【今回レビューする内容】2022-2023年 ハイレゾイヤホンの音質とおすすめ:機種の違いと人気ランキング
【紹介する製品型番】フィリップス PRO6305BK/98 Fidelio S301BK/97 Fidelio S3/00 radius HP-NX10 6 オーツェイド intime 碧 (SORA) 2 intime 碧 (SORA) Ti3 Edition2 intime 碧 (SORA) Light 2019 Edition ADV Model 3 Wireless 2nd Gen Model 3 BA3 Model 3 BA4 エム・ティ・アイ NUARL NX1-GD NUARL NX3-BM 9 NUARL NEXT1L-BE NUARL NEXT1L-WE オーディオテクニカ ATH-ANC400BT ATH-CKR100 ATH-IEX1 HUAWEI FreeBuds Pro 2
今回のお題
ハイレゾ対応イヤホンのおすすめはどのモデル?
どもAtlasです。
今日は、2022年12月現在、最新のハイレゾ対応イヤホンの比較の2回目記事です。
1・ハイレゾイヤホンの比較記事 (1)
1-1:SONY〈日本〉
1-2:AVIOT〈日本〉
1-3:JVC〈日本〉
2・ハイレゾイヤホンの比較記事 (2)
2-1:フィリップス〈オランダ〉
2-2:オーディオテクニカ〈日本〉
2-3:Radius〈米国〉
2-4:オーツェイド〈日本〉
2-5:ADV〈米国〉
2-6:エム・ティ・アイ〈日本〉
2-7:ファーウェイ〈中国〉
3・ハイレゾイヤホンの比較記事 (3)
3-1:FiiO〈中国〉
3-2:Shanling〈中国〉
3-3:beyerdynamic〈ドイツ〉
3-4:パナソニック〈日本〉
3-5:ゼンハイザー〈ドイツ〉
3-6:最終的なおすすめ製品の提案
前回紹介できなかったメーカーの有線タイプのハイレゾイヤホンを引き続き紹介します。
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
原音再現性 ★★★★★
ワイヤレス ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、いつものように、各製品を機種ごと比較します。
そして、最後の「結論」部分では、上表のようなポイントから、「Atlasのおすすめ機種!」を提案する形で記事を進めていきます。
長い記事ですがよろしくお願いします。
3-1・フィリップスのイヤホン
はじめに、オランダの総合家電メーカーである、フィリップスが販売するハイレゾ対応イヤホンです。
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なお、以下の本文では、Atlasのおすすめポイントを赤字で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2020年発売】
18・ フィリップス PRO6305BK/98
¥2,480 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:7Hz 〜40kHz
ドライバー:12.2mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:
PRO6305BKは、オランダの家電メーカーのフィリップスが販売するイヤホンです。
音響メーカーのイメージはないですが、格安品で佳作を多く出すイメージが個人的にはあります。
接続方法は、有線方式です。
装着方法は、一般的なコード式です。
再生周波数帯域は、7Hz 〜40kHzです。
高音域は、ギリギリですが、ハイレゾ水準です。
低音域は、7Hzですので、値段からすると数値は良いです。
ドライバーは、12.2mmです。
1基のみ搭載で、素材的にもよく見かけるネオジウムで、さほど強調する部分はないです。
音質の特性は、一般的なイヤホンとしてはそつのない構成です。
ただ、ハイレゾ用としてみると、それ専用設計とは必ずしも言いがたく、解像感はやはりイマイチです
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以上、 PRO6305BKの紹介でした。
大手メーカー製の安心感があります。ただ、格安ラインについては、むしろ、中小のほうが工夫した製品を小ロット生産しているため、やや選びにくいです。
【2021年発売】
19・ フィリップス Fidelio S3/00
¥27,580 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:5Hz 〜40kHz
ドライバー:6mm+BA×2
ノイキャン:
防水性能:
重さ:11.6g
Fidelio S3/00 は、オランダの家電メーカーのフィリップスのフラッグシップ機です。
実質的な「ライバル」は、SONYのXBA-Z5で、本機も3ウェイ式です。
接続方法は、有線方式です。
装着方式は、大きめのユニットで、上から回し入れる形状です。
再生周波数帯域は、5Hz 〜40kHzです。
下位機種と比べると、低音域部分の評価値が伸びています。
低音域の充実度を「個性」の1つとしています。
ドライバーは、6mmのダイナミック型です。
