【今回レビューする内容】2025年 WQHD 2.5K解像度の液晶ディスプレイの性能とおすすめ:27インチ25インチ 2560x1440 2K 2.5K解像度
【比較する製品型番】LGエレクトロニクス 24U631A-B 27U631A-B 24QP750-B EIZO FlexScan EV2760-BK EV2760-WT EV2795-BK EV2795-WT HP E27u G5 6N4D3AA#ABJ EIZO ColorEdge CG2700S-BK デル Dell P2425D P2725D P2425DE P2725DE S2725DS-K S2722DC ASUS ProArt PA278CV PA278QV エイサー Acer Vero B7 B277UEbmiiprzxv CB272UEsmiiprx ベンキュー BenQ GW2790QT-JP PD2705Q PD2705Q-JP PD2506Q PD2506Q-JP PD2706QN JAPANNEXT JN-T27WQHD-C65W BL2790QT フィリップス 27E1N5600E/11 27E1N5500E/11 24E1N5600E/11 24E1N5500E/11 27E1N5600AE/11 グリーンハウス GH-LCW27WB-BK イイヤマXUB2492QSU-B1AXUB2792QSU-B6 XUB2792QSU-B6 ジャパンネクスト N-IPS2380FLWQHD-N JN-IPS238WQHD-C65W JN-27iB120Q-H-C6 JN-IPS27Q4FL-HSPC9-DL JN-i27QR-C65W-HSP JN-IPS27Q JN-i270WQHDR N-IPS27WQHD-C65W-HSP JN-IPS27Q2 JN-IPS273WQHD レノボ Lenovo ThinkVision E27q-20 62D0GAR1JP Lenovo L27h-4A QHD 67C0UAC6JPアイオーデータ LCD-CQ271SA-FX LCD-CQ271SA-F EX-CQ271SA-F LCD-MQ271XDB-A/UE LCD-GCQ271XDB LCD-MQ271XDB-A EX-CQ270SA EX-CQ270SA-F MediCrysta LCD-MDQ271A LCD-BCQ271DW-F LCD-BCQ271DW-B シャオミ Xiaomi A27Qi ELA5814USフィリップス 24E1N5500B/11 27E1N5500B/11 ほか
今回のお題
PC用のWQHD液晶モニターのおすすめ機種はどれ?
ども、Atlasです。
今日は、2025年5月現在、最新の、PC用の2.5K解像度(WQHD)モニターの比較です。
4Kを導入するほどではないが、ある程度の画質や作業領域が欲しい方に人気です。
記事では、パネル自体の品質やスタンド部分の調整力、あるいは、明るさセンサーなどの独自の工夫などに注目しながら、長時間作業でも「目が疲れにくい」モニターを提案していきます。
細かい部分では、保証期間の長さや保証内容にも注目しました。
1・2.5K液晶モニターの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:LG〈韓国〉
1-3:EIZO〈日本〉
1-4:フィリップス〈日本〉
2・2.5K液晶モニターの比較 (2)
2-1:DELL〈米国〉
2-2:ASUS〈台湾〉
2-3:ACER〈台湾〉
2-4:BenQ〈台湾〉
2-5:イイヤマ〈日本〉
3・2.5K液晶モニターの比較 (3)
3-1:アイオーデータ〈日本〉
3-2:JAPANNEXT〈日本〉
3-3:レノボ〈中国〉
4・2.5K液晶モニターの比較 (4)
4-1:HP〈米国〉
4-2:フィリップス・シャオミ ほか
4-3:最終的なおすすめの提案【結論】
以下、2.5Kモニターの「選び方の基本」をはじめに示します。
その上で、以上のようなメーカー順に各社のモニターを比較していきます。
なお、ご覧いただくあたって、1点だけ「注意」をお願いします。
今回みていくWQHD解像度(=2.5K)のモニターは、現在「31.5型」「27型」「25型」「23.8型」の刻みで、展開があります。
4・31.5インチ2.5Kモニターの比較
5・2.5K平面ゲーミングモニターの比較
6・2.5K曲面ゲーミングモニターの比較
しかし2.5K解像度(WQHD)でも、31.5型は、画面サイズ的に用途が特殊なので、以上の別記事でフォローしています。
そのほか、ゲーム専用の「高リフレッシュレートモニター」と「曲面ディスプレイ」も特殊なので、やはり記事を分けました。
そういった製品をお探しだった場合、以上のリンク記事をお読みいただくよう、よろしくお願いします。
どこから読んでも分かるようにしています。
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液晶パネルの品質 ★★★★★
スタンドの性能 ★★★★★
動画ゲーム対応 ★★★★★
品質保証 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
というわけで、以下では、各社のモニターを一機ずつ比較していきます。
