1回目記事からの続きです→こちら
2-1・マグニフィカ・イーヴォなど
2回目記事のトップバッターは、デロンギのマグニフィカイーヴォなどの紹介からです。
1回目記事の終盤でも、マグニフィカは見ましたが、そちらの上位機にあたります。
ミルクメニューの部分で、ミルクコンテナ(ミルクタンク)を備えるのが特長と言えます。
1・デロンギのエスプレッソメーカーの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:ディディカ・ラスペシャリスタ
抽出:手動(珈琲+ミルク)
価格:2万円〜
1-3:マグニフィカ・ディナミカ
抽出:自動(珈琲)+手動(ミルク)
価格:7万円〜
2・デロンギのエスプレッソメーカーの比較 (2)
2-1:マグニフィカ イーヴォ・スタート
抽出:自動(珈琲+ミルク)
価格:14万円〜
2-2:リヴェリア
抽出:自動(珈琲+ミルク)
価格:18万円〜
2-1:エレッタ
抽出:自動(珈琲+ミルク)
価格:28万円〜
3・デロンギのエスプレッソメーカーの比較 (3)
3-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた、デロンギのエスプレッソメーカーの「選び方の基本」に沿いながら、各機をみていきます。
----
また、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2024年発売】ECAM29081TB ECAM29064B 後継機
23・デロンギ マグニフィカ イーヴォ ECAM29081XTB
¥141,191 Amazon.co.jp (4/19執筆時)
エスプレッソ:対応
カプチーノ:ラテクレマホット
ポンプ圧:15気圧
対応:コーヒー粉・コーヒー豆
サイズ:幅240×奥行445×高さ360mm
マグニフィカ イーヴォ ECAM29081TB は、同社のミルクコンテナ搭載の全自動マシン(=ラテクレマシステム搭載機)は、スタンダード機にあたる製品です。
とはいえ、1回目記事でみた、スチームノズル型に比べれば、だいぶ高価です。
サイズは、幅240×奥行445×高さ360mmです。
ミルクコンテナは内装されるため、設置性はここまで見た全自動型と変わりません。
操作パネルは、このグレードは、まだ、液晶ではないです。
ただ、大きめのアイコンで、はっきりメニューが分かりやすいです。
この点で言えば、職場などの備品にも向きそうです。
水タンクの量は、1.9Lです。
本機も、2杯同時抽出に対応します。
使用方法は、エスプレッソ部分はこの製品も、オートメーション式です。
豆ホッパーは230gが保存可能です。
下位機より小さめですが、一般家庭ならばこれくらいで十分以上です。
作れるコーヒーの種類は、ボタンとしては、3種類です。
エスプレッソ・カフェ・ジャポーネ・スペシャルティです。
エスプレッソは2杯抽出に対応し、抽出量(豆量)と温度もカスタマイズできます。
豆量(濃さ)はボタン設定で可能です。
3段階で調整できる仕様です。
水量の定量設定もできます。
湯温は、調整はできます。
ただ、事前にカスタマイズしておく必要があるので、その部分の違いを楽しむような感じではないです。
ミルクメニューは、先述のように、本機は「ミルクコンテナ」を装備です。
容量は225mLです。上位機(600ML)より小さめですが、牛乳ですし家庭用ならば「使い切り」のこのサイズで良いかと思います。
なお、泡立てまで自動なので、同社は「ラテクレマシステム」という固有名を付けます。
ミルク抽出は、60-65度の範囲で抽出できます。
この温度は「最もミルクが甘くなる温度」であり「ミルクと泡の最適な比率」を実現するためのものでもあります。
一方、利用する牛乳量は、任意に設定できますが、フロス量(泡の量)の調節は不可です。
そのため、泡一杯のカプチーノ用のフォームミルクはできますが、液体状でカフェラテ向きのスチームミルクは、非対応です。
ミルク系の自動メニューは、カプチーノ・ラテマキアート・マイラテです。
スチームミルクが自動生成できない関係でカフェラテ系は非対応です。
それもあり、次から見るような上位シリーズよりメニューは少なめです。
また、ミルクメニューも(コールドはなく)ホットのみになります。
一方、2杯の同時抽出はミルクメニューでも可能です。
以下、カプチーノ以外の初出メニューを解説しておきます。
