1回目からの続き記事です→こちら
3-3・キヤノンの特大インクプリンタ
1・A4カラープリンタ・複合機の比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:エプソン〈標準〉
1-3:ブラザー〈標準〉
1-4:キヤノン〈標準〉
2・A4カラープリンタ・複合機の比較 (2)
2-1:HP〈標準〉
2-2:エプソン〈特大タンク〉
3・A4カラープリンタ・複合機の比較 (3)
3-1:キャノン〈特大タンク〉
3-2:ブラザー〈特大タンク〉
3-3:HP〈特大タンク〉
4・A4カラープリンタ・複合機の比較 (4)
4-1:モバイルプリンタ
4-2:最終的なおすすめの提案【結論】
3回目記事のトップバッターは、キャノンの発売する、インクタンク搭載プリンターです。
2018年からの展開で、エプソンに続いて、このタイプを展開しました。
----
今回も以下の本文では、高評価できる部分は赤系の文字色で、イマイチな部分は青字で書いていくことにします。
Windows 7〜11 MacOS 11〜15
【2024年9月発売】
34・Canon 特大容量タンク搭載 G3390
¥30,500 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
【2022年発売】(カラーモニタ、自動両面印刷なし)
35・Canon 特大容量タンク搭載 G3370
¥27,576 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
インク種類:染料+顔料(ボトル)
カラーインク数:3色
黒インク数:1色
印刷速度:約11枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
サイズ:幅416×奥行363×高さ177mm
G3370 は、キヤノンの「特大容量タンク搭載プリンター」です。
旧機種のG3370が残ります。
中身の性能はほぼ同じで、使うインクも同じです。
ただ、新機種は、自動両面印刷に対応する上で、タッチパネル式の2.7型液晶です。
旧機はパネルが旧機の1.35型モノクロ液晶ですし、今選ぶならば新機種でしょう。
本体サイズは、幅416×奥行363×高さ177mmです。
24年機から両面印刷対応になってわずかに奥行が拡がったものの、設置性は問題ない水準です。
ただ、給紙トレイは後ろトレイです(100枚)です。
その他の部分は、大きめの2.7型タッチパネルを装備する部分を含めて文句ないですが、給紙方法だけは「非現代的」だと思います。
設置性とバーターとは言えますが。
GI-31PGBK ブラック
¥1,800 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
GI-31C シアン
GI-31M マゼンタ
GI-31Y イエロー
¥1,240 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
なお、本体にブラックインクが2本初期付属するのは「豪華」です。
一方、交換方式は、エプソン同様にボトル式です。
メーカー公表印刷コスト
A4普通紙カラー 約1.0円
A4モノクロ 約0.4円
実際の印刷コスト
A4普通紙カラー 約0.8円
A4モノクロ 約0.3円
インクのコストパフォーマンスは、上記の通りです。
写真印刷のコストは、算出できません。
というのも、キヤノンは、写真用のコストを一切出していないからです。
機能としては、写真用紙は使えますが「基本向いていない」と判断しているからでしょう。
普通紙印刷のコストは、一方、実際のA4普通紙カラーで約0.8円ですから、エプソンを上回る低コストと言えます。
カラー印刷のクオリティは、やはり、注意が必要です。
インクが、黒が顔料インク、カラーが染料インクという点で、(写真はともかく)ビジネス文書には向きます。
しかし、高密度プリントヘッド(FINE)を採用しないので、ノズル数はキヤノンの入門用の「最下位機種」を80%下回る水準です。
文字印刷のクオリティも、ノズル数が最下位機の半分なので、ビジネス用としても、仕上がりの差があります。
印刷速度は、カラー6枚/分・モノクロ11枚/分です。
旧機種より改善が見られるものの、あまり高速ではないです。
ネットワーク機能は、USBのほか、Wi-Fiが利用可能です。
