【今回レビューする内容】2022年 安いが高性能!新型エアコンの性能とおすすめ・選び方:高級・ハイエンドエアコン編
【比較する製品型番】パナソニック エオリア EXシリーズ CS-EX222D-W CS-EX252D-W CS-EX282D-W LXシリーズ CS-LX222D CS-LX252D CS-LX282D CS-LX362D Xシリーズ CS-X221D CS-X222D CS-X252D CS-X282D CS-X280D 富士通ゼネラルノクリア Zシリーズ AS-Z222M-W AS-Z252M-W AS-Z282M-W Xシリーズ AS-X222M-W AS-X252M-W AS-X282M-W 富士通ゼネラル ゴク暖 AS-ZN252M AS-DN222M AS-DN252M
今回のお題
最新のエアコンで、最もお得でオススメな機種はどれ?
ども、Atlasです。
今日は、2022年5月現在、最新のエアコンを比較しています。
1・格安エアコンの比較 (1)
1-1:パナソニック
1-2:ダイキン
1-3:日立
予算:3万円〜10万円
2・格安エアコンの比較 (2)
2-1:富士通
2-2:三菱重工
2-3:三菱電機
2-4:東芝
予算:3万円〜10万円
3・格安エアコンの比較 (3)
3-1:シャープ
3-2:アイリスオーヤマ
3-3:コロナ
予算:3万円〜10万円
4・高性能エアコンの比較 (1)
4-1:パナソニック
4-2:富士通
予算:10万円〜30万円
5・高性能エアコンの比較 (2)
5-1:ダイキン
5-2:シャープ
5-3;日立
予算:10万円〜30万円
6・エアコンのおすすめ 【まとめ】
=結論としておすすめ機種を提案
前回までの記事までで、10万円以内で買える各社のエアコンをは全機種みました。
4回目記事となる今回は、10万円を越える高性能エアコンのうち、パナソニック・富士通の製品を紹介します。
最上位機に、特殊なコンセント工事が必要になる単相200Vのエアコンしかないメーカーの製品を除けば、上位機はだいたい網羅しました。
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なお、(コンセントを含む)「エアコンの基本的な選び方」については、1回目の記事(こちら)の冒頭で説明しました。
お時間のある方は、そちらからお読みになると分かりやすいかと思います。
よろしくお願いします。
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冷房能力 ★★★★★
暖房能力 ★★★★★
気流制御 ★★★★★
スマホ連携 ★★★★★
異常気象対応 ★★★★★
カビ臭対策 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
以下では、いつものように、各機種を一機ずつ比較していきます。
その上で、最後に「結論」として、上表の様なポイントから、予算別・目的別に、Atlasのおすすめ機種!を提案する形式で書いていきます。
4-1・パナソニックの高性能エアコン
はじめに、パナソニックの高性能エアコンです。
各社とも高級機は、「オリジナル機能」を付けますが、パナソニックは、総合家電企業らしく、どの機能もバランス良く強化しているイメージです。
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なお今回も、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチな部分を青字で記します。
【6畳向き】
【2022年】
1・パナソニック CS-EX222D-W
¥104,444 楽天市場 (5/21執筆時)
【2021年】
1・パナソニック CS-EX221D-W
¥88,867 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.5kW (0.4〜4.8)5〜 6畳
冷房能力:2.2kW (0.5〜3.1)6〜 9畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:108% (682kWh)
年間電気代:18,414円
【8畳向き】
【2022年】
2・パナソニック CS-EX252D-W
¥129,500 楽天市場 (5/21執筆時)
【2021年】
2・パナソニック CS-EX251D-W
¥81,900 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.5kW (0.4〜4.8)6〜 8畳
冷房能力:2.2kW (0.5〜3.2)7〜 10畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:100%(815kWh)
年間電気代:22,005円
【10畳向き】
【2022年】
3・パナソニック CS-EX282D-W
¥128,177 楽天市場 (5/21執筆時)
【2021年】
3・パナソニック CS-EX281D-W
