Top プリンター 比較2025' A3ビジネスプリンタ26機の性能とおすすめ :A3ビジネスインクジェット (2)

2025年05月16日

比較2025' A3ビジネスプリンタ26機の性能とおすすめ :A3ビジネスインクジェット (2)

1回目記事からの続きです→こちら

2-1・リコーのプリンター

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 2回目記事のトップバッターは、リコーのA3ビジネスプリンターです。

 レーザーのイメージですが、業務用として、「ジェルジェットプリンタ」という製品群をだしています。

 デンキヤではあまり見かけないレア製品ですが、以下、紹介します。

1・A3ビジネスプリンターの比較 (1)
 1-1:エプソン〈日本〉
 1-2:ブラザー〈日本〉
 1-3:キヤノン〈日本〉
2・A3ビジネスプリンターの比較 (2)
 
2-1:リコー 〈日本〉
 2-2:HP〈米国〉
3・ビジネスプリンターの比較 【結論】
 3-1最終的なおすすめ機種の提案

 今回も、1回目記事こちら)でみた、各社の製品と同じ基準で、各機をみていきます。

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 また、以下では、Atlasのおすすめポイントは赤系の文字色で、イマイチと思う部分は青字で記していきます。


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 Windows XP〜11 Mac 10.10〜13

 【2017年発売】【A3プリンタ】

 25・リコー RICOH SG 7200
  ¥52,980 楽天市場 (5/16執筆時)

耐久性能:15万ページ
インク代:
印刷速度:カラー29枚/分、モノクロ29枚/分
接続方法:無線LAN・有線LAN・USB
両面印刷:
給紙容量:250枚
スキャナ;
FAX:
保証:3年間(出張修理)  
サイズ: 幅529×奥行360×高さ213mm

  SG 7200 は、リコーのジェルジェットプリンタのA3対応機です。

 本機については、半導体不足の影響で納期が長いですが、まだ現行機です。

 なお、リコーはA3サイズでは、複合機は出していません。

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 本体のサイズは、幅529×奥行360×高さ213mmです。

 本機は、複合機ではないので、高さは低めです。

 プリント速度は、カラー29枚/分、モノクロ29枚/分です。

 この部分はジェルジェットプリンタの利点で、印刷速度は、業界最速級です。

 立ち上がりの速さも高速です。

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 印刷品質は、本機は少し特殊です。

 全量とも顔料系のインクですが、「GELJET ビスカスインク」という、粘度が高い特性のインクです。

 この場合、顔料系にも増して乾燥が速く、にじみにくい特性があります。

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 ジェルジェットの場合、ヘッドが大きくしやすく、高速印刷できる利点がある一方、1色あたりのノズル数が384ノズルと、他社(キヤノンなど)の1/3程度の数となります。

 そのため、解像度的には、最高1200dpiで、滴下もエプソンと同クラスの最小2plですが、(写真的な意味での)印字品質は、インクジェットに及びません。

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 ようするに、「ビジネスカラー文書」に最適化されています。

 その意味では、耐水性ほか、50年という高耐光性などは、メリット性です。

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 【黒4200ページ・カラー約4000ページ】

 SGカートリッジ ブラック GC 41KH
 SGカートリッジ シアン GC 41CH
 SGカートリッジ マゼンタ GC 41MH
 SGカートリッジ イエロー GC 41YH
  ¥5,840 Amazon.co.jp (5/16執筆時)

 印刷コストは、一方、リコーは、数値としては非開示です。

 そのため、カードリッジの実勢価格と、印刷枚数からの推定ですが、カラー4.6円・モノクロ1円です。

 基準が別なので、単純に言えないですが、結構安いです。

 ただ、他社機もインクは、定価から「割引販売」をするわけで、本機の場合、インクのセット販売もないため、抜きんでて安いわけではないです。

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  250枚増設トレイ TK1190
   ¥14,980 Amazon.co.jp (5/16執筆時)

  両面印刷ユニット AD1040 515822
   ¥9,981 Amazon.co.jp (5/16執筆時)

 給紙トレイへの給紙は、250枚まで対応です。

 また、250枚の増設トレイが最大1段まで取付可能です。

 なお、リコーの場合、両面印刷ユニットが別売です。

 利用時の印刷速度は、(他社もですが)20ページ/分と減速します。

 おそらく、ジェルジェットプリンタとはいえ、インクの乾燥の問題もあるのだと思います。

 PCとの接続方法は、USB・LANのほか、無線LANも選択可能です。

 スマホアプリが用意され、そちらからの印刷も可能です。

 耐久性は、15万枚と十分な強度です。 

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 RICOH SG廃インクボックス IC 41
   ¥1,419 楽天市場 (5/16執筆時)

 メンテ性も、エプソン同様に、交換可能なメンテナンスボックス(廃インクボックス)が用意されています。1.3万枚で交換との目安表記もありますし、安いです。

 保証は、3年間(出張修理)です。

 同社は複写機の営業網があるためですが、ここはリコーの良い部分です。離島などサービス範囲外は除きますが、人口カバー率は高いでしょう。

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 以上、リコーのSG 7200 の紹介でした。

 高速性ほか、速乾性(にじみにくい特性)と耐光性評価できる一方で、画質面は、(顔料系をふくむ)インクジェットより落ちるといえます。

 基本的に、法人向けに販売されているモデルですし、複合機ではない機種で、両面印刷ユニットも別売であるという部分も含めて、本体価格は少し高めです。

2-2・HPのプリンター

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 つづいて、米国のHP(ヒューレットパッカード)のビジネスプリンターです。

