【今回レビューする内容】2023年 最新の8Kテレビの性能とおすすめ・選び方:8K液晶テレビ
【比較する製品型番】シャープ AQUOS 8K DX1ライン DW1ライン CX1ライン 8T-C60DW1 8T-C70DW1 8T-C60CX1 8T-C70CX1 8T-C60BW1 8T-C70BW1 AQUOS XLED 8T-C65DX1 8T-C75DX1 8T-C85DX1 OLED77Z1PJA LGエレクトロニクス 86QNED99JPA 55NANO95JNA SONY KJ-85Z9H OLED88Z3PJA 55NANO96JPA 55NANO96JPA
今回のお題
最新モデルの8Kテレビのおすすめはどの機種?
どもAtlasです。
今回は、2023年7月現在、最新の8Kテレビの比較です。
1・8Kテレビの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2: シャープ
1-3:LG
1-4:ソニー
2・ 8Kテレビの比較 (2)
=最終的なおすすめの提案【結論】
8Kコンテンツはまだ少ないですが、将来を見こして買われる方のために、(Atlasの勉強も兼ねて)記事化しました。
デンキヤにある「家庭向け」の8Kテレビは、現在3社のみの展開ですが、型落ちを除けば、全機フォローしました。
映像の美しさ ★★★★★
目の疲れにくさ ★★★★★
音質の良さ ★★★★★
ネット動画 ★★★★★
番組表 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
以下では、いつものように、各製品を比較します。
そして、最後の「結論」では、上表のようなポイントから、目的別、予算別にAtlasのおすすめ機種!を提案する型式で書いていきます。
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1・10v-15v型液晶TVの比較
2・19v-22v型液晶TVの比較
3・24v型小型液晶TVの比較
4・32v型中型液晶TVの比較
5・40v型のFHD液晶TVの比較
6・4K液晶テレビの比較
7・有機ELテレビの比較
8・8Kテレビの比較
9・テレビの選び方まとめ 【結論】
なお、今回の記事は、このブログのテレビの比較全体では、8回目記事として書きました。
1-1・8Kテレビの選び方の基本
具体的な製品紹介にはいる前に、8Kテレビの「選び方の基本」についての説明です。
テレビ全体の選び方の基本は、このブログの場合、【テレビの選び方のまとめ】記事で、パネル部分ほか、基本的なスペックの「読み方」は解説をしています。
ただ「8Kを選ぶ現在の意義」あるいは「8Kテレビの問題点」については、書かなかったので、ここでフォローしておきます。
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以下では、「映像美」・「音質」・「消費電力」分けて、この部分を説明していきます。
第1に、映像美についてです。
8K映像は、しっかり8K機器で撮影したコンテンツならば、違いが分かるレベルで美しいです。
実際、デンキヤの展示を見れば、誰もが圧倒されるので、欲しくなると思います。
8Kコンテンツは、しかし、問題点です。
8K放送は、2018年開始の「NHK BS 8K」ほどしか主要放送がないです。
番組数も限られます。
8Kコンテンツだけを楽しめるほど、まだコンテンツはないのが、日本の状況です
ーー。
ここで重要なのは、4Kコンテンツがきれいに観れるか、という部です。
シャープによると4Kコンテンツは、8Kでみると画質向上効果があります。
なぜなら、4K放送のコンテンツの多くは「実際に8Kで撮影されている例も多い」ため、TV側で情報を復元することで、その部分を活かせるからです。
8Kテレビのほうが解像感を得やすく、画質の粗さが目立たないと言えます。
4K撮影のコンテンツも、テレビで信号を補完・復元(アップコンバート)するので、少なくとも、同性能の4Kテレビより質が落ちることはないでしょう。
ーー
地デジ(2K)は、2回のアップスケーリングを経る必要があります。
画質が良くなるわけではないですが、一般的に、復元性は問題ないです。
ただ、秒以下の時間内で16倍の処理をすることになるので、4K機のほうが多重の処理はしやすい部分はあると言えます。
SD画質(DVD・ネット画像)はさすがにスケーリング倍率の部分で保証はできません。
ただ、そもそも、8Kテレビはどれも大画面ですし、画面サイズに由来する問題でしょう。
第2に、音質面についてです。
8Kコンテンツは、22.2chというマルチチャンネル信号を送信できる部分が見どころです。
もちろん、録音方法をとったコンテンツは、特別なコンサートなど、例外的なものだけです。
再生機機も【サウンドバーの比較記事】も道半ばです。
10スピーカーで、仮想的にその再現を目指す製品がシャープから発売された程度です。
バーチャル・リアルを含めて、対応はまだまだといったところです。
第3に、消費電力についてです。
最も展開数の多いシャープ機の場合、4Kテレビと較べると、同じ画面サイズ・グレードでも、8Kは、消費電力が2倍弱多いです。
500W強は普通にあるので、小型のデスクトップPC並です。
電気代は、同型の4K機と比べて、年間約6000円ほどの差です。
業界の規定する、年間消費電力量(1日5.1時間利用)に基づく計算です。
必然的に発熱も増えるので、夏場はエアコン代も微増するでしょう。
4Kとの差が大きいのは、情報処理量が4Kの「4倍」なのでエンジン(CPU)パワーの差かと思いました。
しかし、同じく8Kを出すLGとソニーは、同社の4K機とほぼ同じ水準です。その点から言って、液晶方式の違いによるのだと思います。
あとで説明するように、シャープは8K機だけ「特別な液晶」なので。
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以上、8Kテレビの「選び方の基本」について紹介しました。
結論的にいえば、画質面では、8K導入は「面白い」部分があり、導入効果も高いです。
