1回目記事からの続きです→こちら
3-1・JBLのイヤホン
3回目記事のトップバッターは、アメリカのJBLの完全ワイヤレスイヤホンです。
BOSEと同じく米国メーカーですが、音質的には、伝統的に(迫力より)ボーカルの聴きやすさなど中音域を大事にしてきた印象があるメーカーです。
高級機もありますが、最近は格安機でもプレゼンスを増しています。
1・完全ワイヤレスイヤホンの比較(1)
1-1:選び方の基本の解説【導入】
1-2:アップル〈米国〉
1-2:ソニー〈日本〉
2・完全ワイヤレスイヤホンの比較(2)
2-1:BOSE〈米国〉
2-2:パナソニック〈日本〉
2-3:JVC〈日本〉
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較(3)
3-1:JBL〈米国〉
3-2:ANKER 〈米国〉
4・完全ワイヤレスイヤホンの比較(4)
4-1:Beats〈米国〉
4-2:ヤマハ〈日本〉
4-3:SHURE〈米国〉
4-4:Bang&Olufsen〈北欧〉
4-5:Noble Audio〈米国〉
5・完全ワイヤレスイヤホンの比較(5)
5-1:AVIOT〈日本〉
5-2:Final ag 〈日本〉
6・完全ワイヤレスイヤホンの比較(6)
6-1:Amazon 〈米国〉
6-2:Google 〈米国〉
6-3:ゼンハイザー〈ドイツ〉
6-4:DENON〈日本〉
6-5:AKG〈オーストリア〉
6-6:サムスン〈韓国〉
7・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (7)
7-1:オーディオテクニカ〈日本〉
7-2:ファーウェイ・シャオミ ほか
8・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (8)
=予算別・目的別のおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿いながら各機を説明していきます。
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また、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチだと思う部分を青字で書きます。
【2024年発売】JBLTOURPRO3LTT
30・ JBL TOUR PRO3 JBLTOURPRO3BLK
¥39,000 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
【2023年発売】JBLTOURPRO2CPG JBLTOURPRO2YURJN
30・JBL TOUR PRO2 JBLTOURPRO2BL
¥22,000 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
3D音響:対応(JBL空間サウンド)
個人最適化:対応
連続再生時間:8時間
ドライバー:10.2mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式 (自動)
防水性能:
重さ:5.6g×2
JBL TOUR PRO 3は、米国のJBLの完全ワイヤレスイヤホンの最上位機です。
旧機種が残ります。
ただ、今年は、最新Socへの更新があった関係で、コーデックの対応(旧機はSBCのみ)ほか、ノイキャン精度・3D音響の対応度、通話品質が向上しました。
充電ケースのスクリーンも大きくなり、イヤホンの重さも多少(0.5g)軽くなっています。
結論的にいえば、値段差はありますが、機能性で選ぶならば新機種でしょう。
重量は、5.6gです。
同社の最上位機は、世代を更新するごとにしっかり軽くなってきていいます。
「とても軽い」わけではないのですが、ドライバサイズの大きさを考えると、たいへんだったのではと思います。
イヤーピースは、普通のシリコン製が3サイズです。
その上で、耳に入ると膨脹するフォームイヤーチップが1サイズです。
後者は、24年機から初採用でした。密閉性が高いので、とくに高音域において(パッシブな)ノイキャン性能が高まります。
ドライバーは、10.2mmと大きめです。
素材面では、基層のPEN(ポリエチレンナフタレート)は普通ですが、特殊カーボン(Diamond-Like Carbon) をコーティングします。
この組み合わせは、他社でも上位機にみられる仕様で、凝った工夫ではないですが、TWSでこの部分が「語れる」モデルがあまりない点をふまえれば、「ワンポイント」です。
音質のパーソナライズは、他社とはことなる方式ですが、充実します。
年齢・性別と「静か」と感じる騒音レベル、左右の周波数帯域ごとの聞こえ状況を入力し、細かいサウンドプロファイルをつくる機能があります(Personi-fi 3.0)。
この方式の場合、左右の耳、あるいは周波数帯域ごとの「聞こえ」の問題があるかたには、わりと重宝に感じるでしょう。
さらに、24年機からは、リアルタイムでの調整にも、大手他社機とおなじで対応です(リアルタイム適応)。
事前に作成するプロファイルと、リアルタイム情報を処理できる点で高度です。AI世代の処理力があります。
立体音響は、一方、本機は、「JBL空間サウンド」という名前で対応があります。
BOSE同様、専用音源が必要というわけではなく(イコライザ的な処理として)通常の音源を、独自の計算で「立体音響」にするというものです。
専用音源を前提とするSONYやAppleとは違うといえます。
ヘッドトラッキングも、24年機からフォローになりました。
したがって、音楽コンテンツだけでなく、映像にも対応できます。
この部分で、他の大手主要社にこの世代で追いついたと言えます。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・LDACに対応です。
ソニー系ですが、LDAC対応なので、ハイレゾ対応水準です。
接続安定性の面では、Bluetooth 5.3に対応しています。
ノイズキャンセリングは、Wマイク仕様(自動)です。
ハイブリッドノイズキャンセリング2.0という名称です。
リアルタイム分析は、周囲の騒音状況の情報ほか、先述のように、イヤホンの装着状況の変化もリアルタイムで自動で判別しています。
ソニーと比べると、見るのは音の部分だけで、スマホの加速度センサーまでは見ませんが、一般的に言って十分です。
ノイキャンは7段階のかかりから自動で調整できます。また、自分でかかりを手動で調整することも可能です。
そのほか、他社機同様に、外音取込機能と トークスルー機能があり、外出先での利用や会話しながらの利用に対応できます。
連続再生時間は、ステレオ再生/ノイキャンONで8時間です。
バッテリーケースは、約3回分利用可能です。
充電ケースには液晶のタッチパネルが装備されます。
スマホアプリを介さずとも、音量やANCなどの部分で、ある程度の設定変更ができるほか、着信通知を表示で受け取れます。
この仕様が便利かは「人による」部分はあるでしょう。
マイクは、搭載です。
片側3マイク式で、ビームフォーミングマイク2基と、内部マイク1基です。
ビームフォーミング技術を採用するため、無指向性マイクでも、しっかり送話の音声とノイズを区別できます。
防水性は、一方示されません。
そのほか、本機は、タップすると、音声AI(Google系・Amazon系)を呼び出せる仕様で、音声操作に対応します。
