1回目記事からの続きです→こちら
2-1・ベンキューのモニターの比較
2回目記事のトップバッターは、台湾のベンキューのモニターです。
同社は、「目の優しさ」の部分で、ワンポイントのあるモニターを作るのが上手な会社です。
1・27型-28型4Kモニターの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:DELL〈米国〉
1-3:LG〈韓国〉
2・27型-28型4Kモニターの比較 (2)
2-1:BenQ〈台湾〉5K
2-2:ASUS〈台湾〉5K
2-3:Apple〈米国〉5K
3・27型-28型4Kモニターの比較 (3)
3-1:EIZO〈日本〉
3-2:アイオーデータ〈日本〉
3-3:フィリップス〈欧州〉
3-4:HP〈米国〉
3-5:ACER〈台湾〉
3-6:TCL〈中国〉
4・27型-28型4Kモニターの比較 (4)
4-1:イイヤマ〈日本 〉
4-2:JAPANNEXT〈日本〉
4-3:レノボ 富士通 ほか〈各社〉
5・4Kモニターの比較
5-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿って解説していきます。
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なお、以下では、高評価できる部分は赤系の文字色で、イマイチな部分は青字で、本文を書いていきます。
【2024年発売】【27インチ】
15・BenQ MA270U
¥79,901 Amazon.co.jp (5/1執筆時)
15・BenQ MA270U-JP
¥81,940 楽天市場 (5/1執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:400cd/u
パネル:IPS ナノマットパネル
コントラスト比:1200:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR400
USB給電:90W
接続端子: HDMI2.0×2 USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:3W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:1年(本体は3年)
MA270U は、台湾のBenQが販売する4Kモニターです。
Windows PCなどでも使える機種ですが、MacBook向けモニターとして、同社が推薦するシリーズで、デザインに統一感を持たせています。
4辺フレームレスにせず、3辺フレームレスにしているのも、統一感が理由のようです。
液晶パネルは、本機も(スタンダードな)ノングレアのIPSです。
IPSにはいくつかグレードがありますが、こちらはスタンダードなIPSです。
色域は、DCI-P3カバー率は95%です。
パネルだけで言えば、デザイナー向けの「入門機」ほどの実力はあります。
一方、表面加工は、ノングレアではなく、同社のナノマットパネルです。
2024年登場の新技術です。
フィルム基板(ノングレア)の上に、低反射レイヤーを積層させることで、さらに反射率を抑えるという仕組みです。
同社によると、通常のノングレア(約3.5%)から、3%以下まで軽減されるとのことです。ちなみに、さらに上位のナノマットパネル Proは1%とされます。
Appleの一部製品に採用されるnano-textureガラス処理と違い、手入れは普通のディスプレイと同じで良いようです。
輝度は、400cd/uです。
最近の4Kパネルの標準よりやや良いスペックです。
HDRは、HDR400に対応します。
十分なスペックでしょう。
応答速度は、5ms (GTG)です。
コントラスト比も、1200:1です。
こちらもIPSの平均値より少し良いです。
画質調整機能は、目の優しさ」に関わる部分は、フリッカーフリー・ブルーライト軽減などの基本は当然おさえます。
その上で、このモデルは、環境光センサー(明るさセンサー)を搭載し、室内の明るさに応じた輝度調整にも対応します。
「ブライトネスインテリジェンス Gen2」(B.I. gen2 )という機能名です。
適切な輝度でモニターを見ることは「目の疲れにくさ」にとって重要なので、今回の比較の趣旨からすると、「かなり良い製品」と言えます。
環境光センサーは、照明の明るさだけでなく、照明の色温度も検知して調整します。そのため、シンプルな明るさセンサーだけ搭載の他社機より、本機は能力が高いでしょう。
なお、この機能性は、だいぶ前から同社の上位機に装備されてきましたが、本機は第2世代になります。
第2世代だと、起点としたい明るさをユーザーが自由に決定できるようになり、利便性が増しましています。
設定面では、同社のアプリ(Display Pilot 2)でMac(PC)から細かい画質調整ができる仕様であるほか、MacBook画面との併用時同時に輝度が調整できる機能も搭載です。
加えて、同社のデザイナー向けの上位機と同じで、色味をMacBookと合わせて最適化できる「M-BOOK」モードも使えます。
これらの部分を含めて「MacBook向け」としています。
スタンドは、フル稼動です。
調整幅は、高さ(115mm)、チルト角度(上20° 下5°)、回転(90度)、左右(30度)のです。
同社の上位機(デザイナー用)と同じ仕様ですが、幅自体はそこまで広いわけではなく、必要十分なほどです。
接続端子は、HDMI 2.0が2系統と、 USB-Cが各1つという構成です。
USB-Cは、PD(パワーデリバリー)対応で95Wの給電力です。
大画面MBPでも問題なく使えるようにしています。
USBハブも装備です。
USB-A(USB3.0)が2ポートと、USB-C(USB3.0)が1ポートです。
高速なSSDストレージを除けば、ストレージをつなげても問題ないスペックです。
なお、USB-Cは15W給電もできます。
HDCP2.2には対応です。
この部分でも汎用性が高いです。
スピーカーは、総合6Wで付属です。
保証期間は、3年間ですが、パネル・バックライトは1年保証です。
一方、末尾「-JP」の機種に限っては、無輝点保証があります。じっくり初期不良を探すならば別ですが、他社より短い1ヶ月限定ですし、「なし」のものを含めて、値段で決めて良いでしょう。
