【今回レビューする内容】2023年 完全ワイヤレスイヤホンの音質・性能とおすすめ・選び方:
【比較する製品型番】パナソニック Technics EAH-AZ80 EAH-AZ60M2 EAH-AZ70W RZ-S50W RZ-S30W EAH-AZ60 EAH-AZ40 JVC HA‐FX150T HA-FW1000T XX HA-XC51T XX HA-XC90T JVC XX HA-R Victor HA‐A30T HA‐A20T HA‐FX100T HA-A11T HA-A8T HA-XC62T Victor nearphones HA-NP35T HA-NP25T JVC XX HA-XC72T ケンウッド KH-BIZ70T オーディオテクニカ ATH-TWX9 ATH-CKS30TW ATH-CKS50TW ATH-ANC300TW ATH-CKR70TW ATH-CK1TW SONICSPORT ATH-CKS5TW ATH-SQ1TW2 ほか
今回のお題
完全ワイヤレスイヤホンのおすすめはどの機種?
ども、Atlasです。
今回は、2023年7月現在、最新の、左右独立した完全ワイヤレスイヤホンの比較の2回目記事です。
1・完全ワイヤレスイヤホンの比較(1)
1-1:選び方の基本の解説【導入】
1-2:アップル〈米国〉
1-2:ソニー〈日本〉
1-3:BOSE〈米国〉
2・完全ワイヤレスイヤホンの比較(2)
2-1:パナソニック〈日本〉
2-2:JVC〈日本〉
2-3:オーディオテクニカ〈日本〉
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較(3)
3-1:JBL〈米国〉
3-2:ANKER 〈米国〉
4・完全ワイヤレスイヤホンの比較(4)
4-1:Beats〈米国〉
4-2:SHURE〈米国〉
4-3:Bang&Olufsen〈北欧〉
4-4:Jabra 〈北欧〉
4-5:Noble Audio〈米国〉
5・完全ワイヤレスイヤホンの比較(5)
5-1:ヤマハ〈日本〉
5-2:AVIOT〈日本〉
5-3:Final ag 〈日本〉
6・完全ワイヤレスイヤホンの比較(6)
6-1:Amazon 〈米国〉
6-2:Google 〈米国〉
6-3:ゼンハイザー〈ドイツ〉
6-4:DENON〈日本〉
7・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (7)
7-1:他のブランド 〈各国〉
8・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (8)
=予算別・目的別のおすすめの提案【結論】
2回目記事は、パナソニック・JVC・オーディオテクニカといった日本の大手音響機器メーカーの製品を順番に紹介するつもりです。
2-1・パナソニックのイヤホン
はじめに、日本のパナソニックの完全ワイヤレスイヤホンです。
言わずと知れた、日本でも稀少な総合家電メーカーですが、「テクニクス」ブランドとして、高級オーディオ部門も抱える、オーディオ界の名門の1つです。
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以下では、Atlasのおすすめポイントを赤字系で、イマイチだと思う部分を青字系で書きます。
【2023年発売】
14・ パナソニック Technics EAH-AZ80
¥37,000 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
【2020年発売】
14・ パナソニック Technics EAH-AZ70W
¥13,990 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-40kHz
コーデック:SBC AAC LDAC
連続再生時間:7時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:7g×2
EAH-AZ80は、パナソニックが発売した完全ワイヤレスイヤホンです。
後発でしたが、同社の高級オーディオブランドである「テクニクス」の名を冠し、AppleやSONYにたいして追い上げを図ってきました。
なお、本機の旧機種となるEAH-AZ70Wが残ります。
だいぶ値段差があります。ドライバサイズ(10mm)は同じですが、今回はドライバ周りの構造が一新されました。特に、(Bluetoothコーデック部分を含め)ハイレゾ対応になったので、実際的には、新機種の「下位機」とみなすべきです。
そのほか、耳の凹み(コンチャ)を利用してフィットさせる新構造で、長時間装着でも疲れにくくする装着感の改良(コンチャフィット形状)も見られます。
ただ、現状の価格で言うと「安い」です。重さやノイキャン部分を含めて、あとのスペックはだいたい同じです。
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結論的にいえば、音質も1万円前後の他社機と比べると「かなり良い」ので(新機種と差はあるにせよ)、値段重視ならば旧機を選んでも良いかと思います。
以下は、新機種基準で説明していきます。
本体色は、ブラック(EAH-AZ80-K)とシルバー(EAH-AZ80-S)の2色構成です。
重量は、7gです。
ユニットは大粒ですが、意外と軽量ですし、装着感も良いです。
イヤーピースは、7サイズが添付されます。
先述のように、今回の改良は「装着感も重視」だったので、従来の4サイズから、とくに耳口の小さな方向で拡充されました。
シリコン素材で、周辺と中心で硬度を変えている特製品です。
ドライバーは、10mmとかなり大きいです。
本体を(過度に)小型化しなかった理由がここで、大きいドライバーを搭載できています。
他社と同じダイナミック型ですし、サイズが大きいほど音質的に余裕があり、安定的となります。
振動版はアルミ製振動板です。同社の(ワイヤレスではない)20万円弱の高級イヤホンのEAH-TZ700と同じ振動板・フリーエッジ構造を採用します。
全く同じユニットではないですが、その思想は引き継いでいると言えます。
なお、旧機種はエッジのPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)素材の採用と、グラフェンコートの言及がありましたが、新機種はありません。先述のように、この部分の構造は見直されたようです。
一方、空気の流れを制御するアコースティックコントロールチャンバーのほか、高音域の音質を改善するためのハーモナイザーが前方に付く構成になりました。
再生周波数帯域は、20Hz-40kHzです。
ドライバ・ハーモナイザーなどの改良は、ハイレゾ対応水準にするための改良と言えます。