加えて、バランスド・アーマチュア・ドライバが2基搭載される3ウェイ式です。
SONYのフラッグシップ機と同じで、音域に余裕があるタイプです。
イヤーチップは、 今回は比べていないですが、人気のComply 低反発フォームで、少し「贅沢」です。
試したい方には良いでしょう。
音質の特性は、長時間ではないですが試したところ、結構良かったです。
音域は広く感じますが、中音域を犠牲にしないタイプで、欧州的です。
ただ、低音域はSONYのフラッグシップ機のほうがあります。
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以上、 フィリップスの Fidelio S3/00 の紹介でした。
あまり話題にもならないですが、ハイレゾ水準の3ウェイ式では、堅実な佳作機といえるでしょう。
ただ、本機については、ベントありのセミクローズド(半開放型)なので、外で使う際には音漏れに気を使ってください。
試聴して良かったので久しぶりに同社のモデルを買おうと思いましたが、Atlasの使い方だとこの点がネックでした。
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【2021年発売】
20・ フィリップス Fidelio S301BK/97
¥19,276 楽天市場 (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz 〜40kHz
ドライバー:10mm+BA
ノイキャン:
防水性能:
重さ:
なお、同社からは、BA(バランスドアーマチェア)1基と10mmのダイナミック型ドライバー1基を採用した、中間グレードの「ハイブリッド2WAYドライバ」仕様の製品もあります。
こちらについても、半開放型ですので、その部分だけは、注意してください。
2-2・オーディオテクニカのイヤホン
続いて、オーディオテクニカの ハイレゾイヤホンです。
日本の老舗で、スタジオモニター用など、原音忠実性に重きを置いてきた印象があるメーカーです。
【2019年発売】
21・オーディオテクニカ ATH-ANC400BT
¥15,960 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:5Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC, AptX HD
連続再生時間:10時間
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:
重さ:87g
ATH-ANC400BT は、日本のオーディオテクニカが販売するイヤホンです。
接続方法は、Bluetooth方式です。
装着方法は、ネックバンド型です。
ソニーの最上位機 WI-1000Xと同形式ですが、重さも87gとです。
さすがに(もうすこし)軽量化して欲しい数字です。
再生周波数帯域は、低音が5Hz、高音が40kHzまでです。
ハイレゾに対応できる、余裕のあるスペックです。
ドライバーは、12mmのダイナミック型のシングルドライバーです。
大きめのユニットで、2層式の振動板にしている部分が独自性です。
音質は、発売前なので、試聴してから再掲します。
ただ、通常音源をハイレゾ音源にアップコンバートする工夫は、ソニーと異なりないため、楽しみは少ないでしょう。
Bluetoothコーデックは、この機種はSBC・AACに加えて、Aptx-HDに対応します。
したがって、ハイレゾ再生は、Aptx-HDにての対応です。
ソニーの場合、自社のウォークマンやスマホがLDAC対応なので、わりと融通が効きやすいですが、Aptx-HDはさほど普及していないため、この部分はネックでしょう。
通信安定性の面でも、本機はBluetooth5.0に対応です。
ノイズキャンセリング技術は、内部にマイクが2つある、Wマイク式です。
ソニー上位機と同等の方式で、現状では最高水準です。
一方、外音取り込みモードに相当する「クイックヒアスルー機能」はありますが、自動でキャンセルレベルを変更する機能は無いため、利便性は、ソニー系に負けます。
稼働時間は、20時間です。
割と長寿命です。
その他、付属のUSB-Cケーブル経由で、PCなどとUSB接続ができる構造です。
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以上、ATH-ANC400BTの紹介でした。
ハイレゾ対応とノイキャン対応に対応する機種は「ソニーの独壇場」だったのでライバル出現と言えます。
音質の部分では、オーディオテクニカも、対抗配置のドライバーなど優れたメーカーなのですが、ノイキャンユニットを搭載するためか、上位技術を採用しない普通の形式を採用します。
その上で、軽量化が十分でない部分もあり、(値段次第ですが)能力面では、ソニーの上位機に及ばない点が目立ちます。
【2016年発売】
22・オーディオテクニカ ATH-CKR100
¥30,945 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:5Hz 〜45kHz
ドライバー:12mm×2
ノイキャン:
防水性能:
重さ:14g
ATH-CKR100は、オーディオテクニカのハイレゾ対応イヤホンです。
接続方法は、こちらは有線方式です。