¥104,755 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.4〜5.0)8〜 10畳
冷房能力:2.8kW (0.5〜3.2)8〜 12畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:100% (913kWh)
省エネ達成率:100%(913kWh)
年間電気代:24,651円
こちらは、パナソニックのEXシリーズです。
本体の外観がノイズレスデザイン(=空間に調和しやすいシンプルなデザイン)で、中級機の中ではスマートな外観名機種です。
機能面でも、同社の中位機のなかでは(下位機種とわかりやすい違いが多いので)「売れている機種」です。
なお、6畳用だけは(誤差のレベルではありますが)省エネ達成率が108%で、少し電気代がお得です。
一方、時期的に2021年モデルが一部サイズで残っています。
今年度は、室外機のコンプレッサーの改良があり、外気温50度までの冷房が効くようになりました(従来46度)。
エアコンの場合、交換された熱が室外機から出るのでベランダなどは割と熱くなります。最近の酷暑で、各社ともこの部分にメスを入れることが多くなりました。
このほか、2020年機については、除湿時に温度を下がりにくくする「快適除湿(パーシャル制御)」とナノイーXの改良がありました。
これらについては、後ほど詳しく説明します。
暖房能力は、6畳用が最大4.8w、8畳用が最大4.0w、12畳用が最大5.0wです。
冷房能力は、6畳用が最大3.1w、8畳用が最大3.1w、12畳用が最大3.2wです。
前半で見た10万円以下の同社の機種と比較して、冷房・暖房とも強力化しています。
ただ、パナソニックのこの価格帯の中級機の場合、どちらかと言えば、暖房能力の高さが注目で、他社より能力が相当上です。
一方、冷房については、1回目記事でみた10万円以下の下位機種とさほど変わらないので、どちらかと言えば、暖房中心に考えた場合良い選択肢と言えます。
気流制御も、どちらかと言えば、暖房に力を入れます。
冷房については、フルワイドフラップを活かした天井シャワー気流を出せます。
風力の点では他社機により強い機種はあります。
暖房については、一方、足もとに約35℃温風を出せる、パワフルな吹き出しが可能です。
除湿については、本機については言及に値します。
2022年機からパーシャル除湿を新搭載したからです。
夏以外の時期などに(洗濯物などの乾燥のため)除湿だけを行う時、除湿運転をすると部屋の温度が下がります。
本機は、熱交換器の一部だけを利用することで、温度低下を防ぎます。
(電気代がかかる)ヒーターを使う再熱除湿を除けば、各社と通しても効率的な仕組みだと思います。
センサーは、明るさセンサーが搭載されます。
ここも快適にかかわる部分ですが、どちらかと言えば、節電のために搭載しています。
センサー部分で言えば、パナソニックは、室温センサーやひとセンサーのデータを含めて、AIが部屋の形状や利用法を「推理」し、効率よく運転する機能が付属します。
センサー部分は、パナソニックが得意とする分野で、中級グレードのこの機種でも充実します。
自動お掃除機能は、搭載になります。
パナソニックの上位機は、基本、ゴミ捨て不要で、ホース経由で屋外にホコリを自動排出する仕組みです。
この場合、(忘れがちな)ゴミ捨ての手間もないため、とても便利です。
1日1回定期的に自動で掃除しますが、掃除中に(うるさいなどの理由で)勝手に止めると、ダクトが詰まっていくので注意しましょう。なお、排気ダクトは上図の様な専用品もありますが、「ホースの先にノズル」という簡単な設置も可能です。
なお、2021年機からは、ホース式だけでなく、(工事の際に)他社のようなダストボックス式に変更できるようになりました。マンションなどで、室外機までの経路が複雑な隠ぺい配管になっている場合も設置できます。
清潔性の部分では、清潔面では、油ホコリにも対応できる熱交換器のコーティングのほか、高温加熱乾燥とほか、ナノイーXによる、トリプルの対策があります。
ナノイーXは、下位機種にも搭載がみられました。
繰り返せば、ペルチェ素子を利用したマイナスイオン放出機能です。
実空間でのカビ対策効果については議論があるでしょうが、本機の場合、内部の熱交換器に向かって放出するので、ある程度カビの抑制効果を期待とできます。
パナソニックの場合、ナノイーの放出量でランクがあるのですが、本機はナノイーX 46兆なので、最高グレードです(旧機種は9.6兆)。
なお、マイナスイオン放出機能は、ナノイーほか、シャープのプラズマクラスターもですが、ご家庭の他の空調系家電も持つ場合があります。
本機は能力が強いので(詳しいデータは非開示ながら)低濃度オゾンの発生量は(むろんJIS基準内において)多めと思われます。
単独で利用する場合は全く問題ないですが、発生機能を持つ他の家電との併用時は、(オゾンは濃度の面を)すこし気にしても良いかと思います。
空気清浄は、本機は、搭載です。
2年の消耗品となるフィルターが付属しますが、捕捉率において80%です。
