1回目記事からの続きです→こちら
今回の結論
高音質なミニコンポのおすすめは結論的にこの機種!
1・ミニコンポの比較 (1)
1-1:選び方の基本の説明【導入】
1-2:パナソニック
1-3:JVC
2・ミニコンポの比較(2)
2-1:マランツ
2-2:DENON
2-3:東芝
2-4:KOIZUMI
2-5:他の企業
3・ミニコンポの比較 (3)
=最終的なおすすめの提案【結論】
というわけで、今回は、ミニコンポの最新機を比較してきました。
最後の3回目記事では、ここまで見た全機種のなかから、目的別、予算別にAtlasのおすすめ機種!を提案していきます。
第1に、低音域の迫力を重要視した場合、おすすめできるミニコンポは、
【2019年発売】
6・パナソニック SC-PMX90-S
¥25,118 Amazon.co.jp (6/17執筆時)
ハイレゾ:対応
最大出力:60W×2
スピーカー:14cm+1.9cm+1.5cm
外部接続: Bluetooth USB-DAC
コーデック:SBC
USBメモリ;対応
配信: ラジオ(FM)
高音域再生力 ★★★★☆ 50kHz
低音域再生力 ★★★★★ 41Hz
アンプ性能 ★★★★★
ネットワーク ★★★☆☆
設置性の良さ ★★★★☆
総合評価 ★★★★☆
パナソニックの SC-PMX90でしょう。
スピーカーは、14cmと大きめのウーファーです。
大きさが物を言う部分なので、低音域は今回紹介したセット製品の中では最も力強いです。
その上で、高音域も、スーパーツイーターの性能がはっきりと良いです。
3WAY方式は、音域間の受け渡しが「3箇所」発生するため、必ずしも音質が向上するわけでもない、難しい技術です。
ただ、パナソニックは3WAY式を昔からかなり「頑張って」おり、利点である音場表現の豊かさを十分に引き出しています。
スペック的に、50kHzですのでハイレゾ音源に対応できます。
本機はWi-Fiを装備しないので、USB経由に限定ですが、ハイレゾを試して見たい場合、わりと良いかと思います。
ハイレゾ音源は、最近は、Amazon Musicでも対応になりました。
音質を体験されたい場合は、現在キャンペーン中の【Amazonプライム会員】の「30日間の無料体験登録」を利用すると良いでしょう。
曲が自由に選択できる有料版(Unlimited)もキャンペーンをしています。
第2に、小型で設置性がよく、かつ格安のスピーカーとしておすすめできるのは
【2021年発売】
1・パナソニック SC-HC320-W
2・パナソニック SC-HC320-K
¥13,591 Amazon.co.jp (6/17執筆時)
ハイレゾ:
最大出力:10W×2 (8Ω)
スピーカー:8cm
外部接続: Bluetooth4.2
コーデック:SBC
USBメモリ:可
配信: ラジオ(FM)
高音域再生力 ★★★☆☆
低音域再生力 ★★★☆☆
アンプ性能 ★★★☆☆
ネットワーク ★★★☆☆
設置性の良さ ★★★★★★
総合評価 ★★★★☆
パナソニック のSC-HC320でしょう。
同じような形状の製品は、各社みてきましたが、音質部分で納得がいくのは本機くらいです。
本体サイズは、幅409×高さ198×奥行107mmです。
スピーカー込みで40cmの幅があれば設置できるので、この点この製品は優秀です。
一方、同価格帯の他社製品には、単体のスピーカー独立型もあります。
しかし、限られたスペースで、上図の様に「近接して」利用せざるを得ない場合、ステレオ感を出しにくく、共振などで、かえって音質が悪いです。
その点で、スピーカーが一体で、音の拡がる方向性を含めてセットアップされたSC-HC300の方が、音質を期待できる側面があります。
スピーカーは、1ウェイ方式(フルレンジ)です。
格安機でも2ウェイ式は、あります。ただ、部品コストの関係で(工夫のない)格安のユニットを使わざるを得ないため、音質がさほど高くないです。
その点で言えば、低価格機では「1ウェイ式のほうが安定」していると言えます。また、2ウェイ式より中音域が充実することもあり、方式としても決して劣らないでしょう。