ただ、地デジコンテンツ中心なら、アップコンバート部分でメリット性はあまりなさそうです。その上で、シャープ機については、電気代の部分も検討すべきです。
こうした部分で、4Kコンテンツ以上を主にもいる、上級者向きで、リビング用というより、シアター室向きです。
相当こだわりのある方以外は、他の種類のテレビの調査からはじめても良いでしょう。その場合は、以上の記事もご覧ください。
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以下では、冒頭で示したように、メーカーごとに分けて、各社の8Kテレビを紹介していきます。
1-2・シャープの8K液晶TVの比較
はじめに、シャープの最新8K機の紹介からです。
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なお、以下では、いつものように、Atlasのおすすめできるポイントを赤字系で、イマイチと思う部分を青字系で書きます。
【2020年6月発売】
【60インチ】
1・シャープ AQUOS 8T-C60CX1
¥153,888 Amazon.co.jp (7/30執筆時)
【70インチ】
2・シャープ AQUOS 8T-C70CX1
¥225,740 Amazon.co.jp (7/30執筆時)
モニターパネル:8K Pure Colorパネル
バックライト :直下型+エリア制御
解像度:8K画質
倍速液晶:4倍速相当
コンバート:4K
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
BS 8K放送チューナー:搭載(1)
CX1ラインは、シャープの8Kテレビの上位機です。
画面サイズは、70インチまでの2種のラインナップです。
現状で8Kテレビの最小サイズは、LGの55インチですが、シャープの場合60インチが最小です。
液晶パネルは、同社の「高級ブランド液晶」となる8K Pure Colorパネルです。
いわゆる、広色域化技術を利用したパネルです。
シャープが10年ほど前に開発したUV2A(UVVA)液晶を利用しています。
他社の上位機で採用するVA(ASV)式を独自改良した技術と言え、光の透過率が高いため、豊かな輝度表現が可能なほか、色純度の高さも期待できます。
上表で示した、VAの良い部分を研ぎ澄ました上位版と言えます。
なお、10年ほど前は、RGBカラーに黄色を混ぜた「4原色」にしたクアトロンUV2Aという発展版がありました。
ただ、色味が不評だったので、8K時代には使用されません。
バックライトは、直下型LEDです。
同社の4Kテレビは、上位機でもエッジ型です。
しかし、UV2A(UVVA)液晶の実力を十分発揮できるように、8Kでは、信頼性の高い直下型LEDです。
その上で、バックライトのエリア制御もなすため、技術的に十分です。
8Kチューナーも、1チューナー搭載です。
加えて、新4K放送チューナーも2基搭載します。
なお、新放送についての対応状況や必要設備は、詳しくは【新4K衛星放送対応チューナーの比較記事】で書きました。これを目的に買い換えを検討されている方は、後ほどお読みください。
HDR10技術は、この機種も対応します。新衛星放送に使われるHLG規格も東芝同様にフォローです。
画像の立体感や解像感は未対応機よりも高いでしょう。
ただ、シャープについては、通常画質(SDR)のHDRアップコンバートについては、言及がないです。これは、同社の4K機も同じです。
画像エンジンは、Medalist Z1 を搭載します。
先述のように、2K(地デジ)を8Kまで押し上げるには、エンジンのパワーが必要なので、8K用には最上位のエンジンを使っています。
低解像度ソースの「高精細化処理」のため「8K 精細感復元アップコンバート」を搭載します。
そのほか、バックライトエリア制御を補完する「アクティブコントラスト プロ」をはじめ、 「8K リアリティ復元アップコンバート」「3Dノイズリダクション」の4つを基本技術とします。
なお、シャープの4K機ではお馴染みの広色域化技術となる「リッチカラーテクノロジープロ」も搭載です。
一方、シャープは、復元ににおいて、フレーム間処理をともなう超解像度技術はなさず、あくまで、フレーム内で完結する処理です。
8K機はないものの、エンジン性能を利用した解析・復元については、東芝などに及ばない部分はあるでしょう。
画質の自動調整は、イマイチです。
シャープは視聴中のコンテンツの種類を解析する機能がないので、見ている番組のジャンルに合わせて、自動で映像調整する機能がないです。音声も同様です。
なお、手動では、映画・ゲームなどモード変更はできます。
倍速液晶は、4倍速相当です。
「相当」と付くのは、倍速技術で2倍にしたものを、さらに、バックライト制御によって(仮想的に)「2倍」にしているためです。
なお、シャープAQUOSの場合、従来「480スピード」が4倍速相当、「960スピード」が16倍速相当の表現だったのですが、最近「スキャンスピード」と速度表現を替えています。
倍速+LED制御ではある点は同じなので「4倍速相当」と表記しましたが、この部分は過小評価かもしれません。
いずれにしても、スポーツなどの動く映像にも高度に対応します。「8Kスポーツビュー」という専用モードも持ちます。
無線LANも内蔵です。
これを使った機能としては、ココロビジョン機能も見所です。
TVの視聴傾向から、AIがオススメ番組の情報を教えてくれる機能が付属します。
そのほか、シャープの「ココロエンジン」に対応したIOT家電について、その稼働状況をテレビでも確認できる」「COCORO HOME」も、面白い試みです。
ちなみに、IOT家電間の連携は、日本の家電メーカーでは、同社が最も力を入れており、先行しています。
映像配信サービスは、相当充実します。
というのも、AndroidTVに対応するためです。豊富なネットコンテンツを便利に利用できる利便性はあるでしょう。
スピーカーは、総計70Wと結構パワフルです。
左右にウーファーとトゥイーターが1組ずつの2WAY式です。
それに、2基のサブウーファーが補う形式です。ただ、方式として音楽や映画重視なので、(お年寄りの)ニュースの聞き取りなどへの配慮はイマイチかなと思います。
