Top 生活家電 比較2025’【解説】ドラム式洗濯機59機の性能とおすすめ・選び方 (2)

2025年04月15日

比較2025’【解説】ドラム式洗濯機59機の性能とおすすめ・選び方 (2)

1回目記事からの続きです→こちら

2-1・日立のドラム式洗濯機

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 2回目記事のトップバッターは、日立ドラム式洗濯機です。

 同社の、少人数世帯向けの小型タイプは出していません。中型のみの紹介になります。

1・ドラム式洗濯機の比較 (1)
 1-1:選び方の基本の説明【導入】
 1-2:シャープ
 1-3:パナソニック
2・ドラム式洗濯機の比較 (2)
 2-1:日立
 2-2:東芝
3・ドラム式洗濯機の比較 (3)
 3-1:アクア
 3-2:ハイアール
 3-3:アイリスオーヤマ
4・ドラム式洗濯機の比較 (4)
 4-1:最終的なおすすめの提案【結論】

 今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿って説明していきます。

ーーー

 以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。 


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 【左開き】

 【2024年6月発売】


 18・日立 ビッグドラム BD-SG110KL-W
  ¥175,556 Amazon.co.jp (4/15執筆時)

 【2023年6月発売】


 19・日立 ビッグドラム BD-SG110JL W
  ¥150,751 Amazon.co.jp (4/15執筆時)

洗濯容量:11kg
乾燥容量:6kg
乾燥方式:低温ヒーター(水冷)
消費電力量:1690Wh
使用水量:90L
水道光熱費:72.9円/1回
スマホ連携:
温水洗浄:
自動投入:
サイズ:幅630×奥行715×高さ1050mm

 BD-SG110KLは、日立の「ビッグドラム」シリーズの入門機です。

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 新旧両機種あります。

 24年機は、化繊コース(1.5kgの化繊を素早く洗濯乾燥)が新設されたのが目玉です。 

 一方、除菌プラス(スーツなどの温風による簡易消臭)・快速速乾(6kgまでの短時間洗濯乾燥)は省略になりました。

 あとは確実に分からない程度の本体サイズの変更が見られますが、機能性からの変更ではないと思います。22年機は23年機と同じコース構成です。

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 結論的にいえば、 基本的には新旧かかわらず値段で決めてOKです。省略されたコースもメインのものではないですし、利用頻度や効果からの決定かと思います。

 あとは同じなので、同時にみていきます。

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 サイズは、幅630×奥行715×高さ1050mmです。

 奥行70cmを超えてくる中型のドラム式洗濯機です。

 日立は、(幅60cm台)小型タイプは出していません。

 ただ、これでも、脚は、家庭向きの小さめとなる内寸54cmの防水パンに載るように設計されます。

 洗濯容量は、11kgです。

 乾燥容量は、最大で6kgまでです。

 他社の中型と同等の水準です。

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 消費電力量1690Wh使用水量90Lです。

 水道光熱費は、冒頭説明した業界団体(家電公取協)の光熱費の基準式に基づくと、1回あたりのコストは約76円です。

 シャープ下位ヒーターセンサー式より少し良いですが、ヒートポンプ式とはがあります。

 搭載されるセンサーは、布質・布量センサーのみです。

 基本となる重要なセンサーではありますが、上位機と比較すると、相当弱いです。

 光熱費の部分にこの欠点は出ています。

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 乾燥機の方式は、ヒーターセンサー乾燥式(水冷)です。

 ヒーター乾燥ですが、風アイロン(低温ヒート式)という名称にしています。

 ヒーターだが温度は控えめ(65度)で、強風の「強風乾燥」を併用することで衣類に優しく乾かすという意味です。

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 本機は、ヒーターセンサー式の「衣類の優しさ」面の弱点を緩和している製品です。

 パナソニックの「低温乾燥」の Cubleと同じ方向性といえます。したがって、上表の「乾燥の優しさ」の評価は、本機の場合、同方式の標準よりは良い(配慮が多い)と言えます。

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 風アイロンは、時速300kmの高速風を、強力なシワ伸ばし機能を兼ねています。

 乾燥後の仕上がりの良さは、日立は定評があります。

 衣類を「舞いあげる」ことで、ある程度「ふんわり感」も期待できます。実際、「省エネかつ、シワがよく伸びる」という点で、日立のドラム式を指名する人も多いです。

 洗濯機能は、洗浄力の強化という意味では、特別言及に値する機能がないです。

 最初に高濃度洗浄液を作ってプレ洗いしたあと、一般的な「押し洗い」「たたき洗い」「もみ洗い」をなしていく普通の仕組みです。

 温水洗浄も、非対応です。

 消臭面は、ナノイーX・プラズマクラスターなどに相当する消臭機能もないです。 

 そのため、湿気を伴う温風でそれを行う「菌清潔プラスコース」を搭載です。効果はあるでしょうが、皮革製品など湿気に弱いものは使えません。

 洗剤の自動投入も、非対応です。

 お手入れも、乾燥ダクトの自動お掃除など、特別に便利な機能はとくにありません。

 同社でこの部分が優れるのはより上位の機種からです。

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 静音性も、最も長時間利用する乾燥運転時に48dBです。

 主要メーカーのなかでは、さほど配慮がないと言えます。

 風呂水ポンプは非搭載です。

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 以上、日立のBD-SG110KLの紹介でした。

 低温状態で強風で乾かす「風アイロン」を比較的低価格な本体で搭載しているのが良い部分です。衣類を傷めない温度で、乾燥時ある程度の「ふんわり感」と「シワ防止」は期待できます。

 ただ、ヒーターセンサー式だとどうしても光熱費の水準が悪くなるので、この部分をどのように評価するかになります。

 同じ方式で、洗濯容量も同じであるシャープのヒーターセンサー式の格安下位機がライバルです。

 これと比較する場合、本機は価格が高めで、センシングの部分でも弱いです。また、ヒーター「65度の低温度乾燥」に関わる先述の問題点もありますので、多少選びにくさはあります。


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 【2024年9月発売】


 20・日立 BD-SV120KL W 【左開き】
 20・日立 BD-SV120KR W【右開き】
  ¥170,480 Amazon.co.jp (4/15執筆時)