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以上、BenQのMA270U の紹介でした。
MacBook Proユーザー向けのディスプレイの「定番」となりそうな製品です。
パネルの素性は申し分ない上に、ナノマット加工はさらなるワンポイントです。グレアではなく、ノングレアに低反射処理をする工夫は、独自ですし。この部分と、スタンド、明るさセンサーの工夫を含めて「目の優しさ」への配慮が特に高い機種といえます。
端子構成も、Mac向きに思えますし、デイジーチェーンの必要がないならば、こちらを選んで間違いないでしょう。
【27インチ】
【2025年発売】
(通常スタンド)
16・BenQ AQCOLOR PD2706U
¥80,455 楽天市場 (5/1執筆時)
(アーム仕様)
16・BenQ AQCOLOR PD2706UA
¥95,455 楽天市場 (5/1執筆時)
輝度:350cd/u
HDR:HDR400
【2022年発売】
(通常スタンド)
17・BenQ AQCOLOR PD2705U
¥69,300 Amazon.co.jp (5/1執筆時)
(通常スタンド+1ヶ月無輝点保証)
17・BenQ AQCOLOR PD2705U-JP
¥76,230 楽天市場 (5/1執筆時)
(アーム仕様)
17・BenQ AQCOLOR PD2705UA
¥104,400 Amazon.co.jp (5/1執筆時)
輝度:250cd/u
HDR:HDR10
解像度:4K(3840×2160)
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1200:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
USB給電:65W
接続端子: HDMI2.0 DP1.4 USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:2.4W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
PD2706Uは、台湾のBenQが販売する4Kモニターです。
デザイナー向けのAQCOLORシリーズに属します。アーム仕様の兄弟機もありますが、パネル部分は同じです。
一方、旧機が残ります。
比較する場合、スペックはほぼ同じですが、輝度が350cd/uとスペックが上がり、「今どきな仕様」なりました。
デザイン向けの入門機ですし、必ずしも遮光して使う方ばかりではないので、スペック的に使いやすくなったと見て良いです。
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結論的にいえば、スペック面だけで言えば、最低輝度にこだわる方でないならば、新機種が良いでしょう。
液晶パネルは、本機も(スタンダードな)IPSです。
色域は、動画編集に重要なDCI-P3カバー率は95%です。
広色域パネルとまではいきませんが、sRGB100%のカバー率で、この部分は、さすがに優秀です。
輝度は、350cd/uです。
HDRは、HDR400の水準で対応です。
新機種になって伸びた部分です。
応答速度は、5ms (GTG)です。
コントラスト比も、1200:1です。
若干ですが、IPSの平均値より本ややスペック高めのパネルです。
画質調整機能は、「デザイナーディスプレイ」の方向性で優れます。
個別キャリブレーションした上での出荷をしているため、この価格の他社機に比べて、色にかかわる正確性が担保されていると評価できます。
その上で、CAD/CAMモード・デザインモード・暗室モードなど、デザイン業務にかかわる自動調整機能が充実している点が、他社との違いです。
MacBookと同時利用する際に、色味を合わせる「M-BOOK」など、独自機能もあります。
一方、ベンキューの通常機の「強み」の1つといえる、明るさセンサーは不採用です。
スタンドの品質は、2機で異なります。
通常機は、稼働性として言えば、前後左右高さ回転と「パーフェクトスタンド」です。
高さ(110mm)、チルト角度(上20° 下5°)、回転(90度)、左右(30度)の範囲で調整できます。
問題ない数字ですが、特に高さ調整の部分は、EIZOなどに比べると少し落ちます。
アームタイプは、4軸で、1回目でみたLGモニターと同じほどです。
支柱タイプなので、別売高級機でより良いものがあるとは言え、純正で揃うのは良いです。
調整幅は、高さ15cm、チルト角度(上30° 下5°)、左右(275°)と縦回転です。
VESA規格にも対応します。
接続端子は、DisplayPort、HDMI 2.0 USB-Cが各1つという構成です。
USB-Cについては、PD(パワーデリバリー)対応で、65Wの給電力です。
一般的な中型のノートPCでも速度低下なしに給電できそうです。
HDCP2.2には対応です。この部分でも汎用性が高いです。
スピーカーは、付属です。
保証期間は、3年間です。
ベンキューはデザイナー向けは、パネルを含めての3年です。
一方、末尾「-JP」の機種に限っては、無輝点保証があります。じっくり初期不良を探すならば別ですが、他社より短い1ヶ月限定ですし、「なし」のものを含めて、値段で決めて良いでしょう。
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以上、BenQのPD2706Uなどの紹介でした。
ストイックな「デザイナー用」の中級機としてまだ評価できます。パネルスペックを含めて、柔軟に使えそうです。
一方、同社の売りである「明るさセンサー」は省略となる部分と、輝度など、あくまでデザイナー向けのディスプレイ調整となっている製品です。
一般ユーザーについて言えば、同価格帯にほかに良い機種はあるでしょう。ベンキューだけでいっても、先ほどのMAシリーズのほうが良いと思います。
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【2021年発売】
(通常スタンド)
18・BenQ AQCOLOR PD2725U