スマホ音源の再生は、Bluetoothで対応できます。
SBC規格のみの対応ですが、MP3リマスター機能でアップコンバートされるため、この部分の性能も一定程度期待できます。
こうした点で、この製品は、価格以上の音質は期待できます。
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【2021年発売】
3・パナソニック ミニコンポ SC-HC420-S
4・パナソニック ミニコンポ SC-HC420-K
¥17,173 Amazon.co.jp (6/17執筆時)
ハイレゾ:
最大出力:20W×2 (8Ω)
スピーカー:8cm
外部接続: Bluetooth 4.2
コーデック:SBC
USBメモリ:可
配信: ラジオ(FM)
高音域:★★★☆☆
低音域:★★★★☆
高音域再生力 ★★★☆☆
低音域再生力 ★★★★☆
アンプ性能 ★★★★☆
ネットワーク ★★★☆☆
設置性の良さ ★★★★★★
総合評価 ★★★★★
ただし、十分に予算のある場合は、上位機のSC-HC420でも良いでしょう。
下位機種と比較する場合、4GBのメモリーを内蔵し、ジュークボックス的に利用できる部分が目立ちます。
しかし、むしろ注目したいのは、音を強化するため225mmのツイステッドポートが装備されている点です。
小型機の難点をかなりの程度緩和できる工夫であり、音質面では、下位機種より強化されています。
第3に、ストリーミング配信に対応できつつ、音域も広い上級機としては、
【2021年発売】SC-PMX150-S後継機
9・パナソニック SC-PMX900-S
¥43,570 Amazon.co.jp (6/17執筆時)
ハイレゾ:対応
最大出力:60W×2
スピーカー:14cm+1.9cm+1.2cm
外部接続: Bluetooth Wi-Fi
コーデック:SBC
USBメモリ;対応
配信: ラジオ(FM)
高音域:★★★★★ 100kHz
低音域:★★★★★ 41Hz
高音域再生力 ★★★★★ 100kHz
低音域再生力 ★★★★★ 41Hz
アンプ性能 ★★★★★
ネットワーク ★★★★★
設置性の良さ ★★★★☆
総合評価 ★★★★★
パナソニックの SC-PMX900でしょう。
今回は、ミニコンポの場合、別記事より「パナソニック推し」が多いですが、実際、ほかの大手が体型的な開発を止めてしまったためです。
上位機から隙間なしに、入門機まで揃えるのはパナソニックくらいですので。
音質面では、下位機同様の3WAY式構成です。
低音域用の14cmのウーファー、中音域用の1.9cmのシルクドームツイーター、高音域用の1.2cmのスーパーソニックツイーターです。
低音域に迫力はあるのはもちろん、高音域のトゥイーターが別にあることで、ここまで「おすすめ」にしてきた製品より、1クラス上の実力はあるでしょう。
ハイレゾにも、向く構成です。
パーツ部分も、同社の高級オーディオラインの「テクニクス」と一部共通化されますし、「Tuned by Technics」である点も、付加価値です。
ネットワーク機能の部分も、本機は、Wi-Fiを搭載します。
2021年機と言うことで、ストリーミング配信の部分を含めて、仕様が「新しい」です。
定額音楽サービスは、とくに、自社アプリで対応できる部分ほか、AirPlay2とChromecast built-in対応するので、メジャーサービスにだいたい対応できます。
当分の間、この部分も「陳腐化しない」でしょう。
価格は、やや高額ですが、低音域の迫力は、先ほどのSONY機より良いです。
また、パナソニックは下位機種だとWi-Fiがないので、専ら、スマホを利用しての再生に利用するならば、少し予算を追加しても、本機を選ぶ価値がありそうです。
第4に、デスクサイドやキッチン用として、最も音質が期待できるコンパクトな機種は、
【2018年発売】
14・JVC コンポ EX-S55-T【茶】
15・JVC コンポ EX-S55-B【黒】
