1回目記事からの続きです→こちら
2-1・スチームオーブンの選び方(中型)
2回目記事では、スチームオーブンの世帯用モデル(中型)を紹介します。
かなりの展開数がありますので、ここでは各社の最上位機を比べます。
世帯用だが安めで考えている方も、各社の重要視している部分や、機能面のトレンドがは、最上位機をみることでわかるので、「意味はある」と思います。
1・電子レンジ・オーブンレンジの選び方 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:単機能レンジ
1-3:オーブンレンジ
1-4:スチームオーブンレンジ(小型)
2・電子レンジ・オーブンレンジの選び方 (1)
2-1:スチームオーブンレンジ(中型)
2-1:最終的なおすすめの提案【結論】
今回も1回目記事(こちら)で書いた「選び方の基本」に沿いながら、各機を説明してきます。
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引き続き、Atlasのおすすめポイントを赤系の文字色で、イマイチと思う部分を青字で記していきます。
【2025年6月発売】
11・シャープ ヘルシオ AX-LSX3C
¥185,000 楽天市場 (7/7執筆時)
庫内容量:30L
トースト:4枚(両面対応)
スチーム:ウォーターオーブン(水タンク)
センサー:64眼赤外線ムーブ・蒸気・温度
オーブン最高温度:300度(10分)
外形寸法:幅490×奥行430×高さ420mm
第1に、シャープのヘルシオの最高級機です。
庫内容量は、30Lです。
各社とも、30Lクラスの最上位機は、中間台を使う2段調理に対応します。
なお、2段調理は、角皿を(例えば別売で)2枚用意してできるわけではないです。
庫内のヒーターや、熱対流に工夫が必要です。
ここが本体価格が高めの理由と考えてください。
サイズは、一幅490×奥行430×高さ420mmです。
2段調理対応の中型機の場合、奥行と高さが出てきます。
シャープ機は、左右・後ろの壁にピッタリ置いても問題ないです。ただ、水蒸気がでる上部だけは、10cmの廃熱スペースが必要です。
スチームオーブン機能は、下位機種と同じでウォーターオーブン式です。
専用ボイラーを装備し、庫内の気密性と循環ファンを高めることで、蒸気の発生量を増やす独自構造です。
豊富なスチーム量を活かして、食材表面の不要な油を効果的に落とせるので、味を落とさず減油効果が期待できます。
水蒸気は(空気より)熱伝導が良いので、ヒーターなしでさっと加熱できるウォーターオーブンの場合、大事な栄養素が残りやすといえます。
したがって小型機と同じで、ビタミンC・タウリンなどの栄養素を保全できます。
上位機の場合、過熱水蒸気を庫内に回すための専用ファンもあるため、庫内が広くてもしっかり「焼き切り」ます。
スチーム調理は、同社の小型機より、高度に対応です。
この機能性は、加熱しない100度以下の水蒸気を使う「蒸し」機能と考えてください。
パン発酵用のスチーム発酵(30-45度)ほか、60-95度も表現できるので、ソフト蒸しが可能です。野菜などの低温蒸しなどに使うもので。
オーブンは、水を使わない、ドライでも、10分間限定で300度を出せる仕様です。
時間経過後も250度を維持可能なので、ここに注力する東芝を除けば高水準です。
グリルは、(ドライな)グリル、ウォーターグリル、あぶり焼きが選べます。
ドライグリルは、あまり重視しておらず、実際、魚の味噌つけなど、スチームで味が落ちる感じのものに限って、利用するものです。を
ウォーターグリルも、使途としては「焼き魚」に使うだけの感じです。
したがって、あぶり焼きが「メイン機能」です。
同社は「グリル機能」とは言いませんが、実際それに該当します。
仕組みは、ウォーターグリルはと同様です。しかし、過熱水蒸気を食材の表面に集中してあてることで、「食材の表面をあぶる」ことができる機能です。
吸水は必要ですが、焦げ目をつけるという点で、他社機の「(ドライ)グリル」に最も近い機能性といえそうです。他社機より上火が弱いという弱点があるので、「合わせ技」で解決を図ったものと感じます。
同社によると(やはり)「お肉」はこのモードが適切とされます。
電子レンジのセンサーは、赤外線センサーと、蒸気センサーをダブルで搭載します。
メインセンサーは、赤外線です。
一方、赤外線センサーは、多くの種類があります。
本機は「上から2番目」といえる64眼赤外線ムーブセンサーです。
64眼(64素子)で、16段階にムーブして検知するので、普通の赤外線センサーより高速検知で高性能です。
赤外線センサーは、オーブンを利用した後だと(庫内に赤外線が多すぎて)正確に利用できない欠点があります。
オーブンなどと組み合わせたハイブリッド調理が「自慢」のシャープは、この仕様だと「まずい」ので、蒸気センサー(=らくチン絶対湿度センサー)を併用することで対策しています。
いずれにしても、シャープの場合、中型機ではセンサーは弱点ではないです。
解凍機能は、スチームを利用した、サックリ解凍(半解凍)・全解凍が選べます。
解凍は、センサー性能とスチーム力が大きく影響する部分です。
本機は、(他社より優れるわけでないものの)標準的な性能です。
自動調理機能は、中型機だと、最近の流行で、各社とも力を入れる部分です。
これは、食材や調理法を選ぶだけで、「フルオート(セミオート)」で調理を行える機能を意味します。
シャープは、こちらが、かなり充実します。
食材をいれ、焼く(網焼)・炒める・揚げる・蒸す・茹でるというの調理方法を選ぶだけで、センサーが自動的に食材の熱(冷凍・常温・冷蔵)を計測し、調理してくれます。
炒める系を除けば、エリアごとに別の食材を入れても、勝手に火加減をみてくれます。
