1回目記事からの続きです→こちら
2-1・パール金属のフライパンの比較
2回目記事のトップバッターは、パール金属のフライパンです。
新潟県の燕の金属加工メーカーで、キッチンウェアが得意です。
気づかなくても、デパートなどに置いてあるフライパンは同社製だったりします。
1・フライパンの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:T-Fal〈フッ素/セラミック〉
1-3:北陸アルミ〈フッ素/セラミック〉
2・フライパンの比較 (2)
2-1:パール金属〈フッ素〉
2-2:ビタクラフト〈フッ素〉
2-3:エバークック〈フッ素〉
2-4:サーモス〈フッ素〉
2-5:フレーバーストーン〈フッ素〉
2-6:Ballarini〈フッ素〉
2-7:王様フライパン〈フッ素〉
3・フライパンの比較 (3)
3-1:京セラ〈セラミック〉
3-2:フィスラー〈セラミック〉
3-3:ターク〈鉄〉
3-4:マイヤー〈鉄〉
3-5:バーミキュラ ほか〈鉄〉
3-6:最終的なおすすめの提案【結論】
今回の記事も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた選び方の基本に沿いながら説明していきます。
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なお、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思うポイントを青字で記していきます。
【26cm】〈20 24 28 30cmあり〉
25・パール金属 軽いねストロングマーブル ガス用
¥2,811 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
基材:アルミ/フッ素
重さ:630グラム(26cm)
コーティング:4層
IHヒーター:
続いて、パール金属のストロングマーブルです。
ストロングマーブルは、10年以上前、Atlasも使っており、一度このブログの記事で触れたこともあったと思います。
タイプは、ガス火専用です。
IHヒーターでは使えません。
サイズは、20cmから30cmと、選択肢の幅は大きめの方向性で「広い」です。
また、26cm(HB-1225 HB-1228)と28cm(HB-1226 HB-1229)は、2種類の展開で、極深のディープパンも選べます。
コーティングは、T-falに合わせて内装コート数のみで比較すると、内面4層コートとなります。
多少物足りないです。一方、同じ素材の外装も3層コートしている点がこの機種の「売り」です。
外面の美観を重視する方は、こびり付かなくて良いフライパンでしょう。
コーティングの仕組みは、フレーバーストーンと似ていますが、大理石(マーブル)を含有させて、フライパンの耐久性と、滑りやすさを高める仕組みです。
やはり、フライパンのすべりはよいのですが、耐久性はイマイチです。
Atlasの場合、数年でコートが剥がれました。ただ、外装はほとんど気になる汚れが付かなかったため、フライパン全体の美観を重視したい場合は、オススメできます。
重さも、26センチのフライパンで630gです。
ガス専用として、北陸アルミのセンレンキャストに次ぐ軽量さです。
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以上、ストロングマーブルの紹介でした。
比較的格安ですが、外装の汚れが目立たないので、よごれが目立たないのがメリットです。ただ、全体の高級感はさほどないため、あくまで実用性重視のフライパンです。
【26cm】〈20 24 28 cmあり〉【ガス用】
26・パール金属 ブルーダイヤモンドコート
¥2,182 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
基材:アルミ/フッ素
重さ:552グラム(26cm)
コーティング:3層(ダイヤモンド)
IHヒーター:
【26cm】〈20 28 30cmあり〉【IH兼用】
27・パール金属 ブルーダイヤモンドコート
¥1,982 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
基材:アルミ/フッ素
重さ:780グラム(26cm)
コーティング:3層(ダイヤモンド)
IHヒーター: 対応
こちらは、パール金属のブルーダイヤモンドコートのフライパンです。ガス用とIH兼用が用意されます。
タイプは、IH兼用です。
ガス火でも、IHヒーターでも利用できます。
サイズは、20センチから28センチと、割と整理されています。
ただ、標準的といえる、26cm(HB-2688 HB-317)はありますし、問題ないと思います。
また、いずれのモデルも、28cmのいため鍋(HB-2690 HB-322)があります。
コーティングは、(ブルー)ダイヤモンドコートです。
格安機では割と多くの企業が採用するコーティングの種類で、ベースコートにダイヤモンド粒子を配合します。
すべりの良さといより耐久性を重視する方向のコートですが、熱や溶剤(洗剤)にはあまり強くないタイプです。1回目記事でみた、テフロンブランドでいえば、「クラシック」あるいは「無印」あたりの強度と考えてください。