そして、最後の「結論」では、上表のような観点から、「Atlasのオススメ機種」を提案していきます。
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1・31.5型のPCモニターの比較
2・27.0型のPCモニターの比較
3・24.1型のPCモニターの比較
4・23.8型のPCモニターの比較
5・21.5型のPCモニターの比較
6・4KのPCモニターの比較
7・2.5KのPCモニターの比較
8・タッチパネルモニターの比較
9・ゲーミングモニターの比較
10・Mac向けPCモニターの選び方
11・液晶モニターの選び方【まとめ】
なお、今回の記事は、このブログ「モノマニア」の液晶ディスプレイ関連記全体としては、「7回目記事」として書きました。
1-1・WQHDモニターの選び方の基本
具体的な製品の紹介にはいる前に、「目に優しい2.5K型モニターの選び方の基本」を書いておきます。
仕事用を合わせると、Atlasは、WQHD解像度の製品を含めて、モニターを20機種以上は使い潰し、買い換えてきました。
その経験をふまえると、2.5K機の場合以下の4つの基本をおさえることが重要です。
1・解像度(作業領域)
第1に、解像度についてです。
これは、「選び方」というより、購入する解像度が「(フルHDでなく)2.5Kでよいか」という話です。
2.5K(WQHD)は、2560x1440ドットですので、フルHDの1920×1080より、25%ほどドット細かいといえます。
比較した場合、文字を細かく表示しても可読性が良いため、表示できる情報量は多いと言えます。
ビジネスでは、Excel・Word・メールソフトを並べて全て表示しながら快適に作業することができます。
ゲームについても、高解像度対応のゲームだと、広範囲表示ができるので、快適度は増します。
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第1に、老眼世代です。
例えば、同じ画面サイズのフルHDと2.5K(WQHD)モニターの購入を比較検討するとします。
たしかに、2.5KはフルHDより画面密度が25%ほど細かいので、小さな文字の可読性は高まります。書類を25%は多く並べられるでしょう。
しかし、老眼の方は文字を小さく表示できてもそもそも見えないので、実際的な意味はないかと思います。
ただし、「目の優しさ」を重視するならば、逆に、4K機は高い効果を発揮します。
フルHDの4倍(2×2)の画面密度となるため、同じサイズで文字を表示する場合、鮮明に、はっきりくっきり表示できるからです(右図)。
やや話が逸れるため、詳しくは、【液晶モニターの選び方の基本の記事】をお読み下さい。
2.5K機は、やはり、老眼世代は導入意義が薄いと思いますから。
第2に、レトロゲーマーや低解像度動画をよく見る方です。
とくに、フルHD(2K) 時代以前に買われた低解像度ソフトのレトロゲー場合、「WQHD(2.5K)解像度」まで、サイズを数倍アップスケーリングすることになります。
結果、文字については、輪郭の粗さが目立ちます。
これを嫌い(フルスクリーンに拡大せず)元のサイズでWindow表示しても、相当小さなウィンドウになるでしょう。
何らかの事情で昔の仕事用ソフトを利用する方にも、これは言えます。モニターやビデオカードの補正力でなんとかなる部分もありますが、注意点です。
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そのほかは、相当古いパソコンでない限り、2.5K表示に使うマシンパワーは十分でしょうし、問題ないと思います。
ただ、価格は総じて高いです。
そのため、インターネットメインで、たまに動画をみたり、ゲームをするだけのユーザーは、2.5Kだと少しオーバースペックだと思います。
2・適切な画面の大きさ
第2に、画面の大きさです。
これは、フルHDモニターと変わらず、上表のような距離がとれれば、「目が辛くならない」といって良いです。
より詳しくは、このブログの【液晶モニターの選び方の基本の記事】で書きました。
3・モニタースタンドの性能
第3に、モニタースタンドの稼働性です。
この部分も「目の疲れ」に影響する要素です。
基本的に、モニターと目線は水平にするのが、目が最も疲れない配置です。
格安モニターの場合、角度は調整できても高さが調整できない機種がほとんどです。
そうした機種の場合、「目に優しい」体勢をとろうとすると、椅子の高さを無理に調整する必要がでるため、腰や肩の疲労につながります。
そのため、モニターアームの角度や高さが柔軟に調整できるモデルを選ぶことが大切です。
4・液晶パネルの品質
第3に、液晶モニターの品質です。
液晶は、PC用の場合、TNパネル、VAパネル、IPSパネル、ADSパネルという、4種類の液晶方式が主流です。
それぞれの特徴を「ざっくり」表示すると上表のようになります。
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結論的にいえば、視聴時の視認性(ギラつきのなさ)と、視野角の広さが大事ですので、IPSパネルがベストであり、「目に優しい」です。
IPSと同じ性質のADSパネルでも構いません。
上図は、IPS・ADSの(安めの)スタンダード機の典型的なスペックです。