 【2023年9月発売】


 21・日立 BD-SV120JL W 【左開き】
 21・日立 BD-SV120JR W【右開き】
  ¥150,751 Amazon.co.jp (4/15執筆時)

 【2022年発売】

 22・日立 BD-SV120HL W 【左開き】
  ¥220,000 Amazon.co.jp (4/15執筆時)

洗濯容量:12kg
乾燥容量:6kg
乾燥方式:低温ヒーター(水冷)
自動投入: 洗剤1000mL 柔軟剤700mL
消費電力量:1570Wh
使用水量:86L
水道光熱費:71.8円/1回
スマホ連携:対応
温水洗浄:
自動投入:洗剤1L 柔軟剤700mL
サイズ:幅630×奥行716×高さ1065mm

  BD-SV120KLは、日立の「ビッグドラム」シリーズの中級機です。

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 旧機種が残ります。

 1世代前は、「らくメンテ洗浄」コースがないです。

 あとで詳しく書きますが(たまの)念入りな掃除の際に、乾燥経路は掃除せず桶洗浄のみということになります。あとは、糸くずフィルタの改良程度です。

 2世代前は、これに加えて、Wi-Fiが省略です。

 値段差もありますが洗剤自動投入が付く機種なので、連携できたらできたで「便利」だと思います。

---

 結論的にいえば、基本的には、2023年機が良いです。ただ、メンテ面は重要ですし、「石橋を叩いて渡る」場合、24年機が良いような気はします。

 あとは同じなので、同時にみていきます。

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 サイズは、幅630×奥行716×高さ1065mmです。

 本機も中型です。

 乾燥容量は、下位機種と同じで、6kgまでです。

 洗濯容量は、しかし、12kgアップしています。

 多少必要な奥行は増しましたが、問題ない水準でしょう。

 光熱費は、一方、引き続き課題です。

 消費電力量は、洗濯乾燥時1570Wh、使用水量は86Lとなります。

 水道光熱費は、合計で1回あたり71.8円ですので、12kg対応としても高めです。

 搭載されるセンサーは、布・布量センサー湿度センサーです。

 正確には、振動センサーや泡センサーもですが、これらは洗浄力や節電というより安全装備でしょう。

 この部分は、後ほど見る上位機との「」です。

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 乾燥機の方式は、本機も、ヒーターセンサー乾燥式(水冷)です。

 先述のように、ヒーターを利用しつつ、65度程度の低高温状態を作り出し、強風をあてた乾燥させていく「風アイロン」ですので、「乾燥の優しさ」は(ヒートポンプ式には及ばないにせよ)上表よりは、評価値は高いと思ってください。

 なお、後述の「らくメンテ」機能との兼ね合いで、ダクトに除湿性の高いアルミプレートを採用したことで、洗濯・乾燥時間が98分(6kg)と、従来機より25%向上しています。

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 本機も、シャツのシワを伸ばし、「ふんわり」させる風アイロンの機能性はそのままです。

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 洗濯機能は、ナイアガラ洗浄に対応します。

 他社にも見られる、高圧水流を上部から吹き付ける仕組みで、洗浄力がアップします。

 このような仕組みは、ドラム式の標準仕様となりつつあるので、あるに越したことはないでしょう。

 温水洗浄は、非対応です。

 コースは、一般的な、毛布やおしゃれ着系のほか、「除菌清潔プラス」コースがあります。

 湿気を含んだ温風で除菌温度にする仕組みになります。マイナスイオンを使わない方式なので、湿気に弱いものは使えないです(皮・スポンジ系など)。

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 洗剤の自動投入は、付属です。

 日立の場合、洗剤・柔軟剤の自動投入で、パナソニックと違い、おしゃれ着(漂白剤)はないです。

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 投入量は洗剤1000mLで、柔軟剤700mLですので、パナソニックに次いて多いです。

 日立も2-3ヶ月ごとの手入れが必要で、シャープよりも短期間でメンテが必要です。ただ、洗剤ケース部分が大きめなので、出し入れ時のほか、掃除の際も、割と洗いやすいです。

 また、(ケースではなく)洗剤・柔軟剤の流路は、各社とも4分ほどの自動掃除です。日立は、9時間コースも選べるため、(しばらく使わなかった際などの)トラブルには強そうです。

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 メンテ性は、本機の見どころで、近年の日立の売りである「らくメンテ」対応機です。

 一番の特徴は「乾燥フィルター(ゴミ受け)がない」点」です。

 この部分は、他機の場合、乾燥ムラを防ぐため毎回メンテが必要です。ドラム式の一番面倒なところなので、これは画期的な工夫です。

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 仕組みは、洗濯時のゴミ受け(糸くずフィルター)を大容量化して、そこに乾燥時の細かなゴミも回収させる仕組みをとると言うものです。

 そのため、糸くずフィルタは(乾燥フィルターのような)ステンレスメッシュの細かな網構造にしています。この部分は「大容量」で、約2週間分のゴミを収集できます。

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 乾燥ダクトも毎回自動洗浄する「乾燥経路自動おそうじ」と、ゴミが付きやすい「ドアパッキンの洗浄」も対応です。

 シャープでもみた工夫ですが、上部注入するだけでなく、ドラムの回転を利用して、ダクト下部の汚れを落とす点が新しいです。

 ダクトのつまりは、乾燥フィルタがない構造だけに、ドラム式洗濯機のトラブルの大きな原因ですので、良い工夫です。

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 定期的な掃除は、ここまで説明した諸機能は、仕様のたびになされます。

 加えて、3-4ヶ月に一回(表示点灯ががあったら)4時間の中程度の長めの桶洗浄が推奨されます(らくメンテ洗浄コース)。

 2024年機からは、この掃除の際に桶洗浄に加えて、(長めの)乾燥経路の掃除も行う仕様になりました。2023年機は、乾燥経路は、毎日のメンテだけです。

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 結論的にいえば、ここは重要な改良に思います。

 この手の改良は、旧機においてメンテ不足による故障事例がある程度あった結果と予測できますので。旧機はメンテの督促表示もないので、問題点を潰して「進化した」とみるべきです。

