1回目記事からの続きです→こちら
2-1・TOTOの瞬間式
2回目記事のトップバッターは、TOTOのの瞬間式の温水洗浄便座(ウォシュレット)です。
同社は、住設の方に強みがありますが、デンキヤルートで個人向けもあります。
「柔らかく(太く)優しい」水流に定評があります。
1・温水洗浄便座の比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:各社〈貯湯式〉
1-3:パナソニック〈瞬間式〉
2・温水洗浄便座の比較 (2)
2-1:TOTO〈瞬間式〉
2-2:東芝・ハイアール〈瞬間式〉
2-3:LIXIL(INAX)〈瞬間式〉
2-4:最終的なおすすめの提案【結論】
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以下では、いつものように、オススメポイントについては赤系の文字色で、イマイチな点については青字で書いていきます。
【2021年発売】
【個人向け製品】
【廉価版】
34・TOTO KMシリーズ TCF8GM24
¥39,740 楽天市場 (3/26執筆時)
年間消費電力量:112 kWh/143kWh
1年の電気代:3,472円 (4,433円)
【下位機種】
(上記+プレミスト/ノズルきれい)
35・TOTO KMシリーズ TCF8GM34
¥47,700 楽天市場 (3/26執筆時)
【住設向け製品】
35・TOTO アプリコット F2 TCF4723R
¥82,873 楽天市場 (3/26執筆時)
年間消費電力量:91kWh/118 kWh
1年の電気代:2,821円 (3,658円)
【中位機種】
(上記+オートふた開閉)
36・TOTO KMシリーズ TCF8GM44
¥59,800 楽天市場 (3/26執筆時)
【住設向け製品】TCF4733R後継
36・TOTO アプリコット F3 TCF4733S
¥107,000 楽天市場 (3/26執筆時)
年間消費電力量:91kWh/118 kWh
1年の電気代:2,821円 (3,658円)
【上位機種】
(上記+瞬間暖房)
37・TOTO KMシリーズ TCF8GM54
¥63,800 楽天市場 (3/26執筆時)
【住設向け製品】TCF4833R後継
37・TOTO アプリコット F3W TCF4833S
¥134,000 Amazon.co.jp (3/26執筆時)
年間消費電力量:66kWh/ 81kWh
1年の電気代:2,046円 (2,511円)
リモコン:あり
オート開閉:あり(一部)
ウォシュレット節水:あり
温風乾燥:
オート脱臭: あり
泡洗浄:
こちらは、KMシリーズの上位機です。
なお、本機は、個人向け(B to C)の製品と、商材屋さんなどの住設向け(B to B)型番があります。
性能は同じですが、保証性やアフターフォローを考えると、「個人向け」を選ぶのが普通でしょう。
下位機種 (34)
+タイマー節電(経済性)
+プレミスト(清潔性)
+ノズルきれい(清潔性)
中位機種 (44)
+オートふた開閉(利便性)
上位機種 (54)
+瞬間暖房(経済性)
かなり多くの機種があり、わかりにくいです。
ただ、「廉価版」といえるTCF8GM24から、上位になるほど、「機能が増えていく」という原則を覚えれば、選びやすいでしょう。
清潔性は、オート脱臭機能が付属します。
水流は、マッサージ洗浄機能が付属するほか、、TOTOは太めの水で優しく洗う「やわらか水流(おしりソフト洗浄)」が出せる点も特賞です。
パナソニックもワイド水流洗浄など優しい柔らかい水流がありますが、TOTOは、その上で、流量が多いように思います。優しい水流が好きな人はTOTOもおすすめです。
加えて、「廉価版」を除いて、利用前に軽く水を流して汚れが付きにくくする「プレミスト」と、水道水のカルキから次亜塩素酸(きれい除菌水)を発生させる「ノズルきれい」が付属します。
これらの機能は、同社の貯湯式でも書きましたが、一定の効果は期待できます。
吐水水量は、0.27L/分〜0.43L/分の幅です。
他社に比べるとさほど多くない、言い換えればエコな数字です。
一方、洗浄力が弱いというわけではなく、洗浄中の逃がし水(捨て水)を完全になくしたため出せた数字です。
実際、TOTOは最大(強め)の時でも水流は(やさしめで)太いです。先述のように、パナソニックの方が、水の勢いとしては「強力」ですので、このあたりは好みですが。
利便性は、中位機種以上は、人感センサーが付属し、オートふた開閉機能が付属します。
経済性は、注目点です。
今回の冒頭でも書きましたが、TOTOは、Panasonicと同じで、着座センサーを利用した「学習型節電」が可能です(下位機種以外)。
他社機のように、単純に「8時間オフ」ではなく、実際の使用時間を見ながら「おまかせ節電」が可能です。