¥129,091 Amazon.co.jp (5/1執筆時)
(通常スタンド+1ヶ月無輝点保証)
18・BenQ AQCOLOR PD2725U-JP
¥129,091 楽天市場 (5/1執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:250cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1200:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR400
USB給電:65W
接続端子: HDMI2.0×2 DP USB-C×2
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:2.5W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
なお、本機の、1グレード上の上位機となるのが、PD2725Uです。
ただ、2021年機なので、輝度250cd/uの世代になります。
おそらく、あとで見る5K機が後継機となると思われるので、新仕様での後継機は出ないかなと思います。
液晶パネルは、本機もスタンダードなIPSです。
パネルの仕様は、同年発売のデザイナー用の中位機種(PD2750U )と同じです。
したがって、輝度、色域なども同じです。
HDRには、ただ、(下位機の25年仕様と同じで)HDR400に対応です。
標準輝度を抑えつつ、バランスを崩さずHDR400水準に対応させた点がポイントです。
画質調整機能は、下位機種と基本的には同じです。
したがって、明るさセンサーは、こちらも未装備です。
スタンドの品質は、本機もフルスペックで稼働します。
高さ(150mm)、下(5度)、上(20度)、回転(90度)、左右(30度)の範囲で調整できます。
剛性の部分も、下位機種よりしっかりしたスタンドで、値段差分の差は感じます。
接続端子は、DisplayPort、HDMI 2.0 USB-Cが各1つという構成です。
USB-Cによる65W給電や、デイジーチェーンに対応できる部分も同じです。
USBハブは、USB-A形状のUSBハブ(USB3.1)が2つです。
そのほか、USB-C(USB4.0)が別にあります。高速であるほか、15W給電に対応するため、スマホの充電用など、使い道はあるかと思います。
そのほか、BenQではお馴染みの、丸いコントローラー(ホットキーパック G2)も装備です。
スピーカーは、2.5Wのステレオで付属です。
保証期間は、3年間です。
---結論的にいえば、中位機の場合と同じで、(視聴を含め)デザイン用途以外での利用には向かないと言えます。
逆に、その用途ならば候補にできますが、輝度が低いのは、現状だと弱点でしょう。
【2025年発売】【27インチ 5K】
19・BenQ AQCOLOR PD2730S
¥186,364 Amazon.co.jp (5/1執筆時)
解像度:5K(5120×2880)
輝度:400cd/u
パネル:Balck-IPS ナノマット加工
コントラスト比:2000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(5K)
HDR:HDR400
USB給電:90W
接続端子: HDMI2.1×1 DP1.4 USB-C×1
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:3W×2
4K動画再生:HDCP2.3
保証期間:3年
AQCOLOR PD2730Sは、ベンキューのデザイナー向けの5Kモニターです。
なお、本機と同グレードの31.5型(PD3226G)は、4K機です。
その上で144Hzの高リフレッシュレート機になるため、個のブログでは【4Kゲーミング用モニターの比較記事】で別にに取りあげています。
5Kモニターの市販品は希少なので、一般利用でも欲しい方はいそうです。
本機については、動画コンテンツを扱うデザイナー向けと言えます。
末尾「JP」の型番は、先述のように、1ヶ月限定ですが、無輝点保証付きです。
液晶パネルは、IBlack IPS(相当)です。
輝度は、400cd/uと高く、色域は、DCI-P3 98%、コントラスト比も、2000:1と良いです。
価格相応によい性能です。恐らく、従来機ならBOE製の5Kパネルか、AUOあたりの新型かなと思います。
なお、パネル表面は、先ほどみた同社のMacBook向けと同じ、低反射処理(ナノマットコート)があります。
HDRは、HDR400で対応です。
画質調整機能は、1つ上でみたデザイン用下位機種と基本的には同じです。
モードを含めて、新たに加わっているものはないです。
したがって、明るさセンサーは、こちらも未装備です。
キャリブレーションは、一方、本機は、ソフトウェアキャリブレーション対応です(BenQ Palette Master Ultimate )。
ハードウェア方式のほうが正確性は上で、同社のデザイナー向けハイエンド(SWシリーズ)は、そちらに対応させます。
PDシリーズの場合、利用までの速度を優先してこの方式です。いずれにしても、本機がやや高めの値付けなのは、ここも理由です。
なお、初心者が数クリックで色合わせできる「BenQ Display ColorTalk」も装備です。
スタンドの品質は、フルスペックで稼働します。
高さ(150mm)、チルト(下5度 上20度)、回転(90度)、左右(30度)です。
同社の、しっかりした上位スタンドであり、豪華です。
接続端子は、HDMI2.1×1 DP1.4 USB-C×1が各1つという構成です。
USB-Cは、90WのUSB-PD給電に対応できます。
本機も、デイジーチェーンに対応です(最大2台)。
USBハブは、USB-A(USB 3.1)が2ポート、USB-C(USB3.1)が1ポートです。
先述のように、本機はデイジーチェーンに対応するUSB-C(Thunderbolt 4 )出力がありますが、PC接続に使わない場合、15W給電対応の高速USBポート(USB4)として使えます。
そのほか、本機も、丸いコントローラー(ホットキーパック G3)も装備です。
