【今回レビューする内容】2025年 新型エアコンの性能とおすすめ・選び方:高級・ハイエンドエアコン編
【比較する製品型番】パナソニック エオリア EXシリーズ Xシリーズ LXシリーズ 富士通ゼネラル nocria Zシリーズ Xシリーズ ダイキン Rシリーズ RXシリーズ RBKシリーズ シャープ R-Pシリーズ S-Xシリーズ 東芝 K-DZシリーズ K-DRシリーズ U-DZシリーズ U-DRシリーズ N-DRZシリーズ 三菱重工 Sシリーズ 三菱電機 Zシリーズ ほか
今回のお題
最新の高性能エアコンのおすすめはどの機種?
ども、Atlasです。
今回は、2024年6月現在、最新のエアコンの比較の6回目記事です。
1・格安エアコンの比較 (1)
1-1:選び方の基本の解説【導入】
1-2:パナソニック
1-3:ダイキン
2・格安エアコンの比較 (2)
2-1:日立
2-2:富士通
3・格安エアコンの比較 (3)
3-1:三菱重工
3-2:三菱電機
4・格安エアコンの比較 (4)
4-1:シャープ
4-2:東芝
5・格安エアコンの比較 (5)
5-1:アイリスオーヤマ
5-2:コロナ
予算:5万円〜
6・高性能エアコンの比較 (1)
6-1:パナソニック
6-2;日立
7・高性能エアコンの比較 (2)
7-1:富士通
7-2:ダイキン
8・高性能エアコンの比較 (3)
8-1:三菱重工
8-2;三菱電機
9・高性能エアコンの比較 (4)
9-1:シャープ
9-2;東芝
予算:10万円〜
10・エアコンのおすすめ 【まとめ】
=最終的なおすすめの提案【結論】
今回(5回目)は、10万円を越える高性能エアコンのうち、パナソニック・日立の製品を紹介します。
特殊なコンセント工事が必要になる単相200Vのエアコンしかないメーカーの製品を除けば、各社の高級機はだいたい網羅しました。
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なお、「エアコンの基本的な選び方」は、省エネ性・冷暖房能力・気流制御などの部分を含めて、1回目の記事(こちら)の冒頭で説明しました。
お時間のある方は、そちらからお読みになると分かりやすいかと思います。
よろしくお願いします。
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冷房能力 ★★★★★
暖房能力 ★★★★★
気流制御 ★★★★★
スマホ連携 ★★★★★
異常気象対応 ★★★★★
カビ臭対策 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
以下では、いつものように、各機種を一機ずつ比較していきます。
その上で、最後に「結論」として、上表の様なポイントから、予算別・目的別に、Atlasのおすすめ機種!を提案する形式で書いていきます。
4-1・パナソニックの高性能エアコン
はじめに、パナソニックの高性能エアコンです。
各社とも高級機は、「オリジナル機能」を付けますが、パナソニックは、総合家電企業らしく、どの機能もバランス良く強化しているイメージです。
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なお今回も、以下の記事では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチな部分を青字で記します。
【6畳向き】
【2025年2月発売】
1・パナソニック CS-EX225D-W
¥104,000 楽天市場 (6/10執筆時)
【2024年1月発売】
1・パナソニック CS-EX224D-W
¥124,810 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:2.5kW (0.4〜4.8)5〜 6畳
冷房能力:2.2kW (0.5〜3.1)6〜 9畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:95%(27年度)
年間電気代:21,142円(682kWh)
【8畳向き】
【2025年発売】
2・パナソニック CS-EX255D-W
¥116,500 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.4〜4.8)6〜 8畳
冷房能力:2.5kW (0.5〜3.2)7〜 10畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:87%(27年度)
年間電気代:25,265円(815kWh)
【10畳向き】
【2025年発売】
3・パナソニック CS-EX285D-W
¥145,110 楽天市場 (6/10執筆時)
【2024年発売】
3・パナソニック CS-EX284D-W
¥137,000 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:3.6kW (0.4〜5.0)8〜 10畳
冷房能力:2.8kW (0.5〜3.2)8〜 12畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:87%(27年度)
年間電気代:28,303円(913kWh)
CS-EX224Dなどは、パナソニックの中上位機にあたるEXシリーズのエアコンです。
旧機種があります。
新しく加わった機能性はないのですが、逆に新機種だと、除湿時のパーシャル制御(部分駆動)が省略になりました。25年機だと、後ほどみる1クラス上のXシリーズからの機能性です。