なお「金属へらも使える」とのことですが、フッ素系には間違いないですし、コーティングも3層に止まるため、大事にしたい場合は、プラスチック系でまとめたほうが無難だと思います。
重さは、26センチのフライパンで、ガスモデルが522g、IH兼用は705g程です。
いずれも、フライパンとしては軽量重視な設計です。
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以上、パール金属のブルーダイヤモンドコートの紹介でした。
プラスチックへらを利用する分には堅牢性は確保されるでしょう。
ただ、やはり層が少ないため、他機種よりも明確に頑丈とは言いがたい部分もあります。
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【IH兼用】
【26cm深型】〈20 24cm 26c浅型あり〉
28・パール金属 BLKP 26cm AZ-5003
¥1,528 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
なお、パール金属は、Amazon限定で「BLKP黒にこだわる男のキッチン」というシリーズの展開もありす。
サイズは、26センチパン以外に、20cm(AZ-5001)や、24センチの深型(AZ-5002)などがラインナップされます。
ただ、こちらについては、重さのほか、コーティングの層が不明瞭で、強度については不安があります。
【26cm】〈22 24 28cmあり〉【ガス用】
29・パール金属 納得の道具 HB-6977
¥2,985 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
基材:アルミ/フッ素
重さ:750グラム(26cm)
コーティング:3層
IHヒーター:
【26cm】〈24 28cmあり〉【IH兼用】
30・パール金属 納得の道具 HC-197
¥2,882 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
基材:アルミ/フッ素
重さ:750グラム(26cm)
コーティング:3層
IHヒーター: 対応
納得の道具シリーズも、パール金属の製品です。
後述するように、こちらは、耐摩耗性を強調するシリーズです。
タイプは、IH兼用でとガス火専用が選べます。
サイズは、普通のフライパンは、20センチから28センチと、整理されています。
そのほか、炒め鍋も28cmのみですが、展開されます。
コーティングは、3層のプレミアムハードコート(セラミック配合)です。
JISの耐摩耗テストで300万回突破という触れ込みです。
他社は50万回ほど、同社の従来品でも100万回ほでしたので、この値を公開するフライパンのなかでも突出して高い数字です。調査は塗料メーカーによるものとされ、具体的なコート材の詳細は非公開です。
また、今回の記事の「選び方の基本」で書いたように、JISのテストは、アルミ基材がでるまでの試験なので、すべりの良さが長く続くわけではないです。
たお、鍋は鍛造で頑丈とされますが、ここは耐摩耗テストには関係ない部分です。そもそも壊れやすい撮っての部分ははめ込みで、一体成形というわけではないです。
重さは、26センチのフライパンで、ガス・IHともモデルが750gです。
重くはないですが、同社の「軽さ自慢」の製品よりは重いと言えます
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以上、パール金属の納得の道具シリーズの紹介でした。
耐摩耗テストについては、「使いやすい状態」で、長持ちするわけではかならずしもない点は注意です。
本機の場合、他機と比べても「すべりの良さ」の持続性については宣伝がない点も注意点と言えます。
同社の製品としては割と高級ですが、100万回の耐久試験を突破するなど耐久性は高いです。
6層コートのT-falのフライパンは重めなので、コーティングと軽さ重視ならば、良い選択肢です。
2-2・ビタクラフトのフライパンの比較
はじめに、米国のビタクラフトからです。
ビタクラフトは、米国の老舗の鍋メーカーです。
「ビタ」は「ビタミン」を表します。調理において栄養素を逃がさないと言うことを大事にしているメーカーです。
【26cm】〈20 22 23 26 28cmあり〉
31・Vita Craft ソフィアII フライパン
¥3,924 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
基材:アルミ/フッ素
重さ:974グラム(26cm)
コーティング:3層コート
IHヒーター: 対応
ビタクラフトは、アメリカの調理器具メーカーです。同社の人気フライパンがこのソフィア2です。
歴史あるシリーズですが、同社の(テフロンではないパン)を留学時代に使っていたのを思い出します。
タイプは、IH兼用です。
ガス火でも、IHヒーターでも利用できます。
サイズは、20センチから28センチでそろいます。
売れ筋は、2種類の26cm(1746 1756)でしょう。
この場合も、深型ウォックパンが選べます。
本機は、20cm 24cm 26cm 28cmと、深型ウォックパンのラインナップが充実します。