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以上、JBL TOUR PRO2の紹介でした。
新しいSocを採用したこともあり、旧世代で欠点と思われた部分が、全て解決されたといえる高級機です。
プロフィール分析とリアルタイム分析を併用する点で最新であるWマイク式のノイキャンを詰みつつ、10.2mmの大きめのドライバーを搭載した製品です。やや大粒ではありますが、重さは軽いですし、ファッションとしても違和感はないです。
厳密に言えば、ノイキャン部分の性能や、立体音響の部分は、ソニー、アップルほか自社開発するなど力を入れる企業には「かかり」の部分で負ける部分はあります。
ただ、そういった製品より大きめのドライバーでありつつ、重さも加減がある点が、本機の個性でしょう。
密閉型だけで比べれば、ドライバーのサイズが大きいのは、音質部分で大きなプラス効果と言えますし、中音域が安定的で堅実な重低音を得られる、JBLの音作りのファンの方は、TWSでは「選べる」製品と言えます。
ただ、(見た目ほどあまり便利にも思えない)ケースのディスプレイで値段が高い面はややありそうです。個人的に、持ち歩き時に気を遣う必要がある部分が増えるので、この方向性はあまり嬉しくないです。
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なお、JBLの場合、本機より下位のグレードとして、次のような製品展開があります。
順番にみておきます。
【2024年発売】JBLLIVEBEAM3SIL JBLLIVEBEAM3BLU
31・JBL Live Beam 3 JBLLIVEBEAM3B
¥18,000 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
3D音響:
個人最適化:対応
連続再生時間:9時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式 (自動)
防水性能:
重さ:5g×2
第1に、JBL Live Beam 3 です。
先ほどの製品の1グレード下になります。
こちらも、液晶表示付きのバッテリーケースを持つ製品です。
ドライバーは、本機も、10mmと大きめです。
形状も同じショートスティック型ですし、中もおそらく明示的な差をつけていません。
また、本機もSocは新世代で、こちらもハイレゾ対応水準です。
しかし、JBL空間サウンド(イマーシブオーディオ)に非対応です。
したがって、ヘッドトラッキングなども対応しません。
ノイズキャンセリングも、リアルタイム補正を含めて、上位機と同水準です。
スマホアプリでの、パーソナライズ(フィッティング)もこちらも可能です。
防水性は、IP55等級です。
あとは、特段言及したい違いはないです。フィッティングも対応です。
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結論的にいえば、どちらが「JBLらしい上位機」かと言われれば、先ほどの方でしょう。
空間サウンドは、現在的なトレンドですし、ハイレゾ以上に対応コンテンツがふえそうなので、できれば上位機が良いでしょう。
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【2024年発売】JBLLIVEBUDS3SIL
32・ JBL LIVE BUDS 3 JBLLIVEBUDS3BLK
¥18,200 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
【2022年発売】JBLLIVEPRO2TWSBLK
32・JBL LIVE FREE 2 TWS
¥14,355 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:8時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式 (自動)
防水性能:IPX7
重さ:4.6g×2
第2に、 JBL LIVE BUDS 3です。
旧機種が残ります。
このグレードの場合、ハイレゾ対応は新機種からです。
また、素材面を含むドライバーの改良がみられたので、高音域だけでなく、低音域も新機種に及ばない部分があります。ノイキャンも、各自の耳のフィッティングに合わせて、リアルタイム補正に対応するのは、新機種からです。
やはり、値段差はあるものの、JBLの24年モデルは、SOCの変更などでかなり進化しているので、選びたいのは、新機種です。
重量は、4.6gです。
ミドルグレードらしく、軽量で誰にも使いやすいと言えます。
こちらの場合オーバル形状なので、サイズはそこまで小型ではないですが、問題ありません。
イヤーピースは、3サイズ(S/M/L)が添付されます。
ドライバーは、10mmです。
この部分だけで音質は決まりませんが、中級機にしては大きめといえます。
JBLは(ソニーと比べても)この部分のサイズ感は重視します。
振動板の素材は、PUとチタンの複合材で、低音域を強化するとともにハイレゾ対応水準にしています。
あとは、ノイキャン部分を含めて、1つ上の製品と、言及したい違いはありません。
したがって、ハイレゾ対応ですが立体音響は、このクラスも対応しません。
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結論的にいえば、主に、スタイル(ファッション)の部分で、スティック形状が好みに合わない場合に、選択肢になるモデルと言えます。ただ、JBLの上位機がスティック型ということをふまえると、同社の本筋はそちらかなとは思います。
一方、立体音響に対応しないのは、最近だと残念な部分と言えます。売出時価格で、この価格帯だと対応している企業もありますので。
【2025年発売】
33・ JBL TUNE BEAM 2
33・ JBL TUNE BEAM 2 GHOST
¥13,420 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-22kHz
コーデック:SBC AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:10時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IP54
重さ:5.2g×2
JBL TUNE BEAM 2は、JBLのエントリークラスにあたるTUNEシリーズの2代目です。
22年登場の初代(JBL TUNE BEAM)と比べて、ノイキャンが2マイク式になったほか、空間オーディオと、音質のパーソナライズに対応するようになりました。
なお、「ゴースト」のほうは、ケースと、イヤホンの一部が透明になっているだけで、あとは同じです。
重量は、5.2gです。
マイク部分が下に伸びたショートスティック型として、平均的な重さでしょう。
一方、形状部分で言えば、同社のショートスティック型は、コンチャが浅い耳形状の型でも、コンチャが浅めの型に向くとされます。
やや特殊なので直売限定といった感じでしょう。なお、同社の上位製品だと、どちらでも合うように設計されているとのことです。
イヤーピースは、3サイズ(S/M/L)が添付されます。
音質のパーソナライズは、本機も、上位機で説明したPersoni-fi 3.0で対応です。
ドライバーは、6mmです。
大きさを信条としている同社にしては小型です。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACです。