¥44,764 Amazon.co.jp (6/17執筆時)
ハイレゾ:対応
最大出力:25W×2 (4Ω)
スピーカー:8.5cm
外部接続: Bluetooth
コーデック:SBC
USBメモリ;対応
配信: ラジオ(FM)
高音域:★★★★☆ 40kHz
低音域:★★★★★ 30Hz
高音域再生力 ★★★★☆ 40kHz
低音域再生力 ★★★★★ 30Hz
アンプ性能 ★★★★☆
ネットワーク ★★★☆☆
設置性の良さ ★★★★★★
総合評価 ★★★★★
JVCのEX-S55-Tでしょう。
幅40cm×奥行30cmほどの設置スペースで設置できる小型機ですから。
先ほど書いたように、スピーカーは大きければ大きいほど良いわけではないです。
十分な幅が取れなかったり、近くで聴く場合は、小型スピーカーの方が、ステレオ感は得やすいです。
小型スピーカーにもかかわらず、スピーカー部分がかなり作り込まれているこちらの機種は、そういった用途に最も向く機種だと思います。
とくに1WAY方式のスピーカーは、2WAYと違って「ユニット間での音の受け渡し」がないため、歌のボーカルを含む中音域が割と充実します。
聴き疲れしにくい高級ミニコンポとして、非常に優秀だと思います。
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【2018年発売】
7・パナソニック SC-RS60-K
8・パナソニック SC-RS60-W
¥25,719 Amazon.co.jp (6/17執筆時)
ハイレゾ:対応
最大出力:40W×2
スピーカー:6.5cm+4cm
外部接続: Bluetooth2.1+EDR
コーデック:SBC
USBメモリ;対応
配信: ラジオ(FM)
高音域:★★★☆☆ 50kHz
低音域:★★★★☆
高音域再生力 ★★★☆☆ 50kHz
低音域再生力 ★★★★☆
アンプ性能 ★★★★☆
ネットワーク ★★★☆☆
設置性の良さ ★★★★★★
総合評価 ★★★★★
一方、JVCがやや「クラシック」に感じる場合は、パナソニックのSC-RS60です。
本体サイズは、幅45x高さ10.7x奥行24.5cmです。
設置スペースは見つけやすいでしょう。
スピーカーは、2ウェイ式ですが、やや小型です。
しかし、BOSE機を彷彿とさせる曲線型のツイステッドポートの採用で、この部分を緩和できています。
Bluetooth音源も、SBCですが、先述のように、MP3 リ.マスターである程度、アップコンバートはできるため、音質部分も良いかと思います。
ただ、コーン部分の工夫は、JVCのが「面白み」がありますし、おとも個性的だと思いますので、次点としました。
第6に、予算に余裕がある中で、音質重視で製品を選ぶとすると、
【2019年発売】
20・marantz CDレシーバー M-CR612/FN
21・marantz CDレシーバー M-CR612/FB
¥57,600 Amazon.co.jp (6/17執筆時)
・DALI SPEKTOR1
¥26,388 Amazon.co.jp (6/17執筆時)
ハイレゾ:対応
最大出力:60W×2(6Ω)
スピーカー:10cm+2.7cm
外部接続: Bluetooth Wi-Fi LAN 光
コーデック:SBC
USBメモリ;対応
配信: ラジオ(FM)
高音域再生力 ★★★★★
低音域再生力 ★★★★★
アンプ性能 ★★★★★
ネットワーク ★★★★★★
設置性の良さ ★★★★☆
総合評価 ★★★★★★
マランツのネットワークCDレシーバーをベースにする構成でしょう。
将来にわたって長く使えるという点で言えば、Wi-Fiを装備する上で、音楽ストリーミング配信に、しっかり対応していないと話になりません。
その点で言えば、アプリを介して、主要なサービスを網羅しているのは、デノンかマランツの機種ほどしか、セパレート型では選択肢がない感じです。
デノン機もありますが、音響的なパーツとノイズ対策の信頼性の部分で、やや本機が有利と判断しました。