コーティングは、3層コートです。
トップコートは、ナヴァロン3というフッ素コート素材です。
中間層にセラミックを配合して、強度を高める構造です。ただ、ビタクラフトは米国ではフッ素加工のパンは出していないので、日本に特化したものだと思います。
基材はアルミのほか、外装にステンレスですが、これはIHヒーターに対応するためです。
重さは、26センチのフライパンで974gです。
IH対応モデルとしては、やや軽量な部類です。適度な重量感で振りやすいでしょう。
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以上、ビタクラフトの紹介でした。
ブランド調理器具の日本仕様の製品ですが、外面は、鏡面素材を使っておりスタイリッシュです。
ただ、こちらについては、経年変化で「焼け」で汚れてくるため、それを我慢できるかが、ポイントの1つです。
2-3・ドウシシャのエバークック
続いて、日本の輸入商社となるドウシシャが販売している、エバークックです。
【ガス用】
【26cm】〈20 20 35 28cm 深型18cm もあり〉
32・ エバークック ガス火専用フライパン【青】
¥3,230 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
基材:アルミ/フッ素
重さ:608グラム(26cm)
コーティング:3層
IHヒーター:
【IH兼用】
【26cm】〈20 22 24 28 30cmもあり〉
33・ エバークック IH兼用フライパン【赤】
¥4,020 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
基材:アルミ/フッ素
重さ:672グラム(26cm)
コーティング:3層
IHヒーター: 対応
こちらは、ドウシシャのevercookシリーズのフライパンです。
なお、同社は商社で、金属加工を専門とする業者ではないので、外部の工場で作った製品です。
ただ、フッ素加工に1年保証を付けるなど、ユーザーの利便性への配慮があります。
タイプは、ガス火専用モデルとIH兼用モデルが用意されています。
サイズは、IH兼用については、相当数選べます。
28cmは、ガス火でも、深型のウォックパン(いため鍋)の展開があります。
コーティングは、独特です。
表面2層は、特段工夫のないフッ素樹脂です。
ただ、その下に、耐摩耗のためのアルマイトコーティングと、1層目のコートをアンカー構造にし、剥がれにくくする工夫が見られます。
耐摩耗性は50万回とされます。
ベースのアルミニウムの露出までの時間は長いでしょうが、フッ素の直下がアルマイト被膜ですし、すべりの「落ち」はわりと早めです。
重さは、ガス火用の26センチのフライパンで約608g、IH兼用で672gです。
とくに、ガス火用はかなり軽い水準です。
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以上、ドウシシャのエバークックシリーズの紹介でした。
特にガス火用は、軽量で価格も安く、耐久性を重視する場合は良い選択肢です。
ただ、内面に独特の傾斜があるなど、形状が多少特殊な製品なので、購入する前にその部分はチェックした方が良いと思います。
なお、ネットでの評価が二分される傾向にあるのは、「購入当初のすべりの維持期間」を評価する場合と、「使用に耐えるすべりの維持期間」を評価する場合の差でしょう。Atlasの場合も、それを感じました。
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【26cm】〈20 28cmあり〉【IH兼用】
34・ エバークック アルファ evercookα
¥4,599 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
基材:アルミ/フッ素
重さ:680グラム(26cm)
コーティング:2層
IHヒーター: 対応
なお、ドウシシャのevercookシリーズについては、上位製品があります。
構造は同じですが、第1層にダイヤモンド粒子を配合し強度をアップしています。
それに伴って、保証が1年延長されています。
重さも軽量化されました。下位機と値段差もないので、先ほどの注意点をふまえつつも、同社から選ぶ場合、こちらでも良いかなと思います。
2-4・サーモスのフライパン
続いて、サーモスのフライパンです。
米国由来の日本企業です。どちらかといえば、水筒などの保温器具にプレゼンスがある会社です。しかし、調理器具の展開もあります。
【2024年発売】
【26cm】
35・ サーモス デュラブルシリーズ KFM-026 R
¥2,563 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
16cm KFM-016 20cm KFM-020
24cm KFM-024 26cm KFM-026
28cm KFM-028
【26cm深型】(いため鍋)
36・ サーモス デュラブルシリーズ KFM-026D R
¥2,803 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
20cm KFM-020D 24cm KFM-024D