したがって、ハイレゾは非対応です。
立体音響は、「JBL空間サウンド」に対応です。
こちらも、上位機で説明したのと同じ仕様です。
接続安定性の面では、Bluetooth 5.3です。
Bluetoothのマルチポイント接続にもしっかり対応です。
スマホの待ち受けをしつつ、PCで音楽を聴くなどの使い方ができます。23年以降発売の機種だと、各社とも基本装備の場合が増えました。
ノイキャンは、Wマイク式です。
リアルタイム補正は伴わない「ハイブリッドノイズキャンセリング1.0」なので、同社の最上位機とは差があります。
連続再生時間は、12時間です。
バッテリーケースは、48時間分となります。
マイクは、両側で総計6マイクです。
外部マイク2、内部マイク1という構成で、外部マイクが2系統です。
主に、通話用に風などのノイズを防ぐための工夫になります。
もちろん外音取り込み機能と トークスルー機能はあります。
防水性は、 IP54相当です。
したがって、簡単ですが、防水性以外に、防塵性も担保されると言えます。
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以上、JBL TUNE BEAM 2の紹介でした。
言い方は難しいですが、耳の入口が「小粒」で、普通のカナル型TWSが入りにくい(外れやすい)場合、安定しやすい格安機いえそうです。
機能面でも、最上位ではないものの、十分なノイキャン性能がある上で、近年の上位機のトレンドと言える、音質のパーソナライズや空間オーディオにもしっかり対応します。
JBLにしては「小さめな」ドライバーですが、ここは、形状を小さくするためには仕方ない部分ですし、同社も低音アップは「うまい」ほうので、問題ないでしょう。
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このほか、TUNEシリーズほかの同社の格安シリーズは、以下のような製品があります。
【2025年発売】(2マイク式)
34・JBL TUNE FLEX 2
¥14,500 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
【2022年発売】(1マイク式)
34・JBL TUNE FLEX
¥8,564 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:8時間
ドライバー:12mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IP54
重さ:4.2g×2
第1に、JBL Tune Flex 2 Ghost Editionです。
1つ上の機種の姉妹品ですが、「コンチャが浅め」向けではなく、一般向けの製品です。
初代が残りますが、ノイキャンが1マイク式で、音質のパーソナライズと空間オーディオに非対応です。
本体色は、ブラック(JBLTFLEX2GBLK)・ホワイト(JBLTFLEX2GWHT)・パープル(BLTFLEX2GMAE)です。
いずれも、レトロっぽい「スケルトンデザイン」にります。
重さは、4.2gです。
従来機(4.8g)よりやや軽くなりました。
ドライバーは、12mmです。
先ほどの機種より大きめです。
機能面は、1点特色があります。
付属するイヤーピースの最小サイズがオープン型(開放型 XS)だからです。
密閉型も3サイズ(S/M/L)です。
本質的には、密閉型に合わせた音質設計かなと思います。
あとの部分は、1つ上でみたTUNE BEAM 2と、変わりません。
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結論的にいえば、交換式という部分が面白い製品です。
ただ、いちいちシーンに応じて交換は面倒になりますし、気分に合わせて替えるというより、どちらが合うか分からないので「両方試したい」という方に向く、やや特殊な製品です。
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【2022年発売】(ノイキャンあり)
35・JBL Wave BUDS 2 JBLWBUDS2BLK
¥8,000 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
【2022年発売】(ノイキャンなし)
35・JBL Wave BUDS
¥5,480 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:8時間
ドライバー:8mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク
防水性能:IPX4
重さ:4.5g×2
第2に、JBL Wave BUDS 2 です。
同社のTWS型イヤホンだと最も安いモデルです。
旧型が残りますが、こちらは、ノイキャン非対応であり、見所に欠けます。
重量は、片側につき、4.5gです。
軽量で小粒な製品です。
ドライバーは、しかし、8mmですので、このクラスだと少し大きめです。
ノイキャンは、新機種のみですが、1マイク式で装備です。
外音取り込みは、ヒアスルー(トークスルー)を含めて対応です。
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結論的にいえば、大手音響機器メーカー製の製品として、1万円を切る価格でノイキャン搭載というのが見どころでしょう。
ドライバーも大きめですし、防水性や外音取り込みも持ちます。1万円以下の予算で購入可能な製品の中では、総合的にわりとまとまった性能に思います。
むろん、安さを売りにする企業だと、同価格帯のノイキャン製品は割とありますが、大手音響機器メーカー製品を探している場合、主に値段面で候補にできそうです。
【2022年発売】
36・ JBL ENDURANCE PEAK 3
¥13,874 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:10時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX7
重さ:12.5g×2
JBL ENDURANCE PEAK3 は、アメリカの大手音響機器メーカーのJBLが販売する完全ワイヤレスイヤホンです。
しっかり防水で、運動時に外れにくい工夫がある製品の格安機と言えます。
重量は、12.5gです。
本機の場合、運動時にずり落ちないようにフック型です。
形状的に重くなりますが、実際的に気になることはあまりないでしょう。なお、新機種になって、フック部分がより「しなやか」になり、装着感を増しています。
イヤーピースは、3サイズから選択可能です。
ドライバーは、10mmと、このクラスでは大きめのドライバーです。
遮音性も、イヤーピースの部分はカナル型(密閉型)なので、音漏れはほとんどないでしょう。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACに対応です。
通信安定性の面では、Bluetooth5.2に対応です。
左右同時送信については情報がないです。
ノイズキャンセリングは、非対応です。
外音取り込みは、「ボイスアウェア」機能として対応です。
ヒアスルーも対応するので、ワークアウト中の聞きとりについては問題ありません。
連続再生時間は、60時間です。
ケースの部分は約40時間分のバッテリーを搭載です。
マイクは、とくに高機能ではないですが、こちらも搭載です。