再生周波数帯域は、低音域が5Hzで、高音域が45kHzです。
したがって、ハイレゾ規格に準拠します。
ドライバーは、かなり特殊です。
というのも、13mmダイナミック型ドライバー2機を対抗配置するという構造だからです。
これにより、磁力で低音を強調する仕組みです。
同社の製品は「重低音」が注目されますが、ハイレゾ対応ということで高硬度の純鉄ヨークの振動板を採用することで、高音域を高めるなど、音の解像感やキレも全体的に高いです。
音質の特性は、試聴の限り、スペック値以上に低音は豊かです。
アルミニウムスタビライザーの採用などで、音のスピード感もあり、品質は値段相当です。
また、同型状の旧機を試聴した際にはあまり感じませんでしたが、対抗配置した2ドライバー仕様は、ハイレゾ特有の解像感を高める作用もありそうです。
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以上、 ATH-CKS1100の紹介でした。
ダイナミック型ドライバを2個搭載するという「荒技」ですが、低音域・高音域とも臨場感は豊かです。
ただ、それなりに音に個性はあるので、素直な音を聞くことをハイレゾの本質と考える人には向かないでしょう。
【2019年発売】
23・オーディオテクニカ ATH-IEX1
¥134,318 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:5Hz 〜50kHz
ドライバー:12mm×2
ノイキャン:
防水性能:
重さ:19g
ATH-CKR100は、オーディオテクニカのハイレゾ対応イヤホンです。
価格的には「モニターグレード」で、多くの人にとっては他山の石でしょう。
ただ、面白い製品ではあります。
接続方法は、有線方式です。
装着方法は、こちらも、オーバーイヤー式です。
再生周波数帯域は、低音域が5Hzで、高音域が50kHzです。
いずれもハイレゾ機として、十分なスペックです。
ドライバーは、とてもユニークです。
下位機種にも見られる対抗配置ですが、片側を9.8mmのドライバー、反対側を8.8mmのパッシブラジエータとする構成です。
その上で、先端方向に、小型のバランスドアーマチュア型ドライバーを2機搭載する、3スピーカー式です。こちらも、対抗配置です。
他社の上位機同様に、音の歪みに対する対策で、高音質を実現するという思想です。
とくに、先端のアーマチュア型のほうは、ハイレゾ用のスーパートゥイーターとして、超高音域の再現性向上を目指しており、確実に「ハイレゾ向き」設計です。
そのほか、チタン素材のハウジングを採用します。
チタンだけで、しかも継ぎ目のない鍛造ですから、値段に見合った部品費をかけています。
なお、接続については、バランスケーブルにも対応し、通常のケーブル同様に付属します。
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以上、ATH-CKR100の紹介でした。
モニターグレードの高級品なので、値段面で「おすすめ」とはいきません。
実際のところ、需要が少ないため、かかっている部材費に対して、価格は高めでしょう。
ただ、新発想のドライバー形状と、妥協のないパーツ選びで、確実に、「試したい」と感じさせる製品です。
2-3・ラディウスのイヤホン
続いて、米国のラディウスの販売するハイレゾ対応機です。
【2021年発売】
24・radius Ne EXTRA HP-NX10K
24・radius Ne EXTRA HP-NX10R
¥3,290 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:10Hz 〜45kHz
ドライバー:7.4mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:
radius HP-NX10は、アメリカ西海岸の音響機器メーカー、ラディウスが販売するハイレゾイヤホンです。
PC周辺機器メーカーとしても日本ではプレゼンスがあります。
接続方法は、有線方式です。
装着方法は、一般的なコード式です。
再生周波数帯域は、10Hz 〜45kHzです。
先述のように、この値で全てが決まるわけでないですが、実際的に音域は広いです。
ドライバーは、FLW構造ドライバーです。
振動版にボイスコイルの振動版を接着させないことで、振動版の駆動を改善しています。
効果としては、低音域の歪みを改善し、音のクリアさを高める効果を期待できます。2020年頃から同社の製品に採用されてきています。
一方、ドライバーのサイズは、7.4mmと小さいので、1ドライバー式の他機よりは、低音域は少し弱めでしょう。
音質の特性は、本機は試聴しましたが、1ドライバー式なので極端な傾向はないです。ただ、全帯域ともクリアな音質で、高音域がしっかりしていて、ハイレゾ向きと感じました。
FLW構造ドライバーが奏功しているのでしょう。ただし、ドライバーはあくまで小型なので、低音の爆発力を期待することは難しいです。
ただ、イヤーピースの位置を2段階で装着できるフィット構造と、フィット感がある独自のディープマウントイヤーピースで、低音域の部分は、しッカり調整すれば、改善は可能でしょう。
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以上、radius HP-NX10の紹介でした。
