1回目記事からの続きです→こちら
2-1・パナソニックの有機ELテレビ(続き)
2回目記事のトップバッターは、パナソニックの有機ELテレビのうち、1回目記事で見れなかった上位シリーズの説明からです。
1・有機ELテレビの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:パナソニック 1
2・ 有機ELテレビの比較 (2)
2-1:パナソニック 2
2-2:ソニー
3・ 有機ELテレビの比較 (3)
3-1:シャープ
4・ 有機ELテレビの比較 (4)
4-1:LGエレクトロニクス
5・ 有機ELテレビの比較(5)
5-1:レグザ(東芝)
6・ 有機ELテレビの比較(6)
6-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」の説明に沿いながら、各機をみていきます。
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また、以下では、いつものように、Atlasのおすすめできるポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で書きます。

【2025年5月発売】
【55インチ】
(2TB HDD付属)
13・パナソニック VIERA TH-55LW2
¥380,000 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
(HDDなし)
14・パナソニック VIERA TH-55LW2L
¥320,000 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
【65インチ】
(2TB HDD付属)
15・パナソニック VIERA TH-65LW2
¥480,000 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
モニターパネル:OLED
倍速パネル:4倍速相当
ネット動画:自社規格
フレームレート: 4K/ 120Hz
新4K放送チューナー:搭載(2)
ウォールフィットテレビ LW2シリーズは、パナソニックの有機ELテレビでは、少し特殊なラインです。
こちらは、壁掛け前提の「ワイヤレスモニター」的な珍しい製品です。

写真のようにウォールマウント(ウォールフィット)させることを前提としています。
チューナーが外付けで、モニターまでは無線で飛ばす仕組みですので、壁の部分にコンセントケーブル以外這わないため、美観が非常に良いのが「売り」です。

TVチューナーが別置になるタイプはプラズマTV時代にもありました。
しかし、無線というのは相当ユニークです。データ量の多い4K放送も対応します。 
チューナーとTVの間の接続は、Wi-Fi(Wi-Fi5)です。
アドホックに直接つなげる(最大35メートル)こともできます。
ただ、ルーターを介した方が、安定します(上図)。最近は、このブログの【無線LANルーターの比較記事】でも記したように、テレビとの通信安定性を高められる新製品もでています。

配線的な配慮もあるため、設置面でかなり自由に使えそうです。
部屋によっては「かなり便利」に思えます。

ゲーム用・レコーダーのHDMI端子は、25年機からは、チューナー側にも3系統になりました(Wireless Connect)。
24年機までは、チューナー側にHDMI入力がなかったので、大進化です。正確には、旧機も1k系統ありますが、メンテ用(TVとつなげる用)でしたので。
この仕様なら、テレビのコード周りが完全にスッキリするのが良いところです。

なお、利用しない際は、「音付きで動く壁紙壁紙」的なディスプレイとしても利用できます。
一方、無線伝送なので、データ量の多い4Kについては、「圧縮」(ビットレート変換)して送る仕様です。電波状況を判断しつつDRモードで送る場合、あるいはそれ以下の場合もあります。
可変性は、VOD(サブスク動画)利用時に調整されるようなイメージで良いかと思いますが、家庭内なので、しっかりしたルーターなら問題ないでしょう。

パネルは、普通のOLEDです。
発売年からすると、高輝度型の可能性がありますが特定はできません。

通常機と同じで、ネル表面にブラックフィルターを装備し、(プロ表記のない)Dot Contrast パネルコントローラーも装備します。
熱対策は、温度センサーや、廃熱対策はないです。
ただ、そもそも輝度が低いので、この程度で良いともいえます。
画像エンジンは、旧世代です。
同社のコア技術といえるヘキサクロマドライブは搭載します。
ただ、超解像処理の部分で、デュアル超解像に非対応ですし、エンジンの世代としては「2023年」水準といえます。
画質の自動調整は、オートAI画質には、本機も対応です。
この世代でも、オートAI音質も対応だったので、ここで差ほどの差はありません。

音質は、画面を振動させるタイプのアクチュエーターが2基です。
「画面から音がきこえてくるような」仕組みですが、パワー自体は20Wです。
立体音響規格などもフォローしませんし、普通のステレオです。
本機は、ARC対応のHDMI端子がモニター側なので、外部オーディオをつなげにくい(=配線部分のメリット性を失う)部分があります。あくまで「インテリア性重視の機種」と言えます。