ハンズフリー通話もできます。
防滴設定は、IP68相当です。
この場合、IPX8水準の防水性に防塵性があることになるので、「最高性能」といえます。
スポーツ用としてどこでも使えそうです。
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以上、JBL ENDURANCE PEAK 3 の紹介でした。
スポーツ用として使える製品で、しっかり固定力がある製品のなかでは、コスパが良い製品です。
ノイキャンは搭載されませんが、この使途では有力な候補でしょう。
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【2023年発売】JBLSNDGEARSNSBLK
37・ JBL SOUNDGEAR SENSE
¥14,000 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:6時間
ドライバー:16.2mm(開放型)
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IP54
重さ:5.3g×2
このほか、JBLからは同じくイヤーフック型として、SOUNDGEAR SENSEという製品も売られます。
ただ、こちらは、JVCビクターにもありましたが、開放型(オープンエア)です。
16.2mmという大きなドライバーを搭載し、同社のBASSエンハンスメント技術で、とくに低音は出ます。
一方、このタイプは、音漏れはするのですが、JBLの場合、「逆ノイキャン」というか逆位相サウンドで、音の拡散を減らす仕組みがあるので、(完全な静粛ではないですが)対策はあります。
バッテリーは、6時間、ケース部分に18時間です。
当然ですが、ノイキャンはないです。
マイクは、搭載です。
通話向きのMEMSマイクが片側2つで、ノイズリダクションに対応します。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACに対応です。
接続としては、マルチポイント対応なので、2台同時接続もできます。
防水性は、IP54の防水防塵等級はあるので、水中以外ならば、運動でも使えます。
その場合、付属パーツで、ネックバンド型にして、紛失防止を図ることができます。
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結論的にいえば、5.3gという軽量な部分を含めて、スポーツ用には良いでしょう。カナル式の圧迫感を避けたい場合、良いかと思います。
JVCの同型がライバルですが、こちらの方が軽量です。ただ、形状的に若干目立ちそうですが、低音のブーストと「逆ノイキャン」の工夫の部分を含めると、若干機能性はこちらが上かと思います。
3-2・ANKERのイヤホン
続いて、アンカーの完全ワイヤレスイヤホンです。
米国由来の企業ですが、今は生産拠点のある中国に本拠を置いています。
日本では、バッテリーメーカーとして知られますが、吸収した音響メーカーのZoloの製品を原点として、この分野でもプレゼンスがあります。
【2024年発売】
38・ANKER Soundcore Liberty 4 Pro
¥19,990 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
連続再生時間:7.5時間
ドライバー:10.5mm+4.6mm
防水性能:IP55
重さ:5.5g×2
【2025年発売】
38・ANKER Soundcore Liberty 5
¥14,990 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
【2022年発売】(ウルトラノイズキャンセリング 2.0)
38・ANKER Soundcore Liberty 4
¥13,980 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
連続再生時間:7時間
ドライバー:6mm+9.2mm
防水性能:IPX4
重さ:5.8g×2
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC・AAC・LDAC
3D音響:対応(自社方式)
個人最適化:高度(ヘッドトラッキング可)
マイク:搭載
ノイキャン:2マイク式(自動)
Soundcore Liberty 4 Pro は、アンカーが販売する完全ワイヤレスイヤホンの最上位機です。
なお、Soundcore Liberty 5は(ラベリングがver.5ですが)下位機と考えてください。
ドライバーの合計サイズは、やや小さめ(9.2mm+6mm)です。
その上で、ノイキャン部分で「気圧計」がないので、とくに飛行機利用時の調整力が及びません。その上で、ヘッドトラッキングも省略で、防水等級も弱め(IPX4)ですし、値段差分の差はあります。
旧機(Soundcore Liberty 4)は、同じWマイク式ノイキャンながら、旧式なので、リアルタイム分析ができないほか、中高音のノイキャン精度が新機種に及びません。
ただ、旧機だけは、ヘルスモニタリング機能が搭載でした。
耳の静脈から心拍数を図る仕組みですが、この部分について言えば、腕時計型端末ほどいろいろはできませんし、なくても良いと思います。
あとは、が劣るのと、構成されるイヤーチップの種類が変わる(=若干旧機のが工夫がある)程度です。
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結論的にいえば、割と価格差はあるのですが、ドライバに由来する音質ほか、移動中にノイキャンを使う場合において、性能差は大きいと言えます。
予算に都合か付けば、上位機をおすすめしますが、下位機もその下位機と考えれば、値段面に選択肢に入ります。
以下、 Soundcore Liberty 4 Proをベースに紹介を続けます。
本体色は、ブラック( A3954N11)とホワイト(A3954N21 )など4色です。
重量は、片側5.5gです。
最近、各社とも最上位機の軽量化が顕著ですが、ANKERも軽いです。
イヤーピースは、シリコン系で6サイズが添付されます。
音質のパーソナライズは、Ankerも対応します。
Anker製品は、下位機を含めてHearID機能を実装するからです。
周波数帯域(100Hz〜6.4kHz)がどのように聞こえているかを、マイクを使って測定します。方向性は、すでにみたJBLのPersoni-fi 3.0を少しシンプルにした感じです。
この手の調整は、体調要因などもあるため必ずしも常に正確ではないのですが、簡単にOFFにはできるので「イコライザー設定の1つ」位に考えて使えば良いかと思います。
ただ、左右の聴覚差があるかたには便利なようです。
音質面では、少し独特です
本機は、ダイナミック型を同心円状に配置したWドライバーだからです。
ドライバーの素材は、非公開です。
サイズは、10.5mm+4.6mmと同社の旧世代より大きくなりました(A.C.A.A 4.0)。
同軸配置は例がないわけではないですが、Ankerが近年こだわる部分です。
この方式は音域が広くなる一方、音域の継ぎ目がでるのでその部分に技術が必要です。
ただ、同社は、この方式でVGAなどの賞を過去にとっていますし、ノウハウはあるでしょう。
立体音響は、対応します。
JBLと同じで、専用音源をマストとせず、独自のアルゴリズムで実現する方向性です。