第3世代になり、ワイヤレスになりました。
IR(赤外線)で、モニターとつなげる仕様のようです。
スピーカーは、2.5Wのステレオで付属です。
保証期間は、3年間です。
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以上、ベンキューの PD2730Sの紹介でした。
先述のように、5Kモニターは展開が限られるので、一般ユーザーでも欲しい方はいるでしょう。
パネルスペックも、スタンドも高レベルですし、接続もビジネス向けにも使えそうです。Macならば(出る気配のない)iMac 27型の代替用としてもよさげに思います。
ただ、同じパネルを利用した5K製品が、次に見るASUSも出したので比較は必要です。
【2024年発売】
【27インチ】
20・BenQ SW272U
¥242,000 Amazon.co.jp (8/21執筆時)
20・BenQ SW272U-JP
¥220,000 楽天市場 (8/21執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:300cd/u
パネル:広色域IPS ナノマット加工
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR10
USB給電: 90W
接続端子: HDMI 2.0×2 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
SW272C は、台湾のベンキューが販売する4Kモニターです。
解像度は、こちらは、4Kです。
同社のデザイナー向けディスプレイの「ハイエンド」となります。
本機の場合も、末尾「-JP」の機種に限っては、無輝点保証があります。じっくり初期不良を探すならば別ですが1ヶ月限定ですし、「なし」のものを含めて、値段で決めて良いでしょう。
ハードウェアキャリブレーションに標準対応する本格的な製品です。
輝度と色を数十個にエリア分割してムラ補正します。
BenQ HB27 遮光フードブリッジ
¥21,600
また、遮光フード専用品が別売されます。
もちろん、個別キャリブレーションした上での出荷です。
液晶パネルは、広色域IPSといえる、IPSの上級品です。
色域は、したがって、DCI-P3 99%です。
静止画向けのスペックでも、sRGB100%・Adobe RGB 99%ですので、マルチに使えます。
なお、本機も、先ほどの機種(MacBook向き)でみたナノマット加工です。ディスプレイ表面に施し、映り込み防止をノングレア以上に強化しています。
24年登場の技術ですが、Apple系のガラスを利用する処理技術(nano-textureガラス)と違って、特殊な手入れも不要で、弊害の指摘も今のところないです。
輝度は、400cd/uです。
24年登場のハイエンド機だけに、しっかりしたスペックにしています。
HDRは、HDR400です。HLGにも公式対応します。
応答速度は、5ms (GTG)です。
問題のない数字です。
画質調整機能は、本機も「デザイナーディスプレイ」の方向性です。
モノクロモードほか、sRGB・P3・Adobe RGBなど、一通りのデザイン向けモードを装備します。
また、専用コントローラー(ホットキーパックG3)を装備し、簡単に色などの切替ができる仕様です。
スタンドの品質は、本機もフルスペックであり、問題ないでしょう。
調整幅は、チルト(上5° 下20°)左右(60°)と高さ(14cm)と縦回転です。
接続端子は、HDMI2.0が2系統と、DP1.4およびUSB-Cです。
USBは、PD対応で対応するノートPCに90W給電に対応です。
USBハブも装備します。
ただし、USB-A(USB3.0)のみで2端子です。
また、本機は、DP出力はないので、ディスプレイ経由でのデイジーチェーンは非対応です。
HDCP2.2には対応です。
スピーカーは、未付属です。
保証期間は、3年間です。
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以上、BenQのSW272C の紹介でした。
ハイエンドのデザイナー向け4Kディスプレイは他社からも発売します。本機の場合、動画でも静止画でもパネル部分のスペックは問題ない高レベルです。
HDR1000以上の水準を要するような作業を伴わないならば、万能にこなしてくれそうです。
使い勝手の部分も、アプリベースでの設定ほか専用コントローラーもあるため、配慮が行き届いている製品に思えました。
その上で、先述のナノマット加工の部分が独自性と言えます。各社のデザイナー向けのハイエンド機と比べても、フード環境にしない前提では、画面の写り込みにおいて最も対策のある機種といえるでしょう。
2-3・ASUSのモニターの比較
はじめに、台湾のエイスースのモニターです。
日本では、ゲーミング全般に強い印象のあるメーカーですが、デザイナー向けも結構出します。
【2022年発売】
【28インチ】
21・ ASUS VP289Q
¥39,864 Amazon.co.jp (5/1執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/m2
パネル:IPSノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR10
USB給電:
接続端子:HDMI 2.0x2 DPx1
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2w×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
VP289Qは、台湾のASUSが出している28インチの4Kモニターです。
冒頭で書いたように、27インチと28インチとは誤差範囲のサイズ感ですので、気にしなくて良いかと思います。
解像度は、4K画質です。
液晶パネルは、スタンダードなIPSです。
28インチの刻みはLGにないと思うので、おそらく台湾のAUO(IPS-AHVA)のパネルかなと思います。採用実績は長いですし、それでも問題ありません。
色域は、DCI-P3のカバー率は90%です。
