1回目記事からの続きです→こちら
2-1・SONYの有機ELテレビ
2回目記事のトップバッターは、SONYの有機ELテレビです。
同社の場合、上位パネルは、「鮮やかさ重視」の社風もあって、LGではなく、サムスンの量子ドット型の有機ELを使います。
パナソニックとは違った個性と言え、そこが面白さです。
1・有機ELテレビの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:パナソニック
3・ 有機ELテレビの比較 (2)
2-1:ソニー
2-2:シャープ
3・ 有機ELテレビの比較 (3)
3-1:LGエレクトロニクス
4・ 有機ELテレビの比較(4)
4-1:レグザ(東芝)
4-2:ハイセンス
5・ 有機ELテレビの比較(5)
5-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」の説明に沿いながら、各機をみていきます。
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なお、以下では、いつものように、Atlasのおすすめできるポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で書きます。
【2023年4月発売】
【55インチ】
16・SONY BRAVIA XR XRJ-55A80L
¥285,120 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
【65インチ】
17・SONY BRAVIA XR XRJ-65A80L
¥324,800 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
【77インチ】
18・SONY BRAVIA XR XRJ-77A80L
¥624,290 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED
倍速パネル:4倍速相当
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(3)
A80Lシリーズは、ソニーの有機ELの2023年の入門機です。
パネルは、ソニーも、明確に「どのパネル」とは示しません。
海外情報だと、LG(WOLED)ではあるようなのでOLED(gen2)としておきました。
後ほど書きますが、本機は温度管理でピーク輝度を10%あげて最大1000ニト前後まで強化しているようです。
ただ、SDRの平均輝度は、130cd/m2あたりでしょうし、(使えないとは言いませんが)「日中の茶の間向け」ではないです。
一方、ソニーの場合、同社の液晶TVの場合同様にトリルミナスディスプレイというブランド名が付きます。
パネル部分を含めた、画像エンジンによる広色域化技術と、バックライトの制御技術の名称になります。
OLEDの場合は、独自の画像解析処理を行う部分について「トリルミナスディスプレイ」と称しています。
具体的には、画像からピックアップできる色の要素を細分化し、独立処理させることで、SONYのメーカー的特徴である、「鮮やかさ」を実現しています。
一方、パネルについて言えば、パナソニックなどにみられる、放熱プレート採用の記述はないです。熱対策が、画質(輝度表現)に直結する有機ELとしては、イマイチです。
ただ、温度センサーを内蔵し、熱を監視しつつ、必要に応じて最大限の輝度を達成できるような独自制御をかけています(XR OLED コントラスプロ)。
それにより、パネル自身の本来のピーク輝度から、ピーク輝度が10%上昇している部分に個性があります。
画像エンジンは、2021年登場のBRAVIA XRエンジンです。
「人の脳のように映像を認識する認知特性プロセッサー」というのが売り文句です。
他社流に言えば「AIエンジン」です。AIに膨大なデータを、機械学習(深層学習)させ、AIに「人間のように」判断させ、画像を補正していると考えてください。
とくに、ソニーの場合、今回は、「注視点」というのを1つのキーワードにしています。注視点とは、人間がテレビを見る際に、集中する画面のポイントのことです。
それを理解した上で、本機は、注視点を中心に、色・精細感・コントラストなどの諸要素を、(個々別々でなく)AIが、横断的・複合的に分析、処理し、最適な映像を出します。
従来は、個別の要素に基づく補正に止まっていました。AI技術の進歩が活かされ、横断的な分析ができるようになった部分が、新しいと言えます。
この処理には、前景と背景を区別できる能力が重要になります。REGZA(東芝)・LGなども似た処理をします。
ただ、この区別をどのように画質向上に使うかで各社個性があります。ソニーの場合は、オブジェクト検出でそれを区別してから、人間の「注視点」に注目して処理するところがそれにあたると言えます。
4K画質・それ以下のHD画質、それぞれのデータベースを内蔵していて、それと付け合わせながら、画像をアップコンバートしていく方向性です。
超解像処理も、AI技術が使われます。
フレーム内処理ですが、被写体内の各要素を細かく理解して解析します。
REGZA(東芝)でもみた「再構成型超解像」の1つです。
複合的に分析システムだと(その部分に鬼のように技術を注ぐ)REGZAでしょうが、普通にみて、ソニーの4Kテレビもも良い出来です。
なお、2023年機から、XR Clear Imageという新機能が加わりました。
おもにノイズ対策のかかわる部分で、低解像度・放送波のノイズ、動きの速い映像のノイズの除去が「上手に」なりました。
既存の技術をAIによるディープラーニングの強化で達成した技術でしょう。大きくは宣伝しません。
画質の自動調整は、イマイチです。
ソニーも、標準モード以外に、シネマ・ゲームモードなど「手動」で画質モードは切り替えられます。
ただ、視聴しているコンテンツの種類をAIが見分けて(おまかせで)自動調整される機能はないです。音声モードも同様です。
HDR技術(HDR10)は、搭載します。
また、標準画質をHDR画質まで高めるXR HDRリマスターが搭載となっています。もちろん、HLG形式も対応します。