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結論的にいえば、上位機に採用し続けられている点からしても、問題があっての省略ではないでしょう。在庫があるうちは、2024年機を推します。
ただ、この変更を意識してか、そこまで旧機の在庫はもうない感じです。
あとは同じですので、同時に見ていきます。
本体の外観は、ノイズレスデザイン(=空間に調和しやすいシンプルなデザイン)です。
スマートな外観な機種で「奥行コンパクトモデル」としても売られます。
年間電気代は、1回目記事の「選び方の基本」で示した、各社の格安エアコンの標準的な電気代(上表)とほぼ変わりません。
パナソニックの場合、次に見るグレードの機種からが「省エネ」対応ですので。
ただ、6畳用は達成率95%なので、平均より少し省エネ性が良いです。
暖房能力と冷房能力は、同社の入門機に比べると、暖房能力が強めです。
冷房は平均値なので、暖房能力を期待する場合、良い機種です。
気流制御も、どちらかと言えば、暖房に力を入れます。
冷房は、フルワイドフラップを活かした天井シャワー気流を出せます。
風力の点では他社機により強い機種はあります。
暖房は、一方、足もとに約35℃温風を出せる、パワフルな吹き出しが可能です。
除湿機能は、作動条件は、仕様的には外気温1度からです。
「16度までは暖かい風」と仕様書にあるとおり、それ以下は「弱暖房」することで相対湿度があがるだけです。再熱除湿ではないです。
「16度以上で除湿できるもの」と考えてください。梅雨・長雨の時期に使うには、寒い地域だと、高級機としては少し弱いでしょう。
また、除湿は「快適と感じる温湿度」を標準に、プラスマイナスで温度が設定できるだけで、数値での湿度設定は不可です。次に見る同社の高級機とはここでも差があります。
なお、先述のように、25年機からは、寒くなりにくいパーシャル除湿機能が省略になりました。
2024年機まではありますが、この部分の機能性は、次のXシリーズ(2025年機)の説明で詳しく説明します。24年機「狙い」の場合、そちらもお読みください。
センサーは、明るさセンサーが搭載されます。
快適性にかかわる部分ですが、どちらかと言えば、節電のために搭載しています。
そのほか、室温センサーやひとセンサーも搭載します。それらのデータを含めて、AIが部屋の形状や利用法を「推理」し、効率よく運転する機能が付属します(エオリアAI)。
センサー制御は同社が得意とする分野であり、充実します。
自動お掃除機能は、搭載です。
ゴミ捨て不要で、ホース経由で屋外にホコリを自動排出する仕組みです。
(忘れがちな)ゴミ捨ての手間もないため便利です。
1日1回定期的に自動で掃除しま。掃除中に(うるさいなどの理由で)勝手に止めると、ダクトが詰まっていくので注意しましょう。なお、排気ダクトは専用品もありますが、「ホースの先にノズル」という簡単な設置も可能です。
なお、ホース式だけでなく、(工事の際に)ダストボックスにもできます。室外機までの経路が複雑な隠ぺい配管なっていても対応できます。
清潔性は、熱交換器のコーティングに配慮が見られます。
油ホコリにも対応できる上級のコートです。
これに加えて、高温加熱乾燥とナノイーXの効果で、熱交換器・風路を含めて、高度な対策がなされるといえます。
ただ、この部分だけで言えば、日立はより強いです。
ナノイーXは、ペルチェ素子を利用したマイナスイオン放出機能です。
実空間でのカビ対策効果については議論があるでしょうが、本機の場合、内部の熱交換器に向かって放出するので、ある程度カビの抑制効果を期待できます。
パナソニックの場合、ナノイーの放出量でランクがあるのですが、本機はナノイーX 46兆なので、最高グレードです。
マイナスイオンは、どのメーカーでもそうですが、微量のオゾンを出します。
エアコンだけなら全く問題ないです。ただ、他の空調機器と併用しつつ、わりと機密性の高い場所で利用する場合、オゾン臭などの問題が生じたら、片側をオフにしましょう。
空気清浄機能は、搭載です。
2年の消耗品となるフィルターが付属します。
捕捉率において80%です。「選び方の基本」で書いたように、このレベルのエアコンフィルターでは完全な花粉対策は難しいです。
ただ、メイン機の補助には最適で効果もあります。
なお、脱臭機能がないので、ニオイは取れません。
エオリア アプリ
¥0 Apple app Store
エオリア アプリ
¥0 google Play
ネットワーク機能は、「搭載」です。
外出中などに制御することも可能ですし、GPSに連動した通知設定で、つけ忘れ、消し忘れなどの防止もできます。
一方、ユーザーの好み、人感センサーなどの内蔵センサー、あるいは、天気予報などのクラウド情報に連動させつつ、運転状況をAIが学習し、賢く自動運転を改良していく機能も対応です(AI自動運転)。
パナソニックの場合、住む地域全体の家庭が所有するエオリアの稼動情報なども取っているようで、地域稼働率も分かります。
このあたりは、各社とも技術革新を進めていますが、特に、パナソニックは「できること」の部分でかなり高度化してきました。
AIスピーカーも、対応可能です。
【スマートスピーカーの比較記事】で書いたような、GoogleやAmazonのデバイスをお持ちならば、音声でのエアコン操作にも対応します。
酷暑対応は、50度の対応です。業界最高水準です。
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以上、パナソニックのEXシリーズの紹介でした。
魅力は、「暖房の強さ」「ネットワーク対応」「清潔性能(カビ対策)」の部分です。
他社にも、こうした機能を一部持つ機種があります。しかし、型落ちだと割と安く買える中級機であり、その範疇では能力のバランスが良い機種です。