ヘッドトラッキングも、対応なので、動画・ゲームでも使えます。
この仕様の製品のなかでは、最安クラスでしょう。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・LDACに対応します。
ソニーのLDACにチップ対応することで、ハイレゾに対応させています。
Soc自体は恐らくQualcomm製で、LDAC対応を
再生周波数帯域をみても、20Hz-40kHzですので、ハイレゾ規格に達しています。
接続安定性の面では、Bluetooth 5.3に対応しています
問題ないです。
ノイズキャンセリングは、2マイク式(自動)です(ウルトラノイズキャンセリング 3.5)。
正確には、7つのセンサー(気圧センサー1つと片側3つのマイク×2)を使った制御です。
騒音状況についてリアルタイム分析(毎分180回)を行う上で、装着状況もみますし、最近の大手の上位機と比べても、十分に高度です。
その上で、気圧センーが搭載です。
飛行機搭乗時に効果を発揮します。ソニー機も搭載でした。
なお、本機と同じ「ウルトラノイズキャンセリング 3.5」クラスのイヤホンでも、気圧計を装備しない機種はあります。
連続再生時間は、ノイキャンONで7.5時間です。
バッテリーケースは、充電器を兼ねており、ケースと本体と合計で約30時間分の量です。
マイクは、搭載です。
外音取込は、ノイキャンとともにかかりが主導で調整可能です。
防水性は、IP54等級です。
防水・防塵構造はありますが、構造的にスポーツ用ではないでしょう。
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以上、アンカーのSoundcore Liberty 4 Proの紹介でした。
ただ、ドライバ構成が、同軸配置のダイナミック型というのはとてもユニークです。加えて、LDACを使ってハイレゾ対応できるのが本機の個性と言えます。
その上で、ヘッドトラッキング対応の立体音響が本機の見どころです。ソニー系は、音楽優先の展開ですが、こちらは、映像にも汎用性があるのが特徴と言えます。安めですが、近未来的です。
一方、ソニーの上位機に比べると、値段差分、ノイキャンの精度の差はありまs
音の傾向は、高音と低音が強い伝統的な「ドンシャリ」ですが、ノイキャンを利用するような通勤環境では、この仕様は悪くないでしょう。
この価格だと割と良い製品の1つに思えます。
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なお、このグレードに前後するAnker製品は、ほかにあります。
名前が似ている製品も多く注意が必要なので、以下、簡単に説明しておきます。
【2023年発売】
39・ANKER Soundcore Liberty 4 NC
¥12,990 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC・AAC・LDAC
3D音響:
個人最適化:対応
連続再生時間:8時間
ドライバー:11mm
マイク:搭載
ノイキャン:2マイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:5g×2
第1に、 Soundcore Liberty 4 NC です。
下位シリーズになります。
本体色は、ブラック(A3947N11)・ ホワイト( A3947N21)・ネイビー( A3947N31)・ピンク( A3947N51)・ライトブルー( A3947N61)が選べます。
重量は、片側5gです。
形状は、先ほどの機種と同じくスティック型ですが、僅かに軽いです。
先述の、パーソナライズ機能(HearID)も対応です。
音質面では、しかし、本機は普通の1ドライバです。
とはいえ、11mmと大きめなので、とくに低音域方向の能力は引き続き期待できます。
また、音域も広いでしょう。コーデックを含めて、ハイレゾ対応水準です。
ノイズキャンセリングは、Wマイク式(自動)です。
先ほどの機種と比べると、気圧計ないほか、Socの世代の関係で、リアルタイム補正(回数)の部分で新機種に及びません(ウルトラノイズキャンセリング 3.0)
ただ、上位機同様、リアルタイム分析において、装着状況や装着状況はしっかり見ています。
本機は、構造的にパッシブな(耳せん的な)遮音性はよいですし、1万円前後の製品と考えれば、この部分は「強い」ほうです。
一方、立体音響には、ヘッドトラッキングを含めて非対応です。
この部分が上位機と最も目立つ差です。
あとは、ケースに液晶がないほどで、上位機に対して、強調したい違いはないです。
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結論的にいえば、Ankerの個性と言えるWドライバーでないのがすこし残念です。加えて、最近のトレンドである、立体音響(空間オーディオ)に対応しない部分も同じです。
実際これほどの値段を上限として選ぶ場合は、先ほどみた旧機の上位機( Soundcore Liberty 4)が良いように思います。
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【2022年発売】 A3936N21 A3936N31
40・ ANKER Soundcore A40 A3936N11
¥19,340 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC・LDAC
3D音響:
個人最適化:対応
連続再生時間:10時間
ドライバー:(2層振動板)
マイク:搭載
ノイキャン:2マイク式
防水性能:IPX4
重さ:4.9g×2
第2に、Soundcore A40です。
装着性は、ただ、片側4.9gと小型で軽いです。
ドライバーは、2層振動板なのですが、サイズ不明です。
立体音響には非対応です。
ノイズキャンセリングは、Wマイク式です。
また、装着部分は、先述のHear iD自体は機能としてあります。
しかし、装着の種類や、装着状況のリアルタイムの補正はしない世代です。(ウルトラノイズキャンセリング 2.0 )。
コーデックは、SBC・AAC・LDACです。
したがって、LDACでハイレゾ対応水準です。
ただ、公開される周波数帯域から見ると、ドライバーが対応水準とは言えなそうです。
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結論的にいえば、「小粒」で安めのものを探している場合よさげな製品には思います。
ただ、立体音響、ハイレゾ音源に対応しない部分ほか、同社の製品としては珍しく、ドライバのサイズと構成が不明なのが、懸念材料です。
それでも、1万円前後では、強めのノイキャンである部分は、評価できますし、販売価格に相応するほどの性能は期待できます。
【2022年発売】
41・ ANKER Soundcore Sport X10
¥9,880 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:6時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク式
防水性能:IPX7
重さ:6.7g×2
Soundcore Sport X10も、米国のアンカーの製品です。
本体色は、ブラック( A3961 A3961011)とオフホワイト(A3961021)の2色構成です。
写真のような、イヤーフック型のイヤホンで、スポーツ用です。
