1回目記事からの続きです→こちら
2-1・EIZOのモニターの比較
2回目記事のトップバッターは、日本のEIZOのモニターです。
老舗の液晶メーカーで、品質で選びたい場合、人気のあるメーカーです。
1・27型-28型4Kモニターの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:DELL〈米国〉
1-3:LG〈韓国〉
2・27型-28型4Kモニターの比較 (2)
2-1:EIZO〈日本〉
2-2:アイオーデータ〈日本〉
2-3:フィリップス〈欧州〉
2-4:BenQ〈台湾〉
2-5:ASUS〈台湾〉
3・27型-28型4Kモニターの比較 (3)
3-1:HP〈米国〉
3-2:ACER〈台湾〉
3-3:イイヤマ〈日本 〉
3-4:JAPANNEXT〈日本〉
3-5:Apple〈米国〉
3-5:その他〈4K 5K〉
4・4Kモニターの比較
4-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も、1回目記事の冒頭(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿って解説していきます。
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なお、以下では、イマイチな部分は青字系で、高評価できる部分は赤字系で、本文を書いていきます。
【27インチ】
【2023年発売】
14・EIZO FlexScan EV2740X-BK
14・EIZO FlexScan EV2740X-WT
¥123,190 Amazon.co.jp (6/18執筆時)
【2018年発売】
14・EIZO FlexScan EV2785-BK
14・EIZO FlexScan EV2785-WT
¥105,500 Amazon.co.jp (6/18執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:2000:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:
USB給電: 94W
接続端子: HDMI×2 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2w×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:5年
EV2785-BKは、EIZOの27インチの4Kモニターです。
下部を含めて、フレームがない、4辺フレームレスなデザインの、ビジネス用高級機です。
なお、旧機となるEV2785が残ります(右図)。
台座は違いますが、稼働性はほぼ同じです。そのほかは、USBの給電力(65W)と、パネルのコントラスト比(1300:1)が異なります。
個人的には、新機種の台座形状はスマートで、机空間の有効利用もできおすすめですが、費用対効果から言えば、旧機種が良いかと思います。
後は同じですので、同時にみていきます。
液晶パネルは、目に優しい、IPSパネルを採用です。
輝度は、最高350cd/uです。
細かいパネルの種類についての説明はないですが、コントラストがIPSパネルとしては強めです。DELLも採用していた、LGの上級品となるNano IPS Blackでしょうか。
色空間は、ただ、DCI-P3カバー率の情報がなく、「sRGB相当」との記載です。
一方、EIZOの場合、最低輝度が350cd/uまでしっかり落とせることが、むしろ注目点です。
また、明るさセンサーで、低輝度時にもしっかり見やすい状況に調整する力も優れます。
目の疲れを防止するためには、輝度を十分に下げた状態での視認性が重要です。
EIZOはこの点で優れています。BenQのように(色温度もみれる)環境光センサーではないですが、本機の場合は、ディスプレイの輝度のみに関係する部分なので、この仕様にしているようです。ただ、暖色系の照明だとうまく反応しないことは(少し)あり得るでしょう。
応答速度は、5msとそこそこです。
HDRは、非対応です、
対応させるために輝度ピークを無理にあげると、色調や目の優しさの部分で無理が出ます。
そのため、本機の性質上、あえて非搭載なのでしょう。
画像補正機能は、「目の優しさ」の部分がとにかく充実します。
フリッカー対策・ブルーライトカットなど、他社の主要機能は網羅します。
その上で、EIZOの場合、明るさセンサーが搭載される点も重要です。
周囲の明るさを感知し、輝度を自動調整するAuto EcoView機能が利用できるため、PCを利用する時間に応じて、「目に優しい」明るさに調整してくれます。
周囲の明るさがわかるので、特に低輝度に調整した際に、フリッカーを完全にカットすることも可能です。
スタンドの品質は、手前のスペースを活かすため独特の形状です。
ノートPCを含めた収納力を重視したようです。
調整幅は、一方、高さ19cm、チルト角度(上35° 下5°)、左右(90°)と回転とフル稼動です。
EIZOは、他社より、スタンドの稼働性を重視する部分があり、本機もそうです。
接続端子は、HDMI端子が2系統のほか、DisplayPortがとUSB-Cポートがあります。
なお本機のHDMI端子は、HDMI1.4です。(ビデオカードによって例外はあるのですが)4Kの場合30Pまでです。
USB-CかDPでつなげる前提で買う方が失敗はないかと思います。
USB-Cは、94W給電対応です。
ハイスペックノートPCでも、コンセント充電に比べて速度低下なしで充電可能でしょう。
ケーブルも、2mのケーブルが、全て用意されています。
HDCP2.2には、対応です。
スピーカーは、2Wの簡易的なものが付属です。
保証期間は、5年保証が付属です。他社より長いのが売りです。
加えて、無輝点保証も、6ヶ月ですが付きます。
他社(DELLやLG)より短いですが、後から輝点がでるような例は少ないのでこれで良いかと思います。
