2-1・シロカの電気圧力鍋の比較
2回目記事のトップバッターは、シロカの電気圧力鍋の紹介です。
日本の中堅家電メーカーです。ちょっとオシャレで、ワンポイントの機能性もある白物家電のラインナップを近年増やしています。
最近は、電気圧力鍋にもかなり力を入れてきています。
1・電気圧力鍋の比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:パナソニック〈日本〉
1-3:タイガー〈日本〉
1-4:T-Fal〈仏国〉
1-5:アイリスオーヤマ〈日本〉
2・電気圧力鍋の比較 (2)
2-1:シロカ〈日本〉
2-2:コイズミ 〈日本〉
2-3:ワンダーシェフ〈日本〉
2-4:Instant Brands〈米国〉
2-5:エムケー精工〈日本〉
2-6:Shop Japan〈日本〉
3・電気圧力鍋の比較 (3)
3-1:東芝〈日本〉
3-2:他の家電メーカー
3-3:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿いながら、各機をみていきます。
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なお、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2021年発売】SP-2DP251後継機
24・シロカ おうちシェフPRO SP-2DM251 T
25・シロカ おうちシェフPRO SP-2DM251 W
¥19,800 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
調理容量:1.68L(1-2人家族)
圧力調理:95kpa 119度
常圧調理(煮込み):50-100度
自動メニュー:83種類
予約調理:対応
長時間煮込:対応
SP-2DM251などは、シロカがおうちシェフPROとして発売する製品です。
色と流通ルートの違いで3種類のラインナップですが、性能はどれも同じです。
本体の大きさは、幅24×奥行26c×高さ27cmです。
調理容量は、1.7Lですので、最大で2人用でしょう。
かけられる圧力はこの機種は95kpaです。
平均より高いゲージ圧で、119度まで出せます。
「ほったらかし」できる電気圧力鍋についてはここまでのスペックは不要の部分はあります。
ただ、高圧の方が、肉の軟化効果はありますし、こういった機種があっても良いでしょう。
低圧での調理は、対応です。
電気圧力鍋としては珍しく、50kPa〜90kPaの範囲で、圧力が5kPa単位で数値指定できます。
内蔵の温度センサーで管理するのだと思いますが、詳細は調査中です。
自動メニューは、83種類です。
ただし、T-Falと違って、液晶パネルだけでは選択できない機構です。
フロントパネルの10種類の調理方式を選んだあと、説明書をみながら番号指定する形式でこの数です。
なお、メニューの一部に「炒める」系もありますが、これは炒める前の「下ごしらえ」を意味します。
先述のように、本機は、相当の高圧を出せます。
一方、同社のスマートプレッシャー技術で、高圧にしても、減圧も素早いとされます。
実際多くの自動メニューでは、「標準モード」「時短モード」を用意します。
後者は、調理時間(加圧時間)ではなく、減圧時間を時短するものと考えてください。
減圧の際の蒸気の出方をセーブしない代わりに、素早く仕上がる感じです。ここは、ユーザー側が選択できるので、問題ないです。
予約調理機能は、搭載です。
一部の自動メニューについて、先に調理して保温か、時間に合わせて調理かをするだけで、あとは、70度でキープしていく仕組みです。マイコン制御でファジーに動くわけではないです。
無水調理は、対応できます。
レシピ集は、本機も付属します。
豚の角煮は、容量など、レシピが分かり次第で追記します。
300g-400g程度は少なくとも一度に調理できるはずです。
お手入れは、圧力鍋としては簡単で、中性洗剤で簡単に洗えます。
安全性の面は、ふたの開閉検知機能がある方式で、開閉やセットアップを含めて利用は楽です。加圧機構もレバー式なので、分かりやすいです。
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以上、シロカのおうちシェフPROの紹介でした。
価格的に値ごろ感がありつつ、できる調理法に特段制限もないので優秀な機種だと思います。
その上で、高圧がかけられますし、マニュアル式の電気圧力鍋としては本格派と評価できます。
一方「オート調理」の部分では、液晶が貧弱な部分で、T-Falほど使い勝手は良くないです。