逆に、最近流行の立体音響(ドルビーアトモス)にリアル対応できないですし、そもそも、22.1chの8K音声を楽しみたい方は、専用の外部機を導入した方が良いでしょう。
シャープの純正品を含めて、【サウンドバーの比較記事】で紹介しています。
・シャープ 8R-C80A1 【8TB】
¥106,191 楽天市場 (7/30執筆時)
録画機能は、本機は、外付けHDDによる録画に対応します。
ただ、8K映像の録画については、同社の8TBの純正ドライブのみ対応します。
データ量の多さから、専用USB端子を経由させた上で、HDD2基でRaidを組まないと処理対応できない事情のようです。少なくとも、現状ではサードパーティからの対応品の発売はみられません。
なお、4K以下の録画については、一般的なTV用のHDDでOKです。
音声アシスタントサービスは、Google Home搭載です。
また、TV本体にマイクを内蔵です。
そのため、リモコンのボタンを押さなくても、Google系の音声AIであるGoogleアシスタントを呼び出せます。
HFR(ハイフレームレート)は、本機は4K/120Hz(4K/120p)をフォローします。
ただ、カクツキを減らす、VRR(バリアブル・リフレッシュ・レート)と、自動的に遅延時間を短縮するALLM設定は、8Kではフォローできないようです
少し特殊な話なので、フレームレートに興味ある方は、このブログの(PC用)【ゲーミングモニターの比較】のほうで書いた話を参考にしていただければと思います。
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以上、シャープのCX1ラインの紹介でした。
同社の「売り」は、パネル製造ができる利点で、液晶パネル自体に工夫ができる点です。
実際、本機には、同社の4K機には採用されないUV2A(UVVA)液晶を利用していて、同社のメリット性を最大限活かしていると言えます。
あえて言えば、エンジン性能の部分とHDRの部分は改良の余地があるでしょうが、シャープを指名買いするならば、間違いなく8Kでしょう。同社の4Kとは、値段以上にだいぶ性能差ががあります。
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【2019年11月発売】
【60インチ】
3・シャープ AQUOS 8T-C60BW1
¥168,000 Amazon.co.jp (7/30執筆時)
【70インチ】
4・シャープ AQUOS 8T-C70BW1
¥171,999 Amazon.co.jp (7/30執筆時)
モニターパネル:8K Pure Colorパネル
バックライト :エッジ型
解像度:8K画質
倍速液晶:4倍速相当
コンバート:4K
フレームレート:4k/60p
新4K放送チューナー:搭載(2)
BS 8K放送チューナー:なし
なお、同社からは、先行してBWシリーズが販売されていました。
ただ、こちらについては、8K専用チューナーが未装備で、また、8K録画用のUSB端子がない仕様です。
選ぶならば、新機種が良いでしょう。
【2021年6月発売】
【60インチ】
5・シャープ AQUOS 8T-C60DW1
¥177,888 Amazon.co.jp (7/30執筆時)
【70インチ】
6・シャープ AQUOS 8T-C70DW1
¥260,100 Amazon.co.jp (7/30執筆時)
モニターパネル:低反射N-Blackパネル
バックライト :直下型+エリア制御
解像度:8K画質
倍速液晶:4倍速相当
コンバート:4K
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
BS 8K放送チューナー:搭載(1)
DW1ラインは、シャープの8Kテレビの2021年発売の新機種です。
先ほど見たCX1ラインも継続販売ですが、本機は、そちらと比べ「上位機」といえる部分と、「下位機」と言える部分があります。
似た機種なので「違い」に焦点を当てて説明します。
第1に、画像エンジンです。
Medalist Z2と1世代新しくなりました。
単純に名称が変わっただけの部分を除くと、「スマートアクティブコントラスト」が新機軸です。
旧機種も「アクティブコントラスト プロ」を持ちますが、TVが入力信号のフォーマットを見ながら調整するようになったので、明暗表現がうまくなっています。
ただ、説明を見る限り、これいがい特段新しい機能はなくマイナーチェンジです。この部分を重視して、DW1ラインを選ぶ意味はあまり感じません。
第2に、音声アシスタントサービスです。
本機は、Google Assistantを内蔵とし、TV搭載のマイクだけで、本体の操作やAIに天気などの情報を聞けるようになりました。
他社を含めて、リモコンのボタンを押して、リモコンのマイクに呼びかける仕様が多いのですが、別売機器なしに、ハンズフリーで対応できるのが見どころです。
第3に、スピーカー出力です。
こちらは、2WAY式のステレオに、15Wのサブウーファーを組み合わせる形式ですが、55Wとなりました。
ただ、先述のように、8Kコンテンツの音響を活かしきるには、結局、【サウンドバーの比較記事】で紹介したようなシステムを導入するべきなので、個人的にはこの仕様で良いかと思います。
第4に、液晶パネルです。
こちらも、UV2A(UVVA)液晶を利用していますが、8K Pure Colorパネルではなく、8K N-Blackパネルとなります。
前者の場合、広色域化(発色)優先で、高級テレビとして映像美を追求したものと言えると思います。
8K N-Blackパネルは、パネル表面に中空のナノカプセル素材を使い、外光反射の軽減を目指しています。
比較する場合、昼間にカーテンを閉めず、テレビを普通に見る場合、DW1ラインの方が、画質は良いと言えます。逆に、シアター中心に考えると、CX1ラインがよさげです。
個人的には、(OLEDと比べて)液晶は昼間の視認性が「売り」ですし、DW1ラインが良いかなと思います。
その他の機能は、CX1ラインと基本的に同じです。