繰り返しますが、「輝点」とは、画面を黒表示させた時に、画面の1ピクセルが発光してしまうという「不良」です。この保証が明記されない企業の場合、それを「液晶固有の性質」とみなし「交換保証対応」にはなりません。
そのほか、同社は、出荷前に、しっかりキャリブレーションして送るため、品質信頼性は高いです。
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以上、EIZOのEV2785-BKの紹介でした。
価格は高いですが、検品がしっかりなされた信頼性の高い高品質モニターです。
また、IPS採用はもちろん、明るさ自動調整など目の負担に効くオリジナルな機能が搭載されるため、値段を出す価値は十分になるハイエンドモデルといえます。
保証も5年間保証ですので、長いこと使えるでしょう。
【2022年発売】【27インチ】
15・EIZO ColorEdge CG2700X-BK
¥386,719 楽天市場 (6/18執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:500cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:13ms (GTG)
HDR:
USB給電:96W
接続端子:HDMI2.3 DP2.3 USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
保証期間:5年
CG2700X-BK は、EIZOのカラーマネージメント用モニターとなるColorEdgeシリーズの新製品です。
液晶パネルは、ノングレアのIPS液晶です。
デザイン用の場合、「IPS液晶」という区別以上に、細かくパネルの種類をみた方が良いです。
本機については、上の分類だと「広色域IPS」に分類される上級パネルです。LGのパネルだと思います。
色空間は、デザイン用の場合、重要になります。
本機の場合、動画に重要なDCI-P3カバー率は98%、写真に重要なAdobe RGBカバー率99%です。
上表は、各社の4Kハイエンドクラスのグラフィック用モニターの数値を比較したものです。
本機の場合、いずれの数字も、他社上級機と比べて十分です。
輝度は、500cd/uと高いです。
ピーク輝度は非開示ですが、この輝度があれば、HDR500の水準はあるので、HDRコンテンツの確認には十分かと思います。
応答速度は、13msです(GtoG)。
先述のように、広色域IPSの場合、応答速度はあまり出ません。
その点では、ゲーム関係のデザインには向かないと言えるかもしれません。
自動画質調整も、充実します。
本機の面白い部分は、HDRとSDRの編集を並行する場合、入力信号に連動して設定を自動化できるSync Signal機能です。
そのほか、設定に対して飽和した輝度や、指定した色域を出た場合の警告など、今回の改変で、とくに動画編集に便利そうな機能が増えています。
モニタースタンドは、本機も前後左右高さ回転の調整が可能な「パーフェクトスタンド」です。
VESA規格に対応です。
接続端子は、 Display portとHDMI 2.3・USB-Cです。
USB-C は98Wまでの給電に対応できるUSB-C PD仕様です。
MBPを含む、17インチクラスまでの対応ノートと速度低下なしにつながります。
そのほか、側面にUSB(USB-A形状)のハブがあります。
ただ、USB3.0とUSB2.0のコンビで、給電も未対応となります。
ケーブルは、Display port・HDMIが付属です。長さは2mです。
スピーカーは、ありません。
保証期間は、5年保証が付属です。
6ヶ月の無輝点保証も付属です。
キャリブレーションについては、本機は、本体にセンサーが内蔵です。
同社の無償のColorNavigator 7を利用して色の調整が可能です。モニターは色が経年変化しますので、このあたりにも気を使います。
モニターの色ムラについても、デジタルユニフォミティ補正回路で、ムラなく整える機能があります。
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以上、EIZOのCG2700S-BKの紹介でした。
静止画編集用のモニターは各社とも既に「だいたい問題ない」レベルまで進化していますが、動画編集については過渡期です。
同社は、DCI-P3時代のデザイン用モニターは他社より遅めの展開になりましたが、同社らしく、使った時間分、仕様をじっくり練ったモニターに思えます。
上で書いた機能以外にも、映像(動画)編集において使えそうな便利機能が従来機よりもかなり充実しました。
デザイナー以外には導入する意味がないモニターですが、強力なムラ補整は、個人的に一般機におりてきて欲しい技術です。
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【2019年発売】【27インチ】
16・ EIZO ColorEdge CS2740-BK
¥175,109 Amazon.co.jp (6/18執筆時)
【2021年発売】【HDR対応】
17・EIZO ColorEdge CS2740-XBK
¥291,500 EIZO直販 (6/18執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:10ms
HDR:
USB給電: 60W
接続端子: HDM2.0 DP1.3 USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:5年
なお、カラーエッジシリーズは、以上の従来機もあります。
色再現性の高い広色域IPSを利用することで、自然に色域を広げたモニターです。
色空間は、sRGB100%で、Adobe RGBが99%のカバーです。
ただ、動画についてはDCI-P3 91%です。
HDR時代の動画コンテンツに重要な数値ですが、単純に色域だけで比べればですが、旧水準です。