第1に、ラテマキアートです。
デロンギの場合「ミルク(泡)多め」のカプチーノになります。
カプチーノだと1杯85mlのミルクを使いますが、ラテマだと115ml使います。
第2に、マイラテです。
ミルクタンクに入れた全量のミルクを利用して、好きな量で作れるボタンになります。全量出たあとに、コーヒー抽出が始まります。
最小は45mです。最大はラテマキアート2杯分の225mlまでとなります。
つまり、マイラテは、スチームミルクに非対応の難点を解決するためのモードです。
作ったミルクフォーム(あるいはスチームミルク)を、自由に手で加工して楽しんでくださいという感じです。
なお、マイラテ以外のメニューの場合も、事前のプログラム設定で、ミルク量・コーヒー量・給油量はカスタマイズ可能なので、それなりの調整はできます。
植物性ミルクは、ミルクコンテナ(ラテクレマ)機は公式に対応表明があります。
牛乳のほか、豆乳・アーモンドミルクも対応です。例えば、スタバのようなメニューもできそうです。
ちなみに、牛乳は、低温殺菌牛乳(パス殺菌)より、殺菌した牛乳のが良い泡ができます。
使用後のお手入れは、ミルクタンク部分が増えます。
構造がそこそこ複雑なので慣れるまではやや手間です。ただ、コンテナの部分も、バラして洗えるので、しっかり綺麗にできます。
---
以上、マグニフィカ イーヴォの紹介でした。
価格的に、スチームノズル式の1.5倍ほどですが、ミルクメニューを「完全自動」で作りたい場合、このグレードを選ぶのがマストです。
ただ、メニュー数がそこまで多くないのはネックでしょう。豆乳などを含めた、カプチーノを、どうしても簡単に「飲みたい」という場合の除けば、選択肢にしにくいでしょう。
ーーー
なお、このグレードのミルクコンテナ搭載機は、ほかにもいくつかラインナップがあります。
違いを順番にみておきます。
【2024年発売】ECAM22062
24・マグニフィカ スタート ECAM22062B
25・マグニフィカ スタート ECAM22062W
¥128,000 Amazon.co.jp (4/19執筆時)
エスプレッソ:対応
カプチーノ:ラテクレマホット
ポンプ圧:15気圧
対応:コーヒー粉・コーヒー豆
サイズ:幅240×奥行440×高さ350mm
第1に、マグニフィカ スタートです。
現行機と、このシリーズの下位機です。
言い換えれば全自動ミルクコンテナを装備する同社の「ラテクレマシステム」搭載機では、最安になります。
本体サイズは、幅240×奥行440×高さ350mmです。
イーヴォとほぼ変わりません。
ホッパー容量は、250gで、水タンクは、1.8Lです。
いずれも問題ないです。
コーヒーメニューは、ただ、エスプレッソ・カフェジャポーネの2種のみです。
エスプレッソの2杯同時抽出はできますが、バリエーションの楽しみはできません。
ミルクメニューは、先述のように、本機も「ラテクレマシステム」です。
ただメニューは、カプチーノだけです。
本機も、豆乳・アーモンドミルクなどは利用できますので、バリエーションはつきますが、面白みには欠けるでしょう。
あとは、外観部分を除けば、大きな違いはないです。
---
結論的にいえば、自動のミルクメニューは「カプチーノ」さえあえればOKという場合、選択肢にはなるでしょう。
ただ、若干、面白みに欠ける感じはあるので、できれば、先ほどの製品が良いかと思います。
ーーー
【2020年発売】
26・ディナミカ ECAM35055B
¥135,210 楽天市場 (4/19執筆時)
エスプレッソ:対応
カプチーノ:ラテクレマ
ポンプ圧:15気圧
対応:コーヒー粉・コーヒー豆
サイズ:幅240×奥行445×高さ360mm
第2に、ディナミカ ECAM35055Bです。
スチームノズルモデルにもありましたが、旧機には存在したマグニフィカ系の上位ラインです。
本機も「ラテクレマシステム」搭載ですが、形状がマグニフィカ系と異なるほか、能力面でもやや「上位」となります。
ただ、後述する、リヴェリアという上位機が2025年に登場したので本機の「生産終了」は近いかと感じます。ただ、今だと安いですし、費用対効果は高いです。
サイズは、幅240×奥行445×高さ360mmです。
若干、マグニフィカより大柄です。
豆ホッパーは、それもあり、300gと大きめです。
水タンクの量は、1.8Lです。
本機も、2杯同時抽出に対応します。
