Top オーディオ製品 比較2023' 完全ワイヤレスイヤホン99機の性能とおすすめ・選び方 (8)

2023年07月22日

比較2023' 完全ワイヤレスイヤホン99機の性能とおすすめ・選び方 (8)

1回目からの続きです→こちら

今回の結論
完全ワイヤレスイヤホンのおすすめは結論的にこの機種!

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1・完全ワイヤレスイヤホンの比較(1)
 1-1:選び方の基本の解説【導入】
 1-2: アップル〈米国〉
 1-2:ソニー〈日本〉
 1-3:BOSE〈米国〉
2・完全ワイヤレスイヤホンの比較(2)
 2-1:パナソニック〈日本〉
 2-2:JVC〈日本〉  
 2-3:オーディオテクニカ〈日本〉
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較(3)
 3-1:JBL〈米国〉
 3-2:ANKER 〈米国〉
4・完全ワイヤレスイヤホンの比較(4)
 4-1:Beats〈米国〉
 4-2:SHURE〈米国〉
 4-3:Bang&Olufsen〈北欧〉
 4-4:Jabra 〈北欧〉
 4-5:Noble Audio〈米国〉
5・完全ワイヤレスイヤホンの比較(5)
 5-1:ヤマハ〈日本〉
 5-2:AVIOT〈日本〉
 5-3:Final ag 〈日本〉
6・完全ワイヤレスイヤホンの比較(6)

 6-1:Amazon 〈米国〉
 6-2:Google 〈米国〉
 6-3:ゼンハイザー〈ドイツ〉
7・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (7)
 7-1:他のブランド 〈各国〉
8・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (8)
 =予算別・目的別のおすすめの提案【結論】

 というわけで、今回は、計7回にわたっての音楽用の完全ワイヤレスヘッドホンの紹介でした。

 最終回記事(8回目)の今回は、いつものように、Atasのおすすめ機種!を提案しておきます。


 第1に、通勤など移動中に利用する場合におすすめできる完全ワイヤレスイヤホンは、

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 【2021年発売】

 3・ SONY ノイキャン WF-1000XM4
   ¥30,500 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:8時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:7.3g×2

音質の良さ  ★★★★★★
ノイキャン  ★★★★★★★
軽量性    ★★★☆☆
防塵・防滴性 
★★★★☆
総合評価   ★★★★★

 ソニーのWF-1000XM4でしょう。

 音質的には、低音域と高音域に特性がある、「ソニーサウンド」の傾向からは少し外れます。

 ただ、移動中の騒音下での音質については、こうした特性より、「ノイズキャンセラの性能」が、実際面で、決定的に影響を与えます。

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 その点で言えば、現状で「最高技術」といえる、Wマイク仕様のノイズキャンセラを採用していますし、音質面では最も期待できます。

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 Wマイクは、汎用チップの対応などで他社でも採用例が増えました。

 ただ、機能と精度の部分では差異が大きくあります。

 SONYの場合、移動しながら、周囲の音を分析して、モードを自動で可変させる「アダプティブサウンドコントロール」の精度と、利便性が高いです。位置情報に応じた個人設定もできます。

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 その上で、相当長い程度、ノイズキャンセラについての技術を蓄積し、新設計の統合プロセッサーV1も採用した点で、精度の部分の期待値も高いです。

 先述のように、移動中の利用は、ドライバのサイズやコーデックより、ノイズキャンセラの精度が「良音を得るために最重要」です。

 この点で言えば、この機種が最も総合力が高いと感じます。

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 バッテリーも長寿命ですし、通勤通学時の利用については、隙が無いモデルだと言えます。

 その上で、本機については、IPX4の防水性があるほか、新形状のイヤーチップも「スポーツ対応」なので、利用の幅も広いです。

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 音源的な部分では、LDACコーデック対応はマストとはいえ「ハイレゾ音源再生」です。

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 ハイレゾも、Amazon Musicをはじめ、音源が普及していきました。 

 とくに本機はSBC/AACなどの圧縮音源を「ハイレゾ相当」に再計算してアップスケーリングする機能をもちますので、「贅沢なオマケ」と考えても良いかと思います。

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 立体音響も、同社が展開する「360 Reality Audio」でフォローします。

