1回目からの続き記事です。前半記事は→こちら
【2019年12月発売】
24・ ViewSonic X10-4K
¥158,780 楽天市場 (11/7執筆時)
パネルタイプ:DLP(0.47型)
画素数:4K UHD (3840 x 2160)
コントラスト:
重さ:4.1キロ
明るさ:2000ルーメン
100インチ投影距離:1.77-2.12m
X10-4K は、アメリカの ViewSonicが販売するプロジェクターの上位機です。
先ほども出てきましたが、2018年から日本市場に訪れた、価格破壊の「黒船」メーカーの高級モデルです。本機については、しっかり日本販売があります。
4K映像は、対応です。
同社の場合は、DMD 4K-UHDという技術名ですが、画素シフトさせて表現する点では「XPR技術」とほぼ同等と言えるでしょう。
その上で、同社の場合もCinema SuperColor+テクノロジーで色域を高めています。
4K映像については、この部分も重要ですから、各社とも何らかの対策を取っています。
HDR10は、対応です。
ただし、新4K放送に使われるHLGについては、対応表明はない状況です。
明るさは、2000ルーメンです。
2400LEDルーメンという言い方ですが、ANSIルーメンだと2000です。
コントラスト比は、3000000 :1です。
ただ、ダイナミック比での記述なので、単純に他社とは比較できないでしょう。
液晶方式は、DLP方式を取ります。
また本機の場合、LED光源自体にRGBカラーのランプを用います。それも、単色ではなく、青系を強化した、RGBB(赤 緑 青 青)LED光源です。
そのため、DLP特有のカラーホイールの利用に起因するカラーブレーキングを排除できるようです。
さらに、この方式の場合、LEDなので、光源寿命が約30000時間と相当長寿命です。
彩度を高めるCinema SuperColor+テクノロジーの「副産物」かもしれませんが、良い方向性でしょう。
画像処理は、本機もフレーム補完技術(倍速)が採用です。
面白い部分は、本体に超音波センサーが導入され、画面に人間が近づきすぎている場合、投写を遮断する「Eye Protection機能」を搭載することです。
反応する距離は調整可能で、オフにもできます。
端子は、HDMI端子を2つと、PC・映像機器用のUSB-C端子という構成です。
ネットワークは、5GHz帯のWi-Fiを装備し、スマホなどからのミラーリングに対応できます。
一方、Bluetoothも搭載しますが、これは音声入力用に特化されたものです。
本機は、音響専門メーカーHarman Kardonの8W×2のステレオスピーカーが内蔵されるので、それでの利用を想定したものです。
重さは、4.1kgあるため、据え置いて使うのに適した製品です。
投影距離は、100インチ投影で、約1.77〜2.12mですから、「超短焦点」とはまでは言えませんが、それなりには「短焦点」です。
傾き補正は、縦自動台形補正機能を搭載します。
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以上、米国の ViewSonicが販売するX10-4Kの紹介でした。
DLP形式ながら、RGBBLED光源で、カラーブレーキング現象を回避させつつ、彩度も高めるという面白い技術の採用が見どころです。
新技術だけに、画質の部分については米国では賛否両論があった方式ですが、Atlasも試してみたいモデルです。
【2018年】
【2200ルーメン RGB】
25・ ViewSonic PX727-4K
¥114,092 Amazon.co.jp (11/7執筆時)
【3500ルーメンRGBW】
26・ ViewSonic PX747-4K
¥93,790 Amazon.co.jp (11/7執筆時)
パネルタイプ:DLP (0.47型)
解像度:4K UHD (3840 x 2160)
コントラスト:12000:1
重さ:4.2キロ
明るさ:2200ルーメン
100インチ投影距離:約3.25〜3.9m
PX727-4KとX747-4Kも、アメリカの ViewSonicが販売するプロジェクターです。
位置づけとしては、先ほど紹介したViewSonic X10-4Kの下位機です。