これより数字が良い製品は、「ちょい上なIPS」と考えて良いでしょう。
とくに今回の記事では、色域(sRGB99%以上)と輝度(300cd/u以上)を超えた「ちょい上」なパネルを「IPS+」として区別しました。
定まった表現がないのでAtlasが名付けました。
近年は、コントラスト比も高め(1300:1〜1500:1)で「黒が締まる」IPSパネルも増えました。この部分で個性がある製品も、本編では、その部分を評価して説明する予定です。
これ以上の上位IPSパネルの製品もありますが、本編で該当製品が出たときに説明しようと思います。
VAパネルは「黒が締まる」ので映像向き、TNパネルは、応答速度が良いのでゲーム向きです。
しかし、TVより近接視聴になるPCモニター利用の場合、いずれも疲れやすいので、積極的にはおすすめしません。
なお、PCモニターの場合、パネル表面処理は、パネルの種類を問わず、ほぼ全機が、照明などの反射が少ないといえる非光沢のノングレアです。
ノートPCとは違い、ハーフグレア(半光沢)、グレア(光沢)は、テレビ的に利用する一部機種を除けば、採用例は皆無に近いです。
この部分は(基本)あまり気にしなくて良いです。
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1・液晶モニターの選び方【まとめ】
2・Mac用モニターの選び方
以上、2.5Kモニターを選ぶ際に重要なポイントを4点紹介しました。
もっと深く「基本部分の選び方」を知りたい方は、(製品自体の比較ではないですが)以上の記事でもまとめています。
ただ、今回説明する内容だけでも「目に優しいモニター」は選べると思います。
このまま読み進めていただいてOKです。
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では、具体的なモニターを紹介していきます。
では、比較をはじめます。
冒頭示したように、メーカー順に各社の製品をみていきます。
1-2・LGのモニターの比較
はじめに、LGエレクトロニクスの2.5Kモニターです。
同社は、自社で(部品としての)IPSが生産できる世界的企業です。性能の良い機種が割安の場合が多いです。
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なお、以下では、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2025年発売】
【23.8インチ】
1・LGエレクトロニクス 24U631A-B
¥22,597 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
【27インチ】
2・LGエレクトロニクス 27U631A-B
¥28,712 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:250cd/u
液晶の方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:100Hz(最大)
HDR:HDR10
USB給電:
接続端子:HDMI USB-C
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:
保証期間:3年
24U631Aなどは、LGが販売するモニターです。
画面サイズは、23.8型と27型が選べます。
パネルを含む性能は同じなので、ニーズにあう方を選んでOKです。
パネルは、ノングレア(非光沢)のIPSです。
輝度(250cd/u)、コントラスト比(1000:1)、色域(sRGB 99%)というスペックです。
色域は広いですが、輝度ほかは、悪くないにせよ普通なIPSです。
HDRも、HDR10に対応します。
対応した動画やゲームで使う場合、階調表現に優れる画像を楽しめます。
ただ、通常画質(SDR)の再計算についての言及はないので、対応するコンテンツ(ソフト)のみ、階調性が良くなります。
応答速度は、5msです。
十分でしょう。
リフレッシュレートは、100Hzです。
おもに、ゲームに関わる部分ですが、最近は、マウスをなめらかに動かす目的で、最近は、一般モニターでもそこそこ良い性能です。
画像補正は、LGは充実します。
ゲーム向けの暗部補正(ブラックスタビライザー)ほか、低解像度な動画などを補正する超解像技術(Super Resolution+)を装備します。
「目の優しさ」の部分でも、フリッカー対策・ブルーライト軽減も機能として持ちます。
スタンドは、チルトのみ(上20° 下5°)です。
やや残念ですが、VESA規格に対応するので、問題を感じたら交換は可能です。
スピーカーは、ありません。
接続端子は、HDMIとUSB-Cです。
今どきな構成ですが、USB-Cの給電力は15Wなので、ノートPC接続時の給電は非対応で
保証期間は、3年です。
また、LGの場合保証期間中の無輝点保証も付属です。
常時消灯は非対応ですが、上位クラスだけでなく、一般モニター全部にこの保証をつけるのは珍しいです。他社の場合、よほど多く点灯セルがある場合を除けば、無保証なので。
常時点灯がモニターにあると不快ですし、大きなポイントです。
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以上、LGの27QN600-B の紹介でした。