 こちらも、Amazon Music HDを含めて対応音源が増えてきました。他社のイヤホンでも対応できる機種はあります。

 しかし、ソニー製だと、耳の形やヘッドホン特性に応じた、カスタマイズが可能な点で優れると言えます。

 なお、この部分については【イヤホン・ヘッドホンの選び方の記事】にAppleとの違いをもう少しだけ詳しく記しました。

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 重さは、平均値より重め7.3gです。

 サイズも小型ではないです。

 とはいえ、記事冒頭で書いたように、8g以下ならば(耳が小さい方以外は)負担に感じるシーンは実際少ないです。運動を除いた一般的なシーンで、相当長時間つかうというわけでもないならば、十分快適に使えるでしょう。

 実際、音質を重視するならば「迷ったらこれを選べばよい」と言えます。

ーーー

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 【2022年発売】

 5・ SONY LinkBuds S WF-LS900N
   ¥19,500 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

 (Teamsとのコラボ)

 5・ SONY LinkBuds UC for Teams WF-L900UC
   ¥23,918 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:6時間
ドライバー:5mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:4.8g×2

 ただ、小型・軽量モデルに限っていうならば、ソニーの LinkBuds WF-LS900Nでしょう。

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 5gを切る小型・軽量モデルでは、最もノイキャンの精度が良いと言えますので。

 ドライバが若干小さくなる部分はありますが、どのメーカーの場合も、小型化はなにかしらを犠牲にして達成するものですし、問題ありません。

 ファッション性や耳のサイズの問題などで、小型機を選びたい場合は候補とできます。

ーーー

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 【2022年発売】【型番:M3IETW3】

 92・ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless 3
  ¥32,600 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:5Hz-21kHz
コーデック:SBC AAC aptX-Adaptive
連続再生時間:7時間
ドライバー:7mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:
重さ:5.8g×2

 一方、Android系のスマホと合わせる場合など、汎用性の高いApt-XApt-X Adaptiveへの対応が欲しい場合は、ゼンハイザー機も良いでしょう。

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 SONYは、最近は非対応になってきていますが、やはり汎用性が高いので。

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 クアルコムの汎用チップながら、本機もWマイク式(自動)ですし、ドライバも大きめです。

 一方、立体音響・パーソナライズ機能について、フォローしないのがソニーとの違いです。

 その部分を重視したい場合は、あとで「おすすめ」にあげる予定のDENONも良いかなと感じます。


 第2に、iOSユーザーで、「空間オーディオ」を試したい方には、

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 【2022年10月発売】MLWK3J/A後継品

 1・Apple AirPods Pro MQD83J/A
  ¥39,800 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:20Hz-
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:6時間
ドライバー:
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式 (自動)
防水性能:IPX4
重さ:5.3g×2

音質の良さ  ★★★★★★
ノイキャン  ★★★★★★
軽量性    ★★★★★
防塵・防滴性 ★★★★☆
総合評価   ★★★★★

 Apple AirPods Pro (2nd generation)でしょう。

 冒頭で書いたように、完全ワイヤレスイヤホンをスペックで選ぶ場合「ノイズキャンセリング」をメインに考えるのが良いと思います。

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 この部分が強いのは、この部分が自社開発できるAppleSONYBOSEです。

 従来機だと少し弱めでしたが、制御チップの更新(H2)で、ライバル機にほぼ「追いついた」という印象です。

 正確には「MAXのかかり具合」ではBOSEが、「状況調整力」ではSONYが上には思いますが、それでも優秀なことには変わりません。

 なにより、3社の最上位機だけで言えば「最も軽量」です。

 ユーザー体験を重視する企業ですので、ここも重視していると思います。

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 ソニー同様に、イヤーチップの装着状況で、音質を調節できる仕様です。汎用チップを利用せざるを得ない、3社以外との大きな違いとも言えます。

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 使い勝手の部分でも、H2チップの採用でiOSやMacOSとの相性が良い点が魅力です。

 とくに、iPhoneとの連動性は強調に値しますので、iPhoneユーザーは、本機を「第1の選択肢」にしてもよいように思えます。

 音漏れについては、構造上、微細な音漏れはあるのですが、図書館で大音量のような(馬鹿な真似を)しなければ、問題ないです。

 防水性もありますし、装着感も良く、総合点でいっても、SONYに引けをとらない製品です。

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 どちらを選ぶかは難しいです。

 iOS系のユーザーについては、新機軸の「空間オーディオ」に加えて「ヘッドトラッキング機能」が使える部分が面白いです。

 その点で言えば、MacやApple TVを含め、音楽ほか、自宅での動画視聴などを含めた「コアなAppleユーザー」ならば、本機のほうが確実に利便性は高いでしょう。