試聴の限り、割と聴いた旧機に比べて、高音域の音質がよりクリアです。
ドライバは前から大きかったこともあり引き続き低音域はかなり余裕があります。
音漏れもほぼ感じません。
音質のパーソナライズは、一方、機能としてないです。
マイクを使って個々人の聴覚特性に合わせて「カスタムメイド」するような方向性の製品ではないです。この部分が、1回目記事でみた3社の上位機と違うと言えます。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・LDACに対応します。
ソニーと同じでLDACでのハイレゾ対応です。
比べると通常音源のハイレゾ水準へのアップグレード技術(DSEE Extreme)はないです。
その代わりダイレクトモードとして、イコライザで味付けされにくい音質が選べます。方向性の違いでしょう。
立体音響は、一方、独自の対応情報については未記載です。
接続安定性の面では、一方、本機はBluetooth5.3に対応しています。
左右独立受信方式です。
ノイズ対策は、Wマイク仕様です。
旧機種から続く同社の独自性と言えるのは、本機については内側のマイクを(あえて)アナログ制御にしている点です。
同社によれば、アナログ方式のが即応性があるため、内部のキャンセルには適するとのことです。
技術水準は高く、効きも良かったです。
一方、本機は、外音取り込み(アンビエント)こそありますが、スマホと連携しての外音の自動調整など、細かい調整力は、ソニーに及ばない部分があります。
連続再生時間は、ステレオ再生/ノイキャンONで7時間と長寿命です。
バッテリーケースは、やはり、充電器を兼ねており、約3回分利用可能です。
マイクは、搭載です。
また、この部分の品質に割とこだわりがあります。
独自の音声解析用プロセッサを採用しつつ、送話の音声とノイズを区別する「ビームフォーミング技術」ほか、風切り音を低減する「ラビリンス構造」などを採用します。
発話検知マイクは、独自ですが、発話開始時の音声検知水準が向上させることで、通話品質を上げる仕組みです。
方式は、小型化の部分で優れるMEMSです。
防水性は、IPX4等級です。
防滴構造はありますが、構造的にスポーツ用ではないでしょう。
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以上、パナソニックのEAH-AZ80の紹介でした。
ハイレゾ水準に対応した部分で、ソニーの最上位機(WF-1000X系)の有力なライバルになりました。
較べる場合、ドライバサイズが大きいので、音域により余裕がある感じです。味付け(イコライザ)を使わなず、ナチュラルにハイレゾを楽しめるTWSに感じました。
一方、ノイズキャンセラーもパナソニックは「独自の方向性」ですが、移動中の周囲の環境に合わせる部分ではソニーに及ばないので、通勤・通学時の利用はソニー高級機に少し及ばない部分はあるでしょう。
とはいえ、旧機に引き続き無理のないサイズで10mmのドライバーを搭載しているのは立派で、音質の期待値は高級機の中でも指折りでしょう。
音質に妥協がない「テクニクス」的な製品だと感じました。
【2023年発売】
15・ パナソニック Technics EAH-AZ60M2
¥28,001 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
【2021年発売】
15・ パナソニック Technics EAH-AZ60
¥19,750 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC・AAC・LDAC
連続再生時間:7時間
ドライバー:8mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:7g×2
EAH-AZ60M2は、パナソニックのテクニクスブランドの中級機です。
こちらも旧機がありますが、先述のダイレクトモードの搭載以外は、目立つ違いはないです。ハイレゾも(発売時期の関係で)旧機でも対応水準でしたので。
本体色は、ブラック(EAH-AZ60M2-K)とシルバー(EAH-AZ60M2-S)の2色構成です。
重量は、7gです。
上位機種と同じですが、手前方面に多少小粒で、見た目はスッキリします。
仕様面は1つ上で見た上位機とほぼ同じです。
ドライバーは、ただ、8mmです。
10mmの上位機とは差を付けますが、十分大きめでしょう。
やはり「音質最優先」のブランド哲学からだと思います。
素材は、上位機とは異なり、本機は、振動板がバイオセルロース素材です。フリーエッジ構造の言及もないです。
ただ、前方のハーモナイザー、後方のアコースティックコントロールチャンバーと、似たような空間構成なので、思想の方向性は同じです。
音質は、同じ構造の旧機の場合ですが、上位機よりも低音の膨らみは控えめです。
ただ、高音域も違和感なく出ているので、こちらもハイレゾ向きに思えます。
あとの部分は、アナログ併用のWマイク仕様である点や、マイク構成を含めて、上位機とほぼ同じです。
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以上、パナソニックのEAH-AZ60M2の紹介でした。
ドライバが多少小さく、素材も変わりますが、値段が安いほか、多少小粒なので装着時の見た目の部分でも、上位機ほど目立たないというメリットはありそうです。
ただ、完全ワイヤレスイヤホンは、低音を充実させたほうが、傾向としては音質が良いため、上位機が音質面でも上位ではあります。
難しい部分ですが、新機種同士で言えば(改良の力の入れ具合を含め)予算の違いをふまえても、上位機のがおすすめです。
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【2021年発売】
16・ パナソニック Technics EAH-AZ40
¥14,700 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:7.5時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:5g×2
このほか、EAH-AZ40という下位機種も展開されまます。
本体色は、ブラック(EAH-AZ40-K)・シルバー(EAH-AZ40-S)ほか、ローズゴールド(EAH-AZ40-N)です。
テクニクス系にしては、本体を小型化していて、主に女性向けに売られます。
イヤーピースは、4サイズとなります。
ドライバーは、6mmです。
小型でも、標準サイズはクリアしている部分に、テクニクスのこだわりを感じます。
ただ、新しいバイオセルロース素材はこのサイズだと強度的に無理なようで、(最上位機と同じ)PEEK振動板にしています。