特に今年は、型落ち(24年機)のみ、除湿のパーシャル制御対応で「寒くなりにくい」ので、適当なサイズの在庫があれば、おさえて良いでしょう。
【6畳向き】
【2025年1月発売】
4・パナソニック CS-X225D-W
¥230,899 楽天市場 (6/10執筆時)
【2024年発売】
4・パナソニック CS-X224D-W
¥193,380 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:2.5kW (0.3〜6.0)6〜 7畳
冷房能力:2.2kW (0.3〜3.6)6〜 9畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:106%(27年度)
年間電気代:18,166円(586kWh)
【8畳向き】
【2025年1月発売】
5・パナソニック CS-X255D-W
¥242,000 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.3〜6.2)6〜 8畳
冷房能力:2.5kW (0.3〜3.7)7〜 10畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:106%(27年度)
年間電気代:20,956円(676kWh)
【10畳向き】
【2025年1月発売】
6・パナソニック CS-X285D-W
¥253,100 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:3.6kW (0.3〜7.1)8〜 10畳
冷房能力:2.8kW (0.3〜4.5)8〜 12畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:107%/ 2027年(746kWh)
年間電気代:23,126円
【12畳向き】
【2025年1月発売】
7・パナソニック CS-X365D-W
¥264,201 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:4.2kW (0.3〜7.1)9〜12畳
冷房能力:3.6kW (0.4〜4.8)10〜15畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:100% 2027年(1032kWh)
年間電気代:31,192円
Xシリーズは、パナソニックの上から2番目の上位機です。
一部サイズですが旧機種が残ります。
新機種はエアコンの「キモ」といえるコンプレッサーの改良がありました。ただし、これは、今回みていない「特殊コンセント」の14畳以上の200V機のみの新機軸です。
新しいエコロータリーコンプレッサの恩恵です。
しかし、100Vクラスも、この変更に伴うオイルや制御の変更で、恩恵がみられます。
数字で言えば、 適用畳数にもよりますが、100V機でも、冷暖房の最小出力が従来機は0.4kWだったのが、0.3kW平均になりました。上図のように25%の軽減です。
これにより、安定温度時に従来より「低消費電力」で運転できるようになったと言えます。
快適性と省エネ性双方に良質な影響を与えるといえ、近年の同社のエアコンでは「メジャーアップデート」だったと言えます。
実際、0.3kWクラスの出力は、従来、日立高級機だけの専売特許でした。この部分で、パナソニックは追いついたと言えます。同社の「長所」が1つ増えたといえます。
ただ、大きな変更がみられる場合の常ですが、旧機はかなりの価格の下落がみられ、お買得と言えます。
結論的にいえば、今選ぶならば、旧機でしょう。
あとは同じなので、同時にみていきます。
消費電力量は、本機のポイントで、「省エネ」です。
上表は、同社の製品を含めた格安エアコンの電気代の目安です。
上位機だと、省エネ性が上がるので、上の目安より本機は、1年で約4,000円ほどの節電効果は期待できます。
ただし、12畳用だけはやや省エネ性が落ちます。
一方、パナソニックの場合、このグレードから「エコインバーター制御」対応で、コンプレッサーの低速(低電力)運転が可能です。
示される年間消費電力量などは同じですが、冷房運転時、条件によっては、より省エネになります(最大約15%)。
暖房能力や冷房能力も、下位機種よりだいぶ優れます。
暖房は下位機種も強いですが、本機は コンプレッサ駆動改良で、冷房の最大出力が0.2kWほど向上しています。
冷房の立ち上がりも15%スピードアップしています。
さらに、冷房・除湿の制御も巧みで、設定温度(設定湿度)で冷房が止まらない仕様です。
次に説明する「エネチャージ」技術を活かした形です。電気代の面でも、オンオフをしない分、10%省エネとなります。
除湿機能は、作動条件は、本機も仕様的には外気温1度からです。
他機同様「16度までは暖かい風」と仕様書にあります。16度以下は「弱暖房」することで相対湿度をあげるという方向性です。
再熱除湿ではないです。
ただ、2025年機の場合、本機からパーシャル除湿が搭載となります。
温度が下がる弱冷房除湿である部分は同じです。
しかし熱交換器の一部だけ再熱器として利用することで、温度低下を防ぐ仕組みがあります。
先行したダイキンの「プレミアム冷房」などと同じで、冷房時の設定温度到達後も、除湿量をキープすることを目指す仕組みです。
この機能の応用で、設定温度到達後、湿度をキープしつつ、温度をおだやかにもどす「しっとり冷房」も利用できます。「衣類乾燥」を含めて3モードが選べます。
湿気を「寒くせず取り切る」という部分では、再熱除湿に対応する機種(富士通・日立)を除けば、優秀なほうと言えます。
一方、このクラスだと、湿度センサーで、部屋の湿度が測れます。
それもあり、除湿時に目標湿度の設定が4段階で可能です。
この機能を持つのは、一部の上級機に限られます。