値段からすると充実するとは言えますが、あくまで、「マニュアル運転」に本機の良さがあると言えます。
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【2021年発売】
26・シロカ おうちシェフ SP-2DF231
¥14,850 楽天市場 (5/18執筆時)
調理容量:1.68L(1-2人家族)
圧力調理:70kpa 115℃
常圧調理(煮込み):50-100度
自動メニュー:20種類
予約調理:
長時間煮込:対応
なお、シロカの「エントリーモデル」として、SP-2DF231も同時発売されました。
本機については、温度センサー未搭載で、低温調理・温度調理/炒め機能に非対応です。
また、ゲージ圧が70kpaと、弱くはないものの上位機よりは低めで、また、マニュアルでの圧力設定もできない仕様です。
オートメニュー数も、総計で20と激減します。
一方、安くてシンプルだから、簡単に使える「初心者向け」かと言われると、必ずしもそういう機種ではないです。覚える必要があることは、上位機と同じですか。
あえて言えば、労を惜しまず、しっかり学びたい人向けの「入門機」です。
【2022年発売】
【通常モデル】
¥29,502 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
【直販限定色】SP-5D152(T) SP-5D152(H)
28・シロカ おうちシェフPRO L SP-5D152T28・シロカ おうちシェフPRO L SP-5D152H
¥27,800 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
調理容量:3.5L(満水容量5L)
圧力調理:100kpa 120度
常圧調理(煮込み):50-100度
自動メニュー:83種類
予約調理:対応
長時間煮込:対応
SP-5D151などは、シロカがおうちシェフPRO Lとして発売する電気圧力鍋です。
こちらも、色と流通ルートの違いで3種類のラインナップです。
ただ、操作ガイドが表示できるレベルの液晶を持つのは、上位機のみです。
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結論的にいえば、この値段差ならば、上位機が良いでしょう。
本体の大きさは、幅27.6×奥行34.4c×高さ28.7cmです。
調理容量は、3.4Lですので、本体が大きいだけ、大容量の調理ができるモデルです。
同社は6人用と書いています。
他社機に較べても大きいですし、マニュアル調理では結構な量を扱えるでしょう。
かけられる圧力は、100kpaです。
下位機種より多少高く、ゲージ圧で約120度まで出せます。
高圧対応なは、マニュアル利用の場合も、ポイントといえる部分で、本機の良いところです。同社のスマートプレッシャー技術で、高圧にしても、減圧も素早いとされます。
低圧での調理も、50kPaから5kPa刻みで対応です。
自動メニューは、100種類です。
先述のように、上位機だと、大きな液晶を装備します。
ただ、上位機でも、メニュー番号自体は紙のレシピ集から選ぶ方式で、液晶自体には表示されません。その先は、時間・温度などは自動ですが。
一方、レシピ的には、同社の下位機種と比べると、ご飯類、汁物類など、鍋サイズの大きさを活かせるレシピが増えます。
本機も、下位機種同様に、多くの自動メニューでは、「標準モード」「時短モード」を用意します。
「時短モードは、下位機同様に、減圧の際の蒸気の出方をセーブしない代わりに、素早く仕上がる感じです。
モードをユーザー側が選択できるのは良いところです。
ご飯は、通常の炊飯以外に、糖質オフご飯が炊けます。
これについては【糖質オフ炊飯器の比較記事】で専用機について色々書きました。
本機ついては、11%オフなので、さほど「不味く」はならないでしょうが、カット率は、マンナンヒカリ(30%)に較べるとイマイチです。
その他の機能は、保温対応が15時間と3時間伸びる以外は下位機と基本的に同じです。
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以上、シロカのおうちシェフPRO Lの紹介でした。
マニュアル調理を含めて「まとめて調理」をしたい場合、調理容量の多さの部分でメリット性があります。
大容量で、最高圧が高めですが、減圧に配慮があるのも良い部分です。
サイズは小さくはないですが、調理容量からすると設置性も良いです。家庭用ほか、小規模な飲食店などでもニーズがありそうに思えます。
【2017年発売】
【2Lモデル】