パネルは標準的なスペックですが、2.5KのIPSとしては「最安級」です。
TVを販売する企業らしく画像補正も独自性がありますし、端子周りの装備も新しいと言えます。HDR 10も対応です。その上で、手厚い保証もあります。
唯一、スタンドがチルトのみになるので、そこが残念です。しかし、モニターアームなどに換装する場合などは、この仕様でも良いでしょう。
【2021年発売】
【23.8インチ】
3・LGエレクトロニクス 24QP750-B
¥34,927 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:300cd/u
液晶方式:IPS+ ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:75Hz(最大)
HDR:HDR10
USB給電:65W
接続端子:HDMI DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
保証期間:3年
24QP750-Bは、LGが販売するモニターです。
画面サイズは、23.8インチです。
小型の2.5K機はさほど数がないので、稀少性が高い機種です。
パネルは、ノングレア(非光沢)のIPSです。
同社は、パネル自体を生産できる企業ですので、自社のパネルです。
輝度(300cd/u)、コントラスト比(1000:1)、色域(sRGB 99%)とスペックは、IPSとして上位です。
冒頭書いた(Atlasが便宜上定めた)「IPS+」の基準を超える「ちょい上級」のIPSです。
工場出荷時の色合いの個体差の調整(キャリブレーション)の言及もあります
HDR10は、本機も対応です。
応答速度は、オーバードライブ時で5msです。
主に、動きの速いゲームに関わる部分ですが、スペックとしてはIPSとして平均的です。
かかり方は、3段階で調整可能です。
自動画質調整は、「フォト・シネマ・ゲーム」の各モードが利用できます。
一方、ビジネスに向いたモードはありません。
画像補正は、下位機と仕様は同じです。
超解像、黒強調などの諸機能がある上で、フリッカー対策もあります。
スタンドは、フル稼動です。
調整幅は、高さ13cm、チルト角度(上35° 下5°)スイーベル(355°)とピボット(180°)です。
稼動性は他社機と比べてもかなり良いです。
小さめなモニターは、とくにこの部分が「目への優しさ」の部分で重要ですが、本機は優秀です。
接続端子は、HDMI・Display Port・USB-Cという構成です。
USB-C端子の給電力は、本機は、60Wと強化されています。
15インチクラスのノートPCでも、やや速度は落ちつつも充電できると思います。
USBハブも、装備です。
USB-A(USB3.0)ポートが2つです。
USB-Cはないですが、PC接続に使わないならば、先ほどの端子は、スマホ充電用などに使えそうです。
そのほか、DP出力があるので、最大2台までのデイジーチェーンに公式対応です。
スピーカーは、省略です。
保証期間は、3年です。
無輝点保証も付属です。
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以上、LGの24QP750-Bの紹介でした。
画面解像度が高く、かつ、USB-C給電ができる小型機として貴重です。
ただ、老眼世代の方を除けば、「書類が並べやすい上位機」として選択肢にできます。
1-3・EIZOのモニターの比較
続いて、日本のEIZOのモニターです。
老舗の液晶メーカーで、品質で選びたい場合、人気のあるメーカーです。
【27インチ】
【2025年発売】
4・EIZO FlexScan EV2720S-WT
4・EIZO FlexScan EV2720S-BT
¥68,830 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
コントラスト比:1500:1
接続端子: HDMI DP USB-C
USB給電:70W
【2020年発売】EV2760-BKは終売
5・EIZO FlexScan EV2760-WT
¥71,500 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
コントラスト比:1000:1
接続端子: DP×2 HDMI DVI
USB給電:
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:350cd/u
液晶方式:IPS+ ノングレア
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:61Hz(最大)
HDR:
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(1w×2)
保証期間:5年
EV2720Sは、EIZOの2.5K対応モニターです。
旧機が残りますが、接続端子の構成が変わるほか、パネルが旧スペックで、コントラスト比が低めです。
価格的にも今だと新機種でしょう。
画面サイズは、27インチの大画面です。
パネルは、ノングレア(非光沢)のIPSです。