使用方法は、本機も、オートメーション式です。
ミルほか、切削方式など、下位機種と共通します。
ただ、ディナミカの場合、液晶パネルが付くので、結構「本格的」な見かけです。
作れるコーヒーの種類は、6種類です。
エスプレッソ(2種)ほか、カフェ・ジャポーネ・スペシャルティに加えて、ドッピオ+・レギュラー(ロング)に対応します。
マグニフィカイーヴォに比べると、コーヒー系の対応幅が多いのが本機の魅力でしょう。
濃さ(豆量)はディナミカ系の場合、5段階で設定できます。
3段階のマグニフィカ系より上位です。
水量(コーヒー量)も、好みに合わせて定量設定(プログラム)可能です。
1・カプチーノ
2・カフェラテ
3・ラテマキアート
4・フラットホワイト
5・ミルク(フロス/スチーム)
ミルクメニューは、5種類です。
マグニフィカ系と比べて、カフェラテ、ラテマキアート、フラットホワイトに対応です。
フラットホワイト(エスプレッソ+フロスミルク)は、南半球(オーストラリア)で流行タイプの飲料です。
デロンギの場合、カプチーノとカフェラテの中間ほどの「泡感」で、コーヒー多め(苦め)な仕上がりです。
メニューが多いのは、本機の場合もミルクコンテナの上部に3段階のフロス調整つまみがあるからです。
ミルクタンクは、600MLです。
ある程度の杯数を同時に作ることを想定してます。
もちろん、使い切らないならば、外して冷蔵庫保管です。
あとは、ここまでの機種と変わりません。
---
結論的にいえば、フロス調整つまみがある関係で、自動のミルクメニュー数が多いのが魅力です。
次に見る、リヴェリアが出た関係で結構「安い」ので、ミルクメニュー重視の方は、「狙い目」といってよい製品です。
2-2・リヴェリア
続いて、リヴェリアの紹介です。
同社の上位シリーズで、こちらも全自動型になります。
【2025年発売】
27・デロンギ リヴェリア EXAM44055G
¥248,000 楽天市場 (4/19執筆時)
(4月25日追加発売予定)
28・デロンギ リヴェリア EXAM44055BG
¥(248,000) 楽天市場 (4/19執筆時)
エスプレッソ:対応
カプチーノ:ラテクレマホット
ポンプ圧:15気圧
対応:コーヒー粉・コーヒー豆
サイズ:幅260×奥行460×高さ385mm
リヴェリアは、2025年に登場した、同社の上級シリーズです。
後ほど見る「エレッタ」に次ぐグレードです。
なお、リヴェリアは(少し安い)下位機が同時に出ましたが、そちらは後ほど見る予定です。
サイズは、幅260×奥行435×高さ380mmです。
上位のエレッタと幅と高さはだいたい同じですが、奥行はやや浅い感じです。
それでも奥行はあるので、設置場所は考える必要があります。
これは、仕方ないでしょう。
なお、先述のように、全自動マシンは、特に右側の廃熱スペースも必要です。
この部分は、注意してください。
水タンクの量は、1.4Lです。
本機も、エスプレッソの2杯同時抽出に対応します。
使用方法は、この製品も、オートメーション式です。
豆ホッパーは、300gです。
下位機と同サイズです。
ただ、本機はホッパーケースが、2つ初期付属です。
そのため、取り外すだけで、豆種を変えられる仕様です。ケースは立つので、片側は、そのまま、冷蔵庫に入れておくような使い方はあり得るでしょう。
液晶ディスプレイは、大きな3.5型タッチパネル液晶です。
かなり大きく、エレッタと同じサイズです。
直感的に操作できるため、利便性も向上しますし、見た目も良いです。
作れるコーヒーの種類は、ホット系とコールド系に分かれます。
ホット系は、エスプレッソ(1杯・2杯)か、スペシャルティ 、 カフェ・ジャポーネ 、 アメリカーノ と、エスプレッソラージです。
エスプレッソの濃度は、後ほど説明する別の方法で調整できます。
このほか、ディナミカ系の一部に見られたエスプレッソラージが対応です。
抽出時間を長めにすることで、濃く、苦く出せます。アイスコーヒー用の作り置きや、アッフォガートなどエスプレッソを使うデザートのために準備されます。
【470mL】
De’Longhi DLSC073
¥3,980 Amazon.co.jp (4/19執筆時)
一方、次に見るエレッタに比べれる場合、抽出量は300ML(アメリカーノ)が最大です。
そちらと違って、コーヒーポットへの大量抽出は不可です。
ただ、別売ですが同社のTO GOタンブラーを含めて14cmまでのタンブラーには直接抽出できます。