¥14,900 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
調理容量:1.3L
圧力調理:約70kpa
【4Lモデル】
¥14,980 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
調理容量:2.6L
圧力調理:90kpa 118度
常圧調理(煮込み):85度
自動メニュー:8種類
予約調理:
長時間煮込:対応
SP-D131とSP-4D15も、シロカの販売する電気圧力鍋です。
本機は、ここまでみた見た機種の旧製品です。どちらかと言うと、マニュアル利用をしたいかたに向く製品です。
調理容量は、(満水容量が)2Lのモデルは、1.3Lと小さめです。
大量調理には向かないサイズですが、キッチンの邪魔にならないという小型性は引き続きメリットです。
(満水容量が)4Lのモデルは、2.6Lですから、こちらは十分と言えるでしょう。
豚の角煮は、300gの豚肉を35分程度で調理可能です。
調理方式は、「煮る・圧力をかける・無水調理・蒸す」いう4方式を採用します。
ほかは、食材の再加熱ができるだけで、シンプルです。
自動メニューは、8種類です。
無水カレー、カレー、肉じゃが、豚の角煮、さんま煮、ポトフ、白米、玄米です。
自動調理家電としてはイマイチな印象です。
圧力は、70kpaです(上位機は90kPa)。
レシピ集は、こちらも、オリジナルなものを搭載します
安全性の面は、一方、本機はフタのロック検知機能がないです。
ロックピン式で開閉は分かりやすいのですが、他社のようなエラー表示はなされません。
ただし、忘れがちな、内ふたやパッキンのつけ忘れについては警告がなされます。
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以上、シロカのSP-D131とSP-4D151の紹介でした。
発売当時は結構良い製品と感じましたが、さすがに5年経って陳腐化しています。
構造的にも、本機は、ふたの開閉検知がなく、ロックピンを必要とする構造で一手間必要ですし、現状では選択肢にしなくて良いかと思います。
2-2・コイズミの電気圧力鍋の比較
つづいて、日本の中堅家電メーカーのコイズミの電気圧力鍋です。
【2025年発売】(蒸し台あり)
31・コイズミ マイコン電気圧力鍋 KSC-3503/H
¥14,141 Amazon.co.jp (5/18執
【2021年発売】
32・コイズミ マイコン電気圧力鍋 KSC-3502/K¥9,400 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
調理容量:1.6リットル
圧力の最大値:70 /40kpa 115℃
低圧調理:対応
常圧調理(煮込み):3段階
自動メニュー:5種類
予約調理:対応(煮込み以外)
KSC-3503は、コイズミが直接販売する電気圧力鍋です。
旧機種が残ります。
本体自体は同じ性能で、できることもだいたい同じです。
ただ、自動メニューのボタン構成が変わりました。
旧機だと写真(左)の6種でした。新機種は「自動弱・自動中・自動強」の3種と、炊飯・虫・離乳食・蒸し、での6メニューです。
肉じゃが(弱)、角煮(中)、おでん・カレー(強)は仕込めるので、新機種でそう不便になったわけではないです。
新機種のみ、玄米が自動では炊けない点だけ注意してください。
一方、新機種は、簡易「蒸し台」が 付属するようになり、水を張っての蒸し料理ができるようになりました。
ただ、電気圧力鍋で、蒸しができて「便利」なシーンは、内釜の直径の狭さを含めて、少ないような気はします。
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結論的にいえば、後述する離乳食メニュー(6種)が不要ならば、値段的に安い間は旧機で良いいでしょう。自動メニューをそこまで使わないだろう方は、とくにそう言えます。
あとは、同じなので、同時にみていきます。
本体の大きさは、幅270×奥行240×高さ27.5mmです。
それなりに小型で、設置性において配慮があります。
調理容量は、1.6L(満水容量2.5L)です。
2人程度にまでの家族向きでしょう。
かけられる圧力は、最大で70kpa(115度)となります。
電気圧力鍋における平均値ですが、汎用性がある温度ですから問題ありません。
低圧での調理は、この機種は作動圧力を5段階でマイコン制御するため、低圧は対応できます。低圧は40kPaとの表記です。
ただし、圧力弁が複数あるわけではないので、正確というわけでもないため「レベル」という表現です。