 逆に言えば、Android系スマホのユーザーの場合、本機はあまり有効利用できないと思います。


 第5に、とにかくノイキャンの「かかり」を重視したい場合は、

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 【2022年発売】

 (通常ケース)

 12・Bose QuietComfort Earbuds II
   ¥30,600 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

 (ファブリックケースカバー仕様)

 12・Bose QuietComfort Earbuds II
   ¥35,998 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:6時間
ドライバー:
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:6g×2

音質の良さ  ★★★★★★
ノイキャン  ★★★★★★★
軽量性    ★★★★☆
防塵・防滴性 
★★★★☆
総合評価   ★★★★★

  BOSEのQuietComfort Earbuds II でしょう。

 先述のように、ノイキャンを昔から展開し、独自技術をもつのは、AppleSONYBOSEです。

 そのうちで(シンプルに)ノイキャンが最もかかるのはどれかといわれると、本機といえます。

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 Quietモードにした際の「没入感」は最強で、歩行中の利用は怖い感じがあるほどです。もちろん、かかりは調整できるので問題ありません。

 本体の重量も、6gですし、軽量です。

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 音質面は、低音域が余裕がある同社の伝統的な特性を感じます。

 その上で、自社技術として、器具の装着具合を見ながら反響音を調整する機能を持ちます(CustomTuneテクノロジー)。

 毎回起動時に0.5秒で調整しますが、この部分は音質のほか、ノイキャンにも活かされているのだと思います。スタビリティバンドでの採用で、装着時の安定性も十分です。

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 一方、ソニー機などを比べると、ハイレゾや、立体音響(空間オーディオ)などの特別な音源については、対応水準にないです。その部分で「クラシック」には思えます。

 ノイキャンについては、今バージョンでAwareモードが加わりました。ただ、ソニーのような細かい自動シーン処理はじないので、2段階であらかじめ、個人設定しておくような感じな使い方になります。

 こうした部分を含めて、ターゲット層は、常に「Quietモードで構わず、むしろそこが重要な方」、つまり、飛行機や電車などでの出張が多い「大人」なイメージです。

 また、本機の「ノイキャンのかかりは最強」なので、音楽を掛けない状態で、勉強など遮音用に使う場合も向くかと思います。


 第4に、音質面に注目した場合、選択肢となる高級イヤホンは、

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 【2023年発売】

 14・ パナソニック Technics EAH-AZ80
   ¥37,000 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

 【2020年発売】

 14・ パナソニック Technics EAH-AZ70W
   ¥13,990 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:7時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:7g×2

音質の良さ  ★★★★★★★
ノイキャン  ★★★★★
軽量性    ★★★☆☆
防塵・防滴性 ★★★★☆
総合評価   ★★★★★

 パナソニックのTechnics EAH-AZ80でしょう。

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 旧機となるEAH-AZ70Wは、ドライバ構造がややことなり、ハイレゾ非対応にはなりますが、本編で書いたように、「下位機種」と考えるならば「あり」です。

 実際、Atlasが視聴したことのある企業の製品のうち、1万円前後で買えるモデルの中では「音質」は最も評価している機種です。

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 一方、冒頭紹介した「主要3社」であるApple・BOSE・SONYは、TWSについては、あまり大きいドライバを採用しません。

 先述のように、ドライバの大きさは、音質面で最も重要と言って良い要素です。

 その点で言えば、本機は10mmと適度に大きいドライバーを採用します。

 その上で、空気の流れを制御するアコースティックコントロールチャンバーのほか、高音域の音質を改善するためのハーモナイザーなど、メーカー独自の高音質化技術の採用も目立ちます。

 試聴した際も好印象で、低音域に余裕がある上で、高音域の音抜けも良いのでじっくり聞きやすかったです。

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 加えて、Wマイクのノイズキャンセラの性能が期待できるほか、ハンズフリー通話用のマイクも高性能です。

 その部分では「通勤通学向け」とも言えます。ただ、そちらを重視する場合は、アプリとの連動性に優れ、また、自社製の専用チップを搭載するソニーの最上位機が良いでしょう。 