上位のHDR技術は、Dolby Visionに対応です。
倍速液晶は、倍速パネルを搭載です。
その上で、X-Motion Clarity(エックス モーション クラリティー)に対応します。
パナソニックのように、画面の一部分に黒挿入することで輝度低下を防ぎつつ、ボケを防いでいます。
合わせ技で「4倍速相当」です。
スピーカーは、ソニーの最も個性的な部分です。
画面全体を振動させることで音を発生させるアクチュエーターが3基装備されます。
総出力は、50W(77インチは60W)ながら、従来のオーディオ技術とは一線を画する方法です。
映画などの会話の画面で、複数の登場人物がいる場合の臨場感・奥行き感(どこから声がでているか?)は、この方式だと正確です。
TVスピーカーは「外部スピーカーが買えない場合の劣化版のオマケ」という印象がありました。
しかし、内蔵でないと扱えない独自性がある分、この機種は「面白い」と言えます。
音響製品を多く出す、同社らしい技術です。
一方、パナソニックの上位機のように、立体音響の「ドルビーアトモス」に対応します。
上方向のイネーブルドスピーカーがないですので「バーチャル」ではあります。
しかし、ソニーの場合、3Dサウンドアップスケーリング技術をもちます。
先述の「賢いエンジン」を使って、「地デジ」などの音も、立体音響に再計算できますので、一般ユーザーでも手軽に(疑似的な)立体音響が楽しめます。
加えて、このテレビの「アコースティック センター シンク」機能は、注目に値します。
【サウンドバーの比較記事】で紹介したソニーの一部上位機(HT-A7000・HT-A5000・HT-A3000)、あるいは、【シアターシステムの比較記事】で紹介した上位機(HT-A9)と組み合わせる場合、テレビ内蔵スピーカーを、センタースピーカーとして(殺さずに)活かせます。
テレビのスピーカーが無駄になりませんし、割と面白いかと思います。
そのほか、本機のようなソニーのXRエンジン搭載機は、専用周辺機器となる HT-AN7を首につけることで、ドルビーアトモスほかの3D立体音響を再現できます。
かなり話がズレるので、対応機は【ネックスピーカーの比較記事】のほうで解説していますので、興味のある方はご覧ください。
そのほか、ニュースなど、聴きとりやすい音声にできる「ボイスズーム」機能など、お年寄りに優しい機能も網羅です。
録画機能は、対応です。
こちらはWチューナー搭載なので2番組録画が可能です。ただ、ダビングには対応しないようです。
ただ、録画機能のUIは、東芝はもちろん、パナソニック以上にシンプルで、あまり重視していないです。
なお、外出先などからスマホアプリ経由での録画にも対応します。
番組表は、ソニーは使いやすく、操作もサクサク動きます。
SONYは番組表の使い勝手については、特に定評があり、リモコンがサクサク動きます。
ゲーム機開発のノウハウがフルに活かされているのでしょう。レイアウトもジャンル別に分かれて見やすい番組表といえます。無線LANも、内蔵です。
映像配信サービスは、ソニーの場合、Google TVを搭載です。
そのため、4Kコンテンツを含むNetflix・DAZNを含めて好きなアプリをGoogle Playからダウンロードしインストールできます。
そのため、「スマートTV」としては非常に高度です。昔と違ってCPUも強化されたので、、リモコン操作がもたつくことも少なくなりました。
加えて、自社のサービス(BRAVIA CORE)の2年間無料特典が付属です。ソニーピクチャーの過去映画が見放題になるほか、10本に限りますが、最新映画も見れます。
無線LANも、搭載です。
音声アシスタントサービスは、本機は充実します。
リモコンのボタンを押さずとも、テレビのマイクでGoogleアシスタントを呼び出せますので。
HFR(ハイフレームレート)は、120フレーム/秒(4K/120Hz)の表示に対応です。
ゲームには良さそうです。
【2022年発売】
・ソニー BRAVIA CAM CMU-BC1
¥14,884 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
そのほか、テレビの上に増設するカメラとなるBRAVIA CAMに対応です。
ジェスチャーでのテレビ操作や、チャット利用などができます。
ただ、最も面白いのは、自動画音質調整機能」です。
ようするに、カメラセンサーを利用し、人間の位置を把握し、その方法に音をビームフォーミングできます。没入感を高めるための面白い工夫です。
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以上、 ソニーのA80Lシリーズの紹介でした。
画質は、「トリルミナス」の名を冠しているだけあり、他社よりも赤色系・緑色系の発色が良いです。
この点で、4K映像などでも、映像美を楽しむようなコンテンツ、特に紀行番組などはとても鮮やかに見える傾向があります。映像美を楽しみたい方は、とくに向くでしょう。
ただ、本機は、パネル部分の充実した熱対策はないため、輝度(コントラスト)部分の潜在能力を引き出すという部分では、パナソニックの入門機に及ばない部分はありそうです。
一方、スピーカーは注目点です。
ハイエンドTVを買われる方の多くは、、【ホームシアタースピーカーの比較記事】で紹介したような外部スピーカーを利用するでしょう。
そのため、他社のTVの場合、スピーカー部分の楽しみがあまりないのですが、「画面から音が出る」形式だけは再現が不可能ですから、面白みがあります。
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なお、ソニーはこのほか、入門機として、以下のようなラインナップがあります。
順番にみておきます。
【2022年8月発売】
【48インチ】
19・SONY BRAVIA XR XRJ-48A90K
¥265,010 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED
倍速パネル:4倍速相当
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(3)