数値としては決して悪くないですが、LGの入門機が95%からでしたので、弱いと言われれば否定できません。
デザイナー向けではないので、過度には気にしなくて良いかとは思いますが。
sRGB100%の色域は保証されますので、静止画は問題ないです。
応答速度は、オーバードライブ時に5msです。
液晶の輝度は、350cd/m2です。
HDRは、HDR10ですが対応です。
画質調整機能は、ゲームPlusとしてAimpointやタイマーほか、ゲーム向けではお馴染みの機能が搭載です。FreeSyncにも対応するので、そちらの需要もある程度ふまえています。
一般的な映像美の部分では、同社のSplendidエンジンを搭載し補整します。
輪郭強調技術(VividPixelテクノロジー )ほか、テレビ的な技術をASUSも取り入れています。
「目の優しさ」に関わる部分は、ディスプレイのシリーズ名からすると一見重視していそうです(ASUS Eye Careテクノロジー)
ただ、ブルーライトカットのほかは、フリッカー対策ほどなので、あまり優れません。
シームレスなブルーライト調整は確かに「ポイント」なのですが、Atlasは、色味が変わるブルーライト調整には(目への優しさを含めて)あまり肯定的でないので、このような評価になります。
繰り返し書いているように、十分に輝度が調整でき、正しい角度で、モニターからしっかり目を離して使うのが「疲れない秘訣」です。
スタンドの品質は、「オマケ程度」です。
上下に角度が変えられるチルト(上23°/下5°)だけになります。
接続端子は、HDMI 2.0x2 DisplayPortx1という構成です。
HDCP2.2には、対応です。
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以上、ASUSのVP289Qの紹介でした。
スタンドが高性能だったらなあ、と思わざるをえない製品です。
その他の部分は、ISP液晶・フリッカー対策と「目の優しさ」に必要な要素は持ちますし、画像処理部分でも、HDRを2モード搭載するなど独自性もみられます。
ゲーム向けの技術の採用が多いので、実際そちら向きな機種には思えますが、動画視聴や仕事を含めて、そつなくこなせるでしょう。
スタンドについては、とりあえず、使ってみて調整量に不満を感じたら、VESAマウントはできるので、アームなどの取替を考えると良いかと思います。
【2022年発売】
【27インチ】
22・ASUS ZenScreen Smart Monitor MS27UC00
¥69,800 楽天市場 (5/1執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/m2
パネル:IPSノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR400
USB給電:90W
接続端子:HDMI 2.0 DP1.4 USB-C
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2w×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
ZenScreen Smart Monitor MS27UC00 は、ASUSが一般ユーザー向けに出す27型4Kモニターです。
既に見たLG機にもあったような、「スマートTV」的に利用できるタイプの製品です。
LGの場合、自社のWebOSを積んでいました。
本機の場合、Google純正のGoogle TVをシステム採用している点が独自です。
ようするに、PCに依存せず、テレビとして使えるというコンセプトです。
その部分では、【4KチューナーレスTVの比較記事】で見た製品がライバルでしょう。ただ、このサイズの小型では展開がないので、デスクトップで利用したい場合、候補となります。
解像度は、4Kです。
液晶パネルは、スタンダードなIPSです。
LG機と同じで、輝度、色域とも普通のスペックな製品で、この部分で個性はないです。
なお、PC用なのでノングレア(非光沢)です。そのため、一般的なテレビ(ハーフグレア)とは、表面処理は変わります。
なお、コントラスト比は、ダイナミック比では100万:1です。
応答速度は、オーバードライブ時に5msです。
HDRは、HDR400です。
ピーク輝度は、やや高く設定されています。
画質調整機能は、フリッカー対策はありますが、その程度です。
一方、ゲーム向けの諸機能や、同社の映像補正(Splendid)などの言及はないです。
この部分で言えば「ライト層」向けの製品かなと思います。
スタンドは、チルトのみです。
上下に角度が変えられるチルト(上18°/下5°)だけで、可動幅も狭いです。
VESA対応で、アーム交換はできます。
接続端子は、HDMI 2.0 DP1.4 USB-Cという構成です。
USB-Cは、ノートPCほかに90W給電が可能です。
相当のハイエンドノートPCでないならば、フル速度で給電できそうです。
HDCP2.2には、対応です。
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以上、ASUSのZenScreen Smart Monitor MS27UC00の紹介でした。
LG機とパネル回りのスペックはほぼ同じです。Google TVをマストと考えるならば、こちらでも良いかと思います。
ただ、PCモニターとして考える場合、スタンドの稼働性はイマイチです。TV部分でいっても、LGと比べて、明るさセンサーなどもないですし、現状だとそちらの方が多少、仕様面で良くみえる感じです。
【2023年発売】【27インチ】
23・ASUS ProArt PA279CRV
¥79,875 Amazon.co.jp (5/1執筆時)
HDR:HDR400
USB給電: 96W
接続端子: HDMI 2.0×2 DP×2 USB-C
【2021年発売】【27インチ】
24・ASUS ProArt PA279CV-J
¥55,554 Amazon.co.jp (5/1執筆時)
24・ASUS ProArt PA279CV-R
¥59,818 楽天市場 (5/1執筆時)
HDR:HDR10
USB給電: 65W