むろんそれだけで決まらないのが、パネルの難しい部分です。それでも、どちらかといえば、静止画用でしょう。
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なお、4Kではなく、完全にシネマ用(DCI 4K/4096×2160)にはなりますが、EIZOには31.1型にCG319X-BKという製品(60万円以上)があります。
そちらは、 「半端ない」動画性能であり、HDR1000で、DCI-P3カバー率も98%です。バックライトもドット制御と言うことで、DELLの高級機同様に、直下型のminiLEDでしょう。
2-2・ID DATAのモニターの比較
つづいて、日本のアイオーデータの製品です。
三菱電機の液晶モニター部門を吸収して、プレゼンスを高めた日本のPC周辺機器メーカーです。
【2018年発売】【27インチ】
【3年保証】
18・IODATA KH2760V-UZ
¥39,728 楽天市場 (6/18執筆時)
【5年保証】
19・IODATA LCD-GCU271XDB
¥53,877 楽天市場 (6/18執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:ADS ノングレア
コントラスト比:1,000:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR10
USB給電:
接続端子:HDMIx2 DP
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:2w×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年/5年
GigaCrysta KH2760V-UZ は、IODATAの4Kモニターです。
2機種ありますが、販路の違いで保証期間を分けている以外は、性能は同じです。
液晶パネルは、ADSパネルです。
ADSは、IPS液晶の「ジェネリック」と言えます。
IPSとADSは正確に言えば、中身の仕組みが少し異なりますが、表示傾向は同じです。
なお、ADSは、中国大手のBOE系列が生産しています。
PCモニターでは長い採用実績もあるため、(4Kなどではない)格安パネルの場合でも、信頼性は担保されます。
実際、商標の関係でIPS液晶を名乗れない他の液晶は「IPS系パネル」などごまかし気味な表現でカタログに載せます。
しかし、ADSは、4Kテレビにも採用例がありますし、実際「名乗った方が安心感をもたらす」ので、同社のように名乗る場合が多いです。
色空間は、しかし、sRGBを含めて非開示です。デザイナー向けの考慮はないという機種です。ADSは公開しない場合が多いですが。
応答速度は、5msとそれなりです。
輝度は、350cd/uです。
HDRは、対応しますが、輝度の低さからHDR400には満たない水準です。
画質調整機能は、一方、「映像美」に関する部分で割と充実します。
低解像度ソースに強い超解像技術は、三菱時代の遺産ですが搭載です。
加えて、10段階で自動的に発色を調整するエンハンストカラー機能も魅力です。
バックライトの輝度調整で、コントラスト調整をするCREXも、コントラスト比があげにくい、IPS液晶では重要な技術です。
これらの部分は「TV並」のスペックと言えます。
「目の優しさ」の部分もしっかり、フリッカーフリーに対応です。
そのほか、ゲーム向きにFreeSyncに対応し、ナイトビジョンにも対応させています。
スタンドの品質は、前後の角度調整(チルト)ができるだけの仕様です。
VESA規格には対応しますので、他社のモニターアームを利用することはできます。
接続端子は、HDMIx2 DPです。
本機については、書き方が不明瞭ですが、4K/60Pには両ポートとも対応できるようです。DPも対応です。
HDCP2.2には、対応です。
付属ケーブルは、DisplayPortケーブル・HDMIケーブルが付属します。
スピーカーは、簡易的なステレオスピーカーが内蔵されます。
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以上、 KH2760V-UZ の紹介でした。
画質調整面の性能が目立つ機種です。
TVメーカーがTVに採用するような技術も多く使われており、この部分は期待できます。
ADSパネルも最近は信頼性が増していますし、動画などで画質調整の部分を重視したいならば、選択肢にしても良いかと思います。
ただ、スタンド性能が弱いのと、IPS液晶搭載機に対して、十分にコスパを感じられない部分はネックです。
2-3・フィリップスのモニターの比較
続いて、オランダのフィリップスです。
世界的な総合家電メーカーですが、わりとビジネス用のモニターに強いと言えます。
【2019年発売】【27インチ】
20・フィリップス 278E1A/11
¥36,436 Amazon.co.jp (6/18執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:4ms (GTG)
HDR:
USB給電:
接続端子:HDMI2.0 x2 DP
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:3w×2
4K動画再生:
保証期間:5年
278E1A/11は、オランダのフィリップスが販売する廉価版の4Kモニターです。
液晶パネルは、こちらもIPSパネルです。
正確には、フィリップスは「IPSテクノロジー」という表記です。
LGのIPS、あるいは、両社の関係性からしてサムスンのIPS-PLSかもしれません。
視野角を含めて性質は同じですので、問題ありません。
色空間は、DCI-P3カバー率は不明です。
ただ、sRGB109%という数字から言えば、広色域化パネルではないです。
応答速度は、オーバードライブ時に4ms(GTG)です。