第1に、A90Kシリーズです。
こちらも入門機ですが、少し仕様がよい上位製品です。
2022年機ですが、40インチ台の小型機が市場に少ないという部分もありつつ、現行機として残っています。
小さめの42型(XRJ-42A90K)がありましたが、そちらは終売です。
スピーカーは、ただ、本機もアクチュエーター型ですが、旧機種はセンターにはない2基構成になるのが、仕様面での最大の違いと言えます。
サブウーファー2基と大型アクチュエーター2基という構成です。
出力も総計25Wであり弱めです。
画面サイズが「小さめ」モデルだからとは言えますが、やはり、こだわるならば【サウンドバーの比較記事】で紹介したような専門機を増設するべき機種かとは思います。
パネルは、世代的に、LG OLED(gen2)でしょう。。
1回目記事の「選び方の基本」で書いた様に、ピーク輝度が800ニトなので、差はあります。
ただ、日中の遮光対策ができるならば、十分な性能です。
その上で、バックパネルに温度センサーがあるのは、本機の場合「ワンポイント」でしょう。 55インチ以上の場合、放熱プレート(アルミ)など、確実な熱対策がある機種はあります。
ただ、それ以下だと、そうした工夫を施した機種はほかに見られません。
先述のように、熱問題による発光不足が防げるため、結果的にコントラストや輝度の低下が起こりにくいという技術です。
あとは目に付く違いはないです。
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結論的にいえば、設置面で「少し小さめ」の有機ELが欲しい方は候補になりそうです。
普通のOLED(gen2)パネルですが、温度センサーがある部分で、小型では堅実な画質を得られそうですので。
【2024年7月発売】
【55インチ】
20・SONY BRAVIA XR XRJ-55A95L
¥541,316 楽天市場 (4/12執筆時)
【65インチ】
21・SONY BRAVIA XR XRJ-65A95L
¥638,454 楽天市場 (4/12執筆時)
【77インチ】(海外のみ)
22・SONY BRAVIA XR XRJ-77A95L
¥
モニターパネル:QD-OLED 2023
倍速パネル:4倍速相当
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(3)
A95L シリーズは、ソニーの有機ELにおける上位機です。
なお、同社の24年度の最上位は他社と違い液晶です(BRAVIA 9)。
海外では23年発売でしたが、日本では24年でした。
パネルは、QD-OLED (2023)を採用します。
サムスンディスプレイが開発した量子ドット技術採用のQD-OLEDの2023年仕様になります。
24年パネルは、日本だとシャープ採用です、ソニーは未展開です。それもあって、(液晶の下の)第2位になっています。
おそらくですが、ソニーの場合、パネル振動を伴うスピーカーを採用する関係で、放熱が他機より難しい部分がありそうで、その兼ね合いで、今のフレーム構造だと3000ニトのパネルは搭載が難しいのかもしれません。
ピーク輝度は、とはいえ、パネルネイティブで、およそ2000ニトと十分に優秀です。
ソニーの旧機より約2倍という数字も公開します。
ソニーの場合独自の温度管理技術で、10%ほど上昇するとされるので、その仕組みのないパネルの場合より、実際の数字は良くなるでしょう。
QD-OLED の特性は、1回目記事(こちら)冒頭の「選び方の基本」でも書きました。
簡単に振り返ると、青色の有機EL素子に、赤と緑をだすためのフィルタ(量子ドットフィルタ)を組み合わせる方式(左図)です。
LGのWOLED(RGBW)方式と比べると、色再現性と視野角の広さの部分で有利な方式な一方、外光反射の影響を受けやすい部分で、黒表現に多少課題を残し方式です。
発色傾向は、ただ、ソニー(トリルミナス)が従来大事にしてきた「鮮やかさ」を、4K HDR時代に適応させる場合、このパネルは親和性が高かったゆえの採用でしょう。
熱対策も、充実します。
温度センサーに加えて、こちらは、放熱プレートも装備です。
先述のように、発熱をしっかり管理することで、輝度が強化されます。
画像エンジンは、引き続き認知特性プロセッサーXRを採用です。
ただ、新パネルの採用と呼応して、「トリルミナス」技術は「XR トリルミナス マックス」と新しい名前を付けました。
光の波長の特性が違うQD-OLEDを、「ソニー色」に調整するためです。
超解像やノイズ処理など、基本仕様は、上で見た下位機と同じです。
新しく付け加わるのは、XRクリアイメージです。
低解像度の映像や、速い動きのノイズを除去するものです。
ただ、新機能としてのリリースはないので、従来も似た処理はしていたが、名前を改めて付けた感じかもしれません。
スピーカーは、60Wです。
90Kシリーズと同じ、2アクチュエーター+サブウーファですが、出力大きめです。
テレビ付属のスピーカーとしては、(過度にこだわらないならば)十分以上です。
逆に、こだわりたいならば、HDMI端子は、eARCに対応するため【サウンドバーの比較記事】で紹介したようなマルチチャネルの多機能製品の増設も容易です。
その場合に内蔵スピーカーも活かせる 「アコースティックセンターシンク」には本機も対応ですので、ソニーの上位機との相性も良いです。
音周りの機能では、ニュースなど、聴きとりやすい音声にできる「ボイスズーム 3」機能が目立ちます。
人の声をAIで検出して、声の明瞭度を上げる工夫で、シニア世代には良さそうです。先述の同社の外部音響機器を利用する場合も有効です。
他機も(無印の)ボイスズームはもちますが、AIが処理する部分が新しいと言えます。
一方、TVがコンテンツの種類を判断して、音を自動調整するところまで至ってはいません。この部分は、後ほど見ていく、パナソニックなどが一歩進んでいます。
ネットワークは、こちらもWi-Fi搭載です。
Google TVも使えます。
一方、搭載のWi-Fiユニットが、Wi-Fi5(11ac)から、最新のWi-Fi6E(11ax)に進化しました。近所で混雑していい新しい帯域(6GHz帯)が使える部分で、接続安定性が高まります。