料理の自動化につながる近未来的な「夢の調理モード」と言えそうです。
角皿の仕様の関係で、調理技法としてレンジ加熱は使えないのが難点ですが、それ以外の技法は駆使して調理します。各社とおしても、この部分は最も充実します。
ネットワーク機能は、シャープは、各社と推しても最も充実度が高いです。
Wi-Fiを装備し、アプリ(COCORO HOME)から、加熱設定やレシピが転送できます。
アプリ上には、1400メニューほどのレシピがあります。
そちらから好きなレシピの加熱設定を転送できます。15レシピなら、本体に保存できるので、結構便利です。
その上で、「クックトーク」として生成AIによる相談機能が追加です。
レシピ集の分量や材料をAIに相談して、変更して貰うなどもできます。
たしかに、AppleのSiriや、Chat GPTなど含めたAIシステムは、本機を買わずとも無料で使えます。
しかし、専用アプリの場合、ヘルシオレンジ自体の機能性について、AIが「正確な」情報を覚えているので、利用する「意味がある」と言えます。
ただし、AIが修正したレシピ、加熱メニューを本体に転送することまでは(今のところ)できません。
トーストは、自動メニューで対応可能です。
裏返さずに両面焼けます。2枚で7分、4枚で8分とシャープとしてはかなり速いです。
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以上、シャープのヘルシオの最上位機の紹介でした。
減油・減脂効果が期待できるヘルシー調理、また、おまかせのフルオート調理の部分では、他社の最上位機に比べても、性能はかなり最も良いです。
そこに注目する場合、シャープは選択肢にできます。
一方、(ドライな)オーブンとグリルの部分は、例えば、東芝日立の高級機と比べるとやや弱さを感じます。
構造的に「スチーム優先」の本体設計なので、どうしても火力と熱回りの部分で限界がみえる感じです。
その点で言えば、温度・時間を「マニュアル設定」し、自力で「焼き系調理」をしたい料理好きには、本機はあまり向きません。
なぜなら、シャープは、火力面の欠点などを自動調理機能を高度に充実させることで、対策しているといえるからです。機能を使いこなす意思がなく、シンプルな「マニュアル設定」で料理したい場合、満足度は得にくいといえます。
逆に、本機が向くのは、忙しい現役世代と、健康を重視したい方、レンジの機能を余すところなく覚えて、楽しみたいという方々です。
多彩なヘルシーメニューが利用できる部分、忙しい平日に「フルオート」調理で、おかずを簡単に1品増やせる部分、あるいは、ネット掲載のものを含めた相当数の「特化型レシピ」が使える部分が「刺さった」ならば、本機が良いでしょう。
【2025年6月発売】
12・東芝 石窯ドーム ER-D7000B
¥139,800 楽天市場 (7/7執筆時)
庫内容量:30L
トースト:2枚まで(裏返し)
スチーム:過熱水蒸気 (水タンク)
センサー:高精度赤外線センサー
オーブン最高温度:350度(10分)
外形寸法: 幅498×奥行399×高さ396mm
第2に、東芝の石窯ドームの最高級機です。
庫内容量は、30Lです。
本機も、2段調理に対応できますし、シャープ機と同じです。
外形寸法は、幅498×奥行399×高さ396mmです。
シャープに比べるとやや幅はあるのですが、奥行と高さは割とコンパクトです。
壁面と左右の壁面にはぴったり設置できる設計なので、大型機にしては設置性は良さそうです。
ただし、蒸気出口がある上部は10cmの余裕が必要です。
スチームオーブンは、下位機種同様に、過熱水蒸気式です。
ボイラーは持たず水タンクから水を庫内に点滴する仕組みです。
その点で、蒸気量が少ないといえます。
ただ、自動調理レシピ、手動調理とも、ハイブリッド調理(過熱水蒸気+ヒーター)で、お肉などの焼き目はつきます。
過熱水蒸気調理の効果は、シャープに比べると、減油・減塩やビタミンの保持などの効果は低めですが、他社よりは良いといった感じの位置です。
スチーム料理(蒸し料理)は、東芝の上位機の場合「売り」と言えます。
35度から100度まで5度刻みで低温での温度設定を可能にし「低温蒸し」を含めて、レシピを充実させています。
最近は、シャープほか他社機もこの機能性はありますが、東芝は昔から重視していました。
とくに、低温調理時の野菜のビタミンなどを熱で消失させずに調理できるメニューは、他社より重視していて、この部分では「ヘルシー」です。
料理面でも、低温で牛肉などのたたきなども上手にできます。また、スチームを利用して分量・時間調整不要で、3種の卵料理を作ってくれる機能があります(最大8個)。
オーブン機能は 同社の小型機同様に、中型でも東芝は最も能力が高いと言えます。
小型機と同じで、熱対流の良い本物の「石窯(ピザ釜)」を摸したものです(石窯ドーム)
天面も、石窯を摸して中央部を高くすることで、上火火力の強化を図っています。
熱で扉部分を除いた前後左右を遠赤熱であたため、浸透性の高い遠赤外線で包むことで、料理の芯までむら無く加熱していきます。
庫内は広めですが、後面の熱風ファンで熱気を循環させる仕組みがあるため、熱回りは下位機より却って良いです。
実際、本機の庫内温度は350度(5分間)であり、業界最高です。
グリル機能は、下位機同様、パナソニックや日立に比べ、そこまで重視しないと言えます。
ドーム構造が、グリル加熱向きではないからです。
ただ、オーブン機能でも、食材表面を焦がすような「グリル的」な加熱はできるので、相対的にみれば、問題ないです。
レンジのサンサーは、高密度赤外線センサー(ファインeyeセンサー)です。
赤外線センサー系だけで言えば、前者通しても最高と言えます。