一般的な動画、ゲームについては、問題ないスペックです。
HDRは、対応の明示がない製品です。
画質調整機能は、割と充実します。
目の優しさの点で重要な「フリッカー対策」はもちろん、「映像美」に関する部分も、「黒の締まり」を補正する、SmartContrast機能が付属します。
一方、細かい画面モードの選択はできませんが、FPSやレースゲームなどについては、専用の画質調整が可能です。
スタンドの品質は、前後の角度調整(チルト)に対応するだけなので、シンプルです。
接続端子は、DisplayPort、HDMIポートという構成です。
HDCP2.2についても、対応記載がないです。
本機はHDMI2.0ではあるのですが、DPが1.4ではない(DP1.2)であるためでしょう。
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以上、フィリップスの278E1A/11の紹介でした。
モニター性能や調整周りの性能は良く、同社は保証も5年であるため、コスパは良い製品です。
一方、接続端子周りのバージョンが非開示な点と、スタンドの調整機能は、値段相応に課題があると言えます。
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【2022年発売】【27インチ】
21・フィリップス 27E1N5900E/11
¥49,800 楽天市場 (6/18執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1200 : 1
応答速度:4ms (GTG)
HDR:
USB給電:65W
接続端子:HDMI2.0 DP1.2 USB-C
スタンド:チルト 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:5年
なお、フィリップスからは、家庭用の「ホームモニター」として、もう一機発売があります。
大きな違いは、USB-Cとの接続給電に対応する部分です。
65Wまでとなりますので、13インチのノートあたりまで速度低下なしで充電できます。
15インチクラスのノートPCだと、充電はできても、フルスピードではないでしょう。
パネルは、基本的に同じ品質のIPSパネルです。
輝度も同じですが、コントラスト比は1200:1と少し高めにしています。
画質補正は、SmartContrastほか、下位機種と同じ機能は網羅します。
画質の自動調整は「SmartImage ゲームモード」を持ちますが、リフレッシュレートの部分ほか、ゲーム用というわけではないです。
モニタースタンドは、下位機種と変わる部分です。
角度調整(上20° 下5°)ほか、13cmの高さ調整と縦表示に対応です。
スイーベル(左右調整)はなくフルスペックではないとはいえ、十分でしょう。
あとは、基本的に同じです。
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結論的にいえば、値段差もありますが、スタンドとUSB給電が欲しい場合は、割と良い選択肢でしょう。
ただ、次に見る同社のPシリーズは、ゲーム向けの仕様でないオフィス用ですが、この2点においてスペックがより良いのは確かです。
【2021年発売】【27インチ】
22・フィリップス 279P1/11
¥54,037 楽天市場 (6/18執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1000 : 1
応答速度:4ms (GTG)
HDR:
USB給電: 最大90W
接続端子:HDMI2.0x2 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(5w×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:5年
279P1/11は、オランダのフィリップスが出している27インチの4Kモニターです。
同社の「ビジネス用のモニター」のラインとなる、PLineの製品です。
液晶パネルは、目に優しいIPSパネルです。
輝度は同社のホームモニターと同じですが、輝度は、1000:1と標準です。
応答速度は、オーバードライブ時に4msと速いです。
HDRは、未対応です。
ストイックなビジネス用のモニターです。
画質調整機能は、SmartContrastは本機も対応です。
その上で、本機はセンサー面がより優秀です。
照度センサー(LightSensor・スマートセンサー)が付属します。
周囲の照度を検知できるので、画面輝度が調整されるので「目が疲れにくい」です。明るすぎるディスプレイは、スマホ同様に、目の負担ですから。
ほかにも、人感センサーが付属し、利用状況に応じて節電できます。
スタンドの品質は、本機は、前後左右高さと縦回転表示ができる「フルスペックスタンド」です。
調整幅も、高さ15cm、チルト角度(上35° 下5°)左右(180°)と縦回転とかなり柔軟です。
しっかりと方向と高さが合わせられる点でも「目に優しい」と言って良いです。
接続端子は、HDMI2.0が2つと、DisplayPortが1つのほか、UCB-C端子が付属です。
ノートPCとUSB-C端子でつなげる場合、ノートPCに給電も同時にできます。
出力は、最大90Wなので、16インチクラスのMacBook Proでも、ほぼ速度低下なしに給電できるでしょう。
HDCP2.2は、本機については対応です。
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以上、フィリップスの279P1/11の紹介でした。
目に優しいIPSパネルを採用する機種です。
その上で、フルスペックなスタンドを装備する上で、センサーが充実しており、ビジネス用にストイックに使うならば、本機は有力な候補の1つです。
一方、HDRに対応しない部分や、ゲーム向きの調整機能がないなど、構成はストイックなので、家庭で仕事以外と共用で使うには、やや不向きな部分はあります。