輝度(350cd/u)、コントラスト比(1500:1)は公開です。
色域は「sRGB相当」とのみの記述ですが、このパネルスペックならば、sRGB 100%でしょう。
冒頭示した「IPS+」の基準を超える上で、コントラスト比のスペックも良いLG製の新世代パネルです。
応答速度は、5msです。
ネイティブでも14msです。
リフレッシュレートは、61Hzです。
ここだけ、旧水準です。パネル自体はおそらく100Hz出せるものでしょうし、EIZO側で制限をかけている感じです。
後述する 特別な画像補正に由来する事情かもしれません。
自動画質調整も、充実します。
EIZOの場合、Screen InStyleというソフトが提供されており、アプリごとに指定したモードに画面を自動変換することができます。
それぞれの画質モードについては、マニュアル調整もできますので、高度です。
ただ、Windows用アプリだけですので、Macユーザーはやや残念です。
画像補正機能は、フリッカー対策・ブルーライトカットなど、他社の主要機能は網羅します。
一方、EIZOの場合、明るさセンサーが搭載される点も重要です。
周囲の明るさを感知し、輝度を自動調整するAuto EcoView機能が利用できるため、PCを利用する時間に応じて、「目に優しい」明るさに調整してくれます。
周囲の明るさがわかるので、特に低輝度に調整した際に、フリッカーを完全にカットすることも可能です。
なお、輝度に関連して言えば、「目の疲れ」の軽減のため輝度は、可能な限り抑えられたが良いと言えます。
その点、この液晶モニターは1cd/uいう低輝度まで落とすことができる貴重なモニターです。
加えて、EIZO機の場合、パネルがについて8-bit駆動であることを表明します。
ビット数は、表示可能色に関わります。
PCモニターの場合、フルHDだと、1677万色であることが普通です。ただ、この色数は、6bit駆動でもディザリング処理を使ったFRC技術(Frame Rate Control)で表示できます。
画質にこの要素はあまり関係ないのですが、階調表現においていくぶん差が出ます。
(点滅を利用する点で)FRC技術は仕事において目の疲れの原因になる可能性があります。そのため8bit駆動であることを明記するのは意味があります。
ただ、今だとノートPC用のモニターサイズ場合ほどで、PCモニター用だと、4K以外なら近年は他社でも(おそらく)8ビットパネルかなとは思います。
スタンドは、前後左右高さ回転の調整が可能な「パーフェクトスタンド」です。
他社も似た機能を搭載しますが、EIZOは昔からこの部分に力を入れていて、調整幅や、安定性の面で、信頼感が高いです。
調整幅も、高さ16.9cm、チルト角度(上35° 下5°)、スイーベル(344°)・ピボット(180°)です。高さとチルト角度については、全社平均を大きく上回る稼働性です。
先述のように、あまり画面が大きくないモニターは、この部分の調整力が、疲れにくさの部分で、決定的に重要です。
VESA規格に対応しているので、別売りの高性能アームに付け替えることもできますが、本機の場合は、不要でしょう。
上下動時などの操作性も良いため、この部分は他社を圧倒します
接続端子は、新機種から、HDMI、USB-C、DPになりました。
USB-Cは70W給電対応です。
この水準ならば、(ゲーム用ハイスペック機を除くと)フルスピードでの充給電が可能です。
なお、(相当の数字的開きがない場合)この数値に満たなくても充電はできますが、相応に充電速度が遅くなることになります。
USBハブは、USB-A(USB 3.0)で4ポートです。
デイジーチェーンはできませんので、1台用です。
スピーカーは、総合2Wの簡易的なスピーカーが付属です。
保証期間は、5年保証が付属です。
さらに、6ヶ月の無輝点保証まで付けています。
「輝点」とは、画面を黒表示させた時に、画面の1ピクセルが発光してしまうという「不良」です。他社の場合、「液晶固有の性質」とみなし「交換保証対応」にはなりません。
同社は、出荷前に、しっかりキャリブレーションして送るため、品質信頼性は高いです。
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以上、EIZOのEV2720Sの紹介でした。
まとめれば、2.5Kに対応する多機能・高性能な液晶パネルを採用し、静止画・動画を含めた総合性能で他モデルを凌駕しているハイグレード機といえます。
とくに、こちらは、「5年保証」に加えて、6ヶ月の無輝点保証も付き、保証の面でも充実します。
予算があれば、これを買うのが一良いでしょうが、仕事用の2.5Kモニターとしては、飛び抜けて高いのがネックです。ただその価値はあると思います。
【27インチ】
【デイジーチェーン非対応】(2022年)
6・EIZO FlexScan EV2781-BK
7・EIZO FlexScan EV2781-WT
¥70,300 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
【デイジーチェーン対応】(2020年)
8・EIZO FlexScan EV2795-BK
9・EIZO FlexScan EV2795-WT
¥80,863 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:350cd/u