録画は、上位機(左図)の場合、ワイヤレスチューナー部分に2TBのHDDを搭載しています。
下位機(右図)でも、USB経由でチューナー側に増設可能です。
いずれの場合も、新4K放送の長時間録画にも対応しており、結構優秀です。
機能面でも、スマホでの遠隔視聴(どこでもディーガ)や遠隔予約に対応するなど、(一般ユーザーには)同社のレコーダーとなるDIGAの代わりを十分果たせる性能です。
なお、ドライブもあれば完全な「ハイブリッド」でしょうが、BDドライブは未搭載で、ディスクは利用できません。

映像配信サービスは、一方、こちらは、Fire TVではなく、自社方式です。
定額制のメジャーサービスはありますが、アプリの追加は基本できません。
おそらく、ここもプロセッサ(Soc)の性能の限界からです。
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結論的にいえば、色々書きましたが、ターゲット層が明確な点で好ましく感じる部分もあります。
主にインテリア性(美観)を重視したい方は、選んで良いかなと思います。
配線を這わさず、テレビを見る、録画番組を見る、あるいは、チューナーを介して、ネット動画をみることだけで満足できるようならば、選べます。
一方、パネル仕様的に、日中対応とは言いがたい水準です。リビングで普段見る感じならば、この形状モデルは液晶パネル方式もあるので、そちらと比較しても良いでしょう。【パナソニックの4K液晶テレビの比較記事】で紹介しています。
2-2・SONYの有機ELテレビ

続いて、SONYの有機ELテレビです。
以前は、量子ドット系となるSamsung displayのQD-OLED系のラインナップもありましたが、近年は整理されました。
今回は、生産完了した製品を除いた現行品を紹介します。

【2022年8月発売】
【55インチ】
16・SONY BRAVIA 8 K-55XR80
¥302,997 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
【65インチ】
17・SONY BRAVIA 8 K-65XR80
¥433,000 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
【77インチ】
18・SONY BRAVIA 8 K-77XR80
¥813,134 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
モニターパネル:OLED(高輝度型)
倍速パネル:2倍速
ネット動画:Google TV
フレームレート:4k/120Hz
新4K放送チューナー:搭載(3)
BRAVIA 8 XR80シリーズは、ソニーの販売す4K有機ELテレビです。

パネルは、細か い仕様は非公開です。
ただ、旧A80Lシリーズに対して、ピーク輝度で最大1.2倍との表記でしたし、上表だとOLED(高輝度型)あたりのスペックに思っておけば良いでしょう。温度管理でスペック上のピーク輝度を10%あげて、自社技術で最大1000ニト前後まで強化したとされます。
もっとも、SDRの平均輝度ベース考えれば「日中の茶の間向け」ではないです。

熱対策は、一方、放熱用インナープレートなどの工夫はありません。
ただし、XR コントラスト ブースター 15を備えます。
パネル表面の温度分布を検知する温度センサーを利用し、そのデータをもとに温度を予測します。そのうえで発光制御を行うことで、熱による輝度低下を抑えながら、明るい部分をより明るく表示し、コントラストを高める仕組みです。
つまり、パナソニック機のように放熱構造で高輝度を支える方向ではなく、温度検知と発光制御によって、有機ELパネルの明るさを引き出す方向の工夫と言えます。

画像エンジンは、認知特性プロセッサーXRです。
「人の脳のように映像を認識する認知特性プロセッサー」というのが売り文句です。
他社流に言えば「AIエンジン」に近いものです。映像内の対象を分析し、過去の膨大な映像データベースと照合しながら、色、精細感、コントラストなどを補正する仕組み仕組みと考えてください。

とくに、ソニーは「注視点」という考え方を1つのキーワードにしています。注視点とは、人間がテレビを見る際に、自然に目を向ける画面内のポイントのことです。
本機は、、色、精細感、コントラストなどの要素を横断的・複合的に分析し、視聴者が目に向ける注視点がどこにおかれるかを意識しながら、自然に見える映像へと補正表示します。
この処理には、前景と背景、人物や物体などを区別する能力が重要になります。REGZAやLGなども似た方向の処理を行いますが、ソニーの場合は、オブジェクト検出で対象を分けたうえで、人間の「注視点」に合わせて処理するところに個性があります。
処理面で言及される機能性を、以下説明していきます。