1・アイスコーヒー
2・アメリカーノ・コールド
3・エスプレッソ・コールド
コールド系は、ミルクを用いないもので、以上のものに対応です。
後ほど見る「エレッタ」ほどは多用ではないですが、問題ないようには思います。
ミルクメニューは、ホット系とコールド系に対応できます。
順番にみていきます。
1・カプチーノ
2・カプチーノ+
3・ラテマキアート
4・カフェラテ
5・エスプレッソマキアート
6・フラットホワイト
7・コルタード
8・ミルク(フロスミルク/スチームミルク)
第1に、ホット系ミルクメニューです。
以上のメニューに対応します。
エスプレッソにフォームミルクを混ぜるエスプレッソマキアートが初出です。
そのほか、下位機種に見られたフラットホワイト(エスプレッソ+フロスミルク)ほか、コルタード(エスプレッソ+ホットミルク)も増えます。
メニューが多いのは、本機も、3段階の「フロス量調整つまみ」があり、フォームミルクほか、スチームミルクも作れるからです。
ミルクメニューのミルク量のカスタマイズも同様に可能です。
また本機も、牛乳以外に植物性ミルク(豆乳・アーモンド・オーツ)も対応です。
ミルクコンテナは、450MLです。
ある程度まとめて作れるサイズです。
ーーー
DLSC032 ラテクレマクールアップグレードセット
¥24,800
1・カプチーノ コールド
2・カプチーノ MIX コールド
3・ラテマキアート コールド
4・カフェラテ コールド
5・フラットホワイト コールド
6・コールドミルク
第2に、コールド系ミルクメニューです。
上表の6種類に対応です。
ただ、コールド系は、(初期だと)非対応で、以上のコールド用の別売コンテナが必要です。
ただ、これは、ミルクコンテナがコールド専用のものが必要というだけなので、直販で、グレードアップセットを買えば、使えます。グラスとのセット販売ということもあり、安くはないです。
メニュー自体も、後述するエレッタと違い、コールドブリュー系が非対応です。
---
結論的にいえば、コールド系にこだわる場合、付属品を買うより、エレッタもあわせて検討した方が良いでしょう。
豆量(濃さ)は、ディスプレイ上で、設定で可能です。
5段階で調整できる仕様です。
そのほか、事前設定ですが水硬度、抽出温度(3段階)豆の引き具合(5段階)が調整できます。
一方、本機は「ビーンアダプトテクノロジー」に対応です。
コーヒー豆の種類、焙煎度、粒度を入力して、それらに合わせた抽出を可能にします。
これはエスプレッソ抽出に限りますが、6種まで保存可能です。
水量は、各メニューで抽出量は設定できます。
ただし、指定範囲で、エスプレッソの場合、最大180mL、アメリカーノで300mLです。
ネットワークは、Wi-Fiは未装備です。
エレッタだと、先述の「ビーンアダプトテクノロジー」の設定を含めて、スマホでできる点をふまえると、家庭用の場合、この価格帯ならば、Wi-Fiはあっても良かったかなと思います。
使用後のお手入れは、エスプレッソ部分は、下位機種同様に簡単です。
ミルクコンテナは構造は複雑ですが、基本バラしてから洗えるので、そこまで面倒には思いません。もちろん、カプセル式と比べれば、だいぶ面倒とは言えますが。
---
以上、デロンギのリヴェリアの紹介でした。
液晶タッチパネルの採用で、ディナミカ(ミルクコンテナ付モデル)に比べて、利便性・高級感が向上したグレードです。
できるメニューは、ディナミカと基本部分はそこまで変わりませんが「ビーンアダプトテクノロジー」採用で、利用する豆質にあわせて調整できるのは、上位機ならではの「面白み」でしょう。コンテナが2つ付く仕組みも、良い工夫です。
一方、本編で書いたように、コールド系のミルクメニューに興味がある場合、本機でオプション対応するよりは、むしろ後ほど見る上位機(エレッタ)を選んだ方が、メニュー数の部分で満足度は高いと言えます。
また、こだわった設定をしたい場合、Wi-Fiがあったほうが絶対便利ですので、上位機を選ぶ意味はあると言え増す。
ーーー
【2025年発売】(加筆予定)
29・デロンギ リヴェリア EXAM44035B
¥188,800 楽天市場 (4/19執筆時)
エスプレッソ:対応
カプチーノ:対応
ポンプ圧:15気圧
対応:コーヒー粉・コーヒー豆
サイズ:幅260×奥行460×高さ385mm