自動両面印刷機能は、先述のように、未対応です。
スキャナー解像度は、600dpi×1200dpiです。
主走査が600dpiですし、力を入れた作りではないでしょう。
メンテナンスカートリッジ MC-G07
¥1,200 Amazon.co.jp (12/8執筆時)
メンテ性の部分では、本機は、エプソン機の「メンテナンスカートリッジ」に相当する、上記製品が利用できます。
先述のように、この方式だと、不意の預かり修理の可能性が減るため、本機のワンポイントです。このほか、本機は、プリントヘッドも交換できる(BH-30)ため、メンテ性は割と良いです。
---
以上、キヤノンのG3370の紹介でした。
エプソンに比べるややインクのコスパは良いですが、それ以外の部分は、「相当性能に妥協した」機種です。
正直なところ(消耗品的な実入りが少ないので)売りたくはないが、ライバル社のラインナップに揃えるため、仕方なく日本市場に出した製品のような気がします。
大量印刷用に買うとしても後トレイ式ですし、耐用性の問題からイマイチおすすめできません。
ーーー
【プリンターのみ】
Windows 7〜11 MacOS 10.14〜15
【2022年発売】
37・Canon 特大容量タンク搭載 G1330
¥24,500 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
インク種類:染料+顔料(ボトル)
カラーインク数:3色
黒インク数:1色
印刷速度:約11枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:
サイズ:幅416×奥行330×高さ146mm
なお 本機は、プリンタのみの下位機種があります。
使用するインクは、上で見た上位機と同じです。
若干、背丈は低くななりますが、先述のように、トレイ配置などは本機もあまり使いやすそうには見えません。
Windows 7〜11 MacOS 11〜15
【2024年発売】
38・Canon PIXUS XK130
¥36,400 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
【2023年発売】
38・Canon PIXUS XK120
¥35,057 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
【2022年発売】
39・Canon PIXUS XK110
¥32,000 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 2色
印刷速度:15枚/分(A4普通紙)
自動両面印刷:対応
サイズ:幅372×奥行345×高さ142mm
PIXUS XK120もキヤノンのインクジェットプリンタです。
本機は、普通のインクカードリッジ式ですが、印刷面でコスパが良いモデルのため、このカテゴリで紹介しています。
旧機種が残ります。
2023年機は、ハードとしては、新機種と目に付く違いはないです。
騒音値と消費電力表記がわずかに変わった程度です。
2022年機は、液晶が2.7型です。
その後の世代は4.3型にと大きくなり見やすくなりましたので、そこが差です。
その代わり、キヤノン製カメラとのPictBridgeによるダイレクト印刷が新機種で使えなくなりましたが、これはまあなくてよいかと思います。
---
結論的にいえば、現状では、値段を含めて新機種でOKでしょう。
本体サイズは、幅372×奥行345×高さ142mmです。
筐体は同社の「上位仕様」となるので、格好良いです。
また、こちらは、「スマートトレイ」対応なので、プリントがはじまると、トレイが自動であく高級仕様です。
2.7インチの液晶もタッチパネル式で、やはり、高級感があります。
【5色マルチパック】
XKI-N21 + XKI-N20
¥3,155 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
【ブラック 1本】
XKI-N20PGBK
¥791 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約10.0円
A4普通紙カラー 約4.1円
A4モノクロ 約1.6円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約4.8円
