【今回レビューする内容】2025年 最新の8Kテレビの性能とおすすめ・選び方:8K液晶テレビ
【比較する製品型番】シャープ AQUOS 8K DX1ライン DW1ライン CX1ライン 8T-C60DW1 8T-C70DW1 8T-C60CX1 8T-C70CX1 AQUOS XLED 8T-C65DX1 8T-C75DX1 8T-C85DX1 OLED77Z1PJA LGエレクトロニクス SONY KJ-85Z9H OLED88Z3PJA
今回のお題
最新モデルの8Kテレビのおすすめはどの機種?
どもAtlasです。
今回は、2025年1月現在、最新の8Kテレビの比較です。
展開数は少ないですが、シャープ機ほか、家庭用で手に入る現行品は全て比べます。
ただし、日本では、ここ2-3年、8Kテレビ市場はかなり縮小していることはお断りしておきます。
新機種もほぼでず、既存の機種ものきなみ生産終了です。
監督官庁(総務省)自体も普及活動を「はや忘れた」感すらあります。
ただ、8K放送波はまだありますし、試したい方に向けて、記事更新を続けることにしています。
1・8Kテレビの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2: シャープ
1-3:LG
1-4:ソニー
2・ 8Kテレビの比較 (2)
=最終的なおすすめの提案【結論】
というわけで、記事では、はじめに8Kテレビの「選び方の基本」について説明します。
その後、メーカー順に各機を説明していきます。
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1・10v-15v型液晶TVの比較
2・19v型液晶TVの比較
3・24v型小型液晶TVの比較
4・32v型中型液晶TVの比較
5・40v型のFHD液晶TVの比較
6・4K液晶テレビの比較
7・有機ELテレビの比較
8・8Kテレビの比較
9・チューナーレス4Kテレビの比較
10・テレビの選び方まとめ 【結論】
なお、今回の記事は、このブログのテレビの比較全体では、8回目記事として書きました。
1-1・8Kテレビの選び方の基本
具体的な製品紹介にはいる前に、8Kテレビの「選び方の基本」についての説明です。
テレビ全体の選び方の基本は、このブログの場合、【テレビの選び方のまとめ】記事で、パネル部分ほか、基本的なスペックの「読み方」は解説をしています。
ただ「8Kを選ぶ現在の意義」あるいは「8Kテレビの問題点」については、書かなかったので、ここでフォローしておきます。
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以下では、「映像美」・「音質」・「消費電力」分けて、この部分を説明していきます。
第1に、映像美についてです。
8K映像は、しっかり8K機器で撮影したコンテンツならば、違いが分かるレベルで美しいです。
実際展示を見れば、誰もが圧倒されるので欲しくなると思います。
8Kコンテンツは、しかし、問題点です。
8K放送は、2018年開始の「NHK BS 8K」ほどしか主要放送がないです。
番組数も限られます。
8Kコンテンツだけを楽しめるほどまだコンテンツはないのが、日本の状況です。そうした部分もあり、8Kテレビの展開自体減っているというのが現状です。
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いずれにしても、コンテンツがほぼないので、8Kテレビで4Kコンテンツがきれいに観れるか、は気になる部分でしょう。
シャープによると4Kコンテンツは、8Kでみると画質向上効果があります。
なぜなら、4K放送のコンテンツの多くは「実際に8Kで撮影されている例も多い」ため、TV側で情報を復元することで、その部分を活かせるからです。
8Kテレビのほうが解像感を得やすく画質の粗さが目立たないと言えます。
4K撮影のコンテンツも、テレビで信号を補完・復元(アップコンバート)するので、少なくとも、同性能の4Kテレビより質が落ちることはないでしょう。
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地デジ(2K)は、2回のアップスケーリングを経る必要があります。
画質が良くなるわけではないですが、一般的に、復元性は問題ないです。
ただ、秒以下の時間内で16倍の処理をすることになるので、4K機のほうが多重の処理はしやすい部分はあると言えます。