長時間煮込み(スロークック)もこの機種は「対応」です。
3段階の温度調節が可能です。
ちなみに、マニュアルの場合は、最大で600g程まで対応できるでしょう。
自動調理メニューは、6種類です。
角煮、肉じゃが、カレーといったお馴染みのボタンはないです。
ただ、自動(強・中・弱)で実際的には、自動対応できるようにしています。
「蒸し」はそこまで多機能でないです。
「離乳食」は、6種のおかゆ(かぼちゃ、サツマイモときなこ、鮭とブロッコリ、豆腐と人参、大豆とミックスベジ、鶏肉とひじき)です。
10倍かゆから5分かゆまでそろうので、自作したい方には良いかもしれません。
豚の角煮は、500gのお肉を処理する場合、15分の加圧後、30分程度保温すると完成です。
加熱時間・調理時間を含めると、他の70kpa(115度)機と同じで、1時間ほどでしょう。
無水調理は、明示的な機能としてはないです。
予約調理機能は、付属します。
一応、煮込み以外は予約できるのですが、本機は単なる「開始時間」の予約です。
パナソニックと異なり、自動メニューにより予約調理の品質を保証されるような説明もないです。事実上、ご飯用でしょう。
お手入れは、鍋本体と、安全弁、圧力ピン、水受けなどを掃除します。
内鍋はしっかり、洗いやすいフッ素加工です。
安全性の面では、この機種もSGマークを取得しており、安全水準を満たしています。
また、フタロック検知もしっかり付属です。
ふたの開閉チェックの部分で、ふたが閉まっていない場合、ロックボタン表示だけでなく、電子音での警告もあり、分かりやすい仕様です。
レシピ集は、22品目とそれなりの件数が載っており、充実しています。
旧機(こちら)、新機(こちら)ともににPDF形式で公開があります。
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以上、コイズミのKSC-3503の紹介でした。
十分な作動圧力と、便利な自動調理メニュー、低圧対応の可変圧力機構と、この価格帯の製品としては能力があり、優れます。
一方、予約調理機能は、「朝仕掛けて、夜食べる」ような利用法は想定していない点は、機能差として理解しましょう。
【2022年発売】
33・コイズミ マイコン電気圧力鍋 KSC-4502/W¥8,990 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
【2019年発売】
34・コイズミ マイコン電気圧力鍋 KSC-4501/W¥8,999 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
調理容量:2.0リットル
圧力の最大値:70kpa
低圧調理:対応
常圧調理(煮込み):3段階
自動メニュー:4種類
予約調理:対応(煮込み以外)
KSC-4502も、コイズミが販売する電気圧力鍋です。
新旧両機種ありますが、性能は同じです。レシピ本のレシピが1つ増えた程度です。
本体の大きさは、幅275×奥行310×高さ275mmです。
同社の下位機種よりも多少大きく、炊飯器並です。
調理容量は、2.0L(満水容量3.0L)です。
パナソニックと同じほどで、3-4人用、ないし、冷凍での作り置きに適したサイズです。
かけられる圧力は、この製品も、最大で70kpa・115度となります。
低圧での調理は、作動圧力を5段階でマイコン制御するため、低圧は対応できます。
長時間煮込み(スロークック)もこの機種は「対応」です。
具体的な温度指定はできませんが、3段階の温度調節が可能です。
自動調理メニューは、ダイヤル選択により、角煮・肉じゃが・おでん・カレーが可能です。
あとは、玄米・白米のボタンがあり、それをいれれば6種類です。
豚の角煮は、700gのお肉を処理する場合、25分の加圧後、30分程度保温すると完成です。
予約調理機能は、付属します。
こちらも、単なる「開始時間」の予約です。また、「煮込み」は安全上、予約ができません。
お手入れは、こちらも、鍋本体と、安全弁、圧力ピン、水受けなどを掃除します。
内鍋は本機も、フッ素加工です。
安全性の面では、この機種もSGマークを取得しており、安全水準を満たしています。
フタロック検知もなされます。
レシピ集は、55品目です。
【こちら】にPDF形式で公開があります。
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以上、 KSC-4501/Wの紹介でした。
同社の下位機種もコスパに優れた良い機種でしたが、大きめのこちらも、十分な作動圧力とマイコン制御で、実力は高いです。