固定の赤外線センサーですが、相当細かい計測点の情報が得られるようになっています。
庫内の熱状況の判定精度は、東芝が圧倒します
後述する日立の最上位機もセンサー部分は強いですが、東芝も負けていません。
センサーを利用した、手動あたため(レンチン)時の「仕上がりアシスト」もユニークです。
市販の冷凍食品は、普通、パッケージの指定通りの加熱時間で作るものです。しかし(普通に)加熱ムラはあり得ます。
本機は、手動加熱の場合、一部に加熱ムラがあったら、先んじ液晶でそれを教えてくれます。結構便利です。
解凍は「すばラク解凍」が注目です。
スチームではなく、レンジ熱を利用する機能性ですが、解凍精度が高いほか、先述の新センサーの恩恵で、中出力を長く使えるので、解凍時間が短くてすみます。
自動調理機能は、石窯おまかせ焼きという名前です。
豚・牛・鶏・野菜・魚・グラタンなどを、分量、温度、加熱時間を調整せずとも 「フルオート調理」してくれます。
付属の「深皿」を利用し、魚・深皿煮込みでも、同じような自動調理ができます。
シャープの「まかせて調理」と比べると、冷凍食材に対応できない部はが弱点です。
また、調理パターンはオーブン機能だけなので、「焼く・煮込む」だけです。「揚げる・蒸す・茹でる」なども選べるシャープ機ほどは、充実しないとは言えます。
エリア加熱もできないので、庫内で可能な料理は東芝の場合、あくまで1つです。
ただ、東芝機を選ぶ人の多くは「オーブン性能」を期待して買うわけですし、その方向性において「相当魅力的な機能」と言って良いです。
ネットワーク機能は、Wi-Fiを装備します。
レシピの取得や過熱時間データの転送など、堅実に対応します。
ただ、レシピ数はシャープに比べると、レシピ数や、できることは限られます。
トースト機能は、本機は、通常のトーストほか、スチームトーストもできます。
ただ、いずれも2枚までで、途中で裏返すという一手間が必要です。
6.5分と割と高速にトーストできますが「手放し」できないのが難点です。この部分は、後ほど見るパナソニックが良いです。
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以上、東芝の最上位機種の紹介でした。
とにかく強力なオーブン機能が魅力という製品です。
この点では他社に勝てる機種はないため、オーブンを多用する場合は、この機種や東芝の下位機種がオススメです。肉料理やピザ焼きを重視する方は、現状では「東芝を決め打ち」でも良さそうです。
レンジのセンサー性能も精度高く、レンチンや解凍の精度も、全社通しても高水準です。
あえて言えば「焼き付ける」グリル機能にパナソニックほど特徴がないですし、過熱水蒸気の利用法と「フルオート調理」の多彩性はシャープに負けます。
ただ、「全部が一番」という製品はどこの企業にもないです。繰り返しますが、オーブン調理に注目する場合、火力や調理パターンの多彩さにおいて「最高」と言えますし、おすすめできます。
【2023年7月発売】
13・日立 ヘルシーシェフ MRO-W10B-K
¥74,145 Amazon.co.jp (7/7執筆時)
庫内容量:30L
トースト:4枚(裏返し)
スチーム:過熱水蒸気 (水タンク)
センサー:重量/8眼赤外線/ 温度
オーブン最高温度:300度(5分)
外形寸法:幅497×奥行442×高さ375mm
第3に、日立のスチームオーブンの最上位モデルです。
庫内容量は、本機も、2段庫内の30Lです。
液晶は、他社の最上位機種のようにカラーではないですが、文字表示は可能です。
本体サイズは、幅497×奥行442×高さ375mmです。
東芝に比べると多少奥行が必要です。
設置面では、他社同様に、後方と左右の壁ピタ配置はできます。
しかし、本機も上方向に10cmの蒸気を逃がすスペースは必要です。
スチームオーブンは、過熱水蒸気式です。
同社の下位機はスチームカップ式でしたが、中型機はしっかり水タンク式を装備します
そのため、日立も、この機種では、減油・減塩効果を表明しています。
ただ、蒸気量はシャープより少なく、その部分では決定的な差があります。
自動メニューのレシピ数も、その方面に強い構成ではないです。
スチーム調理も、発酵温度(30〜45度)のみの対応です。
他社上位機とちがって、50〜100度の低温スチーム(低温蒸し)には対応できません。
野菜の低温蒸しや卵系の調理は難しいといえます。
例えば、野菜の処理はできますが、あくまで「下ゆで」になります。
オーブン機能は、火力として言えば、300度(5分)です。
上位機としての水準はありますが、東芝には及ばない程度です。
5分後経過後は230度ですので、実際そこまではパワフルではないです。
ただ、日立の自慢は「立ち上がり時間」です。
本機は面ヒーター(大火力平面グリルヒーター)が上部にあり、そちらがメイン火力です。
しかし、立ち上がりを素早くするため、補助的にダブル光速ヒーターを、背面の上下に備えます。赤外線の種類は不明ですが、グラファイトヒータを含む、遠赤より速暖性が優るなにかしらでしょう。
その上で、東芝のようにファンで熱風を回す構造も持ちます。
結果、200度までの立ち上がり時間は、4分50秒とだいぶ速いです。
もちろん、石窯ドーム構造をとる東芝のほうが、出力も庫内温度の均一性も圧倒的でしょうが、日立も、実用上、十分な火力です。
グリル機能は、出力から推測して、上火火力は上位機として問題ないです。
一方、スチームグリル機能もあります。
手動設定での利用もできますが、具体的な使途の説明はないです。
基本は、「自動調理」に使うために用意されている感じです。
電子レンジ機能は、日立は、この部分に伝統的に力を入れてきた企業です。