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一方、テレビは、解像度だけが画質を決定するわけではないことを註記しておきます。
とくに、近年は、ビッグデータをAIに深層学習させ、AIに画像処理を担わせることで画質を向上する機能を搭載する製品が増えています。
しかし、先述のように、8Kテレビは、新製品がほとんど出ない状況です。各製品にそういった技術研究の成果がほとんど活かされない状況です。
技術革新にはある程度利益を度外視してでも、製品を発表し市場投入していくことが欠かせないとAtlasは考えます。
しかし、こうした健全なサイクルは、日本の今の8Kパネル市場では働いていません。
結果、画像補正においては、8Kテレビは、たいていの4Kテレビに後れをとっています。
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結論的にいえば、画質面で「8Kテレビは画質的に4Kテレビの上位互換ではない」というのが現状です。
第2に、音質についてです。
8Kコンテンツは、22.2chというマルチチャンネル信号を送信できる部分が見どころです。
もちろん、録音方法をとったコンテンツは、特別なコンサートなど、例外的なものだけですし、ほとんどないです。
再生機機も【サウンドバーの比較記事】で書いたように、も道半ばです。
これを活かせる再生機機の市販は、バーチャル・リアルを含めて、対応はまだまだといったところです。
第3に、消費電力についてです。
シャープ機の場合、4Kテレビと較べると、同じ画面サイズ・グレードでも、8Kは、消費電力が2倍弱多いです。
500W強は普通にあるので、小型のデスクトップPC並です。
電気代は、同型の4K機と比べて、年間約6,000円ほどの差です。
業界の規定する、年間消費電力量(1日5.1時間利用)に基づく計算です。
必然的に発熱も増えるので、夏場はエアコン代も微増するでしょう。
ただ、同じく8Kを出すLGとソニーは、同社の4K機とほぼ同じ水準です。その点から言って、液晶方式の違いによるのだと思います。
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以上、8Kテレビの「選び方の基本」について紹介しました。
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結論的にいえば、画質面では、8K導入は一般ユーザーには問題点だらけなので、おすすめできません。
ただ、新しもの好きには、特に「面白い」部分があるのは間違いないとは言えます。
8Kを巡る状況があまりに厳しいので、記事自体を消そうと思いました。
しかし、「興味関心」からパネルを試したい方向けに、しばらくは記事を残します。
ただ、一般ユーザーの方は、4Kテレビを買うことを強くおすすめします。進化著しい画像エンジンの性能部分で、残った8K機は、ほとんど最新の4K機に劣る状況ですから
正直、開発企業もですが、政府(総務省)も8Kの存在を忘れている感じがあります。
なお、8Kテレビは、(一時期と違い)日本市場にもうほとんど製品がないです。
現行品だけと比較できないので、生産完了品で「中古のみ」の製品も含めて説明していきます。
価格は、中古は(かっこ)をするなど、分かるように区分して書きました。
1-2・シャープの8K液晶TVの比較
はじめに、シャープの最新8K機の紹介からです。
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なお、以下では、いつものように、Atlasのおすすめできるポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で書きます。
【2020年6月発売】
【60インチ】
1・シャープ AQUOS 8T-C60CX1
¥198,000 Amazon.co.jp (1/16執筆時)
【70インチ】
2・シャープ AQUOS 8T-C70CX1
¥(556,608) 楽天市場 (1/16執筆時)
モニターパネル:8K Pure Colorパネル
バックライト :直下型+エリア制御
解像度:8K画質
倍速液晶:4倍速相当
コンバート:4K
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