人感センサーと暖房機能をリンクさせ、待機電力を節約する瞬間暖房に対応するため、1年の電気代は2,046円と良い水準です。
1年間の電気代の点で、パナソニックと競える数字です。
なお、廉価版を除く全機種は、断熱材を2重にするダブル保温仕様です。
廉価版に対して、電気代の水準が良いのはこの部分もあります。
利便性の点では、リモコンが付属します。
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以上、KMシリーズの上位機の紹介でした。
機能面では、「水流の優しさ」が魅力です。TOTOは太めで優しい水流ですので、デリケートな水流を望む方はTOTOが良いです。
個人的にも、同社の水流は好みです。
また、電気代を考えた場合も、TOTOでは、これらのグレード以上がオススメできる製品と言えます。
TOTOの「やわらかい」水流が好きな方で、ある程度の光熱費を減らしたい場合は、これがおすすめです。
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なお、KMシリーズは、流通ルートと発売年で、いくつか別系統の製品があります。
順番にみていきます。
【2021年発売】(後継機あり)
【廉価版】
38・TOTO KM TCF8FM46
¥41,791 Amazon.co.jp (3/26執筆時)
アイボリー:TCF8FM46#SC1
ホワイト:TCF8FM46#NW1
ピンク:TCF8FM46#SR2
年間消費電力量:112 kWh/143kWh
1年の電気代:3,472円 (4,433円)
【下位機種A】
(+プレミスト)
39・TOTO KM TCF8FM56
¥51,792 楽天市場 (3/26執筆時)
39・TOTO KM TCF8CM57
¥44,096 Amazon.co.jp (3/26執筆時)
アイボリー:TCF8CM57#SC1
ホワイト:TCF8CM57#NW1
ピンク:TCF8CM57#SR2
年間消費電力量:112 kWh/143kWhh
1年の電気代:3,472円 (4,433円)
【下位機種B】
(+プレミスト/ノズルきれい)
40・TOTO KM TCF8FM66
¥81,179 楽天市場 (3/26執筆時)
40・TOTO KM TCF8CM67
¥54,364 Amazon.co.jp (3/26執筆時)
アイボリー:TCF8CM67#SC1
ホワイト:TCF8CM67#NW1
ピンク:TCF8CM67#SR2
年間消費電力量:90kWh/ 113kWh
1年の電気代:2,790円 (3,503円)
【下位機機C】【Amazon限定】
(+プレミスト/ノズルきれい)
41・TOTO TCF8AM68
¥53,680 Amazon.co.jp (3/26執筆時)
アイボリー:TCF8AM68#SC1
ホワイト:TCF8AM68#NW1
年間消費電力量:90kWh/ 113kWh
1年の電気代:2,790円 (3,503円)
【中位機種】
(上記+オートふた開閉)
42・TOTO KM TCF8FM76
¥88,880 楽天市場 (3/26執筆時)
42・TOTO KM TCF8CM77
¥82,800 Amazon.co.jp (3/26執筆時)
アイボリー:TCF8CM77#SC1
ホワイト:TCF8CM77#NW1
ピンク:TCF8CM77#SR2
年間消費電力量:90kWh/ 113kWh
1年の電気代:2,790円 (3,503円)
【上位機種】
(上記+瞬間暖房)
43・TOTO KM TCF8CM87
¥75,212 Amazon.co.jp (3/26執筆時)
アイボリー:TCF8CM87#SC1
ホワイト:TCF8CM87#NW1
ピンク:TCF8CM87#SR2
年間消費電力量:66kWh/ 80kWh
1年の電気代:2,046円 (2,480円)
リモコン:あり
オート開閉:あり(一部)
ウォシュレット節水:あり
温風乾燥:
オート脱臭: あり
泡洗浄:
第1に、TCF8FM46などです。
特定の電気店、ECストア向けに売られるモデルです。
下位機種 A
+プレミスト(清潔性)
下位機種 B C
+プレミスト(清潔性)
+ノズルきれい(清潔性)
中位機種
上記+オートふた開閉(利便性)
上位機種
上記+瞬間暖房(経済性)
先ほどの機種と場合と同じで、「廉価版」といえるTCF8GM24から上位になるほど、機能が増えていきます。
また、先述のダブル保温・瞬間暖房の有無で、電気代も変わってきます。
一方、通常のKMシリーズ(左図)と比べると、リモコンに「やわらか洗浄」「やわらかムーブ」のボタンがないことが分かると思います。
それ以外は同じですが、TOTOの「やわらか水流」のファンは注意してください。