むろん、ルーター側の対応が必要です。対応機について、詳しくは【無線LANルーターの比較記事】で書いています。
このほか、上位機は、自社のサービス(BRAVIA CORE)の2年間無料特典が付属です。ソニーピクチャーの過去映画が見放題になるほか、10本に限りますが、最新映画も見れます。
あとの部分は、基本的には、下位機種と同じです。
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以上、ソニーのA95Lシリーズの紹介でした。
量子ドット技術採用のQD-OLED(2023)が採用される部分が、言うまでもなく注目点です。
先述のように、パネルの世代は24年最新ではないので、シャープとの比較は必要でしょう。ただ、この世代でも、「昼間対応」の水準である上で、色域も広く、サムソンパネルの良い部分は十二分に出ています。
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なお、ブラビアの場合、上位機の型落ち、および、(量子ドットではない)上位機がほかにもああります。
以下、順番にみておきます。
【2022年8月発売】
【55インチ】
23・SONY BRAVIA XR XRJ-55A95K
¥279,000 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
【65インチ】
24・SONY BRAVIA XR XRJ-65A95K
¥359,800 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
モニターパネル:QD-OLED
倍速パネル:4倍速相当
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(3)
第1に、A95L シリーズです。
1つ上の製品と同じで、量子ドット(QD-OLED)を採用する機種ですが、旧機になります。
パネルは、ソニーの場合、この世代からQD-OLEDでした。
ただ、新機種発売時にソニーが出した情報(新機種の1/2のピーク輝度)から判断すると、ピーク輝度1000ニトのパネルになります。
近ごろ改めて展示品をみましたが、(経年変化を含め)輝度差は確かにありました。
あとは、Wi-Fi5の水準になる点、XRクリアイメージの言及がない点、ボイスズームが、AIを伴わない、「(無印の)ボイスズーム」である点が、目立つ程度です。
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結論的にいえば、リビングで日中明るい場所で使う場合は、若干差があるように思います。
ただ、カーテンをしっかり引けば、問題なく使えますし、その場合は(値段差ほどの)大きな差はないと言えます。
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【2022年8月発売】
【55インチ】
25・SONY BRAVIA 8 K-55XR80
¥284,500 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
【65インチ】
26・SONY BRAVIA 8 K-65XR80
¥398,780 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
【77インチ】
27・SONY BRAVIA 8 K-77XR80
¥850,000 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED EVO (gen2)
倍速パネル:4倍速相当
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(3)
第2に、XR80シリーズです。
通称「BRAVIA 8」ですが、こちらは、サムスンの量子ドット(QD-OLED)ではなく、LGの(W)OLEDを採用するタイプです。
価格的に言えば、先ほどの機種の下位機にあたりますが、パネル以外の部分の性能は似ていますし、価格的にも「上位機」(上の下)と言えます。
パネルは、細かい仕様はやはり非公開です。
ただ、同じOLED(gen2)を採用するA80Lシリーズに対して、ピーク輝度で最大1.2倍との表記です。
結論を言えば、こちらはあ、OLED EVO (gen2)と理解できます。
先述のように、はじめに見た同社の下位機(A80L)の場合、温度管理でピーク輝度を10%あげているので、約1000ニトでした。
その部分を加味すれば、数字はだいたい合うのでこの理解で良いように思います。
画像エンジンは、こちらも、認知特性プロセッサーXRです。
機能面は、A95Lシリーズ(XRトリルミナスマックス)と比べる場合、色域拡張がXRトリルミナスProの下位水準です。
しかし、そちらは、量子ドット特有の色域の広さに対応させるものなので、問題ないでしょう。
一方、こちらも温度センサーを搭載して、発光制御をする工夫があります。
しかし、上位機と違って放熱用インナープレートはないです。また、下位機(A80L)と違い、この仕組みでピーク輝度を上げる効果もないです。
それもあり、こちらだけ、機能名を他機のような「XR OLEDコントラストプロ」ではなく「XR Contrast Booster 15」としているようです。
スピーカーは、総合60Wなので、同社の上位機と同じです。
ただ、構成が異なり、アクチュエーターが小さめである代わりに、左右にトゥイーターがつく5スピーカーになります。
本機の方が(量子ドットの)上位機より少し価格が安いので、外部音響機器を増設しない方も多い部分をふまえて、内蔵スピーカーだけでも、ある程度立体音響を実現しやすいための措置に思います。
そのほか、画面が振動するアクチュエーター型は、廃熱させずらい部分があるので、そことの兼ね合いもあるかもしれません。
なお、同社のサウンドバーとの併用は可能です。AIを利用したボイスズーム3もしっかりあります。
あとは、(量子ドットの)上位機に対して、言及したい違いはありません。
Wi-Fiもしっかり、Wi-Fi6です。