BS 8K放送チューナー:搭載(1)
CX1ラインは、シャープの8Kテレビです。
画面サイズは、70インチまでの2種のラインナップです。
現状で8Kテレビの最小サイズは、LGの55インチですが、シャープの場合60インチが最小です。
液晶パネルは、同社の「高級ブランド液晶」となる8K Pure Colorパネルです。
いわゆる、広色域化技術を利用したパネルです。
シャープが10年ほど前に開発したUV2A(UVVA)液晶を利用しています。
他社の上位機で採用するVA(ASV)式を独自改良した技術と言え、光の透過率が高いため、豊かな輝度表現が可能なほか、色純度の高さも期待できます。
上表で示した、VAの良い部分を研ぎ澄ました上位版と言えます。
なお、10年ほど前は、RGBカラーに黄色を混ぜた「4原色」にしたクアトロンUV2Aという発展版がありました。 ただ、色味が不評だったので、8K時代には使用されません。
バックライトは、直下型LEDです。
同社の4Kテレビは、上位機でもエッジ型です。
しかし、UV2A(UVVA)液晶の実力を十分発揮できるように、8Kでは、信頼性の高い直下型LEDです。
その上で、バックライトのエリア制御もなすため、技術的に十分です。
8Kチューナーも、1チューナー搭載です。
加えて、新4K放送チューナーも2基搭載します。
HDR10技術は、この機種も対応します。新衛星放送に使われるHLG規格も東芝同様にフォローです。
画像の立体感や解像感は未対応機よりも高いでしょう。
ただ、シャープは、通常画質(SDR)のHDRアップコンバートに言及がないです。これは、同社の4K機も同じです。
画像エンジンは、Medalist Z1 を搭載します。
2K(地デジ)を8Kまで押し上げるには、エンジンのパワーが必要なので、発売時、8K用には最上位のエンジンを使っていました。
具体的機能としては、8K解像度までのアップスケーリングのための8K精細感復元アップコンバート処理の言及があります。
そのほか、バックライトエリア制御を補完するアクティブコントラストプロや、8Kリアリティ復元アップコンバート・3Dノイズリダクションなどの機能名がカタログ記載です。
加えて、同社ではお馴染みの広色域化技術となるリッチカラーテクノロジープロも搭載です。
一方、2020年世代のエンジンということもあり、同社がその後対応を深める、AIを利用した画質向上処理は、この世代だと非対応です。
画質の自動調整は、イマイチです。
視聴中のコンテンツの種類を解析する機能がないからです。 、
見ている番組のジャンルに合わせて自動で映像調整する機能がないです。音声も同様です。
倍速パネルは、4倍速相当と言えます。
「相当」と付くのは、パネル由来の部分ほか、バックライト制御によって(仮想的に)「2倍」にしているためです。
いずれにしても、スポーツなどの動く映像にも高度に対応します。「
無線LANも内蔵です。
映像配信サービスは、対応です。
ただ、世代的な問題で、旧世代のAndroid TVです。
現行のGoogle TVと違って、コンテンツ感の横断検索などもできません。
スピーカーは、総計70Wと結構パワフルです。
左右にウーファーとトゥイーターが1組ずつの普通のステレオです。
逆に、最近流行の立体音響は、スピーカー構成的にも、規格(ドルビーアトモス)的にも対応しません。
・シャープ 8R-C80A1 【8TB】
¥55,069 楽天市場 (1/16執筆時)
録画機能は、外付けHDDによる録画に対応します。
ただ、8K映像の録画は、同社の8TBの純正ドライブのみ対応します。
データ量の多さから、専用USB端子を経由させた上で、HDD2基でRaidを組まないと処理対応できない事情のようです。
少なくとも、現状ではサードパーティからの対応品の発売はみられません。
なお、4K以下の録画については、一般的なTV用のHDDでOKです。
音声アシスタントサービスは、Googleアシスタント対応です。
TV本体にマイクを搭載するので、リモコンのボタンを押さなくても呼び出せます。
HFR(ハイフレームレート)は、本機は4K/120Hz(4K/120p)をフォローします。
ただ、カクツキを減らす、VRR(バリアブル・リフレッシュ・レート)と、自動的に遅延時間を短縮するALLM設定は、8Kではフォローできないようです
少し特殊な話なので、フレームレートに興味ある方は、このブログの(PC用)【ゲーミングモニターの比較】のほうで書いた話を参考にしていただければと思います。