ただ、大きめの鍋を持つ機種としては、(下位機種と異なり)作動圧力が少しものたりないと感じる部分はあります。
2-3・ワンダーシェフ電気圧力鍋の比較
続いて、日本の圧力鍋メーカーのワンダーシェフの製品です。
同社は、昔から圧力鍋を製造してきた、大阪の調理器具メーカーです。
【2019年発売】
35・ワンダーシェフ e wonder 楽ポン OEDC30-R1
¥13,500 楽天市場 (5/18執筆時)
35・ワンダーシェフ e wonder 楽ポン OEDC30 30L
¥12,900 楽天市場 (5/18執筆時)
【2023年発売】(スターターキット)
36・ワンダーシェフ e wonder 楽ポン OEDC30G2 (ST)¥7,787 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
調理容量:2L(満水容量3L)
圧力の最大値:70kpa 115℃
低圧調理:
常圧調理(煮込み):90度
自動メニュー:8種類
予約調理:ごはんのみ
OEDC30は、は、ガス式の圧力鍋で「魔法のクイック料理」シリーズを出しているワンダーシェフ社の電気圧力鍋です。
複数の型番がありますが、本体は同じです。付属品も(Amazonだと、おたま・しゃもじの記載がないのですが)他のサイトをみると「スターターキット」でも他機と同じようです。
いずれにしても、本質的に必要なもの(蒸しすや掃除用具・ふた)は付きますし、基本的に、値段で決めてOKでしょう。
本体の大きさは、幅310×奥行275×高さ280mmです。
直径30cmの枠を多少超えます。。
調理容量は、2L(満水容量3L)です。
2-3人の一般家庭向きで、豚の角煮の場合、800g程度までのお肉を処理できるでしょう。
かけられる圧力は、70kpa(115度)です。
問題ありません。
低圧での調理は、非対応です。
長時間煮込み(スロークック)は、一方この機種は「対応」です。
ただし、90度固定での定温調理でです。
煮崩れ防止にはやや設定値が高いですが、変更はできません。
ただ、蒸し器が付属し、蒸しができるのは面白い部分です。
自動調理メニューは、ご飯系を除けば、カレー・肉じゃが・ポトフ・魚・豆類だけです。
対応の幅は狭く、この部分はあまり重視しない仕様です。
無水調理は、明示的な機能としてはないです。
予約調理機能は、付属します。
ただし、基本的に「ご飯用(4合まで)」です。この点は、注意してください。
お手入れは、内釜はテフロン加工(フッ素加工)で、手入れしやすい構造です。
ただし、鍋本体のほか、フロート、ノズルフィルタ・パッキンと水滴受け・おもりなどを掃除する必要があるため、こちらも、部品の点数は多いです。
レシピ集は、50種類です。
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以上、ワンダーシェフの「イー・ワンダー」の紹介でした。
3-4人家庭や、冷凍での作り置きに便利な2Lクラスは、最近は「激戦区」です。
ただ、割と価格は安めですし、(製造は海外ながら)継続的に圧力鍋を作り続けてきた日本企業の信頼性・安全性は評価できるでしょう。
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【2019年発売】
37・ワンダーシェフ e wonder 楽ポン OEDD40
¥13,970 楽天市場 (5/18執筆時)
調理容量:2.6L(満水容量4L)
圧力の最大値:70kpa 115℃
低圧調理:
常圧調理(煮込み):90度
自動メニュー:8種類
予約調理:ごはんのみ
なお、形状が同等で、調理容量が2.6Lの製品も併売中です。
サイズは、W330×D280×H30cmですから、先ほどよりも横幅が多少あります。
性能面では、圧力の最大値など重要な部分は同等です。
ボタン配置は異なりますが、自動メニュー数も変わりません。
ご飯ならば、6合炊けるので、何かしら大量に作る必要のある方は、選択肢となるでしょう。
2-4・Instant Brandsの電気圧力鍋
つづいて、Instant Brandsの電気圧力鍋です。
米国で生まれた「アイデア製品」ですが、日本のデンキヤでもたまに見かけます。
【2019年発売】
38・Instant Brands Instant Pot DUO MINI¥12,699 楽天市場 (5/18執筆時)
調理容量:1.9L(満水容量3L)
圧力の最大値:70-80kpa
低圧調理:対応
常圧調理(煮込み):3段階
自動メニュー:10種
予約調理:
Instant Potは、北米で、爆発的に流行した電気圧力鍋の日本版です。