2-4・ベンキューのモニターの比較
続いて、台湾のベンキューのモニターです。
【2021年発売】
【28インチ】
23・BenQ EW2880U
¥47,200 Amazon.co.jp (6/18執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:300cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR10
接続端子: HDMI2.0×2 DP USB-C
USB給電:60W
スタンド:チルト 左右 高さ
VESA:100mm
スピーカー:3W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:1年(本体は3年)
EW2880Uは、台湾のBenQが販売する4Kモニターです。
解像度は、4K画質です。
液晶パネルは、IPS液晶です。
先述のように、IPSにはいくつかグレードがありますが、こちらはスタンダードなIPSです。
ただ、「目に優しい」という特性は変わりません。
色空間は、こちらは、DCI-P3のカバー率として90%という数字です。
静止画用のスペックは非公開です。
輝度は、300cd/uです。
コントラスト比は1000:1ですし、ごく一般的なスペックのIPS液晶です。
応答速度は、5ms (GTG)を確保します。
画質調整機能は、「目の優しさ」に関わる部分については、フリッカーフリー・ブルーライト軽減などの基本は当然おさえます。
その上で、このモデルは、環境光センサー(明るさセンサー)を搭載し、室内の明るさに応じた輝度調整にも対応します。
適切な輝度でモニターを見ることは「目の疲れにくさ」にとって重要なので、今回の比較の趣旨からすると、「かなり良い製品」と言えます。
「映像美」の部分では、加えて、ブライトネスインテリジェンス(B.I.)テクノロジーも注目点です。
画面内の画像を分析し、露出オーバーにならないよう輝度を的確に調整します。
方法は全く異なりますが、LGのブラックスタビライザーのように、映像のコントラストを鮮明にする効果が期待できます。
これに使われる環境光センサーは、照明の明るさだけでなく、照明の色温度も検知して調整します。そのため、ここは「目への優しさ」にも関わる部分でもあります。
実空間における調整力は、シンプルな明るさセンサーだけ搭載の他社機より、本機は高いでしょう。
HDRは、対応です。
HDR10ですから、業界団体(VESA)の輝度保証がある、HDR400には満たない水準です。
ただし、本機は、HDRiをいう独自の技術を持ちます。HDRに対応しないコンテンツも、先述のB.I.テクノロジーで、階調表現を高めています。
そのほか、超解像技術にも対応するため、TV代わりに使うのには向くでしょう。
モニタースタンドは、縦表示(ピポット)以外の動作に対応です。
調整幅は、高さ12cm、チルト角度(上15°・下5°)、左右(30°)と、他社に比べてそれほど広くはないものの、多くの場合、必要十分でしょう。
接続端子は、DisplayPort、HDMI 2.0×2のほか、USB-C端子が付属です。
他社機でも見られましたが、本機は、映像と同時にノートPCに給電が可能です。
60Wなので、大画面ノートPCでもOKです。
HDCP2.2には対応です。
保証期間は、3年間です。
パネル・バックライトは1年保証と旧来の業界水準のままです。
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以上、BenQのEW2780Uの紹介でした。
価格的に仕方ないですが、パネルの部分では(やや輝度が低めの)普通のIPSです。
ただ、同社独自のHDRi機能や輝度・コントラスト調整技術など独自の工夫があり、この価格帯のマルチメディア機では存在感があります。
用途としては、調整機能を含めて、ゲーム・動画視聴を含めた「エンターテイメント向け」でしょう。
一方、仕事用としても「目への優しさ」の部分で、しっかりしたスタンドと、IPS液晶を採用した上で、明るさセンサーが付属する点が評価できます。
その点で言えば、比較的値段が安めの機種としては、「個人用としてバランスが良い」と言えます。
【2022年発売】【27インチ】
(通常スタンド)
24・BenQ AQCOLOR PD2705U
¥89,002 Amazon.co.jp (6/18執筆時)
(アーム仕様)
25・BenQ AQCOLOR PD2705UA
¥97,200 Amazon.co.jp (6/18執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:250cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1200:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR10
USB給電:65W
接続端子: HDMI2.0 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:2W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:1年(本体は3年)
PD2705Uは、台湾のBenQが販売する、デザイナー向けAQCOLORシリーズに属する4Kモニターです。
2023年にアーム仕様の兄弟機となるPD2705UAも出ましたので、同時にみていきます。
液晶パネルは、本機もIPS液晶です。
色空間は、動画編集に重要なDCI-P3カバー率は95%です。
sRGB100%のカバー率で、この部分は、さすがに優秀です。
輝度は、250cd/uです。
本機については、通常輝度は抑え気味にして、ピーク輝度を高める(350cd/u)方向性です。
利用目的からすると問題ないかと思います。
HDRは、対応します.