液晶方式:IPS+ ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:61Hz(最大)
HDR:
USB給電:70W
接続端子:HDMI DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(1w×2)
保証期間:5年
FlexScan EV2781と EV2795は、EIZOのWQHDモニターの上位機と最上位機です。
画面サイズは、本機も27インチの大画面です。
一方、1つ上で紹介した同社のEV2760と比較する場合の違いは3点です。
第1に、本体形状です。
先ほどみた機種は、下部が厚い3辺フレームレスでした。
しかし、本機は下部のベゼルも狭い、4辺フレームレス設計である点です。
この場合、上下のマルチディスプレイを利用する場合に違和感少ない設計と言えます。
第3に、デイジーチェーンの対応です。
最上位機となる EV2795だけですが、ディスプレイからUSB-C(DP互換)にて、出力できるので、最大2台まで対応モニターを数珠つなぎできます。
そのほか、この仕様の製品のみLAN端子があります。
パネルは、コントラスト比がやや低め(1000:1)ですが、IPS+です。
これは、発売時期の関係で、先述のように、グレードとしては先ほどの機種より本機が上位扱いです。仕事用として、コントラスト比はそこまで重要ではないので、そこまで気にしなくて良いでしょう。
その他の部分は変わりません。
EyeCare調光・明るさセンサー・無輝点保証・USB-Aハブなどを含めて、下位機種と同じです。
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以上、EIZOのFlexScan EV2781と EV2795はの紹介でした。
普通に4Kモニターが購入できる価格である点がネックです。
ただ、4K対応が不要ならば、テレワークを含めて、ビジネス用として広い画面を利用したい人には「最高」と言えるモニターでしょう。目も疲れにくいです。
【2022年発売】【27インチ】
10・EIZO ColorEdge CG2700S-BK
¥257,813 楽天市場 (5/7執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:400cd/u
液晶方式:広色域IPSノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:19ms (GTG)
リフレッシュレート:61Hz(最大)
HDR:
USB給電:96W
接続端子:HDMI DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
保証期間:5年
CG2700S-BK は、EIZOのカラーマネージメント用モニターとなるColorEdgeシリーズの新製品です。
画面サイズは、27インチの大画面です。
パネルは、ノングレア(非光沢)の広色域IPSです。
普通のIPSや(atlaの造語の)IPS+よりも上です。
上表は、4Kパネルの比較でAtlasが使っている比較表ですが、スペック的に言えば、上表の広色域IPSに相当する、高級パネルの仲間です。
色域は、デザイン用の場合重要になります。
本機の場合、動画に重要なDCI-P3カバー率は98%、写真に重要なAdobe RGBカバー率99%です。いずれに数字も、デザイン用の上級機と比べても十分です。
輝度も、400cd/uと高いです。
HDRは、ただし、認証外です。
輝度は足りそうですが、そこを狙った仕様ではないです。
応答速度は、19msです。
先述のように、広色域IPSの場合、応答速度はあまり出ません。
その点では、ゲーム関係のデザインには向かないと言えるかもしれません。
自動画質調整も、充実します。
本機の面白い部分は、HDRとSDRの編集を並行する場合、入力信号に連動して設定を自動化できるSync Signal機能です。
そのほか、設定に対して飽和した輝度や、指定した色域を出た場合の警告など、今回の改変で、とくに動画編集に便利そうな機能が増えています。
モニタースタンドは、本機も前後左右高さ回転の調整が可能な「パーフェクトスタンド」です。
調整幅は、高さ15.5cm、チルト角度(上35° 下5°)、スイーベル(344°)・縦回転(90°)です。十分です。
VESA規格に対応です。
接続端子は、 Display portとHDMI 2.3・USB-Cです。
USB-C は98Wまでの給電に対応できるUSB-C PD仕様です。
MBPを含む、17インチクラスまでの対応ノートと速度低下なしにつながります。
そのほか、側面にUSB(USB-A形状)のハブがあります。
ただ、USB3.0とUSB2.0のコンビで、給電も未対応となります。
ケーブルは、Display port・HDMIが付属です。長さは2mです。
スピーカーは、ありません。
保証期間は、5年保証が付属です。
もちろん、6ヶ月の無輝点保証まで付けています。
キャリブレーションについては、本体にセンサーが内蔵です。
同社の無償のColorNavigator 7を利用して色の調整が可能です。モニターは色が経年変化しますので、このあたりにも気を使います。