そのほかの機能は、上でみた、下位のEXシリーズとかぶる要素も多いです。
そのため、以下では、強化されている部分を箇条書きで示しておきます。
第1に、新・エネチャージ システムです。
これは、室外機のコンプレッサの熱を回収・蓄熱する仕組みです。
暖房の際は、「霜取り運転」中でも間断なく温風を出す「極上暖房」が利用できます(エネチャージノンストップ暖房)。
除湿(冷房除湿)の際は、パワフルに除湿するために利用します(エネチャージ快湿制御)。
第2に、センサーの部分です。
本機は、下位のEXシリーズも搭載の明るさ(日射)センサーのほか、ひと・ものセンサーが追加で装備されます。
ひと・ものセンサーは、人の動きを感知する人感センサーです。3機搭載することで、家具などの配置や、人の動きも分かるようにしている点で高度です。
このセンサーは、人の表面温度を測るサーモ(温冷感センサー)でもあるので、人間の冷温感に応じた動作もなされます。また、家具の間取りも検知できます。
下位機のEXシリーズも似た名前の「ひとセンサー」を持ちます。しかし、人の在不在のセンシングだけなので、こちらの方がだいぶ高度です。
こうしたセンサーを、搭載されるAIが解析し、快適度を落とさず自動で節電することが可能です(AI快適おまかせ)。
センサーは、このほか、ナノイーを人の密集している場所に向けて送風する機能(ねらって脱臭)、入室時に自動で電源を入れる機能(オートオン)などに利用されます。
第3に、ロング気流対応です。
フラップやファンの工夫で、最大15Mと相当遠くまで風が飛ぶようになりました。
この部分が、基本性能の部分では最も意義深いパワーアップでしょう。
第4に、すぐでる暖房(AIチャージ)です。
AI学習の結果、1日3回・最長2時間だけ予熱をしておくことで、すぐ暖房を使えるようにする技術です。ただ、350Wの電力がかかりますので、省エネではないです。
なお、「すぐ出る暖房」自体は下位機(EXシリーズ)でもその機能性はありますが、「おはようチャージ」として、朝のみ2回に限定されます。
そのほか、フラップが大きく、左右のルーパーの数が多いので、優秀なセンシングを活かして、快適な風をいきわたすことができると言えます。
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以上、パナソニックのXシリーズの紹介でした。
値段差が大きいものの、EXシリーズより利用時の「快適性」が格段に高まっています。
とくに、エアコンとして重要な「設定温度キープ」の部分で優れるので、(予算があれば)その部分で本機を選ぶのは良いかと思います。
また、このシリーズは、気流の飛びが良いので、広いリビングで使う場合の快適性も上位でしょう。
【2024年1月発売】
【6畳向き】
8・パナソニック CS-LX224D-W
¥241,920 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:2.5kW (0.3〜6.0)5〜 6畳
冷房能力:2.2kW (0.4〜3.6)6〜 9畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:106%(27年度)
年間電気代:18,414円(594kWh)
【8畳向き】
9・パナソニック CS-LX254D-W
¥251,820 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.3〜6.2)6〜 8畳
冷房能力:2.5kW (0.4〜3.7)7〜 10畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:106%(27年度)
年間電気代:20,956円(676kWh)
【10畳向き】
10・パナソニック CS-LX284D-W
¥261,720 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:3.6kW (0.3〜7.1)8〜 10畳
冷房能力:2.8kW (0.4〜4.5)8〜 12畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:106%(27年度)
年間電気代:23,126円(746kWh)
【12畳向き】
11・パナソニック CS-LX364D-W
¥261,620 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:4.2kW (0.3〜7.1)9〜 12畳
冷房能力:3.6kW (0.4〜4.8)10〜 15畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:100%
年間電気代:31,992円(1032kWh)
LXシリーズは、パナソニックの最上位機です。
こちらのみ、2024年モデルが最新です。
消費電力量は、下位機種と、水準(省エネ達成率)としてはそこまで変わりません。
暖房能力と冷房能力は、基本的に1つ上のXシリーズと同じ水準です。
本機も12畳用は冷房が強めな部分で、省エネ達成率の数字が他サイズより少し低いです。
気流制御・センサーなど、利便性・快適性にかかわる上位機能は、Xシリーズと共通します。
本機のみ搭載となる、最上位機能は、以下の通りです。
第1に、換気機能です。
ダイキンが先行していた技術ですが、パナソニックも続いて採用したものです。
普通のエアコンは、熱は外に出します。
しかし、空気自体は外から取り入れていないので換気機能はないです。そのため、新しいマンションには(ロスレス換気を含め)換気扇と換気口が備わるわけです。