フォト年賀状印刷 約7.0円
A4フォトカラー 約26.3円
純正インクの単価は、こちらになります。
写真印刷のコストは、Amazonの実売価格からすると「エコタンク級」です。
とても安いと言えます。無駄に大容量なカードリッジでもないので、一般人に良いサイズかと思います。
普通紙印刷のコストは、公称値でA4カラーで1枚3.8円です。
A4白黒印刷の場合も、約1.5円程度ですみます。
実売ベースだと、もうすこし安い可能性もあります。
印刷速度は、モノクロA4印刷で15.0枚/分、カラーA4印刷でも10枚/分となります。
仕事用としてもストレスを感じません。
カラー印刷のクオリティは、同社の中位機とノズルは変わらないので同じです。
モノクロ印刷のクオリティも、本機は、染料黒インクのほか、文字に強い顔料黒インクも積んでいる5色タンクなので、悪くないでしょう。
ネットワーク機能は、この機種もUSB接続のほか、Wi-Fi対応です。スマホからのダイレクト印刷も可能です。
自動両面印刷機能も、搭載です。
スキャナーの性能が良く、1200×2400dpiなので、性能は良いです。
---
以上、キヤノンのPIXUS XK110の紹介でした。
前半で見た、2021年の新中位機は、コスパが相当悪い機種でした。
一方、逆に本機は、ランニングコストが「最高クラス」です。インクも無理に「大容量カードリッジ」にしていないので、個人に優しいと言えます。
良い機種だと思います。
問題は、本体価格の高さです。ただ、同社の中位機と比べても、おそらく(プリンタが壊れるまで)2000〜3000枚はカラー・モノクロ印刷するならば、合計の価格差はだいたいの場合、逆転するでしょう。
ビジネス用に大量に印刷し、たまに写真印刷という場合は、おすすめです。
3-2・ブラザーの特大インクプリンタ
続いて、ブラザーの発売する、低コストのインクジェットプリンターをみています。
【2023年発売】
Windows 10〜11 MacOS 11〜15
41・BROTHER PRIVIO DCP-J1203N
¥25,000 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
【2021年発売】
42・BROTHER PRIVIO DCP-J1200N
¥19,000 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
インク種類:染料+顔料インク
カラーインク数:3色
黒インク数: 1色
印刷速度:約16枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:非対応
サイズ:横幅435×奥行351×高さ161mm
DCP-J1203Nは、ブラザーのファーストタンク搭載機です。
大容量タンク搭載で、印字品質を落とさず、「インクコストが安い」のが自慢というシリーズになります。
旧機種が残ります。
新機種は、Wi-Fiが5GHz帯(11ac)に新たに対応になりました。ただ、だいたいのルーターが、2.4GHz帯も対応でしょうし、旧機でもあまり問題にはならないです。
あとは、旧OSの一部の対応が切れた部分だけの違いですので、値段が安いようならば、旧機でも良いかなと思います。
本機のシステムは、プリンタ・スキャナ・コピー機能が付いた「複合機」です。
液晶パネルがなく、本体は、実用重視で「割り切った」感じの外観です。
本体サイズは、横幅435×奥行351×高さ161mmです。
ADF(原稿自動送り)ほか、自動両面印刷もないので、背は低めです。
いずれにしても、設置に問題なく、家庭用の省スペースモデルと言えます。
【モノクロ2500枚、カラー1500枚】
インクカートリッジ LC414BK【黒】
¥1,955 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
インクカートリッジ LC414C【シアン】
インクカートリッジ LC414M【マゼンダ】
インクカートリッジ LC414C【イエロー】
¥2,064〜 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
注意点は、セット販売がなく単品販売の価格だと言うことです。