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結論的にいえば、映像美と明るさの部分では、最上位のA95Lとは差がありそうです。
一方、新しいOLED EVO gen3採用のパナソニック機とさほど価格差がない上で、温度管理面での工夫が(放熱パネルがない点で)、同じパネルのシャープ機より高い感じです。
先述のように、ソニーの家庭用テレビにおける最上位は【ソニーの4Kテレビの比較記事】で書いた、液晶方式です。同社の高級機で選ぶ場合、そちらも合わせて検討しても良いでしょう。
2-2・シャープの有機ELテレビの比較
続いて、シャープの有機ELテレビの比較です。
同社は、企業柄、上位機は、もっぱら8K液晶テレビに集中していましたが、2020年からは有機ELパネルを調達するようです。
おそらく、8K時代までの中上位機の「セットアッパー」のような登板でしょう。
【2024年6月発売】
【55インチ】
28・シャープ 4T-C55GQ1
¥213,410 楽天市場 (4/12執筆時)
【65インチ】
29・シャープ 4T-C65GQ1
¥275,770 楽天市場 (4/12執筆時)
【77インチ】
30・シャープ 4T-C77GQ1
¥648,888 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED EVO gen2
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
シャープの GQ1 ラインは、同社の有機ELテレビの入門機です。
パネルは、S-Brightパネルという名前です。
「高輝度S-Brightパネル」として輝度が強調される部分から推定すれば、LGのOLED EVO gen2でしょう。
2022年は最上位のパネルで、2023年も引き続き中級機向けに供給となったものです。
シャープの場合も、パナソニックと同じで、パネル背面に放熱板(クールダウンシールド)を独自に配置し、コントラストを高める工夫があります。
OLEDの性質上、実際、効果は見込めます。
加えて、他社同様、独自のパネル制御(スパークリングドライブEX回路)があります。
先述のように、(他社供給で)パネルの部分で差をつけられないので、各社の「味付け(個性)」を出すため、各社とも、何かしらこのような技術を足してます。
ここまで見たものは、パナソニック(輝度・彩度)、ソニー(彩度)を高めるような記述でした。
シャープは、「輝度」に注目し、発光量を調整し、黒の締まりや、色帯異常を処理するような説明です。同社は4K液晶(AQUOS XLED)でも、この部分に専用の解析回路を搭載(上図)ですが、それのOLED版のようなものかと思います。
画像エンジンは、24年登場の「Medalist S5」です。
広色域化処理の部分では、リッチカラーテクノロジープロを搭載します。
同社ではお馴染みの義寿で、同社の画質を決めるとも言える色彩表現力を高めるカラーマッピング技術です。これで同社の製品に多い「クッキリしつつ濃い色合い」の味付けに調整します。
超解像技術は、AI超解像を搭載です。
地デジなどの低解像度画像を、4Kにアップコンバート処理する際に使うものです。
1フレーム内処理で、オブジェクト検出も伴わない部分で技術的には並ですが、ビッグデータを学習させたAI処理で、おそらく旧世代よりは性能は良さそうです。
そのほか、デジタル圧縮したネット配信アニメ特有の階調ムラを補正する「アニメ・ネットクリア」も搭載です。
スマートアクティブコントラストも、注目して良い機能です。
明暗表現を整えるものですが、リアルタイム解析ほか、エリア別解析ができます。
最大輝度がどこにあるか把握し、その上で処理するので、輝度・コントラスト表現は、従来機よりより良くなっていると言えます。
画質の自動調整は、「対応」です。
AIオートという機能名です。
AI学習を利用し、100万通りのパターンの映像を学習し、シーンが自動調整されるとされます。レグザの上位機のように、クラウドで番組情報をみれるわけではないですが、実用性はあるでしょう。
パナソニックなどと同じで、環境光センサーを装備します。明るさだけでなく、色温度もみれるので、部屋の照明色もふまえた画質の自動調整が可能です。
映像(ニュース・スポーツ・映画など)に合わせて、音声も自動で最適化されます。
HDR規格(HDR10)は、こちらも対応します。
HDR画像の「白飛び」については、特別な言葉はないですが対策があるようです。
一方、標準画質をHDRにアップコンバートする機能は、同社の4K液晶もそうですが、言及がないです。
倍速液晶は、2倍速で搭載されます。
他社でも説明したように、倍速対応機は、スポーツなど動きのある映像に強くなります。
スピーカーは、総合80Wです。
構成はユニークです。
上部にハイトスピーカーとして、トゥイーター・ミッドレンジウーファーが左右合計4基、下部に、メインスピーカーとして、同じ構成の4基と、中央の重低音用のサブウーファーです。
チャンネルとしては、2..1.2chです。
立体的な音響を再現するドルビーアトモスに「リアル」に対応できる構成で、割と力を入れたものに思えます。
通常のステレオ音源などを、仮想的に立体サラウンドにするような技術の記載はないです。
構成的には、サラウンド感重視で、若干センターが弱めには思います。
その場合、シニア世代だと、ニュースなどの「聞こえ」が気になります。
ただ、先述のAIオートで、ニュースなどは適切に調整されるため、詳しくない方向けの自動化という部分では問題ないでしょう。
録画機能は、USB接続のハードディスクを使用した場合、利用可能です。
ただ、機能的には、全社を通してみても貧弱です。
番組表は、一方、シャープは、他社より見やすく、便利に作られています。
とくに、シャープは他社に先駆けて、番組表を4K画質で作っているため、視認性が良く、情報量も多いです。純粋に、番組表画面の見やすさだけで言えば、この点で他社を出し抜いています。
ジャンル別・キーワードで番組を検索することもできます。また、検索結果に基づいて、番組表を色分け表示にすることも可能です。オススメ番組を自動でお知らせする機能も付きます。
