【今回レビューする内容】2021年 最新のプレミアム冷蔵庫の性能とおすすめ・選び方:中型・大型の高級・高品質冷蔵庫の性能の違い・ランキング:3ドア 4ドア 5ドア 6ドア冷蔵庫
【紹介する製品型番】パナソニック NR-F506HPX NR-F556HPX NR-F606HPX NR-F556WPX NR-F606WPX NR-F656WPX NR-F516MEX NR-F486MEX 三菱電機 MR-MX46G R-MX50G MR-MX57G MR-MXD50G MR-MXD57G 日立 R-HW48N R-HW52N R-HW60N R-HW52N R-HW60N R-HWS47N R-HWS47NL R-KX50N R-KX57N R-WXC74N R-WXC62N シャープ SJ-AF50G SJ-AW50G SJ-F502F 東芝 GR-S460FZ GR-S510FZ GR-S550FZ GR-S600FZ LG GR-Q23FGNGL AQUA AQR-TZ51J AQR-VZ43K QR-VZ46K
今回のお題
各社の最新のプレミアム冷蔵庫のおすすめはどれ?
ども、Atlaです。
今回は、2021年1月現在、最新の冷蔵庫の比較です。
1・2ドアの小型冷蔵庫の比較記事
2・3ドアの大型冷蔵庫の比較記事
前回の1回目記事では、2ドア冷蔵庫と小さめの3ドア冷蔵庫を比較しました(こちら)。
それらは、どちらかと言えば、1人暮らしからカップルにおすすめの機種でした。
今回の2回目記事では、完全に「ファミリー向け」と言える、450Lクラス〜600Lクラスの冷蔵庫を比較します。各社の高性能モデルを中心に、約30機種ほどを網羅します。
各社の最上位機は、「3ドア冷蔵庫」を越える「4ドア・5ドア・6ドア冷蔵庫」もありますが、そういったモデルを含めて、今回は比較します。
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1・電気代の安さ ★★★★☆
2・冷蔵室の工夫 ★★★★★
3・チルド機能 ★★★★☆
4・野菜室の工夫 ★★★★★★
5・冷凍の工夫 ★★★★★
6・総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、各社の冷蔵庫を個別に比較します。
そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントから、目的別・予算別にAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
1・大型の冷蔵庫の選び方の基本!
家庭用の大きめ3ドア冷蔵庫は、日本では「パナソニック」「三菱電機」「日立」「シャープ」「東芝」が「5強」です。
それに、海外の「アクア(ハイアール)」と「LG」がニッチな製品で追撃している状況です。
大型については、性能重視で選ぶ場合、(ほぼほぼ)これらのメーカーの機種を見通せば、「こと足りる」と言えます。
その上で、各メーカーから「良い製品」を選ぶにあたっては、以下の点がポイントとなってきます。
1・電気代
1・冷蔵庫の電気代
=冷蔵庫のサイズに比例
第1に、電気代です。
おそらく皆さんが最も気にする部分の1つでしょう。
しかしながら、「5強」が販売する、3ドア冷蔵庫のプレミア高級機の場合、「同じ定格内容量」の製品ならば、どのメーカーのどの製品も、「ほとんど年間電気代は同じ」です。
これは、政府が求める「省エネ基準達成率」に合わせる必要があるため、最近は、各社も「この枠内の消費電力で、できる限り工夫して高性能化」させているからです。
ただし、パナソニックの「エコナビ」のように、省エネ基準の算定式で認められた方法を超えて、電気代の節約を目指した機種もありますので、今回の記事では、詳しく言及します。
2・庫内容量の大きさ
第2に、庫内容量の大きさです。
後ほど具体的な機種を見ていきますが、ファミリー向けの3ドア冷蔵庫は、各社とも450Lクラスから600Lクラスまで、数段階のラインナップがあります。
皆さんが冷蔵庫を選ぶ際に「はじめに決めるべき」は、必要な冷蔵庫の定格内容量です。
デンキヤでは「大きめ」を薦められることがありますが、経験上、下表のような目安で良いでしょう。
1・3ドア冷蔵庫(450L)
=標準的な家族むけ(〜4人)
2・3ドア冷蔵庫(500L)
=買いだめ、作り置きをよくする家族
3・3ドア冷蔵庫(600L)
=相当料理好きの大家族(〜6人)
Atlas的には、450Lクラスの製品が、製品価格と実用性を兼ね備える標準的な水準だと考えます。
設置面積についても、500Lを超える「大きめ冷蔵庫」は、横の設置幅が各社とも65cmから、68.5cm、75cmと段々伸びていき、キッチンを圧迫していくことになります。
見映えのバランスも悪くなるため、「2週間以上買いだめする」「作り置きを大量に保存する」などの事情がない限り、最大でも500Lまでのサイズで収めるのが良いでしょう。
3・冷蔵室や冷凍室のサイズ
定格内容量:650L
冷蔵室:335L〈257L〉
野菜室:135L〈97L〉
冷凍室:123L〈86L〉
特別室:33L〈18L〉
※〈 〉は、各社が自主的に表明する「実収納スペース」
第3に、冷蔵庫・冷凍室などのサイズです。
各社の冷蔵庫のスペック表には、「定格内容量」のほか、冷蔵室・野菜室・冷凍室などの「広さ」の数値も開示されます。
ただ、これついて言えば、国内各社の製品は、それぞれの収納スペースの形状や割合は「ほぼ同じ」です。
つまり、3ドアの高性能機の場合、メーカーによって「冷蔵庫の面積が相当広い」などはありません。
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結論的にいえば、やはり、最も大事なのは、冷蔵庫の定格内容量です。
それに応じて、各室の容量が増えるだけなので、これらの部分は見過ごしても、大きな問題とはならないと言えます。