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以上、シャープのCX1ラインの紹介でした。
すでに新製品がない状況である上で、20年発売と特に画像エンジンの部分の古くささがなんともしがたいので、一般向けには、おすすめしません。
とくに、画像処理の部分は、陳腐化が進んでいます。
ただ、4K機には採用されないUV2A(UVVA)液晶を利用している部分で、ある種の「コレクション的価値」はありそうです。
【2021年6月発売】(現行機)
【60インチ】
3・シャープ AQUOS 8T-C60DW1
¥158,800 Amazon.co.jp (1/16執筆時)
【70インチ】
4・シャープ AQUOS 8T-C70DW1
¥589,680 楽天市場 (1/16執筆時)
モニターパネル:低反射N-Blackパネル
バックライト :直下型+エリア制御
解像度:8K画質
倍速液晶:4倍速相当
コンバート:4K
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
BS 8K放送チューナー:搭載(1)
DW1ラインも、シャープの8K液晶テレビです。
70インチは生産終了、60インチもわずかです。
先ほど見たCX1ラインと比べる場合、本機は、そちらと比べ「上位機」といえる部分と、「下位機」と言える部分があります。
似た機種なので「違い」に焦点を当てて説明します。
第1に、画像エンジンです。
Medalist Z2と1世代新しくなりました。
スマートアクティブコントラストが新機として加わりました。
旧機種も「アクティブコントラストプロ」を持ちますが、TVが入力信号のフォーマットを見ながら調整するようになったので、明暗表現がうまくなっています。
ただ、説明を見る限り、他に新しい機能はなくマイナーチェンジです。
とはいえ、いずれの世代も画像エンジン処理は、(4K機の)現行世代に及ばないので、比較は無意味かもしれません。
第2に、音声アシスタントサービスです。
本機は、Google Assistantを内蔵とし、TV搭載のマイクだけで、本体の操作やAIに天気などの情報を聞けます。
第3に、スピーカー出力です。
こちらは、2WAY式のステレオに、15Wのサブウーファーを組み合わせる形式ですが、55Wとなりました。
ただ、8Kコンテンツの音響を活かしきるには、結局、【サウンドバーの比較記事】で紹介したようなシステムを導入するべきなので、個人的にはこの仕様で良いかと思います。
第4に、液晶パネルです。
こちらも、UV2A(UVVA)液晶を利用しています。
しかし、8K Pure Colorパネルではなく、8K N-Blackパネルとなります。
前者の場合、広色域化(発色)優先で、高級テレビとして映像美を追求したものと言えます。
8K N-Blackパネルは、パネル表面に中空のナノカプセル素材を使い、外光反射の軽減を目指しています。
比較する場合、昼間にカーテンを閉めず、テレビを普通に見る場合、こちらのほうが画質は良いでしょう。逆に暗くしての場合は、1つ上で見たCX1ラインがよさげです。
あとは、CX1ラインと基本的に同じです。
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以上、シャープのDW1ラインの紹介でした。
消極的ですが、8K機の現行機で新品で安めで考える場合、現状で本機ほどしか選択肢がないです。そういった意味では、プレゼンスがあります。
【2022年2月発売】(現行機)
【60インチ】(在庫限り)
5・シャープ AQUOS XLED 8T-C65DX1
¥336,000 楽天市場 (1/16執筆時)
【75インチ】(在庫限り)
6・シャープ AQUOS XLED 8T-C75DX1
¥499,800 楽天市場 (1/16執筆時)
【85インチ】
7・シャープ AQUOS XLED 8T-C85DX1
¥1,422,221 楽天市場 (1/16執筆時)
モニターパネル:N-Wideパネル
バックライト :直下型+エリア制御
解像度:8K画質
倍速液晶:4倍速相当
コンバート:4K
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
BS 8K放送チューナー:搭載(1)
DX1ラインは、シャープの8Kテレビの最上位機です。