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 加えて、本機は、軽量な独自のタッチセンサーアンテナの開発や、新構造のコンチャフィット形状の恩恵で、ドライバサイズからすると、装着感も良く軽めなので、総合能力も優れた機種と言えます。

 あえて言えば、各自の耳の特性に合わせた音質のパーソナライズの部分と、立体音響への注力の部分で、イマイチですが、ステレオ音源を普通に聴くならば、確実に良い機種です。


 第5に、技術面の新しさに注目した場合、選択肢となる高級イヤホンは、

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 【2022年7月発売】

 95・ HUAWEI FreeBuds Pro 2
  ¥24,493 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:14Hz-48kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:4時間
ドライバー:11mm+平面
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IP54
重さ:5.8g×2

音質の良さ  ★★★★★
ノイキャン  ★★★★★★
軽量性    ★★★★★
防塵・防滴性 ★★★★★
総合評価   ★★★★★

 一方、ドライバや仕様の部分で面白さを感じるのは、HUAWEI FreeBuds Pro 2です。

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 ドライバーは、パナソニックより大きい11mmのクアッドマグネットダイナミックドライバーを搭載します。

 サイズ面でも、平面振動板ドライバーを持つデュアル構成ですので、機械的な工夫の程度は、むしろHUAWEIのがあります。

 もちろん、それが音質に直結するとは言いませんが、平面振動板ドライバーは、すでに(完全ワイヤレスではない)オーディオでは採用例もありますので、「冒険」とまでは言えません。

 加えて、11mmのドライバーを搭載しつつ、片側5.8gという軽量性も高く評価できます。

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 スペック面でも、ハイレゾ対応水準にありますし、LDACを使えるスマホ環境にあるかたは、ソニーとともに候補にできるでしょう。

 ノイキャンも、Wマイク式ですし、マイクも、ソニー同様の骨伝導(骨振動)センサー採用機ですので、全体として穴はないです。

 大手の一部のみ注力していると言える音質のパーソナライズにも、対応です。

 ただ、本編でも書いたように、音源的な楽しみの部分は「ハイレゾ対応」に止まるので、最近流行してきた空間オーディオ(3D)に対応したい場合は、AppleやSONYと言うことになります。


 第6に、ランニングを含むワークアウト時の利用に向く、完全ワイヤレスイヤホンとしておすすめなのは、

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 【2022年発売】

 56・Beats Fit Pro MK2F3PA/A
   ¥22,545 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:6時間
ドライバー:
マイク:搭載  
ノイキャン:1マイク式
防水性能:
重さ:5.6g×2

音質の良さ  ★★★★☆
ノイキャン  
★★★★☆
軽量性    ★★★★☆
防塵・防滴性 
★★★★☆
総合評価   ★★★★★

 Beats Fit Pro でしょう。

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 ワークアウトに使う場合、ずれ落ちにくいフィット感が大事になります。

 その部分で、柔軟で簡単に合わせられるウイングチップを開発し、不快にならず長時間付けられる部分で、本機は優れます。

 Atlasが装着した中では、フィット感と外れにくさの部分で、本機が最も良く感じました。

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 スポーツ用で考える場合、IPX4相当の防水は、あまり強いとも言えないのですが、必要十分でしょう。

 あとは、落とさないような安定した形状、外でも危険なく利用できる外音取り込みモード、風切り音対策などの必要な要素は網羅します。。

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 その上で、 本機は、1マイク式ながらノイズキャンセラが搭載ですので、室内トレーニングなどで集中したい場合にも利用可能です。

 トレーニング室内などの雑音やBGMを打ち消したい場合に向きます。

 音質面では、先述のように、ベントがあるので、音漏れの部分で図書館などでは向かない機種ですが、ワークアウト用ならば問題ありません。

 むしろ、本機の低音の力強さと、音抜けの良さがプラスに作用するでしょう。

ーーー

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 【2022年発売】

 6・ SONY LinkBuds WF-L900
   ¥22,800 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:5.5時間
ドライバー:12mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:4.1g×2

 ただし、ジョギングなどの際、安全面を考えて、外音をしっかり聴ける状態で走りたいという場合は、ソニー機が選択肢です。

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 物理的に穴が開いた「オープンエア」型ですから。

 外音を遮断する選択肢がないのと、音漏れの懸念の部分で、かなりニッチな機種ではありますが、この部分だけで言えば、本機が「最高」でしょう。

 外音取り込み機能(アンビエント)は、一般的にマイクとスピーカーを通すしくみですから、違和感があると言えばそうなので、自然な外音を取り込みたいならば、本機かと思います。