4K映像は、対応です。
やはり、画素をずらず「XPR技術」を使って対応する方式です。
また、細かいデータはないですが、黒を引き締める技術(Deeper Black)が採用されます。
コントラスト比は、12000:1と評価値は4K機として低めです。
HDR10は、HDRとして対応です。
ただし、HLGに対しては対応表明はありません。
明るさは、PX727-4Kについては、2200ルーメンです。
DLP式としては割と健闘していますが、やはり、明るい部屋での視聴は3LCD式に及ばない部分はあります。
液晶方式は、DLP方式を取ります。
また、PX727-4Kについては、RGBカラーの表明(6セグメントのRGBRGB)があります。
一方、上位機と言えるX747-4Kは、3500ルーメンと昼間でも問題ない明るさなのですが、RGBWとなっています。
画像処理は、テレビでお馴染みの「超解像技術」に対応します。
4Kへのアップコンバート時についても効かないという註はないので、優れるでしょう。そのほか、カラーエンハンスメント・スキントーンなどの色調補正技術も、一通り網羅します。
先述のように、同社はTVメーカーでもあるため、このような技術は手持ちがあるようです。
ただし、フレーム補間技術(倍速)については記述がないです。動きのある映像には、4Kクラスの高級機としては、多少弱い部分はありそうです。
端子は、HDMI端子を2つと、PC・映像機器用のVGA端子という構成です。
重さは、4.2kgです。 投影距離は、本機は、短焦点機ではないです。
そのため、100インチ投影時に約3.25m〜3.90mと、それなりに距離は必要です。
傾き補正は、手動補正となります。
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以上、ViewSonicのPX727-4KとX747-4Kの紹介でした。
いずれも「激安4K」として、日本で認知度がある製品です。
これらの製品だけで選ぶ場合、明るい場所でも使うならば(RGBWながら)明るいX747-4Kが、シネマ的にのみなら、RGBカラーのPX727-4Kが良いでしょう。
一方、X747-4Kについては、日本では「コストコ限定」モデルですが、ネットショップでかなり流通があります、ViewSonicは、米国版(グローバル版)と日本版の型番を変えていないので、正規品のほか、並行輸入・購入代行品も混ざっているのだと思います。
国外販売品などは、別途カスタマーサービスとの相談になるので、リスクはある点、考慮してください。
【2019年12月発売】
27・ LGエレクトロニクス CineBeam HU70LS
¥158,809 Amazon.co.jp (11/7執筆時)
パネルタイプ:DLP
画素数:4K UHD (3840 x 2160)
コントラスト:150,000:1
重さ:3.2キロ
明るさ:1500ルーメン
100インチ投影距離:3.36m
HU70LS は、韓国のLGの新型です。
4K映像は、本機も、対応です。
画素シフトさせて表現する「XPR技術」をこちらも利用します。
彩度については、4ch LEDにより、彩度を高める技術を採用します。
ViewSonicと同じで、カラーLEDを利用する方式となります。
HDR10は、対応です。
ただし、新4K放送に使われるHLGについては、対応表明はない状況です。
明るさは、1500ルーメンです。
カラーLED機ですが、やや暗いため、「シネマ専用」でしょう。
コントラスト比は、150,000:1です。
液晶方式は、DLP方式を取ります。
また、ViewSonicと同じで、カラーLEDを利用することで、カラーブレーキング問題を排除しています。
一方、LEDの構成は、ViewSonicは、RGBB(赤 緑 青 青)LED光源でした。
LGのLG 4ch LEDは、RGBBの「B(青)」を緑色に精製するフィルターを通しすことで、ダイナミックグリーンを再現します。
比較は難しいですが、技術的にはLGのが「一工夫」あると言えるでしょう。
画像処理は、フレーム補完技術(Trumotion)は採用です。
端子は、HDMI端子を2つと、PC・映像機器用のUSB-C端子という構成です。
ネットワークは、Wi-FiとBluetoothを装備します。