5000円以下で、スペック的にハイレゾに対応した製品を選びたい場合、技術の新しさと効果の部分で、割と良い選択肢です。
音圧を求める方には合わないですが、ピアノや弦楽器などはかなり綺麗に出ており、ハイレゾ音源用として、値段の割に優秀な設計だと思います。
2-4・オーツェイドのイヤホン
続いて、日本のオーツェイドのハイレゾイヤホンです。
群馬県の会社で、オーツェイド(O2aid)という圧電デバイスを販売している会社が企画するイヤホンです。
【2020年発売】
25・オーツェイド intime 碧 (SORA) 2
¥7,473 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz 〜40kHz
ドライバー:10mm+VST
ノイキャン:
防水性能:
重さ:
SORA2は、同社の代表機と言える、ハイレゾ音源対応の有線イヤホンです。
接続方法は、有線方式です。
装着方法は、一般的なコード式です。
再生周波数帯域は、20Hz 〜40kHzです。
高音域は、ハイレゾ水準です。
低音域は、20Hzまでとさほど強調できない数字です。
ドライバーは、ユニークな構成です。
10mmのダイナミック型ドライバーは、最近増えているグラフェン素材で普通です。
ただ、本機は、同軸上に、Vertical Support Tweeter (VST)という同社独自のセラミックとニッケル合金を組み合わせたトゥイーターを装備します。
これで、ハイレゾ特有の高音域をカバーするという、他社には見られない面白い方式です。同社によると、オーディオには向かないセラミックの特性を押さえ込むのには、相当苦労したようです。
その上で、米国のTBIが持つ、HDSS技術が使われているのも見所です。
これは、ETL (EMBEDDED TRANSMISSION LINE)モジュールを搭載し、音のゆがみやノイズを軽減させる特許技術です。
音質の特性は、試聴しましたが、やはり高音域が伸びて綺麗です。
値段からすると良いです。一方、低音域はイマイチです。
周波数特性の部分もありますが、どうも余り品質の良くないイヤーピースが原因のようにも思います。これについては、交換すればOKかなと思います。
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以上、SORA2の紹介でした。
技術的なユニークさでは、最近聴いた製品のなかではダントツです。
一方、音質は高音域方面に個性的なので、好き嫌いは分かれそうです。複数のイヤホンを所有して、違いを楽しむ方には向くでしょう。
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【2019年発売】
26・intime 碧 SORA Light 2019 Edition
¥4,683 楽天市場 (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz 〜40kHz
ドライバー:10mm+VST
ノイキャン:
防水性能:
重さ:
なお、量販店限定のようですが、ハウジングを買えた廉価版が売られています。
ドライバなどは同等で、外観がカジュアルになっています。
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【2021年発売】
27・intime 碧 (SORA) Light with Microphone
¥4,896 楽天市場 (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz 〜40kHz
ドライバー:10mm+VST
ノイキャン:
防水性能:
重さ:
また、2021年に登場したこちらも、2019年モデルをベースにした、廉価版の亜種です。
「テレワーク時代」に対応させるため、中間オーディオコントローラーを装備し、マイクを装備したモデルです。
【2021年発売】
【ステレオミニプラグ】
28・ intime 碧 (SORA) Ti3 Edition2 3.5mm
¥23,958 楽天市場 (12/1執筆時)
【バランス】
29・ intime 碧 (SORA) Ti3 Edition2 2.5mm
29・ intime 碧 (SORA) Ti3 Edition2 4.4mm
¥30,008 楽天市場 (12/1執筆時)
再生周波数帯域:10Hz 〜55kHz
ドライバー:10mm+VST2
ノイキャン:
防水性能:
重さ:
intime 碧 (SORA) Ti3 Edition2も、群馬県のオーツェイド(O2aid)の製品です。
数年前からあるモデルですが、2021年に改良版が登場しました。
こちらについては、バランス接続のモデルもあります。
接続方法は、有線方式です。
装着方法は、本機も一般的なコード式です。
再生周波数帯域は、10Hz 〜55kHzです。
高音域・低音域とも、同社の下位機の評価値より高いです。
ドライバーは、下位機種とは異なります。
10mmのダイナミック型ドライバですから、サイズは同じですが、チタンコートを施しています。
これによって、制振・スピード感・低域の再生力が下位機種より増していると、同社は評価します。