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以上、DW1ラインの紹介でした。
さほど値段差が内容ならば、パネル部分で、DW1ラインのほうが一般向きです。
完全にシアター用途で、部屋を暗くして使わないならば、この仕様が良いかと思います。
【2022年2月発売】
【60インチ】
7・シャープ AQUOS XLED 8T-C65DX1
¥520,000 楽天市場 (7/30執筆時)
【75インチ】
8・シャープ AQUOS XLED 8T-C75DX1
¥669,950 楽天市場 (7/30執筆時)
【85インチ】
9・シャープ AQUOS XLED 8T-C85DX1
¥1,520,846 楽天市場 (7/30執筆時)
モニターパネル:N-Wideパネル
バックライト :直下型+エリア制御
解像度:8K画質
倍速液晶:4倍速相当
コンバート:4K
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
BS 8K放送チューナー:搭載(1)
DX1ラインは、シャープの8Lテレビの「フラッグシップ機」です。
画面サイズは、85インチまでの3種のラインナップです。
大画面テレビは、(歩合率や輸送の関係で)パネルサイズが大きくなると格段に高くなりますが、本機もそうです。
85インチだと、消費電力も600Wクラスになってくるので、熱の部分を含めてしっかりしたシアタールーム用と言えます。
液晶パネルは、本機は、低反射広視野角N-Wideパネルです。
詳しい説明は執筆時にないですが、VA系ですが、自社のUV2A(UVVA)液晶ではないようです。
パネル表面を低反射処理する加工は他社の「ブランド液晶」によく見られます。広視野角の部分は、パネルの性質というより、低反射コートが視野角に影響を与えないという意味のようです。
バックライトは、しかし、本機については独自性があります。
シャープとしては初めてですが、輝度・コントラスト表現に強い直下型LED配置です。さらに、最先端といえるmini LEDを採用します。
通常の直下型より細かく輝度・コントラスト制御できるためアクティブmini LED駆動とシャープは呼びます。
後ほど見る1LEDごと制御するソニーに比べると、エリア制御には止まるのですが、この値段だと、現状で望める最上級と言えます。
また、本機は光源が青色LEDで、それを量子ドットフィルタを通すことで色表現をする量子ドットリッチカラー式です。
普通のホワイト光源のレンズ式よりも色域を広げやすいので、シャープが大事にする広色域化(あざやかさ)の部分で優れます。
なお、mini LED+量子ドットカラーという構成は、LGが先行導入していました。
ただ、LGが表面パネルにIPS液晶を採用しているのに対して、シャープは、VAベースのN-Blackパネルですので、表現は変わってくるでしょう。
VAベースならば、黒のしまりはより良いでしょう。
先述の新LEDの採用に伴い、フレアブライトネスと呼ぶ、新回路で、コントラストを高める工夫もあるので、シンプルに、LGと同じではないです。
Atlasも発売後に見てみるつもりですが、この構成は悪くないと思います。
8Kチューナーも、1チューナー搭載です。
加えて、新4K放送チューナーも2基搭載します。
構成は、下位機種と同じです。
HDR10技術は、この機種も対応します。
画像エンジンは、上位の「Medalist Z2X」を装備します。
一方、画像最適化技術については、QLEDの特性に合わせて変更があるようです。
詳しくは発売後にみますが、現状では、以上の4技術については公表があります。
リッチカラーテクノロジープロなど、従来の広色域化処理の部分が大きく変わるかもしれません。
ただし、処理はこのグレードでもフレーム内で完結する処理です。
画質の自動調整は、発売後に加筆します。
おそらく大きな変更はないかと思います。
倍速液晶は、4倍速相当です。
なお、シャープAQUOSの場合、従来「480スピード」が4倍速相当、「960スピード」が16倍速相当の表現だったのですが、最近「スキャンスピード」と速度表記を替えています。
倍速+LED制御ではある点は同じなので「4倍速相当」と表記しましたが、技術水準は、よれより高いかもしれません。
無線LANも内蔵です。
映像配信サービスも、同様です。
なお、YouTubeの8K動画再生に公式的に対応シマした。
本機もAndroidTVですから、そちらの恩恵です。
スピーカーは、総計70Wです。
また、仕組み自体新しくもなり、ARSS+と呼ばれる新システムです。
下部には、ミッドレンジウーファーが1基、左右それぞれに配置されます。
加えて、上部に最近流行するドルビーアトモスなどの3D立体音響の再生に対応するためもあり、ハイトミッドレンジスピーカー1基が、左右それぞれに配置です。
さらに、上手の緑色の部分ですが、横方向にトゥイーター(ビームトゥイーター)が2基付きますこれに、重低音用のサブウーファが真ん中に2基です。
ユニット合計で12スピーカーと豪華です。
各ユニット単位での出力はあまり強くないですが、方向性としては、最近流行の3D立体音響(ドルビーアトモス)に対応させつつ、視聴位置に左右されず「画面から音を感じる」定位感を重視した配置と言えます。
外部システムだと実現しにくい、TVならではといえる音響にした部分は良い感じです。
ただし、音圧はやはり弱いので、シャープの専用機を含め【サウンドバーの比較記事】で書いたような外部システムを導入した方が効果は高いでしょう。
その他の部分は下位機種に準じます。
ただし、執筆時発売前なので、情報があれば加筆します。
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以上、シャープのDX1ラインの紹介でした。
量子ドット(QLED)とミニLEDというパネル部分に最新のトレンドを取り入れた新機種です。同じ構成の製品を次にみるLGも投入しているので、それとの比較になるかと思います。
ただ、LGはパネル部分にナノセルの工夫をした8K IPSなので、VA系をベースとしたシャープは違った味があるものと思います。