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ネットワーク機能は、本機も「搭載」です。
外出中などに制御することも可能です。
一方、パナソニックは、AIモードが搭載ですが、これは、シャープのようにクラウドを利用するIOTという意味ではないです。先述の明るさセンサーなどを利用して、節電運転をする機能を意味します。
酷暑対応については、50度の対応であり、業界最高級です。
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以上、パナソニックのEXシリーズの紹介でした。
魅力は、「暖房の強さ」「ネットワーク対応」「清潔性能(カビ対策)」「除湿時の快適さ」の部分です。
他社にも、こうした機能を一部持つ機種があります。しかし、本機のように、型落ちだと例年比較的安くかえる機種のなかでは、能力のバランスが良い機種です。
デザイン面も、突起部分がないノイズレスデザインですし、この価格帯の製品のなかでは、オススメと言える機種の1つです。
【6畳向き】
【2022年】(2021年10月発売)
4・パナソニック CS-X222D-W
¥178,077 楽天市場 (5/21執筆時)
【2021年】(2020年10月発売)
4・パナソニック CS-X221D-W
¥177,000 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.5kW (0.4〜5.7)5〜 6畳
冷房能力:2.2kW (0.3〜3.6)6〜 9畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:124%(586kWh)
年間電気代:15,822円
【8畳向き】
【2022年】(2021年10月発売)
5・パナソニック CS-X252D-W
¥191,335 楽天市場 (5/21執筆時)
【2021年】(2020年10月発売)
5・パナソニック CS-X251D-W
¥188,000 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.5kW (0.4〜6.2)6〜 8畳
冷房能力:2.2kW (0.3〜3.7)7〜 10畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:122%(676kWh)
年間電気代:18,252円
【10畳向き】
【2022年】(2021年10月発売)
6・パナソニック CS-X282D-W
¥190290 楽天市場 (5/21執筆時)
【2021年】(2020年10月発売)
6・パナソニック CS-X281D-W
¥198,000 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.4〜7.1)8〜 10畳
冷房能力:2.8kW (0.3〜4.5)8〜 12畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:124%(746kWh)
年間電気代:20,142円
Xシリーズは、パナソニックの最上位機です。
EXシリーズと比べると、本機は「省エネ対応機」です。
省エネ達成率が良いので、年間を通してエアコンを利用する場合、約4000円ほどの節電効果が期待できます。
パナソニックは上位モデルは、前年の秋に出すので、旧機種が多く残ります。
新旧の最も大きな違いは、EXシリーズと同じでパーシャル除湿の新搭載と「新ナノイーX」に変わった部分です。
パナソニック CZ-SAF14
¥4,440 Amazon.co.jp (5/21執筆時)
一方、Xシリーズについては、2021年機までは、アクティブクリーンフィルター(CZ-SAF14)という、ホコリ捕捉率が99%(2年寿命)と、なかなかなフィルターを装備していました。
しかし、2022年機では「ざっくり省略」し、捕捉率80%の普通のフィルタになりました。ただ、個人的には、この方向性で良いかと思います。
というのも、ニオイの脱臭ができなかったほか、床近くを舞う花粉に対応できないので、空気清浄において、補助的な意味しかなったからです。
ただ、「あって損はない」とは言えますし、補助的な意味はあるといえます。
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結論的にいえば、除湿の強化は、北陸など梅雨や長雨の時期の除湿が有効な気候の地域には向くとは言え、この値段差ならば、旧機種でも良いかと思います。
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機能面は、上でみた、EXシリーズとかぶる要素も多いので、それよりも強化されている部分を中心に紹介します。
第1に、新・エネチャージ システムです。
これは、室外機のコンプレッサの熱を回収・蓄熱する仕組みです。
暖房の際は、「霜取り運転」中でも間断なく温風を出す「極上暖房」が利用できます(エネチャージノンストップ暖房)。