とはいえ、前後の空間的な余裕は多く、音質重視の設計です。
一方、ノイキャンは省略となります。
マイクも、先述の発話検知マイクはあうものの(外側のマイクがない)3マイクなので、外的環境要因のノイズについては、上位機より弱いでしょう。
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結論的にいえば、小型が良いが、できるだけ、音質にもこだわりたいという方向けです。
ただ、ドライバ6mm前後の製品は他社の競合機も健闘しているため、比較は必要です。
【2020年発売】
17・ パナソニック RZ-S50W
¥6,800 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:6.5時間
ドライバー:8mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:7g×2
RZ-S50W は、パナソニックが発売した完全ワイヤレスイヤホンです。
こちらは、テクニクスではなく、パナソニックとしての販売です。
本体色は、ブラック(RZ-S50W-K)とホワイト(RZ-S50W-W)の2色構成です。
重量は、7gです。
同社の上位機と同じ重さで、重さを感じない作りです。
イヤーピースは、4サイズが添付されます。
ドライバーは、8mmです。
大きめながら、音質に関わるほかの部分では、同社上位機に見られたような個性はあまりないです。
Bluetoothコーデックは、SBCとAACには対応します。
接続安定性の面では、一方、本機はBluetooth5.0に対応しています。
また、本機も、左右独立受信方式です。
ノイズ対策は、一方、本機はしっかりしておりWマイク仕様です。
上位機同様に、内側のマイクを(あえて)アナログ制御する仕様です。
アナログ方式のが即応性があるため、内部のキャンセルには適するとのことで、技術水準はこの値段クラスとしては、一段階高く、本機を選ぶポイントとなるでしょう。
連続再生時間は、ステレオ再生/ノイキャンONで6.5時間と長寿命です。
バッテリーケースは、やはり、充電器を兼ねており、約3回分利用可能です。
マイクは、上位機同様の仕様で、優れます。
コンデンサー型より質の良いMEMSグレードのマイクを採用するほか、送話の音声とノイズを区別する「ビームフォーミング技術」、風切り音を低減する「ラビリンス構造」を採用します。
防水性は、IPX4等級です。
防滴構造はありますが、構造的にスポーツ用ではないです。
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以上、パナソニックのRZ-S50W の紹介でした。
本機の、注目点は、ノイズキャンセラとマイクの質の良さです。
ドライバーサイズなど、静かな場所での音質は同社の高級機には及びませんし、このクラスの他社機に優れた製品も多いですが、この部分は、本機が圧勝でしょう。
その点で、(騒音で音質は過度に重要でない点で)電車などの通勤通学に主に使う方、ハンズフリー通話を多用する方にオススメできます。
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【2020年発売】
18・ パナソニック RZ-S30W
¥6,740 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC・AAC
連続再生時間:7.5時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:4g×2
このほか、パナソニックについては RZ-S30Wという入門機も出します。
本体色は、グリーン(RZ-S30W-G)のほか、ブラック(RZ-S30W-K)・ホワイト(RZ-S30W-W)の2色構成です。
重量は、4gと軽さ重視です。
これは、パナソニックが新開発した超小型のタッチセンサーアンテナの効用です。
ただ、その他の部分は特段個性はなく、ノイキャンも付属しません。性能と言うより、ファッションで選ぶ製品でしょう。
2-2・JVCのイヤホン
続いて、日本のJVC(日本ビクター・JVCケンウッド)です。
老舗ですが、高級機はあまり出さず、中級製品を安めで出すのが得意なグローバルブランドです。
【2021年発売】
19・ JVC Victor WOOD HA-FW1000T
¥29,500 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC Apt-X
連続再生時間:9時間
ドライバー:11mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX4
重さ:7.8g×2
HA-FW1000T は、JVCが伝統の「ビクター」ブランドで発売する、完全ワイヤレスイヤホンの最上位機です。
重量は、7.8gです。
平均よりは少し重めですが、ギリギリ許容範囲でしょう。
イヤーピースは、シリコン製のイヤーチップが5サイズで同梱です。
ドライバーは、11mmです。
大きめですが、その上で、本機はウッドドームカーボン振動版です。
JVCは、昔から木製素材のドライバにこだわりがある企業です。したがって、最上位機にも採用してきました。
PET素材と複合させていますが、木製振動版はスピード感に優れるほか、温かい解像感というか、独特の味があるため、ファンも多いです。
基本的にはフラットな音質で、低音域・高音域を過度に強調しないタイプです。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACほか、Apt-Xにも対応です。
接続安定性の面では、Bluetooth5.2採用です。
その上で、他社同様に左右独立転送に対応します。
ノイズ対策は、Wマイク式です。
ただ、自社開発ではなく、クアルコムのSOCをまるごと使う方式です。
この部分は、自社開発できるBOSE・SONY・パナソニックなどとは違い、独自の工夫の余地はほぼないといえます。
ジョギング用などに「外音取り込み機能」は搭載です。
音質のパーソナライズは、同社も機能としてないです。
連続再生時間は、ステレオ再生で9時間となります。
防水性は、IPX4等級です。
マイクは、搭載です。
パナソニックに比べてさほど特徴はないですが、音が籠もりにくいマスクモードの採用は面白いです。
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以上、JVCのHA-FW1000T の紹介でした。
ウッドコーンの採用がやはり注目点です。個性的で特徴的な音ですので、そのファンはもちろん、お持ちのイヤホンと音の側面で「差」を付けたい方にも良いかと思います。