 音質面は、没入感はあまりないですが、この用途では問題にならないでしょう。

 「外音取り込み」状況で使うことに限れば、音質は最も良い(=自然)とも言えます。

ーー

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 【2023年発売】(加筆予定)

 102・Shokz OpenFit SKZ-EP-000020
 102・Shokz OpenFit SKZ-EP-000021
  ¥24,880 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:7時間
ドライバー:18×11mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IP54
重さ:8.3g×2

 他方、現状で気になる新製品は、Shokz OpenFit です。

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 骨伝導式にみえますが、普通のドライバーを採用するオープン型です。

 外への音漏れを逆位相の音を利用して消しつつ、内部にむけて、しっかりした音を送り出すという新しい発想です。

 仕組み的に(骨伝導式と違い)一定度音質も評価できそうな形式です。

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 装着感は、この場合、イヤーチップがないので、ワークアウトの不快感も少ないでしょう。仕組み的に、外音折り込みをしなくても、ジョギングに使えます。

 一般的には、ソニー機でよいかとは思いますが、イヤーフック形状に安定感を感じる方で、とにかく、耳から(できるだけ)ユニットを離したいならば、候補にできそうです。

 本編で書いたように、本機は現物を見ていないので、今のところ評価はいれませんが、後日加筆するつもりです。


 第7に、比較的安めの中級機として、お勧めできる製品は

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 【2020年発売】

 17・ パナソニック RZ-S50W
   ¥6,800 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:6.5時間
ドライバー:8mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:7g×2

音質の良さ  ★★★★★
ノイキャン  ★★★★★★
軽量性    ★★★★★
防塵・防滴性 ★★★★☆
総合評価   ★★★★★

 おすすめは、条件の違いで、複数あります。

 第1に通勤通学などに利用したい方は、パナソニックの RZ-S50Wでしょう。

 1万円から2万円にかけての製品は、各社から良い機種が多く出ており選ぶのは難しいです。

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 ただ、Wマイク仕様で、かつ、メーカー独自の工夫をなす機種は希少です。

 その点で、パナソニックは、アナログ制御を併用する工夫があり、実用性を含めて、1ランク高い技術を採用する点が評価できます。

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 音質面でも、8mmと割と大きなドライバーを装備した上で、重さを7gに押さえている点で、バランスが最も良い製品と言えます。

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 通話機能も、風切り音と雑音双方の対策があるため、実用度は高いです。

 サラリーマンが外出先で利用するのには、向くでしょう。

 構造的に、スポーツ用ではないのですが、それ以外の用途ならば、本機で問題ないでしょう。

ーーー

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 【2020年発売】

 9・ SONY WF-XB700
   ¥11,845 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:9時間
ドライバー:12mm
マイク:搭載  
ノイキャン:
防水性能:
重さ:8.0g×2

音質の良さ  ★★★★★
ノイキャン  ★★★☆☆
軽量性    ★★★☆☆
防塵・防滴性 ★★★★☆
総合評価   ★★★★☆

 第2に、特に乗物などで利用しない場合は、ソニーのWF-XB700が良さそうです。

 このクラスだと、上位機のように網羅的には最高の技術が搭載されないので、機能の取捨選択が必要です。

 一方、この価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの場合、同価格帯のワイヤー付きのBluetoothイヤホンと比較して、まだ、音のキレイさという側面では太刀打ちできません。

 その点で言えば、(言い方は悪いですが)充実する低音域である程度「ごまかせた」ほうが、音質は却って良いかと思います。

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 その点で「音質」を重視場合、本機は良い選択肢です。

 12mmと相当大きなドライバーと、定評のある低音強化技術(EXTRA BASS)のWの採用で、音質面の期待値が高いです。

 ノイズキャンセラは非搭載となりますが、電車やバスで通学するわけでないならば不要ですから、本機で良いと思います。

ーーー

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 【2021年発売】

 82・final ZE3000 FI-ZE3DPLTW
  ¥14,220 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC apt-X adapt
連続再生時間:7時間
ドライバー:6mm
マイク: 搭載
ノイキャン:  
防水性能:IPX4
重さ:5g前後×2