除湿(冷房)の際は、不要に温度を低下させず、設定温度をキープしつつ除湿するために利用します。
第2に、センサーの部分です。
本機については、明るさ(日射)センサーのほか、ひと・ものセンサーと温冷感センサーが追加で装備されます。
ひと・ものセンサーは、人の動きを感知する人感センサーですが、3機搭載することで、家具などの配置や、人の動きも分かるようにしている点で高度です。
温冷感センサーは、表面温度を測るサーモ(温冷感センサー)のことです。
検知した「ひと」の表面温度を測るために搭載されます。
これら、3つのセンサーを、搭載されるAIが解析し、快適度を落とさず自動で節電することが可能です(AI快適おまかせ)。
センサー部分は、以前は(カメラセンサーを使う)日立が優れていましたが、パナソニックもこの仕組みで、追いついたと言えます。
第3に、ロング気流対応です。
フラップやファンの工夫で、最大15Mと相当遠くまで風が飛ぶようになりました。
この部分が、基本性能の部分では最も意義深いパワーアップでしょう。
そのほか、フラップが大きく、左右のルーパーの数が多いので、優秀なセンシングを活かして、快適な風をいきわたすことができると言えます。
その上で、本機の場合、暖房能力や冷房能力が下位機種より優れます。
コンプレッサ駆動改良で、最大冷房出力が0.2kWほど向上しています。
冷房の立ち上がりも15%スピードアップしています。
さらに本機は、冷房・除湿の制御について、設定温度(設定湿度)で冷房が止まらない仕様です。
先述の「エネチャージ」技術を活かした形です。電気代の面でも、オンオフをしない分、10%省エネとなります。
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以上、Xシリーズの紹介でした。
値段差が大きいものの、EXシリーズより、利用時の「快適性」が高まっています。
とくに、エアコンとして重要な「設定温度キープ」の部分で優れるので、(予算があれば)その部分で本機を選ぶのは良いかと思います。
また、このシリーズは、気流の飛びが良いので、広いリビングで使う場合の快適性も上位でしょう。
【6畳向き】
【2022年】
7・パナソニック CS-LX222D-W
¥252,450 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.5kW (0.4〜6.2)5〜 6畳
冷房能力:2.2kW (0.3〜3.6)6〜 9畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:124%(612kWh)
年間電気代:16,524円
【8畳向き】
8・パナソニック CS-LX252D-W
¥262,350 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.5kW (0.4〜6.2)6〜 8畳
冷房能力:2.2kW (0.3〜3.7)7〜 10畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:122%(676kWh)
年間電気代:18,252円
【10畳向き】
9・パナソニック CS-LX282D-W
¥272,250 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.4〜7.1)8〜 10畳
冷房能力:2.8kW (0.3〜4.5)8〜 12畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:124%(746kWh)
年間電気代:20,142円
【12畳向き】
10・パナソニック CS-LX362D-W
¥282,150 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.3〜7.1)8〜 10畳
冷房能力:2.8kW (0.4〜4.8)8〜 12畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:134%(915Wh)
年間電気代:24,705円
LXシリーズは、パナソニックの今年度の最上位機です。
多くの新機軸が加わった新型です。
暖房能力と冷房能力は、基本的に下位機と同じ水準です。
6畳用については、100V 20A機になので、下位機より少しパワフルであること、12畳用は、暖房については、10畳用とパワーが変わらないことに注意すればOKです。
気流制御・センサーなど、利便性・快適性にかかわる上位機能は、Xシリーズと共通します。
一方、本機のみ搭載となる、最上位機能は、以下の通りです。
第1に、換気機能です。
この機能は、これまでダイキン機の「十八番」でしたが、パナソニックも今年から採用しました。
普通のエアコンは、熱は外に出しますが、空気自体は外から取り入れていないので換気機能はないです。そのため、マンションには(ロスレス換気を含め)換気扇が備わるわけです。