 同社については、「家庭用」と「ビジネス用」を分けないスタイルですが、今回は「法人モデル」として売られている製品を取りあげました。


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 【2024年発売】

 Windows 7〜11 MacOS 10.11〜14

 26・HP OfficeJet Pro 9730 537P5B#ABJ
  ¥42,597 Amazon.co.jp (5/16執筆時)

耐久性能:公表なし
インク代:カラー21.3円・モノクロ5.3円
印刷速度:カラー18枚/分・モノクロ22枚/分
接続方法:無線LAN 有線LAN USB
両面印刷:搭載
給紙容量:250枚
スキャナ:1200dpi
ADF: 両面・35枚
FAX:搭載
保証:1年間(新品交換)   
サイズ:幅581×奥行467×高さ386mm

 HP OfficeJet Pro 9730は、HPの法人向けA3プリンター複合機です。

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 本体サイズは、幅581×奥行467×高さ386mmです。

 存在感があるオフィス用です。

 4.3インチの大きな液晶タッチパネルを採用しており、その用途としてオペレーションにも配慮がある製品です。

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 印刷品質は、HPも利用するのは、4色の顔料インクです。

 ビジネス用として問題ないでしょう。

 HPの場合家庭用と仕事用を明確に分けないので、ふちなし印刷・光沢紙対応など、家庭用としての要素が残ります。

 とはいえ、顔料インクなので、写真印刷は不得意ですが。

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 【黒:1250枚・カラー3色:800枚】

 HP 937 黒 S6W5NA
  ¥5,797 楽天市場 (12/7執筆時)

 HP 937 シアン 4S6W2NA
  ¥4,260 楽天市場 (12/7執筆時)

 【黒:2500枚・カラー3色:1650枚】

 HP 937e 黒 4S6W9NA
  ¥11,700 楽天市場 (12/7執筆時)

 HP 937e シアン4S6W6NA
  ¥7,790 楽天市場 (12/7執筆時)

 印刷コストは、A4印刷でカラー21.3円・モノクロ5.3円です。

 各社の全量顔料インクのビジネスプリンタに比べて、若干高めに思えます。

 実売価格も、希望小売価格に対して安いわけでもないです。また、大容量インクも選べますが、価格としては少量とさほど変わりません(要補足調査

 今の価格だと、「交換が少なくて便利」という以上の意味はないように思います。

 PCとの接続方法は、USB・LANのほか、無線LANも選択可能です。

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 スキャナ・コピー機能は、及第点以上です。

 解像度は拡張ですが最大1200dpiです。また、A3サイズのスキャンもできます。

 ADFは、本機は両面ADF搭載です(最大600dpi)。

 サイズは、A4とA3の中間となるリーガルサイズ(216×356mm)までです。

 このあたりの仕様は「アメリカ的」でしょう。

 ADFの速度は、200dpiの取り込みで、片面でA4で8枚/分です。

 両面だと7枚/分(1枚の紙を2面と勘定するなら14ipm)ですので、両面利用時の速度低下はないのですが、そこまで速くないです。

 ただ、35枚までさせますし、それなりの実用性はあります。

 ファックス機能は、未付属です。

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 ネットワーク連携は、ただ、強くないです。

 HPの場合、自社サーバーは用意されません。

 スキャンデータのメール転送には、SMTPなどをプリンタに対して設定する必要がある点で面倒です。

 直接、各社のクラウドストレージにデータを転送することも不可です。

 一方、本機は「家庭用」でも売られるラインと言うこともあり、そちらの管理アプリ(HP Smartアプリ)が使え、スマホ経由ならば、メール・クラウド転送などの処理ができます。

 アプリ上でショートカット(フロー)を作り、ワンタッチ処理できるので、個人用としてプリンタを利用するならば、それなりに便利です。

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 印刷速度も、A4でカラー18枚/分、モノクロ22枚/分です。

 ファストプリントも公開があり、速めです。

 給紙トレイへの給紙は、250枚が2段です。

 増設はできませんが、標準で2段というのは、本機の優位性でしょう。

 耐久性は、非開示です。

 企業利用で考えると、本機については、この部分が問題点です。

 筐体が個人用と共通で、保証も1年という機種ですので、やや心配です。

 メンテ性は、同社もメンテナンスボックスの記載はないです。

 廃インク吸収パッドを利用する方式でしょう。

 他社もですが、この方式だと、耐久性を数字で出せないようです。

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 保証は、1年です。

 HPの場合、保証期間中は「引き取り修理」ですので送料は無料です。

 その上で、HPクイック・エクスチェンジとして、到着時に新品交換になります。

---

 以上、HP OfficeJet Pro 9730の紹介でした。

 この価格クラスのA3ビジネスプリンタとして言えば、操作性や性能面は文句ないです。CPU(1.2GHz)とメモリー(512MB)も公開がありますが、処理部分を含めて、オフィス用として十分な性能です。

 ただ、他社のカードリッジ式のビジネスプリンタと比べても、印刷コストがイマイチです。また、ADFを多用する使い方の場合、少しスキャン遅めの速度である点が、多少ですが、ネックと言えます。

今回の結論
ビジネスインクジェットのおすすめは結論的にこれ!

 というわけで、今回は、A3のビジネスインクジェット2回目記事です。

 しかし、記事は、もう少しだけ続きます。

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3・ビジネスプリンターの比較 【結論】
 3-1最終的なおすすめ機種の提案

インクコスト ★★★★☆
画質(普通紙)★★★★★
画質(写真) ★★★★☆ 
印刷スピード ★★★★☆
耐久性    ★★★★★
総合評価   ★★★★★

 最終回記事は、結論編こちら)です。

 一連の記事で紹介した各サイズのビジネスプリンタ全製品から、Atlasのおすすめ機種を最終提案していきます。

 引き続き、よろしくお願いします。

 結論編は→こちら

posted by Atlas at 19:26 | プリンター

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