一方、コロナ禍以降、換気の重要性が喚起されているわけですが、本機は、熱交換ホースのほか、給気ホースを備えるため、外の空気の出し入れができます。
パナソニックの場合、給気換気と排気換気を必要に応じて使い分ける仕組みです。
給気換気とは、ホースから外の空気を取り込むことを示します。
排気は、入ったぶん(ご自宅の換気口など)どこからか換気されていくことを想定します。
換気システムが備わるマンションなどは不要でしょうが、そうでないならば便利です。
排気換気とは、逆に室内の空気をホースを通じて外に出す機能です。
空気が汚れている感じた場合や、帰宅直後など、湿気が酷い場合、押し出すために使います。
換気量は、給気が30㎥/hで、排気が27㎥/hです。
あとでみる、先発のダイキン機より給気量は多いと言えます。
なお、換気は、冷暖房を利用しない送風運転時も換気機能は可能です。
給気する際、同社のマイナスイオンであるナノイーX 46兆も放出されるので、ナノイー発生機としてもオフシーズンに利用できます。
なお、エアコンの用途性からあまりいないとは思いますが、ストーブなど燃焼系の暖房器具を利用する場合は、給気換気方式だと、二酸化炭素濃度が十分落ちないため、窓開けなど、別の換気法との併用が必要です。
これは、ダイキン機の場合も同じです。
また、下位機種にも搭載されていた各種センサーを利用する「AI快適おまかせ」は、吸排気にも有効で、自動運転時は、意識せずとも調整してくれます。
なお、本機に、ニオイセンサーはないので、臭うからという理由での自動換気はしません。ただ、「ひと・ものセンサー」で活動量が多いと判断した場合、(二酸化炭素ほかの濃度の低下も意図してでしょうが)、排気換気をするようです。
第2に、給水レス加湿です。
給気ホースを応用したもので、やはり、ダイキンの技術の後追いになります。
このブログの【除湿機の比較記事】でみた方式から言うと、触媒(吸湿素材)を使うゼオライト式に似た仕組みを使います。集めた空気中の水分を、室内に還元するという仕組みです。
触媒は、ゼオライトではなく、効率の良い新しい高分子収着材を採用しており、利用に足る水分量を空気中から捕まえます。
一方、加湿量は8畳クラスまでで480mL/h、10畳で560mL/h、12畳で610mL/hです。
【加湿器の比較記事】で紹介した水タンク式の専門機と同等以上の加湿量で、適用畳数に応じて、しっかり加湿できます。
むろん、外気が極度に乾燥しているなどの場合は、加湿量は減ります。
第3に、ドライ給気制御(除湿)です。
除湿機能にかかわる部分です。
冒頭書いたように、除湿機能は、室外と室内の気温が近い状況(梅雨・長雨の時期など)の場合、再熱除湿がないと、能力が落ちます。
ただ、本は、加湿の説明でも書いた「換気・除加湿ユニット(高分子収着材)」を使い、湿気をある程度取って室内に給気できます。
夏場は、下位機種同様に、エネチャージとパーシャル制御を利用しつつ、温度・湿度を強力に下げます。
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結論的にいえば、夏場はもちろん、下位機種以上に、梅雨・長雨の時期に強い除湿仕様と言えます。夏以外も、外がお天気でカラッとしていれば、とくに効きやすいでしょう。
ただ、次に見る富士通のように(熱を使う)再熱除湿の仕組みはないので、限界はあるでしょう。
例えば、夏場は温度は低下しますし、夏以外の時期では、外が雨が降っている状況だと、再熱除湿の機種より効果は弱いとは言えます。
ただ、これは「突き詰めて言えば」という話です。特に、風力・風質も強く関係してくる「衣類乾燥」については、パナソニックは強いと言って良いです。
一方、これら機能は便利ですが、自動お掃除機能の部分は注意点です。
先述のように、下位のXシリーズまでは、屋外ホースなどにより自動お掃除のゴミが、ホース経由で外に自動排出されるユニークな仕組みがありました。
しかし、今回の新機種は、熱交換ホースのほか給気ホースも配管から出す関係で、このホースの取付幅がなくなってしまっています。
結果、ダストボックス式に変更です。1年1回の掃除でOKとはされます。
ただ、1年ホコリを溜めておくのもあれですし、Xシリーズと甲乙はあり、どちらをとるかという話になりそうです。
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以上、パナソニックのLXシリーズの紹介でした。
給気/排気換気と加湿ができる点が便利です。
この機能を先取り搭載していた後ほど見るダイキン機との比較は必要です。
ただ、先述の「エネチャージ」技術で、暖房などが間断なく利用できる部分や、空気清浄(イオン)機能の部分ではパナソニックが有利でしょう。
一方、酷暑・酷寒などの異常気象に対する対応力は、やはりダイキン機だと思います。
換気機能についていえば、個人的には、パナソニックが「大得意」といえるセンサーをさらに充実させ、空気質を見るセンサー(CO2やニオイ)を搭載して、排気を効率化するように進化したら、より「ものすごい」機種になると思いました。
4-2・日立の高性能エアコン
続いて、日立(日立ジョンソンコントロールズ空調)の高級グレードのエアコンです。
2024年にドイツの大手ボッシュ傘下への事業譲渡が発表されましたが、「白くまくん」ブランドで同じ工場で生産が続くとのことです。
同社の下位機種同様に「清潔性」について、最も力を入れます。
【2024年10月発売】(2025年モデル)
【6畳向き】
12・日立 白くまくん RAS-XR2225S-W
¥219,750 楽天市場 (6/10執筆時)
13・日立 白くまくん RAS-XJ2225S-W
¥132,592 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:2.5kW (0.3〜6.0)6〜 7畳