一方、コロナ禍で換気の重要性が喚起されているわけですが、本機は、熱交換ホースのほか、給気ホースを備えるため、外の空気を取り込めます。
給気換気式と言いますが、外の空気が入る分、(換気口など)どこからか喚起されていくだろうというものです。
もともと、換気システムが備わるマンションなどは不要でしょうが、そうでないならば便利です。
換気量は、後発の利点で、どのモデルも30㎥/hですので、後ほど見るダイキン機より、10%前後は性能が上です。
換気については、冷暖房を利用しない送風運転時も可能です。
先述の、マイナスイオンである、ナノイーX 46兆も放出されるので、ナノイー発生機としてもオフシーズンに利用できます。
なお、エアコンの用途性からあまりいないとは思いますが、ストーブなど燃焼系の暖房器具を利用する場合は、給気換気方式だと、二酸化炭素濃度が十分落ちないため、窓開けなど、別の換気法との併用が必要です。
これは、ダイキン機の場合も同じです。
第2に、給水レス加湿です。
給気ホースを応用したもので、やはり、ダイキンの技術の後追いになります。
このブログの【除湿機の比較記事】でみた方式から言うと、触媒(吸湿素材)を使うゼオライト式に似た仕組みを使います。集めた空気中の水分を、室内に還元するという仕組みです。
触媒は、ゼオライトではなく、効率の良い新しい高分子収着材を採用しており、利用に足る水分量を空気中から捕まえます。
一方、加湿量は8畳クラスまでで480mL/h、10畳で560mL/h、12畳で610mL/hです。
【加湿器の比較記事】で紹介した水タンク式の専門機と同等以上の加湿量で、適応畳数に応じて、しっかり加湿できます。
むろん、外気が極度に乾燥しているなどの場合は、加湿量は減ります。
一方、これら機能は便利ですが、自動お掃除機能の部分は注意点です。
先述のように、Xシリーズまでは、屋外ホースなどにより自動お掃除のゴミが、ホース経由で外に自動排出されるユニークな仕組みがありました。
しかし、今回の新機種は、熱交換ホースのほか給気ホースも配管から出す関係で、このホースの取付幅がなくなってしまっています。
結果、ダストボックス式に変更です。1年1回の掃除でOKとされますが、1年ホコリを溜めておくのもあれですし、Xシリーズと甲乙はあり、どちらをとるか、という話になります。
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以上、パナソニックのLXシリーズの紹介でした。
給気換気と加湿ができる点が便利です。
この機能を先取り搭載していた後ほど見るダイキン機との比較は必要ですが、先述の「エネチャージ」技術で、暖房などが間断なく利用できる部分や、空気清浄機能の部分ではパナソニックが有利でしょう。
一方、酷暑・酷寒などの異常気象に対する対応力は、やはりダイキン機だと思います。
4-2・富士通の高性能エアコン
続いて、富士通ゼネラルの「ノクリア」の高級機です。
同社の高級エアコンは、風量や除湿機能に特色があります。
【6畳向き】
【2022年1月発売】
11・富士通ゼネラル AS-Z222M-W
¥152,247 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.6〜5.8)6〜 7畳
冷房能力:2.5kW (0.6〜3.4)6〜 9畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:120%(603kWh)
年間電気代:16,281円
【8畳向き】
【2022年1月発売】
12・富士通ゼネラル AS-Z252M-W
¥168,000 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.6〜5.8)6〜 8畳
冷房能力:2.5kW (0.6〜3.5)7〜 10畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:117%(706kWh)
年間電気代:19,062円
【10畳向き】
【2022年1月発売】
13・富士通ゼネラル AS-Z282M-W
¥181,117 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:3.6kW (0.6〜7.2)8〜 12畳
冷房能力:2.8kW (0.6〜4.1)8〜 10畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:118%(706kWh)
年間電気代:21,033円
Zシリーズは、富士通ゼネラルの「ノクリア」の高級ラインのエアコンです。
暖房能力や冷房能力は、例えば、6畳用でも、最大5.8kw、最大3.5kwです。
今回紹介した機種では、どのサイズについても、「最強」です。
とくに、冷房能力には、見るべきものがあるため、とにかく「冷房重視」の小型エアコンを探している場合は、「富士通の指名買い」でも良いでしょう。
除湿については、富士通は、一般的なソフトクール除湿(弱冷房除湿)ほか、ヒーターを併用することで、温度が低下しにくい、再熱除湿機能も選択可能です。