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【2020年発売】(ノイキャンあり)
20・JVC Victor HA‐FX150T
¥14,980 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
【2020年発売】(ノイキャンなし)
20・JVC Victor HA‐FX100T
¥10,500 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:7.5時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:4.4g×2
なお、JVCの「ビクター」ブランドについては、下位機種といえるHA-FX150Tも展開されます。
本体色は、ブラック(HA-FX150T-B)とゴールド(HA-FX150T-N)です。
旧機種も残りますが、こちらはノイキャン非搭載で、ドライバも旧式なので音質は異なります。
音質は、重低音よりも、音のクリアさを重視したスタジオモニター系の音質です。
ただ、新機種になって「メタルプレーティングチャンバー」を採用することで、やや弱かったこの部分を強化し、音域を拡げています。
ノイキャンは、1マイク式なので、上位機と差があります。
バッテリーは、旧機種は相当短い2.5時間でしたが、今回は、ノイキャンONでも7.5時間(ケース9.5時間)と伸びました。
コーデックは、SBCとAACです。Bluetoothは5.2になります。問題ありません。
そのほか、外音取り込みに対応するほか、ゲーム向けの低遅延モードも付属です。
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結論的にいえば、フラットで聴きやすい音質の「ビクター」ブランドの製品で、装着感が軽い製品を探している場合、選択肢にできます。
同価格帯の他社機に比べると、「低遅延モード」ほどしか個性はないとは言えますが、そつがない製品に思えます。フラットで聴き疲れしないチューンです。
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【2022年発売】
(ノイキャンあり)
21・JVC Victor HA‐A30T
¥7,999 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
(ノイキャンなし)
21・JVC Victor HA‐A20T
¥5,238 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC
連続再生時間:7.5時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク
防水性能:IPX4
重さ:4.2g×2
おなじく、HA‐A30Tも「ビクター」ブランドで出している製品です。
コンセプトは、カジュアル寄りで、小型・軽量です。
改めて、ビクター犬(ニッパー)のロゴは「かわいい」ので、わりと若い子にも受け入れられるかなと思います。ケースも含めて軽いです。
ノイキャン機能は、上位機は付属します。
ただ、Wマイク式ではないです。
イヤーピース部の素材的な工夫で、装着感をキープしつつ遮音性を高める工夫はありますが、基本的には、ノイキャン機能はオマケ的で、「軽さ」を前面に打ち出した製品です。
音質面は、あまり情報がない製品です。
6mmのドライバーで、バスブーストモードが付きますが、コーデックがSBCのみですし、さほど期待値は高くないでしょう。
外音取り込みも可能で、防水性はIPX4等級です。
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結論的にいえば、軽量な製品を探している方で、ビクター犬ロゴに「かわいさ」を感じる方向けといえ、特に、通勤通学時には向く、入門機といえます。
コーデックを含めて、仕様的に音質に惹かれて買うような本格的な製品ではないです。サイズ感をふまえて、低音の厚みもさほどではないです。
ただ、信頼性の担保される老舗の音響企業がだす1万円前後の値段の製品として、それなりにうまく「まとめたな」という印象を持ちました。
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【2022年発売】
22・JVC Victor nearphones HA-NP35T
¥10,299 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC
連続再生時間:7時間
ドライバー:16mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ12g×2
さらに、HA-NP35Tも、JVCの「ビクター」ブランド系の製品です。
本体色は、ホワイト(HA-NP35T-W)・ブラック(HA-NP35T-B)・ブルー(HA-NP35T-A)です。
コンセプトは、会議や仕事よりといえる製品です。
イヤホンとしての要素もですが、会議用・通話用のヘッドセット的な要素のほうが強いです。
マイクも両側に指向性マイクが付くため、片耳だけでも利用できる仕様です。
ドライバーは、16mmと大きいです。
ただ、本機については、オープンエア(開放型)ですから、外音は遮断されません。
音漏れは開放型としては設計上少なくしていますが、静粛な環境ほか、乗り物で使うべきものではないでしょう。
ノイキャン機能は、当然ですが、未付属です。
ただ、通話用のノイズリダクションはあります。
音質面は、開放型なので、没入感は期待できません。
ただ、この手の仕事用としては「ビクター」レーベルで出したこともあり、中音域はそこそこ充実していました。
低音も、ドライバを大きめにできるため、それなりには出ます。
防水性はIPX4等級です。
外音取り込みは、構造上、装着時に完全に外音が聞こえるタイプです。
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結論的にいえば、イヤーフックタイプで手軽な「完全ワイヤレスヘッドセット」を探している方に向くと言えます。マイク部分の工夫は、それ専用ではない完全ワイヤレスイヤホンの高級機並の性能が期待できます。
ただ、音質部分では、音楽用と格差があるので、あくまで「仕事用としては音質が良い」と考えてください。
ただ、1万円前後の予算でそうしたコンセプトの製品は少ないですし貴重でしょう。
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【2022年発売】
