび路 きび焼酎の紹介でした。
(もちろん糖分はゼロですが)甘口なので、焼酎を飲み慣れない方にもオススメです。そのままでも、水で割っても美味しく頂けます。
64・無手無冠 ダバダ火振35°【古酒】
¥6,150 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:栗焼酎 35度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★★
コクの深さ:★★★★☆
ダバダ火振は、高知の無手無冠(むてむか)が作る焼酎です。
2016年に、高知の物部川のほうに行った際に見つけましたが、醸造元は、高知県四万十町です。
お酒の種類は、もちろん栗焼酎です。
ダバダ火振は、有名ですが、その原酒は、割と知られていません。
なお、通常のダバダ火振は栗50%で、麦と米がブレンドされますが、こちらは、75%の栗と米麹だけで蒸留しています。
度数は、35度です。
蒸留方法は、(おそらく)常圧蒸留です。
味の特長は、きび焼酎と違いますが、やはり甘みが強調できる飲みやすいお酒です。さらに、通常のダバダ火振よりも、品の良い味のふくらみを感じます。
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以上、ダバダ火振35°の紹介でした。
栗焼酎の独特の甘さは、古酒・原酒になることでさらに極まっています。甘めの原酒好きなら1度は試してほしいです。
【原酒】
65・渕田酒造本店 長期貯蔵 米焼酎「Fuchita15年」
(¥5,280) (7/8執筆時)
【25度 1800ml】
¥1,788 楽天市場 (7/8執筆時)
焼酎の種類:米焼酎 44度
飲みやすさ:★★★☆☆
華やかさ :★★★★★★
コクの深さ:★★★★★
Fuchita15年は、熊本県人吉市の球磨焼酎です。
米焼酎なのですが、手に入らなくなってしまったので、こちらで紹介しました。
人吉に焼酎を探しに行った際に、色々試した中で、原酒としては最も美味しかったものです。ご存じのように2020年には球磨川の氾濫があり、その影響もあってか現状では入手困難です。
一方、新しい蔵の場所を、現在、やや西寄りの一勝地に移転して「一勝地」という銘柄の販売が始まっています。古酒、原酒ではないので、今回は旧銘柄の紹介です。
ただ、一升瓶を買って飲み干しましたが、そちらも今後に期待できる味でした。
度数は、40度です。
お酒の種類は、米焼酎です。
蒸留方法は、常圧蒸留です。
米焼酎も常圧蒸留だと、クセが強く出ますが、こちらは、原酒で、しかも、15年という長い時間を掛けてまろやかにしています。
味の特長は、「日本酒的な甘さと、まろやかさ」です。
米焼酎は、日本酒の「吟醸香」にちかい香りがするので、日本酒好きの人が焼酎に入門するのに最も向いているお酒です。
Atlasも、「日本酒好き」が訊いてきた場合、米焼酎を「おすすめ」することが多いです。
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以上、Fuchita15年の紹介でした。
15年熟成の「大古酒」で、しかも44度の原酒です。日本酒の味のエッセンスが濃縮されたような旨みがありますので、少々高いですが、飲みやすいので、入門用には最適です。
66・大山酒造 伊佐大泉 25度 1800ml
¥2,706 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:芋焼酎 25度
飲みやすさ:★★★★☆
華やかさ :★★★★☆
コクの深さ:★★★☆☆
こちらは、鹿児島県伊佐市の大山酒造の芋焼酎です。
芋焼酎ですが、原酒ではないので、こちらにいれました。
同市の焼酎は、先ほどプレミア焼酎である「伊佐美」を紹介しました。
大山酒造は、それに較べると少量生産で、「伊佐大泉」ブランドだけを少人数で作り続けている蔵です。
度数は、25度です。
麹は、白麹です。
蒸留方法は、常圧です。
クセの出る常圧蒸留式ですが、黒麹を使う「伊佐美」に対して、「白麹」で醸しています。
味の特長は、「麹の甘さと香りが強調できる味で、とても飲みやすい」です。
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以上、伊佐大泉の紹介でした。
原酒はなく25度のみの生産ですが、「安くてうまい普段呑みの芋焼酎」としては、割と高レベルです。
67・久家本店 常蔵 Breeze 40度
¥3,950 Amazon.co.jp (7/8執筆時)
焼酎の種類:麦焼酎 40度
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★★★
コクの深さ:★★★★★
常蔵 BREEZEは、大分県臼杵市の久家本店の麦焼酎です。
臼杵市は(石仏が好きなので)過去何度も行っている土地です。
よく泊まる旅館はこちらの清酒がでるので「なじみ」があるのですが、ここの焼酎は初めて呑みました。
臼杵には、(少し西の)田野地区に2軒、焼酎の蔵があります。行きましたが、そちらはあいにく「休み」でしたの。次の機会に試すつもりです。
度数は、40度です。
麹は、麦麹です。
大麦は、大分県のトヨノホシという新品種を利用します。
蒸留方法は、減圧です。
味の特長は、減圧なので全くクセがないです。
一方、とくにフルーツ系の華やかさと甘みがかなり強いです。また、香り高い上で、飲み口はスッキリです。
ロックで楽しむのが良いですが、そのまま盃でちょっと飲むと、強い柑橘香と、膨らむ甘みを楽しめるので、Atlasはちびちび呑んでいます。
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以上、常蔵 BREEZEの紹介でした。
いずれ、この地域の蔵を「全訪問」したら、まとめ直すつもりですが、「減圧の麦焼酎の原酒」というカテゴリで考えると、近年のんだ焼酎の中でも一番美味しかったといえるものの1つといえます。オススメできます。
次回に続く
プレミア焼酎でおすすめの商品は結論的にこちら!
というわけで、今回は、度数の高い、プレミア焼酎・原酒の比較の2回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
3・プレミア焼酎・原酒の比較 (3)
=最終的なおすすめの提案【結論】
飲みやすさ:★★★★★
華やかさ :★★★★★
コクの深さ:★★★★★
プレミア度:★★★★★
最終回となる3回目記事(こちら)は、「結論編」です。
ここまで見た焼酎全てから、Atlasのおすすめの1本!を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
3回目記事は→こちら