 糸くずフィルタの改良も、同じです。

 清潔性は、「らくメンテ」機能で、相当レベルが高いです。

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 ネットワーク機能は、2023年機から搭載です。

 日立は「洗濯コンコルジュ機能」と呼びますが、他社同様に、オリジナルの洗濯モード設定、洗剤の管理、リモート予約や通知に対応します。

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 IOT対応は、他社と状況が異なります。

 日立は、TVなどの「AV家電」を自社では売らなからです。シャープ・パナソニックと違って、自社家電に対する通知の発信は難しいと言えます。

 生活家電も(他社と違い)スピーカー搭載機はないですから。

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 そのため、解決策として、Google Homeに対応させています。

 本機は【スマートスピーカーの比較記事】で書いた、Google系の音声AIと連携が取れます。上のリンクでみている、Googleの液晶モニター付きでもOKです。

 一方、他社のAIスピーカー(Amazon・Apple)での通知受け取りは現状で非対応です。パナソニック同様、Amazonでの洗剤自動注文(Amazon dash)に対応するだけで、通知は受けられません。今後の課題に思えます。

 静音性は、乾燥運転時に48dBと普通です。

 冒頭書いたように、ドラム式は脱水時(37dB)よりも乾燥がうるさいです。本機は、あまり静かではないです。

 風呂水ポンプは非搭載です。

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 以上、日立のBD-SV120シリーズ の紹介でした。

 他社の中級機に較べた場合、洗剤自動投入を搭載する上で、「らくメンテ」機能と「風アイロン」機能とを搭載するのが独自性であり、注目点です。

 とくに、乾燥フィルターをなくしたのは「画期的」で、ドラム式の最も面倒な点が改善されました。各社とも採用しない新しい工夫なので、問題点を洗い出しつつ、この方向性でどんどん進化して欲しいかなと思わせる機種です。

 あえて言えば、糸くずフィルタが上部など、屈まないで取り出せる位置にあって欲しいですが、これは、構造的に難しいのかもしれません。 


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 【2024年11月発売】


 23・日立 BD-SW120KL-W 【左開き】
 23・日立 BD-SW120KR-W 【右開き】
  ¥197,000 楽天市場 (4/15執筆時)

 【2022年発売】

 24・日立 BD-SX120HL W 【左開き】
  ¥183,980 Amazon.co.jp (4/15執筆時)

洗濯容量:12kg
乾燥容量:6kg
乾燥方式:低温ヒーター(水冷)
消費電力量:1570Wh
使用水量:86L
水道光熱費:71.8円/1回
スマホ連携:対応
温水洗浄:対応
自動投入:洗剤1L 柔軟剤1L
サイズ:幅630×奥行720×高さ1065mm

 BD-SW120KLも、日立の「ビッグドラム」シリーズの製品です。

 先ほどの機種の上位機です。

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 BD-SX120HLは、ほぼ同級の旧機種です。

 新機種と同じ乾燥方式ですが、旧機は正確には当時の上位シリーズだったので、乾燥時に、湿度センサー制御があります。

 そのため、乾きムラ、乾かしすぎを防げるほか、実際の電気代の節約性が高いです。

 一方、発売年の違いから、旧機は、先述の「らくメンテ洗浄コース」が未搭載で、糸くずフィルタも旧式になります。

 あとは、あまり使わないようなコースの入替だけで、温風ほぐし脱水がない(温水洗浄はあり)のが目立つ程度です。

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 結論的にいえば、メンテ性は新機種のが堅牢です。旧機も良い部分はあるものの、現状の値段差ならば、新機種が良くみえます。

 あとは同じなので、同時にみていきます。

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 サイズは、幅630×奥行720×高さ1065mmです。

 扉を閉めた際の、本体幅は600mmクラスで、中型では他機同様にスリム幅です。

 洗濯容量は、12kgです。

 若干多めです。

 乾燥容量は、下位機と同じで6kgまでです。

 消費電力量は、洗濯乾燥時1570Wh、使用水量は86Lとなります。

 水道光熱費は、合計で1回あたり71.8円です。

 下位機と同じ方式なので、光熱費面でメリットはないです。

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 乾燥機の方式は、本機も、ヒーターセンサー乾燥式(水冷)です。

 下位機と同じで、。65度程度の低高温状態で、強力な「風アイロン」で乾かしていく方式です。先述のように、「乾燥の優しさ」の部分で、ヒーターセンサー式の欠点の克服を目指したものです。

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 搭載されるセンサーは、このグレードは多いです。

 水硬度、水温、洗剤量、布質、布量、すすぎ具合、脱水具合・洗剤種類・汚れ量・布動きという9つのセンサーを装備します。

 計測した状態をAIが判別し、洗濯に活かすという工夫で、この仕組みを「AIお洗濯」と呼びます。これにより、無駄な電力や水量をカットしています。

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 一方、エコセンサーは、電気代・時短効果は高い一方、センシング不良で洗浄力が落ちる懸念があります。

 そのため、メーカーによっては「センサーをオフにした方が実は綺麗に洗える」と表明することすら、過去にありました。

 しかし、日立の場合、汚れ量センサーを搭載することで、(場合によっては)洗濯時間の延長も視野に入れる方向性です。これまでのセンサーのイメージを変えています。優秀と言えるでしょう。

 これらの機能は、工場出荷時にOFFです。

 おそらく、センサーを使わない場合の「MAXの洗浄力のパワフルさ」を見て欲しいためでしょうが、日立は昔からこの仕様です。

 使わない場合、布量・洗剤量・布動きセンサーだけとなりますが、ONにしたほうが良いでしょう。

 もともとあまり良くない光熱費な機種ですし、ここは重要です。なお、これらは、標準コースのみ有効で、カスタマイズもできません。

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 洗濯機能は、このグレードは、ナイアガラ循環2段シャワーに対応です。

 ようするに、下段シャワー口が追加され、洗濯しはじめの高濃度洗浄の効率(浸透率)をあげる仕組みです。

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 温水洗浄は、対応です( 温水ナイアガラ洗浄)。

 ヒーターで高濃度洗浄液を温めて洗浄力を強化する仕組みで、パナソニックんどとほぼ同じです。

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 上表はその場合の運転時間です。

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 パナソニック(上表)と比べると、60度など高温を出す場合の運転時間がだいぶ長めなので、温水ヒーターや本体構造の差があるかもしれません。