JVCが似たような製品を同時期に出しましたが、そちらと同じように、柔らかく、軽い、シリコン素材のイヤーフックなので、6.9gと軽量です。
イヤーピースは、5サイズが添付されます。
ドライバーは、1ドライバ仕様で、サイズは10mmです。
素材は非開示ですがグラフェン素材かと思います。
十分に大きめです。重低音につついては、処理で強調するBassUpテクノロジーが搭載です。
ボタンによる外音取り込みモードへの変更も可能ですので、外でのワークアウトにも対応できます。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACには対応します。
パーソナライズは、ただ、同社のHear IDに非対応です。
接続安定性の面では、Bluetooth5.2に対応しています。
ノイズキャンセリングは、本機もノイキャンを装備します。
「4つのマイク(通話用をあわせて6つ)」とありますが、内側・外側のWマイク式ではなく、全て外側配置のようです。
全てのデータを利用している可能性はありますが、今回の区分では「1マイク式」となります。
なお、こちらは、HearID機能も非対応です。
連続再生時間は、ステレオ再生/ノイキャンONで6時間です。
バッテリーケースは、充電器を兼ねており、約4回分利用可能です。
マイクは、ノイズリダクション用を含めて両側6つです。
通話品質もそれなりに良いでしょう。
防水性は、IPX7等級です。
防塵性能こそないですが、たいていの場合問題ないです。
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以上、アンカーの Soundcore Sport X10の紹介でした。
ワークアウト用に「ずれ落ちにくい」イヤーフック型を愛用している方に向く製品です。
ジョギングにも使えるように、高い防水等級・外音取り込みモードを装備する上で、ドライバーサイズの割に小型・軽量で、集中したい場合に、1マイク式ながら、ノイキャンも装備します。
装着感にも工夫がありますし、ワークアウト用の格安機として、スペック面でかなり力強い製品と言えます。1万円前後でこの用途で選ぶならば、かなり良い選択肢です。
【2023年発売】A3871N11
42・ ANKER Soundcore AeroFit Pro
¥19,990 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC・LDAC
3D音響:対応(自社方式)
個人最適化:
連続再生時間:14時間
ドライバー:16.2mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX5
重さ:12.2g×2
ANKER Soundcore AeroFit Proは、ANKERのオープンエア(開放型)のイヤーフックタイプです。JVCビクターやAnkerでも見ましたが、2023年頃このタイプが多く出た印象です。
オープンエアですので、ある程度音漏れはしますが、カナル式と違い圧迫感なくリスニングできます。Ankerの場合も、主には、仕事用・スポーツ用の訴求に思われます。
重さは、12.5gです。
このタイプでは少し重めでしょう。
イヤホン自体はさほど目立たないサイズで、フィット感重視でフックをしっかりした構造にさせるためとは言えますが、やはり、他社と比べると重いです。
ドライバーは、上位機で16.2mmです。
オープンタイプの他社機と同程度に大きいです。
素材的にはチタンコート振動板を採用する工夫があります。素材を明らかにするのは、この手のTWS型の場合珍しいですが、「歪みの少ないクリアな音質」とされます。
音質は、宣伝には「重低音」という表現が入ります。
ただ低音を強化する同社のバスアップ技術には言及がないです。
いずれも、イコライザ調整は可能ですので、問題はないでしょう。
他方、開放型の問題点である音漏れは、JBLのような「逆ノイキャン」ではなく、「サウンドに指向性を持たせる」技術で対策が見られます。
この仕組みもあり、若干他社より、ドライバが小型なのかなとは思います。効果はあるでしょう。
バッテリーは、14時間、ケース部分に46時間です。
「バッテリーのAnker」だけにここは他社より豪華です。充電は、USB-Cです。
マイクは、搭載です。
通話向きのMEMSマイクが片側2つで、AIノイズリダクションに対応します。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・LDACに対応です。
バージョンは、Bluetooth5.3です。
接続は、マルチポイント対応なので、2台同時接続もできます。
ハイレゾは、一方、コーデックとしてはLDACで対応ですが、ドライバーとして対応水準下は明記がなく、また、ハイレゾ機として宣伝もされません。
ノイズキャンセリングは、仕組み上、ないです。
立体音響は、一方、独自アルゴで本機も対応です。
ジャイロセンサーで、ヘッドトラッキングもします。
一方、オープンエア型なので、Hear IDのような装着状態をみる機能は未付属です。
防水性は、IP55です。
防水防塵等級はあるので、水中以外ならば、運動でも使えます。
その場合、付属パーツで、ネックバンド型にして、紛失防止を図ることができます。
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以上、ANKER Soundcore AeroFit Proの紹介でした。
先述のように、JVCやJBLからもオープンエアが出ています。比べる場合、バッテリー量の多さと、ドライバーに技術的な説明が加わっている部分、また、ヘッドトラッキングを含む、立体音響に対応する部分が見どころでしょう。
そのほかの部分の仕様は割と似ています。ただ、他社と比べた場合、若干重めである部分は課題に思えます。装着感は試した方が良いでしょう。
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なお、同社のオープンエアー構造のイヤホンは、次のようなラインもあります。
【2024年発売】 A3874N11 3874N21 A3874N31
43・ ANKER Soundcore AeroFit 2
¥16,990 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
【旧機】A3872N11
43・ ANKER Soundcore AeroFit
¥12,990 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC・AAC・LDAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:10時間
ドライバー:20mm × 11.5mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IP55
重さ:10g×2
第1に、 Soundcore AeroFit 2です。
24年にあとから追加された中級機です。
そのため、先ほどの上位機と比べて、リキッドシリコンとチタン合金ワイヤーを採用したイヤーフックです。髪へのあたりを調整(4段階)できるような、装着面の新しい工夫です。
ドライバーは、20mm × 11.5mmのレーストラック型です。
単体スピーカーでは最近割と見る形状ですが、イヤホンだと珍しいでしょう。
砂時計型のチャンバーが振動を増幅させる新しいバスアップ技術(BassTurbo構造)の搭載もあり、低音域は力強そうです。