4・温度管理や清潔性
1・チルド室にかかわる技術
2・野菜室にかかわる技術
3・清潔性にかかわる技術
第4に、温度管理や清潔性にかかわる部分の技術です。
この部分は、各社に違いがあり、選ぶ際の基準としてある程度重要です。
例えば、日立の「まるごとチルド」や、パナソニックの「微凍結パーシャル」など、チルド室にかかわる技術は、各社とも競っています。
また、野菜室の鮮度や、清潔性を保つためのマイナスイオン機能なども、各社とも競っている部分といえます。
今回は、この部分については、重要視しながら、各製品を紹介するつもりです。2・各社の3ドア冷蔵庫の比較
では、具体的な紹介をはじめます。
以下の本文では、Atlasのおすすめできるポイントを赤字で、イマイチな部分を青字で記していきます。
なお、各製品の容量部分のスペックは、全機種のうち、最も小型なモデルのスペックを参考例として示しています。
【2020年6月発売】
【500L】〈幅65cmサイズ〉
1・パナソニック NR-F506HPX
¥184,800 楽天市場 (1/19執筆時)
【550L】 〈幅68.5cmサイズ〉
2・パナソニック NR-F556HPX
¥215,455 楽天市場 (1/19執筆時)
【600L】〈幅68.5cmサイズ〉
3・パナソニック NR-F606HPX
¥248,000 楽天市場 (1/19執筆時)
定格内容量:500L
冷蔵室:259L〈188L〉
冷凍室:92L〈64L〉
野菜室:105L〈73L〉
製氷室:17L〈4L〉
特別室:27L〈14L〉
年間消費電力:274Wh
HPXタイプは、パナソニックでは、2番目に高級な冷蔵庫のラインです。
デザイン性は、高いです。
色目は3種類から選べますが、高級感のあるガラストップ採用で、どれも綺麗です。
定格内容量は、500Lサイズから、600Lサイズまで選択可能です。
パナソニックの場合、500Lサイズまでが、幅65cmで収まるスリムサイズです。
冷蔵室は 、フレンチドア(観音開き)です。
この方式の場合、片開きで済む場合に省エネになるります。
そのほか、ドアを開ける力が半分で済むなどのメリット性があります。
また、引っ越した際に、右開き、左開きを気にせず設置できる自由さもあります。
冷凍室は、パナソニックの場合、中段にあります。
屈まず取り出せるので便利です。もちろん、自動製氷機能を持ちます。
野菜室は、下段です。
「Wシャキシャキ野菜室」と名付けられています。これは、野菜室専用の湿度センサーで庫内湿度を監視しながら、適湿を保つ仕組みです。
調湿は、モイスチャーコントロールフィルターを利用します。湿度が高い場合はそれを逃がし、低い場合は、貯め込んだ湿気を戻します。
機密性は高めるための、「保鮮プレート(再生セルロース)」と「うるおいシャッター」で、この部分を徹底化しています。
スーパーマーケットの冷蔵棚で、単に冷やすだけでなく、霧状の水を振りかけるようにして鮮度を確保しているのを見たことがあるでしょう。それと、発想としては同じでしょう。
パナソニックによれば、「約1週間」野菜をシャキシャキ長持ちさせる効果があります。
チルドルームは、微凍結パーシャル機能が「売り」です。
各社ともこの部分は競うところです。
パナソニックの場合は、(完全には凍らない)マイナス3度に固定し、主に、お肉や生魚類を、約1週間長持ちさせることを目指します。
挽肉なども「凍らない」ので、解凍の手間も要らないという利便性があります。
一方、チーズやバターないし、つくねなどは、マイナス3度では保存が難しい(味が代わる)ので、チルド室を温度設定が高い「通常のチルドモード」に直して使います。
つまり、「お肉」と「チーズ」は、チルド室では共存できない点が、本機の弱点と言えます。
特別室は、各社とも工夫を凝らす部分です。
パナソニックの場合、製氷室の横の「新鮮凍結ルーム(クーリングアシスト)」がそれにあたります。
これは、基本的に冷凍室内にアルミプレートが置かれ、アルミの放熱効果で、下段の冷凍室よりも急速に冷凍できるという仕組みです。
アルミを利用する方式は、割と古くからありますが、大風量の集中シャワー冷却で「かなりの急冷」ができる点が目新しいです。
業務用の冷凍機とまではいきませんが、通常の1/5の速度で冷凍できるので、生鮮品の鮮度維持に効果を期待できます。
このほか、モード変更で、お弁当などのあら熱をとる「冷ます」、凍らせたくない食品の「急冷」による調理時短なども可能です。
とくに強調されるのが「はやうま冷却」で、「お弁当のあら熱」が3分でとれることを売りにします。
さらに、スマホアプリから、これらの処理について時間単位での設定も可能です。
電気代は、先述のように、各メーカーとも差の付く部分とは言えません。
ただ、パナソニックは、エコナビ機能があります。
センサーが得意な同社らしく「収納量(庫内照度)・湿度・開閉・室温・室外照度の各センサー」を駆使して、運転温度を管理して、光熱費の節約を目指しています。
特に、庫内の複数のLED照明を利用し、照度から収納量を推測する「収納量センサー」は高度です。
それ以外にも、全庫内で総計16のセンサーが内蔵されており、最大で、冬期で21%、夏期で16%の節電が可能です。
結果的に、国の統一基準で示される各機の年間消費電力を上回る水準の省エネ効果をえられます。
恐らく、エコナビ機能をフル活用した場合の実際の電気代は、パナソニックが最も安いでしょう。
清潔性の面では、ナノイーイオン発生機能があります。
マイナスイオンは、室内での効果は過信は禁物ですが、密閉空間での効果は実証性があります。
ある程度の脱臭効果が期待できます。
ネットワーク機能は、本機はWi-Fi搭載で、対応です。
主な使途は、先ほど書いた、クーリングアシスト利用時の時間設定です。
そのほか、ドアの開閉回数や、エコ運転状況の確認ができます。前者は、家族の「見まもり」用にもなるでしょう。