第1に、XR 4Kアップスケーリングです。
地デジ・ネット動画などを、4K相当に画質をアップコンバートする機能性です。
本機は、フレーム内の人物や特定の物体を識別し、背景と分けて処理するオブジェクト認識技術を備えます。これにより、被写体ごとの質感や輪郭を理解したうえで、高精細化を行います。
被写体を識別したうえで、質感再現のための超解像処理(XR Super Resolution)をかけるため、高精細化の精度じゃ高いです。
こうした処理は国内他社にも採用例がありますが、海外勢を含めた全製品で必ず備わるわけではないため、処理上のワンポイントと言えます。

加えて、ソニーの場合、4K映像用と、地デジやネット動画などHD以下の映像用とで、参照するデータベースを分けています。それによって、映像の解像度や種類に応じて、より適した高精細化処理をかけられる点も「売り」にしています。

第2に、XRクリアイメージです。
低解像度映像やネット動画を、4K画面向けに整える高精細化・ノイズ低減系の処理です。先述のXR 4Kアップスケーリングと連動する、精細感向上のための機能と見てよいでしょう。
ソニーは、この機能について、放送波や低解像度映像に出やすいノイズを抑える点を特に強調しています。地デジ放送やネット動画など、圧縮ノイズや粗さが目立ちやすい一般コンテンツでは、比較的効きやすい機能だからでしょう。

第3に、XR OLEDモーションです。
動きの速い映像をくっきり見せるための、有機EL向けのモーション補正です。
動き補正には、黒挿入や点滅処理などの手段もありますが、画面が暗くなるなどの副作用があります。こちらは、プロセッサーXRの映像分析と有機ELパネルの発光制御を組み合わせ、色味・精細感・明るさを保ったまま残像感を低減する方向で処理します。そのため、輝度低下が起こりにくい点が利点です。
後述するように、本機は倍速パネルも備えますので、スポーツやアクション映画など、動きのある映像には強いと評価できます。

第4に、XR トリルミナスプロです。
自然で色鮮やかな映像にするための色再現処理です。
オブジェクト認識機能も利用しながら、彩度・色相・明度を3次元で検出し、精細感やコントラストなど他の画質要素と合わせて、自然に見えるように最適化すると説明されます。。
同社の液晶テレビでも使われるトリルミナス系の広色域・色補正技術を、有機ELパネル向けに最適化した機能と言えます。
赤や緑などの色を鮮やかに出しつつ、不自然に派手にしすぎない「ソニー画質」を実現するための工夫です。
画質の自動調整は、一方、あまり充実しません。
テレビ放送において、映画やスポーツなどコンテンツに応じて自動で画質を切り換える機能は確認できません。
明るさセンサーは搭載するため、部屋の明るさに応じた画面輝度の調整は可能です。

HDRは、HDR10、HLG、Dolby Visionに対応します。
また、標準画質の映像をHDR相当のコントラストに高めるXR HDRリマスターも搭載します。
一方、明るさセンサー搭載ながら、Dolby Vision IQへの対応表明は見られません。

倍速は、2倍速パネルです。
先述のXR OLEDモーションとあわせて、動く画像への対応力は強めです。

スピーカーは、ソニーの最も個性的な部分です。
本機は、画面全体を振動させることで音を出すアクチュエーターを2基備えます。
出力は、55型・65型が50W、77型が56Wです。突出した数字ではありませんが、従来のテレビスピーカーとは一線を画する方式です。
映画などで複数の登場人物が画面にいる場合、音が画面上の位置から出てくるように感じやすく、セリフの定位感や奥行き感を出しやすいのが特長です。
TVスピーカーは「外部スピーカーが買えない場合の劣化版のオマケ」という印象を持たれがちです。しかし、本機は内蔵スピーカーでないと実現しにくい独自性があるため、この部分は「面白い」と言えます。
音響製品を多く出す、ソニーらしい技術です。

一方、パナソニックの上位機と同じく、立体音響のドルビーアトモスにも対応します。
上方向のハイトスピーカーはないため、物理スピーカーによる高さ表現ではなく、音声処理によるバーチャル再現です。
ただ、ソニーの場合3Dサラウンドアップスケーリングを備えます。
プロセッサーXRを使って、地デジなどの一般的な音源も高さ方向を含む立体音響に再構成できます。そのため、ドルビーアトモス音源以外でも、疑似的な立体音響を手軽に楽しめます。