ただし、HDR400には満たない水準です。
HDR時代には少し物足りない気もしますが、必要十分ではあります。
応答速度は、5ms (GTG)です。
コントラスト比も、1200:1とやや高めに設定できています。
画質調整機能は、「デザイナーディスプレイ」の方向性で優れます。
個別キャリブレーションした上での出荷をしているため、この価格の他社機に比べて、色にかかわる正確性が担保されていると評価できます。
その上で、CAD/CAMモード・デザインモード・暗室モードなど、デザイン業務にかかわる自動調整機能が充実している点が、他社との違いです。そのほか、MacBookと同時利用する際に、色味を合わせる「M-BOOK」など、わりと面白い機能もあります。
一方、ベンキューの「強み」の1つといえる、明るさセンサーは不採用です。
先述のように、アイケア面のほか、HDRなどにも使うものでしたが、デザイン用には不要との判断だと思います。本機の上位機も省略ですから。
スタンドの品質は、先述のように、2機で異なります。
通常機は、稼働性として言えば、前後左右高さ回転と「パーフェクトスタンド」です。
高さ(110mm)、チルト角度(上20° 下5°)、回転(90度)、左右(30度)の範囲で調整できます。
問題ない数字ですが、特に高さ調整の部分は、EIZOなどに比べると少し落ちます。
アームタイプは、4軸で、1回目でみたLGモニターと同じほどです。
支柱タイプなので、別売高級機でより良いものがあるとは言え、純正で揃うのは良いです。
調整幅は、高さ15cm、チルト角度(上30° 下5°)、左右(275°)と縦回転です。
VESA規格にも対応します。
接続端子は、DisplayPort、HDMI 2.0 USB-Cが各1つという構成です。
USB-Cについては、PD(パワーデリバリー)対応で、65Wの給電力です。
一般的な中型のノートPCでも速度低下なしに給電できそうです。
HDCP2.2には対応です。この部分でも汎用性が高いです。
スピーカーは、付属です。
保証期間は、3年間ですが、パネル・バックライトは1年保証です。
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以上、BenQのPD2750U の紹介でした。
ストイックな「デザイナー用」の中級機に見えます。パネルスペックを含めて、柔軟に使えそうです。
一方、同社の売りである「明るさセンサー」は省略となる部分と、輝度など、あくまでデザイナー向けのディスプレイ調整となっている点で、一般ユーザーの仕事用には本機は選びにくいでしょう。
【2021年発売】
26・BenQ PD2725U
¥139,584 Amazon.co.jp (6/18執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:250cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1200:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR400
USB給電:65W
接続端子: HDMI2.0×2 DP USB-C×2
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:2.5W×2
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:1年(本体は3年)
PD2725Uは、ベンキューのデザイナー向けの上位機です。
本機については、動画コンテンツを扱うデザイナー向けと言えます。
液晶パネルは、本機もIPS液晶です。
パネルの仕様は、先ほどみたデザイナー用の中位機種(PD2750U )と同じです。
色空間も、DCI-P3 95%、sRGB 100%ですので、パネルは変わりません。
HDRについては、ただ、HDR400に対応です。
標準輝度を抑えつつ、バランスを崩さずHDR400水準に対応させた点がポイントです。
対応するゲームや動画コンテンツの場合、輝度にかんする表現力が向上します。
下位機種に対して、バックライトの数や構成を変えているのだと思います。
画質調整機能は、下位機種と基本的には同じです。
したがって、明るさセンサーは、こちらも未装備です。
スタンドの品質は、本機もフルスペックで稼働します。
高さ(150mm)、下(5度)、上(20度)、回転(90度)、左右(30度)の範囲で調整できます。
剛性の部分も、下位機種よりしっかりしたスタンドで、値段差分の差は感じます。
接続端子は、DisplayPort、HDMI 2.0 USB-Cが各1つという構成です。
USB-Cによる65W給電や、デイジーチェーンに対応できる部分も同じです。
USBハブは、USB-A形状のUSBハブ(USB3.1)が2つです。
そのほか、USB-C(USB4.0)が別にあります。高速であるほか、15W給電に対応するため、スマホの充電用など、使い道はあるかと思います。
そのほか、BenQではお馴染みの、丸いコントローラー(ホットキーパック G2)も装備です。
スピーカーは、2.5Wのステレオで付属です。
保証期間は、3年間ですが、パネル・バックライトは1年保証です。
---以上、ベンキューのPD2725Uの紹介でした。
普段用の輝度バランスを崩さぬまま、HDRに対応させた「ストイックな上位機」です。
中位機の場合と同じで、(視聴を含め)デザイン用途以外での利用には向かないですが、その用途ならば、有力な候補にできます。
【2020年発売】【27インチ】
27・BenQ SW271C
¥248,635 Amazon.co.jp (6/18執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:300cd/u
パネル:IPSノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR10
USB給電: 60W
接続端子: HDMI 2.0×2 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
SW271C は、台湾のベンキューが販売する4Kモニターです。
同社のデザイナー向けディスプレイの「ハイエンド」となります。