2010年の発売以降、多機能な電気圧力鍋の同地での火付け役ともなった製品です。
米国と日本は電圧が近いので、近年、本機の並行輸入品が多かったのですが、2019年12月から、正規品が輸入されるようになりました。
それに伴って、文字盤が日本語化されたほか、「Instant Pot DUO MINI」という名前が付けられています。
ちなみに、本機は、「 Instant Pot Duo 3 Quart」として米国で売られている製品の日本仕様となります。
本体の大きさは、幅290×奥行25.5×高さ28.5mmです。
miniの名を冠していますが、まあ標準的なサイズです。
調理容量は、カタログ表記上、3Lですが、これは満水容量です。
調理容量は、鍋の目盛りからして、1.9L程になろうかと思います。
かけられる圧力は、北米版説明書は強モードで、65-85kpaでした。
ただ、電圧の関係か日本版の作動圧力は、70-80kpaです。
低圧での調理は、本機は低圧モードがあるので「対応」です。
デンキヤで確かめたところ、圧は40-50kpaという表記です。
長時間煮込み(スロークック)は、「対応」です。
3段階で火加減が調節可能です。
自動調理メニューは、本機の人気の部分です。
スープ・肉料理/シチュー・豆料理・炊飯・お粥・蒸し料理・ヨーグルトなど、10種の調理プログラムを持ちます。
一方、調理方法として、炒める・蒸すもとれますが、炒めるはパドルなどがあるわけではないため、完全に「手放し」とはいきません。
また、炒める場合、フッ素加工がなされていない点は、注意してください。
一方、ご飯は炊けますが、中身がフッ素加工ではないですし、あまりオススメしません。
豚の角煮は、600gのお肉を処理する場合、15分です。
こちらについても、加圧時間だけのスペックで、加熱時間や調理時間をふまえない値です。
作動圧力からすると、総調理時間はパナソニック並の「1時間」くらいでしょうか。
予約調理機能は、ありません。
お手入れは、こちらも、鍋本体と、ノズル、おもりなどを掃除します。
一方、本機については、内鍋にフッ素加工がなされないステンレスです。
安全性の面では、先述の理由から詳細は不明です。
ただ、大手電気店にも売られている商品ですし、正規輸入品ならば問題ないでしょう。フタロック検知についても、海外の説明書を見る限り、しっかりロックされない場合、異常温度検知機能としてエラー表示できるようです。
なお、圧力がかかる家電ですし、PSEマークなどの安全基準に関わる部分があるので、正規輸入品を選ばれることは「おすすめ」します。
レシピ集は、日本語訳で100種類のレシピが利用可能です。
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以上、Instant Potの紹介でした。
1万円という値段で、自動メニューが多彩なので、この価格帯での選択肢の1つにはなるでしょう。
一方、内鍋の加工を含めて、日本現地の実情に、必ずしも「ガラパゴス化」していない部分もありますが、作り自体はしっかりした製品なので、品質的な面では心配要らないでしょう。
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【2019年発売】【1.9L(2.8L)】
39・Instant Pod Nova Plus Mini 3.0L ISP1003
¥14,980 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
調理容量:上記参照
圧力の最大値:65-85kpa
低圧調理:対応
常圧調理(煮込み):3段階
自動メニュー:10種
予約調理:
なお、北米の上位版となる、Duo Novaについても、Amazonでは「正規輸入品」が見られました。
調理容量としては、1.9LLクラスの製品です。
基本的な仕様は同じですが、自動メニューの部分で、マルチグレイン(玄米やワイルドライスなど)と鶏料理が増えたほか、液晶で調理過程が表示されるというのが「売り」です。
それを利用して、設定した調理パターンを学習する機能が付属しています。
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なお、 Instant Potは、海外で人気の製品なので、先述のように、正規輸入品と並行輸入品が混ざっています。
ただ、電圧の問題と、PSEマークの問題があるため、購入するならば、身元がハッキリした製品を選ぶのがポイントとなります。「圧力」をかけるという、この家電の特徴をお忘れなく。
2-5・MKの電気圧力鍋の比較
続いて、エムケー精工の電気圧力鍋です。