接続端子: HDMI 2.0×2 DP USB-C
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:広色域IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内臓(2W×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
ASUS ProArt PA279CRVV は、台湾のASUSが販売するデザイナー向け4Kモニターです。
旧機種が残ります。
上表で示したように、USB-Cの給電力の強化・HDR400への対応と、端子構成において差があります。加えて、後述しますが、パネルの色域の部分で進化がありました。
なお、旧機は2系統ありますが、流通経路の違いだけで、付属品を含めて同じです。
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結論的にいえば、今選ぶならば新機種と言えます。
パネルは、広色域IPSです。
メーカーやブランドは不詳ですが、スペック的に広色域IPSです。
関係性からすると、おそらく、台湾のAUO(AHVA-IPS)の広色域モデルかなと思います。
色域は、新機種になって、大幅に向上しました。
DCI-P3で99%、Adobe RBGでも99%ですので、動画・静止画問わず、スペック上、進化したと言えます。
旧機は、sRGB100%・Adobe RGB 81%の色域でしたので。
しっかり、個別キャリブレーションした上での出荷です。
表示色も、しっかり、10bitの10.7億色である旨の表記があります。
高級なデザイン用として文句ないでしょう。
輝度は、350cd/uです。
HDRは、HDR400の水準です。
応答速度は、5ms (GTG)です。
画質調整機能は、「デザイナーディスプレイ」として高度です。
12種類のProArt Presetで自動的に画質調整できます。
スタンドの品質は、フルスペックです。
調整幅は、高さ13cm、チルト角度(上23° 下5°)、左右(60°)と縦回転です。
旧機より多少可動範囲は狭くなったものの、実用性は十分です。むしろ、エルゴノミクスや、取り回しからの改良でしょう。
接続端子は、DisplayPort・HDMI 2.0が2系統、 USB-C端子が1系統です。
USB-Cの給電力は96Wとかなりパワフルです。
グラボ搭載のゲーミングノートPCのようなものでも、高速充電できそうです。DPを使ってのデイジーチェーンにも対応できます。
そのほか、USBハブが付属です。
速度は普通のUSB3.0(USB3.2 gen1)ですが、USB-A2つのほか、USB-Cが1系統というのは、何かと便利そうです。
HDCP2.2には対応です。
スピーカーは、貧弱ですが内臓です。
保証期間は、3年間です。
加えて、3年間の「ZBD(ドット欠け)保証」の明記があります。デザイン用のPAシリーズについては、輝点はゼロ、黒点も5以下なら保証です。
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以上、ASUSのProArt PA279CVの紹介でした。
用途的に最も重要なパネル部分のスペックがこの価格クラスのデザイナー向けとしては良いです。色域重視で考える場合、デザイナー向けの中級機としては、かなり良い選択肢に思います。
HDR400に対応しつつ、Adobe・P3ともに99%で、この価格というのはお買得感があります。利便性の面でUSB-C給電に対応している面で、ノートPCとの相性は良さそうです。
フルの3年保証と、無輝点保証の部分も含め、その用途で考える場合は有力候補となります。
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【2020年発売】【27インチ】
【遮光フードなし】
25・ASUS ProArt PA27UCX
¥227,756 楽天市場 (5/1執筆時)
【遮光フードあり】
25・ASUS ProArt PA27UCX-K
¥346,800 Amazon.co.jp (5/1執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:1000cd/u
パネル:QminiLED-IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:HDR1000
USB給電: 65W
接続端子: HDMI 2.0×2 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内臓(2W×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
なお、プロデザイナー用として、同時に以上の製品もあります。
本機は、色合わせのためのハードウェアキャリブレーションに対応するため、この値段となります。先ほどの機種と同じで、無輝点保証も付属です。
パネルは、QminiLED-IPSです。
いわゆる「量子ドット技術」で、光源に青色LEDを採用し、パネルの後部に特殊フィルムを差し込むことで、色再現性を高めているIPSです。
その上で、光源をエッジではなく、テレビのような直下配置にしたうえでミニLEDを敷き詰めるタイプです。
輝度は、したがって、1000cd/uです。
ちなみに、IPS液晶に量子ドット技術とミニLEDを組み合わせた4Kテレビは、最近の高級機の主流で、それと同じ技術です。
ユーザー視点では、この技術の利用に問題は感じません。
ただ、発光方法が異なるのでクリエーター視点だと、また別の画質評価がありえるかもしれませんけれど。
色域は、sRGBで100%・AdobeRGBも99.5%・DCI-P3 99.5%カバーです。
ASUSの場合、31.5インチにもmini-LEDを採用した最上位機があります。それと比べても、HDR対応の部分以外は同等で、DCI-P3カバー率はか少し上位です。
また、色域のスペックだけで言えば、静止画でも動画でも、性能は他社のハイスペック機に比べても上位です。
また、直下型+エリア制御という仕様を利用してASUS OCO (Off-Axis Contrast Optimization) テクノロジーを搭載します。