ASUS同様に、ハードウェアキャリブレーションに標準対応する製品です。遮光フードも付属します。
もちろん、個別キャリブレーションした上での出荷です。
解像度は、4K画質です。
液晶パネルは、IPS液晶の広色域パネルです。
色空間は、上表のように、各社ともデザイナー用のハイエンドクラスはスペックが良いです。
本機については、ただDCI-P3 90%です。動画用としてはすこし数値が低いです。
ただ、sRGB100%・Adobe RGB 99%ですので、静止画用としては問題なく、高スペックです。
輝度は、300cd/uです。
HDRは、HDR10です。HLGにも公式対応します。
無理やり輝度を上げず、色合わせの部分の信頼性を重視した堅実な設計でしょう。
応答速度は、5ms (GTG)です。
画質調整機能は、本機も「デザイナーディスプレイ」の方向性です。
モノクロモードほか、sRGBとAdobeRGBなど、異なる色空間を比較する際に便利なGamutDuoなど、便利な機能も装備します。
また、専用コントローラー(ホットキーパックG2)を装備し、簡単に色などの切替ができる仕様です。
スタンドの品質は、本機もフルスペックであり、問題ないでしょう。
接続端子は、DisplayPort HDMI 2.0 USB-C端子という構成です。
USBは、PD対応で対応するノートPCに60W給電に対応です。
HDCP2.2には対応です。
スピーカーは、未付属です。
保証期間は、3年間です。
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以上、BenQのSW271C の紹介でした。
ハイエンドのデザイナー向け4Kディスプレイは、各社とも出そろってきました。同社の場合、ハードウェアキャリブレーションに対応する上で、少し安めです。
ただ、動画クリエーターについて言えば、HDRの対応水準があまり高くないのがネックです。どちらかといえば、静止画向きです。
2-5・ASUSのモニターの比較
はじめに、台湾のエイスースのモニターです。
日本では、ゲーミング全般に強い印象のあるメーカーですが、デザイナー向けも結構出します。
【2022年発売】
【28インチ】
28・ ASUS VP289Q
¥39,800 Amazon.co.jp (6/18執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/m2
パネル:IPSノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR10
USB給電:
接続端子:HDMI 2.0x2 DPx1
スタンド:チルト
VESA:100mm
スピーカー:内蔵(2w×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
VP289Qは、台湾のASUSが出している28インチの4Kモニターです。
冒頭で書いたように、27インチと28インチとは誤差範囲のサイズ感ですので、気にしなくて良いかと思います。
解像度は、4K画質です。
液晶パネルは、IPS液晶です。
28インチの刻みはLGにないと思うので、おそらく台湾のAUO(IPS-AHVA)のパネルかなと思います。採用実績は長いですし、それでも問題ありません。
色空間は、DCI-P3のカバー率は90%です。
数値としては決して悪くないですが、LGの入門機が95%からでしたので、弱いと言われれば否定できません。
デザイナー向けではないので、過度には気にしなくて良いかとは思いますが。
sRGB100%の色域は保証されますので、静止画は問題ないです。
応答速度は、オーバードライブ時に5msです。
液晶の輝度は、350cd/m2です。
HDRは、HDR10ですが対応です。
画質調整機能は、ゲームPlusとしてAimpointやタイマーほか、ゲーム向けではお馴染みの機能が搭載です。FreeSyncにも対応するので、そちらの需要もある程度ふまえています。
一般的な映像美の部分では、同社のSplendidエンジンを搭載し補整します。
輪郭強調技術(VividPixelテクノロジー )ほか、テレビ的な技術をASUSも取り入れています。
「目の優しさ」に関わる部分は、ディスプレイのシリーズ名からすると一見重視していそうです(ASUS Eye Careテクノロジー)
ただ、ブルーライトカットのほかは、フリッカー対策ほどなので、あまり優れません。
シームレスなブルーライト調整は確かに「ポイント」なのですが、Atlasは、色味が変わるブルーライト調整には(目への優しさを含めて)あまり肯定的でないので、このような評価になります。
繰り返し書いているように、十分に輝度が調整でき、正しい角度で、モニターからしっかり目を離して使うのが「疲れない秘訣」です。
スタンドの品質は、「オマケ程度」です。
上下に角度が変えられるチルト(上23°/下5°)だけになります。
接続端子は、HDMI 2.0x2 DisplayPortx1という構成です。
HDCP2.2には、対応です。
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以上、ASUSのVP289Qの紹介でした。
スタンドが高性能だったらなあ、と思わざるをえない製品です。
その他の部分は、ISP液晶・フリッカー対策と「目の優しさ」に必要な要素は持ちますし、画像処理部分でも、HDRを2モード搭載するなど独自性もみられます。
ゲーム向けの技術の採用が多いので、実際そちら向きな機種には思えますが、動画視聴や仕事を含めて、そつなくこなせるでしょう。
スタンドについては、とりあえず、使ってみて調整量に不満を感じたら、VESAマウントはできるので、アームなどの取替を考えると良いかと思います。
【2021年発売】【27インチ】
29・ASUS ProArt PA279CV-J
¥53,438 Amazon.co.jp (6/18執筆時)
29・ASUS ProArt PA279CV-R
¥59,220 楽天市場 (6/18執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:350cd/u
パネル:IPSノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR10
USB給電: 65W