「おしり」「おしりムーブ」という2つの水流になる代わりに、「少し安く」出していると考えればOKです。
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【2025年2月発売】
【下位機種A】
(+プレミスト)
39・TOTO KMシリーズ TCF8FKM02
¥51,880 楽天市場 (3/26執筆時)
アイボリー: TCF8FKM02#SC1
ホワイト: TCF8FKM02#NW1
ピンク: TCF8FKM02#SR2
年間消費電力量:104 kWh/137kWhh
1年の電気代:3,224円 (4,247円)
【下位機種B】
(+プレミスト/ノズルきれい)
40・TOTO KMシリーズ TCF8FKM12
¥63,280 楽天市場 (3/26執筆時)
アイボリー:TCF8FKM12#SC1
ホワイト:TCF8FKM12#NW1
ピンク:TCF8FKM12#SR2
年間消費電力量:85kWh/ 109kWh
1年の電気代:2,635円 (3,379円)
【下位機機C】
(+プレミスト/ノズルきれい+温風乾燥)
41・TOTO KMシリーズ TCF8FKM22
¥89,800 楽天市場 (3/26執筆時
アイボリー:TCF8FKM22#SC1
ホワイト:TCF8FKM22#NW1
ピンク:TCF8FKM22#SR2
年間消費電力量:85kWh/ 109kWh
1年の電気代:2,635円 (3,379円)
【中位機種】乾燥なし
(+プレミスト/ノズルきれい+オート開閉)
42・TOTO KMシリーズ TCF8FKM32
¥97,500 楽天市場 (3/26執筆時)
アイボリー:TCF8FKM32#SC1
ホワイト:TCF8FKM32#NW1
ピンク:TCF8FKM32#SR2
年間消費電力量:84kWh/ 108kWh
1年の電気代:2,635円 (3,348円)
【上位機種】乾燥なし
(上記+瞬間暖房+便座きれい)
43・TOTO KMシリーズ TCF8FKM42
¥51,792 楽天市場 (3/26執筆時)
アイボリー:TCF8CM87#SC1
ホワイト:TCF8CM87#NW1
ピンク:TCF8CM87#SR2
年間消費電力量:62kWh/ 75kWh
1年の電気代:1,922円 (2,325円)
リモコン:あり
オート開閉:あり(一部)
ウォシュレット節水:あり
温風乾燥:
オート脱臭: あり
泡洗浄:
第2に、 TCF8FKM02 などです。
本機も、特定の電気店、ECストア向けに売られるモデルですが、1つ上でみた機種より、1世代新しいです。
そのため、KMシリーズだけで言えば、性能は「ちょっと上」です。
経済性は、最下位機を除けばどれも良い水準です。
特に、最上位機は、同社では最も良い水準で、次に見る上位シリーズ(KW)相当です。
断熱材が上位仕様なのと、瞬間暖房に対応するためです。
さきほどの旧機よりも光熱費の水準はさらに良いです。
下位機種 A
+プレミスト(清潔性)
下位機種 B
+プレミスト(清潔性)
+ノズルきれい(清潔性)
下位機種 C
+プレミスト(清潔性)
+ノズルきれい(清潔性)
+温風乾燥(清潔性)
中位機種
+プレミスト(清潔性)
+ノズルきれい(清潔性)
+オートふた開閉(利便性)
上位機種
+プレミスト(清潔性)
+ノズルきれい(清潔性)
+オートふた開閉(利便性)
+瞬間暖房(経済性)
+便座きれい(経済性)
機能面は、本機も、グレードで装備が変わります。
注意点は、「温風乾燥」を希望する場合、上位機には装備されない点です。
この機能は、コアな愛用者がいる一方、使わない方は使わないからでしょう。
諸機能は、ここまで説明してきた機能性とほぼ同じです。
新しく加わるのは、上位機に装備される「便座きれい」です。
これは「きれい除菌水(ノズルきれい)」で使われる次亜塩素酸水便座下部に噴射し、漂白・除菌する仕組みです。
Atlasが「考えたな」と思う部分です。とくに男性が着座して利用する場合、写真の部分は結構汚れます。ホワイト系の色の場合(掃除をさぼると)変色していくこともあります。TOTOの場合、凸部分は交換対応部品ですが、それ以外の場合、便座ごとかえないと無理です。
ただし、先述のように、きれい除菌水は、カルキを利用するので、井戸水の地域ほか、東京・大阪の都市部など、高度浄水処理を導入している自治体で、カルキが少ない地域だと、発生量が少ない(効果が薄い)点は、注意点ではあります。
リモコンは、一方、新型です。
横長な形状です。「温風乾燥」付は、不自然に開いている上部にボタンが入ります。
本機も、水流について「やわらか洗浄」「やわらかムーブ」は選べません。
個人設定ボタンは、親切ですが、ようするに「メモリ」で、4人分の水流設定を、ボタンで選べるという機能性です。