 比較基準(水温)が違うので正確にくらべられませんが、実際もそうなるかと思います。

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 洗剤の自動投入は、本機も対応です。

 メンテの方法などは同じですが、下位機より、柔軟剤の投入量が増えました。

 おしゃれ着(漂白剤)は、引き続き非対応です。

 静音性は、最も長時間利用する乾燥運転時に48dBです。

 パナソニックと同程度ですが、シャープよりは高めです。

 メンテ性は、下位機種同様に「らくメンテ」対応です。

 乾燥フィルターがない構造で、下位機同様にメンテ性が格段に高いです。メンテ間隔が3−4ヶ月に1回で済むので。

 ダクト・ドアパッキン関係の自動そうじも引き続き対応です。

 ネットワーク機能は、搭載です。

 この部分は、下位機で既に説明したので省略します。

 ただ、洗剤指定で、「すすぎ1回」の洗剤を洗濯する場合、先述のAIお洗濯において、自動で、「すすぎ1回」に設定される工夫があります。

---

  以上、日立のBD-SW120シリーズの紹介でした。

 機能面では、温水洗浄と、高度なセンサーが加わった部分で、下位機と明示的な差があります。

 また、同社の良い部分と言える「らくメンテ」・「風アイロン」という独自性も引き続きあり、機能面では、同級の他社機に張り合えています。

 問題は、光熱費の水準でしょう。

 後述するように、これ以後の機種は、目安で、1回あたりの洗濯乾燥で約25円安いです。ただ、その分、本体価格は高いとはいえます。

 ただ、光熱費は、年間300回運転するとして、1回20円の差は、1年で6,000円、耐用年数(7年)で、42,000円の差です。

 そのため、大事に長く使いたい場合は特に、上位機も検討して良いか思います。


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 【2024年9月発売】


 25・日立 BD-SX130KL-W  【左開き】
 25・日立 BD-SX130KR-W  【右開き】
  ¥214,280 Amazon.co.jp (4/15執筆時)

洗濯容量:13kg
乾燥容量:7kg
乾燥方式:ヒートポンプ
消費電力量:1150Wh/700Wh
使用水量:65L
水道光熱費:52.7円/1回
スマホ連携:対応
温水洗浄:
自動投入:洗剤1L 柔軟剤1L
サイズ:幅630×奥行720×高さ1065mm

  BD-STX130KLは、日立の「ビッグドラム」シリーズの上位機です。

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 洗濯容量は、13kgです。

 現行のドラム式では、最大サイズです。

 乾燥容量も、7kgまでです。

 ここはポイントでドラムの大型化で、対応水準を伸ばしています。

 洗濯機の振動を抑えるダンパーを増量したことで可能になりました。

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 サイズは、幅630×奥行720×高さ1065mmです。

 13kgモデルですが、家庭用の540cmの防水パンに入る設計です。

 奥行も、12kgモデルとさほど変わりません。ただ、中型ドラムを買う場合は、他社同様に、事前にご自宅の設置場所の寸法は確認はしてください。

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 乾燥機の方式は、一方、本機は、ヒートポンプ式です。

 各社とも上位機はヒートポンプ式ですが、日立だとこのグレードからです。

 消費電力量は、1150Wh使用水量は、65Lです。 

 ヒートポンプに特長がでていて、安めです。

 水道光熱費は、洗濯乾燥時1回あたり52.7円です。

 下位機種より水準は良く、洗濯乾燥(6kg)で、下位機より約20円安めです。

 ただ、ドラムの大型化もありつつですが、シャープやパナソニック(約40円)に比べると、さほど良くはないです。

 一方、日立は「省エネコース」を利用する場合は、680Whです。

 この場合、後述のセンサー運転(AIお洗濯)などが使われず、標準乾燥時間が倍以上(200分)になります。乾燥時間が長くなる場合、同社の「売り」である、風アイロンのかかりも悪いでしょう。

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 なお、以前の日立のドラム上位機は、ヒートリサイクル乾燥式でした。お使いの方もいられるかもしれません。熱を回収して利用する方式で、当時は(逆に)日立は優秀でした。

 買い換えの方で、同じ水準の光熱費に抑えたい場合、本機以上のグレードが同等です。

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 乾燥の工夫は、このグレードも、日立の「売り」の「風アイロン」に対応します。

 先述のように、除湿機や夏のエアコンのように(ヒータを使わない)熱交換式です。

 補助ヒーターの記載もないのですが、同方式のパナソニックと同じで、加熱器だけで低温風の65度は出せるようです。

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 そのため、サポートヒーターはないにせよ、パナソニックの場合と同じで、上表では「ハイブリッド」に近いと考えて良いと思います。

 ヒートポンプ式固有の問題点といえる、ニオイ(除菌)の問題の解決は目指されています。

 乾燥は、引き続き、大風量の「風アイロン」を利用する方式す。

 ただ、「300kmの高速風」という記載がなくなりました。本機は、(高速風というより)「大風量」で乾かすという方式になります。

 風量重視のパナソニックの「ふんわりジェット乾燥」と似ていますが、風構造を優先した本体設計ですし、シワ伸ばし部分の設計上の優先度は、日立が高いでしょう。

 その部分で、(乾燥容量は同じでも)ドラムが大きいのは、意味があると言えるかもしれません。

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 結論的にいえば、定評のある「風アイロン」の基本構造は、ヒートポンプ式になっても重視されており、従来からの同社の「一番の売り」の要素を活かす形での改変だったと言えそうです。

 むろん、効果は洗濯量に左右される部分がありますが、これは他社もです。

 シャープのようなサポートヒーターはないので、お日様で干したような、「ポカポカふっくら感」を再現するものではないですが、パナソニック同様、「ふんわり感」はだせます。

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 搭載されるセンサーは、下位機と同じ水準で搭載です。

 9つのセンサーで賢く節電します。

 先述のように、運転時間を短くするだけでなく、必要に応じて、運転時間を長くもする点で「賢い運転」です。

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 一方、本機は、布質センサーが乾燥時も作動する仕様で、化繊類が多いと判断すると、自動的に、時間短縮をなします。