また、この製品は、LGのWebOS 4.5を搭載するので、YouTube・Netflixなど利用可能です。
WebOSはテレビにも使われるため、プライムビデオやDAZNなども、ダウンロード対応できます。
なお、同社の「マジックリモコン」が同梱ですが、WebOSに最適化されていて便利です。
重さは、3.2kgあるため、据え置いて使うのに適した製品です。
投影距離は、100インチ投影で、約3.32mです。
傾き補正は、縦自動台形補正機能(自動キーストーン)を搭載します。
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以上、LGの HU70LSの紹介でした。
カラーLED光源ということでDLP方式ではViewSonic機のライバルでしょう。
どちらを選ぶかは難しい部分ですが、完全にシネマ専用で使うならば、LGが候補でしょう。一方、日中兼用の場合は、ルーメン値の部分でやや不安があるのも事実です。
【2019年】
28・Acer H6810BD 【ホワイト】
¥127,225 Amazon.co.jp (11/7執筆時)
パネルタイプ:DLP(0.47型)
解像度:4K UHD (3840 x 2160)
コントラスト:10000:1
重さ:4.0キロ
明るさ:3500ルーメン
100インチ投影距離:約3.3〜3.9m
H6810BDは、台湾のAcerの発売するハイエンド機となります。
現在在庫がないですが、通例とすれば、冬辺りに後継機(H6811?)あたりが出るでしょう。
4K映像は、対応です。
やはり、ベンキューの言うところの「XPR技術」を使う方式です。
一方、色域は、Rec.2020準拠ですが、これはDCI-P3より、基準が緩いため、基本的に価格なりの水準です。
HDR10は、HDRとして対応です。新4K放送に使われるHLG方式は非対応です。
明るさは、3500ルーメンです。
4K対応機としては明るい機種で、明るい場所でもそれなりに使えそうです。
ただし、DLP方式の限界で、コントラスト比は10000:1ですので、(暗くしないと)「引き締まった黒」は望めないでしょう。
液晶方式は、DLP方式を取ります。
方式も、しっかり、RGBを明記します。
画像処理は、エプソンに比べると、フレーム補完技術(倍速)は不採用です。
高級機としては、この部分は問題でしょう。
端子は、HDMI端子を2系統と、PC・映像機器用のアナログ端子という構成です。
ネットワークは、Wi-Fiなど、装備しません。
重さは、4.0kgです。
投影距離は、100インチ投影で、約3.3〜3.9mですから、やや長めの部屋に適した製品です。
傾き補正は、垂直方向について、台形補正機能を搭載します。
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以上、AcerのH6810の紹介でした。
4K対応で、明るい部屋でもある程度使えて「できるだけ安く」という場合に、選択肢になるでしょう。
ただ、特に色域・コントラストの部分では「値段なり」ではあるため、用途が合う場合のみオススメできる機種です。
【2018年】
29・LGエレクトロニクス CineBeam HU80KS
¥202,573 Amazon.co.jp (11/7執筆時)
パネルタイプ:DLP
画素数:4K UHD (3840 x 2160)
コントラスト:150000:1
重さ:6,7キロ
明るさ:2600ルーメン
100インチ投影距離:約2.89m
HU80KSは、韓国のLGが発売する、家庭用のホームプロジェクターです。
4K映像は、対応です。
詳しい記載がないですが、方式的には他機と同じ「XPR技術」を使って対応していると思われます。
HDR10は、対応です。ただし、新4K放送に使われるHLG方式は非対応です。
明るさは、2600ルーメンです。
エプソンと同水準で、完全な日中には適さない方式です。
液晶方式は、DLP方式を取ります。
この点で言えば、彩度では、3LCD方式のエプソンに及ばないでしょう。
一方、LEDではなく、レーザーダイオード利用したレーザー光源を採用するため、ベンキューなどに比べると、同じDLP方式でも、ランプの経年劣化がかなり少なく優秀です。