本機は、8眼赤外線スイングセンサーと、重量センサーを併用します(Wスキャン)。
赤外線センサーは、あくまで表面温度を測る機能なので、スタート直後の加熱はイマイチ不安定です。また、オーブン利用後などは、(庫内が赤外線だらけで)正確に使えません。
重量センサーは、加熱前重量を量ることで、火力を最初から調節できるため、こうした部分で有用です。
とくに、ハンバーグなど重さ・密度が高い料理や、揚げ物の入った市販のお弁当の温めなどは、重量センサーがあったほうが正確です。
これらのセンサーと、庫内全体の温度状況を補助的にみるための温度センサーも加えた、「トリプルセンサー」体制である点が、日立の「売り」といえます。
単体のセンサー性能だけなら、今だと東芝が一番です。
しかし、日立は複数の種の異なるセンサーから得たデータを「付け合わせて」分析することで、情報の信頼性を高める方式方向性です。
したがって、甲乙は付けがたいといえますが、総合的な「失敗しにくさ」という観点では日立かなと思います。
解凍機能も、能力としては、優秀です。
割と細かくお肉やお魚の種類などを指定する形式なので、解凍は上手です。
ただ、設定は覚えるまでは面倒です。
自動調理は、「熱風旨み焼き」としてフルオートの「おまかせ調理」に対応しました。
オーブン・グリル調理を基本として、「焼く系」の自動調理をしてくれます。
肉(豚・牛・鶏)と魚料理に使えますが、焼く系のレシピに限定される部分では、シャープなどに及びません。
しかし、常温・冷蔵のほか冷凍食材に対応できる部分を含めて、日立の「フルオート調理」も悪くないです。
また、Wスキャン調理という機能は もうひとつの見所です。
重量センサー・赤外線センサーなどを巧みに利用しつつ、レンジや、オーブンなど他の調理法を併用する調理機能です。
レシピ掲載のメニューならば、規定分量より少なく作る場合も「調整不要」です。
レシピに左右されなない「フルオート」な完全おまかせはできないですが、その仕様でも便利です。
ネットワーク機能は、本機も、無線LANを搭載し、本体のカラー液晶にメニューやレシピを表示できます。
ただ、シャープ機ほどの「面白み」はないです。
トーストは、日立の場合、途中で裏返す必要があります。
2枚までの対応です。
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以上、日立の最高級機の紹介でした。
日常的に最も利用するだろう、電子レンジ機能が充実しているのが「売り」です。
フルオート調理も、熱風旨み焼きに対応していますし、その方面の面白みもあります。
ただ、やはり注目するべきは、レシピ記載の料理に限られる点で「セミオート」ですが、規定分量を変えてもレンジが「賢く」調整してくれる「Wスキャン」調理でしょう。多様な調理パターンを利用できる点で、面白い機能に思います。
週末は凝った料理もするが、平日は冷凍食品の利用頻度が多いご家庭などは、電子レンジ機能が重視された日立のスチームオーブンはオススメです。
【2025年6月発売】
14・Panasonic ビストロ NE-UBS10D
¥160,000 Amazon.co.jp (7/7執筆時)
【2024年発売】
14・Panasonic ビストロ NE-UBS10C
¥117,800 Amazon.co.jp (7/7執筆時)
庫内容量:30L
トースト:4枚(両面対応)
スチーム: (水タンク)
センサー:高詳細64眼赤外線
オーブン最高温度:300度(5分)
外形寸法: 幅494x高さ370x奥行435 mm
第4に、パナソニックの最上位機です。
こちらは、旧機がわりと残ります。
最新の2025年機は、「おまかせ熱風フライ」という機能性が新機軸です。
旧機の場合、グリル調理は「フルオート調理」に対応していましたが、新たに「市販の冷凍フライ」の自動調理に対応したことになります。
ただ、調理用のボタンは、コロッケ(+メンチカツ)と、その他(魚フライ・唐揚げ・とんかつ・いかリング・ヒレカツ・エビフライその他)の2種類のみです。
その上で、コロッケを含めてですが、火加減と加熱時間をマニュアル設定しないといけません。加えて、明示的な説明はレシピや説明書にないですが、油はハケか、スプレーなどしないと上手に焼けないと言えます。
冷凍前についている油だけだと、たいていの場合、若干難しそうです。
こうした部分で、「おまかせ」といっても「フルオート調理」でないのはもちろん、「セミオート調理」とも言いにくい感じがします。
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結論的にいえば、冷凍フライの揚げ物に興味がある場合は、2025年機が良いでしょう。
そうでもないが、フルオート的な「おまかせグリル」は面白く感じるならば2024年機がおすすめです。。
庫内容量は、2段調理の応の30リットルです。
他社も含めて、大型機はこのサイズで統一しています。もちろん2段です。
外形寸法は、幅494x高さ370x奥行435 mmです。
30Lの他社機よりやや大きめです。
しかし、後方と左右に壁際配置が可能な断熱設計なので、設置性はあまり変わりません。
ただし、上部は、蒸気を逃がすために8cmの隙間は必要です。
スチームオーブンは、東芝と同じで、過熱水蒸気式です。
同社の場合、先ほどみた動作の小型機と同じで、手動設定だと、「過熱水蒸気オーブン」「過熱水蒸気グリル」としては使えません。
自動メニューにしても、過熱水蒸気を利用する調理は、「ヘルシー調理」として魚の塩分を落として焼く自動メニューが利用できるのみです。
スチーム調理は、逆に充実しますので、水タンクはそのために備えていると言えます。