 ヒートポンプ式ですが、湿度センサーもあるので、それによる乾き残りも少ないでしょう。

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 洗濯機能・洗剤の自動投入・メンテ性・ネットワークは、1つ上の製品と変わりません。

 既に説明したので省略します。

 温水洗浄は、一方、省略です。

 この部分では下位機より能力が劣るといえます。

 機器のグレード(ランク)が整理されていない感じですので、注意してください。

 静音性も、乾燥運転時に48dBです。

 やはり、シャープほどは静かではないです。

---

  以上、日立のBD-SX120シリーズの紹介でした。

 乾燥容量のアップは、魅力です。 

 一方、温水洗浄は省略は残念な部分ですが、下位機と比較するとヒートポンプ式になったことで、光熱費の水準が良い部分が見どころです。

 風アイロンの風質改良で、ふんわり感シワ残りの無さの部分でも、下位機で評価できる性能をキープしています。

 光熱費は、ただし、洗濯乾燥時に約20円のに止まります。

 年間300回運転するとして、1回20円の差だと、1年で6,000円、耐用年数(7年)で42,000円です。 

 温水洗浄がない点と、光熱費と本体価格のトータルで考えて、そこまでのお買得感はないです。

 とくに、下位機の型落ち、あるいは次に見る本機の型落ちと比べるとそう言えます。

ーーーー

 なお、日立の上位機は、本機の旧機を含めて、以下のような商品展開がみられます。

 以下で、確認しておきます。

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 【2024年9月発売】

 26・日立 BD-STX130KL-W 【左開き】
 27・日立 BD-STX130KR-W 【右開き】
  ¥353,008 楽天市場 (4/15執筆時)

 【2023年11月発売】

 28・日立 BD-STX130JL-W 【左開き】
 28・日立 BD-STX130JR-W 【右開き】
  ¥325,300 楽天市場 (4/15執筆時)

洗濯容量:13kg
乾燥容量:7kg
乾燥方式:ヒートポンプ
消費電力量:1150Wh/700Wh
使用水量:65L
水道光熱費:52.7円/1回
スマホ連携:対応
温水洗浄:対応
自動投入:洗剤1L 柔軟剤1L
サイズ:幅630×奥行720×高さ1065mm

 第1に、BD-SX130JLです。

 こちらは、日立の「ビッグドラム」シリーズの最上位機です。

 新旧ありますが、ここまで見た機種の場合と同じです。

 つまり、「らくメンテ洗浄コース」がないのと、乾燥時の布質センサーの作動(化繊の見分け)の有無、糸くずフィルタの改良が、主な違いです。加えて、「アリエールMiRAi高濃度洗浄」コースが加わりますが、あとは目に付く違いはないです。

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 サイズは、こちらも、幅630×奥行720×高さ1065mmです。

 洗濯容量は、13kgで、乾燥容量は、7kgです。

 光熱費の部分は、ドラムが同じですので、1グレード下の新機種と同じです。

 23年機・24年機ともこのサイズです。

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 筐体は、ただ、下位機との最も大きな違いです。

 7.8インチと相当大きなタッチパネルが付属し、細かい操作がスマホを介さなくてもできるモデルです。お手入れ方法などの情報も細かく見れます。

 スマホを使わないお年寄り向けでもありますが、洗濯の際に、スマホを持ち出すのは(まあ)面倒ですし、高級機としては「あり」だと思います。 

 温水洗浄も、搭載します。

 あとの部分は、1つ上で見たBD-SX130シリーズと変わりません。

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 結論的にいえば、基本的には、タッチパネルが欲しい方が選ぶべき機種です。

 ただ、現行機の上位機だけで言えば、温水洗浄を搭載するのは本機だけなので、旧機の在庫がはければ、その部分でプレゼンスが出ると言えます。

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 【2022年9月発売】

 29・日立 BD-STX120HL-W 【左開き】
  ¥210,800 Amazon.co.jp (4/15執筆時)

洗濯容量:12kg
乾燥容量:6kg
乾燥方式:2WAY除湿(空冷/水冷)  
消費電力量:1570Wh
使用水量:86L
水道光熱費:71.2円/1回
スマホ連携:対応
温水洗浄:対応
自動投入:洗剤1L 柔軟剤700mL
サイズ:幅630×奥行716×高さ1065mm

 第2に、BD-STX120HLです。

 2年落ちの最上位機です。

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 こちらもタッチパネル採用です。

 しかし、下位シリーズの場合と同じでヒートポンプ式ではないので、光熱費、現在では下位機種相当です。

 乾燥容量が12kg、洗濯容量が6kgと、この部分も下位機種水準になります。

 あとは、大きく変わりません。らくメンテも、温水洗浄も、洗剤の自動投入もあります。

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 結論的にいえば、光熱費ほかの機能差はあります。

 ただ、ネットだとまだ在庫がある上で安いので、今の値段差ならば選択肢にできます。10年以上使ったとしても光熱費と本体価格のトータルコストは新機種(最上位機)より、安く上がりそうです。

 とくに、タッチパネルが便利に思う方には選択肢になるでしょう。

2-2・東芝のドラム式洗濯機

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 続いて、東芝ライフスタイルの中型ドラム式洗濯機です。

 同社の場合、とくに、洗浄能力について、強調した機種が多い印象です。


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 【2024年9月発売】

 【通常型番】


 30・東芝 TW-127XH4L(W)  【左開き】
 30・東芝 TW-127XH4R(W) 【右開き】
  ¥215,808 楽天市場 (4/15執筆時)

 【エディオン系限定】

 31・東芝 TW-127XE4L(W) 【左開き】
 31・東芝 TW-127XE4R(W) 【右開き】
  ¥268,000 楽天市場 (4/15執筆時)

 【2023年9月発売】

 32・東芝 TW-127XH3L(W) 【左開き】
 32・東芝 TW-127XH3R(W) 【右開き】
  ¥224,740 Amazon.co.jp (4/15執筆時)

洗濯容量:12kg
乾燥容量:7kg
乾燥方式:ヒートポンプ
消費電力量:730Wh/1330Wh
使用水量:61L
水道光熱費:38.6円/1回
スマホ連携:対応
温水洗浄:対応
自動投入: 洗剤890mL 柔軟剤590mL
サイズ:幅645×奥行722×高さ1060mm