なお、リヴェリア EXAM44035Bは、同時発売されたこのシリーズの下位機です。
比較する場合、こちらは、ミルクコンテナが未装備です。
その代わり、マグニフィカほか、下位シリーズに既に見たような、フロッサーが付属し、ミルクを泡立てる仕組みになります。
手動ですので、コツは必要です。
ただ、フロス調整つまみはあります。
調節することで、カプチーノ向けのフロスミルクが泡立てミルクだけでなく、泡が少なめで、カフェラテ向きのスチームミルクできます。
あとは、大きな違いはないです。
1・カプチーノ
2・カプチーノ+
3・ラテマキアート
4・カフェラテ
5・エスプレッソマキアート
6・フラットホワイト
7・コルタード
8・ミルク(フロスミルク/スチームミルク)
メニューは、ミルクを用いないホット系メニューについては、上位機と同じです。
液晶タッチパネルも装備しますし、コンテナが2つ付属し、交換できる仕様です。
「ビーンアダプトテクノロジー」もあるので、豆質に応じて、細かい設定もできます。
--
結論的にいえば、(ほぼほぼ)エスプレッソしか作らない方は、こちらでも良いかと思います。
マグニフィカなどに比べても、液晶由来の操作性の良さほか、コンテナ交換や設定で、豆質を楽しむ要素があるので、こちらが「欲しい」という方も多そうです。
ただ、発売時期の関係もあり、費用対効果は、そこまで良くないとはいえます。
2-3・エクスフロア

最後に、デロンギのエクスフロアシリーズの紹介です。
30万前後のラインで、同社の家庭向きのフラッグシップシリーズです。
【2024年発売】
30・デロンギ エレッタ エクスプロア ECAM45086T
¥348,000 Amazon.co.jp (4/19執筆時)
エスプレッソ:対応
カプチーノ:ラテクレマホット・クール
ポンプ圧:15気圧
対応:コーヒー粉・コーヒー豆
サイズ:幅260×奥行460×高さ385mm
エレッタ エクスプロア(Wi-Fiモデル)は、同社の最上位シリーズとなるエレッタシリーズの、現行の「ハイエンド」です。
リヴェリアの上位機になります。
サイズは、幅260×奥行460×高さ385mmです。
サイズ感から言えば、多人数で利用する空間に置くものでしょう。
なお、リヴェリアでも書きましたが、そちら同じほどの廃熱スペースが必要な部分は注意してください。
水タンクの量は、1.8Lです。
リヴェリアよりやや多めです。
本機も、エスプレッソの2杯同時抽出に対応します。
使用方法は、この製品も、オートメーション式です。
豆ホッパーは、本機も300gと大容量です。
ただ、リヴェリアと違って、ホッパーケースの交換は不可です。
液晶ディスプレイは、本機も、大きな3.5型タッチパネル液晶です。
作れるコーヒーの種類は、ホット系とコールド系に分かれます。
ホット系は、上表からレギュラー(ロング)を除いた全てです。
ちなみに、上表は近年のデロンギによる、味の違いの説明です。
従来的に「ロング」がスタンダード的な性質との説明でした。ただ、現在は「アメリカーノ」を基準に据えています。この傾向の変化によるものでしょう。
一方、デロンギでは初めてですが、コーヒーポット抽出が可能です。
2杯(250ml)〜6杯(750ml)でポットにコーヒーを注げます。
メリタ MJG-750S 750ml
¥1,320 Amazon.co.jp (4/19執筆時)
一方、ポットは別売です。同社の純正(CMB6-GJ)が終売ですが、750MLならば、メリタの定番を含めて入るでしょう。背は高いので、ご自宅にあるものでもいけると思います。
カタログ写真のものと同じものは見つかりませんでした。
上のものはコーヒーメーカー用なので、ふた上部に孔があります。
なお、リヴェリアと比べると、(デザート用などの)エスプレッソラージの抽出は非対応です。
なお、トレイと抽出口は可動式で、高さ16cm対応なので、タンブラー・水筒に注ぐことも可能です。
専用の「テイクアウトメニューモード」があり、各メニューについて、小(235ml)・中(355ml)・大(473ml)で出せます。アイスメニューでもOKです。
【470mL】
De’Longhi DLSC073
¥3,980 Amazon.co.jp (4/19執筆時)
なお、本機には、通常別売の同社のTo Goタンブラーが最初から付属です。
1・アイスコーヒー
2・アメリカーノ・コールド
3・エスプレッソオーバーアイス