発売後に確認しますが、コントラスト(黒の締まり)は、おそらくVAを採用しつつフレアブライトネスの工夫もあるシャープのが配慮があるかなと思います。LGは、そういった部分を重視したい方にOLEDを用意している事情もあり、住み分けますし。
いずれにしても、発売後に実際見てから加筆します。
1-3・LGの8K液晶TVの比較
続いて、韓国のLGの販売する8K液晶テレビの紹介です。
【2021年11月発売】(生産終了)
【55インチ】
10・LGエレクトロニクス 55NANO96JPA
¥(231,495) Amazon.co.jp (7/30執筆時)
【65インチ】
11・LGエレクトロニクス 55NANO96JPA
¥(187,000) Amazon.co.jp (7/30執筆時)
モニターパネル:Nano Cell Display
バックライト :直下型+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:2倍速相当
コンバート:4K/HDR10
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
BS 8K放送チューナー:搭載(1)
55NANO96JPAは、LGエレクトロニクスの8K液晶テレビです。
なお、LGのこのグレードについては、2022年機がでずに「生産完了」です。
このブログの場合、普段ならこういった機種は記事から消しています。ただ、8K機は数が少ないのと、ある程度の数がないと、現行機の良さもわからないので、この部分で(いまのところ)記事をのこしています。
液晶パネルは、8K仕様にしたIPS 8K液晶を採用します。
なお、IPS液晶は、「黒の引き締まり」は、UV2A(UVVA)液晶をふくむ、VA液晶には及びません。
しかし、視野角の広さと目の疲れにくさにおいて、定評があります。入門機グレードの場合、むしろこのタイプの方が表示品質は良いです。
一方、本製品は、IPS液晶に独自処理を施した、IPS液晶の改良版と言える「ナノセルディスプレイ」という同社独自の「ブランド液晶」にしています。
液晶パネル成形時の工夫なので、パネル提供業者ゆえにできる工夫でしょう。
方向性としては、RGBカラーの純度向上をと目指すものです。
1nmの粒子を敷き詰めたフィルターを採用し、RGBのうち過剰な光波長を吸収させることで色ノイズを軽減させます。
方式は異なりますが、色の純度を高めるという部分では、シャープと共通の方向性があります。
バックライトは、本機も、直下型LEDです。
シャープと同じで、バックライトのエリア制御( Nano Black)もなしています。
一方、従来、直下型は仕組み上薄くできないのが難点でしたが、最近、エッジ型のようにパネルが薄い、スリムタイプが出ました。
本機も「スリム直下型」なので、上表にある「パネルの薄さ」という部分の欠点は解決しています
8Kチューナーは、本機も搭載です。
新4K放送チューナーは2つ搭載となり、裏番組の録画も可能です。
HDR10技術は、「Cinema HDR」という名前で搭載です。
新4K放送のHLGのほか、HDブルーレイなどの新規格となるDOLBY VISION IQもフォローします。
加えて、通常画質(SDR)のダイナミックレンジを、HDRにアップコンバートする機能(HDR Dynamic Tone Mapping)の記載もあります。
「ナノセルディスプレイ」などとの「合わせ技」でこの部分はいずれにしても優秀です。
むしろ、この部分で最近問題となるのは、新4K放送のHLG圧縮信号の輝度再現の部分ですが、そちらについては、外国製品ですがフォローしています。
倍速液晶は、 TruMotion 120が搭載です。
こちらについては、パネルが倍速でない状況で、2倍速相当なので、シャープ機には劣ります。
画像エンジンは、α9 Gen4 AI Processor 8Kを装備します。
2Kや4Kを8Kに対応させる技術「8Kアップスケーリング」はむろんあります。
これを利用して、「ノイズ除去」などの画質の最適化を行っています。
また、「AI映像プロ」という機能で、顔や字幕などの文字を認識し、色調を整える形で「高精細化」も行います。
新エンジンになり、色再現性・フレームの色合い・エリア調光時の輝度制御など、全面的に画質向上が見られます。
「超解像技術」は、「オブジェクト強調」として、画面内処理ながらなしています。LGの場合、先述のように、物体のほか、顔と文字は識別しています。
なお、広色域化は、パネルでフォローするので、鮮やかさについて不満に思うことはないでしょう。
画質の自動調整は、対応です。
AIが見ているコンテンツの種類を把握して、自動で最適なモードに調整してくれます。
他社の低価格機の場合、この機能がない機種がありますが、LGは優秀でしょう。一般人は手動で画質モードを変えることはあまりないですから、ある意味、初心者には意味のある機能です。
一方、LGの場合、「FILMMAKER MODE」として、一切の画像処理をオフにする機能があります。
制作者サイドの意図した映像表現を楽しみたい方向きの機能です。
操作性も、良質な画像エンジンを採用しているため、他社に劣りません。
録画機能も、別売の外付けハードディスクの増設により対応します。
新4K放送を除けば、裏番組録画も対応です。
番組表は、その一方であまり強調されません。
EPGは取得し、日本の他社同様に番組情報も得られますが、画面の情報量と視認性は、工夫がイマイチです。
ただ、乗せているエンジンが良いためか、サクサクと動く操作性はかなり良いですし、ネットテレビなどを操作するためのUIの出来も良いです。
いずれにしても、TV機能をさほど重視しない(ゲーム・ブルーレイレコーダー・スカパー中心など)の方は、基本性能が高くお買得なこのモデルを選ぶのは「あり」です。
映像配信サービスは、LGの場合、同社のWebOS3.5を利用します。
ソニーやシャープは、GoogleのAndroidTVを採用していますが、こちらは独自のものです。
ただ、DAZN・Netflix・Amazonビデオ・ツタヤTV・アクトビラなどメジャーな動画サービスは対応しています。