これにより、黒の締まりが良くなるほか、斜めから見た際の色合いが補正されます。
一方、本機は、デザイナー向けディスプレイとしては珍しく、3辺フレームレスなので、デュアルディスプレイなどは組みやすいかと思います。
ただ、本格的にHDRコンテンツを扱うならば、輝度の部分で本機の方が良さそうです。
【2025年発売】【27インチ 5K】
26・ASUS ProArt PA27JCV
¥118,800 Amazon.co.jp (5/1執筆時)
解像度:5K(5120×2880)
輝度:400cd/u
パネル:Balck-IPS LuxPixel
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(5K)
HDR:HDR400
USB給電: 96W
接続端子: HDMI 2.1×2 DP1.4×2 USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内臓(2W×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
ProArt PA27JCVは、ASUSが販売するデザイナー向け5Kモニターです。
ベンキューと5K機と同時期の2025年に登場した5K機です。
パネルスペックは割と似ています。
液晶パネルは、IBlack IPS(相当)です。
輝度は、400cd/u、色域は、DCI-P3 98%、コントラスト比も2000:1です。
先述のように、先ほどみたベンキューの5K機とスペックが似ます。
同社の場合、(静止画向けの)Adobe RGBのカバー率(95%)も出します。
ただ、おそらく同じ、BOE製の5Kパネルか、新型がでているならば、関係性から、AUOの新型かなと思います。
出荷前校正(キャリブレーション)の記述も見られます。
パネル表面は、LuxPixelテクノロジーの言及があります。
ベンキューで言及があったナノマットコートと同じで、ノングレアでの「低反射加工」です。パネル製造企業側の技術でしょう。
表示色も、10bitの10.7億色です。
応答速度は、5ms (GTG)です。
画質調整機能は、ProArt Presetほか、先ほどの同社のデザイナー向け機能は網羅です。
一方、本機は、環境光センサーがあります(Light Syncソリューション)。
ベンキューの「専売特許」的な感じですが、5K機の場合(そちらになく)ASUSに付いているのは驚きでした。
同社のデザイン用の場合、部屋の明るさ連動して、色域を調整するという機能性です。おそらく、(明るさセンサーではなく)環境光センサーという名前なので、高級TVのように、照明色(色温度)もみているでしょう(調査中)
キャリブレーションは、一方、ソフト・ハード方式とも対応はしません。
ここは、ベンキューとの違いです。
スタンドは、フルスペックです。
調整幅は、高さ13cm、チルト角度(上23° 下5°)、左右(60°)と縦回転です。
下位機と同じスタンドです。
接続端子は、DisplayPort1.5、HDMI 2.1、USB-Cが1系統です。
USB-Cの給電力は、本機も96Wです。
また、本機もDPとUSB-Cを使ってのデイジーチェーンに対応できます。
USBハブは、USB-C(USB3.1)が1つと、USB-A(USB 3.1)が3つで
速度を含めて文句はないです。端子は全て裏面です。
HDCP2.2は、対応です。
スピーカーは、2Wと貧弱ですが内臓です。
保証期間は、3年間です。
3年間の「ZBD(ドット欠け)保証」もこのシリーズはあります。
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以上、ASUSの ProArt PA27JCVの紹介でした。
同時発売のベンキューの5K機と違って、購入後のキャリブレーションは不可ですので、2モニタ環境で利用する場合は、そちらでしょう。
ただ、この機能性がない部分もあり「安め」なので、(デザイン用というより)仕事用にハイスペック5K機を探していた方は、本機が良さそうです。
とくに、環境光センサーの部分や、パネル表面のLuxPixelテクノロジーは、一般の仕事にも向きそうです。パネルスペックも、一般的な「映像美」を楽しみたい方に向きます。
ただ、輝度高めで低輝度限界は示されませんので、そこにこだわるならば、後ほど見るEIZOでしょう。ただ、最近は、例えば、iMacでも(最大)500ニトですし、適切に輝度は落とせていますし、こちらでも問題ないかと思います。
4-3・Appleのモニターの比較
続いて、Appleの5Kモニターです。
同社の場合、かなりの超高級機のみのラインナップです。
一時期、自社ブランドの展開は止めていましたが、2019年に、プロ用の「Apple Pro Display」を再展開したほか、2022年は、27インチの5Kモニターも出しました。
【2022年発売】(執筆時売り切れ)
【27インチ】
【標準ガラス+VESAマウント】
27・Apple Studio Display MMYQ3J/A
¥219,800 Apple Store (5/1執筆時)
【標準ガラス+通常スタンド】
27・Apple Studio Display MK0U3J/A
¥219,800 Apple Store (5/1執筆時)
【標準ガラス+高性能スタンド】
27・Apple Studio Display MK0Q3J/A
¥267,800 Apple Store (5/1執筆時)
【Nano-textureガラス+VESAマウント】
28・Apple Studio Display MMYX3J/A
¥266,800 Apple Store (5/1執筆時)
【Nano-textureガラス+通常スタンド】
28・Apple Studio Display MMYW3J/A
¥266,800 Apple Store (5/1執筆時)
【Nano-textureガラス+高性能スタンド】
28・Apple Studio Display MMYV3J/A
¥314,800 Apple Store (5/1執筆時)
解像度:5K(5120 x 2880)