ただし、「ファーストタンクモデル」で、モノクロ2500枚、カラー1500枚というかなり多めの印刷可能枚数を実現しています。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約16.2円
A4普通紙カラー 約5.5円
A4モノクロ 約0.9円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約10.2円
フォト年賀状印刷 約15.0円
A4フォトカラー 約56.1円
インクのコストパフォーマンスは、上表の通りです。
写真印刷のコストは、Amazonでの売価基準でみても、先ほどの機種より、さらに25%ほど安いです。
普通紙印刷のコストは、公開印刷コストベースでも、A4カラー印刷で1枚5.5円前後、A4白黒印刷の場合は、約0.8円程度です。
メーカー公表印刷コスト
L判光沢紙 約10.0円
A4普通紙カラー 約4.1円
A4モノクロ 約1.6円
実際の印刷コスト
L判光沢紙 約4.8円
フォト年賀状印刷 約7.0円
A4フォトカラー 約26.3円
本機は、タンク詰め替え式ではなく、カードリッジ式ですので、先ほどみたキヤノンのPIXUS XK130(上表)がライバルと言えます。
比較すると、本体価格は本機が有利で、印刷コストは多少負けます。
キヤノンは(写真のように)「セット販売品」を買った場合の印刷コストになので、表に示したほどは大きくは変わらないとはいえ、少なからず差はあります。
ブラザーの場合、1回のインク交換にかかるコストは、1本2000円前後と高めです。その部分も含めて、仕事に使うにせよ、あまり一般家庭向きではないとは言えます。
インクは使わず放置しておくと劣化します。2年寿命ですから、「1回買って5年使おう!」というような動機ならば、この機種は避けた方が良いです。
少なくとも1ヶ月に100枚は印刷する方にだけオススメします。
カラー印刷のクオリティは、本機に限っては2021年モデルながら、1.5plの最小液滴量です。
この部分だけでみると、(諸説あるものの、ブラザー基準では)2plの2021年機より画質は上でしょう。
大容量インク搭載のビジネスモデルだからといって、ヘッドの質などが妥協された作りではないです。
文字印刷のクオリティも、下位機種と同じ水準です。
ここは、評判が良いため、期待して良い部分です。
印刷速度は、1分間にカラー9枚・モノクロ15枚です。
カラーはそこそこですが、仕事で速度が必要なのはモノクロなので、たいていは問題ないでしょう。
ネットワークは、本機も、Wi-Fiが装備されます。
ブラザーは2021年に新アプリになったのですが、(液晶のない)本機でも、スマホで全体の設定ができる用にするためでしょう。
スキャナー解像度は、1200dpi×2400dpiと平均値をクリアします。
ただし、1回目記事でみた同社の(大容量インクではない)中級機と比べた場合、ADF(原稿自動送り)が装備されません。
また、CDのレーベル印刷には非対応となり、NFCも未装備です。
メンテ性は、ブラザーは、メンテナンスボックスは不採用です。
使われなかったインク、ノズル掃除で排出したインクは「廃インク吸収パッド」で吸収させます。
ユーザー交換不可なので、預かり修理になります。
一般的に、ビジネス印刷で、機器自体の耐用枚数までは印刷できる容量にしている場合が多いですが、本機は耐用枚数が非開示ですので、ここは何とも言えません。
---
以上、 ブラザーのDCP-J1200Nの紹介でした。
本体価格がやや高額な分、インク価格を「相当やすくしている」というモデルです。
例えば、PTA活動で大量のチラシの印刷が想定されるなどの場合は、総コスト面でこの機種は有利でしょう。
一方、年間の印刷枚数が1000枚以下ならば、インクの対応期限からして、さきほどの機種で良いと思います。また、自動両面印刷がない部分も注意してください。
自動両面印刷を含めて、家庭向きにもう少し使いやすい仕様ならば、もう少し評価できるという意味では少し残念な製品ではあります。
ーーーー
なお、これ以外の、ブラザーの仕事向けインクジェット機は、(カラーインクを含めて)「全量顔料インク」のビジネス向けです。
そのため、【ビジネスインクジェットプリンタの比較記事】で、別に紹介しています。
3-3・HPの特大インクプリンタ
最後に、HPの販売する低コスト型のインクジェットプリンターをみていきます。