スピーカーの音質は、55インチ機は、総合出力は40Wと、シャープと比べると多少非力です。
DTS Virtual:XとDolby Atmoに対応ということで、立体音響が扱えますが、スピーカー自体はステレオで、ハイトスピーカーがないので、疑似的に再現されることになります。一方、65インチ以上は、トゥイーター・ミッドレンジ・ウーファーの3WAY式の60Wです。
ただやはり、音にこだわるならば、【サウンドバーの比較記事】で紹介したような外部機を導入するべきでしょう。
LG マジックリモコン MR21GB
¥4,062 Amazon.co.jp (7/30執筆時)
そのほかは、本機は、別売もなされる、LGのマジックリモコンが標準添付となります。
音声アシスタントサービスは、LGについては、「Amazon Alexa」「Google アシスタント」双方から選択し、リモコンのボタンを推すことで、AIに情報を聞いたり、声で操作をお願いしたりできます。
なお、リモコンを押さずに、「座ったまま」たのみたい場合は、【スマートスピーカーの比較記事】で紹介したような専用スピーカーと、【スマート家電リモコンの比較記事】で紹介したような端末が必要です。
録画機能は、本機は、外付けHDDによる録画に対応します。
ただ、8Kコンテンツを録画する仕組みはないです。
HFR(ハイフレームレート)は、本機も4K/120Hzに対応です。
加えて、ALLM・eARCのフォローもあります。
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以上、LGの55NANO96JPA の紹介でした。
シャープはVA液晶の発展版、LGはIPS液晶の発展版と、どちらを選ぶか迷わせる製品です。
見た感じでは、映像美という観点では、コントラスト比が高く黒も締まるシャープのUV2A(UVVA)液晶が優秀に感じます。
ただ、目が疲れにくいと言えるIPS液晶はファンが多いため、そこを重視するならばこちらでしょう。なお、本機は、倍速液晶の部分が少し弱いため、動く映像はシャープの方が対応力はありそうです。
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【2020年11月発売】
【55インチ】
12・LGエレクトロニクス 55NANO95JNA
¥178,000 Amazon.co.jp (7/30執筆時)
モニターパネル:Nano Cell Display
バックライト :直下型+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:2倍速相当
コンバート:4K/HDR10
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
BS 8K放送チューナー:搭載(1)
なお、こちらは先ほどの機種の旧機種です。
主な相違点は、本機は、スリム直下型ではない点です。
ただ、バックパネルはエリア制御を行いますし、ナノセル採用で画質面は同等ですが、壁掛け時の設置面で、差があると言えます。
そのほかは、画像エンジンが1世代前となるので、映像の自動調整(AI映像プロ)の過程で、オブジェクト強調処理をするのが、新機種からとなるほどです。
結論的にいえば、スタンド置きなどで特段本体が薄いことに意味性がない方は、こちらでOKでしょう。
【2021年8月発売】
【85インチ】
13・LGエレクトロニクス 86QNED99JPA
¥(1,210,000) 楽天市場 (7/30執筆時)
モニターパネル:Nano Cell IPS
バックライト :直下型+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:4倍速相当
コンバート:4K/HDR10
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
BS 8K放送チューナー:搭載(1)
86QNED99JPAも、LGエレクトロニクス社の8K液晶テレビです。
画面サイズは、86インチのみの展開で、本格的な機種しかないです。
液晶パネルは、IPS液晶パネルです。
シャープは、VA系でしたが、LGはIPSにこだわります。
IPSは視野角はスペック的にVAと同じで数値ですが、実際、横からの視聴をする場合、IPSのが美麗に見えます。その部分を含めて「目への優しさ」では定評があります。
ただ、「黒の締まり(コントラスト)」を上げにくいという課題もあるため、(PC用と違い)映像美を重視するテレビの場合、問題点もあります。
ただ、本機は、量子ドット(QLED)ナノセルカラーディスプレイです。
技術としては、下位のナノセルと同じですが、量子化技術(Quantum dots)を採用し、広色域化をなしています。
量子化技術は、シャープも上位機で採用していました。有機EL(OLED)に対応する数少ない手段として、今後増えていくかと思います。
バックライトは、本機も直下型+エリア制御です。
その上で、本機も、シャープ同様、MiniLEDバックライトで、より細かく制御できるため、「高詳細直下型エリア駆動」と呼ばれます。
明暗差の表現がよりかなり細かくできます。LGの場合コントラスト部分に難がある、IPS液晶の欠点を補う技術と言えます。
8Kチューナーは、本機も搭載です。
新4K放送チューナーは2つ搭載となり、裏番組の録画も可能です。
HDR10技術は、対応です。
先述のアップコンバートも利用可能です。
倍速液晶は、本機については、パネルがリアルで倍速パネルです。
先述のTruMotion技術の処理があるので、加算して「4倍速相当」と言えます。
画像エンジンは、最新のα9 Gen4 AI Processor 8Kを装備します。
下位機種と同じです。
画質の自動調整は、下位機種同様対応です。
映像配信サービスは、WebOS6.0になります。
ただ、ソフトは更新できるため、実質は変わりません。
スピーカーの音質は、総合出力は40Wと、シャープと比べると多少非力です。
20Wのフルレンジが2基と、ウーファー2基という構成です。
その他の部分は、下位機種と基本的に同じです。