4Kチューナーは、2基搭載です。
チューナー数は2つなので、裏番組も録画も可能です。
映像配信サービスも同様で、下位機種同様に、Google TVに対応です。
豊富なネットコンテンツを便利に利用できる利便性はあるでしょう。
音声アシスタントサービスは、Googleアシスタントが利用できます。
本機は、TV本体にマイクを内蔵です。
そのため、リモコンの音声ボタンを押さなくても、Google系の音声AIであるGoogleアシスタントを呼び出せます。
Google TVを搭載するテレビでも、TV本体にマイクがない機種は多いので、ワンポイントです。
その他、視聴位置が動かせるスイーベル式台座を採用している点も、同社の昔からの個性です。
2023年機からは、スイーベルしたくない場合、固定できるような仕様になりました。
HFR(ハイフレームレート)は、4K/120Hz (4K/120p)をフォローします。
----以上、シャープのGQ1ラインの紹介でした。
パネル周りの工夫は、パナソニックと比べても同じほど充実します。
画像エンジンの機能性と、独自回路による処理は、国内各社のなかで飛び抜けて良いわけではないものの、それなりに堅実に思います。
従来機はここが少し弱い印象でしたが、この世代で良くなりました。スピーカーも、この価格帯の製品として合格点です。
値段次第では、入門機として選択肢の1つにできそうです。
ーーー
このほか、シャープからは、入門機グレードは、下位機や旧機を含めて、いくつかの製品があります。と
違いを順番にみておきます。
【2024年6月発売】
【42インチ】
31・シャープ 4T-C42GQ2
¥193,070 楽天市場 (4/12執筆時)
【48インチ】
32・シャープ 4T-C48GQ2
¥202,772 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED Gen2 ?
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
第1に、GQ2ラインです。
GQ1ラインと同じ時期に発売された、40インチサイズ台の小型と考えてください。
ただ、パネルサイズの限界で、放熱プレートが未付属です。
そのため「S-Brightパネル」の名前を得ていません。
パネルは、情報がないですが「輝度」についての言及がないのと、このサイズで、EVO2は、国内未投入ととみられる点から、OLED(gen2)かと思います。
それでも、悪くないですが、輝度面では、ある程度の遮光対策は必要な世代です。
スピーカーも、50Wです。
パネルサイズからいって悪くはないですが、上部がハイトミドルレンジのみで、サブウーファがない形式で、2.0.2chになります。
若干、低音が物足りないかもしれませんが、ここは増設でも良いかと思います。
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結論的にいえば、有機ELの場合、55型以下だと、本機のように「下位機種扱い」で機能性が削がれるので、スペースが許せば大きめをおすすめします。
そうでもない場合には、同じサイズの他社機との比較になるでしょう。おすすめ機種は、記事の最後に改めて考えます。
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【2024年8月発売】(廉価版)
【48インチ】
33・シャープ 4T-C48GQ3
¥150,420 楽天市場 (4/12執筆時)
【55インチ】
34・シャープ 4T-C55GQ3
¥173,151 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
第3に、GQ3ラインです。
2024年発売ですが、同社の廉価版になります。
パネルは、こちらもLGのOLEDですが、世代が不明です。
55インチを含めて放熱板は付かないタイプです。発光量は制御しますが、この仕様なので(EXが付かない)スパークリングドライブ回路です。
画像エンジンは、1世代前のMedalist S4です。
アニメのネット動画の階調ムラを補正する「アニメネットクリア」が使えず、また、アップコンバート時の超解像処理に、AI処理がない旧世代になります。
また、照明色をみられる環境光センサーが未装備(明るさセンサーのみ)になります。
スピーカーは、総合50Wです。
片側につき、トゥイーター2個ウーファー1個の、2chのステレオです。
普通の2ウェイ式で、あまり個性はないです。
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結論的にいえば、発売年が新しい意味性はあまりないように見えます。
シャープの場合、ネットだと旧機の型落ちが長く残るので、そちらを選んだ方が良いように思います。
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【2023年8月発売】
【55インチ】
35・シャープ 4T-C55FQ1
¥170,536 楽天市場 (4/12執筆時)
【65インチ】
36・シャープ 4T-C65FQ1
¥288,430 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED EVO gen2
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
第4に、FQ1ラインです。
1世代前のシャープの入門機です。
パネルは、現行入門機と同じOLED.EVO gen2(S-Brightパネル)です。
放熱プレートが付属する部分で、先ほどの廉価版より、仕様は良く、冒頭の入門機の現行機と同じです
画像エンジンは、本機も、1世代前のMedalist S4です。
新機種だと1つ上でみた「廉価版」と同じ仕様ですが、発売当時はこれが最新でした。
この部分で、新機種と差があります。
スピーカーは、総合70Wです。
現行の入門機と同じで、ハイトスピーカーが付く豪華な仕様です。
アンプは10Wだけ小さく70Wですが、大きな差はないです。