Windows 7〜11 MacOS 10.12〜15
【2023年発売】
【エントリーモデル】
〈通常型番〉(青はAmazon限定)
43・HP Smart Tank 5105 1F3Y3A0-AAAA
44・HP Smart Tank 5106 4A8D1A0-AAAA
¥25,800 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
〈価格.com限定モデル〉(同じ製品)
45・HP Smart Tank 5105 1F3Y3A0-AAAA
¥25,500 HPダイレクト (5/16執筆時)
自動両面印刷:非対応
サイズ:横幅434.7×奥行361.6×高さ157.3mm
【スタンダードモデル】
〈通常型番〉(青はAmazon限定)
46・HP Smart Tank 6005 2H1W1A0-AAAA
47・HP Smart Tank 6006 4A8D1A0-AAAA
¥31,000 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
〈価格.com限定モデル〉(同じ製品)
48・HP Smart Tank 6005 2H1W1A0-AAAA
¥30,600 HPダイレクト (5/16執筆時)
自動両面印刷:対応
サイズ:横幅427.5×奥行364×高さ198.6mm
インク種類:染料+顔料(ボトル)
カラーインク数:3色
黒インク数:1色
印刷速度:約12枚/分(A4普通紙/黒)
HP Smart Tank 5105などは、HPの出す大容量インクプリンタです。
複数の機種がありますが、色以外は2種類に大別できます。
上位機(スタンダード)のみ、自動両面印刷がつきます。そのほか、普通紙カラー印刷の速度がやや速め(5枚→7枚)で、給紙量も多め(100→150枚)です。
そのほか、パネル操作部の形状や、スキャナ出力が2種類(JPEG PDF)になるなど、こまごまとした部分で異なります。
ただ、最も大きな違いは、やはり自動両面印刷と言えます。利便性からしたら、それだけでも上位機が良いでしょう。
あとはだいたい同じですので、上位機ベースに説明をしていきます。
本機のシステムは、プリンタ・スキャナ・コピー機能が付いた「複合機」です。
部品形状的には先発のキャノン機に似ているため、何らかの関係(部品単位のOEM)があるかもしれません。ただ、給紙トレイは、こちらの場合は下部に備えます。
本体サイズは、横幅427.5×奥行364×高さ198.6mmです。
原稿自動送りがある分、下位構成より大きめですが、許容範囲でしょう。
【モノクロ6000枚、カラー8000枚】
HP32 インクボトル 1VV24AA 【黒】
¥2,190 楽天市場 (5/16執筆時)
HP31 インクボトル 1VU26AA 【シアン】
HP31 インクボトル 1VU27AA 【マゼンダ】
HP31 インクボトル 1VU28AA 【イエロー】
¥1,770 楽天市場 (5/16執筆時)
純正インクの単価は、上記の通りです。
本機も単品販売です。なお、初期ボトルとして、黒だけ2回分はいるので、少しお得感があります。
一方、HPの家庭用は、緊急時など、モノクロ書類を「黒インクだけで印刷」できましたが、本機はできません。
「その代わりのおまけ」かとも思いましたが、「キャノン機と並べた」というのが正確でしょう。
メーカー公表印刷コスト
A4普通紙カラー 約0.93円
A4モノクロ 約0.33円
インクのコストパフォーマンスは、上表の通りです。
楽天市場の価格は直販とほぼ同じなので、実売コストは出しませんでした。
先述のようにキヤノン機(G3370)とシステムが似ていますが、コストも同じほどです。
印刷コストは、したがって、特大インクモデルとしても「良コスパ」です。
カラー印刷のクオリティは、やや注意が必要です。
HPは、すでにみた家庭用と同じで、1滴あたりの細かさの開示がないです。
引き続、2種のサイズで滴下するデュアルドロップボリューム テクノロジーは採用ですが、この部分が、得意とは必ずしも言えないでしょう。
実際、印刷コストにも、フォト用紙の場合のコストは非開示ですので。
とはいえ、ふちなし印刷も、光沢紙も対応にはなります。
文字印刷のクオリティは、黒は顔料インクなので、そこそこ良いです。
ただし、カラー顔料インクではないので、本格的なビジネス用インクジェットではないとは言えます。