ニッチな調理家電が得意な信州のメーカーです。
【2019年発売】
40・MK ヘルシーマルチポット EA-130K40・MK ヘルシーマルチポット EA-130W
¥9,600 Amazon.co.jp (5/18執筆時)
調理容量:2.0リットル
圧力の最大値:70kpa 115℃
低圧調理:
常圧調理(煮込み):5段階
自動メニュー:8種類
予約調理:ごはんのみ
EA-130K は、エムケー精工が販売する電気圧力鍋です。
本体の大きさは、幅304×奥行275×高さ278mmです。
家庭用の大きめサイズとなります。
調理容量は、2.0L(満水容量3.0L)です。
最近は、各社ともこのサイズが多いです。日本の一般家庭に合っているのでしょう。
かけられる圧力は、最大で70kpaとなります。
問題ありません。
低圧での調理は、一方、圧の調節はできないため、非対応です。
長時間煮込み(スロークック)は、「高度に対応」です。
一般的な設定では、90度で、最大9時間までとなります。
ここまでは他社機でもありますが、「甘酒コース」として60度固定ができるほか、各種発酵食品や発芽下枚など向けに、30度、35度、40度、45度と温度による設定が可能です。
【ホームベーカリーの比較記事】や【精米機の比較記事】で、以前同社の製品を紹介しましたが、こうした分野の知見を生かした製品でしょう。
自動調理メニューは、玄米を含むご飯系以外は、肉じゃが、カレー、鯖水煮、水煮大豆、蒸し鶏がラインアップされます。
予約調理機能は、付属します。
こちらも、単なる「開始時間」の予約で、ごはん系のみ対応です。
豚の角煮の場合、本機は、マニュアル運転ですが、レシピ集通りでは、400gのお肉を、15分の温水沸騰後、10分の圧力調理で完成です。
なお、庫内容量からすれば、マニュアル運転ならば、倍近い量を一度に作れそうではあります。
お手入れは、こちらも、鍋本体と、ノズル、おもりなどを掃除します。
一方、内鍋はしっかりフッ素加工なので、手入れしやすい製品です。
安全性の面では、この機種もSGマーク・PSCマークを取得しており、安全水準を満たしています。
フタロック検知も可能で、フタをしないと稼働しない構造です。
レシピ集は、説明書のうしろに30品目程度でやや簡易的です。
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以上、EA-130K の紹介でした。
大きめ圧力炊飯器はライバルが多いですが、低温調理において、割と細かい温度設定ができる点での「ハイブリッド性」が売りです。
発酵食品などで、この部分を利用する方に限定して、おすすめできる製品です。
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【2020年発売】
41・MK ヘルシーマルチポット EA-240K
¥12,500 楽天市場 (5/18執筆時)
調理容量:2.6リットル
圧力の最大値:70kpa 115℃
低圧調理:
常圧調理(煮込み):30〜90℃
自動メニュー:9種類
予約調理:ごはんのみ
なお、本機については、調理容量が2.6L(満水容量4L)まで増えたEA-240Kが追加で発売されました。
サイズは、幅335×奥280×高295mmで、多少幅がありますが、ある程度まとめて作れるサイズです。
小型機と比較した場合、常圧調理の温度設定が30〜90℃の間で5℃刻みで設定できる点で優れます。
低温調理で温度管理に厳しいメニューを多用する方には良いでしょう。
そのほか、レシピ集が別冊となり、種類も70種類と拡充されています。
あとは、自動メニューから、お粥がなくなり、野菜スープ・コンポートが増えた程度の違いです。
2-6・Shop Japanの電気圧力鍋の比較
つづいて、テレビ通販でお馴染みのショップジャパンの展開する電気圧力鍋です。
【2024年発売】
42・SHOP JAPAN クッキングプロ V3 CKPV3WS1¥16,318 楽天市場 (5/18執筆時)
調理容量:2.1L(2-3人用)
圧力調理:約80kpa 117度
常圧調理(煮込み):対応(低温可)
予約調理:
自動メニュー:120種類
クッキングプロ V3は、日本の通販番組であるショップジャパンが取り扱う電気圧力鍋です。
「イギリスで大人気」という触れ込みだったプレッシャーキングプロの日本版後継機です。同国の通販番組であるHigh Street TVの取り扱う人気商品を元にした製品です。
2024年にレシピが増えて、第3世代になりました。
調理容量は、2.1Lです(満水容量3.2L)。
だたたい3-4人家族用といえます。
本体の大きさは、幅295×高さ297奥行×292mmです。