23・JVC Victor HA-NP25T
¥10,299 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC
連続再生時間:7.5時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX5
重さ6.9g×2
JVCの「ビクター」ブランドのイヤーフック型はもう一機、HA-NP25Tという製品もあります。
本体色は、ホワイト( HA-NP25TT-W)・ブラック(HA-NP25T-B)・ブルー(HA-NP25T-A)です。
コンセプトは、防水対応のスポーツ用格安軽量イヤホンです。
イヤーフック型はもう一機で6.9gというのは軽いです。
フック部分に柔らかい素材を使用し、装着感ほか軽量性を出しています。
ドライバサイズを含めて、音質面で個性はない製品ですが、IPX5相当の防水はあるので、ランニング用・ワークアウト用などに使いやすいといえます。
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結論的にいえば、「日本ブランド」の音響メーカーが出すスポーツ用としては「最安級」です。
一方、機能面・音質面で個性がないのと、同じく、イヤーフック型の「柔らかいタイプ」をAnkerが同じほどの値段で同時期に出してきたので、比較はしても良いかと思います。後ほど紹介するつもりです。
【2021年発売】(ノイキャンあり)
24・ JVC XX HA-XC91T
¥16,532 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
【2020年発売】(ノイキャンなし)
24・ JVC XX HA-XC90T
¥11,800 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC Apt-X
連続再生時間:11時間
ドライバー:12mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:IPX5
重さ:9g×2
HA-XC91Tも、JVCの完全ワイヤレスイヤホンです。
こちらは、ビクター系ではなく、クリアさより重低音を強調する同社のXXシリーズの上位機です。
こちらは、HA-XC90Tの後継機で、ノイキャンに新たに対応した改良版です。
重量は、9gです。
平均値より重めで、軽量化は重要視していない製品です。
イヤーピースは、シリコン製のイヤーチップが3サイズで同梱です。
ドライバーは、12mmとかなり大きいです。
その上で、トルネード状のエクストリームトルネードダクトとエクストリームディープバスポートの採用で、機構的に重低音を強める方向性の製品です。
ようするに、ビクター系とは傾向が違い、低音重視です。
一方、他社と比べると、ハード的な補正を目指している点が、同じく重低音に強いソニー製品との違いです。
Bluetoothコーデックは、SBC・AACほか、Apt-Xにも対応です。
接続安定性の面では、Bluetooth5.0採用です。
左右独立転送に対応します。
ノイズ対策は、Wマイク式です。
こちらも、クアルコムのSOCを使うもので、外音取込も可能です。
連続再生時間は、ステレオ再生・ノイキャンONで11時間となります。
重さを反映している面はありますが、充実していると言えます。
防水性は、IPX5等級です。
マイクは、特段の技術は強調されませんが、こちらも搭載です。
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以上、JVCのXXシリーズの HA-XC91Tの紹介でした。
BOSEやオーディオテクニカなど、「低音域の充実」を売りにする製品がライバルです。
比較すると、大きなドライバーを採用しつつ、従来的なハードの工夫で低音域の向上を図っている点に、こだわりを感じます。
ただし、先述のように、結構な重量がある点はマイナスポイントでしょう。
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なお、XXシリーズは、いくつかほかの完全ワイヤレスイヤホンがあります。
【2022年発売】(ノイキャンあり)
25・ JVC XX HA-XC72T
¥10,900 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:7.5時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク
防水性能:IP55
重さ:4.6g×2
第1に、HA-XC72Tです。
こちらは、できるだけ「小型」化し、重低音を楽しめるように設計されたモデルです。
先ほどみた機種と比較すると、4.6gと圧倒的に「軽い」一方、6mmと通常さいずのドライバーで、バッテリー量も少なくなります。
ただ、チューン自体は重低音を延ばす方向性での設計で、低音を自動で延ばせるバスブーストボタンも装備します。SONYのバスブーストのようなものです。
一方、ノイキャンについては、サイズを小型化しているので、1マイク式です。
通勤通学時は、すこし物足りない部分があります。
本機には、防水防塵性がIP55と高い部分を含めて、「ストリート用」といえるかもしれません。
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【2022年発売】白は、KH-BIZ70T-W
26・ JVC ケンウッド XX KH-BIZ70T-B
¥13,600 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:7時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク
防水性能:IPX4
重さ:4.6g×2
第2に、KH-BIZ70Tです。
JVCが「ケンウッド」レーベルで販売するモデルです。
同じ6mm口径の製品で、重さも同じです。
発売時期を考えても、1つ上でみた XX HA-XC72Tと似通った「兄弟機」と言えますが、そちらと違い「ビジネス用」です。
こちらは、マイク通話利用時の利便性を高めたモデルです。
片耳だけで利用できるほか、待ち受けが2箇所できる「マルチポイント」対応です。
音質面では、本機は「ノーマル」・「ベース」・「クリア」と2種のサウンドモードを持ちます。
その部分では、ビクターとXXシリーズの中間的な属性とも言えますが、際だった個性がないというのが正解かと思います。
ゲーム用の低遅延モードも搭載で、際立った個性はないが、「なんでもできる」系にした、マルチロール機に思えます。