4・コールドブリュー
5・コールドブリュー・コーヒーポッド
6・コールドブリュー ToMix
コールド系は、ミルクを用いないもので、以上のものに対応です。
エスプレッソオーバーアイスは、氷を入れた上に、エスプレッソをかけるメニューです。
コールドブリュー系は、通常より低温で抽出するモードです。
もちろん「水出し」でははないですが、5分かけてアロマを引き出しつつじっくり抽出します。ToMixは、そのカクテル用です。
1・カプチーノ
2・カプチーノ+
3・カプチーノMIX
4・ラテマキアート
5・カフェラテ
6・エスプレッソマキアート
7・フラットホワイト
8・コルタード
9・ミルク(フロスミルク/スチームミルク)
1・カプチーノ コールド
2・カプチーノ MIX コールド
3・ラテマキアート コールド
4・カフェラテ コールド
5・フラットホワイト コールド
6・コールドミルク
7・コールドブリューカプチーノ
8・コールドブリューラテ
ミルクメニューは、ホットとコールドに対応します。
仕組みは、リヴェリアと同じです。ただ、デフォルトで、コールド抽出にも対応するので、機能名は「ラテクレマホット・クール」と変わります。
ホット系は、リヴェリアとだいたい同じメニューです。
ただ、カプチーノMIX(ミルクとコーヒーが混ざった状態のカプチーノ)はこちらだけです。本機も、牛乳以外に植物性ミルク(豆乳・アーモンド・オーツ)も対応です。
コールド系は、リヴェリアにはないコールドブリュー系のミルクメニューが加わります。
ミルクコンテナは、ホット用タンクが500mL、コールド用が、390mLです。
そのほか、お湯も出せますが、温度センサーが高度なので、抽出温度を設定可能です。
豆量(濃さ)は、本機も、設定で可能です。
リヴェリアと同じで、5段階で調整できる仕様です。
そのほか、水硬度、抽出温度(3段階)豆の引き具合(5段階)が調整できますし、エスプレッソに限りますが、豆質(豆種、焙煎度、粒度)に応じて設定できる「ビーンアダプトテクノロジー」も引き続き搭載です。
水量は、本機も、指定範囲ですが、抽出量は選べます。
ネットワークは、Wi-Fiを装備です。
De'Longhi COFFEE LINKアプリが用意されます。
先述のように、ディスプレイが大きいので、設定は本体で完結させる場合も楽です。
ただ、「ビーンアダプトテクノロジー」の設定値ほか、抽出量・ミルク量・豆量などを細かく指定し、創作メニューを作りたい場合、かなり便利です。
加えて「エスプレッソSOUL」機能を注目です。
豆の種類(ロブスタ種・アラビカ種・そのブレンド)と焙煎程度を指定して、おすすめ設定で抽出してくれます。
それぞれのデータは、登録保存できますし、「自分のプレミア設定」ができるのは、こだわりたい方の購買欲を刺激します。
使用後のお手入れは、リヴェリアと変わりません。
なお、本機は、上部にカップ置き場がありますが、あたためる機能はないです。
---
以上、 エレッタ エクスプロア(Wi-Fiモデル)の紹介でした。
リヴェリアより高いですが、エスプレッソ系にせよ、ミルクメニューにせよ、こだわった設定を詰めて楽しみたいようなタイプには、予算をかける「価値」はあるかと思います。
メニュー面でも、味の変化が付けやすいコールドブリュー抽出ができるのは、上位機だけです。こうした部分で、家庭用として欲しい方も少数いるかなと思います。
ただ、リヴェリアもですが、設置場所は必要なので、家庭用の場合事前に設置場所は考えた方が良いでしょう。
ーーー
なお、エレッタシリーズは、旧機種、および、上位機種の展開がほかにもあります。
順番にみておきます。
【2023年発売】
【家庭用】
31・デロンギ エレッタ エクスプロア ECAM45055G
¥289,510 楽天市場 (4/19執筆時)
エスプレッソ:対応
カプチーノ:ラテクレマホット・クール
ポンプ圧:15気圧
対応:コーヒー粉・コーヒー豆
サイズ:幅260×奥行460×高さ385mm
第1に、エレッタ エクスプロアです。
このグレードの旧機種です。
サイズは、幅260×奥行460×高さ385mmです。
ディスプレイを含めて、新機種とそう変わりません。
作れるコーヒーの種類は、ホット系は、新機種と同様です。
上表からレギュラー(ロング)を除いた全てです。
コールド系は、ただ、ミルクを使わないものは、アイスコーヒーのみになります。