26cm KFM-026D 28cm KFM-028D
30cm KFM-030D
基材:アルミ/フッ素
重さ:900グラム(26cm)
コーティング:3層
IHヒーター: 対応
デュラブルシリーズ フライパンKFMは、サーモスが展開するフライパンです。
タイプは、IH兼用です。
ガス火でも、IHヒーターでも利用できます。
サイズは、上表で示したように20cm〜28cmの展開です。
また、8cmの高さの深型のいため鍋も展開されます。
近年(わりと)流行しているタイプで、油などが飛び散りにくく「振りやすい」タイプです。
なお、深型の「いため鍋」は30cmもあります。
コーティングは、耐摩耗性 デュラブルコートです。
こちらは、3層コートです。層数だけで言えば、5層だったT-Falに及びません。
トップコートは、硬質フィラーを配合したとの表記です。
他社の格安品に多いダイヤモンドコート(=炭素系のダイヤモンド粒子)と同じで、充填剤(フィラー)が添加されたフッ素加工のコートと考えると良いかと思います。
種類は不特定です。ただ、硬質とあるので、炭素系・チタン系・セラミック系の何かしらだとは思います。
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結論的にいえば、当初のすべりの良さをキープする仕組みはある機種です。
とはいえ、層数の少なさほか、内部コートの機能性に説明がない部分では、T-Falなどには及ばないと言えます。これは値段的に仕方ないでしょう。
まあ、一般的な「ダイヤモンドコート」と同じか、その「プチ上位版」と考えておけば良いかなと思います。つまり、T-Falやテフロンの上位コートほどの機能性はないです。
重さは、26cmのフライパンで900gという表記です。
同社の場合、100g単位での表記なので、深型の同じ重さの表記です。
超軽量ではないですが、T-FalのIH式よりは軽い水準です。ハンドルを穴あきにするなど、その部分の工夫は重視していそうです。
最軽量ではないですが、重くもないでしょう。
ハンドルは、今回から新型です。
旧機は、連結部から緩やかなカーブがあるタイプでしたが、写真のように、ハンドルの持ち手が熱源から遠くなるようにする安全面から改良です。
ただ、手のひらの部分が薄いタイプなので、T-Falなどに比べると、握りのフィット感はイマイチというタイプです。
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以上、サーモスのデュラブルシリーズ フライパンKFM紹介でした。
それなりに軽く、それなりのコートがあり、それなりに安いという製品です。
3層で、基材との接合面で工夫があるわけではないので、耐摩耗性が格段に優れるわけではないです。ただ、当初の「すべりの良さ」は、(金属ヘラなどを使わなければ)それなりに保つように思います。
同じコートの「取ってなし」を試したことがありますが、そう感じました。ただ、類似の格安コートと同じで熱には弱いので、高温での揚げ物には使わないほうが良さそうではありました。なお、16cmと20cmは、明示的に禁止とされています。
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なお、デュラブルシリーズには、兄弟機がいくつかあります。
以下で、ざっと紹介しておきます。
【2022年発売】
【26cm】(黒はアマゾン限定)
37・ サーモス デュラブルシリーズ KFH-026 R
¥3,880 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
38・ サーモス デュラブルシリーズ KFH-026 SMB
¥2,599 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
20cm KFH-020 24cm KFH-024
26cm KFH-026 28cm KFH-028
【26cm深型】(いため鍋)
39・ サーモス デュラブルシリーズ KFH-026D R
¥2,799 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
20cm KFH-020D 24cm KFH-024D
26cm KFH-026D 28cm KFH-028D
30cm KFH-030D
基材:アルミ/フッ素
重さ:900グラム(26cm)
コーティング:3層
IHヒーター: 対応
第1に、デュラブルシリーズ フライパンKFMです。
IH対応となる上記製品の旧型です。
違いは、1点のみで、ハンドルです。
新機種に比べて、持ち手に膨らみがあり、フィットしやすい形状です。
ただ、新機種は熱源から手を離すという別のメリットがあるので、どちらが上とは言えません。
あとは同じなので、この部分の好みで決めて良いでしょう。
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【2022年発売】
【26cm】(青色)
40・ サーモス デュラブルシリーズ KFI-026 NVY
¥2,118 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