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結論的にいえば、現行機とは画像エンジンの差があります。
すでに値段差もそこまでなくなっていますし、この値段ならば新機種でよいでしょう。
ただ、セールで「お買得感」がありそうならば、つ上の廉価版を選ぶならば、こちらが良いので、選択肢になるかと思います。
同等スペックの他社との比較も必要ですが、パネル周りの工夫は、シャープもしっかりしているため、仮に、選んで後悔することはないでしょう。
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【2022年6月発売】
【55インチ】
37・シャープ 4T-C55ES1
¥142,280 楽天市場 (4/12執筆時)
【65インチ】
38・シャープ 4T-C65ES1
¥225,180 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED.EVO gen2
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
第5に、5ES1ラインです。
こちらは、もとおと上位機なのですが、2世代前なので、今だと入門機といえるモデルです。
パネルは、現行入門機と同じOLED.EVO gen2(S-Brightパネル)です。
この世代も、放熱プレートは(旧式のクールダウンシールドながら)ありました。
画像エンジンは、2世代前のメダリストS3です。
近年は、AI学習部分の進化が著しい部分で言えば、それなりに差はあります。
機能面では、1つ上で見た、S4世代に対して、例えば、AIオートについて、音声まで自動調整されない点や、環境光センサーが非搭載となる部分などが違いです。
スピーカーは、総合80Wです。
現行の入門機と変わりません。
ミッドレンジ・トゥイーターの2WAY式スピーカーを左右に1組、立体音響を再現するためのハイトスピーカーとして、上面左右に同じく2組、それに低音世のサブウーファー1基でした。
2..1.2chですし、新機種と変わらないです。
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結論的にいえば、AI「以前」の世代の画像エンジンではあるため、1つ上で見たFQ1ラインとはその部分で差はあります。
ただ、画像エンジン周りに2年分の差があるのを除けば、現行の入門機と差はないので、ある種の「下位機」としてわりとお買得感は感じます。
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【2022年6月発売】
【42インチ】
39・シャープ 4T-C42EQ2
¥180,808 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
【48インチ】
40・シャープ 4T-C48EQ2
¥147,999 Amazon.co.jp (4/12執筆時)
【55インチ】
41・シャープ 4T-C55EQ1
¥155,270 楽天市場 (4/12執筆時)
【65インチ】
42・シャープ 4T-C65EQ1
¥239,800 楽天市場 (4/12執筆時)
【77インチ】
43・シャープ 4T-C77EQ1
¥437,590 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:OLED
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
第5に、EQ1/EQ2ラインです。
こちらも、2世代前ですが、その時から入門機だった機種です。
EQ1・EQ2ラインは、後者のみ、本体にマイクがないのが違いです。
音声アシスタントは、リモコンマイクを通してのみ使えます。
パネルは、いずれもEVOシリーズではなく、旧来のOLED (2nd)です。
輝度の部分で、その後の世代とは差があります。加えて、画面の大きなモデルを含めて独自の熱対策もないです。
スピーカーも、ハイトスピーカーがない普通の総合50Wです(42インチのみ40W)。
フルレンジ2基(42インチは1基)+トゥイーター1基を構成するオーソドックスな2.0チャンネル構成です。
スピーカーネットのないリフレクター構造にすることで、低音域をブーストする構造ですが、数字ほどの音圧はさほど期待できなそうです。
その他の部分は、画像エンジンが1世代前になる関係で、自動画質補正(AIオート)時、連動してサウンドまでは調整されない点が新機種との目立つ違いです。
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結論的にいえば、日差しがない部屋ならば利用には問題がないです。
価格重視で探している方で、セールなどで他社の最低価格機と比べて「最安」だったならば、こちらでも良いかと思います。
【2024年6月発売】
【55インチ】
44・シャープ 4T-C55GS1
¥251,920 楽天市場 (4/12執筆時)
【65インチ】
45・シャープ 4T-C65GS1
¥415,690 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:QD-OLED 2024
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
シャープのGS1 ラインは、同社の有機ELテレビの最新の最上位機です。
パネルは、サムスンのQD-OLEDです。
ソニーも採用していた、量子ドット方式のOLEDです。
世代は、シャープのプレスリリースの、最新世代の量子ドット有機ELパネルという文言から、2024年仕様のQD-OLED(2024)とみて良いでしょう。
本家のサムスン(Samsung S95D)と同じです。
1回目記事冒頭の「選び方の基本」で書いたように、LG同様にピーク輝度3000ニトを達成した世代です。標準輝度も上がった(300ニト)ようです。
2社供給体制になってから、この部分の競争が増した印象です。
パネル部分の工夫は、本機の場合も、放熱プレートの工夫があります。