このほか、リモコンの上部に、便座、便ふた開閉の押しボタンもあります。
ちなみに、下位機でボタンが不自然な配置になっているのは、便器一体型のモデルを含めて、リモコン(部品)を共通化させているからです。
あとは、特に言及したい部分はないです。
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結論的にいえば、新しい分、経済性の部分でKMシリーズでは、最も良いと言えます。
「やわらか系」の水流が不要な方は、買われる際、ほぼ同装備の旧機と値段差がないようならば、こちらを優先しても良いでしょう。
ただし、次からみていく上位機との装備や価格差は見てください。
【2021年発売】
44・TOTO KSシリーズ TCF8FS56
¥34,800 楽天市場 (3/26執筆時)
年間消費電力量:163 kWh/225Wh
1年の電気代:5,053円 (6,975円)
44・TOTO KSシリーズ TCF8CS67
¥38,005 Amazon.co.jp (3/26執筆時)
年間消費電力量:114kWh/ 150kWh
1年の電気代:3,534円 (4,650円)
リモコン:あり
オート開閉:
ウォシュレット節水:あり
温風乾燥:
オート脱臭: あり
泡洗浄:
TOTOのKSシリーズも、瞬間式の製品です。
ただ、基本的に「廉価版」で、便座につなぎ目と厚みのある旧仕様です。
機能面でも、やわらか洗浄ほか、プレミストもないなど、KFシリーズの廉価版より下位といえます。
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以上、 TOTOのSシリーズの紹介でした。
おそらく、(何らかの事情で)旧仕様の便座でないとはまらないご家庭のために再販されたモデルのように思います。
基本的には、選択肢にしなくて良いでしょう。
【2021年発売】
【中位機種】
45・TOTO KWシリーズ TCF8WW78
¥77,128 楽天市場 (3/26執筆時)
年間消費電力量:91kWh/ 118kWh
1年の電気代:2,821円 (3,186円)
【上位機種】
(+瞬間暖房)
46・ TOTO KWシリーズ TCF8WW88
¥83,693 楽天市場 (3/26執筆時)
年間消費電力量:66kWh/ 81kWh
1年の電気代:2,046円 (2,511円)
リモコン:あり
オート開閉:あり
ウォシュレット節水:あり
温風乾燥:
オート脱臭: あり
泡洗浄:
TOTOのKWシリーズは、TOTOの瞬間式の製品(リテール向け)では「最上位機」になります。なお、工務店・住設向けだとより上位の製品がでているので、次に見ます。
2機種ありますが、KMシリーズの中位機種と上位機種の違いと同じで、「瞬間暖房」機能の有無で、節電性能が異なる部分が相違点です。
一方、本機は、廉価版ではないので、しっかり、「やわらか洗浄」を含めた、KMシリーズのフル機能は網羅します。
その上で強化されるのは、清潔性です。
本機は「フチなしウォシュレット」ですので、奥の部分のお手入れがしやすい製品です。
また便座を凹凸を減らした新設計にしたり、本体の表示ランプを埋め込み透過式にしたり、メンテ製の部分で「拭きやすさ」を強化しています。
その他の点は、KMシリーズと同じです。
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以上、TOTOのKWシリーズの紹介でした。
基本的にメカの部分は、KMシリーズと同じです。ただ、「掃除のしやすさ」など、本体の部分を大改良した上位機と言えます。
実際、掃除を担当するものの立場に立つと、こう言った部分の進化は嬉しいです。
【2023年発売】
【住設向け製品】
47・TOTO アプリコット F1 TCF4714
¥57,500 楽天市場 (3/26執筆時)
アイボリー:TCF4714 #SC1
ホワイト:TCF4714 #NW1
ピンク:TCF4714 #SR2
年間消費電力量:80kWh/ 103kWh
1年の電気代:2,480円 (3,193円)
(+温風乾燥)
48・TOTO アプリコット F2 TCF4724
¥87,780 楽天市場 (3/26執筆時)
アイボリー:TCF4724 #SC1
ホワイト:TCF4724 #NW1
ピンク:TCF4724 #SR2
年間消費電力量:80kWh/ 103kWh
1年の電気代:2,480円 (3,193円)
(上記+オート開閉+ライト+においきれい)
49・TOTO アプリコット F3 TCF4734
¥95,980 楽天市場 (3/26執筆時)
アイボリー:TCF4734 #SC1
ホワイト:TCF4734 #NW1
ピンク:TCF4734 #SR2
年間消費電力量:82kWh/ 104kWh