 TW-127XH4Lは、東芝ドラム式洗濯機です。

 日立と同じで小型のドラム式洗濯機を販売していないので、これが同社では最小サイズです。

 新旧あります。

 ただ、桶洗浄目安サインが新設されたほどで、あとは大きな変更はないです。

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 一方、エディオン系は、同社では恒例ですが「おまけ要素」がある特注になります。

 こちらは、後述する洗浄力強化のための機能である「ウルトラファインバブル」に「マイクロバブル」を追加発生させる上位ユニット(抗菌ウルトラファインバブル洗浄EX)を装備します。

 また、これにより桶洗浄のメンテ頻度を長くできる「バブルdeメンテ」も搭載です。

 いずれも、次に見る(液晶パネルと湿度センサー搭載の)最上位機の機能性の一部を採用したものです。ただ、そちらの上位機に比べても、そこまで安くないように思いますし、今の値段ならば、選択肢にしにくいです。

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 結論的にいえば、発売年や販売ルートを問わず、選ぶ場合、値段で決めてOKです。

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 サイズは、幅645×奥行722×高さ1060mmです。

 奥行はそこそこあります。

 ただ、内寸52cmの防水パンに入る仕様です。ボディ幅も(他社機と同じ)幅60cmなので、横方向にはスリムに見える製品です。

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 洗濯容量は、最大で12kgです。

 乾燥容量は、最大で7kgです。

 日立の最上位機と同じで、最大容量です。

 以外と「あと1kg欲しい」という場面はあるでしょうし、光熱費の水準が変わらないままの容量アップは、良い部分です。

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 使用水量は、61Lです。

 使用水量は平均より少しだけ多めです。

 消費電力量は、730Whです。

 かなり優秀な水準ですが「省エネモード」での値です。

 冒頭書いたように2022年に家電公取協の電力単価の目安表示が変わりました(上図)。

 水道光熱費は、それをふまえると、合計で38.6円です。

 工場出荷時の設定は「省エネモード」ではなく、「お急ぎモード」です。

 それを利用する場合、サポートヒーター併用になるため、1330Whとなります。

 光熱費の合計は、57.2円なので、さほど悪くはないですが、20円ほど余計に費用がかかると考えてください。

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 なお、「お急ぎモード」だと、7kgの乾燥で最速96分です。

 「省エネモード」だと15%ほど乾燥時間が長くなりますが、基本的にはそちらを利用した方が良いでしょう。

 メーカーの説明によれば、シワを含めて、どちらでも仕上がりには差が出ないようですので、今回は「730Wh」として本機を紹介しました。

 ただ、急ぎの際に「急げる」選択肢も与えてくれるのは、良いことに思います。この部分で言えば、「おやすみ」ボタンががあり、普段は急ぎだが、夜は省エネにすることもワンボタンで可能です。

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 センサーは、他社並みの「水温・布質・乾燥・布量・室温センサー」が付属します。

 洗濯槽のサイズを勘案すると、水量の面での節約効果は少ないです。とはいえ、節約しすぎると洗浄力が落ちるので、一長一短ではあります。

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 乾燥機の方式は、ヒートポンプ式です。

 他社でも見たように、エアコンと同じように熱交換をするヒートポンプ式は、節電性が高いです。

 一方で、シワが寄りやすい、ふんわりしない、洗濯カスで故障しやすい、乾燥ムラが生じやすいなどの欠点もあります。

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 各社とも対策があります。

 東芝の場合、パナソニックの「ふんわりジェット乾燥」や日立の「風アイロン」とおなじで、強風力を活かして、衣服を舞いあげて、シワを少なめに「ふわっと」させる方向性です。

 効果はあるでしょうが、洗濯物の量が多いとこの面で効果があまり期待できない点は、(補助ヒーターなしで)ヒートポンプ式を採用する他社と共通する難点とはいえます。

 ただ、こうした部分を全部解決しているメーカーはないので、ヒートポンプ式として、この部分の対策力は、高レベルの水準でしょう。

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 洗濯機能は、高圧水流を使ったシャワーが付きます(ザブーン洗浄)。

 また、仕組みは違いますが、シャープの「ひまわりガラス」のように、もみ洗い系の動作を付け加えるもみ洗いボードを付け、洗浄力の強化を図ります。

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 さらに、洗剤は、1マイクロメートルの極小のウルトラファインバブル(ナノバブル)を発生させ、洗剤の洗浄成分を強化する独自技術が加えられます。

 パナソニックの洗剤泡立て機構と似ています。

 技術として新しいもので、業務用分野で応用されている信頼性のある技術であることから、洗濯機に置ける効果も期待できます。

 おそらく、東芝は、近年この技術を研ぎ澄ませきました。実際、2022年以降、「ウルトラファインバブル洗浄W」として、発生器を2つ搭載させてきました。

 東芝は、上位機では、温水機能ももちますが、「温水を利用せずとも綺麗に落ちて経済的!」という基本発想です。

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 洗濯革命 ナノバブール ナノバブル発生器
   ¥3,828 Amazon.co.jp (4/15執筆時)

 なお、最近は、ホース自体でナノバブル(ファインバブル)を発生させる製品が通販番組などで紹介されます。種類も豊富です。

 ただ、東芝機は濃縮状況の洗剤と混ぜてスプレーするための仕組みなので、これらと狙う効果や意味が少し異なるように思います。

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 洗濯コースは、毛布や、おしゃれ着など、一通りコースが揃います。

 ただ、機能が多すぎるのもあり、ボタンがあまり整理された感じがないのが、少し難点です。

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 一方、UVランプ(UV-C)をつかった機能性が独自です。

 4kgまでの乾燥運転時に除菌灯を使えるほか、1kgまでの容量で、洗えないものの乾燥除菌に対応です。一方、「消臭」という言葉がない点は注意点で、マイナスイオン系とは異なります。

 UV灯は中国系の企業が白物家電の一部に割と採用するのですが、UV光が漏れない安全設計です。閉まっている時でないと照射されません。

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 一方、4Kgまでの利用に限られますが、UV除菌洗乾モードを利用する場合、前後のUV灯の照射で除菌を行います。ニオイの抑制に効果があるでしょう。