小型ではないですが、十分キッチンに置けるサイズでしょう。
かけられる圧力は、80kPa(117度)です。
平均値よりすこし高めですが、問題ないでしょう。
低圧での調理は、40kPaも出せますが、自動メニュー用のようです。
自動メニューは、120種類です。
V2だと100種類(小型は80種)だったので、今回20メニュー増えました。
一方、従来(V2)はモノクロ液晶パネルで文字表記ができたのですが、今回からは、数字のみになりました。
良く言えば「シンプル化」したといえますが、実際、レシピを見ながら番号を入力する手間が増えたとは言えます。
メニュー的には、和食も充実しますが、国際色も結構豊かな感じです。
予約調理は、一応12時間まで設定できますが、マイコン制御というわけではないです。
長時間煮込み(スロークック)は対応です。
無水調理にも、対応です。
炊飯にも対応です。ご飯は、小さい方が3.5合・大きな方が5合です。
その他にも、新登場のベイク・グリルほか、合計11パターン(無水調理、蒸し調理、スロー調理、発酵調理、煮込み、炒め、温め直し)の調理に対応します。
基本的には、「圧力のかけかた」「温度設定」「時間設定」を基本とした、調理技法のレパートリーと考えれば分かりやすいでしょう。
なお「炒め」は、シロカ同様に、炒める前段階までの処理を意味します。
豚の角煮は、同容量(2.4L)の旧機種の場合ですが、500gで45分の調理時間です。
この製品も下ゆでなしに、小容量の調味料で一気に作る方式です。
レシピ集は、同梱です。
お手入れは、焦げ付き防止加工がなされていますが、フッ素加工はされない仕様です。耐久性はありますが、やや面倒な可能性はあります。
ただ、フタの構造はシンプルで、圧力を書ける部分のパーツは洗いやすそうです。
内釜はテフロン加工で、手入れしやすい構造です。
ただし、鍋本体のほか、安全弁、ふた、パッキン・おもりなどを掃除する必要があるため、圧力式は、部品の点数は多いです。
安全性の面は、本機は、ロック検知が可能です。
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以上、ショップジャパンのクッキングプロV3の紹介でした。
レシピや調理パターンも多めで、楽しみやすい要素が多くみられる製品です。
ただ、価格的には、型落ちならば、既にみたT-Falの「全自動」なども視野に入るため、それらとの比較は必要でしょう。
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【2021年発売】
【3.2Lサイズ】(シルバー)CKPV2WS1
43・Shop Japan クッキングプロ V2 基本セット
¥15,248 楽天市場 (5/18執筆時)
調理容量:1.6L(1-2人用)
圧力調理:約80kpa 117度
常圧調理(煮込み):対応(低温可)
予約調理:
自動メニュー:80種類
なお、旧世代が若干数残ります。
調理容量は 3.2Lサイズです。
調理容量としては、2.1Lの3-4人家族用で、295×297×292mmです。
あとは、自動メニューが100になる点、調理パターンに、グリルとベイクがない9種類である点、炊飯に「ふっくら炊き」モードがない点が違いです。
一方、パネルは、先述のように、旧機は文字表示が対応でしたので、(かえって)使いやすい部分もあります。
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結論的にいえば、新機種とさほど価格差もないです。
液晶は、見どころとは言えますが、視認性がさほど良くなかったとも言えるので、このシリーズから選ぶにしても新機種でしょう。
次回に続く!
電気圧力鍋のおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、、今回は、各メーカーの電気圧力鍋の比較の2回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
3・電気圧力鍋の比較 (3)
3-1:東芝〈日本〉
3-2:他の家電メーカー
3-3:最終的なおすすめの提案【結論】
時短効果 ★★★☆☆
自動調理 ★★★★★
レシピ数 ★★★★★
予約調理 ★★★★★
調理容量 ★★★★☆
総合評価 ★★★★★
最終回となる3回目記事(こちら)は、東芝ほか、今回紹介できなかった企業の製品をまとめてみていきます。
その上で「結論編」として、いつものように、予算別・目的別に、Atlasのおすすめ機種を選定していききます。
引き続きよろしくお願いします。
3回目記事は→こちら!