1年の電気代:2,542円 (3,224円)
(上記+瞬間暖房+便座きれい)
50・TOTO アプリコット F4 TCF4744
¥109,950 楽天市場 (3/26執筆時)
アイボリー:TCF4744 #SC1
ホワイト:TCF4744 #NW1
ピンク:TCF4744 #SR2
年間消費電力量:60kWh/ 72kWh
1年の電気代:1,860円 (2,232円)
リモコン:あり
オート開閉:あり
ウォシュレット節水:あり
温風乾燥:あり(上位機)
オート脱臭: あり
泡洗浄:
TOTOのウォシュレット・アプリコットのFシリーズは、TOTOの住設向けの最新の最上位機です。
リテイル向けもそのうち出るかもしれませんが、現状で家電量販店系も同じ型番で取扱があったので、分けるかは不明です。
便座などとの一体型を除けば最もグレードの高い製品です。
F2
+温風乾燥(快適性)
F3
+オートふた開閉(利便性)
+においきれい(快適性)
+やわらかライト(利便性)
F4
+瞬間暖房(経済性)
+便座きれい(清潔性)
本機の場合も、最下位のF1を基準にして、上位になるほど、「機能が増えていく」という原則を覚えれば、選びやすいと思います。
以下、とくにこのグレードから追加された機能性を中心に説明をしていきます。
本体形状は、TOTOが強調する部分です。
すき間をなくした上で、従来機より15mmほど薄くなだらかな形状にしました。
これは、掃除のさいに有利です。とくにすき間については、経年変化により汚れやすい部分なので、継ぎ目や凹凸がなるべくない一体成形なるのは、かなりの進化です。
加えて、F3以上の場合、やわらかライト・ナイトライトモードが追加です。
ようするに、側面と便座内のLEDライティングです。用途は写真から察して下さい。
あれば経済性はやや増しますが、汚す危険が増えるのでまあ不要でしょう。
清潔性は、下位機種で説明した機能は「きれい除菌水(ノズルきれい)」を含めて、機能として搭載です。
加えて、下位機種の一部に搭載だったにきれい除菌水(次亜塩素酸水)を便座下部に噴射し、漂白・除菌する便座きれいも、上位機には備わります。
いずれも機能は良い機能性です。
ただ、先述のように、きれい除菌水は、カルキを利用するので、井戸水の地域ほか、東京・大阪の都市部など、高度浄水処理を導入している自治体で、カルキが少ない地域だと、発生量が少ない(効果が薄い)とはいえます。
個人的には(これはパナソニックの技術ですが)【脱臭機の比較記事】で書いたような、パナソニックのジアイーノ(次亜塩素酸発生機)で見られるような、(塩)タブレットを利用して発生させるような仕組みがあればより良いなと思いました。
水流は、エアを含めない「やわらか洗浄」が「おしりソフト」と名前を替えましたが、引き続き搭載です。
快適性に関わる部分では、一方、においきれいという機能性が本機にはあります。
F3・F4に搭載される機能です。
下位機でみたような「オート脱臭」と同じ仕組みですが、学習型節電機能とリンクして、使用が多い時間帯について、少し前から、脱臭を作動させる仕組みです。
ただ、これは便利かどうかは微妙なところです。実際、この部分を気にする方は、このブログの【脱臭機の比較記事】で書いたような、本格的な専用製品を買った方が実際良いです。
吐水水量は、0.32L/分〜0.43L/分の幅です。
下位機種同様に、割とエコですが、水流は(やさしめで)太いと言えます。
経済性は、どの製品も「学習型節電」が可能です。
断熱材を2重にするダブル保温仕様ですし、ライバルのパナソニックと比べても、遜色ない経済性です。
最上位機は、このグレードも瞬間暖房に対応するため、1年の電気代は最大で1,860円 と相当安いです。
利便性の点では、リモコンが付属します。
F1Aシリーズ
・TCF4714AK TCF4714AM
F2Aシリーズ
・TCF4714AK TCF4714AM
F3Aシリーズ
・TCF4714AK TCF4714AM
F4Aシリーズ
・TCF4714AK TCF4714AM
なお、このシリーズは、住設用なので、上で紹介している型番のほか、オート便器洗浄タイプ(=流すボタンがリモコンにあるタイプ)の型番が混じります。
これらの機種については、当然ですが、リモコンが異なります。
ただ、これらのモデルは既設のTOTO製品の(便器だけの)交換用といえます。本体の方の仕様で型番がさらにわかれますが、今回の比較の主旨とは少し外れるので【TOTOの公式サイト】をご覧ください。
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以上、TOTOのウォシュレット・アプリコットのFシリーズの紹介でした。
価格はかなり高いですが、独自機能も多く価格には納得感があります。とくに、きれい除菌水を利用した「便座きれい」は良いように思えます。