輝度:600cd/u
パネル:広色域IPS グレア
コントラスト比:1200:1
応答速度:14ms (GTG)
リフレッシュレート:60Hz(4K)
HDR:
USB給電:96W
接続端子:Thunderbolt3 x1
スタンド:上下高さ
VESA:100mm
スピーカー:6スピーカー
4K動画再生:
保証期間:1年
Apple Studio Displayは、Appleの販売する5Kモニターです。
仕様の違いで6種類あります。
上位モデルは、Nano-textureガラスを採用します。
31インチ Pro Display XDRで先行搭載されていて、Atlasも現物を見たことがあります。
こちらについては、明るいオフィスなどで利用する方で、環境光の映り込み問題がある人向けのマット仕上げのNano-textureガラス仕様になります。
そのほかは後述する、スタンド部分の違いになります。
液晶パネルは、IPSです。
詳しいパネル種類は非開示ですが、実際的には広色域IPSです。
ただ、同社の(50万円オーバーの) Pro Display XDRと違って、ブルーLEDをつかう量子ドットパネルではないようです。
そのため、輝度は、上位1000カランに対し、600cd/u(ニト)相当に止まります。
量子ドットは、(デザイン用としてはもちろん有効ですが)文字仕事を含めたマルチユースの場合、目の疲れを含め、この仕様のほうが良いかなとAtlasとしては思います。
色域は、ただし、デジタル動画編集などにおいて重要な、P3-DCIの対応水準であることは示されるものの、カバー率自体は非開示です。AdobeRGBなども不明です。
なお、表面処理は、ガラスなので、iMacなどと同じで、実際的に映り込みがあります。
ただ、これもiMacと同じですが、独自の反射防止コーティング(プラズマ蒸着)がなされていて、相当特殊な環境でないならば、映り込みは気にならないといえます。
また、この部分を気にするべき仕事の場合、Nano-textureガラスも選べます。
こちらを選ぶべきかは難しいところです。繊細なので、付属する専用のポリッシングクロスでお手入れする必要があります。
応答速度は、不明です。
この部分を狙ったモニターではないので良いでしょう。
HDRは、機能として表記がないです。
標準輝度で600ニトはありますが、デザイン用として買う方は注意するべきポイントにはなります。
画質調整機能は、用途に合わせたリファレンスモードを備え、自動調整がなされます。
接続端子は、Thunderbolt 3(USB-C)となります。
接続用のThunderbolt 3 Proケーブル(2m)も付属です。
PD対応で対応するノートPCに66W給電に対応です。
MBP16インチでも速度低下なしに給電できます。
そのほか、USB-Cハブが3ポートつきます。
こちらについては、給電は非対応です。
また、速度的にもハブについては、USB3.1規格なので、超高速なストレージの場合、1250MB/秒あたりにボトルネックはあります。
HDCP2.2は、対応を明記しません。
スタンドは、先述のように、グレードごと3種類から選ぶ方式です。
標準スタンドは、iMacのように傾きを30度程度で調整できるだけのチルトです。
余計に予算を出すと、2軸で、105mm調整可能な高性能スタンドになります。
一方、左右調整や縦表示は、高性能スタンドでもできません。その場合は、安いVESAマウントモデルを選んだ上で【モニターアームの比較記事】で書いたような、サードパーティの製品を導入することになります。
スピーカーは、言及に値します。
上部を含めて6スピーカーを搭載するからです。
本機については、「ドルビーアトモス」ほか、Appleが最近提唱している空間オーディオに対応することになります。
映画の立体音響規格である「ドルビーアトモス」の音楽用といえ、上下方向の音情報をもつので、立体的に音が聴けます。
音源についても、Apple Musicも「空間オーディオ」音源をフォローしていきます。
そのほか、本機については、前面カメラも装備します。
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以上、Apple Studio Displayの紹介でした。
新発売のMac Studioを利用する方ほか、MacBookのドックとして自宅ではiMacのように使いたい方が、選ぶべき5Kモニタだと思います。
ただ、伝統的にAppleは純正モニターを「安売りしない」ので、割安感は正直ありません。コアなMacユーザー向けでしょう。
一般的にはもう少し安めのモニターと合わせても良いかと思います。
一方、デザイナー用としては、他社のプロ用が必ず公開するような色域のスペックが非開示ですし、必ずしもそういった用途は想定されていないと思います。
次回に続く!
おすすめの4K 5Kモニターは結論的にこれ!
というわけで、今回はは、PC用の27型・28型の4Kモニターの比較の2回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
3・27型-28型4Kモニターの比較 (3)
3-1:EIZO〈日本〉
3-2:アイオーデータ〈日本〉
3-3:フィリップス〈欧州〉
3-4:HP〈米国〉
3-5:ACER〈台湾〉
3-6:TCL〈中国〉
4・27型-28型4Kモニターの比較 (4)
4-1:イイヤマ〈日本 〉
4-2:JAPANNEXT〈日本〉
4-3:レノボ 富士通 ほか〈各社〉
5・4Kモニターの比較
5-1:最終的なおすすめの提案【結論】
続く、3回目記事(こちら)では、EIZOやアイオーデータなど、ここまで紹介できなかった企業の製品を追加でみていきます。
液晶パネルの画質 ★★★★★
目の疲れにくさ ★★★★★
動画・ゲーム対応 ★★★★★
品質保証 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、結論編(こちら)へと向かいます。
いつものように、紹介した全てのモデルから、予算別・目的別のAtlasのおすすめ機種を提案していきたいと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
3回目記事は→こちら