印刷速度は、1分間にカラー7枚・モノクロ12枚です。
下位機種はカラー5枚です。
カラーは少し遅めですが、やはりキャノンと仕様は似ます。
ネットワークは、Wi-Fiが装備されます。
スキャナー解像度は、1200dpi×1200dpiです。
必要十分のスペックです。
メンテナンス性は、本機も、メンテナンスボックスなどの仕組みはないです。
---
以上、 HP Smart Tank 5105などの紹介でした。
既にみたキャノンの詰め替えタイプ(G3370)と仕様が似るので、ある意味そちらと「本体価格が勝負」な製品です。仕様はそう大きく変わらないといえますから。
ただ、下部に給紙トレイがある分、使いやすいように思えます。
画質面は強調する部分があまりないのですが、低コストで(ふちなし印刷を含む)カラーチラシを(本当に)大量に作るような場合は、キャノン同様に選択肢になるでしょう。
ーー
Windows 7〜11 MacOS 10.12〜15
【2023年発売】
【スタンダードプラスモデル】
〈通常型番〉
49・HP Smart Tank 7005 28B54A #ABJ
¥35,380 HPダイレクト (5/16執筆時)
〈価格.com限定モデル〉(同じ製品)
50・HP Smart Tank 7005 28B54A #ABJ
¥38,221 HPダイレクト (5/16執筆時)
サイズ:横幅427.5×奥行364×高さ198.6mm
【ハイエンドモデル】
〈通常型番〉
51・HP Smart Tank 7305 28B75A#ABJ
52・HP Smart Tank 7306 28B76A#ABJ
¥47,000 HPダイレクト (5/16執筆時)
〈Amazon限定型番〉(同じ製品)
53・HP Smart Tank 7306 28B76A0-AAAA
¥43,800 Amazon.co.jp (5/16執筆時)
〈価格.com限定モデル〉(同じ製品)
54・HP Smart Tank 7305 28B75A#ABJ
55・HP Smart Tank 7306 28B76A#ABJ
¥43,870 HPダイレクト (5/16執筆時)
サイズ:横幅427.5×奥行364×高さ240mm
インク種類:染料+顔料(ボトル)
カラーインク数:3色
黒インク数:1色
印刷速度:約15枚/分(A4普通紙/黒)
自動両面印刷:対応
なお、以上の上位機も、同時発売になりました。
スタンダードプラスは、給紙トレイを250枚に増やした、実用性重視のモデルです。
そのほか、印刷速度が、カラー9枚/分・モノクロ15枚/分と、やや速くなります。
ハイエンドモデルは、それに加えて、上部にADF(原稿自動送り)を装備します。
300dpiでの読み取り速度は不明ながら、ADFも自動両面対応で35枚まで一度に取り込めます。コピー速度をみても、実用水準の速度だと思います。
あとは、利用するインクを含めて、先ほどと同じとなります。
---
結論的にいえば、仕事で大量印刷に使う場合は、価格に応じて性能は良いと言えます。
ただ、カラー部分が染料インクですので、完全な「仕事用」ではないです。仕事用ならば【ビジネスインクジェットの比較記事】でみている、全量顔料インクのモデルも合わせて考えてください。
ただ、そちらと違って「ふちなし印刷」ができる部分で、本機のような機種もニーズはあるものと思います。
次回に続く
インクジェット複合機のおすすめは結論的にこちら!
というわけで、今回は、4色(5色)インクジェットプリンター複合機の比較の3回目記事でした。
記事は、あと1回だけ続きます。
3・A4カラープリンタ・複合機の比較 (3)
3-1:キャノン〈特大タンク〉
3-2:ブラザー〈特大タンク〉
3-3:HP〈特大タンク〉
4・A4カラープリンタ・複合機の比較 (4)
4-1:モバイルプリンタ
4-2:最終的なおすすめの提案【結論】
インクコスト ★★★★★
画質(普通紙)★★★★★
画質(写真) ★★★★★
印刷スピード ★★★★★
総合評価 ★★★★★
最終回となる次回の4回目記事【こちら】では、モバイルプリンターを確認したあと、ここまで紹介した全機種から、目的別・予算別に、Atlasのおすすめ機種!を提案していきます。
「予算制限の中でもできるだけ画質や機能性を追求したい」という方の要望もふまえていますので、引き続きよろしくお願いします。
4回目記事は→こちら!