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以上、パナソニックの HPXタイプの紹介でした。
他社に比べて強調できるのは、多様なセンサーを使っての「省エネ性」です。
大きめ冷蔵庫は、小型に比べると、省エネ効率が良いとは言え、モノを詰めすぎると、実際の電気代は、余計にかかってきます。
その部分を、センサーで最適化するパナソニックの製品は、実空間での仕様における光熱費の面で、他社より優れると言えます。
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【2020年2月発売】
【550L】 〈幅68.5cmサイズ〉
4・パナソニック NR-F556WPX
¥263,000 Amazon.co.jp (1/19執筆時)
【600L】〈幅68.5cmサイズ〉
5・パナソニック NR-F606WPX
¥331,000 Amazon.co.jp (1/19執筆時)
【650L】〈幅75cmサイズ〉
6・パナソニック NR-F656WPX
¥388,000 Amazon.co.jp (1/19執筆時)
なお、パナソニックの場合、これよりもうワングレード高い、WPXタイプがあります。
こちらについては、毎年遅れて2月発売です。
違いは、外観デザインです。
黒系のモデルは、ミラー加工が施されたエレガントな仕様で、最も高級眼があります。ただ、かなり、「ラグジュアリー」なので、合うご家庭は限られるでしょう。
それ以外は、ミラー加工なしのフロスト加工です。下位機種に比べて、指紋の付きにくい加工がなされており、スタンダードな高級感があるため、どのご家庭にもマッチしやすいでしょう。
一方、機能面では、下位機種とほとんど同じです。
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【2020年10月発売】
【513L】〈幅68.5cmサイズ〉
7・パナソニック NR-F516MEX
¥291,600 楽天市場 (1/19執筆時)
【483L】 〈幅68.5cmサイズ〉
8・パナソニック NR-F486MEX
¥277,110 楽天市場 (1/19執筆時)
定格内容量:513L
冷蔵室:284L〈217L〉
冷凍室:97L〈64L〉
野菜室:93L〈69L〉
製氷室:14L〈4L〉
特別室:24L〈14L〉
年間消費電力:283Wh
一方、パナソニックは、「2番目に高い」HPXタイプの改良版として、2020年にMEXタイプという新シリーズを出してます。
本機については、三菱電機や東芝と同じで、野菜室を中段に変えています。
野菜室はごちゃごちゃになりやすいので、下段だと屈んで探したり、重量がある野菜を屈んで出す必要があります。
冷凍室が下になるので好みの問題ではあるのですが、野菜をよく使う方に人気です。
その上で、特別室が「はやうま冷凍」と「マイナス3度の微凍結パーシャル」の選択切替式になります。
HPXタイプは、冷蔵室内の下段のボックスが「チルド温度」と「マイナス3度の微凍結パーシャル」との、切替式でした。
そのため、「お肉」と「チーズ」は、チルド室では共存できないと先ほど書きました。
しかし、MEXタイプは、「チルド室」は、「チルド室」としてだけ使うため、可能です。
ただ、「はやうま冷凍」を使いたいときに使えなくなる弊害があるので、一長一短はあります。
多少「マーケティング的な実験色の強い製品」なので、おそらく、従来のHPXタイプを残して展開したのだと思います。
なお、本機については、最小サイズの483Lモデルでも、設置幅が685mm必要である点には注意してください。
【2021年2月発売】
【455L】〈幅65cmサイズ〉
9・三菱電機 MR-MX46G
¥385,000 楽天市場 (1/19執筆時)
【503L】〈幅65cmサイズ〉
10・三菱電機 MR-MX50G
¥396,000 楽天市場 (1/19執筆時)
【572L】 〈幅68.5cmサイズ〉
11・三菱電機 MR-MX57G
¥440,000 楽天市場 (1/19執筆時)
定格内容量:455L
冷蔵室:247L〈188L〉
冷凍室:80L〈53L〉
野菜室:88L〈61L〉
製氷室:16L〈4L〉
特別室:24L〈13L〉
年間消費電力:250Wh
MXシリーズは、三菱電機の発売する、高性能な冷蔵庫です。
一方、三菱には、MR-WX70Eという800Lの「上位機」があるのですが、後述する「氷点ストッカー」が旧世代で、節電性も悪いです。
高級冷蔵庫の場合、「大きく高級なほど高性能」とも言えない部分があります。
デザイン性は、三菱電機も良好で、ガラスドア採用です。
ひきだしの部分の湾曲が結構主張していますが、柔らかい感じであり、「女性受け」を狙ったものでしょう。
定格内容量は、455Lサイズから、572Lサイズまで選択可能です。
横幅は、503Lモデルまでが、標準的な幅65cmで収まるスリムサイズです。
一方、パナソニックと比べると、最小サイズが455Lと小型が用意されます。
ただ、高さ182.6cmとやや背が高めなフォルムではあります。
冷蔵室は 、フレンチドア(観音開き)です。
パナソニックの機種と大きな違いはありません。
ただ、ペットボトルだけサッと取り出せる「横取りポケット」は、昔からの三菱電機の特長です。
なお、20度以下になると自動的に閉じる「オートクローザー」が冷蔵室については「搭載」です。
冷凍室は、三菱電機の場合、下段にあります。
パナソニックは中段だったので、この点は異なります。
野菜室は、中段です。
下段配置に比べると野菜が出しやすいので、野菜室をよく利用する方は三菱電機は便利でしょう。
パナソニックと同じで、真空断熱材を利用することで庫内湿度を安定化させる仕組みは、三菱電機もあります。
三菱の場合、センサーで野菜の霜取り制御はします。しかし、野菜室に湿度センサーや調湿機構がないので、高度な調湿はできません。