冷房能力:2.2kW (0.4〜3.5)6〜 9畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:110%(27年度)
年間電気代:17,670円(570Wh)
【8畳向き】
14・日立 白くまくん RAS-XR2525S-W
¥227,990 楽天市場 (6/10執筆時)
15・日立 白くまくん RAS-XJ2525S-W
¥148,292 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:2.8kW (0.3〜6.0)6〜 8畳
冷房能力:2.5kW (0.4〜3.6)7〜 10畳
コンセント形状:100V 15A
省エネ達成率:110%(27年度)
年間電気代:20,088円(648kWh)
【10畳向き】
16・日立 白くまくん RAS-XR2825S-W
¥235,860 楽天市場 (6/10執筆時)
17・日立 白くまくん RAS-XJ2825S-W
¥154,556 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:3.6kW (0.3〜6.0)8〜 10畳
冷房能力:2.8kW (0.4〜4.1)8〜 12畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:107%(27年度)
年間電気代:23,126円(746kWh)
【12畳向き】
18・日立 白くまくん RAS-XR3625S-W
¥243,860 楽天市場 (6/10執筆時)
19・日立 白くまくん RAS-XJ3625S-W
¥163,680 楽天市場 (6/10執筆時)
暖房能力:4.2kW (0.3〜6.9)9〜 12畳
冷房能力:3.6kW (0.4〜4.2)10〜 15畳
コンセント形状:100V 20A
省エネ達成率:100%(27年度)
年間電気代:31,992円(1,032kWh)
PAM Xシリーズは、日立の「白くまくん」シリーズの最上位機です。
型番が2系統あります。
ネットだと価格差がありますが、デンキヤルートと工務店ルートの違いで、以下で示す性能は同じです。
省エネ性は、先述のように、入門機は87%の省エネ達成率の水準でした。
しかし、上位機らしく、本機は新基準の省エネ達成率で、どの機種も100%をすでに超えています。年間で4000円は安いです。
暖房能力と冷房能力も、最上位機らしいスペックです。
正確には、パナソニックに比べると、冷房能力は少し負け、暖房はダイキンに少し負けますが、この水準まであれば、必要十分以上で、十分なハイスペックです。
低出力運転もパナソニック同様の水準なので、室温安定後の調整運転もうまいでしょう。
気流制御、は室温センサーほか、人感センサーと日射センサー(=くらしセンサー)を使った、フラップ制御を特徴とします。
暖房時はフラップ制御で暖房時のロング・ワイド気流で風を広く遠くまで届ける工夫と、室温安定後に、気流感を和らげ「風よけ」てきな風質に設定できる「つつみこみ暖房」が目立ちます。
冷房時は、9通りの風よけエリアを設定できるのが、目立つポイントです(風よけエリアセレクト)
一方、2022年の最上位機までは、センシングの面で「くらしカメラAI(カメラセンサー)」の搭載が同社の大きな売りでした。
カメラと赤外線センサーとで人を識別し、体の冷やしすぎ等について細かく検知、調整する方向性でした。このほうほうだと、家具の間取りも認識できました。
先述の「風よけエリアセレクト」という形で、旧機の良かった部分の痕跡はみられますが、マニュアル操作ですし、やはりパワーダウン感はあります。
ただ、改悪と言うより、全体としての「方向性の変更」とは言えます。
後述するように、2023年以後、本機は人を識別して「優しく冷暖房」という方向から、「強力に空気を循環させて、エアコンにホコリを巻き込む」という方向に、大きく舵を切ったからです。
この部分はあとで、別に説明しますう。
除湿は、後ほどみる富士通ゼネラル機と同じで、再熱除湿と弱冷房除湿が選べます。
再熱除湿(カラッと除湿)がある機種は、肌寒い梅雨の時期でも湿度が落とせる点ほか、夏場の設定温度到達後も除湿量が多いといえます。
この部分で同じ仕組みをとっている富士通ゼネラルや三菱電機と同様に、日立も「優秀」と言えます。
2モードは手動でも切り替えられますし、「自動カラッと除湿」として自動切替もできます。
このほか「ランドリー除湿」モードもあり、そちらでも再熱除湿が使われるほか、「けつろ抑制除湿・カビ見張り除湿」モードもあります。
なお、再熱除湿の運転条件は、外気で1度〜35度ですので、肌寒い時期でもほぼOKです。
一方、弱冷房除湿は外気で25度〜35度のため、電気代の部分や、吹き出し口の熱の部分で、再熱除湿を使いたくない方には不向きかもしれません。
また、湿度の数値設定は、いずれのモードも数字では不可です。
自動的に50-60%を目指して運転するものです。ランドリー除湿と、弱冷房時の自動運転時に、(湿度ではなく)目標温度の微調整(±3度)ができる程度です。
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結論的にいえば、完全に「おまかせ」で使うならば問題ない仕様であり、強力で快適です。ただ、細かく湿度状況を調整したい「マニュアル派」は、その限りではないと言えます。
空気清浄機能は、Premiumプラズマ空清を搭載です。
同社がターゲットに定めるのは「浮遊するカビ菌」です。サブ的に浮遊ウイルス・浮遊菌も対象とします。
本機は、風の吸入口と放出口に、(マイナス)イオンの電極を複数設置していて、室内空間とエアコン内双方に照射します。