音質の良さ  ★★★★★
ノイキャン  ★★★☆☆
軽量性    ★★★☆☆
防塵・防滴性 ★★★★☆
総合評価   ★★★★☆

 一方、ノイキャン不要ならば、final ZE3000も候補にできます。

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 とくに、ソニー機だと、本体が大きめ・重めなので、耳が小さい方ほか、軽量モデルを探している場合、こちらが良いと思います。

 装着性も、イヤーピースほかに工夫があるので、長時間でも疲れにくそうです。

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 音質面では、振動板のエッジ部分の工夫で、6mmドライバーながら、実際的には9mmクラスの面積を確保しています。

 さらに、ベント穴なしで、低音が籠もらないような工夫もあります。

 通勤時など、ノイキャンを利用するシーンが思い当たらない方、そもそも、ノイキャンが苦手、という方は、本機でも良いかと思います。

ーーー

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 【2022年発売】

 49・ ANKER Soundcore Sport X10
   ¥9,990 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:6時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク式
防水性能:IPX7
重さ:6.7g×2

音質の良さ  ★★★★☆
ノイキャン  ★★★☆☆
軽量性    ★★★★☆
防塵・防滴性 ★★★★★★
総合評価   ★★★★☆

 第4に、スポーツ用として、運動時に使う場合は、ANKER Soundcore Sport X10も良いでしょう。

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 IPX7相当のしっかりした防水性があり、形状的にもずり落ちにくいイヤーフック型です。

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 音質面も、10mmと比較的大きなドライバーで、Bluetooth5で通信安定性も担保されます。

 イコライザの部分も、低音をさらに強化できる仕様ですし、問題ありません。

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 その上で、1マイク式ながら、ノイキャンに対応できます。

 通勤通学時に使える汎用性もあると言えるため、1万円以下クラスでは、最も汎用性があります。

 ただ、イヤーフック型は(勉強など)長時間使うのに向いた形状とは言えない(違和感を生じやすい)ため、スポーツ用と考えないならば、ノイキャン部分も強みもある先ほどの機種をオススメとします。


 第6に、イヤホンの音域のパーソナライズな調整力に注目して選ぶ場合は

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 【2023年発売】(加筆予定)

 【上位機】

 93・DENON PerL Pro AH-C15PL
  ¥52,000 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

 【下位機】

 93'・DENON PerL AH-C10PL
  ¥30,000 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:20Hz〜40kHz
コーデック:SBC AAC aptX-adapt
連続再生時間:6時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:8g×2

音質の良さ  ★★★★★
ノイキャン  ★★★★★
軽量性    ★★★★☆
防塵・防滴性 ★★★★☆
総合評価   ★★★★★

 DENONのPerL Pro AH-C15PLが良さそうです。

 若干高いと感じますので、立体音響(空間オーディオ)とハイレゾに非対応にはなりますが、下位機でも良いかと思います。

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 医療技術を応用した新しいMasimo AAT (Adaptive Acoustic Technology)による、音のパーソナライズ化が最も高度です。

 他社にも、周波数帯域ごとに、左右の「聞こえ」をパーソナライズする機種はあります。

 ただ、対話式で設定が面倒な部分があります。

 本機は、(言葉を発せられない)新生児の難聴検査用の技術の応用で、内耳から発生する微弱な音を利用して調整するので、自動的に短時間で済みます。

 左右の耳で聞こえ方が変わる場合や、加齢などで可試聴域に課題がある方が、音源ごとにEQをいじらずに最適化しやすい点で良いかと思います。

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 本体の音質も、チタン振動板を採用した大きめの10mmドライバーを採用します。

 音源的にも、 aptX-adaptiveにてハイレゾ対応水準であるほか、立体音響にも対応している「新しさ」もあります。

 一方、重さはともかく、本体は「大粒」なので、その部分だけは注意してください。

ーー

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 【2022年発売】

 71・ ヤマハ TW-E7B
  ¥19,680 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC Apt-X Adapt
連続再生時間:6時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク
防水性能:IPX5
重さ:7.3g×2

 一方、今現在「聞こえの問題」があると言うより、その「予防・ケア」の部分で、パーソナライズしたいと言うことならば、ヤマハ機がよいでしょう。

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 同社の音質のパーソナライズは、その方面のリスニングケアに注力するものですから。