綿密に保湿していくパナソニックに比べると、鮮度保存の部分は多少弱いでしょう。
一方、3色LEDを照射することで葉緑素を持つ葉物野菜のビタミンと棟梁を高めるという機能は、三菱電機の「売り」です。
科学的にも、ある程度の効果は期待できそうです。
チルドルームは、氷点下ストッカーD A.I.が、機能面での「売り」です。
これは、パナソニックの機能と似ていて、-3℃〜0℃に保つことで、生肉や生魚を10日程度保たせるようにする技術です。
一方、本機も、ドアセンサーを装備しますが、人工知能システム(おまかせA.I.)が、普段の利用状況を収集しつつ、開ける頻度・時間に合わせてチルドを制御しています。
これにより10日間と、一週間程度が多い他社より肉などの保存可能日数が伸びてます。
ただ、こちらも、チーズなど凍らせると味が変質するものとの共存は無理であり、パナソニック同様の限界はあります。
特別室は、三菱電機の製品を選ぶ場合の大きな「売り」です。
こちらは、「切れちゃう瞬冷凍AI」が搭載されるからです。
冷凍室に食材を入れる際、AI(人工知能)が食材の使い方を推測して、挽き肉などの場合、「マイナス7度で芯から凍らせる」ことで、冷凍した食材が「凍ったまま切れる」のが売りです。
一般家庭で便利に感じるのは「挽き肉の小分け」くらいでしょうが、個人的には「それだけでもかなり便利」に感じます。
実際、2021年機は、特別室に、従来の扉開閉センサーに加えて、温度センサーが装備されたため、(必要に応じて)あら熱をとってから「瞬冷凍」という方向性に進化しました。
電気代は、全室独立おまかせA.I.が「売り」です。
2021年モデルからの新機能で、各ドア内に装備される「5種類16個」のセンサー(温度・湿度・霜取り・室温・扉開閉)で、節電を図ります。
この数は、節電で先行するパナソニックを意識して、数を合わせています。ただ、照度で庫内量を推測できるパナソニックに比べると、なんとなく「数合わせ感」があります。
一方、「AI(人工知能)」はパワーワードです。ただ、あらかじめプログラムされた設定に、家庭の使用状況にあわせて調整されるという(昔からある)機能の言いかえです。
結論的にいえば、節電性の部分だけについていえば、引き続きパナソニックが上位です。実際、本機は、この機能を利用した場合、パナソニックの半分近い、「約10%省エネ」という表現に止まります。
とはいえ、大きめの冷蔵庫はもともと省エネ効率がよいので、最小サイズの冷蔵庫でも、年間電気代は7000円未満ではあります。
比較するとそのように言えると言うだけで、過度に神経質になる必要はないです。
清潔性の面では、マイナスイオン系の技術は不採用です。
フィルターでの換気のフィルタリングは行います。
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以上、三菱電機のMXシリーズの紹介でした。
パナソニックと比較すると、「真ん中に野菜室がある構造」が、構造上の注目点です。
逆に冷凍食品は取り出しにくいので、このあたりは、生活スタイルに応じて、良い悪いは分かれるでしょう。
機能面では、似通っていますが、節電機能はやや分が悪い一方、特別室での切れちゃう瞬冷凍AIは、かなり訴求力のある技術だと思います。
Atlasもこの一点のみで、この機種を自宅用に選びそうになりました!
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【2020年2月発売】
【503L】〈幅65cmサイズ〉
12・三菱電機 MR-MXD50G
¥406,780 楽天市場 (1/19執筆時)
【572L】 〈幅68.5cmサイズ〉
13・三菱電機 MR-MXD57G
¥439,780 楽天市場 (1/19執筆時)
定格内容量:503L
冷蔵室:271L〈205L〉
冷凍室:89L〈60L〉
野菜室:98L〈69L〉
製氷室:18L〈4L〉
特別室:27L〈15L〉
年間消費電力:250Wh
なお、2021年からMR-MXDシリーズという新型の最上位機が追加されました。
ただ、仕様は基本的に同じで、追加されるのは、「ネットワーク機能」のみです。同社のアプリ(MyMU)と連携して各種情報が得られます。
この部分の情報は、執筆時あまり詳しく書かれません。
しかし、後述するようなシャープほど高度なことはできませんし、十分に力を入れて出した部分とも思えません。
そもそも、冷蔵庫自体にモニター(ないし発声機能)がないので、IOT家電のハブにもなりませんし、冷蔵庫の場合、(お年寄りの見まもり機能を除けば)スマホで監視する意義はあまりないと思います。
【2020年2月発売】
【HWタイプ】
【475L】〈幅65cmサイズ〉
14・日立 R-HW48N
¥169,934 楽天市場 (1/19執筆時)
【520L】〈幅65cmサイズ〉
15・日立 R-HW52N
¥185,764 楽天市場 (1/19執筆時)
【602L】〈幅68.5cmサイズ〉
16・日立 R-HW60N
¥209,203 楽天市場 (1/19執筆時)
【HXタイプ】(ミラー加工)
【520L】〈幅65cmサイズ〉
17・日立 R-HW52N
¥185,764 楽天市場 (1/19執筆時)
【602L】〈幅68.5cmサイズ〉
18・日立 R-HW60N
¥209,203 楽天市場 (1/19執筆時)
定格内容量:475L
冷蔵室:245L〈185L〉
冷凍室:88L〈56L〉
野菜室:90L〈61L〉
製氷室:20L〈7L〉
特別室:25L〈13L〉
年間消費電力:258Wh
デザイン性は、本機については、全タイプともガラストップです。
ただし、HXタイプは、ミラー加工がなされたエグゼクティブ仕様です。この部分の、デザイン以外は、両タイプの機能は、同じです。
定格内容量は、475Lサイズから、602Lサイズまで選択可能です。
背の高さは、最小の475Lサイズでが、高さ183cmとやや背が高めです。