ただ、本編で書いたように、地域によって効果の多寡はあり得る仕組みなので、該当地域の方はやや注意とは言えます。
TOTOはきれい除菌水の仕組みをノズルや脱臭装置の洗浄ほか、清潔性にかかわる部分に多く利用するので(何かしらの消耗品が必要でも良いので)全国で同じように機能性を発揮できるシステムができればより良いなと思います。
2-2・東芝・ハイアールの瞬間式
続いて、東芝ライフスタイルの瞬間式の温水洗浄便座です。
同社も昔から瞬間暖房便座を売っていますが、少し安めで売られることが多い印象です。「クリーンウォッシュ」という名前です。
最近は、ハイアールも一部同型をだすので、同時にみていきます。
【2023年発売】
51・東芝 SCS-SRU7010
¥32,800 楽天市場 (3/26執筆時)
51・東芝 SCS-SRU71E3
¥37,800 楽天市場 (3/26執筆時)
【2021年発売】
52・東芝 SCS-SRM7000
¥42,280 楽天市場 (3/26執筆時)
年間消費電力量:84kWh/ 120kWh
1年の電気代:2,604円 (3,720円)
リモコン:あり(上位機)
オート開閉:
ウォシュレット節水:あり
温風乾燥:
オート脱臭: あり
泡洗浄:ウルトラファインバブル
SCS-SRU7010は、東芝の「クリーンウォッシュ」シリーズの温水洗浄便座です。
新旧両機種あります。
旧機種と新機種では、形状や電気代などの部分は変わりません。ただ、同社の新しい貯湯式でもみましたが、「清潔性」の部分の新機軸となる「ウルトラファインバブル」は新機種だけの搭載です。
結構大きな変化ですので、実質的には、上位機と下位機の関係と考えてください。
なお、新機種は、別型番での販売予定もあるようですが、こちらは性能差はないです。
清潔性は、多重の工夫があります。
まず、上位機では各社とも基本となる、着座時のオート脱臭機能は付属します。
その上で、東芝が強調するのが「ウルトラファインバブルプレケアミスト」です。
プレケアミスト(プレミスト)は、TOTOでもみました。
TOTOの場合、汚れ付を防止するため、着座時に内壁に水を出す機能でした。
東芝の場合は、写真のように水流が強いので、着座前にリモコンボタンで噴射させるか、あるいは、自動噴射設定にする場合、「利用後と約1時間ごとの定時」です。
一長一短ですが、しっかり洗う部分では「(軽い)おそうじ」的な意味合いを東芝の場合は保たせているとは言えます。
一方、「ウルトラファインバブル」の部分も特別な解説が必要でしょう。
これは、同社の【ドラム型洗濯機の比較記事】で取りあげた同社の洗濯機にも使われる、同社の「イチオシ」技術です。
ようするに、ミストの泡の粒状を通常より「相当細かく」噴射する技術で、すき間を含めた洗浄力を強化することができると考えてください。
名前からすると「魔術的」に思うのですが、ファインバブルは、東芝以外も産業界で広く洗浄に使われる注目の技術です。ノズル洗浄にも使います。
なお、旧機も「プレケアミスト」は対応でしたが、TOTOなどと同じ普通のミストでした。また、(着座センサー未搭載だったので)自動噴射設定もありませんでした。
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結論的にいえば、洗剤自体を使うパナソニックの「泡洗浄」ほど根本的ではないですが、汚れ予防に効果的でしょう。
そのほか、掃除しやすいステンレス製のノズルも採用しています。
利便性は、オートふた開閉機能に未対応など、上位機としてはやや魅力には欠けます。
リモコンは、付属します。
水流は、東芝も、エアーを入れて、使用水量に対して洗浄力(水圧)を上げる工夫があります。先述の「ウルトラファインバブル」はノズルから出る水にも使われます(エアインすっきり水流+)。
「優しくすっきり洗う水流」とされますが、バブルが、この部分の洗浄力強化につながるような記述はないです。
リズム洗浄や、洗浄の強さ(4段階)や位置調整(7段階)にも対応できます。
吐水水量は、0.4L/分-0.55L/分です。
水流が弱めでも0.4Lですので、節水性は(まあ)イマイチと言えそうです。
ただ、水道代の部分では(電気代ほどは)差を生みませんし、洗浄力を無理に弱くして節水するよりは良いかと思います。
空気を含めて、勢いを強める工夫もありますし、問題ありません。
経済性は、他社の中級機とだいたい同じです。
8時間オフタイマーを利用するとして、2,604円という水準です。
プレケアミストの自動噴射は電気代の計算に入っていませんが、使ってもそう変わらないと思います。
なお、東芝は、「時間を学習できない」ので、冒頭で書いた「8時間オフ」を利用するか、温度を常に低温(28度)に通電させておく、簡易的な節電モードしか、節電方法がないです。