 不意の爆音から耳を守る技術は注目に値します。

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 音質部分でも、その範囲内で、マイクを使いつつ、リアルタイムで、装着状況や、耳穴の内部の聞こえをマイクを通して解析し、実際の音源との差に基づき、音質を調整する機能が付きます(リスニングオプティマイザー)。

 マイクを使った、音質面でのリアルタイム補正を明示するのは、他にはAppleくらいですし、その部分を含めて、選択肢になるでしょう。

ーー

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 【2022年発売】

 44・ANKER Soundcore Liberty 4
   ¥14,990 Amazon.co.jp (7/22執筆時)

再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC・AAC・LDAC
連続再生時間:7時間
ドライバー:6mm+9.2mm
マイク:搭載
ノイキャン:2マイク式(自動)
防水性能:IPX4
重さ:5.8g×2

 一方、もう少し安めで「パーソナライズ」を重視するならば、ANKER機も選択肢です。

 こちらは、最上位機ですが、同社のHearIDに対応する機種は、本編でもう少し安めのものも紹介したので、それを含みます。 

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 この場合、DENONと違って手動(半自動)にはなりますが、対話式にて周波数帯域ごとのカスタマイズが可能です

 JBLも同じようなカスタマイズ(Personi-fi 2.0)対応する機種があるので、そちらでもOKでしょう。

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 音質面では、Wドライバー採用という個性もあるため、音質面でのワンポイントもあると言えます。

 しっかり、立体音響(独自形式)とハイレゾにも対応します。

補足:イヤホン・ヘッドホン関連記事の紹介

 というわけで、今回は、完全ワイヤレスイヤホンの紹介でした。

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1・完全ワイヤレスイヤホンの比較(1)
 1-1:選び方の基本の解説【導入】
 1-2: アップル〈米国〉
 1-2:ソニー〈日本〉
 1-3:BOSE〈米国〉
2・完全ワイヤレスイヤホンの比較(2)
 2-1:パナソニック〈日本〉
 2-2:JVC〈日本〉  
 2-3:オーディオテクニカ〈日本〉
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較(3)
 3-1:JBL〈米国〉
 3-2:ANKER 〈米国〉
4・完全ワイヤレスイヤホンの比較(4)
 4-1:Beats〈米国〉
 4-2:SHURE〈米国〉
 4-3:Bang&Olufsen〈北欧〉
 4-4:Jabra 〈北欧〉
 4-5:Noble Audio〈米国〉
5・完全ワイヤレスイヤホンの比較(5)
 5-1:ヤマハ〈日本〉
 5-2:AVIOT〈日本〉
 5-3:Final ag 〈日本〉
6・完全ワイヤレスイヤホンの比較(6)

 6-1:Amazon 〈米国〉
 6-2:Google 〈米国〉
 6-3:ゼンハイザー〈ドイツ〉
7・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (7)
 7-1:他のブランド 〈各国〉
8・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (8)
 =予算別・目的別のおすすめの提案【結論】

 もう一度見直したい方は、以上のリンクをご利用ください。

 なお、このブログ「モノマニア」には、ヘッドホン・イヤホンについて、他に、以下のような比較記事があります。

1・Bluetoothヘッドホンの比較
2・Bluetoothイヤホンの比較
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較
4・ハイレゾヘッドホンの比較
5・ハイレゾイヤホンの比較
6・ノイキャンヘッドホンの比較
7・Beatsのヘッドホンの比較
8・ライトニング端子イヤホンの比較
9・ウェアラブルネックスピーカーの比較
10・おすすめヘッドホンの選び方 【結論】

 ワイヤードモデルなども含めて探しているかた、よろしければ、これらの記事をご覧ください。

 また、10番の記事は、全記事の「まとめ」として、どのようにイヤホンを選ぶべきか、スペック表の読み方などをまとめています。

 よろしければご覧ください。

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1・アップルの iPod touchの比較
2・ソニーのウォークマンの比較
3・ハイレゾ対応ポータブルアンプ

 そのほか、このブログには、他にもオーディオ関係の記事がありますので、こちらもよろしくお願いします。

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 最後になりましたが、もしこの記事がお役に立ったようならば、Twitter Facebook はてなブックマークなどで話題を共有していただければ嬉しいです。

 (1回目からの続き記事なので、1回目記事をご紹介いただけると、いっそう嬉しいです)

 ではでは。

posted by Atlas at 21:39 | オーディオ製品

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