ミルクメニューは、本機も、ホット・コールド双方対応です。
メニューも、新機種に対して、低温・長時間抽出の「コールドブリュー系」を除けば網羅します。
牛乳以外に植物性ミルク(豆乳・アーモンド・オーツ)も対応です。
ネットワークは、一方、Wi-Fiは未装備です。
Bluetoothは装備しアプリは利用できますが、先述のエスプレッソSOULは、本体側の仕様によるので非対応です。
IOT家電としての家庭用家電の統合を考えると、Wi-Fiのほうがよいという判断かと思います。
---
結論的にいえば、基本的にはメニューの拡充が新機種の要点ですので、この程度でも十分という場合、主に値段面で選択できます。
ただ、Wi-Fi搭載の部分は、IOT化の部分(音声操作など)で今後、差がつく可能性はあるため、そこを重視する場合も、新機種かなと思います。
ーーー
【2016年発売】
【家庭用】
32・エレッタ カプチーノ トップ ECAM45760B
¥159,900 Amazon.co.jp (4/19執筆時)
【業務用】
33・エレッタ カプチーノ ECAM44660BH
¥206,000 楽天市場 (4/19執筆時)
エスプレッソ:対応
カプチーノ:ラテクレマホット
ポンプ圧:15気圧
対応:コーヒー粉・コーヒー豆
サイズ:幅260×奥行460×高さ360mm
第2に、エレッタ カプチーノ トップ です。
なお、エレッタ系の2世代前の旧機です。
アフターサービスなどの保証系統が異なる、業務用もあります。
サイズは、幅260×奥行460×高さ360mmです。
新機種とさほど設置性は変わりません。
ただ、写真のようにタッチパネル式の液晶が不採用になります。
一方、大きく異なるのはメニュー数です。
エスプレッソ(2種)とロングコーヒー(2種)とカフェジャポーネと、構成のバリエーションとしては少なくなります。
また、先述のコーヒーポット・タンブラー用モードも省略です。
抽出量(豆量)も、2種(マイコーヒーとジャポーネ)の2種だけ登録可能です。
1・カプチーノ(2種)
2・カフェラテ
3・ラテマキアート
4・フラットホワイト
5・エスプレッソマキアート
6・マイミルク
7・ミルク(フロスミルク/スチームミルク)
ミルクメニューも、数が少ないです。
基本は抑えますし、珍し目ではフラットホワイト・ラテマキアートも押さえますので、飽きることはないとは言えますが。
あとは、IOT化していない点と、ミルクタンクを含めた外観デザインの違いが目立つ程度です。
なお、旧機種に限っては、上部のカップ置き場が、カップウォーマー仕様でした。
そのほか、温度調整が4段階(新機種は3段階)・手動のミルクの泡立て対応、予約対応など、この世代だけの特長はありました。
---
結論的にいえば、値段差分の差はある印象です。
とくに、新機種と比べる、この世代は操作パネルの配置が複雑でややこしいです。結局細かい調整はしなくなる感じがあります。その意味、良い進化をしたなと思いました。
ーーー
【2022年発売】
34・エレッタ カプチーノ イーヴォ ECAM46860W
¥200,991 Amazon.co.jp (4/19執筆時)
エスプレッソ:対応
カプチーノ:ラテクレマホット
ポンプ圧:15気圧
対応:コーヒー粉・コーヒー豆
サイズ:幅260×奥行460×高さ360mm
第3に、エレッタ カプチーノ イーヴォ です。
現行機ですが、エレッタ系では「ちょい安い」価格にした「お買い得版」になります。
機能面では、1つ上で見た旧「エレッタ カプチーノ トップ」に近い仕様です。
本体サイズは、そちらと同じです。
パネルも完全なタッチパネル式ではないですが、エレッタ カプチーノ トップに比べれば、感覚的に使えます。ダイレクトメニューで飲みものが選びやすいです。
豆量と抽出量の登録(マイメニュー)も迷わずできるような配置です。
抽出量(豆量)も、水量も、最上位機同様に、全種とも設定できます。
ミルク系を扱える機種は、デロンギはライバル社に比べても少し分かりにくかったので、これは、良い変更といえました。
作れるコーヒーの種類は、「エレッタ カプチーノ トップ」と比べると1つ増えて5種類です。
本機は、エスプレッソ(2種)とロングコーヒー(2種)とカフェジャポーネに加えて、スペシャルティに対応です。
ミルクメニューは、ラテクレマ・ホットです。