また、同社の特長であるセラミックツイーターについても、チタン酸化物を使ったセラミック剤(PZT:チタン酸ジルコン酸鉛)です。
圧電を祖業とする同社が得意とする素材でしょう。
これに、先述のHDSS技術が加わる構成です。
そのほか、ボディはチタン合金で、ケーブルも、銀コートを施した特注品です。
なお、2021年に改良がなされ、HDSSとVST2は共に「第3世代」になりました。高音域の感度の増加し、音抜けも良くなったとの指摘です。
音質の特性は、素材的なメリット性が活かされています。
従来的な特長だった高音域に加えて、低音域に余裕があります。
改良前のモデルの試聴ですが、純粋に「良い音」で、音の解像感は、値段相応に感じました。
細かい部分では、イヤーピースがacoustuneの高品質イヤーピースを採用しています。
下位機と聞き比べたときは、この部分の差(フィット感)も出ていたかなという印象です。
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以上、 intime 碧 (SORA) Ti3 Edition2の紹介でした。
値段面の部分で、試せる余力のある方は限られてくるでしょう。
ただ、同系統の試聴した印象は相当個性的で、解像感もあったので、オーディオを趣味としている方で、音質の差を感じたい場合は、かなり良い選択肢だと思います。
個人的に、こうした個性的な製品はかなり好きです。
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【2020年発売】(バランス)
30・オーツェイド intime 翔 (Show) 2.5mm
30・オーツェイド intime 翔 (Show) 4.4mm
¥30,008 楽天市場 (12/1執筆時)
再生周波数帯域:10Hz 〜55kHz
ドライバー:10mm+VST2
ノイキャン:
防水性能:
重さ:
なお、同社の「最上位機」は、バランス接続の以上の受注モデルです。
ハウジングやケーブルが異なりますが、ドライバーなど基本構造は、碧 (SORA) Ti3を踏襲しています。
オーディオは、(否定はしないのですが)値段的に上を見るとキリがなく、値段が高いほど、技術というより、感覚的というか、説明しがたい「魔術的な要素」が多くなる趣味の世界です。
革新的な技術が下位機と変わらない点で、本機は「魔術的」要素が濃く、費用対効果は悪いでしょう。
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【20221】(ミニプラグ)
31・オーツェイド intime 翔 (Show) DD
¥27,500 楽天市場 (12/1執筆時)
再生周波数帯域:10Hz 〜45kHz
ドライバー:10mm+VST2
ノイキャン:
防水性能:
重さ:19.7g
また、intime 翔 DDは、以上のフラッグシップモデルの「弟」となる、ステレオミニプラグの製品です。
Ti3 Edition2の、実質的な上位機で、ケーブル(Pentaconn Ear)やハウジング(硬質ジュラルミン+樹脂)は、本機の方が質はいいです。
一方、中身のユニット構成は同じですが、 Ti3 Edition2と価格差が少ないので、本機については、「どちらか迷う」でしょう。
周波数帯域は低めですが、単純に部品代から言えば、こちらの方が費用対効果は高いかな、と思います。
【2022年発売】
【ステレオミニプラグ】
【3.5mm】O2-MYB-M3.5
32・ オーツェイド intime 雅 (MIYABI) O2-MYB
¥20,900 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
【バランス接続】
【4.4mm】O2-MYB-M4.4
32・ オーツェイド intime 雅 (MIYABI) O2-MYB
¥21,450 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
【2.5mm】O2-MYB-M2.5
32・ オーツェイド intime 雅 (MIYABI) O2-MYB
¥----- Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz 〜50kHz
ドライバー:10mm+VST2
ノイキャン:
防水性能:
重さ:
intime 雅も、オーツェイド(O2aid)の製品です。
新製品ですが、入門機と高級機の「ちょうど中間」ほどのグレードになります。
接続方法は、有線方式です。
装着方法は、本機も一般的なコード式です。
再生周波数帯域は、20Hz 〜50kHzです。
スペック的に言えば、上位機より低音域の評価は低め、高音域は同じという評価値になります。
素材部分で、本機についてはウーファーがチタンでコートでなく、 グラフェンコートで、この部分の違いを意識した数字です。
グラフェンは、2018年くらいに中国系のワイヤレスイヤホンを中心に爆発的に搭載が進んだ素材なので、すでに目新しさはないものの、高硬度で、素材としての信頼性は担保される素材です。
HDSSとVST2(第3世代)は採用なので、主な違いは、(ハウジングほか)ドライバー部分と言えます。
音質の特性は、ハイレゾ向けの解像感の良さと、レンジの広さを特徴とします。
試聴の限り、低音の膨らみも十分なので、この組み合わせも良いかなと思えました。