その点で言えば、毎日のように利用するヘビーユーザーには、期間全体で満足度は高いでしょう。なお、2万時間の寿命です。
コントラスト比も、15万:1ですから、ダイナミックコントラスト比において、エプソンには及ばないにせよ、スペックは良いです。
画像処理は、フレーム補完技術(倍速)は採用です。
端子は、HDMI端子を2つと、PC・映像機器用のUSB端子とデジタル端子(S/PDIF)いう構成です。
ネットワークは、Wi-FiとBluetoothを装備します。
また、この製品は、LGのWebOSを搭載するので、YouTube・Netflixなど利用可能です。WebOSはテレビにも使われるため、プライムビデオやDAZNなども、ダウンロード対応できます。
重さは、6.7kgあるため、据え置いて使うのに適した製品です。
投影距離は、一方、サイズ調整はききません。
100インチ投影の場合、約2.89mに設置する必要があり、前後すると画面のサイズが変わります。
設置自体は、115cm(40インチ)〜435cm(150インチ)の幅で可能ですが、壁ではなく、スクリーンを利用する場合などは、注意しましょう。ただし、ミラーによる角度の調節は可能です。
傾き補正は、垂直方向のみ搭載します。
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以上、LGのHU80KSの紹介でした。
レーザー光源で、明るさの劣化が起こりにくい点、WebOSを搭載し、ネットワーク方面の利便性が高い点が、他社よりも優れます。
一方、焦点距離が固定なので、設置の自由度が利きにくいのが難点ですが、この部分をクリアできるならば、選んで良い機種です。
【2019年】
30・JVC LX-NZ3 [ブラック]
31・JVC LX-NZ3 [ホワイト]
¥313,640 楽天市場 (11/7執筆時)
パネルタイプ:DLP(0.47型)
画素数:4K UHD (3840 x 2160)
コントラスト:
重さ:6,3キロ
明るさ:3000ルーメン
100インチ投影距離:3-4.8m
LX-NZ3は、日本のJVCケンウッドが販売する製品です。。
4K映像は、対応です。
こちらもネイティブ4Kではなく、「XPR技術」に相当する技術で表現します。
HDR10は、対応です。
また、国内メーカーということで新4K放送に使われるHLG方式に対応です。
同時に「オートトーンマッピング」機能があるため、「通常暗め」といわれるHLG対策も万全です。
明るさは、3000ルーメンです。
「明るい」と言って良いでしょう。
コントラスト比は、「無限(∞)」としています。
もちろん、ダイナミック比です。
液晶方式は、DLP方式を取ります。
ホイールは「あり」ですが、LG同様にレーザー光源を採用するため、2万時間の寿命です。
画像処理は、一方、カタログと説明書を見る限りですが、フレーム補完技術(倍速)は不採用です。
動く映像については、不向きな可能性があります。
端子は、HDMI端子を2つと、PC・映像機器用のVGAとUSBという構成です。
ネットワークは、Wi-FiとBluetoothともに不採用です。
重さは、6.3kgあるため、据え置いて使うのに適した製品です。
投影距離は、100インチ投影の場合、3-4.8mにとなります。
1.6倍のズームレンズなので、設置自由性は高いです。
傾き補正は、自動補正は非対応です。
ただ、レンズシフト式で、上下60%、左右23%のレンズシフトができるため、横からでも対応できます。
台形補正は画質低下の要因となるため、この方式をあえて採用する機種です。
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以上、JVCのLX-NZ3の紹介でした。
レーザー光源機ですが、レンズシフト式とした上で、柔軟なズームレンズを搭載する点でLGと差異化されています。
また、画面も明るく、HLG形式対応なので、「映像美」を楽しむ方向性の方で、新4K放送を中心に考える場合は良いでしょう。
ただ、フレーム補完に非対応なので、スポーツなどには不向きです。
【2018年】
32・SONY VPL-VW255-B
33・SONY VPL-VW255-W
¥544,300 Amazon.co.jp (11/7執筆時)