先述のように、デンキヤでは、同系列のダリの ZENSOR 1や、その事実上の後継機であるSPEKTOR1 がセットされる場合が多いです。
この構成だとしっかり中音域も慣らしつつ、小型のシステムとしてとしては低音も出ていて、かなりよく感じます。
ただ、必ずしも、このスピーカーにする必要はないので、このブログの【小型スピーカーの比較記事】で、好きな音質のスピーカーを選んで、合わせてみるのも良いでしょう。
とくに、この構成では、スピーカー部分で、ハイレゾ音源に対応できないため、こだわりたい方は、【小型スピーカーの比較記事】で紹介している、ハイレゾ対応機を選びましょう。
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【ネットワークCDレシーバー】
【2023年発売】
22・DENON CEOL RCD-N12-W 【白】
23・DENON CEOL RCD-N12-K 【黒】
¥90,000 Amazon.co.jp (6/17執筆時)
【スピーカー・2本】(2018年)
・DENON CEOL SC-N10-WTEM 【白】
・DENON CEOL SC-N10-BKEM 【黒】
¥11,488 Amazon.co.jp (6/17執筆時)
ハイレゾ:対応
最大出力:80W×2(4Ω)
スピーカー:12cm+3cm
外部接続: Bluetooth Wi-Fi LAN 光
コーデック:SBC
USBメモリ;対応
配信: ラジオ(FM)
高音域:★★★★☆
低音域:★★★★☆
高音域再生力 ★★★★☆
低音域再生力 ★★★★★
アンプ性能 ★★★★★
ネットワーク ★★★★☆
設置性の良さ ★★★★☆
総合評価 ★★★★★
ただ、やや予算を抑えつつ、加えて、「低音域」を重視するならば、マランツの兄弟ブランドとなるDENONのセットが良いかと思います。
従来は、BOSEを推していましたが、並行輸入しか手に入りません。テクニクス機も良いですが、ミニコンポで10万超えは、ややバランスが悪く、上級者向きに思いました。
逆に、先ほど「おすすめ」にした、パナソニック3WAYほど「ゴツく」ないので、低音も重視したいが、外観も重視したい場合も、本機は良いかと思います。
本編で書いたように、HDMIとフォノ端子対応が不要ならば、旧機で構いません。
システム的に、本機はかなり小型と言えます。
70×30cmほどのスペースがあれば設置可能なミニシステムです。
しかし、大きめのウーファと、十分なアンプ出力で、低音域が「太い」DENONらしい音がします。
ハイレゾ音源には、アンプ側の仕様で対応水準にないのですが、CD音質までなら、問題なく、スペック通りの良音を得られます。
ネットワーク面も、Wi-Fi搭載で、マランツ同様に、主要なストリーミングサービスには対応できます。
補足:ミニコンポのオルタナティブ
というわけで、今回は、ミニコンポの比較でした。
最後に、ミニコンポ以外に「とり得る選択肢」について、補足しておきます。
1・小型スピーカーの比較
2・プリメインアンプの比較
3・ミニコンポの比較
4・PC用スピーカーの比較
5・Bluetoothスピーカーの比較
第1に、「CDの再生機能は不要で、スマホからだけ再生できれば良い!」とお考えならば、ミニコンポよりも、Bluetoothスピーカーを選ばれたほうが良いかもしれません。
これについては、上記5番のリンク記事で紹介しています。
第2に、オーディオ中級者のように、スピーカーとアンプを自分で組み合わせたい!とお考えならば、「プリメインアンプ」+「小型スピーカー」の構成を考えましょう。
もし、CDレシーバーが不要なら、こちらの方が同じ予算で、高音質なオーディオが入手できる可能性があります。
その場合、上記1番・2番の記事をご覧ください。合わせて5万円前後の予算から購入できるでしょう。
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最後になりましたが、今回の記事が皆さんのお役に立ったようならば幸いです。
ではでは。