現行機の場合、プラズマイオン発生ユニットは、吸い込み口(中央部)に4つあり、主に本体内部のカビ防止などに役立てます。加えて、吹き出し口(左下)にも1つありますが、これは、部屋の室内空間への効果を期待してのものです。
以下、プラズマ空清の果たす機能性について、内空間とエアコン内とに分けて、少し詳しく書いておきます。
第1に、室内空間に対するプラズマ空清の効果です。
室内への効果は、他社のイオン(プラズマクラスターやナノイー)と同じです。
浮遊カビ、ウイルスの不活性化のほか、花粉も「対策対象」とされます。
ただ、他社機でも書きましたが、特に花粉については物理的なフィルタがないので、「花粉症対策レベル」の即時的な除去は無理です。
出されるデータは、25㎥(約6畳)を処理して46分で99%台の処理力です。
【空気清浄機の比較記事】で書いたように、不織布フィルタのあるような専門的な空浄機は(少なくとも)8畳10分前後で99.99%の花粉を除去します。
実際、本機の仕組みだと、ある程度密閉性の高い居住空間でないと(時間をかけても)基本的に「くしゃみは収まらない」でしょう。
もちろん、空浄機の補助としては意味はあるでしょう。ただ多くの空浄機には「マイナスイオン発生装置」は装備されます。
その上で、エアコンとの「イオンの二重がけ」で、部屋のオゾン濃度が高くなり、オゾン臭を感じやすくなるという懸念もあるので、声高に強調できる機能性には思えません。
このほか、プラズマ空清は、衣類の不着臭の除去という機能性も謳います(25年モデル)。
マイナスイオン発生装置がある家電(空浄機ほか)ならば、多かれ少なかれこの機能性はありますので、効果はあるでしょう。ただし、それらの場合と同じで、風のあたる範囲に限定されます。とはいえ、季節を問わず、エアコンで「室内干し」しているような方には、割と良いかもしれません。
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結論的にいえば、室内空間に対する、プラズマ空清の機能性は、無駄ではないですが、空調家電として「おまけ要素」の域はでないものです。それをもって、本機を選ぶ理由にはならないでしょう。
特に、大きな畳数のエアコンを選ぼうとしている場合、この部分の適用畳数が最大10畳である点も注意点と言えます。
第2に、エアコン内に対するプラズマ空清の効果です。
こちらは、個人的には期待できる工夫だと思います。
集塵フィルタの役割も兼ねる「熱交換器」に、カビ菌などを付着しやすくする効果があります。
手前の抗菌・防かび・抗ウイルスフィルターの機能によるところも多いでしょうが、「イオナイザー」として意味はあるでしょう。
なおフィルタ自体消耗品ではなく、付いたゴミは、後述する自動お掃除機能で外に出されるので「メンテも不要」です。
方向性としては、東芝や富士通が長年採用している「プラズマ空清」の後追いの感じはあり、実際同じ方向性でしょう。
一方、本機は、自動運転のため「ほこりセンサー」を備えます(清潔みはりセンサー)。
先述のように(空浄機的な)室内空間への作用はあまり期待できないので、一見すると無駄な装備に思えます。ただ、部屋の空気質が悪い際に、エアコン内部に対してプラズマ空清運転をなすのは、エアコン内部の清潔性の部分で、(必須装備ではないにせよ)一定程度の意味はあるように思います。
ただ、工場出荷時OFFにされている点からしても(まあ)「おまけ機能」です。
清潔性は、一方、日立が最も重要視する部分です。
霜(氷)をつかって熱交換器を凍結させ汚れを落とす工夫があります。
加えて油分をおとすのに56度の熱も使います。「凍結洗浄ヒートプラス」という機能名です。
どちらか片方だけならば他社もありますが、氷結と熱と双方を使うのは、日立の独自性でしょう。先述のイオン放射も、乾燥時の熱交換器の防臭に効果があるので、汚れ・ニオイ対策の部分が強力です。
こうした仕組みがあるので、先述のような、熱交換器を「汚しかねない」空気清浄の仕組みが取れるのだとも言えます。
熱交換器を含めた全体が汚れにくい、という部分では、業界屈指の工夫があると言えます。ほぼ「メンテフリー」でもいけそうです。
なお、熱を利用するので電気代は少し増えますが、(十数年前の時代の)再熱除湿と違い、最近は各社とも廃熱を利用する仕組みなので、あまり問題のないレベルです。
このほか、本機は基材内に銅合金を多く配置しています。
排水トレーや、フィルター、フラップなど風路の多くに採用しています。
「銅合金ウイルス抑制」という機能名ですので、おそらく「除菌」という機能性を訴求したものです。実空間での効果の検証がないので、そこはおいて置くにしても、静電気が発生しにくい部分での防汚効果が期待できるかと思います。
とくに、水気のあるトレーなどの部分では、ニオイやカビの抑制効果を高めるでしょう。
室外の温度差があまりない状況で運転する場合、ニオイの原因になる部分ですが、業者以外は掃除もできない箇所なので、こうした対策があるのは嬉しい部分です。
そのほか、日立機は、室外機の凍結洗浄にも対応します。
設定する場合、2週間に一度の自動洗浄を行います。
「凍結」部分で、脱臭凍結クリーナーとして、脱臭という新たな機能性があります。
ようするに、凍結させたフィルターに臭い成分を吸着させ、ドレン水と一緒に排出してしまうと言う仕組みです。
ただ、実空間の試験ではない(1㎥でガスを注入しての実験)であり、減衰率も、単体の空清機ほか、【脱臭機の比較記事】で書いたような専用の家電に比べると、イマイチで、「補助的」です。
運転は、運転終了時の掃除の際、手動で「凍結脱臭」ボタンを押した際ほか、先述の「パワフルPremiumプラズマ空清」運転をしている際に、自動でさせることもできます。