 温風温度も、旧機は65度との記載がありました。洗濯量的に通常洗濯時にこの温度が出ているかは不明ですが、4kgにとどまる場合は出ているようで、温風部分も効果があるようです。

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 一方、通常の洗濯の場合などでも、対策はあります。水の部分で本機は銀イオンの抗菌水ユニットが仕込まれていて、生乾き臭の防止などに役立ちます。

 パナソニックやシャープと違い、マイナスイオンは搭載しないのですが、一応、ヒートポンプ式の欠点の対策としては有効でしょう。

 なお、練り込まれた抗菌成分は減っていきます。しかし、10年間交換不要です。

 そのほか、日立同様に、洗濯できないものを、熱と湿気で乾燥、あるいは、消臭していくコースも付属です。

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 温水洗浄も、対応です(温水抗菌ウルトラファインバブル洗浄EX)。

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 温水を用いる点は、最近の洗濯機の上位機種の「基準」とも言えます。

 必要な時間や量も、先行したパナソニックとだいたい同じですので、ヒーターのパワーは同等でしょう。

 なお、温水ボタンは独立しているので「省エネモード」「お急ぎモード」あるいは「おやすみ設定」にかかわらず、使いたい場合は設定可能です。

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 洗剤の自動投入は、この機種は「対応」です。

 東芝の場合は、洗剤890mLと柔軟剤が590mLとなります。各社の平均値よりもやや少なめでしょう。

 また、パナソニックと比べる場合、おしゃれ着洗い用のケースはないです。

 一方、お手入れの際にタンクが自立する構造は便利ですが、同じサイズでも、構造的には、日立の方が掃除はしやすいでしょう。

 一方、お手入れの頻度は、2-3ヶ月に1度となります。

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 メンテ性は、乾燥ダクトの自動洗浄機能が付属します。熱交換器も同様に洗っています。

 パッキン部分ほか、槽の外側まで水で洗う自動お掃除機能も付属します。

 なかなか工夫があり高度ですが、乾燥フィルター自体を廃止している、日立の「らくメンテ」には及ばないとは言えます。

 ただ、毎回面倒な乾燥フィルターのゴミが、ワンボタンで落とせるのは気が利いています。

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 ネットワーク機能は、23年機から、Wi-Fiを搭載しました。

 できることは、他社と同じで、独自のコース設定、洗剤の銘柄設定、外出先からの操作などです。

 一方、【スマートスピーカーの比較記事】で書いた音声AI端末については、Google アシスタントほか、Amazon Alexaにも対応です。

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 そのほか、東芝も自社の高性能冷蔵庫や、テレビ(レグザ)などとの連携も取れます。

 こうした部分で、IOT対応は、割と進んでいる企業の1つと言えます。

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 静音性は、東芝はS-DDモーターの搭載で「静か」であることを強調します。

 騒音値のスペックは、洗いの際は32dBとかなり優秀です。振動吸収構造(バネ付きゴム)を採用するなど、振動には配慮はあります。

 ただ、乾燥時には48dBと、普通か、それより少し悪い水準です。

 ただ、この部分もややこしいところで、先述の「省エネモード」で運転させる場合は(モーター熱を利用しないため)42dBとシャープ機とおなじほど静かにできます。寝ている間に洗濯を済ませるならば、とくに、このモードでいけば良いかと思います。

---

 以上、東芝のTW-127XH2Lの紹介でした。

 「省エネモード」で運転させる前提で言えば、多少時間はかかるものの、光熱費は結構抑制できますし、静かです。洗剤自動投入・温水洗浄も対応しますし、トレンドを抑えた製品です。

 その上で、熱を入れないため、ニオイ残りなどの可能性がともなうヒートポンプ式ながら、「除菌」部分に相当力を入れており、この部分も大きなポイントと言えます。この部分を徹底したい方は、選択肢にしやすいでしょう。

 24年機は、それに加えてシワケア・静電気抑制の部分にもメスが入ったので、総合的に隙がない機種になっていると思います。

 ただし、洗剤自動投入は、サイズに比してメンテ頻度と投入量が少なめな部分が注意点です。

ーーー

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 【2024年9月発売】

 33・東芝 TW-127XM4L-W【左開き】
  ¥186,663 楽天市場 (4/15執筆時)

 【2023年9月発売】

 34・東芝 TW-127XM3L-W【左開き】
  ¥186,856 Amazon.co.jp (4/15執筆時)

洗濯容量:12kg
乾燥容量:7kg
乾燥方式:ヒートポンプ
消費電力量:730Wh/1330Wh
使用水量:61L
水道光熱費:38.6円/1回
スマホ連携:対応
温水洗浄:
自動投入: 洗剤890mL 柔軟剤590mL
サイズ:幅645×奥行750×高さ1060mm

 なお、東芝は、本機の下位機種となるTW-127XM4Lも発売しています。

 上位機との違いは、先述の温水洗浄機能を持たないほか、UV灯を装備せず、それに関わる機能が「全省略」になる部分です。

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 加えて、乾燥フィルターの部分で先述の「プッシュでポン」も未対応になります。毎回使う部分なので、地味にこの部分は「痛い」です。

---

 結論的にいえば、少し予算を追加しても、先ほどの機種のが良いかと思います。


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 【2024年9月発売】

 【茶色】

 35・東芝 TW-127XP4L-T  【左開き】
 35・東芝 TW-127XP4R-T  【右開き】
  ¥224,485 楽天市場 (4/15執筆時)

 【白色】


 36・東芝 TW-127XP4L-W  【左開き】
 36・東芝 TW-127XP4R-W 【右開き】
  ¥229,800 楽天市場 (4/15執筆時)

 【2023年10月発売】

 【茶色】

 37・東芝 TW-127XP3L-T  【左開き】
 37・東芝 TW-127XP3R-T  【右開き】
  ¥224,800 Amazon.co.jp (4/15執筆時)

 【白色】

 38・東芝 TW-127XP3L(W) 【左開き】
 38・東芝 TW-127XP3R(W) 【右開き】
  ¥239,800 Amazon.co.jp (4/15執筆時)