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【2022年発売】赤は、HA-XC62T-R
26・ JVC ケンウッド XX HA-XC62T-B
¥9,900 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:7時間
ドライバー:6mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX55
重さ:4.4g×2
第3に、HA-XC62T-Bです。
やはりケンウッドレーベルで、1つ上の機種と似た形状です。
ただ、こちらは、上位機とおなじIP55等級の防水防塵等級が付きます。
防水等級(IPX5)だけつく機種ならばありますが、防塵等級(IPX5)も合わせて付くのは割と珍しく「タフ」です。
そのかわり、先述のマイクの工夫ほか、ノイキャンが省略になる点が注意点です。
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【2018年発売】
27・JVC XX HA-HC70BT-B
¥4,480 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC
連続再生時間:3時間
ドライバー:5.8mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX5
重さ:5.5g×2
第4に、 HA-HC70BT-Bです。
重低音重視のXXシリーズの廉価版となります。
ドライバは、5.8mmと平均以下のサイズで、トルネードダクトは不採用です。
その代わりが、大きなエクストリームディープバスポートが採用されていて、音が籠もらず、伸びやかな低音です。
ただ、構造的に、音漏れはあるので、図書館など静寂な空間での利用は向かないでしょう。それ以外で、低音域重視ならば、割と良い選択肢と思います。
【2021年発売】
28・ JVC HA-A11T
¥5,256 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC Apt-X
連続再生時間:8時間
ドライバー:5.8mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX5
重さ:5.2g×2
JVC HA-A10Tは、日本のJVCが発売する、完全ワイヤレスイヤホンの入門機です。
これより安い機種にHA-A5Tもありますが、音質的に語れるのはこのグレードからでしょう。
本体色は、ブラック(HA-A11T-B)・ブルー(HA-A11T-A)・ホワイト(HA-A11T-W)・トープ(HA-A11T-T)の4色です。
重量は、片側につき、5.2gです。
軽量と言って良いでしょう。
イヤーピースは、S・M・L各サイズ2個ずつ添付されます。
ドライバーは、5.8mm径ドライバーです。
水準としては、同社の1万円強の上位機と同とのスペックです。
したがって、音質の傾向も同じで、中音域の聞きやすさを重視する方向性です。
Bluetooth無線は、SBC規格とApt-Xです。
AACに対応できないのでiOS系には向きませんが、Androidユーザーには、多くの場合良い仕様でしょう。
接続安定性の面では、格安ですが、Bluetooth5.1に対応します。
ノイズ対策については、未対応です。
連続再生時間は、ステレオ再生で8時間と、かなり長いです。
ケースも20時間分の充電が可能です。
防水性も、IPX5相当ですので、プールでは無理ですが、雨には対応できます。
ただし、アークサポーターなどはないので、ジョギングなどでは安定しないでしょう。
マイクは、搭載です。
ただし、外音取り込みモードなどはありません。
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以上、 JVC HA-A10Tの搭載でした。
信頼のできる音響専門メーカーの製品としては、格安なのが「売り」です。
音質についての期待値は、正直「価格なり」ではありますが、Bluetooth5.0対応を含めて、この値段の製品としては「優れる」といえます。
もちろん、個性という部分では、バスポート・バスブーストモードの不採用で、上位機にみられるJVC独自の個性はないですが、価格として言えば、これ以上は望みにくいでしょう。
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【2021年発売】
29・ JVC HA-A8T
¥4,380 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC
連続再生時間:8時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX4
重さ:5g×2
なお、同時に、HA-A8Tが発売されています。
本体色は、ホワイト(HA-A8T-W)・ブラック(HA-A8T-B)・レッド(HA-A8T-R)の構成です。
こちらは、ドライバーが10mmと大きいですが、音が漏れるオープンエア型です。
SBCのみコーデックが対応という部分を含めて、音楽鑑賞用というより、ハンズフリー通話などの目的に主に売れているといえます。
2-3・オーディオテクニカのイヤホン
続いて、オーディオテクニカの 完全ワイヤレスイヤホンです。
日本の老舗で、スタジオモニター用など、原音忠実性に重きを置いてきた印象があるメーカーです。
【2022年発売】
30・ オーディオテクニカ ATH-TWX9
¥32,000 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域: 20Hz〜40kHz
コーデック:SBC AAC APT-X adaptive
連続再生時間:6時間
ドライバー:5.8mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:
重さ:5.4g×2
ATH-CKS30TW は、日本のオーディオテクニカが販売する完全ワイヤレスイヤホンです。
同社の現行製品では最上位機となります。
重量は、片側が5.4gです。
平均より軽い製品で、その部分も重視します。
イヤーピースは、割とこだわりがあります。
サイズが4種類あるほか、深さ部分で、写真のように3種類用意されています。合計12種類となります。
ただ、1回目の記事でみた3社のような(スマホやセンサーを利用した)フィッティング機能は未装備です。この部分は、新製品にしたらアナログではあります。
ドライバーは、5.8mmです。
平均値いえるサイズです。
音質面では、同社は、割と細かい内部構造を全部公開します。
とくに、強調するのは、3層マルチレイヤー振動板です、