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以上、 オーツェイド intime 雅の紹介でした。
そこそこ「買いやすい」絶妙な値付けに思えます。短時間の試聴でも音の良さを感じられるので、結構人気がでる気がします。上位機と同時には聴いていませんが、傾向はやはり同じで、艶やかで良い音がしました。
2-5・ADVのイヤホン
続いて、米国のADV.の製品です。キックスターター発の新興の音響機器メーカーです。
日本では、宮地楽器の取扱いです。
【2021年発売】
33・ADV. Model 3 Wireless 2nd Gen
¥10,890 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz -40kHz
ドライバー:8mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:6g(本体のみ)
ADV. Model 3 Wireless 2nd Gen は、米国のADV.が製造するハイレゾイヤホンです。
接続方法は、Bluetooth送信機が付属するため、Bluetoothワイヤレス対応です。
しかし、Apt-Xまでの対応なので、ハイレゾ水準の伝送ができません。
そのため、ワイヤードのカテゴリとして紹介しています。
装着方法は、一般的なコード式ですが、耳の後ろにフックさせる方式です。
再生周波数帯域は、20Hz 〜40kHzです。
この価格帯の製品では、高音域・低音域とも一般的な水準です。
さほど強調できない数字でしょう。
ドライバーは、「超広帯域マイクロ・ダイナミックドライバ」という表現はありますが、基本11mmというサイズだけの公開です。
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以上、ADV. Model 3 Wireless の紹介でした。
ワイヤレスだとハイレゾ音質ではないという部分はある意味注意点です。
ADV.は、実際聴いてみると良い音がする製品もありますが、こちらについては、普通の1ドライバで特段ハイレゾ向きでも、高音質でもない、値段相応の製品でしょう。
【2021年発売】
34・ ADV. Model 3 BA3
¥39,600 楽天市場 (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz -40kHz
ドライバー:BA×3
ノイキャン:
防水性能:
重さ:6g(本体のみ)
ADV. Model 3 BA3 も、米国のADV.が製造するハイレゾイヤホンです。
接続方法は、有線方式です。
装着方法は、一般的なコード式ですが、耳の後ろにフックさせる方式です。
本機については、3.5mmステレオプラグ専用です。
再生周波数帯域は、20Hz 〜40kHzです。
下位機種と変わりません。
ドライバーは、ソニーのように、小型のBA(バランスド・アーマチュア)を複数利用します。
本機の場合、帯域ごとにBAを3基利用するトリプルハイブリッド構成です。
BAは低音域が弱いので、ソニーの最近の高級機は低音はダイナミックドライバを採用していいます。
しかし、本機には、BAで低音をまかなう形式です。
昔ソニーがそのような製品を出していましたが、中音域のバランスが微妙だったためか、撤退しています。
音質の特性は、意外と低音重視です。
周波数帯域の表示と、(あまり低音に向かない)BAで低音域を担当させる形式ですから、意外性があります。20Hz~100Hzの音域を重視したチューニングで、解決を図っているようです。
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以上、 ADV. Model 3 BA3の紹介でした。
小型のBAだけを多く利用する形式は、SONYが撤退したあと空白でしたが、ADV.が引き継いだ形です。
機構的に、結構、ドンシャリ感が出やすい派手目の味付けになでしょうし、その傾向が好きだった方の代替候補となるでしょう。
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【2021年発売】
35・ ADV. Model 3 BA4
¥49,500 楽天市場 (12/1執筆時)
再生周波数帯域:20Hz -40kHz
ドライバー:BA×4
ノイキャン:
防水性能:
重さ:6g(本体のみ)
なお、ADV.は、BAを4基装備する製品も出しています。
形状や重さは同じですが、値段面で実質的に「上位機」です。
こちらについては、メーカーは、低音域ではなく、原音忠実性が強調されますし、モニターイヤホンとしての設計かもしれません、
本機の試聴はできていませんが、(以前あった)BAを多数利用した他社機を思い出すと、音の継ぎ目が多い分、中音域に課題がでる場合が多いです。
いずれんしても、同社の製品は、説明があまりなく聴いてみないと分からない部分が多いです。(コロナが終息したら)Atlasもまとめて試聴してみたいと思います。
2-6・MITの有線ハイレゾイヤホン
続いて、MTIという、日本の中国系ファブレス企業が立ち上げた、新興の音響ブランドの製品です。
【2020年発売】
36・ エム・ティ・アイ NUARL NX1-GD