画面サイズは、85インチまでの3種のラインナップです。
85インチだと、消費電力は600Wクラスになってくるので、熱の部分を含めてしっかりしたシアタールーム用です。
85インチを除くとそろそろ在庫が尽きかけており、後継機もないです。
液晶パネルは、本機は、低反射広視野角N-Wideパネルです。
VA系ですが、自社のUV2A(UVVA)液晶ではないようです。
同社ではお馴染みの低反射処理ほか、広視野角化処理もされたパネルです。
後者は珍しいですが、後述するように、本機は、視野角を拡げやすいQLED(量子ドット)パネルなのでその工夫があります。
バックライトは、独自性があります。
直下型LED配置であるうえ、mini LEDを採用するからです。
発売年当時は最新の技術であり、現在でも上位といえる技術です。
この方式の他機(4K)同様、エリア制御にも対応です。
た通常の直下型より細かく輝度・コントラスト制御できるためアクティブmini LED駆動とシャープは呼びます。
ただ、後ほど見るLED単位の制御するソニーに比べると、徹底度は普通です。
一方、本機は、先述のように、QLED(量子ドット)パネルです。
LED搭乗前の光源が青色LEDで、全面の量子ドットフィルタを通すことで色表現をする仕組みです。
普通のホワイト光源(WLED)方式より色域を広くできるので、シャープが大事にする広色域化(あざやかさ)の部分で優れます。
パネルは、なお、VAベースのN-Blackパネルです。
コントラストが高めのパネルです。
このほかパネル周りの工夫では、新回路で輝度を高める独自の工夫もあります(フレアブライトネス)。
8Kチューナーは、1つ搭載です。
加えて、新4K放送チューナーも2基搭載します。
構成は、下位機種と同じです。
HDR10技術は、対応します。
画像エンジンは、Medalist Z2Xを装備します。
講評される処理面での機能性は以上の4つです。
やはり、AI技術を処理に使うその後の世代と比べると、この世代は多少古く感じます。
倍速液晶は、4倍速相当です。
無線LANは、内蔵です。
映像配信サービスは、旧世代のAndroid TVです。
ここを目的に買うことはおすすめできません。
スピーカーは、総計70Wです。
また、仕組み自体新しくもなり、ARSS+と呼ばれる新システムです。
下部には、ミッドレンジウーファーが1基、左右それぞれに配置されます。
加えて、上部に最近流行するドルビーアトモスなどの3D立体音響の再生に対応するためもあり、ハイトミッドレンジスピーカー1基が、左右それぞれに配置です。
さらに、上手の緑色の部分ですが、横方向にトゥイーター(ビームトゥイーター)が2基付きますこれに、重低音用のサブウーファが真ん中に2基です。
ユニット合計で12スピーカーと豪華です。
各ユニット単位での出力はあまり強くないですが、方向性としては、最近流行の3D立体音響(ドルビーアトモス)に対応させつつ、視聴位置に左右されず「画面から音を感じる」定位感を重視した配置と言えます。
外部システムだと実現しにくい、TVならではといえる音響にした部分は良い感じです。
ただし、音圧はやはり弱いので、シャープの専用機を含め【サウンドバーの比較記事】で書いたような外部システムを導入した方が効果は高いでしょう。
その他の部分は、下位機種と大きく変わりません。
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以上、シャープのDX1ラインの紹介でした。
量子ドット(QLED)とミニLEDというパネル部分の性能が新しい8K機です。
先述のように、8K機はあまり新機種が出ない点をふまえると、8Kテレビというカテゴリーでは、それなりに新しい製品です。
正確に言えば、これ以後、ミニ LED技術の高度化などがあり、必ずしも最新ではないです。
しかし、もう一般市場で8Kの新製品がでる見込みは(しばらく)なさそうなので、法人などの「8Kシアター」などの代替品として、格安製品を調達したい場合は、ここから見ていく他社機とともに候補になります。
1-3・LGの8K液晶TVの比較
続いて、韓国のLGの販売する8K液晶テレビの紹介です。
なお、LGは、超高級機となる1機を除いて、8K機は日本においてほぼ「生産完了」です。
【2021年10月発売】
【2023年6月発売】
【88インチ】(新品在庫あり)
8・LGエレクトロニクス OLED88Z3PJA