モニターの色ムラについても、デジタルユニフォミティ補正回路で、ムラなく整える機能があります。
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以上、EIZOのCG2700S-BKの紹介でした。
静止画編集用のモニターは各社とも既に「だいたい問題ない」レベルまで進化していますが、動画編集については過渡期です。
同社は、DCI-P3時代のデザイン用モニターは他社より遅めの展開になりますが、同社らしく、使った時間分、仕様をじっくり練ったモニターに思えます。
上で書いた機能以外にも、映像(動画)編集において使えそうな便利機能が従来機よりもかなり充実しました。
デザイナー以外には導入する意味がないモニターですが、強力なムラ補整は、個人的に一般機におりてきて欲しい技術です。
1-3・フィリップスのモニターの比較
続いて、オランダのフィリップスです。
世界的な総合家電メーカーですが、わりとビジネス用のモニターに強いと言えます。
【2021年発売】
【23.8インチ】
11・フィリップス 24E1N5500B/11
¥21,800 Amazon.co.jp (5/6執筆時)
【27インチ】
12・フィリップス 27E1N5500B/11
¥54,800 Amazon.co.jp (5/6執筆時)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:250cd/u
液晶方式:IPS ノングレア
コントラスト比:1,300:1
応答速度:SmartResponse:1ms(GtoG)
リフレッシュレート:100Hz(WQHD)
HDR:HDR10
USB給電:
接続端子: HDMI2.0×2 DP1.2
スタンド:チルト 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
保証期間:5年
24E1N5500B/11 などは、オランダのフィリップスの2.5Kモニターです。
こちらは、E Lineという、同社の家庭用ホームモニター向けの入門シリーズの製品です。
画面サイズは、23.8型と27型から選べます。
液晶は、IPS(IPSテクノロジー)表記です。
輝度(250cd/u)、コントラスト比(1300:1)、色域(sRGB121.46%)です。
スペックは上々です。
パネル生産元は、特定できません。
昔からPLSをわりと使う企業ですが、おそらく、AASかADSかなと思います。
特定はできませんが、IPS+の水準にはないものの「素性」は良いと思います。
応答速度は、一方、基準の緩いMPRTで1msです。
加えて、同社の「SmartResponse」環境下でGtoG 1msという数字を出します。
とFast-IPSなどスイッチングの改良を経たゲーミング用上位パネルでないと普通出せない値です。ただ、本機の場合、そうではなく、ネイティブ14msあたりの普通のIPSパネルでしょう。
普通のGtoGで言えば、4-5msあたりの他社パネル相当です。
HDRには、HDR10の水準ながら、しっかり対応です。
自動画質調整は、同社のSmartImageを搭載です。
一方、本機はSmartImage ゲームモードを搭載し、ゲームにより特化した構成にしています。
FPSゲームなどに向けた暗部強化表示や、レースなど動きの速い映像において応答速度を強化する「レーシング」モードを搭載します。
画質調整機能は、目に関わる部分では、フリッカー対策がなされており、問題ないでしょう。ブルーライトカットも可能です。
映像美に関する部分では、SmartContrastとして、黒表現を強化する機能があります。
IPSはVAに比べるとコントラストが上げにくい部分があるので、こうした補正を搭載しています。ワンポイントでしょう。
スタンドは、左右のスイーベル以外は調整できます。
チルト角度(上20°・下5°)、高さ13cmと縦回転です。
接続端子は、HDMIが2系統と、 DPです。
USB-Cはないですが、そこはまあ、要不要です。
スピーカーは、こちらの機種は内蔵されません。
保証期間は、5年です。
無輝点保証はないですが、同社の保証の長さはポイントの1つです。
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以上、フィリップスの24E1N5500B/11などの紹介でした。
画像補正部分にメーカーの独自色がある点で言えば、アイオーデータやLGなどがライバルです。パネルは珍しい感じのスペックですが、先述のように、そこまで心配要らないでしょう。
映像視聴などに向きそうです。
ただ、輝度がそこまで高くない製品ですし、スペックバランスの良い機種は、この価格帯だと、他社にもにもあるかなという感じはします。
【2023年発売】
【27インチ】
13・フィリップス 276B1/11
¥42,042 楽天市場 (5/7執筆時)
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
スピーカー:2W
【2022年発売】
【27インチ】
14・フィリップス 27E1N5600E/11
¥45,120 楽天市場 (5/7執筆時)
14・フィリップス 27E1N5500E/11