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以上、LGの86QNED99JPAの紹介でした。
量子ドット技術による色域の強化と、バックライトによるエリア制御の強化が見どころです。輝度が重視されている、4K・HDR時代ですし、いずれの技術も意味を持ちます。
問題は、値段でしょう。なお、【LGの4K液晶テレビの比較記事】で説明したように、(だいたい)同じ技術の4K機なら、多少安く買えます。
【2021年10月発売】
【77インチ】
14・LGエレクトロニクス OLED77Z1PJA
¥2,086,993 楽天市場 (7/30執筆時)
モニターパネル:OLED
【2023年6月発売】
【88インチ】
15・LGエレクトロニクス OLED88Z3PJA
¥3,633,028 楽天市場 (7/30執筆時)
モニターパネル:OLED evo
バックライト :直下型+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:2倍速
コンバート:4K/HDR10
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
BS 8K放送チューナー:搭載(1)
OLED77ZXPJA も、LGエレクトロニクスの販売する8Kテレビです。
値段が桁違いなのは、本機は、液晶ではなく【4K有機ELテレビの比較記事】で比較したようなOLEDの8K版だからです。
パネルは、OLED液晶です。
供給元は現在4Kを含めLGだけなので、この部分で、メーカーごとの本質的な画質の差はない状況です。
液晶テレビとの違いについては、【4K有機ELテレビの比較記事】で詳しく説明しました。
なお、LGのOLEDは「世代」があります。
77インチは、第2世代です。
第1世代に比べて、明るさが800ニト(800cd/m2)に上がったのが見どころでした。
88インチは、最新の第3世代(LG OLED evo)です。
OLED EVOは、白色のOLEDを作る際に、RGBカラーのうち、緑を2色(YG・G)にすることで、波長を整えた部分に特徴があります(図の下段)。
これにより、パネルに発色される輝度がたかまったほか、色再現性も高めました。4Kで先行して搭載されていましたが、8Kには初登場です
このほか、両機とも、液晶TVで言うところの「エリア制御」にあたる「Luminance Optimizer for Local DimmingII」に対応し、適切に輝度・コントラスト調整をします。
画像エンジンは、本機も、α9 Gen4 AI Processor 8Kを装備します。
基本的な機能は、液晶の下位機と同じで、「AI映像プロ」・「8Kアップスケーリング」など、同社の主要機能は全て網羅します。
88インチ機のみ、2023年発売なので、最新のα9 Gen4 AI Processor 8K Gen6です。
前景と背景を分けて処理できるオブジェクト型超解像に対応するなど、「AI映像プロ」が処理面で進化したのが見どころです。
そのほか、この世代のエンジンの改良は画質調整が絵を選択するだけで感覚的に行える「パーソナルピクチャーウィザード」への対応と、サウンド機能の若干の改良、Web OSなどが、この世代のエンジンの新機軸と言えます。
HDR技術(HDR10)は、本機も搭載です。
新4K放送に使われるHLG形式もフォローします。
HDR(ハイダイナミックレンジ)は、先述のように輝度を拡大表示できる最新技術です。画像の立体感や解像感を高める4K向きの技術となります。
ご存じのように「3Dテレビ」は眼鏡を使う必要がある点がネックで普及しませんでした。HDR技術は「眼鏡なし」でも奥行きを感じられるように進化していくために必要な技術で、それを先駆的にこの機種は採用しました。
HDRは、夜のシーンなど暗い場面でもしっかり映像が分かるような解像感も期待できます。
また、本機については、標準画質(SDR)のコンテンツををアップコンバートする機能(HD Effect)も装備です。
上位のHDR技術としては、「ドルビービジョン IQ」に対応します。
先述のHDR10の場合、メディア全体で最大輝度が設定されますが、この規格は、1フレーム(画像)ごとに輝度を設定することができるため、テレビの持つ性能をフルに出せます。
また、LGの場合、未対応のソースでも、エンジンでそれに準じるように再計算されます。この点で、他社と比べても優れるでしょう。
なお、これ以外に「Ultra HD Premium」という指標もありますが、こちらはパネル・画像部分の業界の品質基準を表すだけでのものです。気にしないで良い部分です。
8Kチューナーは、本機も搭載です。
新4K放送チューナーは2基当サイトなり、裏番組の録画も可能です。
倍速液晶は、 TruMotion 120が搭載です。
こちらについては、パネルが倍速でない状況で、2倍速相当なので、シャープ機には劣ります。
録画機能は、本機も8Kコンテンツについての言及はないです。
スピーカーは、総計80Wです。
トゥイーター2基、ミッドレンジ2基、ウーファー2基での4.2ch構成です。
ここまでのハイエンドを買う方は、別にスピーカーを探すでしょうし、これで良いでしょう。
HFR(ハイフレームレート)は、本機は4K/120Hz(4K/120p)をフォローします。
その他の部分は、基本的に下位機種と同じです。
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以上、LGの OLED77ZXPJAの紹介でした。
OLEDも8Kも最近は値下がりしてきましたが、「合わせ技」にすると結構まだ高いなと思います。
多くの人にとっては「他山の石」でしょうが、「合わせた」という部分以外の技術は、20万円ほどの各製品に降りてきているという事実は、(Atlasをふくめ)庶民にとっては嬉しい情報でした。
1-4・SONYの8K液晶テレビの比較
続いて、ソニーの8Kテレビです。
同社の場合、8Kは液晶を利用します。
【2020年3月発売】
【85インチ】
16・SONY BRAVIA KJ-85Z9H
¥1,312,699 楽天市場 (2/23執筆時)