¥3,292,350 楽天市場 (1/16執筆時)
モニターパネル:OLED evo gen3
バックライト :直下型+エリア制御
解像度:4K画質
倍速液晶:2倍速
コンバート:4K/HDR10
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
BS 8K放送チューナー:搭載(1)
OLED77ZXPJA も、LGエレクトロニクスの販売する8Kテレビです。
この製品の88インチは、2024年段階で唯一、LGのカタログに残された8Kの現行機です。
その部分で希少ですが、やはり「8Kミニシアター」的な法人利用の代替品的に残されているモデルと言えます
パネルは、OLED(有機EL)です。
OLEDと液晶テレビとの違いは、【4K有機ELテレビの比較記事】で詳しく説明しました。
一方、OLEDは全て同じ性能ではなく「世代」があります。
本機は、LGの上位パネルのEVO gen3です。
OLED EVOは、白色のOLEDを作る際に、RGBカラーのうち、緑を2色(YG・G)にすることで、波長を整えた部分に特徴があります(図の下段)。
これにより、パネルに発色される輝度がたかまったほか、色再現性もやや高まります。
画像エンジンは、α9 AI Processor 4K Gen6を搭載します。。
このエンジンは、LGの現行4K機だと中級機に搭載のものと同じです。
現行はGen7ですが、さほどの機能差はなく、「ナチュラル表情エンハンサー」に対応しない程度です。
ただ、この製品の本体価格からすれば、同社の最高峰(α11)を積んでいて然るべきという部分からすれば、多少の経年変化は感じます。
なお、LGのこのグレードのエンジンの機能や、4K機だと存在するより上位のエンジンとの機能差は【4K有機ELテレビの比較記事】のLG編に書いています。
HDR技術(HDR10)は、対応です。
8Kチューナーは、搭載です。
新4K放送チューナーは2基当サイトなり、裏番組の録画も可能です。
倍速パネルは、非搭載です。
点滅制御で疑似的にそれを再現するTruMotion 120が搭載されるだけです。
録画機能は、搭載です。
ただ、8Kコンテンツの録画はできません。
スピーカーは、出力は80Wです。
トゥイーター2基、ミッドレンジ2基、ウーファー2基での4.2ch構成です。
HFR(ハイフレームレート)は、本機は4K/120Hz(4K/120p)をフォローします。
その他の部分は、基本的に下位機種と同じです。
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以上、LGの OLED77ZXPJAの紹介でした。
値段を度外視すれば、新品が現行で日本市場で手に入る8K機として希少です。
すでに、デンキヤでも展示は見られなくなっているので、基本的には「必要に迫られた」設備更新ようになるかと思います。
ただ、エンジンは最新ではないにせよ、差ほど陳腐化していないので、そうした用途では選べる余地はあります。
1-4・SONYの8K液晶テレビの比較
続いて、ソニーの8Kテレビです。
同社の場合、8Kは液晶を利用します。
【2020年3月発売】(現行機)
【85インチ】
9・SONY BRAVIA KJ-85Z9H
¥1,015,872 楽天市場 (1/16執筆時)
モニターパネル:トリルミナス
バックライト :直下型+独立LED制御
解像度:4K画質
倍速液晶:2倍速相当
コンバート:4K/HDR10
フレームレート:4k/120p
新4K放送チューナー:搭載(2)
BS 8K放送チューナー:搭載(1)
Z9Hシリーズは、ソニーの8K液晶テレビです。
100万円前後ですが、最終的に残った8Kパネルの1つです。
画面サイズは、85インチのみです。
液晶パネルは、トリルミナスを採用です。
パネル自体は非公開ですが、広色域化処理をしたVAでしょう。
バックライトは、直下型パネルに、ライトのエリア制御が加わる方式です。
ただし、エリア制御は、かなり高度です。
バックライト マスタードライブとして、LED単位で独立して輝度制御する技術が採用です。
単独のLEDごとに制御する技術は(コスト要因で)これより先も他社が追随しなかった点で、ソニーの独自技術です。
このほか、X-Wide Angleという、視野角の向上技術が採用です。
LEDライトの光の拡散性を高める技術改良です。
8Kチューナーは、本機も搭載します。