この部分の性能で、本機は、ハイレゾ認証水準とされます。
ただし、上位機と比べると、3D立体音響には非対応です。
あとは、言及したい違いはないです。
一方、旧世代機(AeroFit)は、フック調整がないほか、ドライバーが普通の円形の14mmです。
オープン構造のイヤホンとしては、並のサイズです。ハイレゾにも非対応になります。
その代わり、重さは8.5gと加減されますが、あまり目立つとも言えません。
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結論的にいえば、最新機については、つけ心地と、低音の充実度の部分で工夫が多く、割と面白い機種に思えました。その部分では、1つ上でみた上位機よりも良いです。
ただ、Ankerは、必ずしも、「上位機から下位機へ」の順番で新製品がでないので、そう遠くない時期に、新しいフックの工夫を取り入れた、(2024年世代)上位機が出るような気はします。
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【2025年発売】A3388N11 A3388N21 A3388N51
44・ANKER Soundcore AeroClip
¥17,990 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
【2024年発売】(ノイキャン・LDACなし)
44・ANKER Soundcore C40i A3331NZ1
¥12,990 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
3D音響:対応
個人最適化:
連続再生時間:8時間
ドライバー:12.8mm
マイク:
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:5.9g×2
第2に、 Soundcore AeroClip です。
イヤーカフ型の製品です。
Soundcore C40iは同じ仕様の2024年仕様です。
こちらの方がドライバーはレーストラック型(17mm × 12mm)でやや大きいですが、この形状の「第1世代」なので、新機種は何らかの欠点を改善している可能性があります。
タップ位置の変更が見られるので、その部分を含めた装着性の改良かとは思います。
選ぶならば、新しいほうが良いかと思います。
形状は、写真のようなイヤーカフ型(クリップ型)です。
こちらも、上部のBridgeに、曲げられるチタンワイヤーを内装したもので、着脱の容易さを売りにするものです。
サイズは、付属のイヤーカフカップで調整できるので、汗で滑って落として、無くすようなことは少なそうです。
ドライバーは、大きめの12.8mmです。
振動板は、チタン合金になります。
ただし、ハイレゾは非対応の水準です。
立体音響は、独自の対応情報については未記載です。
ジャイロセンサーなどは装備せず、ヘッドトラッキングもしません。
音漏れは、オープン構造なので、あります。
ただ、配置的に、耳道に真っ直ぐ音が届くような指向性スピーカーになるため、軽減するための工夫はあります。
ノイズキャンセリングは、対応です。
マイクは、装備します。
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結論的にいえば、耳への圧迫感(接触間)がないという点がこの方式の利点でしょう。
とくに、イヤーフック型でも汗への蒸れはありますが、この方式ならば、その部分を含めて快適に思えます。
あとは、不慮の事態での「無くしやすさ(落としやすさ)」の度合いですが、新方式なので、このあたりは、フィット感に寄りそうなので、ユーザーレビューを気にしても良いでしょう。
【2024年発売】A3955N21 A3955N31 A3955NQ1
45・ANKER Soundcore P40i A3955N11
¥7,990 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC
3D音響:
個人最適化:対応
連続再生時間:6時間
ドライバー:11mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX5
重さ:5g×2
ANKER Soundcore P40i は、ANKERが発売する完全ワイヤレスイヤホンの入門機です。
重量は、5.2gです。
ショートスティック型では軽量機といえます。
イヤーピースは、シリコン製で、5サイズを添付します。
音質面では、さほど強調する部分はないです。
ただ、ドライバーは、11mmですし、このタイプでは大きめです。
また、イコライザ機能もありますし、不満に感じる方は少なそうです。
Bluetoothコーデックは、SBCのほかAACに対応です。
接続安定性は、Bluetooth 5.3対応なので、期待できます。
ノイズキャンセリングは、対応です。
リアルタイム分析は行わないWマイク式(ウルトラノイズキャンセリング2.0)ですが、価格からすれば優秀です。
音質のパーソナライズも、新機種からはHearIDに対応です。
連続再生時間は、ノイキャンONで10時間となります。
充電ケースは、最大で50時間と引き続き自社の強みを活かしています。ワイヤレスQi充電にも対応です。
防水性は、IPX5等級です。
しっかり防水します。
マイクは、こちらも搭載です。
片側3マイク式で、わりと充実します。
ビームフォーミングがないですが、長細いスティック形状は通話のための形状ですし、この部分は性能が良いと言えます。
外音取込、マルチポイント接続にも使えるので、仕事用にも良い仕様です。
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以上、ANKER Soundcore P40i の紹介でした。
しっかりしたノイズキャンセリング採用で「安い」ので売れそうです。
どちらかといえば、仕様は仕事向けで、そのニーズで安めのものを探している場合、候補になります。
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なお、アンカーは、ショートスティック型の格安機として次のような製品もあります。
簡単に確認しておきます。
【2024年発売】A3959N61 A3959N21A3959N31
46・ ANKER Soundcore P30i A3959N11
¥4,980 楽天市場 (6/13執筆時)
【2021年発売】(ノイキャンなし)
46・ ANKER Soundcore Life P2 mini
¥4,490 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:7時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク
防水性能:IP54
重さ:4.3g×2
第1に、Soundcore Life P2 miniです。
旧機種のこります。
同じ重さですが、ノイキャン未搭載の部分で決定的な差があります。
重さは、4.3gと軽めです。
同じく、ショートスティック型です。
ドライバは、10mmです。
ノイズキャンセリングは、一方、1マイク式ながら搭載です。
4つのマイク(片側2つ)なのですが、1組は通話専用だと思います。
バッテリーは、ノイキャン利用時、最大7時間です。
ケースは30時間分です。
先ほどの機種より僅かに小さいですが、それでも大きいです。
マイクは、搭載です。