洗濯容量:12kg
乾燥容量:7kg
乾燥方式:ヒートポンプ
消費電力量:730Wh/1330Wh
使用水量:61L
水道光熱費:38.6円/1回
スマホ連携:対応
温水洗浄:対応
自動投入: 洗剤890mL 柔軟剤590mL
サイズ:幅645×奥行750×高さ1060mm

 TW-127XP3L などは、東芝ドラム式洗濯機の最上位機です。

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 新旧ありますが、新機種からは、湿度センサーが搭載です。

 乾燥させ過ぎを防ぐ部分で省エネであり、仕上がり面でも、シワを抑える目的、乾きムラを防ぐ目的で利用可能な部分で、上質なセンサーです。

 これを利用する場合「うるおい上質仕上げ」という特別な乾燥モードも加わります。詳しくは、あとで書きます。

--- 

 結論的にいえば、しっかり進化しています。とはいえ、価格差をふまえると、旧機で良いでしょう。 ネットではまだ在庫があります。

 あとは同じなので、同時にみていきます。

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 本体サイズや、基本性能は、下位機と同じです。

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 しかし、高級機の位置づけで、本体の7インチの液晶ディスプレイを持ちます。

 一般的な設定のほか、洗剤の自動投入量などの調整も、タッチ操作で感覚的に行えて便利です。

 乾燥容量は、下位機種同様に、業界最高クラスの7kgまで対応です。

 水道光熱費は、消費電力量が、710Wh使用水量61Lとなります。

 1回あたり38.6円と下位機種と同じ水準ながら、他社と比べても良いスペックです。

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 乾燥機の方式は、ヒートポンプ式です。

 強風を使ったふんわリッチ乾燥にも対応します。

 これらの部分は、下位機種と変わりません。

 使用されているセンサーは、本機も水温・布質・乾燥・布量・室温センサー」です。

 一方、24年機からはシャープ・日立と同じで湿度センサーが搭載です。

 この部分で、乾燥時の乾きムラや、乾かしすぎを防止できます。

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 乾燥は、一方、湿度センサーを活かして、うるおい上質仕上げが選択可能です。

 水冷のヒーターセンサー式を除けば、乾燥時にを使うのは珍しいと思います。

 それにより、しわケア、あるいは、タオルなどの仕上がりの良さ(手触り向上)を目指すものです。

 風を使う日立の「風アイロン」などとは別の方向性です。あえて言えば、衣類スチーマーに近い発想です。他社でも、少量の特別モードでこの手の工夫はありますが、メインモードでこの処理をするのは、新機軸でしょう。

 仕組み的に、静電気も抑制できるので、マイナスイオンを装備しない同社の方式には向くように思います。

 ふつうの乾燥後の追加コースになるので、約70分よけいに運転時間が必要です。電気代は仕組み的に、さほどは増加しないと思います。

 ただ、静電気は、所定の時間(最初のチャイム)でしっかり出さないと、(ソフトキープ運転がなされるので)効果は薄れるでしょう。

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 洗濯機能は、このグレードは抗菌ウルトラファインバブル洗浄EXを搭載します。

 東芝によると、発生期内で加圧することでウルトラファインバブルほか、それより径が大きめのマイクロバブルも発生させる仕組みです。

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 東芝の場合、ウルトラファインバブルは洗浄液の浸透を助けるため、マイクロバブルは、汚れの再付着を防止するために有効とのことです。

 パナソニックも泡洗浄で圧を使っていましたが、この機能性は東芝の検証が初めてです。

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 コースは、本機も、UVランプ(UV-C)を利用するコースがあります。

 ただ、下位機より照射出力を約5倍上げたハイパワーUV除菌ユニットになります。

 水を使わないUV殺菌だけの場合、このグレードだと「UV除菌消臭」なので、消臭も対応になりました。1kgまでとはいえあれば便利でしょう。

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 同社としては、スーツや帽子やぬいぐるみの除菌・消臭を提案します。個人的には、(洗えない)にも対応できるのかが気になります。(なんとなくできそうですが)できたら便利だと思います。

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 また、洗濯乾燥(4kg)でUV除菌ができる部分は下位機と同じですが、UVパワーが上がったことで、2kgまでならば、脱水までの家庭でも除菌できるようになりました(UV除菌洗乾コース)

 温水洗浄・洗剤自動投入は、最上位機ですし、もちろん対応です。

 機能性は、上で見た下位機種と同じです。

 ネットワーク機能は、こちらもWi-Fiを搭載します。

 あとの部分は、基本的に、先ほどみた下位機種と同じです。

---

 以上、東芝のTW-127XP2の紹介でした。

 洗浄力の部分では、下位機とさほど大きな差はないように思えます。そうなると、新機種については「殺菌と消臭ができるUV灯」と「うるおい上質仕上げ」をどこまで評価できるかになるでしょう。

 実際、片側だけならば(まあ)下位機で良いように思いますが、「合わせ技」で考えると「あっての良いかな」と思います。

 とくに、東芝限定で考える場合、下位機は、操作パネルがごちゃごちゃし過ぎなので、液晶パネルを装備する本機は、他社機以上に、利便性の部分で意味はあります。

次回に続く!
ドラム式洗濯機のおすすめは結論的にこの機種!

 というわけで、今回は、ドラム式洗濯機の比較の2回目記事でした。

 しかし、記事はまだまだ「続き」ます。

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3・ドラム式洗濯機の比較 (3)
 3-1:アクア
 3-2:ハイアール
 3-3:アイリスオーヤマ
4・ドラム式洗濯機の比較 (4)
 4-1:最終的なおすすめの提案【結論】

 次回の3回目記事こちら)は、ここまで見れていないアクア・ハイアール・アイリスオーヤマのドラム式を紹介します。

洗浄力の強さ ★★★★★
光熱費の安さ ★★★★★
しわの伸び  ★★★★★
静音性    ★★★★★
スマホ連携  ★★★★★
故障しにくさ ★★★★★
総合評価   ★★★★★

 その上で、4回目記事こちら)で、ここまで紹介してきたドラム式洗濯機「全機種」から、最終的な結論として「Atlasのオススメ機種」を提案します。

 引き続きよろしくお願いします。  

 3回目記事は→こちら

posted by Atlas at 13:22 | 生活家電

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