一方、475L・520Lサイズは、標準的な幅65cmで収まるスリムサイズですので、設置性が良いです。
奥行も平均的です。
冷蔵室は 、フレンチドア(観音開き)です。
また、本機は、この部分に、他社に比べて革新的な工夫があります。
本機の場合、「まるごとチルド」機能を搭載します。
冷蔵庫部分を単独冷却にすることで、上図の枠内の部分全てを「2度のチルド温度」にすることに成功しています。
要するに、通常の冷蔵庫の部分が全部チルド化できます。
同社の従来機と異なり真空チルドではないですが「うるおい冷気」で、湿度を補填しつつ冷却するので、ラップなしで乾燥が避けられる利便性があります。
また、本機は、ボタンにより60分間急冷するクイック冷却機能があります。
約8%の消費電力の上昇がありますが、急な来客時などには便利でしょう。
その上で、他社に「チルドルーム」としている冷蔵庫下部を、特鮮氷温ルームとして、マイナス1度で氷温冷凍する部屋にしています。
日立を選ぶ場合の決め手である、チルドルームを、極限まで広く使えるのは便利です。
他社では難しい、チーズと肉の「同時チルド」が可能です。
冷凍室は、パナソニックと同じで、中段にあります。
一段目の薄物ケースの部分が、パナソニックのようなアルミトレイで、急速冷凍対応です。
日立の場合、この部分に専用の温度センサーを利用して、冷凍速度を促すデリシャス冷凍に対応します。
野菜室は、したがって下段です。
特別な技術としては、新鮮スリープ保存を搭載します。
プラチナ触媒(ルテニウム配合)で、ニオイのほか、野菜からのエチレンガスの発生を抑えて、野菜を「眠らせる」方式です。
ちなみに、バナナなどの果物が熟すのは「エチレンガス」によります。
そのため、バナナは日本に輸出するまで「船」の中でエチレンガスを抜いて「冬眠」させています。そして、日本の工場で「エチレンガス」が吹き付けて、急速に熟させて、スーパーに出荷されています。
同じ原理を再現した方式で、個人的には非常に興味深いです。
チルドルームは、先述のように「冷蔵庫全体がチルド」です。
特別室は、日立の場合も、製氷室の横にあります。
ただ、この部分は、普通の冷凍室です。
電気代は、日立の場合、霜から生じた冷気を冷却につかう「フロストリサイクル冷却」が自慢です。
ただ、これは、省エネ達成率の部分に組み込まれている数値であり、センサーを利用しつつの省エネ性の部分での「プラスアルファ効果」は、他社に及ばないと言えます。
清潔性の面では、マイナスイオン系の技術は不採用です。
フィルターでの換気のフィルタリングは行います。
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以上、日立のHWタイプとHXタイプの紹介でした。
野菜室の「新鮮スリープ保存」も独創的な面白い技術ですが、やはり「まるごとチルド」でしょう。
チルドは、同社の場合従来的に評価の高かった部分ですが、冷蔵庫まるごとをチルドにするという発想で、チルドの使い勝手は相当高いです。
一方、省エネの徹底度の部分と、「特別室」にあまり工夫がない点がネックです。
とくに、省エネの部分では、最も開く冷蔵庫の部分全体を「チルド」とする構造なので、長い時間、頻繁に開くような使い方だと、実際の省エネ性能は、他社よりも落ちやすいでしょう。
とはいえ、食材全般の鮮度の保持力では、総合力が最も高く、冷蔵庫の本質部分の革新性では抜きんでた製品です。
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【2020年9月】
【HWSタイプ】
【470L】〈幅60cmサイズ〉
19・日立 R-HWS47N
20・日立 R-HWS47NL
¥181,810 楽天市場 (1/19執筆時)
なお、下位機種として、幅60cmのスリム仕様で、片開きのHWSタイプがあります。
型番が2つありますが、流通ルートの違いで両社は同じ製品です。
本機は、幅が狭い代わりに、奥行が699cmとなるため、470Lサイズとしては特殊です。
本機は、冷凍室の1段目にアルミトレイはありますが、温度センサーを利用したデリシャス冷凍には非対応です。
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結論的にいえば、間取りの問題がない限り、本機は控えた方が良いでしょう。
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【2020年10月】
【KXタイプ】(ミラー加工)
【498L】〈幅65cmサイズ〉
21・日立 R-KX50N
¥264,445 楽天市場 (1/19執筆時)
【567L】〈幅68.5cmサイズ〉
22・日立 R-KX57N
¥264,000 楽天市場 (1/19執筆時)
一方、日立は、HXタイプより上位となる、KXタイプ・WXタイプの展開があります。
KXタイプは、下位機種と比較すると、両シリーズは、【ぴったりセレクト】といく機能が搭載されます。
簡単に言うと、冷凍室と野菜室の部分を任意の組み合わせに換えられる仕組みです。野菜室を使わない場合は、野菜をメイン室に入れて使うようなイメージです。
便利なようですが、野菜室について、野菜を眠らせて保存する新鮮スリープ保存が機能としてないので、この部分は、イマイチでしょう。
そのかわり、「うるおい野菜」という機能がありますが、こちらは、冷気を直接的にあてずに鮮度を保つという別の仕組みで、機能面では下位です。
結論的にいえば、全てにおいて上位とは言えない仕様ですし、Atlas的にはイマイチに思えます。
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【2020年10月】
【WXタイプ】(ミラー加工)
【735L】〈幅88cmサイズ〉
23・ 日立 R-WXC74N
¥415,000 楽天市場 (1/19執筆時)
【615L】〈幅75cmサイズ〉
24・日立 R-WXC62N