20cm KFI-020 24cm KFI-024)
26cm KFI-026 28cm KFI-028)
【26cm】(茶色)
41・ サーモス デュラブルシリーズ KFL-026 DBW
¥2,391 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
20cm KFL-020 24cm KFL-024
26cm KFL-026 28cm KFL-028
基材:アルミ/フッ素
重さ:600グラム(26cm)
コーティング:3層
IHヒーター::
【2022年発売】
【26cm深型】(青色)
42・ サーモス デュラブルシリーズ KFI-026D NVY
¥2,682 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
20cm KFI-020D 24cm KFI-024D
26cm KFI-026D 28cm KFI-028D
30cm KFI-030D
【26cm深型】(茶色)
43・ サーモス デュラブルシリーズ KFI-026D DBW
¥2,751 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
20cm KFL-020D 24cm KFL-024D
26cm KFL-026D 28cm KFL-028D
30cm KFL-030D
基材:アルミ/フッ素
重さ:800グラム(26cm)
コーティング:3層
IHヒーター::
第2に、 KFIシリーズと KFLシリーズです。
タイプは、ガス火専用で、IH式では使えない製品です。
そこの張り地がない分、IH式より軽量になりますが、コートなどは同じです。
なお、こちらの場合、普通のフライパンと深型のいため鍋とではが200g重い表記ですが、先述のように、サーモスは100g以下の細かい重さを書かないので、本当にこれだけの差があるかは不明です。
ちなみに、サーモスの製品は、カップや水筒などを含めてもそうですが、基本、公表する重さの表記が100g単位でしか書きません。個体差があるとも思わないですし、隠す意味も謎です。少なくとも、これは、ユーザーの信頼性を大きく削いでいると感じます。
ハンドルは、旧式です。
熱源から離す工夫、握りやすくする工夫双方ともないです。
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【2023年発売】
【26cm マルチパン】(赤色)
44・ サーモス デュラブルシリーズ KFJ-026W R
¥2,787 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
20cm KJI-020W 24cm KFJ-024W
26cm KJI-026W 28cm KFJ-028W
基材:アルミ/フッ素
重さ:1000グラム(26cm)
コーティング:3層
IHヒーター: 対応
【26cm マルチパン】(グレー)
45・ サーモス デュラブルシリーズ KFK-026W GY
¥3,655 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
24cm KFK-024W 26cm KFK-026W
28cm KFK-028W 30cm KFK-030W
基材:アルミ/フッ素
重さ:900グラム(26cm)
コーティング:3層
IHヒーター:
第3に、 KFJシリーズと KFKシリーズです。
タイプは、赤が、IH兼用で、グレーがガス火専用です。
写真から分かるように、こちらは、「両手鍋」「片手鍋」的な運用ができるように、注ぎ口と取っ手がつくタイプです。その分、約100gほど重量が増えています。
あまり、鍋類の数を増やしたくない、ミニマリスト向けの製品と言えます。
あとはコートを含めて変わりません。
【2021年発売】
【26cm】
46・ サーモス プラズマ超硬質コート KFC-026 MDB
¥2,791 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
20cm KFC-020)24cm KFC-024)
26cm KFC-026)28cm KFC-028)
28cm KFC-280D)→いため鍋
基材:アルミ/フッ素
重さ:800グラム(26cm)
コーティング:4層
IHヒーター: 対応
プラズマ超硬質コートフライパンも、サーモスが展開するフライパンです。
コーティングの部分では、デュラブルシリーズの上位機といえるラインです。
タイプは、全て、IH兼用です。
ガス火でも、IHヒーターでも利用できます。
サイズは、上表で示したように20cm〜28cmの展開です。
28インチだけ深型のいため鍋も展開されます。
コーティングは、プラズマ超硬質コートです。
キャッチーな機能名ですが、通常の3層コートとアルミ基層の間に、アルミの10倍硬質であるとされるプラズマ加工コート層を増やした4層コートです。
この場合、アルミ基材が露出するまでの寿命が長くなるので、耐摩耗性が向上すると言えます。JIS基準の摩耗試験の数字は出ませんが、それなりに丈夫でしょう。
低層の工夫なので当初のすべりの良さを長くするための工夫とは言えないでしょうが、不意に付くような傷で基材が露出しにくい部分はありますし、意義はあります。