¥36,000 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:10Hz 〜40kHz
ドライバー:10mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:約28g
NUARL NT01AX は、MTIの製品です。
製品デザインは、BATTLES DESIGN株式会社の百崎彰紘氏とのことです。
ただ、高級イヤホン製品のデザイン実績などは(少なくともカタログでは)確認できませんでした。
接続方法は、有線方式です。
装着方法は、一般的なコード式ですが、回し入れる仕様です。
再生周波数帯域は、10Hz 〜40kHzです。
ハイレゾにはギリギリ対応という水準ですが、低音域側の評価値は高めと言えます。
ドライバーは、10mmです。
この部分は工夫があり、単層のカーボンナノチューブ振動版と、銅素材のボイスコイルを採用します。
音質の特性は、カーボンナノチューブ素材は、剛性・スピード感に富む素材です。
古くは、JVCが、最近は、中国系の水月雨 (MOONDROP)が採用していました。
そのほか、筐体にマグネシウム合金を採用し、ケーブルを銀メッキを塗布した銅線を採用するなど、価格相応に贅沢な作りです。
なお、本機も米国のTBIが持つ、HDSS技術を採用した製品です。
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以上、 NUARL NT01AXの紹介でした。
元気のない「有線ハイレゾ機」の新星として期待が持てます。
HDSS技術採用機は、クラス以上の良音にきこえますが、本機は、伝統的に高品質とされてきた部材を贅沢に採用しており、その「上乗せ効果」は期待して良いでしょう。
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【2020年発売】
【通常製品】
37・ エム・ティ・アイ NUARL NX3-BM
¥15,400 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
【公式限定 ポーチ付き】
37・ エム・ティ・アイ NUARL NX3-BM-E
¥13,200 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:10Hz 〜40kHz
ドライバー:6mm
ノイキャン:
防水性能:
重さ:約20g
なお、本製品については「廉価版」となる下位機種が同時に登場しています。
ドライバーの素材は同じですが、口径を6mmとしています。また、高価なマグネシウム合金から、真鍮に外装が変更されます。
同時発売で機能差を付けたパターンでの販売ですので、上位機とは音質面で差はあるでしょう。基本的には上位機を選ぶべきです。
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【2022年発売】
38・エム・ティ・アイ NUARL NEXT1L
¥26,730 Amazon.co.jp (11/30執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBCAAC LDAC
連続再生時間:7.5時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク
防水性能:IPX4
重さ:5g×2
なお、同社からは、NUARL NEXT1Lという完全ワイヤレスイヤホンも出ています。
本体色は、ブラックエボニー(NUARL NEXT1L-BE )とホワイトグレット(NUARL NEXT1L-WE )です。
ドライバーは、 10mmと大きめです(M2 NUARL DRIVER)。
それでいて、重さは5gなので、よい設計に思えます。素材は、LCP(液晶ポリマーフィルム)なので、SONYも(大きな)ヘッドホンで利用する、高剛性な素材です。
小型ではないですが、ウイングチップでの固定ですが、見映えも割と良いように思えます。
Bluetoothコーデックは、SBCAAC LDACです。
先述の10mmのドライバが奏功し、周波数帯域が40kHzに達するため、業界のハイレゾ認証マークもあります。BluetoothのバージョンもしっかりBluetooth 5.3です。
そのほか、専用のイコライザアプリほか、低遅延のゲーミングモードもありますし、割とトレンドは押さえています。
ノイキャンも、Wマイク式(ハイブリッド)です。
接続方法は、Bluetooth送信機が付属するため、Bluetoothワイヤレス対応です。
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結論的にいえば、この価格帯はライバルは多いのですが、軽量モデルと考えれば、他社機と比較してもかなりよい構成に思えます。
あえて言えば、新しい立体音源(空間オーディオ)への対応度が今ひとつには思えますが、これは多くのメーカーについても言えます。
2-7・HUAWEIのハイレゾイヤホン
続いて、ファーウェイの製品です。
スマホで有名なグローバルな家電企業ですが、ハイレゾ対応イヤホンも出しています。
【2022年7月発売】
39・ HUAWEI FreeBuds Pro 2