パネルタイプ:3LCD液晶(3SXRDパネル)
画素数:4K UHD (3840 x 2160)
コントラスト:
重さ:14キロ
明るさ:1500ルーメン
100インチ投影距離: 2.9〜5.97 m
VPL-VW255は、ソニーの4K対応機では最も安いモデルです。
同社は、プロジェクターについては、あまり安売りしない方針ですが、特に、画像処理の部分で、TVとカメラで培った技術を利用するため、高品位な製品が多くあります。
4K映像は、対応です。
その上で、ネイティブ4Kパネル(真の4K)なので、他社製品(いわゆる疑似4K)と異なり、画像合成などを伴わずに、4Kが表現できます。そのため、表示が精密です。
プロジェクターはニッチ市場ということもあってか、ネイティブで対応したい場合、価格としてはこれほどとなります。
なお、画像を「ズラして合成」していないので、色差を利用した4K解像度の3Dコンテンツも利用可能です。
HDR10も、対応します。
もちろん、HLG(Hybrid Log Gamma)にも対応しており、BS/CSの新しい4K放送のHDR放送にも対応できます。
明るさは、一方、完全に暗い場所のシネマ用の設計であり、1500ルーメンです。
一方、コントラスト比は非公開ですが、ソニーのテレビに使われるトリルミナス技術を採用します。
ソニーは、光学部分と画像処理のシステム表現を分けませんが、「データベース型超解像処理LSI」にて、彩度をソニー特有の「赤が綺麗な」鮮やかな色彩へと整えています。
超解像技術は、同社のテレビ同様に「フレーム内処理」です。
長年蓄積したデータベースと照合させつつ、画質の向上(画像復元)を行います。
コントラスト比についてもう一点補えば、コントラストエンハンサーなど、同社の優れた画像エンジンの「パワー」を利用したソフト処理により、臨場感のある映像が得られます。
そのため、完全遮光できない寝室などでも、ある程度の画質は期待できます。
投影距離は、2.9〜5.97 mです。
画像処理は、しっかり、倍速(フレーム補間技術)に対応します。
端子は、HDMI端子を2つという構成です。
ネットワークは、未搭載です。
傾き補正は、基本的に正面に完全に設置するシアター用なので、機能として持ちません。
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以上、ソニーのVPL-VW255の紹介でした。
この機種のネイティブ4Kパネルは、4Kの3Dに対応できるため、3Dを重視する場合は、予算をかける価値があります。
もちろん、2Dの画質も相対的に良くなりますが、値段の問題があるので、その点だけでは、一般向けにはオススメできません。逆に、専用のシアタールームを「できるだけ安く」という方向性のエグゼクティブならば、この機種は良い選択肢となるでしょう。
とくに、各社とも高級機は、更新頻度がさほど速くないですが、4K放送について、HLG対応である点は、陳腐化を避けられるという意味で重要だと思います。
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【2020年】
34・SONY VPL-VW575-B
35・SONY VPL-VW575-W
¥844,800 楽天市場 (11/7執筆時)
パネルタイプ:3LCD液晶(3SXRDパネル)
画素数:4K UHD (3840 x 2160)
コントラスト:350,000:1
重さ:14キロ
明るさ:1800ルーメン
100インチ投影距離: 2.9〜5.97 m
なお、本機については、さらに上位の製品が登場しています。
こちらは、より高圧な水銀ランプを採用したことで、明るさが20%弱向上しています。
その上で、画像処理の部分で、ダイナミックHDRエンハンサーを追加しています。
おそらく同社の液晶テレビにおける「フレーム内処理」を応用したものですが、1フレーム単位で、明暗表現を調整し、黒つぶれを押さえつつ、明部の輝度表現を高めます。
超解像技術の部分では、下位機種同様のデータベース型超解像処理を行った上で、「デジタルフォーカスオプティマイザー」という別のデーターベースと照合する仕組みをとります。
こちらは、 投影レンズの収差を最適化させるためのもので、やはり、画質改善技術となります。