自動運転では(凍らせない)ドレン水にニオイ成分を吸着させる方式で、運転終了時に凍らせて捨てるということになります。
説明を見る限り、どちらの方式も除去率は変わらないような書き方です。
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結論的にいえば、メインの脱臭装置はあるというご家庭で、補助(=おまけ)的に考えるならば、あってよい機能に思います。逆に、この機能を目当てに、このエアコンを選ぶほどの要素ではないです。
仕組み的に、自動運転時に利用する場合、室温や湿度の安定性に影響を与えそうな部分もあるので。
一方、運転時(冷蔵・暖房・除湿)のみで常時ご家庭のニオイ対策になるわけではない部分注意点です。ペットのニオイなどの対策は、やはり、【脱臭機の比較記事】で書いたような、専用家電が良いでしょう。
自動お掃除機能は、搭載です。
面白いのは、ゴミフィルター以外に、ファンの部分もブラシで自動清掃される点です。
個人的にこの部分はかなり魅力です。
エアコン掃除の際で最も汚れている部分ですが、自分で外して掃除はできませんので。
多分、皆さんのご自宅のエアコンのファンも(割り箸か何かの先に紙を付けて)こすってみたら、真っ黒になっていると思います。
除湿は、本機も、再熱除湿ができます。
ただ、この部分の工夫は、富士通ほどはない印象です。
加湿機能はないです。
日立 プラス換気ユニットSP-PVN1(W)100V用
¥24,280 楽天市場 (6/10執筆時)
換気機能は、対応しますが、「別売」対応です。
本体の横に別に取り付ける形式で。かなり幅広になるので微妙です。
排気換気ですので、ようするに「換気扇」です。冷房運転や、ひとセンサーに反応して、自動で換気してくれる部分がメリットです。
風量は、最大で47㎣/hで、3段階で調整できるので、他社機より強力です。
ただ、給気換気はできません。
ネットワーク機能は、無線LANが内蔵です。
同社も自社アプリ(白クマくんアプリ)を用意し、外出先を含めた、スマホでのエアコン操作に対応できます。
パナソニックの対応機と同じで、スマホのGPS連動で、切り忘れ、つけ忘れの通知も受けられますし、しっかり便利です。しかし、日立の場合、高級機でも、運転状況や天気予報のAI解析による自動運転の「カスタマイズ」は、非対応です。
ここは、他社と比べると、技術革新がやや遅れ気味と言えます。 酷暑対応は、日立の場合も、酷暑対応について室外機50度対応を表明します。
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以上、日立の「白くまくん」Xシリーズの紹介でした。
エアコンの清潔性については、業界一のこだわりと機能性がある製品と言えます。
エアコン由来の異臭対策という部分で、ここまで突きつけて対策をした機種はほかにないです。普段メンテフリーでも業者のクリーニングは少なく済みそうです。
そのほか、再熱除湿対応で、快適な除湿機能持つ点も評価できます。
あとは、上位機としてそこまで特長的な機能性はないですが、これらだけでも、本機を選ぶ理由になるでしょう。
プラズマ空清の機能性のうち、室内空間に対して強調される性能にはあまり期待できないですが、それをもって「選べない理由」にはならないでしょう。
この点について少し補足しておけば、日立の場合、エアコンの仕組み上、パナソニックやシャープのような、花粉を除去できるような不織布フィルタが搭載できないので、室内空間の空気清浄はプラズマイオン技術に賭けざるを得なかったように思えます。
(プラズマ)イオン方式は、それのみで部屋の空気浄化を完結させるのはどう考えても無理なので、今回の製品をみて、そこに同社の「苦しみ」を感じました。
なお、【空気清浄機の比較記事】でも書いたように、エアコン販売におけるライバル社(パナソニック、シャープ、ダイキン)は、自社のエアコンと自社の空浄機とを、Wi-Fi経由で共感運転(強調運転)させる方向性で進化させています。
日立は、逆に空清機の展開は撤退傾向です。そのため、エアコンだけで「エアクリーン」を完結させる、本機の方式をださぜるを得なかった部分もありそうです。
いずれにしても、エアコン自体の清潔性を中心に考える場合は、(むろん)本機はとても良いです。しかし、室内空間のエアクリーンを中心に考えたい場合は、他社により良い機種はあると言えます。
次回に続く
高性能エアコンのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は、エアコンの比較の6回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
7・高性能エアコンの比較 (2)
7-1:富士通
7-2:ダイキン
8・高性能エアコンの比較 (3)
8-1:三菱重工
8-2;三菱電機
9・高性能エアコンの比較 (4)
9-1:シャープ
9-2;東芝
予算:10万円〜
10・エアコンのおすすめ 【まとめ】
=最終的なおすすめの提案【結論】
続く、次回の7回目記事(こちら)では、今回紹介できなかった富士通・ダイキンの上位エアコンを引き続き紹介します。
冷房能力 ★★★★★
暖房能力 ★★★★★
気流制御 ★★★★★
スマホ連携 ★★★★★
異常気象対応 ★★★★★
カビ臭対策 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回となる結論編(こちら)では、ここまで紹介してきた全機種から、Atlasのおすすめといえる機種を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
7回目記事は→こちら!
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