ただ、あえて言えばトップコートが下位機と同じ硬質フィラー添加なのかは情報非開示です。
重さは、26cmのフライパンで800gという表記です。
下位シリーズより、若干軽めになります。
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以上、サーモスのプラズマ超硬質コートフライパンンの紹介でした。
他社と比べてどうかはおいておくとしても、同社の製品では最も「長持ち」するだろう製品です。ハンドルのグリップも割と良かったので、機能性重視ならば、下位機よりこちらのほうが良さそうです。
それなりに軽く、それなりのコートがあり、それなりに安いという製品です。
3層で、基材との接合面で工夫があるわけではないので、耐摩耗性が格段に優れるわけではないです。ただ、当初の「すべりの良さ」は、(金属ヘラなどを使わなければ)それなりに保つように思います。
同じコートの「取ってなし」を試したことがありますが、そう感じました。ただ、類似の格安コートと同じで熱には弱いので、高温での揚げ物には使わないほうが良さそうではありました。
2-5・フレーバーストーンの比較
続いて、通販(ダイレクトテレショップ)でもお馴染みの「フレーバーストーン」の紹介です。カナダのThane社のブランドです。
【24cm 3点セット】
47・フレーバーストーン グランド 4点セット
¥13,764〜 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
【24cm単品】
47・フレーバーストーン フライパン レッド
47・フレーバーストーン ディープパン レッド
¥5,109 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
基材:アルミ/フッ素
重さ:900グラム(24cm)
コーティング:3層(ストーン)
IHヒーター: 対応
フレーバーストーンは、無油調理ができるフライパンとして、TV通販を通して有名になったフライパンです。
サイズは、グランド 4点セットの場合は、24センチのフライパン・ディープパン・キャセロールパンとガラス蓋が4点セットになっています。
フライパン・ディープパン・キャセロールパンいずれも、単品販売があります。
タイプは、IH兼用です。
ガス火でも、IHヒーターでも利用できます。
コーティングは、特長のある外観ですが、スーパーストーンコーティングというオリジナルの3層コートがなされます。
詳しい説明はありませんが、外面素材になにかしらの石材・鉱物を含有させることで、滑りやすくしています。
試しましたが、卵を焼く際など、T-Falの上位機種とほぼ同じほどたしかに「すべり」ました。
ベース3層(底面)は、3層構造にして、IHヒーターに対応させています。
重さは、24センチのソテーパンで900gで、その他の製品もほぼ1000g前後です。
フライパンのサイズから言えばやや重めですが、実際に振ることを考えると、標準的で扱いやすい重さです。
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以上、フレーバーストーンの紹介でした。
セットモデルしかない点と、独特なモダンなデザインは人を選びますが、セットで揃えることを考えるならば、こちらを選ぶ手もあるでしょう。
2-6・バッラリーニのフライパン
続いて、イタリアのBallariniのフライパンです。
日本だと刃物のツヴァイリングの取扱いです。セラミックほか、フッ素パンも作るので、両方見ていきます。
【2017年発売】
【26cmフライパン】〈24cm 28cm、深型もあり〉
48・Ballarini バッラリーニ フェラーラ フライパン
¥3,391 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
基材:アルミ/フッ素
重さ:850グラム(28cm)
コーティング:5層
IHヒーター: 対応
20cm 75001-783 24cm 75001-782
26cm 75001-781 28cm 75001-780
24cm深型 5001-779
28cm深型 5001-778
バッラリーニ フェラーラ は、イタリアのBallariniの販売するフッ素フライパンです。
タイプは、IH兼用です。
ガス火でも、IHヒーターでも利用できます。
サイズは、20cm〜28cmの広めのラインナップほか、深鍋も展開です。
深型は割と傾斜がつくので、中華鍋的と言うより(煮込み用の)ディープパンです。
イタリア製造ですし、納得感があります。
グラニチウム ★★★☆☆
グラニチウムEX ★★★★☆
グラニチウムTI-X ★★★★★
コーティングは、グラニチウム・EXコーディングです。
同社の「フッ素系」では、2番目の高グレードのもので5層です。
層は多めですが、御影石風の見かけをふくめて日本企業の製品ですでにみた「マーブルコート」の製品と、強度は似てくると思います。
構成は、アルミベースに、接着層1層、接着強化層1層、ミネラル配合の耐摩耗層が2層と、表面のノンスティック1層です。
このうち「接着層・接着強化層」の意味するものが不明です。しかし耐摩耗層が2層ですので、摩耗には強そうです。