そのほか、色バランスのズレを補正するオートキャリブレーションも本機だけの搭載です。
これは、プロジェクターの経年変化による色ズレを補正する技術です。
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主な相違点は以上ですが、(やはり市場規模的に先行する)4K液晶テレビのソフト的技術が少しずつ搭載され、2年分の「適正進化」と言えます。
4・超短焦点の家庭用プロジェクター
続いて、本体を壁際に設置できる点で魅力のある、超短焦点のプロジェクターを紹介します。
【2019年】
36・パナソニック TH-100FP1 [ブラック]
¥234,910 Amazon.co.jp (11/7執筆時)
パネルタイプ:DLP(0.65型)
解像度:1920x1080
コントラスト:2000:1
重さ:11キロ
明るさ:2700ルーメン
100インチ投影距離: 0.38〜0.5 m
DLPプロジェクター TH-100FP1は、パナソニックが2019年に新発売した新しいコンセプトのプロジェクターです。
投影距離は、ここまで見てきた製品と比較にならないほどの「超短焦点」機で、わずか30センチの設置スペースがあれば、100インチ投影が可能な製品です。
60インチならば17cmで済むので「液晶テレビすら厚みを感じて邪魔!!」という、超ミニマリストの方におすすめできる機種です。
解像度は、1920x1080で、フルHD対応です。
明るさも、2700ルーメンです。
正確を期して言えば、この値段を出せば、最も解像度も明るさも良い4K機が買えます。
ただ、超短焦点という「一点突破型」の機種なので、これらの部分は大目に見るべきです。
設置も、そもそも、TVの近くにおける機種ですし、多少、カーテンなどに配慮すれば、十分視認性に値するクオリティを出せるでしょう。
液晶方式は、DLP式です。
ただ、搭載する素子は、0.65型とやや大きめです。
端子は、HDMIが2系統です。
そのほか、USB端子と、スピーカー用の光デジタル出力があります。
ネットワークは、一方、Wi-Fiを搭載します。
DLNA機能があるため、パナソニックの最近のTVや【ブルーレイディーガの比較記事】で、紹介したような、同社のブルーレイから、ワイヤレスで画像・音声を飛ばすことも可能です。
ようするに、プロジェクターが完全に「テレビ代わりに利用できる」機種です。
パナソニックとしては、おそらくこの部分が最も「提案したい部分」です。同社のブルーレイさえあれば「リビングが液晶テレビなしでスッキリする!」わけなので。
重さは、11kgあるため、動かして使うことはさほど想定しません。
傾き補正は、垂直方向に4度のみです。ただ、短焦点機なので、問題ないでしょう。
スピーカーは、一方、映像・音響部門を自社に持つ「強み」で、左右のフルレンジウーファーのほか、パッシブラジエータと4つのスコーカーを持つ、重低音に配慮した設計です。
Bluetooth接続や光デジタル出力で外部のスピーカーも利用できますが、最大32Wという贅沢な設計の内蔵スピーカーでも、ある程度満足できる音質だと思います。
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以上、パナソニックのTH-100FP1の紹介でした。
設置性の良い短焦点機は、【モバイルプロジェクターの比較記事】で、ソニーの商品も比較しています。
ただ、リビングのメイン機としては非力だったので、そのすき間を埋める機種と言えるでしょう。
やや高いのは難点ですが、液晶テレビの代わりに買うと考えると、納得できると思います。「リビングをスッキリさせたい!」という、ニーズには最も合う製品でしょう。
【2019年】
【AndroidTV搭載】
37・EPSON dreamio EH-LS500B
38・EPSON dreamio EH-LS500W
¥316,774 楽天市場 (11/7執筆時)
パネルタイプ:3LCD (0.61型)
解像度:4K UHD (3840 x 2160)
コントラスト:250万:1
重さ:9.3キロ
明るさ:4000ルーメン
100インチ投影距離: 0.62m
EH-LS500B シリーズ は、EPSONの短焦点プロジェクターです。