実際、魚などの100度以下の蒸し料理や、オーブンなどでケーキの膨らみを良くしたい時、スチームトーストなどに主に使うための搭載です。
本機も、同社の小型機と同じで、スチームを庫内全体に向けてではなく、直接ヒートグリル皿だけに向けて「ピンポイント」で集中噴射する「スピードスチーム機構」も装備です。
火加減(蒸し加減が)難しい、中高温の「卵料理(茶碗蒸し・ゆで卵など)」あるいは、餃子などは、十分な水量で蒸しながら、グリル皿で焼き付けるので、フライパンで蒸し焼きような本格的な仕上がりと言えます。
オーブン機能は、火力は、最高300度を5分間です。
手動で使えるのは、ドライオーブンだけですが、火力は合格点でしょう。
グリル機能は、全社通しても、相当力を入れています。
上火は、大火力極め焼きヒーターという高火力平面ヒーターを搭載します。
その上で、ヒートグリル皿に電子レンジのマイクロ波を上下から照射することで、実質的に「高火力の両面焼」を実現しています。
「肉や魚をこんがり焼く」という部分では、上位機でもやはり、パナソニックはとても優れます。
同社の場合、グリル機能と(噴射)スチームを併用したり、レンジ機能と併用する形で、複数の調理パターンを併用したレシピが多いのも特徴です。
電子レンジのセンサーは、64眼の赤外線センサーを採用します。
本機は、計測点が固定式の8眼赤外線センサーです。
ここだけみると、他社の高級機(特に東芝)よりも、だいぶ仕様が弱いです。
ただ、パナソニックの場合、高詳細64眼スピードセンサーである点がポイントです。
計測点の情報が多い場合(演算部分によるものの)計測頻度や、処理が遅くなる可能性があります。
10年以上前に開発されたセンサーではあって、東芝ほど新味はないです。
それもあり、最近流行する「フルオート調理」の機能拡充の部分で、パナソニック機が若干停滞気味な原因の1つになっているような気もします。しかし、(それを考慮しても)普段のレンジ利用において「安定的」だから手を入れていないという言い方もできます。
この方向性は、この方向性で「あり」かと思います。
解凍機能も、優秀です。
同社は、スチーム・マイクロ波・ヒーターの3方式を、センサー制御で使い分けるので、最上位機種だけで比較すると、お肉やお魚の解凍は、4社で最も優秀です。
日立もうまいですが、細かい設定いらずで自動でやってくれる点で、より高度です。
自動調理機能は、「おまかせグリル」という名前です。
パナソニック版の「フルオート調理」です。
グリル重視のパナソニックらしいです。分量指定なしで、冷蔵・冷凍・常温を含めて、上手に焼いてくれます。
他社機能でも、オートは焼き目をつけられるので、明確な優位性はないものの、上火が自慢のパナソニックですし、仕上がりで負けることはないでしょう。
ただ、自動調理は1段調理のみです。
また、先述のように、冷凍肉や魚、骨付き肉の有無はパネルか、写メ送信で指示をしないといけないので、「セミオート」ではあります。
調理パターンを含めて、シャープなどには負けるでしょう。
ただ、パナソニックのビストロは、「ざっくり調理」ではなく、レシピを見て「真面目」に作るような料理好きをターゲットにしているとも言えます。
その意味、この「石橋を叩いて渡る」方式もありかなと思いました。
このほか、市販の冷凍フライを加熱料理する「おまかせ熱風フライ」も25年から加わりました。
ただ、時間と、仕上がり設定が必要なので、(オートではない)半手動調理と考えたほうが良いでしょう。
ネットワーク機能は、本機もWi-Fiを備えます。
レシピも(ここに注力する)シャープを除けば充実しているほうです。
ただ、生成AIの利用などは、シャープと異なり、現状では非対応です。
トーストは、パナソニックは昔から充実していて、自動両面焼きで4枚まで焼くことが可能です。2枚で5分、4枚でも6分強と早いです。
グリル機能に強みのある機種なので、当然と言えばそうですが、この部分の実用度は、パナソニックは良いです。
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以上、パナソニックの上位機の紹介でした。
傾向は、小型機の場合と同じです。つまり、他社と較べた場合、グリル「焼き」料理に強い点、解凍が優れる点が魅力でしょう。
オーブンの火力は普通で、スチームオーブンの部分ややや特殊ですが、レンジ部分を含めて性能が期待できる総合力が高い機種です。
一方、先述のように「時短・手放し」という方向性で言えば、「まかせっぱなし」のフルオート料理は、他社ほど多彩ではないです。
しかし、オートのレシピ数はかなり充実しますし、先述の「とろみ」を含めて調理技法の手も込みます。「お手本」に沿って、色々な料理に挑戦したいも向くといえます。しっかりレシピをみてつくったり、自分で調整しながら使うには、最も良いと思える製品です。
レシピ集に沿って準備し、あとは「おまかせ」で作りたいタイプの「お料理好き」な方には、とくにオススメです。
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4・中型のスチームオーブンの比較
容量:30L〜
人数:4人以上(世帯向け)
種類:スチームレンジ(庫内2段)
以上、ここまでは、各社の中型のスチームオーブンの紹介でした。
なお、小型機種で紹介した各社の製品と、ここで紹介した中型機種では値段の差があります。
しかし、実際は、両社の価格の中間ほどの機種や型落ち機種も数があります。
例えば、なかには、5万円程度で買えるものもあります。
それらを含めた世帯用のスチームオーブンのおすすめ機種は、本編記事となる、上記のリンク記事で細かく紹介していますの。
世帯用のものをお探しの方は、ぜひそちらをご覧ください。
今回の結論
オーブンレンジ・電子レンジのおすすめは結論的にこれ!