モニターパネル:トリルミナス
バックライト :直下型+独立LED制御
解像度:4K画質
倍速液晶:2倍速相当
コンバート:4K/HDR10
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
BS 8K放送チューナー:搭載(1)
Z9Hシリーズは、ソニーの8K液晶テレビです。
同社のテレビ全体でも「ハイエンド」な製品で、(Atlasのような)一般人には「他山の石」な値段です。
画面サイズは、85インチのみです。
液晶パネルは、同社のトリルミナスを採用です。
パネル自体は不明ですが、広色域化処理をしたVA液晶であり、「ブランド液晶」の1つと言えます。
バックライトは、直下型パネルに、ライトのエリア制御が加わる点で、LGと同等です。
ただ、本機については、「バックライト マスタードライブ」として、LED単位で独立して輝度制御する技術が採用です。
単独のLEDごとに制御する技術は、他社機にも言及がないので、ソニーの独自技術でしょう。
その上で、独自技術として、X-Wide Angleという、視野角の向上技術が採用です。
これはパネルの種類を替えたのではなく、LEDライトの光の拡散性を高める技術改良の結果です。
大画面に必要な視野角をより向上させました。
8Kチューナーは、本機も搭載します。
4Kを含めて2基で、片方が視聴専用、片方が録画専用です。
HDR10技術は、搭載します。
さらに、LG同様にHDRリマスター機能があります。
ソニーの場合、同社のオブジェクト型超解像技術を発展させたもので、標準画質でもHDR相当の画質まで、アップコンバートされます。
倍速表示機能(オーバードライブ)は、 4倍速相当です。
倍速液晶に、バックパネル制御を利用する方式です。
ソニーの場合、部分駆動制御ができるため、利用時に画面が暗くなりにくい特性があるので、X-Motion Clarityと呼びます。
画像エンジンは、X1 Ultimateを装備します。
2Kや4Kを8Kに対応させる技術「8Kアップスケーリング」はむろんあります。
これにより、画像内の物体(空や建物)に合わせた高度な「ノイズ除去」を行えます。
「高精細化」は、フレーム間処理は伴わず、1フレーム内だけで完結する、オブジェクト型超解像技術を利用します。
8Kでフレーム間補正ができる機種はないですので、比較はできません。
ただ、超解像・ノイズ除去と2つのデータを組み合わされた「デュアルデータベース分析」を用いることで、性能を高めており、対策はあると言えます。
先述のトリルミナス技術としてのフォローですが、広色域化処理もなされるので、東芝の入門機と比較しても、この部分で遜色はないでしょう。
その上で、X-tended Dynamic Range PRO技術が見どころです。
先述の部分駆動制御と連動し、暗部に使うはずの電流を明部に利用することで、コントラスト比をさらに上げることができます。
4KHDR時代には有利な技術でしょう。
【Amazon限定】
バッファロー 2TB HD-AD2U3
¥8,735 Amazon.co.jp (7/30執筆時)
録画機能も、別売の外付けハードディスクの増設により対応します。
ソニーの場合、8K放送についても、特段HDDの指定はないです。【外付けHDDの比較記事】で紹介しているような録画用ならば利用可能です。
ただ、録画中の同時再生ができない点、早戻し/早送り非対応な点などの制限はあります。
番組表も、4K表示対応のシャープを除けば、国内勢の水準以上です。
優れた画像エンジンで、操作性も良いです。
映像配信サービスは、ソニーの場合、Android TVを搭載します。
そのため、4Kコンテンツを含むNetflixやDAZNを含めて好きなアプリをGoogle Playからダウンロードしインストールできます。
スピーカーの音質は、55インチ機は、総合出力は80Wと、充実します。
スピーカー構成的には、左右に3WAY式の2チャンネルと、上部左右に同様の構成で2チャンネル、裏面にサブウーファーがみられます。
本機は立体音響(ドルビーアトモス)対応なので、上部はハイトスピーカーとして機能するので、3.1.2ch構成と言えます。
マイクを使った自動音場補正にも対応するのは、同社が音響メーカーでもある利点です。
流行の構成で結構充実していると言えますが、テレビの値段を考えると、本格的なスピーカーシステムと合わせるべき製品でしょう。そういったものは、今回の記事の最後で紹介しようと思います。
音声アシスタントサービスは、ソニーの場合、TV自体でAI(Googleアシスタント)を呼び出せるので、GoogleHomeなど【別売のスマートスピーカー】なしで、音声によるテレビ操作が可能です。
ただし、呼び出せるには、リモコンのGoogleボタンを押した際だけです。
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以上、ソニーのZ9Hシリーズの紹介でした。
パネル自体はシャープの技術が高いですが、バックライトの高度な工夫で、有機ELにタイしての液晶の弱点(黒の締まりの低さ)を改善している製品です。
低コスト化ができない点が問題でしょうが、85インチクラスならば、実際、効果的でしょう。予算に都合がつくならば、導入したい高級機です。
次回につづく
最新モデルの8Kテレビのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は8Kテレビの比較でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
2・ 8Kテレビの比較 (2)
=最終的なおすすめ機種の提案
映像の美しさ ★★★★★
目の疲れにくさ ★★★★★
音質の良さ ★★★★☆
ネット動画 ★★★★★
番組表 ★★★★★★
総合評価 ★★★★★★
上表のような観点から、いつものように、Atlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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