フルHDモデルにもありましたが、レーザーダイオードと超短焦点レンズを採用する、新コンセプトの「別ライン」の高級品です。
4K映像は、対応です。
液晶方式は、一方で、しっかり、3LCD液晶方式です。
その上で、通常のエプソン品と同じで、画素をずらすことによる「4Kエンハンスメントテクノロジー」です。
一方、(投影に使う)液晶サイズは、0.61型なので、エプソンの20万前後のクラスと同等品です。
明るさは、4000ルーメンです。
また、光源としてレーザーダイオードを採用するため、コントラスト比(ダイナミック比)は250万:1と優れます。
端子は、HDMI端子3つです。
先述のように、新コンセプトの「別ライン」に属するので、そちらの下位機種同様に、Epson純正のAndroid TV端末が同梱されます。
重さは、9.3kgです。
カジュアル路線の製品ですが、家庭では、きちっと設置して使う製品でしょう。
投影距離は、一方、この機種の大きな注目点です。
超短焦点レンズを採用するため、62cmの投影距離で100インチです。
方式的に、最大サイズは82cmでの120インチまでとはいえ、利用形態を考えれば問題ありません。
傾き補正は、未対応です。
正面への固定設置が前提の単焦点機ということです。
Wi-Fi機能は、AndroidTVの端末以外には、未搭載です。
スピーカーは10Wを内蔵しますが、基本的には、アンプなどを利用して、オーディオ機器で再生するべきでしょう。
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以上、エプソンのEH-LS500B シリーズの紹介でした。
超短焦点の4K高級機というのはあまり市場になく、貴重な新機種です。
設置が簡単で、部屋が「ごみごみ」しにくいため、大がかりな設備に家族が反対している場合など、ニーズはありそうです。
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【2020年12月】
【AndroidTV搭載】
39・EPSON dreamio EH-LS300B
40・EPSON dreamio EH-LS300W
¥250,427 Amazon.co.jp (11/7執筆時)
パネルタイプ:3LCD (0.61型)
解像度:1920×1080
コントラスト:250万:1
重さ:7.2キロ
明るさ:3600ルーメン
100インチ投影距離: 0.58m
なお、本機については、2020年末に事実上の「下位機種」として、フルHD解像度の製品がでました。
本機も、100インチ投影距離が約60cmの短焦点です。
本体サイズは、幅467mm×奥行400mm×高さ133mmです。
エプソンの4K機よりも、高さが7cmほど低く、スクリーンレスで利用する場合に「邪魔になりにくい」というコンセプトの製品です。
その上で、本機は、前面にヤマハのスピーカーユニットが搭載です。
オーディオ部分の詳しいスペックが非開示なのですが、 左右にサイズ不明のフルレンジ(5W)が2基と、真ん中にウーファー1基の、2.1ch構成です。
一方、「3Dサラウンド」という表現がありますので、(おそらく)仮想的な立体音響技術のDTS Virtual:Xに対応しているものと思われます。
ただ、それでも、総出力15Wのスピーカーなので、「大迫力とは言えない」でしょう。【サウンドバーの比較記事】で紹介したような外部機器のうち、光入力対応機を導入した方が良いでしょう。
今回の結論
プロジェクターでおすすめできる機種は結論的にこちら!
というわけで、今回は、ホームシアター向けのプロジェクターを比較してきました。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
1・画質(日中) ★★★★☆
2・画質(夜間) ★★★★☆
3・設置の容易さ ★★★★☆
4・軽量性 ★★★★☆
5・ネットワーク ★★★★☆
6・総合評価 ★★★★☆
最終回となる3回目記事(こちら)では、今回紹介した全機種から、Atlasのおすすめ機種を最終的に提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
3回目記事は→こちら