というわけで、今回は、電子レンジ・オーブンレンジについてまとめました。
最後に、「全体のまとめ」として、予算別にAtlasのおすすめ機種!を提案しておきます。
第1に、2万円前後の予算で、1人暮らし初心者向けに最もおすすめしたいオーブンレンジは、
【2024年発売】
・コイズミ オーブンレンジ KOR-1605/W
¥17,999 Amazon.co.jp (7/7執筆時)
レンジ出力:900W【ヘルツフリー】
庫内容量:16L(フラット庫内)
自動あたため:搭載
オーブン機能::200度
トースト:2枚まで(片面焼)
センサー:赤外線センサー
サイズ:幅46.1×奥行34.2×高さ29.3cm
スチーム調理 ☆☆☆☆☆
自動あたため ★★★★☆
解凍 ★★★★☆
オーブン ★★★☆☆
グリル ★★★☆☆
トースト ★★★☆☆
総合評価 ★★★★☆
コイズミの KOR-1605/Wを「おすすめ」とします。
信頼できるオーブン機能・電子レンジ機能を持った機種としては「最安」「最小サイズ」と言えますから。
庫内容量は、16Lです。
1人暮らしや2人までのご家庭に向く機種です。
庫内は、回転台のないフラット庫内です。
単身用の場合、フラット庫内のほうが大きな弁当が入れやすいですし、この仕様も良いでしょう。
外観も、東芝や昔のシャープ機のようなデザインです。
本体サイズは、幅46.1×奥行34.2×高さ29.3cmです。
冷蔵庫の耐熱天板などに設置できるサイズです。
それ以外の場合、片側は「要開放」で、壁ピタも不可なので、その点は、設置場所のスペースを測ってから買ってください。
電子レンジ機能は、1眼の赤外線センサーです。
類似機も多い中で本機を推した理由です。
小型の安めの場合、精度と使い勝手の部分で、これ以上のセンサーは望めませんので。
1眼センサーは以前はメーカー間の差が多かった感じですが、最近は、大手各社とも(ほぼ)海外調達なので、そこはあまり気にしなくて良い気がします。
実際、赤外線センサー搭載機でも、温度でしっかり設定できるのは、一部企業の上級機だけですし、精度は期待できます。
解凍も、このセンサーは、得意です。
オーブン機能は、ただ、最高200度までです。
グリルも、そこまで上火が強くないです。
トーストも、おそらくそれなりに時間を要するので、毎日焼く方は、トースターを別に持つべきでしょう。
ただ、市販のピザの加熱や、即席グラタン程度ならば、この火力でも(単身なら)問題ないでしょうし、必要十分に思います。
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【2024年発売】
・ハイアール JM-V16G-W
¥16,970 Amazon.co.jp (7/7執筆時)
レンジ出力:500W【ヘルツフリー】
庫内容量: 16L(ターンテーブル)
自動あたため:搭載
オーブン機能:200度
トースト:2枚まで(両面焼)
センサー:重量センサー(温度)
サイズ:幅46.1×奥行32.8×高さ29.3cm
スチーム調理 ☆☆☆☆☆
自動あたため ★★★★☆
解凍 ★★★☆☆
オーブン ★★★☆☆
グリル ★★★☆☆
トースト ★★★☆☆
総合評価 ★★★★☆
オーブンレンジが欲しいが、少し予算を抑えたい場合は、ハイアールのJM-V16G-Wでしょう。
より安い機種は他社からも出ています。
ただ、最も使うだろうレンジ機能について、センサーが微妙なものが多く、あまりおすすめできない感じです。
センサーは、本機の場合、重量センサーです。
高級機の場合、上位仕様の赤外線センサーを積む場合もあるので例外ですが、重量センサーは、小型機では悪くないと言えます。
難点は、庫内が「大盛弁当」が回らないことがあるターンテーブルである点ですが、それ際問題ないならば、回転することで加熱ムラも少ないし、個人的には、「あり」だと思います。
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・ハイアール JM-MH17B-W
¥10,758 楽天市場 (7/7執筆時)
レンジ出力:500W【ヘルツフリー】
庫内容量: 18L(ターンテーブル)
サイズ: 幅44×奥行32.5×高さ25.8cm
【2024年発売】
・Comfee' CF-EM202-WH
・Comfee' CF-EM202-BK
¥8,289 Amazon.co.jp (7/7執筆時)
レンジ出力:500W【ヘルツフリー】
庫内容量: 17L(フラット庫内)
サイズ: 幅44×奥行32.5×高さ25.5cm
自動あたため:
オーブン機能:
トースト:
センサー:
スチーム調理 ☆☆☆☆☆
自動あたため ★★★☆☆
解凍 ★★☆☆☆
オーブン ☆☆☆☆☆
グリル ☆☆☆☆☆
トースト ☆☆☆☆☆
総合評価 ★★★☆☆
これ以上安いモデルを選びたい場合、単機能レンジが選択肢です。
その上で、センサー搭載(自動あたため)は諦めないといけません。
そうしたモデルの中では、これらの製品が良いかなと思います。
国内企業を含めて他社機もありますが、この2社は、各社の格安機の製造元(OEM元)でもあるので、安めで出ている場合が多いです。
選ぶ場合の注意点は1点のみで、内部が、ターンテーブルか、フラット庫内かという部分だけです。
コンビニなどの大きなお弁当を温める方は、フラット庫内のコンフィ機が良いでしょう。
それ以外は、ターンテーブル式の方が加熱ムラは少ないので、ハイアールが良いかなと思います。
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1・小型の電子レンジ・オーブンレンジの比較
容量:15L〜18L
人数:1-2人向け
なお、もう少し多くの製品から選びたい方は、このブログの、上記リンク記事をご覧ください。
第2に、2万円台半ばほどの予算で、世帯用として長く使えるオーブンレンジを選ぶならば、
【2024年発売】JM-WFVH26A(K)
・ハイアール Milaly JM-WFVH26A-K
¥28,990 Amazon.co.jp (7/7執筆時)
レンジ出力:900W【ヘルツフリー】
庫内容量: 26L(フラット庫内)
自動あたため:搭載
オーブン機能:250度
トースト:4枚(片面焼)
センサー:赤外線
サイズ:幅48.0x奥行39.0x高さ35.7cm
スチーム調理 ☆☆☆☆☆
自動あたため ★★★★★
解凍 ★★★★★
オーブン ★★★★★
グリル ★★★★★