¥26,773 Amazon.co.jp (12/1執筆時)
再生周波数帯域:14Hz-48kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:4時間
ドライバー:11mm+平面
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IP54
重さ:5.8g×2
HUAWEI FreeBuds Pro 2 は、ファーウェイが販売するハイレゾイヤホンです。
見た目通りに、左右独立型です。
重量は、片側5.8gです。
本機のドライバの口径からすると、軽量化を「頑張っている」機種です。
イヤーピースは、大・中・小の3サイズが付属です。
音質面では、11mmのクアッドマグネットダイナミックドライバーを搭載します。
その上で、本機は、平面振動板ドライバーを持つデュアル構成です。
ダイナミックドライバ+BA(バランスドアーマチュア)という構成は他社にも古くからみられます。
平面振動板との組み合わせも、これまでなかったわけではないですが、完全ワイヤレスイヤホンでは「初」であり、目新しいです。
実際的に、こちらのドライバーは、高音域の能力を高めるための搭載です。周波数帯域も、14Hz-48kHzとハイレゾ水準を達成します。
低音側のスペックも高いです。
なお、ファーウェイは6か所のオーディオラボを持ちますが、もともと音響企業ではないので、音のチューニング(EQ)の部分はフランスのDevialetの協力です。
以前、米国のベルキンもスピーカーを出すときに協力関係にあり、紹介したことがあります。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・LDACです。
LDACコーデックでハイレゾ対応機としています。
Apt-X系列は非対応です。
通信安定性の面では、Bluetooth 5.2です。
問題ありません。
ノイズ対策は、Wマイク式(内側1・外側2)のノイズキャンセルに対応です。
また、3種類ではありますが、ソニー同様に、 センサーが検知したシーンに応じて、かかりが調整されます(ダイナミックANCモード)
マイクは、外耳道の構造を見て、装着状況に合わせた調整(特に音圧)も自動でします。
連続再生時間は、ノイキャンを利用して4時間です。
スタミナはイマイチです。ケースは、18時間分のバッテリーです。
マイクは、搭載です。
本機は、形状的にも「ヘッドセット」的なビジネス用を探している方もターゲット層にしていると言えます。
性能面でも、先述の3つのマイクほか、ソニー同様の骨伝導(骨振動)センサーを利用して情報をとり、同社のディープラーニング技術を利用したアルゴリズムで、ノイズを打ち消します。
風切り音を押さえつつ、通話品質を高めます。この部分は(スマホ企業だけに)たいへん高度です。
複数の端末の待ち受けができるマルチポイントにも対応します。
もちろん、外音取り込みモードも装備します。
防水性は、IP54相当です。
豪雨程度に対応するほか、一定の防塵性ももつというスペックです。
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以上、HUAWEI FreeBuds Pro 2 の紹介でした。
平面振動板ドライバーというドライバー自体の独自の工夫を持つ上で、音響をずっとやってきた企業い及ばないEQの部分は、他社との協力で強化し、バランスの良い製品に仕上げていると思います。
値段面で、競合機にくらべて特段安い機種ではないのですが、マイクやノイズキャンセル部分を含めて、値段に見合う性能を持つ機種に見えます。
ドライバーが小さい機種を除き、ハイレゾ対応の左右独立型で、ここまで軽い機種というのはないので、同社のスマホユーザー以外にも、人気は出そうに思えます。
次回につづく
ハイレゾイヤホンのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は、ハイレゾ対応イヤホンの比較の1回目記事でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
1・ハイレゾイヤホンの比較記事 (1)
1-1:SONY〈日本〉
1-2:AVIOT〈日本〉
1-3:JVC〈日本〉
2・ハイレゾイヤホンの比較記事 (2)
2-1:フィリップス〈オランダ〉
2-2:オーディオテクニカ〈日本〉
2-3:Radius〈米国〉
2-4:オーツェイド〈日本〉
2-5:ADV〈米国〉
2-6:エム・ティ・アイ〈日本〉
2-7:ファーウェイ〈中国〉
3・ハイレゾイヤホンの比較記事 (3)
3-1:FiiO〈中国〉
3-2:Shanling〈中国〉
3-3:beyerdynamic〈ドイツ〉
3-4:パナソニック〈日本〉
3-5:ゼンハイザー〈ドイツ〉
3-6:最終的なおすすめ製品の提案
音質の良さ ★★★★★
重低音 ★★★★★
原音再現性 ★★★★★
ワイヤレス ★★★★★
総合評価 ★★★★★
つづく3回目記事(こちら)は、最終回です。
ここまで見た以外のメーカーをみた上で、結論編として、いつものように、Atlasのおすすめ機種!を提案したいと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
3回目記事は→こちら