ようするに、「除湿はしたいが、部屋を冷やしたくない」というニーズに応えるためヒーターで空気を暖める機能です。
昔から同社の上位機につく機能ですが、今回は設定温度到達前に自動で「再熱除湿」に移行する「さらさら冷房」という機能が追加されました。
ただ、この機能は、吹き出し口から「熱めの空気が出る」ため、風に当たるような使い方だと不快な場合はありえます。
なお、除湿部分については、後ほどみるダイキンのほうが割と高度です。
ただし、10-12畳用だけは、コンセントが100V・20Aで、特別なエアコン用のコンセントが必要です。その点は注意してください。
なお、同じ適応畳数(能力)で、暖房と冷房が(他機より)強いというのは、それだけ、冷暖房の効率が良く、省エネという意味になります。
したがって、この機種は、100%を超える省エネ達成率となります。
達成率100%の機種と比較して、年間4000円前後の光熱費の差なので、10年利用するとして4万円程の違いです。
気流制御は、富士通の場合、スマートセンサーを利用する方式です。
「複眼ふく射センサー」、要するに、赤外線センサーを基本にしたもので、三菱電機の下位機種と同じです。
富士通ゼネラルの場合、搭載のAI学習により温度ムラ予測と体感温度予測を行うため、「ダブルAI機能」と呼んでいます。
その上で、下位機種に引き続き、強力ファンと独立ルーパーによって、風の届く範囲も相当広いため、形状が複雑な部屋や、縦長の部屋などへの対応力は、パナソニック以上に良いです。
この部分は、全く問題ありません。
自動お掃除機能は、搭載になります。
富士通は、エアコン掃除機の「元祖」ですが、(その分、メンテ性などの弱点も知っているのでしょうし)、数年間、最上位機に搭載をやめていました。
しかし、ユーザーレベルでこの機能に対する「信者」が多いためか、復活させています。パナソニックのような排出機構も、東芝のような掃除機対応などもなく、進化もイマイチです。
正直「不要」で、そのぶん安くすればと、思うのですが仕方ないでしょう。
清潔性については、下位機種同様に、熱交換器に防かびコーティングをなしています。
また、停止後に加熱除菌する機能もあります。
とくに2022年機からは、加熱除菌の際に、溜まった水分を55度のお湯にして洗い流す、という新機軸が加わりました。同社によると、カビ対策に お湯を使うことが効果的ということです。
なお、再熱除菌は、部屋の温度が上がるので夏場には不快なのですが、タイマー設定ほか、センサーによる不在検知で、留守中に行わせることは可能です。
ただ、その場合、(カタログにはっきり書いてないので不確かですが)お湯を使った洗浄にはならないでしょう。
空気清浄機能は、搭載です。
富士通ゼネラルの場合、電気を使って花粉などを帯電させてフィルターに吸着させる、上位のプラズマ空清を利用します。東芝も使っている方式です。
この方式は、エアコンのように大きなフィルタを入れるスペースがない場合に便利です。
捕捉率は92%と「そこそこ」です。
東芝のように熱交換器に付着させるのではなく、フィルタに吸着させる仕組みです。そのため、1年間に1度の洗浄メンテも必要です。
フィルタを買わなくて済む点で経済的な一方、手間はかかります。なお、この仕組みでも、ニオイの脱臭はできません。
とはいえ、先述のように、エアコンの空気清浄機能には、各社とも「限界」があるため、過度に力を入れすぎず、この程度でも十分かな、とは思います。
ネットワーク機能は、富士通も搭載します。
無線LANアダプタも内蔵です。外出先からの制御に対応します。
富士通は、2022年機からネット経由でのファームウェアの更新に対応できようにしました。こちらも良い部分です。
酷暑対応は、本機については、外気温50度まで対応と、現状における業界最高水準です。
寒冷地についても、(2022年については)外気温マイナス15度なので、ダイキンを除けばタフな製品です。
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以上、富士通ゼネラルのZシリーズの紹介でした。
流行りの「換気・加湿機能」や、暖房の切れ間を無くすパナソニックの「エネチャージ」など、他社ほど目立つ機能はない印象です。
ただ、サイズに比して「冷房が強力」で「風が強い」点など、基本的な部分において見どころは多いです。
同社の機種は、冷やすまでの時間が短いので、密閉性の高い住宅であるほど、省エネ効果が高いともいえそうです。
6畳・8畳用ではとくに、部屋が最も早く冷える機種だと言えます。
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【6畳向き】
【2022年2月発売】
14・富士通ゼネラル AS-X222M-W
¥178,191 楽天市場 (5/21執筆時)
【2021年】(2020年10月発売)
14・富士通ゼネラル AS-X221L-W
¥183,000 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.6〜5.5)6〜 7畳