¥25,800 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
【23.8インチ】
15・フィリップス 24E1N5600E/11
¥40,400 楽天市場 (5/7執筆時)
15・フィリップス 24E1N5500E/11
¥21,800 Amazon.co.jp (5/7執筆時)
【27インチ】(3Wのスピーカー付)
16・ フィリップス 27E1N5600AE/11
¥31,800 楽天市場 (5/7執筆時)
スタンド:チルト 高さ 回転
スピーカー:(一部付属)
解像度:WQHD (2560x1440)
輝度:300cd/u
液晶方式:IPS+ ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:4ms (GTG)
リフレッシュレート:75Hz(WQHD)
HDR:
USB給電:65W
接続端子: HDMI USB-C DP
VESA:100mm
保証期間:5年
24E1N5600E/11 などは、フィリップスの2.5Kモニターです。
性能面で先ほどの機種の上位機にあたります。
複数の機種がありますが、仕様が似ているのでまとめて同時にみていきます。
27インチ機のみですが、2023年機が出ました。
旧機と比べる場合、左右の角度調整に対応し、スタンドの稼働性が若干上がり、形状も変わりました。
その上で、新機種のみギガビット級のLAN端子(RJ-45 )も装備しました。汎用的な「USB Type-C ドッキングステーション」として機能させることを目的にしたものです。
ただ、この用途に使わない場合、スタンドの稼働性の部分は、さほど実用面で差は生まなそうなので、2022年の各機でも良いでしょう。
モニターサイズは、27インチと23.8インチの展開があります。
一部、スピーカー付がありますが、いずれにしても音楽を「聴ける」水準ではないので、なくて良いでしょう。
パネルは、IPSです。
輝度は、300cd/uで、色域も、sRGBで113.4%です。
コントラスト比を含めて、上表の「IPS+」の水準を超える水準です。
パネルの出所は不明です。同社がよく使うサムスンのPLSパネルあたりかなと思います。
いずれにしても、色域は広いので、IPSで目に優しい上で、動画視聴やゲームには特によさげです。
応答速度は、4msです。
多少ですが、平均より優れます。
反面、仕事に便利なものは付属しないので、用途としてはゲームよりな製品です。
画質調整は、下位機種と機能性は同じです。
フリッカー対策もありますし、SmartContrastもしっかり備えます。
下位機で書いたように、テレビ的な画像補正をするのは同社のワンポイントです。
モニタースタンドは、27インチの2023年機は、15cmの高さ調整ほか、左右90度の角度、チルト(上5度・下35度)の調整と縦表示ができます。
ただ、それ以外の機種でも、チルト(上20° 下5°)ほか、13cmの高さ調整と縦表示には対応です。十分でしょう。
接続端子は、HDMIとDisplay Portほか、USB-C接続に対応です。
他社機でも説明しましたが、USB-C給電対応のノートPC(MacBookほか)などへの65WのUSB給電に対応できるため、便利です。
保証期間は、5年です。
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以上、フィリップスの24E1N5600E/11 などの紹介でした。
65WのUSB給電ができる2.5K機です。スタンドの稼働性も十分です。
他社との「値段勝負」とはなりますが、良い候補にはなるでしょう。仕事だけで考えれば、競合機は多いですが、家庭向きの設計で、動画視聴・ゲーム・仕事と、用途を選ばずに使う場合には、とくに良いでしょう。
次回に続く!
WQHD液晶モニターのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は、2.5Kモニターの比較の1回目記事でした。
しかし、記事は、まだまだ「続き」ます。
2・2.5K液晶モニターの比較 (2)
2-1:DELL〈米国〉
2-2:ASUS〈台湾〉
2-3:ACER〈台湾〉
2-4:BenQ〈台湾〉
2-5:イイヤマ〈日本〉
3・2.5K液晶モニターの比較 (3)
3-1:アイオーデータ〈日本〉
3-2:JAPANNEXT〈日本〉
3-3:レノボ〈中国〉
4・2.5K液晶モニターの比較 (4)
4-1:HP〈米国〉
4-2:フィリップス・シャオミ ほか
4-3:最終的なおすすめの提案【結論】
次回の2回目記事(こちら )は、DELLやASUSなど、今回紹介できなかった製品を追加でみていきます。
液晶パネルの品質 ★★★★★
スタンドの性能 ★★★★★
動画ゲーム対応 ★★★★★
品質保証 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回の4回目記事(こちら)では、全体の結論編として、今回紹介した全製品から、予算別・目的別に、Atlasのおすすめモニターを提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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