¥356,071 楽天市場 (1/19執筆時)
さらに、最上機となるのがWXCタイプです。
WXタイプは、ラグジュアリー仕様の大型タイプです。
下段2段が、海外製の高級冷蔵庫のように、電動引き出しになります。
その上で、スマホ(日立冷蔵庫アプリ)に対応する「コネクテッド家電」であるのが違いです。
ただ、日立のアプリは、閉め忘れチェックくらいしか、便利な機能がないので、対応は不要かと思います。
正確には、開閉センサーに連動する「見まもりサービス」はありますが、月500円です。正直、このようなものは、類似の機能を搭載する他社家電をみても、無料でできるシステムにするすべきでしょう。
ただ、有償ながら、ルーターレンタル・訪問設定サービスがデフォルトであるのは、あまり詳しくない方には良い部分で、それなりのニーズはありそうです。
本機については、日立の「売り」となっている、「まるごとチルド」機能が非搭載です。
設計上不可能だったのかもしれませんが、本機は、旧来の上位機が採用してきた「真空チルド」です。
ストッカーの空気をポンプで抜き、0.8気圧にしつつ、1度前後ででチルドするという方式で、10年来の日立の「おはこ」でした。
これも、生肉・生魚と、ハム・チーズが共存できる方式であり、他所のように(最大)マイナス3度になる必要がない分、不意に凍ってしまいにくいという大きな利点もありました。
現在でも、他社と比べると優秀なチルド機能だとは思うのですが、Atlasとしては、最上位機=最先端ではない点で、残念感があります。
【2020年10月発売】
【502L】〈幅68.5cmサイズ〉
25・シャープ SJ-AF50G
¥230,000 楽天市場 (1/19執筆時)
定格内容量:502L
冷蔵室:259L〈198L〉
冷凍室:129L〈86L〉
野菜室:73L〈49L〉
製氷室:21L〈6L〉
特別室:20L〈11L〉
年間消費電力:250Wh
SJ-AF50Gは、シャープの最新機では、最上位機となる製品です。
シャープは、最上位機は、502Lクラスのみの展開となります。
デザイン性は、こちらも、ガラストップを採用しており、綺麗です。
とくに、同社のコーポレートカラーである赤色のモデルは目を引きます。
定格内容量は、502Lです。
幅685mm×奥行699mm×高さ1833mmですので、設置場所は選ぶでしょう。
冷蔵室は、フレンチドア(観音開き)です。
本機の場合、ステンレスミスト冷蔵室です。
これは、冷蔵庫を開けた際に入る湿気をステンレスパネルが吸着しておき、乾燥時に放出するという仕組みです。乾燥対策に効果があるでしょう。
また、本機はモーターの力で、軽くふれると開く「電動アシストドア」です。
他社は、この方式を止めてしまったので、残っているのはこれだけでしょう。
冷凍室は、下段にあります。
シャープはフリーザーが大きめな部分が有名です。
最近は他社も大きいですが、3段式のメガフリーザーの使いやすさと収納性は、以前レベルが高く、収納力では目を引く部分があります。
その上で、温度センサーにより、食品の霜付きを防ぐ「新鮮冷凍」機能が付属です。
野菜室は、配置が変則的で、図のように右側にあります。
狭いように見えますが、二段ぶち抜きなので、収納力は他社と変わらない水準です。
ふたをして湿度を保つ方法は、日立に似ています。ただ、シャープの場合、5面輻射冷却で、ふたの下を雪下の環境に近い状態にすることで、鮮度を保つ仕組みです。
低温下に野菜を置くと、野菜のデンプンが糖に分解されるため、ニンジン・ジャガイモ・白菜などについて、野菜の甘みがアップします。
雪国の人が、雪の中に野菜を保存する雪室とおなじ発想です。
チルドルームは、「プラズマクラスターうるおいチルド」を搭載です。
マイナスイオンを吹き付けることで、雑菌を抑える仕組みです。ただ、鮮度を保つような工夫が他社より決定的に欠けており、生肉・生魚を1週間持たせるようなことは、不可能です。
特別室は、冷凍室として利用できるほか、「タイマー冷凍」として、30分間食材を冷却する機能があります。
急な来客の際、ビールなどを冷やすなどの使い方でしょう。
一方、面白いのは、製氷機能です。
この機種は、他社よりも大きめの(疑似的な)ロック製氷ができます。
電気代は、一方、パナソニックと同様に、かなり多くのセンサーをAIが判断しての節電に対応します。
ただ、センサー数としての徹底度は、引き続きパナソニックがやや上でしょう。
清潔性の面では、同社のプラズマクラスターイオンが利用されます。
ネットワーク機能は、同社はかなり優れます。
本機は、シャープの「COCORO KITCHEN」搭載ですので「しゃべり」ます。
同社は、コネクテッド家電にかなり力を入れており、本機もWi-Fiを内蔵し、また、音声会話機能が付属です。
利便性の面では、指定したスーパー5店舗の特売情報の通知や、特売情報に連動したレシピの表示などができます。
まだ、冷蔵庫の食材から料理を提案するレベルにはないとはいえ、現状では「最も実用的」なAIです。
そのほか、献立検索、他社にみられた見まもり機能などが利用できます。
1・中型スチームオーブンの比較記事
2・マルチクッカーの比較記事
3・ドラム式洗濯機の比較記事
なお、このブログの以上の記事で紹介している、シャープの「ココロボ」搭載の家電相互と、本機は連動可能です。
冷蔵庫搭載の液晶は大きめなので、中身の食材を見つつ、レシピをレンジに転送したり、という使い方です。
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以上、シャープのSJ-AF50Gの紹介でした。
チルドは決定的に弱いです。
しかし、メガフリーザーや、大きい氷の製氷機能、特別室の「タイマー冷凍」など、独創的な面白い機能があります。
こうした点から言えば、お酒を飲み、お酒のつまみなどはよく作るが、普段は冷凍食品中心というご家庭のニーズに合いやすいでしょう。