冷房能力:2.5kW (0.6〜3.4)6〜 9畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:117%(621kWh)
年間電気代:16,767円
【8畳向き】
【2022年2月発売】
15・富士通ゼネラル AS-X252M-W
¥188,094 楽天市場 (5/21執筆時)
【2021年】
15・富士通ゼネラル AS-X251L-W
¥180,780 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.6〜5.5)6〜 8畳
冷房能力:2.5kW (0.6〜3.5)7〜 10畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:115%(717kWh)
年間電気代:19,359円
【10畳向き】
【2022年2月発売】
16・富士通ゼネラル AS-X282M-W
¥196,795 楽天市場 (5/21執筆時)
【2021年】
16・富士通ゼネラル AS-X281L-W
¥190,780 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:3.6kW (0.6〜7.1)8〜 12畳
冷房能力:2.8kW (0.6〜4.1)8〜 10畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:117%(790kWh)
年間電気代:21,330円
なお、富士通ゼネラルの「ノクリア」は、100W15Aの一般的な接続が可能な、小型最上位機 Xシリーズが選べます。
こちらも新旧両機種ありますが、違いは、Zシリーズの場合と同じ3点です。
基本的に値段で決めて良いかと思います。
暖房能力や冷房能力は、Zシリーズと比較する場合、冷暖房能力は(だいたい)同じほどです。
気流制御は、しかし、特長です。
本機は、左右に送風装置が内蔵されます。
熱交換器を通らないただの風ですが、風力がアップするため、相当に遠くまで風が飛びます(DUAL BLASTER)。
ようするに、連動型のサーキュレーターが内蔵されているようなものなので、空気のかくはん効果が期待できます。
一方、冷暖房能力自体が強くなるわけではない点は注意点です。適応畳数以内ならばOKでしょうが、それ以上に適応させようとする場合、せっかくの節電性能が半減します。
ネットワーク機能は、 本機も、無線LANが内蔵されます。
その上で、本機は、リモコンがBluetooth接続(RF)の据置型になります。
格好良いのですが、赤外線リモコンの送受信装置が付かない点は、【スマート家電コントローラーの比較記事】で紹介したような、製品を利用する方は注意点です。
ちなみに、富士通は、このモデルの初号機でも、無線送信式にして赤外線を外していたのですが、ないと不便でした。
清潔性の部分では、送風ファンにも抗菌・防カビコーティングがなされる点、リモコンと本体双方の温度センサーを利用して運転できる点、室外機が標準で塩害対策機である点などが、Zシリーズとの違いです。
その他の主要機能は、自動お掃除の部分を含めて、あまり変わりません。
【8畳向き】
【2022年】(2021年10月発売)
17・富士通ゼネラル ゴク暖 AS-ZN252M-W
¥202,024 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.6〜7.1)7〜 10畳
冷房能力:2.5kW (0.6〜3.5)6〜 8畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:118%(695kWh)
年間電気代:18,765円
ZNシリーズは、富士通ゼネラルの「ノクリア」のエアコンです。
最近CMでよく見る「ゴク暖」モデルです。
本機については、「寒冷地仕様」のエアコンです。
他社にも寒冷地仕様のエアコンはありますが、今回の記事ではあまり触れませんでした。
ただ、富士通はこの機種をかなり力を入れて宣伝しているため、取りあげています。
8畳クラスのみの紹介なのは、10畳用(AS-ZN282-W)・14畳用(AS-ZN402-W)が200V用で、本格的な工事が必要で、今回の比較対象からズレるからです。
ただ、機能面は同じなので、参考になるかとは思います。
暖房能力や冷房能力は、8畳用で、最大7.1kw、最大3.5kwです。
8畳用として売っているモデルでは、「ゴク暖」だけに暖かいです。
寒冷地仕様モデルとしても優秀です。
ただ、(本機は全国で宣伝していますが)下位シリーズ10畳用と比べると数値は同じほどというのが本機の注意点です。
つまり、冷房能力の面で「8畳用」だが、暖房だけ「10畳並」にして暖かくしているよ、という類のモデルです。これは200V用も同じです。
エアコンの本体サイズは畳数によらず同じで、本機の場合、室外機も同じなので、では、「10畳用を買うのと何が違うの?」という自問は必要です。
速暖力は、(10畳並の出力なので)応じて高いでしょう。