トースト ★★★★★
総合評価 ★★★★☆
ハイアールのMilaly JM-WFVH26Aでしょう。
4万円オーバーならば象印、5万円オーバーならばパナソニックなど、機能面で個性的なレンジは多いです。
ただ、3万円台で買えるレンジで「世帯用」サイズだと、本機が突出して能力が良いです。
庫内容量は、26Lです。
20L以上あれば、2-3人用と言えます。
「長く使える」という点で言えば、家族が増える予定を勘案すると、26L以上が妥当かと思います。
センサーは、赤外線です。
普通の1眼センサーですが、この価格クラスだと、実際、赤外線を積むだけで「評価」できます。
グラム指定不要で、表面温度の計測で最大氷結温度を短時間でスルーできうr解凍機能を含めて、レンジ機能面の見どころは多いです。
オーブン機能は、250度出力が5分間で、出力が高いです。
その上で、角皿がセラミック角皿です。
そのため象印と同じで、自動メニューにて、ハンバーグほかの、レンジ→グリルの連続調理ができます。
手動調理では、連続設定ができないのですが、それでも、レンチンしたあと、角皿を出さずに、グリルに移行できるのは、手間いらずです。
とくに、本機の場合、角皿と合わせる場合、金網もレンジ対応です。
そのため、ハンバーグ料理などの際に、あらかじめレンジで予熱してから、グリルで、焼き目を付けることもできます。
トーストも、裏返す必要はありますが、4枚対応です。
角皿に、わずか(15mL)ですが、水も張れるので、スチームトーストができます。お魚などを焼く際も、「ぱっさり」防止に使えて、小技も効きます。
こうした部分で、世帯用で「高くても3万円台まで」と制限を付けて考える場合、本機は、かなり良い候補に見えます。
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2・中型の電子レンジ・オーブンレンジの比較
容量:20L〜26L
人数:1-4人向け
なお、単機能電子レンジを含めて、比較的大きめのレンジをお探しの場合、以上の記事をご覧ください。
第2に、3万円以上の予算を組める場合、おすすめしたい小型スチームオーブンレンジは、
【2022年9月発売】
・SHARP ヘルシオ AX-UA30
¥54,500 Amazon.co.jp (7/7執筆時)
【2021年8月発売】
・SHARP ヘルシオ AX-UA20
¥49,500 Amazon.co.jp (7/7執筆時)
庫内容量:22L
レンジ出力:1000W
トースト:2枚まで(両面焼)
スチーム:ウォーターオーブン(水タンク)
センサー:蒸気センサー
オーブン最高温度:250度
外形寸法:幅470x奥行390×高さ340mm
スチーム調理 ★★★★★★
自動あたため ★★★☆☆
解凍 ★★★☆☆
オーブン ★★★★★
グリル ★★★★★
トースト ★★★★☆
総合評価 ★★★★★
シャープのヘルシオのAX-UA30がおすすめです。
スチームオーブンは、本格的な水タンク式のウォーターオーブンです。
他社機と違い、ヒーターを併用せず、ボイラーを使う方式ですので、豊富な蒸気量で庫内を満たせます。
実際その力で、食材表面を「水だけで焼く」ことができるのは、ヘルシオだけです。
加熱当初からパワフルな蒸気量なので、野菜などが短時間で仕上がりビタミンの保持力が高いほか、肉や魚も、蒸気による食材表面の、余分な塩分や油分をしっかり落としきります。
この部分で、「ヘルシー志向」の方は、確実に本機が合います。
また、「濃い」過熱水蒸気を表面に吹き付けることで、ヒーターなしで「焼ける」ので、グリル系の料理にも対応できます。
過熱水蒸気を利用する料理を最重要視するならば、機能の上で足りないものはありません。
ヘルシオは、このウォーターオーブンを使った自動メニューの数や料理ブックが充実します。
他社の場合、過熱水蒸気を効果的に利用した自動メニューは同社に比べると圧倒的に少ないいです。本編で書いたように、水タンクはあっても、マニュアル設定だと「過熱水蒸気」が使えない機種も、珍しくないです。
この部分でも、ヘルシー志向の 料理好きの方には「合う」といえます。
ヘルシオファンも独自にメニューを開発しており、それらの情報をネットで利用できるのも良い部分です。
電子レンジは、ただ蒸気センサーです。
ここははっきりと課題ですので、「レンチン」の加熱判定の賢さ重視の場合、後ほどおすすめする「他社機」のが良いでしょう。
解凍も、スチーム解凍・半解凍はできるので、時間をかければ仕上がりは良いです。
ただ、このセンサーだと、グラム設定は必要です。
トースト機能も、そこまで充実しないので、この部分を重視する場合も、良い選択肢は別にあります。
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【2025年2月発売】
・日立 ヘルシーシェフ MRO-S7CA
¥26,000 Amazon.co.jp (7/7執筆時)
【2024年8月発売】
・日立 ヘルシーシェフ MRO-S7C
¥35,500 Amazon.co.jp (7/7執筆時)
庫内容量:27L
レンジ出力:1000W
トースト:2枚(裏返し)
スチーム:スチームカップ式
センサー:重量・蒸気・温度
オーブン最高温度:250度
外形寸法:幅483×奥行355x高さ335mm
スチーム調理 ★★☆☆☆
自動あたため ★★★★★★
解凍 ★★★★★
オーブン ★★★★★
グリル ★★★☆☆
トースト ★★★☆☆
総合評価 ★★★★☆
一方、シャープだと明らかに弱い、センサー部分が強いのは日立のMRO-S7Bです。
電子レンジは、温度・蒸気・重量センサー搭載です。
本編で書いたように、複数のセンサーを併用して判断するため、加熱不足は日立は少ないです。
実際、現行の小型機に限っていえば、最も優れています。
日常最も利用する部分の性能は、最も重要視するべきでしょうが、その部分で、「非の打ち所がない」です。
オーブンは、小型機としては、及第点でしょう。
グリルは、多少ですが、弱いかなと思います。
一方、弱点は、スチーム調理です。
本機は、スチームカップ式ですので。
この方式だと、手造りの揚げ物を「カラッと」させるくらいの効果しかなく、減油・減塩は他社ほどは見込めないので。
自動メニューも、この方面で「ヘルシー志向」のものは、少なめです。
ただ、ふだん使いによさそうなレシピは、逆に充実します。
むしろ「自分の料理の腕と工夫」で、そこは調節できるという方は、本機で問題ないです。