節電アシスト機能もしっかりしているため、そう頻繁には冷蔵庫を開けないご家庭には特に向きます。
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【2020年10月発売】
【502L】〈幅68.5cmサイズ〉
26・シャープ SJ-AW50G
¥212,000 楽天市場 (1/19執筆時)
27・シャープ SJ-F502F
¥148,000 楽天市場 (1/19執筆時)
なお、シャープは、同じく502Lクラスの下位機種として、以上の2機種があります。
SJ-AW50Fは、「中位機種」と言える製品です。
観音開きをやめて、左右どちらからでも開けられる「どっちもドア」を採用しています。
シャープの伝統の仕組みですが、この場合、電動アシストドアは不採用です。
また、冷凍庫について「新鮮冷凍」機能が付かないほか、液晶モニターがないです。
従って、レシピの表示などの便利機能がなく、AIは、「喋るだけ」です。
SJ-F502Fは、廉価版扱いの製品です。
本機の場合、コネクテッド家電ではないほか、うるおいチルド・ステンレスミスト冷蔵室・ロック製氷機能が省略です。
その分だいぶ安いのですが、シャープらしい機能がほぼ省略されてしまっており、大きめのメガフリーザーくらいしか、見所がないです。
最後にも書きますが、基本的に大型冷蔵庫は、最上位機かそれに近い製品と、そうでない製品の差が、他の家電に較べて大きいです。
また、新技術が、年数を経ることで、下位機種に降りてくることも希で、下位機種はいつまで経っても(電気代はともかく)「10年前と変わらない機能」ということも多いです。
一度買うと長く使うものなので、基本的には、その年の「上位機」をAtlasはオススメしています。

【2020年5月発売】
【461L】〈幅65cmサイズ〉
28・東芝 GR-S460FZ
¥159,800 楽天市場 (1/19執筆時)
【508L】〈幅65cmサイズ〉
29・東芝 GR-S510FZ
¥163,800 楽天市場 (1/19執筆時)
【551L】 〈幅68.5cmサイズ〉
30・東芝 GR-S550FZ
¥179,700 楽天市場 (1/19執筆時)
【601L】〈幅68.5cmサイズ〉
31・東芝 GR-S600FZ
¥187,000 楽天市場 (1/19執筆時)
定格内容量:461L
冷蔵室:246L〈178L〉
冷凍室:83L〈53L〉
野菜室:103L〈68L〉
製氷室:18L〈6L〉
特別室:21L〈12L〉
年間消費電力:240Wh
FZシリーズは、東芝ライフスタイルから販売されている、プレミアムな冷蔵庫です。
デザイン性は、東芝の場合も、トップグレードのこちらは、ガラストップを採用しており、綺麗です。
定格内容量は、461Lから、601Lまで4段階で用意されます。
ポイントは、508Lでも幅が65cmで済む点です。
日立に次いで、このサイズでは収納力があります。
冷蔵室は 、フレンチドア(観音開き)です。
一方、日立の高級機のように「全面チルド」ではないです。
しかし、他社と違い、上下に冷却器を持つ東芝冷蔵庫のパワーを活かして、水分を含む冷気を冷蔵室を送り込めるため、冷蔵室が乾燥しにくいというメリット性があります。
約85%の高湿度を保てるので、「うるおい冷蔵室」と呼びます。
冷凍室は、下段にあります。
東芝の場合、冷凍庫の出力が強力で、マイナス18度をキープさせます。
そのため、冷凍ご飯などへの「霜付き」が他機よりも少なく、解凍時に美味しいというメリットがあります。
東芝は、冷却器が上下に2つあるため、下段のパワフルに冷却できています。
野菜室は、中段です。
伝統的に東芝の「強い部分」とされており、レビュー紙でもかなり評価されます。
ただ、ここまで見てきたように他者の追い上げも凄まじいですが、実際、ひきつづき優秀です。
ポイントは、「ミストチャージユニット」で、実際に冷気から取り出した水分を野菜室に集中的に送る仕組みで、保湿します。
むろん、結露しそうな場合は、野菜が水腐れしないよう、それを回収します。
先述のように、パナソニックも類似の調湿機構を持ちます。ただ、そちらは、野菜室庫内に完結する仕組みなので、東芝の方が高度でしょう。
実際、東芝は、湿度95%以上という数値を示せています。
その上で、エチレンガスを分解するため、Ag+フィルターとセラミック光触媒フィルターを搭載します。
東芝は、以前は、この用途では、日立同様の「プラチナ触媒」でしたが、改善してきました。
野菜室性能では「絶対他社に先をいかせない」という、東芝の意地を感じます。
ちなみに、果実(リンゴやバナナ)は、エチレンガスがないと完熟しにくいので逆効果です。日立もそうですが、エチレン利用を表明する機種については、野菜室以外に入れましょう。
チルドルームは、2段式で、収納力が高いです。
また、チルドはいくつかの選択肢があります。
第1に、氷結晶チルドモードです。
食品を入れた後、湿度(うるおい)を食材表面に吹き付けてから急冷することで、食材の上に、氷の膜を作ることで、長期保存をなすという発想です。肉・魚にラップしてOKです。
空気中の水分を多量に利用する方式で、しかも、チルドは中身は凍っていないわけで、衛生的な心配を感じましたが、72時間後の除菌率99%のLED除菌機能で、清潔性を高めているとのことです。
結果、お肉で10日間という、三菱電機とともに「最長」となる、スペックを出しています。
第2に、速鮮チルドモードです。
上下の冷却器から、大風量を吹き付けることで「スピード冷却」ができます。
一気に、マイナス4度まで下がるため、今すぐ冷やして食べたい、(買ってきたばかりの)お刺身や、温いビールなどの冷却に便利です。
第3に、解凍モードです。
その上、大風量を活かした、急速解凍にも利用できます。これらは、チルド室の機能を超えますが、新しい提案として面白いです。
一方、仕組み的に、どれも、チーズなどとの共存は無理でしょう。
特別室は、製氷機の横で、「切り替え冷凍室」となります。