硬軟3種類の素材を複合させたもので、剛性と振動抑制能力を強調します。
周波数帯域は、10Hz-40kHzです。
低音域を10Hzと表示します。(実際可聴できるかはともかく)低音域に、ある程度力を入れていることを、数字で示しています。
高音域もスペック的に「ハイレゾ対応水準」で音域は広いです。
ハイレゾ認証マークはないですが、後述するコーデックの部分を含めて、数字として対応といって問題ありません。
音質のパーソナライズは、同社も機能としてないです。
立体音響は、本機は、「360 Reality Audio」の認定製品です。
ソニー製品の紹介の部分で詳しく紹介したように、最近現れた3Dサラウンドの規格で、 Appleの「空間オーディオ」に相当するものです。
ただ、ソニーと違って、耳の形などに合わせた、細かいカスタマイズには非対応です。
音漏れについては、本機もベント(孔)はありますが、気にする感じではないです。
接続安定性の面では、本機も、Bluetooth5.2に対応します。
ノイズ対策は、本機は、Wマイク式のノイズキャンセラを搭載します。
最近はこの価格帯でもWマイク式が標準化してきました。自社のノイキャン技術ではなく、やはり、クアルコム系のものです。精度は並以上ですが、独自機能はないです。
外音取り込みは、対応です。
マイクを通じて外音をいれる「ヒアスルー」を装備するほか、強度も5段階調整ができます。
連続再生時間は、6時間です。
充電ケース込みで、最大18.5時間です。ケースはQi規格対応で、ワイヤレス充電も可能です。
他社の水準より短い点は注意点です。充電も1時間です。
また、充電ケースは18時間分の電源です。
マイクは、こちらも搭載です。
コンデンサー型ではなくMEMSを採用し、ビームフォーミングにも対応するので、それなりに性能はよいです。
防水性は、IPX4相当です。
屋外の荒天でも利用できるでしょう。
音声アシスタントは、Amazon Alexaに公式対応です。
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以上、オーディオテクニカのATH-TWX9の紹介でした。
ノイキャンの部分は、汎用のSOCだとどうしても個性が出しにくいため、この値段の製品にするとイマイチです。
ただ、ドライバー部分の工夫は、老舗の音響機器メーカーらしくしっかりで、独自性も感じます。
全体としてそつのない構成の最上位機ですが、機能的に「推せる」強いワンポイントがない部分はあります。
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【2020年発売】
31・ オーディオテクニカ ATH-ANC300TW
¥11,200 楽天市場 (7/22執筆時)
再生周波数帯域: 20Hz〜25kHz
コーデック:SBC AAC Apt-X
連続再生時間:4.5時間
ドライバー:5.8mm
マイク:搭載
ノイキャン:Wマイク式
防水性能:
重さ:7g×2
なお、だいぶ値段差が付きますが、同社の「音質重視」方面の高級機の旧機種となるのがこちらです。
新規とくらべると7gとやや重い製品です。
バッテリー寿命もすこし短めです。
音質面の工夫も、同じドライバーサイズながら、構成が異なります。
ただ、高音域で、ハイレゾ水準でない部分と、低音について新機種に比べると、さほどは充実しない部分は感じます。マイクもビームフォーミングに対応しません。
とはいえ、Wマイク式のノイキャンは装備しますし、ドライバ構成も工夫はあるので、この値段ならば、「格安機」として選択肢にはできるでしょう。
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【2020年発売】
32・オーディオテクニカ ATH-CKR70TW
¥15,636 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-18kHz
コーデック:SBCAAC APT-X
連続再生時間:7時間
ドライバー:5.8mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク式
防水性能:
重さ:5g×2
一方、オーディオテクニカは、ATH-CKR70TWという機種も販売があります。
ドライバーサイズは本機も、5.8mmですが、5gと軽量な製品です。
中身もやはり独自設計で工夫があるのですが、サイズからの限界か、ノイキャンが1マイク式です。
その代わり、マイクがビームフォーミング対応ですが、同価格帯の他社のライバル軽量機と比べるとやや見劣りする部分はあります。
性能面では少し選びにくいでしょう。
【2019年発売】
33・オーディオテクニカ ATH-CKS50TW
¥14,909 Amazon.co.jp (8/20執筆時)
再生周波数帯域:5Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC APT-X adaptive
連続再生時間:20時間
ドライバー:9mm
マイク:搭載
ノイキャン:1マイク
防水性能:
重さ:8g×2
SOLID BASS ATH-CKS50TWは、オーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホンです。
同社の「ソリッドバス」シリーズに属する製品です。
他製品はどちらかと言うとフラットな味付けが多いですが、このシリーズだけは、低音域(重低音)を強調した設計になります。
重量は、片側が8gです。
「重く感じてしまう」ギリギリの線を攻めている感じですが、最近の平均より重めです。
その分、ドライバが大きく、バッテリー量を増やしているため、性能とバーターではあります。
イヤーピースは、4サイズ同梱されています。
完全ワイヤレスイヤホンのための独自設計で、遮音性と装着感を増しています。
もちろん、特殊形状なので、消耗品は同社のものが必要です。
ドライバーは、9mmと大きめです。
ドライバー部分の再生周波数帯域の公開もあり、低音域が5Hz、高音域が20kHzです
スペック的にも、低音域を5Hz表示として、(実際可聴できるかはともかく)低音域に、メーカーとして相当力を入れていることを、数字で示しています。
なお、本機は、「360 Reality Audio」の認定製品です。
ソニー製品の紹介の部分で詳しく紹介したように、最近現れた3Dサラウンドの規格で、 Appleの「空間オーディオ」に相当するものです。
ただ、ソニーと違って、耳の形などに合わせた、細かいカスタマイズには非対応です。
ドライバーは、9mmです。
かなり、大きめで、低音を出すための工夫です。
外側に向けてダクト(ベント)があるので、音抜けにも配慮があり、籠もりにくい設計です。