ただ「当初のすべり」に関係するノンスティック層は1層です。
似た構成は、昔のT-Falでも取られていました。
この場合、アルミベースが露出するまでの(雑誌の検証などの)摩耗試験にはたしかに強いです。しかし、それは、当初のすべりの良さが続くかという話とは、必ずしもイコールではないです。
重さは、26センチのフライパンで、約850gです。
比較的軽いと言えます。
フライパンの底は独特の形状ですが、IH用の鍛造張り地になります(ラディアント技術)。
なお、T-Falとは違って、取っ手ですが、ハンドルの色で、適温を示すサーモポイント機能があるのもワンポイントです。
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以上、 バッラリーニ フェラーラ の紹介でした。
耐摩耗層が2層ですし、使えなくなるまでの耐久性は良さそうです。
一方、トップコートの厚さからすえば、当初のすべりの持続時間は、現在のT-Fal(上位機)の構成に比べると、少し弱そうには思えます。
とはいえ、中火までの火力で大事に使えば割と保つでしょうし、この価格クラスでは全体を見ても評価の高いフライパンといえます。
【Amazon.co.jp 限定】(2023年)
【26cmフライパン】〈24cm 28cm、深型もあり〉
54・Ballarini バッラリーニ サリーナ フライパン
¥7,480 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
基材:アルミ/フッ素
重さ:1170グラム(28cm)
コーティング:7層
IHヒーター: 対応
20cm 75002-808 24cm 75002-820
26cm 75002-823 28cm 75002-822
バッラリーニ サリーナ は、イタリアのBallariniの販売するフッ素フライパンでの上位機です。
タイプは、こちらもIH兼用です。
サイズは、20cm〜28cmの4種類です。
下位機に比べると、ハンドルが高級感のあるメタルハンドルになります。
グラニチウム ★★★☆☆
グラニチウムEX ★★★★☆
グラニチウムTI-X ★★★★★
コーティングは、グラニチウム Ti-X コーティングです。
同社で最高峰の7層コートです。
3層目〜7層目は下位機と同じですが、2層目のチタンプラズマ加工ベースと、4層目の硬化層が加わります。
使い込んだ後のコートの最終的な「剥げにくさ」は、フッ素系では最高レベルでしょう。ノーマルのグラニチウムに対して「16倍長持ち」というのは、誇張ではないように思います。
ただし、当初のすべりの良さを担保する表層近くの層は摩耗します。そのあと「ほどほどのすべり」の状況で長く使えるだろうという意味になります。
これは、フッ素パンの場合多かれ少なかれどこもそうなので、仕方ないです。
重さは、26センチのフライパンで、約1,17kgです。
ハンドルの色で、適温を示すサーモポイント機能は、このグレードは未装備です。
どちらかと言えば、中級者以上の製品だからでしょう。
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以上、 バッラリーニ サリーナの紹介でした。
アルミベースが露出する「剥げ剥げ状態」になるまでの期間は、価格相応に長めだろうと思える構造です。ただ、価格は、取って付きのフッ素パンとして言えば相応に高めです。
先述のように、フッ素パンの場合、トップコートの部分は、火力や空だきに気をつけて使っても、すべりは悪くなるものです。言い方を変えれば、すべりが「並」になった以後の状況で(剥げずに)長く使えるのだともいえます。
フッ素系のどの製品にも言えますが、あまり高価な製品を買うより、平均的な値段のものを、まめに買い換え(旧機は金属回収に)というほうが、快適であることはたしかです。
長持ちする方がエコですが、余計な手間(洗い物)で費やす「諸」エネルギーは無視できません。
2-7・王様フライパン
続いて、日本のPENTA(株式会社インフィニ)が販売する王様フライパンです。
金属加工業の会社ではなく、IT企業です。
事業の一環として高性能なフライパンなどのキッチンウェアも展開する形です。
【浅型24cm】〈浅型20 28cm 深型24cm 28cmもあり〉
55・ PENTA 王様フライパン
¥14,784 Amazon.co.jp (7/11執筆時)
基材:アルミ/フッ素
重さ:740グラム(26cm)
コーティング:3層
IHヒーター: 対応
こちらは、PENTAの「 王様フライパン」です。
フッ素加工のパンでは、相当な高級モデルです。
タイプは、IH兼用です。
ガス火でも、IHヒーターでも利用できます。
ただ、最後に書くように、本機は「IH専用」と考えるべき機種には思えます。
サイズは、一般的な26cmの展開がないのですが、28cmサイズはあります。
加えて、深型の展開もある(24cm 28cm)ので、選択肢はそこそこあります。
コーティングは、サファイアコーティングです。
硬度としては、ダイヤモンド(コート)に次ぐ素材です。
サファイア粒子を使っているということではなく、1つ上でみた、ドウシシャのエバークックも使うアルマイトがサファイアと同じ分子構造だから、という理由での命名です。