接続端子: HDMI 2.0×2 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内臓(2W×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
PA279CV-J は、台湾のASUSが販売するデザイナー向け4Kモニターです。
2系統ありますが、流通経路の違いだけで、付属品を含めて同じです。
液晶パネルは、IPS液晶です。
色空間は、DCI-P3の情報はないです。
一方、sRGB100%・Adobe RGB 81%の色域を保証します。
今的な意味での広色域化パネルではないので、静止画メインの「デザイナー向け」入門機と言えます。しっかり、個別キャリブレーションした上での出荷です。
輝度は、350cd/uです。
一方、BenQと比較するとコントラスト比は劣ります。
HDRは、対応しますが、最大輝度の関係で、HDR400には満たない普通の水準です。
応答速度は、5ms (GTG)です。
画質調整機能は、本機も「デザイナーディスプレイ」の方向性です。
12種類のProArt Presetで自動的に画質調整できるなど、方向性もベンキュー機と似ています。
スタンドの品質は、フルスペックです。
調整幅は、高さ15cm、チルト角度(上35° 下5°)、左右(90°)と縦回転です。
可動域も全社の平均値を超えており、十分です。
接続端子は、DisplayPort HDMI 2.0 USB-C端子という構成です。
HDMIが2系統は便利ですし、USB-Cは、対応するノートPCに65W給電に対応するため、この部分の利便性は本機の美点です。
HDCP2.2には対応です。
スピーカーは、貧弱ですが内臓です。
保証期間は、3年間です。
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以上、ASUSのProArt PA279CVの紹介でした。
ベンキューのデザイナー用のライバルでしょう。
デザイナー向けの製品として、利便性の面でUSB-C給電に対応している面で、ノートPCとの相性は良さそうです。
一方、本機は、DCI-P3の情報がない部分で、あくまで静止画の編集向けです。
フルの3年保証な部分も含め、その用途で考える場合は候補となります。
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【2020年発売】【27インチ】
【遮光フードなし】
30・ASUS ProArt PA27UCX
¥227,755 楽天市場 (6/18執筆時)
【遮光フードあり】
31・ASUS ProArt PA27UCX-K
¥248,457 Amazon.co.jp (6/18執筆時)
解像度:4K(3840×2160)
輝度:1000cd/u
パネル:IPS ノングレア
コントラスト比:1000:1
応答速度:5ms (GTG)
HDR:HDR1000
USB給電: 65W
接続端子: HDMI 2.0×2 DP USB-C
スタンド:チルト 左右 高さ 回転
VESA:100mm
スピーカー:内臓(2W×2)
4K動画再生:HDCP2.2
保証期間:3年
なお、プロデザイナー用として、同時に以上の製品も発売になりました。
本機については、色合わせのためのハードウェアキャリブレーションに対応するため、この値段となります。
色空間は、sRGBで100%・AdobeRGBも99.5%・DCI-P3 99.5%カバーです。
ASUSの場合、上表に示したスペックの、31.5インチにmini-LEDを採用した最上位機があります。しかし、それと比べても、HDR対応の部分以外は同等で、DCI-P3カバー率はか少し上位です。
色域のスペックだけで言えば、静止画でも動画でも、性能は他社のハイスペック機に比べても上位です。
本機は、LEDを直下型配列にすることで、輝度調整の精度を上げています。
また、「量子ドット技術」利用の記述があるので、光源に青色LEDを採用し、パネルの後部に特殊フィルムを差し込むことで、色再現性を高めていると思われます。
輝度を必要とするHDRに対応させるため、割と使われる手法です。
「量子ドット技術」を利用しての広色域化なので、同じ色空間を再現できる機種としては、少し安いのがメリットでしょう。
ちなみに、IPS液晶に量子ドット技術とミニLEDを組み合わせた製品をLGがテレビとして出していますが、ユーザー視点では、この技術の利用に問題は感じません。
ただ、発光方法が異なるだけに、クリエーター視点では、また別の画質評価がありえるかもしれません。
また、直下型+エリア制御という仕様を利用してASUS OCO (Off-Axis Contrast Optimization) テクノロジーを搭載します。
これにより、黒の締まりが良くなるほか、斜めから見た際の色合いが補正されます。
一方、本機は、デザイナー向けディスプレイとしては珍しく、3辺フレームレスなので、デュアルディスプレイなどは組みやすいかと思います。
ただ、本格的にHDRコンテンツを扱うならば、輝度の部分で本機の方が良さそうです。
次回に続く!
おすすめの4K液晶モニターは結論的にこれ!
というわけで、今回はは、PC用の27型28型の4Kモニターを比較の2回目記事でした。
しかし、記事はもう少し「続き」ます。
3・27型-28型4Kモニターの比較 (3)
3-1:HP〈米国〉
3-2:ACER〈台湾〉
3-3:イイヤマ〈日本 〉
3-4:JAPANNEXT〈日本〉
3-5:Apple〈米国〉
3-5:その他〈4K 5K〉
4・4Kモニターの比較 【結論】
=最終的なおすすめ機種の提案
続く、3回目記事(こちら)では、Acerなど、ここまで紹介できなかった企業の製品を追加でみていきます。
液晶パネルの画質 ★★★★★
目の疲れにくさ ★★★★★
動画・ゲーム対応 ★★★★★
品質保証 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、結論編(こちら)へと向かいます。
いつものように、紹介した全てのモデルから、予算別・目的別のAtlasのおすすめ機種を提案していきたいと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
3回目記事は→こちら