加えて、このテレビの「アコースティック センター シンク」機能は、注目に値します。
【サウンドバーの比較記事】で紹介したソニーのBRAVIA Theatre Bar、あるいは、【シアターシステムの比較記事】で紹介した上位機(HT-A9)と組み合わせる場合、テレビ内蔵スピーカーをセンタースピーカーとして活用できます。
テレビのスピーカーを無駄にせず、画面中央から声が出てくるような定位感を補えるため、かなり面白い機能だと思います。

そのほか、本機のようなソニーのXRエンジン搭載機は、ネックバンドスピーカーや対応ヘッドホンと組み合わせることで、ドルビーアトモスなどの立体音響をより個人向けに楽しめます。
かなり話がズレるので、対応機は【ネックスピーカーの比較記事】のほうで解説していますので、興味のある方は、そちらをご覧ください。
そのほか、ニュースなどの声を聴き取りやすくできる「ボイスズーム3」など、シニア層にも使いやすい機能を備えます。
録画機能は、対応です。
3チューナー搭載なので、番組を見ながら、別の2番組を外付けUSBハードディスクに同時録画できます。2K放送だけでなく、4K放送の2番組同時録画にも対応します。
一方、録画番組のダビング機能はありません。録画機能のUIも、東芝はもちろん、パナソニックと比べてもシンプルで、録画機能を強く重視するタイプではありません。
スマホ連携機能は、一方、注意点です。
従来可能だったスマホ経由での録画予約・リモート視聴などは、専用アプリ「Video & TV SideView」のサービス終了により、2027年3月で使えなくなります。
したがって、この部分は、今後においてパナソニックや、REGZAのタイムシフトマシン搭載上位機との差となります。
番組表は、ソニーらしく使いやすいです。
ジャンル別に色分けされた番組表も見やすいです。

映像配信サービスは、Google TVを搭載です。
そのため、4Kコンテンツを含むNetflixやDAZNなど、各種アプリをGoogle Playから追加できます。
スマートTVとしては高度です。昔のネットテレビと違い、処理性能も高くなっているため、リモコン操作が大きくもたつくことも少なくなりました。

音声アシスタントサービスは、本機は充実します。
本機はハンズフリー音声検索に対応しており、リモコンのボタンを押さずに、テレビに直接話しかけてGoogle アシスタントを呼び出せます。
HFR(ハイフレームレート)は、120フレーム/秒(4K/120Hz)の表示に対応です。
VRRやALLMにも対応するため、ゲーム用途にも向く仕様です。

【2022年発売】
・ソニー BRAVIA CAM CMU-BC1
¥16,750 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
そのほか、テレビの上に増設するカメラとなるBRAVIA CAMに対応です。ジェスチャーでのテレビ操作や、チャット利用などができます。
面白いのは自動画音質調整機能です。
カメラセンサーで視聴者の位置を把握し、画面の明るさ、声の大きさ、音のバランスを自動調整します。音声面では、視聴位置に合わせて聞こえ方を整えるため、画面と音の一体感を高める工夫と言えます。
ただ、最近は、REGZAやシャープなどミリ波レーダーをテレビに内装し、で聴位置を認識し、画音質を自動調整する機能を持ちます。そのため、以前に比べると、BRAVIA CAMだけの新味はやや薄れてきました。
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以上、ソニーのBRAVIA 8 XR80シリーズの紹介でした。
発売から時間が経ったものの、認知特性プロセッサーXRに由来する画像補正は、今なお「見どころ」と言ってよいでしょう。サウンドまわりの工夫も充実しており、音質面を重視したい方にも向く仕様です。
一方、とくに大画面モデルについては、パネル部分の熱対策が温度センサーによる発光制御に寄っている点が、やや気になります。十分に涼しい時期は別として、熱による輝度低下のリスクは、放熱プレートなどを備える機種とは差が出そうです。
次回つづく!
有機ELテレビのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、有機ELテレビの比較の2回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。

3・ 有機ELテレビの比較 (3)
3-1:シャープ
4・ 有機ELテレビの比較 (4)
4-1:LGエレクトロニクス
5・ 有機ELテレビの比較(5)
5-1:レグザ(東芝)
6・ 有機ELテレビの比較(6)
6-1:最終的なおすすめの提案【結論】
次回の3回目記事(こちら )では、シャープの製品を紹介します。
パネル品質 ★★★★★
画像エンジン ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
ネット動画 ★★★★★
番組表 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回記事(こちら)では、今回紹介した全製品からいつものように、目的別・用途別にAtlasのおすすめ機種をあげておきたいと思います。
3回目記事は→こちら!
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