アルマイトは「硬い」ので、ベース層が露出するまでの時間は、一般的な「ダイヤモンドコート(粒子)」を混ぜ込むタイプより長いです。
使い方にもよるのですが、当初のすべりが長く続くという意味ではないです。
つまり、「油を引けば(まあ)くっつかない」という意味での、そこそこの実用性が担保される状況で、比較的長く使えるようにするための工夫です。
先ほどのエバークックもですが、このタイプは(ベースが露出するまでの)摩耗耐久試験の数字は良くなりますが、買った当初のすべりの良さがより長く続くわけではないです。
アルマイトのパンのユーザーレビューがばらつくことが多いのは、この部分もあります。十分理解してから選ぶとよいでしょう。
本機は、ベースがステンレスとアルミの合板です。
写真からすると全体が合板で、そのままプレス機でフライパン形状にしているようです。
フッ素パンの場合は、アルミの基板の裏にだけステンレスの「張り地」をして、圧着でIH対応にするのが普通なので、この部分は本機の特色です。
前半で見たフレーバーストーン(上図)も、板底は厚いですが、ステンレスは底部のみです。T-Falもそうなります。
上表は、【炊飯器の比較記事】で、内鍋素材の説明のために作った表の流用ですが、ステンレスは蓄熱性と熱伝導性が良い素材です。
一方、素材的に、重いのと、熱周りがあまり良くないのが欠点です。
ベースにステンレスを使っている点で、本機もそういった弱点があると言え、だからアルミとの合板にしている言うことになります。
なお、ステンレスは、熱でステンレス焼(変色」しやすいです。写真からすると本機も光沢があるタイプなので、扱いの上での注意点になろうかと思います。
重さは、24cmの浅型で896g、28cmで1074gです。
軽くはないです。張り地のある他社のIH兼用製品としては普通でしょう。フライパンを振れない重さだった、同社の旧機種(アルミ鋳物)よりだいぶ軽くなっています。
保証は、(焦げ付き以外の)10年保証と、ハンドルを送付する条件で、5,000円(往復送料別)での本体交換サービスがあります。
焦げ付き(摩耗)以外で保証をうけることはまずなさそうですが、お金を出せば何度でも交換OKです。一方、本体部分の材料費はそこで読めそうです。
なお、本機の取っ手は、ワンプッシュで「とれる」のですが、修理時送付が条件であるのと、本体のほうにパーツが残るので「とれないジャンルのフライパン」として、今回紹介しています。
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以上、PENTA 王様のフライパンの紹介でした。
煮込みのために蓄熱性が重要になる「鍋」と、「フライパン」とは少し違います。
素材価格が高く、重さの面でも不利なステンレスの合板をフライパンに使うのは非合理的であり、それで、他社が採用していない部分はありそうです。
実際、フッ素のフライパンはどれも「寿命」があります。1枚のフッ素加工のフライパンに、ここまでの額を費やすのは人は珍しいですし、売れにくいように思います。
しかし、実際のところ、IH調理機で利用する場合は、話は少し変わるでしょう。
合板利用のメリットですが、IH調理機と接する底面に凹凸がなくフラットにできるからです。調理機に密着するので、普通のステンレス調理器具と同じで、熱周りの均一性は良くなるでしょう。
例えば「餃子を焼く」場合、焼き蒸すまでの全工程を考えれば、仕上がりが良くなると思います。
一方、ガスで使うのならば、圧着した安めの「張り底」の製品と変わらないと言えます。
ガス火でも、オーブンでの利用ほか、炒めたあと煮込むなどの使い方をする場合、蓄熱性の部分で、メリットが生じる場合はあるでしょう。ただ、費用対効果はだいぶ悪いです。
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結論的にいえば、ご自宅が「IHヒーター」である場合に限り、本機は、価格に応じた性能が得られると言えます。
値段も、高いといえる初回の代金は「契約料」と考えて、数年後に「5000円で買い替えられる」ある種のサブスク商品とみなすならば、選択肢の1つになるかと思います。
次回につづく
丈夫なフライパンのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今日は、フライパンの比較の2回目記事でした。
記事はもう少しだけ、続きます。
3・フライパンの比較 (3)
3-1:京セラ〈セラミック〉
3-2:フィスラー〈セラミック〉
3-3:ターク〈鉄〉
3-4:マイヤー〈鉄〉
3-5:バーミキュラ ほか〈鉄〉
3-6:最終的なおすすめの提案【結論】
コーティング品質 ★★★★★
耐久性 ★★★★★
軽量性 ★★★★★
お手入れしやすさ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
続く3回目記事(こちら)では、まだ紹介できていない、各社のセラミックパンと鉄製フライパンをみていきます。
その上で、全体の結論として、いつものように、予算別・目的別に、Atlasのおすすめを提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
3回目記事は→こちら!