オーブンレンジで「揚げない揚げ物」を作れるという機能性自体は同じですから。
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【2025年発売】
・東芝 石窯ドーム ER-D90B
¥62,800 楽天市場 (7/7執筆時)
【2024年発売】
・東芝 石窯ドーム ER-D90A
¥38,770 楽天市場 (7/7執筆時)
庫内容量:26L
レンジ出力:1000W
トースト:2枚(裏返し)
スチーム:過熱水蒸気 (水タンク)
センサー:赤外線・温度センサー
オーブン最高温度:250度
外形寸法:幅480x高さ350x奥行390mm
スチーム調理 ★★★☆☆
自動あたため ★★★★★
解凍 ★★★★★
オーブン ★★★★★★
グリル ★★★★★
トースト ★★★★☆
総合評価 ★★★★★
一方、ピザやお肉などを美味しく焼きたいという方は、火力が強く、オーブン機能が充実する東芝の石窯ドームの方が良いでしょう。
オーブン性能は、繰り返すまでもないですが、東芝以上はありません。
専用の「石窯ドーム構造」で、オーブンレンジとして、最大級に熱対流を良くして遠赤効果高める仕組みなので。
厚いお肉やお魚で、料理の芯までむら無く加熱してくれるでしょう。
電子レンジのセンサーも、赤外線センサーです。
センサーを複合的に使う日立を例外にすれば、小型機では、精度が期待できます。
食材の解凍機能も、センサーが大きく関係する部分です。
本機は、挽肉などの「お急ぎ解凍」ほか、スチームを利用した「全解凍」、刺身などの「半解凍」と3つの選択肢があります。
赤外線センサーを利用した本機の解凍は、後ほど見るパナソニックに次いで正確と言えます。
トーストも、途中で裏返す必要はあるものの、スチームトーストができるのは、ワンポイントです。
一方、弱いのは、スチーム加熱と、グリルといえます。
ただ、グリルは、本機の機能性だと、オーブン調理のほうでだいたい賄えますし、スチーム部分も「水タンク」式ではあるため、日立ほど問題はないと思います。
オーブンを中心としつつ、全体がわりとよくまとまっていると思います。
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【2024年発売】
・パナソニックビストロ NE-BS6C-K
¥81,300 Amazon.co.jp (7/7執筆時)
庫内容量:25L
レンジ出力:1000W
トースト:4枚(両面対応)
スチーム:(水タンク式)
センサー:スイングサーチ赤外線
オーブン最高温度:250度
外形寸法:幅500×高さ347×奥行400mm
スチーム調理 ★★★★☆
自動あたため ★★★★★
解凍 ★★★★★★
オーブン ★★★★☆
グリル ★★★★★★
トースト ★★★★★
総合評価 ★★★★★
一方、東芝に似ますが、オーブンと言うより「焼き目をコンガリ付ける」という 「グリル系」の火力を重視する場合は、パナソニックが良いかと思います。
ヒートグリル皿を利用した「両面グリル」は、前者通しても、最も「強火」にこだわった仕様と言え、「焼き目」重視なら、これ以上はないでしょう。
トーストも、やはり、この皿の効果で、一度に4枚、短時間で裏返さず両面焼けます。
ここに注目する場合も、やはり、パナソニックです。
レンジも、赤外線センサーを採用します。
解凍は特にですが、小型機だとパナソニックは優秀です。
このセンサーと、スチームと、独自に改良したマイクロ波による加熱(サイクロンウェーブ加熱)とを利用しつつ、やさしく解凍できます。
弱点は、過熱水蒸気による、減油・減塩調理でしょう。
先述のように、パナソニックの水タンクは、(100度以下の)蒸し調理には、この上なく便利で、多用途です。
しかし、100度以上の過熱水蒸気は、自動メニューでしか利用できない上で、それを利用するヘルシーメニューは少なめです。
ただ、その部分を除けば、本機ほど多様な調理パターンを「自動調理」で楽しめる機種はないので、提案されている色々な料理を作ってみたいようなタイプの方は、相性が良いでしょう。
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3・小型のスチームオーブンの比較
容量:18L〜26L
人数:1-2人向け
なお、小型機はこれ以外にも20機以上あります。
より多くの機種の評価を知りたい方は、上の記事をご覧ください。
第4に、世帯用の大きなスチーム搭載機で、費用対効果の面でおすすめできるスチームオーブンレンジは、
1・シャープ
→スチーム減油と自動調理に強い
2・東芝
→ オーブン調理と野菜調理に強い
3・日立
→ 格安で、レンジ機能に強い
4・パナソニック
→ グリル調理と解凍に強い
30Lクラスの世帯用は、先ほど詳しく説明してきた4社の最上位機がそれぞれおすすめです。
改めて個性をまとめれば、以上のようになります。
ただ、世帯用だが、最上位機よりは「安い」クラスの製品で良いものはほかにもあります。
そうした機種と比較して考えたい方は、以上の記事をご覧ください。細かめの「おすすめ」も今回と同じ形式で提案しています。
補足1:電子レンジ関連記事について
というわけで、今回はオーブンやレンジの紹介でした。
1・小型の電子レンジ・オーブンレンジの比較
容量:15L〜18L
人数:1-2人向け
2・中型の電子レンジ・オーブンレンジの比較
容量:20L〜26L
人数:2-4人向け
3・小型のスチームオーブンの比較
容量:18L〜26L
人数:1-2人向け
4・中型のスチームオーブンの比較
容量:30L〜
人数:4人以上(世帯向け)
改めて個別記事を読み直したい方は、以上のリンクをご利用ください。
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6・オーブントースターの比較
7・コンベクションオーブンの比較
また、オーブントースターなどを、「レンジとは別」に揃えたい方については、以上の記事もあります。
こちらもよろしくお願いします。
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そのほか、ひとり暮らしや、2人以上の新生活をはじめようと思っている方、必要なもののリストについて上でまとめてみました。よろしければ、こちらもご覧ください。
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