ただ、機能性は上位機ほどないですが、外音取り込みは対応です。
Bluetoothのマルチポイントも対応です。
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結論的にいえば、仕事用と考えると、外音取り込みもないですし、やや中途半端でしょう。
ノイキャンももう少し強力でも良いように思います。
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【2024年発売】A3994N21 A3994N31 A3994NQ1
47・ ANKER Soundcore K20i A3994N11
¥4,990 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:6時間
ドライバー:13mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:3.3g×2
第3に、Soundcore Life Note 3Sです。
同社の最安機です。
ドライバーは、13mmと大きめです。
構造は、密閉型(カナル型)ではなく、イヤーチップ不要のインイヤー型(インナーイヤー型)です。
この方式は疲れにくい一方、(耳せん的な)パッシブなノイズ遮断効果が低くなります。むろん音漏れもします。
音質は、同社の、BassUpテクノロジーの採用もあり、低音域は強いです。
マイクも、ノイズリダクション対応です。
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結論的にいえば、同社のLifeシリーズに共通する「通話に向く形状」を持ちつつ、長時間の装着で疲れない部分で、自宅で仕事中に利用するにはわりと良いかと思います。
ただ、外出先でのりようほかへの汎用性は低いので、用途は選ぶでしょう。
【2024年発売】A3958N21 A3958N51 A3958N31
48・ANKER Soundcore A30i A3958N11
¥6,990 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
【2022年発売】(1マイク式)
48・ANKER Soundcore Life A3i
¥6,990 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:5時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク式
防水性能:IPX5
重さ:4.3g×2
Soundcore A30iも、アンカーの発売するTWS型イヤホンの入門機です。
Aシリーズは、先ほどの機種(Pシリーズ)と違って、こちらは、ショートスティック型ではない、普通形状の入門機です。
旧機が残ります。
ただ、ケースが旧型(普通形状)でした。
そのかわり、ドライバーが10mmと新機種より大きいですが、現在の価格だとショートスティック型ならば2マイク式の上位機(P40i)が変えるという部分で、選択肢にならないでしょう。
重量は、片側4.3gです。
軽量で、かつ耳の部分は小粒です。
音質面では、再生周波数帯域も数値が非公開です。
ドライバーは、6mmです。
あまり大きくないです。ただ、Ankerではお馴染みのバスアップ補正の記述はあります。
Bluetoothコーデックは、SBCのほかAACに対応です。
iPhoneはAACに対応できるので、少し音質は良いでしょう。
ノイズキャンセリングは、本機も装備です。
「4つのマイク」という記載ですが、通話マイクを勘定にいれた数であり、こちらも、実際は1マイク式と思われます。
連続再生時間は、ノイズキャンセラをONにして5時間となります。
Ankerとしては少なめですが、サイズ感から仕方ないです。
ケースは、ただ、リップスティック型ですが、しっかり18時間分です。
防水性は、IP54等級です。
マイクは、搭載です。
外音取り込みも、マルチポイント接続もできます。
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以上、アンカーのSoundcore A30i A3958N11の紹介でした。
小粒で目立ちにくい形状である上で、ケースもしまいやすいリップスティック型で、割と人気が出そうです。
音質面では、さほど工夫はないですが、小径のドライバーであることに由来する低音部分のブーストはしていますし、堅実な構成だと思います。
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【2021年発売】A3926511
49・ Anker Soundcore Liberty Neo 2
¥5,990 Amazon.co.jp (6/13執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC
3D音響:
個人最適化:
連続再生時間:5時間
ドライバー:8mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX7
重さ:6g×2
なお、同じような形状の旧世代の入門機となるのが、Soundcore Liberty Neo 2です。
重量は、6gで、ドライバーは、8mmです。
最近は珍しくなくなってきましたが、グラフェン素材のドライバーです。
こちらもBassUpテクノロジー搭載なので、低音は強化されます。
ただ、ノイキャンが非対応です。
その部分で、あまりおすすめできません。
次回に続く
完全ワイヤレスイヤホンのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、完全ワイヤレスイヤホンの3回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
4・完全ワイヤレスイヤホンの比較(4)
4-1:Beats〈米国〉
4-2:ヤマハ〈日本〉
4-3:SHURE〈米国〉
4-4:Bang&Olufsen〈北欧〉
4-5:Noble Audio〈米国〉
5・完全ワイヤレスイヤホンの比較(5)
5-1:AVIOT〈日本〉
5-2:Final ag 〈日本〉
6・完全ワイヤレスイヤホンの比較(6)
6-1:Amazon 〈米国〉
6-2:Google 〈米国〉
6-3:ゼンハイザー〈ドイツ〉
6-4:DENON〈日本〉
6-5:AKG〈オーストリア〉
6-6:サムスン〈韓国〉
7・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (7)
7-1:オーディオテクニカ〈日本〉
7-2:ファーウェイ・シャオミ ほか
8・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (8)
=予算別・目的別のおすすめの提案【結論】
続く4回目記事(こちら)では、Apple系のBeatsやヤマハなど各社の製品を引き続きみていきます。
音質の良さ ★★★★★
ノイズキャンセル ★★★★★
ハイレゾ再生 ★★★★★
立体音響 ★★★★★
軽さ ★★★★★
防水性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回となる8回目記事(こちら)では、今回紹介した「全製品」から、予算別・目的別に、最終的なAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
4回目記事は→こちら!