ただ、出されている温度は、200Vの14畳モデルのものなので、100V 20Aの8畳用機種で果たしてどうなのかがわからないです。
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結論的にいえば、ふだんマイナス10度を下回るような厳寒地を除けば、下位や他社機の10畳用を買う場合との違いは、省エネ性が少し良いという点でしょう。
(冷房が弱い分)期間電気代が少ないので、10年間で電気代が少し安いということになるでしょうが、冷暖房のバランスは良くないと思います。
とにかく、本機は、CMだけで判断せず、あくまで、寒冷地仕様として売っているモデルと理解してください。
気流制御は、このグレードは、センサー未装備ですので、X・Zシリーズに劣ります。
また、Xシリーズにみられた左右にむけた送風装置もありません。
自動お掃除機能は、搭載になります。
清潔性は、一方、Xシリーズにあるファンの防かび・抗菌コーティングが未採用です。
それ以外は同じです。
空気清浄機能は、本機もプラズマ空清を搭載です。
下位機種と同じです。
ネットワーク機能は、本機も搭載です。
酷暑対応は、一方、本機は50度、マイナス25度まで室外機が対応できます。
ダイキン機と同じ水準で、ここはポイントです。
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以上、富士通ゼネラルのZNシリーズの紹介でした。
「ゴク暖」はあくまで寒冷地仕様機であるとの理解が必要です。酷寒でも暖房ができる点が魅力の機種です。
逆に言えば、マイナス10度を下回らないような場所のメイン機としては、同社のXシリーズほかが良いでしょう。
寒冷地でない場所ではバランスが悪いので、かえって電気代がかかるでしょうから、パワフルな機種が欲しければ、素直に適応畳数を1つ高めたほうが賢いです。
一方、ダイキンの最上位機は、上位機能を省略せず寒冷地仕様に対応できているので、比較が必要です。
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【6畳向き】
【2022年モデル】(2021年10月発売)
18・富士通ゼネラル ゴク暖 AS-DN222M-W
¥128,000 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.2kW (0.6〜6.5)6〜 9畳
冷房能力:2.5kW (0.9〜3.2)6〜 7畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:112%(650kWh)
年間電気代:17,750円
【8畳向き】
【2022年モデル】(2021年10月発売)
19・富士通ゼネラル ゴク暖 AS-DN252M-W
¥129,694 楽天市場 (5/21執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.6〜6.5)7〜 10畳
冷房能力:2.5kW (0.9〜3.3)6〜 8畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:110%(751kWh)
年間電気代:20,277円
なお、DNシリーズは、ゴク暖の下位シリーズです。
先述のよプラズマ空清がないほか、速暖機能も省略になります。
次回に続く
最もお得で、おすすめのエアコンは結論的にこれ!
というわけで、今回は、高性能エアコンについて書いてみました。
記事はもう少し「続き」ます。
1・格安エアコンの比較 (1)
1-1:パナソニック
1-2:ダイキン
1-3:日立
予算:3万円〜10万円
2・格安エアコンの比較 (2)
2-1:富士通
2-2:三菱重工
2-3:三菱電機
2-4:東芝
予算:3万円〜10万円
3・格安エアコンの比較 (3)
3-1:シャープ
3-2:アイリスオーヤマ
3-3:コロナ
予算:3万円〜10万円
4・高性能エアコンの比較 (1)
4-1:パナソニック
4-2:富士通
予算:10万円〜30万円
5・高性能エアコンの比較 (2)
5-1:ダイキン
5-2:シャープ
5-3;日立
予算:10万円〜30万円
6・エアコンのおすすめ 【まとめ】
=結論としておすすめ機種を提案
続く、次回の5回目記事(こちら)では、今回紹介できなかったダイキン・シャープ・日立の上位エアコンを引き続き紹介します。
冷房能力 ★★★★★
暖房能力 ★★★★★
気流制御 ★★★★★
スマホ連携 ★★★★★
異常気象対応 ★★★★★
カビ臭対策 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回となる、6回目の結論編(こちら)では、ここまで紹介してきた全機種から、Atlasのおすすめといえる機種を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
5回目記事は→こちら!
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