OFF時間は5-8時間調整できますが、(初回や、停電などしたら)「消したい時間に起きて、一度、電源を抜き差しする」という不便さがあります。
節水機能は、先述のように、最大水量だけで言えば、0.55L/分と他社より多めです。
ただ、水勢は、0.4L/分〜0.55L/分の調整幅なので、使用方法によって大きな差にはならないでしょう。
また、エアインマイルド洗浄という名前ですが、空気を混入することで、節水しつつ、泡を利用して汚れを落としを強化しています。そのため、洗浄力に比して、通常の約半分の使用水量ということになります。
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以上、東芝のSCS-SRU7010の紹介でした。
清潔性にかかわる「ウルトラファインバブル」がやはり目立ちます。機能性としては、TOTOのプレミストより、パナソニックの「泡洗浄」に近いといえます。そちらと比較する場合、本体価格が安いほか、洗剤投入の手間いらずと言えます。
ただ、上位機としてみると、オート開閉付がない部分と、学習型節電機能がない点については、多少物足りない感じはあります。
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【個人向け製品】
【2023年発売】
53・東芝 SCS-SCK7010
¥28,675 楽天市場 (3/26執筆時)
【2021年発売】
54・東芝 SCS-SCK7000
¥50,185 楽天市場 (3/26執筆時)
【2010年発売】
55・東芝 SCS-S300
¥26,825 Amazon.co.jp (3/26執筆時)
年間消費電力量:84kWh/ 120kWh
1年の電気代:2,604円 (3,720円)
リモコン:あり(上位機)
オート開閉:
ウォシュレット節水:あり
温風乾燥:
オート脱臭: あり
泡洗浄:
なお、東芝の場合、瞬間式で、リモコン未付属となる機種の展開もあります。
ただ、こちらは、ウルトラファインバブル発生機能はもちろん、プレミストの発生機能自体がない機種となります。
3世代分の旧機が残ります。
2021年機は、水流や温度設定などを記録するメモリーボタンと、リズム洗浄が省略です。
2010年機は、リズム洗浄・メモリ機能がないほか、パネルデザインも旧式になります。
旧東芝時代の結構前のものですが、Amazonにアウトレット的に卸しているようです。おそらく、保守用の部品を使ったものでしょうし、問題ないと思います。
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結論的にいえば、どの世代も、光熱費は上位機と同じ水準で良いので、本体が低価格でランニングコストも良い機種を探している場合、候補の1つになるでしょう。
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【個人向け製品】
【2023年発売】
56・ハイアール JB-SS01A
¥27,273 楽天市場 (3/26執筆時)
ホワイト: JB-SS01A-W
アイボリー: JB-SS01A-C
年間消費電力量:84kWh/ 120kWh
1年の電気代:2,604円 (3,720円)
リモコン:
オート開閉:
ウォシュレット節水:あり
温風乾燥:
オート脱臭:
泡洗浄:
一方、ハイアールが出すJB-SS01Aは、1つ上での東芝機と出自(生産元)が同じと見て良いです。スペックはほぼ同じなので。
ただし、リズム洗浄・脱臭フィルターがないほか、ボタン配置の部分で、多用する水勢とノズル位置調整が単独キーではないため、若干使いにくそうです。
2-3・LIXILの瞬間式
続いて、LIXIL(INAX)の瞬間式の温水洗浄便座です。
【個人向け製品】
【2020年発売】
57・リクシル INAX RAA20 CW-RVAA2
¥37,180 楽天市場 (3/26執筆時)
白:CW-RAA2/BW1
黄:CW-RAA2/BN8
ピンク:CW-RAA2/LRB
ブルー:CW-RAA2/BB7
年間消費電力量:123kWh/ 163kWh
1年の電気代:3,813円 (5,053円)
リモコン:あり
オート開閉:
ウォシュレット節水:
温風乾燥:
オート脱臭: あり
泡洗浄:
CW-RVAA2は、リクシルがINAXブランドで出している瞬間式の「シャワートイレ」です。
同社の製品は、「シャワートイレ」主に工務店経由での販売が多いと言えますが、こちらについては、個人向けも兼ねているようです。
清潔性は、オート脱臭機能が付属します。
席を立つとより強力にかかkる「W脱臭パワー脱臭」も付属します。
そのほか、TOTOなど他社もみられた使用前の「プレミスト(鉢内スプレー)」が付属します。