「クールダウンシールドU」という名前ですが、放熱板を二重にする部分はパナソニックの高級機と似ます。
だだ、素材として、アルミ+炭素なので、「デュアルメタル」と表現されるパナソニックとは異なる方式でしょう。
加えて、このグレードからは、ソニー・パナソニックと同じで、センサーで温度分布を見る仕組み(クライマックスドライブ回路2.0)が加わります。
24年からは、パネルの発光効率とパネル特性に関するデータベースの参照することで「輝きが15%向上」とのことです。輝度という表現ではないです。
こうした工夫はパナソニックが伝統的に強いですが、シャープも良いです。
画像エンジンは、Medalist S4Xです。
下位機種(Medalist S4)と名前が変わります。
画質向上機能はあまり変わらないのですが、同社の画質の「キモ」といえるリッチカラーテクノロジー(プロ)がこのグレードから、「量子ドットリッチカラー」と名前を変えます。むろん、パネルの変更によるものです。
冒頭書いたように、QD-OLED 2023 以降は、緑色の発色が良くなったので、扉絵もそんな感じな写真です。
画質向上機能は・画質の自動調整・倍速パネルなどは、2023年の下位機種と同じです。
説明が重複するのでそちらをご覧ください。問題ない仕様です。
スピーカーは、総合100Wです。
出力が下位機シリーズより強化されています。
ハイトスピーカー付で「リアル」で、ドルビーアトモスに対応できる部分などは、下位機種と同じです。
構成としては、メインスピーカーの部分にミッドレンジが1基ふえて、2ウェイ3スピーカー構成になっている部分です。スピーカーユニット自体も、磁力を強化した「パワーボイススピーカー」だとされます。
この部分の下位機種との違いは僅かでしょう。
サラウンド感が重視された、映画向きな配置です。逆に、ニュースなどの「聞こえ」は、さほど配慮の記述は見られず、AIオートの性能次第といった感じです。
あとの部分は、先ほどみた入門機と変わりません。ステレオ音源の3D立体サラウンド化に関する技術は本機も、記載がないです。
HFR(ハイフレームレート)は、4K/120Hz (4K/120p)をフォローします。eARCも対応できます。
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以上、シャープのGS1 ラインの紹介でした。
色の純度の面で優れる量子ドット特有の「鮮やかさ」は確実に楽しめる製品です。ソニー同様に、シャープの場合も、同社のハイエンド(8K)機においても量子ドットを採用してきたことを考えると、QD-OLEDを採用するのは必然だったように思います。
自社が目指す「理想の色合い」に近いのでしょう。
スピーカーも強力ですし、パネル周りの発熱対策も高度と言えます。画像エンジンの処理は、機能的にはさらに上位に思えるメーカーは他にありますが、総合的に見た場合、最も優れる日本市場の製品の1つであるとは言えます。
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一方、このグレードについても、旧機が割と残っています。
順番にみておきます。
【2023年8月発売】
【55インチ】
46・シャープ 4T-C55FS1
¥188,311 楽天市場 (4/12執筆時)
【65インチ】
47・シャープ 4T-C65FS1
¥318,660 楽天市場 (4/12執筆時)
モニターパネル:QD-OLED 2023
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
第1に、シャープのFS1ラインです。
パネルは、QD-OLED 2023です。
先述の(シャープが最新という説明を信じる場合)、パネルのピーク輝度において新機種との差はあります。
ただ、2000ニトあれば、日中でも問題ないレベルには達しています。
加えて、クライマックスドライブ回路について、データベース参照がない世代なので、輝き(輝度ではない)が同社比で15%低めになります。
画像エンジンも、1世代前のMedalist S5Xです。
中位機の場合と同じで、AI超解像やアニメ・ネットクリアとおった24年からの機能に未対応です。
スピーカーは、総合85Wです。
構成は同じながら、出力は少し落ちます。
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結論的にいえば、パネル世代が1世代違うならば、新機種と差はあると言え、実は同じならば、お買得といった感じです。とても「惜しい」という違いは輝度部分だけなので。
正確なところをお伝えできれば良いのですが、シャープの場合、米国市場の展開がないので、実機レビューが出にくく、なかなか確定情報が得がたいという事情があります。
次回つづく!
有機ELテレビのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、有機ELテレビの比較の2回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
3・ 有機ELテレビの比較 (3)
3-1:LGエレクトロニクス
4・ 有機ELテレビの比較(4)
4-1:レグザ(東芝)
4-2:ハイセンス
5・ 有機ELテレビの比較(5)
5-1:最終的なおすすめの提案【結論】
次回の3回目記事(こちら )では、LGの製品を紹介します。
多くの企業にパネルを提供する企業ですが、直接テレビも売っていて、少し安めなモデルもあります。
パネル品質 ★★★★★
画像エンジン ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
ネット動画 ★★★★★
番組表 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回記事(こちら)では、今回紹介した全製品からいつものように、目的別・用途別にAtlasのおすすめ機種をあげておきたいと思います。
3回目記事は→こちら!
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