4Kを含めて2基で、片方が視聴専用、片方が録画専用です。
HDR10技術は、搭載します。
さらに、SDコンテンツをHDR化するHDRリマスター機能があります。
同社のオブジェクト型超解像技術を発展させたもので、標準画質でもHDR相当の画質まで、アップコンバートできます。
倍速パネルは、 搭載です。
バックパネル制御もあるので4倍速相当です。
ソニーは部分駆動制御ができるため、利用しても利用時に画面が暗くなりにくい特性があるので、少し上位です。
X-Motion Clarityと呼びます。
画像エンジンは、X1 Ultimateを装備します。
2Kや4Kを8Kに対応させる技術8Kアップスケーリング時に、画像内の物体(空や建物)に合わせた高度なノイズ除去を行うという記述がみられます。。
オブジェクト型超解像技術の言及もあります。
超解像用と、ノイズ用途、2つのデータを組み合わされた「デュアルデータベース分析」を行う仕様です。
このほか、X-tended Dynamic Range PRO技術も見どころです。
パネルの部分駆動制御と連動し、暗部に使うはずの電流を明部に利用することで、コントラスト比を上げるという技術です
このように、エンジン周りは割と工夫があります。。
しかし、公平を期して言えば、エンジンの部分はやはり最新ではないです。
2018年登場のエンジンなので、陳腐化してはいませんが、AI技術に関わる部分でやはり旧制第です。近年、1年単位でも相当進化するので、現状では新機種の登場が待たれる状況です。
【Amazon限定】
バッファロー 2TB HD-AD2U3
¥11,480 Amazon.co.jp (1/16執筆時)
録画機能も、別売の外付けハードディスクの増設で対応します。
ソニーは、、8K放送の録画についも、特段HDDの指定はないです。
【外付けHDDの比較記事】で紹介しているような録画用ならば利用可能でしょう。
ただ、録画中の同時再生ができない点、早戻し/早送り非対応な点などの制限はあります。
番組表は、4K表示は非対応ですが、それなりの水準です。
優れた画像エンジンで、操作性も良いです。
映像配信サービスは、しかし、Android TVです。
現行は、横断検索などができるGoogle TVなので、ここは既に陳腐化しています。
スピーカーの音質は、55インチ機は、総合出力は80Wと、充実します。
スピーカー構成的は、左右に3WAY式の2チャンネルと、上部左右に同様の構成で2チャンネル、裏面にサブウーファーがみられる3.1.2chです。
ステレオ音源の多チャンネル化には非対応ですが、ドルビーアトモスには対応なので、ゲームや映画などで対応音源ならば、3D立体音響を楽しめます。
マイクを使った自動音場補正にも対応するのは、同社が音響メーカーでもある利点です。
音声アシスタントサービスは、TV自体でAI(Googleアシスタント)を呼び出せる仕様です。
GoogleHomeなど【別売のスマートスピーカー】なしで、音声によるテレビ操作が可能です。
ただし、呼び出せるには、リモコンのGoogleボタンを押した際だけです。
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以上、ソニーのZ9Hシリーズの紹介でした。
バックライトの高度な工夫で、有機ELに対しての液晶の弱点(黒の締まりの低さ)を改善した製品です。
ただ、4Kだと、この方法ほどコストがかからず、画質が伸ばせる方法が既に開発されています。おそらく、後継機はでないでしょうが、このクラスの8Kの市販品がない現状では、プレゼンスがあるとは言えます。
次回につづく
最新モデルの8Kテレビのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は8Kテレビの比較でした。
しかし、記事はもう少しだけ「続き」ます。
2・ 8Kテレビの比較 (2)
=最終的なおすすめ機種の提案
映像の美しさ ★★★★★
目の疲れにくさ ★★★★★
音質の良さ ★★★★☆
ネット動画 ★★★★★
番組表 ★★★★★★
総合評価 ★★★★★★
上表のような観点から、いつものように、Atlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続き、よろしくお願いします。
2回目記事は→こちら
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