ただ、このタイプは大音量にすると音が漏れやすいので、図書館など静粛性が求められる場所にはあまり向きません。
Bluetoothコーデックは、SBC・AAC・Apt-Xのほか、aptX Adaptiveに対応しました。
本機の場合、ドライバー面でハイレゾ水準ではないのでその部分で意味はないですが、ゲームや動画を見る際の音ズレの予防などには良いでしょう。
むろん、機器(スマホなど)の規格対応は必要です。
接続安定性の面では、Bluetooth5.2であり、問題ありません。
ノイズ対策については、本機は対応ですが、1マイク式です。
あまり重視していないとは言えます。
連続再生時間は、最大20時間とかなり長いです。
また、付属の充電ケースは、30時間の充電が可能で、合計で50時間保ちます。
防水性は、生活防水(IPX4)です。
悪天候でも利用できます。
ただし、雨天のジョギングなどに使える、というわけではないです。
マイクは、搭載です。
外音取り込みモードも持ちます。また、タッチセンサー式ではないですが、本体のボタンを押せば、即座に外音取り込み(ヒアスルー)になる仕組みです。
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以上、オーディオテクニカのATH-CKS5TWの紹介でした。
低音を重視した機種は、BOSEやJVCなどライバルが多いです。
最終的なおすすめは、最後に改めて考えたいと思いますが、それなりに納得感のある値段で、候補にできる機種の1つだと思います。
一方、これは低音自慢の他社機もですが、ベントの関係で大音量で音漏れが生じやすい部分と、少々重さ・大きさがある部分が注意点と言えます。
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【2022年発売】
34・オーディオテクニカ Solid Bass ATH-CKS30TW
¥9,191 Amazon.co.jp (8/20執筆時)
再生周波数帯域:5Hz-20kHz
コーデック:SBC AAC
連続再生時間:7.5時間
ドライバー:9mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:
重さ:4.5g×2
一方、重低音重視の Solid Bassシリーズの下位機種は複数あります。
ATH-CKS30TWは、ドライバーサイズと性能を上位機水準にしたまま、4.5gと小型・軽量化したモデルです。
9mmサイズのドライバーでこの重さというのはなかなか優秀ですが、ノイキャンが未搭載になります。
外音取り込みは、ヒアスルーを含めて対応しますので、ノイキャンが「絶対不要」ならば、良い機種に思えます。
丸形に近い製品で大きなドライバーというのは、大手ではあまり見られない構成なので、ニーズはあるでしょう。
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【2019年発売】
35・オーディオテクニカ SOLID BASS ATH-CKS5TW
¥8,500 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-18kHz
コーデック:SBC AAC APT-X
連続再生時間:15時間
ドライバー:10mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:
重さ:8g×2
一方、ATH-CKS5TWは、SOLID BASS シリーズの旧モデルになります。
ドライバーはこちらの方が少し大きめで、振動板素材も工夫のある複合材なので、面白みは感じます。
また、構造はだいぶ違って、こちらはダクトがない分、音漏れしにくそうです。ここは、音抜けの良さとバーターなので、新機種はそちらを選択したのだとは言えます。
本機もノイキャンに非対応である点が注意点です。
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【2023年発売】
36・オーディオテクニカ ATH-SQ1TW2
¥6,007 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
【2021年発売】
36・オーディオテクニカ ATH-CK1TW
¥6,007 Amazon.co.jp (7/22執筆時)
再生周波数帯域:20Hz-20kHz
コーデック:SBC
連続再生時間:6.5/7時間
ドライバー:5.8mm/4.9mm
マイク:搭載
ノイキャン:
防水性能:IPX5
重さ:4g/6g×2
このほか、SOLID BASSの名前を冠しない格安機が2系統あります。
いずれも、小型・軽量でIPX5相当の防水ではありま。
しかし、ドライバが同社製品としては小さく、どちらかといえば、(音質と言うより)装着性重視の格安機です。
コーデックの部分はSBCのみですが、ゲーム用に低遅延モード(Low Latency Mode)は、あるため、遅延については加減はされるでしょう。
次回につづく!
完全ワイヤレスイヤホンのおすすめは結論的にこの機種!
というわけで、今回は音楽用の完全ワイヤレスイヤホンの比較の2回目記事でした。
しかし、記事はまだまだ「続き」ます。
3・完全ワイヤレスイヤホンの比較(3)
3-1:JBL〈米国〉
3-2:ANKER 〈米国〉
4・完全ワイヤレスイヤホンの比較(4)
4-1:Beats〈米国〉
4-2:SHURE〈米国〉
4-3:Bang&Olufsen〈北欧〉
4-4:Jabra 〈北欧〉
4-5:Noble Audio〈米国〉
5・完全ワイヤレスイヤホンの比較(5)
5-1:ヤマハ〈日本〉
5-2:AVIOT〈日本〉
5-3:Final ag 〈日本〉
6・完全ワイヤレスイヤホンの比較(6)
6-1:Amazon 〈米国〉
6-2:Google 〈米国〉
6-3:ゼンハイザー〈ドイツ〉
6-4:DENON〈日本〉
7・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (7)
7-1:他のブランド 〈各国〉
8・完全ワイヤレスイヤホンの比較 (8)
=予算別・目的別のおすすめの提案【結論】
次回の3回目記事(こちら)では、共に米国系となる、JBLとアンカーの製品をみていきます。
音質の良さ ★★★★★
ノイキャン ★★★★★
軽量性 ★★★★★
防塵・防滴性 ★★★★★
総合評価 ★★★★★
その上で、最終回の結論編(こちら)では、今回紹介した「全製品」から、予算別・目的別に、最終的なAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
引き続きよろしくお願いします。
3回目記事は→こちら