水流は、おしり用のノズルと、ビデ洗浄ノズルが別になっていることを強調します。
ただし、他社機も(格安品を除けば)このような構造です。
洗浄について、水流が10%強い「ターボ洗浄」に対応します。
吐水水量は、0.24L/分〜0.45L/分です。
ターボモードを利用すると0.5Lですので、瞬間式における他社の平均値並にあります。水量の部分で不満を感じることは少ないでしょう。
利便性の点では、オートふた開閉機能に未対応など、やや魅力に欠けるでしょう。リモコンは付属します。
経済性の点でも、1年間の電気代が約3,813円と他社の瞬間式に比べるとイマイチです。
断熱性の部分ほか、学習型節電に非対応だからです。ただ、東芝のような、未使用時の低温運転(スーパー節電)な動作はしています。
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以上、INAXのRVシリーズの紹介でした。
水流についてはさすがに「サニタリーメーカー」であり、パワフル洗浄、マイルド洗浄ともに水流は心地よいです。リモコンや脱臭機能を含めて2万円前後の多機種と見劣りしません。
ただ、省エネ性と便ふた自動開閉機能の面では、やや魅力に欠けるでしょう。
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なお、INAXの瞬間式は、このほかにも一般購入できるラインナップがあります。
順番にみておきます。
【2024年発売】
【個人向け製品】
【下位機種】
58・リクシル INAX RWA20A CW-RWA2A
¥46,580 楽天市場 (3/26執筆時)
白:CW-RWA2A/BW1
黄:CW-RWA2A/BN8
ピンク:CW-RWA2A/LRB
ブルー:CW-RWA2A/BB7
【上位機種】(フルオート便座)
59・リクシル INAX RWA30A CW-RWA3A
¥55,170 楽天市場 (3/26執筆時)
白:CW-RWA3A/BW1
黄:CW-RWA3A/BN8
ピンク:CW-RWA3A/LRB
ブルー:CW-RWA3A/BB7
年間消費電力量:104kWh/ 139kWh
1年の電気代:3,224円 (4,309円)
リモコン:あり
オート開閉:(上位機)
ウォシュレット節水:
温風乾燥:
オート脱臭: あり
泡洗浄:
第1に、RWシリーズです。
RAシリーズの1つ上位の製品です。
比較する場合、ノズルの経路に銀イオンカードリッジが付属する点です。
電解水を使うTOTOと方向性は違いますが、目的は同じでしょう。ただ、銀イオンは消耗品扱いではないので、さほど強力ではないかと思います。
一方、上位機のみ、人感センサーが付属し、フルオート便座です。ただ、同社の場合、最上位機でも、温風乾燥には非対応です。
そのほか、年間消費電力量は、下位機種より少し優秀ですが、やはり、他社の最上位機と比べると、少し多めです。
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【住設向け製品】
【2024年発売】
60・リクシル INAX New Passo VA CW-VA11
¥122,000 Amazon.co.jp (3/26執筆時)
白: CW-VA11/BW1
黒: CW-VA11/BKG
グレー: CW-VA11/GYG
年間消費電力量:118kWh/ 160kWh
1年の電気代:3,658円 (4,970円)
リモコン:あり
オート開閉:
ウォシュレット節水:
温風乾燥:
オート脱臭: あり
泡洗浄:
第2に、CW-VA11です。
住設向けのNew Passoシリーズの瞬間式のシャワートイレです。
瞬間式でシートタイプの本機のみAmazonなどで市販がありました。一体型ではなく、(多くの場合)従来の便座に付けられるというタイプだからです。
なお、初回執筆時、Amazonだと貯湯式とありましたが、VA型は瞬間式です。
相違点は、デザイン性です。
継ぎ目の少ないデザインで、トイレの印象を変えられるタイプと言えます。
一方、機能性は、最初にみたRVシリーズ相当で、銀イオンカードリッジも、オート便座開閉も非対応です。
外観は高級ですが、機能性は「ほどほど」と言えます。
今回の結論
省エネ性能の良い温水洗浄便座のおすすめはこれ!
というわけで、今回は、温水洗浄便座の比較の2回目記事でした。
しかし記事は、もう少しだけ「続き」ます。
3・温水洗浄便座の比較 (3)
3-1:最終的なおすすめの提案【結論】
清潔性 ★★★★★
経済性 ★★★★★
利便性 ★★★★☆
総合評価 ★★★★★
続く3回目記事(こちら)は、結論編です。
今回紹介した全機種から、いつものように、予算別・目的別にAtlasのおすすめ機種を提案します。
引き続きよろしくお願いします。
3回目記事は→こちら