野菜などをゆっくり凍らせることと、ご飯などを一気に凍らせることを選択できます。
ただ、三菱電機のようにAIを利用して、自動に判断してくれるような機能は不採用です。
急な来客の際、ビールなどを冷やすなどの使い方でしょう。
電気代は、一方、開閉センサーを使うエコ運転ができます。
消費電力量のスペックは悪くないですが、他社比べて、徹底しているとも言えません。
清潔性の面では、マイナスイオン系は使われませんが、先述のように、光触媒の利用など、配慮があります
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以上、東芝のFZシリーズの紹介でした。
引き続き「野菜の鮮度保持」については、他社よりかなり優秀です。
チルド室も、二段で使える上、氷結晶チルドという新しい工夫が見どころです。
肉が10日間保つというスペックは、三菱と並びました。
一方で、お刺身など、洗ったり、焼いたりしない、非加熱食品を入れておくような場合、自己精製した氷をつかう方法は、少し、論争的にも思えます。
ただ、ラップして使うのがが前提で、LED除菌もなされます。また、収拾したうるおいを(氷ではないにせよ)利用する形式は、高級冷蔵庫では一般的です。
しっかり製品化されているわけですし、これは「不要な心配」ということでしょう。
いずれにしても、野菜の鮮度を最大級に考えるならば、本機は、とても良い選択肢です。
【2020年5月発売】
【676L】〈幅91.2cmサイズ〉
32・LG GR-Q23FGNGL
¥918,000 楽天市場 (1/19執筆時)
定格内容量:676L
冷蔵室:439L〈342L〉
冷凍室:〈53L+50+45L〉
野菜室:〈36L〉
製氷室:〈6L〉
特別室:〈3L〉
年間消費電力:616kWh
GR-Q23FGNGLは、韓国のLGエレクトロニクスが、LG SIGNATURE InstaView Door-in-Doorとして販売する冷蔵庫です。
日本国内で販売されている冷蔵庫としては「最もプレミアム」でしょう。
デザインは、相当独特です。
本機の右上はガラス窓です。
普段は何も見えない状況です。ただ、ガラスを2回ノックすると、ライトが点灯し、冷蔵庫を開けずに、中身が確認できる仕組みです。
電気代の節約のためですが、この部分だけ見れて意味があるは論争的でしょう。
ただ、その部分だけ開けられるので、ミニ冷蔵庫的に利用するには便利、という設計です。
また、足もとに人感センサーがあり、照度が暗い際、人間が近づくと、自動で足もとのライトがつき、右側の扉が開きます。「夜中になにか飲みたくなった際」に便利です。
定格内容量は、676Lのワンサイズ展開です。
912×754×1,784mmという寸法です。
幅が91.2cmですので、設置できる場所は限られます。
冷蔵室は 、フレンチドア(観音開き)です。
冷却器は上部にあり、手前に向かって空気が降り注ぐような構造にしています。
扉を開けたときに、これは、冷気が外に漏れないようにする工夫です。
冷凍室は、先述のように、下段全体です。
3段の構成で、総計で148Lの実収納力です。
国内最大の502Lクラスのシャープのメガフリーザーの実収納力が86Lなので、これは、業務用クラスでしょう。
それ以上に細かい機能的工夫はないですが、庫内は、最低でも-13度以下と低温冷凍が可能です。
野菜室は、冷蔵室中段にケースとして内蔵されます。
視認性は良いですが、うるおい保持など、日本製品のような工夫はないです。
また、実収納力も少ないです。
チルドルームは、野菜室の下部です。
フレッシュケースとして、温度を切り替えて利用できる仕組みです。
ただ、0度〜10度の幅なので、肉を一週間保存など、日本メーカーのような機能性はないです。
特別室は、そのまた下にユーティリティルームとしてあります。
4Lサイズと小さく長細いエリアですが、温度範囲は、チルドと同じで0度〜10度です。
そのため、冷蔵室の延長としての利用です。
製氷室は、本機の場合、製氷ケースが付属するような仕組みです。
自動製氷ではなく、つまみを回してケースに落とします。やや、アナログです。
電気代は、一方、年間消費電力量が616kWhですので良くないです。
他社の600Lクラスだと、250kWh位なので4倍ほど、年間30000円前後でしょう。
清潔性の面では、庫内を4段階フィルターで、除菌、脱臭する仕組みがあります。
紫外線と光触媒を利用する方式のようです。
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以上、LGのGR-Q23FGNGLはの紹介でした。
近未来的な仕様で、挑戦的な製品で、同社らしいです。
ただ、冷蔵庫としての本質的な部分では、イマイチに思える部分があり、その部分で、イマイチ話題になっていないようにも思えました。
とはいえ、中身が確認できる仕様は、実際の節電性を高められる工夫ですし、将来性を感じます。
次回に続く
最新の3ドア冷蔵庫のおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今日は、各社の最新の3ドア冷蔵庫を紹介してきました。
しかし、記事は、もう少しだけ「続き」ます。
・AQUA AQR-TZ51J
・AQUA AQR-VZ43K
・AQUA AQR-VZ46K
1・電気代の安さ ★★★★☆
2・冷蔵室の工夫 ★★★★★
3・チルド機能 ★★★★★★
4・野菜室の工夫 ★★★★★
5・冷凍の工夫 ★★★★☆
6・総合評価 ★★★★★
続く後編記事(こちら)では、アクア(旧三洋電機)の冷蔵庫を紹介します。
その上で、今回紹介した全製品から、目的別にAtlasのオススメ機種を提案していきたいと思います。
ひきつづき、よろしくお願いします。
後編記事は→こちら
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ではでは。