「エレッタ カプチーノ トップ」と比べると エスプレッソマキアート(泡のエスプレッソ)が、カプチーノMIX(ミルクとコーヒーが混ざった状態のカプチーノ)に入れ替わっています。
ただ、コールド系ミルクメニューに非対応ですし、この部分の充実度で「差」があります。
最上位機に比べると、ミルクタンク(600ML)が旧式形状で、本体も、タンブラー・コーヒーポットに非対応です。
ネットワークも、Wi-Fiも、Bluetoothも未搭載です。
そのた設定などは、新機種に準じます。カップウォーマーもないです。
---
結論的にいえば、抽出時の設定はそれなりに「充実」しており問題ないです。
ただ、エレッタの最上位(エクスプロア)に比べると、ミルクメニューのバリエーションの部分でやはり差が目に付きます。
操作パネルの視認性や、メニュー数、あるいはBluetooth対応の部分で、やはり、差を感じます。
値段差はむろんある話ですが、それをふまえてもエレッタ エクスプロアが良くみえました。
【2021年発売】
35・プリマドンナ クラス ECAM55085MS
¥318,000 楽天市場(デロンギ公式) (4/19執筆時)
エスプレッソ:対応
カプチーノ:ラテクレマホット
ポンプ圧:15気圧
対応:コーヒー粉・コーヒー豆
サイズ:幅260×奥行460×高さ360mm
プリマドンナ クラスは、デロンギの家庭用のもうひとつの「ハイエンド機」です。
ただ、発売時期の関係もあり、メニュー数はエレッタ系最上位機より控えめです。
どちらかと言えば、手動設定は逆に充実する感じで、設定を詰めたい方に向きます。
サイズは、幅260×奥行460×高さ360mmです。
エレッタ系とだいたい同じサイズです。
水タンクの量は、2Lです。
2杯同時抽出にも対応します。
使用方法は、この製品も、オートメーション式です。
豆ホッパーは370gです。
液晶ディスプレイは、本機も3.5インチのカラー液晶です。
配置は異なりますが、こちらの場合も、感覚的に操作できます。
高級感も増した印象です。
コーヒーは、ロングを除いて上表全てに対応です。
エレッタ エクスプロアと同じです。
カラーディスプレイ搭載の利点で、豆量・抽出量を都度選び直すのも簡単です。
一方、こちらは、タンブラー・コーヒーポットモードがない点に注意です。
1・カプチーノ
2・カプチーノ+
3・カプチーノ Mix
4・カフェラテ
5・ラテマキアート
6・フラットホワイト
7・エスプレッソマキアート
8・ミルク(フロスミルク/スチームミルク)
ミルクメニューは本機も、「ミルクタンク」と「ラテクレマシステム」が搭載です。
発売時期の関係もありますが、最上位機ながら、コルタードは省略です。
また、コールド系のミルクメニューも非対応です。
ただ、手動設定については、8段階のミルク抽出量、4段階の抽出温度設定など、割と充実します。
ミルクコンテナは、500MLになります。
豆量(濃さ)は、5段階と、自分の好みの設定で6段階設定です。
水量や、牛乳量も定量設定(プログラム)できます。
なお、6人まで好みで登録できるので、共用に便利な部分はあるかもしません。
使用後のお手入れは、基本は下位機種同様です。
ネットワークは、Bluetoothは搭載です。
スマホで設定することは可能です。
---
以上、プリマドンナ クラスの紹介でした。
法人用と考える場合、プログラム機能は現状でもある程度評価できます。
ただ、2021年機ということで、現行のエレッタ系のトップモデルと比べると、外観以外は、負けているように思います。
終売でエレッタと統合されるか、そろそろ新機種がでるか、どちらかという感じですので、いまだと選びにくいです。
次回につづく!
エスプレッソメーカーのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は、デロンギのエスプレッソメーカーの比較の2回目記事でした。
しかし、記事は、もう少しだけ続きます。
3・デロンギのエスプレッソメーカーの比較 (3)
3-1:最終的なおすすめの提案【結論】
エスプレッソ ★★★★★
カプチーノ ★★★★★
コーヒー ★★★★★
準備の手軽さ ★★★★★
コンパクトさ ★★★★★
総合評価 ★★★★★
最終回の3回目記事(こちら)は、全体の結論編です。
予算別、目的別に、Atlasのおすすめ機種を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
3回目記事は→こちら!